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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-10
(45)【発行日】2022-06-20
(54)【発明の名称】撮像システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/232 20060101AFI20220613BHJP
   G03B 17/56 20210101ALI20220613BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20220613BHJP
   G03B 7/091 20210101ALI20220613BHJP
   G03B 17/00 20210101ALN20220613BHJP
【FI】
H04N5/232
G03B17/56 Z
G03B15/00 A
G03B7/091
H04N5/232 300
H04N5/232 939
G03B17/00 Q
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2018102515
(22)【出願日】2018-05-29
(65)【公開番号】P2019208131
(43)【公開日】2019-12-05
【審査請求日】2021-03-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100182936
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】工藤 広樹
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 一樹
(72)【発明者】
【氏名】国重 恵二
【審査官】▲徳▼田 賢二
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-064763(JP,A)
【文献】特開2013-003392(JP,A)
【文献】特開2011-223402(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/232
G03B 17/56
G03B 15/00
G03B 7/091
G03B 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
録音装置と、前記録音装置に接続され前記録音装置で集音された音声を動画音声として記録する撮像装置と、を含む撮像システムにおいて、
前記撮像装置は、
前記録音装置が前記撮像装置に接続されたことを検出する録音装置検出部と、
音声記録時の前記撮像装置における複数の録音条件を設定する設定制御部と、
前記設定された録音条件で音声を記録する音声記録制御部と、を備え、
前記設定制御部は、前記録音装置検出部により前記録音装置の接続が検出された場合に、前記録音条件を前記録音装置に対応した録音条件に設定する
ことを特徴とする撮像システム。
【請求項2】
前記録音装置検出部は、前記撮像装置のラインイン入力部に前記録音装置から特定の信号が入力されたことを検知して、前記録音装置が前記撮像装置に接続されたと検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像システム。
【請求項3】
前記録音装置は、接続された前記撮像装置から所定の指示を受信した場合に、該録音装置のライン出力部から前記特定の信号を出力する
ことを特徴とする請求項2に記載の撮像システム。
【請求項4】
前記録音装置検出部は、前記撮像装置のホットシューに接続された前記録音装置と通信して、前記録音装置に前記ライン出力部から前記特定の信号を出力するよう要求する
ことを特徴とする請求項3に記載の撮像システム。
【請求項5】
前記設定制御部は、前記録音装置の接続が検出された場合には、前記録音条件として、録音調整、マイクリミッター、風切音及びマイクプラグインパワーの少なくとも1つを固定して設定する
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像システム。
【請求項6】
前記設定制御部は、前記録音条件を設定するためのメニュー画面上で、前記固定して設定される録音条件を、他の録音条件と識別可能に表示する
ことを特徴とする請求項5に記載の撮像システム。
【請求項7】
前記設定制御部は、前記録音条件として、固定して設定される条件と変更可能な推奨条件を含む
ことを特徴とする請求項5に記載の撮像システム。
【請求項8】
前記設定制御部は、前記録音装置用の録音条件をまとめた録音装置用設定セットを記憶する記憶部から、前記録音装置用設定セットを読み出して、前記録音装置に対応した録音条件として、設定する
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像システム。
【請求項9】
前記音声記録制御部は、前記録音装置で集音され前記ラインイン入力部から入力された音声信号をデジタル記録し、
前記録音装置は、前記録音装置で集音された音声を前記音声記録制御部よりも高音質でデジタル記録する
ことを特徴とする請求項に記載の撮像システム。
【請求項10】
前記撮像装置は、さらに、ライブビュー画像を表示する表示部を有し、前記録音装置の電池残量表示、録音可能時間又はマイク指向性情報のうち少なくともひとつのステータス情報を前記ライブビュー画像上に表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像システム。
【請求項11】
前記撮像装置は、前記マイク指向性情報を撮影時の撮影画面または画角と関連付けて表示する
ことを特徴とする請求項10に記載の撮像システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICレコーダーにより取得された音声を動画音声として記録する撮像システムに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラ、特にデジタル一眼カメラでは、動画よりも高画素で高品位な静止画画質が求められるため、通常の動画用カメラよりもはるかに大型の撮像素子が搭載される。一方、近年では動画においても、HD→FHD→4K→8Kと高画素化が急速に進みつつあり、高品位な画質を保つためには、撮像素子の大型化は必須である。この為、光学ファインダーを主とするデジタル一眼レフから電子ビューファインダーを主とするミラーレス一眼へと移行するにつれて、静止画撮影のみならず動画撮影に対する要望が強くなってきている。
【0003】
他方、静止画撮影と異なり、動画撮影では、高品位な音の収録も重要な要素である。通常、デジタルカメラは自らがノイズ発生源でもあり、大きさの制限されたカメラの内蔵マイクならびにカメラ内蔵の音声処理回路では、高品位な音の収録の要望に応えることは容易でない。この為、通常はデジタルカメラに外部マイク入力端子を有し、高品位な音を採集できる専用の外部マイクの接続を可能にしている。
【0004】
一方、ICレコーダーと呼ばれる録音装置には、専用の高性能な音声処理回路と音声録音メモリを有する機種も少なくない。これらの高性能なICレコーダーは、音楽ライブの記録や楽器練習時の確認用途などに使われているが、近年、この高品質録音機能をドキュメンタリーやバードウォッチングなどの動画作品の製作において使用したいという強い要望がある。そこで、デジタル一眼カメラに接続されて、接続されたデジタル一眼カメラに高音質音声データを供することができる録音装置も提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-34440号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
デジタルカメラの内蔵マイクとICレコーダーでは、録音特性や録音条件に大きな相違があるので、ICレコーダーで集音する場合には、そのICレコーダーの仕様に合わせて、カメラの録音メニューの項目を最適な値に設定する必要がある。しかし、設定すべき録音条件の項目は、種々あり、設定にも時間がかかるため、ICレコーダーの利用を妨げる要因ともなっている。
【0007】
上記課題に鑑みて、本発明は、接続されたICレコーダーに対する設定が容易な撮像システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、録音装置と、前記録音装置に接続され前記録音装置で集音された音声を動画音声として記録する撮像装置と、を含む撮像システムにおいて、前記撮像装置は、前記録音装置が前記撮像装置に接続されたことを検出する録音装置検出部と、音声記録時の前記撮像装置における複数の録音条件を設定する設定制御部と、前記設定された録音条件で音声を記録する音声記録制御部と、を備え、前記設定制御部は、前記録音装置検出部により前記録音装置の接続が検出された場合に、前記録音条件を前記録音装置に対応した録音条件に設定する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、接続されたICレコーダーに対する設定が容易な撮像システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係る撮像システムの構成を示す図である。
図2A】撮像システムの主として電気的構成を示すブロック図である。
図2B】システム制御部の機能構成を示すブロック図である。
図3】ホットシューの端子配置の例を示す図である。
図4】システム制御部のハードウェア構成例である。
図5】撮像システムによる処理全体を説明するメインのフローチャートである。
図6】ホットシュー装着検出処理のサブルーチンである。
図7】ラインイン入力検出処理のサブルーチンである。
図8】ICレコーダー装着処理その1のサブルーチンである。
図9】ICレコーダー用セット有効処理のサブルーチンである。
図10】グレーアウト処理等されたメニュー画面の例である。
図11】グレーアウト処理のサブルーチンである。
図12】「ICレコーダー用セット」ライン接続なし処理のサブルーチンである。
図13】ICレコーダー装着処理2のサブルーチンである。
