IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ CKD株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-植物栽培システム 図1
  • 特許-植物栽培システム 図2
  • 特許-植物栽培システム 図3
  • 特許-植物栽培システム 図4
  • 特許-植物栽培システム 図5
  • 特許-植物栽培システム 図6
  • 特許-植物栽培システム 図7
  • 特許-植物栽培システム 図8
  • 特許-植物栽培システム 図9
  • 特許-植物栽培システム 図10
  • 特許-植物栽培システム 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-10
(45)【発行日】2022-06-20
(54)【発明の名称】植物栽培システム
(51)【国際特許分類】
   A01G 7/00 20060101AFI20220613BHJP
   A01G 9/00 20180101ALI20220613BHJP
   A01G 9/24 20060101ALI20220613BHJP
【FI】
A01G7/00 601Z
A01G9/00 B
A01G9/24 G
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019184787
(22)【出願日】2019-10-07
(65)【公開番号】P2021058137
(43)【公開日】2021-04-15
【審査請求日】2021-06-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000106760
【氏名又は名称】CKD株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】坂 幸憲
【審査官】坂田 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-70230(JP,A)
【文献】特開2018-183164(JP,A)
【文献】特開2015-167481(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0125016(US,A1)
【文献】特開2010-155236(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 9/00 - 9/02
A01G 7/00
A01G 9/24
A01G 31/00 - 31/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内空間に配置される多段式の栽培棚と、
植物を収容するとともに前記栽培棚の段に配置されることにより上下方向に所定の間隔をおいて配置される植物栽培容器と、
前記植物栽培容器が配置された前記栽培棚の段に設けられ、前記植物に対して光を照射する照明装置と、
空気を送り出す送風機と、
前記植物栽培容器が配置される前記栽培棚の段に設けられ、前記植物に向けて空気を吹き出す噴出口を所定の間隔をおいて複数有し、且つ濾材を有しているノズル本体と、を備えた植物栽培システムであって、
前記照明装置を上下方向に昇降させる昇降機構と、
前記送風機から送り出される空気を導入する供給口を有し、前記ノズル本体に対して一体的に設けられることにより前記供給口と前記ノズル本体との間で空気が滞留する空間を形成するチャンバー部と、を備え、
前記チャンバー部は、前記照明装置に対して着脱可能に配置されており、
前記ノズル本体は、前記チャンバー部に対して着脱可能に配置されていることを特徴とする植物栽培システム。
【請求項2】
室内空間に配置される多段式の栽培棚と、
植物を収容するとともに前記栽培棚の段に配置されることにより上下方向に所定の間隔をおいて配置される植物栽培容器と、
前記植物栽培容器が配置された前記栽培棚の段に設けられ、前記植物に対して光を照射する照明装置と、
空気を送り出す送風機と、
前記植物栽培容器が配置される前記栽培棚の段に設けられ、前記植物に向けて空気を吹き出す噴出口を所定の間隔をおいて複数有し、且つ濾材を有しているノズル本体と、を備えた植物栽培システムであって、
前記照明装置を上下方向に昇降させる昇降機構と、
前記送風機から送り出される空気を導入する供給口を有し、前記ノズル本体に対して一体的に設けられることにより前記供給口と前記ノズル本体との間で空気が滞留する空間を形成するチャンバー部と、を備え、
前記チャンバー部は、前記照明装置の光源が収容される箱状の収容部に前記空間を形成しており、
前記ノズル本体は、前記チャンバー部に対して着脱可能に配置されていることを特徴とする植物栽培システム。
【請求項3】
室内空間に配置される多段式の栽培棚と、
植物を収容するとともに前記栽培棚の段に配置されることにより上下方向に所定の間隔をおいて配置される植物栽培容器と、
前記植物栽培容器が配置された前記栽培棚の段に設けられ、前記植物に対して光を照射する照明装置と、
空気を送り出す送風機と、
前記植物栽培容器が配置される前記栽培棚の段に設けられ、前記植物に向けて空気を吹き出す噴出口を所定の間隔をおいて複数有し、且つ濾材を有しているノズル本体と、を備えた植物栽培システムであって、
前記照明装置を上下方向に昇降させる昇降機構と、
前記送風機から送り出される空気を導入する供給口を有し、前記ノズル本体に対して一体的に設けられることにより前記供給口と前記ノズル本体との間で空気が滞留する空間を形成するチャンバー部と、を備え、
前記チャンバー部は、前記照明装置に対して着脱可能に配置されており、
前記ノズル本体は、前記チャンバー部に対して着脱可能に配置されていることを特徴とする植物栽培システム。
【請求項4】
前記ノズル本体は、
白色系の前記濾材と、
前記噴出口を複数有し、黄色系の塗料で着色され、且つ前記濾材を覆うシート材とにより構成されていることを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の植物栽培システム。
【請求項5】
前記ノズル本体は、筒状をなし
前記チャンバー部は、
前記供給口を有する前記収容部と、
前記収容部に接続される一対の継手とにより構成され、
前記一対の継手それぞれの前記収容部とは反対側の端部は、前記ノズル本体の両端に接続されていることを特徴とする請求項2に記載の植物栽培システム。
【請求項6】
前記ノズル本体は、
シート状の前記濾材と、
前記濾材の一方の面を覆うとともに前記噴出口を複数有するシート材とにより構成され、
前記チャンバー部は、
箱状部材であり、前記照明装置及び前記植物栽培容器に向けて開口する開口部を有し、
前記ノズル本体は、前記開口部を閉塞するように設けられていることを特徴とする請求項に記載の植物栽培システム。
【請求項7】
前記チャンバー部の前記開口部には、前記ノズル本体の縁部が嵌め込まれる嵌合溝が設けられていることを特徴とする請求項に記載の植物栽培システム。
【請求項8】
前記ノズル本体は、筒状をなし、
前記チャンバー部は、
筒状をなす筒部材と、
前記筒部材の内部と連通し、前記筒部材の両端の開口部を閉塞する一対の接続部とにより構成される箱状部材であり
前記ノズル本体の両端それぞれには、一対の継手が接続され、
前記一対の継手それぞれの前記ノズル本体と反対側の端部は、前記チャンバー部に接続されていることを特徴とする請求項に記載の植物栽培システム。
【請求項9】
前記ノズル本体は、筒状をなし、
前記チャンバー部は、
前記ノズル本体の両端に接続される第1継手と、
前記第1継手それぞれの前記ノズル本体とは反対側の端部と接続される接続配管と、
前記接続配管それぞれの前記第1継手とは反対側の端部に接続され、前記供給口を有する第2継手とにより構成されていることを特徴とする請求項1に記載の植物栽培システム。
【請求項10】
前記供給口に接続されるとともに前記送風機から送り出された空気を前記チャンバー部に供給する柔軟性を有するフレキシブル配管を備えることを特徴とする請求項1~請求項のいずれか一項に記載の植物栽培システム。
【請求項11】
前記チャンバー部の前記供給口は、前記箱状部材に設けられた内外を連通する貫通孔であり、
