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特許7086877ユニット輸送用治具及びユニット輸送用治具を用いた輸送方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-10
(45)【発行日】2022-06-20
(54)【発明の名称】ユニット輸送用治具及びユニット輸送用治具を用いた輸送方法
(51)【国際特許分類】
   E04G 21/14 20060101AFI20220613BHJP
   E04B 1/348 20060101ALI20220613BHJP
【FI】
E04G21/14
E04B1/348 X
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019023943
(22)【出願日】2019-02-13
(65)【公開番号】P2020133133
(43)【公開日】2020-08-31
【審査請求日】2021-07-14
(73)【特許権者】
【識別番号】504093467
【氏名又は名称】トヨタホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】日置 達彦
【審査官】河内 悠
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-173941(JP,A)
【文献】実開平05-003499(JP,U)
【文献】特開平11-129808(JP,A)
【文献】特開平09-132073(JP,A)
【文献】特開昭61-126247(JP,A)
【文献】実開昭60-159790(JP,U)
【文献】特開平08-189198(JP,A)
【文献】特開平09-242338(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 21/14
E04G 21/16
E04B 1/348
E04B 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
段積みされた複数の建物ユニットの一方の端部を固定する第1固定部を備えた架台と、
下端が前記架台に固定され、前記複数の建物ユニットの他方の端部を固定する第2固定部を備えた縦治具と、
上下に段積みされた前記複数の建物ユニットの上段側の前記建物ユニットと下段側の前記建物ユニットとの間に設けられ、一方の端部が前記架台に支持されると共に、他方の端部が前記縦治具に固定された第1横治具と、
前記第1横治具の上面に、平面視で前記第1横治具と直交するように載置され、上面に前記建物ユニットが載置される第2横治具と、
を含んで構成されたユニット輸送用治具。
【請求項2】
前記複数の建物ユニットは、前記一方の端部が前記架台の前記第1固定部に第1方向から固定され、前記他方の端部が前記縦治具の前記第2固定部に平面視で前記第1方向と直交する第2方向から固定される請求項1に記載のユニット輸送用治具。
【請求項3】
前記架台は、前記第1横治具の前記一方の端部を挟み込むように配置された一対のプレート部を備える請求項1又は請求項2に記載のユニット輸送用治具。
【請求項4】
前記架台は、前記第1固定部に固定された前記建物ユニットが載置される側と前記第1固定部に対して反対側の端部に設けられ、前記第1固定部を補強する補強部を備える請求項1から3の何れか1項に記載のユニット輸送用治具。
【請求項5】
下段側の前記建物ユニットを前記架台に載置する第1工程と、
下段側の前記建物ユニットの一方の端部を前記架台の第1固定部に固定すると共に、下端が前記架台に固定された前記縦治具の第2固定部に下段側の前記建物ユニットの他方の端部を固定する第2工程と、
下段側の前記建物ユニットの上段側に、一方の端部が前記架台に支持されると共に、他方の端部が前記縦治具に固定された前記第1横治具を配置する第3工程と、
前記第1横治具の上面に、平面視で前記第1横治具と直交するように前記第2横治具を載置する第4工程と、
前記第2横治具の上面に上段側の前記建物ユニットを載置する第5工程と、
上段側の前記建物ユニットの一方の端部を前記架台の前記第1固定部に固定すると共に、他方の端部を前記縦治具の第2固定部に固定する第6工程と、
を含んで構成された請求項1から請求項4の何れか1項に記載のユニット輸送用治具を用いた輸送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユニット輸送用治具及びユニット輸送用治具を用いた輸送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、トラックの荷台に固定され、その上方側に複数のバルコニーユニットが積層載置されたバルコニーユニットの搬送用具が開示されている。これにより、一台のトラックで複数のバルコニーユニットを搬送することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平9-078687号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された搬送用具によれば、積層載置された複数のバルコニーユニットのうち最下段のユニットだけが搬送用具に固定されている。最下段のユニットよりも上段のユニットは、下段のユニットの上面に載置され、最上段のユニットの上面側から掛けられたロープによりトラックの荷台に固定されている。このため、トラック輸送による振動等によって荷物が安定しない可能性がある。そこで、複数の建物ユニットがそれぞれ固定された状態で1つの輸送手段に積層載置できるユニット輸送用治具を設けることが望ましい。
【0005】
