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特許7086858優れた耐加水分解性を有するポリアリーレンスルフィド樹脂組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-10
(45)【発行日】2022-06-20
(54)【発明の名称】優れた耐加水分解性を有するポリアリーレンスルフィド樹脂組成物
(51)【国際特許分類】
   C08L 81/02 20060101AFI20220613BHJP
   C08K 3/013 20180101ALI20220613BHJP
   C08K 3/26 20060101ALI20220613BHJP
   C08K 5/29 20060101ALI20220613BHJP
   C08K 5/548 20060101ALI20220613BHJP
   C08K 7/04 20060101ALI20220613BHJP
   C08K 9/04 20060101ALI20220613BHJP
   F01P 11/00 20060101ALI20220613BHJP
【FI】
C08L81/02
C08K3/013
C08K3/26
C08K5/29
C08K5/548
C08K7/04
C08K9/04
F01P11/00 Z
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2018555988
(86)(22)【出願日】2017-03-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-07-11
(86)【国際出願番号】 KR2017003130
(87)【国際公開番号】W WO2017188604
(87)【国際公開日】2017-11-02
【審査請求日】2020-02-04
(31)【優先権主張番号】10-2016-0051080
(32)【優先日】2016-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522063446
【氏名又は名称】エイチディーシー ポリオール カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100212705
【弁理士】
【氏名又は名称】矢頭 尚之
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ジュン、ミュン-ウォク
(72)【発明者】
【氏名】シン、ジョン-ウォク
【審査官】前田 孝泰
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-080274(JP,A)
【文献】特表2019-516840(JP,A)
【文献】特開2004-091504(JP,A)
【文献】中国特許第103554914(CN,B)
【文献】特開昭52-052958(JP,A)
【文献】特開昭58-065750(JP,A)
【文献】特開2005-298758(JP,A)
【文献】特開平04-233972(JP,A)
【文献】特開2002-047412(JP,A)
【文献】特開2002-212421(JP,A)
【文献】特開2015-030779(JP,A)
【文献】特表2013-522387(JP,A)
【文献】特表平04-500825(JP,A)
【文献】米国特許第05424125(US,A)
【文献】特開平11-100516(JP,A)
【文献】特開2007-137983(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 1/00-101/16
C08G 75/00- 75/32
F01P 1/00- 11/20
B60K 11/00- 11/08
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
300ppm以下の塩素含有量を有するポリアリーレンスルフィド樹脂;メルカプトシランカップリング剤;パラ-フェニレン-ジイソシアネートを含む耐加水分解性添加剤;および充填剤を含む、樹脂組成物。
【請求項2】
前記ポリアリーレンスルフィド樹脂が、アリーレンスルフィド繰り返し単位とアリーレンジスルフィド繰り返し単位を、1:0.0001~0.05の重量比で含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記メルカプトシランカップリング剤が、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトシクロヘキシルトリメトキシシラン、3-メルカプトシクロヘキシルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルジエトキシシラン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
