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特許7086831燃焼バーナ、ボイラ及び燃焼バーナの組立方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-10
(45)【発行日】2022-06-20
(54)【発明の名称】燃焼バーナ、ボイラ及び燃焼バーナの組立方法
(51)【国際特許分類】
   F23D 1/00 20060101AFI20220613BHJP
【FI】
F23D1/00 C
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018243041
(22)【出願日】2018-12-26
(65)【公開番号】P2020106170
(43)【公開日】2020-07-09
【審査請求日】2021-08-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】天野 五輪麿
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 悠一
(72)【発明者】
【氏名】松尾 毅
(72)【発明者】
【氏名】大西 泰仁
(72)【発明者】
【氏名】松本 啓吾
【審査官】河野 俊二
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-053602(JP,A)
【文献】実開昭61-039236(JP,U)
【文献】特開2017-145974(JP,A)
【文献】実開昭61-039235(JP,U)
【文献】実開昭57-104110(JP,U)
【文献】中国実用新案第203823749(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23D 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料と酸化剤ガスとを混合した燃料ガスを火炉内へ噴出する燃料ノズルと、
前記燃料ノズルの周囲から前記火炉内へ酸化剤ガスを吹き込む燃焼用空気ノズルと、
前記燃料ノズル内に配置され、前記燃料ノズルの火炉側端面に向かうにしたがって、前記燃料ガス流れ方向に対して交差する方向の幅が広くなる保炎器と、
前記保炎器に対して前記燃料ガス流れ方向の上流側の延長線上に配置された整流部と、
を備え、
前記保炎器は、
母材と、
前記母材に設けられ、前記母材の火炉側端面よりも上流側の位置から前記燃料ノズルの火炉側端面に向けて形成された傾斜面を有し、前記母材の火炉側端面よりも突出して形成された傾斜部と、
前記傾斜部と接続され、前記母材の火炉側端面を覆うカバー部と、
を有し、
前記傾斜部と前記カバー部はセラミックス製である燃焼バーナ。
【請求項2】
前記傾斜部と前記カバー部は、一体的に構成されて表面材を形成する請求項1に記載の燃焼バーナ。
【請求項3】
前記傾斜部は、前記母材を間に挟んで2方向に突出するように前記母材に設けられている請求項1に記載の燃焼バーナ。
【請求項4】
2方向の前記傾斜部のうち1方向に突出した前記傾斜部と、他の方向に突出した前記傾斜部は分割して形成されている請求項3に記載の燃焼バーナ。
【請求項5】
前記傾斜部と前記カバー部は、一体的に構成されて表面材を形成し、
2つの前記表面材における前記カバー部が対向する端部には、隙間が形成されるように前記表面材が設置される請求項4に記載の燃焼バーナ。
【請求項6】
前記傾斜部は、前記母材に対して金属製の固定材によって固定されている請求項1に記載の燃焼バーナ。
【請求項7】
前記表面材は、前記燃料ガス流れ方向に対して垂直方向に沿って複数に分割して形成される請求項2又は5に記載の燃焼バーナ。
【請求項8】
中空形状をなして鉛直方向に沿って設置される前記火炉と、
前記火炉に配置される請求項1から7のいずれか1項に記載の前記燃焼バーナと、
前記火炉の鉛直方向上部に配置され、前記燃焼バーナでの前記燃料ガスの燃焼により生成した燃焼ガスが通過する煙道と、
を備えるボイラ。
【請求項9】
燃料と酸化剤ガスとを混合した燃料ガスを火炉内へ噴出する燃料ノズルと、
前記燃料ノズルの周囲から前記火炉内へ酸化剤ガスを吹き込む燃焼用空気ノズルと、
前記燃料ノズル内に配置され、前記燃料ノズルの火炉側端面に向かうにしたがって、前記燃料ガス流れ方向に対して交差する方向の幅が広くなる保炎器と、
前記保炎器に対して前記燃料ガス流れ方向の上流側の延長線上に配置された整流部と、
を備え、
前記保炎器は、
母材と、