図14】各フラグをまとめた表である。
図15】ライブビュー表示処理のサブルーチンである。
図16A】ICレコーダーステータス表示処理のサブルーチンである。
図16B】ICレコーダーステータス表示処理のサブルーチンである。
図17】ICレコーダー緊急給電処理のサブルーチンである。
図18】電池残量表示メニューの例である。
図19】表示部に表示されるライブビュー画像の例である。
図20】カメラバッテリー情報とICレコーダーバッテリー情報の表示内容を説明する表である。
図21】指向性連動警告アイコンの内容を説明する表である。
図22】ICレコーダーのマイクの指向性グラフの例である。
図23】スレートトーン処理(その1)を説明するサブルーチンである。
図24】スレートトーン処理(その1)の「On1」の処理を示すタイミングチャートである。
図25】スレートトーン処理(その1)の「On2」の処理を示すタイミングチャートである。
図26】スレートトーン処理(その2)を説明するサブルーチンである。
図27】スレートトーン処理(その2)の「On2」処理を示すタイミングチャートである。
図28】動画撮影処理のサブルーチンである。
図29】録音レベル調整メニューの例である。
図30】マイク入力リミッターの設定メニューの例である。
図31A】ICレコーダー接続時に、各条件を設定するメニューの例である。
図31B】ICレコーダー接続時に、各条件を設定するメニューの例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面に従って本発明の実施形態を説明する。図1は、本実施形態に係わる撮像システム1の構成を示す図ある。撮像システム1は、カメラ10とICレコーダー300から構成されるシステムである。ここで、カメラ10は、カメラ本体100とレンズ部200からなる一眼レフデジタルカメラとして示す。なお、カメラ10は、レンズ固定式のカメラであってもよい。
【0012】
ICレコーダー300は、音声データをメモリに記憶する録音装置である。カメラ本体100の上部に備えられた外部フラッシュ取付用のホットシュー130に、ICレコーダー300が装着される。そして、カメラ本体100の右側面に備えられた音声入力用のラインイン入力部125とICレコーダー300がケーブルで接続され、ICレコーダー300集音された音声が、カメラ本体100に入力される。
【0013】
カメラ本体100の上面には、操作部119として、レリーズボタン119a、撮影モードダイヤル119bが配置されている。また、カメラ本体100の背面には、表示部120(不図示)が配置される。以上の構成により、ICレコーダー300で集音された音声がICレコーダー300で記録され、同時に、カメラ10で動画用音声として記録される。なお、カメラ10は撮像装置とも呼び、ICレコーダー300は録音装置とも呼ぶ。
【0014】
図2Aは、撮像システム1の主として電気的構成を示すブロック図である。レンズ部200は、撮影レンズ201、絞り機構202、液晶絞り203及び手ブレ補正レンズ204を有する。
【0015】
撮影レンズ201は、被写体像を結像させるための光学系である。撮影レンズ201は、ズーム光学系やフォーカス調整系を含んでもよい。絞り機構202及び液晶絞り203は、被写体光束の入射量を調整するものである。手ブレ補正レンズ204は、カメラ10に生じた手ブレを打ち消すように光軸に垂直な方向に移動するものである。
【0016】
また、レンズ部200は、手振れ補正制御部205、液晶絞り制御部206、絞り制御部207、レンズ制御部208、手振れ検出部209、操作部210及び通信制御部211を有する。
【0017】
手振れ補正制御部205は、手振れ量に応じて手ブレ補正レンズ204を光軸に垂直な方向への移動を制御する。透過率を変更する液晶絞り制御部206は、被写体光束の入射量調整のため、カメラ本体100からの指示に応じて、液晶絞り203を制御する。同様に、絞り制御部207は被写体光束の入射量調整のため、カメラ本体100からの指示に応じて、絞り機構202の開口量を制御する。ただし、絞り機構202は駆動音を発生する為、動画撮影中は無音の液晶絞り203で光量が調整される。
【0018】
レンズ制御部208は、カメラ本体100からのズーム移動やフォーカス調整の指示に応じて、撮影レンズ201に含まれる所定のレンズを移動させる。手振れ検出部209は、レンズ部200に加わる手ブレ量を検出する。操作部210は、レンズ部200に設けられたフォーカスのマニュアル調整ボタン等である。通信制御部211は、レンズ部200とカメラ本体100との通信を制御する。
【0019】
カメラ本体100は、システム制御部101を有する。システム制御部101は、カメラ10及びカメラ本体100を統括的に制御する制御部である。例えば、システム制御部101は、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)等を含むASIC(Application Specific Integrated Circuit:特定用途向け集積回路)で構成される。システム制御部101は、後述する不揮発性メモリ122に記憶されている所定の制御プログラムを読み込み、各種シーケンスを実行する。
【0020】
カメラ本体100は、撮像部105、AD変換部106、画像処理部107及びメモリ108を有する。撮像部105は、いずれも不図示の、シャッタ105a、撮像素子105b及び手振れ補正機構105cを有する。撮影レンズ201の光軸上に、シャッタ105aおよび撮像素子105bが配置される。
【0021】
シャッタ105aは、撮影レンズ201によって形成される被写体像の光束に対して開閉を行うものであり、公知のレンズシャッタやフォーカルプレーンシャッタ等によって構成される。
【0022】
撮像素子105bは、CMOSイメージセンサやCCDイメージセンサ等の二次元固体撮像センサであり、前面に配置されたベイヤ―配列のカラーフィルタと、このカラーフィルタに対応して配列されたフォトダイオード等の光電変換素子から構成される。各カラーフィルタとこれに対応する各光電変換素子から構成される画素群によって撮像領域が構成される。撮像素子105bは、撮影レンズ201により集光された光を各画素で受光し光電流に変換し、この光電流をコンデンサに蓄積し、アナログ電圧信号(画像信号)としてA/D変換部106に出力する。手振れ補正機構105cは、撮像素子105bを保持して、カメラ本体100で発生した手振れをキャンセルする方向に移動する。
【0023】
AD変換部106は、撮像素子105bで光電変換された画像信号をAD変換して、画像データとして、メモリ108に出力する。メモリ108は、A/D変換部106において得られた画像データや、画像処理部107において処理された画像データ等、各種データを一時的に記憶する。
【0024】
画像処理部107は、メモリ108に一時記憶された画像データを読み出し、この画像データに対して、ホワイトバランス補正処理、同時化処理、色変換処理等の画像処理を行う。さらに、画像処理部107は、後述する外部メモリ121に記録する際に画像圧縮を行い、また外部メモリ121から読み出した圧縮された画像データの伸張を行う。
【0025】
また、カメラ本体100は、撮像駆動制御部109、レンズ通信部110、手振れ検出部111、露出制御部112、AF制御部113、PC通信部114、無線通信部115を有する。
【0026】
撮像駆動制御部109は、撮像部105の各種動作制御及び駆動制御を行う。レンズ通信部110は、レンズ部200の通信制御部211と通信して、カメラ本体100とレンズ部200間のデータ通信を制御する。手振れ検出部111は、カメラ本体100の手ブレ量を検出する。
【0027】
露出制御部112は、メモリ108に一時記憶された画像データを用いて被写体輝度を算出する。なお、専用の測光センサを用いて被写体輝度を算出するようにしても勿論かまわない。
【0028】
AF(Auto Focus)制御部113は、メモリ108に一時記憶された画像データから高周波成分を抽出し、コントラスト値により合焦位置を検出する。PC通信部114は、接続されたPC(Personal Computer)とカメラ本体100との通信を制御する。PC通信部114は、例えば、USBインターフェースである。無線通信部115は、外部機器との無線通信(例えば、無線LANやブルートゥース(登録商標))を制御する。
【0029】
また、カメラ本体100は、ヘッドホン出力部116、電源部117、電源制御部118、操作部119、表示部120、外部メモリ121、不揮発性メモリ122、スピーカ123、内部マイク124、ラインイン入力部125、ホットシュー130及び外部機器制御部131を有する。
【0030】
ヘッドホン出力部116は、ヘッドホンに音声信号を出力するものである。電源部117は、カメラ本体100の各部の動作に必要な電力を供給する。電源部117は、例えば、2次電池等の電源電池で構成される。電源制御部118は、電源部117の電圧を所定電圧に制御して、各部へ電力を供給する。電源制御部118は、電源部117を構成する電池の電源電圧や残量検出を行う。
【0031】
操作部119は、撮影者の指示を入力する入力手段である。操作部119は、前述したレリーズボタン119a、撮影モードダイヤル119b、動画ボタン119c、十字ボタン119d、OKボタン119e、スレートトーン機能ボタン119f、各種入力キー等の操作部材を含む。動画ボタン119c、十字ボタン119d、OKボタン119e及びスレートトーン機能ボタン119fは、カメラ本体100の背面に配置される。
【0032】
レリーズボタン119aは、1stレリーズスイッチと2ndレリーズスイッチの2段スイッチを有している。レリーズボタン119aが半押しされると1stレリーズスイッチがオンとなり、半押しから更に押し込まれ全押しされると2ndレリーズスイッチがオンとなる。1stレリーズスイッチがオンとなると、システム制御部101は、AE処理やAF処理等撮影準備シーケンスを実行する。また2ndレリーズスイッチがオンとなると、システム制御部101は、静止画の撮影シーケンスを実行し、撮影を行う。
【0033】