前記耐加水分解性添加剤が、エポキシ樹脂およびポリカルボジイミドの少なくとも一つをさらに含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項5】
前記充填剤が、ガラス繊維、炭素繊維、ホウ素繊維、ガラスビーズ、ガラスフレーク、タルク、炭酸カルシウム、顔料、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項6】
前記充填剤が、ガラス繊維、炭酸カルシウム、顔料、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項5に記載の樹脂組成物。
【請求項7】
前記ガラス繊維が、ウレタン/エポキシシランで表面処理されたガラス繊維、ウレタン/アミノシランで表面処理されたガラス繊維、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項6に記載の樹脂組成物。
【請求項8】
前記ガラス繊維が、6~13μmの平均直径と1~6mmの平均長さを有する、請求項6に記載の樹脂組成物。
【請求項9】
前記炭酸カルシウムが0.8~20μmの平均粒径を有する、請求項6に記載の樹脂組成物。
【請求項10】
前記充填剤が、樹脂組成物の総重量に基づいて、20~65重量%のガラス繊維、10~45重量%の炭酸カルシウム、および、0.01~5重量%の顔料を含む、請求項6に記載の樹脂組成物。
【請求項11】
前記樹脂組成物が、樹脂組成物の総重量に基づいて、15~70重量%のポリアリーレンスルフィド樹脂、0.01~5重量%のメルカプトシランカップリング剤、0.01~5重量%の耐加水分解性添加剤、および、25~80重量%の充填剤を含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項12】
ASTM D 638に従って測定されたときに、50~200MPaの引張強度値を有する、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか1項に記載された樹脂組成物の成形により製造された成形品。
【請求項14】
成形品が自動車エンジン冷却剤システムの部品である、請求項13に記載の成形品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐加水分解性において優れており、よって自動車冷却剤システムの部品に適している、ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物に関連する。
【背景技術】
【0002】
現在、代表的なエンジニアリングプラスチックであるポリアリーレンスルフィド(「PAS」とも称される)に対する需要は、その高耐熱性、耐薬品性、難燃性および電気絶縁性のために、高温および腐食性環境で使用される種々の電化機器および電化製品において増加している。
【0003】
ポリフェニレンスルフィド(「PPS」とも称される)は、唯一の市販されているポリアリーレンスルフィドである。PPSはその優れた機械的、電気的および熱的な性質と耐薬品性のために、自動車機器、電気または電子装置のハウジングまたは主要部品として広く使用されている。
【0004】
PPSの商業的製造のために広く使用されている工程は、p-ジクロロベンゼン(以下「pDCB」と称される)と硫化ナトリウムの、N-メチルピロリドンなどの極性有機溶媒中での溶液重合であり、それはマッカラム(Macallum)工程として知られている。
【0005】
PPSがマッカラム工程により作製されたときには、しかしながら、硫化ナトリウム等を使用した溶液重合工程は、塩の形(例えばNaCl)で副生成物が生成する可能性がある。塩の形のそのような副生成物は、電子部品の性能を低下させるかもしれないので、その副生成物と残余の有機溶媒を除去するために、追加の洗浄または乾燥工程等が必要とされる(米国特許第2,513,188号と第2,583,941号を参照のこと)。
【0006】
上記の課題を解決するために、ジヨ-ド芳香族化合物と元素状イオウを含んでいる反応物の溶融重合によるPAS調製の工程が示唆されている。そのような工程は、PAS調製の間に塩の形の副生成物を生成することも、有機溶媒を使用することもないので、そのような副生成物または有機溶媒を除去するための如何なる別の工程も必要とはしない(韓国公開特許第2011-0102226号公報を参照のこと)。
【0007】
ところで、PPSは優れた耐薬品性、特に溶液浸漬に対する耐久性を示し、よってエンジン部品、特に冷却剤部品、オイルポンプ部品等のために使用される。しかしながら、自動車エンジンの部品は運転者の安全に関連しているので、その耐久性の改善は必須である。特にエンジン冷却剤部品は冷却剤と直接に接触しているために、その長期耐久性の改善が必要とされる。
【発明の概要】
【0008】
技術的課題
