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▶ シールド・エアー・コーポレイション(ユーエス)の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-10
(45)【発行日】2022-06-20
(54)【発明の名称】外面の歪みが低減された膨張式パウチ
(51)【国際特許分類】
   B31D 5/00 20170101AFI20220613BHJP
   B65D 30/10 20060101ALI20220613BHJP
   B65D 81/05 20060101ALI20220613BHJP
   B65D 81/03 20060101ALI20220613BHJP
【FI】
B31D5/00
B65D30/10 M
B65D81/05 400
B65D81/03 100
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2019521033
(86)(22)【出願日】2017-10-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-11-07
(86)【国際出願番号】 US2017057528
(87)【国際公開番号】W WO2018080909
(87)【国際公開日】2018-05-03
【審査請求日】2020-08-05
(31)【優先権主張番号】62/411,719
(32)【優先日】2016-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517077821
【氏名又は名称】シールド・エアー・コーポレイション(ユーエス)
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オダウド,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】カナンケリル,チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】メーレンブロック,アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】オーウェンズビー,ジョゼフ
(72)【発明者】
【氏名】コナー,ハワード
【審査官】米村 耕一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0068154(US,A1)
【文献】特表2016-520449(JP,A)
【文献】英国特許出願公開第02380988(GB,A)
【文献】英国特許出願公告第01481439(GB,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B31D 5/00
B65D 30/10
B65D 81/03-81/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
膨張式パウチであって、
膨張性ウエブから形成されたブラダであって、ブラダは、ブラダパウチを含み、膨張性ウエブは、ブラダパウチの前面部分とブラダパウチの後面部分とがブラダパウチの底部の異なる側にある状態でブラダパウチの底部を中心として折り曲げられ、ブラダパウチの前面部分の側部とブラダパウチの後面部分の側部とが互いに密封されてブラダパウチの側部を形成するブラダと、
フィルムから形成された外装であって、外装は、外装パウチを含み、フィルムは、外装パウチの前面部分と外装パウチの後面部分とが外装パウチの底部の異なる側にある状態で外装パウチの底部を中心として折り曲げられるか、あるいは外装パウチの底部で密封され、外装パウチの前面部分の側部と外装パウチの後面部分の側部とが互いに接合されて外装パウチの側部を形成する外装と
を備え、
ブラダは、タック領域で外装に接合され、タック領域は、ブラダパウチの側部が外装パウチの側部に直接接合されないように、ブラダパウチ側部のいかなる部分も、および外装パウチの側部のいかなる部分も含まない、膨張式パウチであって、
膨張性ウエブが、ブラダパウチの後面部分から延びてブラダのフラップ部分を形成し、フィルムは、外装パウチの後面部分から延びて外装のフラップ部分を形成し、
ブラダを外装に結合するタック領域が、ブラダのフラップ部分内および外装のフラップ部分内に位置する、膨張式パウチ。
【請求項2】
ブラダのフラップ部分が、共通チャネルを含む、請求項1に記載の膨張式パウチ。
【請求項3】
ガスを共通チャネル内に導くことによって複数の膨張性セルが膨張可能であるように、膨張性ウエブが、共通チャネルと連通する複数の膨張性セルを含む、請求項2に記載の膨張式パウチ。
【請求項4】
ブラダのフラップ部分および外装のフラップ部分が、共に膨張式パウチのフラップを形成する、請求項1に記載の膨張式パウチ。
【請求項5】
膨張式パウチのフラップが、膨張式パウチを吊り下げるように構成された少なくとも1つのウィケットを受け入れるように構成された少なくとも1つの孔を含む、請求項に記載の膨張式パウチ。
【請求項6】
少なくとも1つの孔が、ブラダのフラップ部分または外装のフラップ部分のうちの少なくとも一方を貫通する、請求項に記載の膨張式パウチ。
【請求項7】
少なくとも1つの孔が、フラップの少なくとも1つの引離し区画に配置され、引離し区画は、膨張式パウチが少なくとも1つのウィケットから引き離された後、少なくとも1つのウィケット上に残るように構成されている、請求項に記載の膨張式パウチ。
【請求項8】
フィルムが、膨張式パウチのフラップを閉じるように構成された剥離テープセグメントを有する取付け領域を含む、請求項に記載の膨張式パウチ。
【請求項9】
剥離テープセグメントが、ブラダのフラップ部分を越えて延びる外装のフラップ部分の一部にまたは外装パウチの前面部分の外部表面の少なくとも一方に、配置される、請求項に記載の膨張式パウチ。
【請求項10】
膨張式パウチを形成する方法であって、
膨張性ウエブからブラダを形成することであって、ブラダは、ブラダパウチを含み、ブラダを形成することは、
ブラダパウチの前面部分とブラダパウチの後面部分とがブラダパウチの底部の異なる側にある状態でブラダパウチの底部に沿って膨張性ウエブを折り曲げることと、
ブラダパウチの前面部分の側部をブラダパウチの後面部分の側部に密封してブラダパウチの側部を形成することとを含む、ブラダを形成することと、
フィルムから外装を形成することであって、外装は、外装パウチを含み、外装を形成することは、
外装パウチの前面部分と外装パウチの後面部分とが外装パウチの底部の異なる側にある状態で外装パウチの底部に沿ってブラダの周りにフィルムを折り曲げるか、あるいは外装パウチの底部でフィルムを密封することと、
外装パウチの前面部分の側部を外装パウチの後面部分の側部に接合して外装パウチの側部を形成することとを含む、外装を形成することと、
タック領域でブラダを外装に接合することであって、タック領域は、ブラダパウチの側部が外装パウチの側部に直接接合されないように、ブラダパウチ側部のいかなる部分も、および外装パウチの側部のいかなる部分も含まない、ブラダを外装に接合することと、
を含む、方法であって、
ブラダを外装に結合するタック領域が、ブラダのフラップ部分内および外装のフラップ部分内に位置する、方法。
【請求項11】
