(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-10
(45)【発行日】2022-06-20
(54)【発明の名称】ヒューズ状態検出回路、デバイス及び方法
(51)【国際特許分類】
G11C 17/18 20060101AFI20220613BHJP
G11C 17/16 20060101ALI20220613BHJP
H01L 21/82 20060101ALI20220613BHJP
H01L 21/822 20060101ALI20220613BHJP
H01L 27/04 20060101ALI20220613BHJP
【FI】
G11C17/18
G11C17/16
H01L21/82 F
H01L27/04 V
(21)【出願番号】P 2019531557
(86)(22)【出願日】2017-08-28
(86)【国際出願番号】 US2017048810
(87)【国際公開番号】W WO2018044755
(87)【国際公開日】2018-03-08
【審査請求日】2020-08-28
(32)【優先日】2016-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503031330
【氏名又は名称】スカイワークス ソリューションズ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SKYWORKS SOLUTIONS,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【氏名又は名称】原 裕子
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、 ヤン
(72)【発明者】
【氏名】チェ、 ユンヨン
(72)【発明者】
【氏名】イ、 ジュンヒョン
【審査官】堀田 和義
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-88174(JP,A)
【文献】特開2012-59815(JP,A)
【文献】特開2004-342729(JP,A)
【文献】特開2010-50195(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 17/18
G11C 17/16
H01L 21/82
H01L 21/822
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒューズ状態検出回路であって、
供給電圧からヒューズ素子及び基準素子それぞれへの、ヒューズ経路を通る電流及び基準経路を通る電流を、前記供給電圧の適用時と実質的に同時に有効信号を受信したときに有効にするべく構成された有効ブロックと、
前記ヒューズ経路を通る電流の量及び前記基準経路を通る電流の量を制御するべくあつらえられた電流制御ブロックと、
前記ヒューズ素子の状態を表す出力を、前記ヒューズ経路を通る電流及び前記基準経路を通る電流に基づいて生成するべく実装された決定ブロックと
を含み、
前記出力は、前記供給電圧の適用のランプアップ部分の間に生成され、
前記ヒューズ経路は、
前記決定ブロックに関連付けられた決定トランジスタと、
前記電流制御ブロックに関連付けられた電流制御トランジスタと、
前記供給電圧に関連付けられた供給電圧ノードと前記ヒューズ素子に関連付けられたヒューズ素子ノードとの間に直列に実装された、前記有効ブロックに関連付けられた有効トランジスタと
を含
み、
前記電流制御トランジスタは、幅及び長さによって決定されるアクティブ領域を有し、
所与の長さに対して前記幅は、前記決定ブロックにより前記ヒューズ素子の状態の誤った出力が生成されるのを防止する信頼性マージンを維持しながら前記電流制御トランジスタを流れる電流を低減するように決定される、ヒューズ状態検出回路。
【請求項2】
前記決定ブロックは、前記決定ブロックが前記供給電圧を受信するべく、前記供給電圧ノードを含む
、請求項1のヒューズ状態検出回路。
【請求項3】
前記有効ブロックは、前記ヒューズ素子に接続されたヒューズ素子ノードを含む
、請求項1のヒューズ状態検出回路。
【請求項4】
前記基準素子は基準抵抗を含む
、請求項1のヒューズ状態検出回路。
【請求項5】
前記ヒューズ素子の一端が前記ヒューズ経路に接続され、
前記ヒューズ素子の他端がグランドに接続され、
前記基準素子の一端が前記基準経路に接続され、
前記基準素子の他端が前記グランドに接続され、
前記ヒューズ経路及び前記基準経路は、前記供給電圧ノードと前記グランドとの間に電気的に並列に存在する
、請求項1のヒューズ状態検出回路。
【請求項6】
前記決定トランジスタは前記供給電圧ノードに接続され、
前記有効トランジスタは前記ヒューズ素子ノードに接続され、
前記電流制御トランジスタは、前記決定トランジスタと前記有効トランジスタとの間に存在する
、請求項1のヒューズ状態検出回路。
【請求項7】
前記基準経路は、
前記決定ブロックに関連付けられた決定トランジスタと、
前記電流制御ブロックに関連付けられた電流制御トランジスタと、
前記供給電圧ノードと前記基準素子に関連付けられたノードとの間に直列に実装された、前記有効ブロックに関連付けられた有効トランジスタと
を含む
、請求項1のヒューズ状態検出回路。
【請求項8】
前記決定トランジスタは前記供給電圧ノードに接続され、
前記有効トランジスタは前記基準素子に接続され、
前記電流制御トランジスタは前記決定トランジスタと前記有効トランジスタとの間に存在する
、請求項7のヒューズ状態検出回路。
【請求項9】
前記ヒューズ経路の決定トランジスタ及び前記基準経路の決定トランジスタは前記決定ブロックの部品である
、請求項7のヒューズ状態検出回路。
【請求項10】
前記決定ブロックはさらに、
前記基準経路に沿った第1出力ノードと、
前記ヒューズ経路に沿った第2出力ノードと
を含み、
前記第1出力ノード及び第2出力ノードは、前記ヒューズ素子の状態に基づいてそれぞれの出力電圧を与えるべく構成される
、請求項9のヒューズ状態検出回路。
【請求項11】
前記ヒューズ経路の決定トランジスタと前記基準経路の決定トランジスタとはそれぞれがゲート、ソース及びドレインを含み、
各決定トランジスタのソースが前記供給電圧ノードに接続され、
各決定トランジスタのドレインが前記第1出力ノード及び第2出力ノードのそれぞれ一つに接続される
、請求項10のヒューズ状態検出回路。
【請求項12】
前記基準経路の決定トランジスタと前記ヒューズ経路の決定トランジスタとは交差結合され、
一方の決定トランジスタのゲートが他方の決定トランジスタのドレインに接続される
、請求項11のヒューズ状態検出回路。
【請求項13】
前記決定ブロックの出力は、第1の出力電圧と第2の出力電圧との差分を含む請求項12のヒューズ状態検出回路。
【請求項14】
前記決定ブロックは、前記ヒューズ素子が無傷状態にあるときに前記出力が正値を有し、前記ヒューズ素子が吹き飛び状態にあるときに前記出力が負値を有するように構成される
、請求項13のヒューズ状態検出回路。
【請求項15】
半導体ダイであって、
半導体基板と、
前記半導体基板に実装されたヒューズ素子と、
前記半導体基板に実装されて前記ヒューズ素子と通信するヒューズ検出回路と
を含み、
前記ヒューズ検出回路は、供給電圧からヒューズ素子及び基準素子それぞれへの、ヒューズ経路を通る電流及び基準経路を通る電流を、前記供給電圧の適用時と実質的に同時に有効信号を受信したときに有効にするべく構成された有効ブロックを含み、
前記ヒューズ検出回路はさらに、前記ヒューズ経路を通る電流の量及び前記基準経路を通る電流の量を制御するべくあつらえられた電流制御ブロックを含み、
前記ヒューズ検出回路はさらに、前記ヒューズ素子の状態をあらわす出力を、前記ヒューズ経路を通る電流及び前記基準経路を通る電流に基づいて生成するべく実装された決定ブロックを含み、
前記出力は、前記供給電圧の適用のランプアップ部分の間に生成され、
前記ヒューズ経路は、
前記決定ブロックに関連付けられた決定トランジスタと、
前記電流制御ブロックに関連付けられた電流制御トランジスタと、
前記供給電圧に関連付けられた供給電圧ノードと前記ヒューズ素子に関連付けられたヒューズ素子ノードとの間に直列に実装された、前記有効ブロックに関連付けられた有効トランジスタと
を含
み、
前記電流制御トランジスタは、幅及び長さによって決定されるアクティブ領域を有し、
所与の長さに対して前記幅は、前記決定ブロックにより前記ヒューズ素子の状態の誤った出力が生成されるのを防止する信頼性マージンを維持しながら前記電流制御トランジスタを流れる電流を低減するように決定される、半導体ダイ。
【請求項16】
電子モジュールであって、
複数のコンポーネントを受容するべく構成されたパッケージ基板と、
前記パッケージ基板に取り付けられて集積回路及びヒューズ素子を含む半導体ダイと、
前記ヒューズ素子と通信
するヒューズ検出回路と、
前記ヒューズ検出回路と通信して前記ヒューズ検出回路の出力を表す入力信号を受信するべく構成された制御器と
を含み、
前記
ヒューズ検出回路は、供給電圧からヒューズ素子及び基準素子それぞれへの、ヒューズ経路を通る電流及び基準経路を通る電流を、前記供給電圧の適用時と実質的に同時に有効信号を受信したときに有効にするべく構成され
た有効ブロックを含み、
前記ヒューズ検出回路はさらに、前記ヒューズ経路を通る電流の量及び前記基準経路を通る電流の量を制御するべくあつらえられた電流制御ブロックを含み、
前記ヒューズ検出回路はさらに、前記ヒューズ素子の状態を表す出力を、前記ヒューズ経路を通る電流及び前記基準経路を通る電流に基づいて生成するべく実装された決定ブロックを含み、
前記出力は、前記供給電圧の適用のランプアップ部分の間に生成され、
前記ヒューズ経路は、
前記決定ブロックに関連付けられた決定トランジスタと、
前記電流制御ブロックに関連付けられた電流制御トランジスタと、
