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7086926フローバランシングの装置、方法、及びシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-10
(45)【発行日】2022-06-20
(54)【発明の名称】フローバランシングの装置、方法、及びシステム
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/16 20060101AFI20220613BHJP
【FI】
A61M1/16 117
A61M1/16 115
A61M1/16 135
A61M1/16 140
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2019502220
(86)(22)【出願日】2017-07-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-09-05
(86)【国際出願番号】 US2017042683
(87)【国際公開番号】W WO2018017623
(87)【国際公開日】2018-01-25
【審査請求日】2019-03-28
【審判番号】
【審判請求日】2021-01-21
(31)【優先権主張番号】62/363,394
(32)【優先日】2016-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/524,518
(32)【優先日】2017-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】504010590
【氏名又は名称】ネクステージ メディカル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】デソウザ,デービッド
(72)【発明者】
【氏名】ルベリー,ダニエル ジェー.
(72)【発明者】
【氏名】トロイ,デニス エム.
(72)【発明者】
【氏名】ワイエス,マーク ティー.
(72)【発明者】
【氏名】ジェームス,ジェローム
(72)【発明者】
【氏名】ケイシー,ギャレット ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ブルガー,ジェームズ エム.
(72)【発明者】
【氏名】シュネール,ウィリアム ジェー.
(72)【発明者】
【氏名】バーバンク,ジェフリー エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】フリーデリヒス,ゴエツ
【合議体】
【審判長】佐々木 一浩
【審判官】村上 聡
【審判官】千壽 哲郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0016777(US,A1)
【文献】米国特許第5984893(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0113735(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M1/14-1/16
A61M1/34
A61M1/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体回路中の流量制御をする装置であって、前記装置は:
処置装置(114)と、ここにおいて、前記処置装置(114)は透析装置であり;
少なくとも第1のポンプアクチュエータおよび第2のポンプアクチュエータを備えるフローレギュレータと、ここにおいて、前記第1のポンプアクチュエータ及び前記第2のポンプアクチュエータの一方は、流体を前記処置装置へ注ぎ込むように第2の流体ラインに配置され、前記第1のポンプアクチュエータ及び前記第2のポンプアクチュエータの他方は、流体を前記処置装置から吸い出すように前記第2の流体ラインに配置され
少なくとも前記第2の流体ラインの流量を測定するためのセンサを含む複数のセンサと;および
前記処置装置(114)、前記フローレギュレータ、および前記複数のセンサに接続するコントローラ(140)であって、前記コントローラ(140)は前記複数のセンサからの信号を受信するように構成され、かつ、所定の流体回路が前記フローレギュレータおよび前記センサと動作可能に係合している場合に、前記所定の流体回路を介して血液および処置流体の流量を調整するため、前記コントローラ(140)は前記フローレギュレータを制御するように構成される、コントローラ(140)、
を備え、
前記所定の流体回路は、第1の流体ライン(例えば、125および127、または137および139)、第2の流体ライン(例えば、137および139または125および127)、およびその他の流体ライン(138)を有する複数の流体ライン(125、127、137、139、138)を備え、ここにおいて、前記第1の流体ラインおよび前記第2の流体ラインは、前記処置装置(114)を介して相互接続され、
処置モード中、前記複数の流体ラインのうちの各々の流体ラインは流体を移送するために使用され、
同期モード中、前記第2の流体ラインが前記フローレギュレータおよび前記センサと動作可能に係合し、および、前記第1のポンプアクチュエータと前記第2のポンプアクチュエータが固定容積チャネル内に流体を送液するように、前記第2の流体ラインを介して流体を送液するとともに、前記フローレギュレータが、前記コントローラによって、前記第1の流体ラインの流れを遮断するように制御される場合に、前記第2の流体ラインに接続する固定容積チャネルが前記第1のポンプアクチュエータと前記第2のポンプアクチュエータとの間の流路に形成され
前記同期モード中、前記コントローラは、前記センサのうちの前記第2の流体ラインの流量を測定するためのセンサに応答して、前記第2の流体ライン全体に流量が等しいことを判定することにより、前記第1のポンプアクチュエータおよび前記第2のポンプアクチュエータの相対速度を調整し、ここにおいて、前記相対速度は前記固定容積チャネル全体に等しい流量に対応し、かつ、前記処置モード中前記第1のポンプアクチュエータおよび前記第2のポンプアクチュエータによって所定の比率の流量を実現するために、1つまたは複数の制御パラメータを導出し、ここにおいて、前記1つまたは複数の制御パラメータは、前記相対速度の調整を定義し
前記処置モード中、前記フローレギュレータは前記コントローラによって制御され、前記1つまたは複数の制御パラメータに応答して、前記第1のポンプアクチュエータおよび前記第2のポンプアクチュエータ前記相対速度で動作するよう命令することにより、前記第2の流体ラインを介して正味の流量を調整することを特徴とする、装置。
【請求項2】
複数の前記第2の流体ラインのうち1つは未使用の透析液を前記透析装置に供給するための未使用透析液ラインであり、複数の前記第2の流体ラインのうちのもう1つは使用済の透析液を前記透析装置の外に運ぶための使用済透析液ラインである、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の流体ラインおよび前記第2の流体ラインは前記処置装置(114)によって相互接続され、前記第2の流体ラインは血液ラインであり、前記第1のポンプアクチュエータおよび前記第2のポンプアクチュエータは動脈血ポンプアクチュエータおよび静脈血ポンプアクチュエータである、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記同期モード中、複数の前記制御パラメータを生成するために、前記第1のポンプアクチュエータおよび前記第2のポンプアクチュエータ全体に等しい流量を達成しつつ、一方で、前記コントローラが、複数の速度で前記第1のポンプアクチュエータおよび前記第2のポンプアクチュエータを操作するように構成される、
請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記センサは、圧力センサを含む、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記圧力センサからの信号に対応する圧力データは、前記同期モード中に記録され、かつ前記圧力データは、前記1つまたは複数の制御パラメータに含められ、前記同期モード中および前記処置モード中の前記圧力データと前記圧力センサからの前記信号の間の差を構成するように、前記圧力センサからの前記信号は前記コントローラによって、前記第1のポンプアクチュエータおよび前記第2のポンプアクチュエータのうち少なくとも1つの命令された速度を生成するのに使用される、
請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記センサが重量センサを含み、前記コントローラが、前記重量センサから前記第2の流体ライン全体に流量が等しいと判定するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記コントローラが、前記重量センサによって示される重量が変化しない場合に、前記第2の流体ライン全体に流量が等しいと判定するように構成される、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記センサが圧力センサを含み、前記コントローラが、前記圧力センサから前記第2の流体ライン全体に流量が等しいと判定するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記コントローラが、前記圧力センサによって示される圧力が一定である状態から前記第2の流体ライン全体に流量が等しいと判定するように構成される、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記フローレギュレータが、複数の前記第1の流体ラインのうちの1つと係合する少なくとも1つの制御弁を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記フローレギュレータが、複数の前記第1の流体ラインのうちの1つと係合する第3のポンプアクチュエータを備え、前記第3のポンプアクチュエータが、複数の前記第1の流体ラインのうちの1つの流れを遮断するために、前記同期モード中に停止するように構成される、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記コントローラが、所定の間隔で前記固定容積チャネル全体に等しい流量を規定する、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記コントローラが、水力モデルを前記センサのうち少なくとも1つの動的データにフィッティングすることによって、前記固定容積チャネル全体に対応する等しい流量を確証せずに、前記1つまたは複数の制御パラメータを導出する、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記同期モード中に、前記第1のポンプアクチュエータおよび前記第2のポンプアクチュエータのうちの少なくとも1つによって生成される流量を直接的に測定して、流量パラメータを生成し、前記1つまたは複数のパラメータは、前記流量パラメータに応答するデータを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記第1の流体ラインは、第3のポンプアクチュエータおよび第4のポンプアクチュエータとそれぞれ係合しており、前記同期モード中、複数の前記第1の流体ラインのうちの1つの流れを遮断するために、前記第3のポンプアクチュエータおよび前記第4のポンプアクチュエータの作動を停止する、請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
政府支援の提示
本発明は、国防総省/国防高等研究事務局(DOD/DARPA)により授与されたHR0011-13-C-0023の下で政府支援を受けて行われた。政府は本発明に一定の権利を有する。
【背景技術】
【0002】
血液透析、血液ろ過、血液透析ろ過、アフェレーシス装置等の多くの体外血液処置システム(ECBTシステム)の基本的な機能は、患者に付加される流体と、患者から引き出される体液との間の全体的な体液平衡を維持することである。理想的には、この交換は、患者の治療要件に正確に一致する、患者に対する/患者からの流体の正味の減少又は増加を生じさせる。これを達成するために、ECBTは、その様々な異なる種類が既知である容積測定流体平衡システムを利用してよい。例えば、それぞれが、あたかもその全体として本明細書に明記されるかのように、参照により本明細書に援用される、米国特許第5,836,908号、第4,728,433号、第5,344,568号、第4,894,150号、及び第6,284,131号を参照すること。
【0003】
流体平衡機構は、概して、フィルタ又は透析の非血液(non-blood)側に注ぎ込まれ、非血液側から取り除かれる流体の全質量又は全容積が等しいことを保証しようと試みる。除去/付加される正味数量の間の所望される差を提供するために、流入速度及び流出速度を制御して、正味差を生じさせることができる。これは、入側ポンプ若しくは出側ポンプによって提供される相対的な流量を調節することによって、又は別個のポンプにより駆動される別個のバイパスを使用することによって実現されてよい。一例では、係るバイパスポンプは、平衡した引き出し速度に加えられる限外(「UF」)ライン速度でポンプ作用を行う。
【0004】
ソースからの質量、及び処置装置から収集された体液の質量を計量して両者を比較することにより流量を平衡させる重量測定システムが既知である。別の手法は、漸進的な容積移動を測定することである。配管接続されているバランスチャンバ又は使い捨ての裏打ちされたバランスチャンバが、等しく、正反対の容積交換を保証するように交互に充填し、空にする。この手法を使用するシステムは、単一の入口流量を廃液の流量と平衡させる。流体の第2の流れは、追加のポンプ又は外部IVポンプを使用し、頻繁に体外回路に付加される。この第2の流れの量は、患者の体液平衡を維持しようとして隔離された限外(UF)ポンプによって平衡を保たれてよい。この手法は、追加のポンプ又は外部のポンプ、及び隔離されたUFポンプの較正の誤りにより制限されている。これらの誤りは、低流量では許容できる。しかしながら、より高い流量では、累積する容積測定の誤りは、所望される患者の容積測定の平衡を達成し得ない。さらに、この手法は、オペレータが所望される平衡を達成するためにポンプ速度を独立して設定することを必要とする。
【発明の概要】
【0005】
本開示に説明される開示される主題は、体外回路からの流入物及び流出物を制御するために複数の容積測定ポンプ又は固定容積型ポンプを使用する容積測定体液平衡に対する代替手法であり、該複数の容積測定ポンプ又は固定容積型ポンプは、平衡が保たれた流量を保証するために互いに対して同期された対応するポンプ速度を有する。
【0006】
特定のシステムでは、容積測定流体平衡は、バランスチャンバ、蠕動ポンプ、及び機械制御式ピンチ弁を含んだシステム構成を使用し、単一の治療流体流のために実行されてよい。体外回路の血液経路に進入する治療流体は、患者の容積がこの流体の交換により影響を及ぼされないように、回路の透析器を通して血液経路から除去される廃液と平衡を保たれてよい。単一の治療流体入口流量に対する制限は、バランスチャンバを使用する種々の透析機械の共通した制限である。いくつかの体外治療は、全体的な患者の体液平衡を達成するために容積測定により制御され得る複数の治療流体入口流量を使用できる。例えば、(例えば、患者の血液の流れの中に流れ込むことによって)患者の中に移動する総流体と、患者から引き出される総流体との差は、正確に制御されなければならない。例えば、透析治療では、例えば前希釈法、後希釈法、クエン酸塩注入、及び逆限外ろ過の流れを通して、患者に進入する流体の量は、ターゲット正味限外ろ過率を達成するために正味限外ろ過の流れに対して平衡を保たれてよい。本開示に説明される主題は、正確な体液平衡を達成するために体外回路からの廃液流量と同期された1つ以上の治療流量をサポートする代替の機械構成を提供する。
【0007】
開示される主題は、血液流体及び/又は処置流体の処置構成を含んだ、流体を流すバルブ調節/流れ転用機構を使用し、各療法流ポンプを個別に直列構成に転用することによって、廃液の流れと平衡を保たれた1つ以上の療法流体入口流を支援するいくつかの異なるシステム構成を含み、該直列構成では、流体はあるポンプから別のポンプに送り込まれ、ポンプ流量は不均衡検出装置を使用し、同期される。ある不均衡検出は、直流のバックアップのために蓄積する流体の重量の変化である。別の不均衡の検出は、直流のバックアップにより引き起こされる液量蓄積による圧力の上昇である。他の実施形態では、ポンプは、共通した又はゴールドスタンダード流量測定装置に対して関連するときに(例えば、処置ごとに1回以上)個々に較正される。さらに他の実施形態では、不均衡は、不均衡の大きさを予測できる時間的な傾向から平衡が保たれた又は不均衡な流量条件を推論するために、特別な構成を確立することなく、流体の流量を直接的に測定することによって、流量測定によって直接的に、また圧力変化を測定することによって間接的に、処置中に検出される。例えば、ポンプのうちの1つは漸進的に進めることができ、圧力変化又は流体の重量の傾向は、傾向及び傾向にフィッティングされた完全な平衡を確立して、同期された流量を算術的に取り消すために段階ごとに一時期サンプリングできる。例えば、直線又は多項式等の任意の種類のあてはめ関数が使用されてよい。ポンプが同期されるとき、同期条件、例えば吸い込み圧力が同期中の同期条件に匹敵することを保証するために、動作条件が維持される。
【0008】
実施形態では、信頼できるフローバランスは、固定容積流路を施行するよりむしろ、ポンプ流量を同期させ、圧力センサを使用して、速度を同期させることによって得られる。圧力センサ及びポンプに接続されたコントローラは、ポンプ間で所望される圧力を達成するために、廃液流ポンプを所望される流量に、及び選択された治療流量ポンプを調整し、治療流体ポンプのための同期流量値を達成するために圧力を一時期、安定に保持する。これは、治療流量ポンプ対圧力の同期曲線を達成するために、1つ又は複数の入口ポンプ圧力値及び安定化回数について繰り返すことができる。代わりに、それは、処置中に維持されなければならない単一の条件について行うことができる。システムが、例えば患者アクセスの流れ抵抗の変化等の制御されていない変化、又は例えばより低い若しくはより高い流量へのシフト等の制御されていない変化のために動作状態を変更する必要がある場合、新しい条件での新しい同期が実行されてよい。いったん同期すると、例えば処置中等、その後発生する同期された状態からの小さな偏移が、例えば同期中に同期されたポンプの速度が、例えば選択された限外ろ過率を提供するために、その絶対的な動作速度又は相対的な動作速度から変えられるとき、調整される。適応は、既知のポンプ曲線又は測定されたポンプ曲線に基づいて、例えば命令された流量(又はポンプの種類に応じて、シャフト速度若しくはサイクルレート同等物)と推定された実際の流量との間の関係を再計算することを指す、ポンプ圧力補正を連続的に実行することによって提供される。ポンプ曲線は、流量対入口出口の差圧、又は流量対入口圧力だけでよい。ポンプの種類に応じて、他の変形形態も考えられる。変形形態では、同期プロセスは、動脈圧、血液処置装置の血液側圧力、血液処置装置の処置流体側圧力の変化、又は時間間隔後によってトリガされてよい。係るトリガされた同期は、複数の条件にわたる同期プロセスが必要とされないように、処方された(つまり、所定の)血液及び処置流体の流量のためだけに行われてよい。この「スポット同期」プロセスは、例えば、図8に関して以下に説明されるように処置が大幅に中断される必要がないようにバイパス流が確立されない、組合せ同期プロセスにおいて特に関連性がある。同期は、プライミング動作中、処置中、又は両方に行われてよい。スポット同期は、処置に対する一時期の後に行われてもよい。他のいずれの変化もない場合にある期間の後に同期をトリガする理由は、例えば経時的な又は長い使用のための材料特性の変化であってよく、例えばプラスチックポンピングチューブのセグメントは、処置中の連続使用に対する特徴の変化を示してよい。したがって、平衡の精度を維持するためには、同期は、変化の量が制限されることを保証するために推測された時間の後に実行されてよい。
【0009】
実施形態では、入口圧力変動を補償するためにポンプの流量を連続的に又は繰り返し再調整するよりむしろ、処置間隔にわたるポンプ流量の変動により引き起こされる累積誤差が計算され、経時的に記憶される。次いで、ポンプ流量は、処置間隔にわたって発生した総限外ろ過に対する誤差の影響を補償するために計算された期間、単一回(数回)調整される。段階的な補正は、単一の処置間隔の終わりに向かって一度に単一の動作で、又は単一の処置セッションが分割される複数の処置間隔にわたって複数回、行われてよい。これらの動作は、オペレータの介入なしに自動的に行われてよい。処置間隔は、例えば自動警報又はオペレータコマンドによる停止等の事象に従って定義されてよい。例えば、ポンプ流量は、再開直後にポンプ流量を調整することによって、停止前の誤差の累積影響に従って調整されてよい。また、ポンプ流量を調整することによる補正は、規則的な間隔で複数回又は処置中の他の所定の回数、行うことができる。
【0010】
いったん同期されると、ポンプ流量は、記憶されているポンプ曲線に従って命令されたポンプ速度の所定の差を実装するために変更されてよい。ポンプ曲線は、記憶されている式又はアルゴリズムに限定されるのではなく、ルックアップテーブル又は同等物として実装されてもよい。命令されたポンプ速度の差は、処方された又はそれ以外の場合提供された限外ろ過率を規定するために適応される。異なる速度は、体外回路における所望される体液平衡(中立の平衡、正の平衡、又は負の平衡)を規定してよい。実施形態では、速度の差は、小さなわずかな差(つまり、50%の速度差未満)に限定されてよく、処置中の精度を保証し、改善するためには20%又は10%未満のわずかな差に限定されてよい。実施形態のいずれかでは、同期は、例えば未使用の透析液流を加え、使用済の流れと同期される、処置中に患者の血液中に流れ込むであろう代替液の前希釈流等、複数の流れを含んでよい。示されるように、ポンプ速度は、例えば入口圧力/出口圧力の変化、ポンプ寿命に起因する変化、及び他の要因等、一過性の影響を説明するためにさらに補正されてよい。圧力スパイクを削減し、同期プロセス中に安定した圧力制御を達成するのに役立つために柔軟なアキュムレータ又は追加の配管長を使用できる。
【0011】
実施形態は、直列(処置装置を通して直列で相互接続された)血液ポンプ又は直列処置流体ポンプの同期に適用可能である。実施形態では、同期される直列ポンプを接続する流路と流体を交換するラインを通る流れを停止させることによって、直列ポンプ間の直接的な流れが提供される。例えば、フィルタに接続された2つの直列血液ポンプは、非血液側に接続されたラインを通る流れが、例えば1つ以上の処置流体ポンプを停止させること、1つ以上の処置流体ラインを締め付けること、又は両方によって妨げられるとき、該直列血液ポンプの間に固定容積の経路を有する。別の例の場合、フィルタに接続された2つの直列処置流体ポンプは、血液側に接続されたラインを通る流れが、例えば1つ以上のポンプを停止させること、1つ以上の血液ラインを遮断すること、又は両方によって妨げられるとき、該処置血液ポンプの間に固定容積の経路を有する。固定容積は、処置流体装置の他方の側(平衡のために使用されるポンプの他方の側)で流れを停止させるための任意の適切な手段によって実装することができ、該停止させることは、該他方の側で流入ポンプ及び流出ポンプを停止させること、又は例えば流入ポンプ等の単一のポンプを停止させ、例えば流出ライン等、他のラインを締め付けることを含む。これらは構成に依存してよい。
【0012】
すべてのポンプは、入口圧力センサを備えてよく、ポンプ速度の圧力補正を支持するために出口圧力センサを取り付けられてよい。圧力補正方法では、ポンプの流量は、ポンプの回転速度又は往復速度から導き出され、入口圧力及び/又は出口圧力に応えて調整されてよい。この導出及び補正は、圧力(入口、出口、又は圧力変化)と回転速度の両方の単一の関数を使用し、行われてよい。例えば、関数は、コントローラのデータストアに記憶されるルックアップテーブル内で実施されてよい。さらに、制御弁は、ポンプ閉塞が、種々の圧力センサの読取りによって確認され得るように閉じられてよい。
【0013】
実施形態では、流れは、処置装置の非血液コンパートメントで停止され、平均的な血液コンパートメントの圧力は、流体を血液コンパートメントの中に、血液コンパートメントの出口での所定の抵抗をもって送り込むことによって処置装置の血液コンパートメントを通して流体を流すことによって確立される。平均圧力は、ターゲットとして記憶される。透析液コンパートメント圧力は、血液中のタンパク質の存在により引き起こされるコロイド浸透圧によって影響を及ぼされる。非血液コンパートメントに接続される未使用処置流体ポンプ及び使用済処置流体ポンプは、次いで所定の処置流体の流量に則して使用済処置流体ポンプに命令し、ターゲットの平均血液コンパートメント圧力が血液コンパートメントで復元されるまで未使用処置流体ポンプ速度を調整することによって同期される。代替実施形態では、ターゲットは、処置流体圧力から確立されてよい(例えば、処置流体装置の入口ポート及び出口ポートで入口処置流体圧力及び出口処置流体圧力の平均をとること)。ゼロ(又はゼロに近い)膜透過流状態の間の処置流体装置の処置流体コンパートメント圧力と、血液コンパートメント圧力の差を測定することによって、コロイド浸透圧は直接的に決定されてよい。技法は、例えば必要とされる限外ろ過の大きさ(つまり、患者の血液中にどれほど多くの過剰な流体があるのか-循環血液量過多)を決定すること等、他の目的にも使用されてよいコロイド浸透圧を決定するために使用されてよい。同期された未使用処置流体ポンプ速度が記録される。この手順は、独立変数としての血液コンパートメント平均圧力及び所定の処置流体流量の表(例えば、任意のデータストレージ要素が使用されてよいが、行及び列)及び各組合せ(例えば、表のセルに記録される)のための対応する同期された未使用処置流体流量を記録するために、複数の所定のポンプ流量及び血液コンパートメント圧力に対して繰り返されてよい。データは、処置中、血液コンパートメントの平均圧力に相当する、血液コンパートメントを通る処置流体流量及び血液流量の任意の規定の組合せに対する同期された未使用処置流体ポンプ流量を推測するための関数にフィッティングされてよい。処置が実行されるとき、平均血液コンパートメント圧力が、推定された未使用処置流体流量を得るために、測定され、規定の処置流体流量で、フィッティングされた関数に適用される。修正された使用済処流体流量は、次いで規定の限外ろ過率を規定するために計算される。使用済処置流体流量のポンプ流量は、入口圧力、及びポンプに適用される命令流量を提供するターゲット流量の関数から生成されてよい。係る関数は、一般的に蠕動ポンプを制御するために使用される。必要とされる限外ろ過を達成するために使用済処置流体ポンプにより必要とされる命令された流量でのステップは、係る関数、及び現在の使用済処置流体入口圧力から計算されてよく、次いで使用済処置流体ポンプが相応して命令されてよい。新しい入口圧力は、入口圧力が所定の間隔の中で変化するのを停止するまで、使用済処置流体ポンプのための精緻化された、命令された流れを得るために反復してフィードバックされてよい。処置中、平均血液コンパートメント圧力が所定の閾値を超えて変化するたびに、未使用処置流体ポンプ速度は、平均血液コンパートメント圧力をターゲットに戻すために調整されてよく、使用済処置流体ポンプ速度は上述のように反復して確立し直されてよい。平均血液コンパートメント圧力がより大きい閾値を超えて変化する場合、未使用処置流体ポンプ流量は、上述のように規定の処置流体流量に基づいて再計算されてよく、使用済処置流体ポンプ流量は、規定の限外ろ過率に基づいて上述のように反復して調整されてよい。
【0014】
本明細書に開示される主題の原理は、配管接続されているシステムだけではなく、使い捨ての留置経路付きの蠕動ポンプの両方、及び該2つの組合せに適用できる。配管接続構成では、流路構成要素は、標準的な透析機械に類似した消毒を必要とする場合があり、療法流体の直接注入の要件を満たすために特別な技法を必要とするであろう。
【0015】
実施形態は、添付図面に関して以下に詳細に説明され、類似する参照数字は類似する要素を表す。添付図面は、必ずしも縮尺通りに描かれていない。該当する場合、いくつかの特徴は、基本的な特徴の説明を支援するために示されない場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1A】開示される主題の種々の実施形態に従って、処置の過程で患者から引き出される又は患者に注入される流体の累積ターゲット比率を生成するために、処置装置の中への及び処置装置の中からの血液の流れを調整する血液処置システムを示す図である。
図1B】開示される主題の種々の実施形態に従って、ポンプをただ1つの流体源と同期させるために、コントローラによって実装される構成での図1Aのシステムを示す図である。
図1C】開示される主題の種々の実施形態に従って、ポンプを1つ以上の流体源と同期させるために、コントローラによって実装される構成での図1Aのシステムを示す図である。
図2A】開示される主題の種々の実施形態に従って、2つのポンプ、入口、及び出口の平衡が保たれる独立制御式ポンプの平衡が保たれた流れを提供しつつ、処置を実現させるための制御方法のフローチャートを示す図である。
図2B】開示される主題の種々の実施形態に従って、複数の入口ポンプが1つの出口ポンプに対して平衡を保たれる独立制御式ポンプの平衡が保たれた流れを提供しつつ、治療法を実行するための制御方法のフローチャートを示す図である。
図3A】開示される主題の種々の実施形態に従って、治療の過程で患者から引き出される又は患者に注入される流体の累積ターゲット比率を生成するために、処置装置の中への及び処置装置の中からの処置流体の流れを調整する血液処置システムのフローを示す図である。
図3B】開示される主題の実施形態に従って、同期シーケンスの種々の段階での図3Aの血液処置システムの構成を示す図である。
図3C】開示される主題の実施形態に従って、同期シーケンスの種々の段階での図3Aの血液処置システムの構成を示す図である。
図3D】開示される主題の実施形態に従って、同期シーケンスの種々の段階での図3Aの血液処置システムの構成を示す図である。
図3E】開示される主題の実施形態に従って、同期シーケンスの種々の段階での図3Aの血液処置システムの構成を示す図である。
図4A】開示される主題の種々の実施形態に従って、図3Bから図3Eを参照して説明される同期動作の説明のためのフローチャートである。
図4B】開示される主題の種々の実施形態に従って、図3Bから図3Eを参照して説明される同期動作の説明のためのフローチャートである。
図4C】開示される主題の種々の実施形態に従って、図3Bから図3Eを参照して説明される同期動作の説明のためのフローチャートである。
図4D】開示される主題の種々の実施形態に従って、図3Bから図3Eを参照して説明される同期動作の説明のためのフローチャートである。
図5】開示される主題の実施形態に従って、血液処置システムでの使用のために適応された流量計を示す図である。
図6A】開示される主題の追加の実施形態に従って、処置モード及び同期モードそれぞれでの処置の過程で患者から引き出される又は患者に注入される流体の累積ターゲット比率を生成するために処置流体の流れを調整する血液処置システムを示す図である。
図6B】開示される主題の追加の実施形態に従って、処置モード及び同期モードそれぞれでの処置の過程で患者から引き出される又は患者に注入される流体の累積ターゲット比率を生成するために処置流体の流れを調整する血液処置システムを示す図である。
図7】開示される主題の実施形態に従って、コントローラ及び血液処置器具の動作の特定の原理を説明するための図である。
図8】開示される主題の実施形態に従って、処置中に未使用処置流体ポンプ及び使用済処置流体ポンプを同期させるための方法を示す図である。
図9】本明細書に開示され、開示される主題の種々の実施形態に係る、コントローラ実施形態のいずれかに固有であってよい詳細とともにプログラム可能な制御システムを示す図である。
図10A】血液側又は非血液側の流入ポンプ及び流出ポンプが、開示される主題の実施形態に従って、体液平衡を調整するために使用されてよいフローバランシング方式の一般論を示す図である。
図10B】血液側又は非血液側の流入ポンプ及び流出ポンプが、開示される主題の実施形態に従って、体液平衡を調整するために使用されてよいフローバランシング方式の一般論を示す図である。
図11】開示される主題の実施形態に従って、種々のアクチュエータ及びセンサ及び付属の流体回路とともに、血液処置機械を比喩的に示す図である。
図12A】開示される主題の種々の実施形態に従って、血液ろ過システム又は血液透析ろ過システムの要素であって、血液ろ過処置のために流れを平衡させるための同期手順の説明するために、図11の多流(multiple stream))システムに共通であるが、これに限定されるものではない要素を示す図である。
図12B】開示される主題の種々の実施形態に従って、血液ろ過システム又は血液透析ろ過システムの要素であって、血液ろ過処置のために流れを平衡させるための同期手順の説明するために、図11の多流(multiple stream))システムに共通であるが、これに限定されるものではない要素を示す図である。
図12C】開示される主題の種々の実施形態に従って、血液ろ過システム又は血液透析ろ過システムの要素であって、血液ろ過処置のために流れを平衡させるための同期手順の説明するために、図11の多流(multiple stream))システムに共通であるが、これに限定されるものではない要素を示す図である。
図12D】開示される主題の種々の実施形態に従って、血液透析ろ過システムの要素であって、血液透析ろ過処置のために流れを平衡させるための同期手順を説明するために、図11の多流システムに共通であるが、これに限定されるものではない要素を示す図である。
図12E】開示される主題の種々の実施形態に従って、血液透析ろ過システムの要素であって、血液透析ろ過処置のために流れを平衡させるための同期手順を説明するために、図11の多流システムに共通であるが、これに限定されるものではない要素を示す図である。
図12F】開示される主題の種々の実施形態に従って、血液透析ろ過システムの要素であって、血液透析ろ過処置のために流れを平衡させるための同期手順を説明するために、図11の多流システムに共通であるが、これに限定されるものではない要素を示す図である。
図12G】開示される主題の種々の実施形態に従って、血液透析ろ過システムの要素であって、血液透析ろ過処置のために流れを平衡させるための同期手順を説明するために、図11の多流システムに共通であるが、これに限定されるものではない要素を示す図である。