本発明は、上記事実を考慮し、複数の建物ユニットがそれぞれ固定された状態で1つの輸送手段に積層載置できるユニット輸送用治具を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様に係るユニット輸送用治具は、段積みされた複数の建物ユニットの一方の端部を固定する第1固定部を備えた架台と、下端が前記架台に固定され、前記複数の建物ユニットの他方の端部を固定する第2固定部を備えた縦治具と、上下に段積みされた前記複数の建物ユニットの上段側の前記建物ユニットと下段側の前記建物ユニットとの間に設けられ、一方の端部が前記架台に支持されると共に、他方の端部が前記縦治具に固定された第1横治具と、前記第1横治具の上面に、平面視で前記第1横治具と直交するように載置され、上面に前記建物ユニットが載置される第2横治具と、を含んで構成されている。
【0007】
第1の態様に係るユニット輸送用治具によれば、段積みされた複数の建物ユニットの一方の端部が架台の第1固定部に固定される。また、複数の建物ユニットの他方の端部は、縦治具の第2固定部に固定される。これにより、複数の建物ユニットをそれぞれ輸送用治具に固定した状態で1つの輸送手段に積層載置することができる。
【0008】
さらに、第1の態様に係るユニット輸送用治具によれば、上下段に段積みされた複数の建物ユニットの上段側のユニットと下段側のユニットとの間には、一方の端部が架台に支持されると共に、他方の端部が縦治具に固定された第1横治具が設けられている。また、第1横治具の上面には、平面視で第1横治具と直交するように第2横治具が載置されている。このため、上段側のユニットと下段側のユニットとを直接接触させることなく輸送用治具に積層載置することができる。これにより、複数の建物ユニットを安定して積層載置することができる。
【0009】
第2の態様に係るユニット輸送用治具は、第1の態様において、前記複数の建物ユニットは、前記一方の端部が前記架台の前記第1固定部に第1方向から固定され、前記他方の端部が前記縦治具の前記第2固定部に平面視で前記第1方向と直交する第2方向から固定される。
【0010】
第2の態様に係るユニット輸送用治具によれば、複数の建物ユニットは、一方の端部が第1固定部に第1方向から固定されると共に、他方の端部が第2固定部に第1方向と平面視で直交する第2方向から固定されている。このため、例えば、複数の建物ユニットの重心が、輸送用治具の中央部からずれるような場合であっても、複数の建物ユニットを安定して固定することができる。これにより、複数の建物ユニットを安定して輸送することができる。
【0011】
第3の態様に係るユニット輸送用治具は、第1又は第2の態様の何れか1の態様において、前記架台は、前記第1横治具の前記一方の端部を挟み込むように配置された一対のプレート部を備えている。
【0012】
第3の態様に係るユニット輸送用治具によれば、架台には、第1横治具の一方の端部を挟み込むように配置された一対のプレート部が備えられている。このため、第1横治具は、架台に安定的に支持される。これにより、建物ユニットと第2横治具が載置される第1横治具を安定的に支持することができる。
【0013】
第4の態様に係るユニット輸送用治具は、第1から第3の態様の何れか1の態様において、前記架台は、前記第1固定部に固定された前記建物ユニットが載置される側と前記第1固定部に対して反対側の端部に設けられ、前記第1固定部を補強する補強部を備えている。
【0014】
第4の態様に係るユニット輸送用治具によれば、架台の第1固定部に固定された建物ユニットが載置される側と第1固定部に対して反対側の端部に、補強部が備えられ、第1固定部が補強されている。このため、建物ユニットが固定される第1固定部の強度を補強することができる。また、例えば、同じ向きに複数の建物ユニットが積層載置されることにより、複数の建物ユニットの重心位置が、輸送用治具の中央部から離れた位置に設けられる場合であっても、輸送用治具全体としての重心位置の偏りを抑制することができる。これにより、複数の建物ユニットを輸送用治具に安定して固定することができる。
【0015】
第5の態様に係る第1の態様から第4の態様の何れか1の態様に記載のユニット輸送用治具を用いた輸送方法は、下段側の前記建物ユニットを前記架台に載置する第1工程と、下段側の前記建物ユニットの一方の端部を前記架台の第1固定部に固定すると共に、下端が前記架台に固定された前記縦治具の第2固定部に下段側の前記建物ユニットの他方の端部を固定する第2工程と、下段側の前記建物ユニットの上段側に、一方の端部が前記架台に支持されると共に、他方の端部が前記縦治具に固定された前記第1横治具を配置する第3工程と、前記第1横治具の上面に、平面視で前記第1横治具と直交するように前記第2横治具を載置する第4工程と、前記第2横治具の上面に上段側の前記建物ユニットを載置する第5工程と、上段側の前記建物ユニットの一方の端部を前記架台の前記第1固定部に固定すると共に、他方の端部を前記縦治具の第2固定部に固定する第6工程と、を含んで構成されている。
【0016】
第5の態様に係るユニット輸送用治具を用いた輸送方法によれば、第1工程において架台の上面側に載置された下段側の建物ユニットは、第2工程において架台の第1固定部と縦治具の第2固定部とに固定される。このため、下段側の建物ユニットは、輸送用治具に安定して固定される。また、第5工程において第1横治具と平面視で直交するように載置された第2横治具の上面に載置された上段側の建物ユニットは、第6工程において架台の第1固定部と縦治具の第2固定部とに固定される。このため、上段側の建物ユニットは、輸送用治具に安定して固定される。これにより、複数の建物ユニットがそれぞれ固定された状態で積層載置された輸送用治具を1つの輸送手段に積載して輸送することができる。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、第1の態様に係るユニット輸送用治具は、複数の建物ユニットがそれぞれ固定された状態で1つの輸送手段に積層載置できるという優れた効果を有する。