前記供給電圧に関連付けられた供給電圧ノードと前記ヒューズ素子に関連付けられたヒューズ素子ノードとの間に直列に実装された、前記有効ブロックに関連付けられた有効トランジスタと
を含み、
前記制御器はさらに、前記入力信号に基づいて制御信号を生成するべく構成され
、
前記電流制御トランジスタは、幅及び長さによって決定されるアクティブ領域を有し、
所与の長さに対して前記幅は、前記決定ブロックにより前記ヒューズ素子の状態の誤った出力が生成されるのを防止する信頼性マージンを維持しながら前記電流制御トランジスタを流れる電流を低減するように決定される、電子モジュール。
【請求項17】
前記信頼性マージンは、前記ヒューズ経路を通る電流に基づいて前記決定ブロックにより生成される出力と前記基準経路を通る電流に基づいて前記決定ブロックにより生成される出力との差分の絶対値として定義される、請求項1のヒューズ状態検出回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体デバイスに実装されたヒューズ状態検出技術に関する。
【0002】
関連出願の相互参照
本願は、2016年8月29日に出願された「ヒューズ状態検出回路、デバイス及び方法」との名称の米国仮出願第62/380,861号の優先権を主張する。その開示は、参照によりその対応する全体がここに明示的に組み入れられる。
【背景技術】
【0003】
ダイのような半導体デバイスに実装された多くの集積回路において、情報を記憶するべくヒューズを利用することができる。例えば、ヒューズ記憶値からは、異なる集積回路ダイ間の部品対部品についての及び/又はプロセスのばらつきについての情報が得られる。かかる情報により、所与の集積回路ダイは、所望の機能性を与えるべく適切に動作させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許出願公開第2008/0106323(A1)号明細書
【発明の概要】
【0005】
いくつかの実装によれば、本開示は、ヒューズ素子への供給電圧からもたらされるヒューズ電流の流れを、当該供給電圧の適用時と実質的に同時に有効信号を受信したときに有効にするべく構成された有効ブロックを含むヒューズ状態検出回路に関する。ヒューズ状態検出回路はさらに、ヒューズ電流の量を制御するべくあつらえられた電流制御ブロックと、ヒューズ電流に基づいてヒューズ素子の状態を表す出力を生成するべく実装された決定ブロックとを含み、当該出力は、供給電圧の適用のランプアップ部分の間に生成される。
【0006】
いくつかの実施形態において、有効ブロックはさらに、基準素子への供給電圧からもたらされる基準電流の流れを、有効信号を受信したときに有効にするべく構成することができる。電流制御ブロックはさらに、基準電流の量を制御するべくあつらえることができる。決定ブロックはさらに、ヒューズ電流及び基準電流に基づいて出力を生成するべく実装することができる。決定ブロックは、供給電圧を受信する供給ノードを含み得る。決定ブロックは供給電圧を受信する。有効ブロックは、ヒューズ素子に接続されるヒューズノードを含み得る。電流制御ブロックは決定ブロックと有効ブロックとの間に実装される。
【0007】
いくつかの実施形態において、決定ブロック、有効ブロック及び電流制御ブロックは、供給電圧を受信するべく構成された供給ノードとヒューズ素子に接続されるべく構成されたヒューズノードとの間のヒューズ電流経路を介して相互接続され得る。決定ブロック、有効ブロック及び電流制御ブロックはさらに、供給ノードと基準素子に接続されるべく構成された基準ノードとの間の基準電流経路を介して相互接続され得る。
【0008】
いくつかの実施形態において、基準素子は基準抵抗を含み得る。ヒューズ素子の一端をヒューズノードに接続し、当該ヒューズ素子の他端をグランドに接続することができる。基準素子の一端を基準ノードに接続し、当該基準素子の他端をグランドに接続することができる。ヒューズ電流経路及び基準電流経路は、供給ノードとグランドとの間に電気的に並列される。
【0009】
いくつかの実施形態において、ヒューズ電流経路は、供給ノードとヒューズノードとの間に直列に実装された決定トランジスタ、電流制御トランジスタ及び有効トランジスタを含み得る。決定トランジスタを供給ノードに接続し、有効トランジスタをヒューズノードに接続することができる。電流制御トランジスタは、決定トランジスタと有効トランジスタとの間に存在する。基準電流経路は、決定トランジスタ、供給ノードと基準ノードとの間に直列に実装された電流制御トランジスタ及び有効トランジスタを含み得る。決定トランジスタを供給ノードに接続し、有効トランジスタを基準ノードに接続することができる。電流制御トランジスタは決定トランジスタと有効トランジスタとの間に存在する。
【0010】
いくつかの実施形態において、ヒューズ電流経路の有効トランジスタと、基準電流経路の有効トランジスタとは、有効ブロックの部品となり得る。ヒューズ電流経路の有効トランジスタと基準電流経路の有効トランジスタはそれぞれ、ゲート、ソース及びドレインを含み、ゲート電圧が適用されるとドレインとソースとの間に電流を流すことができる。各有効トランジスタは、例えば、n型電界効果トランジスタとしてよい。基準電流経路の有効トランジスタのソースを基準ノードに接続し、ヒューズ電流経路の有効トランジスタのソースをヒューズノードに接続することができる。各有効トランジスタのゲートを、有効信号をゲート電圧として受信する有効ノードに接続することができる。
【0011】
いくつかの実施形態において、ヒューズ電流経路の電流制御トランジスタと基準電流経路の電流制御トランジスタとは、電流制御ブロックの部品としてよい。ヒューズ電流経路の電流制御トランジスタと基準電流経路の電流制御トランジスタとはそれぞれが、ゲート、ソース及びドレインを含み、ゲート電圧が適用されるとドレインとソースとの間に電流を流すことができる。各電流制御トランジスタは、例えば、n型電界効果トランジスタとしてよい。
【0012】
いくつかの実施形態において、基準電流経路の電流制御トランジスタのドレインを、基準電流経路の決定トランジスタのドレインに接続し、ヒューズ電流経路の電流制御トランジスタのドレインを、ヒューズ電流経路の決定トランジスタのドレインに接続することができる。各電流制御トランジスタのゲートを供給ノードに接続することができる。ゲートは、供給電圧をゲート電圧として受信する。
【0013】
いくつかの実施形態において、ヒューズ電流経路の決定トランジスタと基準電流経路の決定トランジスタとは、決定ブロックの部品としてよい。決定ブロックはさらに、基準電流経路に沿った第1出力ノードと、ヒューズ電流経路に沿った第2出力ノードとを含み得る。第1出力ノード及び第2出力ノードは、ヒューズ素子の状態に基づいてそれぞれの出力電圧を与えるべく構成される。ヒューズ電流経路の決定トランジスタと基準電流経路の決定トランジスタとはそれぞれが、ゲート、ソース及びドレインを含み得る。各決定トランジスタのソースが供給ノードに接続され、各決定トランジスタのドレインが、第1出力ノード及び第2出力ノードのそれぞれ一つに接続される。各決定トランジスタは、例えば、p型電界効果トランジスタとしてよい。
【0014】
いくつかの実施形態において、基準電流経路の決定トランジスタとヒューズ電流経路の決定トランジスタとを、一方の決定トランジスタのゲートを他方の決定トランジスタのドレインに接続するように、交差結合することができる。決定ブロックの出力は、第1出力電圧と第2出力電圧との差分を含み得る。決定ブロックは、ヒューズ素子が無傷状態にある場合に出力が正値を有し、ヒューズ素子が吹き飛び状態にある場合に出力が負の値を有するように構成することができる。
【0015】
いくつかの実施形態において、決定ブロックはさらに、供給ノードと第1出力ノード及び第2出力ノードとの間に切替可能結合経路を含み得る。切替可能結合経路は、ヒューズ検出動作中は非導通となり、当該検出動作が完了すると導通となるように構成することができるので、導通結合経路により第1出力ノード及び第2出力ノードそれぞれが、実質的に供給電圧となることができる。各切替可能結合経路は、対応決定トランジスタと電気的に並列されるスイッチングトランジスタを含み得る。
【0016】
いくつかの実施形態において、決定ブロックはさらに、第1出力ノード及び第2出力ノードそれぞれからの切替可能抵抗経路を含み得る。切替可能抵抗経路は、ヒューズ検出動作中に導通となり、当該検出動作が完了すると非導通となって付加的放電経路を与えるように構成することもできる。各切替可能抵抗経路は、出力抵抗と直列のスイッチングトランジスタを含み得る。
【0017】
いくつかの実施形態において、ヒューズ電流経路及び基準電流経路の電流制御トランジスタはそれぞれが、幅及び長さによるアクティブ面積を有し得る。所与の長さに対し、幅が、対応電流を低減する一方で決定ブロックの出力に対する所望の信頼性マージンを維持するようにあつらえられる。いくつかの実施形態において、所望の信頼性マージンは、信頼性のある最小幅と選択された最大幅との間の幅範囲の少なくとも1%とすることができる。その少なくとも1%は当該最小幅からである。いくつかの実施形態において、所望の信頼性マージンは、当該幅範囲の、当該最小幅から少なくとも5%としてよい。いくつかの実施形態において、所望の信頼性マージンは、当該幅範囲の、当該最小幅から少なくとも10%としてよい。
【0018】
いくつかの教示において、本開示は、電子デバイス用のヒューズシステムに関する。ヒューズシステムは、半導体ダイに形成されたヒューズ素子と、当該ヒューズ素子と通信して有効ブロックを含むヒューズ検出回路とを含む。有効ブロックは、ヒューズ素子への供給電圧からもたらされるヒューズ電流の流れを、当該供給電圧の適用時と実質的に同時に有効信号を受信したときに有効にするべく構成される。ヒューズ検出回路はさらに、ヒューズ電流の量を制御するべくあつらえられた電流制御ブロックと、ヒューズ素子の状態を表す出力を、当該ヒューズ電流に基づいて生成するべく実装された決定ブロックとを含む。その出力は、供給電圧の適用のランプアップ部分の間に生成される。ヒューズシステムはさらに、ヒューズ検出回路からの出力を受信して論理信号を生成し、その論理信号を制御回路に与えるべく構成された出力回路を含む。