前記母材に設けられ、前記母材の火炉側端面よりも上流側の位置から前記燃料ノズルの火炉側端面に向けて形成された傾斜面を有し、前記母材の火炉側端面よりも突出して形成された傾斜部と、
前記傾斜部と接続され、前記母材の火炉側端面を覆うカバー部と、
を有し、
前記傾斜部と前記カバー部はセラミックス製である燃焼バーナの組立方法であって、
前記母材に対して、前記母材の火炉側端面よりも上流側の位置から前記燃料ノズルの火炉側端面に向けて前記傾斜面が形成され、前記母材の火炉側端面よりも突出して形成されるように前記傾斜部を固定するステップを有する燃焼バーナの組立方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃焼バーナ、ボイラ及び燃焼バーナの組立方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
石炭焚きボイラなどの大型のボイラは、中空形状をなして鉛直方向に設置される火炉を有し、この火炉壁に複数の燃焼バーナが周方向に沿って配設されている。また、石炭焚きボイラは、火炉の鉛直方向上方に煙道が連結されており、この煙道に蒸気を生成するための熱交換器が配置されている。そして、燃焼バーナが火炉内に燃料と空気(酸化剤ガス)との混合気を噴射することで火炎が形成され、燃焼ガスが生成されて煙道に流れる。燃焼ガスが流れる領域に熱交換器が設置され、熱交換器を構成する伝熱管内を流れる水や蒸気を加熱して過熱蒸気が生成される。
【0003】
燃焼バーナは、低NOx燃焼を実現するため、内部保炎が形成されるように、燃焼バーナの火炉側面又は内部側にスプリッタが設置される。内部保炎が形成されることによって、燃料ガス(微粉炭と一次空気の混合気)が火炉に向かい噴出するスプリッタ前面に着火面が形成される。
【0004】
スプリッタは、燃焼バーナの燃料ガス通路を複数に分割するように複数設けられ、火炉側には、先端に向かうにつれて燃料ガス通路が狭くなるように、傾斜面を有する保炎器が形成される。傾斜面で分岐された燃料ガスが傾斜面の火炉側の鉛直端面位置で旋回を発生することによって、内部保炎が形成される。
【0005】
スプリッタは、ステンレス鋳鋼などを母材として適正な寸法に形成され、また、燃料ガス中の微粉炭による摩耗が防止されてステンレス鋳鋼の寸法が維持されるように、燃料ガスが接触する面にセラミックタイルが貼り付けられているものがある。セラミックタイルは、ピンによって母材に固定される。また、保炎器の火炉側端面は、高温雰囲気や雰囲気ガスの影響でピンの酸化減肉が発生しやすいため、セラミックタイルを貼り付けずに火炉内部に対して母材が露出している。
【0006】
下記の特許文献1には、耐摩耗部材を摩耗しやすい部分に設けることで、耐久性を高めるとともに、耐摩耗部材を選択的に配置することで、メンテナンス時に耐摩耗部材を設ける手間を少なくする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2017-145974号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ボイラが通常運転を行っている場合、燃焼バーナを流通する燃料ガスによって、スプリッタが冷却され、ステンレス鋳鋼製の母材の温度を耐腐食温度の範囲内に保つことができる。したがって、酸化腐食が抑制されている。
【0009】
一方、ボイラが高負荷運転を行っている場合、燃料ガス供給側のミルにおいてメンテナンスが行われる場合がある。この場合、一部の燃焼バーナが消火されて、燃料ガスの流通が停止する。また、ボイラが低負荷運転を行う際は、複数段の燃焼バーナのうちいずれかを消火することで、ボイラ負荷の調整を行う。
【0010】
これら消火した燃焼バーナでは、燃料ガスの流通が停止することから、火炉からの輻射熱による温度上昇が生じ易くなる。なお、昇温防止のため冷却用空気が流される場合があるが、冷却用空気の目的は、NOx発生を抑制することにあるため、通常運転時の燃料ガス流量よりも少ない流量で燃料バーナへ供給される。したがって、スプリッタの母材が十分に冷却されず酸化腐食が発生する場合があり、母材の強度が低下する要因になる。また、母材に貼り付けられたセラミックタイルを固定するピンが火炉や母材からの熱影響により昇温して酸化腐食が発生する場合があり、セラミックタイルが脱落することがある。
【0011】
なお、スプリッタの母材の昇温防止のため、火炉の内部空間から遠ざけてスプリッタを燃焼バーナに配置する方法があるが、十分な冷却効果を得ることができなかった。