膨張性ウエブが、連続する膨張性ウエブシートから形成され、フィルムは、連続するフィルムシートから形成される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
密封することが、連続する膨張性ウエブシートから形成された連続するブラダ間で膨張性ウエブを切断密封することを含み、接合することは、連続するフィルムシートから形成された連続する外装間でフィルムを密封することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
膨張性ウエブを折り曲げることが、膨張性ウエブがブラダパウチの後面部分から延びてブラダのフラップ部分を形成するように膨張性ウエブをJ字折りすることを含み、フィルムを折り曲げることは、フィルムが外装パウチの後面部分から延びて外装のフラップ部分を形成するようにフィルムをJ字折りすることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
外装パウチの前面部分の側部を外装パウチの後面部分の側部に接合して外装パウチの側部を形成することが、連続するフィルムシート内における連続する膨張式パウチの外装パウチの側部に沿って、ならびに連続する膨張性ウエブシートおよび連続するフィルムシート内における連続する膨張式パウチのフラップ部分の縁部に沿って密封部を形成することを含み、
方法は、外装パウチの側部内の密封部と連続する膨張式パウチのフラップ部分の縁部との間に弱化部分を形成することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
連続する膨張性ウエブシートおよび連続するフィルムシートから形成された隣接する膨張式パウチから膨張式パウチを取り外すことを可能にするミシン目線、または連続する膨張性ウエブシートから形成された隣接する膨張式パウチを分離する切れ目のうちの1つを、弱化部分が含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
弱化部分が、連続する膨張式パウチ間にあるミシン目線およびミシン目線の内側部分にあるスリットを含み、スリットは、ミシン目線の切断を開始するように構成された舌部を受け入れるように構成されている、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、膨張式パウチの技術分野にある。より具体的には、本開示は、郵送、配送、または他の輸送状況において使用可能な膨張式パウチに関する。
【背景技術】
【0002】
パウチは、配送用または郵送用の容器として頻繁に使用される。パウチは、文書、電子機器、衣服、または他のタイプの物品などさまざまなタイプおよび形状の物品を保持することができる。いくつかのパウチは、複数の層を有するスキンから形成される。これらの層は、不透明なプラスチックフィルム、クラフト紙、または他の保護材料など外部層によって覆われた、発泡体層、膨張セル層、または他のクッション材などクッション層を含む。クッション層は、パウチの内部に収納された物品を衝撃損傷から保護するのに役立ち、一方、外部層は、ほこりや屑がパウチ内に侵入するのを防ぐと共に、パウチ内の物品が見えないようにし、パウチにラベルを貼り付け、書き込み、および/または印刷することを可能にする。
【0003】
本概要は、発明を実施するための形態において以下でさらに説明される概念の選択を簡略化された形で紹介するために提供される。本概要は、特許請求される主題の主要な構成を特定することを意図するものでもないし、特許請求される主題の範囲を決定する際の補助として使用されることを意図するものでもない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施形態では、膨張式パウチは、膨張性ウエブから形成されたブラダとフィルムから形成された外装とを含む。ブラダは、ブラダパウチを含む。膨張性ウエブは、ブラダパウチの前面部分とブラダパウチの後面部分とがブラダパウチの底部の異なる側にある状態で、ブラダパウチの底部を中心として折り曲げられる。ブラダパウチの前面部分の側部とブラダパウチの後面部分の側部とは互いに密封されてブラダパウチの側部を形成する。外装は外装パウチを含む。フィルムは、外装パウチの前面部分と外装パウチの後面部分とが外装パウチの底部の異なる側にある状態で、外装パウチの底部を中心として折り曲げられるか、あるいは外装パウチの底部で密封される。外装パウチの前面部分の側部と外装パウチの後面部分の側部とが互いに接合されて、外装パウチの側部を形成する。ブラダはタック領域で外装に接合される。タック領域は、ブラダパウチの側部が外装パウチの側部に直接接合されないように、ブラダパウチの少なくとも一方の側部のいかなる部分も、または外装パウチの側部のいかなる部分も含まない。一例では、膨張性ウエブは、ブラダパウチの後面部分から延びてブラダのフラップ部分を形成し、フィルムは、外装パウチの後面部分から延びて外装のフラップ部分を形成する。
【0005】
別の例では、ブラダのフラップ部分は共通チャネルを含む。別の例では、ガスを共通チャネル内に導くことによって複数の膨張性セルが膨張可能であるように、膨張性ウエブは共通チャネルと連通する複数の膨張性セルを含む。別の例では、ブラダを外装に結合するタック領域は、ブラダのフラップ部分内および外装のフラップ部分内に位置する。別の例では、ブラダパウチは、外装パウチに直接接合されない。別の例では、ブラダのフラップ部分および外装のフラップ部分は共に膨張式パウチのフラップを形成する。別の例では、膨張式パウチのフラップは、膨張式パウチを吊り下げるように構成された少なくとも1つのウィケットを受け入れるように構成された少なくとも1つの孔を含む。別の例では、少なくとも1つの孔は、ブラダのフラップ部分または外装のフラップ部分の少なくとも一方を貫通する。別の例では、少なくとも1つの孔は、フラップの少なくとも1つの引離し区画に配置され、引離し区画は、膨張式パウチが少なくとも1つのウィケットから引き離された後に、少なくとも1つのウィケット上に残るように構成される。別の例では、フィルムは、膨張式パウチのフラップを閉じるように構成された剥離テープセグメントを有する取付け領域を含む。別の例では、剥離テープセグメントは、ブラダのフラップ部分を越えて延びる外装のフラップ部分の一部にまたは外装パウチの前面部分の外部表面の少なくとも一方に配置される。
【0006】
別の実施形態では、膨張式パウチを形成する方法は、膨張性ウエブからブラダを形成することを含み、ブラダはブラダパウチを含む。ブラダパウチの前面部分とブラダパウチの後面部分とがブラダパウチの底部の異なる側にある状態で、ブラダパウチの底部に沿って膨張性ウエブを折り曲げることと、およびブラダパウチの前面部分の側部をブラダパウチの後面部分の側部に密封してブラダパウチの側部を形成することとを、ブラダを形成することは含む。本方法は、フィルムから外装を形成することをさらに含み、外装は外装パウチを含む。外装パウチの前面部分および外装パウチの後面部分が外装パウチの底部の異なる側にある状態で、外装パウチの底部に沿ってブラダの周りにフィルムを折り曲げるか、あるいは外装パウチの底部でフィルムを密封することと、および外装パウチの前面部分の側部を外装パウチの後面部分の側部に接合して外装パウチの側部を形成することとを、外装を形成することは含む。本方法は、タック領域でブラダを外装に接合することをさらに含む。タック領域は、ブラダパウチの側部が外装パウチの側部に直接接合されないように、ブラダパウチの少なくとも一方の側部のいかなる部分も、または外装パウチの側部のいかなる部分も含まない。