【0019】
いくつかの実施形態において、制御回路は、モバイル産業用プロセッサインタフェイス制御器を含み得る。いくつかの実施形態において、ヒューズ検出回路は、半導体ダイに実装することができる。
【0020】
いくつかの実装において、本開示は、半導体基板と、当該半導体基板に実装されたヒューズ素子とを含む半導体ダイに関する。半導体ダイはさらに、半導体基板に実装されてヒューズ素子と通信するヒューズ検出回路を含む。ヒューズ検出回路は、ヒューズ素子への供給電圧からもたらされるヒューズ電流の流れを、当該供給電圧の適用時と実質的に同時に有効信号を受信したときに有効にするべく構成された有効ブロックを含む。ヒューズ検出回路はさらに、ヒューズ電流の量を制御するべくあつらえられた電流制御ブロックと、ヒューズ素子の状態を表す出力を、当該ヒューズ電流に基づいて生成するべく実装された決定ブロックとを含む。その出力は、供給電圧の適用のランプアップ部分の間に生成される。
【0021】
一定数の実装において、本開示は、複数のコンポーネントを受容するべく構成されたパッケージ基板と、当該パッケージ基板に取り付けられて集積回路及びヒューズ素子を含む半導体ダイとを含む電子モジュールに関する。電子モジュールはさらに、ヒューズ素子と通信して有効ブロックを含むヒューズ検出回路を含む。有効ブロックは、ヒューズ素子への供給電圧からもたらされるヒューズ電流の流れを、当該供給電圧の適用時と実質的に同時に有効信号を受信したときに有効にするべく構成される。ヒューズ検出回路はさらに、ヒューズ電流の量を制御するべくあつらえられた電流制御ブロックと、ヒューズ素子の状態を表す出力を、当該ヒューズ電流に基づいて生成するべく実装された決定ブロックとを含む。その出力は、供給電圧の適用のランプアップ部分の間に生成される。電子モジュールはさらに、ヒューズ検出回路と通信してヒューズ検出回路の出力を表す入力信号を受信するべく構成された制御器を含む。制御器はさらに、入力信号に基づいて制御信号を生成するべく構成される。
【0022】
いくつかの実施形態において、集積回路は、無線周波数集積回路としてよい。無線周波数集積回路は受信器回路としてよい。電子モジュールは、例えば、ダイバーシティ受信モジュールとしてよい。制御器は、例えば、モバイル産業用プロセッサインタフェイス信号を制御信号として与えるべく構成することができる。
【0023】
いくつかの実装において、本開示は、プロセッサと、当該プロセッサの制御のもと電子デバイスの動作を容易にするべく構成された集積回路を有する半導体ダイとを含む電子デバイスに関する。半導体ダイはさらに、ヒューズ素子を含む。電子デバイスはさらに、ヒューズ素子と通信して有効ブロックを含むヒューズ検出回路を含む。有効ブロックは、ヒューズ素子への供給電圧からもたらされるヒューズ電流の流れを、当該供給電圧の適用時と実質的に同時に有効信号を受信したときに有効にするべく構成される。ヒューズ検出回路はさらに、ヒューズ電流の量を制御するべくあつらえられた電流制御ブロックと、ヒューズ素子の状態を表す出力を、当該ヒューズ電流に基づいて生成するべく実装された決定ブロックとを含む。その出力は、供給電圧の適用のランプアップ部分の間に生成される。電子デバイスはさらに、ヒューズ検出回路と通信してヒューズ検出回路の出力を表す入力信号を受信するべく構成された制御器を含む。制御器はさらに、入力信号に基づいて制御信号を生成するべく構成される。
【0024】
いくつかの実施形態において、電子デバイスは、携帯電話機のような無線デバイスとしてよい。
【0025】
いくつかの実装において、本開示は、少なくとも無線周波数信号を受信するべく構成されたアンテナと、無線周波数信号を受信及び処理するべく構成された受信モジュールとを含む無線デバイスに関する。受信モジュールは、集積回路及びヒューズ素子を含む半導体ダイと、当該ヒューズ素子と通信して有効ブロックを含むヒューズ検出回路とを有する。有効ブロックは、ヒューズ素子への供給電圧からもたらされるヒューズ電流の流れを、当該供給電圧の適用時と実質的に同時に有効信号を受信したときに有効にするべく構成される。ヒューズ検出回路はさらに、ヒューズ電流の量を制御するべくあつらえられた電流制御ブロックと、ヒューズ素子の状態を表す出力を、当該ヒューズ電流に基づいて生成するべく実装された決定ブロックとを含む。その出力は、供給電圧の適用のランプアップ部分の間に生成される。受信モジュールはさらに、ヒューズ検出回路と通信して当該ヒューズ検出回路の出力を表す入力信号を受信する制御器を含む。制御器は、当該入力信号に基づいて制御信号を生成するべく構成される。
【0026】
いくつかの実施形態において、アンテナは、例えば、ダイバーシティアンテナとしてよい。
【0027】
いくつかの教示によれば、本開示は、ヒューズ素子の状態を検出する方法に関する。ヒューズは、有効信号と供給電圧とを実質的に同時に受信することと、ヒューズ素子への供給電圧からもたらされるヒューズ電流の流れを、当該有効信号に基づいて有効にすることとを含む。方法はさらに、ヒューズ電流の量を制御することと、ヒューズ素子の状態を表す出力を、当該ヒューズ電流に基づいて生成することとを含み、当該出力は、供給電圧の適用のランプアップ部分の間に生成される。
【0028】
いくつかの実施形態において、方法はさらに、基準素子への供給電圧からもたらされる基準電流の流れを、有効信号を受信したときに有効にすることと、当該基準電流の量を制御することとを含む。出力を生成することは、ヒューズ電流及び基準電流に基づいて当該出力を生成することを含み得る。
【0029】
本開示をまとめる目的で、本発明の所定の態様、利点、及び新規な特徴がここに記載されてきた。理解すべきことだが、かかる利点のすべてが必ずしも、本発明の任意の特定実施形態によって達成できるわけではない。すなわち、本発明は、ここに教示される一つの利点又は複数の利点の群を、ここに教示され又は示唆され得る他の利点を達成する必要なしに、達成又は最適化する態様で具体化し又は実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】ここに記載される一つ以上の特徴を有するヒューズ検出回路を含むヒューズシステムを示す。
【
図2】いくつかの実施形態において、ここに記載される一つ以上の特徴を有するヒューズシステムの一部又はすべてが、半導体ダイに実装され得ることを示す。
【
図3】ヒューズに結合されたヒューズ検出回路の実施形態の一例を示す。
【
図4】いくつかの実施形態において、
図1のヒューズシステムの出力回路が、セット・リセット(SR)ラッチ回路として実装され得ることを示す。
【
図6】
図6A及び6Bは、
図3のヒューズが吹き飛び状態にある一例を示す。
【
図7】
図7A~7Dは、
図5A及び5Bの例においてのように、無傷状態のヒューズを検出することに関連付けられた様々なタイミング図の例を示す。
【
図8】
図8A~8Dは、
図6A及び6Bの例においてのように、吹き飛び状態のヒューズを検出することに関連付けられた様々なタイミング図の例を示す。
【
図9】
図9Aは、
図7A~7Dのタイミング図に対応する様々な測定されたタイミングトレースを示す。
図9Bは、
図9Aの測定されたタイミングトレースに関連付けられた様々な測定された電流及び電圧を示す。
【
図10】
図10Aは、
図8A~8Dのタイミング図に対応する様々な測定されたタイミングトレースを示す。
図10Bは、
図10Aの測定されたタイミングトレースに関連付けられた様々な測定された電流及び電圧を示す。
【
図11】
図3の検出電流制御ブロックにおいて利用され得るトランジスタを描く。
【
図12】
図11のトランジスタを通る電流が、デバイスサイズが増加するにつれて増加することを示す。
【
図13】検出マージンの一例をデバイスサイズの関数として描く。
【
図14】トランジスタのデバイスサイズが変わるときの、無傷状態のヒューズに対するヒューズ状態出力の値の例を示す。
【
図15】デバイスサイズが小さくなるにつれてヒューズ検出の信頼性が損なわれることに関連する例を示す。
【
図16】トランジスタのデバイスサイズが変わるときの、無傷状態のヒューズに対するヒューズ状態出力の値の他例を示す。
【
図17】低減されたデバイスサイズ及び低減されたデバイス電流を与えるべく、デバイスサイズの範囲をどのようにして選択することができるのかの一例を示す。
【
図18】
図17の構成がどのようにして、デバイスサイズの範囲又は値が検出マージンしきい値から十分に離間されるように実装できるのかの一例を示す。
【
図19】
図3のヒューズ検出構成例のバリエーションの一例を示す。
【
図20】
図3のヒューズ検出構成のバリエーションの他例を示す。
【
図21】
図15の例と同様のデバイス幅値に対する出力電流及び電圧の例を示す。
【
図22】いくつかの実施形態において、ここに記載される一つ以上の特徴を有するヒューズシステムが、一つ以上の集積回路を初期化及び/又はリセットする電子システムに実装できることを示す。
【
図23】いくつかの実施形態において、
図22の電子システムが無線周波数(RF)システムとなり得ることを示す。
【
図24】いくつかの実施形態において、ここに記載される一つ以上の特徴を有するヒューズシステムが、電子モジュールに実装され得ることを示す。
【
図25】いくつかの実施形態において、ここに記載される一つ以上の特徴を有するヒューズシステムが、RFモジュールに実装され得ることを示す。
【
図27】ここに記載される一つ以上の有利な特徴を有する無線デバイスの一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
ここに与えられる見出しは、たとえあったとしても、便宜のみのためであって、必ずしも請求項に係る発明の範囲又は意味に影響するわけではない。
【0032】