従って本発明の1つの目的は、耐加水分解性において優れており、自動車の冷却剤(不凍液)システムなどに長期耐久性を付与することができるPAS樹脂組成物を提供することである。
【0009】
本発明の他の目的は、そのPAS樹脂組成物を成形することにより製造される成形品を提供することである。
【0010】
課題に対する解決策
上記の目的を達成するために本発明は、300ppm以下の塩素含有量を有するポリアリーレンスルフィド;メルカプトシランカップリング剤;耐加水分解性添加剤;および充填剤を含む、樹脂組成物を提供する。
【0011】
加えて本発明は、上記で述べた樹脂組成物を成形することにより製造された成形品を提供する。
【0012】
発明の有利な効果
本発明の樹脂組成物は従来のPASと比較して、PASに固有の優れた機械的および熱的特性を落とすことなく、水接触環境中で改善された可使時間を示す。よって、耐久性と高温耐加水分解性を必要とする種々の分野で、それを広く使用することができる。
【0013】
発明を実施するための最良の形態
本発明は、ポリアリーレンスルフィド、メルカプトシランカップリング剤、耐加水分解性添加剤、および充填剤を含む、樹脂組成物を提供する。
【0014】
ポリアリーレンスルフィドは300ppm以下の塩素含有量を有する。具体的にはポリアリーレンスルフィドは、200ppm以下、100ppm以下、または50ppm以下の塩素含有量を有してもよい。
【0015】
ポリアリーレンスルフィドは、組成物の総重量に基づいて、15~70重量%、具体的には20~65重量%の量で、この樹脂組成物中に含まれていてもよい。もしポリアリーレンスルフィドが15重量%以上の量で含まれているならば、製造された製品の機械的強度(引張強度など)は減少せず、それが70重量%以下の量で含まれるときには、製造された製品の機械的強度は優れたものとなる。
【0016】
ポリアリーレンスルフィドは、アリーレンスルフィド繰り返し単位とアリーレンジスルフィド繰り返し単位を含み、例えばアリーレンスルフィド繰り返し単位:アリ-レンジスルフィド繰り返し単位の重量比は、1:0.0001~1:0.05の範囲、または1:0.001~1:0.01の範囲であってもよい。本発明において使用されるポリアリーレンスルフィドは上記で述べたように、アリーレンジスルフィド繰り返し単位を含むので、同じ分子量を有し且つアリーレンスルフィド繰り返し単位のみからなるポリアリーレンスルフィドのそれよりも低い融点を有するかもしれず、よって加工温度を低下させることができ、最終的に製造されたポリアリーレンスルフィドの物理的性質を改善することができる。
【0017】
ポリアリーレンスルフィドは、3.000~1,000,000または10,000~100,000の数平均分子量を有し、数平均分子量に対する重量平均分子量の比として規定された多分散性は2.0~4.0であってもよく、それは比較的に狭い分散を意味するものである。
【0018】
ポリアリーレンスルフィドは、270℃から290℃、具体的には275℃から285℃、より具体的には約280℃の範囲の融点を有してもよい。加えて、回転ディスク型粘度計により、融点+20℃の温度で測定されたポリアリーレンスルフィドの溶融粘度は、100~5,000ポアズ、具体的には500~3,000ポアズ、より具体的には2,000ポアズであってもよい。
【0019】
上記で述べた物理的性質を満たす限り、ポリアリーレンスルフィドは特に限定されるものではない。例えば、ポリアリーレンスルフィドは溶融重合法により製造されてもよい。加えて上記で述べた物理的性質を満たすポリアリーレンスルフィドは、樹脂組成物の耐加水分解性を改善するかもしれない。
【0020】
具体的にポリアリーレンスルフィドは、韓国公開特許第2011-0102226号公報に開示された製造方法により製造されてもよく、その方法は、(a)ジヨード芳香族化合物と硫黄化合物を含んでいる反応物を重合し;および(b)重合工程の間に、反応物中に含まれる硫黄化合物の100重量部に基づいて、0.1~20重量部の硫黄化合物をさらに添加する、という工程を含んでもよい。
【0021】
ジヨード芳香族化合物は、例えば、ジヨードベンゼン、ジヨードナフタレン、ジヨードビフェニル、ジヨードビスフェノール、ジヨードベンゾフェノン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されてもよいが、それらに限定されるものではない。
【0022】
工程(a)における重合反応の条件は、ジヨード芳香族化合物と硫黄化合物を含んでいる反応物の重合を開始することができる限り、特に限定されるものではない。例えば工程(a)は、高温および減圧条件下で行われてもよい。具体的には温度の上昇と圧力の減少は、180~250℃の温度と50~450トールの圧力の当初の反応条件を、270~350℃と0.001~20トールの最終的な反応条件に変えることによって行われる。反応は1~30時間行われてもよい。
【0023】