図13A】開示される主題の種々の実施形態に従って、ポンプバランシングのための理論的な要素及びプロセスを示す図である。
図13B】開示される主題の種々の実施形態に従って、ポンプバランシングのための理論的な要素及びプロセスを示す図である。
図13C】開示される主題の種々の実施形態に従って、ポンプバランシングのための理論的な要素及びプロセスを示す図である。
図14A】開示される主題の種々の実施形態に従って、ポンプ同期の時間を短縮するために、同期信号をサンプリングし、同期信号から推測することによって同期を動的に示す図である。
図14B】開示される主題の種々の実施形態に従って、ポンプ同期の時間を短縮するために、同期信号をサンプリングし、同期信号から推測することによって同期を動的に示す図である。
図15A】開示される主題の種々の実施形態に従って、ゼロ膜透過流れが、処置流体の流れを停止させることなく確立されるシステム及び方法を示す図である。
図15B】開示される主題の種々の実施形態に従って、ゼロ膜透過流れが、処置流体の流れを停止させることなく確立されるシステム及び方法を示す図である。
図15C】開示される主題の種々の実施形態に従って、ゼロ膜透過流れが、処置流体の流れを停止させることなく確立されるシステム及び方法を示す図である。
図16】開示される主題の種々の実施形態に従って、複数ポンプ同期の過程で限外ろ過量を維持するために計算する方法を示す図である。
図17A図16を含んだ、開示される主題の種々の実施形態に従って、複数ポンプ同期の過程で限外ろ過量を維持するために計算する方法を説明するために、命令速度対時間のグラフを示す図である。
図17B図16を含んだ、開示される主題の種々の実施形態に従って、複数ポンプ同期の過程で限外ろ過量を維持するために計算する方法を説明するために、命令速度対時間のグラフを示す図である。
図18A】開示される主題の種々の実施形態に従って、スレーブポンプの同期された命令速度を決定するための命令される流れ及び圧力の条件のマップの生成及び使用を示す図である。
図18B】開示される主題の種々の実施形態に従って、スレーブポンプの同期された命令速度を決定するための命令される流れ及び圧力の条件のマップの生成及び使用を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1Aは、動脈血ライン139、静脈血ライン137、未使用処置流体ライン127、及び使用済処置流体ライン125を含む流体回路121内で流体の流れを調整する血液処置システム100を示す。特に、血液処置システム100は、治療の過程を通して患者から引き出される又は患者に注入される流体の累積ターゲット比率を生成するために処置装置114の膜全体で流体の流れを調整する。セットアップ手順中、患者が接続部122に繋がれる代わりに、及びそれらのとき、又はその場合、122は、プライミング流体のソース及びシンク(又は再循環容器)を識別する。ポンプの制御は、膜全体で(及び患者若しくはプライミング流体ソース/シンクへ/患者若しくはプライミング流体ソース/シンクから付随して)流体の正味流量を提供する。本明細書に説明される流体平衡及び同期モード/動作モードは、処置中の血液使用だけではなくプライミング中も行うことができるため、以後、実施形態のいずれかでは、流体平衡又はポンプ同期に関する「患者」及び/又は「血液」に対する参照は、プライミング流体及び/又はその複合ソース及びシンクで置き換えられることが理解されるべきである。また、プライミング流体ソース/シンクは、別個のソース及びシンクを有する単一通過装置だけではなく、単一の循環式チャネル又はチャンバであってもよいことが理解されるべきである。いつでも、(限外ろ過率として腎臓治療で識別される)膜全体での総流量は、処置装置114(例えば、透析器)の中から吸い出される血液の量と、血液ラインに注ぎ込まれる流体を加えた処置装置114に注ぎ込まれる血液の量のその瞬間の(then-instant)差によって決定される。限外ろ過率は、任意の代替液120及び/又は患者の血液に直接的に運ばれる他の流体(抗凝血剤又は薬剤等の補足流体SF1及びSF2)を考慮に入れ、患者から移される流体の総量として理解されてもよい。
【0018】
図1Aに戻ると、血液は動脈血ポンプ110によって処置装置114の中に注ぎ込まれ、静脈血ポンプ104によって処置装置114から吸い出される。図示されている構成は、透析システムに対して共通であり、そのすべての種類のインシデントを含む場合があるが、特に、2つの血液ポンプ、つまり動脈血ポンプ110及び静脈血ポンプ104がある点で異なる。
【0019】
処置モード中、及び同期モードの実施形態でも、血液は患者アクセス122に注がれ、患者アクセス122から吸い出される。他の実施形態では、同期は、代わりにプライミング流体を用いて実行されてよい。プライミング動作中、患者アクセス又はプライミングコネクタ(複数可)は、代わりにプライミング流体ソース、シンク、又は循環式容器に接続されてよい。このようにして、122は、概して患者に接続された患者アクセスを表すと見なされてよく、その場合循環式流体は血液である、又は122は他のときにはプライミング流体ソース、シンク、若しくは循環式容器であってよく、その場合、循環式流体はプライミング流体であろう。
【0020】
制御及び検知は、任意の形であってよいが、通常は、なんらかの種類のプログラム可能デジタルコントローラ、例えば組込コンピュータであってよい、コントローラ140によって提供される。処置流体は、処置流体ソース124から(空気センサとも呼ばれる)空気検出器118を通して、処置装置114を通過して、使用済ラインクランプ130を通りすぎ、(使用済のWで示される)ドレン126まで吸い出される。ポンプ、クランプ、及びすべてのセンサは、コントローラ140によって制御及び入力のために接続されてよい。ドレン126は、配管システムのドレン又は収集容器又は使用済処置流体の処分用の任意の他の装置であってよい。処置流体124は、透析液、代替液、又は任意の他の薬剤であってよい。
【0021】
代替液120は、前希釈、後希釈、又は両方の組合せのために、それぞれ(又は両方)代替液ライン135又138を通して動脈血ライン139又は静脈血ライン137の中に注ぎ込まれてよい。代替実施形態では、例えば処置装置114が2つのより小さいユニットから構成され、該ユニットがそれらの間の流体接続ジャンクションを提供して、血液コンパートメントへのその点での流体を受け入れる場合、希釈は、処置装置114の中間点で発生してよい。中間希釈処置装置は中間希釈を提供するための特別な構造を有してよい。処置装置114は、患者血液コンパートメントの中へ及び中からの流れを平衡させることを必要とする、透析、血液ろ過、血液透析ろ過、アフェレーシス、吸着、又は血液灌流を含むが、これに限定されるものではない、さまざまな種類の血液処置に適応されてよい。これらの治療法は、特許請求の範囲に最初に開示される実施形態を含む開示される実施形態のいずれかの代替策として適用してよい。補足流体134及び補足流体132によって示される追加の補足流体は、それぞれのポンプ、つまりどちらか又は両方とも存在する場合がある、補足流体ポンプ142及び補足流体ポンプ144によって動脈血ライン139の中に注ぎ込まれてよい。補足流体の例は、薬剤及び抗凝血剤(例えば、クエン酸塩、ヘパリン)である。
【0022】
圧力センサは、流体回路121にわたる種々の点に設けられてよい。特に、動脈圧センサ112は、動脈血ポンプ110の上流で動脈血ライン139内の血液の圧力を検出してよい。実施形態では、フローバランスに寄与する各ポンプは、その速度の圧力補正制御を提供できることを確実にするために、その上流に圧力センサを有してよい。例えば、追加の処置流体ポンプ圧力センサ119が設けられてよい。実施形態では、圧力補正速度制御のために使用される圧力センサは、それらがそれぞれの1つ又は複数のポンプの上流で圧力の信頼できる一貫した表示を提供するように位置決めされる。したがって、圧力センサは、近くに、又は少なくとも捩じれる場合があるチューブ長等、介在する障害の可能性がないように位置決めされてよい。血液入口圧力センサ108は、動脈血ポンプ110の下流で及び処置装置114の上流で動脈血ライン139内の血液の圧力を検出してよい。血液出口圧力センサ106は、静脈血ポンプ104の上流で及び処置装置114の下流で静脈血ライン137内の血液の圧力を検出してよい。静脈血圧力センサ102は、静脈血ポンプ104の下流で及び患者アクセス122の上流で静脈血ライン137内の圧力を検出してよい。コントローラ140は、未使用処置流体ライン127内の空気を検出するために配置される空気検出器118だけではなく、動脈圧センサ112、血液入口圧力センサ108、血液出口圧力センサ106、及び静脈血圧センサ102のそれぞれからも信号を受信する。また、コントローラ140は、使用済ラインクランプ130だけではなく、動脈血ポンプ110、静脈血ポンプ104、代替液ポンプ116、補足流体ポンプ142、及び補足流体ポンプ144のそれぞれも制御するために接続される。
【0023】
使用済ラインクランプ130が、流れ又は別のポンプを選択的に停止させる又は許可する任意の種類の弁によって置き換えられる場合があるであろうことに留意されたい。圧力センサが、例えば泡箱、圧力ポッド(例えば、米国第8092414号)等、流体回路内の圧力を示すために使用されるさまざまな種類の圧力センサのいずれかであってよいことに留意されたい。
【0024】
代替構成では、処置流体ポンプ128及び使用済ラインクランプ130が、上述されたように流れを停止させるために使用される代わりに、使用済流体ポンプは、回転を停止させることによって流れを停止させることができる使用済ラインクランプ130の位置に設けられてよい。後述される又は上述される本実施形態及び追加の実施形態を含んだ、実施形態のいずれかでは、ライン又は流体ライン(又は流体回路)として識別される任意の要素は、ポンピングチューブセグメント、(覆っている溶接膜によって密封されたトラフのパターンとして)カートリッジ内に形成されるチャネル、溶接可能なシートのパターン溶接された対、流路を画定する要素の積層スタック、又は流体の流れを誘導する任意の他の装置を含む相互接続された管を含んだ、任意の種類の流路である場合があるであろう。ポンプとして識別される任意の要素は、容積式タイプとしても知られる容積測定による任意のタイプのポンプ又はアクチュエータであってよい。ライン及び流体ライン又は流体回路の係る実施形態は、使い捨てであってよい、又はそれ以外の場合、処置機械のポンプ、センサ、及びアクチュエータを係合する交換可能な構成部品であってよく、該処置機械は、実施形態で識別される係るポンプ、センサ、及びアクチュエータを含む。係る機械は、図面中概略で示される場合があるが、必ずしも別個の構成要素として示されない場合があり、例えば単一の要素により示されるポンプは、例えばロータ等の、流体回路のポンプチュービングセグメントとともに機能するポンプアクチュエータを含んでよい。一方、両方とも図面中概略でポンプ記号により示される。同様に、センサ及びクランプは、すべての図面中で別々に示されない。係る機械は、複数の別々の構成要素で実施されてよく、使い捨て流体回路の接続を可能にするために受取りアダプタを有するとして概して説明されてよい。
【0025】
用語、受取りアダプタ、又は類似する用語は、開示される又は請求される器具のうちの1つをともに形成する、恒久的な装置と使い捨て又は交換可能な構成要素との間の連動を可能にする種々の機構のすべてをカバーする抽象的概念である。これは、開示され、請求されるすべての実施形態に当てはまる。例えば、上述及び後述される図面は、部分が交換可能であることを考慮するとき、血液回路の受取りアダプタ及び薬剤(処置流体、透析液、又は類似した流体)受取りアダプタの存在を示すシステムを示す。(血液回路を含んだ)流体回路は、センサ及びアクチュエータと係合する部分だけではなく処置構成要素を含んでもよい。再び、これらの注釈は全実施形態に当てはまる。
【0026】
圧力センサとして識別される任意の要素は、例えば圧力ポッド又は点滴筒等の流体回路部分、及び例えば圧力を示すダイヤフラム等の要素に接続されるひずみゲージ又は変位エンコーダ等の電子変換器の組合せであってよい。上記実施形態は、装置の周知のクラスであり、当業者が説明されている主題の実用的な実施形態の詳細を作成することを可能にするために追加の詳細は必要とされていない。流体は、例えば袋等の容器、又は例えば透析クリニックで使用されるインライン流体生成器から供給されてよい。
【0027】
血液処置システム100の処置動作では、動脈血ポンプ110及び静脈血ポンプ104は、血液又はプライミング流体を各ポンプ記号のそれぞれの矢頭により示される方向で送り込む。動脈血ポンプ110及び静脈血ポンプ104は、(負の限外ろ過液と呼ばれる場合がある))流体(限外ろ過液)の正味除去又は流体の正味注入が起こるように、静脈血ライン137内の血液の流れに対して動脈血ライン139内の血液の流れをほぼ平衡させる(同等に、「均一にする」)ためにコントローラ140によって制御される速度で送り込む。患者による流体の正味喪失を指す限外ろ過液及び患者による流体の正味獲得を指す負数の瞬間率は、動脈血ポンプ110による総排水容積を静脈血ポンプ104に対して制御することにより達成される。移動が処置間隔にわたって均一に拡散される場合、又は正味限外ろ過液が蓄積限外ろ過液を達成するために動脈110及び静脈104血ポンプの流量の比率を変えることによって断続的に達成され得る場合、限外ろ過液は、動脈110及び静脈104血ポンプの流量の所定の比率によって確立されてよい。したがって、限外ろ過液の量は、処置の過程を通して動脈血ポンプ110によって運ばれる総量を差し引いた静脈血ポンプ104によって運ばれる総量によって確立される。限外ろ過液速度は、静脈104及び動脈110血ポンプの速度の瞬間差を識別してよい。
【0028】
コントローラ140は、限外ろ過液又は注入された流体の正味量が、コントローラ140によって記憶されてよい規定のターゲットを満たすことを保証するためにプログラムされてよい。命令流量を達成するために必要とされるポンピング速度は、例えばルックアップテーブル又は式等のコントローラにより記憶されるデータを使用し、コントローラ140によって決定されてよい。命令流量は、多かれ少なかれ正確に流量に一致するコントローラの直接的な制御下にある操作特性(例えば、蠕動ポンプのシャフト速度)、つまり操作特性とそれにより生じる実際の流量との間の関係を定義する伝達関数を確立するために使用される条件とは異なる場合がある条件を指す。条件は、例えば歪み、材料クリープ等の動作履歴及び保管のために変化する要因だけではなく、例えばポンピングチューブセグメント及び流体ライン直径、ポンピングチューブセグメントの材料特性、ポンプ潤滑等の製造可変性を含んでよい。流量対ポンプ速度の比率は、圧力差と流量との関係によりターゲットポンプ速度を示すために記憶されているルックアップテーブルのデータによって提示されてよい。
【0029】
処置流体124は、コントローラ140に記憶される所定の速度で未使用処置流体ポンプ128によって送り込まれ、該速度は、血液流速度に一致するように選択されてよい。代替液120は、代替液ポンプ116の命令速度を制御することによってコントローラ140によって制御される速度で送り込まれてよい。補足流体134は、補足流体ポンプ142の命令速度を制御することによってコントローラ140により制御される速度で送り込まれてよい。補足流体132は、補足流体ポンプ144の命令速度を制御することによってコントローラ140によって制御される速度で送り込まれてよい。代替液120、補足流体134、又は補足流体132のいずれかは、任意選択であり、代替実施形態ではそれぞれのライン及びポンプとともに含まれる場合もあれば、含まれない場合もある。
【0030】
本特許出願のどこかで識別される弁又はピンチクランプは、任意の種類であってよい。例えば、カートリッジが埋め込まれたポート上で閉じられた可撓膜、例えばソレノイドプランジャ又はステッピングモータアクチュエータ等の線形アクチュエータを利用する電気作動式ピンチクランプが使用されてよい。特定の種類の弁機構は、開示された主題を制限しない。ライン136は、代替実施形態では、補足流体が動脈血ポンプ110の上流又は下流で動脈血ライン139に進入してよいことを示すために存在する。
【0031】
上述されたように、実施形態のいずれかでは、患者への及び患者からの流れから生じる体液平衡(正味限外ろ過液量)は、ある期間にわたり発生すると理解される。したがって、実施形態では、コントローラは、任意選択で、患者への又は患者からの流体の正味移動(正味限外ろ過液量)によりオフセットされる体液平衡を達成するためにポンプ流量を制御するとして説明されるが、ポンプ流量が一定であること、経時的に一定の比率を定義すること、又は経時的に円滑に変化する比率を定義することを必要としないことが理解される。最終的な目標は、患者からの流体の総損失又は総獲得(正味限外ろ過液量)を制御することであるので、ポンプ流量は、累積効果が処置の最後にターゲット限外ろ過液量となるように経時的にさまざまな速度を確立する場合がある。速度は、一定である場合もあれば、段階的に、円滑に変わる場合もあり、処置間隔の一部分の間の患者による流体の一時的な獲得、及び処置全体の総獲得又は総損失を達成するための別の部分の間の正味損失を生じさせる場合がある。別の例の場合、全体的な流体の獲得又は損失は、処置間隔の単一の部分に限定される場合がある。また、コントローラは、全体的なバランスが所与の時間に特定の量を超えないように、推定限外ろ過液を制限してもよい。限外ろ過液の速度は、また、又は代わりにコントローラによって制限されてもよい。
【0032】
図1Bは、単一の流体、血液、又はプライミング流体123を送り込みながら、等しい流量のためにポンプを同期させるためにコントローラ140によって実装される構成で図1Aのシステムを示す。(図2A及び図2Bに関して以下にさらに説明されるように)処置の始めに、又は処置中にときおり同期手順が実行される。処置流体ポンプ128、代替液ポンプ116、補足流体ポンプ142、及び補足流体ポンプ144は、処置装置114の中への又は中からのそれぞれのラインを通る流れを遮断する(つまり、流れを妨げる)ために、すべて停止構成で保持される。非容積式ポンプが使用されるとき、例えばピンチクランプ等の補助弁が流れを妨げるために含まれてよく、係る場合、非容積式ポンプと弁の組合せは、本明細書及び特許請求の範囲では、ポンプとして簡潔に識別されてよい。停止流れ構成は、ポンプ記号の上にある汎用禁止安全符号(/)によって示される。使用済ラインクランプ130は閉じられて示される(再び、使用済ラインクランプ130は任意の種類の弁であってよい)。この構成では、動脈血ポンプ110及び静脈血ポンプ104は、動脈血ポンプ110と静脈血ポンプ104との間に固定容積が存在するように直列で直接的に接続される。
【0033】
同期を実行するために、同期モード中、動脈血ポンプ及び静脈血ポンプ110、104は、当初コントローラ140によって記憶される血液の命令流量に一致する所定のポンプ速度で流すように命令されてよい。処置の準備中、血液よりむしろプライミング流体を使用し、他に示されるように、これが行われてよい。それは、血液を使用し処置中に行われてもよい。命令流量は、処置のための規定のために示されるものであってよい。また、後者はコントローラ140のユーザインタフェース141を通して直接的に入力されてもよい。動脈血ポンプ110及び静脈血ポンプ104によって送り込まれる容積流量の任意の差は、血液出口圧力センサ106、血液入口圧力センサ108、又は該2つの平均から検出されてよい。すなわち、上昇する圧力の傾向は、動脈血ポンプ110が、静脈血ポンプ104よりも高い流量で送り込んでおり、フィードバックを提供していることを示す。圧力信号を使用し、コントローラは、静脈血ポンプ104及び動脈血ポンプ110の一方を、2つのポンプのボリュームレートが等しくなる、つまりポンプが同期されるまで、静脈血ポンプ104及び動脈血ポンプ110の他方に従動させることによって補正してよい。「従動させる」によって、一方のポンプが、流れが他方のポンプの流れと同期するまでPID又はPDフィードバック制御されることを意味する。同期は、1つ、又は複数の流量について実行されてよい。これは、初期プライミング段階の間に本実施形態及び他で行われてよい。流量ごとに、同一の流量に対応する動脈血ポンプ110及び静脈血ポンプ104の相対速度が、例えば比率としてコントローラによって記録されてよい。等しい流量に対応する比率は、次いでコントローラによって記憶される予測比率に比較されてよく、命令流れ対実際の流れの将来の予測比率のために使用される制御パラメータは、処置中に使用するためにコントローラ140によって導き出され、記憶されてよい。コントローラ140が、血液の命令流量を提供するために計算される他方の速度のために選択される動脈血ポンプ110及び静脈血ポンプ104の速度のうちの一方を決定し、命令できるようにするための他のデータ構造。
【0034】
上記実施形態では、処置流体ラインの流れを遮断し、血液ポンプを同期させる代わりに、システムは、処置流体ポンプを使用し、流れを平衡させることに留意されたい。係るシステムでは、血液の流れは遮断され、同期のために処置流体ポンプ間に固定容積チャネルを形成してよい。本実施形態の手順は、似ているであろう。
【0035】
すべての実施形態において、上記の一実施形態に従って説明される同期モード中に実行される同期動作は、ポンプを完全に同期させることなく処置のための制御パラメータを提供してよいことに留意されたい。すなわち、コントローラ140は、圧力の動的な反応及び命令流量から、制御パラメータを推測するために十分な情報を決定できる。これは、処置中に実装される同期モード中にかなりの時間を節約し得る。このようにして、フロー方式の動的水力のモデルは、その未知のパラメータを、ポンプの等しい流量を確立するには十分ではないが、処置中に等しい流量の推定値を改善するための制御パラメータを推定するのには十分である、ある期間にわたり圧力信号及び流量信号を使用し、フィッティングできるいくつかの方程式を提供してよい。条件及び必要とされる精度のレベルに応じて動的モデルに対する多くの選択肢がある。ポンプ流量が低流れ抵抗を生じさせるほど低い場合、非定常静水モデルで十分である場合がある。例えば流れ抵抗等の要因は、レオロジー流体及び非レオロジー流体のための定常状態方程式及び時間変化流れを使用し、組み込むことができる、使用されてよい)。
【0036】
図1Bの同期モード動作は、コントローラ140によって自動的に検出されてよい種々の表示によってトリガされてよい。例えば、1つのトリガは、所定の大きさを超える平均限外ろ過率又は瞬間限外ろ過率に対応する限外ろ過液量を提供するためにユーザインタフェース141から受け取られるコマンドであってよい。例えば、限外ろ過率は、残りの処置時間に基づいて限外ろ過液の量を達成するために再計算されてよい。速度は、特定の大きさの動脈血ポンプ110及び静脈血ポンプ104のポンピングの速度に相当する。同期モードを実装するためのトリガポイントは、命令されたポンプ流量間の所定の差又はその比率として記憶されてよい。代わりに、絶対的又は相対的な限外ろ過(注入)速度に対する数値境界は、コントローラ140によって記憶され、適用されてよい。血液処置システム100がそれらの境界を越えて動作するように命令されるとき、同期モードが実施されてよい。同期モードは、以下に説明されるように、代替液120、補足流体134、及び/又は補足流体132の追加の流れで実施されてよい。
【0037】
好ましい実施形態では、同期プロセスは、複数の動作条件をカバーし、プライミング中行われる。本実施形態では、複数の動作条件のための制御パラメータは、処置中にシステムを制御するために使用される。処置中に同期を実行する必要は、回避できる。しかしながら、種々のトリガ条件が、処置中にシステムに同期を実行させる場合がある。
【0038】
図1Cは、ポンプを複数の流体ソースと同期させるために、コントローラによって実装される構成での図1Aのシステムを示す。処置の始めに又は処置中に(トリガイベントによって決定される)ときおり、追加の同期手順が実行される。処置流体ポンプ128、補足流体ポンプ142、及び補足流体ポンプ144は、処置装置114の中への又は中からのそれぞれのラインを通る流れを妨げるためにすべて停止構成で保持される。コントローラ140は、静脈血ポンプ104の速度を計算し、次いでコントローラ140は、命令された限外ろ過率又は注入率に基づいて、流量並びに代替液ポンプ116及び動脈血ポンプ110のそれぞれの動作のためのポンプ速度を計算する。使用済ラインクランプ130は、閉じられて示される(再び、使用済ラインクランプ130は、任意の種類の弁であってよい)。この構成では、動脈血ポンプ110及び代替液ポンプ116は、並列配置された動脈血ポンプ110と代替液ポンプ116と静脈血ポンプ104との間に固定容積が存在するように、静脈血ポンプ104と直列で接続される。したがって、ポンプが同期されるためには、静脈血ポンプ104を通る流量は動脈血ポンプ110及び代替液ポンプ116を通る流量の合計に一致しなければならない。
【0039】
同期を実行するために、ポンプは当初、コントローラ140によって記憶される血液の命令流量に対応し、処置のための規定を表す所定のポンプ速度で流れるように命令されてよい。また、後者はコントローラ140のユーザインタフェース141を通して直接的に入力されてもよい。動脈血ポンプ110及び静脈血ポンプ104によって送り込まれる容積流量の任意の差は、血液出口圧力センサ106、血液入口圧力センサ108、又は2つの平均から検出されてよい。圧力信号を使用し、コントローラは、静脈血ポンプ104及び動脈血ポンプ110の一方を一致した流量に向かって、2つのポンプの流量が固定容積チャネルの圧力により示されるように均衡するまで、静脈血ポンプ104及び動脈血ポンプ110と従動させることによって補正してよい。同期サイクル中、代替流体ポンプ116は、ポンピングの固定比率又は固定速度で保たれてよく、動脈血ポンプ110及び静脈血ポンプ104の従動ポンプは、同期が達成される、又は(同等に)必要とされる制御パラメータを提供できる水力のモデルをフィッティングさせるために十分な情報が得られるまで変わる場合がある。代わりに、ポンプの他の組合せは関連するターゲットを達成するために停止及び/又は操作されてよい。PID又はPDアルゴリズムは、フィードバック制御変数としての圧力信号とともに、同期されたポンプを達成するためにコントローラによって適用されてよい。同期は、1つ又は複数の流量のために実行されてよい。それぞれのために、同一の流量に相当する、代替液ポンプ116、動脈血ポンプ110、及び静脈血ポンプ104の相対速度は、例えば比率としてコントローラによって記録されてよい。関連する1つ以上の制御パラメータを記憶して、ポンプの速度の比率が必要とされる平衡又は限外ろ過率を提供することを保証するために、種々のデータ構造が使用されてよい。
【0040】
任意の同期手順中、静脈血圧力センサ102によって示される静脈圧のターゲット範囲が確立されてよい。この圧力は、コントローラ140によって記憶されてよく、安全要件又は他の操作要件に基づいて選択される所定の大きさを有してよい。ポンプ流量は、ターゲット静脈圧を達成するために命令され、調整されてよい。同期のいずれかの間及び/又は処置中、補足流体ポンプ142及び補足流体ポンプ144の所定の流量は、規定に従って確立されてよい。補足流体ポンプ142及び補足流体ポンプ144の速度は、所定の命令速度に基づいて対応するポンプ速度を制御することによって課されてよい。概して、補足流体ポンプ142及び補足流体ポンプ144は、体液平衡に含むために関連性があるほど十分な量を与えないため、同期はその貢献を考慮に入れない場合がある。しかしながら、これは当てはまる場合もあれば、当てはまらない場合もある。
【0041】
同期は、新しい流体回路が設置されるとき、新しい処置が開始されるとき、流量が変更されるとき、(例えば、流れ要素、患者アクセス、又は処置装置の流れ制限の)流体回路構成要素の流れ特徴が変化するとき、又は処置の命令された特徴が変更されるときを含んだ、操作構成が変化する又は変化するであろうときはいつでも平衡した流量の正確な再現を提供するために実行されてよい。特に、患者の体液の平衡に大幅に貢献するポンプの同期は、同期データが処置中に有効であるように、処置中に存在する条件に可能な限り近い条件下で実行される。実施形態では、新しい同期は、直接的に測定されるよりむしろ推定又は予測される変数に基づいてコントローラによって示されてよい。例えば、蠕動ポンプのポンピングチューブセグメント等、例えば、材料のコンプライアンスは、時間及び/又は温度とともに変化する場合がある。したがって、時間の経過は、材料変化の表示のための代用物として使用されてよい。例えば警報停止等、機械の動作中の休止は、再開直後の同期モードのトリガであってよい。
【0042】
図2Aは、操作シナリオを示す。コマンドは、処置を開始するためにS4でコントローラ140によって受け取られる。コマンドは、患者、介護者、又は臨床医によって操作されるユーザインタフェースを通して入力される場合もあれば、コマンドはユーザインタフェース141を通して直接的に又は間接的にリモートオペレータ若しくはローカルオペレータから受け取られる場合もある。S6で、コントローラ140は、データストアから、ユーザプロファイル情報、前の治療についてのデータ、及び他の情報を含む場合がある処方データを読み取る。S16で、命令流量を達成するために必要とされるポンピング速度が、記憶されているデータに基づいてポンプごとに計算される。次いでS18で、ポンプは、説明されるように運転され、同期される。同期が達成されるとき、命令流量からのポンプ速度の計算を可能にするデータは、記憶され、次いでS10で実行される処置のためのポンプ速度を計算するためにS20で使用される。
【0043】
ここで図2Bを参照すると、(図2Aから続行する)S10で、処置前に又は処置中のいつでも、S12で示される流量の命令された変更等、条件が変化する場合、コントローラ140は、S14で流量変更の閾値が所定の範囲を超えるかどうかを判断してよい。係るイベントがコントローラによって判断される場合、コントローラは、上述されたように命令流量からポンプ速度を計算するための更新された制御パラメータを生成するために新しい同期手順を実行してよい。S16で、命令流量を達成するために必要とされるポンピング速度が、記憶されているデータに基づきポンプごとに計算される。次いでS18で、ポンプは、説明されるように、運転され、同期される。同期が達成されるとき、命令流量からのポンプ速度の計算を可能にするデータが記憶され、次いでS10で実行される処置のためのポンプ速度を計算するためにS20で使用される。
【0044】
上記に示されるように、条件又はプログラムされる時間の経過又はS12での他の条件の任意の変化は、再同期のための候補を示す場合がある。例えば、S12で、所定のレベルへの静脈圧の上昇は、コントローラに流量削減を自制させる場合がある。オペレータコマンドは、流量の変化又は血液ろ過率の変化を示す場合がある。処置時間を削減するためのオペレータコマンドは、コントローラが、新しい流量を計算し、新しい同期に付随する(attending)ことを必要とする場合がある。コントローラは、流体回路材料又は同様に再同期のスケジュールを示す場合がある製品識別子等の製品に特有のパラメータを記憶してよい。これは、システムが、処置の過程を通して正味体液平衡の不正確さを生じさせる場合がある既知の材料特性のドリフトを有する材料を補償できるようにする。係る補償は、説明されるようにポンプ同期を使用し、流量対ポンプ速度のより頻繁なスケジュール前の再同期の形をとる場合がある。
【0045】
図1A図1Cのシステムが、静脈血ポンプ104の代わりに、及び使用済処置流体ライン125上でポンプを使用し、使用済ラインクランプ130等のラインクランプを設置するために修正できることに留意されたい。その場合、流体平衡は、血液側よりむしろ薬剤側で行うことができる。固定容積チャネルは、血液ラインを締め付け、血液ポンプを停止することによって同期のために実装できる。他の態様では、システムは、上述されたように動作してよい。
【0046】
図3Aは、処置の過程を通して患者122から引き出される又は患者の中に注入される流体の累積ターゲット比を生成するために処置流体の流れを調整する流れ血液処置システム200を示す。血液処置システム200は、動脈血ライン139、静脈血ライン137、未使用処置流体ライン127、及び使用済処置流体ライン125を含む流体回路221内の流体の流れを調整する。患者又はプライミングソース/シンクの中への又は中からの流体の正味流量は、いつでも(フィルタの場合Fトラベルが付けられた)処置装置114から吸い出される処置流体の量と、血液ラインの中に注ぎ込まれる量を加えた処置装置114の中に注ぎ込まれる量との現在の差によって決定される。流体(血液又はプライミング流体)は、動脈血ポンプ110によってソース(例えば、患者122又はプライミング流体ソース-後の実施形態3Bを参照。以下参照)から処置装置114の中に注ぎ込まれ、処置装置114から患者122又はプライミング流体のシンク、ドレン、収集容器、又は循環式容器に還流する。他の箇所に説明されるように、同期のために、患者は、プライミング流体ソース/シンクであってよい。例えば、それは、プライミング流体が戻され、それによって終わりのない再循環を可能にし、流体のソースとシンクの両方として機能するプライミング流体の容器であってよい。示されている構成は、透析システムにとって共通であり、そのすべての典型的な事件を含んでよいが、特に、2つの処置流体ポンプ、つまり未使用処置流体124を処置装置114の中に注ぎ込む未使用処置流体ポンプ153、及び使用済(使用済み)処置流体を処置装置114からドレン126に注ぎ込む使用済処置流体ポンプ154がある点で異なっている。上述されたように、制御及び検知は、任意の形であってよく、再び、通常、プログラム可能デジタルコントローラ、組込コンピュータであってよい、コントローラ240によって提供される。処置流体124は、ソースから空気検出器118を通して、処置装置114を通して、(使用済のWで示される)ドレン126に送り込まれる。
【0047】
代替液120は、前希釈、後希釈のためにそれぞれ(又は両方)代替液ライン135又は138を通して、動脈血ライン139又は静脈血ライン137の中に注ぎ込まれてよい。代替実施形態では、希釈は、上述されたように、処置装置114の中間点で発生する場合がある。処置装置114は、透析、血液ろ過、血液透析ろ過、アフェレーシス、吸着、及び血液灌流を含むが、これに限定されるものではない任意の種類の血液処置に適応されてよい。補足流体134及び補足流体132によって示される追加の補足流体は、それぞれのポンプ、つまりそのどちらか又は両方が存在してよい、補足流体ポンプ142及び補足流体ポンプ144によって動脈血ライン139の中に注ぎ込まれてよい。補足流体の例は、薬剤及び抗凝血剤(例えば、クエン酸塩、ヘパリン)である。
【0048】