【0012】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、スプリッタの母材の温度上昇を抑制し、酸化腐食の発生を抑制することが可能な燃焼バーナ、ボイラ及び燃焼バーナの組立方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明の燃焼バーナ、ボイラ及び燃焼バーナの組立方法は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明に係る燃焼バーナは、燃料と酸化剤ガスとを混合した燃料ガスを火炉内へ噴出する燃料ノズルと、前記燃料ノズルの周囲から前記火炉内へ酸化剤ガスを吹き込む燃焼用空気ノズルと、前記燃料ノズル内に配置され、前記燃料ノズルの火炉側端面に向かうにしたがって、前記燃料ガス流れ方向に対して交差する方向の幅が広くなる保炎器と、前記保炎器に対して前記燃料ガス流れ方向の上流側の延長線上に配置された整流部とを備え、前記保炎器は、母材と、前記母材に設けられ、前記母材の火炉側端面よりも上流側の位置から前記燃料ノズルの火炉側端面に向けて形成された傾斜面を有し、前記母材の火炉側端面よりも突出して形成された傾斜部と、前記傾斜部と接続され、前記母材の火炉側端面を覆うカバー部とを有し、前記傾斜部と前記カバー部はセラミックス製である。
【0014】
この構成によれば、燃料ノズル内に配置された保炎器は、燃料ノズルの火炉側端面に向かうにしたがって幅が広くなることから、火炉側端面に向かうにつれて燃料ガス通路が狭くなり、燃料ノズル内の火炉側端面より燃料ガスの上流側で内部保炎が行われる。保炎器は、母材と、セラミック製の傾斜部及びカバー部を有し、傾斜部が母材に設けられる。
【0015】
傾斜部は、母材の火炉側端面よりも上流側の位置から燃料ノズルの火炉側端面に向けて形成された傾斜面を有し、母材の火炉側端面よりも突出して形成されている。これにより、燃料ノズルの火炉側端面に向かうにしたがって幅が広くなる保炎器が形成され、火炉側端面に向かうにつれて燃料ガス通路が狭くなる。
【0016】
また、傾斜部の火炉側先端が母材の火炉側端面よりも燃料ノズルの火炉側端面側に配置されるため、母材や、傾斜部が母材と接続されている接続部は、火炉側から離れており、傾斜部の火炉側先端に比べると比較的温度が低い。そのため、母材温度の上昇が抑制でき、酸化腐食が生じにくい。傾斜部は、火炉側に設置されて高温雰囲気に晒されるが、セラミック製であるため、高温化による金属腐食のおそれがない。
【0017】
さらに、セラミック製のカバー部は、傾斜部が母材に固定されたとき、母材の火炉側端面を覆い、母材を火炉側に露出させないように設けられる。その結果、母材温度の上昇を抑制でき、酸化腐食の発生を抑制できる。
【0018】
上記発明において、前記傾斜部と前記カバー部は、一体的に構成されて表面材を形成してもよい。
【0019】
この構成によれば、部品点数を低減でき、また、カバー部の支持が容易になる。
【0020】
上記発明において、前記傾斜部は、前記母材を間に挟んで2方向に突出するように前記母材に設けられてもよい。
【0021】
この構成によれば、スプリッタの両側に燃料ガス通路が形成される場合、保炎器及び整流部を間に挟んで2方向となる両側に内部保炎を発生させることができる。
【0022】
上記発明において、2方向の前記傾斜部のうち1方向に突出した前記傾斜部と、他の方向に突出した前記傾斜部は分割して形成されてもよい。
【0023】
この構成によれば、傾斜部と母材の温度上昇によって相互に拘束することで生じる熱応力が低減され、保炎器の破損を防止でき、耐久性を向上させることができる。また、仮に何らかの要因でいずれかの傾斜部が損傷した場合でも、母材に対する傾斜部の交換を容易に行うことができる。
【0024】
上記発明において、前記傾斜部と前記カバー部は、一体的に構成されて表面材を形成し、2つの前記表面材における前記カバー部が対向する端部には、隙間が形成されるように前記表面材が設置されてもよい。
【0025】
この構成によれば、カバー部と母材の温度上昇により相互の熱伸び量に差異が生じた場合においても、カバー部が互いに当接力を受けることによる局所応力の発生を防止でき、カバー部の破損を防止することができる。
【0026】
上記発明において、前記傾斜部は、前記母材に対して金属製の固定材によって固定されてもよい。
【0027】
この構成によれば、金属製の固定材が母材に対して傾斜部を固定する。母材や、母材と傾斜部を接続する固定材は、火炉側から離れており、傾斜部の火炉側先端に比べると比較的温度が低い雰囲気になることから、固定材が金属製であっても、固定材の酸化腐食を抑制できる。
【0028】