ジヨード芳香族化合物と硫黄化合物を含んでいる反応物を、重合反応に先立って溶融ブレンドにかけてもよい。ジヨード芳香族化合物は、重合前に導入された硫黄化合物の100重量部に基づいて、1,000~2,000重量部、または1,000~17,000重量部の量で使用されてもよい。
【0024】
上記の方法において、ポリマー中にジスルフィド型結合を形成するために、工程(b)のように、重合反応の間に、硫黄化合物をさらに添加してもよい。そのようなジスルフィド型結合は、ポリアリーレンスルフィド中に含まれるポリマー鎖との硫黄交換反応(1種の平衡反応)に継続的に寄与するかもしれず、それによってポリアリーレンスルフィド中に含まれるポリマー鎖の分子量を均一とする。具体的には硫黄交換反応(平衡反応)のために、ポリアリーレンスルフィドの重合度は均一であるかもしれず、よって過度に大きな又は小さな分子量を有するポリアリーレンスルフィドポリマーの形成が抑制されるかもしれない。
【0025】
工程(b)において、反応物中に含まれる硫黄化合物の100重量部に基づいて、1~30重量部の重合停止剤をさらに添加してもよい。重合停止剤は、製造されるポリマー中に含まれるヨード基を除去することによって重合を停止させることができる限り、特に限定されるものではない。具体的には重合停止剤は、ジフェニルスルフィド、ジフェニルエーテル、ビフェニル類(またはジフェニル類)、ベンゾフェノン、ジベンゾチアジルジスルフィド、モノヨードアリール化合物、ベンゾチアゾール類、ベンゾチアゾールスルフェンアミド類、チウラム類、ジチオカルバメート類、ジフェニルジスルフィド、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。
【0026】
メルカプトシランカップリング剤は、樹脂組成物の引張強度と耐加水分解性を改善してもよい。具体的にはメルカプトシランカップリング剤は、2-メルカプトエチルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2-メルカプトエチルトリプロポキシシラン、2-メルカプトエチルトリブトキシシラン、2-メルカプトエチルトリsecブトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリイソプロポキシシラン、3-メルカプトプロピルトリオクトキシシラン、2-メルカプトエチルトリ2’-エチルヘキソキシシラン、2-メルカプトエチルジメトキシエトキシシラン、3-メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、3-メルカプトプロピルメトキシジメチルシラン、3-メルカプトプロピルジメトキシメチルメルカプトシラン、3-メルカプトプロピルメトキシジ(メチルメルカプト)シラン、3-メルカプトプロピルメトキシメチルメチルメルカプトシラン、2-メルカプトエチルトリス(メチルメルカプト)シラン、2-メルカプトエチルトリス(イソプロピルメルカプト)シラン、3-メルカプトプロピルトリブチルメルカプトシラン、3-メルカプトプロピルトリス(オクチルメルカプト)シラン、3-メルカプトプロピルシクロヘキソキシジメチルシラン、4-メルカプトブチルトリメトキシシラン、3-メルカプトシクロヘキシルトリメトキシシラン、3-メルカプトシクロヘキシルトリエトキシシラン、12-メルカプトドデシルトリメトキシシラン、18-メルカプトオクタデシルトリメトキシシラン、18-メルカプトオクタデシルトリメトキジメチルシラン、2-メルカプトエチルトリプロポキシシラン、3-メルカプトプロピルトリプロポキシシラン、4-メルカプトブチルトリプロポキシシラン、3-メルカプトプロピルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルジエトキシシラン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。具体的にはメルカプトシランカップリング剤は、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトシクロヘキシルトリメトキシシラン、3-メルカプトシクロヘキシルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルジエトキシシラン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。より具体的にはメルカプトシランカップリング剤は、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。
【0027】
メルカプトシランカップリング剤を、樹脂組成物の総重量に基づいて、0.01~5重量%、具体的には0.1~3重量%の量で添加してもよい。もしメルカプトシランカップリング剤が上記の範囲内で含まれているならば、機械的強度の増加と耐加水分解性の改善の効果が達成されるかもしれない。
【0028】