前記送風機は、前記貫通孔に組み込まれて前記箱状部材の内部に空気を直接供給することを特徴とする請求項~請求項のいずれか一項に記載の植物栽培システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物工場において植物を栽培する植物栽培システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、特許文献1に記載されるように、室内空間に配置される多段式の栽培棚を用いて植物が栽培されている。栽培棚の各段には、植物を収容する植物栽培容器がそれぞれ配置されている。栽培棚の各段には、植物に対して光を照射する照明装置と、植物に向けて空気を噴き出す噴出口を有するノズル本体と、が設けられている。ノズル本体は、室内空間の空気を送り出す送風機と配管を介して接続されている。配管は上下方向に延びる一対の供給配管を有し、一対の供給配管の一方にはノズル本体の長手方向の一端が接続され、一対の供給配管の他方にはノズル本体の長手方向の他端が接続されている。ノズル本体は、植物に対して斜め上方に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-183164号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、植物を栽培するにあたっては、栽培する植物の品種や植物の成長に応じて、植物栽培容器と照明装置との位置を調整する必要がある。しかし、特許文献1では、ノズル本体が一対の供給配管に接続された状態であり、ノズル本体が栽培棚に対して移動できない構成であるため、ノズル本体が照明装置の移動の邪魔をして、植物栽培容器と照明装置との位置の調整を制限している。また、栽培棚に密集して植物を栽培するにあたって、植物に対して均一に空気が流れていないと植物栽培容器で栽培されている全ての植物に均一に空気が行きわたらず生育不良が発生するため、植物に対して空気の噴き付けの必要な栽培棚に対してノズル本体が着脱でき、ノズル本体から植物に向けて噴き出す空気を均一化させることが望まれている。
【0005】
本発明の目的は、植物栽培容器と照明装置との位置調整の自由度を向上させつつ、植物に対して空気の噴き付けの必要な栽培棚に対してノズル本体を着脱でき、ノズル本体から植物に向けて噴き出す空気を均一化できる植物栽培システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する植物栽培システムは、室内空間に配置される多段式の栽培棚と、植物を収容するとともに前記栽培棚の段に配置されることにより上下方向に所定の間隔をおいて配置される植物栽培容器と、前記植物栽培容器が配置された前記栽培棚の段に設けられ、前記植物に対して光を照射する照明装置と、空気を送り出す送風機と、前記植物栽培容器が配置される前記栽培棚の段に設けられ、前記植物に向けて空気を吹き出す噴出口を所定の間隔をおいて複数有し、且つ濾材を有しているノズル本体と、を備えた植物栽培システムであって、前記照明装置を上下方向に昇降させる昇降機構と、前記送風機から送り出される空気を導入する供給口を有し、前記ノズル本体に対して一体的に設けられることにより前記供給口と前記ノズル本体との間で空気が滞留する空間を形成するチャンバー部と、を備え、前記チャンバー部は、前記照明装置に対して着脱可能に配置されており、前記ノズル本体は、前記チャンバー部に対して着脱可能に配置されている
上記課題を解決する植物栽培システムは、室内空間に配置される多段式の栽培棚と、植物を収容するとともに前記栽培棚の段に配置されることにより上下方向に所定の間隔をおいて配置される植物栽培容器と、前記植物栽培容器が配置された前記栽培棚の段に設けられ、前記植物に対して光を照射する照明装置と、空気を送り出す送風機と、前記植物栽培容器が配置される前記栽培棚の段に設けられ、前記植物に向けて空気を吹き出す噴出口を所定の間隔をおいて複数有し、且つ濾材を有しているノズル本体と、を備えた植物栽培システムであって、前記照明装置を上下方向に昇降させる昇降機構と、前記送風機から送り出される空気を導入する供給口を有し、前記ノズル本体に対して一体的に設けられることにより前記供給口と前記ノズル本体との間で空気が滞留する空間を形成するチャンバー部と、を備え、前記チャンバー部は、前記照明装置の光源が収容される箱状の収容部に前記空間を形成しており、前記ノズル本体は、前記チャンバー部に対して着脱可能に配置されている。
上記課題を解決する植物栽培システムは、室内空間に配置される多段式の栽培棚と、植物を収容するとともに前記栽培棚の段に配置されることにより上下方向に所定の間隔をおいて配置される植物栽培容器と、前記植物栽培容器が配置された前記栽培棚の段に設けられ、前記植物に対して光を照射する照明装置と、空気を送り出す送風機と、前記植物栽培容器が配置される前記栽培棚の段に設けられ、前記植物に向けて空気を吹き出す噴出口を所定の間隔をおいて複数有し、且つ濾材を有しているノズル本体と、を備えた植物栽培システムであって、前記照明装置を上下方向に昇降させる昇降機構と、前記送風機から送り出される空気を導入する供給口を有し、前記ノズル本体に対して一体的に設けられることにより前記供給口と前記ノズル本体との間で空気が滞留する空間を形成するチャンバー部と、を備え、前記チャンバー部は、前記照明装置に対して着脱可能に配置されており、前記ノズル本体は、前記チャンバー部に対して着脱可能に配置されている。
【0007】
上記の植物栽培システムにおいて、前記ノズル本体は、白色系の前記濾材と、前記噴出口を複数有し、黄色系の塗料で着色され、且つ前記濾材を覆うシート材とにより構成されているとよい。
【0008】
上記の植物栽培システムにおいて、前記ノズル本体は、筒状をなし、前記チャンバー部は、前記供給口を有する前記収容部と、前記収容部に接続される一対の継手とにより構成され、前記一対の継手それぞれの前記収容部とは反対側の端部は、前記ノズル本体の両端に接続されているとよい。
【0009】
上記の植物栽培システムにおいて、前記ノズル本体は、シート状の前記濾材と、前記濾材の一方の面を覆うとともに前記噴出口を複数有するシート材とにより構成され、前記チャンバー部は、箱状部材であり、前記照明装置及び前記植物栽培容器に向けて開口する開口部を有し、前記ノズル本体は、前記開口部を閉塞するように設けられているとよい。
【0010】
上記の植物栽培システムにおいて、前記チャンバー部の前記開口部には、前記ノズル本体の縁部が嵌め込まれる嵌合溝が設けられているとよい。
上記の植物栽培システムにおいて、前記ノズル本体は、筒状をなし、前記チャンバー部は、筒状をなす筒部材と、前記筒部材の内部と連通し、前記筒部材の両端の開口部を閉塞する一対の接続部とにより構成される箱状部材であり、前記ノズル本体の両端それぞれには、一対の継手が接続され、前記一対の継手それぞれの前記ノズル本体と反対側の端部は、前記チャンバー部に接続されているとよい。
【0011】
上記の植物栽培システムにおいて、前記ノズル本体は、筒状をなし、前記チャンバー部は、前記ノズル本体の両端に接続される第1継手と、前記第1継手それぞれの前記ノズル本体とは反対側の端部と接続される接続配管と、前記接続配管それぞれの前記第1継手とは反対側の端部に接続され、前記供給口を有する第2継手とにより構成されているとよい。
【0012】
上記の植物栽培システムにおいて、前記供給口に接続されるとともに前記送風機から送り出された空気を前記チャンバー部に供給する柔軟性を有するフレキシブル配管を備えるとよい。
【0013】
上記の植物栽培システムにおいて、前記チャンバー部の前記供給口は、前記箱状部材に設けられた内外を連通する貫通孔であり、前記送風機は、前記貫通孔に組み込まれて前記箱状部材の内部に空気を直接供給するとよい。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、植物栽培容器と照明装置との位置調整の自由度を向上させつつ、植物に対して空気の噴き付けの必要な栽培棚に対して着脱でき、ノズル本体から植物に向けて噴き出す空気を均一化できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1の実施形態における植物栽培システムの全体構成を示す模式図。
図2】植物栽培装置の側面図。
図3】ノズル本体の断面図。
図4】空気供給装置の拡大図。
図5】植物栽培装置の取付機構を示した斜視図。