上記発明において、前記表面材は、前記燃料ガス流れ方向に対して垂直方向に沿って複数に分割して形成されてもよい。
【0029】
この構成によれば、表面材と母材の温度上昇により燃料ガス流れ方向に対して垂直方向への相互の熱伸び量に差異が生じた場合においても、熱応力が分散され、表面材の破損を防止でき、耐久性を向上させることができる。また、仮に何らかの要因でいずれかの表面材が破損した場合でも、破損した表面材の交換を容易に行うことができる。
【0030】
本発明に係るボイラは、中空形状をなして鉛直方向に沿って設置される前記火炉と、前記火炉に配置される請求項1から5のいずれか1項に記載の前記燃焼バーナと、前記火炉の鉛直方向上部に配置され、前記燃焼バーナでの前記燃料ガスの燃焼により生成した燃焼ガスが通過する煙道とを備える。
【0031】
本発明に係る燃焼バーナの組立方法は、燃料と酸化剤ガスとを混合した燃料ガスを火炉内へ噴出する燃料ノズルと、前記燃料ノズルの周囲から前記火炉内へ酸化剤ガスを吹き込む燃焼用空気ノズルと、前記燃料ノズル内に配置され、前記燃料ノズルの火炉側端面に向かうにしたがって、前記燃料ガス流れ方向に対して交差する方向の幅が広くなる保炎器と、前記保炎器に対して前記燃料ガス流れ方向の上流側の延長線上に配置された整流部とを備え、前記保炎器は、母材と、前記母材に設けられ、前記母材の火炉側端面よりも上流側の位置から前記燃料ノズルの火炉側端面に向けて形成された傾斜面を有し、前記母材の火炉側端面よりも突出して形成された傾斜部と、前記傾斜部と接続され、前記母材の火炉側端面を覆うカバー部とを有し、前記傾斜部と前記カバー部はセラミックス製である燃焼バーナの組立方法であって、前記母材に対して、前記母材の火炉側端面よりも上流側の位置から前記燃料ノズルの火炉側端面に向けて前記傾斜面が形成され、前記母材の火炉側端面よりも突出して形成されるように前記傾斜部を固定するステップを有する。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、スプリッタの母材の温度上昇を抑制し、酸化腐食の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明の一実施形態に係る石炭焚きボイラを示す概略構成図である。
図2】本発明の一実施形態に係る燃焼バーナを示す正面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る燃焼バーナを示す横断面図であり、図2のA-A線矢視図である。
図4】本発明の一実施形態に係る燃焼バーナのスプリッタを示す横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る好適な実施形態を図面を参照して説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
【0035】
本実施形態のボイラは、石炭を粉砕した微粉炭を微粉燃料(炭素含有固体燃料)として用い、この微粉炭を燃焼バーナにより燃焼させ、この燃焼により発生した熱を回収して給水や蒸気と熱交換して過熱蒸気を生成することが可能な石炭焚き(微粉炭焚き)ボイラである。以降の説明で、上や上方とは鉛直方向上側を示し、下や下方とは鉛直方向下側を示すものである。
【0036】
本実施形態において、図1に示すように、石炭焚きボイラ10は、火炉11と燃焼装置12と煙道13を有している。火炉11は、四角筒の中空形状をなして鉛直方向に沿って設置されている。火炉11を構成する火炉壁(伝熱管)は、複数の蒸発管とこれらを接続するフィンとで構成され、給水や蒸気と熱交換することにより火炉壁の温度上昇を抑制している。
【0037】
燃焼装置12は、火炉11を構成する火炉壁の下部側に設けられている。本実施形態では、燃焼装置12は、火炉壁に装着された複数の燃焼バーナ(例えば21,22,23,24,25)を有している。例えば燃焼バーナ21,22,23,24,25は、周方向に沿って均等間隔で配設されたものが1セットとして、鉛直方向に沿って複数段配置されている。但し、火炉の形状や一つの段における燃焼バーナの数、段数はこの実施形態に限定されるものではない。
【0038】
各燃焼バーナ21,22,23,24,25は、微粉炭供給管26,27,28,29,30を介して粉砕機(ミル)31,32,33,34,35に連結されている。この粉砕機31,32,33,34,35は、図示しないが、例えばハウジング内に回転テーブルが駆動回転可能に支持され、この回転テーブルの上方に複数のローラが回転テーブルの回転に連動して回転可能に支持されて構成されている。石炭が複数のローラと回転テーブルとの間に投入されると、ここで所定の微粉炭の大きさに粉砕され、搬送用ガス(一次空気、酸化剤ガス)により図示しない分級機に搬送されて分級された微粉炭を微粉炭供給管26,27,28,29,30から燃焼バーナ21,22,23,24,25に供給することができる。