【0018】
第2の態様に係るユニット輸送用治具は、建物ユニットの重心が、輸送用治具の中央部からずれるような場合であっても、これらのユニットを輸送用治具に安定して固定することができるという優れた効果を有する。
【0019】
第3の態様に係るユニット輸送用治具は、建物ユニットと第2横治具が載置される第1横治具を安定的に支持することができるという優れた効果を有する。
【0020】
第4の態様に係るユニット輸送用治具は、複数の建物ユニットが固定された第1固定部の強度を補強することができると共にこれらのユニットが載置された輸送用治具の重心位置が偏ることを抑制することができるという優れた効果を有する。
【0021】
第5の態様に係るユニット輸送用治具を用いた輸送方法は、複数の建物ユニットがそれぞれ固定された状態で積層載置された輸送用治具を1つの輸送手段に積載して輸送することができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本実施形態に係る建物ユニットが適用された建物の2階部分を示す平面図である。
図2】本実施形態に係るユニット輸送用治具の斜視図である。
図3】本実施形態に係るユニット輸送用治具の側面図である。
図4】本実施形態に係るユニット輸送用治具を用いた輸送方法の第1工程を示した斜視図である。
図5】本実施形態に係るユニット輸送用治具を用いた輸送方法の第2工程を示した斜視図である。
図6】本実施形態に係るユニット輸送用治具を用いた輸送方法の第3工程を示した斜視図である。
図7】本実施形態に係るユニット輸送用治具を用いた輸送方法の第4工程を示した斜視図である。
図8】本実施形態に係るユニット輸送用治具を用いた輸送方法の第5工程を示した斜視図である。
図9】本実施形態に係るユニット輸送用治具を用いた輸送方法の第6工程における上段の外廊下ユニットの第1固定部への固定を示した斜視図である。
図10】本実施形態に係るユニット輸送用治具を用いた輸送方法の第6工程における上段の外廊下ユニットの第2固定部への固定を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図1図10を用いて、本発明に係るユニット輸送用治具の一実施形態について説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印UPは輸送用治具の治具上方側を示している。
【0024】
(ユニット式建物の構成)
図1には、ユニット式建物により構成された建物12の一例として、複数の住戸を有する二階建ての集合住宅14(例えばアパートやマンション)の2階部分を示す平面図が示されている。集合住宅14は、図示しない基礎上に固定され、複数の建物ユニットとしての箱型ユニット16が互いに連結されることによって構成されており、一階部分(図示省略)と2階部分14Aとを有する2階建てユニット式建物として構成されている。ここでは、「建物ユニット」とは、箱型ユニット16及び後述する外廊下ユニット24やバルコニーユニット等も含めたユニット式建物を構成するためのユニットを総称する。
【0025】
集合住宅14の2階部分14Aには、複数の箱型ユニット16が連結されることにより構成され、横並びに(集合住宅14の長手方向に沿って)設けられた複数の住戸18と、各住戸18に通じる共用廊下を形成する外廊下20と、が設けられている。各住戸18はそれぞれ内部に居住空間18A(住戸内空間)を有しており、各住戸18の内側の居住空間18Aは仕切壁22により外廊下20と仕切られている。
【0026】
外廊下20は、複数の建物ユニットとしての外廊下ユニット24が連結されることにより構成され、各住戸18の並び方向(集合住宅14の長手方向)に延在されている。外廊下20は、屋外に開放された屋外廊下とされており、外廊下20の屋外側となる外廊下軒先側には、腰壁を形成する腰壁部34が設けられている。また、外廊下20は共用外階段28に通じており、その共用外階段28を介して一階部分への行き来が可能とされている。
【0027】
図4には、外廊下ユニット24の斜視図が示されている。外廊下ユニット24は、廊下を形成する床部32と、外廊下軒先側に形成された腰壁部34と、を含んで構成されている。床部32は、その外廊下軒先側に集合住宅14の長手方向に沿って配置された床大梁36と、集合住宅14の長手方向に沿って所定の間隔を空けて配置され、集合住宅14の短手方向に沿って延在された複数の床小梁38と、を含んで構成されている。
【0028】
床大梁36は、外廊下20の内側(住戸18側)へ向けて開放された溝形鋼により構成されている。また、床小梁38は、集合住宅14の長手方向へ向けて開放された溝形鋼により構成されている。複数の床小梁38は、その外廊下軒先側の端部が接合された床大梁36の溝部36Aと各住戸18の箱型ユニット16の床フレームを構成する住戸側床大梁(図示省略)との間に架け渡されている。床小梁38の住戸18側(外廊下根元側)の端部には、床小梁38の上方側のフランジ部の端部と下方側のフランジ部の端部を繋ぐように板状に形成された補助プレート39が接合されている。また、床小梁38のうち所定の位置に配置された床小梁38の外廊下根元側端部には、取付ブラケット40が接合されている。取付ブラケット40は、板状に形成され、内側には、住戸側床大梁にボルト締結するための孔部40Aがその板厚方向に沿って貫通形成されている。