図6】第2の実施形態における植物栽培システムの空気供給装置を示した斜視図。
図7】第3の実施形態における植物栽培システムの空気供給装置を示した斜視図。
図8】第3の実施形態における空気供給装置の断面図。
図9】第3の実施形態におけるノズル本体の斜視図。
図10】第4の実施形態における植物栽培システムの空気供給装置を示した斜視図。
図11】第5の実施形態における植物栽培システムの空気供給装置を示した斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<第1の実施形態>
以下、植物栽培システムを具体化した第1の実施形態を図1図5にしたがって説明する。
【0017】
図1に示すように、植物栽培システム1は、植物栽培装置10を備えている。植物栽培装置10は、植物工場11の室内空間12に配置される多段式の栽培棚13を複数備えている。なお、図1では、説明の都合上、紙面手前の栽培棚13に対して詳細に説明し、その他の栽培棚13については二点鎖線で示してそれらの栽培棚13に関する詳細な説明を省略する。なお、本実施形態において、各栽培棚13の構成は全て同じ構成である。
【0018】
栽培棚13における上下方向に対して直交する第1方向を栽培棚13の左右方向とし、栽培棚13における上下方向に直交し、且つ左右方向に対しても直交する第2方向を栽培棚13の奥行方向とすると、栽培棚13の左右方向の長さは、栽培棚13の奥行方向の長さよりも長くなっている。栽培棚13における左右方向の両側方、及び栽培棚13における奥行方向の両側方は開口している。
【0019】
植物工場11は、二酸化炭素ガスボンベ11aを備えている。二酸化炭素ガスボンベ11aは、図示しない圧力調整器、制御弁が配置された導入配管11bを介して室内空間12内に連通している。そして、二酸化炭素ガスボンベ11aから導入配管11bを介して室内空間12内へ二酸化炭素ガスの導入が行われている。よって、室内空間12内の空気には、二酸化炭素が混合されている。また、室内空間12内には、室内空間12の温度を調整する空調装置12aと、室内空間12の湿度を調整する加湿器12bとが設けられている。室内空間12内は、空調装置12aによって温度が調整され、加湿器12bによって湿度が調整されている。
【0020】
栽培棚13の天井には、二酸化炭素が混合された室内空間12の空気を送り出す送風機14が1台のみ配置されている。よって、送風機14は、室内空間12の上方に配置されている。なお、本実施形態では、二酸化炭素ガスボンベ11a、空調装置12a、及び加湿器12bによって二酸化炭素濃度、温度、及び湿度が調整された室内空間12の空気を送風機14が送り出しているが、例えば空調装置12aや加湿器12bが室外空間に配置されている場合も考えられる。この場合、室内空間12の空気は、室内空間12外で調整されることになるため、例えば送風機14は、室内空間12外で調整された空気を送り出すものでもよい。
【0021】
植物栽培装置10は、植物15を収容する植物栽培容器16を複数備えている。植物15は、例えば葉物野菜や苺などの果実である。複数の植物栽培容器16は、各段にそれぞれ配置されることにより上下方向に所定の間隔をおいて配置されている。また、栽培棚13は左右方向に長く続き、植物栽培容器16は各段に複数個配置されている。
【0022】
植物栽培装置10は、植物15に向けて光を照射する照明装置17を備えている。照明装置17は、植物栽培容器16が配置された栽培棚13の各段に複数設けられている。複数の照明装置17それぞれは、複数の植物栽培容器16それぞれの上方に配置されている。照明装置17は、植物15の上方であって、且つ植物15に対して上下方向に重なる位置に配置されている。
【0023】
照明装置17は、例えば発光ダイオードや蛍光灯等により構成されている。照明装置17は、植物15の光合成に必要な所定波長の光が植物15に向けて照射している。照明装置17は、図示しない制御装置と電気的に接続されており、当該制御装置によって点灯と消灯とが切り換えられる。そして、制御装置は、照明装置17を点灯させて植物15に光を照射させたり、照明装置17を消灯したりすることにより、植物15が光合成を行う昼の時間と、光を行わない夜の時間とを人工的に作り出している。
【0024】
図2に示すように、照明装置17は、光を植物15に対して照射する光源としての発光ダイオード18と、箱状の収容部19と、を有している。収容部19は、矩形板状の底壁19aと、底壁19aの外縁から立設する四角筒状の側壁19bと、から構成されている。
【0025】
収容部19は、発光ダイオード18を収容している。発光ダイオード18は、収容部19内の底壁19aに間隔をおいて複数配置されている。
さらに、照明装置17は、光を透過する板状のフィルム材19cを備えている。フィルム材19cは、収容部19において側壁19bの底壁19aとは反対側に形成される開口19dを閉塞している。
【0026】
図1に示すように、植物栽培装置10は、栽培棚13に照明装置17を取り付ける取付部30を複数備えている。各取付部30は、植物栽培容器16が配置された栽培棚13の各段に設けられている。各取付部30は、植物栽培容器16が配置された栽培棚13の各段の上面を少なくとも形成するとともに栽培棚13の各段を区画する矩形板状の区画壁20と、栽培棚13の各段に設けられた各照明装置17とを接続することにより、栽培棚13に照明装置17を取り付けている。区画壁20は、栽培棚13の各段を区画している。取付部30は、1つの植物栽培容器16に対して4つずつ配置されている。4つの取付部30は、栽培棚13の区画壁20と、照明装置17の収容部19の底壁19aの四隅とを接続している。
【0027】
図2に示すように、各取付部30は、第1フック部材31、第2フック部材32、及び鎖33をそれぞれ有している。第1フック部材31は、栽培棚13の区画壁20における栽培棚13の各段の上面を形成する上面形成面20aに接続されている。第1フック部材31は、栽培棚13の区画壁20に対してねじ締結されている。第2フック部材32は、照明装置17に取り付けられるとともに区画壁20の上面形成面20aに向けて突出している鉤状部材である。第2フック部材32は、照明装置17の収容部19の底壁19aに対してねじ締結されている。
【0028】
鎖33は、第1フック部材31に引っ掛けられる。そして、第2フック部材32は、第1フック部材31に引っ掛けられた鎖33に対して引っ掛けられる。このように、各第2フック部材32が、各第1フック部材31に引っ掛けられた各鎖33に対してそれぞれ引っ掛けられることにより、照明装置17が、4つの鎖33を介して区画壁20の上面形成面20aから吊り下げている。したがって、各鎖33は、栽培棚13から照明装置17を吊り下げている。
【0029】
このように構成された各取付部30は、各鎖33に対する第2フック部材32の引っ掛け位置を上下方向で調整することにより照明装置17の上下方向の位置を調整できる。すなわち、取付部30は、照明装置17を上下方向に昇降させる昇降機構である。そして、取付部30は、照明装置17が栽培棚13に対して移動可能となるように栽培棚13に照明装置17を取り付けている。
【0030】
照明装置17は、照明装置17の収容部19の底壁19aが、区画壁20の上面形成面20aに対向するように栽培棚13の各段に設けられている。よって、照明装置17は、栽培棚13の各段においてフィルム材19cが下方に向いた状態で栽培棚13の各段に設けられている。そして、照明装置17において、発光ダイオード18から出射された光は、図2において矢印で示すように、フィルム材19cを透過して植物15に対して照射される。
【0031】
図1及び図2に示すように、各照明装置17には、断面L字形状の取付ブラケット40が取り付けられている。取付ブラケット40は、例えばアングル材である。取付ブラケット40は、例えば両面テープ等により照明装置17に接着されている。
【0032】