圧力センサは、流体回路121にわたる種々の点に設けられてよい。特に、動脈圧センサ112は、動脈血ポンプ110の上流で動脈血ライン139内の血液の圧力を検出してよい。血液入口圧力センサ108は、動脈血ポンプ110の下流及び処置装置114の上流で動脈血ライン139内の血液の圧力を検出してよい。血液出口圧力センサ106は、静脈血ポンプ110の上流及び処置装置114の下流で静脈血ライン137内の血液の圧力を検出してよい。静脈血圧力センサ102は、静脈血ポンプ104の下流及び患者アクセス122の上流で静脈血ライン137内の圧力を検出してよい。未使用処置流体圧力センサ166は、未使用処置流体ポンプ153の下流での処置流体の圧力を示し、使用済処置流体圧力センサ168は、使用済処置流体ポンプ154の上流での使用済処置流体の圧力を示す。コントローラ240は、未使用処置流体ライン127内で空気を検出するために配置される空気検出器118だけではなく動脈圧センサ112、血液入口圧力センサ108、血液出口圧力センサ106、及び静脈血圧センサ102、未使用処置流体ポンプ153、使用済処置流体ポンプ154のそれぞれから信号を受信する。また、コントローラ240は、動脈血ポンプ110、代替液ポンプ116、補足流体ポンプ142、補足流体ポンプ144、未使用処置流体ポンプ153、及び使用済処置流体ポンプ154のそれぞれを制御するために接続される。実施形態では、フローバランスに貢献する各ポンプは、その速度の圧力補正型制御を提供できることを保証するために、その上流に圧力センサを有してよい。例えば、図1A図1Cに示される追加の処置流体ポンプ圧力センサ119は、ここで及び任意の実施形態でも設けられてよい。実施形態では、圧力補正速度制御に使用される圧力センサは、それらがそれぞれの1つ又は複数のポンプの上流で圧力の信頼できる一貫した表示を提供するように位置決めされる。このようにして、圧力センサは近くに、又は少なくとも、捩じれることになるであろう管の長さ等の介在する障害の可能性がないように位置決めされてよい。
【0049】
また、血液処置システム200は、静脈血ライン137内での流れ抵抗を調整するためにコントローラによって制御される制御可能な流量制限器161を有する上で従来のシステムとは異なる場合がある。制御可能な流量制限器161は、任意の説明のものであってよい。例えば、制御可能流量制限器161は、サーボモータ又はステッピングモータによって制御される漸進性弁であってよい。制御可能流量制限器161は、管類長さと動作可能なように係合された可変ピンチクランプであってよい。制御可能流量制限器161は、複数の流量制限器のうちの特定のものを選択するために弁を有するマニホルドによって相互接続された複数の固定された流量制限器であってよい。
【0050】
血液処置システム200の処置動作では、未使用処置流体ポンプ153及び使用済処置流体ポンプ154は、各ポンプ記号のそれぞれの矢頭により示される方向で送り込み、流体(限外ろ過液)の正味取り出し又は流体の正味注入又は限外ろ過が、コントローラ240によって計算されるように、又はコントローラ240によって受け取られたコマンドによって起こるように、静脈内の流れに対して動脈内の血液の流れを平衡させるために制御された速度で送り込む。限外ろ過又は注入の瞬間速度は、処置の過程の間に変わる場合がある。コントローラ240は、限外ろ過液又は注入された流体の正味レベルが、コントローラ240によって記憶されてよい規定のターゲットを満たすことを保証するようにプログラムされてよい。命令流量を達成するために必要とされるポンピング速度は、例えばルックアップテーブル又は式等のコントローラによって記憶されるデータを使用し、コントローラ240によって決定されてよい。流量対ポンプ速度の比率は、圧力差と流量の関係、つまりポンプ曲線でターゲットポンプ速度(又は同等に命令流量)を示すために、この記憶されたデータにより提示されてよい。例えば、実施形態のいずれかでは、ルックアップテーブルは、列及び行がポンプ入口での圧力(又は非蠕動ポンプのためのポンプ全体での圧力差)及び流量の独立変数に相当する、ポンプ速度のセルを有する場合がある。動作点は、セルに対応する動作点の間若しくは外側にある動作条件について内挿又は外挿されてよい、又は式若しくはルックアップテーブルは内挿若しくは外挿された値を提供してよい。
【0051】
特許請求の範囲によって定義される実施形態を含んだ、本実施形態又は実施形態のいずれかでは、命令ポンプ速度対推定流量の比率は、使用されるポンプの種類に対するフィッティング性に応じて、出口-入口圧力差よりむしろ入口圧力に基づいているポンプ曲線によって示されてよいことに留意されたい。
【0052】
処置流体124は、コントローラに記憶される所定の速度で未使用処置流体ポンプ128によって送り込まれ、該速度は、血液流量に対応して又は規定に従って選択されてよい。代替液120は、代替液ポンプ116の速度を制御することによってコントローラ240によって制御される速度で送り込まれてよい。補足流体134は、補足流体ポンプ142のポンプ流量を制御することによってコントローラ240によって制御される速度で送り込まれてよい。補足流体132は、補足流体ポンプ144の速度を制御することによってコントローラ240によって制御される速度で送り込まれてよい。代替液120、補足流体134、又は補足液132の任意の組合せが含まれる場合もあれば、これらのいずれも含まれない場合もある。代替実施形態では、それぞれは、それぞれのライン及びポンプとともに含まれる場合もあれば、含まれない場合もある。流量制御弁は、上記に示されるように任意の種類であってよい。上述同様に、ライン136は、代替実施形態では、補足流体は、動脈血ポンプ110の上流又は下流で動脈血ライン139に進入してよいことを示すために存在する。
【0053】
処置の間の処置装置114に対する圧力の測定に基づいて、処置の間の未使用処置流体ポンプ153及び使用済処置流体ポンプ154による体液平衡の状態を確立し、維持するための図4Aから図4Cを参照していかに説明される方法の概要を示す以下に図4Dを参照する。第1の段階S2で、コントローラは、処置装置114内の所与の平均血液側圧力を確立する制御可能な流量制限器161及び動脈血ポンプ110の流量及び設定値を決定する。プロセスはそれぞれが、血液出口圧力センサ106及び血液入口圧力センサ108からの読取り値の平均 Ave Pb、及びコントローラ240によって命令された使用済処置流体ポンプ154の流量Qbによって示される、所定の血液側圧力のスケジュールをループする。各組合せ及び流量Qb及び圧力Ave Pbについて、コントローラ240は、エラー制御により、所与の血液側圧力を確立する制御可能な流量制限器161の位置(制限器設定値)を決定する。関数又は同等物が、Qb及びAve Pbの関数として制限器設定値を提供するために最終的に生成される。この関数は、次いで使用済処置流体ポンプ154の命令流量及び血液側圧力Ave Pbを所与として、未使用処置流体ポンプ153の命令流量を示す関数を生成するために以下のステップS202で使用される。
【0054】
S202で、コントローラ240は、使用済処置流体ポンプ154の命令流量及び血液側圧力Ave Pbの組合せを通ってループし、処置装置114血液コンパートメント圧力Ave Pbが維持される、未使用処置流体ポンプ153の命令流量を決定する。条件は、血液コンパートメントと処置流体コンパートメントの間のゼロ対流に相当する。平均血液コンパートメント圧力と、平均処置流体コンパートメント圧力との間の任意の差は、圧力差の定誤差と解釈されてよい。関数又は同等物は、未使用処置流体ポンプ153、及び(所望される又は規定される処置流体流量として解釈される)使用済処置流体ポンプ154の所与の命令(規定される、処置中)流量からの誤差、及び処置中の規定の血液流量のための測定された血液コンパートメント圧力Ave Pbを推定するためにフィッティングされてよい。この未使用処置流体ポンプ153速度は、次いで例えば処置流体及びプライミング流体等、同じ浸透ポテンシャルを有する流体を使用し、S202の手順中存在したようなコロイド浸透圧がない場合にゼロ流量に相当する。両方の流体とも、S200及びS202の手順のための同じ流体である場合があることに留意されたい。
【0055】
S204で、処置装置114血液コンパートメントが血液で充填される処置が、実行される。この場合、血液コンパートメントと処置流体コンパートメントAve PbとAve Ptfとの間の圧力差は、血液の組成に起因するコロイド浸透圧により生じる差を表すために測定され、記憶される。コロイド浸透圧及びS202で生成された関数から計算される誤差は、規定血液及び処置中の処置流体流量を所与として、未使用処置流体ポンプ153の平衡した流量Qtffを決定するために使用される。図4Dのフローチャートのプロセスは、図4Dの各動作S200~S204に示されるようにフローチャート4A~4Cのプロセスを要約する。
【0056】
以下にさらに示されるように、図4Dは、これらのポンプのターゲット比率及び総行程容積の維持によって患者の所望されるターゲット体液平衡(流体の量の正味の除去及び注入)を達成するための未使用処置流体ポンプ153及び使用済処置流体ポンプ154の流量を決定するために使用される。方法は、例えば代替液ポンプ116等の流体の他のソースの貢献を説明するために拡張されてよい。
【0057】
図3B及び図4Aは、処置装置114の血液側で、ターゲット流体圧力Pbの確立のための条件、通常はプライミング流体を決定するための血液処置システム200の構成及び動作を示す。最初に、図3Bに示される処置流体流れなし状態の確立の前に、処置装置114の処置流体コンパートメントは、プライミング動作で充填されるであろう。これは、使用済処置流体ライン125及び未使用処置流体ライン127を通して、及びそれによって処置装置114を通して処置流体又はプライミング流体を最初に送り込むことを含んださまざまな方法で行われてよい。次いで、図3Bの構成が確立され、図4Aの手順が実行される。
【0058】
S22で、コマンドが、設定値が所望される限外ろ過率の確立を可能にする処置動作中に、処置装置114内の平均血圧の所定のスケジュールを作り出すために選択された血液ポンプ速度設定値及び/又は流量制限器設定値の組合せを決定するためのプロセスを開始するためにコントローラ240によって受け取られる、又は生成される。
【0059】
以下の表1を参照すること。S24で、未使用処置流体ポンプ153及び使用済処置流体ポンプ154が停止する。追加の実施形態では、処置装置114の処置流体コンパートメントは隔離されてよい、又はポンプを停止するよりむしろ、例えばピンチクランプ等の制御弁(不図示)を閉じることによってさらに隔離される。実施形態では、ポンプは、それらが停止時に流れを妨げるようにラインを塞ぐ蠕動ポンプである。未使用処置流体ポンプ153及び使用済処置流体ポンプ154の停止は、処置装置114の処置流体コンパートメントを通る、又は処置流体コンパートメントからの流れを遮断し、それによって処置装置の膜を除き、それを隔離するために効果的である。プライミング流体のソースは接続されS26、血液ポンプは、処置流体装置の血液コンパートメント(血液側)のプライミング流量を確立するために操作される。好ましくは、プライミング流体は、再循環する流れが確立できるように容器内に提供される。血液処置のセットアップから起こるプライミング動作中、処置流体流量対圧力の表は、以下に説明されるように記入される。例は、表1に示される。プライミング中、静脈血ライン137及び動脈血ライン139は、容器(別に図示されていない)を通って再循環するプライミング流体のソース/シンク123に接続されてよい。プライミング流体は、単一の通過のためにインラインソース又は容器からドレンに生じる場合がある。血液処置装置の血液回路内でプライミング流体を流すこと、又は再循環することを達成するための他の配置は既知であり、これらのいずれも本実施形態で実施され得る。
【表1】
【0060】
S28で、コントローラ240は上記条件を実施した後に、コントローラ240は、(表中の各行を通して作業し)所定の速度まで動脈血ポンプ110を制御し、次いでS32で、静脈血ライン137及び動脈血ライン139、Pba及びPbvで圧力の平均により示されるように処置装置114内でのプライミング流体の所定の圧力(表1の第2列)を達成するために、血液ポンプの速度及び制御可能な流量制限器161の調整を変調する。平均はAve Pbとして示される。これは、表1(列2)の例により示されるように、スケジュールの第1の圧力値に従って行われる。調整は、ターゲットAve Pbが少なくともほぼ達成されるまでフィードバック制御動作で進む。処置装置114血液側に対するターゲット所定圧力(Ave Pb)を提供、概算する動脈血ポンプ110速度及び制御可能な流量制限器161の設定値は、S34で記録されてよい。血液側圧力Ave Pbの実際の測定値及びその血液側圧力Ave Pbを達成するために必要とされるポンプ流量Qbも記録される。血液ポンプ速度及び制御可能な流量制限器の組合せは、表1に表される処置フィルタのためにAve Pbを確立するために、後に使用される。制限器設定値は、流量制限器の種類に応じ、例えばエンコーダのステップ若しくは抵抗、力、又は他の単位であってよい。第3の列から第5の列が生成された後、データは、Ave Pbを制限器設定値及び血液ポンプ流量に関連付ける関数又は関数同等物にフィッティングされてよい。このプロセスは、処置の始めに行われることもあれば、処置器具の構成ごとに実行され、複数の処置にわたる使用のためにコントローラに提供されてよい。
【0061】
Ave Pbのターゲット集合は、血液が処置流体とともに同時に流れているときに治療中に現実的な可変性の範囲をカバーするために選択されてよい。表1は、透析システムのために適しているが、開示された主題を概して限定的ではない係るターゲット(100、250、及び400 mmHg)の例として示す。処置装置114の血液側圧力は、コントローラ240が計算し得る、血液出口圧力センサ106及び血液入口圧力センサ108により示される圧力の平均としてコントローラ240によって解釈されてよい。また、血液側圧力は、使用されているフィルタの種類に対応する、血液出口圧力センサ106及び血力入口圧力センサ108の表示の一方の又は他方の又はなんらかの加重平均として解釈されてもよい。コントローラ240は、固定されたターゲット流量に対応する動脈血ポンプ110速度を予測し、抵抗を変える、又は抵抗を固定し、動脈血ポンプ110を変える、又は両方を変える場合がある。手順は、すべてのターゲットPb値が確立され、ポンプ及び制限器設定値が決定され、記録されるまでS36で繰り返す。表中、3つのAve Pb値が生成され、それらを達成するために必要とされる設定値が記録される。S38で、ルックアップテーブル又は式は、Ave Pb及びポンプ速度及び流量制限器設定値から生成され、これによりそれらは、追加の同期動作中及び処置中に設定値から再確立できる。
【0062】
ここで図3C及び図4Bを参照すると、S39で、コマンドが、血液処置システム200コントローラ240が処置のためのポンプ設定値を推定できるようにする機能を提供するデータを作成するために、コントローラ240によって受け取られる、又はそれによって生成される。コマンドは、本手順を開始する。表2を参照すること。血液流量Qb及びAve Pbは、表1の最初の2つの列からのスケジュールと同じである。これらは、ターゲット血液側流量Qb及び圧力Ave Pbを表す。ターゲット血液側流量Qb及び圧力Ave Pbごとの制限器設定値は、S38で計算される関数から計算される。しかしながら、Ave Pbの入力は、ターゲットよりむしろ測定入力である。関数は、所与の流量及び血液側圧力を提供する制限器設定値を提供するので、現時点で、所定のAve Pbを得るために制限器設定値をフィードバック調整する必要はない。しかしながら、他の実施形態では、これは行われてよく、制限器設定のための関数の導出は省略できる。
【0063】
透析液及び血液コンパートメントの圧力は、それぞれのコンパートメントのための入口圧力センサ及び出口圧力センサで圧力により示される値の(例えば平均)組合せであると解釈されるが、少なくともそのいくつかの実施形態では、中間点圧力を直接的に測定するために血液処置装置に圧力センサを設けることも可能であることに留意されたい。例えば微小管ファイバ型透析器では、これは、透析器コンパートメント圧力を測定するために、圧力測定ポッド又はタップを透析器ハウジング上に取り付けることによって透析液側のために行われる場合があるであろうが、複数の小さいチャネルの間で分割される血液コンパートメントにとっては困難であろう。また、平均が加重平均となるように圧力対排出量の曲線を得るために血液処置装置の長さにわたって圧力低下のモデルを利用することも可能である。血圧は、コロイド浸透圧が既知である場合、治療流体コンパートメントから採取されてよい。本明細書に開示されるように、任意の時点で、コロイド浸透圧は、コントローラがコロイド浸透圧を記憶し、コロイド浸透圧に基づいて処置流体コンパートメント圧力から血液コンパートメント圧力を計算できるように、直接的に決定されてよい。モデルは、対流が、血液コンパートメントと流体コンパートメントとの間の流れ(例えば、膜貫通流れ)により生じる圧力差を、コントローラが数値的に補償できるようにするために、血液コンパートメントと処置流体コンパートメントとの間に存在する場合、同様に使用できる。さらに、実施形態では、血液コンパートメント又は処置流体コンパートメントの圧力は、それぞれの入口圧力及び出口圧力のうちの1つとして解釈されてよい。推定は、血液処置装置の中での圧力低下を説明する所定の水力のモデルに基づいて精緻化できる。
【0064】
図4Aの方法で生成されるパラメータ、及びS38での関数のフィッティングは、構成が同じであるとき複数の処置サイクルに対し、1度行うことができ、したがってパラメータは、現在の処置サイクルに適用可能である。これは、図4Bの動作のための各処置で、プライミング動作中の時間を節約する。プライミング動作での点では、処置器具、プライミングモードで、血液回路がプライミング流体で充填され、再循環する(又はそれ以外の場合、それを通るプライミング流体の通過を可能にする)ために接続された状態で、コマンドが、ここで説明されるように同期動作を実行するためにS39で生成される。S40で、血液回路は、処置流体回路から隔離されている。
【表2】
【0065】
S41で、血液ポンプ及び制限器は、複数のAve Pb値のスケジュールでi番目のAve Pbを確立するために制御される。制限器161設定値は、S38で計算された関数を使用し、迅速に確立できる、又は制限器161設定値はフィードバック制御により現在のQb及びターゲット(i番目)Ave Pbについて決定できる。後者は、より長くかかる場合があり、これは処置前に一度にS38で関数をフィッティングさせる優位点である。図4Bの現在の手順は、処置の直前に行われてよいが、そのプライミング段階中に、現在の手順は、それにより生成される関数(以下のS56を参照)が、処置中の使用のためにまだ有効であるように、他のときに行うこともできることにも留意されたい。例えば、流体回路自体は同じであってよい。しかしながら、それが、流体回路を湿らせ、それらを立たせることは、特に部分が制御弁及びポンピングアクチュエータによって圧縮される場合、処置中の条件を同期プロセス中の条件とは異ならせ、それにより処置中にステップS56で関数フィッティングの適用可能性を削減するため、処置の直前に行われることは有利である。
【0066】
Ave Pb値のスケジュールで実際のi番目の値を達成するために調整することは、さまざまな条件が得られ、推定機能がS56で使用されることを保証するほど十分な高精度及び概算を必要としない。近い値は、(血液出口圧力センサ106及び血液入口圧力センサ108の平均により示される)現在の測定Ave Pbの記憶されている誤差の範囲との比較は、コントローラ240により決定されてよく、現在の実際の測定されたAve Pbがスケジュールに記憶されるAve Pbのi番目の値に十分に近いことを示すためにコントローラ240によって使用されてよい。その点で、S42で、(Pbv)血液出口圧力センサ106及び(Pba)血液入口圧力センサ108から決定される実際のAve Pbは、予測関数又は関数同等物のフィッティングのために使用されるデータテーブルにその後記憶されてよい。追加の実施形態では、血液入口圧力及び血液出口圧力自体の値が記憶されてよいことに留意されたい。また、平均は、特定の種類の処置装置のために示される単純な平均よりむしろ、加重平均を表してよい。疎データは、処置中の条件のために命令流量の推定を可能にするために平滑関数にフィッティングされてよい。条件の表は、例えば隙間がないルックアップテーブル等、関数又は関数同等物への削減後に記憶されてよい。それらは、未処置疎データとして非縮小形式で記憶されてもよく本条件のための外挿及び/又は内挿は、処置条件に従って計算されてよい。表は、疎行列であってよい。つまり、必ずしもあらゆるセルが値を有するわけではない。
【0067】
S44で、平均Ptf(Ave Ptf)が計算され、Ave PbとAve Ptfとの差が記録される。この差は、処置中の条件を含んだ他の条件時のTMPを決定するために使用できるTMPの定誤差の推定値を提供する。ここで元のターゲットAve Pb値のそれぞれに対して、コントローラは、差を示す誤差だけではなくAve Pb及び測定Ave Ptfも記憶する。実施形態では、誤差は記憶されるが、Ave Ptfは記録されず、他の実施形態では、Pba、Pbv、Ptff、Ptfwを含んだすべての未処置データが記憶されてよい。
【0068】
S45で、未使用処置流体ポンプ153及び使用済処置流体ポンプ154及び(再び、存在する場合)制御弁が、処置中でのように処置装置114を通して流体を送り込むために設定される。S46で、j番目のターゲット流量が、表1の例(Qtfw流れ)により示されるj番目のターゲット流量に対して標準変換(つまり、ポンプ曲線を適用するための測定された圧力条件よりむしろ、ポンプ速度対予想流量の所定の比率)から計算された速度で動作することによって使用済処置流体ポンプ154及び未使用処置流体ポンプ153のために確立される。S50で、コントローラ240は、未使用処置流体ポンプ153の速度を調整することによって現在の測定Ave PbをS41で記録されたターゲットAve Pb近づけるために未使用処置流体ポンプ153の速度を調整する。これが、未使用処置流体ポンプ153及び使用済処置流体ポンプ154の同期を生じさせる。実施形態では、未使用処置流体ポンプ153を通る流れは、同期が確立されるまで調整されるが、どちらかのポンプはマスタとして制御され、他はスレーブとして制御されるであろう。別の代替策は、両方のポンプとも同期を達成するために代わる代わる調整される組合せ方式である。表1に識別される圧力設定値及びポンプ設定値は、S52で記録される。これは、すべての状態が生じ、表1の対応する値が記録されるまで、S54及びS55でj及びiを通ってループすることによって繰り返される。したがって、Qtff速度、及び未使用処置流体圧力センサ166(Ptff)及び使用済処置流体圧力センサ168(Ptfw)により示される圧力を含んだ組合せごとの付随するデータを加えたAve Pb及びQtfwの組合せのマトリクスは、コントローラ240のデータストアに記録される。
【0069】
S56で、S44及びS52で記録されたデータは、ルックアップテーブルにフィッティングされてよい、又はAve Pb及びQtfwの所与の組合せを出力されたQtff及びTMPの誤差にマッピングする制御のために使用される関数にフィッティングされてよい。ルックアップテーブルにフィッティングするにより、値が、フィッティング曲線又は表面により表のセルと、図4Bの手順のために使用されなかったAve Pb及びQtfwの組合せを確かめるためのフィッティングデータの迅速な使用を可能にするために生成された表より多くのセルとの間で改変され得ることを意味する。また、Ptff及びPtfwの計算された値は、推定値に対する妥当性検査を提供するために関数又はルックアップテーブルによって生み出されてよい。すなわち、コントローラ240は、また、又は代わりにPtff及びPtfwの一方又は両方が出力されたQtffから所定の範囲を超える場合、誤差信号を生成してよい。
【0070】
Ptff及びPtfwの値は、Qtfw及び未使用処置流体ポンプ153の命令速度Qtffの入力値を補正するための機構を提供してよい。表2から導き出された関数に基づいて処置中に命令される流量は、関数及び平衡流量が実施されるときに処置の時に存在するものに対応する使用済処置流量ポンプ及び未使用処置流体ポンプのそれぞれの入り口での圧力間の差を調整してよい。
【0071】
処置中、血液出口圧力センサ106及び血液入口圧力センサ108の平均により示される平均血液圧力Ave Pbを所与として、命令血液流量Qb及び使用済処置流体ポンプ154の命令処置流体流量Qtfwのために、それらの動作状態で未使用処置流体ポンプ153及び使用済処置流体ポンプ154の正確な1:1の流れ同期を提供するために保証される未使用処置流体ポンプ153の速度Qtffが自動的に生成される。コントローラ240は、次いで出力速度で未使用処置流体ポンプ153を操作する。速度は、状態のマップが作成されたときのポンプ入口圧力状態と、未使用処置流体ポンプ153の速度を推定するために関数が呼び出されるときの状態の差を補償するためにさらに精緻化されてよい。図4Cは、Qtff及びQtfwの正確な平衡を提供するためにこのプロセスをさらに精緻化し、規定の限外ろ過率の植え込みをさらに可能にする実装詳細を提供する。
【0072】
ここで図3D及び図4Cを参照すると、S62で、コマンドは、処置を実行するためにコントローラ240によって受け取られる、又は生成される。処置中、血液は、未使用処置流体ポンプ153及び使用済処置流体ポンプ154がオフにされた状態で、動脈血ポンプ110によって送り込まれる。処置流体回路は、処置の始まりであると推定されるこの時点でプライミング流体又は処置流体で充填されてよいが、それは、処置流体ポンプのための平衡動作状態を再確立するために処置中の他のときに繰り返すこともできる。
【0073】
処置流体流れなし構成は、S64で確立される。規定血液流量Qbは、S65で動脈血ポンプ110を制御することによって確立される。S66で、Ave Pbは、血液出口圧力センサ106及び血液入口圧力センサ108から計算され、記憶される。この測定Ave Pbは、ターゲットAve Pbとして記憶される。次にS67で、ターゲットAve PbとAve Ptfの差は、血液圧力センサ106、血液入口圧力センサ108、未使用処置流体圧力センサ166、及び使用済処置流体圧力センサ168の読取り値から計算されてよい。これは、血液コンパートメント及び処置流体コンパートメントが、同じ浸透ポテンシャルの流体を含む状態に対して膜間圧TMPを偏向させるコロイド浸透圧Poncの基準として記録されてよい。本明細書の他の箇所に示されるように、コロイド浸透圧は、いくつかの関数のために使用されてよい。ここで図3Eも参照すると、S68で、コントローラ240は、例えばオペレータによって入力された、又は例えば患者治療プロファイルデータベース等の外部ソースから取り出された記憶されている処方に基づいて、使用済処置流体ポンプ154の速度を選択する。S70で、TMP誤差は、Qtfw及びターゲットAvePbに基づいて図4BのS56でフィッティングされた関数から計算される。S72で、未使用処置流体ポンプ153速度Qtffは、S70で計算されたTMP誤差及びS67で計算されたコロイド浸透圧Ponc分削減されたQtfw及びターゲットAve Pbに基づいて、S56でフィッティングされた関数に基づいて計算される。これは、TMP誤差、及び血液により生じるコロイド浸透圧についてQtffの推定値を補正する。圧力処置流体ポンプ153は、計算速度Qtffに対して命令され、S74でのコントローラ240は、現在の測定Ave Pbが初期のターゲットAve Pbに復元されるように未使用処置流体ポンプ153の速度Qtffを調整する。未使用処置流体ポンプ153及び処置流体ポンプ154がこのようにして同期されると、使用済処置流体圧力センサ168によって示される圧力は、次いで入口圧力に基づいた補償をもって流量を決定するためにS57で使用されてよく、処置流体ポンプ154の速度は、規定されるように、S78で所望される限外ろ過率又は注入率を提供するために調整されてよい。速度調整は、使用済処置流体ポンプ154の入口圧力に影響を及ぼす場合があるので、ポンプ補正は再計算されてよく、ポンプ速度は、それがS80を通ってループすることによって変化するのを停止するまで再び調整されてよい。未使用処置流体ポンプは、どんな時でも、例えば119のような圧力センサを使用し、測定入口圧力に応えて調整されてよい。
【0074】
図4B及び図4Cの同期プロセスは、コントローラの制御下でさまざまな差基準のいずれかに基づいて、自動的に実行できる。例えば、血液又は処置流体の流量が変更される場合、限外ろ過率又は注入率は変更され、ある期間が経過し、例えば処置装置交換、任意の時点での圧力の変化、アクセス開通性変化、患者一変化、及び他等の構成要素が変更される。
【0075】
測定コロイド浸透圧は、コントローラによって記憶され、複数の関数を提供するために使用されてよい。実施形態では、コロイド浸透圧は、必要とされる限外ろ過のより正確な決定を可能にするために患者の液量を推定するために使用できる。コロイド浸透圧は、患者の液量の推定値を改善するために他のデータと組み合わされてよく、例えばヘマトクリット値は直接的に測定できる。実施形態では、コントローラは、処置中複数回コロイド浸透圧を計算し、コントローラに従前に記憶されていた規定の限外ろ過率に対する調整を生成するために、例えばヘマトクリット値等の他のデータとコロイド浸透圧を組み合わせるようにプログラムされてよい。さらに、予測され、現在推定される―例えばコロイド浸透圧及びヘマトクリット値等の測定データから推定される―液量も生成されてよい。予測レベルは、予測総除去流体を生み出す、経時的に実装された限外ろ過率から計算されてよい。コントローラは、代わりに又はさらに、処置に残された残りの時間を説明することで、規定の限外ろ過率と患者の現在の液量との間の不一致を示す信号を生成するようにプログラムされてよい。ここで、血液、並びにタンパク質、中分子、電解液、及び拡散電位に貢献する場合がある任意の他の成分を含んだ処置流体の組成中のすべての差に起因する圧力差を指すために用語コロイド浸透圧を使用する。
【0076】
血液処置装置の血液側圧力が、ゼロ限外ろ過(同等に、ゼロ膜貫通流れ又はゼロ膜間圧)を表すために未使用処置流体ポンプをもたらすためのターゲットとして使用される実施形態のいずれかでは、追加の実施形態では、処置装置の非血液側圧力は代わりに記憶され、同様に使用されてよい。つまり、Ave Pbは、ゼロ限外ろ過状態を特徴付けるためにAve Ptfで置換されてよい。これは、コロイド浸透圧の又はTMP誤差の測定を含まない。ターゲットAve Ptfを達成して、同期を達成するためにフィードバック制御することは、特定の条件下では及び特定の種類のシステムでは、Ave Pbをフィードバック制御するよりもより迅速に収束することが判断されている。
【0077】
図5は、共通の流量標準としてポンプを同期するための基準として使用できる流量計170を示す。正確な公差に合わせて製造され、既知の容積及び長さを有するチューブセグメント184は、使用済処置流体ライン125内に位置決めされる。空気ライン188は、加圧空気190のソースに接続され、コントローラ195によって制御されるように接続された制御弁186を通して使用済処置流体ライン125にさらに接続される。コントローラ195は、使用済処置流体ライン125の中に、直列で配置された2つの光学センサ180及び182を通り過ぎて運ばれる所定のボーラス又は空気を注入する。光学センサは、空気のボーラスを検出し、時間差―飛行時間―を計算するコントローラ195に信号を伝達する。その中の流体のための十分に発達した流れの既知の特徴を加えた、チューブセグメント184の所定の長さ及び直径により、コントローラ195は、体積流量率を計算できる。使用済処置流量ライン125によって運ばれる流体は、ドレン126に処分されるので、使用済処置流量ライン125の中に空気を注入する不利益はない。係る流量測定装置、又は他の何かは、ポンプ圧力補正が基本とする流量の追加の推定値を提供するために有利に利用されてよい。さらに、ポンプの絶対流量の表示は、システムの異常な状態、従って平衡を達成するために利用される流量同期機構における誤差の潜在的なソースを検出するためにコントローラによって使用されてよい。同期プロセスは正確にので、例えば使用済処置流量ポンプ等、単一のポンプの流量は十分であってよい。
【0078】
図6A及び図6Bは、流量平衡のための基礎として使用できる制御パラメータを提供するために、未使用処置流体ポンプ153及び処置流体ポンプ154が同期する、血液処置システム300を示す。このようにするために、同期動作は、他の実施形態でのように実行されるが、この場合、それは、例えば図1A図1Eに関して説明されるように、上述された実施形態においてのように、処置装置114を通して固定容積の流れを確立することなく行われる。観察されるように、処置流体の連続流れは、血液回路内で流れを遮断する必要なく、処置流体回路内で確立される。血液処置システム100では、処置流体の流れは、血液処置装置114を通る血液ポンプ間に固定容積チャネルを形成するために遮断された。ここでは、代わりに、処置流体ポンプ間の直接的な接続は、処置流体回路のソース/シンク側の回路を閉じることによって確立される。第1の実施形態では、方向接続チャネルの容積は固定され、圧力は、ポンプ流量の不一致を示すために測定される。第2の実施形態では、アキュムレータ内の処置液量のレベルは、流量不一致の表示を提供する。処置流体回路のソース/シンク側で流体回路を閉じる手法は、少なくとも、それが、血液凝固の危険を削減する血液回路内で流れを停止させることを避けることであるさまざまな理由から有利である場合がある。プライミング中又は処置中、同期動作を実施するために、閉鎖ループが、処置流体及び流体の正味の摂取又は喪失を、処置装置114を通って閉鎖ループの中に通過する流体を表す閉鎖ループの中に循環させるために一時的に形成され、検出され、ポンプは、摂取又は喪失の正味率をゼロにし、それによって未使用処置流体ポンプ153及び処置流体ポンプ154を同期させるために調整される。正味摂取又は喪失の検出は、圧力測定装置若しくは(例えば、圧力変換器等の)圧力センサ312を用いて閉鎖ループ内の圧力を測定することによって、又はスケール301を使用し、(アキュムレータとも呼ばれる)流体アキュムレータ310の重量の増加を測定することによって達成されてよい。以下の追加の説明から明白となるように、スケールの代わりに、固定容積チャンバ内のレベル指示器が使用されてもよい。
【0079】