多くの集積回路デバイスにおいて、ヒューズは、有用な情報を与える値を記憶するべく広く利用される。例えば、ヒューズ記憶値からは、集積回路ダイのような異なるデバイス間の部品対部品及び/又はプロセスのばらつきについての情報が得られる。かかる情報により、所与の集積回路ダイを、改善された又は所望の性能を当てるべく、適切に動作させることができる。他例において、ヒューズ記憶値は、例えばセキュリティ機能を与える一意的な符号として利用することができる。
【0033】
いくつかの実施形態において、ヒューズ検出回路は、集積回路ダイに関連付けられた異なるプロセスコーナーにわたり信頼性のある動作をさせるべく実装することができる。さらに、集積回路ダイが、多数のヒューズ(例えば50個を超える)を含み得る。よって、ヒューズ検出回路を相対的にコンパクトにして、対応ダイもコンパクトにすることが望ましい。ヒューズ検出回路の過渡電流消費を小さくして対応ダイの電力効率を良好にすることも望ましい。
【0034】
図1は、前述の望ましい機能のいくつか又はすべてを与えることができるヒューズ検出回路104を描く。いくつかの実施形態において、かかるヒューズ検出回路は、制御信号(制御)を受信してヒューズ102に対するヒューズ状態を有する出力を生成するべく構成されたヒューズシステム100の一部としてよい。かかるヒューズは、ヒューズ検出回路104にヒューズ102の状態を検出させるべくヒューズ検出回路104に結合されるように描かれる。いくつかの実施形態において、ヒューズ102のそのような検出された状態は、ヒューズ状態の出力(ヒューズ状態)を与える出力回路106によって処理され得る。かかるヒューズシステムに関する例が、ここに詳述される。
【0035】
図2は、いくつかの実施形態において、ここに記載される一つ以上の特徴を有するヒューズシステム100の一部又はすべてを半導体ダイ300に実装することができることを示す。かかる半導体ダイはまた、ヒューズシステム100を利用する集積回路302を含み得る。いくつかの実施形態において、ヒューズシステム100に関連付けられたヒューズは、ダイ300の部品として形成することができ、ヒューズシステム100のヒューズ検出回路(
図1の104)の実質的にすべてもまたダイ300に実装されることがわかる。
【0036】
図3は、ヒューズ102に結合されたヒューズ検出回路104の実施形態の一例を示す。記載の目的上、理解されることだが、かかるヒューズは、半導体ダイに実装されて第1状態(例えば無傷状態)又は第2状態(例えば吹き飛び状態)となるように構成される。
【0037】
いくつかの実施形態において、ヒューズ102及び基準抵抗(例えば抵抗器)Rrefがヒューズブロック110を形成し得る。ヒューズ102は、無傷状態の第1抵抗R1と、吹き飛び状態の第2抵抗R2とを有し得る。すなわち、ヒューズ102は、2つの抵抗値R1、R2を有する可変抵抗器として表すことができる。典型的に、吹き飛び状態に関連付けられた第2抵抗R2は、無傷状態関連付けられた第1抵抗R1よりも大きい。
【0038】
いくつかの実施形態において、基準抵抗Rrefは、値R1とR2との間の値を有するように、例えばR1<Rref<R2のように、選択することができる。基準抵抗Rrefが、値R1とR2とを区別する基準値として利用されるので、Rrefは、R1及びR2のそれぞれから十分に分離されるように選択することができる。例えば、Rrefは、R1とR2との間の約半分(例えばRref=(R1+R2)/2)となるように選択することができる。
【0039】
図3の例において、ヒューズ102は、電圧ノードVddとグランドとの間の第1経路に沿って実装され、基準抵抗Rrefは、第1経路と一般に電気的に並列される第2経路に沿って実装されるように示される。電圧ノードVddからは、第1経路がトランジスタPFET1、NFET1、NFET3と、グランドに直列に配列されたヒューズ102とを含むように示される。トランジスタPFET1のソースは、ドレインの電圧ノードVddに接続するように示され、トランジスタPFET1は、トランジスタNFET1のドレインに接続されるように示される。トランジスタNFET1ソースがトランジスタNFET3のドレインに接続されるように示され、トランジスタNFET3のソースは、ヒューズ102の一側に接続される。ヒューズ102の他側は、グランドに接続されるように示される。
【0040】
同様に、電圧ノードVddからは、第2経路がトランジスタPFET2、NFET2、NFET4を含むように示され、基準抵抗Rrefは、グランドに直列接続されるように配列される。トランジスタPFET2のソースは、電圧ノードVddに接続されるように示され、トランジスタPFET2のドレインは、トランジスタNFET2のドレインに接続されるように示される。トランジスタNFET2のソースは、トランジスタNFET4のドレインに接続されるように示され、トランジスタNFET4のソースは、基準抵抗Rrefの一側に接続されるように示される。基準抵抗Rrefの他側は、グランドに接続するように示される。
【0041】
図3の例において、トランジスタPFET1及びPFET2はまとめて、決定ブロック140として示される。いくつかの実施形態において、かかる決定ブロックは、交差結合決定ブロックとして実装することができる。例えば、トランジスタPFET1(143b)のゲートが、トランジスタPFET2(143a)のドレインに結合されて第1出力ノード141(Out1)を画定するように示され、トランジスタPFET2(143a)のゲートが、トランジスタPFET1(143b)のドレインに結合されて第2出力ノード142(Out2)を画定するように示される。かかる決定ブロック140の第1出力及び第2出力がどのようにして処理されるのかの一例が、
図4を参照してここに記載される。
【0042】
図3の例において、トランジスタNFET1及びNFET2はまとめて、検出電流制御ブロック130として示される。いくつかの実施形態において、かかる検出電流制御ブロックは、ヒューズ検出回路104の検出動作に関連付けられる過渡電流を制御するべく構成することができる。
図3の例において、トランジスタNFET1(134b)のゲートは、トランジスタNFET2(134a)のゲートに結合されて共通ゲートノード132を画定するように示される。かかる共通ゲートノード(132)は、電圧ノードVdd(144としても示す)に結合されるように示され、トランジスタのゲートNFET1及びNFET2は、電圧ノードVddからの共通ゲート電圧を受信し得る。かかるトランジスタ(NFET1、NFET2)をどのようにして構成することができるのかの例が、ここに詳述される。
【0043】
図3の例において、トランジスタNFET3及びNFET4はまとめて、検出有効ブロック120として示される。詳しくは、トランジスタNFET3のゲートは、トランジスタNFET4のゲートに結合されて共通ゲートノード122を画定するように示される。かかる共通ゲートノード(122)は、検出有効信号を受信するべく構成されるように示され、トランジスタNFET3及びNFET4のゲートが、共通検出有効信号を受信し、過渡電流を、ヒューズ102及び基準抵抗Rrefそれぞれに関連付けられた第1経路及び第2経路を通過させることができる。
【0044】
図3の例において、トランジスタPFET1及びPFET2はp型電界効果トランジスタ(FET)であり、トランジスタNFET1、NFET2、NFET3及びNFET4はn型FETである。しかしながら、本開示の一つ以上の特徴が、前述のトランジスタのいくつか又はすべてに対する他のタイプのFETとともに実装され得ることが理解される。本開示の一つ以上の特徴が、バイポーラ接合トランジスタを含む他のタイプのトランジスタを利用して実装できることも理解される。
【0045】
いくつかの実施形態において、トランジスタPFET1、PFET2、NFET1、NFET2、NFET3及びNFET4は、例えば、シリコンオンインシュレータ(SOI)デバイスとして実装することができる。理解されることだが、かかるトランジスタもまた、他のタイプの半導体デバイスとして実装することができる。
【0046】
図4は、いくつかの実施形態において、
図1の出力回路106が、セット・リセット(SR)ラッチ回路106として実装できることを示す。かかるSRラッチ回路は、図示のように配列された第1NANDゲート150及び第2NANDゲート152とインバータ154とを含み得る。
【0047】
詳しくは、第1NANDゲート150は、入力として、
図3の決定ブロック140の(ノード141からの)第1出力(Out1)を受信することができる。同様に、第2NANDゲート152は、入力として、
図3の決定ブロック140の(ノード142からの)第2出力(Out2)を受信することができる。第1NANDゲート150の出力は、第2NANDゲート152の他方の入力として与えることができ、第2NANDゲート152の出力は、第1NANDゲート150の他方の入力として与えることができる。
【0048】
第2NANDゲート152の出力は、インバータ154の入力として与えることができ、インバータ154の出力は、ヒューズシステム(
図1の100)の出力として利用することができる。かかる出力は、ヒューズ状態(例えば無傷状態又は吹き飛び状態)についての情報を含み得る。
【0049】
図5A及び5Bは、
図3のヒューズ102が(抵抗R1を有する)無傷状態にある一例を示す。
図6A及び6Bは、
図3のヒューズ102が(抵抗R2を有する)吹き飛び状態にある一例を示す。
【0050】
図5A及び5Bにおいて、検出有効ブロック(
図3の120)が有効にされているように示される。トランジスタNFET3及びNFET4それぞれには、それぞれの過渡電流の電圧ノードVddとグランドとの間の通過を許容するべく、有効ゲート電圧が与えられる。ヒューズ102は、その無傷状態にあり、その抵抗R1は基準抵抗Rref未満である。したがって、決定ブロック(
図3の140)の第1出力(Out1)の振幅は、第2出力(Out2)の振幅よりも大きく、差分Out1-Out2は正値となる。決定ブロック140の当該出力(Out1、Out2)により、SRラッチ回路(