図1に示すように、植物栽培装置10は、送風機14に接続される供給配管51を備えている。供給配管51は、第1配管51aと、第2配管51bと、第3配管51cとを有している。第1配管51aは、送風機14に接続されている。第1配管51aは、栽培棚13の奥行方向の外側であって、且つ栽培棚13の上方に配置した状態で栽培棚13の左右方向に延びている。第2配管51bは、第1配管51aから複数分岐している。第2配管51bは、第1配管51aから栽培棚13の下方に向けて延びている。第2配管51bは、栽培棚13の上下方向に所定の間隔をおいて植物栽培容器16が配置されている各列に対応する位置に配置されている。より詳細には、第2配管51bは、各列における栽培棚13の左右方向の一方に配置されている。第3配管51cは、第2配管51bそれぞれから複数分岐している。第3配管51cは、栽培棚13の各段に対応する位置に配置されている。
【0033】
植物栽培装置10は、空気供給装置60を複数備えている。空気供給装置60は、各植物栽培容器16に対応して1つずつ設けられている。各空気供給装置60は、ノズル本体61と、一対の第1継手62と、一対の接続配管63と、第2継手64とにより構成されている。
【0034】
ノズル本体61は、植物栽培容器16が配置される栽培棚13の段に設けられている。ノズル本体61は、各植物栽培容器16に対応して1つずつ設けられている。ノズル本体61は、植物栽培容器16が配置される栽培棚13の各段において、栽培棚13の奥行方向の端部にそれぞれ配置されている。ノズル本体61は、植物栽培容器16が配置される栽培棚13の各段において、その長手方向が栽培棚13の左右方向と一致するように配置されている。ノズル本体61における長手方向の長さは、植物栽培容器16の長手方向の長さとほぼ同じである。
【0035】
図3に示すように、ノズル本体61は、円筒状をなしている。ノズル本体61は、シート材として粘着シート61aと、濾材61cとを有している。粘着シート61aは、黄色系の塗料で着色されている。当該塗料に使用されている顔料は、紫外線により退色現象が起こりうる成分で構成されている。粘着シート61aは、濾材61cを覆っている。粘着シート61aは、粘着性を有するシート材であり、濾材61cを覆ったときに濾材61cに接着されている。粘着シート61aは、濾材61cを覆った状態で円筒状をなしている。粘着シート61aは、植物15に向けて空気を噴き出す噴出口61bを複数有している。粘着シート61aには、粘着シート61aの周方向で45度の間隔をおいて噴出口61bが並んで配置されている。各噴出口61bは、円孔状であるとともに、粘着シート61aの長手方向において、所定の間隔をおいて複数並設されている。よって、ノズル本体61は、ノズル本体61の周方向及び長手方向において植物15に向けて空気を噴き出す噴出口61bを所定の間隔をおいて複数有している。
【0036】
ノズル本体61の濾材61cは、白色系の色を有している。濾材61cは、材料として、例えば、熱可塑性樹脂であるポリプロピレンからなる帯状の不織布を用いて形成されている。濾材61cの目の大きさは、空気に含まれる埃、塵、カビの胞子等の異物が通過できない大きさであるとともに、空気が通過できる大きさになっている。そのため、濾材61cは、各噴出口61bから噴き出される空気に含まれる異物を捕捉する機能を有している。なお、粘着シート61aは、黄色系の塗料で着色されていたが、例えば他の色で着色されていてもよいが、噴出口61bを見たときに粘着シート61aと濾材61cとが判別できる色であることが好ましい。
【0037】
図4に示すように、空気供給装置60は、取付機構70により各取付ブラケット40にそれぞれ取り付けられている。取付機構70は、一つの空気供給装置60に対して2つずつ設けられている。
【0038】
一対の第1継手62は、塩化ビニルで構成される配管である。一対の第1継手62は、円筒状をなしている。一対の第1継手62は、長手方向の両端が同じ方向に開口するように湾曲している。ノズル本体61の一端が一対の第1継手62の一方の一端に圧入され、ノズル本体61の他端が一対の第1継手62の他方の一端に圧入されている。したがって、一対の第1継手62は、ノズル本体61の両端に接続され、ノズル本体61に対して一体的に設けられている。一対の第1継手62とノズル本体61とは互いに着脱可能となっている。
【0039】
一対の接続配管63は、塩化ビニルで構成される配管である。一対の接続配管63は、栽培棚13の左右方向に延びている。一対の接続配管63は、ノズル本体61に平行に延びている。一対の接続配管63の一方の一端が一対の第1継手62の一方の他端に圧入され、一対の接続配管63の他方の一端が一対の第1継手62の他方の他端に圧入されている。したがって、一対の接続配管63は、一対の第1継手62それぞれのノズル本体61とは反対側の端部と接続されている。一対の接続配管63と一対の第1継手62とは互いに着脱可能となっている。
【0040】
第2継手64は、塩化ビニルで構成される配管である。第2継手64は、3方向に開口する筒状の継手である。第2継手64は、栽培棚13の左右方向に延びる円筒状の第1筒部64aと、第1筒部64aから栽培棚13の上下方向における上方に延びる円筒状の第2筒部64bとを有している。よって、第2継手64は、第1筒部64aの両端の2箇所と、第2筒部64bの第1筒部64aとは反対側の1箇所との3方向に開口している。
【0041】
第1筒部64aの一端に一対の接続配管63の一方の他端が圧入され、第1筒部64aの他端に一対の接続配管63の他方の他端が圧入されている。したがって、第2継手64は、一対の接続配管63それぞれの第1継手62とは反対側の端部に接続されている。第2継手64と一対の接続配管63とは互いに着脱可能となっている。
【0042】
植物栽培装置10は、フレキシブル配管52を複数備えている。各フレキシブル配管52は、各植物栽培容器16に対応して1つずつ設けられている。各フレキシブル配管52は、柔軟性を有している。各フレキシブル配管52の一端は、各第3配管51cに対して圧入されている。したがって、各フレキシブル配管52は、各第3配管51cに着脱可能に取り付けられている。また、各フレキシブル配管52の他端は、各空気供給装置60の第2継手64の第2筒部64bに対して圧入されている。したがって、各フレキシブル配管52は、第2継手64の第2筒部64bに着脱可能に取り付けられている。各フレキシブル配管52は、送風機14から送り出されて供給配管51を通過した空気を第2継手64に供給する。
【0043】
図2に示すように、空気供給装置60が取付機構70により取付ブラケット40に取り付けられている状態において、ノズル本体61は、植物15に対して斜め上方であり、且つ照明装置17よりも側方に配置されている。粘着シート61aの周方向に45度の間隔をおいた位置にそれぞれ形成された二つの噴出口61bのうちの一方は、栽培棚13の奥行方向であって、且つ斜め下方に向いており、空気を植物15に向けて噴き出す。また、粘着シート61aの周方向に45度の間隔をおいた位置にそれぞれ形成された二つの噴出口61bのうちの他方は、栽培棚13の奥行方向であって、且つ水平方向に向いており、空気を照明装置17に向けて噴き出す。
【0044】
図5に示すように、取付ブラケット40は、照明装置17の収容部19の底壁19aに沿って設けられている長板状の第1板部41と、第1板部41から第1板部41の板厚に直交するように延びる長板状の第2板部42とを有している。第1板部41は、第1板部41の長手方向が栽培棚13の左右方向に一致した状態で延びている。
【0045】
第2板部42は、第1板部41における栽培棚13の奥行方向の一方に位置する部位から栽培棚13の上方に向けて延びている。第1板部41の長手方向と第2板部42の長手方向とは一致している。第2板部42の長手方向の長さは、第1板部41の長手方向の長さと同じである。そのため、第2板部42は、栽培棚13の奥行方向の一方に形成される開口に沿って栽培棚13の上下方向に延びている。なお、各照明装置17で1つの取付ブラケット40を共有できるように取付ブラケット40の長さを長くしてもよいし、各照明装置17に対して2つの取付ブラケット40を配置してもよい。すなわち、取付ブラケット40は、照明装置17に対して空気供給装置60を取り付けられる構成となっていれば、長さや数は適宜変更してもよい。
【0046】
取付機構70は、U字形状のボルト71と、2つのナット72とにより構成されている。U字形状のボルト71は、空気供給装置60の第1継手62の外面の一部分に沿って延びるように配置されている。U字形状のボルト71の両端は、取付ブラケット40の第2板部42を貫通している。U字形状のボルト71の両端には、雄ねじが設けられている。U字形状のボルト71の両端が第2板部42を貫通した状態において、2つのナット72がボルト71の両端にそれぞれ螺合される。すなわち、取付機構70は、一対の第1継手62それぞれを取付ブラケット40に着脱可能に取り付けている。