図6Aは、処置の過程を通して患者から引き出される又は患者の中に注入される流体の累積ターゲット比を生成するために治療流体の流れを調整する血液処置システム300の流れを示す。血液処置システム300は、動脈血ライン139、静脈血ライン137、未使用処置流体ライン127、及び使用済処置流体ライン125を含む流体回路321内の流路の流れを調整する。患者の中への又は患者の中からの流体の正味流量は、いつでも、処置装置114から吸い出される処置流体の容積と、処置装置114及び血液ラインの両方の中に送り込まれる結合された容積とのその瞬間の差によって決定される。血液は、動脈血ポンプ110によって患者122から(従来、患者アクセスを介して)処置装置114の中に注ぎ込まれ、処置装置114から患者122に還流する。示されている構成は、透析システムにとって一般的であり、そのすべての典型的な付随物を含む場合があるが、具体的には2つの処置流体ポンプ、つまり未使用処置流体124を処置装置114の中に注ぎ込む未使用処置流体ポンプ153、及び治療装置114からドレン126に使用済(使用済み)処置流体を処置装置114からドレン126に注ぎ込む使用済処置流体ポンプ154がある点で異なっている。制御及び検知は、任意の形であってよいが、通常、プログラム可能デジタルコントローラ、組込コンピュータであってよい、コントローラ340によって提供される。処置流体124は、ソースから空気検出器118を通して、処置装置114を通して、(使用済のWで示される)ドレン126に送り込まれる。
【0080】
代替液120は、前希釈、後希釈のためにそれぞれ(又は両方)代替液ライン135又は138を通して、動脈血ライン139又は静脈血ライン137の中に注ぎ込まれてよい。代替実施形態では、希釈は、例えば治療装置114を2つの部分に分割し、それらの間にジャンクションを設けることによって、処置装置114の中間点で発生する場合がある。処置装置114は、透析、血液ろ過、血液透析ろ過、アフェレーシス、吸着、及び血液灌流、及び血液酸素化を含むが、これに限定されるものではない任意の種類の血液処置に適応されてよい。補足流体134及び補足流体132によって示される追加の補足流体は、それぞれのポンプ、つまりそのどちらか又は両方が存在してよい、補足流体ポンプ142及び補足流体ポンプ144によって動脈血ライン139の中に注ぎ込まれてよい。補足流体の例は、薬剤及び抗凝血剤(例えば、クエン酸塩、ヘパリン)である。
【0081】
圧力センサは、流体回路121にわたる種々の点に設けられてよい。特に、動脈圧センサ112は、動脈血ポンプ110の上流で動脈血ライン139内の血液の圧力を検出してよい。血液入口圧力センサ108は、動脈血ポンプ110の下流及び処置装置114の上流で動脈血ライン139内の血液の圧力を検出してよい。血液出口圧力センサ106は、静脈血ポンプ110の上流及び処置装置114の下流で静脈血ライン137内の血液の圧力を検出してよい。静脈血圧力センサ102は、静脈血ポンプ104の下流及び患者アクセス122の上流で静脈血ライン137内の圧力を検出してよい。入口処置流体圧力センサ166は、未使用処置流体ポンプ153及び使用済処置流体圧力センサ168の下流での処置流体の圧力を示す。コントローラ340は、未使用処置流体ライン127内で空気を検出するために配置される空気検出器118だけではなく動脈圧センサ112、血液入口圧力センサ108、血液出口圧力センサ106、及び静脈血圧センサ102、未使用処置流体ポンプ153、使用済処置流体ポンプ154のそれぞれから信号を受信する。また、コントローラ340は、動脈血ポンプ110、代替液ポンプ116、補足流体ポンプ142、補足流体ポンプ144、未使用処置流体ポンプ153、及び使用済処置流体ポンプ154のそれぞれを制御するために接続される。
【0082】
また、血液処置システム200は、従来のシステムとは、ループ制御弁302、未使用処置流体制御弁304、及び使用済処置流体制御弁306だけではなく、送出ループライン316及び入来ループライン318、スケール301により計量されるアキュムレータ310、又は圧力測定装置312のどちらかを含む、処置流体分岐ループクローザ320を有する点で異なる。図6Aでは、ループ制御弁302、未使用処置流体制御弁304、及び使用済処置流体制御弁306は、未使用処置流体が処置装置114を通って循環できるようにし、使用済処置流体がドレン126に通過できるようにするために、処置モードで設定される。処置流体分岐ループクローザ320は、使用済処置流体制御弁306の閉鎖位置によって決定されるループ内にない。したがって、流体は、処置流体124からドレン126に処置装置114及び未使用処置流体ポンプ153及び使用済処置流体ポンプ154を経由して通る。スケール301の代わりに、液量検出器が、アキュムレータ310の液量の変化を示すために使用されてよい。
【0083】
図6Aに示される同期モードで、処置流体ソース124及びドレン126は、未使用処置流体制御弁304及び使用済処置流体制御弁306の閉鎖位置によって遮断される。6Aの開放位置、つまりループ制御弁302は、閉鎖ループを静脈血ライン137、動脈血ライン139、送出ループライン316、アキュムレータ310、及び入来ループライン318によって形成させる。代替実施形態では、ループは、アキュムレータ310の代わりに圧力測定装置312を含む。未使用処置流体ポンプ153及び使用済処置流体ポンプ154の同期がずれているとき、スケール301又は圧力センサ312は、経時的に重量又は圧力の上昇又は降下を示し、コントローラ340は、未使用処置流体ポンプ153及び使用済処置流体ポンプ154のうちの1つを変更して同期させる。ポンプ流量をポンプ速度に変換するデータは、体液平衡が処置中によりよく維持されるように、それによって調整できる。
【0084】
血液処置システム300の処置動作中、未使用処置流体ポンプ153及び使用済処置流体ポンプ154は、流体の正味除去(限外ろ過)又は流体の正味注入が、コントローラ340によって計算されるように、又はコントローラ240により受け取られるコマンドによって起こるように、各ポンプ記号のそれぞれの矢頭で示される方向で送り込み、静脈血ライン使用済処置流体ライン125内での血液の流れに対して未使用処置流体ライン127内の処置流体の流れを平衡させるために制御された速度で送り込む。限外ろ過又は注入の瞬間速度は、処置の過程の間に変わる場合がある。
【0085】
コントローラ340は、限外ろ過液又は注入流体の正味レベルが、コントローラ340によって記憶されてよい規定のターゲットを満たすことを保証するためにプログラムされてよい。平衡した流量を達成するために必要とされるポンピング速度は、例えばルックアップテーブル又は式等の、コントローラにより記憶されるデータを使用し、コントローラ340によって決定されてよい。これらのデータは、種々の実施形態の同期手順を使用し、及び任意選択でポンプ曲線データも使用することによって生成される。流量対ポンプ速度の比率は、圧力差と流量の関係でターゲットポンプ速度(又は同等に命令流量)を示すために、この記憶されたデータにより提示されてよい。例えば、実施形態のいずれかでは、ルックアップテーブルは、列及び行がポンプ入口での圧力(又は非蠕動ポンプのためのポンプ全体での圧力差)及び流量の独立変数に相当する、ポンプ速度のセルを有する場合がある。
【0086】
同時に、処置流体124は、コントローラに記憶される所定の速度で未使用処置流体ポンプ128によって送り込まれ、該速度は、血液流量に対応するために選択される。代替液120は、代替液ポンプ116の速度を決定するコントローラ340によって制御されてよい。補足流体134は、補足流体ポンプ142のポンプ流量を制御することによってコントローラ340により調整される速度で送り込まれてよい。補足流体132は、補足流体ポンプ144の速度を制御することによってコントローラ340により制御される速度で送り込まれてよい。代替液120、補足流体134、又は補足流体132のいずれかが、代替実施形態でそれぞれのライン及びポンプとともに含まれる場合もあれば、含まれない場合もある。流量制御弁は、上記に示される任意の修理であってよい。上記同様に、ライン136は、代替実施形態で、補足流体が動脈血ポンプ110の上流又は下流で動脈血ライン139に進入してよいことを示すために存在する。
【0087】
図6Bを参照すると、追加の実施形態では、コントローラ340によって選択的に開く又は閉じることができるブリッジライン147が、代替液ライン143及び使用済処置流体ライン125を接続する。これは、制御弁145によって制御されてよい。コントローラ340によって選択的に開く又は閉じることができる別のブリッジライン117は、代替液入口ライン149及び使用済処置流体ライン125を接続する。これは、制御弁115によって制御されてよい。したがって、使用済処置流体ポンプ154及び補足流体ポンプ142は、処置流体分岐ループクローザ320を通して直列で接続されてよい。これは、検査から明白となるように、補足流体ポンプ142を、例えば115、145、304等、制御弁の選択された作動により使用済処置流体ポンプ154に対して同期できるようにする。代替実施形態では、非血液ポンプのいずれかは、同じ又は類似した装置を使用し、同じように任意の他の非血液ポンプと同期してよい。
【0088】
図7を参照すると、血液処置システム400が、開示された主題の特定の実施形態のいくつかの重要な要素とともに概略で示される。処置装置は、血液401コンパートメント及び非血液403コンパートメントを分割する膜407を有する。血液コンパートメント401は、マイクロファイババンドルの内部ルーメンの複合容積を含んでよく、非血液コンパートメント403は、ハウジングによって制限される係るマイクロファイババンドルの外部の正味空間であってよい。血液ポンプ412は、プライミング流体又は血液を血液コンパートメント401の中に注ぎ込み、可変制限器402は、血液コンパートメント401内の圧力をコントローラ420によって選択的に調整できるようにするためにプライミング流体の流れを制限する。処置モードで、可変制限器は使用されない。コントローラ420は、ポンプの速度を制御し、概略で示されるが、上記実施形態でのようにコンパートメントごとの入口圧力センサ及び出口圧力センサを表してよい圧力センサ406及び408によって血液401コンパートメント及び非血液403コンパートメントの圧力を検出する。非血液コンパートメントへの/からの正味流体移動は、未使用404処置流体ポンプ及び使用済410処置流体ポンプの相対速度を調整することによって制御される。図5に関して説明される流量計170は、未使用418処置流体ライン及び使用済419処置流体ラインの一方又は両方に設けられてよい。図5の実施形態では、空気は、流量計170を横断する流体内に注入されるので、空気除去フィルタ171が、流量計170の下流で未使用処置流体ライン418に設けられてよい。流量計170は、実施形態の同期手順の確認として使用されてよい。コントローラ420が、同期が確立されるとき(例えば、S74、S108)の流量間の相違を検出する場合、次いでコントローラ420は、相違を示す信号を生成してよい。信号は、アラート又は警報状態を生じさせるために使用されてよい。
【0089】
図8は、開示された主題の実施形態に従って、処置中に未使用処置流体ポンプ及び使用済処置流体ポンプを同期させる点滴法を示す。方法では、処置流体ポンプは、処置段階での状態のその時現在の(then-current)集合のために同期する。これは、図4B及び図4Cの手順に類似する。Ave Pb及びQtfwのいくつかの条件をマッピングしてQtffを推定する代わりに、単一のAve Pb(又は上述されたように、単一のAve Ptfが適用してよい)が、現在の動作状態から、処置流量なしで測定され、ターゲットとして記憶され、現在の―既定の―Qtfとともに使用されて、未使用処置流体ポンプの同期速度を決定する。これは次いで、限外ろ過を達成するためにオフセットされ、入口圧力補正を達成するために使用済処置流体ポンプを調整することによって精緻化される。これは、処置のための正確な条件のために未使用処置流体ポンプの同期速度を決定する利点を有する。
【0090】
図8の手順では、スポット同期のための手順がここでさらに詳細に開示される。使用済処置流体ポンプ流量及び平均血液コンパートメント圧力から未使用処置流体ポンプ流量を推定する機能を導き出す代わりに、未使用処置流体ポンプ流量は、使用済処置流体流量及び血液コンパートメント平均圧力の現在の又は所定の組合せのために決定される。また、これは、推定関数の導出を補完するものとして行うことができる。例えば、オペレータは、システムに、単一の動作点同期を実行するように命令してよい。S100で、処置中又は処置の前に、コマンドが、処置流体ポンプを再同期させるために、コントローラによって受け取られる又は生成される。S102で、処置流体ポンプは、停止し、血液ポンプが運転し続ける(又は起動される)間、ゼロ膜間圧を確立する。S104で、血液ポンプが規定の速度で運転している状態で、血液コンパートメント平均圧力Ave Pb(又はAve Ptf)は測定され、ターゲットとして記憶される。次いで、規定の処置流体流量は、S106で使用済処置流体ポンプに命令することによって確立される。未使用処置流体ポンプは、次いで、ターゲット血液コンパートメント平均圧力がS108で復元されるまで制御される。S109で、限外ろ過は、使用済処置流体ポンプ流量を増大させ、使用済処置流体ポンプに対する測定された入口圧力に基づいて反復して補正することによって確立される。S110で、処置流体ポンプ流量は、現在の血液流量に対して正確に確立されているので、処置はS110で再開する。S112で、処置中、平均血液コンパートメント圧力に変化がある場合、コントローラは、上記動作が繰り返されることを命令してよく、それ以外の場合、処置はS110で続行する。
【0091】
図8が、流体回路内で流量を制御するための方法を示すことが認められる。方法では、コントローラは、血液処置装置内の圧力を示す圧力信号に応えて、血液流路に接する血液処置装置膜全体での流体の流れを調整する。調整することは、流入ポンプ及び流出ポンプの速度を制御することを含み、流入ポンプは、処置流体を血液処置装置の中に注ぎ込み、流出ポンプは、膜の血液及び/又は処置流体側を示すターゲット圧力に応えて血液処置装置の中から処置流体を吸い出す。調整することの前の同期時、ターゲット圧力が得られ、コントローラのデータストアに記憶される。ターゲット圧力は、流入ポンプ及び流出ポンプが停止する時点で膜の血液側及び/又は処置流体側で検出された圧力から計算される。コントローラは、同期時に、流入ポンプ及び流出ポンプを停止させる。
【0092】
調整動作は、ターゲット正味限外ろ過量が、処置の終わりまでに患者から取り除かれるように、下流同期ポンプ速度を進めて、規定の又は計算された限外ろ過率を提供することが後に続いてよい、又は下流同期ポンプ速度を進めて、規定の又は計算された限外ろ過率を提供することを含んでよい。進めることは、ターゲット限外ろ過率に等しい量、下流ポンプの流量を増加させるだけで達成され得る。したがって、廃液ポンプの命令流量が100ml/分であり、限外ろ過率が5ml/分である場合、次いで進められた廃液ポンプ速度は、同期が実行された値100ml/分から105ml/分に変更される。
【0093】
ターゲット圧力は、それぞれの側にかかる入口圧力及び出口圧力を平均することにより、それぞれ処置装置の血液側から又は処置装置の処置流体側から得られてよい。代わりに、圧力は、処置流体(非血液)側出口からだけ得られてよい。上記方法実施形態は、プライミングの間に実行され、処置中に繰り返されてよい。
【0094】
任意の実施形態では、圧力センサは、処置装置の下流非血液側に位置してよく、圧力センサは、同期のために単独で使用されてよい。代わりに、非血液入口及び出口上の圧力センサは、同期のために平均値を求められてよい。さらに追加の実施形態では、圧力センサは血液処置装置の一部分を形成し、血液処置装置の非血液コンパートメントの中間点、入口、又は出口での温度を示してよい。任意の実施形態では、圧力センサは、処置装置の下流血液側に位置してよく、圧力センサは、同期のために単独で使用されてよい。代わりに、血液入口及び出口での圧力センサは、同期のために平均値を求められてよい。さらに追加の実施形態では、圧力センサは、血液処置装置の一部分を形成し、血液処置装置の血液コンパートメントの中間点、入口、又は出口での温度を示してよい。
【0095】
図9は、本明細書に開示されるコントローラ実施形態のいずれでも固有であってよい詳細を有するプログラム可能制御システムを示す。プロセッサ10は、任意選択で、18で集合的に表される1つ以上の信号調整装置を介してセンサ14から信号を受信する。信号調整装置の例は、実施形態から明白であるが、例えば拡散信号組合せを分類する機械学習プロセッサ等のより複雑な装置に対するアナログフィルタを含んでもよい。プロセッサは、データストア12又はネットワーク/インターネット20へのデータ及びデータストア12又はネットワーク/インターネット20からのデータを記憶し、受け取ってよい。アクチュエータ16は、本明細書に説明される種々のアクチュエータを表す。プロセッサは、例えばボタン、画面、キーボード、ポインティングデバイス、警報器、スピーカ、ライト等の1つ以上のユーザインタフェース22要素を介したユーザとの対話のために接続されてよい。
【0096】
図10A及び図10Bは、膜520で分離された血液コンパートメント510及び非血液コンパートメント511を有する血液処置装置512の比喩的な表示を示す。図10Aでは、患者の体液平衡は、処置流体ポンプ506及び514の相対速度を調整することによってコントローラ(不図示)により制御される。図10Bでは、患者の体液平衡は、血液ポンプ502及び504の相対速度を調整することによってコントローラ(不図示)により制御される。図8の同期手順は、膜を通る流れがない非血液コンパートメント511のターゲット圧力を決定し、ポンプ514の所望されるポンプ流量のためにそのターゲット圧力を達成するポンプ506の速度を見つけることを同期させることによって、ポンプ514の速度に同期される処置流体ポンプ506の速度を得るために使用されてよい。しかしながら、プライミング中に膜貫通流れ状態なしを確立することによって得られるターゲット圧力に基づいて、血液ポンプ502と同期する血液ポンプ504の速度を決定することによって、図10Bの実施形態でのような処置流体の代わりに血液流れが平衡されるときに、類似した手順を使用することもできる。ターゲット圧力は、血液ポンプ502及び504両方を停止させることによって、プライミング流体の流れを停止させることによって得られてよい。次いで、非血液コンパートメントを通って流れる処置流体がある間の圧力は、測定されてよい。圧力は、血液入口圧力及び出口圧力の平均を含んだ、開示される実施形態のいずれであってもよい。次いで、血液ポンプ502は、所定の流量に設定され、ポンプ504は、血液ポンプ502の選択された速度のために血液ポンプ504の同期された速度を決定するために操作できる。516が、入口圧力及び出口圧力の平均を含む代替策として一覧表示されるもののいずれかであってよい1つ以上のセンサを含むことに留意されたい。
【0097】
図11を参照すると、多流体血液処置システム500は、流体回路505及び機械550を含む。システム500は、血液ろ過、血液透析、及び血液透析ろ過が可能である。機械550は、処置の過程を通して患者122から引き出される又は患者122の中に注入される流体の累積ターゲット比率を生成するために処置流体の流れを調整する。血液処置システム500は、動脈血液ライン585、静脈血液ライン586、未使用処置流体ライン536、及び使用済処置流体ライン537を含む流体回路505内の流体の流れを調整する。流体の患者若しくはプライミングソース/シンクの中への又は中からの正味流量は、いつでも処置装置114から吸い出される処置流体の量と、処置装置114の中に注ぎ込まれ、動脈血ライン585、静脈血ライン586の中に注ぎ込まれる結合された量の現在の差によって決定される。流体(血液又はプライミング流体)は、血液ポンプ563によってソース(例えば、患者122又はプライミング流体ソース/シンク123)から処置装置114の中に吸い出され、処置装置114から、患者122又はドレン、収集容器、若しくは循環式容器であってよいプライミング流体ソース/シンク123に還流する。示されている構成は、着脱自在の流体回路、蠕動ポンプ、センサ等の透析機械の典型的な付随物を含む場合がある。この場合、所望される限外ろ過を達成するためのフローバランスは、2つの処置流体ポンプ、つまり未使用処置流体124を処置装置114の中に注ぎ込む(透析液ポンプとも呼ばれる)未使用処置流体ポンプ573、使用済(使用済み)処置流体を処置装置114からドレン126の中に注ぎ込む(廃液ポンプとも呼ばれる)使用済処置流体ポンプ574、例えば血液凝固剤等の補助剤を補足流体ソース132から動脈血ライン585の中に注ぎ込む補足流体ポンプ541、並びに第1の代替液120及び第2の代替液133をそれぞれ、図面中に示されるそれに沿った位置の動脈血ライン585の中に注ぎ込む代替液ポンプ540及び542を含んだ流体ポンプの速度を調整することによって提供される。他の流体が、異なる治療法の要件に従って追加又は置換でき、示されている例は限定的となることを意図していないことに留意されたい。
【0098】
上述のように、制御及び検知は、任意の形であってよく、再び、通常、例えば組込コンピュータ等のプログラム可能デジタルコントローラであってよい、コントローラ240によって提供される。処置流体は、例えば袋又は流体定量システム等の処置流体ソース124から、流体処置流体ポンプ573によって吸い出される。処置流体は、加温器592、空気検出器579を通って、温度測定装置及び圧力測定装置P in1、T in1 569を通して又は通り過ぎて、圧力測定装置P out1 570を通して及び通り過ぎて、処置装置114の中に通過する。処置装置114に進入する前に、未使用処置流体ライン536は、(流体制御弁も使用され得るが)コントローラ240によって制御されるクランプPC1 571を通過する。処置流体は、廃液ポンプ(FP3)574によって送り込まれる処置装置114を通って流れる。処置装置114から流れる処置流体は、ドレン(又は収集チャンバ)126に移動する。処置装置114からの使用済ライン537は、コントローラ240によって制御されるクランプDCと係合する。また、使用済ライン537は、廃液ポンプ(FP3)574の上流で廃液圧力センサEP575を通る。また、使用済ライン537は、廃液ポンプ(FP3)574の下流で使用済圧力センサWBP576を通る。また、使用済ライン537は、血液検出器580及び遊離ヘモグロビンセンサ577も通過する。使用済ライン537内の流れは、(流体制御弁も使用され得るが)ジャンクション547と処置装置114との間のクランプDC581、及び使用済出口と廃液ポンプ(FP3)574との間の使用済クランプWC578によって制御される。
【0099】
代替液RF1 120は、代替液ライン593を通って動脈血ライン585(又は代わりに若しくは加えて静脈血ライン静脈血ライン586の中に)の中に注ぎ込まれてよい。代替実施形態では、代替液による希釈は、上述されたように処置装置114の中間点で発生してよい。代替液RF1 120は、空気センサAir2、上流圧力センサP in2 560、下流圧力センサP out2及び温度センサT out2 555、並びにピンチクランプPC2 554を通過するライン593を通してポンプ542によって送り込まれる。代替液は、それが動脈血ライン585の中に流れ込む前に細菌ろ過器583を通過する。
【0100】
代替液RF2 133は、代替液ライン594を通して動脈血ライン585(又は代わりに若しくは加えて静脈血ライン静脈血ライン586の中に)の中に注ぎ込まれてよい。代替実施形態では、代替液による希釈は、上述されたように、処置装置114の中間点で発生してよい。代替液RF2 133は、空気センサAir4、上流圧力センサP in4 552、下流圧力センサP out4及び温度センサT out4 557、並びにピンチクランプPC4 556を通過するライン594を通してポンプ540によって送り込まれる。
【0101】
(例えば、抗凝血剤等の)補足液132は、抗凝血剤ライン595を通して動脈血ライ585の中に(又は代わりに若しくは加えて静脈血ライン静脈血ライン586の中に)の中に注ぎ込まれてよい。補足液132は、空気センサAir5、圧力センサP out5 559、及びピンチクランプPC5 558を通過するライン595を通してポンプ541によって送り込まれる。
【0102】
血液は、安全のために独立した警報システムに接続された感度のよい気泡検出器である空気センサADAc及びADAx567を通して血液ポンプBP 563によって送り込まれる。また、動脈血は、入口圧力センサAP568及び出口圧力センサAPF564多汚染物質検出器(空気又は非血流体)BDA565も通過する。静脈血は、静脈血ライン586を介して処置装置114から戻る。例えば血液ライン内の空気等の安全上の問題が検出される場合、静脈ラインクランプ562は、戻る血液を遮断する。空気検出器BDV 566は、静脈ライン内の泡の存在を示すための感度のよい空気検出器である。
【0103】
バイパスライン591は、代替液ポンプFP2 542の流れを廃液ポンプFP3 574と同期させることによって使用される。バイパスライン591は、(流体制御弁も使用されてよいが)クランプBPC 572によって開閉される。バイパスライン591は、代替液RF1ライン593を使用済ライン537に接続する。
【0104】
処置装置114は、透析、血液ろ過、血液透析ろ過、アフェレーシス、吸着、及び血液灌流を含むが、これに限定されるものではない任意の種類の血液処置のために適応されてよい。さらに、流体132、133、120、124は、任意の種類の流体であってよく、説明される種類は、開示される主題を制限することを意図していない例である。流体の例は、薬剤、薬物、及び抗凝血剤(例えば、クエン酸塩、ヘパリン)である。
【0105】
また、コントローラ240は、血液ポンプ563、代替液ポンプ542、代替液ポンプ540、補足液ポンプ541、未使用処置流体ポンプ573、及び使用済処置流体ポンプ574のそれぞれを制御するために接続される。実施形態では、体液平衡に貢献する各ポンプは、その速度の圧力補正制御を提供できることを保証するためにその上流で圧力センサを有してよい。これは、示されている例でも同じである。実施形態では、圧力センサは、圧力補正速度制御のために使用される。圧力センサは、それらが、それぞれの1つ又は複数のポンプの上流に圧力の信頼できる一貫した表示を提供するように位置決めされてよい。
【0106】
血液処置システム500の処置動作では、ポンプは、各ポンプ記号の矢頭により示される方向で流体を送り込む。コントローラは、処置の過程を通して必要とされるターゲット限外ろ過を満たす患者への/からの流体のフローバランスに影響を与えるために速度を調整する。システムは、流体の正味除去(限外ろ過)又は流体の正味の注入が、コントローラ240によって計算されるように、又はコントローラ240によって受け取られるコマンドによって起こるように、静脈血ライン使用済処置流体ライン125内の血液の流れに対する未使用処置流体ライン127内の処置流体の流れだけではなくターゲット範囲の限外ろ過の速度も制御できる。限外ろ過又は注入の瞬間速度は、処置の過程の間に変わる場合がある。コントローラ240は、限外ろ過液又は注入された流体の正味レベルが、コントローラ240によって記憶されてよい規定のターゲットを満たすことを保証するようにプログラムされてよい。命令流量を達成するために必要とされるポンピング速度は、例えばルックアップテーブル又は式等のコントローラによって記憶されるデータを使用し、コントローラ240によって決定されてよい。流量対ポンプ速度の比率は、圧力差と流量の関係、つまりポンプ曲線でターゲットポンプ速度(又は同等に命令流量)を示すために、この記憶されたデータにより提示されてよい。例えば、実施形態のいずれかでは、ルックアップテーブルは、列及び行がポンプ入口での圧力(又は非蠕動ポンプのためのポンプ全体での圧力差)及び流量の独立変数に相当する、ポンプ速度のセルを有する場合がある。動作点は、セルに対応する動作点の間若しくは外側にある動作条件について内挿若しくは外挿されてよい、又はルックアップテーブルは内挿若しくは外挿された値を提供してよい。
【0107】
図11の実施形態が血液ろ過を実行するために使用される手順がここで説明される。図12A図12Gでは、より濃い線は、流れが確立されるラインを示し、薄い線は流れなしを示す。また、閉鎖クランプは、閉じているときは制御ラインに対して垂直な線を有し、開いているときは制御ラインに対して平行な線を有する円で示される。ここで図12Aを参照すると、血液が、所望される血液流量で、血液ポンプ563によって処置装置114を通して送り込まれる動作モードにある図11の図面の簡略版が示されている。他のポンプは停止される。クランプDC581は開いており、他のクランプ571、572、及び554。廃液ポンプ574は停止し、使用済ラインを通る流れを妨げているため、クランプWC578に効果はない。処置装置114の非血液コンパートメントと廃液圧力センサEP575との間に流路があり、及びクランプ571、572、及び554が閉じられ、廃液ポンプ574が停止しているという事実のため、処置装置114の非血液コンパートメントに流れはなく、血液コンパートメントへの膜を通る流れがないので、廃液圧力センサEP 575は、血液コンパートメント内の平均圧力も反映する処置装置114の非血液コンパートメントの圧力を示す。廃液圧力は、図12Aに示される動作モードでコントローラによりターゲット(EPターゲット)として記録され、次いでコントローラは図12Bの構成を実装する。
【0108】
図12Bで、バイパス分岐クランプ572及び使用済クランプ578は開かれ、クランプ581は閉じられる。これは、代替液ポンプ542及び廃液ポンプ574を直列で接続する。廃液ポンプ574及び代替液ポンプ542は、血液ろ過規定に従って所定の代替液流体ポンプ速度で実行するように命令される。すなわち、両方のポンプの速度は、代替液が患者血液ラインの中に注入されることが計画される速度に設定される。代替液ポンプ542は次いで、圧力センサEP 575により示される圧力がターゲット(EP-ターゲット)に等しいように、廃液圧力センサEP 575から廃液圧力を監視しながら、調整される。このターゲット圧力を提供する代替液ポンプ542の命令速度は、代替液ポンプ542のターゲット(Q-同期)命令流量として記録される。次に、コントローラは、図12Cに示されるようにシステムを構成する。
【0109】
図12Cを参照すると、血液ろ過処置では、代替液ポンプ542は、ターゲットQ-同期に設定される。廃液ポンプは、図12Bに関して説明される手順での同期のために使用される所定の代替ポンプ速度で操作される。その直後に、圧力補正が、廃液ポンプの速度を維持するために使用される。結果として、圧力センサEP 575によって示される圧力が下がる場合、廃液ポンプ574の速度は上昇する、逆の場合も同じである。
【0110】
図12A図12Cの構成は、図11のシステムの簡略図として識別されたことに留意されたい。しかしながら、図12A図12Cの構成が、他の要素又は必要最小限又は代替実施形態に示されるものの同等物を含む他の実施形態と一貫性があることは明らかである必要がある。
【0111】
図11の実施形態が血液透析ろ過を実行するために使用される手順がここで説明される。図12Dを参照すると、EP及びPout1 549とWPの平均(後者の平均は非血液コンパートメントの平均圧力、HD avgに等しい)の両方ともそれぞれのターゲット圧力として記録されることを除き、ターゲット(EP-ターゲット)として廃液圧力のレコードを得るための上述されたのと同じ手順が実行される。同じ構成は、クランプ571(PC1)が開かれ、センサPout1 549が非血液コンパートメント圧力を検出できるようにするために開かれることを除き、図12Aにおいてのようにコントローラによって確立される。次に、EP-ターゲットが記録された後、コントローラは図12Eの構成を実装する。
【0112】
図12Eで、透析液クランプ571は開かれ、透析液ポンプ573及び廃液ポンプ574は、実行される処置のための規定透析液流量に等しい速度に命令される。透析液ポンプ573は、廃液圧力EPセンサ575及びPout1 549圧力センサにより示されるHD-avg-targetと一致する透析液ポンプ573の命令流量を決定するために、廃液圧力575をサンプリングする間に、その速度を変えるようにコントローラによって命令される。本開示から明らかとなるべきように、命令流量は、例えば圧力データの曲線フィッティング等の動的モデルから生成されてよい、又は命令流量は、同期フィードバック(PID)制御が透析液ポンプ573及び廃液ポンプ574の平衡又は同期流れロックに達した後にポンプ速度から得られてよい。実施形態では、透析液ポンプ573は、透析液ポンプ573が、測定されたHD-avgにより示される廃液圧力を維持する速度で運転するように、誤差、つまり(廃液圧力HD-Avg)-(HD-Avg-target)に基づいてフィードバック制御される。これは、廃液ポンプ574のコマンド速度と流れ同期する透析液ポンプ573のコマンド速度Q-Dialysate-syncを確立する。透析液ポンプのコマンド速度が記録される。
【0113】
図12Fで、バイパス分岐クランプ572が開かれ、クランプ581が閉じられる。透析液ポンプ573は停止し、PC1クランプ571は閉じられる。示されている構成は、図12Bでのように、代替液ポンプ542及び廃液ポンプ574を直列で接続する。同じ手順が、ターゲット圧力を提供する代替液ポンプ542の命令速度を得るために、図12Bを参照して、説明されるように実行される。同期時のこの命令速度は、ターゲット(RF-Q-sync)として記録される。これは、処置中に使用される代替液ポンプ542の命令流量である。次に、コントローラは、図12Gに示されるように、システムを構成する。
【0114】
図12Gを参照すると、透析液ラインクランプ571は次に開かれ、透析液ポンプは、速度Q-dialysate-syncで操作される。廃液ポンプ574は、血液ろ過率を加えた、図12Fの同期手順中に使用される命令透析液流量に等しい速度に命令される。次いで、代替液ポンプ542は、RF-Q-syncで運転するように命令される。コントローラは、次いで廃液ポンプ574の圧力補正を実施する。コントローラは、入口圧力条件(及び/又は他の条件)が同期時の条件から逸脱すると、すべてのポンプの圧力補正制御も実施してよい。このモードで、血液ろ過処置は実行される。
【0115】
図12D図12Fの実施形態の変形形態では、代替液は使用されず、図12Eの同期動作だけが起こることに留意されたい。その場合、図12Gの動作での代替液の流量はゼロである。
【0116】
廃液ポンプ574速度を確立するために、コントローラは、単に、それぞれの同期の時点での透析液流量及び代替液流量を確立するために使用された命令速度に一致するシャフト速度の合計に等しい蠕動ポンプのシャフト速度を計算するだけでよいことに留意されたい。実施形態のすべてでは、廃液ポンプは、本明細書に説明されるように、及び特に図13A図13Cに関して説明されるように、規定限外ろ過率を提供するために同期速度を超えて増加してよい。
【0117】
図12Eの追加の変形形態では、廃液圧力センサ575の圧力を追跡することによって同期する代わりに、留意されたい。
【0118】
本実施形態又は請求項により定義される実施形態を含んだ実施形態のいずれかで、命令ポンプ速度対推定流量の比率は、使用されるポンプの種類に対するフィッティング性に応じて、入口圧力、出口-入口圧力差、又はその組合せに基づくポンプ曲線により示されてよいことに留意されたい。また、他の要因は、例えば温度及び使用期間等のポンプ流量補正のために使用されてもよい。