図4の106)は、ヒューズ状態が無傷であることを示す負論理出力(出力)を生成する。
【0051】
図6A及び6Bにおいて、検出有効ブロック(
図3の120)が有効にされているように示される。トランジスタNFET3及びNFET4それぞれには、それぞれの過渡電流の電圧ノードVddとグランドとの間の通過を許容するべく、有効ゲート電圧が与えられる。ヒューズ102がその吹き飛び状態にあると、その抵抗R2は基準抵抗Rrefよりも大きい。したがって、決定ブロック(
図3の140)の第1出力(Out1)の振幅は、第2出力(Out2)の振幅よりも小さく、差分Out1-Out2は負値となる。決定ブロック140の当該出力(Out1、Out2)により、SRラッチ回路(
図4の106)は、ヒューズ状態が吹き飛んでいることを示す正論理出力(出力)を生成する。
【0052】
図7A~7Dは、(例えば
図5A及び5Bの例において)無傷状態にあるヒューズの検出に関連付けられる様々なタイミング図の例を示す。
図8A~8Dは、(例えば
図6A及び6Bの例において)吹き飛び状態にあるヒューズの検出に関連付けられる様々なタイミング図の例を示す。
【0053】
いくつかの実施形態において、
図3、5A及び6Aのヒューズ検出回路104は、二次供給電圧Vioのような既知の供給電圧のランプアップに基づき得る。かかるVioのランプアップは、リセット(例えばパワーオンリセット(POR))が望まれるときはいつでも実装することができる。かかるリセットの間、関連集積回路が適切に構成されるのを許容するべく、様々なヒューズの状態を、ここに記載されるように検出することができる。
【0054】
したがって、
図7A及び8Aそれぞれにおいて、Vioは時刻T1においてランプアップを低値から開始し、時刻T2において高値に到達する。かかるランプアップは、期間ΔT
Aだけ持続するように示される。Vioのランプアップの間、又はVioが高値に到達する時、POR信号は低状態から高状態まで遷移し得る。かかるPORの高状態を、様々なリセット機能を行うべく利用することができる。
【0055】
いくつかの実施形態において、供給電圧(例えば
図3において供給ノード144にVddが与えられる)をVioによって与えることができ、又は実質的にVioを追跡することができる。理解されることだが、いくつかの実施形態において、供給電圧は、他のソースによって与えてもよい。
【0056】
いくつかの実施形態において、
【数1】
を、前述のVio及びPORから取得することができ、かかるPORバーは、検出有効ノード(例えば
図3の122)に与えられる検出有効信号として利用することができる。したがって、
図7B及び8Bそれぞれにおいて、検出有効(PORバー)信号は、低状態と高状態との間で、近似的には時刻T1及びT2間で、遷移するように示される。図示の例において、検出有効(PORバー)信号の当該遷移は、時間ΔT
B中に第1勾配を有する第1部分と、時間ΔT
C中に第2勾配を有する第2部分とを含むように示される。この例において、第1勾配は第2勾配よりも大きい。近似的に時刻T2において、検出有効(PORバー)信号は、POR信号が高くなると低状態まで戻るように急激に遷移する。
【0057】
検出有効(PORバー)信号が十分な高値に到達すると、過渡電流が、検出有効トランジスタNFET3(ヒューズ102に対する)及びNFET4(基準抵抗Rrefに対する)を通るように流れ、ひいては出力ノードOut1、Out2における電圧間の非ゼロ差分を生成することができる。かかる電圧差は、Out1-Out2とも記載され、正(例えばヒューズが無傷の場合)又は負(例えばヒューズが吹き飛んだ場合)となり得る。
【0058】
図7C及び8Cにおいて、かかる電圧差(Out1-Out2)は、Vout1-Vout2として描かれ、近似的にゼロの値から、正値(例えば+V)又は負値(例えば-V)まで変化し得る。
図7Cにおいて、ヒューズは無傷状態にあるので、検出有効(PORバー)信号が高状態まで遷移するにつれてVout1-Vout2は正となる。例えば、Vout1-Vout2は、時刻T1(検出有効(PORバー)信号が増加を開始したとき)の後の一定時間にわたり近似的にゼロのままであり、その後、増加を開始して近似的に時刻T2に到達するように示される。かかる時刻において、Vout1-Vout2は、正値(+V)まで急激に飛ぶように示される。
【0059】
図8Cにおいて、ヒューズは吹き飛び状態にあるので、Vout1-Vout2は、検出有効(PORバー)信号が高状態に遷移するにつれて負になる。例えば、Vout1-Vout2は、時刻T1(検出有効(PORバー)信号が増加を開始したとき)の後の一定時間にわたり近似的にゼロのままであり、その後、減少を開始して近似的に時刻T2に到達するように示される。かかる時刻において、Vout1-Vout2は、急激に負値(-V)まで降下するように示される。
【0060】
ここに記載されるように、第1出力電圧Vout1及び第2出力電圧Vout2(ここではOut1、Out2とも称する)は、
図4の出力回路106(例えばセット・リセット(SR)ラッチ回路)が、検出されたヒューズの状態を表す出力信号を生成するべく利用することができる。またも
図5及び6を参照してここに記載されるように、かかる出力信号は、ヒューズが無傷のときに低くなり、ヒューズが吹き飛んだときに高くなる。
【0061】
図7D及び8Dにおいて、かかるヒューズ状態出力信号が描かれる。ヒューズが無傷状態にある
図7Dにおいて、ヒューズ状態出力は、時刻T1において低状態から開始し、時刻T2においても低状態のままとなるように示される。ヒューズが吹き飛び状態にある
図8Dにおいて、ヒューズ状態出力は、
図7Dの例のように低状態から開始し、その後、時刻T1及びT2間に急激に上向きに遷移する。かかる上向きの値から、ヒューズ状態出力は、近似的にT2において高値に到達するまで増加を続ける。
【0062】
いくつかの実施形態において、ヒューズ状態出力信号によりT2において完全な高値に到達していなくても、ヒューズが吹き飛び状態にあるとの決定がなされ得る。ヒューズが吹き飛び状態にあると決定するべく、例えば、(T1及びT2間の時刻における)急激に増加した値と、完全な高値(近似的にT2における)との間のヒューズ状態出力値を利用することができる。同様に、(T1及びT2間の)同時刻後も低値のままのヒューズ状態出力値は、ヒューズが無傷状態にあることを決定するべく利用することができる。
【0063】
前述のタイミング図の例に基づいてわかるのは、ヒューズ状態出力信号が(ヒューズが無傷である場合の
図7Dにおいてのように)実質的に低又は(ヒューズが吹き飛んでいる場合の
図8Dにおいてのように)十分に高となり得ることにより、Vioランプアップ期間の終了(時刻T2)前にヒューズ状態を決定することが許容される点である。すなわち、
図3のヒューズ検出回路104により、ヒューズ状態を迅速かつ有効に決定することが許容され得る。
【0064】
図9Aは、(
図5A及び5Bの例においてのように無傷状態のヒューズを検出する)
図7A~7Dのタイミング図に対応する様々な測定されたタイミングトレースを示す。
図9Aはまた、測定されたPORタイミングトレースも示す。
【0065】
図9Bは、
図9Aの測定されたタイミングトレースに関連付けられる様々な測定された電流及び電圧を示す。詳しくは、上側のパネルが、(ヒューズが無傷状態にある場合の)ヒューズ検出回路の電力供給から測定された合計過渡電流(I_fuse)を示す。I_fuseは一般に、
図9Aの検出有効電圧トレースを追跡している。中間のパネルが、ヒューズにおいて測定された電流(Iout1)及び基準抵抗Rrefにおいて測定された電流(Iout2)を示す。下側のパネルが、第1出力において測定された電圧(Vout1)及び第2出力において測定された電圧(Vout2)を示す。ヒューズが無傷状態にあるので、ヒューズ検出回路が十分に有効とされていればVout1>Vout2となる。したがって、ランプ期間中のIout1はIout2よりも大きい。
【0066】
図10Aは、(
図6A及び6Bの例においてのように吹き飛び状態にあるヒューズを検出する)
図8A~8Dのタイミング図に対応する様々な測定されたタイミングトレースを示す。
図10Aはまた、測定されたPORタイミングトレースも示す。
【0067】
図10Bは、
図10Aの測定されたタイミングトレースに関連付けられた様々な測定された電流及び電圧を示す。詳しくは、上側のパネルが、(ヒューズが吹き飛び状態にある場合の)ヒューズ検出回路の電力供給から測定された合計過渡電流(I_fuse)を示す。I_fuseは一般に、
図10Aの検出有効電圧トレースを追跡している。中間のパネルが、ヒューズにおいて測定された電流(Iout1)及び基準抵抗Rrefにおいて測定された電流(Iout2)を示す。下側のパネルが、第1出力において測定された電圧(Vout1)及び第2出力において測定された電圧(Vout2)を示す。ヒューズが吹き飛び状態にあるので、ヒューズ検出回路が十分に有効とされていればVout2>Vout1となる。したがって、ランプ期間中のIout2はIout1よりも大きい。
【0068】
図9B及び10Bの例を参照すると、測定された電流のトレース(I_fuse、Iout1、Iout2)が一般に検出有効信号を追跡する結果、当該検出有効信号がオフにされると電流のトレースが急激に近似的にゼロまで降下することがわかる。しかしながら、測定された電圧Vout1及びVout2は、その対応状態電圧を、検出有効信号がオフにされた後にも維持することが示される。かかる電圧がどのようにして維持され得るのかの一例が、
図19を参照してここに詳述される。
【0069】
図7~10を参照して記載したように、適切なヒューズ状態出力を信頼性をもって生成するには、Vout1及びVout2間の十分な量の差分が必要であり又は望まれる。加えて、低減された電流及び空間を利用するヒューズ検出回路を有することが好ましい。