動画ボタン119cは、動画撮影の実行を指示する。十字ボタン119dは、表示部120に表示されるメニュー画面等において項目や条件の選択を行い、OKボタン119eは、選択された条件を確定させる。なお、十字ボタン119dは、上下左右ボタンの4つのボタンから構成されるが、以下では、上ボタン、下ボタン、左ボタン及び右ボタンと略して表記する。
【0034】
表示部120は、ライブビュー表示や外部メモリ121に記録された撮影画像の再生表示を行い、さらに露出制御値等の表示や撮影モード等設定のためのメニュー画面の表示を行う。表示部120は、例えば、液晶モニタであるが、有機EL等のディスプレイでもよい。
【0035】
外部メモリ121は、例えば、カメラ本体100に着脱が自在な記憶媒体である。外部メモリ121には、画像処理部107において圧縮された画像データや、音声データおよびその付随データが記憶される。音声データは、動画音声として撮影画像と同期して記憶される。なお、画像データや音声データ等を記憶するための記憶媒体は、外部メモリ121に限らず、カメラ本体100に内蔵のハードディスク等の記憶媒体であってもよい。
【0036】
不揮発性メモリ122は、電気的に書き換え可能な不揮発性メモリである。不揮発性メモリ122には、カメラ10の動作に必要な各種パラメータやシステム制御部101において実行される制御プログラムが記憶される。後述するホットシュー接続フラグ等の各フラグのデータは、不揮発性メモリ122に記憶される。
【0037】
また、不揮発性メモリ122には、ICレコーダー300用の録音条件(録音調整、マイクリミッター等々)が記憶される。また、録音条件(録音調整、マイクリミッター等々)は、ICレコーダー300の種類に応じて、それぞれ記憶されてもよい。また、ICレコーダー300用の録音条件は複数あるので、これをまとめて録音装置用設定セットとして記憶されてもよい。
【0038】
スピーカ123は、警告音や動画記録された音声を出力する。内部マイク124は、音声を集音するために、カメラ本体100に内蔵されたマイクである。ラインイン入力部125は、ICレコーダー300や外部マイクから出力された音声信号を入力する入力部である。ラインイン入力部125には、外部マイク等の接続(挿入)を検出するためのラインインスイッチが設けられる。
【0039】
カメラ本体100は、フラッシュ発光部126、フラッシュ充電部127、内蔵フラッシュ制御部128を有する。フラッシュ発光部126は、例えば、キセノン(Xe)管等の発光管や反射傘を備える。フラッシュ発光部126は、内蔵フラッシュ制御部128から発光指示を受信して、フラッシュ充電部127のコンデンサに蓄積されたエネルギを利用して発光する。
【0040】
フラッシュ充電部127は、フラッシュ発光部126の発光を行うに必要なエネルギを蓄積する。フラッシュ充電部127は、電圧を昇圧する昇圧回路や、昇圧された電圧でエネルギを蓄積するコンデンサを有する。内蔵フラッシュ制御部128は、フラッシュ充電部127における充電動作、およびフラッシュ発光部126における発光動作を制御する。
【0041】
また、カメラ本体100は、ホットシュー130と外部機器制御部131を有する。ホットシュー130は、前述の通り、外部フラッシュやICレコーダー300等の外部機器を取り付けるための取付台である。
【0042】
外部機器制御部131は、ホットシュー130に装着された外部機器と通信して、外部機器を制御する。例えば、外部機器制御部131は、ホットシュー130に外部フラッシュが装着された場合には、外部フラッシュを制御する。また、外部機器制御部131は、ホットシュー130にICレコーダー300が装着された場合には、ICレコーダー300を制御する。
【0043】
図3は、ホットシュー130の端子配置の例を示す図である。ホットシュー130には、X端子130a、TXD端子130b、RXD端子130c、PWS端子130d及びSTR端子130eが設けられる。
【0044】
X端子130aは、接続されたフラッシュに発光トリガーを出力する発光トリガー端子である。TXD端子130bは、カメラ本体100から接続された外部機器(外部フラッシュやICレコーダー300)へデータを送信するデータ送信端子である。RXD端子130cは、接続された外部機器からのデータをカメラ本体100が受信するデータ受信端子である。PWS端子130dは、接続された外部機器に電源を供給する電源供給端子である。STR端子130eは、外部フラッシュが接続されたことを検出するフラッシュ接続検出端子である。
【0045】
システム制御部101は、画像処理部107~ラインイン入力部125、内蔵フラッシュ制御部128及び外部機器制御部131等と接続される。そして、システム制御部101は、撮影者が操作部119のいずれかの操作部材を操作すると、撮影者の操作に応じた各種シーケンスを実行する。
【0046】
図2Bは、システム制御部101の機能構成を示すブロック図である。システム制御部101は、音声記録制御部101a、外部機器検出部101b、設定制御部101c、電池残量表示制御部101d及びスレートトーン制御部101eを有する。
【0047】
音声記録制御部101aは、動画撮影時に音声記録を制御し、音声データを動画音声として外部メモリ121に記録する。音声記録制御部101aは、内部マイク124、ラインイン入力部125から入力された外部マイクあるいはICレコーダー300からの音声信号を、音声データとして外部メモリ121に記録する。音声記録制御部101aは、設定制御部101cで設定された録音条件等で音声処理し、所定の条件(サンプリング周波数、圧縮率等)でデジタル化して、外部メモリ121に記録する。
【0048】
外部機器検出部101bは、カメラ10に接続された外部機器の種類を検出する。具体的には、外部機器検出部101bは、ホットシュー130に装着された外部機器とホットシュー130の端子を介して通信して、外部機器の種類を検出する。外部機器検出部101bは、外部機器として、外部フラッシュあるいはICレコーダー300を特定する。加えて、外部機器検出部101bは、ラインイン入力部125にICレコーダー300のケーブルが接続された場合には、ICレコーダーの想定する使用上、ICレコーダー300が接続されたものと見なしてもよい。外部機器検出部101bの詳細は、図8のICレコーダー装着処理(1)及び図13のICレコーダー装着処理(2)で、説明する。なお、外部機器検出部101bは、録音装置検出部とも呼ばれる。
【0049】
設定制御部101cは、カメラ10にICレコーダー300が接続された場合に、所定の録音条件をICレコーダー300用に設定する。すなわち、設定制御部101cは、不揮発性メモリ122からICレコーダー300用の録音条件を読出し、設定する。また、設定制御部101cは、ICレコーダー300用の録音条件で、固定される項目(パラメータ)については、メニュー画面をグレーアウト処理する。グレーアウト処理により、撮影者は、ICレコーダー300用の録音条件で、変更不可の項目を容易に理解できる。
【0050】
電池残量表示制御部101dは、メニュー画面で選択された表示の種類に応じて、電池残量を表示する。表示の種類は、「電池残量%」、「電池残量に基づく動画撮影可能時間」または「『電池残量から換算した録音可能時間』又は『電池残量と記録メモリ残量から換算した時間』の少ない方の録音可能時間」等である。電池残量表示制御部101dについては、図16A図16Bで説明する。
【0051】
スレートトーン制御部101eは、スレートトーンの発生を制御する。スレートトーンとは、同一音源で記録された2つの音声記録データを編集する際の同期を取るために、音声に重畳(挿入)される信号である。カメラ10にICレコーダー300が接続された場合に、カメラ10では、音声記録制御部101aにより、ICレコーダー300で集音されラインイン入力部125から入力された音声信号が、動画音声データとして外部メモリ121にデジタル記録される。そして同時に、ICレコーダー300でも、集音された音声が外部メモリ308にデジタル記録される。撮影時に両音声データにスレートトーンを記録しておくことで、撮影後に、外部メモリ121の動画音声データをICレコーダー300の音声データに置き換えることが容易にできる。
【0052】
図4は、システム制御部101のハードウェア構成例である。システム制御部101は、CPU(Central Processing Unit)1000、RAM(Random Access Memory)1002、ROM(Read Only memory)1004、入出力IF(Interface)1006を有する。RAM1002によりメモリ108が構成される。ROM1004により不揮発性メモリ122が構成される。入出力IF(Interface)1006には、PC通信部114や外部メモリ121等が接続される。CPU1000、RAM1002、ROM1004、入出力IF1006は、バスライン1008で接続される。システム制御部101は、ROM1004から制御プログラムを読込んだCPU1000により実行されるソフトウェア処理によって、実現される。
【0053】
図2Aに戻る。ICレコーダー300は、システム制御部301、不揮発性メモリ302、操作部303、PC通信部304、無線通信部305、多チャンネルマイク306及びマイク処理部307を有する。
【0054】
システム制御部301は、ICレコーダー300を統括的に制御するものである。例えば、システム制御部301は、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)等を含むASIC(Application Specific Integrated Circuit:特定用途向け集積回路)で構成される。システム制御部301は、不揮発性メモリ302に記憶されている所定の制御プログラムを読み込み、各種シーケンスを実行する。
【0055】
また、システム制御部301は、集音された音声を設定された記録モードで、後述する外部メモリ308にデジタル記録する。通常、ICレコーダー300は集音品質の良いマイク、風切音低減などのノイズ音低減音声処理、ズーム録音機能、ハイレゾ(High-Resolution)対応のリニアPCM録音機能など、カメラ10に比べて格段に高機能で高音質な録音機能が搭載されている。
【0056】
不揮発性メモリ302は、電気的に書き換え可能な不揮発性メモリであり、ICレコーダー300の動作に必要な各種パラメータを記憶する。また、不揮発性メモリ302は、システム制御部301において実行される制御プログラムを記憶する。