【0119】
図13A図13Bを参照すると、同期がどのようにしてポンプ入口圧力補正と結合されるのかの要約が説明されている。ここで図13Aを参照すると、流路605によって直列に接続された2つのポンプ603及び604が示されている。流路605は、例えばバイパス接続又は血液処置装置等の、コンパートメントの一方が密封される定量チャネルである場合もあれば、それは例えばゼロ膜間圧条件を確立する圧力が同期中に確立される、血液処置装置内のような「漏れやすい」膜チャネルである場合もある。最初に、コントローラは所望される流量Qを生成し、標準変換601(例えば、式、ルックアップテーブル)を使用し、それを、第1の回転周波数が、同期中に更新される所望される流量Qの初期速度であるポンプごとの回転周波数(それぞれω1、i及びω2)に変換する。Qt並びにω1、i及びω2が最終的に命令速度であり、コントローラが変換601を迂回し、単にポンプ速度を直接的に命令してよいが、通常は入力が、最終的に回転周波数に変換される(それ以外の場合本明細書ではポンプ速度として識別される)まで、液量流量ユニットの医師の処方との間の変換が概して適用レベル制御方式の同じユニットに変換されるように、所望される流量として始められることに留意されたい。これは単に、説明の中で、命令ポンプ流量又はポンプ速度の説明が同じことに関係していることが理解されることに留意するためである。しかしながら、変換601及び602が、なぜ同期が実行されるのかである、正確ではないことが認識される。変換601及び602は、ポンプの種類に依存する場合があるので異なる関数fpt1及びfpt2が示されるが、ポンプが、同じ種類である場合があり、その場合、関数はその結果同じとなるであろうことが理解されるべきである。
【0120】
ここで図13Bを参照すると、流れが最初にポンプ603と604との間で確立されると、同期手順は、上述される実施形態のいずれかに従って実行される。同期手順が進むにつれ、ポンプ603の命令流量(又は同等に、ポンプ速度又は回転周波数)は、十分なデータがポンプ604の実際の流量に一致する命令流量を推定するために得られるまで変わる。本明細書の本開示から理解されるように、データエラー変数及びポンプの命令ポンプ速度Pは、エラー変数と相関関係をもち、エラー変数は重量、容積(例えば、図6A図6B)又は圧力(例えば、処置流体平衡代替策を含んだ図1A図1C)、圧力(例えば、図3A図3E)、又は圧力低下(例えば、図5)であってよい。ポンプ603の命令速度は、次いでそれに対応するポンプ604の入口圧力とともに記録される同期速度を見つけ出すためにコントローラによって調整される。ゼロ膜貫通流れ条件が、図3A図3Eの例でのように圧力管理を通して提供される場合、第2のポンプ604の入口での圧力606が、事前に既知であってよいことに留意されたい。第1のポンプ603の同期速度が確立されると、ポンプ604は、命令速度Qtでその後操作することができ、例えば、ポンプ604の上流の圧力が同じままである等、条件が同じままである限り、フローバランスを達成するために、上流ポンプ603は同期速度で操作できる。
【0121】
図13Cを参照すると、ポンプ603の同期速度が確立された後、ポンプ604の速度はその後、「圧力補正」として上記に識別された、入口圧力606に応えて変えられてよい。圧力補正は、ポンプ604の変更入口圧力に対する体積流量率の変更を指定する。この比率は、複数の補正曲線が提供され、使用され得るように、異なるポンプ速度にわたって変わってよい。概して、1つ又は複数の補正率は、特定のポンプ及び蠕動ポンプが使用される配管構成を用いて実験を行うことによって得られる。
【0122】
圧力補正ベースの速度調整は、例えば、処置中に連続的に又は所定の間隔で実行されてよい。上述されたように、圧力606は、処置がチャネル605の中からの正味流量を達成するためにポンプ603内よりもより高い流量で操作されるポンプ604を呼び出すかのように(例えば、チャネル605が、患者の血液からその膜を通して流体を引き出すことができる処置装置であるとき)、つまり正味限外ろ過がある場合、変化してよい。負の限外ろ過率がコントローラ又はユーザによって示される場合、ポンプ604の速度は、ポンプ603の同期速度に対して引き下げることができる。
【0123】
ポンプの流量の係る所定の差を実施するために、ポンプ604の速度は、求められている、より高いボリュームレートに比例して調整されてよい。例えば、ターゲット流量Qtが200ml/分であり、所望される限外ろ過率が5ml/分である場合、次いでポンプ604速度は、Qtよりも2.5%高くなるように命令できる。ポンプ604のより高い速度は、求められている速度(Qtより2.5%高い)よりもわずかに低い速度を生じさせる圧力606の低下を生じさせる。したがって、ポンプ604の速度は、次いで、補正率に従ったポンプ604の流れの速度がインクリメンタルに求められている、より高い速度に一致するように調整されなければならない。これは、ポンプ604の流量が推定ターゲット値に収束するまで反復して行われる必要がある場合がある。これは、ポンプ604の速度を変えることによって計算されるQt間の誤差を最小限に抑える最適化アルゴリズムに基づいたフィードバック制御を使用し、行われてよい。代わりに、圧力低下の率を流量差(限外ろ過率に等しい流量差)に関連付ける関数は、ポンプ604の調整された流量をフィードフォワード式で予測できるようにしてよい。
【0124】
補償比率は、以下の式によって実際の流量を基準流量(例では、Qt)と関連付ける。
【数1】
上式では、Qact(t)は、補正されたポンプを通る実際の流量であり、αは、ポンプ効率補正係数(つまり、ポンプ圧力補正係数)であり、Pinlet(t)は、入口圧力であり、Prefは、ポンプが較正又は同期された場合の圧力(ポンプ効率が測定された基準点)である。ポンプ圧力補正係数αは、ポンプ及びポンプチュービングセグメントの特徴に依存する。実施形態では、入口圧力補正は、従前の同期圧力から1.8%/25mmHg偏差であってよい。この値は、ならし運転動作期間、及び特定の流体種類を使用することを含む特定の所定の動作条件の後の特定のポンプ種類及び特定の種類のポンピングチューブセグメントに対して得られた。したがって、弁は決して限定的ではない。
【0125】
ポンプ圧力補正訂正式又はルックアップテーブルの正しい値が、他の動作条件についてどのようにして得られ得るのかは、上記から明らかであるべきである。また、上記式が、分析的にきわめて簡単に表現できる特定の関係であることにも留意されたい。しかしながら、他の種類のポンプは、異なる補正関数又はルックアップテーブルを望ましくする他の点で、追加の変数に、及び入口圧力に依存する性能特性を有する場合がある。例えば、流れは、入り口温度に加えて、例えばポンピングチューブセグメントが使用されていた時間の間隔(例えば、蠕動ポンプアクチュエータのローラーストライク又はシャフト回転の数)及び流体温度等の他の測定可能な変数に依存する場合がある。ポンプ出口圧力は、因数として含められてもよい。一般に、補正は、
【数2】
でのようなオフセット比例訂正によって処置されてよく、上式ではQactは、補正流量であり、Qrefは、同期時命令流量である。Pref及びTrefは、圧力及び温度の基準条件であり、tは、ポンプチューブセグメント使用のためのポンプサイクルの時間量又は数である。Pin及びTは、それぞれ現在の基準入口圧力及び流体温度である。
【0126】
上記から、補正流量が実際の流量に対して依然として定誤差を含む場合があり、補正は単に同期流量からの逸脱を調整するに過ぎないことが明らかであるべきである。事実上、これは患者から所望される限外ろ過を達成するために必要とされるオフセットを支配する比率(補償係数)レシオメトリック配合を与える。
【0127】
同期中、同期を受けるポンプ間のチャネルの圧力は、不安定であってよく、徐々に、アクチュエータによって実装されるPID制御関数を使用するフィードバック制御に基づいて、同期状態に向かって進行する。例えば、同期手順を制御するために定義された2つの時間間隔等のいくつかのパラメータがあってよい。第1の時間間隔は、2つのポンプが初期速度を命令される同期手順の開始と、フィードバック信号変化率が閾値を下回る点との間で定義される。後者は、信号の移動平均によって得られてよい。移動平均は、所定の形状及び時間枠の平均化窓によって定義されてよい。第2の時間間隔は、移動平均が閾値を下回った後に、圧力信号が平均化される平均化期間であってよい。これらの時間間隔の長さを最小限に抑える上での値がある。また、「不良」同期を示す誤差信号の高周波数変動のための閾値標準偏差も定義されてよい。同時に、これらの基準は、いつ同期が完了されるのか、及び同期から得られるデータが有効かどうかを確立してよい。
【0128】
例えば蠕動ポンプ等の容積式ポンプは、その入口で及びその出口で、圧力パルスを生成する。これは、ポンプを同期させるために使用される誤差信号を脈動させる。特に低い流量で同期のために配置された第1のポンプ及び第2のポンプの特定の速度の組合せが、短期間に収束できず、上述された間隔のための妥当な期間に従って「不良」又は不完全な同期を生じさせる圧力変動を生じさせることが発見されている。これらの望ましくない速度の組合せは、実験室で発見し、コントローラが、同期を受けるポンプの許可された条件及び許可されていない条件の識別を可能にするために使用することができる。幅広い流量の組合せを提供しつつも、許可されていない条件を回避するために、コントローラは、所与の流量に対するそのポンプのパルス周波数を改変するために、流れ制限を使用して、一方のポンプ又は他方のポンプに対して人工的に低い入口圧力を生成できる。このようにして、コントローラは、第1のポンプ流量及び第2のポンプ流量を相互に関連付けるマトリックスを含み、それぞれのために、ゆっくりとした同期又は不良同期を生じさせる速度の組合せを回避する第1のポンプのための許可された範囲の入口圧力を確立してよい。
【0129】
ここで図14Aを参照すると、2つの同期ポンプからの瞬間圧力信号のプロファイル、及び第1のポンプの対応する速度が示されている。データは典型的にすぎず、開示された実施形態を限定しない。圧力信号の変動631は典型的であるが、一般的な傾向が目に見える。図14Bは、634で示された初期データから計算された移動平均とともに同じデータを示す。残りのデータは632で示され、初期データ634の最終期間にわたる平均化により得られる最終平均に密接に近づく630で示される最終的な平均値を推測するためにデータ634の移動平均にフィッティングされたモデルから得られる。したがって、指数、ガウス、べき級数、又は他の関数をデータにフィッティングさせることによって、より短い期間のより少ない量のデータの取得後最終的な平均を推定できる場合がある。データの量及び誤差の確率は、条件に応じて変わる場合があり、例えば、低い流量では、データのより長い間隔が必要とされる場合がある。使用するための最善のパラメータは、実行されている処置のための特定のポンプ種類、材料、及び動作条件を用いた実験室実験により最も良く得られる。
【0130】
上記が、完全な同期平衡に至らなくても上流ポンプの同期速度を動的に決定する方法の例を示すことが認められる。このようにして、実施例は、流体回路内で流量を制御するための方法の一例を示し、方法は、独立制御される流入及び流出容積ポンプにより処置中に排水される相対量を制御することにより、血液処置装置から引き出される流体を血液処置装置の中に注ぎ込まれる流体に対して平衡させることによって患者の正味限外ろ過を調整する任意の血液処置システムに適用できる。方法では、試験モードの間、コントローラは、流動特性の変化を測定しながら、流入ポンプ及び流出ポンプを直接的に接続する。流動特性は流量、圧力、又は質量であってよい。次に、コントローラは、該測定することにより測定された変化を表す同期流れデータを記憶し、次いで同期流れデータから、流入及び流出容積ポンプを調整するための制御パラメータを計算する。方法は、該流入及び流出容積ポンプを、該制御パラメータに応えて制御することによって、患者への又は患者からの流体の正味流量を制御することを含んだ処置を実行することで続行する。試験モード間、流入及び流出ポンプは完全に同期するために調整されない。特定の実施形態では、流入及び流出ポンプを直接的に接続する動作は、血液処置装置を通して流入及び流出ポンプを接続することを含む。追加の実施形態では、流入及び流出ポンプを直接的に接続する動作は、流入及び流出ポンプ間の固定容積流路を画定することを含む。流動特性は、圧力を含んでよい。方法は、試験モード中、流動特性の移動平均を計算し、同移動平均を曲線にフィッティングさせることをさらに含んでよく、計算することは、結果として生じるフィッティング曲線に曲線をフィッティングさせることを含む。方法は、試験モード中、流動特性の移動平均を計算すること、及び同移動平均を曲線にフィッティングさせることをさらに含んでよく、計算することは、曲線が平坦となるために計算されるポンプ速度対時間曲線での対応する点に対してフィッティング曲線を外挿することを含む。
【0131】
上記方法は、処置機械のコントローラによって実装されてよい。例えば、流体回路内で流量を制御するためのシステムは、再構成可能な流体回路及び血液処置装置(例えば、流体回路を通る複数の流路を画定するために機械により制御される使い捨て流体回路及びアクチュエータ)を備えた血液処置システムを有してよい。システムは、流入及び流出容積ポンプの速度を独立して調整することにより処置中に排水される相対的な量を制御することにより、血液処置装置から引き出される流体を血液処置装置の中に注ぎ込まれる流体に対して平衡させることによって、患者の正味限外ろ過を調整するためにコントローラによって制御される流入及び流出容積ポンプを有してよい。コントローラは、流動特性を示す流量センサから信号を受信してよい。
【0132】
ここで図15Aを参照すると、この条件で処置装置圧力の測定を可能にするために、処ゼロ膜貫通流れ条件を提供するための追加の機構が説明される。図15Aの回路675は、図11の回路又は構成要素の追加のセットを有するそのサブセットに相当する。追加された構成要素は以下を含む。マルチチャンバ要素641は、ダイヤフラムの一方の側がマルチチャンバ要素641の一端で流体を受け取ると、他方の側の容積が正確に同じ量分、減らされ、他端から等しい容積を押し出すように、剛性ハウジング及びマルチチャンバ要素641の内部容積を分割する可撓ダイヤフラムを有する。このようにして、ポンプ643は、マルチチャンバ要素641の中に流体を押し込むと、他端からの流体は押し込まれるのと同じ速度で押し出される。ピンチクランプ645及び642だけではなく、ピンチクランプ647及び646も、以下の説明から認められるように、コントローラが、マルチチャンバ要素641及び処置装置114を選択的に隔離できるようにするために役立つ。
【0133】
図15Bは、マルチチャンバ要素641の未使用処置流体側を充填するための構成で回路675を示す。血液は、示されるように、血液ポンプ563によって送り込まれる。未使用処置流体ポンプ573及びポンプ643は、使用済ラインの中に他方の側を出しつつ、処置流体を開放マルチチャンバ要素の一方の側641に流し込むために開放位置にあるクランプ650、642、645、及び581を用いて操作される。ポンプ643は、ポンプ記号の矢頭の方向で示されるように逆方向で操作される。廃液ポンプ574は、使用済流体をドレン(又は使用済コレクタ)126に運ぶために操作されてよい。この動作は、処置流体ソース124からの未使用処置流体でマルチチャンバ要素641を満たす。図15Cは、前方方向で操作されるポンプ643とともに、示されているクランプの動作により形成されている閉鎖ループを示す。閉鎖ループ流路の容積は、検査及びマルチチャンバ要素641の説明により確認できるように完全に固定されている。したがって、処置装置114を通る非血液コンパートメント内の流れがあるときも、膜貫通流量はゼロである。弁581は、閉鎖ループ内の圧力が廃液圧力センサ575と連通できるように開かれる。したがって、処置装置114の非血液コンパートメントの圧力は、ゼロ膜貫通流量条件下で測定されてよい。一方、未使用処置流体は、処置装置を通して循環され、それによりポンプ同期のこの初期ステップの間に血液の透析洗浄を続行する。残りのステップは、図12D図12F及び他の実施形態に関して示され、説明されるように完了されてよい。
【0134】
図15A図15Cでは、二重線は、流れの中の流路が確立されることを示し、単線は、流れが存在していない流路を示す。クランプは、図12A図12Fでのように示される。
【0135】
図12A図12F及び他の箇所の説明から、開示される主題が、流体回路、実施形態では、処置流体部分及び血液部分を含む流体回路内の流量を制御するための方法及びシステムを提供することが明白であるべきである。方法は、血液処置装置の血液コンパートメント及び非血液コンパートメントのうちの一方に第1の流入及び流出ラインを接続すること、並びに血液処置装置の血液コンパートメント及び非血液コンパートメントの他方に第2の流入及び流出ラインを接続することを含んでよい。次いで、コントローラを使用し、第1の流入ラインに接続された第1の流入ポンプの速度を調整して、血液処置装置の血液コンパートメント及び非血液コンパートメントのうちの該一方の中への流れを確立すること。方法は、第1の流出ラインに接続された第1の流出ポンプの速度を調整して、血液処置装置の血液コンパートメント及び非血液コンパートメントのうちの該1つの中から流れを確立すること、並びに血液コンパートメント及び非血液コンパートメントのうちの少なくとも1つの圧力を検出することを含み、該圧力は、血液コンパートメント及び非血液コンパートメントの中への及び中からの流れの速度間の差の大きさを示す。方法は、該圧力に応えて流量制御パラメータを計算すること、及びその後制御パラメータに応えて血液コンパートメントと非血液コンパートメントとの間の流体の正味移動を調整することを含む。変形形態では、方法は、検出中、第2の流入ライン及び第2の流出ラインを通して流体を流すことを含む。追加の変形形態では、方法は、第1の流入及び流出ライン並びに血液処置装置の血液コンパートメント及び非血液コンパートメントのうちの1つが、固定容積流路を構成するように、該検出中、第2の流入及び流出ラインを通る流体の流れを遮断することを含んでよい。圧力は、血液コンパートメントと非血液コンパートメントとの間の膜貫通輸送の大きさを示してよい。これは、流路が固定容積チャネルであるため、又はゼロ膜貫通流が確立されるようにポンプ速度の調整のためである。ゼロ膜貫通流量が確立される圧力は、本明細書に説明される方法及び機構を使用し、コントローラによって自動的に決定されてよい。圧力は、血液コンパートメントと非血液コンパートメントとの間の膜貫通輸送の大きさを示してよく、計算することは、圧力を、血液コンパートメントと非血液コンパートメントとの間の膜貫通輸送のゼロ大きさを示す所定の閾値圧力に比較することを含む。
【0136】
したがって、同期方法が、処置モード(とは言え実施形態では、手短に中断された処置モード)中に又はプライミング段階中にポンプを同期できるようにすることが認められる。それは、例えば工場較正等の他のときに行われてもよい。有利なことに、同期は、処置装置の血液コンパートメントから血液を除去することなく、行われてよい。さらに、有利なことに、方法は、処置装置の血液側又は処置流体側の流入及び流出ポンプを同期させるために適用されてよい。すなわち、直前に説明される実施形態では、第1の流入ライン予備流出ラインは、血液ライン又は処置流体ラインであってよい。圧力の代わりに、図6A及び図6Bに関連して説明された体積流量測定技術、又は図5に関して説明された流量測定装置を代わりにしてよい。流量制御パラメータをそれから計算する圧力信号が、血液コンパートメント及び非血液コンパートメント(例えば)との間の任意の体液移動の閉塞又は単に膜の抵抗のためだけに生じる場合があることが明らかとなるべきである。圧力又は圧力の変化率は、同期を示してよい。いずれの場合も、流入ポンプ及び流出ポンプは、流出ポンプの入口圧力が、処置中に存在すると判断される所望される動作圧力となるように調整されてよい。
【0137】
圧力は、血液コンパートメントと非血液コンパートメントとの間の膜貫通移動の大きさを示してよく、計算することは、血液コンパートメントと非血液コンパートメントとの間の膜貫通移動のゼロ大きさを示す所定の閾値圧力と圧力を比較することを含んでよい。この場合、方法は、血液コンパートメントと非血液コンパートメントとの間の移動を遮断しつつ、血液コンパートメント及び非血液コンパートメントのうちの少なくとも1つの圧力を検出することによって所定の閾値圧力を決定することを含んでよい。
【0138】
圧力は、血液コンパートメントと非血液コンパートメントとの間の膜貫通移動の大きさを示してよく、計算することは、血液コンパートメントと非血液コンパートメントとの間の膜貫通移動のゼロ大きさを示す所定の閾値圧力と圧力を比較することを含んでよく、方法は、血液コンパートメントと非血液コンパートメントの間の輸送を遮断しつつ、且つ所定の流量で第2の流入及び第2の流出を通して流量を確立しつつ、血液コンパートメント及び非血液コンパートメントのうちの少なくとも1つの圧力を検出することによって所定の閾値圧力を決定することをさらに含んでよい。
【0139】
図16を参照すると、2つのポンプの同期を含む実施形態のいずれかでは、誤差は、実際の流量対命令流量の比率の漸進的な変化により生じる場合がある。したがって、時間t0で、処置中又は処置前に、上流ポンプの命令速度、Pump1が、下流ポンプの命令流量Pump2に等しい流量を生じさせる、同期が実行されてよいS300。のちに、処置中、同期速度は、更新されS301、Pump1のための新しい命令流量を生じさせてよい。S302で、新しい命令流量と古い命令流量の差が、S302で計算される流量差を生じさせ、これは第1の同期から後の同期への時間中に漸進的に生じてよい。流量差は、同期の間に内挿され、経時的な同期命令速度の変化の仮定される分布上で統合されてよい。第1の同期と第2の同期との間の時間にわたって直線的に発生する差異を想定し、過多及び不足が計算されてよい。つまり同期間の時間を、古いPum-1同期命令流量と新しいPump-1同期命令流量の差ので乗算する。のちの同期速度がより高い場合、次いでこの量は、処置の残りの間に限外ろ過される必要とされる量が増加するように、限外ろ過量に加えられてよい。同期速度がより低い場合、次いでこの量は限外ろ過量から差し引かれてよいS306。S308で、新しい限外ろ過率は、処置が完了するまでに量全体が使用されるように計算されてよい。その後、量は、処置の残りを実行するために適用されてよいS310、又はプロセスは、追加の同期が実行される場合繰り返されてよい。パラメータは、誇張された変化を有する同期後の第1のポンプに対する2つの命令速度の2つの棒グラフを示す図17Aにグラフで示される。バー上に重ねられた印影付き三角形は、第1のポンプの新しい命令速度が、第2のポンプについていくためにはより速い速度が必要とされることを示すときに累積UF不足を示す。記号Qは命令ポンプ速度を表す。
【0140】
以後の同期が第1の同期とは異なるPump2命令流量で実行される図16に類似する手順が実行される場合、量の過多又は不足は、Pump2命令流量との差が計算から除去される場合にも計算できることに留意されたい。このようにして、Pump2命令旧からPump2命令新を差し引き、次いで旧Pump-1命令同期速度と新Pump-1命令同期速度のこの差を差し引くことは、内挿計算のために使用されるために使用できるPump1命令同期を与える。パラメータは、図17Bに示される。第1のポンプのための新しい同期コマンド速度は、新しい第2のポンプ命令速度と古い第2のポンプ命令速度の差、及び上述したように削減された速度から計算された限外ろ過不足分、削減される。
【0141】
図18A図18Bは、開示される主題の種々の実施形態に従って、マスタポンプ704の命令速度に応じてスレーブポンプ702の同期命令速度を決定するための命令流量及び圧力の条件のマップの生成及び使用を示す。例えば、方法は、所与のEP及びターゲット廃液ポンプ速度(FP3)のためにFP2(図11)によって送り込まれる代替液の速度を計算するための式又はルックアップテーブルを得るために使用されてよい。図18Aは、第1のポンプ708(FP2は、例として図11の透析液ポンプを指す)及び第2のポンプ710(FP3は、例として図11の使用済―つまり廃液―ポンプを指す)を有する図18Bで使用される記号を有する一般的な同期方式を示す。2つのポンプ708及び710は、本明細書に開示されるさまざまな実施形態のものを含んだ任意のタイプのいずれかであってよい流路714によってリンクされる。フローバランスセンサ706は、2つのポンプ708と710との間の流量不一致を示す。EPは、例えば図11に示される使用済ライン圧力(又は廃液圧力)を示す。
【0142】
図18Bを参照すると、S400で、マスタポンプFP3は、F2の命令速度で実行され、スレーブポンプFP2は、廃液ポンプEPの所定の圧力、例えば100 mmHgでそれと同期される。FP2の同期速度及びEPの測定値が記録される。S402で、マスタポンプFP3は、F2の命令速度で運転され、スレーブポンプFP2は廃液ポンプEPの所定の圧力、例えば300 mmHgでそれと同期される。FP2の同期速度、及びEPの測定値が記録される。S404で、マスタポンプFP3は、F3の命令速度で運転され、スレーブポンプFP2は、廃液ポンプEPの所定の圧力、例えば100 mmHgでそれと同期される。FP2の同期速度及びEPの測定値が記録される。S406で、マスタポンプFP3は、F3の命令速度で運転され、スレーブポンプFP2は、廃液ポンプEPの所定の圧力、例えば300 mmHgで同期される。FP2の同期速度及びEPの測定値が記録される。S410で、記録された速度及び圧力値は、命令マスタポンプ速度及び圧力に応じて、同期命令スレーブポンプ速度の計算を可能にするために関数にフィッティングされる。S414で、マスタポンプは、圧力補正係数、及び所望されるEPと測定された大きさの差に従って調整される。
【0143】
S412で、関数は、命令マスタポンプ速度及び現在の廃液圧力EPに応じて、スレーブポンプFP2の同期速度を計算するために使用される。ステップS400~S406で同期速度を得るために使用されるEP圧力は所定値である。S412で使用されるターゲット独立変数は、血液が血液ろ過器を通して流れており、廃液ポンプからの流れがないとき、廃液圧力の測定値である。S414で、血液ろ過処置中、代替液ポンプRF2は、式又はルックアップテーブル及び現在測定EPを使用し、設定されてよい。圧力補正が実行している状態で、廃液圧力が式に最初に入力されたEPから逸脱するにつれ、廃液ポンプの速度は相応して調整される。
【0144】
開示されている実施形態のいずれかで、処置装置の膜を通るゼロ流量の条件に対応する同期のために使用される圧力は、処置流体入口圧力と出口圧力との平均、処置流体出口圧力単独、処置装置内部の圧力を単一の圧力変換器で測定できるようにする特別に構築された血液処置装置の非血液コンパートメントの圧力、血液入口圧力及び出口圧力の平均、血液出口圧力単独、又は処置装置内部の圧力を単一の圧力変換器で測定できるようにする特別に構築された血液処置装置の血液コンパートメントの圧力であってよい。
【0145】
実施形態のすべてで、ピンチクランプは、例えばコック、流れ切り替え装置等の他の種類の弁及び回路要素で置き換えることができる。
【0146】
開示されている実施形態のいずれかで、血液のコロイド浸透圧は、処置流体の流れを停止させ、処置装置の血液側と処置流体側の圧力差を測定することによって測定されてよい。これは、ポンプが同期されるたびに行われる場合もあれば、それは血液コロイド浸透圧をサンプリングする目的で独立して行われる場合もある。コロイド浸透圧のサンプルは、コロイド圧力の所定の傾向に比較されてよい傾向を計算するために使用されてよい。比較は、流体引き出しのペースが、例えば間質コンパートメント及びセルラーコンパートメント等の上流流体コンパートメントからそれを補充する患者の能力に対して、血液コンパートメント内の流体を引き下ろすのが早すぎることを示す場合がある。血液コンパートメントへの流体の復元は、流体逆戻りとして技術で既知である。限外ろ過の高すぎる率は、有害である場合がある一時的な血液減少を引き起こす場合がある。
【0147】
コントローラは、許可されるコロイド浸透圧の所定の変化率を記憶し、その率を下回る又はその率になるために限外ろ過の率を遅くしてよい。コントローラは、コロイド浸透圧を所定の値と比較し、コロイド浸透圧がその値に達することができるように、処置の持続時間を制御してよい。コロイド浸透圧の実際の値を記憶する代わりに、例えばコロイド浸透圧の導関数及び他の変数との組合せ等のそれに対応するデータが記憶されてよいことに留意されたい。例えば、コロイド浸透圧は、患者の流体負荷を示す結合されたパラメータを生じさせるためにヘマトクリットセンサ信号と結合されてよい。追加の実施形態では、コントローラは、流体負荷又は流体逆戻りの速度を決定するために、限外ろ過率を中止するか、又は限外ろ過率を変化させ、変化する限外ろ過率を示すデータをコロイド浸透圧傾向データと結合してよい。例えばコロイド浸透圧変化率対限外ろ過率の比率等の結合されたパラメータは、計算され、限外ろ過の率又は限外ろ過の持続時間(又は、処置の持続時間)を制御するために使用されてよい。限外ろ過の率は傾向に応じて処置サイクル中連続的に変えられてよい。率は、コロイド浸透圧及びその変化率に対する所定の制約に従って処置中に漸進的に低下するように変えられてよい。示されるように、コロイド浸透圧は、(患者のためのカスタムであってよい)所定値、又は流体逆戻りの速度、又は限外ろ過の所定の率(例えば、限外ろ過のゼロ率)が維持される試験間隔にわたるコロイド浸透圧の変化の大きさを測定することによって、患者がいつ乾燥重量に到達したのかを示してよい。
【0148】
実施形態のすべてにおいて、ピンチクランプは、例えばコック、流れ切り替え装置等の他の種類の弁及び回路要素で置き換えることができる。
【0149】
実施形態のいずれかでは、センサ及びそれを係合するためのアクチュエータを有する処置機械に接続されている、新規に接続された流体回路は、同期実行前にポンピングチューブセグメントを調整するためにプライミング中のならし運転間隔にさらされる場合がある、又は体液平衡のために少なくとも当てにされる。実施形態では、患者に接続された流体回路内で流体を流す蠕動ポンプの相対速度を調整することによって患者から引き出される流体の総量に対して患者の中に流れ込む又は患者から流れ出す流体の総量を制御する処置機械において、特別プライミングモードが実装される。プライミングモードでは、流体は、取り付けられた流体回路の少なくとも処置流体部分を満たすために流体回路を通って送り込まれる。流入及び流出処置流体ポンプ―体液平衡及び限外ろ過のために当てにされるポンプ―をさらすために十分な所定のならし運転期間は、同期実行前の所定数のローラーストライクにさらされる。ならし運転間隔は、実施形態では、同期モード又は蠕動ポンプが患者への又はからの流体の正味流量を制御するために当てにされる処置を確立する前に、5分以上続く場合がある。実施形態では、処置機械は、ポンプが透析器又は血液ろ過器の中への及び中からの透析液の流量を制御する血液透析機械又は血液ろ過機械である。
【0150】
本明細書で使用されるように、実施形態は、任意の独立請求項及び独立請求項の、独立請求項に従属する請求項の任意の組合せ又はサブコンビネーションとの任意の組合せだけではなく、本明細書に説明される実施形態を指すことに留意されたい。
【0151】
上記実施形態では、未使用処置流体ポンプのポンプ流量は、処置中に、使用済処置流体ポンプの速度及び血液コンパートメント圧力(Ave Pb)に依存していた関数又は同等物から、コントローラによって決定された。代替実施形態では、未使用処置流体ポンプは、コントローラによりともに記憶される、誤差及びコロイド浸透圧により相殺される、非血液コンパートメント圧力Ave PtfとAve Pbの差として計算される平衡圧力信号に対してフィードバック制御されてよい。次いで、決定された未使用処置流体ポンプ流量は、所定の限外ろ過率を得るために変更できる。修正された方法では、S72は、未使用処置流体ポンプが、計算された誤差信号によって負のフィードバック制御される操作によって置き換えられる。これは、例えばS72のフィードフォワード技術の代わりに利用されてよい。
【0152】
上記実施形態では、TMPは、Ave Pb及びQtfwの関数として提供されるが、TMP誤差は、これらの独立変数の関数ではない場合があり、その場合、TMP誤差はコントローラに固定値として記憶されてよい。
【0153】
用語が本明細書で使用されるように、「平衡」流量は、等しい流量、又は例えば、限外ろ過を説明するために、所定の量異なる流量を指す場合があることに留意されたい。同期中、平衡流量は、ゼロ微分を有する場合があるが、等しい流量からの任意の所定のオフセットは、当業者に対して明らかであるべきように、同期の技術を使用して対応されてもよい。用語が本明細書で使用されるように、平衡したは、平衡しているが、所定の限外ろ過率分、オフセットされた流量を指す場合がある。
【0154】
実施形態のいずれかでは、処置流体回路及び処置装置非血液コンパートメント内の流体は、処置に備えてプライミング段階中に一般に使用されるようにプライミング流体であってよい。
【0155】
実施形態のいずれかでは、限外ろ過液又は患者からの流体の正味移動は正である場合もあれば、負である場合もある。負の限外ろ過液は、患者に対する流体の正味移動を指す。一方、正の限外ろ過液は、患者からの正味移動を指す。流量に関連する用語平衡下は、ゼロ正味限外ろ過量若しくは率、又はターゲット正味限外ろ過液量若しくは率を指す場合がある。それは必ずしも、プライミング流体のソース/シンク又は患者内及び中からの等しい流量を意味しない。
【0156】
他の実施形態では、血液のコロイド浸透圧は、上述されたように測定されてよく、処置流体コンパートメント(コンパートメントは、血液処置装置のコンパートメントである)内の圧力を差し引き、コロイド浸透圧を差し引いた血液コンパートメント内の平均圧力の差のリアルタイムフィードバック制御に使用されてよい。圧力差に対するリアルタイムフィードバック制御は、例えば図3A及び図7の構成等の処置流体ポンプの相対速度を制御するために、処置中に続行してよい。コロイド浸透圧は、処置中の特定の点で再び測定され、上述さえた他の関数を提供するために使用されてよい。
【0157】