【0007】
一例では、膨張性ウエブは、連続する膨張性ウエブシートから形成され、フィルムは、連続するフィルムシートから形成される。別の例では、密封することは連続する膨張性ウエブシートから形成された連続するブラダ間で膨張性ウエブを切断密封することを含み、接合することは連続するフィルムシートから形成された連続する外装間でフィルムを密封することを含む。別の例では、膨張性ウエブを折り曲げることは、膨張性ウエブがブラダパウチの後面部分から延びてブラダのフラップ部分を形成するように膨張性ウエブをJ字折りすることを含み、フィルムを折り曲げることは、フィルムが外装パウチの後面部分から延びて外装のフラップ部分を形成するようにフィルムをJ字折りすることを含む。
【0008】
別の例では、外装パウチの前面部分の側部を外装パウチの後面部分の側部に接合して外装パウチの側部を形成することは、連続するフィルムシート内における連続する膨張式パウチの外装パウチの側部に沿って、ならびに連続する膨張性ウエブシートおよび連続するフィルムシート内における連続する膨張式パウチのフラップ部分縁部に沿って密封部を形成することを含み、本方法は、外装パウチの側部内の密封部と連続する膨張式パウチのフラップ部分縁部との間に弱化部分を形成することをさらに含む。別の例では、連続する膨張性ウエブシートおよび連続するフィルムシートから形成された隣接する膨張式パウチから膨張式パウチを取り外すことを可能にするミシン目線、または連続する膨張性ウエブシートから形成された隣接する膨張式パウチを分離する切れ目のうちの1つを、弱化部分は含む。別の例では、連続する膨張式パウチ間にあるミシン目線およびミシン目線の内側部分にあるスリットを、弱化部分は含み、スリットは、ミシン目線の切断を開始するように構成された舌部を受け入れるように構成される。
【0009】
別の実施形態では、膨張式パウチは、少なくとも1つのウィケットとガス供給源とを支持するフレームを含む膨張システムを使用して調製される。パウチ少なくとも1つのウィケットを複数の膨張式パウチのそれぞれの少なくとも1つの孔を通して挿入することによって少なくとも1つのウィケットに複数の膨張式パウチを吊り下げることを、膨張式パウチを調製する方法は含む。物品を複数の膨張式パウチのうちの1つの膨張式パウチに挿入することおよびガスをガス供給源から膨張式パウチのポート内に導くことを、本方法はさらに含む。ポートは膨張式パウチの1つ以上の膨張性セルと流体連通している。ガスをポート内に導くことにより、物品が膨張式パウチ内にある状態で1つ以上のセルを膨張させる。本方法は、膨張式パウチを少なくとも1つのウィケットから取り外せるように、膨張式パウチの一部を切断することによって膨張式パウチを膨張システムから引き離すことをさらに含む。
【0010】
一例では、本方法は、膨張式パウチを膨張システムから引き離した後、物品を膨張式パウチ内に封入するために、膨張式パウチのフラップを閉じることをさらに含む。別の例では、膨張式パウチの部分を切断することは、膨張式パウチのフラップの角部で引離し部分を画定している2本のミシン目線を切断することを含み、膨張式パウチを膨張システムから引き離すことによって引離し部分は、フラップから分離され、膨張式パウチを膨張システムから引き離した後、引離し部分が少なくとも1つのウィケット上に残る。別の例では、膨張式パウチの部分を切断することは、少なくとも1つの孔から膨張式パウチの縁部まで延びる弱化部分を切断することを含み、弱化部分は、膨張式パウチ内に1本以上のミシン目線または切欠きを含む。
【0011】
別の例では、ポートは、膨張式パウチのフラップ内に位置する。ガスがポートから1つ以上の膨張性セルへ流れることができるように、かつ1つ以上の膨張性セルからポートへのガスの流れを制限するように、構成された逆止弁を、1つ以上の膨張性セルのそれぞれは含む。別の例では、複数の膨張式パウチのそれぞれは、膨張性ウエブから形成されたブラダと、フィルムから形成された外装とを備え、ブラダの側部が外装の側部に直接接合されないように、ブラダのブラダパウチの側部のいかなる部分もまたは外装の外装パウチの側部のいかなる部分も含まないタック領域で外装に、ブラダは結合される。
【0012】
開示された主題について前述の態様および付随する多くの利点は、以下の詳細な説明を参照してより良く理解されるようになるので、添付の図面を併用するとき、より容易に理解されるようになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本明細書に開示の実施形態による、膨張式パウチのブラダを形成するために使用可能な膨張性ウエブの実施形態を示す図である。
図2】本明細書に開示の実施形態による、図1に示された膨張性ウエブのJ字折り構造の一実施形態を示す図である。
図3】本明細書に開示の実施形態による、図2に示されたJ字折り膨張性ウエブから形成されたブラダパウチを示す図である。
図4】本明細書に開示の実施形態による、膨張式パウチの外装を形成するために使用可能なフィルムの実施形態を示す図である。
図5】本明細書に開示の実施形態による、図3に示されるブラダパウチの周りで図4に示されるフィルムのJ字折り構造の実施形態を示す図である。
図6】本明細書に開示の実施形態による、図3に示すブラダパウチの周りでJ字折りフィルム内に形成された外装パウチを示す図である。
図7】本明細書に開示の実施形態による、膨張性ウエブおよびフィルムから形成された多数の膨張式パウチを示す図である。
図8A】本明細書に開示の実施形態による、ブラダパウチの側部を外装パウチの側部に直接接合されずに、膨張式パウチのブラダを膨張式パウチの外装に接合する方法を示す図である。
図8B】本明細書に開示の実施形態による、ブラダパウチの側部を外装パウチの側部に直接接合されずに、膨張式パウチのブラダを膨張式パウチの外装に接合する方法を示す図である。
図8C】本明細書に開示の実施形態による、ブラダパウチの側部を外装パウチの側部に直接接合されずに、膨張式パウチのブラダを膨張式パウチの外装に接合する方法を示す図である。
図9】本明細書に開示の実施形態による、図7に示す膨張式パウチを膨張させるために膨張システムを使用する実施形態を示す図である。
図10A】本明細書に開示の実施形態による、膨張後に図7に示す膨張式パウチのうちの1つに物品を収納する実施形態を示す図である。
図10B】本明細書に開示の実施形態による、膨張後に図7に示す膨張式パウチのうちの1つに物品を収納する実施形態を示す図である。
図11】本明細書に開示の実施形態による、図10Aおよび図10Bに示す膨張式パウチを閉じる実施形態を示す図である。
図12A】本明細書に開示の実施形態による、膨張式パウチの別の実施形態の正面図を示す図である。
図12B】本明細書に開示の実施形態による、膨張式パウチの別の実施形態の垂直断面図を示す図である。
図12C】本明細書に開示の実施形態による、膨張式パウチの別の実施形態の水平断面図を示す図である。
図13A】本明細書に開示の実施形態による、膨張式パウチの別の実施形態の正面図を示す。
図13B】本明細書に開示の実施形態による、膨張式パウチの別の実施形態の垂直断面図を示す図である。
図14A】本明細書に開示の実施形態による、膨張式パウチを個別に調製するために使用可能な膨張システムの正面図を示す図である。
図14B】本明細書に開示の実施形態による、膨張式パウチを個別に調製するために使用可能な膨張システムの側面図を示す図である。