図11~18は、低減された電流を使用し、一つ以上の低減された寸法を有するデバイスとして実装され、及び/又は信頼性を有することのできるヒューズ検出回路を与える設計配慮をどのようにして実装することができるのかの様々な例を示す。
【0070】
図11は、
図3の検出電流制御ブロック130において利用することができるトランジスタ134を描く。かかるトランジスタは、トランジスタNFET1及びNFET2(
図3の134b及び134a)のそれぞれに対して実装することができる。記載の目的上、かかるトランジスタは、幅W及び長さLのアクティブ領域を有する矩形状デバイスとして表すことができる。かかるアクティブ領域において、適切なゲート電圧が適用されたときに電流がドレイン及びソース間を流れ得るように、ドレイン(D)、ソース(S)及びゲート(G)の接点を実装することができる。
【0071】
一般に理解されることだが、トランジスタは典型的に、寸法が大きければ大きいほど大量の電流を流すことができる。そのような電流のトランジスタ寸法への依存性は、例えば、トランジスタのオン抵抗(Ron)の、寸法の関数としてのばらつきに起因し得る。例えば、大きな幅のトランジスタは、小さな幅のトランジスタよりも低いオン抵抗を有する。ただし、双方のトランジスタが同じ長さ寸法を有するものとする。
【0072】
すなわち、
図12に示されるように、
図11のトランジスタ134を流れる電流(プロット160)は、デバイスサイズ(例えば所与の値Lに対するW/L)が増加するにつれて増加するように示される。かかる文脈において、デバイスが小さくなるので、さらには電流が低減されるので、低減されたデバイスサイズW/Lを実装することが望ましい。
【0073】
しかしながら、デバイスサイズW/Lを、一定の値を超えるように低減することは、ヒューズ検出信頼性の喪失又は低減につながり得る。例えば、
図13は、検出マージン(プロット162)(これは記載の目的上Vout1及びVout2(Out1及びOut2とも称する))間の差分の絶対値として定義することができる)を、デバイスサイズW/Lの関数として描く。かかる関係において、デバイスサイズW/Lが減少するにつれて、検出マージンが部分164において増加することがわかる。これは一般に望ましい。しかしながら、デバイスサイズが引き続き168として示される領域に入り、一定値のW/Lを超えると、検出マージンは急激に減少する。これが部分166により示される。かかる急激な検出マージン減少により、ヒューズ検出信頼性もまた急速に減少する。かかるヒューズ検出信頼性に関連する例が、ここに詳述される。
【0074】
図14は、トランジスタ(
図11の134、
図3の134a又は134b)のデバイスサイズW/Lが変化したときの、無傷状態にあるヒューズに対する(例えば
図7Dの例においてのような)ヒューズ状態出力の値を示す。
図14の例において、デバイスの長さ寸法(L)は、値0.350μmにあり、デバイスの幅寸法(D)は、1.5μmから0.5μmへと0.1μmのステップで変化する。
【0075】
図7D及び9Aを参照してここに記載されるように、ヒューズが無傷状態にあることにより、ヒューズ状態出力例が低状態(例えば近似的に0V)になることがもたらされる。
図14の例において、かかる正しいヒューズ状態出力値0Vが、0.9μm以上の値Dとして観測される。しかしながら、0.9μmよりも小さい値Dに対しては、誤った値が、ヒューズ状態出力値(例えば近似的に1.8Vの高状態値)として生成される。
【0076】
図15は、前述の、デバイスサイズが小さくなるにつれてヒューズ検出信頼性が損なわれることに関連する付加的な例を示す。
図15において、
図14の様々なデバイス寸法のいくつかに対する(
図9A及び9Bの例と同様の)出力Out1、Out2における電流Iout1、Iout2及び電圧Vout1、Vout2のトレースが示される。
図9A及び9Bを参照して記載されるように、ヒューズが無傷状態にある場合、ランプ期間中のIout1は一般にIout2よりも大きくなり、Vout1もまたVout2よりも大きい。
【0077】
図15の例におけるIout1及びIout2のプロットを参照すると、デバイス幅値W=1.2μm、1.1μm、1.0μm及び0.9μmに対し、Iout1が実際にIout2よりも大きいことがわかる。しかしながら、デバイス幅値W=0.8μm、0.7μm、0.6μm及び0.5μmに対しては、Iout1はIout2よりも小さい。
【0078】
図15の例におけるVout1及びVout2のプロットを参照すると、デバイス幅値W=1.2μm、1.1μm、1.0μm及び0.9μmに対し、Vout1が実際にVout2よりも大きいことがわかる。しかしながら、デバイス幅値W=0.8μm、0.7μm、0.6μm及び0.5μmに対しては、Vout1は、Vout2よりも小さいので、誤ったヒューズ状態出力値に寄与する。
【0079】
図16は、トランジスタ(
図11の134、
図3の134a又は134b)のデバイスサイズW/Lが変化したときの、無傷状態におけるヒューズに対する(例えば
図7Dの例においてのような)ヒューズ状態出力値の他例を示す。
図16の例において、デバイスの長さ寸法(L)が(
図14の例よりも有意に大きい)10μmの値例にあり、デバイスの幅寸法(D)が5.0μmから0.5μmへと0.5μmステップで変化する。
【0080】
図14の例と同様に、幅寸法Dが2.0μmよりも小さくなるとヒューズ状態出力値が誤った値になることがわかる。なお、かかるしきい値は、
図14の例におけるしきい値例の0.9μmよりも約2倍大きい。しかしながら、
図16の例において、デバイスの長さL(10μm)は、
図14の例における長さLの0.350μmよりもかなり大きい。すなわち、長さ寸法L及び幅寸法Dのいずれか一方又はその双方が、ヒューズ検出信頼性、デバイス寸法及びデバイス電流のいくつか又はすべてに対応するべく調整され得ることがわかる。
【0081】
図17は、デバイスサイズの低減及びデバイス電流の低減を与えるべく(例えば所与の長さLに対する)デバイスサイズW/L範囲170をどのようにして選択することができるのかの一例を示す。160として示されるプロットは、
図12の例と同様のデバイス(例えば
図11のトランジスタ134、
図3のトランジスタ134a又は134b)における過渡電流に対するものであり、部分164及び166を含むプロットは、
図13の例と同様の検出マージンに対するものである。
【0082】
図17の例において、検出マージンが急激に崩壊する(部分166)前のデバイスサイズW/Lの下限(部分164における)を含むように、範囲170のデバイスサイズW/Lを選択することができる。かかる範囲が、最小のデバイスサイズ及び最小の過渡電流を与える一方で許容可能なヒューズ検出信頼性を与えることができる。
【0083】
いくつかのアプリケーションにおいて、検出マージン崩壊にあまりに近いデバイスサイズを有することは望ましくない。デバイスサイズにおいて、ヒューズ検出信頼性が急速に変化し得る前にごくわずかのマージンしか存在しないからである。したがって、いくつかの実施形態において、デバイスサイズに十分な安全マージンを与えるべく、デバイスサイズの範囲又は値を、検出マージンしきい値から離れるように動かすことができる。かかるデバイスサイズの範囲又は値が
図17の例よりも大きくなって過渡電流も大きくなる一方、(ヒューズ検出信頼性の崩壊前の)大きなデバイスサイズマージンが望ましくなり得る。
【0084】
図18は、前述の構成がどのようにして、デバイスサイズの範囲又は値が検出マージンしきい値から十分に離間されるように実装できるのかの一例を示す。
図18の記載の目的上、デバイス長さLが所与の値を有すると仮定する。W1を、所望される検出マージンを生成し得るデバイス幅範囲の下限と仮定する。さらに、W2を、例えばデバイス設計によって決定されるデバイス幅の上限と仮定する。
【0085】
かかる範囲のデバイス幅(W1からW2)が一定範囲の検出マージン値をもたらし、かかる範囲の検出マージン値は、(正規化部分164’に対応する)M1からM2の範囲を与えるべく適切に正規化することができる。同様に、かかる範囲のデバイス幅(W1からW2)が、一定範囲の過渡電流値をもたらし、かかる範囲の過渡電流値は、(正規化プロット160’に対応する)I1からI2の範囲を与えるべく適切に正規化することができる。
【0086】
いくつかの実施形態において、かかる正規化検出マージンプロット164’と正規化過渡電流プロット160’との交差点172を、デバイスのために選択された幅として使用することができる。かかるデバイス幅が、ヒューズ検出信頼性が崩壊する前の十分な幅寸法マージンを与えることがわかる。
【0087】
図17及び18の例を参照すると、(
図17における)プロット160及び164と(
図18における)プロット160’及び164’との相対位置が、縦スケール値に依存することがわかる。例えば、
図17において他のスケールが過渡電流に対して使用されると、プロット160は検出マージンプロット164に対して高くなり、低くなり、又は交差し得る。したがって、
図18において2つの縦スケールを正規化することにより、交差点172を決定する一般的な方法が得られる。例えば、正規化検出マージン及び正規化過渡電流のための縦スケールを、それぞれの縦軸上にプロットされる場合に等しい位置及び間隔を有するように設定することができる。
【0088】
いくつかの実施形態において、(所与の長さLに対する)デバイスサイズ幅Wを、他の態様で選択することもできる。例えば、ヒューズ検出が信頼性をもって達成され得る(
図18におけるW1からW2までの範囲のような)一定範囲の幅が存在すると仮定される。かかる文脈において、デバイス幅マージンを、選択された幅W
selectedがW1のときに0%となり、W
selectedがW2のときに100%となるように画定することができる。いくつかの実施形態において、選択された幅W