【0057】
操作部303は、操作者の指示を入力する入力手段である。操作部303は、例えば、電源ボタン、録音ボタン、その他操作ボタンを含む。PC通信部304は、接続されたPC(Personal Computer)とICレコーダー300との通信を制御する。PC通信部304は、例えば、USBインターフェースである。無線通信部305は、外部機器とICレコーダー300との無線通信(例えば、無線LANやブルートゥース(登録商標))を制御する。
【0058】
多チャンネルマイク306は、集音のためのマイクであって、複数個のマイクから構成される。マイク処理部307は、多チャンネルマイク306で集音された音声信号を増幅等処理する。なお、システム制御部301は、マイク処理部307で処理された多チャンネルマイク306の各マイク信号を所定の比率でミックスすることで、多様な指向性を実現する。
【0059】
また、ICレコーダー300は、外部メモリ308、スピーカ309、ライン出力部310、電源部311、電源制御部312及び通信制御部313を有する。
【0060】
外部メモリ308は、例えば、ICレコーダー300に着脱自在に記憶媒体であり、音声データおよびその付随データが記憶される。なお、音声データ等を記憶するための記憶媒体は、着脱自在な外部メモリに限らず、ICレコーダー300に内蔵のハードディスク等の記憶媒体であってもかまわない。スピーカ309は、記憶された音声を再生する。ライン出力部310は、集音されアナログの音声信号を出力端子から外部装置(例えば、カメラ10)に出力する。
【0061】
電源部311は、ICレコーダー300の各部の動作に必要な電力を供給し、例えば、2次電池等の電源電池で構成される。電源制御部312は、電源部311の制御を行い、電源部311を構成する電池の電源電圧や残量を検出する。また、電源制御部312は、ホットシュー130を介して行われるカメラ本体100からICレコーダー300へ供給される電源の切換えを制御するとともに、通信制御部313は、ホットシュー130を介して行われるカメラ10との通信を制御する。
【0062】
図5は、撮像システム1による処理全体を説明するメインのフローチャートである。図5の処理は、主にカメラ10のシステム制御部101によって行われる。まず、処理全体の概要を説明する。
【0063】
システム制御部101は、ホットシュー装着検出処理を行う(ステップS10)。ホットシュー装着検出処理では、システム制御部101は、外部機器とホットシューを介した通信(ホットシュー通信とも呼ぶ)を行って、受信したデータから装着された外部機器を特定して、外部機器がICレコーダー300であるか否かを判断する。
【0064】
システム制御部230は、ラインイン入力検出処理を行う(ステップS20)。ラインイン入力検出処理では、システム制御部230は、カメラ10のラインイン入力部125に外部マイク等が接続されているか否かを判断する。
【0065】
システム制御部230は、ICレコーダー装着処理を行う(ステップS30)。ICレコーダー装着処理では、システム制御部230は、ICレコーダー300の装着を検出した後に、ICレコーダー300用のカメラ設定を行う。
【0066】
システム制御部230は、ライブビュー表示処理を行う(ステップS40)。ライブビュー表示処理では、システム制御部230は、ICレコーダーステータス表示処理やスレートトーン処理を行う。
【0067】
システム制御部230は、動画ボタン119cがオンされたかを判断する(ステップS42)。システム制御部230は、動画ボタン119cがオンされたと判断すると(ステップS42のYES)、動画撮影処理を行う(ステップS50)。
【0068】
システム制御部230は、動画ボタン119cがオンされていないと判断すると(ステップS52のNO)、1stレリーズがオンされたかを判断する(ステップS52)。システム制御部230は、1stレリーズがオンされていないと判断する(ステップS52のNO)、ステップS10に戻る。
【0069】
システム制御部230は、1stレリーズがオンされたと判断すると(ステップS52のYES)、2ndレリーズがオンされたかを判断する(ステップS54)。システム制御部230は、2ndレリーズがオンされていないと判断すると(ステップS54のNO)、ステップS10に戻る。システム制御部230は、2ndレリーズがオンされたと判断すると(ステップS54のYES)、静止画撮影処理を行う(ステップS56)。
【0070】
システム制御部230は、パワーオフ操作がされたかを判断する(ステップS58)。システム制御部230は、パワーオフ操作がされていないと判断すると(ステップS58のNO)、ステップS10に戻る。システム制御部230は、パワーオフ操作がされたと判断すると(ステップS58のYES)、終了処理を行う。
【0071】
次に、上述したメイン処理の詳細を説明する。まず、ステップS10のホットシュー装着検出処理を説明する。図6は、ホットシュー装着検出処理のサブルーチンである。
【0072】
外部機器検出部101bは、外部機器制御部131によって、ホットシュー130による通信を行う(ステップS100)。外部機器検出部101bは、通信結果によって、装着機器を判定する(ステップS102)。システム制御部101は、外部機器検出部101bによって、ホットシュー130に何も接続されていないかあるいは装着機器が不明と判定されると、ホットシュー接続Flag=0とする(ステップS104)。
【0073】
システム制御部101は、通信結果により、ホットシュー130に外部フラッシュが接続されたと判定すると、ホットシュー接続Flag=1とする(ステップS106)。システム制御部230は、通信結果により、ホットシュー130にICレコーダー300が接続されたと判定すると、ホットシュー接続Flag=2とする(ステップS108)。
【0074】
システム制御部101は、前回のホットシュー装着検出結果と比較して、ホットシュー接続Flagが変更したかを判断する(ステップS110)。システム制御部230は、ホットシュー接続Flagが変更していないと判断する(ステップS110のNO)、ホットシュー状態変更Flag=0とする(ステップS112)。システム制御部230は、ホットシュー接続Flagが変更したと判断する(ステップS110のYES)、ホットシュー状態変更Flag=1とする(ステップS114)。以上で、ホットシュー装着検出処理を終了して、図5のステップ20に進む。
【0075】
上述のように、ICレコーダー300の装着検出は、ICレコーダー300とカメラ10の通信によって行われる。通信の方法としては、
(1)ホットシュー130のU-ART端子により、外部機器制御部131により通信を行う方法、
(2)USB端子などのPC接続端子を介して、PC通信部114により通信を行う方法、
(3)Wi-Fiなどにより、無線通信部115により通信を行う方法などがある。
上記の説明では、(1)の例を説明したが、(1)に限るものではなく、本実施例の通信を、適宜(2)、(3)に置き換えて良い。
【0076】
次に、ステップS20のラインイン入力検出処理を説明する。図7は、ラインイン入力検出処理のサブルーチンである。システム制御部230は、ラインイン入力部125のラインインスイッチがオンであるかを判断する(ステップS200)。ラインイン入力部125の端子に外部マイクやICレコーダー300のケーブルが装着されると、ラインインスイッチがオンになる。
【0077】
システム制御部230は、ラインインスイッチがオフであると判断すると(ステップS200のOFF)、ラインイン状態Flag=0とする(ステップS202)。システム制御部230は、ラインインスイッチがオンであると判断すると(ステップS200のYES)、ラインイン状態Flag=1とする(ステップS204)。
【0078】
システム制御部230は、前回のラインイン入力検出結果と比較して、ラインイン状態フラグが変更されたかを判断する(ステップS206)。システム制御部230は、ラインイン状態フラグが変更されていないと判断すると(ステップS206のNO)、ラインイン状態変更Flag=0とする(ステップS208)。
【0079】
システム制御部230は、ラインイン状態Flagが変更したと判断する(ステップS206のYES)、ホットシュー状態変更Flag=1とする(ステップS210)。以上で、ラインイン入力検出処理を終了して、図5のステップ30に進む。
【0080】
次に、ステップS30のICレコーダー装着処理を説明する。ICレコーダー装着処理は、ICレコーダー300の装着を検出した後に、ICレコーダー300用のカメラ設定を行う処理である。
【0081】
また、ICレコーダー装着処理として、2例を説明する。図8は、ICレコーダー装着処理その1のサブルーチンである。システム制御部101は、ラインイン状態変更Flagを判定する(ステップS300)。
【0082】
システム制御部101は、ラインイン状態変更Flag=0であると判定すると、ホットシュー状態変更Flagを判定する(ステップS302)。システム制御部101は、ホットシュー状態変更Flag=0であると判定すると、本処理を終了して、図5のステップS40に進む。システム制御部101は、ホットシュー状態変更Flag=1と判定すると、ステップS304に進む。
【0083】
システム制御部101は、ラインイン状態変更Flag=1であると判定すると、ホットシュー接続Flagをチェックする(ステップS304)。システム制御部101は、ホットシュー接続Flag=0または1であると判定すると、本処理を終了して、図5のステップS40に進む。前述のように、ホットシュー接続Flag=0はホットシュー130に何も装着されない場合で、ホットシュー接続Flag=1はホットシュー130に外部フラッシュが装着された場合である。
【0084】
システム制御部101は、ホットシュー接続Flag=2であると判定すると、ラインイン状態Flagをチェックする(ステップS306)。前述のように、ホットシュー接続Flag=2は、ホットシュー130にICレコーダー300が装着された場合である。システム制御部101は、ラインイン状態Flag=0であると判定すると、本処理を終了して、ステップS40に進む。これは、ホットシュー130にICレコーダー300が装着されているが、ラインイン入力部125には、何も接続されていない状態である。