図15A】本明細書に開示の実施形態による、図14Aに示す膨張式パウチのうちの1つに物品を挿入する一実施形態を示す図である。
図15B】本明細書に開示の実施形態による、図14Bに示す膨張式パウチのうちの1つに物品を挿入する一実施形態を示す図である。
図16A】本明細書に開示の実施形態による、図15Aにおいて物品が挿入された膨張式パウチを膨張させる実施形態を示す図である。
図16B】本明細書に開示の実施形態による、図15Bにおいて物品が挿入された膨張式パウチを膨張させる実施形態を示す図である。
図17A】本明細書に開示の実施形態による、膨張システムのウィケットから引き離された、図16Aに示す膨張した膨張式パウチの実施形態を示す図である。
図17B】本明細書に開示の実施形態による、膨張システムのウィケットから引き離された、図16Bに示す膨張した膨張式パウチの実施形態を示す図である。
図18A】本明細書に開示の実施形態による、膨張式パウチを膨張システムのウィケットから容易に引き離すための弱化部分を有する膨張式パウチの他の実施形態の部分を示す図である。
図18B】本明細書に開示の実施形態による、膨張式パウチを膨張システムのウィケットから容易に引き離すための弱化部分を有する膨張式パウチの他の実施形態の部分を示す図である。
図18C】本明細書に開示の実施形態による、膨張式パウチを膨張システムのウィケットから容易に引き離すための弱化部分を有する膨張式パウチの他の実施形態の部分を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示は、膨張後の外部の歪みが低減された膨張式パウチおよびその製造方法の実施形態を説明する。いくつかの例では、これらのパウチは、膨張性ウエブから形成されたブラダと、フィルムから形成された外装とを含む。膨張性ウエブを折り曲げてブラダパウチの前面部分と後面部分を形成し、前面部分と後面部分の側部は切断密封されてブラダパウチの側部を形成する。フィルムを折り曲げて外装パウチの前面部分と後面部分を形成し、前面部分と後面部分の側部は密封されて外装パウチの側部を形成する。ブラダと外装は、ブラダパウチの側部または外装パウチの側部を含まないタック領域で結合される。いくつかの例では、タック領域は、ブラダと外装のフラップ部分、ブラダパウチと外装パウチの底部中央部分、またはブラダパウチと外装パウチの別の中心位置にある。
【0015】
既存の膨張式パウチの1つの問題は、パウチの膨張により膨張式パウチの外部表面に歪みが生ずることである。いくつかの既存の膨張式パウチでは、ブラダと外装は、側部密封部で接合されている。これらの膨張式パウチは、膨張するので、膨張したブラダが収縮すると外装が歪む。他の既存の膨張式パウチでは、外装が膨張性ブラダの片面を形成し、そしてブラダのセルが膨張すると膨張したセルが外装を歪ませる。両方の場合において、外装の外部の歪みにより、ラベルを膨張式パウチの外部に付着させること、またはユーザが膨張式パウチの外部に(例えば住所を)書くことが困難になる。
【0016】
本明細書に記載の膨張式パウチの実施形態は、ブラダパウチおよび外装パウチの側部に直接接続されていないので、ブラダの膨張により既存の膨張式パウチに生じる歪みが生じることはない。したがって、本明細書に記載の膨張式パウチの実施形態では、ユーザは外装上に歪みを有するという問題を持つことなく、外装上にラベルを貼ったりおよび/または書いたりすることができる。
【0017】
本開示はまた、膨張前および膨張中、膨張式パウチを保持するためのウィケットを有する膨張システムおよびその使用方法の実施形態を説明する。ウィケットは、多くの膨張式パウチを保持し、膨張システムはガス供給源を保持する。ユーザは、膨張式パウチがウィケット上にある間に、膨張式パウチを個別に充填して膨張させることができる。膨張式パウチの膨張後に膨張式パウチをウィケットから引き離し可能とするために、膨張式パウチは切断されるように構成される。いくつかの例では、膨張式パウチが充填され膨張された後に膨張式パウチをウィケットから引き離され得るように、ウィケットは膨張式パウチの引き離し部分にある孔から挿入される。
【0018】
本明細書に開示の実施形態による、膨張式パウチを形成する実施形態が、図1から図7に示されている。より具体的には、図1は、膨張式パウチのブラダを形成するために使用される膨張性ウエブ100の実施形態を示す。膨張性ウエブ100は、多くの膨張性セル102を含む。この特定の実施形態では、膨張性セル102は、長く、狭く、そして互いに平行である。他の実施形態では、膨張性セルは、相互接続された任意形状の膨張性セルのパターンなどさまざまな形態をとってもよい。図示された実施形態では、膨張性セル102のそれぞれは、右側、左側、および底部で密封される。膨張性セル102の頂部は、膨張性ウエブ100の頂部に位置した共通チャネル106と流体連通している。特定の条件下で、共通チャネル106に導入されたガスは、膨張性セル102内に導かれ膨張性セルを膨張させる。さまざまな膨張性セルパターンおよびその製造材料を含む膨張性ウエブの例は、米国特許第6,800,162号明細書、米国特許第7,220,476号明細書、米国特許第8,568,029号明細書、および米国特許第8,745,960号明細書に記載されており、その内容は、全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0019】
図2は、膨張性ウエブ100のJ字折り構造の実施形態を示す。図示された実施形態では、膨張性ウエブ100は、折曲げ縁部108を中心として折り曲げられている。用語「J字折り」は、折り曲げられた縁部108が膨張性ウエブ100の対称軸ではないことを示す(例えば、折曲げ縁部108の一方の側における膨張性ウエブ100の長さは、折曲げ縁部108の他方の側における膨張性ウエブ100の長さとは異なる)。膨張性ウエブ100がJ字折りされた後、ブラダの前面部分110は、折曲げ縁部108の一方の側に位置し、ブラダの後面部分112は、折曲げ縁部108の他方の側に位置する。ブラダのフラップ部分114は、後面部分112から上方に延びる。図示された実施形態では、共通チャネル106はフラップ部分114上に位置する。
【0020】
図3は、J字折り膨張性ウエブ100から形成されたブラダパウチ104を示す。ブラダパウチ104は、前面部分110と、後面部分112と、折曲げ縁部108によって形成された底部とを含む。切断密封部116が膨張性ウエブ100内に作られ、前面部分110を後面部分112に密封し、ブラダパウチ104の側部118を形成する。図示された実施形態では、切断密封部116により膨張性ウエブ100内に矩形の切欠きが形成され、膨張性ウエブ100は、切欠きのすべての側部で密封される。折曲げ縁部108により膨張性セル102が折り曲げられていても、ガスが膨張性セル102の開口端部内に導入されるとき、依然として、折曲げ縁部108によりガスは、後面部分112から前面部分110へ通過していくことができる。図3に示された実施形態では、膨張性セル102の開口端部は、ブラダパウチ104の上方のフラップ部分114内に位置する。他の例では、膨張性セル102の開口端部は、ブラダパウチの頂部または他の任意の個所に位置する。
【0021】