【0029】
床大梁36の上側フランジ部36B及び床小梁38の上面には、床大梁36の長手方向(集合住宅14の長手方向)に沿って板状に形成され、外廊下20の排水溝を構成する溝用プレート42が配置されている。床小梁38の上面には、床大梁36の長手方向に沿って延在された複数の床板支持梁44が、床大梁36の長手方向の両端部に配置された床小梁38との間に架け渡されている。複数の床板支持梁44は、外廊下軒先側へ向けて開放された溝形鋼により形成され、溝用プレート42の外廊下根元側から床小梁38の外廊下根元側端部に亘って所定の間隔を空けて複数本配置されている。
【0030】
外廊下軒先側の床板支持梁44は、溝用プレート42の外廊下根元側端部に沿って配置されている。このため、外廊下軒先側の床板支持梁44と溝用プレート42により排水溝を構成するための段差(溝)が形成されている。床板支持梁44の上面には、板状に形成され、外廊下20の床面を構成する廊下用プレート46が配置されている。
【0031】
床大梁36のウエブ36Cの外廊下軒先側の面には、腰壁部34が接合されている。腰壁部34は、床大梁36のウエブ36Cに接合されると共に建物上方側へ向けて延在された柱部34Aと、柱部34Aの外側及び内側に図示しないビスによりそれぞれ固定された外壁パネル34B及び内壁パネル34Cと、を含んで構成されている。また、柱部34Aは、下端部に設けられた固定部材48(図6参照)が床大梁36のウエブ36Cにボルト締結されている。外壁パネル34B及び内壁パネル34Cは、例えば、サイディング材により構成されている。内壁パネル34Cのユニット下方側には、取付部材34Dが取り付けられており、取付部材34Dの上端から溝用プレート42の上面に亘って図示しない防水用シートが取り付けられている。
【0032】
(輸送用治具の構成)
図2には、外廊下ユニット24を段積み(積層載置)するための輸送用治具10の斜視図が示されている。輸送用治具10の治具下方側には、複数の外廊下ユニット24A、24B(図3参照)を積層載置すると共に固定する架台52が形成されている。
【0033】
架台52は、載置される外廊下ユニット24の長手方向に沿った方向が長手方向とされている(図3参照)。複数の外廊下ユニット24が積層載置された架台52は、輸送手段、例えば、トラックの荷台の上面に載置される。
【0034】
架台52は、その下部を形成する梁部56と、梁部56の上面に形成された桁部58と、を含んで構成されている。梁部56は、角形鋼管により形成され、平面視で架台52の長手方向と直交する第1方向としての架台短手方向に延在された複数の梁部材56Aを含んで構成されている。梁部材56Aは、架台52の長手方向両端部と長手方向略中央部に配置されている。ここで、架台52の一方の長手方向端部としての架台第1端部に配置された梁部材56Aを第1梁部材62、他方の長手方向端部としての架台第2端部に配置された梁部材56Aを第2梁部材64と称する。また、架台52の長手方向略中央部に配置された梁部材56Aを第3梁部材66と称する。第1梁部材62と第3梁部材66の間には、2本の梁部材56Aが配置されている。これらのうち架台52の長手方向中央部に近い側の梁部材56Aを第4梁部材68、架台第1端部側の梁部材56Aを第5梁部材70と称する。第5梁部材70は、外廊下ユニット24の大きさ(長さ)に応じて、架台52の長手方向の位置が設定される。さらに、第2梁部材64と第3梁部材66の間にも梁部材56Aが設けられており、これを第6梁部材72と称する。
【0035】
第3梁部材66の架台52の長手方向両側には、梁部材56Aと共に梁部56を構成する持上用部材56Bがそれぞれ配置されている。持上用部材56Bには、その幅(架台52の長手方向の長さ)が梁部材56Aの幅よりも長い角形鋼管が用いられている。具体的には、持上用部材56Bの幅は、例えば、フォークリフトのフォーク(ツメ)が、角形鋼管の管内に挿入できる程度の長さに設定されている。
【0036】
梁部56の治具上方側には、桁部58が形成されている。桁部58は、第1梁部材62から第2梁部材64に亘って架台52の長手方向に沿って延在され、梁部56の上面に接合された複数の桁部材58Aを含んで構成されている。桁部材58Aは、架台52の短手方向の両端部に配置されると共に外廊下ユニット24が積層載置される側に複数(2本)配置されている。ここで、外廊下ユニット24が積層載置される架台52の一方の短手方向端部としての第1短手方向端部に配置された桁部材58Aを第1桁部材82、架台52の他方の短手方向端部としての第2短手方向端部に配置された桁部材58Aを第2桁部材84、と称する。第1桁部材82は、治具下方側へ向けて開放された溝形鋼により形成され、第2桁部材84は、角形鋼管により形成されている。また、第1桁部材82と第2桁部材84の間には、外廊下ユニット24が積層載置される2本の桁部材58Aが配置されている。これらのうち、第1短手方向端部側に配置された桁部材58Aを第3桁部材86と称し、第2短手方向端部側に配置された桁部材58Aを第4梁部材88と称する。第3桁部材86と第4桁部材88は、角形鋼管により形成されている。
【0037】
第5梁部材70以外の梁部材56Aには、第4桁部材88と第2桁部材84の間の位置に複数の下段用縦部材92及び上段用縦部材94が配置されている。複数の下段用縦部材92は、架台52の長手方向へ向けて開放され、治具上方側へ向けて延在された溝形鋼により構成されている。また、複数の上段用縦部材94は、下段用縦部材92よりも第2短手方向端部側に配置されている。複数の上段用縦部材94は、架台52の長手方向へ向けて開放され、治具上方側へ向けて延在された溝形鋼により構成されている。
【0038】