【0085】
システム制御部101は、ラインイン状態Flag=1であると判定すると、ホットシュー通信を行う(ステップS308)。システム制御部230は、外部機器制御部131によってホットシュー130に装着されたICレコーダー300と通信を行う。
【0086】
具体的には、システム制御部230は、ICレコーダー300に、ライン出力部310から所定の「ピン」信号を出力するよう要求する。「ピン」信号とは、カメラ10でICレコーダー300のライン出力部310がカメラ10のラインイン入力部125に接続されている状態であることを検出し、システム制御部230が対応してICレコーダー用セットを設定するための認証信号である。認証信号は、認証可能にするための特定周波数とか、振幅とか、波形の要素を持たせた信号である。図2Aでは便宜上ライン出力部310とラインイン入力部125は接続されているが、図1に示すように、ユーザーによってラインイン入力部125に接続されるものであり、必ずしもICレコーダー300が接続されている状態とは限らない。
【0087】
なお、認証信号として、ICレコーダー300を認証し、それに対応するICレコーダー用セットを設定するだけの信号だけでなく、さらに、この信号に最適に合わせると言うキャリブレーション機能を持たせるような構成にし、ICレコーダー用セットを生成するように構成しても良い。
【0088】
システム制御部101は、外部機器検出部101bによって、ラインイン入力部125で「ピン」信号を受信されたかを判断する(ステップS310)。
【0089】
システム制御部101は、ラインイン入力部125で「ピン」信号を受信したと判断すると(ステップS310のYES)、「ICレコーダー用セット」を有効に設定する(ステップS312)。なお、この場合には、システム制御部101は、ICレコーダーラインイン接続Flag=1とする。
【0090】
システム制御部230は、ICレコーダー用セット有効処理を行う(ステップS314)。「ICレコーダー用セット有効処理」は、ICレコーダー300を使う前提のカメラセットである「ICレコーダー用セット」を有効にする処理である。なお、有効・無効はメニューで手動でも設定できるので、「ピン」信号による自動検出システムに対応していないICレコーダー300でも対応できる。
【0091】
図9は、ICレコーダー用セット有効処理のサブルーチンである。設定制御部101cは、録音条件のうち、以下の条件をICレコーダー300用に設定する。以下の条件は、ICレコーダー300側で適切に設定されているからである。なお、前述のように、設定制御部101cは、不揮発性メモリ122から録音装置用設定セットを読み出して以下の設定をしてもよい。
【0092】
設定制御部101cは、録音レベル調整(外部マイク)を「±0」に固定する(ステップS400)。設定制御部101cは、マイク入力リミッターを「Off」に固定する(ステップS402)。設定制御部101cは、風切音低減を「Off」に固定する(ステップS404)。これらにより、録音レベルや録音割れを防止する録音リミット機能や風切音低減機能などはICレコーダー300側に一任される状態になる。また、ICレコーダー300がラインイン入力部125に接続されていることがわかっているので、外部マイクに電源を供給する必要がないと判断し、設定制御部101cは、マイクプラグインパワーを「Off」に固定する(ステップS406)。固定された各メニューは、設定を変更することはできない。
【0093】
設定制御部101cは、スレートトーンを「On1」に設定する(ステップS408)。設定制御部101cは、REC同期を「On」に設定する(ステップS410)。設定制御部101cは、固定メニューをグレーアウト処理する(ステップS412)。なお、スレートトーン及びREC同期については、設定を変更することができる。また、ステップS400~ステップS410の処理の順番は、任意でよい。以上のように、いずれのユーザーにとっても、またいずれの撮影シーンにおいて有益な設定であるものはユーザーが不用意に設定を変更することがないように、グレーアウトで固定し、そうでないものは、推奨設定した後でユーザーが任意に変更可能なように処理される。
【0094】
図10は、グレーアウト処理等されたメニュー画面の例である。図10のメニューME1は、メインメニュー画面でムービーメニューが選択された画面である。メニューME1で、最下段のムービー録音が選択され、十字ボタン119dの右ボタンがクリックされると、メニューME2に切換る。
【0095】
メニューME2で、「On」が選択されるとムービーファイルに音声が付加される設定となり、「Off」が選択されるとムービーファイルに音声が付加されない設定となる。メニューME2で「On」で右ボタンがクリックされると、「ムービー録音設定」の詳細設定画面に切換る。
【0096】
メニューME3は、通常(例えば、内蔵マイク使用時)のムービー録音設定画面である。また、メニューME4は、ICレコーダー300が接続された場合の録音設定画面で、上述のグレーアウト処理された画面である。メニューME4に示すように、「録音レベル調整」メニューt1、「マイク入力リミッター」メニューt2、「風切音低減」メニューt3及び「マイクプラグインパワー」メニューt4が、グレーアウトで表示される。
【0097】
また、メニューME4でICレコーダー接続t5が選択されると、ICレコーダー接続のメニュー画面であるメニューME5に切換る。メニューME5では、設定制御部101cによって、「スレートトーン」メニューt11と「REC同期」メニューt12がそれぞれOn1、Onに設定される。「スレートトーン」と「REC同期」の設定は、変更可能であるので、「スレートトーン」メニューt11と「REC同期」メニューt12は、グレーアウト処理はされない。
【0098】
メニューME5の「マイク指向性連動」メニューt13は、カメラ10の画角にマイク指向性を連動するか否かの設定である。マイク指向性連動については、図19等で後述する。「ICレコーダー給電」メニューt14は、カメラ10からICレコーダー300への給電を行うか否かの設定である。ICレコーダー給電については、図17で後述する。
【0099】
図11は、グレーアウト処理のサブルーチンである。設定制御部101cは、「録音レベル調整」メニューt1をグレーアウトに表示する(ステップS450)。設定制御部101cは、「マイク入力リミッター」メニューt2をグレーアウトに表示する(ステップS452)。設定制御部101cは、「風切音低減」メニューt3をグレーアウトに表示する(ステップS454)。設定制御部101cは、「マイクプラグインパワー」メニューt4をグレーアウトに表示する(ステップS456)。なお、ステップS450~ステップS456の処理の順番は、任意でよい。
【0100】
図8のS310に戻る。システム制御部230は、ラインイン入力部125で「ピン」信号を受信していないと判断すると(ステップS310のNO)、「ICレコーダー用セット」ライン接続なし処理を行う(ステップS316)。ICレコーダー300がホットシュー130に装着されているが、ラインインには外部マイクが接続されているような場合である。この場合には、システム制御部101は、ICレコーダーラインイン接続Flag=0とする。
【0101】
図12は、「ICレコーダー用セット」ライン接続なし処理のサブルーチンである。システム制御部230は、スレートトーンを「On2」に設定する(ステップS460)。スレートトーン「On2」については、図25で後述する。
【0102】
次に、ICレコーダー装着処理2を説明する。ICレコーダー装着処理1では、ホットシュー130にICレコーダー300が装着された場合に、更にICレコーダー300がラインイン入力部125に接続されているかをピン信号で確認する処理をした。対して、ICレコーダー装着処理2は、ホットシュー130にICレコーダー300が装着された場合には、ICレコーダー300がラインイン入力部125に接続されているとみなして、ICレコーダー装着処理1を簡素化した処理を行うものである。
【0103】
図13は、ICレコーダー装着処理2のサブルーチンである。システム制御部101は、ホットシュー接続Flagをチェックする(ステップS470)。システム制御部101は、ホットシュー接続Flag=0または1と判定すると、本処理を終了する。システム制御部101は、ホットシュー接続Flag2と判定すると、ICレコーダー用セットを「有効」に変更し(ステップS472)、ICレコーダー用セットの有効処理を行う(ステップS474)。ICレコーダー用セットの有効処理は、図9で説明済であるので、詳細は省略する。なお、図6図8で説明した各フラグをまとめて図14の表に示す。
【0104】
図5に戻る。システム制御部101は、ステップS30のICレコーダー装着処理の後、ライブビュー表示処理を行う(ステップS40)。
【0105】
図15は、ライブビュー表示処理のサブルーチンである。システム制御部101は、ICレコーダーステータス表示処理を行う(ステップS500)。
【0106】
図16A及び図16Bは、ICレコーダーステータス表示処理のサブルーチンである。なお、以下の処理では、システム制御部101は、ホットシュー130のTXD端子130bによりICレコーダー300にデータを送信し、RXD端子130cによりICレコーダー300からデータを受信し、必要に応じてPWS端子130dによりICレコーダー300へ給電を行う。
【0107】
外部機器検出部101bは、外部機器制御部131により、ホットシュー通信を行う(ステップS600)。システム制御部101は、外部機器検出部101bによって、外部機器としてICレコーダー300が検出されたかを判断する(ステップS602)。システム制御部101は、外部機器としてICレコーダー300が検出されないと判断すると(ステップS602のNO)、ICレコーダーステータス表示処理を終了する。
【0108】
システム制御部101は、外部機器としてICレコーダー300が検出されたと判断すると(ステップS602のYES)、ICレコーダー300から、ICレコーダー300の電池残量(%)を取得する(ステップS604)。ICレコーダー300から送信される電池残量(%)は、ICレコーダー300の表示部(不図示)に表示される情報である。
