(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-10
(45)【発行日】2022-06-20
(54)【発明の名称】誘導ベースのエアロゾル送達装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/465 20200101AFI20220613BHJP
A24F 47/00 20200101ALI20220613BHJP
【FI】
A24F40/465
A24F47/00
(21)【出願番号】P 2019525892
(86)(22)【出願日】2017-11-15
(86)【国際出願番号】 IB2017057142
(87)【国際公開番号】W WO2018092040
(87)【国際公開日】2018-05-24
【審査請求日】2020-10-20
(32)【優先日】2016-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516097871
【氏名又は名称】アール・エイ・アイ・ストラテジック・ホールディングス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サー,ラジェッシュ
(72)【発明者】
【氏名】ロジャース,ジェームズ・ダブリュ
(72)【発明者】
【氏名】シアーズ,スティーブン・ビー
(72)【発明者】
【氏名】ハント,エリック・ティー
【審査官】土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】特表平08-511175(JP,A)
【文献】特開2000-341972(JP,A)
【文献】特表2015-512262(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 47/00
A24F 40/465
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル送達装置であって、
エアロゾル前駆体組成物を担持するように構成された基材と、
送信器連結装置および基材に近接して配置された共振受信器連結装置を含む共振変圧器と、
共振変圧器を駆動するように構成されたパルス幅変調インバータとを含み、
パルス幅変調インバータが、
送信器連結装置に連結され、一対のトランジスタおよび一対のダイオードを含むハーフブリッジであるブリッジ回路と、
集積回路として具体化され、ブリッジ回路にパルス幅変調信号を出力するように構成されたパルス幅変調コントローラとを含み、
ブリッジ回路は、送信器連結装置を駆動して振動磁場を発生させ、振動磁場にさらされた際に共振受信器連結装置に交流電圧を誘導するように構成され
交流電圧は、共振受信器連結装置に熱を発生させ、それによってエアロゾル前駆体組成物の構成要素を気化さ
せ、
共振受信器連結装置に連結され、共振受信器連結装置に誘導された交流電圧から任意の直流電圧成分をフィルタリングするように構成されたハイパスフィルタと、
ハイパスフィルタに連結され、そのようにフィルタリングされた交流電圧を増幅するように構成された非反転増幅回路とをさらに含む、
エアロゾル送達装置。
【請求項2】
充電式スーパーキャパシタ、充電式固体電池または充電式リチウムイオン電池を含み、パルス幅変調インバータに電力を供給するように構成された電源をさらに含む、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項3】
電源とパルス幅変調インバータとの間にあって、パルス幅変調インバータにおいて一定の電圧レベルを維持するように構成された定電圧レギュレータをさらに含む、請求項2に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項4】
充電式スーパーキャパシタを含み、パルス幅変調インバータに電力を供給するように構成された電源をさらに含む、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項5】
電源が、充電式スーパーキャパシタが充電可能であるエネルギー源と接続可能な端子をさらに含む、請求項4に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項6】
電源がエネルギー源をさらに含み、エネルギー源が充電式固体電池または充電式リチウムイオン電池であるか、それらを含む、請求項5に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項7】
共振受信器連結装置に近接して配置され、そこに誘導された交流の測定値を生成するように構成されたホール効果電流センサと、
測定値を受け、それに応答してエアロゾル送達装置の少なくとも1つの機能要素の動作を制御するように構成されたマイクロプロセッサとをさらに含む、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項8】
送信器連結装置が、共振受信器連結装置を少なくとも部分的に囲むように構成されている、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項9】
送信器連結装置が、管状またはコイル状構成を画定する、請求
項8に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項10】
エアロゾル前駆体組成物を担持するように構成された基材に近接して配置された共振受信器連結装置を装備されたカートリッジと連結されているか、連結可能な制御本体であって、
制御本体がカートリッジと連結された際に共振受信器連結装置とともに共振変圧器を形成する送信器連結装置と、
共振変圧器を駆動するように構成されたパルス幅変調インバータとを含み、
パルス幅変調インバータが、
送信器連結装置に連結され、一対のトランジスタおよび一対のダイオードを含むハーフブリッジであるブリッジ回路と、
集積回路として具体化され、ブリッジ回路にパルス幅変調信号を出力するように構成されたパルス幅変調コントローラとを含み、
ブリッジ回路は、送信器連結装置を駆動して振動磁場を発生させ、振動磁場にさらされた際に共振受信器連結装置に交流電圧を誘導するように構成され、
交流電圧は、共振受信器連結装置に熱を発生させ、それによってエアロゾル前駆体組成物の構成要素を気化さ
せ、
共振受信器連結装置に連結され、共振受信器連結装置に誘導された交流電圧から任意の直流電圧成分をフィルタリングするように構成されたハイパスフィルタと、
ハイパスフィルタに連結され、そのようにフィルタリングされた交流電圧を増幅するように構成された非反転増幅回路とをさらに含む、
制御本体。
【請求項11】
充電式スーパーキャパシタ、充電式固体電池または充電式リチウムイオン電池を含み、パルス幅変調インバータに電力を供給するように構成された電源をさらに含む、請求
項10に記載の制御本体。
【請求項12】
電源とパルス幅変調インバータとの間にあって、パルス幅変調インバータにおいて一定の電圧レベルを維持するように構成された定電圧レギュレータをさらに含む、請求
項11に記載の制御本体。
【請求項13】
充電式スーパーキャパシタを含み、パルス幅変調インバータに電力を供給するように構成された電源をさらに含む、請求
項10に記載の制御本体。
【請求項14】
電源が、充電式スーパーキャパシタが充電可能であるエネルギー源と接続可能な端子をさらに含む、請求
項13に記載の制御本体。
【請求項15】
電源がエネルギー源をさらに含み、エネルギー源が充電式固体電池または充電式リチウムイオン電池であるか、それらを含む、請求項14に記載の制御本体。
【請求項16】
送信器連結装置が、共振受信器連結装置を少なくとも部分的に囲むように構成されている、請求
項10に記載の制御本体。
【請求項17】
送信器連結装置が、管状またはコイル状構成を画定する、請求
項16に記載の制御本体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、喫煙物品などのエアロゾル送達装置に関し、さらに具体的には、エアロゾルの発生のために電気的に生成された熱を利用してもよいエアロゾル送達装置(例えば、一般に電子タバコと呼ばれる喫煙物品)に関する。喫煙物品は、タバコから製造され得るか、タバコに由来し得るか、そうでなければタバコを組み込み得る材料を組み込んでもよいエアロゾル前駆体を加熱するように構成されてもよく、前駆体は人間が摂取するための吸入可能な物質を形成することができる。
【背景技術】
【0002】
使用のためにタバコを燃焼することを必要とする喫煙製品の改良品または代替品として、多くの装置が長年にわたって提案されてきた。これらの装置の多くは、称するところによれば、紙巻タバコ、葉巻またはパイプの喫煙に関連する感覚を提供するが、タバコの燃焼に起因する相当量の不完全燃焼および熱分解生成物を送達することはないように設計されている。この目的のために、電気エネルギーを利用して揮発性材料を気化または加熱するか、タバコを著しく燃焼することなく紙巻タバコ、葉巻またはパイプの喫煙感覚を提供しようとする多くの代替喫煙製品、香味発生器および薬用吸入器が提案されている。例えば、いずれも参照により本明細書に組み込まれるCollettらの米国特許第8,881,737号明細書、Griffith Jr.らの米国特許出願公開第2013/0255702号明細書、Sebastianらの米国特許出願公開第2014/0000638号明細書、Searsらの米国特許出願公開第2014/0096781号明細書、Ampoliniらの米国特許出願公開第2014/0096782号明細書、Davisらの米国特許出願公開第2015/0059780号明細書および2016年7月28日に出願されたWatsonらの米国特許出願番号第15/222,615号明細書に説明されている背景技術に記載されている様々な代替喫煙物品、エアロゾル送達装置および発熱源を参照されたい。また、例えば、参照により組み込まれるCountsらの米国特許第5,388,594号明細書およびRobinsonらの米国特許第8,079,371号明細書の背景技術の項に説明されている製品および加熱構成の様々な実施形態も参照されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第8,881,737号明細書
【文献】米国特許出願公開第2013/0255702号明細書
【文献】米国特許出願公開第2014/0000638号明細書
【文献】米国特許出願公開第2014/0096781号明細書
【文献】米国特許出願公開第2014/0096782号明細書
【文献】米国特許出願公開第2015/0059780号明細書
【文献】米国特許第5,388,594号明細書
【文献】米国特許第8,079,371号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
エアロゾル送達装置の様々な実施形態は、エアロゾル前駆体組成物からエアロゾルを生成するために噴霧器を使用する。そのような噴霧器は、直接抵抗加熱を用いて熱を発生させることが多い。これに関して、噴霧器は、電流が導かれる材料に関連する電気抵抗を介して熱を発生させるコイルまたは他の部材を含む加熱要素を含み得る。電流はワイヤまたはコネクタなどの直接的な電気的接続を介して加熱要素を通して、通常導かれる。しかし、そのような電気的接続を形成することは、エアロゾル送達装置の組み立てを複雑にし、潜在的な故障箇所を追加する可能性がある。さらに、いくつかの実施形態では、エアロゾル送達装置は、電源を含み得る制御本体と、噴霧器を含み得るカートリッジとを含み得る。これらの実施形態では、カートリッジと制御本体との間の電気的接続が必要となる可能性があり、これによりエアロゾル送達装置の設計がさらに複雑になる可能性がある。したがって、エアロゾル送達装置に関する進歩が望ましい可能性がある。