第1の実施形態によると、開示される主題は、パラメータ及び手続き型データを記憶するデータストアに接続されたコントローラを用いて流体回路内で流量を制御するための器具を含む。動脈及び静脈血ポンプアクチュエータを有する処置機械は、コントローラによって制御されるために接続される。処置機械は、コントローラによって制御されるために接続された薬剤ポンプアクチュエータ及び弁アクチュエータを有する。処置機械は少なくとも1つの圧力センサを有する。処置機械は、動脈及び静脈ポンプアクチュエータが、処置装置への及びからの流れを制御し、少なくとも1つの圧力センサがそれぞれ血液回路内の圧力を示すことができるように、処置装置によって接合された動脈ライン及び静脈ラインを有する血液回路を受け入れるように形作られた受入れアダプタを有する。処置機械受入れアダプタは、薬剤ポンプが、未使用ライン及び使用済ラインのうちの一方を通って薬剤を送り込むことができ、弁アクチュエータが未使用ライン及び使用済ラインのうちの他方内での流れを妨げることができるように、同じ処置装置によって接合された未使用ライン及び使用済ラインを有する薬剤回路を受け入れるようにさらに形作られる。処置構成要素は、所定の種類の血液回路と所定の種類の薬剤回路との間での流体の移動を可能にする種類である。手続き型データは、データストアに記憶される限外ろ過液パラメータ及び補正パラメータに応えて、該血液回路の取り付けられた例で正味流体移動を生じさせるために、処置間隔にわたって動脈ポンプアクチュエータ及び血液ポンプアクチュエータの速度を制御することによって、動脈血液流量と静脈血液流との比率を制御する方法を定義する。限外ろ過液パラメータは、該正味流体移動を示す。手続き型データは、コントローラが、処置装置の中への及び中からの流れを遮断するために薬剤ポンプ及び弁アクチュエータのどちらを制御するのかに従って、補正パラメータを計算する方法をさらに定義し、少なくとも1つの圧力センサによって示される圧力に応えて誤差制御を通して処置装置を通る等しい流量を達成するために動脈ポンプアクチュエータ及び静脈ポンプアクチュエータを制御する。計算することは、該動脈及び静脈ポンプアクチュエータの命令速度比率に対応する。
【0158】
第1の実施形態の変形形態は、処置装置が透析器である第1の追加の実施形態を含む。第1の実施形態の変形形態は、処置装置が、血液回路及び薬剤回路を膜により分離する第1の追加の実施形態を含む。第1の実施形態の変形形態は、限外ろ過液パラメータが単一の処置サイクルのための正味限外ろ過液量を示す第1の追加の実施形態を含む。第1の実施形態の変形形態は、弁アクチュエータが、リニアアクチュエータにより操作されるピンチクランプである第1の追加の実施形態を含む。第1の実施形態の変形形態は、ピンチクランプが該薬剤回路の管部分を係合する第1の追加の実施形態を含む。第1の実施形態の変形形態は、受入れアダプタが、血液の前希釈又は後希釈のために代替液流体のソースを該血液回路に接続する代替液ラインを係合するように位置決めされる、コントローラによって制御されるために接続される代替液ポンプアクチュエータを含む第1の追加の実施形態を含む。第1の実施形態の変形形態は、該手続き型データによって定義される方法によれば、該コントローラが、処置装置を通る等しい流量を達成するために動脈及び静脈ポンプアクチュエータを制御するとき、コントローラが、動脈及び静脈ラインを介してを除き、血液回路の中への及び血液回路の中からの流れを遮断するために代替液ポンプアクチュエータを制御する、第1の追加の実施形態を含む。第1の実施形態の変形形態は、受入れアダプタが、薬物のソースを、該血液回路内を流れる血液への該血液回路注入に接続する代替液ラインを係合するように位置決めされる、コントローラによって制御されるために接続される薬物ポンプアクチュエータを含む第1の追加の実施形態を含む。第1の実施形態の変形形態は、該手続き型データによって定義される方法によれば、該コントローラが、処置装置を通る等しい流量を達成するために動脈及び静脈ポンプアクチュエータを制御するとき、コントローラが、動脈及び静脈ラインを介して、血液回路の中への及び中からの流れを遮断するために薬物ポンプアクチュエータを制御する第1の追加の実施形態を含む。
【0159】
第2の実施形態によれば、開示された主題は、流体回路内で流量を制御するための器具を含む。器具は、ポンピングアクチュエータ、センサ、少なくとも1つのフローレギュレータを有する処置機械を有する。処置機械は、ポンピングアクチュエータ及び少なくとも1つのフローレギュレータを制御し、処置モードで療法治療を実施するためにセンサから信号を受信し、同期モードで同期を実行するために接続されたコントローラを有する。処置機械は、すべて流体回路によって相互接続された第1の及び第2の流体ライン並びに他の流体ラインを含む複数の流体ラインを有する所定の流体回路を受け入れるように適応され、流体ラインのそれぞれは、処置モード中に流体を移動させるために使用される。少なくとも1つのフローレギュレータは、該流量ラインのうちのそれぞれ1つの内の流れを選択的に遮断するために配置される。複数のポンプアクチュエータは、それぞれ、流体を選択的に送り込む、又は該流体ラインのうちのそれぞれ1つのうちの流れを遮断するために配置され、ポンプアクチュエータの第1及び第2は、第1の及び第2の流体ラインと係合される。コントローラは、同期モード中、
・複数のポンプの第1の及び第2のポンプアクチュエータに、第1の流体ラインと第2の流体ラインとの間で流体を流すように命令し、
・第1の流体ラインと第2の流体ラインとの間の固定容積流路を画定するために、第1の及び第2の流体ライン以外の複数の流体ライン内で流れを遮断し、
・固定容積流路内の一定圧力を達成する該第1の及び第2のポンプアクチュエータの相対速度を推定するために、センサのうちの圧力センサに対応して第1の及び第2のポンプアクチュエータの相対速度を調整する
ようにプログラムされる。
【0160】
コントローラは、該制御パラメータに応えて該ポンプアクチュエータの相対速度を命令することによって、該相対速度に応えて制御パラメータを計算し、処置モード間、他の流体を通る正味流体を調整するようにさらにプログラムされる。
【0161】
第2の実施形態の変形形態は、流体ラインのうちのいくつかが処置装置によって相互接続される第2の追加の実施形態を含む。第2の実施形態の変形形態は、第1の及び第2の流体ラインが処置装置によって相互接続される第2の追加の実施形態を含む。第2の実施形態の変形形態は、処置装置が透析器である第2の追加の実施形態を含む。第2の実施形態の変形形態は、流体ラインのうちの少なくとも1つが薬物を保管する容器に接続される第2の実施形態を含む。第2の実施形態の変形形態は、流体ラインのうちの少なくとも1つが代替液を保管する容器に接続される第2の追加の実施形態を含む。第2の実施形態の変形形態は、処置装置が透析器であり、該第1の流体ラインが未使用透析液ラインであり、該第2の流体ラインが使用済透析液流体ラインである第2の追加の実施形態を含む。第2の実施形態の変形形態は、第1の及び第2の流体ラインが、処置装置によって相互接続され、他の流体ラインのうちの少なくとも2つが処置装置に接続される血液ラインであり、血液ラインが膜を通して第1の及び第2の流体ラインと相互接続される第2の追加の実施形態を含む。第2の実施形態の変形形態は、血液ラインがそれぞれのポンプアクチュエータにより係合される第2の追加の実施形態を含む。
【0162】
第2の実施形態の変形形態は、第1の及び第2の流体ラインが、それぞれポンプアクチュエータ及び弁アクチュエータによって係合される第2の追加の実施形態を含む。第2の実施形態の変形形態は、第1の及び第2の流体ラインが処置装置によって相互接続された血液ラインであり、他の流体ラインのうちの少なくとも2つが、処置装置に接続された薬剤ラインであり、血液ラインが膜を通して薬剤ラインに相互接続される第2の追加の実施形態を含む。第2の実施形態の変形形態は、薬剤ラインがそれぞれのポンプアクチュエータによって係合される第2の追加の実施形態を含む。第2の実施形態の変形形態は、薬剤ラインが、それぞれポンプアクチュエータ及び弁アクチュエータによって係合される追加の第2の実施形態を含む。第2の実施形態の変形実施形態は、第1の及び第2の流体ライン並びに他の流体ラインのうちの少なくとも1つが、処置装置によって相互接続される追加の第2の実施形態を含む。第2の実施形態の変形形態は、第1の及び第2の流体ライン並びに他の流体ラインのうちの少なくとも2つが処置装置によって相互接続される追加の第2の実施形態を含む。第2の実施形態の変形形態は、第1の及び第2の流体ライン並びに他の流体ラインのうちの少なくとも2つが処置装置によって相互接続され、少なくとも2つが、未使用薬剤及び使用済薬剤を移送するために接続される追加の第2の実施形態を含む。第2の実施形態の変形形態は、制御パラメータが、第1の及び第2のポンプアクチュエータの命令された相対速度の調整を定義する追加の第2の実施形態を含む。第2の実施形態の変形形態は、他の流体ラインが、血液ラインに接続された少なくとも1つの代替液ラインを含む追加の第2の実施形態を含む。第2の実施形態の変形形態は、他の流体ラインが、血液ラインに接続された少なくとも1つの薬物流体ラインを含む追加の第2の実施形態を含む。第2の実施形態の変形形態は、第1の及び第2の流体ラインが、患者に戻される患者からの血液又は処置装置に供給され、処置装置から引き出される薬剤のどちらかの連続流路を形成する追加の第2の実施形態を含む。第2の実施形態の変形形態は、第1の、第2の、又は他の流体ラインのいずれも、そこを通って流体を流すための同期モード中に排他的に使用されない追加の第2の実施形態を含む。第2の実施形態の変形形態は、第1の、第2の、又は他の流体ラインが、処置モード中に血液、薬剤、又は薬物のうちの少なくとも1つを運び、それにより同期モードに対して追加の流体ラインが必要とされない追加の第2の実施形態を含む。
【0163】
第3の実施形態によれば、開示される主題は、それぞれ血液コンパートメント及び処置流体コンパートメント、血液処置装置血液コンパートメントを通して流体を流すために接続された血液ポンプ、及び処置装置血液コンパートメントの中への及び中からの圧力を示す入口及び出口圧力センサを有する、血液処置装置へ及び血液処置流体から処置流体を流すために接続された未使用処置流体ポンプ及び使用済処置流体ポンプを制御するために接続されたコントローラを有する血液処置機械を含む。コントローラは、方法を実装するようにプログラムされる。方法は、データストアに動作条件を記憶することを含み、動作条件は、処置装置内のターゲット平均血液圧力及び処置流体ポンプのターゲット流量の組合せを含む。方法は外側制御ループをさらに含み、該外側制御ループに従って、平均血圧のそれぞれに対して、コントローラが、処置流体ポンプがオフの状態で、血液ポンプにそれぞれのターゲット平均血圧で処置装置血液コンパートメントを通してプライミング流体を循環させるように命令し、測定された実際の平均血液コンパートメント圧力を処置装置に記録し、平均が入口及び出口圧力センサによって示される。外側制御ループに埋め込まれる場合がある内側制御ループに従って、記憶されている動作条件の現在のターゲット血圧に対応する処置流体ポンプターゲット流量のそれぞれに対して、コントローラは、処置流体ポンプに、それぞれのターゲット処置流体流量で処置装置処置流体コンパートメントを通して流体を循環させるように命令し、均一にされた流量及び該記録された測定済みの実際の平均血圧に等しい入口及び出口圧力センサにより示される平均圧力の平衡状態を達成するために未使用処置流体ポンプ及び使用済処置流体ポンプの絶対速度及び相対速度を制御し、同期データが処置流体ポンプの命令速度及び平衡状態に対応する入口及び出口圧力センサによる表示を含むことを記録する。方法は、関数、又は関数の同等物(以後、オペレータ)を、命令された未使用処置流体ポンプ及び使用済処置流体ポンプのうちの一方のスレーブ速度を命令された未使用処置流体ポンプ及び使用済処置流体ポンプの他方のマスタ速度並びに入口及び出口圧力センサの記録された表示の平均の組合せに関連付ける同期データにフィッティングさせることを含む。
【0164】
第3の実施形態の変形形態は、方法が、オペレータに応えて患者の体液平衡を制御することをさらに含む追加の第3の実施形態を含む。第3の実施形態の変形形態は、患者の体液平衡を制御することが、該オペレータに応えて該未使用処置流体ポンプ及び使用済処置流体ポンプの速度の比率を制御することを含む追加の第3の実施形態を含む。第3の実施形態の変形形態は、命令された未使用処置流体ポンプ及び使用済処置流体ポンプ速度の次元が単位時間あたりの回転である、該1つの寸法が追加の第3の実施形態を含む。第3の実施形態の変形形態は、患者の体液平衡を制御することが、処方から未使用処置流体ポンプ及び使用済処置流体ポンプの速度又は流量を読み取ることと、該読み取られた速度に応えて該未使用処置流体ポンプ及び使用済処置流体ポンプに対するコマンドを生成することと、該オペレータに応えて該未使用処置流体ポンプ及び使用済処置流体ポンプの速度の比率を制御することを含む、追加の第3の実施形態を含む。第3の実施形態の変形形態は、患者の体液曳航を制御することが、処方から未使用処置流体ポンプ及び使用済処置流体ポンプの速度又は流量を読み取ることと、該読み取られた速度により示される現在の命令速度で命令された未使用処置流体ポンプ及び使用済処置流体ポンプの他方を操作するコマンドを生成し、現在の命令速度を該オペレータに適用することと、入口及び出口圧力センサによって示される現在の測定された平均血液コンパートメント圧力を計算し、該現在測定された平均を該オペレータに適用することと、該オペレータの出力に応えて該未使用処置流体ポンプ及び使用済処置流体ポンプのうちの1つを制御することとを含む、追加の第3の実施形態を含む。第3の実施形態の変形形態は、患者の体液平衡を制御することが、入口及び出口圧力センサによって示される新規に計算された平均血液コンパートメント圧力が、従前に計算された現在の測定された平均血液コンパートメント圧力に等しくなるまで、命令された未使用処置流体ポンプ及び使用済処置流体ポンプのうちの一方の速度をフィードバック制御することを含む、追加の第3の実施形態を含む。第3の実施形態の変形形態は、患者の体液平衡を制御することが、限外ろ過液量に応えて限外ろ過データを読み取り、該限外ろ過データに応えて未使用処置流体ポンプ及び使用済処置流体ポンプの速度の比率を変更することをさらに含む、追加の第3の実施形態を含む。
【0165】
第4の実施形態によれば、開示される主題は、流体回路内で流量を制御するための器具を含む。処置機械は、フローレギュレータ及びセンサを有し、フローレギュレータはポンピングアクチュエータを含む。処置機械は、フローレギュレータを制御し、センサから信号を受信して、所定の流体回路がフローレギュレータ及びセンサと操作係合して接続されるとき、血液及び処置流体の流れを調整することによって療法治療を実施するために接続されたコントローラを有する。所定の流体回路は、流体回路によってすべて相互接続される第1の及び第2の流体ライン並びに他の流体ラインを含んだ複数の流体ラインを有し、流体ラインのそれぞれは、療法治療を実施するために処置モード中に流体を移送するために使用される。フローレギュレータは、第1の及び第2のポンピングアクチュエータが、流量ラインのうちの第2の流量ラインを相互接続する固定容積チャネル内の流体を送り込み、固定容積チャネルが、流体ラインのうちの第1の流体ラインによって部分的に密封されるように、連続的に流体ラインのうちの第2の流体ラインに通して流体を選択的に送り込みながら、流体ラインの第1の流体ライン内で流れを選択的に遮断するために、その同期モード中にコントローラによって制御される。コントローラは、同期モード中、固定容積チャネル全体での等しい流量に対応し、コントローラがコントローラの処置モード中に第1の及び第2のポンピングアクチュエータによって流量の所定の比率を実装できるようにする1つ以上の制御パラメータを導き出す、第1の及び第2のポンピングアクチュエータの命令速度を推定するために、センサのうちの少なくとも1つに応えて第1の及び第2のポンピングアクチュエータの相対速度を調整する。フローレギュレータは、処置モード中に、1つ以上の制御パラメータに応えて第1のポンプアクチュエータの相対速度を命令することによって、流体ラインのうちの第2の流体ラインを通る正味流量を制御するためにコントローラによって制御される。
【0166】
その追加の実施形態では、第4の実施形態は、第1の及び第2の流体ラインのうちのいくつかが処置装置によって相互接続される実施形態を含む。その追加の実施形態では、第4の実施形態は、第1の流体ラインが血液ラインであり、第1の及び第2のポンピングアクチュエータが動脈血ポンピングアクチュエータ及び静脈血ポンピングアクチュエータである実施形態を含む。その追加の実施形態では、第4の実施形態は、処置装置が透析器である実施形態を含む。その追加の実施形態では、第4の実施形態は、流体ラインのうちの少なくとも1つが薬物を保管する容器に接続される実施形態を含む。その追加の実施形態では、第4の実施形態は、流体ラインのうちの少なくとも1つが代替液を保管する容器に接続される実施形態を含む。その追加の実施形態では、第4の実施形態は、処置装置が透析器であり、第2の流体ラインがそれぞれ未使用透析液ライン使用済透析液流体ラインである実施形態を含む。その追加の実施形態では、第4の実施形態は、第1の及び第2の流体ラインが処置装置によって相互接続され、第2の流体ラインが血液ラインであり、第1の及び第2のポンピングアクチュエータが未使用処置流体血液ポンピングアクチュエータ及び使用済処置流体血液ポンピングアクチュエータである実施形態を含む。その追加の実施形態では、第4の実施形態は、第1の流体ラインが、処置装置の膜によって第2の流体ラインから分離される実施形態を含む。その追加の実施形態では、第4の実施形態は、同期モード中、第1の及び第2のポンピングアクチュエータが、複数の大きさの等しい流量を達成するために第1の及びお第2のポンピングアクチュエータの相対速度を調整することによって、複数の1つ以上の制御パラメータを生成するために複数の速度で操作される実施形態を含む。その追加の実施形態では、第4の実施形態は、センサが圧力センサを含む実施形態を含む。その追加の実施形態では、第4の実施形態は、圧力センサからの信号に対応する圧力データが同期モード中に記録され、少なくとも1つの制御パラメータに含められ、圧力信号が、同期モード及び処置モード中の圧力データと圧力信号の差の原因となり、第1の及び第2のポンピングアクチュエータのうちの少なくとも1つの命令速度を生成するためにコントローラによって使用される実施形態を含む。その追加の実施形態では、第4の実施形態は、センサが重量センサを含み、コントローラが、重量センサから第2の流体ライン内の等しい流量を決定する実施形態を含む。その追加の実施形態では、第4の実施形態は、コントローラが、重量センサにより示される重量が不変である状態から、第2の流体ライン内の等しい流量を決定する実施形態を含む。その追加の実施形態では、第4の実施形態は、センサが圧力センサを含み、コントローラが、圧力センサから第2の流体ライン内の等しい流量を決定する実施形態を含む。その追加の実施形態では、第4の実施形態は、コントローラが、重量センサにより示される圧力が不変である状態から第2の流体ライン内の等しい流量を決定する実施形態を含む。その追加の実施形態では、第4の実施形態は、フローレギュレータが、第1の流体ラインのうちの1つと係合する少なくとも1つの制御弁を調整する実施形態を含む。その追加の実施形態では、第4の実施形態は、フローレギュレータが、第1の流体ラインのうちの1つと係合する第3のポンピングアクチュエータを含み、第3のポンピングアクチュエータが、第1の流体ラインのうちの1つで流れを妨げるために同期モード中に停止する実施形態を含む。その追加の実施形態では、第4の実施形態は、コントローラは、所定の間隔の間、固定容積チャネル全体で等しい流量を確立する実施形態を含む。その追加の実施形態では、第4の実施形態は、コントローラは、センサのうちの少なくとも1つのセンサから、水力のモデルを動的データにフィッティングさせることによって固定容積チャネル全体で等しい流量を確立することなく少なくとも1つの制御パラメータを導き出す実施形態を含む。その追加の実施形態では、第4の実施形態は、同期モード中、コントローラが、流量パラメータを生成するために第1の及び第2のポンピングアクチュエータのうちの少なくとも1つによって生成される流量を測定し、少なくとも1つの制御パラメータが流量パラメータに対応するデータを含む、実施形態を含む。その追加の実施形態では、第4の実施形態は、第1の流体ラインが、それぞれ第3及び第4のポンピングアクチュエータを係合し、第3の及び第4のポンピングアクチュエータが、第1の流体ラインのうちの1つで流れを妨げるために同期モード中停止する、実施形態を含む。
【0167】
第5の実施形態によると、開示される主題は、流体回路内で流量を制御するための器具を含む。フローレギュレータ及びセンサを有する処置装置、フローレギュレータは、第1の及び第2のポンピングアクチュエータを含んだポンピングアクチュエータを含む。処置機械は、フローレギュレータを制御し、所定の流体回路がフローレギュレータ及びセンサと操作係合して接続されるとき、血液及び処置流体の流れを調整することによって、療法治療を実施するためにセンサから信号を受信するために接続されたコントローラを有する。所定の流体回路は、流体回路の処置装置によってすべて相互接続された第1の及び第2の流体ラインを含んだ複数の流体ラインを有し、流体ラインのそれぞれは、療法治療を実施するために治療モード中に流体を輸送するために使用される。治療装置は、第1の流体ラインに接続された第1のコンパートメント及び第2の流体ラインに接続された第2のコンパートメントを有し、第1の及び第2のコンパートメントは、その間の流れのために接続される。フローレギュレータは、その同期モード中の第1のときに、第1の流量で第1の流体ラインを通して流体を送り込み、第1の又は第2のコンパートメントの圧力を示すセンサからの圧力信号に応えて第1のデータを記憶しながら、第1の及び第2のポンピングアクチュエータを停止させることにより第2の流体ライン内の流れを選択的に遮断するためにコントローラによって制御される。フローレギュレータは、同期モード中の第2のときに、第1のデータと圧力信号の所定の関係を生じさせるために効果的な第1の及び第2のポンピングアクチュエータの命令速度を推定するために圧力信号に応えて第1の及び第2のポンピングアクチュエータの関連する速度を調整するために、並びに所定の関係が第1の流量で存在するとき、第1の及び第2のポンピングアクチュエータの速度の関係を示す少なくとも1つの第1の制御パラメータを計算し、記録するためにコントローラによって制御される。コントローラは、処置モード中、流量の所定の比率を実装するために少なくとも1つの第1の制御パラメータに応えて第1の及び第2のポンピングアクチュエータを制御する。
【0168】
その追加の実施形態では、第5の実施形態は、所定の関係が、圧力信号及び第1のデータによって示される圧力の同等である実施形態を含む。その追加の実施形態では、第5の実施形態は、フローレギュレータが、その同期モード中の第3のときに、第2の流量で第1の流体ライラインを通して流体を選択的に送り込みながら、第1の及び第2のポンピングアクチュエータを停止させることによって第2の流体ラインで流れを選択的に遮断するために、並びに圧力信号に応えて第2のデータを記憶するためにコントローラによって制御される実施形態を含む。フローレギュレータは、圧力信号に応えて第1の及び第2のポンピングアクチュエータの相対速度を調整して、第2のデータと圧力信号の所定の関係を生じさせるのに効果的な第1の及び第2のポンピングアクチュエータの命令速度を推定するために、並びに所定の関係が第2の流量で存在するときに第1の及び第2のポンピングアクチュエータの速度の関係を示す少なくとも1つの第2の制御パラメータを計算し、記録するために、同期モード中、第4のときにコントローラによって制御される。コントローラは、少なくとも1つの第1の制御パラメータ及び少なくとも1つの第2の制御パラメータに応えて少なくとも1つの第3の制御パラメータを計算し、第2の流体ラインで、処置モード中に所定の流量比を生じさせるために第3の制御パラメータに応えて第1の及び第2のポンピングアクチュエータを制御する。
【0169】
その追加の実施形態では、第5の実施形態は、第1の又は第2のコンパートメントが第1のコンパートメントである実施形態を含む。その追加の実施形態では、第2のコンパートメントが第2のコンパートメントである第5の実施形態は、実施形態を含む。その追加の実施形態では、第5の実施形態は、第1の及び第2の流体ラインのうちのいくつかが、処置装置によって相互接続される実施形態を含む。その追加の実施形態では、第5の実施形態は、第1の流体ラインが血液ラインであり、第2のラインが薬剤ラインである実施形態を含む。その追加の実施形態では、第5の実施形態は、第2の流体ラインが血液ラインであり、第1の流体ラインが薬剤ラインである実施形態を含む。その追加の実施形態では、第5の実施形態は、流体ラインのうちの少なくとも1つが、薬物を保管する容器に接続される実施形態を含む。その追加の実施形態では、第5の実施形態は、流体ラインのうちの少なくとも1つが、代替液を保管する容器に接続される実施形態を含む。その追加の実施形態では、第5の実施形態は、処置装置が透析器であり、第1の及び第2の流体ラインが、それぞれ未使用透析液ライン使用済透析液流体ラインである実施形態を含む。その追加の実施形態では、第5の実施形態は、第1の及び第2の流体ラインが処置装置によって相互接続され、第2の流体ラインが血液ラインであり、第1の及び第2のポンピングアクチュエータが未使用処置流体血液ポンピングアクチュエータ及び使用済処置流体血液ポンピングアクチュエータである実施形態を含む。その追加の実施形態では、第5の実施形態は、第1の流体ラインが、少なくとも使用済のそこを通る流れを可能にする処置装置の膜によって第2の流体ラインから分離される実施形態を含む。その追加の実施形態では、第5の実施形態は、圧力信号に対応する圧力データが、同期モード中に記録され、少なくとも1つの第1の制御パラメータに含められ、圧力信号が、同期モード及び処置モード中の圧力データと圧力信号の差の原因となり、第1の及び第2のポンピングアクチュエータのうちの少なくとも1つの命令速度を生成するためにコントローラによって使用される、実施形態を含む。その追加の実施形態では、第5の実施形態は、第1の及び第2の流体ラインが処置装置によって相互接続され、第2の流体ラインが血液ラインであり、第1の及び第2のポンピングアクチュエータが、未使用処置流体血液ポンピングアクチュエータ及び使用済処置流体血液ポンピングアクチュエータである、実施形態を含む。その追加の実施形態では、第5の実施形態は、第1の流体ラインが、そこを通る少なくとも水の流れを可能にする処置装置の膜によって第2の流体ラインから分離される実施形態を含む。その追加の実施形態では、第5の実施形態は、圧力信号に対応する圧力データが、同期モード中に記録され、少なくとも1つの第3の制御パラメータに含められ、圧力信号が、同期モード及び処置モード中の圧力データと圧力信号の差の原因となり、第1の及び第2のポンピングアクチュエータのうちの少なくとも1つの命令速度を生成するためにコントローラによって使用される実施形態を含む。その追加の実施形態では、第5の実施形態は、流体ラインのうちの少なくとも1つが薬物を保管する容器に接続される実施形態を含む。その追加の実施形態では、第5の実施形態は、流体ラインのうちの少なくとも1つが、代替液を保管する容器に接続される実施形態を含む。その追加の実施形態では、第5の実施形態は、処置装置が透析器であり、第2の流体ラインが、それぞれ未使用透析液ライン使用済透析液流体ラインである、実施形態を含む。その追加の実施形態では、第5の実施形態は、第1の及び第2の流体ラインが処置装置によって相互接続され、第2の流体ラインが血液ラインであり、第1の及び第2のポンピングアクチュエータが、未使用処置流体血液ポンピングアクチュエータ及び使用済処置流体血液ポンピングアクチュエータである実施形態を含む。その追加の実施形態では、第5の実施形態は、第1の流体ラインが、そこを通る少なくとも水の流れを可能にする処置装置の膜によって第2の流体ラインから分離される実施形態を含む。その追加の実施形態では、第5の実施形態は、圧力信号に対応する圧力データが同期モード中に記録され、少なくとも1つの第1の制御パラメータに含められ、圧力信号が、同期モード及び処置モードの間の圧力データと圧力信号の差の原因となり、第1の及び第2のポンピングアクチュエータのうちの少なくとも1つの命令速度を生成するためにコントローラによって使用される実施形態を含む。その追加の実施形態では、第5の実施形態は、第1の及び第2の流体ラインが処置装置によって相互接続され、第2の流体ラインが血液ラインであり、第1の及び第2のポンピングアクチュエータが、未使用処置流体血液ポンピングアクチュエータ及び使用済処置流体血液ポンピングアクチュエータである実施形態を含む。その追加の実施形態では、第5の実施形態は、第1の流体ラインが、そこを通る少なくとも水の流れを可能にする処置装置の膜によって第2の流体ラインから分離される実施形態を含む。その追加の実施形態では、第5の実施形態は、圧力信号に対応する圧力データが同期モード中に記録され、少なくとも1つの第3の制御パラメータに含められ、圧力信号が、同期モード及び処置モード中の圧力データと圧力信号の差の原因となり、第1の及び第2のポンピングアクチュエータのうちの少なくとも1つの命令速度を生成するためにコントローラによって使用される実施形態を含む。その追加の実施形態では、第5の実施形態は、第1の及び第2の流量が、処置モード中の流量に特有となるために選択される実施形態を含む。その追加の実施形態では、第5の実施形態は、少なくとも1つの第3の制御パラメータが、速度及び圧力データにフィッティングされた関数又はルックアップテーブルのパラメータである実施形態を含む。その追加の実施形態では、コントローラが、流れがそこを通って確立されるときに第1の又は第2のコンパートメント内の圧力をコントのローラによって制御できるようにする流量制限器に接続され、コントローラが、第3の制御パラメータを計算するためにコントローラによって使用される第1の又は第2のコンパートメント内の種々の組合せ及び圧力及び流量に応えて、追加の制御パラメータを生成する第5の実施形態は、実施形態を含む。その追加の実施形態では、第5の実施形態は、コントローラが、処置モードを最初に確立した後のイベントに応えて同期モードを再確立し、次いで新しい少なくとも1つの第1の制御パラメータで処置モードを再確立する実施形態を含む。その追加の実施形態では、第5の実施形態は、イベントが、処置モードの初期確立以後の時間の所定の間隔の経過を含む実施形態を含む。その追加の実施形態では、第5の実施形態は、予測される比率が、所定の限外ろ過率に対応し、イベントが、所定の限外ろ過率の変化を含む実施形態を含む。その追加の実施形態では、第5の実施形態は、第1の流体ラインが血液ラインであり、第2のラインが薬剤ラインである、又は第2の流体ラインが血液ラインであり、第1のラインが薬剤ラインであり、イベントが、血液ラインのうちの少なくとも1つにおける変化圧力を含む実施形態を含む。その追加の実施形態では、第5の実施形態は、第1の流体ラインが血液ラインであり、第2のラインが薬剤ラインである、又は第2の流体ラインが血液ラインであり、第1のラインが薬剤ラインであり、イベントが薬剤ラインのうちの少なくとも1つでの変化圧力を含む実施形態を含む。その追加の実施形態では、第5の実施形態は、イベントは、同期モードを再確立するためにコントローラによるユーザインタフェースからのコマンドの受取りを含む実施形態を含む。その追加の実施形態では、第5の実施形態は、イベントが、その間に処置モードが少なくとも所定の期間停止された警報及び回復モードの完了を含む実施形態を含む。その追加の実施形態では、第5の実施形態は、イベントが、少なくとも1つの第1の及び第2のポンピングアクチュエータによって生成される絶対流量の変化を含む実施形態を含む。その追加の実施形態では、第5の実施形態は、イベントが、流体回路の構成要素の変更のための停止後の処置モードの再確立を含む実施形態を含む。その追加の実施形態では、第5の実施形態は、コントローラが処置モードを最初に確立した後にイベントに応えて同期モードを再確立し、次いで新しい少なくとも1つの第1の制御パラメータで処置モードを再確立する実施形態を含む。その追加の実施形態では、第5の実施形態は、イベントが、処置モードの初期の確立以後の時間の所定の間隔の経過を含む実施形態を含む。その追加の実施形態では、第5の実施形態は、所定の比率は所定の限外ろ過率に対応し、イベントが所定の限外ろ過率の変化を含む実施形態を含む。その追加の実施形態では、第5の実施形態は、第1の流体ラインが血液ラインであり、第2のラインが薬剤ラインである、又は第2の流体ラインが血液ラインであり、第1のラインが薬物ラインであり、イベントが血液ラインのうちの少なくとも1つの変化圧力を含む実施形態を含む。その追加の実施形態では、第5の実施形態は、第1の流体ラインが血液ラインであり、第2のラインが薬物ラインである、又は第2の流体ラインが血液ラインであり、第1のラインが薬物ラインであり、イベントが、薬物ラインのうちの少なくとも1つの変化圧力を含む実施形態を含む。その追加の実施形態では、第5の実施形態は、イベントが、コントローラのユーザインタフェースからの同期モードを再確立するコマンドの受取りを含む実施形態を含む。その追加の実施形態では、第5の実施形態は、イベントが、処置モードが少なくとも所定の期間停止された警報及び回復モードの完了を含む実施形態を含む。その追加の実施形態では、第5の実施形態は、イベントが、少なくとも1つの第1の及び第2のポンピングアクチュエータによって生成される絶対流量の変化を含む実施形態を含む。その追加の実施形態では、第5の実施形態は、イベントが、流体回路の構成要素の変化のための停止後の処置モードの再確立を含む実施形態を含む。その追加の実施形態では、第5の実施形態は、同期モードが、処置モードに先立って血液回路のプライミング中に発生する実施形態を含む。その追加の実施形態では、第5の実施形態は、第1の流量が、処置モード中に第1の流量ラインを通る流れのために規定される速度に等しい実施形態を含む。その追加の実施形態では、第5の実施形態は、第1の及び第2のポンピングアクチュエータの速度が、処置モード中に第2の流体ラインを通る流れのために規定される処置流体流量に対応する実施形態を含む。その追加の実施形態では、第5の実施形態は、第1の及び第2のポンピングアクチュエータの速度が、処置モード中に第2の流体ラインを通る流れのために規定される処置流体流量に対応する実施形態を含む。その追加の実施形態では、第5の実施形態は、第1の流量が、処置モード中に第1の流体ラインを通る流れのために規定される速度に等しい実施形態を含む。その追加の実施形態では、第5の実施形態は、第1の及び第2のポンピングアクチュエータの速度が、処置モード中に第2の流体ラインを通る流れのために規定される処置流体流量に対応する実施形態を含む。その追加の実施形態では、第5の実施形態は、第1の及び第2のポンピングアクチュエータの速度が、処置モード中に第2の流体ラインを通る流れのために規定される処置流体流量に対応する実施形態を含む。その追加の実施形態では、第5の実施形態は、コントローラが、第1のとき及び第2のときのうちの少なくとも1つで存在し、コロイド浸透膜の表示として圧力の差を出力する第1のコンパートメントと第2のコンパートメントの間の圧力の差を記憶する実施形態を含む。その追加の実施形態では、第5の実施形態は、コントローラが、第1のとき及び第2のときのうちの少なくとも1つに存在する、第1のコンパートメントと第2のコンパートメントとの間の圧力の差を記憶し、コントローラが、圧力の差に応えて第