【0047】
図2に示すように、植物栽培装置10は、照明装置17から照射される光を栽培棚13の各段に向けて反射させる一対の反射布80を備えている。一対の反射布80は、植物栽培容器16が配置されている栽培棚13の各段において、栽培棚13の奥行方向の両開口を閉塞するように配置されている。一対の反射布80は、収容部19の側壁19bにおける栽培棚13の奥行方向の両側に位置する部位にそれぞれ取り付けられている。栽培棚13の奥行方向の一方に配置されている反射布80は、空気供給装置60のノズル本体61を覆うように設けられている。一対の反射布80は、図3において実線で示すような栽培棚13の奥行方向の両開口を閉塞した閉塞状態と、図3において二点鎖線で示すような栽培棚13の奥行方向の両開口を開放した開放状態とを自在に変更できる程度にめくることができる柔らかい布である。
【0048】
第1の実施形態の作用を説明する。
送風機14から送り出された空気は、供給配管51、フレキシブル配管52、及び第2継手64の第2筒部64bを介して第2継手64の第1筒部64a、一対の接続配管63、及び一対の第1継手62の順に供給される。一対の第1継手62に供給された空気は、ノズル本体61の両端からノズル本体61の内部に供給される。ノズル本体61の両端からノズル本体61の内部に空気が供給されるため、ノズル本体61の内部での空気が流れる際の圧損が抑制される。
【0049】
また、一対の第1継手62からノズル本体61に空気が供給されたとしても、送風機14から送り出された空気は、供給配管51、フレキシブル配管52、及び第2継手64の第2筒部64bを介して第2継手64の第1筒部64a、一対の接続配管63、及び一対の第1継手62の順に供給され続ける。すなわち、一対の第1継手62、一対の接続配管63、及び第2継手64の内部には、空気が滞留した状態に維持される。
【0050】
そして、ノズル本体61に供給された空気は、濾材61cを通過してノズル本体61の複数の噴出口61bから吹き出されるが、濾材61cは空気の流れを抑制する抵抗素材となる。すなわち、一対の第1継手62、一対の接続配管63、及び第2継手64の内部に滞留している空気は濾材61cによりノズル本体61から噴き出し難くなるため、一対の第1継手62、一対の接続配管63、及び第2継手64、及びノズル本体61の内部に滞留する空気の内圧が維持されやすくなる。よって、ノズル本体61の各噴出口61bに加わる内圧が均一化することから噴き出す空気が均一化される。
【0051】
このように構成された植物栽培装置10において、第2継手64の第2筒部64bは、送風機14から送り出される空気を導入する供給口として機能する。したがって、第2継手64は供給口を有している。さらに、一対の第1継手62、一対の接続配管63、及び第2継手64は、第2継手64の第2筒部64bとノズル本体61との間で空気が滞留する空間を形成するチャンバー部を構成している。したがって、チャンバー部は、供給口を有している。また、ノズル本体61の各噴出口61bから噴き出す空気の一部によって照明装置17と植物15との空間や、密集して栽培されている植物15の間に乱流状態で空気が循環されて、植物15の生育環境を好適に維持している。
【0052】
ところで、植物15の栽培が初期の段階では、植物15の背丈がまだ低いため、照明装置17が植物15に対して離れ過ぎないように、照明装置17を植物15に対して近づける必要がある。一方で、植物15の成長に伴って植物15の背丈が高くなると、植物15と照明装置17との相対位置が近くなり過ぎてしまうことがある。このように、植物15を栽培するにあたっては、植物15の成長に応じて、植物栽培容器16と照明装置17との相対的な位置を調整する必要がある。
【0053】
このような場合、各第2フック部材32を各鎖33から取り外して、各鎖33に対する第2フック部材32の引っ掛け位置を上下方向で調整する。これにより、照明装置17が栽培棚13に対して上下方向に移動する。ここで、一対の第1継手62が、取付機構70により着脱可能に取付ブラケット40に取り付けられている。そのため、植物栽培容器16と照明装置17との相対的な位置を調整するときに照明装置17を移動させるとしても、ノズル本体61が照明装置17と一体的に移動してもよいし、チャンバー部を構成する一対の第1継手62を取付ブラケット40から離脱させた状態で照明装置17を移動させ、その後一対の第1継手62を取付機構70により取付ブラケット40に取り付けてもよい。すなわち、ノズル本体61が照明装置17に対して着脱可能となることにより、ノズル本体61が照明装置17の移動を邪魔することがない。
【0054】
第1の実施形態の効果を説明する。
(1-1)植物栽培装置10において、ノズル本体61の内部での空気が流れる際の圧損が抑制され、一対の第1継手62、一対の接続配管63、及び第2継手64の第1筒部64aの内部には空気が滞留した状態に維持され、且つ濾材61cによりノズル本体61から空気が噴き出し難くなる。そのため、一対の第1継手62、一対の接続配管63、及び第2継手64、及びノズル本体61の内部に滞留する空気の内圧が維持されやすくなり、ノズル本体61の各噴出口61bに加わる内圧が均一化することから噴き出す空気が均一化される。また、ノズル本体61が照明装置17に対して着脱可能に配置されているため、植物栽培容器16と照明装置17との位置を調整するときにノズル本体61が照明装置17の移動の邪魔をしない。したがって、植物栽培容器16と照明装置17との位置調整の自由度を向上させつつ、植物15に対して空気の噴き付けの必要な栽培棚13に対してノズル本体61を着脱でき、ノズル本体61から植物に向けて噴き出す空気を均一化できる。
【0055】
(1-2)濾材61cが埃、塵、カビの胞子等の異物を捕捉し続けると、濾材61cが汚れ、黒く変色する。そのため、濾材61cの変色具合は、粘着シート61aの噴出口61bから目視で確認することができる。また、粘着シート61aは、照明装置17からの光に含まれる紫外線で色落ちしていく。すなわち、ノズル本体61の設置後の経過時間を目視で確認できる。よって、ノズル本体61の交換時期を判断しやすくなる。
【0056】
(1-3)第1継手62及び第2継手64のような汎用性のある継手と、一対の接続配管63のような汎用性のある配管とを接続することによりチャンバー部を構成できる。したがって、ノズル本体61から噴き出される空気を均一化させるためのチャンバー部を簡易的に構成できる。
【0057】
(1-4)一対の第1継手62、一対の接続配管63、及び第2継手64により構成されるチャンバー部と、ノズル本体61とは互いに着脱可能な構成である。そのため、例えばノズル本体61のみを交換するときにノズル本体61をチャンバー部から簡易的に離脱させることができる。よって、ノズル本体61の保守性を向上させることができる。
【0058】
(1-5)取付機構70により第1継手62が照明装置17と一体的に設けられているため、照明装置17の移動に追従するように空気供給装置60が移動し、ひいては照明装置17の移動に追従するようにノズル本体61も移動させることができる。このとき、フレキシブル配管52が、ノズル本体61の移動に追従して、供給配管51に対して変位するため、ノズル本体61における照明装置17との一体的な移動が許容される。
【0059】
(1-6)チャンバー部が照明装置17に対して着脱可能に取り付けられているため、ノズル本体61、照明装置17、又は空気供給装置60を交換しやすい。
(1-7)植物15の品種や栽培工程により、空気供給装置60が必要ない場合は、空気供給装置60をそのままで、フレキシブル配管52を外したり、空気供給装置60ごと撤去したりすることができる。
【0060】
(1-8)植物15の生育状態によって、照明装置17から植物15に照射する光の強度である光強度を変更することが好ましい。本実施形態では、照明装置17の上下方向の位置は、第2フック部材32を引っ掛ける鎖33の位置によって変更できる。よって、植物15の生育状態によって植物15に照射される光の強度である光強度を適宜調整することができる。
【0061】