【0005】
本開示は、エアロゾルを生成するように構成されたエアロゾル送達装置に関し、このエアロゾル送達装置は、いくつかの実施形態では、電子タバコまたは非燃焼加熱式タバコ(heat-not-burn cigarette)と呼ばれ得る。後述するように、エアロゾル送達装置は、送信器連結装置(時に誘導送信器と呼ばれる)および共振受信器連結装置(時に誘導受信器と呼ばれる)を含む共振変圧器を含んでもよい。送信器連結装置は、交流が導かれる際に振動磁場(時間とともに周期的に変化する磁場)を発生させるように構成されたコイルを含んでもよい。共振受信器連結装置は、送信器連結装置内に少なくとも部分的に受け入れられてもよく、導電性材料を含んでもよい。それにより、送信器連結装置を通して交流を導くことによって、誘導を介して共振受信器連結装置に渦電流を発生させてもよい。共振受信器連結装置を画定する材料の抵抗を通って流れる渦電流は、ジュール加熱によってそれを加熱し得る。それにより、噴霧器を画定し得る共振受信器連結装置を無線で加熱して、共振受信器連結装置に近接して配置されたエアロゾル前駆体組成物からエアロゾルを形成してもよい。本明細書で使用される場合、無線で加熱するとは、(電気的な)パワー源に物理的に電気的に接続されていない噴霧器を介して起こる加熱を指す。詳細情報については、いずれも参照により本明細書に組み込まれる2015年11月6日に出願されたDavisらの米国特許出願番号第14/934,763号明細書および2016年1月20日に出願されたSurの米国特許出願番号第15/002,056号明細書を参照されたい。
【0006】
本開示は、限定するものではないが、以下の例示的な実施形態を含む。
【0007】
例示的な実施形態1:エアロゾル送達装置であって、エアロゾル前駆体組成物を担持するように構成された基材と、送信器連結装置および基材に近接して配置された共振受信器連結装置とを含む共振変圧器と;共振変圧器を駆動するように構成されたパルス幅変調(PWM)インバータとを含み、PWMインバータが、送信器連結装置に連結されたブリッジ回路と、集積回路として具体化され、ブリッジ回路にPWM信号を出力するように構成されたPWMコントローラとを含み、ブリッジ回路は、送信器連結装置を駆動して振動磁場を発生させ、振動磁場にさらされた際に共振受信器連結装置に交流電圧を誘導するように構成され、交流電圧は、共振受信器連結装置に熱を発生させ、それによってエアロゾル前駆体組成物の構成要素を気化させるエアロゾル送達装置。
【0008】
例示的な実施形態2:任意の前述の例示的な実施形態または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置であって、エアロゾル送達装置が、充電式スーパーキャパシタ、充電式固体電池または充電式リチウムイオン電池を含み、PWMインバータに電力を供給するように構成された電源をさらに含むエアロゾル送達装置。
【0009】
例示的な実施形態3:任意の前述の例示的な実施形態または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置であって、エアロゾル送達装置が、電源とPWMインバータとの間にあって、PWMインバータにおいて一定の電圧レベルを維持するように構成された定電圧レギュレータをさらに含むエアロゾル送達装置。
【0010】
例示的な実施形態4:任意の前述の例示的な実施形態または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置であって、エアロゾル送達装置が、充電式スーパーキャパシタを含み、PWMインバータに電力を供給するように構成された電源をさらに含むエアロゾル送達装置。
【0011】
例示的な実施形態5:任意の前述の例示的な実施形態または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置であって、電源が、充電式スーパーキャパシタが充電可能であるエネルギー源と接続可能な端子をさらに含むエアロゾル送達装置。
【0012】
例示的な実施形態6:任意の前述の例示的な実施形態または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置であって、電源がエネルギー源をさらに含み、エネルギー源が充電式固体電池または充電式リチウムイオン電池であるか、それらを含むエアロゾル送達装置。
【0013】
例示的な実施形態7:任意の前述の例示的な実施形態または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置であって、ブリッジ回路が、一対のトランジスタおよび一対のダイオードから構成されたハーフブリッジであるエアロゾル送達装置。
【0014】
例示的な実施形態8:任意の前述の例示的な実施形態または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置であって、エアロゾル送達装置が、共振受信器連結装置に近接して配置され、そこに誘導された交流の測定値を生成するように構成されたホール効果電流センサと、測定値を受け、それに応答してエアロゾル送達装置の少なくとも1つの機能要素の動作を制御するように構成されたマイクロプロセッサとをさらに含むエアロゾル送達装置。
【0015】
例示的な実施形態9:任意の前述の例示的な実施形態または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置であって、エアロゾル送達装置が、共振受信器連結装置に連結され、共振受信器連結装置に誘導された交流電圧から任意の直流電圧成分をフィルタリングするように構成されたハイパスフィルタと、ハイパスフィルタに連結され、そのようにフィルタリングされた交流電圧を増幅するように構成された非反転増幅回路とをさらに含むエアロゾル送達装置。
【0016】
例示的な実施形態10:任意の前述の例示的な実施形態または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置であって、送信器連結装置が、共振受信器連結装置を少なくとも部分的に囲むように構成されるエアロゾル送達装置。
【0017】
例示的な実施形態11:任意の前述の例示的な実施形態または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置であって、送信器連結装置が管状またはコイル状構成を画定するエアロゾル送達装置。
【0018】
例示的な実施形態12:エアロゾル前駆体組成物を担持するように構成された基材に近接して配置された共振受信器連結装置を装備されたカートリッジと連結されているか、連結可能な制御本体であって、制御本体がカートリッジと連結された際に共振受信器連結装置とともに共振変圧器を形成する送信器連結装置と、共振変圧器を駆動するように構成されたパルス幅変調(PWM)インバータとを含み、PWMインバータが、送信器連結装置に連結されたブリッジ回路と、集積回路として具体化され、ブリッジ回路にPWM信号を出力するように構成されたPWMコントローラとを含み、ブリッジ回路は、送信器連結装置を駆動して振動磁場を発生させ、振動磁場にさらされた際に共振受信器連結装置に交流電圧を誘導するように構成され、交流電圧は、共振受信器連結装置に熱を発生させ、それによってエアロゾル前駆体組成物の構成要素を気化させる制御本体。
【0019】
例示的な実施形態13:任意の前述の例示的な実施形態または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せの制御本体であって、充電式スーパーキャパシタ、充電式固体電池または充電式リチウムイオン電池を含み、PWMインバータに電力を供給するように構成された電源をさらに含む制御本体。
【0020】
例示的な実施形態14:任意の前述の例示的な実施形態または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せの制御本体であって、電源とPWMインバータとの間にあって、PWMインバータにおいて一定の電圧レベルを維持するように構成された定電圧レギュレータをさらに含む制御本体。
【0021】
例示的な実施形態15:任意の前述の例示的な実施形態または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せの制御本体であって、充電式スーパーキャパシタを含み、PWMインバータに電力を供給するように構成された電源をさらに含む制御本体。
【0022】
例示的な実施形態16:任意の前述の例示的な実施形態または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せの制御本体であって、電源が、充電式スーパーキャパシタが充電可能であるエネルギー源と接続可能な端子をさらに含む制御本体。
【0023】
例示的な実施形態17:任意の前述の例示的な実施形態または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せの制御本体であって、電源がエネルギー源をさらに含み、エネルギー源が充電式固体電池または充電式リチウムイオン電池であるか、それらを含む制御本体。
【0024】
例示的な実施形態18:任意の前述の例示的な実施形態または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せの制御本体であって、ブリッジ回路が、一対のトランジスタおよび一対のダイオードから構成されたハーフブリッジである制御本体。
【0025】
例示的な実施形態19:任意の前述の例示的な実施形態または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せの制御本体であって、送信器連結装置が、共振受信器連結装置を少なくとも部分的に囲むように構成される制御本体。
【0026】
例示的な実施形態20:任意の前述の例示的な実施形態または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せの制御本体であって、送信器連結装置が管状またはコイル状構成を画定する制御本体。
【0027】
本開示のこれらおよび他の特徴、態様および利点は、以下に簡単に説明する添付の図面とともに、以下の詳細な説明を読むことにより明らかになるであろう。本開示は、そのような特徴または要素が本明細書に説明されている特定の例示的な実施形態において明示的に組み合わされているか、そうでなければ列挙されているかどうかにかかわらず、本開示に記載された2つ、3つ、4つまたはそれ以上の特徴または要素の任意の組合せを含む。本開示は、本開示の文脈が明らかに他のことを指示しない限り、その態様および例示的な実施形態のいずれかにおいて、本開示の任意の分離可能な特徴または要素が組合せ可能に見えるように全体的に読み取られることを意図している。
【0028】