複数の下段用縦部材92の第1短手方向端部側のフランジ92Aには、架台52の長手方向に沿って延在された下段用桁材96がボルト締結されている。下段用桁材96は、第1短手方向端部側へ向けて開放され、架台52の長手方向両端部に亘って延在された溝形鋼により構成されている。下段用桁材96のウエブ96Aには、第1固定部としての下側第1固定部98が形成されている。下側第1固定部98は、架台52に積層載置される下段側の外廊下ユニット24Aの取付ブラケット40(図3参照)の位置に対応して形成されている。下側第1固定部98には、下段用桁材96のウエブ96Aの板厚方向(架台52の短手方向)に沿ってボルト挿通孔98Aが貫通形成されている。架台52に載置された下段側の外廊下ユニット24Aの取付ブラケット40は、下側第1固定部98のボルト挿通孔98Aを介して下段用桁材96にボルト締結される。
【0039】
複数の上段用縦部材94の第1短手方向端部側のフランジ94Aには、架台52の長手方向に沿って延在された上段用桁材100がボルト締結されている。上段用桁材100は、第1短手方向端部側へ向けて開放され、架台52の長手方向両端部に亘って延在された溝形鋼により構成されている。上段用桁材100のウエブ100Aには、第1固定部としての上側第1固定部102が形成されている。上側第1固定部102は、架台52に積層載置される上段側の外廊下ユニット24Bの取付ブラケット40(図3参照)の位置に対応して形成されている。上側第1固定部102には、上段用桁材100のウエブ100Aの板厚方向(架台52の短手方向)に沿ってボルト挿通孔102Aが貫通形成されている。架台52に載置された上段側の外廊下ユニット24Bの取付ブラケット40は、上側第1固定部102のボルト挿通孔102Aを介して上段用桁材100にボルト締結されている。
【0040】
複数の上段用縦部材94の第1短手方向端部側のフランジ94Aには、上段用桁材100の治具下方側において、架台52の長手方向両端部に亘って延在された支持部材104が接合されている。支持部材104は、縦壁104Aが架台上方側へ向けて延在されると共に横壁104Bが第1短手方向端部側へ向けて延在された山形鋼により構成され、縦壁104Aがフランジ94Aに接合されている。
【0041】
支持部材104の第1梁部材62、第2梁部材64及び第5梁部材70側には、一対のプレート部としての一対の固定用プレート106が設けられている。固定用プレート106は、架台52の長手方向を板厚方向とし、その二辺が縦壁104Aの第1短手方向端部側と横壁104Bの治具上方側に接する略三角形状に形成され、縦壁104Aと横壁104Bとに接合されている。一対の固定用プレート106は、後述する第1横治具112の幅(架台52の長手方向長さ)に合わせた間隔を空けて支持部材104に接合されている。これにより、支持部材104に支持された第1横治具112が架台52の長手方向にスライドすることを防止することができる。
【0042】
図3に示されるように、外廊下ユニット24が積層載置される架台52の第1短手方向端部と上側第1固定部102に対して反対側の端部となる架台52の第2短手方向端部側には、第5梁部材70以外の梁部材56Aに、補強部としての補強部材108が配置されている。補強部材108は、架台52の長手方向へ向けて開放され、梁部材56Aの第2短手方向端部側から第1短手方向端部側かつ治具上方側へ向けて延在された溝形鋼により構成されている。補強部材108の下端部は、梁部材56Aの側面に接合され、上端部が上段用縦部材94の治具上方側に接合されている。
【0043】
図2に示されるように、第1梁部材62の上面には、第1桁部材82と第3桁部材86の間に、治具上方側に延在された縦治具としての第1縦治具122が配置されている。第1縦治具122は、第1縦固定部材152を介して第1梁部材62の上面に固定されている。第1縦固定部材152は、山形鋼で形成され、その縦壁が、第1縦治具122の第2短手方向端部側のフランジにボルト締結されると共に、横壁が第1梁部材62の上面にボルト締結されている。また、第1縦治具122の第1短手方向端部側のフランジの下端部は、隣接する第1桁部材82の側部82Aにボルト締結されている(図示省略)。
【0044】
図3に示されるように、第2梁部材64の上面には、第1桁部材82と第3桁部材86の間に、治具上方側に延在された縦治具としての第2縦治具124が配置されている。第2縦治具124は、第2縦固定部材154を介して第2梁部材64の上面に固定されている。第2縦固定部材154は、山形鋼で形成され、その縦壁が、第2縦治具124の第2短手方向端部側のフランジにボルト締結されると共に、横壁が第2梁部材64の上面にボルト締結されている。また、第2縦治具124の第1短手方向端部側のフランジの下端部は、隣接する第1桁部材82の側部82Aにボルト締結されている。
【0045】
図2に示されるように、第5梁部材70の上面には、第1桁部材82と第3桁部材86の間で、架台上方側に延在された縦治具としての第3縦治具126が配置されている。第3縦治具126は、第3縦固定部材156を介して第5梁部材70の上面に固定されている。第3縦固定部材156は、山形鋼で形成され、その縦壁が、第5梁部材70の第2短手方向端部側のフランジにボルト締結されると共に、横壁が第5梁部材70の上面にボルト締結されている。また、第3縦治具126の第1短手方向端部側のフランジの下端部は、隣接する第1桁部材82の側部82Aにボルト締結されている(図示省略)。
【0046】