【0039】
また、火炉11は、各燃焼バーナ21,22,23,24,25の装着位置に風箱36が設けられており、この風箱36に空気ダクト37の一端部が連結されている。空気ダクト37は、他端部に送風機38が設けられている。
【0040】
煙道13は、火炉11の鉛直方向上部に連結されている。煙道13は、燃焼ガスの熱を回収するための熱交換器として、過熱器41,42,43、再熱器44,45、節炭器46,47が設けられており、火炉11での燃焼で発生した燃焼ガスと各熱交換器を流通する給水や蒸気との間で熱交換が行われる。
【0041】
煙道13は、その下流側に熱交換を行った燃焼ガスが排出されるガスダクト48が連結されている。ガスダクト48は、空気ダクト37との間にエアヒータ(空気予熱器)49が設けられ、空気ダクト37を流れる空気と、ガスダクト48を流れる燃焼ガスとの間で熱交換を行い、燃焼バーナ21,22,23,24,25に供給する燃焼用空気(酸化性ガス)を昇温することができる。
【0042】
また、煙道13は、エアヒータ49より上流側の位置に脱硝触媒50が設けられている。脱硝触媒50は、アンモニア、尿素水等の窒素酸化物を還元する作用を有する還元剤を煙道13内に供給し、還元剤が供給された燃焼ガスを窒素酸化物と還元剤との反応を促進させることで、燃焼ガス中の窒素酸化物を除去、低減するものである。そして、煙道13に連結されるガスダクト48は、エアヒータ49より下流側の位置に煤塵処理装置(電気集塵機、脱硫装置)51、誘引送風機52などが設けられ、下流端部に煙突53が設けられている。
【0043】
一方、微粉炭燃料は、粉砕機31,32,33,34,35が駆動すると、生成された微粉炭が搬送用ガス(酸化剤ガス)と共に微粉炭供給管26,27,28,29,30を通して燃焼バーナ21,22,23,24,25に供給される。また、加熱された燃焼用空気が空気ダクト37から風箱36を介して各燃焼バーナ21,22,23,24,25に供給される。すると、燃焼バーナ21,22,23,24,25は、微粉炭と搬送用ガス(一次空気)とが混合した微粉燃料混合気を火炉11に吹き込むと共に燃焼用空気を火炉11に吹き込み、このときに着火することで火炎を形成することができる。火炉11内の下部で火炎が生じ、燃焼ガスがこの火炉11内を上昇し、煙道13に排出される。
【0044】
その後、燃焼ガスは、煙道13に配置される過熱器41,42,43、再熱器44,45、節炭器46,47で熱交換した後、脱硝触媒50により窒素酸化物が還元除去され、煤塵処理装置51で粒子状物質が除去されると共に硫黄分が除去された後、煙突53から大気中に排出される。
【0045】
次に、図2から図4を参照して、本実施形態に係る燃焼バーナ21,22,23,24,25について説明する。
燃焼バーナ21,22,23,24,25は、図2に示すように、燃料ノズル18と、燃焼用空気ノズル19などを備える。本実施形態では、紙面上側と下側は便宜上に記載した図に対して説明したものであり、必ずしも鉛直上側と鉛直下側を示すものではなく、実際の燃焼バーナの使用形態では紙面上側が水平方向を向いてもよい。
【0046】
燃料ノズル18は、正面視した場合、略矩形状の断面を有している。燃料ノズル18は、燃料と一次空気(酸化性ガス)とが混合された燃料ガスを火炉11内に噴出する。燃焼用空気ノズル19は、燃料ノズル18の周囲に設けられ、燃焼用空気(二次空気、酸化性ガス)を火炉11内に吹き込む。燃焼用空気は、燃料ノズル18から噴出した燃料ガスと混合して燃焼を促進する。酸化性ガスとして、本実施形態では空気を用いる。空気よりも酸素割合が多いものや逆に少ないものであってもよく、燃料流量との適正化を図ることで使用可能になる。
【0047】
燃料ノズル18内には、燃料ノズル18を正面視して、先端面が一方向に長いスプリッタ1が設けられている。スプリッタ1は、図3に示すように、板面が燃料ガス流れ方向に沿って配置される板状部材である。また、スプリッタ1は、図2に示すように、燃料ノズル18の内壁面のうち一方の面18a側から、一方の面18aに対向する他方の面18bまで、燃料ガスの流れ方向に対して垂直方向に延在して設けられる。以下、整流部4と垂直になる方向、すなわちスプリッタ1の火炉側先端面におけるスプリッタ1の長さ方向、かつ、燃料ガスの流れ方向に対して垂直方向をスプリッタ1の長手方向という。
【0048】