したがって、この概要は、本開示のいくつかの態様の基本的な理解を提供するために、いくつかの例示的な実施形態を要約する目的のためにのみ提供されることが理解されるであろう。したがって、上記の例示的な実施形態は単なる例であり、決して本開示の範囲または精神を狭めると解釈されるべきではないことが理解されるであろう。他の例示的な実施形態、態様および利点は、いくつかの説明された例示的な実施形態の原理を例として示す添付の図面と併せて、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0029】
このように、本開示は上述の一般的な用語で説明されており、添付の図面をこれから参照するが、これらの図面は必ずしも縮尺通りに描かれていない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本開示の例示的な実施形態による、カートリッジと制御本体とを含むエアロゾル送達装置の斜視図を示し、ここでカートリッジと制御本体とは互いに連結されている。
【
図2】本開示の例示的な実施形態による、カートリッジと制御本体とが互いに分離されている
図1のエアロゾル送達装置の斜視図を示す。
【
図3】本開示の例示的な実施形態による
図1の制御本体の分解図を示し、その送信器連結装置が管状構成を画定する。
【
図5】本開示の例示的な実施形態による
図1の制御本体を通る断面図を示し、その送信器連結装置がコイル状構成を画定する。
【
図6】本開示の第1の例示的な実施形態による
図1のカートリッジの分解図を示し、その基材が容器によって画定された内部区画内に延びる。
【
図8】本開示の第2の例示的な実施形態による、容器によって画定された内部区画内にリザーバ基材を含む
図1のカートリッジを通る断面図を示す。
【
図9】本開示の第3の例示的な実施形態による、共振受信器連結装置と接触している基材を含む
図1のカートリッジを通る断面図を示す。
【
図10】本開示の第4の例示的な実施形態による電子制御構成要素を含む
図1のカートリッジを通る断面図を示す。
【
図11】本開示の例示的な実施形態による、
図6のカートリッジおよび
図3の制御本体を含む
図1のエアロゾル送達装置を通る断面図を示す。
【
図12】例示的な実施形態によるエアロゾル送達装置の回路および他の構成要素を示す。
【
図13】例示的な実施形態によるエアロゾル送達装置の回路および他の構成要素を示す。
【
図14】例示的な実施形態によるエアロゾル送達装置の回路および他の構成要素を示す。
【
図15】本開示の例示的な実施形態によるエアロゾル送達装置を組み立てる方法を概略的に示す。
【
図16】本開示の例示的な実施形態によるエアロゾル化方法を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本開示は、以下、その例示的な実施形態を参照して、さらに充分に記載される。これらの例示的な実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であるように、そして本開示の範囲を当業者に完全に伝えるように説明される。実際、本開示は、多くの異なる形態で具体化されてもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が、適用される法的要件を満たすように提供される。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される単数形「a」、「an」、「the」などは、文脈上他に明確に指示されない限り、複数の指示対象を含む。また、本明細書では定量的尺度、値、幾何学的関係などを参照することがあるが、別段の記載がない限り、これらのすべてではないにしてもいずれか1つ以上のものは、技術的な許容範囲などによるものなど、起こり得る許容可能な変形例を説明するように絶対的または近似的であり得る。
【0032】
以下に記載されるように、本開示の例示的な実施形態は、エアロゾル送達装置に関する。本開示によるエアロゾル送達装置は、(好ましくは、材料を著しく燃焼させることなく)材料を加熱して吸入可能な物質を形成するために、電気エネルギーを使用する。そのようなシステムの構成要素は、最も好ましくは手持ち式装置と見なすのに十分に小型の物品の形態を有する。すなわち、エアロゾルが主にタバコの燃焼または熱分解の副産物から生じるという意味では、好ましいエアロゾル送達装置の構成要素を使用しても煙が発生されず、むしろそれらの好ましいシステムを使用すると、その中に組み込まれた特定の構成要素の揮発または気化に起因する蒸気が発生される結果となる。いくつかの例示的な実施形態では、エアロゾル送達装置の構成要素は、電子タバコとして特徴付けられてもよく、これらの電子タバコは、最も好ましくは、タバコおよび/またはタバコ由来の構成要素を組み込み、それによりエアロゾル形態のタバコ由来の構成要素を送達する。
【0033】
特定の好ましいエアロゾル送達装置のエアロゾル生成構成要素は、そのいかなる構成要素も実質的に燃焼することなく、タバコを点火し燃焼させることによって(ひいては、タバコの煙を吸入することによって)使用される紙巻タバコ、葉巻またはパイプを喫煙するという数々の感覚(例えば、吸入および呼気の形式、味または香味の種類、感覚刺激効果、物理的感触、使用形式、目に見えるエアロゾルによってもたらされるような視覚的刺激など)を提供し得る。例えば、本開示のエアロゾル生成構成要素のユーザは、喫煙者が従来の種類の喫煙物品を使用するのと同じように、その構成要素を保持し使用し、その構成要素によって生成されたエアロゾルを吸入するためにその構成要素の一端で吸引し、選択された時間間隔で吹かしたりできる。
【0034】
システムは、一般に、いわゆる「電子タバコ」などのエアロゾル送達装置に関連する実施形態に関して本明細書に説明されているが、機構、構成要素、特徴および方法は、多くの異なる形態で具体化され、様々な物品に関連してもよいことを理解されたい。例えば、本明細書に提供される説明は、従来の喫煙物品(例えば、紙巻タバコ、葉巻、パイプなど)、非燃焼加熱式タバコ、および本明細書に開示されたいずれかの製品のための関係する梱包の実施形態と組み合わせて使用され得る。したがって、本明細書に開示された機構、構成要素、特徴および方法の説明は、エアロゾル送達装置に関する実施形態に関して単なる例として論じられ、様々な他の製品および方法で具体化および使用され得ることを理解されたい。
【0035】
本開示のエアロゾル送達装置はまた、蒸気発生物品または薬剤送達物品として特徴付けることができる。したがって、そのような物品または装置は、吸入可能な形態または状態で、1つ以上の物質(例えば、香味および/または薬学的有効成分)を提供するように適合されることができる。例えば、吸入可能な物質は、実質的に蒸気の形態(すなわち、その臨界点よりも低い温度で気相にある物質)であり得る。あるいは、吸入可能な物質は、エアロゾルの形態(すなわち、気体中の微細固体粒子または液滴の懸濁)であり得る。分かりやすくするために、本明細書で使用される用語「エアロゾル」は、目に見えるかどうか、また煙状であると見なされ得る形態であるかどうかに関わりなく、人間の吸入に適した形態または種類の蒸気、気体およびエアロゾルを含むことを意味する。
【0036】
本開示のエアロゾル送達装置は、使用時に、従来の種類の喫煙物品(例えば、タバコを点火し、吸入することによって使用される紙巻タバコ、葉巻またはパイプ)を使用する際に個人によって使用される多くの物理的アクションを受け得る。例えば、本開示のエアロゾル送達装置のユーザは、従来の種類の喫煙物品に大いに似たその物品を保持し、その物品によって発生されたエアロゾルを吸入するためにその物品の一端で吸引し、選択された時間間隔で吹かす等を行うことができる。
【0037】
本開示のエアロゾル送達装置は、一般に、ハウジングと呼ばれ得る外側本体またはシェル内に提供された多くの構成要素を含む。外側本体またはシェルの全体的な設計は変更可能であり、エアロゾル送達装置の全体的な寸法および形状を画定することができる外側本体の形式または構成は変更可能である。典型的には、紙巻タバコまたは葉巻の形状に類似する細長い本体が、単一の一体型のハウジングから形成されてもよいか、細長いハウジングが、2つ以上の分離可能な本体から形成されてもよい。例えば、エアロゾル送達装置は、形状が実質的に管状であり得る細長いシェルまたは本体を含むことができ、それゆえ、従来の紙巻タバコまたは葉巻の形状に類似し得る。一例では、エアロゾル送達装置のあらゆる構成要素が、1つのハウジング内に収容される。あるいは、エアロゾル送達装置は、接合される、および分離可能である、2つ以上のハウジングを含むことができる。例えば、エアロゾル送達装置は、1つ以上の再使用可能な構成要素(例えば、充電式電池および/または充電式スーパーキャパシタなどの蓄電池、およびその物品の動作を制御するための様々な電子機器)を収容するハウジングを含む制御本体を一端に有し、他端においては、そこへ取り外し可能に連結可能な、使い捨て部分(例えば、使い捨て可能な香味収容カートリッジ)を収容する外側本体またはシェルを有することができる。単一ハウジングタイプのユニット内または複数構成要素の分離可能ハウジングタイプのユニット内の構成要素のさらに具体的な形式、構成および配置は、本明細書に提供されるさらなる開示に照らして明らかになるであろう。さらに、市販の電子エアロゾル送達装置を考慮して、様々なエアロゾル送達装置の設計と構成要素の配置とを理解することができる。
【0038】
本開示のエアロゾル送達装置は、最も好ましくは、電源(すなわち、電気的なパワー源)、少なくとも1つの制御構成要素(例えば、電源から物品の他の構成要素への電流の流れを制御することなどによって、発熱のための電力を作動、制御、調整および停止するための手段(例えば、個別に、またはマイクロコントローラの一部としてのマイクロプロセッサ))、ヒータまたは発熱部材(例えば、単独でまたは1つ以上のさらなる要素と組み合わせて、一般に「噴霧器」と呼ばれ得る電気抵抗加熱要素または他の構成要素)、エアロゾル前駆体組成物(例えば、「スモークジュース(smoke juice)」、「e-リキッド(e-liquid)」および「e-ジュース(e-juice)」と一般に呼ばれる成分など、一般に、十分な熱を加えるとエアロゾルを生じることができる液体)、およびエアロゾル吸入のためにエアロゾル送達装置での吸引を可能にするマウスエンド領域または先端(例えば、生成されたエアロゾルが吸入によりそこから引き出され得るような、物品を通る画定された空気流路)の何らかの組合せを含む。
【0039】
本開示のエアロゾル送達装置内の構成要素の位置合わせは変わることができる。特定の実施形態では、エアロゾル前駆体組成物は、ユーザの口に近接して設置されるように構成され得るエアロゾル送達装置の端部の近くに配置されて、ユーザへのエアロゾル送達を最大にすることができる。ただし、他の構成は除外されない。一般に、加熱要素は、エアロゾル前駆体組成物の十分に近くに配置されて、加熱要素からの熱がエアロゾル前駆体(ならびに、同様に、ユーザへの送達のために提供され得る1つ以上の香味料、薬剤など)を揮発させるようにし、ユーザへの送達のためにエアロゾルを形成することができる。加熱要素がエアロゾル前駆体組成物を加熱すると、消費者による吸入に適した物理的形態でエアロゾルが形成、放出または生成される。前述の用語は、放出する(release)、放出する(releasing)、放出する(releases)または放出された(released)への言及が、形成するまたは生成する(form or generate)、形成するまたは生成する(forming or generating)、形成するまたは生成する(forms or generates)および形成されたまたは生成された(formed or generated)を含むように言い換え可能であることを意味することに留意すべきである。具体的には、吸入可能な物質は、蒸気もしくはエアロゾルまたはそれらの混合物の形態で放出され、このような用語も、別段に特定されない限り、本明細書では言い換え可能に使用される。