【0109】
システム制御部101は、ICレコーダー緊急給電処理を行う(ステップS606)。図17は、ICレコーダー緊急給電処理のサブルーチンである。システム制御部101は、ICレコーダー給電メニューが設定されているかを判断する(ステップS670)。なお、ICレコーダー給電の可否は、前述した図10のメニューME5の「ICレコーダー給電」メニューt14で設定される。
【0110】
システム制御部101は、ICレコーダー給電が設定されていると判断すると(ステップS670のYES)、取得した電池残量(%)によって、ICレコーダー300の電池残量が限界値であるかを判断する(ステップS672)。限界値とは、例えば、電池残量が10%以下の場合である。システム制御部101は、ICレコーダー300の電池残量が限界値であると判断すると(ステップS672のYES)、ホットシュー130のPWS端子130dから給電を行う(ステップS674)。具体的には、電源制御部118が、ICレコーダー300に給電を行う。
【0111】
システム制御部101は、ICレコーダー給電メニューが設定されていない(Off)と判断すると(ステップS670のNO)、PWS端子130dからの給電を行わない(ステップS676)。同様に、システム制御部101は、ICレコーダー300の電池残量が限界値でないと判断すると(ステップS672のNO)、PWS端子130dからの給電を行わない(ステップS676)。
【0112】
図16Aに戻る。システム制御部101は、カメラ10からICレコーダー300へ給電しているかを判断する(ステップS608)。ICレコーダー300がカメラ10から給電されていない場合には(ステップS608のNO)、システム制御部101は、電池残量から換算された録音可能時間(第1の録音可能時間と称す)の送信を、ICレコーダー300に指示する。システム制御部101は、電池残量から換算された録音可能時間を、ICレコーダー300から取得する(ステップS610)。
【0113】
システム制御部101は、ICレコーダー300に、電池残量から換算した録音可能時間と記録メモリ(外部メモリ308)残量から換算した録音可能時間のうち、少ない方の録音可能時間(第2の録音可能時間と称す)をカメラ10に送信するよう指示する。システム制御部101は、少ない方の録音可能時間(第2の録音可能時間)をICレコーダー300から取得する(ステップS612)。
【0114】
電池残量表示制御部101dは、ICレコーダー電池残量表示メニューの設定に応じて、ICレコーダー電池残量表示を行う(ステップS614)。
【0115】
電池残量表示制御部101dは、ICレコーダー300から取得した電池残量(%)の表示(ステップS616)、又はICレコーダー300から取得した電池残量から換算された録音可能時間の表示(ステップS618)、又はICレコーダー300から取得した録音可能時間(電池残量から換算した録音可能時間と記録メモリ残量から換算した録音可能時間のうち、少ない方の時間)の表示(ステップS620)のいずれかを行う。
【0116】
システム制御部101は、カメラ10からICレコーダー300に給電されていると判断すると(ステップS608のYES)、ICレコーダー300に録音可能時間として「NONE」を送信するよう指示する。システム制御部101は、「NONE」をICレコーダー300から取得する(ステップS622)。
【0117】
さらに、システム制御部101は、ICレコーダー300に、記録メモリ(外部メモリ308)残量から換算した録音可能時間を送信するよう指示する。システム制御部101は、記録メモリ残量から換算した録音可能時間をICレコーダー300から取得する(ステップS624)。図16Bに進む。
【0118】
電池残量表示制御部101dは、ICレコーダー電池残量表示メニューの設定に応じて、以下の表示を行う(ステップS630)。なお、カメラ10の消費電力がICレコーダー300の消費電力に比べて十分に大きいので、ICレコーダー300への給電中には、(カメラ10+ICレコーダー300)における電池残量(%)は、カメラ10単独の電池残量(%)とみなすことができる。また、(カメラ10+ICレコーダー300)における電池残量から換算した動画撮影可能時間も、同様に、カメラ10単独の電池残量から換算した動画撮影可能時間とみなすことができる。
【0119】
電池残量表示制御部101dは、カメラ10での電池残量(%)の表示(ステップS632)、又はカメラ10の動画撮影可能時間(電池残量から換算した)の表示(ステップS634)、又はICレコーダー300の記録メモリ残量による録音可能時間と、カメラ10の電池残量から換算した動画撮影可能時間のうち、少ない方の表示(ステップS636)のいずれかを行う。
【0120】
図18は、電池残量表示メニューの例である。なお、図18は、カメラ10からICレコーダー300に給電されない場合の電池残量表示メニューの例である。また、カメラ10からICレコーダー300に給電される場合の電池残量表示メニューも、基本的には図18と同様であるので、図示は省略する。
【0121】
メニューME10は、図10のメニューME1と同じ画面である。メニューME10で、動画表示設定が選択され右ボタンがクリックされると、メニューME11に切換る。メニューME11で、カメラ電池残量表示が選択され右ボタンがクリックされると、電池残量(%)の表示に設定する画面(メニューME12)に切換る。メニューME12で、OKボタン119eがクリックされると、電池残量が%で表示される。なお、本例は、カメラ10にパワーバッテリーホルダが装着されている場合である。
【0122】
メニューME12で下ボタンがクリックされると、電池残量を動画撮影可能時間に換算した表示に設定する画面(メニューME13)に切換る。動画撮影可能時間は、カメラとパワーバッテリーホルダ合計の電池残量から換算された時間である。
【0123】
メニューME11で下ボタンでICレコーダー電池残量表示が選択されると、メニューME14に切換る。メニューME14で、右ボタンがクリックされると、検出されたICレコーダー300の電池残量を%表示に設定する画面(メニューME15)に切換る。これは、ステップS616で説明した電池残量(%)表示である。
【0124】
メニューME15で下ボタンが押下されると、ICレコーダーの電池残量を録音可能時間に換算した表示に設定する画面(メニューME16)に切換る。すなわち、メニューME16では、ICレコーダーの電池残量として、ステップS618で説明した第1の録音可能時間の表示が設定される。
【0125】
さらに、メニューME16で下ボタンがクリックされるか、あるいはメニューME15で上ボタンがクリックされると、検出されたICレコーダーの電池残量と記録メモリ残量から換算された録音可能時間のうち少ない方の録音可能時間が表示される(メニューME17)すなわち、メニューME17では、ICレコーダーの電池残量として、ステップS620で説明した第2の録音可能時間の表示が設定される。
【0126】
図16Bに戻る。システム制御部101は、マイク指向性連動メニューが設定されているかを判断する(ステップS640)。マイク指向性連動メニューとは、カメラ10の画角に応じて、ICレコーダー300の指向性を連動させるか否かを設定するメニューである。マイク指向性連動メニューの詳細は、図31Bで後述する。
【0127】
システム制御部101は、マイク指向性連動メニューが設定されていないと判断すると(ステップS640のNO)、連動警告アイコンを表示部120の画面に表示しないで(ステップS646)、ステップS648に進む。
【0128】
システム制御部101は、マイク指向性連動メニューが設定されていると判断すると(ステップS640のYES)、ホットシュー130からICレコーダー300にカメラ10の画角を送信する(ステップS642)。また、システム制御部101は、連動警告アイコンを表示部120の画面に表示する(ステップS644)。連動警告アイコンは、図19で説明する。
【0129】
また、ICレコーダー300のシステム制御部301は、カメラ10からマイク指向性連動指示と画角が送信されてきた場合には、送信された画角に応じたマイク指向性を設定する。ICレコーダー300のシステム制御部301は、ホットシュー130からマイク指向性データをカメラ10に送信する。システム制御部101は、ICレコーダー300からマイク指向性データを取得する(ステップS648)。システム制御部101は、表示部120の画面上に指向性dBデータを表示する(ステップS650)。
【0130】
図19は、表示部120に表示されるライブビュー画像D1の例である。ライブビュー画像には、ICレコーダー300のステータス情報として、電池残量表示、録音可能時間又はマイク指向性情報のうち少なくともひとつの情報が表示される。ライブビュー画像D1の左上に、カメラバッテリー情報d1とICレコーダーバッテリー情報d2が表示される。図19のカメラバッテリー情報d1は、パワーバッテリーホルダが装着された状態で、電池残量に基づく動画撮影可能時間が90分であることを示す。カメラバッテリー情報d1とICレコーダーバッテリー情報d2は、電池残量表示制御部101dによって表示される。
【0131】
ICレコーダー300へ給電されていない場合には、カメラバッテリー情報d1として、カメラ10単独での「電池残量に基づく動画撮影可能時間」または「電池残量(%)」のいずれかが、電池残量表示メニューで選択されて表示される。システム制御部101は、電源制御部118により検出された電源部117(パワーバッテリーホルダを含む)の電池残量から、「電池残量に基づく動画撮影可能時間」又は「電池残量(%)」を算出する。
【0132】
また、図16Aで説明したように、ICレコーダー300へ給電されていない場合には、ICレコーダーバッテリー情報d2として、「電池残量%」、「電池残量から換算した録音可能時間」又は「電池残量から換算した録音可能時間と記録メモリ残量から換算した録音可能時間のうち、少ない方の録音可能時間」のいずれかが表示される。図19のICレコーダーバッテリー情報d2は、ICレコーダー300で動画撮影可能時間が1490時間あること示す。