(1-9)植物栽培容器16が配置されている栽培棚13の各段において、栽培棚13の奥行方向の両開口を閉塞するように一対の反射布80が配置されているため、栽培棚13の外側に光が洩れてしまうことを抑制すると共に、植物15に向けて光を反射することができる。したがって、植物15に照射される光の強度である光強度を増加させることができ、植物15の光合成が促進され、植物15の生育が促進される。
【0062】
(1-10)一対の反射布80が柔らかい布であるため、簡易的にめくりあげることができる。よって、植物15の生育状態を簡易的に確認できる。
(1-11)一対の第1継手62、一対の接続配管63、及び第2継手64の内部に滞留する空気に含まれる埃、塵、カビの胞子等の異物を濾材61cにより捕捉することができるため、植物15に向けて噴き出される空気を浄化することができる。
【0063】
(1-12)濾材61cは、不織布で構成されている。そのため、ノズル本体61から噴き出される空気の風切音を抑制できる。
<第2の実施形態>
以下、植物栽培システムを具体化した第2の実施形態を図6にしたがって説明する。第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、詳細な説明は割愛する。なお、第2の実施形態の第1の実施形態との主な相違点は、空気供給装置の構成が異なる点である。以下、その点について説明する。
【0064】
図6に示すように、照明装置17の収容部19は、供給口19fを有している。供給口19fは、収容部19の底壁19aに設けられている。供給口19fは、収容部19の内部空間に連通している。供給口19fには、フレキシブル配管52が接続されている。フレキシブル配管52は、供給口19fに対して圧入されている。そのため、フレキシブル配管52は、供給口19fに着脱可能に取り付けられている。供給口19fは、送風機14から送り出される空気を導入する。
【0065】
収容部19における底壁19aと反対側の部位には、一対の継手65が接続されている。一対の継手65は、塩化ビニルにより構成された配管である。一対の継手65は、円筒状をなしている。一対の継手65は、L字状に湾曲している。各継手65の一端は、収容部19に接続されている。一対の継手65は、栽培棚13の左右方向において互いに収容部19の両端寄りに配置されている。各継手65の他端は、ノズル本体61の両端に接続されている。各継手65の他端には、ノズル本体61の両端が圧入されている。そのため、一対の継手65とノズル本体61とは互いに着脱可能である。したがって、一対の継手65それぞれの収容部19とは反対側の端部は、ノズル本体61の両端に接続されている。収容部19及び一対の継手65は、収容部19の供給口19fとノズル本体61との間に空気が滞留する空間を形成するチャンバー部を構成している。
【0066】
第2の実施形態の作用は、第1の実施形態と基本的に同様であるため、詳細な説明を割愛する。また、第2の実施形態では、以下の効果を得られる。
(2-1)植物栽培装置10において、ノズル本体61の内部での空気が流れる際の圧損が抑制され、収容部19及び一対の継手65の内部には空気が滞留した状態に維持され、且つ濾材61cによりノズル本体61から空気が噴き出し難くなる。そのため、収容部19、一対の継手65、及びノズル本体61の内部に滞留する空気の内圧が維持されやすくなり、ノズル本体61の各噴出口61bに加わる内圧が均一化することから噴き出す空気が均一化される。また、ノズル本体61が照明装置17に対して着脱可能に配置されているため、植物栽培容器16と照明装置17との位置を調整するときにノズル本体61が照明装置17の移動の邪魔をしない。したがって、植物栽培容器16と照明装置17との位置調整の自由度を向上させつつ、植物15に対して空気の噴き付けの必要な栽培棚13に対してノズル本体61を着脱でき、ノズル本体61から植物に向けて噴き出す空気を均一化できる。
【0067】
(2-2)一対の継手65のような汎用性のある継手と、照明装置17の収容部19の既存の内部空間とによりチャンバー部を構成できる。したがって、ノズル本体61から噴き出される空気を均一化させるためのチャンバー部を簡易的に構成できる。
【0068】
(2-3)収容部19及び一対の継手65により構成されるチャンバー部と、ノズル本体61とは互いに着脱可能な構成である。そのため、例えばノズル本体61のみを交換するときにノズル本体61をチャンバー部から簡易的に離脱させることができる。よって、ノズル本体61の保守性を向上させることができる。
【0069】
(2-4)照明装置17の収容部19がチャンバー部の一部をなしているため、照明装置17の移動に伴ってノズル本体61を一体的に移動させることができる。一方で、ノズル本体61が一対の継手65に対して着脱可能に取り付けられているため、ノズル本体61又は照明装置17の交換をするときにノズル本体61と照明装置17とを適宜分離させることができる。
【0070】
(2-5)植物15を栽培するにあたって、植物15の品種や栽培工程等により、植物15に空気を噴き付ける必要がある場合と、植物15に空気を噴き付ける必要がない場合とがある。本実施形態では、ノズル本体61と、一対の継手65とが着脱可能となっているため、植物15に空気を噴き付ける必要がある場合のみノズル本体61を一対の継手65に接続して使用できる。
【0071】
(2-6)照明装置17の収容部19の内部に室内空間12の空気が供給されるため、照明装置17の冷却効果を向上させることができる。すなわち、照明装置17の発熱を抑えることができ、発熱対策が必要な発光ダイオード18の寿命を延ばすことができる。
【0072】
<第3の実施形態>
以下、植物栽培システムを具体化した第3の実施形態を図7図9にしたがって説明する。第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、詳細な説明は割愛する。なお、第3の実施形態の第1の実施形態との主な相違点は、空気供給装置の構成を異なる点である。以下、その点について説明する。
【0073】
図7に示すように、空気供給装置60は、箱状部材であるチャンバー部90を有している。チャンバー部90は、中空の四角筒状をなす筒部材91と、筒部材91の両端の開口を覆う一対のエンドカバー92とを有している。栽培棚13の上下方向において、筒部材91の上方に位置する上壁91bには、供給口91aが設けられている。供給口91aは、筒部材91の内部に連通している。フレキシブル配管52は、供給口91aに圧入されている。そのため、フレキシブル配管52は、供給口91aに着脱可能に取り付けられている。供給口91aは、送風機14から送り出される空気を導入する。なお、図示しないが、チャンバー部90は、例えば栽培棚13を構成する柱等に固定金具を用いて着脱可能に固定されている。
【0074】
図8に示すように、筒部材91は、栽培棚13の上下方向において、筒部材91の下方に位置する下壁91cを有している。筒部材91は、栽培棚13の奥行方向において、上壁91bと下壁91cとを連結させる第1側壁91dを有している。筒部材91は、栽培棚13の奥行方向において、第1側壁91dとは反対側に位置し、上壁91bと連結されている第2側壁91eを有している。第2側壁91eは、上壁91bから下方に向けて延びている。下壁91cは、第1側壁91dから栽培棚13の奥行方向の他方に向けて延びている。第2側壁91eと下壁91cとは互いに連続していない。すなわち、筒部材91における上下方向の下方、且つ奥行方向の他方には、照明装置17の下方に向けて開口する開口部93が形成されている。筒部材91の開口部93は、照明装置17及び植物栽培容器16に向けて開口している。開口部93は、栽培棚13の左右方向において、筒部材91の全長に亘って形成されている。
【0075】
筒部材91の下壁91cには、筒部材91の内部に向けて突出するL字形状の第1突出部91fが形成されている。第1突出部91fは、栽培棚13の左右方向において、下壁91cの全長に亘って設けられている。第1突出部91fと下壁91cとにより形成される空間は、筒部材91の開口部93に向けて開口している。
【0076】
筒部材91の第2側壁91eには、筒部材91の内部に向けて突出するL字形状の第2突出部91gが形成されている。第2突出部91gは、栽培棚13の左右方向において、第2側壁91eの全長に亘って設けられている。第2突出部91gと第2側壁91eとにより形成される空間は、筒部材91の開口部93に向けて開口している。