図3に示されるように、第2縦治具124のウエブ124Aの治具下方側には、下段側の外廊下ユニット24Aを固定するための第2固定部としての下側第2固定部138が形成されている。下側第2固定部138は、架台52に積層載置される下段側の外廊下ユニット24Aの治具上下方向位置に対応して形成されている。下側第2固定部138には、第2縦治具124のウエブ124Aの板厚方向(架台52の長手方向)に沿ってボルト挿通孔138Aが貫通形成されている。架台52に載置された下段側の外廊下ユニット24Aの長手方向端部は、外廊下ユニット24Aの長手方向端部に形成された図示しないボルト挿通孔と下側第2固定部138のボルト挿通孔138Aに挿通されたボルトにより第2縦治具124に第2方向としての架台52の長手方向から固定されている。
【0047】
図5及び図4に示されるように、第3縦治具126のウエブ126Aの治具下方側には、下段側の外廊下ユニット24Aを固定するための第2固定部としての下側第2固定部138が形成されている。下側第2固定部138は、架台52に積層載置される下段側の外廊下ユニット24Aの治具上下方向位置に対応して形成されている。下側第2固定部138には、第3縦治具126のウエブ126Aの板厚方向(架台52の長手方向)に沿ってボルト挿通孔138Aが貫通形成されている。架台52に載置された下段側の外廊下ユニット24Aの長手方向端部は、外廊下ユニット24Aの長手方向端部に形成された図示しないボルト挿通孔と下側第2固定部138のボルト挿通孔138Aに挿通されたボルトにより第3縦治具126に架台52の長手方向から固定されている。
【0048】
図6に示されるように、架台52に載置された下段側の外廊下ユニット24Aの治具上方側には、上段側の外廊下ユニット24Bを載置するために第1横治具112と第2横治具114、116が配置されている。第1横治具112は、架台52の短手方向に沿って延在された角形鋼管により構成され、架台52の複数箇所(3箇所)に配置されている。複数の第1横治具112の第1短手方向端部側の端部は、第1縦治具122、第2縦治具124及び第3縦治具126にそれぞれ固定され、第2短手方向端部側の端部は、支持部材104に支持されている。架台52に配置された第1横治具112の上面には、平面視で第1横治具112と直交する方向(架台52の長手方向)に沿って延在され、角形鋼板で構成された第2横治具114、116が配置されている。
【0049】
図2に示されるように、第1縦治具122に固定された第1横治具112の第1短手方向端部側の端部は、第1縦治具122のウエブ122Aの治具上方側に形成された第3固定部132に固定されている。第3固定部132には、第1縦治具122のウエブ122Aの板厚方向(架台52の長手方向)に沿ってボルト挿通孔(図示省略)が貫通形成されている。第1横治具112の第1短手方向端部側の端部は、第1横治具112に形成された図示しないボルト挿通孔及び第3固定部132のボルト挿通孔に挿通されたボルトにより第1縦治具122に固定されている。
【0050】
図3に示されるように、第2縦治具124に固定された第1横治具112の第1短手方向端部側の端部は、第2縦治具124のウエブ124Aの治具上方側に形成された第3固定部132に固定されている。第3固定部132には、第2縦治具124のウエブ124Aの板厚方向(架台52の長手方向)に沿ってボルト挿通孔132Aが貫通形成されている。第1横治具112の第1短手方向端部側の端部は、第1横治具112に形成された図示しないボルト挿通孔及び第3固定部132のボルト挿通孔132Aに挿通されたボルトにより第2縦治具124に固定されている。
【0051】
図5及び図4に示されるように、第1縦治具122に固定された第1横治具112の第1短手方向端部側の端部は、第1縦治具122のウエブ122Aの治具上方側に形成された第3固定部132に固定されている。第3固定部132には、第1縦治具122のウエブ122Aの板厚方向(架台52の長手方向)に沿ってボルト挿通孔132Aが貫通形成されている。第1横治具112の第1短手方向端部側の端部は、第1横治具112に形成された図示しないボルト挿通孔及び第3固定部132のボルト挿通孔132Aに挿通されたボルトにより第1縦治具122に固定されている。
【0052】
図3に示されるように、第2縦治具124及び第3縦治具126に固定された第1横治具112の上面の第1短手方向端部側に第2横治具114が載置されている。また、第1縦治具122、第2縦治具124及び第3縦治具126に固定された第1横治具112の上面の第2短手方向端部側に第2横治具116が載置されている。第2横治具114、116の架台52の短手方向の両側の第1横治具112の上面には、山形鋼により形成された係止部材118が取り付けられている。これにより、第2横治具114、116が架台52の短手方向にスライドすることを防止されている。
【0053】
第2縦治具124のウエブ124Aの治具上方側には、上段側の外廊下ユニット24Bを固定するための第2固定部としての上側第2固定部142が形成されている。上側第2固定部142は、架台52に積層載置される上段側の外廊下ユニット24Bの治具上下方向位置に対応して形成されている。上側第2固定部142には、第2縦治具124のウエブ124Aの板厚方向(架台52の長手方向)に沿ってボルト挿通孔142Aが貫通形成されている。架台52に載置された上段側の外廊下ユニット24Bの長手方向端部は、外廊下ユニット24Bの長手方向両端部に形成された図示しないボルト挿通孔と上側第2固定部142のボルト挿通孔142Aに挿通されたボルトにより第2縦治具124に第2方向としての架台52の長手方向から固定されている。
【0054】