スプリッタ1は、図2及び図3に示すように、燃料ノズル18内において、燃料ガスの流れ方向に対して垂直方向かつスプリッタ1の長手方向に対して垂直方向に複数個配置される。複数のスプリッタ1は、互いに離間して設置され、複数のスプリッタ1間には燃料ガス通路が形成される。また、スプリッタ1の長手方向に対して交差する方向には、複数のスプリッタ1間に整流板54が設置される。整流板54は、例えばステンレス鋳鋼等の金属製であり、燃料ガスに含まれる微粉炭などによる摩耗防止のため、表面にセラミックタイルが全面的又は摩耗の多い部分に張り付けられる。
【0049】
スプリッタ1は、長手方向端部において、支持板2が設けられる。支持板2が燃料ノズル18の内壁面に対して固定されることで、スプリッタ1が燃料ノズル18に対して支持される。
【0050】
スプリッタ1は、図2図4に示すように、燃料ノズル18の火炉側端面18Aに向かうにしたがって幅が広くなる保炎器3と、保炎器3に対して燃料ガス流れ方向の上流側の延長線上に配置された整流部4と、を有する。
【0051】
保炎器3は、横断面形状がほぼ三角形又は台形であり、燃料ガス流れ方向の下流側に向かって、次第に断面の幅が広くなる形状を有する。ここで、保炎器3の幅は、スプリッタ1を正面視したときスプリッタ1の長手方向に対して垂直方向の長さである。
【0052】
整流部4は、保炎器3の燃料ガス流れの上流側に設けられ、保炎器3から上流側に向かって延在する。整流部4は、図4に示すように、母材5の摩耗防止のために、複数のセラミックタイル15が露出面の全面又は摩耗の多い部分に張り付けられて形成される。複数のセラミックタイル15は、それぞれピン等の固定材16によって母材5にスタッド溶接などで固定される。
【0053】
保炎器3は、本実施形態では金属製(例えばステンレス鋳鋼等)の母材5と、母材5に設けられたセラミック製(例えばアルミナ製)の表面材6と、表面材6を母材5に固定する金属製(例えばステンレス合金製)の固定材7を有する。保炎器3は、燃料ガスと接触する部分がセラミック製であるため、燃料ガスに含まれる微粉炭などに対して耐摩耗性を有する。
【0054】
固定材7は、例えば、棒状部分を有するピンであり、一端側は母材5と接触し、溶接によって母材5に固定される。固定材7の棒状部分は、表面材6を貫通して設けられる。固定材7は、他端側に設けられた、例えば円板状の板部材を有し、板部材と母材5との間で表面材6を挟み込むことによって、表面材6を母材5に対して固定する。固定材7は、例えば一つの表面材6に対して1本ずつ設置される。固定材7と母材5との溶接は、例えばスタッド溶接方法によって行われる。
【0055】
母材5の上流側の端部は、整流部4を形成するセラミックタイル15と接続される。母材5の下流側は、横断面形状がほぼ三角形又は台形であり、燃料ガス流れ方向の下流側に向かって、次第に幅が広くなる形状を有する。なお、母材5の下流側は、必ずしも横断面形状が三角形や台形ではなくてもよい。母材5の横断面形状が三角形や台形であり傾斜面を有する場合、傾斜部8は、母材5の傾斜面に沿って平行に設置される。一方、母材5の横断面形状が四角形などの他の形状を有する場合、傾斜部8は、母材5の外形形状に応じた形状を有する。
【0056】
表面材6は、傾斜部8と、カバー部9を有する。傾斜部8とカバー部9は、例えば、一体的に形成される。傾斜部8とカバー部9が一体的に形成される場合、部品点数を低減でき、カバー部9の支持を傾斜部8で行うので構造が簡易になる。また、カバー部9では、棒状部分を有するピンである固定材7を用いなくてもよいため、高温となるカバー部9において固定材7の酸化減肉が発生するおそれがない。表面材6は、整流部4や整流板54等に設置されるセラミックタイル15と同様に、セラミック材料を焼成することによって作製される。なお、保炎器3の表面材6のセラミック材料は、整流部4や整流板54等に設置されるセラミックタイル15と同等又は更に高い温度に耐えられ、同等又はより強度が高いものが更に望ましい。例えば、表面材6がアルミナ製である場合、表面材6は、整流部4や整流板54等に設置されるセラミックタイル15よりもアルミナの純度が高いことが更に好ましい。これにより、表面材6は、火炉11側に設置されて高温雰囲気に晒されるが、一層に摩耗や破損が生じにくい。
【0057】