1の制御パラメータを計算する実施形態を含む。その追加の実施形態では、第5の実施形態は、コントローラが、第1のとき及び第2のときのうちの少なくとも1つに存在する第1のコンパートメントと第2のコンパートメントとの間の圧力の差を記憶し、圧力の差に応えて診断パラメータを計算し、診断パラメータを出力する実施形態を含む。その追加の実施形態では、第5の実施形態は、診断パラメータが患者の血液ヘマトクリットを含む実施形態を含む。その追加の実施形態では、第5の実施形態は、診断パラメータが患者の水位を含む実施形態を含む。
【0170】
第6の実施形態に従って、開示される主題は、流体回路内で流量を制御するための方法を含む。方法は、第1の流入及び流出ラインを、血液処置装置の血液コンパートメント及び非血液コンパートメントの一方に接続することを含む。方法は、第2の流入及び流出ラインを、血液処置装置の血液コンパートメント及び非血液コンパートメントの他方に接続することを含む。方法は、コントローラを使用することと、血液処置装置の血液コンパートメント及び非血液コンパートメントのうちの1つの中への流れを確立するために、第1の流入ラインに接続された第1の流入ポンプの速度を制御することとを含む。方法は、血液処置装置の血液コンパートメント及び非血液コンパートメントのうちの1つの中からの流れを確立するために第1の流出ラインに接続された第1の流出ポンプの速度を調整することと、血液コンパートメント及び非血液コンパートメントのうちの少なくとも1つの圧力を検出することであって、圧力が、血液コンパートメント及び非血液コンパートメントのうちの1つの中への及び中からの流れの速度の差の大きさを示す検出することとを含む。方法は、圧力に応えて流量制御パラメータを計算することを含む。方法は、その後、制御パラメータに応えて血液コンパートメントと非血液コンパートメントとの間の流体の正味移動を調整することを含む。
【0171】
その追加の実施形態では、第6の実施形態は、検出中に、第2の流入及び流出ラインを通って流体を流すことをさらに含む実施形態を含む。
【0172】
その追加の実施形態では、第6の実施形態は、検出中、第1の流入及び流出ライン並びに血液処置装置の血液コンパートメント及び非血液コンパートメントのうちの1つが、固定容積流路を構成する第2の流入及び流出ラインを通る流体の流れを遮断すること含むジ氏形態を含む。
【0173】
その追加の実施形態では、第6の実施形態は、圧力が、血液コンパートメントと非血液コンパートメントとの間の膜貫通移動の大きさを示す実施形態を含む。その追加の実施形態では、第6の実施形態は、圧力が、血液コンパートメントと非血液コンパートメントとの間の膜貫通移動の大きさを示し、計算することが、圧力を、血液コンパートメントと非血液コンパートメントとの間の膜貫通移動のゼロ大きさを示す所定の閾値圧力に比較することを含む実施形態を含む。その追加の実施形態では、第6の実施形態は、圧力が、血液コンパートメントと非血液コンパートメントとの間の膜貫通移動の大きさを示す実施形態を含む。計算することは、圧力を、血液コンパートメントと非血液コンパートメントとの間の膜貫通移動のゼロ大きさを示す所定の閾値圧力に比較することを含む。方法の変形形態は、血液コンパートメントと非血液コンパートメントとの間の移動を遮断しつつ、血液コンパートメントと非血液コンパートメントのうちの少なくとも1つの圧力を検出することによって、所定の閾値圧力を決定することをさらに含む。
【0174】
その追加の実施形態では、第6の実施形態は、圧力が、血液コンパートメントと非血液コンパートメントとの間の膜貫通移動の大きさを示す実施形態を含む。計算することは、圧力を、血液コンパートメントと非血液コンパートメントとの間の膜貫通移動のゼロ大きさを示す所定の閾値圧力に比較することを含む。方法は、血液コンパートメントと非血液コンパートメントとの間の移動を遮断しながら、且つ所定の流量で第2の流入及び流出ラインを通る流れを確立しながら、血液コンパートメント及び非血液コンパートメントのうちの少なくとも1つの圧力を検出することによって所定の閾値圧力を決定することをさらに含む。その追加の実施形態では、第6の実施形態は、コントローラが、読取り可能な命令に応えてデータを調整、検出、及び計算、並びに記憶するためにそれによって読取り可能な命令を有するデータストア付きの組込コンピュータを含む実施形態を含む。その追加の実施形態では、第6の実施形態は、制御パラメータは、スレーブポンプの命令速度を、そこを通る同一の流量と一致するマスタポンプの命令速度に関連付ける比例定数を含む実施形態を含む。その追加の実施形態では、第6の実施形態は、コントローラが、第1の流出ポンプが、第1の流入ポンプの流量よりも高い流量を生成するように、所定の限外ろ過流量及び制御パラメータに応えて第1の流出ポンプを調整する実施形態を含む。その追加の実施形態では、第6の実施形態は、コントローラが、圧力からの信号に応えて第1の流出ポンプの速度を連続的に更新する実施形態を含む。その追加の実施形態では、第6の実施形態は、血液コンパートメント及び非血液コンパートメントのうちの少なくとも1つの圧力が、第1の流入ラインでの圧力及び/又は第1の流出ラインでの圧力によって示される実施形態を含む。その追加の実施形態では、第6の実施形態は、圧力信号が、第1の流入ラインでの圧力及び第1の流出ラインでの圧力の平均である実施形態を含む。
【0175】
第7の実施形態によれば、開示される主題は、流体回路内で流量を制御するためのシステムを含む。血液処置機械は、コントローラを有し、コントローラは、プログラム可能で、流量制御装置、第1の流入ポンプ、第1の流出ポンプ、及び第2の流入ポンプを制御するために、並びに少なくとも1つの圧力センサから圧力信号を受信するために接続される。第1の流入及び流出ポンプは、血液処置装置の血液コンパートメント及び非血液コンパートメントのうちの中へ及び中から流体を流すために、それぞれ第1の流入ライン及び流出ラインと係合する。第2の流入ポンプは、血液コンパートメント及び非血液コンパートメントの他方の中に流体を流すために第2の流入ラインと係合され、流量制御装置は、血液コンパートメント及び非血液コンパートメントの他方の中から流体を流すために接続された第2の流出ラインと係合する。コントローラは、血液コンパートメント及び非血液コンパートメントのうちの少なくとも1つの内側の圧力を示す圧力信号を生成する少なくとも1つの圧力センサに接続され、圧力は、血液コンパートメント及び非血液コンパートメントのうちの1つの中へ及び中からの流れの速度間の差の大きさを示す。コントローラは、同期モードで、(1)第1の流出ラインに接続された第1の流出ポンプの速度を調整して、血液処置装置の血液コンパートメント及び非血液コンパートメントのうちの1つの中から流れを確立し、(2)圧力信号を使用して、圧力に応えて第1の流出ポンプの流量制御パラエータを計算するようにプログラムされる。コントローラは、それ以後、コントローラパラメタに応えて、血液コンパートメント及び非血液コンパートメントとの間の流体の正味移動を処置モードで調整するようにさらにプログラムされる。
【0176】
その追加の実施形態では、第7の実施形態は、検出中、第2の流入及び流出ラインを通って流体を流すことをさらに含む実施形態を含む。
【0177】
その追加の実施形態では、第7の実施形態は、検出中、第1の流入及び流出ライン並びに血液処置装置の血液コンパートメント及び非血液コンパートメントのうちの1つが、固定容積流路を構成するように第2の流入及び流出ラインを通る流体の流れを妨げることをさらに含む実施形態を含む。
【0178】
その追加の実施形態では、第7の実施形態は、圧力が、血液コンパートメントと非血液コンパートメントとの間の膜貫通移動の大きさを示す実施形態を含む。その追加の実施形態では、第7の実施形態は、圧力が、血液コンパートメントと非血液コンパートメントとの間の膜貫通移動の大きさを示し、計算することが、圧力を、血液コンパートメントと非血液コンパートメントとの間の膜貫通移動のゼロ大きさを示す所定の閾値圧力に比較することを含む実施形態を含む。その追加の実施形態では、第7の実施形態は、圧力が、血液コンパートメントと非血液コンパートメントとの間の膜貫通移動の大きさを示す実施形態を含む。計算することは、血液コンパートメントと非血液コンパートメントとの間の膜貫通移動のゼロ大きさを示す所定の閾値圧力に比較することを含む。システムは、さらに血液コンパートメントと非血液コンパートメントとの間の移動を遮断しつつ、血液コンパートメント及び非血液コンパートメントのうちの少なくとも1つの圧力を検出することによって、所定の閾値圧力を決定することをさらに含む。
【0179】
その追加の実施形態では、第7の実施形態は、圧力が血液コンパートメントと非血液コンパートメントとの間の膜貫通移動の大きさを示す実施形態を含む。計算することは、圧力を、血液コンパートメントと非血液コンパートメントとの間の膜貫通移動のゼロ大きさを示す所定の閾値圧力に比較することを含む。血液コンパートメントと非血液コンパートメントとの間の移動を遮断しながら、且つシステムは、所定の流量で第2の流入及び流出ラインを通る流れを確立しながら、血液コンパートメント及び非血液コンパートメントのうちの少なくとも1つの圧力を検出することによって所定の閾値圧力を決定することをさらに含む。その追加の実施形態では、第7の実施形態は、コントローラが、読取り可能な命令に応えてデータを調整、検出、及び計算、並びに記憶するためにそれによって読取り可能な命令を有するデータストア付きの組込コンピュータを含む実施形態を含む。その追加の実施形態では、第7の実施形態は、制御パラメータは、スレーブポンプの命令速度を、そこを通る同一の流量と一致するマスタポンプの命令速度に関連付ける比例定数を含む実施形態を含む。その追加の実施形態では、第7の実施形態は、コントローラが、第1の流出ポンプが、第1の流入ポンプの流量よりも高い流量を生成するように、所定の限外ろ過流量及び制御パラメータに応えて第1の流出ポンプを調整するようにさらにプログラムされる実施形態を含む。その追加の実施形態では、第7の実施形態は、コントローラが、処置モードで、圧力からの信号に応えて第1の流出ポンプの速度を連続的に更新するようにさらにプログラムされる実施形態を含む。その追加の実施形態では、第7の実施形態は、少なくとも1つの圧力センサが少なくとも2つであり、そのうちの1つが第1の流入ラインでの圧力を示し、そのうちのもう1つが第1の流出ラインの圧力を示す実施形態を含む。その追加の実施形態では、第7の実施形態は、圧力信号が、少なくとも2つからの信号の平均である実施形態を含む。
【0180】
第8の実施形態によれば、開示される主題は、血液処置流体回路内で流量を制御するための方法を含む。方法は、第2の流体ラインを通る流れを遮断しながら、血液処置装置を通る第2の流体ラインに接続された第1の流体ラインを連続的に通して流体を送り込むことを含む。送り込むことは、ポンピングアクチュエータの速度を制御するためにコントローラを使用することを含み、ポンピングアクチュエータのそれぞれが、第1の流体ラインのうちのそれぞれの第1流体ラインを通る流量を決定する。第1の流体ラインは、血液ライン及び処置流体ラインのうちの一方であり、第2のラインは、血液ライン及び処置流体ラインの他方である。方法は、コントローラを使用し、第1の流体ライン内の流量と、ポンピングアクチュエータのうちの少なくとも1つの速度を示す速度データの差を示すセンサデータを検出することを含む。方法は、コントローラを使用し、速度及びセンサデータから1つ以上の制御パラメータを計算すること含み、1つ以上の制御パラメータは、差が所定の閾値以下であるポンピングアクチュエータのうちの少なくとも1つの速度を示す。方法は、1つ以上の制御パラメータに応えてポンピングアクチュエータのうちの少なくとも1つの速度を調整することによって、コントローラを使用し、血液処置装置への又はからの第1の流体ラインを通る流体の正味移動を調整することを含む。
【0181】
その追加の実施形態では、第8の実施形態は、検出すること及び計算することが同期モード中に実行され、調整することが処置モード中に実行される実施形態を含む。その追加の実施形態では、第8の実施形態は、計算することが、センサデータにより示されるターゲットの大きさを達成するためにセンサデータに応えてポンピングアクチュエータのうちの少なくとも1つをフィードバック制御することを含む実施形態を含む。
【0182】
その追加の実施形態では、第8の実施形態は、センサデータがデジタル化された圧力センサ信号からであり、圧力センサが血液処置装置内部の圧力を示す実施形態を含む。
【0183】
その追加の実施形態では、第8の実施形態は、第2の流体ラインが、血液透析流体回路の血液ラインである実施形態を含む。その追加の実施形態では、第8の実施形態は、血液処置装置が透析器である実施形態を含む。その追加の実施形態では、第8の実施形態は、調整することが、1つ以上の制御パラメータと所定の限外ろ過率の療法に応えて流体の正味移動を含み、これにより所定の限外ろ過率に等しい、第1の流体ラインを通る血液処置装置からの正味流量が確立される実施形態を含む。
【0184】
第9の実施形態によれば、開示される主題は、血液処置流体回路内で流量を制御するためのシステムを含む。血液処置機械は、血液処置装置に接続される第1の及び第2の流体ラインの対を有する流体回路と係合される。血液処置機械は、第1の流体ライン対の流量の差を示すセンサデータを生成するセンサを有する。血液処置機械は、センサに接続されたコントローラと、第1の及び第2のライン対及び第2の流体ライン対のうちの一方のラインを通して流体を送り込むポンピングアクチュエータと、第2の流体ライン対の他方のラインを通る流れを制御するフローレギュレータとを有する。コントローラは、第2の流体ライン対を通る流れを遮断しながら、血液処置装置を通る第2の流体ラインに接続された第1の流体ライン対を連続的に通して流体を送り込む。第1の流体ラインは、血液ライン及び処置流体ラインのうちの一方であり、第2のラインは、血液ライン及び処置流体ラインのうちの他方である。コントローラは、ポンピングアクチュエータのうちの少なくとも1つの速度を示す速度データだけではなくセンサデータも検出する。コントローラは、速度及びセンサデータから1つ以上の制御パラメータを計算し、1つ以上の制御パラメータは、差が所定閾値以下であるポンピングアクチュエータのうちの少なくとも1つの速度を示す。コントローラは、1つ以上の制御パラメータに応えてポンピングアクチュエータのうちの少なくとも1つの速度を調整することによって、血液処置装置への又はからの第1の流体ライン対を通る流体の正味移動を調整する。
【0185】
その追加の実施形態では、第9の実施形態は、検出すること及び計算することが、同期モード中に実行され、調整することが、処置モード中に実行される実施形態を含む。その追加の実施形態では、第9の実施形態は、計算することは、センサデータによって示されるターゲット大きさを達成するためにセンサデータに応じてポンピングアクチュエータのうちの少なくとも1つをフィードバック制御することを含む実施形態を含む。その追加の実施形態では、第9の実施形態は、センサデータがデジタル化された圧力センサ信号からであり、圧力センサが血液処置装置内部の圧力を示す実施形態を含む。その追加の実施形態では、第9の実施形態は、第2の流体ラインが血液透析流体回路の血液ラインである、実施形態を含む。その追加の実施形態では、第9の実施形態は、血液処置装置が透析器である実施形態を含む。その追加の実施形態では、第9の実施形態は、調整することが、1つ以上の制御パラメータと所定の限外ろ過率の療法に応じて流体の正味移動を含み、これにより所定の限外ろ過率に等しい、血液処置装置からの第1の流体ラインを通る正味流量が確立される実施形態を含む。その追加の実施形態では、第9の実施形態は、所定の閾値が、第1の流体ライン対に流れがないとき血液処置装置内の圧力である実施形態を含む。その追加の実施形態では、第9の実施形態は、第1の流体ライン対が、透析器のソース及びコレクタに接続される実施形態を含む。
【0186】
第10の実施形態によれば、開示される主題は、流体回路内で流量を制御するための方法を含む。方法は、独立調整される流入ポンプ及び流出ポンプによる処置中に排出される相対量を制御することによって、血液処置装置から引き出される流体を、血液処置装置への流体ポンプに対して平衡させることによって患者の正味限外ろ過を調整する血液処置システムに適用する。方法は、コントローラを使用し、試験モード中に、経時的に差を表す差データを記憶しながら、試験間隔にわたって連続的に流入ポンプ及び流出ポンプの流量の差を検出することを含む。方法は、コントローラを使用し、差を検出し、差データを生成しながら、差の最小値を確立することなく差を最小限に抑えるために流入及び流出ポンプのうちの少なくとも1つの速度を制御することを含む。方法は、差データの傾向から、差の最小値に相当する流入及び流出ポンプのうちの少なくとも1つの平衡速度を推測することによって、差データ並びに流入及び流出ポンプのうちの少なくとも1つの速度から、流入ポンプ及び流出ポンプのうちの少なくとも1つを調整するための制御パラメータを計算することを含む。方法は、制御パラメータに応えて流入及び流出容積ポンプを制御することによって患者への又は患者からの正味流量を制御することを含んだ処置を実行することを含む。
【0187】
その追加の実施形態では、第10の実施形態は、血液処置システムが透析システムである実施形態を含む。その追加の実施形態では、第10の実施形態は、流入及び流出ポンプのうちの少なくとも1つが、未使用透析液及び使用済みの透析液をそれぞれ送り込む実施形態を含む。その追加の実施形態では、第10の実施形態は、計算することは、差データから時間分解された移動平均を計算し、流量差対時間の曲線に時間分解された移動平均をフィッティングさせることを含む実施形態を含む。
【0188】
第11の実施形態によれば、開示される主題は、流体回路内で流量を制御するためのシステムを含む。独立調整される流入及び流出ポンプによる処置中に排出される相対量を制御することにより血液処置装置から引き出される流体を、血液処置装置の中への流体ポンプに対して平衡させることによって患者の正味限外ろ過を調整する血液処置システム。コントローラは、流入及び流出ポンプの流量の差を示すために適応されたセンサを有する。コントローラは、試験モード中、経時的に差を表す差データを記憶しながら、試験間隔にわたって連続的に流入及び流出ポンプの流量の差を検出する。コントローラは、差を検出し、差データを生成しながら差の最小値を確立することなく差を最小限に抑えるために、流入及び流出ポンプのうちの少なくとも1つの速度を制御する。コントローラは、差の最小値に相当する流入及び流出ポンプのうちの少なくとも1つの平衡速度を差データの傾向から推測することによって、差データ並びに流入及び流出ポンプのうちの少なくとも1つの速度から、流入ポンプ及び流出ポンプのうちの少なくとも1つを調整するための制御パラメータを計算する。コントローラは、制御パラメータに応えて流入及び流出容積ポンプを制御することによって患者への又はからの流体の正味流量を制御することを含んだ処置を実行する。
【0189】
その追加の実施形態では、第11の実施形態は、血液処置システムが透析システムである実施形態を含む。その追加の実施形態では、第11の実施形態は、流入ポンプ及び流出ポンプのうちの少なくとも1つが、未使用透析液及び使用済み透析液をそれぞれ送り込む実施形態を含む。その追加の実施形態では、第11の実施形態は、計算することが、差データから時間分解された移動平均を計算し、流量差対時間の曲線に時間分解された移動平均をフィッティングさせることを含む実施形態を含む。
【0190】
第12の実施形態によれば、開示される主題は、血液処置機械を含む。流入及び流出ポンプアクチュエータ及び少なくとも1つの圧力センサは、血液処置装置コントローラを有する接続された流体回路内の圧力を測定するための流体回路に接続可能であり、圧力センサは、流入及び流出ポンプアクチュエータの流量の差を示す。コントローラは、流入及び流出ポンプアクチュエータによる処置中に排出される相対量を達成するために流入及び流出ポンプアクチュエータの速度を独立して調整することにより、血液処置装置から引き出される流体を、血液処置装置の中への流体ポンプに対して平衡させることによって患者の選択正味限外ろ過を達成するために流入及び流出ポンプアクチュエータを調整する。コントローラは、試験モード中、経時的な差を表す差データを記憶しながら、試験間隔にわたって連続的に流入ポンプ及び流出ポンプの流量の差を検出する。コントローラは、差を検出し、差データを生成しながら、差の最小値を確立することなく差を最小限に抑えるために流入及び流出ポンプアクチュエータのうちの少なくとも1つの速度を制御する。コントローラは、圧力センサにより示される圧力の所定の一定の大きさに相当する流入及び流出ポンプアクチュエータのうちの少なくとも1つの平衡速度を差データの傾向から推測することによって、差データ並びに流入及び流出ポンプアクチュエータのうちの少なくとも1つの速度から、流入及び流出ポンプアクチュエータのうちの少なくとも1つを調整するための制御パラメータを計算する。コントローラは、制御パラメータに応えて流入及び流出容積ポンプを制御することによって患者への又はからの正味流量を制御する。
【0191】
その追加の実施形態では、第12の実施形態は、血液処置機械が透析サイクラである実施形態を含む。その追加の実施形態では、第12の実施形態は、計算することが、差データから時間分解された移動平均を計算し、流量差対時間の曲線に時間分解された移動平均をフィッティングさせることを含む実施形態を含む。
【0192】
第13の実施形態によれば、開示される主題は、流体回路内で流量を制御するための方法を含む。方法は、膜全体で膜貫通流れを妨げ、血液処置装置の中の検出された圧力に等しいターゲット圧力を検出し、記憶しながら、コントローラを使用し、所定の速度で膜を有する血液処置装置内に血液流れを確立することを含む。方法は、同期モード中、コントローラを使用し、ターゲット圧力と血液処置装置内部の検出された圧力の差に応えて流入及び流出処置流体ポンプの一方又は両方の速度をフィードバック制御し、流入及び流出処置流体ポンプの一方又は両方の結果として生じる速度から制御パラメータを計算することを含み、制御パラメータは、ゼロ膜貫通流れの条件下で流入及び流出処置流体ポンプの相対速度間の関係を示す。方法は、処置モード中、コントローラを使用し、制御パラメータに応えて流入及び流出処置流体ポンプそれぞれの相対速度を調整することによって血液処置装置を通る処置流体の流れを調整する。
【0193】
その追加の実施形態では、第13の実施形態は、フィードバック制御することは、ターゲット圧力と血液処置装置内の検出された圧力との差に対応する入口処置流体ポンプを制御することを含む実施形態を含む。その追加の実施形態では、第13の実施形態は、妨げることは、血液処置装置を通る処置流体の流れを妨げるために流入及び流出処置流体ポンプを停止させることを含む、実施形態を含む。その追加の実施形態では、第13の実施形態は、流入及び流出処置流体ポンプが、蠕動ポンプと含む実施形態を含む。その追加の実施形態では、第13の実施形態は、ターゲット圧力を検出することが、流入及び流出処置流体ポンプと血液処置装置との間のそれぞれの流体ラインの圧力を検出するために接続された圧力センサから圧力信号を受信し、平均化することを含む実施形態を含む。その追加の実施形態では、第13の実施形態は、ターゲット圧力を検出することが、流入及び流出処置流体ポンプと血液処置装置との間の流体ラインの圧力を検出するために接続された圧力センサから圧力信号を受信することを含む、実施形態を含む。
【0194】
その追加の実施形態では、第13の実施形態は、検出された圧力が、膜の処置流体側での圧力を示す圧力センサにより示される実施形態を含む。その追加の実施形態では、第13の実施形態は、制御パラメータに応じて流入及び流出処置流体ポンプの相対速度を調整することが、制御パラメータに対応し、所定の限外ろ過率に応じた速度よりも大きい流出処置流体ポンプの速度を確立することを含む、実施形態を含む。その追加の実施形態では、第13の実施形態は、制御パラメータに応じて流入及び流出処置流体ポンプの相対速度を調整することが、所定の限外ろ過率に比例する量、制御パラメータに対応する速度よりも大きい流出処置流体ポンプの速度を確立することを含む、実施形態を含む。
【0195】
その追加の実施形態では、第13の実施形態は、そこを通る一定の流量を維持するためにその入口圧力に応じて流出処置流体ポンプの速度を調整することを含み、流出処置流体ポンプが、その流れのボリュームレートが所与の速度に対し、入口圧力によって影響を及ぼされる種類である、実施形態を含む。
【0196】
第14の実施形態によれば、開示される主題は、流体回路内で流量を制御するための装置を含む。第1の及び第2の流体回路は、第1の及び第2の流体回路が膜で分離される交換装置によって結合される。コントローラは、第2のポンプの速度を制御することによって第1の流体回路を通る交換装置の中からの速度に対して第1のポンプの速度を制御することにより、第1の流体回路を通る交換装置の中への流れの速度を調整することによって第1の又は第2の流体回路間の膜貫通流れを制御する。第1のときに、コントローラは、膜全体で膜貫通流れを妨げ、交換装置の中で検出された圧力に等しいターゲット圧力を記憶しながら、第2の流体回路の流れを確立する。第1のときの後の第2のときに、コントローラは、ターゲット圧力と交換装置の内部で検出された圧力の差に応じて第1の及び第2のポンプの一方又は両方の速度をフィードバック制御し、流入及び流出処置流体ポンプの一方又は両方の結果として生じる速度から制御パラメータを計算し、制御パラメータは、ゼロ膜貫通流量の条件下で流入及び流出処置流体ポンプの相対速度間の関係を示す。コントローラはその後、制御パラメータに応じて第1の又は第2の流体回路間の膜貫通流量を制御することを調整する。
【0197】
その追加の実施形態では、第14の実施形態は、フィードバック制御することが、ターゲット圧力と交換装置内の検出された圧力の差に応じて入口処置流体ポンプを制御することを含む、実施形態を含む。その追加の実施形態では、第14の実施形態は、防ぐことが、第1の回路内の流体の流れを妨げるために第1の及び第2のポンプを停止させることを含む実施形態を含む。その追加の実施形態では、第14の実施形態は、第1の及び第2のポンプが蠕動ポンプを含む実施形態を含む。
【0198】
その追加の実施形態では、第14の実施形態は、フィードバック制御することが、第1の及び第2のポンプと交換装置との間のそれぞれの流体ラインの圧力を検出するために接続された圧力センサから圧力信号を受信し、平均化することを含む、実施形態を含む。その追加の実施形態では、第14の実施形態は、ターゲット圧力を検出することが、第1の及び第2のポンプのうちの1つと交換装置との間の流体ラインの圧力を検出するために接続された圧力センサから圧力信号を受信することを含む、実施形態を含む。
【0199】
その追加の実施形態では、第14の実施形態は、ターゲット圧力を検出することが、膜の処置流体側の圧力を示す圧力信号を受信することを含む、実施形態を含む。その追加の実施形態では、第14の実施形態は、制御パラメータに応じて流入及び流出処置流体ポンプの相対速度を調整することが、制御パラメータに対応し、所定の限外ろ過率に応じた速度よりも大きい流出処置流体ポンプの速度を確立することを含む、実施形態を含む。その追加の実施形態では、第14の実施形態は、制御パラメータに応じて流入及び流出処置流体ポンプの相対速度を調整することが、所定の限外ろ過率に比例する量、制御パラメータに対応する速度よりも大きい流出処置流体ポンプの速度を確立することを含む、実施形態を含む。
【0200】
その追加の実施形態では、第14の実施形態は、そこを通る一定の流量を維持するためにその入口圧力に応じて第2のポンプの速度を調整することを含み、第2のポンプが、その流れのボリュームレートが所与の速度に対し、入口圧力によって影響を及ぼされる種類である。
【0201】
第15の実施形態によれば、開示される主題は、流体回路内で流量を制御するためのシステムを含む。処置機械は、第1の、第2の、及び第3のポンピングアクチュエータと係合される流体回路を有する。処置機械は、第1、第2、及び第3のポンピングアクチュエータを制御して流体回路内でフロー流体を調整することによって治療処置を実行するために接続されたコントローラを有する。流体回路は、その第1のコンパートメントを介して第1の流体ラインを、及びその第2のコンパートメンを介して第2の流体ラインを相互接続する処置装置を有し、第1の及び第2のポンピングアクチュエータは、処置モード中の第1のコンパートメントと第2のコンパートメントとの間の流体の正味移動を制御し、圧力センサは、第1の及び/又は第2のコンパートメントの圧力を示す。第1の、第2の、及び第3のポンピングアクチュエータは、所定の流量で第2のコンパートメントを通して流体を送り込みながら、第1の流体ライン内で流れを遮断するために、及び圧力センサからの圧力信号に応えてターゲット圧力データを同時に記憶するために、同期モード中の第1のときに、コントローラによって制御される。コントローラは、ターゲット圧力データに基づいて制御目標に向かって第1の及び第2のポンピングアクチュエータをフィードバック制御し、制御目標を確立する第1の及び第2のポンピングアクチュエータの一方又は両方の速度、並びに圧力センサからの定圧信号により示される第1の及び第2のポンプの同一の流量を推定することによって、対応してポンプ制御パラメータを決定する。第1の及び第2のポンピングアクチュエータは、制御パラメータに応じて第1の流体ラインでの流量を同時に制御しながら、所定の流量で第2のコンパートメントを通して流体を送り込むために、処置モード中の第2のときにコントローラによって制御される。
【0202】
その追加の実施形態では、第15の実施形態は、処置装置が血液透析器であり、第1の及び第2のポンピングアクチュエータが、血液透析器に接続された透析液ポンプ及び使用済ポンプと係合する実施形態を含む。その追加の実施形態では、第15の実施形態は、第1のコンパートメントが透析器の透析液コンパートメントである実施形態を含む。その追加の実施形態では、第15の実施形態が、第2のコンパートメントが透析器の血液コンパートメントである実施形態を含む。その追加の実施形態では、第15の実施形態が、決定することが、圧力対時間の傾向を推測し、そこから第1の及び第2のポンプを通る同じ流量を提供する第1のポンプの速度と第2のポンプの速度の関係を推定することを含む実施形態を含む。
【0203】
第16の実施形態によれば、開示される主題は、流体回路内で流量を制御するためのシステムを含む。機械は、第1の、第2の、及び第3のポンピングアクチュエータと係合する流体回路を有する。処置機械は、流体回路内でフロー流体を調整するために第1の、第2の、及び第3のアクチュエータを制御するために接続されたコントローラを有する。流体回路は、その第1のコンパートメントを介して第1の流体ラインを、及びその第2のコンパートメントを介して第2の流体ラインを相互接続する流体交換装置を有し、第1の及び第2のポンピングアクチュエータは、生産モード中に第1のコンパートメントと第2のコンパートメントとの間の流体の正味移動を制御し、圧力センサは、第1の及び/又は第2のコンパートメントの圧力を示す。第1の、第2の、及び第3のポンピングアクチュエータは、所定の流量で第2のコンパートメントを通して流体を送り込みながら、第1の流体ライン内で流れを遮断するために、及び圧力センサからの圧力信号に応えてターゲット圧力データを同時に記憶するために同期モード中の第1のときにコントローラによって制御される。コントローラは、ターゲット圧力データに基づいて制御目標に向かって第1の及び第2のポンピングアクチュエータをフィードバック制御し、制御目標を確立する第1の及び第2のポンピングアクチュエータの一方又は両方の速度、及び圧力センサからの定圧信号により示される第1の及び第2のポンプの同一の流量を推定することによって対応してポンプ制御パラメータを決定する。第1の及び第2のポンピングアクチュエータは、圧力データに応じて第1の流体ライン内で流量を同時に制御しながら、所定の流量で第2のコンパートメントを通して流体を送り込むために、生産モード中の第2のときに、コントローラによって制御される。
【0204】
その追加の実施形態では、第16の実施形態は、決定することが、圧力対時間の傾向を推測し、そこから第1の及び第2のポンプを通る同じ流量を提供する第1のポンプの速度と第2のポンプの速度の関係を推定することを含む、実施形態を含む。
【0205】
第17の実施形態によれば、開示される主題は、流体回路内で流量を制御するための方法を含む。方法は、血液処置装置内の圧力に応じた圧力信号に応えて血液流路に接する血液処置装置膜全体で流体の流量を制御することを含む。調整することは、流入及び流出ポンプのそれぞれの速度を制御することを含み、膜の血液側での流量と、膜の血液及び/又は処置流体側での圧力を相互に関連付ける予測データに応じて、流入ポンプは処置流体を血液処置装置の中に注ぎ込み、流出ポンプは血液処置装置の中から流体を吸い出す。方法は、調整する前に、膜全体でゼロ流量の条件のために膜の血液側での流体の複数の流量のそれぞれについて膜の血液及び/又は処置流体側の圧力を示す圧力信号を検出し、圧力信号及び流量に応じて予測データを記憶することをさらに含む。
【0206】
その追加の実施形態では、第17の実施形態は、所定の限外ろ過率で膜を通して流体を引き出すために流出ポンプを調整することを含む実施形態を含む。その追加の実施形態では、第17の実施形態は、調整することが、流入及び流出ポンプの流量を同期させることを含む、実施形態を含む。その追加の実施形態では、第17の実施形態は、調整することが、等しい流量を生じさせるその速度を決定するためにターゲット圧力に向かって流入ポンプ及び流出ポンプの流量をフィードバック制御することを含む、実施形態を含む。
【0207】
その追加の実施形態では、第17の実施形態は、所定の限外ろ過率に応じて流出ポンプの速度を促進することを含む実施形態を含む。
【0208】
第18の実施形態によれば、開示される主題は、流体回路内で流量を制御するためのシステムを含む。処置機械は、第1の、第2の、及び第3のポンピングアクチュエータと係合する流体回路を有する。処置機械は、第1の、第2の、及び第3のポンピングアクチュエータを制御して、流体回路内のフロー流体を調整することによって治療処置を実行するために接続されたコントローラを有する。流体回路は、その第1のコンパートメントを介して第1の流体ラインを、及びその第2のコンパートメントを介して第2の流体ラインを相互接続する処置装置を有し、第1の及び第2のポンピングアクチュエータは、処置モード中の第1のコンパートメントと第2のコンパートメントとの間の流路の正味移動を制御し、圧力センサは、第1の及び/又は第2のコンパートメントの圧力を示す。第1の及び第2のポンピングアクチュエータは、複数の所定の流量で第2のコンパートメントを通して流体を送り込みながら第1の流体ライン内で流体を遮断するために、及び流量のそれぞれで圧力センサからの圧力信号に応えて予測データを同時に記憶するために同期モード中の第1のときにコントローラによって制御される。第1の及び第2のポンピングアクチュエータは、予測データに応じて第1の流体ライン内で流量を同時に制御しながら、現在の流量で第2のコンパートメントを通して流体を送り込むために、処置モード中の第2のときに、コントローラによって制御される。その追加の実施形態では、第18の実施形態は、コントローラは、第2のときに、所定の限外ろ過率で膜を通して流体を引き出すために流出ポンプを調整する、実施形態を含む。その追加の実施形態では、第18の実施形態は、コントローラが、流量のそれぞれについて、第1のときに圧力センサにより示される定常圧力を達成するために圧力センサからの圧力信号を監視することによって、第1のときの後、流入及び流出ポンプの流量を同期させる、実施形態を含む。その追加の実施形態では、第18の実施形態は、コントローラが、第2のときに、所定の限外ろ過率に応じて流出ポンプの速度を促進する、実施形態を含む。