図4は、膨張式パウチの外装を形成するフィルム200の一実施形態を示す。いくつかの実施形態では、フィルム200の材料は、熱可塑性材料、厚紙、板紙、紙、フォイル、キャンバス、布、発泡フィルム等を含む(但し、これらに限定されない)、当該技術分野において既知のさまざまな材料から選択される1つ以上の材料を含む。一実施形態では、フィルム200は、熱的に密封可能な熱可塑性材料から形成される。いくつかの実施形態では、フィルム200は、不透明であり、膨張式パウチ内の物品が膨張式パウチの外部から見られないようにする。
【0022】
図示された実施形態では、フィルム200は、フィルム200を膨張性ウエブ100のフラップ部分114に接合するように構成されたタック領域202を含む。いくつかの実施形態では、以下に記載されるように、タック領域202は、ブラダと外装との間の唯一の直接の取付け部である。いくつかの実施形態では、タック領域202は、フィルム200を膨張性ウエブ100に接合するように構成された接着剤を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されているタック部分は、接着(例えば、ホットメルト接着剤を用いて)、テーピング、粘着、熱溶接、超音波溶接、ホチキス留め、鋲留め、締結、クリッピング、または他の取付け形態などのうち任意の1つ以上によって形成される。いくつかの実施形態では、タック領域202は、米国特許第6,182,426号明細書に記載のスポット密封部を含み、その内容は全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0023】
図5は、ブラダパウチ104の周りでのフィルム200のJ字折り構造の実施形態を示す。図示された実施形態では、フィルム200は、折曲げ縁部208を中心として折り曲げられている。フィルム200がJ字折りされているので、折曲げ縁部208の一方の側のフィルム200の長さは、折曲げ縁部208の他方の側のフィルム200の長さとは異なる。外装の前面部分210は、折曲げ縁部208の一方の側に位置し、外装の後面部分212は、折曲げ縁部208の他方の側に位置する。ブラダのフラップ部分214は、後面部分212から上方に延びる。図示された実施形態では、取付け領域206(例えば、剥離ライナで覆われた接着剤、剥離テープセグメント)は、前面部分210の外部に位置する。取付け領域206は、膨張式パウチを閉じるために使用可能である。図示された実施形態では、外装のフラップ部分214は、ブラダのフラップ部分114よりも上方に延びる。いくつかの実施形態では、膨張式パウチを閉じるために、フラップ部分114を超えて延びるフラップ部分214の部分を取付け領域206に接合することができる。
【0024】
いくつかの代替の実施形態では、1枚のフィルムを折り曲げることによってではなく、2枚のフィルムを一緒に密封することによって、フィルム200は図5に示される配置に至る。例えば、1枚のフィルムを膨張性ウエブ100の後に配置し、他方のフィルムを膨張性ウエブ100の前に配置することができる。図5で折曲げ縁部208が示されている箇所で2枚のフィルムを密封することができる。膨張性セル102のいずれか一方の側の膨張を妨げないように、密封部はブラダパウチ104の折曲げ縁部108の下方にある。本明細書における外装パウチの実施形態は、底部を中心として折り曲げられるように本明細書において示され説明されているが、外装パウチの実施形態のいずれも、代替的に、底部で密封してもよい。
【0025】
図6は、J字折りフィルム200に形成された外装パウチ204を示す。外装パウチ204は、前面部分210と、後面部分212と、折曲げ縁部208によって形成された底部とを含む。密封部216は、外装パウチ204の側部218に沿ってフィルム200内に、そしてフラップ部分114およびフラップ部分214内の膨張性ウエブ100およびフィルム200内に作られる。パウチ204の側部218に沿って、前面部分210が外装パウチ204の後面部分212に接合される。図示された実施形態では、密封部216は、連続する膨張式パウチ間に2つの異なる密封部を含む熱的密封部である。他の実施形態では、密封部216は、単一の熱的密封部または外装パウチ204の前面部分210を後面部分212に接合し、フラップ部分114の縁部を密封する他のタイプの密封部を含む。密封部216が側部218を形成した状態で、外装パウチ204がブラダパウチ104の周りに位置する。以下でより詳細に示されるように、外装パウチ204の側部218は、ブラダパウチ104の側部118に直接接合されていない。図示された実施形態では、ブラダは、ブラダのフラップ部分114と外装のフラップ部分214との間のタック領域202によってのみ外装に接合される。
【0026】
図7は、膨張性ウエブ100およびフィルム200から形成される多数の膨張式パウチ140、140、140、140、...、104(集合的に膨張式パウチ140)を示す。図示された実施形態では、弱化部分130は、膨張式パウチ140と膨張式パウチ140との間の密封部216に形成される。図示された実施形態では、弱化部分130は、ミシン目線であり、ミシン目線の内側部分にスリットを有する。ある状況下においては、スリットによりロッド上に位置する舌部がスリットに挿入されてミシン目線を切断し始めることが可能になる。弱化部分130により、連続する1つの膨張式パウチ140を互いに分離することが可能になる。いくつかの実施形態では、弱化部分130は、ユーザが工具を使用せずに(例えば、ハサミまたは他の切断工具を使用せずに)手で連続する1つの膨張式パウチを分離できるように構成される。
【0027】
図8Aから図8Cは、膨張式パウチ140のブラダが膨張式パウチ140の外装にどのように接合されるかを示す。図8Aに示すように、図8Bおよび図8Cは、それぞれ、膨張式パウチ140の垂直断面図および水平断面図を示す。図8Bおよび図8Cに示すように、膨張式パウチ140のブラダパウチ104と外装パウチ204は、互いに、直接接合されていない。特に、ブラダパウチ104の側部118は、外装パウチ204の側部に直接接合されていない。図8Bに示すように、ブラダのフラップ部分114は、ブラダのフラップ部分114と外装のフラップ部分214との間のタック領域202によって、外装のフラップ部分214に直接接合されている。ブラダのフラップ部分114および外装のフラップ部分214が膨張式パウチ140のフラップを形成する。
【0028】
図示された実施形態では、ブラダパウチ104の前面部分110、後面部分112、および側部118は、それぞれ、外装パウチ204の前面部分210、後面部分212、および側部218に直接接合されていない。この実施形態により、ブラダが膨張したとき、ブラダパウチ104は、外装パウチ204とはやや独立して動くことが可能になり、結果として、膨張後の外装の外部の歪みが減少する。図8Bに示す描写では、共通チャネル106の頂部は、開いたままであり、ガスは、共通チャネル106を介して膨張性セル102に導入可能となる。
【0029】
図9に膨張システム160を使用して膨張式パウチ140を膨張させる実施形態が示されている。図示された実施形態では、膨張システム160は、供給ローラ162と、ガス供給源164と、密封機構166とを含む。膨張式パウチ140は、供給ローラ162上に配置された膨張式パウチ供給ロール142に巻かれる。膨張式パウチ140、140、および140を含む膨張式パウチ供給ロール142の一方の端が、ガス供給源164に沿って、また密封機構166を介して供給される。
【0030】