【0040】
上記のように、エアロゾル送達装置は、電池または他の電源を組み込んで、ヒータの電力供給、制御システムの電力供給、インジケータの電力供給などのように、エアロゾル送達装置に様々な機能を提供するのに十分な電流を提供してもよい。電源は様々な実施形態をとることができる。好ましくは、電源は、加熱要素を急速に加熱するのに十分な電力を送達してエアロゾル形成を提供することができ、エアロゾル送達装置に、所望の持続時間にわたり使用を通して電力を供給することができる。電源は、好ましくは、エアロゾル送達装置を容易に取り扱うことができるように、エアロゾル送達装置内に都合よく適合するような大きさである。加えて、好ましい電源は、望ましい喫煙経験を損なわないように十分軽量である。
【0041】
本開示のエアロゾル送達装置内の構成要素のさらに具体的な形式、構成および配置は、以下に提供されるさらなる開示に照らして明らかになるであろう。加えて、市販の電子エアロゾル送達装置を考慮して、様々なエアロゾル送達装置構成要素の選択を理解することができる。加えて、市販の電子エアロゾル送達装置を考慮して、エアロゾル送達装置内の構成要素の配置を理解することもできる。
【0042】
以下に記載されるように、本開示はエアロゾル送達装置に関する。エアロゾル送達装置は、エアロゾル前駆体組成物を加熱してエアロゾルを生成するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、エアロゾル送達装置は、固体エアロゾル前駆体組成物(押し出されたタバコロッド(extruded tobacco rod))または半固体エアロゾル前駆体組成物(例えば、グリセリン添加(glycerin-loaded)タバコペースト)を加熱するように構成された非燃焼加熱式装置を含んでもよい。別の実施形態では、エアロゾル送達装置は、流体エアロゾル前駆体組成物(例えば、液体エアロゾル前駆体組成物)を加熱し、流体エアロゾル前駆体組成物(例えば、液体エアロゾル前駆体組成物)からエアロゾルを発生するように構成されてもよい。そのようなエアロゾル送達装置は、いわゆる電子タバコを含み得る。
【0043】
加熱されるエアロゾル前駆体組成物の種類にかかわらず、エアロゾル送達装置は、エアロゾル前駆体組成物を加熱するように構成された加熱要素を含んでもよい。いくつかの実施形態では、加熱要素は抵抗加熱要素を含んでもよい。抵抗加熱要素は、それを通って電流が導かれた際に熱を発生するように構成されてもよい。そのような加熱要素は金属材料を含むことが多く、それを通して電流を通過させることに関連する電気抵抗の結果として熱を発生するように構成される。そのような抵抗加熱要素は、エアロゾル前駆体組成物に近接して配置されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、抵抗加熱要素は、それを通してエアロゾル前駆体組成物を引き込むように構成された液体輸送要素(例えば、多孔質セラミック、炭素、酢酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ガラス繊維または多孔質焼結ガラスを含んでもよい芯(wick))の周りに巻かれたワイヤの1つ以上のコイルを含んでもよい。あるいは、加熱要素は、固体または半固体エアロゾル前駆体組成物と接触して配置されてもよい。そのような構成は、エアロゾル前駆体組成物を加熱してエアロゾルを生成し得る。
【0044】
いくつかの実施形態では、エアロゾル送達装置は制御本体とカートリッジとを含んでもよい。制御本体が再使用可能であってよいのに対して、カートリッジは限られた数の使用のために構成されてもよく、および/または使い捨てであるように構成されてもよい。カートリッジはエアロゾル前駆体組成物を含んでもよい。エアロゾル前駆体組成物を加熱するために、加熱要素がカートリッジ内に配置されてもよい。制御本体は、充電式または交換式であってよい電源を含んでもよく、それによって制御本体が複数のカートリッジとともに再使用されてもよい。
【0045】
上で説明されたエアロゾル送達装置は、エアロゾル前駆体組成物を加熱してエアロゾルを生成するために使用され得るが、そのような構成は1つ以上の不利益を被り得る。これに関して、抵抗加熱要素は、エアロゾル前駆体組成物と接触する1つ以上のコイルを画定するワイヤを含んでもよい。例えば、上記のように、コイルは液体輸送要素(例えば芯)の周りを包み、液体輸送要素を通して加熱要素に導かれたエアロゾル前駆体組成物を加熱しエアロゾル化させてもよい。しかし、コイルが比較的小さい表面積を画定する結果として、エアロゾル前駆体組成物の一部が、エアロゾル化の間に不必要に高い程度まで加熱され、それによってエネルギーを浪費する可能性がある。代替的または追加的に、加熱要素のコイルと接触していないエアロゾル前駆体組成物の一部が、エアロゾル化には不十分な程度まで加熱される可能性がある。したがって、不十分なエアロゾル化が起こり得るか、無駄なエネルギーを伴うエアロゾル化が起こり得る。
【0046】
さらに、上記のように、抵抗加熱要素は、それを通って電流が導かれた際に熱を発生する。したがって、加熱要素をエアロゾル前駆体組成物と接触させて配置する結果として、エアロゾル前駆体組成物の炭化が起こり得る。そのような炭化は、加熱要素によって生成された熱の結果として、および/または加熱要素でエアロゾル前駆体組成物を通って移動する電気の結果として起こる場合がある。炭化が加熱要素上に物質を蓄積させる可能性がある。そのような物質の蓄積は、エアロゾル前駆体組成物から生成されたエアロゾルの味に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0047】
上記でさらに説明したように、エアロゾル送達装置は、電源を含む制御本体と、抵抗加熱要素およびエアロゾル前駆体組成物を含むカートリッジとを含んでもよい。抵抗加熱要素に電流を導くために、制御本体とカートリッジとは、カートリッジが制御本体と係合した際に互いに係合するように構成された電気コネクタを含んでもよい。しかし、そのような電気コネクタの使用は、そのようなエアロゾル送達装置をさらに複雑にし、そのようなエアロゾル送達装置のコストを増加させる可能性がある。さらに、流体エアロゾル前駆体組成物を含むエアロゾル送達装置の実施形態では、カートリッジ内の端子または他のコネクタでその漏出が起こる可能性がある。
【0048】
したがって、本開示の実施形態は、上記の問題の一部または全部を回避し得るエアロゾル送達装置を対象としている。これに関して、
図1は、本開示の例示的な実施形態によるエアロゾル送達装置100を示す。エアロゾル送達装置は、カートリッジ102および制御本体104を含んでもよい。カートリッジおよび制御本体は、機能的な関係で恒久的にまたは取り外し可能に位置合わせすることができる。これに関して、
図1は連結された構成のエアロゾル送達装置を示し、
図2は分離された構成のエアロゾル送達装置を示す。様々な機構がカートリッジを制御本体に接続して、ねじ係合、圧入係合、締まり嵌め、磁気係合などをもたらしてもよい。いくつかの実施形態では、カートリッジおよび制御本体が組み立てられた構成にある場合、エアロゾル送達装置は、実質的に棒状、実質的に管状または実質的に円筒形状であってよい。
【0049】
特定の実施形態では、カートリッジ102および制御本体104の一方または両方は、使い捨て可能であるか、再使用可能であると称され得る。例えば、制御本体は、交換式電池または充電式電池、固体電池、薄膜固体電池、充電式スーパーキャパシタなどを有してもよく、したがって、壁面充電器への接続、自動車の充電器(すなわち、シガーライターリセプタクル)への接続、およびユニバーサルシリアルバス(USB)ケーブルもしくはコネクタ(例えば、USB2.0、3.0、3.1、USBタイプC)などを通したコンピュータへの接続、光電池(時に太陽電池と呼ばれる)もしくは太陽電池のソーラーパネルとの接続、または無線周波数(RF)ベースの充電器を含むあらゆる種類の充電技術と組み合わされてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、カートリッジ102は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるChangらの米国特許第8,910,639号明細書に開示されているような使い捨てカートリッジを含んでもよい。
【0050】
図3は、本開示の例示的な実施形態によるエアロゾル送達装置100の制御本体104の分解図を示す。図示されるように、制御本体は、送信器連結装置302、外側本体304、流量センサ306(例えば、吹かし(puff)センサまたは圧力スイッチ)、制御構成要素308(例えば、個別に、またはマイクロコントローラの一部としてのマイクロプロセッサ)、スペーサ310、電源312(例えば、充電式であってよい電池、および/または充電式スーパーキャパシタ)、インジケータ314(例えば、発光ダイオード(LED))を有する回路基板、コネクタ回路316および端部キャップ318を含んでもよい。電源の例は、Peckerarらの米国特許第9,484,155号明細書および2015年10月21日に出願されたSurらの米国特許出願番号第14/918,926号明細書に説明され、これらの開示は参照によりそれらの各々の全体が本明細書に組み込まれる。
【0051】
流量センサ306に関して、エアロゾル送達装置用の様々なマイクロコントローラ、センサおよびスイッチを含む代表的な電流調整構成要素および他の電流制御構成要素が、いずれも参照によりその全体が本明細書に組み込まれるGerthらの米国特許第4,735,217号明細書、いずれもBrooksらの米国特許第4,922,901号明細書、米国特許第4,947,874号明細書および米国特許第4,947,875号明細書、McCaffertyらの米国特許第5,372,148号明細書、Fleischhauerらの米国特許第6,040,560号明細書、Nguyenらの米国特許第7,040,314号明細書ならびにPanの米国特許第8,205,622号明細書に説明されている。参照によりその全体が本明細書に組み込まれるAmpoliniらの米国特許第9,423,152号明細書に説明された制御方式も参照される。
【0052】
一実施形態では、インジケータ314は、1つ以上の発光ダイオード、量子ドットベースの発光ダイオードなどを含んでもよい。インジケータは、コネクタ回路316を通して制御構成要素308と通信することができ、例えば、流量センサ306によって検出されるので、制御本体104に連結されたカートリッジ(例えば、