表面材6は、スプリッタ1の長手方向に沿って複数の部材に分割されている。分割された表面材6は、スプリッタ1の長手方向に沿って並べて配置される。表面材6を分割構造とすることにより、表面材6と母材5の温度上昇によって、長手方向への相互の熱伸び量に差異が生じた場合においても、温度上昇によって生じる熱応力が分散され、スプリッタ1の破損を防止でき、耐久性を向上させることができる。また、仮に何らかの要因でいずれかの表面材6が破損した場合でも、破損した表面材6の交換を容易に行うことができる。表面材6のサイズは、例えば、燃料ガスの流れ方向に沿った長さが100mm~300mmであり、燃料ガスの流れ方向に対して垂直方向の長さ(スプリッタ1の長手方向の長さ)が20mm~50mmである。
【0058】
傾斜部8は、例えば板厚が約10mm~20mmの平板状部材であり、表面材6が母材5に固定されたとき整流部4の板面に対して傾斜した傾斜面を有する。図4に示すように、傾斜部8は、一端側の基部8Aが固定材7によって母材5に設けられ、他端の火炉側先端8B側が燃料ノズル18の火炉側端面18Aに向けて形成された傾斜面を有し、母材5の火炉側端面5Aよりも突出して形成されている。傾斜部8の中間部分では、カバー部9が傾斜部8から分岐して設けられ、母材5の火炉側端面5Aの火炉側に位置する。傾斜部8の火炉側先端8Bが母材5の火炉側端面5Aよりも燃料ノズル18の火炉側端面18A側に配置されるため、母材5や、傾斜部8が母材5と接続されている接続部は、火炉11側から離れており、比較的温度が低い。
【0059】
傾斜部8は、母材5の下流側において、傾斜面が燃料ガスの流れ方向に対して傾斜するように設けられる。これにより、燃料ノズル18の火炉側端面18Aに向かうにしたがって幅が広くなる保炎器3が形成され、火炉側端面18Aに向かうにつれて燃料ガス通路が狭くなる。燃料ガスは、傾斜部8の火炉側先端8B側で旋回を発生することによって、内部保炎が形成される。表面材6の傾斜部8は、火炉11側に設置されて高温雰囲気に晒されるが、セラミック製であるため、高温化による酸化腐食のおそれがない。
【0060】
傾斜部8のうち上流側に配置される基部8Aが、固定材7によって母材5に固定される。傾斜部8は、傾斜部8の上流側だけで母材5に固定されることにより、母材5の燃料ガス流れ方向の長さを短くすることができ、母材5を燃料ノズル18の火炉側端面18A側まで設ける必要がない。
【0061】
傾斜部8の基部8Aや母材5は、火炉11側から離れており、傾斜部8の火炉側先端8Bに比べると比較的温度が低い。そのため、母材5及び固定材7の酸化腐食が抑制されて、スプリッタ1の耐久性を向上させることができる。例えば、燃焼バーナ21,22,23,24,25のいずれかが消火されて、内部の燃料ガスの流通が停止している場合や、燃焼バーナ21,22,23,24,25においてバーナ点火中の燃料ガス流量よりも少ない量で冷却用空気が流通している場合でも、母材5及び固定材7が高い温度へと温度上昇することを抑制でき、酸化腐食の発生を抑制できる。
【0062】
カバー部9は、例えば板状部材であり、母材5の火炉側端面5Aに沿って、母材5の火炉側端面5Aを覆うように設けられる。カバー部9は、傾斜部8と接続されて、一体的に形成される。セラミック製のカバー部9は、表面材6が母材5に固定されたとき、金属製の母材5を火炉11側に露出させないように設けられる。その結果、母材5及び固定材7の温度上昇を抑制でき、酸化腐食の発生を抑制できる。なお、カバー部9と母材5の火炉側端面5Aは、隙間が形成されるように配置されることが望ましい。
【0063】
傾斜部8とカバー部9との接続部分は、母材5に近接した位置に設けられる。そのため、火炉11に近い火炉側先端8B側に接続部分が設けられる場合と比べて傾斜部8とカバー部9との接続部分の温度上昇を抑制でき、傾斜部8とカバー部9による接続部分での屈曲形状における破損の発生を抑制できる。
【0064】
傾斜部8は、母材5を間に挟んで2方向に突出するように、一つの母材5に対して両側面にそれぞれ設置されてもよい。これにより、スプリッタ1の両側に燃料ガス通路が形成される場合、スプリッタ1の整流部4を間に挟んで2方向となる両側に内部保炎を発生させることができる。
【0065】
図4に示すように、傾斜部8が、母材5を間に挟んで2方向に突出する場合、2つの傾斜部8のうち1方向に突出した傾斜部8を有する表面材6と、他の方向に突出した傾斜部8を有する表面材6は分割して形成される。2つの表面材6は、母材5を両側から挟み込むように設置される。これにより、仮に何らかの要因でいずれかの表面材6が破損した場合、母材5に対する表面材6の交換を容易に行うことができる。表面材6において、2つのカバー部9の端部が対向する部分は、温度上昇前において隙間9aが形成されるように設置される。これにより、カバー部9と母材5の温度上昇により相互の熱伸び量に差異が生じた場合においても、互いに当接力を受けることによる局所応力の発生を抑制できる。なお、火炉11側からの輻射熱の影響によって、母材5において大幅な温度上昇が生じないように隙間9aが広くなり過ぎないように設けることが望ましい。