耐加水分解性添加剤は、官能化エポキシ樹脂、ポリカルボジイミド、パラ-フェニレン-ジイソシアネート、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。
【0029】
加えて耐加水分解性添加剤は、樹脂組成物の総重量に基づいて、0.01~5重量%、具体的には0.1~3重量%の量で添加されてもよい。もし耐加水分解性添加剤が上記の範囲内で含まれるならば、高温と高湿度の環境中においてさえも、性能保持期間を延ばすことにより、樹脂組成物の可使時間を延長する効果が得られるかもしれない。
【0030】
樹脂組成物は、15~70重量%のポリアリーレンスルフィド、0.01~5重量%のメルカプトシランカップリング剤、0.01~5重量%の耐加水分解性添加剤、および25~80%の充填剤を含んでもよい。具体的には樹脂組成物は、20~65重量%のポリアリーレンスルフィド、0.1~3重量%のメルカプトシランカップリング剤、0.1~1重量%の耐加水分解性添加剤、および45~75%の充填剤を含んでもよい。
【0031】
充填剤は、ガラス繊維、炭素繊維、ホウ素繊維、ガラスビーズ、ガラスフレーク、タルク、炭酸カルシウム、顔料、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。具体的には充填剤は、ガラス繊維、炭酸カルシウム、顔料、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。
【0032】
樹脂組成物の機械的強度と耐久性を改善するために、ガラス繊維を添加してもよい。ガラス繊維の平均直径は6~13μm、具体的には9~11μmであってもよい。加えてガラス繊維の平均長さは1~6mm、具体的には3~5mmであってもよい。ガラス繊維は、ウレタン/エポキシシランで表面処理されたガラス繊維、ウレタン/アミノシランで表面処理されたガラス繊維、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。ウレタン/エポキシシランとは、エポキシシランを含んでいる水溶性ウレタン樹脂を言い、および、ウレタン/アミノシランとは、アミノシランを含んでいる水溶性ウレタン樹脂を言う。市販されているガラス繊維は、オーウェンスコーニングにより製造されているOCV910、オーウェンスコーニングにより製造されているFT523などを含む。
【0033】
炭酸カルシウムを樹脂組成物の弾性率特性(modulus characteristic)を改善するために添加してもよく、0.8~20μm、具体的には1.0~10μmの平均粒径を有してもよい。
【0034】
顔料として、本技術分野で知られている様々な従来の有機または無機顔料を使用することができる。例えば顔料は、二酸化チタン(TiO)、カーボンブラック、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されてもよく、具体的にはカーボンブラックであってもよい。
【0035】
加えて充填剤は、樹脂組成物の総重量に基づいて、20~65重量%のガラス繊維、10~45重量%の炭酸カルシウム、および0.01~5重量%の顔料を含んでもよい。具体的には充填剤は、樹脂組成物の総重量に基づいて、30~60重量%のガラス繊維、15~40重量%の炭酸カルシウム、および0.1~3重量%の顔料を含んでもよい。より具体的には充填剤は、樹脂組成物の総重量に基づいて、35~55重量%のガラス繊維、15~30重量%の炭酸カルシウム、および0.1~1重量%の顔料を含んでもよい。
【0036】
本発明の樹脂組成物はさらに、潤滑剤、安定剤、可塑剤、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される成分を含んでもよい。
【0037】
潤滑剤を、成形性を改善するために添加してもよい。特に、樹脂とモールド金属の間の摩擦を防ぐために、および、モールドからの離型性を与えるために、炭化水素に基づいた潤滑剤を使用してもよい。炭化水素に基づいた潤滑剤は、モンタン酸、金属塩(例えば、カルシウム、マグネシウム、亜鉛などを有するもの)、エステル、ステアリン酸アミド(stearic amide)、ポリエチレンワックス、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。加えて潤滑剤は樹脂組成物に、その組成物の100重量部に基づいて、0.1~3.0重量部、具体的には0.1~1.0重量部の量で添加されてもよい。
【0038】
安定剤は、抗酸化剤、光安定剤、紫外線安定剤、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。安定剤は樹脂組成物に、その組成物の100重量部に基づいて、0.1~3.0重量部、具体的には0.1~1.0重量部の量で添加されてもよい。
【0039】