図2のカートリッジ102)でのユーザの吸引中に、照明されることができる。端部キャップ318は、インジケータによって、その下に提供された照明を目に見えるようにするように構成されてもよい。したがって、インジケータは、エアロゾル送達装置100の使用中に照明されて、喫煙物品の点灯端をシミュレートしてもよい。しかし、他の実施形態では、インジケータは、様々な数で提供されてもよく、様々な形状をとることができ、(例えば、このようなインジケータが存在する場合に音を放つように)外側本体の開口とすることもできる。
【0053】
本開示のエアロゾル送達装置には、さらに別の構成要素を利用することができる。例えば、Sprinkelらの米国特許第5,154,192号明細書は、喫煙物品用のインジケータを開示する;Sprinkel,Jr.の米国特許第5,261,424号明細書は、吸引をすることに関連したユーザの唇の動作を検出し、次いで加熱装置の加熱をトリガする装置のマウスエンドに関連し得る圧電センサを開示する;McCaffertyらの米国特許第5,372,148号明細書は、マウスピースを通る圧力の降下に応答して加熱負荷アレイへのエネルギー流を制御するための吹かしセンサを開示する;Harrisらの米国特許第5,967,148号明細書は、挿入された構成要素の赤外線透過性の不均一性を検出する識別機と、構成要素がリセプタクルに挿入された際に検出ルーチンを実行するコントローラとを含む喫煙装置内のリセプタクルを開示する;Fleischhauerらの米国特許第6,040,560号明細書は、複数の差動位相を有する規定済みの実行可能なパワーサイクルを説明する;Watkinsらの米国特許第5,934,289号明細書は、フォトニックオプトロニック(photonic-optronic)構成要素を開示する;Countsらの米国特許第5,954,979号明細書は、喫煙装置を通る引込み抵抗を変化させるための手段を開示する;Blakeらの米国特許第6,803,545号明細書は、喫煙装置に使用するための特定の電池構成を開示する;Griffenらの米国特許第7,293,565号明細書は、喫煙装置とともに使用するための様々な充電システムを開示する;Fernandoらの米国特許第8,402,976号明細書は、充電を容易にし、装置のコンピュータ制御を可能にするための喫煙装置用のコンピュータインターフェース手段を開示する;Fernandoらの米国特許第8,689,804号明細書は、喫煙装置用の識別システムを開示する;そして、FlickによるPCT特許出願公開WO2010/003480は、エアロゾル生成システムを用いた吹かしを示す流体流感知システムを開示しており、前述の開示はいずれも、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0054】
本明細書で使用され得る電子エアロゾル送達物品に関連する構成要素および開示材料または構成要素のさらなる例は;Gerthらの米国特許第4,735,217号明細書;Morganらの米国特許第5,249,586号明細書;Higginsらの米国特許第5,666,977号明細書;Adamsらの米国特許第6,053,176号明細書;Whiteの米国第6,164,287号明細書;Vogesの米国特許第6,196,218号明細書;Felterらの米国特許第6,810,883号明細書;Nicholsの米国特許第6,854,461号明細書;Honの米国特許第7,832,410号明細書;Kobayashiの米国特許第7,513,253号明細書;Hamanoの米国特許第7,896,006号明細書;Shayanの米国特許第6,772,756号明細書;Honの米国特許第8,156,944号明細書および第8,375,957号明細書;Thorensらの米国特許第8,794,231号明細書;Oglesbyらの米国特許第8,851,083号明細書;Monseesらの米国特許第8,915,254号明細書および第8,925,555号明細書;DePianoらの米国特許第9,220,302号明細書;Honの米国特許出願公開第2006/0196518号明細書および米国特許出願公開第2009/0188490号明細書;Oglesbyらの米国特許出願公開第2010/0024834号明細書;Wangの米国特許出願公開第2010/0307518号明細書;HonのPCT特許出願公開WO2010/091593ならびにFooのPCT特許出願公開WO2013/089551を含み、これらの各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。さらに、2015年10月13日に出願されたWormらの米国特許出願番号第14/881,392号明細書は、エアロゾル送達装置およびエアロゾル送達装置用のフォブ形状(fob-shape)構成に含まれ得るカプセルを開示し、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。様々な実施形態では、前述の文献によって開示された様々な材料が本装置に組み込まれてもよく、前述の開示はいずれも、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0055】
制御本体104の各構成要素は、外側本体304内に少なくとも部分的に受け入れられてもよい。外側本体は、係合端部304’から外側端部304”まで延びてもよい。端部キャップ318は、外側本体の外側端部に配置され、これと係合してもよい。それによって、半透明または透明であり得る端部キャップがインジケータ314によって照明されて、喫煙物品の点灯端をシミュレートするか、上記のような他の機能を実施してもよい。外側本体の反対側の係合端部は、カートリッジ102と係合するように構成されてもよい。
【0056】
図4は、外側本体304の係合端部304’に近接した制御本体104を通る部分断面図を概略的に示す。図示されるように、送信器連結装置302は、外側本体の係合端部に近接して延びてもよい。一実施形態では、
図3および
図4に示すように、送信器連結装置は管状構成を画定してもよい。
図4に示すように、送信器連結装置は、コイル支持体402とコイル404とを含んでもよい。管状構成を画定し得るコイル支持体は、コイルが共振受信器連結装置または他の構造と接触するように移動し、それによって短絡することがないようにコイルを支持するように構成されてもよい。コイル支持体は、コイルが発生させる振動磁場に対して実質的に透過性であり得る非導電性材料を含んでもよい。コイルは、コイル支持体内に埋め込まれてもよく、そうでなければコイル支持体に連結されてもよい。図示の実施形態では、コイルはコイル支持体の内面と係合して、共振受信器連結装置に振動磁場を伝達することに関連するあらゆる損失を低減する。しかし、他の実施形態では、コイルは、コイル支持体の外面に配置されてもよいか、コイル支持体内に完全に埋め込まれてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、コイルは、コイル支持体上に印刷されたか、そうでなければコイル支持体に連結された電気トレース、またはワイヤを含んでもよい。いずれの実施形態でも、コイルは螺旋形状を画定してもよい。
【0057】
代替実施形態では、
図5に示すように、送信器連結装置302は、コイル支持体402を伴わずコイル404を含んでもよい。各実施形態では、送信器連結装置は、内側チャンバ406を画定し、送信器連結装置がその周りに延びてもよい。
【0058】
図3から
図5にさらに示すように、いくつかの実施形態では、送信器連結装置302は支持部材320に連結されてもよい。支持部材は、送信器連結装置と係合し、外側本体304内に送信器連結装置を支持するように構成されてもよい。例えば、送信器連結装置は、送信器連結装置が外側本体内に固定的に配置されるように、支持部材内に埋め込まれるか、そうでなければ支持部材に連結されてもよい。さらなる例として、送信器連結装置は支持部材に射出成形されてもよい。
【0059】
支持部材320は、外側本体304の内側表面と係合して、外側本体に対して支持部材の位置合わせを提供してもよい。それにより、支持部材と送信器連結装置302との間の固定連結の結果として、送信器連結装置の長手方向軸が、外側本体の長手方向軸と実質的に平行に延びてもよい。したがって、送信器連結装置が外側本体と接触しないように配置されて、送信器連結装置から外側本体への電流の伝送を回避してもよい。しかし、いくつかの実施形態では、
図5に示すように、オプションの絶縁体502が送信器連結装置302と外側本体304との間に配置されて、それらの間の接触を防いでもよい。理解され得るように、絶縁体および支持部材は、絶縁性ポリマー(例えば、プラスチックまたはセルロース)、ガラス、ゴムおよび磁器などの任意の非導電性材料を含んでもよい。あるいは、外側本体がプラスチック、ガラス、ゴムまたは磁器などの非導電性材料から形成される実施形態では、送信器連結装置が外側本体と接触してもよい。
【0060】
以下に詳細に説明するように、送信器連結装置302は、電源312から電流を受け、カートリッジ102を無線で加熱するように構成されてもよい(例えば、
図2参照)。したがって、
図4および
図5に示すように、送信器連結装置は、そこに電流を供給するように構成された電気コネクタ408を含んでもよい。例えば、電気コネクタは、送信器連結装置を制御構成要素に接続してもよい。それによって、電源からの電流が、制御構成要素によって制御されるので、送信器連結装置に選択的に導かれてもよい。例えば、制御構成要素312は、流量センサ306によってエアロゾル送達装置100での吸引が検出された際に、電源(例えば、
図3参照)から送信器連結装置に電流を導いてもよい。電気コネクタは、例として、端子、ワイヤ、または電流を伝送するように構成されたコネクタの任意の他の実施形態を含んでもよい。さらに、電気コネクタは、負の電気コネクタおよび正の電気コネクタを含んでもよい。
【0061】
いくつかの実施形態では、電源312は、直流を供給し得る電池および/または充電式スーパーキャパシタを含んでもよい。本明細書の他の箇所に記載されているように、エアロゾル送達装置の動作は、交流を送信器連結装置302に導いて、振動磁場を発生させて、共振受信器連結装置に渦電流を誘導することを必要とし得る。したがって、いくつかの実施形態では、制御本体104の制御構成要素308は、電源によって供給された直流を送信器連結装置に供給される交流に変換するように構成されたインバータまたはインバータ回路を含んでもよい。
【0062】
図6は、いくつかの例では
図1のカートリッジ102に相当し得るカートリッジ600の分解図を示す。図示されるように、カートリッジ600は、共振受信器連結装置602、外側本体604、容器606、封止部材608および基材610を含んでもよい。外側本体604は、係合端部604’と外側端部604”との間に延びてもよい。カートリッジ600の残りの構成要素のうちの一部または全部は、外側本体604内に少なくとも部分的に配置されてもよい。
【0063】
カートリッジ600は、マウスピース612をさらに含んでもよい。マウスピース612は、外側本体604もしくは容器606、または別個の構成要素と一体であってよい。マウスピース612は、外側本体604の外側端部604”に配置されてもよい。
【0064】
図7は、組み立てられた構成のカートリッジ600を通る断面図を示す。図示されるように、容器606は外側本体604内に受け入れられてもよい。さらに、封止部材608を容器606と係合させて内部区画614を画定してもよい。