selectedは、例えば、ゼロ以上のパーセント、少なくとも1%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、又は少なくとも50%のデバイス幅マージンを与えることができる。いくつかの実施形態において、選択された幅W
selectedは、例えば、0%から10%、10%から20%、20%から30%、30%から40%、又は40%から50%の範囲にあるデバイス幅マージンを与えることができる。
【0089】
図19は、
図3のヒューズ検出構成のバリエーションを示す。
図19の例において、決定ブロック140、検出電流制御ブロック130及び検出有効ブロック120は、
図3の構成における対応ブロックと同様としてよい。
【0090】
図19の例において、出力ノードOut1、Out2はそれぞれを、電圧ノードVdd(144)に切替可能に結合することができる。例えば、第1スイッチS2(例えばPFET)(180a)は、PFET2(143a)と電気的に並列されるように実装することができ、第2スイッチS1(例えばPFET)(180b)は、PFET1(143b)と電気的に並列されるように実装することができる。第1スイッチS2及び第2スイッチS1はそれぞれが、有効信号を適用することによりオンにし、かかる有効信号を除去することによりオフにすることができる。
【0091】
いくつかの実施形態において、第1スイッチS2及び第2スイッチS1のそれぞれを有効又は無効にするべくPORバー信号を利用することができる。
図7~10を参照してここに記載されるように、PORバー信号は、検出有効ブロック120のための検出有効信号として使用することができる。かかるPORバー信号は、ひとたび検出プロセスが完了すると、(例えば近似的に時刻T2に)低状態に戻るように示される。
【0092】
図19の例において、第1スイッチS2及び第2スイッチS1に与えられる有効信号は同じPORバー信号に基づき得る。例えば、S2及びS1それぞれに対する有効信号を、PORバー信号がランプアップする(及びヒューズ検出が達成される)ときに高とし、(検出有効ブロック120を無効にするべく)PORバー信号が低状態に戻るときに低とすることができる。かかる構成により、第1スイッチS2及び第2スイッチS1に関連付けられた各切替可能結合経路が、ヒューズ検出動作の間に非導通とされ、検出動作が完了したときに導通とされる。かかる導通結合経路により、出力ノードOut1、Out2のそれぞれが、電圧Vddへと向かうことが許容され、出力ノードOut1、Out2への任意のタイプの電圧外乱を防止するのに役立つ。したがって、SRラッチ回路(例えば
図4)からのヒューズ状態出力を、安定した態様で維持することができる。
【0093】
図20は、
図3のヒューズ検出構成の他のバリエーションを示す。
図20の例において、決定ブロック140、検出電流制御ブロック130及び検出有効ブロック120は、
図3の構成における対応ブロックと同様としてよい。
【0094】
図20の例において、決定ブロック140におけるノード141、142それぞれを、切替可能抵抗経路によりその対応出力ノード(Out1又はOut2)に結合し、残留電圧放電機能を与えることができる。例えば、ノード141は、第1スイッチS4(例えばPFET)と直列の出力抵抗Routを有する第1経路190aにより第1出力ノードOut1に結合することができ、ノード142は、第2スイッチS3(例えばPFET)と直列の出力抵抗Routを有する第2経路190bにより第2出力ノードOut2に結合することができる。第1スイッチS4及び第2スイッチS3はいずれも、有効信号の適用によりオンにすることができ、かかる有効信号の除去によりオフにすることができる。
【0095】
いくつかの実施形態において、第1スイッチS4及び第2スイッチS3のそれぞれを有効又は無効とするべく、POR信号を利用することができる。
図7~10を参照してここに記載されるように、POR信号は、検出動作の間は低のままであり、当該検出動作が完了すると高になる。すなわち、第1スイッチS4及び第2スイッチS3それぞれに対するそのようなPOR信号のタイミングに基づいて、有効信号は、検出動作の間は(対応スイッチをオンにするべく)高となり、当該検出動作が完了すると(対応スイッチをオフにするべく)低となり得る。
【0096】
前述の構成において、ノード141、142からそれぞれの出力ノードOut1、Out2への切替可能抵抗経路は、ノード141、142をグランド近くに維持するのに役立つ付加的な放電経路を与えることができる。かかる構成は、Vio信号が初期にランプアップするときに正しい検出値を取得するべく重要となり得る。
【0097】
なお、抵抗経路190a、190bにおける出力抵抗Routの付加により、小さな寸法のデバイスであってもヒューズ検出回路が正しい機能を維持することができる。
図14及び15を参照して記載されるように、正しいヒューズ状態出力値を与えるデバイス例の(0.350μmの長さLに対する)最小幅Wは0.9μmである。しかしながら、
図20の構成により、0.5μmもの低い幅Wであっても正しいヒューズ状態出力値を取得することができる。
【0098】
図21は、
図15の例においてのように(L=0.350μmに対する)同様の幅値に対するIout1、Iout2、Vout2及びVout1の例を示す。
図21に見られるように、電流及び電圧のプロットはそれぞれ、2つの別個のクラスターというよりもむしろ単数のクラスターにグループ分けされる(一つのクラスターが、小さな幅ゆえの不正確なヒューズ状態値に対応する)。
【0099】
なお、
図20及び21の例において抵抗経路190a、190bを加えることにより、(例えばデバイスサイズを小さくすることができるとの)前述の有利な特徴を得ることができるが、ヒューズ検出回路がわずかに大きくなるとの代償がある。すなわち、特定の設計に応じて、かかる抵抗経路を利用してもよく、又はしなくてもよい。
【0100】
図22は、いくつかの実施形態において、ここに記載される一つ以上の特徴を有するヒューズシステム100は、一つ以上の集積回路を初期化及び/又はリセットするべく電子システム400に実装することができる。かかる電子システムは、制御システム404及びPOR回路402よってVio信号のような信号を受信するべく構成することができる。POR回路402は、POR信号、及びPORバー信号のような関連信号を生成することができ、かかる信号を制御システム404及びヒューズシステム100に与えることができる。かかる信号に基づいて、ヒューズシステム100は、一つ以上の集積回路に関連付けられた様々なヒューズの状態を決定し、かかるヒューズ状態を制御システム404に与えることができる。かかるヒューズ状態に基づいて、制御システム404は、一つ以上の集積回路を初期化及び/又はリセットする制御信号406を生成することができる。
【0101】
図23は、いくつかの実施形態において、
図22の電子システム400が、例えば、無線周波数(RF)システム410となり得ることを示す。かかるRFシステムは、ここに記載される一つ以上の特徴を有するヒューズシステム100を含み得る。かかるヒューズシステムは、一つ以上のRF回路を含む一つ以上の集積回路を初期化及び/又はリセットするべく利用することができる。かかるRFシステムは、MIPI(モバイル産業用プロセッサインタフェイス)制御器414及びPOR回路412のような制御システムによってVio信号のような信号を受信するべく構成することができる。POR回路412は、POR信号、及びPORバー信号のような関連信号を生成し、かかる信号をMIPI制御器414及びヒューズシステム100に与えることができる。かかる信号に基づいて、ヒューズシステム100は、一つ以上のRF回路に関連付けられた様々なヒューズの状態を決定し、かかるヒューズ状態をMIPI制御器414に与えることができる。かかるヒューズ状態に基づいて、MIPI制御器414は、一つ以上のRF回路を初期化及び/又はリセットする制御信号416を生成することができる。
【0102】
図24は、いくつかの実施形態において、ここに記載される一つ以上の特徴を有するヒューズシステム100が電子モジュール500に実装され得ることを示す。かかるモジュールは、集積回路を有する一つ以上の半導体ダイを含む複数のコンポーネントを受容するべく構成されたパッケージ基板502を含み得る。ここに記載されるように、かかる半導体ダイは、異なる状態を有する一定数のヒューズを含み得る。すなわち、ヒューズシステム100は、ここに記載されるようなヒューズ状態を検出し、かかる情報を制御システム404に与えることができる。制御システム404は、かかるヒューズ状態に基づいて制御信号を生成することができる。かかる制御信号は、一つ以上の半導体ダイにおける一つ以上の集積回路504を初期化及び/又はリセットするべく利用することができる。
【0103】
図25は、いくつかの実施形態において、ここに記載される一つ以上の特徴を有するヒューズシステム100がRFモジュール510に実装され得ることを示す。かかるモジュールは、RF回路を有する一つ以上の半導体ダイを含む複数のコンポーネントを受容するべく構成されたパッケージ基板512を含み得る。ここに記載されるように、かかる半導体ダイは、異なる状態を有する一定数のヒューズを含み得る。すなわち、ヒューズシステム100は、ここに記載されるようなヒューズ状態を検出し、かかる情報をMIPI制御器のような制御器414に与えることができる。制御器414は、かかるヒューズ状態に基づいて制御信号を生成することができる。かかる制御信号は、一つ以上の半導体ダイにおける一つ以上のRF回路514を初期化及び/又はリセットするべく利用することができる。
【0104】
図26A~26Dは、
図25のRFモジュールの具体的な例となり得るRFモジュールを示す。
図26Aは、いくつかの実施形態において、