抗酸化剤は、樹脂組成物の高耐熱性と熱安定性を維持できる限り特に限定されるものではなく、その例には、フェノール系抗酸化剤、アミン抗酸化剤、硫黄抗酸化剤、およびリン抗酸化剤が含まれる。フェノール系抗酸化剤として、ヒンダードフェノール系化合物を使用することができる。その具体的な例には、テトラキス[メチレン-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、チオジエチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’-ヘキサン-1,6-ジイルビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]などが含まれる。
【0040】
リン抗酸化剤の例には、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスフェート、O,O’-ジオクタデシルペンタエリスリトールビス(ホスファイト)、ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、3,9-ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェノキシ)-2,4,8,10-テトラオキシ-3,9-ジホスファスピロ(diphospaspiro)[5,5]ウンデカンなどが含まれる。
【0041】
光安定剤と紫外線安定剤は、樹脂化合物の変色を防ぎ、光(UV)安定性を提供できる限り、特に限定されるものではない。光安定剤と紫外線安定剤の例には、ベンゾトリアゾール類、ベンゾフェノン類、およびヒンダードアミン化合物などが含まれる。
【0042】
樹脂化合物は、ASTM D 638に従って測定された50~200MPa、60~200MPa、70~180MPa、または100~180MPaの引張強度値を有していてもよい。
【0043】
その一方で本発明は、その樹脂組成物から製造された成形品を提供する。具体的には、樹脂組成物を二軸押出し成形などの本技術分野で既知の方法により成形することにより、樹脂組成物を優れた耐加水分解性と耐久性を有し種々の用途に適用することができる成形品に加工することができる。
【0044】
成形品をフィルム、シート、または繊維など種々の形とすることができ、その成形品は射出成形品、押出し成形品、またはブロー成形品であることができる。例えば射出成形の場合には、結晶化を考慮してモールドの温度は約130℃以上としてもよい。成形品がフィルムまたはシートの形である場合には、無配向法、一軸配向法、二軸配向法などにより、種々のフィルムまたはシートとして製造することができる。成形品が繊維である場合には、それらを非延伸繊維、延伸繊維、または超延伸繊維などの様々な種類の繊維とすることができ、それらは織物、編み物、不織布(スパンボンド式不織布、メルトブロー式不織布、または繊維(staple))、ロープ、または網などとして使用することができる。上記の成形品を、電気/電子部品、建築材料、自動車部品、機械部品、または基本物資としてのみならず、薬品と接触する領域のコーティングまたは耐薬品性をもつ工業繊維として使用することができる。それらは特に、自動車の冷却剤(不凍液)システムの部品として有用である。
【0045】
以下において、下記の実施例を参照として本発明を詳細に述べる。しかしながら、下記の実施例は本発明をさらに説明することを意図するものであり、本発明の範囲を制限するものではない。
【実施例
【0046】
発明の形態
調製例:PPS樹脂の調製
40kgのp-ジヨードベンゼン、3.4kgの硫黄、および触媒としての150gの1,3-ジヨード-4-ニトロベンゼンを反応器の中に入れ、180℃で溶融ブレンドを行った。重合反応は、混合された反応物の温度を180℃から340℃に上昇させ、圧力を大気圧から10トールまで低下させる間に行われた。重合の開始から5時間後に、150gの硫黄と重合停止剤としての100gのジフェニルスルフィドをそれに添加し、反応をさらに3時間行ってPPS樹脂を得た。調製された各々のPPS樹脂を、80トンのエンゲル射出機を用いて、50mm/秒の射出速度、120MPaの射出圧力、および310℃の射出温度で射出し、射出試料を調製した。
【0047】
得られたPPS樹脂の溶融粘度(MV)、融点(Tm)、数平均分子量(Mn)、多分散指数(PDI)、アリーレンスルフィド繰り返し単位:アリーレンジスルフィド繰り返し単位の重量比、塩素含有量およびヨウ素含有量を下記の方法で測定した。結果としてPPS樹脂は、2,000ポアズのMV、280℃のTm、15,000のMn、2.8のPDI、0ppmの塩素含有量、1:0.003のアリーレンスルフィド繰り返し単位:アリーレンジスルフィド繰り返し単位の重量比、および1,000ppmのヨウ素含有量を有していた。
【0048】
溶融粘度(MV)
溶融粘度は回転式ディスク粘度計を用いて300℃で測定した。周波数掃引法において、角周波数は0.6~500ラジアン/秒で測定され、1.84ラジアン/秒における粘度を溶融粘度(MV)と規定した。