共通チャネル106は、ガス供給源164に沿って通っているので、ガス供給源164は、ガス168を共通チャネル106内に導き、膨張性セル102を膨張させる。ガス168は、共通チャネル106内およびブラダの後面部分112内へ至る膨張性セル102内へ導入されるが、膨張性セル102は、ブラダの前面部分110内へと続き、ブラダの前面部分110と後面部分112の両方が膨張する。いくつかの実施形態では、ガス供給源164は、外気を圧縮するように構成された圧縮機と、加圧ガスを含む加圧ガス容器と、ファンと、ガスを共通チャネル106内に導くように構成された他の機構と、またはそれらの任意の組合せとを含む。いくつかの実施形態では、ガス168は、外気、窒素ガス、または他の任意のガスもしくはガスの組合せである。膨張性セル102が膨張した後、密封機構166は、膨張性セル102の頂部付近に密封部170を形成する。図示の実施形態では、密封機構166は、ガス168が共通チャネル106内に導かれる点を超えて設置されたローラを含む。膨張性セルを膨張させるためのシステムの例は、米国特許第7,220,476号明細書および米国特許第8,568,029号明細書に記載されており、その両方の内容は、全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0031】
図9に示す例では、膨張式パウチ140および膨張式パウチ140の膨張性セル102は、完全に膨張し密封されている。この状態では、膨張式パウチ140および140のブラダは、膨張している。膨張性セル102の一部は、膨張しているが膨張性セル102の全部は膨張していないとき、膨張式パウチ140のブラダは、部分的に膨張している。膨張式パウチ140が左に動かされると、膨張式パウチ140のブラダは膨張し続ける。一旦、膨張すると、膨張式パウチ140を互いに分離することができる。例えば、膨張式パウチ140と膨張式パウチ140との間の弱化部分130を切断することによって、膨張式パウチ140を膨張式パウチ140から分離することができる。同様に、膨張式パウチ140と膨張式パウチ140との間の弱化部分130を切断することによって、膨張式パウチ140を膨張式パウチ140から分離することができる。いくつかの実施形態では、膨張式パウチ140が膨張した後、膨張式パウチ140は、物品を保持し保護することができる。
【0032】
また、図9に示す例では、膨張式パウチ140と膨張式パウチ140との間の弱化部分130の内部スリットに、舌部172が挿入されている。一実施形態では、舌部は、膨張式パウチ140の背後のロッド(図示せず)に接合されている。膨張式パウチ140が左に引っ張られると、舌部172および/または舌部172に取り付けられたロッドにより、膨張式パウチ140が所定位置に留まり、弱化部分130のミシン目線が切断され始める。膨張式パウチ140が左に引っ張られ続けると、弱化部分130のミシン目線は、完全に切断されて、この結果、膨張式パウチ140は、膨張式パウチ140から分離される。
【0033】
図10Aおよび図10Bに、膨張後に物品150を膨張式パウチ140内に収納する実施形態が示されている。図10Aでは、膨張性セル102が膨張状態にある間、物品150がブラダパウチ104の前面部分110と後面部分112との間の膨張式パウチ140内に挿入される。図10Bでは、物品150が膨張式パウチ140内に完全に挿入されている。図10Aおよび図10Bに示されている物品150は、携帯電話であるが、物品150は、膨張式パウチ140の膨張したブラダ内にフィットできる任意の物品であり得る。
【0034】
物品150を膨張式パウチ140内に収納した後、膨張式パウチ140を閉じて物品150を封入することができる。膨張式パウチ140を閉じる実施形態を図11に示す。図示された実施形態では、ブラダおよび外装のフラップ部分114および214は、外装パウチ204の外部表面の前に折り曲げられている。一実施形態では、ブラダのフラップ部分114を超えて延びる外装のフラップ部分214の部分は、取付け領域206に接合される。このように、膨張式パウチ140は、ユーザ(例えば、膨張式パウチ140の配送先受取人)が膨張式パウチ140を開けるまで、膨張式パウチ140内に物品150を完全に封入する。
【0035】
図12A図12B、および図12Cは、それぞれ、膨張式パウチ140’の別の実施形態の正面図、垂直断面図、および水平断面図を示す。膨張式パウチは、膨張性ウエブから形成されたブラダと、フィルムから形成された外装とを含む。膨張性ウエブは、前面部分110’と、後面部分112’と、フラップ部分114’とを含むブラダを形成する。膨張性ウエブは、ブラダの後面部分112’を通って前面部分110’に至る膨張性セル102’を含む。膨張性ウエブは、前面部分110’と後面部分112’との間の折曲げ縁部108’を中心として折り曲げられる。膨張性ウエブは、前面部分110’と、後面部分112’と、折曲げ縁部108’によって形成された底部とを含むブラダパウチ104’を形成する。ブラダパウチ104’の側部118’は、前面部分110’の側部と後面部分112’の側部との間の密封部から形成される。いくつかの実施形態では、側部118’は、膨張性ウエブ内の切断密封部から形成される。
【0036】
膨張性セル102’のそれぞれは、共通チャネル106’と流体連通している。図12Bに示すように、共通チャネル106’の頂部は、開いており、ガスは、共通チャネル106’を介して膨張性セル102’に導入可能となる。図12Aに示す実施形態では、逆止弁120’が膨張性セル102’と共通チャネル106’との間に位置する。逆止弁120’により、ガスが共通チャネル106’から膨張性セル102’内に流れることが可能になり、ガスが膨張性セル102’から共通チャネル106’内に流れことが制限される。このように、密封機構(例えば、図9に示した密封機構166)を必要とせずに(例えば、図9に示したガス供給源164を使用して)共通チャネル106’にガスを導入することによって、膨張性セル102’は充填され得る
【0037】
フィルムは、前面部分210’と、後面部分212’と、フラップ部分214’とを含む外装を形成する。フィルムは、前面部分210’と後面部分212’との間の折曲げ縁部208’を中心としてブラダパウチ104’の周りに折り曲げられる。フィルムは、前面部分210’と、後面部分212’と、折曲げ縁部208’によって形成された底部とを含む外装パウチ204’を形成する。外装パウチ204’の側部218’は、前面部分210’の側部と後面部分212’の側部との間の密封部から形成される。外装のフラップ部分214’は、ブラダのフラップ部分114’の頂部を越えて延びる。図示された実施形態では、フラップ部分は、剥離ライナで覆われた接着剤などの取付け領域206’を含む。膨張式パウチ140’が閉じられると、取付け領域206’は、外装パウチ204’の前面部分210’の外部表面に付着することができる。
【0038】
図12Cに示すように、ブラダパウチ104’の側部118’は、外装パウチ204’の側部218’に直接接合されていない。ブラダは、ブラダパウチ104’および外装パウチ204’の底部中央に位置するタック領域202’によって外装に接合されている。ブラダが膨張すると、タック領域202’の直ぐ周りの外装パウチ204’の領域は、やや歪む可能性がある。しかしながら、外装パウチ204’の大部分は、変形せず、ユーザは、外装パウチ204’の前面部分210’または後面部分212’の外部に容易にラベルを貼ったり書いたりすることができる。他の実施形態では、タック領域202’は、ブラダパウチ104’の側部118’または外装パウチ204’の側部218’を含まない、ブラダパウチ104’および外装パウチ204’の任意の中央部分に位置してもよい。他の実施形態では、タック領域202’は、フラップ部分114’とフラップ部分214’との間に位置してもよい。