図25のRFモジュール510が、フロントエンドモジュール(FEM)510として実装され得ることを示す。かかるモジュールは、フロントエンド(FE)アーキテクチャに関連付けられたRF回路を有する一つ以上の半導体ダイを含み得る。ここに記載されるように、かかる半導体ダイは、異なる状態を有する一定数のヒューズを含み得る。すなわち、ヒューズシステム100は、ここに記載されるようなヒューズ状態を検出し、かかる情報をMIPI制御器のような制御器414に与えることができる。制御器414は、かかるヒューズ状態に基づいて制御信号を生成し、かかる制御信号は、フロントエンドアーキテクチャに関連付けられた一つ以上のRF回路514を初期化及び/又はリセットするべく利用することができる。
【0105】
図26Bは、いくつかの実施形態において、
図25のRFモジュール510が電力増幅器モジュール(PAM)510として実装され得ることを示す。かかるモジュールは、電力増幅器及び関連回路に関連付けられたRF回路を有する一つ以上の半導体ダイを含み得る。ここに記載されるように、かかる半導体ダイは、異なる状態を有する一定数のヒューズを含み得る。すなわち、ヒューズシステム100は、ここに記載されるようなヒューズ状態を検出し、かかる情報をMIPI制御器のような制御器414に与えることができる。制御器414は、かかるヒューズ状態に基づいて制御信号を生成することができる。かかる制御信号は、電力増幅器及び関連回路に関連付けられる一つ以上のRF回路514を初期化及び/又はリセットするべく利用することができる。
【0106】
図26Cは、いくつかの実施形態において、
図25のRFモジュール510が、スイッチモジュール510(例えばアンテナスイッチモジュール(ASM))として実装され得ることを示す。かかるモジュールは、スイッチ及び関連回路に関連付けられたRF回路を有する一つ以上の半導体ダイを含み得る。ここに記載されるように、かかる半導体ダイは、異なる状態を有する一定数のヒューズを含み得る。すなわち、ヒューズシステム100は、ここに記載されるようなヒューズ状態を検出し、かかる情報をMIPI制御器のような制御器414に与えることができる。制御器414は、かかるヒューズ状態に基づいて制御信号を生成することができる。かかる制御信号は、スイッチ及び関連回路に関連付けられる一つ以上のRF回路514を初期化及び/又はリセットするべく利用することができる。
【0107】
図26Dは、いくつかの実施形態において、
図25のRFモジュール510が、ダイバーシティ受信(DRx)モジュール510として実装され得ることを示す。かかるモジュールは、低雑音増幅器(LNA)、スイッチ等、及び関連回路に関連付けられたRF回路を有する一つ以上の半導体ダイを含み得る。ここに記載されるように、かかる半導体ダイは、異なる状態を有する一定数のヒューズを含み得る。すなわち、ヒューズシステム100は、ここに記載されるようなヒューズ状態を検出し、かかる情報をMIPI制御器のような制御器414に与えることができる。制御器414は、かかるヒューズ状態に基づいて制御信号を生成することができる。かかる制御信号は、LNA、スイッチ等、及び関連回路に関連付けられる一つ以上のRF回路514を初期化及び/又はリセットするべく利用することができる。
【0108】
いくつかの実装において、ここに記載される一つ以上の特徴を有するアーキテクチャ、デバイス及び/又は回路は、無線デバイスのようなRFデバイスに含めることができる。かかるアーキテクチャ、デバイス及び/又は回路は、無線デバイスに直接、ここに記載される一つ以上のモジュラー形態で、又はこれらの何らかの組み合わせで実装することができる。いくつかの実施形態において、かかる無線デバイスは、例えば、携帯電話機、スマートフォン、電話機能あり又はなしのハンドヘルド無線デバイス、無線タブレット、無線ルータ、無線アクセスポイント、無線基地局等を含み得る。理解されることだが、無線デバイスの文脈で記載されているにもかかわらず、本開示の一つ以上の特徴は、基地局のような他のRFシステムに実装することもできる。
【0109】
図27は、ここに記載される一つ以上の有利な特徴を有する無線デバイス例1400を描く。いくつかの実施形態において、ここに記載される一つ以上の特徴を有するヒューズシステムが、かかる無線デバイスにおける一定数の場所に実装され得る。例えば、いくつかの実施形態において、かかる有利な特徴は、フロントエンドモジュール510a、電力増幅器モジュール510b、スイッチモジュール510c、ダイバーシティ受信モジュール510d、及び/又はダイバーシティRFモジュール510eのようなモジュールに実装することができる。
【0110】
図27の例において、電力増幅器(PA)1420は、その各RF信号を、増幅及び送信対象のRF信号を生成するように構成かつ動作可能な送受信器1410から受信し、受信した信号を処理することができる。送受信器1410は、ユーザに適切なデータ及び/又は音声信号と送受信器1410に適切なRF信号との間の変換を与えるべく構成されたベース帯域サブシステム1408と相互作用をするように示される。送受信器1410はまた、無線デバイス1400の動作のために電力を管理するように構成された電力管理コンポーネント1406に接続されるように示される。かかる電力管理はまた、無線デバイス1400のベース帯域サブシステム1408及び他のコンポーネントの動作を制御することもできる。
【0111】
ベース帯域サブシステム1408は、ユーザに与えられ及びユーザから受けた音声及び/又はデータの様々な入力及び出力を容易にするべく、ユーザインタフェイス1402に接続されるように示される。ベース帯域サブシステム1408はまた、無線デバイスの動作を容易にし及び/又はユーザのための情報記憶を与えるデータ及び/又は命令を記憶するように構成されたメモリ1404に接続することもできる。
【0112】
図27の例において、ダイバーシティ受信モジュール510dは、一つ以上のダイバーシティアンテナ(例えばダイバーシティアンテナ1426)の相対的近くに実装することができる。かかる構成により、ダイバーシティアンテナ1426を介して受信されたRF信号を、ダイバーシティアンテナ1426からのRF信号の損失がほとんど若しくは全く存在せず、及び/又は当該RF信号への雑音の付加がほとんど若しくは全く存在せず、処理することができる(いくつかの実施形態においてLNAによる増幅を含む)。ダイバーシティ受信モジュール510dからの当該処理済み信号はその後、一つ以上の信号経路を介して(例えば損失性ライン1435を介して)ダイバーシティRFモジュール510eへと引き回すことができる。
【0113】
図27の例において、主要アンテナ1416は、例えば、PA1420からのRF信号送信を容易にするように構成することができる。PA1420からの当該増幅済みRF信号は、それぞれの整合ネットワーク1422、デュプレクサ1424及びアンテナスイッチ1414を介してアンテナ1416へと引き回すことができる。いくつかの実施形態において、受信動作はまた、主要アンテナを介して達成することもできる。かかる受信動作に関連付けられる信号は、アンテナスイッチ1414及びそれぞれのデュプレクサ1424を介して受信器回路へと引き回すことができる。
【0114】
一定数の他の無線デバイス構成が、ここに記載される一つ以上の特徴を利用し得る。例えば、無線デバイスは、多重帯域デバイスとする必要がない。他例において、無線デバイスは、ダイバーシティアンテナのような付加的なアンテナ、並びにWi-Fi、Bluetooth(登録商標)及びGPSのような付加的な接続特徴を含んでよい。
【0115】
本明細書及び特許請求の範囲全体にわたり、文脈上そうでないことが明らかでない限り、「含む」等の用語は、排他的又は網羅的な意味とは反対の包括的意味に、すなわち「~を含むがこれらに限られない」との意味に解釈すべきである。ここで一般に使用される用語「結合」は、直接接続されるか又は一つ以上の中間要素を介して接続されるかいずれかとなり得る2以上の要素を言及する。加えて、用語「ここ」、「上」、「下」及び同様の趣旨の用語は、本願において使用される場合、本願全体を言及し、本願の任意の特定部分を言及するわけではない。文脈が許容する場合、単数又は複数を使用する上述の詳細な説明における用語はそれぞれ、複数又は単数をも含み得る。2つ以上の項目のリストを参照する用語「又は」及び「若しくは」について、当該用語は以下の解釈のすべてをカバーする。すなわち、当該リストの任意の項目、当該リストのすべての項目、及び当該リストの項目の任意の組み合わせである。
【0116】
本発明の実施形態の上記詳細な説明は、排他的であることすなわち本発明を上記開示の正確な形態に制限することを意図しない。本発明の及びその例の特定の実施形態が例示を目的として上述されたが、当業者が認識するように、本発明の範囲において様々な均等の修正も可能である。例えば、プロセス又はブロックが所与の順序で提示されるが、代替実施形態は、異なる順序でステップを有するルーチンを行うこと又はブロックを有するシステムを用いることができ、いくつかのプロセス又はブロックは削除、移動、追加、細分化、結合、及び/又は修正することができる。これらのプロセス又はブロックはそれぞれが、様々な異なる態様で実装することができる。また、プロセス又はブロックが直列的に行われるように示されることがあるが、これらのプロセス又はブロックは、その代わりに、並列して行い又は異なる時に行うこともできる。
【0117】
ここに与えられた本発明の教示は、必ずしも上述のシステムに限られることがなく、他のシステムにも適用することができる。上述の様々な実施形態要素及び行為は、さらなる実施形態を与えるべく組み合わせることができる。
【0118】
本発明のいくつかの実施形態が記載されたが、これらの実施形態は、例のみとして提示されており、本開示の範囲を制限することを意図しない。実際のところ、ここに記載される新規な方法及びシステムは、様々な他の形態で具体化することができる。さらに、ここに記載される方法及びシステムの形態における様々な省略、置換及び変更が、本開示の要旨から逸脱することなくなし得る。添付の特許請求の範囲及びその均等物が、本開示の範囲及び要旨に収まるかかる形態又は修正をカバーすることが意図される。