【0133】
ICレコーダー300へ給電されている場合には、カメラバッテリー情報d1として撮像システム1(カメラ10とICレコーダー300)全体の「電池残量%」又は「電池残量から換算した動画撮影可能時間」が表示される。システム制御部101は、電源制御部118により検出された電源部117(パワーバッテリーホルダを含む)の電池残量から、「電池残量%」や「電池残量に基づく動画撮影可能時間」を算出する。
【0134】
また、図16Bで説明したように、ICレコーダー300へ給電されている場合には、カメラ10の電源が支配的になる為、ICレコーダーバッテリー情報d2として、カメラ10での「電池残量%」、カメラ10の「電池残量から換算した動画撮影可能時間」、または「ICレコーダー300の記録メモリ残量による録音可能時間と、カメラ10の電池残量による動画撮影可能時間のうち、短い方」の、いずれかが表示される。なお、ICレコーダー300へ給電されている場合には、カメラバッテリー情報d1とICレコーダーバッテリー情報d2が、同一になる。
【0135】
システム制御部101は、電源制御部118により検出された電源部117(パワーバッテリーホルダを含む)の電池残量、及び予め記憶されたICレコーダー300の消費電力値に基づき、カメラ10+ICレコーダー300の「電池残量に基づく動画撮影可能時間」や「電池残量%」を算出する。
【0136】
図20は、カメラバッテリー情報d1とICレコーダーバッテリー情報d2の表示内容例を説明する表である。カメラバッテリー情報d1では、パワーバッテリーホルダが付帯されている場合には、「PBH」が付記される。「カメラ本体内」は、パワーバッテリーホルダが付帯されていない場合であり、「PBH」は付記されない。
【0137】
図19の右上のマークd3は、指向性連動警告アイコンである。また、マークd4は、ズームリングの回転方向を示す表示である。マークd5は、ズームレンズの焦点距離を示す。
【0138】
図21は、指向性連動警告アイコンの内容を説明する表である。撮影者は、マークd3の表示の有無で、ICレコーダー300のマイク指向性がカメラ10の画角変更に連動する設定になっているか否かを、判断することができる。
【0139】
また、図19のグラフd6は、カメラ10の画角とICレコーダー300のマイク指向特性の関係を示すグラフである。グラフd6のセンタが撮影位置である。マークd7は、カメラの画角による撮影範囲を示す。マークd8は、マイクの指向性を示すカーブである。なお、指向性連動警告アイコンやマイク指向特性を、マイク指向性情報とも呼ぶ。
【0140】
図19のd11~d18は、画面中央のd10を基準(0dB)とした場合の、各位置での相対的なマイクの指向感度である。d11は、画面中央右端におけるマイク指向感度である。マイク指向感度が、画面中央右端の位置では、中央値(0dB)に比べて、-0.3dB低下することを示す。d12は、画面中央右側で画面外の2倍の画角でのマイクの指向感度である。この位置では、マイク指向感度が、中央値(0dB)に比べて、-3dB低下することを示す。
【0141】
d13は、画面中央左端でのマイクの指向感度である。d14は、画面中央左側で画面外の2倍の画角でのマイクの指向感度である。d15は、画面中央上端でのマイクの指向感度である。d16は、画面中央上側で画面外の2倍の画角でのマイクの指向感度である。d17は、画面中央下端でのマイクの指向感度である。d18は、画面中央下側で画面外の2倍の画角でのマイクの指向感度である。以上のようにして、ユーザーは撮影画面に対比して、集音マイクの集音方向と範囲が適切であるかを直感的に認識することが可能となる。
【0142】
図22は、ICレコーダー300のマイクの指向性グラフの例である。d7とd8は、図19と同様に、カメラの画角による撮影範囲と指向性のカーブを示す。左のグラフが、無指向性のカーブである。中央のグラフが、単一指向性のカーブである。右のグラフが、双指向性のカーブである。
【0143】
図15に戻る。システム制御部101は、スレートトーン処理を行う(ステップS502)。図23は、スレートトーン処理(その1)を説明するサブルーチンである。システム制御部230は、スレートトーン機能ボタン119fが押下されたかを判断する(ステップS700)。システム制御部101は、スレートトーン機能ボタン119fが押下されていないと判断すると(ステップS700のNO)、スレートトーン処理(その1)を終了する。
【0144】
システム制御部230は、スレートトーン機能ボタン119fが押下されたと判断すると(ステップS700のYES)、スレートトーン制御部101eは「スレートトーン」メニューの設定に応じて、対応する以下の処理を行う(ステップS702)。「スレートトーン」メニューの具体例は、図31Aで説明する。
【0145】
スレートトーン制御部101eは、「スレートトーン」メニューの設定がオフ(Off)の場合には、スレートトーン処理を終了する。スレートトーン制御部101eは、「スレートトーン」メニューの設定が「On1」の場合には、ホットシュー130のTXD端子130bからスレートトーンコマンド1をICレコーダー300に送信する(ステップS704)。「On1」は、ICレコーダー側がスレートトーンを出力するモードである。
【0146】
図24は、スレートトーン処理(その1)の「On1」の処理を示すタイミングチャートである。カメラ10でスレートトーン機能ボタン119fが押下されると、TXD端子130bからスレートトーンコマンド1がICレコーダー300に送信される。ICレコーダー300の通信制御部313はスレートトーンコマンド1を受信する。ICレコーダー300のシステム制御部301は、スレートトーンコマンド1のエンドビットに同期してスレートトーン(ビープ音とも称す)を発生させる。
【0147】
ICレコーダー300のシステム制御部301は、発生させたスレートトーンをICレコーダー300に記録する音声データに挿入する。同時に、システム制御部301は、発生させたスレートトーンをライン出力部310からカメラ10に出力する音声信号にも挿入する。
【0148】
カメラ10のラインイン入力部125の端子に、スレートトーンが挿入された音声信号が入力される。これにより、カメラ10の音声記録制御部101aによって記録される動画音声のデータに、スレートトーンが挿入される。これにより、後の編集工程で、このスレートトーンに同期させて、例えばICレコーダー300で記録されている高品質のPCM録音データをカメラ10の動画音声データに置き換えをすることで、時間ずれのない高音質音声への置換えが容易にできる。
【0149】
また、カメラ10がスレートトーンを手軽に発生させる方法として、スレートトーン機能ボタン119fが押されると、カメラがスピーカ123からビープ音を発音するように構成しても良い。スレートトーン処理(その1)の「On2」がその例である。図25は、スレートトーン処理(その1)の「On2」の処理を示すタイミングチャートである。システム制御部101は、カメラ10でスレートトーン機能ボタン119fが押下されたことを検知すると、スレートトーン制御部101eは、カメラのスピーカ123からスレートトーンを出力する(ステップS706)。これにより、カメラ10及びICレコーダー300の両方で、カメラのスピーカ123から発せられたスレートトーンが記録される。
【0150】
カメラ10は、内部マイク124、またはラインイン入力部125に接続された外部マイクを通じて自ら発生したビープ音を動画に録音する。もちろん、内部マイク124やラインイン入力部125を経由することは必須ではなく、直接録音しても良い。「On2」の処理によれば、ICレコーダー300がカメラ10に接続されていない場合でも、ICレコーダー300がスレートトーンを録音することが可能になる。
【0151】
図26は、スレートトーン処理(その2)を説明するサブルーチンである。システム制御部101は、スレートトーン機能ボタン119fが押下されたかを判断する(ステップS720)。システム制御部230は、スレートトーン機能ボタン119fが押下されていないと判断すると(ステップS720のNO)、スレートトーン処理(その2)を終了する。
【0152】
システム制御部101は、スレートトーン機能ボタン119fが押下されたと判断すると(ステップS720のYES)、スレートトーン制御部101eは「スレートトーン」メニューの設定に応じて、対応する以下の処理を行う(ステップS722)。システム制御部101は、「スレートトーン」メニューの設定がオフ(Off)の場合には、スレートトーン処理(その2)を終了する。
【0153】
スレートトーン制御部101eは、「スレートトーン」メニューの設定が「On1」の場合には、ホットシュー130のTXD端子130bからスレートトーンコマンド1をICレコーダー300に送信する(ステップS724)。ステップS724による処理は、図23のステップS704と同じであるので、説明は省略する。
【0154】
スレートトーン制御部101eは、「スレートトーン」メニューの設定が「On2」の場合には、ホットシュー130のTXD端子130bからスレートトーンコマンド2をICレコーダー300に送信する(ステップS726)。
【0155】
図27は、スレートトーン処理(その2)の「On2」処理を示すタイミングチャートである。スレートトーン制御部101eは、スレートトーン機能ボタン119fが押下されると、TXD端子130bからスレートトーンコマンド2をICレコーダー300に送信する。ICレコーダー300のシステム制御部301は、スレートトーンコマンド2を受信すると、そのエンドビットに同期してスレートトーン(ビープ音)波形を生成する。
【0156】
システム制御部301は、生成したスレートトーンを集音した音声信号に挿入して、外部メモリ308に録音する。また、カメラ10のスレートトーン制御部101eも、スレートトーンを生成し、ICレコーダー300から出力された音声信号(スレートトーンは挿入されていない)に、生成したスレートトーンを挿入して、外部メモリ121に録音する。
【0157】