【0049】
融点
示差走査熱量計(DSC)を用いて、10℃/分の速度で温度を30℃から320℃に上げ、30℃に冷却し、その後10℃/分の速度で温度を30℃から320℃に上げる間に融点を測定した。
【0050】
数平均分子量(Mn)と多分散指数(PDI)
1-クロロナフタレン中にPPSを溶解し、0.4重量%のPPS濃度として、250℃で25分間攪拌することによりサンプルを調製した。その後にサンプルを高温ゲルろ過クロマトグラフィー(GPC)システム(210℃)のカラムの中に1mL/分の流速で導入し、種々の分子量を有するポリアリーレンスルフィド類を順次に分離し、分離されたポリアリーレンスルフィドの分子量に対応する強度を、RI検出器を用いて検出した。分子量が既知である標準試料(ポリスチレン)で較正曲線を測定した後に、PPS樹脂の数平均分子量(Mn)と多分散指数(PDI)を計算した。
【0051】
塩素(Cl)含有量
AQF(自動迅速炉)を用いて50mgの射出試料を1,000℃に加熱し、何れの有機物質も完全に焼却し、燃焼ガスを吸収溶液(900ppmの過酸化水素溶液)中に捕捉し、イオンクロマトグラフィー(自動迅速炉)中に自動注入し、塩素(Cl)含有量を測定した。
【0052】
ヨウ素(I)含有量
AQF(自動迅速炉)を用いて50mgの射出試料を1,000℃に加熱し、何れの有機物質も完全に焼却し、燃焼ガスを吸収溶液(900ppmの過酸化水素溶液、および900ppmのヒドラジン)中に捕捉し、イオンクロマトグラフィー(自動迅速炉)中に自動注入し、ヨウ素(I)含有量を測定した。
【0053】
アリーレンジスルフィド重量解析方法
AQF(自動迅速炉)を用いて少量(約2mg)のサンプルを1,000℃で焼却した後に、硫酸ガスを吸収溶液(過酸化水素溶液)中に収集してイオン化し、その後硫黄イオンをIC(イオンクロマトグラフィー)測定方法を用いてカラム中で分離した。硫黄含有量を硫黄イオン標準物質(KSO)により定量化し、測定された硫黄含有量と理論的な硫黄含有量との差をジスルフィドの量として算出した。
【0054】
例1(参考例):樹脂組成物の調製
組成物を構成する各成分を、35重量%の上記の調製例で得られたPPSに相当する組成量、40重量%のウレタン/アミノシラン処理されたガラス繊維(OCV-910、オーウェンスコーニング)、24重量%の炭酸カルシウム(オミヤ 1HB)、0.5重量%の3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(モメンティブ、シルクエストA-189)および0.5重量%の耐加水分解性添加剤(エポキシ樹脂、BASF、ADR 4370S)に相当する組成量で二軸スクリュー押出機に添加し、およびその後に組成物の100重量部に基づいて0.5重量部のカーボンブラック(オリオンエンジニアリングカーボン株式会社、Hiblck(登録商標)50L)をさらに添加し、樹脂組成物を調製した。
【0055】
SMプラテックにより製造された二軸スクリュー押出機は、40mmの直径と44のL/Dを有していた。工程条件は250rpmのスクリュー速度、40kg/時間のフィード速度、280℃~300℃のバレル温度、および60%のトルクであった。原材料を射出するのに3つのフィーダーを使用した。PPS樹脂組成物を調製するために、第1のフィーダーを使用してPPS樹脂、カーボンブラック、メルカプトシランカップリング剤および耐加水分解性添加剤をフィードし;第2のフィーダーを使用して炭酸カルシウムをフィードし;第3のフィーダーを使用してガラス繊維をフィードした。
【0056】
例2~4(実施例)
表2に示された成分とその含有量を用いたことを除いて、例1と同じ方法でPPS樹脂組成物を調製した。
【0057】
比較例1~11
表2と3に示された成分とその含有量を用いたことと、炭酸カルシウムとガラス繊維のどちらも添加しなかったことを除いて、例1と同じ方法で樹脂組成物を調製した。
【0058】
例1~4と比較例1~11において使用された成分を下記の表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】
実験例
例1~4と比較例1~11で調製された樹脂組成物の性質を下記に述べるようにして測定し、測定結果を表2~4に示す。
【0061】
最初に、例1~4と比較例1~11で調製された樹脂組成物をそれぞれ310℃で射出して射出試料を調製した。
【0062】
(1)水分吸収速度の測定
カールフィッシャー水分計(三菱、VA-100固相法)を使用して、5gの(ペレットの形の)射出試料を下記の条件下で試験し、表面水分を除去した後に230℃で1時間加熱することにより水分含有量を測定した。
【0063】
・定常温度/定常湿度試験:80℃と湿度80%
・試料:5gのペレット
・浸漬時間:3日
・吸収速度測定装置:カールフィッシャー水分計
(2)引張強度
ASTM D 638に従って射出試料の引張強度を測定した。
【0064】
(3)浸水試験