図7にさらに示すように、いくつかの実施形態では、封止部材608は外側本体604とさらに係合してもよい。
【0065】
いくつかの実施形態では、封止部材608は、ゴムまたはシリコーン材料などの弾性材料を含んでもよい。これらの実施形態では、封止材料608は、圧縮して容器606および/または外側本体604との間で密封を形成してもよい。封止部材608と容器606および/または外側本体604との間の封止をさらに改善するために接着剤を使用してもよい。別の実施形態では、封止部材608は、プラスチック材料または金属材料などの非弾性材料を含んでもよい。これらの実施形態では、封止部材608は、容器606および/または外側本体604に(例えば、超音波溶接を介して)接着または溶接されてもよい。したがって、これらの機構のうちの1つ以上を介して、封止部材608は内部区画614を実質的に封止して閉じてもよい。
【0066】
共振受信器連結装置602は封止部材608と係合してもよい。一実施形態では、共振受信器連結装置602は、封止部材608内に部分的に埋め込まれてもよい。例えば、共振受信器連結装置602は、封止部材608に射出成形されて、それらの間に密封および接続が形成されるようにしてもよい。したがって、封止部材608は、共振受信器連結装置を所望の位置に保持してもよい。例えば、共振受信器連結装置602は、共振受信器連結装置の長手方向軸が外側本体604の長手方向軸と実質的に同軸に延びるように配置されてもよい。
【0067】
さらに、基材610は封止部材608と係合してもよい。一実施形態では、基材610は封止部材608を通って延びてもよい。これに関して、封止部材608は、それを通って延びる開口部616を画定してもよく、開口部616を通して基材610が受け入れられる。それにより、基材610は内部区画614内に延びてもよい。例えば、
図7に示すように、基材610の端部が、容器606によって画定されたポケット618内に受け入れられてもよい。したがって、容器606および封止部材608はそれぞれ、基材610と係合し、基材を所望の位置に協働して維持してもよい。例えば、基材610の長手方向軸が、共振受信器連結装置602の長手方向軸と実質的に同軸に配置されてもよい。それによって、図示されるように、いくつかの実施形態では、基材610が、共振受信器連結装置602に近接しているが接触していない状態で配置されてもよい。基材610と共振受信器連結装置602との間の直接接触を回避することによって、誘導コイルには使用による残留物が実質的に蓄積しないままであり得、したがってカートリッジは、オプションでエアロゾル前駆体組成物および/または新しい基材によって再充填されるか、そうでなければ再使用されてもよい。しかし、後述するように、いくつかの実施形態では、基材と共振受信器連結装置との間の直接接触が好ましい場合がある。
【0068】
基材610はエアロゾル前駆体組成物を含んでもよい。エアロゾル前駆体組成物は、固体タバコ材料、半固体タバコ材料および液体エアロゾル前駆体組成物のうちの1つ以上を含んでもよい。例えば、固体タバコ材料および半固体タバコ材料は、いわゆる非燃焼加熱式タバコを画定するエアロゾル送達装置100の実施形態に使用されてもよい。逆に、追加の例として、いわゆる電子タバコを画定するエアロゾル送達装置の実施形態に、流体(例えば液体)エアロゾル前駆体組成物が使用されてもよい。
【0069】
代表的な種類の液体エアロゾル前駆体構成要素および製剤は、Robinsonらの米国特許第7,726,320号明細書、Chongらの米国特許第9,254,002号明細書;Zhengらの米国特許出願公開第2013/0008457号明細書;Lipowiczらの米国特許出願公開第2015/0020823号明細書;およびKollerの米国特許出願公開第2015/0020830号明細書、ならびにBowenらのPCT特許出願公開WO2014/182736;およびCollettらの米国特許第8,881,737号明細書に記載され、特徴付けられており、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。使用されてもよい他のエアロゾル前駆体は、R.J.Reynolds Vapor CompanyのVUSE(R)製品、Imperial Tobacco Group PLCのBLU製品、Mistic EcigsのMISTIC MENTHOL製品およびCN Creative Ltd.のVYPE製品に組み込まれているエアロゾル前駆体を含む。Johnson Creek Enterprises LLCから入手可能な電子タバコ用のいわゆる「スモークジュース」も望ましい。発泡性材料の実施形態がエアロゾル前駆体とともに使用されてもよく、例えば、参照により本明細書に組み込まれるHuntらの米国特許出願公開第2012/0055494号明細書に説明されている。さらに、発泡性材料の使用は、例えば、いずれも参照により本明細書に組み込まれるNiaziらの米国特許第4,639,368号明細書;Wehlingらの米国特許第5,178,878号明細書;Wehlingらの米国特許第5,223,264号明細書;Patherらの米国特許第6,974,590号明細書;Bergquistらの米国特許第7,381,667号明細書;Crawfordらの米国特許第8,424,541号明細書;Stricklandらの米国特許第8,627,828号明細書;およびSunらの米国特許第9,307,787号明細書、ならびにBrinkleyらの米国特許出願公開第2010/0018539号明細書;およびJohnsonらのPCT特許出願公開WO97/06786号パンフレットに説明されている。
【0070】
代表的な種類の固体および半固体エアロゾル前駆体組成物および製剤は、いずれも参照により本明細書に組み込まれるThomasらの米国特許第8,424,538号明細書;Sebastianらの米国特許第8,464,726号明細書;Connerらの米国特許出願公開第2015/0083150号明細書;Ademeらの米国特許出願公開第2015/0157052号明細書および2015年6月30日に出願されたNordskogらの米国特許出願番号第14/755,205号明細書に開示されている。
【0071】
エアロゾル前駆体組成物が液体または他の流体を含む、カートリッジ102の実施形態では、基材610は、エアロゾル前駆体組成物をその中に保持し、以下に記載される様式で共振受信器連結装置602によってそれに熱が加えられるとそこから蒸気を放出するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、基材610は、所望の程度持続するのに十分な量のエアロゾル前駆体組成物を保持してもよい。他の実施形態では、カートリッジ102に増加した容量のエアロゾル前駆体組成物を提供することが好ましい場合がある。基材が流体エアロゾル前駆体組成物を保持するように構成されている実施形態では、基材610に使用され得る材料の例には、多孔質セラミック、炭素、酢酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ガラス繊維および多孔質焼結ガラスが挙げられる。
【0072】
これに関して、
図6および
図7に例として示すように、一実施形態では、容器606はリザーバを含んでもよく、内部区画614は液体エアロゾル前駆体組成物を受け入れるように構成されてもよい。この実施形態では、基材610は、液体輸送要素(例えば芯)を含み、液体輸送要素は、内部区画614からエアロゾル前駆体組成物を受け取り、それに沿ってエアロゾル前駆体組成物を輸送するように構成されてよい。したがって、エアロゾル前駆体組成物は、内部区画614から、共振受信器連結装置602が基材610の長手方向長さに沿った位置に輸送され、共振受信器連結装置602はその周りを延びてよい。
【0073】
理解され得るように、
図7に示すカートリッジ600の実施形態は、例示目的のみのために提供される。これに関して、さらなる例として、カートリッジ102の様々な代替の実施形態が本明細書に提供される。カートリッジ102の実施形態は本明細書で別個に説明されているが、それぞれの構成要素およびその特徴の各々は、本明細書で別段の記載がない限り、任意の様式で組み合わされてもよいことに留意されたい。
【0074】
図8は、いくつかの例では
図1のカートリッジ102に相当し得る別のカートリッジ800を示す。カートリッジ800はカートリッジ700と類似しているが、ここでは、封止部材708が係合端部604’ではなく外側本体604の外側端部604”に近接して配置されている。この実施形態では、容器806は、それを通って延びる開口部816を含んでもよく、封止部材808は、上記と実質的に同じ様式で基材610を支持するためにポケット818を画定してもよい。したがって、封止部材608は容器606の係合端部604’に配置されてもよいか(
図7参照)、封止部材808は容器806の外側端部604”に配置されてもよい(
図8参照)。
【0075】
いくつかの実施形態では、容器は、エアロゾル前駆体組成物の漏出が実質的に回避されるように十分に封止されてもよい。しかし、
図8に示すように、いくつかの実施形態では、カートリッジ800はリザーバ基材820をさらに含んでもよい。理解され得るように、リザーバ基材820は、内部区画614を含む、本明細書に開示されるカートリッジのうちのいずれかに使用されてもよい。
【0076】
一実施形態では、リザーバ基材820は、内部区画820内で基材610を完全にまたは部分的に取り囲むチューブの形状に実質的に形成された不織繊維の複数の層を含んでもよい。他の実施形態では、リザーバ基材820は、多孔質セラミック、炭素、酢酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ガラス繊維または多孔質焼結ガラスを含んでもよい。それによって、液体エアロゾル前駆体組成物は、リザーバ基材820によって吸着的に保持され得る。リザーバ基材820とリザーバとの間の接触の結果として、リザーバ基材は基材610と流体連通する。したがって、基材610は、毛細管作用または他の液体輸送機構を介して、内部区画614内のリザーバ基材820から、内部区画の外側の基材610の長手方向長さに沿った位置に、液体エアロゾル前駆体組成物を輸送するように構成されてもよい。
【0077】
上記のように、カートリッジ600、800のいくつかの実施形態では、基材610は、共振受信器連結装置602に近接しているが接触していない状態で配置されてもよい。そのような構成では、それらの間の直接接触を欠くことにより、共振受信器連結装置上に残留物が蓄積するのを回避することができる。しかし、他の実施形態では、基材610は共振受信器連結装置と接触してもよい。これに関して、
図9は、いくつかの例では
図1のカートリッジ102に相当し得、カートリッジ600、800と類似しているが基材910が共振受信器連結装置602と接触し得るさらに別のカートリッジ900を示す。この構成を使用することにより、共振受信器連結装置602の大きさを必ずしも増大させることなく、比較的大量のエアロゾル前駆体組成物を収容し得る比較的大きい基材910が可能になり得る。さらに、共振受信器連結装置と基材との間の直接接触により、対流を介した共振受信器連結装置から基材への熱伝達が容易になり得、これは、それらの間に直接接触がない実施形態で用いられる放射加熱よりもはるかに効率的であり得る。したがって、本明細書に開示されるカートリッジの各実施形態は、共振受信器連結装置と基材および/またはエアロゾル前駆体組成物との間の直接接触を含み得ることを理解されたい。一例として、エアロゾル前駆体組成物が、液体エアロゾル前駆体組成物よりも共振受信器連結装置上に残留物が蓄積しにくい傾向にある固体タバコ材料または半固体タバコ材料を含む実施形態では、基材910と共振受信器連結装置602との間に直接接触が使用されてもよい。