【0039】
本明細書では、膨張式パウチ140および膨張式パウチ140’は、特定の構成のセットと共に説明されているが、膨張式パウチの他の実施形態は、膨張式パウチ140および膨張式パウチ140’に関して前述した構成の異なる組合せを含んでもよい。例えば、膨張式パウチの膨張性セル102は、膨張性セル102’上の逆止弁120’と同様な逆止弁を含むことができる。別の例では、膨張式パウチ140のブラダのフラップ部分114と外装のフラップ部分214との間のタック領域202と同様に、膨張式パウチ140’のタック領域202’は、ブラダのフラップ部分114’と外装のフラップ部分214’との間に位置することができる。構成の変形形態において、本明細書に記載の膨張式パウチの実施形態は、ブラダパウチの側部と外装パウチの側部とが互いに直接に接合されていないブラダパウチおよび外装パウチを含む。
【0040】
図13Aおよび図13Bは、それぞれ、膨張式パウチ340の別の実施形態の正面断面図および垂直断面図を示す。膨張式パウチ340は、膨張性ウエブから形成されたブラダと、フィルムから形成された外装とを含む。膨張性ウエブは、前面部分310と、後面部分312と、フラップ部分314とを含むブラダを形成する。膨張性ウエブは、ブラダの後面部分312を通って前面部分310に至る膨張性セル302を含む。図示された実施形態では、膨張性セルは、相互接続された円形の膨張性領域を含む。膨張性ウエブは、前面部分310と後面部分312との間の折曲げ縁部308を中心として折り曲げられる。膨張性ウエブは、前面部分310と、後面部分312と、折曲げ縁部308によって形成された底部とを含むブラダパウチ304を形成する。ブラダパウチ304の側部318は、前面部分310の側部と後面部分312の側部との間の密封部から形成される。いくつかの実施形態では、側部318は、膨張性ウエブ内の切断密封部から形成される。
【0041】
膨張性セル302のそれぞれは、共通チャネル306と流体連通している。共通チャネル306は、ブラダのフラップ部分114のすべての側部で密封されている。共通チャネル306は、ガスを共通チャネル306内に導入することができるポート360を含む。特定の実施形態では、ポート360は、いかなる特定の弁も含まない孔である。他の実施形態では、ポート360は、ガス供給源の取付け具またはホースに着脱可能に結合されるように構成された弁を含む。図13Aに示す実施形態では、逆止弁320が膨張性セル302と共通チャネル306との間に位置する。逆止弁320は、ガスが共通チャネル306から膨張性セル302内に流れることを可能にし、かつガスが膨張性セル302から共通チャネル306内に流れることを制限する。このように、膨張性セル302の頂部を密封するための密封機構を必要とせず、ポートを介して共通チャネル306内にガスを導入することによって、膨張性セル302は充填され得る。
【0042】
フィルムは、前面部分410と、後面部分412と、フラップ部分414とを含む外装を形成する。フィルムは、前面部分410と後面部分412との間の折曲げ縁部408を中心としてブラダパウチ304の周りに折り曲げられる。フィルムは、前面部分410と、後面部分412と、折曲げ縁部408によって形成された底部とを含む外装パウチ404を形成する。外装パウチ404の側部418は、前面部分410の側部と後面部分412の側部との間の密封部から形成される。外装のフラップ部分414はブラダのフラップ部分314の頂部を越えて延びる。図示された実施形態では、フラップ部分414は、剥離ライナで覆われた接着剤などの取付け領域406を含む。膨張式パウチ340が閉じられると、取付け領域406は、外装パウチ404の前面部分410の外部表面に付着することができる。
【0043】
ブラダパウチ304の側部318は、外装パウチ404の側部418に直接に接合されていない。ブラダは、ブラダのフラップ部分314と外装のフラップ部分414との間に位置するタック領域402によって外装に接合される。この実施形態では、ブラダパウチ304の部分は、外装パウチ404のどの部分にも直接に接合されていない。
【0044】
膨張式パウチ340は、弱化部分462を含む。弱化部分462は、膨張式パウチが吊り下げられているウィケットから膨張式パウチ340を引き離すために、切断されるように構成される。図示された実施形態では、弱化部分462はミシン目線状である。他の実施形態では、弱化部分462は、フィルム内の1本以上の切れ目線、切欠き部分、切込み線、または任意の他の種類の弱化部分を含む。図示された実施形態では、弱化部分462は、外装パウチ404の上面からフラップ部分414を通って斜めに延びる。弱化部分462は、フラップ部分414の角部に引離し部分464を形成する。孔466は、引離し部分464上に位置する。孔466は、膨張式パウチ340を吊り下げるように構成されたウィケットを受け入れるように構成される。図14Aから図17Bに関して以下で説明されるように、膨張式パウチ340の弱化部分462を切断することによって、膨張式パウチ340は、膨張システムから引き離され、膨張式パウチ340は、膨張システムのウィケットから取り外され得る。
【0045】
図14Aおよび図14Bは、それぞれ、膨張式パウチ342を個別に調製するために使用できる膨張システム500の正面図および側面図を示す。膨張システム500は、フレーム502と、フレーム502によって支持されたウィケット504と、フレーム502によって支持されたガス供給源506とを含む。膨張式パウチ342は、膨張式パウチ340を含む。ウィケット504は、膨張式パウチ340内の孔466を通り、膨張式パウチ340をウィケット504から吊り下げる。ガス供給源506は、ガスをウィケット504の方に導くように構成された出口508を含む。いくつかの実施形態では、ガス供給源506は、外気を圧縮するように構成された圧縮機と、加圧ガスを収容する加圧ガス容器と、ファンと、ガスをウィケット504の方に導くように構成されたその他の機構とを含む。
【0046】
図14Bの描写では、膨張式パウチ340は、ガス供給源506の前に移動されている。いくつかの実施形態では、膨張式パウチ342は、ウィケット504に沿って自由に移動可能である。図15Aおよび図15Bに示されるように、物品350は、ブラダパウチ304の前面部分310と後面部分312との間の膨張式パウチ340に挿入される。図示された実施形態では、膨張式パウチ340は、膨張性セル302がまだ膨張していない収縮状態にある。物品350は、タブレットコンピューティング装置であるが、物品350は、膨張式パウチ340のブラダパウチ304内でフィットすることができる任意の物品であり得る。
【0047】
図16Aおよび図16Bに示す実施形態では、物品350は膨張式パウチ340のブラダパウチ304内に完全に挿入されている。膨張式パウチ340もガス供給源506の下に位置している。ガス供給源506はまた、ガス510を出口508から膨張式パウチ340のポート360の方に導く。ポート360内に導かれたガス510は、共通チャネル306を通って膨張性セル302内に進む。逆止弁320は、ガス510が膨張性セル302から出るのを防ぐので、膨張性セル302は、膨張状態のままである。