図4及び図9に示されるように、第3縦治具126のウエブ126Aの治具上方側には、上段側の外廊下ユニット24Bを固定するための第2固定部としての上側第2固定部142が形成されている。上側第2固定部142は、架台52に積層載置される上段側の外廊下ユニット24Bの治具上下方向位置に対応して形成されている。上側第2固定部142には、第3縦治具126のウエブ126Aの板厚方向(架台52の長手方向)に沿ってボルト挿通孔142Aが貫通形成されている。架台52に載置された上段側の外廊下ユニット24Bの長手方向端部は、外廊下ユニット24Bの長手方向両端部に形成された図示しないボルト挿通孔と上側第2固定部142のボルト挿通孔142Aに挿通されたボルトにより第3縦治具126に架台52の長手方向から固定されている。
【0055】
次に、本実施形態に係る外廊下ユニット24A、24Bの輸送用治具10を用いた輸送方法の説明を通じて作用並びに効果について説明する。
【0056】
外廊下ユニット24A、24Bの輸送方法は、外廊下ユニット24A、24Bを輸送用治具10に載置する6つの工程を含んで構成されている。第1工程では、図4に示されるように、下段側の外廊下ユニット24Aが架台52に載置される。具体的には、例えば、図示しないクレーン等により吊り込まれた下段側の外廊下ユニット24Aは、その腰壁部34が第1短手方向端部側に位置するように降ろされ、第1桁部材82、第3桁部材86及び第4桁部材88の上面に載置される。
【0057】
第2工程では、図5に示されるように、下段側の外廊下ユニット24Aは、架台52の下側第1固定部98と下側第2固定部138に固定される。具体的には、架台52に載置された下段側の外廊下ユニット24Aは、根元側端部に設けられた取付ブラケット40の孔部40Aと下段用桁材96の下側第1固定部98のボルト挿通孔98Aを介して下側第1固定部98にボルト締結される。これにより、下段側の外廊下ユニット24Aの根元側端部は、架台52にその短手方向から固定される。
【0058】
下段側の外廊下ユニット24Aの架台第2端部側の端部は、その長手方向端部に形成されたボルト挿通孔と第2縦治具124の下側第2固定部138に貫通形成されたボルト挿通孔138Aを介して下側第2固定部138にボルト締結される。また、外廊下ユニット24Aの架台第1端部側の端部は、その長手方向端部に形成されたボルト挿通孔と第3縦治具126の下側第2固定部138に貫通形成されたボルト挿通孔138Aを介して下側第2固定部138にボルト締結される。これにより、下段側の外廊下ユニット24Aの根元側端部は、架台52にその長手方向両側から固定される。
【0059】
第3工程では、図6に示されるように、下段側の外廊下ユニット24Aの治具上方側において、第1縦治具122、第2縦治具124及び第3縦治具126に、それぞれ第1横治具112が配置される。具体的には、第1横治具112の一方の端部としての架台52の第2短手方向端部側の端部は、架台52の支持部材104の横壁104Bの上面に配置される。このとき、第1横治具112は、支持部材104に取り付けられた一対の固定用プレート106の間に配置される。このため、第1横治具112は、支持部材104の横壁の104Bをスライドすることなく支持部材104に安定して支持されている。
【0060】
複数の第1横治具112の第2短手方向端部側の端部は、第1縦治具122、第2縦治具124及び第3縦治具126に、それぞれ固定される。具体的には、第1横治具112は、第1縦治具122、第2縦治具124及び第3縦治具126に形成された第3固定部132にボルト締結によりそれぞれ固定される。
【0061】
第4工程では、図7に示されるように、第1横治具112の上面に、第2横治具114、116が、第1横治具112と平面視で直交するように架台52の長手方向に沿って載置される。具体的には、第2縦治具124及び第3縦治具126に固定された第1横治具112の上面の第1短手方向端部側に第2横治具114が載置される。また、第1縦治具122、第2縦治具124及び第3縦治具126に固定された第1横治具112の上面の第2短手方向端部側に第2横治具116が載置される。ここで、第2横治具114、116は、第1横治具112の上面に取り付けられた一対の係止部材118の間に載置される。これにより、第2横治具114、116は、第1横治具112の上面を架台52の短手方向にスライドすることを防止した上で、第1横治具112に安定して載置される。
【0062】
第5工程では、図8に示されるように、上段側の外廊下ユニット24Bが第2横治具114、116の上面に載置される。具体的には、例えば、図示しないクレーン等により吊り込まれた上段側の外廊下ユニット24Bは、その腰壁部34が第1短手方向端部側に位置するように降ろされ、第2横治具114、116の上面に載置される。
【0063】
第6工程では、図9に示されるように、上段側の外廊下ユニット24Bは、架台52の上側第1固定部102と上側第2固定部142に固定される。具体的には、第2横治具114、116に載置された上段側の外廊下ユニット24Bは、根元側端部に設けられた取付ブラケット40の孔部40Aと上段用桁材100の上側第1固定部102のボルト挿通孔102Aを介して上側第1固定部102にボルト締結される。これにより、上段側の外廊下ユニット24Bの根元側端部が架台52にその短手方向から固定される。
【0064】
さらに、第6工程では、図10に示されるように、上段側の外廊下ユニット24Bの架台第2端部側の端部は、その端部に形成されたボルト挿通孔と第2縦治具124の上側第2固定部142に貫通形成されたボルト挿通孔142Aを介して上側第2固定部142にボルト締結される。また、上段側の外廊下ユニット24Bの架台第1端部側の端部は、その端部に形成されたボルト挿通孔と第3縦治具126の上側第2固定部142に貫通形成されたボルト挿通孔142Aを介して上側第2固定部142にボルト締結される。これにより、上段側の外廊下ユニット24Bの長手方向根元側が架台52に固定される。