【0066】
2つに分割された表面材6は、スプリッタ1の長手方向に沿った中心線に対して左右対称に形成される。分割された表面材6を同一形状とすることで、作製する部品の種類数を低減できる。また、温度上昇時の熱伸びによる偏り、例えば一方の分割表面材6が他方の分割表面材6よりも熱伸びする変形を抑えられる。
【0067】
上述した構成によって、傾斜部8の火炉側先端8B側とカバー部9は、スプリッタ1の長手方向に垂直な断面が略コ字形状を有し、傾斜部8の火炉側先端8Bから母材5の火炉側端面5Aまでの間において凹部形状となっているため、傾斜部8の火炉側先端8Bから母材5の火炉側端面5Aまでの間がセラミック材によって埋められた中実の肉厚構造を有する場合と比べて軽量化を図ることができる。
【0068】
また、表面材6は、燃料ガス流れ方向と整流部4に対して垂直方向(スプリッタ1の長手方向)に複数に分割して形成されている。これにより、表面材6と母材5の温度上昇によって、燃料ガス流れ方向に対して垂直方向への相互の熱伸び量に差異が生じた場合においても、熱応力が分散され、表面材6の破損を防止でき、耐久性を向上させることができる。また、仮に何らかの要因でいずれかの表面材6が破損した場合でも、破損した表面材6の交換を容易に行うことができる。
【0069】
また、図3に示すように、表面材6の先端部、すなわち、傾斜部8の火炉側先端8Bは、燃料ノズル18において、燃料ノズル18の火炉側端面18Aよりも燃料ガス流れの上流側に位置するように配置されることが好ましい。これにより、母材5を火炉11内部から遠ざけることができ、母材5及び固定材7の温度上昇を更に抑制できる。
【0070】
以上、本実施形態によれば、保炎器3は、金属製の母材5と、母材5に設けられたセラミック製(例えばアルミナ製)の表面材6とを有し、燃料ガスと接触する部分がセラミック製であるため、耐摩耗性を有する。表面材6は、傾斜部8とカバー部9を有し、傾斜部8の火炉側先端8B側が母材5の火炉側端面5Aよりも燃料ノズル18の火炉側端面18A側に配置されるため、母材5や、傾斜部8が母材5と接続されている接続部は、火炉11側から離れており、傾斜部8の火炉側先端8Bに比べると比較的温度が低い。そのため、母材5の酸化腐食を抑制できる。傾斜部8は、火炉11側に設置されて高温雰囲気に晒されるが、セラミック製であるため、高温化による酸化腐食のおそれがない。
【0071】
さらに、セラミック製のカバー部9は、表面材6が母材5に固定されたとき、母材5の火炉側端面5Aを覆い、金属製の母材5を火炉11側に露出させないように設けられる。その結果、母材5の温度上昇を抑制でき、酸化腐食の発生を抑制できる。また、金属製の固定材7が母材5に対して傾斜部8を固定する。母材5や、母材5と傾斜部8を接続する固定材7は、火炉11側から離れており、傾斜部8の火炉側先端8Bに比べると比較的温度が低いことから、固定材7が金属製であっても、固定材7の酸化腐食を抑制できる。
【0072】
なお、上述した実施形態では、本発明のボイラを石炭焚きボイラとしたが、固体燃料としては、バイオマスや石油コークス、石油残渣などを使用するボイラであってもよい。また、燃料として固体燃料に限らず、重質油などの油焚きボイラにも使用することができ、更には、燃料としてガス(副生ガス)も使用することができる。そして、これら燃料の混焼焚きにも適用することができる。
【0073】
また、本発明は、燃料ノズルに配置される保炎器に対して適用可能であり、燃料ノズル18内の構造、すなわちスプリッタ1や整流板54の位置、大きさ、数は、上述した例に限定されない。
【符号の説明】
【0074】
1 :スプリッタ
2 :支持板
3 :保炎器
4 :整流部
5 :母材
6 :表面材
7 :固定材
8 :傾斜部
8A :基部
8B :先端
9 :カバー部
9a :隙間
10 :石炭焚きボイラ
11 :火炉
12 :燃焼装置
13 :煙道
18 :燃料ノズル
19 :燃焼用空気ノズル
21,22,23,24,25 :燃焼バーナ
26,27,28,29,30 :微粉炭供給管
31,32,33,34,35 :粉砕機
36 :風箱
37 :空気ダクト
38 :送風機
41,42,43 :過熱器
44,45 :再熱器
46,47 :節炭器
48 :ガスダクト
49 :エアヒータ
50 :脱硝触媒
51 :煤塵処理装置
52 :誘引送風機
53 :煙突
54 :整流板
図1
図2
図3
図4