【0078】
図6から
図8に示すカートリッジ600、800の実施形態では、基材610は内部区画614内に延びる。しかし、他の実施形態では、カートリッジは内部区画を画定しなくてもよい。例えば、
図9に示すカートリッジ900は内部区画を含まない。これに関して、基材910が十分な量のエアロゾル前駆体組成物を含んでもよく、その結果、いくつかの実施形態では内部区画の使用が必要とされない場合がある。したがって、例えば、共振受信器連結装置602および基材910は、それらの長手方向端部が実質的に同じ点で終端するように、実質的に同延であってよい。これに関して、基材共振受信器連結装置602および/または基材910は、外側本体904によって画定されるか、そうでなければ外側本体と係合(例えば直接係合)したポケット922内に受け入れられてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、カートリッジ900は、容器、封止部材または内部区画を含まなくてもよい比較的単純な構成を画定してもよい。そのような構成は、カートリッジ900の複雑さおよび/またはコストを低減し得る。
【0079】
上述のように、いくつかの実施形態では、基材910は内部区画内に延びていなくてもよく、代わりに、例えば外側本体904に近接して終端してもよい。
図9に関して上記でさらに説明したように、一実施形態では、カートリッジ900は容器または内部区画を含まなくてもよい。しかし、別の実施形態では、カートリッジは、基材が区画内に延びていない内部区画を画定する容器を含んでもよい。これが
図10に示されており、
図10は、
図1のカートリッジ104に相当し得るさらに別のカートリッジ1000を示す。示されるように、カートリッジ1000は、基材1010が区画内に延びていない内部区画614を画定する容器1006を含んでもよい。これに関して、共振受信器連結装置602および基材1010は、容器または外側本体と係合してもよい。例えば、
図10では、共振受信器連結装置602および基材1010はそれぞれ容器1006と係合している。さらなる例として、上述のように、共振受信器連結装置602は容器1006内に部分的に埋め込まれてもよい。さらに、基材1010は、容器1006によって画定されたポケット1022と係合してもよい。
【0080】
基材1010が内部区画614内に延びないようにカートリッジ1000を構成することによって、エアロゾル前駆体組成物のためのリザーバ以外の目的のために区画が使用されてもよい。例えば、
図10に示すように、いくつかの実施形態では、カートリッジ1000は電子制御構成要素1024を含んでもよい。後述するように、電子制御構成要素1024は、カートリッジ1000の認証に使用されてもよいか、他の目的に使用されてもよい。
【0081】
上記のように、本開示の各カートリッジ102は、制御本体104と連携して動作してエアロゾルを生成するように構成される。例として、
図11は、制御本体104と係合しているカートリッジ600を示す。図示されるように、制御本体104がカートリッジ600と係合している場合、送信器連結装置302は、共振受信器連結装置602を(例えば、その周囲に延びることによって)少なくとも部分的に囲み、好ましくは実質的に囲み、より好ましくは完全に囲んでもよい。さらに、送信器連結装置302は、共振受信器連結装置602の長手方向長さの少なくとも一部に沿って延びてもよく、好ましくは、共振受信器連結装置の長手方向長さの大部分に沿って延びてもよく、最も好ましくは、共振受信器連結装置の長手方向長さの実質的に全部に沿って延びてもよい。
【0082】
したがって、共振受信器連結装置602は、内側チャンバ406の内側に配置され、送信器連結装置302がその周りに延びてもよい。したがって、ユーザがカートリッジ600のマウスピース612で吸引した際に、圧力センサ306がその吸引を検出してもよい。それにより、制御構成要素308が、電源312(例えば、
図3参照)から送信器連結装置302に電流を導いてもよい。それによって、送信器連結装置302が振動磁場を発生させてもよい。共振受信器連結装置602が内側チャンバ406内に受け入れられた結果として、送信器連結装置302により発生された振動磁場に共振受信器連結装置がさらされ得る。
【0083】
特に、送信器連結装置302および共振受信器連結装置602は電気変圧器を形成してもよい。いくつかの例では、共振変圧器と、PWMインバータを含む関連回路とは、Wireless Power Consortium(WPC)によって開発されたQiインターフェース規格、PMAによって開発されたPower Matters Alliance(PMA)インターフェース規格、Alliance for Wireless Power(A4WP)によって開発されたRezenceインターフェース規格などのような好適な無線電力伝送規格に従って動作するように構成されてもよい。
【0084】
例示的な実施形態によると、制御構成要素308によって電源312(例えば、
図3参照)から導かれた、送信器連結装置302における電流の変化が、共振受信器連結装置602に侵入する交流電磁場を発生させ、これにより、共振受信器連結装置内に電気渦電流が発生し得る。交流電磁場は、送信器連結装置302に交流を導くことによって発生し得る。上記のように、いくつかの実施形態では、制御構成要素308は、電源312によって供給された直流を送信器連結装置302に供給される交流に変換するように構成されたインバータまたはインバータ回路を含んでもよい。
【0085】
共振受信器連結装置602を画定する材料を流れる渦電流は、ジュール効果によって共振受信器連結装置を加熱し得、ここで生成される熱量は、電流の2乗に共振受信器連結装置の材料の電気抵抗を乗じたものに比例する。磁性材料を含む共振受信器連結装置602の実施形態では、磁気ヒステリシス損失によっても熱が生成され得る。限定するものではないが、送信器連結装置302への近接度、磁場の分布、共振受信器連結装置の材料の電気抵抗率、飽和磁束密度、表皮効果または深さ、ヒステリシス損失、磁化率、透磁率、および材料の双極子モーメントを含むいくつかの要因が、共振受信器連結装置602の温度上昇に寄与する。
【0086】
これに関して、共振受信器連結装置602および送信器連結装置302の両方が導電性材料を含んでもよい。例として、送信器連結装置302および/または共振受信器連結装置602は、銅およびアルミニウムなどの金属、導電性材料の合金(例えば、反磁性、常磁性または強磁性材料)、またはその中に埋め込まれた1つ以上の導電性材料を有するセラミックもしくはガラスなどの他の材料を含む様々な導電性材料を含んでもよい。別の実施形態では、共振受信器連結装置は、エアロゾル前駆体組成物を充填したリザーバ内に受け入れられる様々な大きさのうちのいずれかの導電性粒子または物体を含んでもよい。いくつかの実施形態では、共振受信器連結装置は、エアロゾル前駆体組成物との直接接触を防ぐために、熱伝導性パッシベーション層(例えば、ガラスの薄層)によってコーティングされるか、そうでなければそれを含んでもよい。
【0087】
このように、共振受信器連結装置602が加熱されてもよい。共振受信器連結装置602によって生成された熱がエアロゾル前駆体組成物を含む基材610を加熱して、エアロゾル1102が生成されるようにしてもよい。したがって、共振受信器連結装置602は噴霧器を含んでもよい。共振受信器連結装置602を基材610の周囲から実質的に均一な距離で(例えば、基材および共振受信器連結装置の長手方向軸を位置合わせすることによって)配置することによって、基材とエアロゾル前駆体組成物とが実質的に均一に加熱され得る。
【0088】
エアロゾル1102は、共振受信器連結装置602および送信器連結装置302の周りまたはそれらを通って移動してもよい。例えば、図示されるように、一実施形態では、共振受信器連結装置602は、それを通って延びる複数の開口部を画定するメッシュ、スクリーン、螺旋、編組または他の多孔質構造を含んでもよい。他の実施形態では、共振受信器連結装置は、基材内に埋め込まれるか、そうでなければエアロゾル前駆体組成物と接触しているロッド、基材内に埋め込まれるか、そうでなければエアロゾル前駆体組成物と接触している複数のビーズもしくは粒子、または焼結構造を含んでもよい。これらの各実施形態では、エアロゾル1102が、共振受信器連結装置602および/または基材を自由に通過して、エアロゾルがマウスピースを通ってユーザまで移動することを可能にしてもよい。
【0089】
エアロゾル1102は、制御本体104内(例えば、外側本体304内)に画定され得る入口410(例えば、
図4参照)を通って入る空気1104と混合してもよい。このように、混合空気およびエアロゾル1106がユーザに導かれてもよい。例えば、混合空気およびエアロゾル1106は、カートリッジ600の外側本体604内に画定された1つ以上の貫通孔626を通ってユーザに導かれてもよい。いくつかの実施形態では、封止部材608は、それを通って延びる貫通孔628をさらに含んでもよく、貫通孔628は、外側本体604を通って画定される貫通孔626と位置合わせされてもよい。しかし、理解され得るように、エアロゾル送達装置100を通る流れパターンは、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な様式のうちのいずれかで上記の特定の構成と異なってもよい。
【0090】
さらに上記のように、いくつかの実施形態では、カートリッジ102は第2の電子制御構成要素をさらに含んでもよい。例えば、
図10に示すカートリッジ1000は、第2の制御構成要素1024を含む。第2の制御構成要素1024は、カートリッジ1000の認証を可能にするように構成されてもよい。これに関して、いくつかの実施形態では、第2の制御構成要素1024は、(第1の)制御構成要素308(例えば、
図3参照)が分析することができるコードを制御本体104に出力するように構成されてもよい。それによって、例えば、カートリッジ1000が本物であると検証された場合にのみ、制御構成要素308が送信器連結装置302に電流を導いてもよい。いくつかの実施形態では、第2の制御構成要素は、制御本体に接続する端子を含んでもよい。さらに好ましくは、第2の制御構成要素1024は、制御本体104にコードまたは他の情報を無線送信するように構成された無線周波数識別(RFID)チップを含んでもよい。それによって、エアロゾル送達装置100は、カートリッジと制御本体との間の電気コネクタの係合を必要とせず使用され得る。さらに、制御構成要素およびそれによって実行される機能の様々な例が、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるSearsらの米国特許出願公開第2014/0096782号明細書に説明されている。
【0091】
上述のように、いくつかの実施形態では、制御本体104の制御構成要素308は、電源312によって供給された直流を、送信器連結装置302に供給される交流に変換するように構成されたインバータまたはインバータ回路を含んでもよい。