【0077】
本実施形態のノズル本体61は、長方形状のシートである。ノズル本体61は、チャンバー部90の開口部93を閉塞するように設けられている。ノズル本体61の短手方向の縁部それぞれは、第1突出部91fと下壁91cとにより形成される空間、及び第2突出部91gと第2側壁91eとにより形成される空間に嵌合されている。そのため、第1突出部91fと下壁91cとにより形成される空間、及び第2突出部91gと第2側壁91eとにより形成される空間は、シート状のノズル本体61の縁部が嵌め込まれる嵌合溝96である。したがって、チャンバー部90の開口部93には、ノズル本体61の縁部が嵌め込まれる嵌合溝96が設けられている。チャンバー部90は、供給口91aとノズル本体61との間に空気が滞留する空間を形成できるように構成されている。
【0078】
図9に示すように、ノズル本体61は、シート状の濾材94と、濾材94の一方の面を覆うシート部材としての外周シート95とにより構成されている。濾材94は、第1の実施形態で採用した濾材61cと同様の材質により構成されている。外周シート95は、外周シート95の長手方向において所定の間隔をおいて噴出口95aを複数有している。複数の噴出口95aは、ノズル本体61の短手方向において2列に配列されている。
【0079】
図8に示すように、ノズル本体61は、チャンバー部90の開口部93を閉塞した状態において、円弧をなすように湾曲している。ノズル本体61を構成する外周シート95は、チャンバー部90の開口部93に臨む位置に配置されている。ノズル本体61の短手方向において2列に配列された複数の噴出口95aのうち、一方の列の噴出口95aは、植物15に向けて空気を噴き出す。また、ノズル本体61の短手方向において2列に配列された複数の噴出口95aのうち、他方の列の噴出口95aは、照明装置17に向けて空気を噴き出す。なお、ノズル本体61を構成する濾材94は、白色系の色を有している。また、ノズル本体61を構成する外周シート95は、黄色の塗料により着色されている。当該塗料に使用されている顔料は、紫外線により退色現象が起こりうる成分で構成されている。そして、外周シート95は、黄色系の塗料で着色されていたが、例えば他の色で着色されていてもよいが、噴出口95aを見たときに外周シート95と濾材94とが判別できる色であることが好ましい。
【0080】
第3の実施形態の作用を説明する。
送風機14から送り出された空気は、供給配管51、フレキシブル配管52、チャンバー部90の順に供給される。チャンバー部90に供給された空気は、ノズル本体61の各噴出口95aから噴き出す。ノズル本体61に供給された空気は、濾材94を通過してノズル本体61の複数の噴出口95aから吹き出されるが、濾材94は空気の流れを抑制する抵抗素材となる。すなわち、チャンバー部90の内部に滞留している空気は濾材94によりノズル本体61から噴き出し難くなるため、チャンバー部90の内部に滞留する空気の内圧が維持されやすくなる。よって、ノズル本体61の各噴出口61bに加わる内圧が均一化することから噴き出す空気が均一化される。
【0081】
ここで、チャンバー部90は照明装置17に対して着脱可能に固定されており、且つチャンバー部90の嵌合溝96に足してノズル本体61が着脱可能に嵌合されている。そのため、植物栽培容器16と照明装置17との相対的な位置を調整するときに照明装置17を移動させるとしても、ノズル本体61がチャンバー部90とともに照明装置17と一体的に移動してもよいし、チャンバー部90及びノズル本体61を照明装置17から離脱させた状態で照明装置17を移動させてもよい。すなわち、ノズル本体61が照明装置17に対して着脱可能となることにより、ノズル本体61が照明装置17の移動を邪魔することがない。
【0082】
第3の実施形態では、以下の効果を得られる。
(3-1)植物栽培装置10において、チャンバー部90の内部には空気が滞留した状態に維持され、且つ濾材94によりノズル本体61から空気が噴き出し難くなる。そのため、チャンバー部90及びノズル本体61により形成される空間の内部に滞留する空気の内圧が維持されやすくなり、ノズル本体61の各噴出口61bに加わる内圧が均一化することから噴き出す空気が均一化される。また、ノズル本体61が照明装置17に対して着脱可能に配置されているため、植物栽培容器16と照明装置17との位置を調整するときにノズル本体61が照明装置17の移動の邪魔をしない。したがって、植物栽培容器16と照明装置17との位置調整の自由度を向上させつつ、植物15に対して空気の噴き付けの必要な栽培棚13に対してノズル本体61を着脱でき、ノズル本体61から植物に向けて噴き出す空気を均一化できる。
【0083】
(3-2)チャンバー部90と、ノズル本体61とは互いに着脱可能な構成である。そのため、例えばノズル本体61のみを交換するときにノズル本体61をチャンバー部90から簡易的に離脱させることができる。よって、ノズル本体61の保守性を向上させることができる。
【0084】
(3-3)チャンバー部90の開口部93にノズル本体61を嵌め込む構成、及びチャンバー部90を照明装置17の収容部19と着脱不能に一体化させる構成を採用したことにより、空気供給装置60及び植物栽培装置10を小型化でき、且つ外観をシンプル化することができる。
【0085】
(3-4)濾材94が埃、塵、カビの胞子等の異物を捕捉し続けると、濾材94が汚れ、黒く変色する。そのため、濾材94の変色具合は、外周シート95の噴出口95aから目視で確認することができる。また、外周シート95は、照明装置17からの光に含まれる紫外線で色落ちしていく。すなわち、ノズル本体61の設置後の経過時間を目視で確認できる。よって、ノズル本体61の交換時期を判断しやすくなる。
【0086】
<第4の実施形態>
以下、植物栽培システムを具体化した第4の実施形態を図10にしたがって説明する。なお、第4の実施形態は、基本的に第3の実施形態と同じ構成を有している。そのため、第3の実施形態と同様の構成については同じ符号を付し、詳細な説明は割愛する。
【0087】
図10に示すように、チャンバー部90の第2側壁91eには、筒部材91の内外を連通する貫通孔である供給口91hが設けられている。チャンバー部90の供給口91hには、空気を送り出す送風機97が組み込まれている。すなわち、チャンバー部90の供給口91hに送風機97が設けられている。送風機97から送り出された空気は、チャンバー部90の筒部材91の内部に直接供給される。
【0088】
第4の実施形態では、第3の実施形態と同じ作用及び効果を得ることができる。
<第5の実施形態>
以下、植物栽培システムを具体化した第5の実施形態を図11にしたがって説明する。なお、第1の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付し詳細な説明は割愛する。
【0089】
図11に示すように、空気供給装置60は、四角箱状をなすチャンバー部100を備えている。チャンバー部100は、四角筒状をなす筒部材101と、筒部材101の両端の開口部を閉塞する一対の接続部102とにより構成されている。一対の接続部102は、筒部材101の内部と連通する空間を有する蓋である。チャンバー部100は、送風機14から送り出される空気を導入する供給口103を有している。供給口103は、一対の接続部102の一方に設けられている。供給口103は、一対の接続部102の一方の内部の空間に連通している。供給口103には、フレキシブル配管52が圧入されている。
【0090】
空気供給装置60は、一対の継手104を有している。一対の継手104は、円筒状をなしている。一対の継手104は、L字状に湾曲している。各継手104の一端は、一対の接続部102それぞれに接続されている。各継手104の他端は、ノズル本体61の両端に接続されている。各継手104の他端には、ノズル本体61の両端が圧入されている。そのため、一対の継手104とノズル本体61とは互いに着脱可能である。したがって、一対の継手65それぞれのノズル本体61とは反対側の端部は、一対の接続部102に接続されている。また、チャンバー部100は、供給口103とノズル本体61との間に空気が滞留する空間を形成している。
【0091】