曲げ強度試料(ASTM D 740)を蒸留水中に、60℃で1,000時間浸漬した。500時間および1,000時間の浸漬後に、曲げ強度試料を取り出して、上記で述べたのと同じ方法で曲げ強度を測定し、浸漬前後の曲げ強度値を比較し、特性保持率(保持%、RT%)を評価した。
【0065】
(4)ロングライフクーラント試験(LLC試験)
引張強度試料(ASTM D 638)を、140℃で3,000時間浸漬した。1,000時間および3,000時間の浸漬後に、射出試料を取り出して、上記で述べたのと同じ方法により引張強度を測定し、浸漬前後の引張強度値を比較し、特性保持率(保持%、RT%)を評価した。
【0066】
【表2】
【0067】
【表3】
【0068】
【表4】
【0069】
表2と3に示されるように、本発明の例1~4の樹脂組成物は、比較例1~11のそれらよりも実質的に高い、3,000時間のLLC試験で75%以上の長期耐加水分解性保持率を示した。特にPPSの代わりにPPAまたはPAを含んでいる比較例9~11は、長い可使時間を必要とする自動車冷却剤部品として使用するには不適切な、20%以下の長期耐加水分解性保持率を示した。
【0070】
加えて、メルカプトシランカップリング剤と耐加水分解性添加剤を含んでいる例1~4の組成物は、メルカプトシランカップリング剤も耐加水分解性添加剤も含んでいない比較例1の組成物およびメルカプトシランカップリング剤のみを含んでいる比較例3の組成物と比較したときに、長期耐加水分解性保持率の増加を示した。
【0071】
表4に示されるように、溶融重合法により調製されたPPSを含んでいる比較例2の試料は、溶液重合PPSを含んでいる比較例5と7の試料よりも低い水分吸収を示した。これは水分吸収に影響する残留塩が存在しないことに依る可能性がある。
以下に、本願の出願当初の請求項を実施の態様として付記する。
[1] 300ppm以下の塩素含有量を有するポリアリーレンスルフィド;メルカプトシランカップリング剤;耐加水分解性添加剤;および充填剤を含む、樹脂組成物。
[2] 前記ポリアリーレンスルフィドが、アリーレンスルフィド繰り返し単位とアリーレンジスルフィド繰り返し単位を、1:0.0001~0.05の重量比で含む、[1]に記載の樹脂組成物。
[3] 前記メルカプトシランカップリング剤が、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトシクロヘキシルトリメトキシシラン、3-メルカプトシクロヘキシルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルジエトキシシラン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、[1]に記載の樹脂組成物。
[4] 前記耐加水分解性添加剤が、官能化エポキシ樹脂、ポリカルボジイミド、パラ-フェニレン-ジイソシアネート、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、[1]に記載の樹脂組成物。
[5] 前記充填剤が、ガラス繊維、炭素繊維、ホウ素繊維、ガラスビーズ、ガラスフレーク、タルク、炭酸カルシウム、顔料、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、[1]に記載の樹脂組成物。
[6] 前記充填剤が、ガラス繊維、炭酸カルシウム、顔料、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、[5]に記載の樹脂組成物。
[7] 前記ガラス繊維が、ウレタン/エポキシシランで表面処理されたガラス繊維、ウレタン/アミノシランで表面処理されたガラス繊維、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、[6]に記載の樹脂組成物。
[8] 前記ガラス繊維が、6~13μmの平均直径と1~6mmの平均長さを有する、[6]に記載の樹脂組成物。
[9] 前記炭酸カルシウムが0.8~20μmの平均粒径を有する、[6]に記載の樹脂組成物。
[10] 前記充填剤が、樹脂組成物の総重量に基づいて、20~65重量%のガラス繊維、10~45重量%の炭酸カルシウム、および、0.01~5重量%の顔料を含む、[6]に記載の樹脂組成物。
[11] 前記樹脂組成物が、樹脂組成物の総重量に基づいて、15~70重量%のポリアリーレンスルフィド、0.01~5重量%のメルカプトシランカップリング剤、0.01~5重量%の耐加水分解性添加剤、および、25~80重量%の充填剤を含む、[1]に記載の樹脂組成物。
[12] ASTM D 638に従って測定されたときに、50~200MPaの引張強度値を有する、[1]に記載の樹脂組成物。
[13] [1]~[12]のいずれか一つに従った樹脂組成物の成形により製造された成形品。
[14] 成形品が自動車エンジン冷却剤システムの部品である、[13]に記載の成形品。