【0048】
膨張式パウチ340が、物品350で満たされ、ガス供給源506によって膨張した後、膨張式パウチ340をウィケット504から引き離すことができる。ウィケット504から引き離された膨張式パウチ340の一実施形態を図17Aおよび図17Bに示す。膨張式パウチ340がウィケット504から引き離されるとき、膨張式パウチ340の一部が切断される。図示された実施形態では、弱化部分462が切断されて(すなわち、ミシン目線が切断されて)膨張式パウチ340をウィケット504から引き離すことが可能になる。膨張式パウチ340の引離し部分464は、弱化部分462が切断された後、ウィケット上に残る。場合によっては、膨張性セル302の膨張により、膨張式パウチ340上のフラップの角部(引離し部分464を含む)が前方向に丸まる。フラップの角部が前方向に丸まることにより、弱化部分462が下方に引っ張られるので、弱化部分462の引離し始めがより容易になり得る。
【0049】
膨張式パウチ340がウィケット504から引き離された後、膨張式パウチ340のフラップを閉じることができる。膨張式パウチ340のフラップは、外装のフラップ部分414上の取付け領域406から剥離ライナを剥がし、取付け領域406の露出した接着剤を外装パウチ404の前面部分410の外装上に付着させることによって、閉じることができる。さらに、膨張式パウチ340がウィケット504から引き離された後、膨張式パウチ340に関して示された方法で、ウィケット504の前面に最も近い次の1つの膨張式パウチ342は、前方に進められ、充填され、膨張され得る。このプロセスは、膨張式パウチ342の一部または全部を個別に充填し、膨張させ続けることができる。
【0050】
図18A図18B、および図18Cに、それぞれ、膨張式パウチ640、640、および640の実施形態の部分が示されている。膨張式パウチ640、640、および640(集合的に膨張式パウチ640)は、ブラダパウチ604および外装パウチ704を含み、ブラダパウチ604の側部は、外装パウチ704の側部に直接に接合されていない。膨張式パウチ640は、ポート660を有するブラダのフラップ部分614および外装のフラップ部分714も含む。膨張式パウチ640は、膨張式パウチのフラップを閉じるために外装パウチ704の外部表面上に取付け領域706も含む。
【0051】
図18Aから図18Cの膨張式パウチ640の異なる実施形態は、1つ以上のウィケットを受け入れるための1つ以上の孔のさまざまな配置および膨張式パウチ640を1つ以上のウィケットから引き離すために切断することができる弱化部分のさまざまな実施形態を示す。
【0052】
図18Aでは、膨張式パウチ640は、フラップ部分614およびフラップ部分714を貫通する孔766を含む。孔766は、ウィケットを受け入れるように構成されており、膨張式パウチ640は、ウィケットから吊り下げられ得る。弱化部分762は、孔766からフラップ部分614およびフラップ部分714の頂部まで延びる。図示された実施形態では、弱化部分762は、ミシン目の付いたフラップであるが、弱化部分762は、他の任意のタイプの弱化部分としてもよい。膨張式パウチ640がウィケットから引き離されるとき、弱化部分762が切断されて膨張式パウチ640がウィケットから取り外され得る。この実施形態では、膨張式パウチ640は、引離し部分を含まず、膨張式パウチ640がウィケットから引き離された後、膨張式パウチ640の部分は、通常、ウィケットに残らない。
【0053】
図18Bでは、膨張式パウチ640は、フラップ部分614およびフラップ部分714を貫通する2つの孔766を含む。孔766は、2つのウィケットを受け入れるように構成されており、膨張式パウチ640は、ウィケットから吊り下げられ得る。弱化部分762は孔766の上方に位置する。図示された実施形態では、弱化部分762はフラップ部分614とフラップ部分714を貫通する切欠きであるが、弱化部分762は、他の任意のタイプの弱化部分であってもよい。膨張式パウチ640がウィケットから引き離されるとき、孔766と弱化部分762との間の膨張式パウチ640の部分は、切断されて、膨張式パウチ640は、ウィケットから取り外され得る。この実施形態では、膨張式パウチ640は、引離し部分を含まず、膨張式パウチ640がウィケットから引き離された後、膨張式パウチ640の部分は、通常、ウィケット上に残らない。
【0054】
図18Cでは、膨張式パウチ640は、フラップ部分714を貫通する3つの孔766を含む。孔766は、3つのウィケットを受け入れるように構成されており、膨張式パウチ640は、ウィケットから吊り下げられ得る。弱化部分762は、孔766の下方で、かつブラダのフラップ部分614の上方に位置する。図示された実施形態では、弱化部分762は、ミシン目線であるが、弱化部分762は、他のタイプの弱化部分であってもよい。弱化部分762は、引離し部分764を画定する。膨張式パウチ640は、ウィケットから引き離され得る、弱化部分762が切断されて、膨張式パウチ640は、ウィケットから取り外され得る。この実施形態では、引離し部分764は、膨張式パウチ640の残りの部分から取り除かれ、引離し部分764は、ウィケット上に残る。
【0055】
図18Aから図18Cに示された膨張式パウチ640は、孔の数、弱化部分のタイプなど特定の構成を含む具体的な実施形態である。当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく、図示された実施形態から構成(例えば、孔の数、弱化部分のタイプなど)の変形形態が可能であることを認識するであろう。
【0056】
本開示の目的上、「上の」、「下の」、「垂直な」、「水平な」、「内部へ」、「外部へ」、「内部の」、「外部の」、「前方の」、「後方の」などの用語は、説明的なものとして解釈されるべきであり、特許請求される主題の範囲を限定するものではない。さらに、本明細書における「含む」、「備える」、または「有する」およびその変形の使用は、その後に記載される項目およびその同等物、ならびに追加項目を包含することを意味する。特に限定しない限り、本明細書における「接続された」、「結合された」、および「取り付けられた」という用語、およびこれらの変形は、広く使用されており、直接および間接の接続、結合、および取付けを包含する。特に明記しない限り、用語「実質的に」、「約」などは、目標値の5%以内を意味するために使用される。
【0057】
本開示の原理、代表的な実施形態、および動作モードは、前述の説明において記載されている。しかしながら、保護されることを意図した本開示の態様は、開示された特定の実施形態に限定されると理解されるべきではない。さらに、本明細書に記載の実施形態は、限定的ではなく例示的と見なされるべきである。本開示の主旨から逸脱せずに、他者によって変形および変更がなされてもよく、同等物が使用されてもよいことが理解されるであろう。したがって、請求項に記載されているように、このような変形、変更、および同等物はすべて、本開示の主旨および範囲内にあることが明確に意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図9
図10A
図10B
図11
図12A
図12B
図12C
図13A
図13B
図14A
図14B
図15A
図15B
図16A
図16B
図17A
図17B
図18A
図18B
図18C