第5の実施形態では、第1の実施形態と同様の作用及び効果を得ることができるとともに以下の効果を得ることができる。
(5-1)第1の実施形態と比較して、チャンバー部を構成する部品点数を少なくすることができる。そのため、空気供給装置60が大型化することを抑制できる。
【0092】
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0093】
・ 取付部30は、照明装置17を上下方向、左右方向、及び奥行方向に移動可能となるように構成してもよい。すなわち、取付部30は、植物15に対する照明装置17の位置を調整するために、照明装置17を栽培棚13に対して移動させることができるのであれば、どのように構成してもよい。
【0094】
・ 第4の実施形態において、チャンバー部90の供給口91hに送風機97が設けられていたが、第2の実施形態及び第5の実施形態も同様に変更してもよい。例えば第2の実施形態では、チャンバー部を構成する照明装置17の収容部19に、収容部19の内外を連通する貫通孔である供給口を設け、当該供給口に送風機を組み込む形態としてもよい。第5の実施形態では、筒部材101にチャンバー部100の内外を連通する貫通孔である供給口を設け、当該供給口に送風機を組み込む形態としてもよい。
【0095】
・ 塩化ビニルにより構成される配管を採用していたが、塩化ビニル以外の樹脂や金属など、他の材質の配管を採用してもよい。
・ 各継手及びノズル本体61を着脱可能な構成とするために圧入の方式を採用したが、例えば接着剤等で固定してもよい。ただし、チャンバー部に対してノズル本体が着脱できないように固定される場合には、チャンバー部を照明装置17に対して着脱可能に構成する。また、チャンバー部は、照明装置17に対して着脱可能に設けられていたが、例えばチャンバー部を照明装置17に対して着脱不能に設けてもよい。ただし、この場合、ノズル本体61をチャンバー部に対して着脱可能に設ける。すなわち、各実施形態におけるノズル本体61は、照明装置17に対して着脱可能に設けられていればよい。
【0096】
・ 各継手及びノズル本体61を着脱可能に構成するために雄ねじと雌ねじとを螺合する方式を採用してもよい。
・ 第1突出部91fと下壁91cとにより形成される空間と、第2突出部91gと第2側壁91eとにより形成される空間とをノズル本体61の縁部が嵌め込まれる嵌合溝96としていたが、これに限らない。例えば、第1突出部91fと第2突出部91gとを割愛し、ノズル本体61の短手方向の両縁部を、筒部材91の下壁91c及び第2側壁91eにテープ等の着脱可能な固定部材で固定してもよい。このようにしても、ノズル本体61がチャンバー部90から着脱可能となることから、ノズル本体61の保守性が向上する。
【0097】
・ ノズル本体61が円筒状をなすとき、濾材61cを粘着シート61aが覆っていたが、例えば円筒状の筒部材に複数の噴出口を設け、当該筒部材を濾材により覆う構成としてもよい。
【0098】
・ ノズル本体61を構成する外周シート95は、チャンバー部90の開口部93に臨む位置に配置されていたが、これに限らない。例えば、ノズル本体61を構成する濾材94がチャンバー部90の開口部93に臨む位置に配置されていてもよい。
【0099】
・ 粘着シート61aの周方向に45度の間隔をおいた位置にそれぞれ形成された二つの噴出口61bのうちの他方は、栽培棚13の奥行方向であって、且つ水平方向に向いており、空気を照明装置17に向けて噴き出していたが、これに限らない。例えば、粘着シート61aに形成された二つの噴出口61bのうち他方を割愛してもよい。このように変更しても、ノズル本体61は、少なくとも植物15に向けて風を噴き出すことができる。
【0100】
・ 第1の実施形態において、取付機構70は、U字形状のボルト71と、2つのナット72とにより構成されていたが、これに限らない。例えば、取付機構70を一対の第1継手62に取り付けられた第1磁石部と、取付ブラケット40の第2板部42に取り付けられた第2磁石部とにより構成されていてもよい。このように変更することにより、第1磁石部と第2磁石部との磁力により、一対の第1継手62が取付ブラケット40に着脱可能に取り付けられる。また、取付機構70を、上記の第1磁石部のみで構成してもよい。このとき、第1の実施形態では、取付ブラケット40はアングル材である。そのため、アングル材に取り付けることができる磁性を有した第1磁石部であればよい。
【0101】
・ ノズル本体61が有する噴出口61b,95aは、円孔状をなしていたが、これに限らない。例えば噴出口61b,95aは、スリット状であってもよい。
・ 粘着シート61aに、粘着シート61aの周方向で、例えば30度の間隔をおいた位置に噴出口61bがそれぞれ配置されていてもよい。要は、ノズル本体61は、ノズル本体61の周方向に所定の間隔をおいて、噴出口61bを複数有していればよい。
【0102】
・ 植物栽培容器16が配置されている栽培棚13の各段において、ノズル本体61は、植物栽培容器16に対向配置されていてもよい。
・ 送風機14は、二酸化炭素が混合されていない空気をノズル本体61に送り出すものであってもよい。つまり、二酸化炭素が、ノズル本体61とは別の供給経路を介して植物15に供給されてもよい。
【0103】
・ 濾材61c,94の材料として、ポリプロピレン以外の樹脂を用いてもよい。
・ 濾材61c,94に抗菌機能を付加してもよい。
・ 噴出口61bを塞ぐように噴出口61bのみに濾材61cが配設されていてもよい。
【0104】
・ 栽培棚13の奥行方向に、植物栽培容器16が複数並設されていてもよい。
・ 栽培棚13における左右方向の両開口が、例えば、照明装置17からの光を植物15に向けて反射させる反射布80によって閉塞されていてもよい。
【0105】
・ 反射布80に代替して、板状の剛性を有する反射板を採用してもよい。反射板を採用する場合、ノズル本体61に干渉しないように配置を決めるとよい。また、反射板を採用する場合、反射率の良い白色の剛性があり取扱いが容易な軽量な樹脂板であるとよい。
【0106】
・ 反射布80は、1枚の布で栽培棚の最上段から下段まで同時に全ての開口を閉寒するように配置してもよい。反射布80を最上段の上部に巻物の様に巻き取り、全ての開口を開放状態を保ってもよい。
【0107】
・ 反射布80、または反射板は、栽培棚内部の照明装置17の光を植物15の方向に反射し、外部から栽培棚内部の植物15を透過するマジックミラーを採用してもよい。
反射板を採用すると以下の効果が得られる。
【0108】
反射板により、ノズル本体61から噴き出された空気は栽培棚13の外側に噴き抜けることが抑制される。そのため、反射板により風が折り返すため、風が拡散し、成長して大きく育った葉の下側まで、風が行き届く様になる。よって、植物15の成長を促すことができる。
【0109】
・ 照明装置17は、光源として発光ダイオード18を用いていたが、例えば光源として蛍光灯を用いるものであってもよい。
・ 供給配管51を割愛してもよい。フレキシブル配管52を送風機14に直接取り付けるように変更してもよい。
【0110】
・ 送風機14の配置は特に限定されるものではなく、例えば室内空間12の下方に配置されていてもよい。
・ 送風機14の数は特に限定されるものではなく、例えば、室内空間12に複数配置してもよい。
【符号の説明】
【0111】
1…植物栽培システム、12…室内空間、13…栽培棚、14…送風機、15…植物、16…植物栽培容器、17…照明装置、18…発光ダイオード、19…収容部、19a…底壁、19b…側壁、19c…フィルム材、19d…開口、19f…供給口、30…取付部、31…第1フック部材、32…第2フック部材、33…鎖、40…取付ブラケット、52…フレキシブル配管、60…空気供給装置、61…ノズル本体、61b,95a…噴出口、61c…濾材、62…第1継手、63…接続配管、64…第2継手、64a…第1筒部、64b…第2筒部、65…継手、70…取付機構、90…チャンバー部、91…筒部材、91a…供給口、91h…供給口、92…エンドカバー、93…開口部、94…濾材、95…外周シート、96…嵌合溝、97…送風機、100…チャンバー部、101…筒部材、102…一対の接続部、103…供給口、104…一対の継手。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11