【0065】
下段側の外廊下ユニット24Aと上段側の外廊下ユニット24Bが固定された輸送用治具10は、例えば、持上用部材56Bの端部にフォーク(ツメ)が挿入されたフォークリフト等により持ち上げられる。持ち上げられた架台52は、輸送手段である、例えば、トラック等の荷台に載置されると共に固定される。これにより、下段側の外廊下ユニット24Aと上段側の外廊下ユニット24Bの複数の外廊下ユニット24A、24Bが架台52に固定された状態で1台のトラック等の輸送手段により輸送することができる。
【0066】
本実施形態に係る外廊下ユニット24A、24Bの輸送用治具10によれば、段積みされた複数の外廊下ユニット24A、24Bの根元側端部が架台52の下側第1固定部98及び上側第1固定部102に固定される。また、複数の外廊下ユニット24A、24Bの長手方向両端部は、第2縦治具124の下側第2固定部138及び上側第2固定部142に固定されると共に及び第3縦治具126の下側第2固定部138及び上側第2固定部142に固定される。このため、複数の外廊下ユニット24A、24Bは、架台52の短手方向とこれに平面視で直交する架台52の長手方向の両方からそれぞれ固定される。これにより、複数の外廊下ユニット24A、24Bを輸送用治具10に安定して固定した状態で、例えば、トラック等の1つの輸送手段に搭載することができる。
【0067】
本実施形態に係る外廊下ユニット24A、24Bの輸送用治具10によれば、上下段に段積みされた下段側の外廊下ユニット24Aと上段側の外廊下ユニット24Bとの間には、第1横治具112及び第2横治具114、116が設けられている。このため、上段側の外廊下ユニット24Bの下部を安定して支持することができると共に上段側の外廊下ユニット24Bと下段側の外廊下ユニット24Aとの直接接触や干渉を防止又は抑制することができる。これにより、複数の外廊下ユニット24A、24Bを安定して輸送用治具10に積層載置することができる。
【0068】
さらに、本実施形態に係る外廊下ユニット24A、24Bの輸送用治具10によれば、架台52の第2短手方向端部には、補強部材108が配置され、上段用縦部材94及び上段用桁材100が補強されている。このため、外廊下ユニット24Bが固定された上側第1固定部102の強度を補強することができる。また、例えば、複数の外廊下ユニット24A、24Bの腰壁部34を、いずれも架台52の短手方向第1桁部材82側に配置することにより、複数の外廊下ユニット24A、24Bの重心位置が、輸送用治具10の中央部から離れた位置に設けられる場合であっても、輸送用治具10全体としての重心位置の偏りを抑制することができる。これにより、複数の外廊下ユニット24A,24Bを輸送用治具10に安定して固定することができる。
【0069】
また、本実施形態に係る外廊下ユニット24A、24Bの輸送用治具10によれば、架台52の支持部材104には、一対の固定用プレート106が設けられている。このため、例えば、トラックに積層載置された外廊下ユニット24A、24Bが、トラックの発進及び停止による慣性力を受けた場合であっても、第2横治具114、116を支持する第1横治具112は支持部材104上をスライドしない。このため、第2横治具114、116に載置された上端側の外廊下ユニット24Bが輸送途中にスライドすることを防止又は抑制することができる。これにより、輸送用治具10に固定された複数の外廊下ユニット24A、24Bを安定して輸送することができる。
【0070】
以上説明したように、本実施形態に係る外廊下ユニット24A、24Bの輸送用治具10により、複数の外廊下ユニット24A,24Bがそれぞれ固定された状態で1つの輸送手段に積層載置することができる。
【0071】
さらに、本実施形態に係る外廊下ユニット24A、24Bの輸送用治具10によれば、第1横治具112及び第2横治具114、116は、容易に取り外すことができる。このため、外廊下ユニット24A、24Bをトラック等の輸送手段の荷台から直接クレーン等で吊り上げ、建物12に直接取り付けることができる。これにより、外廊下ユニット24A、24Bが固定された輸送用治具10をトラック等の荷台から降ろし、一時的に仮置きすることが容易ではない比較的狭小な敷地でも効率よく作業をすることができる。
【0072】
また、本実施形態に係る外廊下ユニット24A、24Bの輸送用治具10によれば、第1縦治具122、第2縦治具124及び第3縦治具126は、ボルト締結されているだけの構成であるため梁部材56Aから容易に取り外すことができる。また、下段用桁材96や上段用桁材100もボルト締結されているだけの構成であるため架台52から容易に取り外すことができる。このため、輸送用治具10を使用しない際に、分解して比較的小さなスペースで保管することができる。
【0073】
なお、ここでは、輸送用治具10には、外廊下ユニット24が段積みされるとして説明したが、これに限らず、バルコニーユニット等他の建物ユニットが段積みされてもよい。
【符号の説明】
【0074】
10 輸送用治具
24 外廊下ユニット(建物ユニット)
24A 外廊下ユニット(建物ユニット)
24B 外廊下ユニット(建物ユニット)
52 架台
98 下側第1固定部(第1固定部)
102 上側第1固定部(第1固定部)
106 固定用プレート(プレート部)
108 補強部材(補強部)
112 第1横治具
114 第2横治具
116 第2横治具
122 第1縦治具(縦治具)
124 第2縦治具(縦治具)
126 第3縦治具(縦治具)
138 下側第2固定部(第2固定部)
142 上側第2固定部(第2固定部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10