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  • 特許-器具を取り扱うための器具カセット 図1A
  • 特許-器具を取り扱うための器具カセット 図1B
  • 特許-器具を取り扱うための器具カセット 図1C
  • 特許-器具を取り扱うための器具カセット 図1D
  • 特許-器具を取り扱うための器具カセット 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-10
(45)【発行日】2022-06-20
(54)【発明の名称】器具を取り扱うための器具カセット
(51)【国際特許分類】
   A61L 2/07 20060101AFI20220613BHJP
   A61C 19/00 20060101ALI20220613BHJP
   A61L 2/26 20060101ALI20220613BHJP
【FI】
A61L2/07
A61C19/00 J
A61L2/26
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019571218
(86)(22)【出願日】2018-07-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-09-03
(86)【国際出願番号】 FI2018050532
(87)【国際公開番号】W WO2019012182
(87)【国際公開日】2019-01-17
【審査請求日】2021-07-02
(31)【優先権主張番号】20175680
(32)【優先日】2017-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(73)【特許権者】
【識別番号】505004813
【氏名又は名称】エルエム-インスツルメンツ オイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】特許業務法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】レートネン カリ
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルッティ ガイウス
【審査官】森 健一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第4959199(US,A)
【文献】国際公開第2015/080578(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0339114(US,A1)
【文献】特開2016-83241(JP,A)
【文献】米国特許第5441709(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 2/07
A61L 2/26
A61C 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
器具を取り扱うための器具カセット(100)であって、
前記器具を機械的に支持するための支持構造体(101)と、
前記器具の施術用部分を収容するための、且つ、前記器具の前記施術用部分に意図せずに触れるリスクを低減するための少なくとも1つの遮蔽構造体(102、103)と、
を備えており、
前記遮蔽構造体の少なくとも1つの壁部(104)が、液体及び気体の物質が前記壁部を通り抜けて流れることを可能にするための流路(105)を備えており、
前記流路が、前記器具の前記施術用部分が前記流路を介して前記壁部を通り抜けて突出することを防止するために、1.5mmを超える直径(D1)を有する真っ直ぐで曲がっていない丸いロッドが、該真っ直ぐで曲がっていない丸いロッドが前記壁部に平行な幾何学的平面に垂直である時に、前記流路を介して前記壁部を貫通できないように、且つ、前記液体及び気体の物質に断面の流動面積を提供するために、1.5mmを超える直径(D2)を有する曲げ可能な丸いロッドが前記流路を介して前記壁部を貫通できるように、成形されている、前記器具カセット。
【請求項2】
前記流路が、前記支持構造体から離れるようにして傾けられるように前記壁部に垂直な幾何学的線に対して傾けられており、それによって、前記器具の前記施術用部分が前記流路を介して前記壁部を通り抜けて突出することを防止している、請求項1に記載の器具カセット。
【請求項3】
前記流路が前記幾何学的線に対して傾けられる角度が、少なくとも30度、最大で70度である、請求項2に記載の器具カセット。
【請求項4】
前記流路の各々が、前記壁部に垂直な幾何学的線に沿って見られる時に、矩形の輪郭を有している、請求項1~3のいずれか一項に記載の器具カセット。
【請求項5】
前記流路を備えた前記壁部が前記遮蔽構造体の底部である、請求項1~4のいずれか一項に記載の器具カセット。
【請求項6】
前記器具の前記施術用部分に意図せずに触れるリスクを更に低減するために、前記施術用部分を収容するためのスペースを覆うためのカバー要素(106、107)を更に備えている、請求項1~5のいずれか一項に記載の器具カセット。