図12、
図13および
図14は、本開示の例示的な実施形態によるエアロゾル送達装置100の回路1200および他の構成要素を示す。示されるように、エアロゾル送達装置は、エアロゾル前駆体組成物を担持するように構成された基材610、および送信器連結装置302と基材に近接して配置された共振受信器連結装置602とを含む共振変圧器1202を含む回路を含む。また、エアロゾル送達装置の制御構成要素308は、共振変圧器を駆動するように構成されたパルス幅変調(PWM)インバータ1204を含む。
【0092】
示されるように、PWMインバータ1204は、送信器連結装置302に連結されたブリッジ回路1206を含み、ブリッジ回路1206は、いくつかの例では、金属-酸化物-半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)などの一対のトランジスタと、一対のダイオードとから構成されるハーフブリッジである。PWMインバータは、ブリッジ回路に連結されたPWMコントローラ1208も含む。いくつかの例によれば、PWMコントローラは、集積回路として具体化され、ブリッジ回路にPWM信号を出力するように構成され、ブリッジ回路は、送信器連結装置を駆動して振動磁場を発生させ、振動磁場にさらされた際に共振受信器連結装置602に交流電圧を誘導するように構成される。この交流電圧は、共振受信器連結装置に熱を発生させ、それによってエアロゾル前駆体組成物の構成要素を気化させる。好適なPWMコントローラの例は、Texas Instruments製のbq500210およびbq500212Aコントローラ、STMicroelectronics製のSTWBCシリーズコントローラなどを含む。
【0093】
また示されるように、いくつかの例では、エアロゾル送達装置100は、PWMインバータ1204に電力を供給するように構成された電源312、例えば、充電式スーパーキャパシタ、充電式固体電池または充電式リチウムイオン電池をさらに含む。いくつかのさらなる例では、エアロゾル送達装置は、電源とPWMインバータとの間にあって、PWMインバータにおいて一定の電圧レベルを維持するように構成された定電圧レギュレータ1210をさらに含む。好適な電圧レギュレータの例は、スイッチングレギュレータ、リニアレギュレータ、例えば、低ドロップアウト(LDO)レギュレータなどを含む。
【0094】
図13は、いくつかの例では電源312に相当し得る電源1300を示す。示されるように、いくつかの例では、電源は、PWMインバータ1204に電力を供給するように構成された充電式スーパーキャパシタ1302を含む。いくつかのさらなる例では、電源は、充電式スーパーキャパシタが充電可能であるエネルギー源1306と接続可能な端子1304をさらに含む。上述のように、例えば、制御本体104は、任意の種類の再充電技術(例えば、壁面充電器、自動車の充電器、コンピュータ、光電池、太陽電池のソーラーパネル、無線RFベースの充電器)と組み合わされてもよい。また、なおまたさらなる例では、電源はエネルギー源をさらに含み、エネルギー源は充電式固体電池または充電式リチウムイオン電池であるか、それらを含む。
【0095】
図12に戻ると、いくつかの例では、エアロゾル送達装置100は、共振受信器連結装置602の温度が閾値温度に達するか閾値温度を超えるのをさらに防いでもよい。これらの例のいくつかでは、制御構成要素308は、例えば、共振受信器連結装置602に近接して配置されたホール効果電流センサ1214から、共振受信器連結装置602に誘導された交流の測定値を受けるように構成されたマイクロプロセッサ1212を含む。このホール効果電流センサは、カートリッジ102の一部であってよいか、いくつかの例では制御本体104の一部であってよい。次いで、マイクロプロセッサは、測定値が閾値温度以上の温度を示す場合には、共振受信器連結装置602の温度を下げるなど、測定値に応答してエアロゾル送達装置の少なくとも1つの機能要素の動作を制御してもよい。温度を下げる1つの様式は、エアロゾル送達装置内にさらなる空気出口を含めることであり得、エアロゾル送達装置100から空気を排出するように制御することであり得る。ホール効果電流センサを装備された好適なエアロゾル送達装置のいくつかの例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる2016年1月12日に出願されたSurの米国特許出願番号第14/993,762号明細書に記載されている。
【0096】
図14に示すように、いくつかの例では、エアロゾル送達装置は、ハイパスフィルタ1402と、ハイパスフィルタに連結された非反転増幅回路1404とをさらに含む。これらの例では、ハイパスフィルタは、共振受信器連結装置602に連結され、共振受信器連結装置に誘導された交流電圧から任意の直流電圧成分をフィルタリングするように構成される。次いで、非反転増幅回路は、そのようにフィルタリングされた交流電圧を増幅するように構成される。
【0097】
上述のように、本開示は、電源から電流を受け、噴霧器を無線で加熱するように構成された無線電力送信器を含む制御本体を含むエアロゾル送達装置に関する。理解され得るように、リザーバ内に収容されてもよく、および/または基材と接触してもよいエアロゾル前駆体組成物を加熱するために、様々な無線加熱技術が使用されてもよい。いくつかの実施形態では、噴霧器に電流を伝送せずに、噴霧器が無線で加熱されてもよい。
【0098】
上述の実施形態では、無線電力送信器は送信器連結装置を含んでもよく、噴霧器は共振受信器連結装置を含んでもよい。それにより、共振受信器連結装置に渦電流が誘導されて、熱を発生させてもよい。さらに上記のように、送信器連結装置は、共振受信器連結装置を少なくとも部分的に囲むように構成されてもよい。追加の例として、他の実施形態では、放射加熱、音波加熱、フォトニック加熱(例えば、レーザによる)および/またはマイクロ波加熱を使用して、噴霧器が無線で加熱されてもよい。
【0099】
しかし、他の実施形態では、噴霧器を無線で加熱するために他の様々な技術および機構が使用されてもよい。例えば、電流が噴霧器に無線伝送されてもよく、そのような無線電力伝送技術は、ワイヤコイル抵抗加熱要素などの噴霧器の任意の実施形態とともに使用されてもよい。無線電力伝送方法および機構の例示的な実施形態は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる2015年7月31日に出願されたSebastianらの米国特許出願番号第14/814,866号明細書に提供されている。
【0100】
本開示は、共振受信器連結装置に近接して配置されたエアロゾル前駆体組成物を含む基材を加熱してエアロゾルを生成することを、一般に説明するが、他の実施形態では、共振受信器連結装置は、それに導かれた(例えば分配された)エアロゾル前駆体組成物を加熱するように構成されてもよいことに留意されたい。例えば、いずれもBrammerらの米国特許出願公開第2015/0117842号明細書;米国特許出願公開第2015/0114409号明細書;および米国特許出願公開第2015/0117841号明細書は、流体エアロゾル前駆体組成物送達機構および方法を開示しており、これらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。そのような流体エアロゾル前駆体組成物送達機構および方法を使用して、リザーバから共振受信器連結装置にエアロゾル前駆体組成物を導いて、エアロゾルを生成してもよい。追加の実施形態では、共振受信器連結装置はリザーバに接続された中空針を含んでもよく、エアロゾル前駆体組成物が針によって気化されるにつれて、毛細管作用がエアロゾル前駆体組成物を針の中に導いて針を補充する。共振受信器連結装置および送信器連結装置の例示的な形状および構成が本明細書で説明されているが、様々な他の構成および形状が使用されてもよいことにさらに留意されたい。
【0101】
図15は、いくつかの例示的な実施形態によるエアロゾル送達装置を組み立てる方法1500での様々な動作を示す。
図15に示すように、方法は、動作1502において、エアロゾル前駆体組成物を含む基材を提供することを含んでもよい。方法は、動作1504において、共振受信器連結装置を提供することをさらに含んでもよい。加えて、方法は、動作1506において、共振受信器連結装置に近接して基材を配置することを含んでもよい。共振受信器連結装置は、振動磁場にさらされて、エアロゾル前駆体組成物を加熱してエアロゾルを生成するように構成されてもよい。
【0102】
いくつかの実施形態では、動作1506において、共振受信器連結装置に近接して基材を配置することは、共振受信器連結装置と直接接触するように基材を配置することを含んでもよい。さらに、動作1506において、共振受信器連結装置に近接して基材を配置することは、共振受信器連結装置の内側に基材を配置することを含んでもよい。方法は、基材にエアロゾル前駆体組成物を充填することを追加的に含んでもよい。エアロゾル前駆体組成物は、液体エアロゾル前駆体組成物を含んでもよい。
【0103】
方法は、送信器連結装置を提供することと、送信器連結装置が共振受信器連結装置を少なくとも部分的に囲むように送信器連結装置を配置することとを追加的に含んでもよい。送信器連結装置を配置することは、送信器連結装置を共振受信器連結装置と直接接触しないように配置することを含んでもよい。
【0104】
方法は、基材および共振受信器連結装置を含むカートリッジを形成することを追加的に含んでもよい。さらに、方法は、送信器連結装置を含む制御本体を形成することを含んでもよい。送信器連結装置が共振受信器連結装置を少なくとも部分的に囲むように送信器連結装置を配置することは、カートリッジを制御本体に連結することを含んでもよい。加えて、制御本体を形成することは、電源を送信器連結装置に連結することを含んでもよい。
【0105】
図16は、いくつかの例示的な実施形態によるエアロゾル化方法1600での様々な動作を示す。
図16に示すように、方法は、動作1602においてカートリッジを提供することを含んでもよい。カートリッジは、エアロゾル前駆体組成物および噴霧器を含んでもよい。方法は、動作1604において制御本体を提供することを追加的に含んでもよい。制御本体は、電源および無線電力送信器を含んでもよい。方法は、動作1606において、電源から無線電力送信器に電流を導くことをさらに含んでもよい。加えて、方法は、動作1608において、無線電力送信器を用いて噴霧器を無線で加熱して、エアロゾル前駆体組成物を加熱してエアロゾルを生成することを含んでもよい。
【0106】
上記の説明および関連する図面に示された教示の利益を有し、本開示が関連する当業者には、本開示の多くの変更および他の実施形態が思い浮かぶであろう。したがって、本開示は、本明細書に開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、変更および他の実施形態が添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されることが理解されるべきである。本明細書では特定の用語を使用しているが、それらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用され、限定のために使用されない。