スレートトーン処理(その2)は、カメラ10が、実際に発音する代わりにスレートトーンコマンド2をICレコーダー300に発する例である。スレートトーン処理(その1)のOn2の処理は、コンサート会場など大きな音声が流れる環境では、カメラのスピーカで発音したスレートトーンが有効に記録できない場合もある。対して、スレートトーン処理(その2)は、実際の音をスレートトーンに使用する方式ではないので、騒音の大きな環境でも対応できる。
また、スレートトーンコマンド2は、TXD端子130bを経由して送信すると説明したが、これにかぎることはなく、無線で送信してもよい。スレートトーンコマンド1は有線接続を前提としているが、スレートトーンコマンド2は、有線無線いずれでもよい。
【0158】
図15に戻る。システム制御部101は、その他のライブビュー表示処理を行い(ステップS504)、図5のメインフローに戻る。
【0159】
システム制御部101は、動画ボタン119cがオンされたかを判断する(ステップS42)。システム制御部101は、動画ボタン119cがオンされていないと判断すると(ステップS42のNO)、ステップS52に進む。システム制御部101は、動画ボタンがオンされたと判断すると(ステップS42のYES)、動画撮影処理を行う(ステップS50)。
【0160】
図28は、動画撮影処理のサブルーチンである。システム制御部101は、ICレコーダーステータス表示処理を行う(ステップS800)。ICレコーダーステータス表示処理は、図16A及び図16Bで説明した処理である。
【0161】
次に、システム制御部101は、スレートトーン処理を行う(ステップS802)。スレートトーン処理は、図23図27で説明した処理である。システム制御部101は、その他の動画撮影処理を行う(ステップS804)。図5のメインフローに戻る。
【0162】
システム制御部101は、1stレリーズがオンされたかを判断する(ステップS52)。システム制御部101は、1stレリーズがオンされていないと判断すると(ステップS52のNO)、ステップS10に戻る。システム制御部101は、1stレリーズがオンされたと判断すると(ステップS52のYES)、2ndレリーズがオンされたかを判断する(ステップS54)。システム制御部101は、2ndレリーズがオンされていないと判断すると(ステップS54のNO)、ステップS10に戻る。
【0163】
システム制御部101は、2ndレリーズがオンされたと判断すると(ステップS54のYES)、静止画撮影処理を行う(ステップS56)。システム制御部101は、パワーオフの指示がされたかを判断する(ステップS58)。システム制御部101は、パワーオフの指示がされていないと判断すると(ステップS58のNO)、ステップS10に戻る。システム制御部101は、パワーオフの指示がされたと判断すると(ステップS58のYES)、終了処理を行う
【0164】
次に、カメラ10の表示部に表示されるメニュー表示例を説明する。図29は、録音レベル調整メニューである。ムービー録音設定メニュー(メニューME20)で、録音レベル調整が選択され、右ボタンがクリックされると、録音レベル調整メニュー(メニューME21)に切換る。録音レベル調整メニューで内蔵マイクが選択され右ボタンがクリックされると、内蔵マイク録音レベル調整メニュー(メニューME22)に切換る。マイク録音レベルの設定値d20は、設定された録音レベルの値である。十字ボタン119dの操作によって、マイク録音レベルd21の+10~-10間で、録音レベルを設定する。
【0165】
また、レベルバーd22は、実際のマイクからの音レベルを動的に示す。バー表示の先頭セグメントは音圧の最高レベルを示す。レベルバーd22で、先頭セグメントは、音圧が小さくなっても所定時間そこにとどまる。レベルバーd22を見ながら、音が小さすぎないか、大きすぎて音割われしていないかを判断し、十字ボタン(上・下)119dを押しながら、マイク録音レベルが適正な値に設定される。
【0166】
録音レベル調整メニュー(メニューME21)で、下ボタンがクリックされると、外部マイクに切換る(メニューME23)。録音レベル調整メニュー(メニューME23)で、右ボタンがクリックされると、外部マイク録音レベル調整メニュー(メニューME24)に切換る。メニューME24に表示されるマイク録音レベルの設定値d20等は、内蔵マイク録音レベル調整メニュー(メニューME22)と同じである。
【0167】
図30は、マイク入力リミッターの設定メニューである。ムービー録音設定メニュー(メニューME30)で、マイク入力リミッターが選択され、右ボタンがクリックされると、マイク入力リミッターをオンに設定するメニュー(メニューME31)に切換る。OKボタン119eがクリックされると、マイク入力リミッターがオンに設定される。メニューME31で下ボタンがクリックされると、マイク入力リミッターメニューをオフに設定するメニュー(メニューME32)に切換る。
【0168】
図31A及び図31Bは、ICレコーダー接続時に、各条件を設定するメニューである。ムービー録音設定メニュー(メニューME40)で、ICレコーダー接続が選択され、右ボタンがクリックされると、ICレコーダー接続メニュー(メニューME41)に切換る。
【0169】
ICレコーダー接続メニュー(メニューME41)で、「ICレコーダー用セット」メニューt10が選択され、右ボタンがクリックされると、ICレコーダー用セットを無効に設定するメニューME42に切換る。メニューME42で下ボタンがクリックされると、ICレコーダー用セットを有効に設定するメニューME43に切換る。
【0170】
また、ICレコーダー接続メニュー(メニューME44)で、「スレートトーン」メニューt11が選択され、右ボタンがクリックされると、スレートトーンをOn1に設定するメニューME45に切換る。メニューME45で下ボタンがクリックされると、スレートトーンをOn2に設定するメニューME46に切換る。メニューME45で上ボタンあるいはメニューME46で下ボタンがクリックされると、スレートトーンをOffに設定するメニューME47に切換る。
【0171】
また、メニューME44で下ボタンがクリックされると、図31BのメニューME48に切換る。ICレコーダー接続メニュー(メニューME48)で、「REC同期」メニューt12が選択され、右ボタンがクリックされると、REC同期をオンに設定するメニューME47に切換る。メニューME47で下ボタンがクリックされると、REC同期をオフに設定するメニューME50に切換る。
【0172】
また、ICレコーダー接続メニュー(メニューME51)で、「マイク指向性連動」メニューt13が選択され、右ボタンがクリックされると、マイク指向性連動をオンに設定するメニューME52に切換る。メニューME52で下ボタンがクリックされると、マイク指向性連動をオフに設定するメニューME53に切換る。
【0173】
また、ICレコーダー接続メニュー(メニューME54)で、「ICレコーダー給電」メニューt14が選択され、右ボタンがクリックされると、ICレコーダー給電をオンに設定するメニューME55に切換る。メニューME55で下ボタンがクリックされると、ICレコーダー給電をオフに設定するメニューME56に切換る。
【0174】
以上説明した本実施形態による撮像システム1によれば、接続されたICレコーダーに対するカメラの設定が、経験者でなくても、簡単にできる。また、ICレコーダー用の設定が一括して行われるので、設定に要する時間も不要になる。カメラに高音質記録機能を内蔵させるのは、コスト的に容易でないが、ICレコーダーで音質の音声を記録しておき、撮影後にカメラで記録した音声に置き換えれば、高音質の動画音声を取得することができる。
・本実施形態によれば、ICレコーダー接続中には、録音条件の中でICレコーダー用に固定すべき条件が、変更不可に設定されるので、録音条件の設定ミスを容易に防止することができる。また、ICレコーダー用に固定された条件は、他の条件と識別可能に表示されるので、撮影者が操作で戸惑うことも防止される。
・また、本実施形態によれば、カメラへのICレコーダーの装着が自動検出されるので、ICレコーダーの装着の設定を手動で行う必要もない。
・また、カメラからICレコーダーへの電源供給が行われるので、ICレコーダーで電池残量不足で記録できなくなることが防止される。さらに、カメラにICレコーダーの電池残量が表示されるので、ICレコーダーの電池残量の監視が容易になる。
・カメラのホットシューにICレコーダーが装着されるので、ICレコーダーが安定して保持される。
【0175】
なお、カメラ10のシステム制御部101は、プログラムを読込んだCPUによるソフトウェア処理で実現されると説明したが、一部あるいは全部をハードウェアで実現してもよい。
【0176】
なお、本発明は上述した実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階でのその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素を適宜組み合わせても良い。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。このような、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用ができることはもちろんである。
【符号の説明】
【0177】
1 撮像システム
10 カメラ 撮像装置
100 カメラ本体
101 システム制御部
101a 音声記録制御部
101b 外部機器検出部
101c 設定制御部
101d 電池残量表示制御部
101e スレートトーン制御部
117 電源部
118 電源制御部
119 操作部
119a レリーズボタン
119b 撮影モードダイヤル
119c 動画ボタン
119d 十字ボタン
119e OKボタン
119f スレートトーン機能ボタン
121 外部メモリ
122 不揮発性メモリ
123 スピーカ
125 ライン入力部
131 外部機器制御部
130 ホットシュー
200 レンズ部
300 ICレコーダー
301 システム制御部
308 外部メモリ
310 ライン出力部
311 電源部
312 電源制御部
313 通信制御部
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16A
図16B
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31A
図31B