【0209】
第19の実施形態によれば、開示される主題は、流体回路内で流量を制御するための方法を含む。方法は、処置装置を通して患者の体液を送り込みながら、ソースから処置装置を通ってシンクまで処置流体を送り込むことによって患者の体液を処置することを含む。方法は、処置装置の中へ及び中からのそれぞれの速度で処置流体を送り込むことを制御することによって、体液への又はからの流体の正味移動を調整することを含む。方法は、処置前又は処置中のときに、ソース及びシンクを処置装置から隔離し、処置装置を通る流体の正味移動を検出し、検出の結果を使用して処置装置の中への及び中からのそれぞれの速度を制御することでの誤差を計算しながら、アキュムレータと処置装置との間の処置流体の閉鎖ループ流れを確立することを含む。方法は、検出の結果を示すデータを記憶することを含み、次に、データに応じて処置装置の中へ及び中からそれぞれの速度で処置流体を送り込むことを制御することによって、体液への又はからの流体の正味移動をさらに調整する。
【0210】
その追加の実施形態では、第19の実施形態は、その中にプライミング流体を有するアキュムレータを処置装置に接続することをさらに含む実施形態を含む。その追加の実施形態では、第19の実施形態は、処置装置を通る流体の正味移動を検出することが、アキュムレータの重量又は容積の変化を検出することを含む、実施形態を含む。
【0211】
その追加の実施形態では、第19の実施形態は、アキュムレータを通る流れを逆転するためにポンプを逆転させ、その中に空気を収集することを含んでよい。その追加の実施形態では、第19の実施形態は、シンクが収集容器又はドレンである実施形態を含む。その追加の実施形態では、第19の実施形態は、体液が血液である実施形態を含む。その追加の実施形態では、第19の実施形態は、処置流体が透析液であり、処置装置が透析器である実施形態を含む。その追加の実施形態では、第19の実施形態は、調整することが、処置装置の中へ及び中から流体を送り込むポンプの相対速度を制御することを含む、実施形態を含む。
【0212】
第20の実施形態によれば、開示される主題は、流体回路内で流量を制御するためのシステムを含む。処置機械は、処置流体入口ポンプアクチュエータ、処置機械流体出口ポンプアクチュエータ、及び血液ポンプアクチュエータと係合する流体回路を有する。処置機械は、ポンピングアクチュエータを制御して、処置回路内のフロー流体を調整することによって治療処置を実行するために接続されたコントローラを有する。流体回路は、その非血液コンパートメントを介して処置流体ラインを、及びその血液コンパートメントを介して血液ラインを相互接続する処置装置を有し、処置流体入口ポンプアクチュエータ及び処置流体出口ポンプアクチュエータは、コントローラの処置モード中に非血液コンパートメントと血液コンパートメントとの間の流体の正味移動を制御する。処置流体ラインは、流体回路のアキュムレータと非血液コンパートメントとの間に閉鎖ループを形成するためにコントローラによって選択的に接続可能である。処置流体回路は、流体回路のアキュムレータを迂回する回路を形成するために、処置流体ソースとシンクと非血液コンパートメントとの間でコントローラによって選択的に接続可能である。処置流体入口ポンプアクチュエータ及び処置流体出口ポンプアクチュエータは、閉鎖ループを通して流体を送り込むために、並びに処置流体を通して及びそれに応じて流体の正味移動を検出するために同期モード中の第1のときにコントローラによって制御され、コントローラは正味移動を示すデータを記憶する。コントローラは、データから流量調節パラメータを計算する。処置流体入口ポンプアクチュエータ及び処置流体出口ポンプアクチュエータは、非血液コンパートメントを通してソースからシンクに流体を送り込んで処置を実行するために、処置モード中の第2のときに流体調節パラメータに応じてコントローラによって制御される。その追加の実施形態では、第20の実施形態は、アキュムレータが処置流体ラインに接続されたプライミング流体袋である実施形態を含む。
【0213】
その追加の実施形態では、第20の実施形態は、処置装置を通る流体の正味移動が、アキュムレータの重量又は容積の変化を検出することによって検出される、実施形態を含む。その追加の実施形態では、第20の実施形態は、シンクが収集容器又はドレンである実施形態を含む。その追加の実施形態では、第20の実施形態は、体液が血液である実施形態を含む。その追加の実施形態では、第20の実施形態は、処置流体が透析液であり、処置装置が透析器である、実施形態を含む。
【0214】
第21の実施形態によれば、開示される主題は、流体回路内で流量を制御するための方法を含む。方法は、血液処置装置の血液コンパートメント及び非血液コンパートメントを分離する膜付きの血液処置装置を有する血液処置システムを提供することを含む。方法は、血液-常流体を非血液コンパートメントを通して送り込んでそれを満たすこと、及び血液コンパートメントを通してプライミング流体を送り込むことを含む。方法は、血液-常流体の流れを停止させ、同時に非血液コンパートメントと血液コンパートメントの圧力の差を示す圧力センサからの信号をサンプリングしながら、血液コンパートメントを通して血液を送り込むことをさらに含む。方法は、コントローラを使用し、サンプリングに応じて圧力差データを記憶することをさらに含み、圧力差データに応じて処置サイクル中に膜全体での流体の正味移動を調整する。
【0215】
その追加の実施形態では、第21の実施形態は、調整することが、血液処置装置の中へ及び中から流体を送り込む処置流体ポンプの速度を制御することを含む、実施形態を含む。その追加の実施形態では、第21の実施形態は、調整することが、血液処置装置の中へ及び中から流体を送り込む処置流体ポンプの速度を制御することを含み血液処置装置が透析器を含む、実施形態を含む。
【0216】
その追加の実施形態では、第21の実施形態は、処置サイクル中に膜全体での流体の正味移動を調整することが、処置中に複数回血液-常流体の流れを停止させ、複数回のうちの連続回の間に圧力差データの変化をそこから検出しながら、血液コンパートメントを通して血液を送り込むことを繰り返すことを含む、実施形態を含む。その追加の実施形態では、第21の実施形態は、処置サイクル中に膜全体での流体の正味移動を調整することが、複数回の間で、膜全体での流体の正味移動を削減又は停止させること、及び複数回の連続回の間で圧力差データに応じて処置時間又は限外ろ過率を決定することをさらに含み、それにより患者の血液コンパートメントへの患者内での体液移動により引き起こされる流体逆戻りが、連続回の間での圧力差データの変化により示され、患者からの流体引出しの速度及び/又は範囲を制御するために使用される実施形態を含む。
【0217】
第22の実施形態によれば、開示される主題は、流体回路内で流量を制御するためのシステムを含む。血液処置機械は、血液処置装置の血液コンパートメントと非血液コンパートメントを分離する膜を有する血液処置装置付きの流体回路に接続される。血液処置機械は、処置流体流入ポンプ、処置流体流出ポンプ、血液ポンプを制御するために、及び血液コンパートメント及び非血液コンパートメントの圧力の差を示す1つ以上の圧力センサからの圧力信号を受信するために接続されたプログラム可能コントローラを有する。流入ポンプは、血液-常流体のソースに接続され、コントローラは、流入及び流出処置流体ポンプを制御して、非血液コンパートメントを通して流体を送り込み、それを非処置動作モード中に満たすようにプログラムされる。血液ポンプは、血液コンパートメントに接続され、コントローラは、非処置動作モード中に血液コンパートメントを通してプライミング流体を送り込むようにプログラムされる。コントローラは、流入及び流出処置流体ポンプを停止させながら血液コンパートメントを通して血液を送り込み、同時に1つ以上の圧力センサからの信号をサンプリングするようにプログラムされる。コントローラは、処置サイクル中に膜全体で流体の正味移動を調整するために圧力差データに応じて流入及び流出処置流体ポンプをサンプリングし、制御することに応えて、圧力差データを記憶する。その追加の実施形態では、第22の実施形態は、血液処置装置が透析器を含む実施形態を含む。その追加の実施形態では、第22の実施形態は、コントローラが、処置中複数回血液-常流体の流れを停止させ、そこから複数回のうちの連続回の間に圧力差データの変化を検出することにより血液コンパートメントを通して血液を送ることを繰り返すことによって、処置サイクル中に膜全体での流体の正味移動を調整する、実施形態を含む。その追加の実施形態では、第22の実施形態は、コントローラが、処置中に複数回血液-常流体の流れを停止させ、そこから複数回のうちの連続する回の間圧力差データの変化を検出し、複数回の間、膜全体での流体の正味移動を削減又は停止させ、複数回のうちの連続する回の間に圧力差データに応じて処置時間又は限外ろ過率を決定しながら、血液コンパートメントを通して血液を送り込むことを繰り返すことによって、処置サイクル中に膜全体での流体の正味移動を調整し、それにより患者の血液コンパートメントへの患者での流体移動により引き起こされる流体逆戻りが、患者からの流体の引出しの速度及び/又は範囲を制御するために使用される実施形態を含む。
【0218】
第23の実施形態によれば、開示される主題は、流体回路内で流量を制御するための方法を含む。方法は、流体回路内の流体及び血液の流量を制御する処置機械のコントローラを使用し、処置流体と血液処置装置の血液コンパートメントの間の圧力差を測定しながら、流れている血液を処置流体から分離する血液処置装置内の血液-常流体処置流体の流れを停止させることによって、処置中に血液のコロイド浸透圧を測定することを含む。方法は、複数のコロイド浸透圧試料を得るために処置中に複数回測定することを繰り返すことを含む。方法は、コロイド浸透圧試料の傾向を所定の傾向に比較し、そこから処置パラメータを決定することを含む。その追加の実施形態では、第23の実施形態は、処置パラメータが、継続処置の追加持続時間を含む実施形態を含む。その追加の実施形態では、第23の実施形態は、処置パラメータが、継続治療中の限外ろ過率を含む実施形態を含む。
【0219】
その追加の実施形態では、第23の実施形態は、コントローラが、傾向に応じて血液処置装置の限外ろ過の率を削減又は増加させる、実施形態を含む。
【0220】
第24の実施形態によれば、開示される主題は、流体回路内で流量を制御するためのシステムを含む。血液処置機械は、流体回路内の流体及び血液の流量を制御するコントローラを有し、コントローラは、処置流体と血液処置装置の血液コンパートメントの圧力差を測定しながら、処置流体から流れる血液を分離する血液処置装置内での血液-常処置流体の流れを停止させることによって、選択的に流体回路を処置中に血液のコロイド浸透圧を測定するための状態にするようにプログラムされる。コントローラは、複数のコロイド浸透圧試料を得るために処置中複数回測定することを繰り返す。コントローラはコロイド浸透圧試料の傾向を所定の傾向に比較し、コロイド浸透圧の傾向又は値に応じて血液処置機械により実現される処置の処置パラメータを決定する。
【0221】
その追加の実施形態では、第24の実施形態は、処置パラメータが継続中の処置の追加持続時間を含む実施形態を含む。その追加の実施形態では、第24の実施形態は、処置パラメータが継続中の処置の間の限外ろ過率を含む実施形態を含む。
【0222】
その追加の実施形態では、第24の実施形態は、コントローラが、傾向に応じて血液処置装置の限外ろ過の率を削減又は増加させる実施形態を含む。
【0223】
第25の実施形態によれば、開示される主題は、流体回路内で流量を制御するための方法を含む。方法は、血液処置装置の血液コンパートメント及び非血液コンパートメントを分離する膜付きの血液処置装置を有する血液処置システムを提供することを含む。方法は、非血液コンパートメントを通して血液-常流体を送り込んで、それを満たすことを含む。方法は、血液コンパートメントを通してプライイング流体を送り込むことを含む。方法は、血液-常流体を停止させ、同時に非血液コンパートメントと血液コンパートメントの圧力の差を示す圧力センサからの信号をサンプリングしながら、血液コンパートメントを通して血液を送り込むことを含む。方法は、コントローラを使用し、サンプリングすることに応じて特性圧力差データを記憶し、処置のステータス、血液特性、又は治療される患者の液量を計算するために圧力差データに応じて流入及び流出処置流体ポンプを制御し、患者へ若しくは患者から除去若しくは移動される流体の量又は処置の推定残り時間のうちの1つ以上を含んだ、ステータス、特性又はレベルに応じてデータを出力することを含む。
【0224】
その追加の実施形態では、第25の実施形態は、コントローラがディスプレイに反応データを出力する又は処置ログにそれを記憶する実施形態を含む。
【0225】
第26の実施形態によれば、開示される主題は、流体回路内で流量を制御するためのシステムを含む。血液処置機械は、血液処置装置の血液コンパートメント及び非血液コンパートメントを分離する膜付きの血液処置装置を有する流体回路に接続される。血液処置機械は、処置流体流入ポンプ、処置流体流出ポンプ、血液ポンプを制御するために、及び血液コンパートメントと非血液コンパートメントの圧力の差を示す1つ以上の圧力センサからの圧力信号を受信するために接続されたプログラム可能なコントローラを有する。流入ポンプは、血液-常流体のソースに接続され、コントローラは、流入及び流出処置流体ポンプを制御して、非血液コンパートメントを通して流体を送り込んで、非処置動作モード中にそれを満たすようにプログラムされる。血液ポンプは血液コンパートメントに接続され、コントローラは、非処置動作モード中に血液コンパートメントを通してプライミング流体を送り込むようにプログラムされる。コントローラは、流入及び流出処置流体ポンプを停止させ、同時に1つ以上の圧力センサから信号をサンプリングしながら、血液コンパートメントを通して血液を送り込むようにプログラムされる。コントローラは、サンプリングすることに応じて特性圧力差データを記憶し、処置のステータス、血液特性、又は治療される患者の液面を計算するために圧力差データに応じて流入及び流出処置流体ポンプを制御し、患者へ若しくはから除去若しくは移動される流体の量、処置の推定残り時間、血漿タンパク質濃度、又は患者のヘマトクリットのうちの1つ以上を含んだ、ステータス、特性、又はレベルに応じてデータを出力する。
【0226】
その追加の実施形態では、第26の実施形態は、コントローラが、ディスプレイに反応データを出力する又は処置ログにそれを記憶する実施形態を含む。
【0227】
第27の実施形態によれば、開示される主題は、流体回路内で流量を制御するための方法を含む。方法は、コントローラ、ポンプ、及び少なくとも1つの圧力センサを有する処置機械を提供することを含み、ポンプは、流入ライン及び流出ラインと係合されてコントローラに応じてそこを通る流れを調整する。方法は、それぞれ患者へ及び患者から流体を流すために、又はそれぞれ患者に接続された処置装置へ及びから流体を流すために流入及び流出流体ラインを接続することを含む。方法は、流入及び流出ライン内で相対流量を制御することによって、処置時に、コントローラを使用し、患者又は処置装置への流体の正味移動を調整することを含む。方法は、少なくとも1つの同期時に、コントローラを使用し、流入ラインと流出ラインとの間の直接的な接続を一時的に確立し、患者又は患者に接続された処置装置を迂回し、同時に所定の圧力センサを使用し、流入及び流出ラインの流量の差を検出することを含む。方法は、検出する上で検出された圧力を使用して、処置時の1つ以上で正味移動を調整することを含む。方法は、構成時に、流入及び流出ラインを接続後、コントローラを使用し、圧力センサを使用し、接続エラーがあるかどうかを検出し、ユーザインタフェース上で検出の結果を示す信号を出力することを含む。
【0228】
追加の実施形態によれば、開示される主題は、流体回路内で流量を制御するためのシステムを含む。処置機械は、プログラム可能なコントローラ、ポンプ、及び少なくとも1つの圧力センサを有し、ポンプは流入及び流出流体ラインと係合されて、コントローラに応じてそこを通る流れを調整する。流入及び流出流体ラインは、患者アクセス又は血液処置装置に接続可能であり、それぞれ患者へ及び患者から流体を流すために、又はそれぞれ患者に接続された処置装置へ及びから流体を流すために配置される。コントローラは、処置時に、流入及び流出ラインでの相対的な流量を制御することによって患者又は処置装置への流体の正味移動を制御するようにプログラムされる。コントローラは、少なくとも1つの同期時に、患者又は患者に接続された処置装置が迂回されるように流入ラインと流出ラインとの間で直接的な接続を一時的に確立するようにプログラムされる。少なくとも同期時に、コントローラは、流入及び流出ラインの流量の差を検出し、保管される試料から流量制御パラメータを計算するために、所定の圧力センサからの圧力信号をサンプリングし、記憶する。コントローラは、その後処置時のうちの1つ以上で正味移動を調整するために流量制御パラメータを使用する。コントローラは、患者アクセス又は処置装置が流入及び流出ラインに接続されていることを示すセットアップ信号を受信し、それに応えて所定の圧力センサを使用し、接続エラーがあるかどうかを検出し、検出に応えて信号を出力するようにさらにプログラムされる。
【0229】
追加の実施形態によれば、開示される主題は、流体回路内で流量を制御するための方法を含む。方法は、コントローラを使用し、血液処置装置内の圧力を示す圧力信号に応えて血液流路に接触する血液処置装置膜全体で流体の流れを調整することを含む。調整することは、流入及び流出ポンプの速度を制御することを含み、膜の血液及び/又は処置流体側でのターゲット圧力に応じて、流入ポンプは血液処置装置の中に処置流体を注ぎ込み、流出ポンプは血液処置装置の中から処置流体を吸い出す。方法は、コントローラを使用し、調整する前の同期時に、ターゲット圧力を入手し、コントローラのデータストアに記憶することを含む。ターゲット圧力は、流入及び流出ポンプの停止時に膜の血液及び/又は処置流体側で検出された圧力から計算される。コントローラは、同期時に、流入及び流出ポンプを停止させる。
【0230】
追加の実施形態によれば、開示される主題は、流体回路内で流量を制御するためのシステムを含む。処置機械は、第1の、第2の、及び第3のポンピングアクチュエータと係合された流体回路を有する。処置機械は、流体回路内でフロー流体を調整することによって、治療処置を実行するために第1の、第2の、及び第3のポンピングアクチュエータを制御するために接続されたコントローラを有する。流体回路は、その第1のコンパートメントを介して第1の流体ラインを、その第2のコンパートメントを介して第2の流体ラインを相互接続する処置装置を有し、第1の及び第2のポンピングアクチュエータは、処置モード中の第1のコンパートメントと第2のコンパートメントとの間の流体の正味移動を制御し、圧力センサは、第1の及び/又は第2のコンパートメントの圧力を示す。第1の及び第2のポンピングアクチュエータは、所定の流量で第2のコンパートメントを通して流体を送り込みながら第1の流体ライン内で流れを遮断するために、及び同時に圧力センサからの圧力信号に応えて圧力データを記憶するために、同期モード中の第1のときに、コントローラによって制御される。第1の及び第2のポンピングアクチュエータは、同時に圧力データに応じて第1の流体ライン内で流量を制御しながら、所定の流量で第2のコンパートメントを通して流体を送り込むために処置モード中の第2のときに、コントローラによって制御される。
【0231】
追加の実施形態によれば、開示される主題は、流体回路内で流量を制御するための方法を含む。方法は、ポンプを制御して同期モード及び処置モードを実施するためにコントローラを使用し、血液ろ過器から流体を引き出す使用済ポンプの速度、及び患者血液ラインの中へ代替液を注ぎ込む代替液ポンプの速度を独立して調整することによって正味限外ろ過を制御するコントローラを有する血液ろ過機械に適用する。方法によれば、同期モードで、血液ろ過器を通して血液を流しながら、且つ代替液ポンプ及び使用済ポンプを通る流れを遮断しながら、使用済ポンプの入口でターゲット圧力を検出する。続いて、同期モードでは、コントローラは、代替液ポンプ及び使用済ポンプを直列で直接的に接続し、それらの間で代替液を流し、所定の血液ろ過率を確立するために使用済ポンプの速度を制御しながら、代替液ポンプ速度を制御して、使用済ポンプ入口圧力をターゲット圧力で維持する同期された代替液ポンプ速度を決定する。続いて、処置モードで、コントローラは、同期された代替液ポンプ速度で血液回路の中に代替液を注ぎ込むために代替液流体ポンプを接続する。
【0232】
追加の実施形態によれば、開示される主題は、流体回路内で流量を制御するためのシステムを含む。流体回路を有する血液ろ過機械は、血液部分及び非血液部分、血液ろ過器に接続された使用済流体ポンプ及び処置流体ポンプを制御するコントローラ、使用済ポンプの入口での圧力センサ、並びに血液及び非血液部分の選択的な相互接続を可能にする流体調整器を有する。使用済ポンプは、血液ろ過器から流体を引き出し、代替液ポンプは代替液を血液部分の中に注ぎ込む。コントローラは、使用済流体ポンプ及び代替液流体ポンプの速度を独立して調整することによって、処置モード中に、正味限外ろ過を制御する。コントローラは、コントローラが、血液ろ過器を通して血液を流しながら且つ代替流体ポンプ及び使用済ポンプを通して流れを停止させながら、圧力センサからターゲット圧力を検出する同期モードを確立するようにプログラムされる。続いて、同期モードで、コントローラは、代替液ポンプ及び使用済ポンプを、非血液部分を通して直列で直接的に接続し、ポンプ間で代替液を流し、所定の血液ろ過率を確立するために使用済ポンプ速度を制御し、使用済ポンプ入口圧力をターゲット圧力で維持する同期された代替ポンプ速度を決定するために代替液ポンプ速度を制御する。続いて、処置モードで、コントローラは、同期された代替ポンプ速度で血液部分の中に代替液を注ぎ込むために代替液ポンプを接続する。
【0233】
第28の実施形態によれば、開示される主題は、流体回路内で流量を制御するための方法を含む。方法は、第1の及び第2の同期モード、並びにポンプを制御して第1の及び第2の同期及び処置モードを実施するためにコントローラを使用し、ヘモダイアフィルタから流体を引き出す使用済ポンプの速度、ヘモダイアフィルタの中に透析液を注ぎ込む透析液ポンプの速度、患者血液ラインの中に代替液を注ぎ込む代替液ポンプの速度を独立して調整することによって、限外ろ過を制御するコントローラを有する血液透析ろ過機械に適用する。第1の同期モードで、コントローラは、使用済ポンプの入口での第1のターゲット圧力、及び透析液ポンプの出口での平均圧力に等しい第2のターゲット圧力、及びヘモダイアフィルタを通して血液を流しながら且つ代替液ポンプ及び使用済ポンプを通る流れを遮断しながら、透析液ポンプの出口での圧力及び使用済ポンプの入口での圧力の平均に等しい第2のターゲット圧力を検出する。続いて、第1の同期モードで、コントローラは、透析液ポンプ及び使用済ポンプを使用し、ヘモダイアフィルタを通して透析液を送り込み、所定の透析液流量を確立するために使用済ポンプ速度を制御し、透析液ポンプの出口及び第2のターゲット圧力での使用済ポンプの入口での圧力の平均を維持する同期された透析液ポンプ速度を決定するために透析液ポンプ速度を制御する。続いて、第2の同期モードで、コントローラは、代替液ポンプ及び使用済ポンプを直列で直接的に接続し、それらの間で代替液を流し、所定の血液ろ過率を確立するために使用済ポンプ速度を制御しながら、代替液ポンプ速度を制御して、使用済ポンプ入口圧力を第1のターゲット圧力で維持する同期された代替液ポンプ速度を決定する。続いて、処置モードで、コントローラは、同期された代替液ポンプ速度で代替液を血液部分の中に注ぎ込むために代替液ポンプを接続し、同期された透析液ポンプ速度でヘモダイアフィルタの中に透析液を送り込むために透析液ポンプを接続し、所定の透析液流量及び所定の血液ろ過率に応じた速度でヘモダイアフィルタから使用済流体を引き出すために使用済ポンプを接続する。
【0234】
その追加の実施形態では、第28の実施形態は、処置モードで、使用済ポンプが所定の透析液流量及び所定の血液ろ過率の合計に等しい速度でヘモダイアフィルタから使用済流体を引き出すために制御される、実施形態を含む。
【0235】
第29の実施形態によれば、開示される主題は、流体回路内で流量を制御するためのシステムを含む。血液ろ過機械は、血液及び非血液部分、ヘモダイアフィルタに接続されたコントローラ使用済ポンプ、透析液ポンプ、及び処置流体ポンプ、使用済ポンプの入口の圧力センサ、並びに血液及び非血液部分の選択的な相互接続を可能にする流量調整器を有する流体回路を有する。コントローラは、ヘモダイアフィルタから流体を引き出す使用済ポンプの速度、血液部分の中に代替液を注ぎ込む代替液ポンプの速度、及びヘモダイアフィルタの中に透析液を注ぎ込む透析液ポンプの速度を独立して調整することによって、処置モード中に正味限外ろ過を制御する。コントローラは、第1の及び第2の同期モード並びに処置モードを実施するためにポンプを制御する。第1の同期モードで、コントローラは、ヘモダイアフィルタを通して血液を流しながら、且つ代替液ポンプ及び使用済ポンプを通る流れを遮断しながら、使用済ポンプの入口でのターゲット圧力を検出する。続いて、第1の同期モードで、コントローラは、透析液ポンプ及び使用済ポンプを使用し、ヘモダイアフィルタを通して透析液を送り込み、所定の透析液流量を確立するために使用済ポンプ速度を制御し、使用済ポンプ入口圧力をターゲット圧力で維持する同期された透析液ポンプ速度を決定するために透析液ポンプ速度を制御する。続いて、第2の同期モードで、コントローラは、代替液ポンプ及び使用済ポンプを直列で直接的に接続し、それらの間で代替液を流しながら、且つ所定の血液ろ過率を確立するために使用済ポンプ速度を制御しながら、使用済ポンプ入口圧力をターゲット圧力で維持する同期された代替液ポンプ速度を決定するために代替液ポンプ速度を制御する。続いて、処置モードで、コントローラは、同期された代替液ポンプ速度で代替液を血液部分の中に注ぎ込むために代替液ポンプを接続し、同期された透析液ポンプ速度でヘモダイアフィルタの中に透析液を注ぎ込むために透析液ポンプを接続し、所定の代替液流量及び所定の血液ろ過率に応じた速度でヘモダイアフィルタから使用済流体を引き出すために使用済ポンプを接続する。その追加の実施形態で、第29の実施形態は、処置モードで、使用済ポンプは、所定の透析液流量及び所定の血液ろ過率の合計に等しい速度でヘモダイアフィルタから廃棄ブウ流体を引き出すために制御される、実施形態を含む。
【0236】
第30の実施形態によれば、開示される主題は、流体回路内で流量を制御するための方法を含む。方法は、患者に接続された流体回路内で流体を流す蠕動ポンプの相対速度を調整することによって、患者の中に流れ込む又は患者から流れ出る流体の総量を、患者から引き出される流体の総量に対して制御する処置機械に適用する。方法は、プライミング流体が、流体回路を通して流されるプライミングモードを実施することを含み、プライミングモードは、蠕動ポンプが患者の中への又はからの正味流量を制御するために使用される処置モードを確立する前に少なくとも5分のならし運転間隔の間流体ポンプを通るプライミング流体を含む。その追加の実施形態で、第30の実施形態は、処置機械が血液透析機械であり、ポンプが透析器の中への及び中からの透析液の流れを調整する、実施形態を含む。その追加の実施形態で、第30の実施形態は、ならし運転間隔後、蠕動ポンプのうちの1つの流れが、標準的な又は別の蠕動ポンプに対して較正される流れ較正手順を実行することを含む実施形態を含む。その追加の実施形態で、第30の実施形態は、較正手順が、処置モード中に蠕動ポンプを調整するためにコントローラによって使用される制御パラメータを生成する、実施形態を含む。
【0237】
上述されたモジュール、コントローラ、プロセス、システム、及びセクションが、ハードウェア、ソフトウェアによりプログラムされたハードウェア、非一過性のコンピュータ可読媒体上に記憶されたソフトウェア命令、又は上記の組合せで実装できることが理解される。例えば、流量を平衡させるための方法は、例えば非一過性のコンピュータ可読媒体に記憶されたプログラム命令のシーケンスを実行するように構成されたプロセッサを使用し、実装できる。例えば、プロセッサは、パーソナルコンピュータ又はワークステーション又は、プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラデバイスを含む、若しくは例えば特定用途向け集積回路(ASIC)等の集積回路を含んだ制御論理から成り立つ、係る他のコンピューティングシステムを含む場合があるが、これに限定されるものではない。命令は、例えばJava(登録商標)、C++、C#.net等のプログラミング言語に従って提供されるソースコード命令からコンパイルできる。また、命令が、例えばVisual Basic(商標)言語、LabVIEW、又は別の命令された若しくはオブジェクト指向のプログラミング言語に従って提供されるコード及びデータオブジェクトを含む場合もある。プログラム命令のシーケンス及びそれと関連付けられたデータは、例えば読み取り専用メモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、電子的消去可能PROM(EEPROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、ディスクドライブ等であるが、これに限定されるものではない任意の適切なメモリ装置であってよい、例えばコンピュータメモリ又はストレージデバイス等の非一過性のコンピュータ可読媒体に記憶できる。
【0238】
さらに、モジュール、プロセス、システム、及びセクションは、シングルプロセッサとして又は分散プロセッサとして実装できる。さらに、上述されたステップが、シングルプロセッサ又は分散プロセッサ(シングルコア及び/又はマルチコア)で実行されてよいことが理解されるべきである。また、上記の実施形態の及び上記の実施形態のための種々の図に説明されるプロセス、モジュール、及びサブモジュールは、複数のコンピュータ又はシステム全体に分散される場合もあれば、シングルプロセッサ又は単一のシステムに同一場所に配置される場合もある。本明細書に説明されるモジュール、セクション、システム手段、又はプロセスを実装するために適した例示的な構造実施形態の代替策は、以下に提示される。
【0239】
上述されたモジュール、プロセッサ、又はシステムは、例えばプログラムされた汎用コンピュータ、マイクロコードでプログラムされた電子装置、結線されたアナログ論理回路、コンピュータ可読媒体又は信号に記憶されたソフトウェア、光学コンピューティングデバイス、電子装置及び/又は光学装置のネットワーク化されたシステム、特殊目的コンピューティングデバイス、集積回路デバイス、半導体チップ、及びコンピュータ可読媒体若しくは信号に記憶されたソフトウェアモジュール又はオブジェクトとして実装できる。
【0240】
方法及びシステム(又はサブコンポーネント若しくはモジュール)の実施形態は、汎用コンピュータ、特殊目的コンピュータ、プログラムされたマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラ、及び周辺集積回路要素、ASIC又は他の集積回路、デジタルシグナルプロセッサ、例えば個別素子回路等のハードウェア電子又は論理回路、例えばプログラム可能論理回路(PLD)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラム可能アレイ論理(PAL)デバイス等の結線された電子回路又は論理回路で実装されてよい。一般に、本明細書に説明された機能又はステップを実装できるいかなるプロセスも、方法、システム、又はコンピュータプログラム製品(非一過性のコンピュータ可読媒体に記憶されたソフトウェアプログラム)の実施形態を実装するために使用できる。
【0241】
さらに、開示される方法、システム、及びコンピュータプログラム製品の実施形態は、例えば、さまざまなコンピュータプラットフォームで使用できる移植性のあるソースコードを提供するオブジェクト又はオブジェクト指向ソフトウェア開発環境を使用し、完全に又は部分的にソフトウェアで容易に実装され得る。代わりに、開示される方法、システム、及びコンピュータプログラム製品の実施形態は、例えば標準的な論理回路又は超大規模集積(VLSI)設計を使用し、部分的に又は完全にハードウェアで実装できる。システム、特定の機能、及び/又は特定のソフトウェア若しくはハードウェアシステム、マイクロプロセッサ、又は活用されているマイクロコンピュータの速度及び/又は効率の要件に応じて、他のハードウェア又はソフトウェアが実施形態を実装するために使用できる。方法、システム、及びコンピュータ製品の実施形態は、本明細書に説明される機能説明から及びコントローラ及び特にデジタルコントローラ及び/又はコンピュータプログラミング技術の一般的な基本的な知識をもって当業者により既知の又は後に開発される任意のシステム又は構造、デバイス及び/又はソフトウェアを使用し、ハードウェア及び/又はソフトウェアで実装できる。
【0242】
さらに、開示される方法、システム、及びコンピュータプログラム製品の実施形態は、プログラムされた汎用コンピュータ、特殊目的コンピュータ、マイクロプロセッサ等で実行されるソフトウェアで実装できる。
【0243】
したがって、本開示に従って、フローバランシングの装置、方法、及びシステムが提供されることは明らかである。多くの代替策、変更形態、及び変形形態が、本開示により可能になる。開示される実施形態の特徴は、追加の実施形態を生じさせるために本発明の範囲内で結合、再配置、省略等できる。さらに、特定の特徴は、他の特徴の対応する使用なしに有利に使用される場合がある。したがって、出願者は、本発明の精神及び範囲内にあるすべての係る代替策、変更形態、同等物、及び変形形態を包含することを意図する。

図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12A
図12B
図12C
図12D
図12E
図12F
図12G
図13A
図13B
図13C
図14A
図14B
図15A
図15B
図15C
図16
図17A
図17B
図18A
図18B