【請求項7】
前記カバー要素が、液体及び気体の物質が前記カバー要素を通り抜けて流れることを可能にするための流路(108)を備えている、請求項6に記載の器具カセット。
【請求項8】
前記カバー要素の前記流路が、前記器具の前記施術用部分が前記カバー要素の前記流路を介して前記カバー要素を通り抜けて突出することを防止するために、1.5mmを超える直径を有する真っ直ぐで曲がっていない丸いロッドが、該真っ直ぐで曲がっていない丸いロッドが前記カバー要素に平行な幾何学的平面に垂直である時に、前記カバー要素の前記流路を介して前記カバー要素を貫通できないように、且つ、前記液体及び気体の物質に断面の流動面積を提供するために、1.5mmを超える直径を有する曲げ可能な丸いロッドが前記カバー要素の前記流路を介して前記カバー要素を貫通できるように、成形されている、請求項7に記載の器具カセット。
【請求項9】
前記カバー要素の前記流路が、前記カバー要素が前記器具の前記施術用部分を収容するためのスペースを覆っている時に、前記カバー要素の前記流路が前記支持構造体から離れるように傾けられているように前記カバー要素に平行な幾何学的平面に対して傾けられており、これによって、前記器具の前記施術用部分が前記カバー要素の前記流路を介して前記カバー要素を通り抜けて突出することを防止している、請求項8に記載の器具カセット。
【請求項10】
前記器具カセットの材料がポリフェニレンスルフィド「PPS」を含んでいる、請求項1~9のいずれか一項に記載の器具カセット。
【請求項11】
器具を載置する容器(100)であって、
前記器具を支持するための支持構造体(101)と、
前記器具の先端部分を収容するための少なくとも1つの遮蔽構造体(102、103)と、
前記遮蔽構造体に開閉可能に取り付けられたカバー要素(106)と、
を備えており、
前記遮蔽構造体の少なくとも1つの壁部(104)が、液体及び気体の物質が前記壁部を通り抜けて流れることを可能にするためのルーバー(105)を備えており、
前記ルーバーが、1.5mmを超える直径(D1)を有する真っ直ぐで曲がっていない丸いロッドが、該ロッドが前記壁部に平行な幾何学的平面に垂直である時に、前記ルーバーの間を介して前記壁部を貫通できず、
前記ルーバーは、前記支持構造体から離れるようにして傾けられるように前記壁部に垂直な幾何学的線に対して傾けられており、前記幾何学的線に対して傾けられる角度が、30度以上70度以下の角度をなす、容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、例えば、必ずしもそうではないが、医療用又は歯科用の手用器具であり得る器具を取り扱うための器具カセットに関する。この器具カセットは、例えば器具をオートクレービングによって殺菌消毒する場合に、器具を保持するために使用できる。
【背景技術】
【0002】
多くの場合、器具は、例えば、オートクレーブ滅菌処理中に各々が1組の器具を取り扱うのに適した複数の器具カセットの助けを借りて、取り扱われる。器具カセット内に配置される器具には、例えば、所与の処置を実施するのに必要な医療用及び/又は歯科用の手用器具が含まれることがある。器具カセットは、一般的に、器具が互いに隣接するように、それらの器具を機械的に支持するための支持構造体を備えている。更に、器具カセットは、器具の施術用部分を収容するための遮蔽構造体を備えていてもよく、それにより、施術用部分に意図せずに触れるリスクが低減される。この文書において、「施術用部分」という語句は、器具の使用目的に応じた施術を実施するための器具の一部分を意味している。施術用部分は、例えばメスのブレードであってもよい。上述の遮蔽構造体は、液体及び気体の物質がこの遮蔽構造体を通り抜けるように流れることによって器具の施術用部分に接触できるようにするための流路を備えている。上述の物質には、例えば、オートクレーブ滅菌処理において使用される高温蒸気が含まれていてもよい。
【0003】
上述の部類の器具カセットに関する固有の課題は、一方では、液体及び気体の物質が遮蔽構造体を通り抜けて流れることができるように遮蔽構造体が十分に開いている必要があり、他方では、意図せずに施術用部分に触れるリスクを減らすために遮蔽構造体が十分に閉じている必要があることである。更に、器具の施術用部分が屈曲部を有する鋭利なスパイクである場合、その施術用部分が遮蔽構造体の流路の1つを介して遮蔽構造体を通り抜けて突出する危険性がある。器具の施術用部分が遮蔽構造体から突き出ないようにする簡単な手法は、流路を十分に小さくすることである。しかしながら、この手法は、遮蔽構造体を通り抜ける液体及び気体の物質に十分な流動面積を提供するために、流路数を増やすことによって流路相互間の峡部を狭めなければならない状況につながる。器具カセットは、一般的に、例えばポリフェニレンスルフィド(polyphenylene sulfide)「PPS」のようなプラスチックで作製されており、プラスチックの狭い峡部は、機械的に弱く、損傷を受け易いことがある。別の簡単な手法は、遮蔽構造体の流路に、細い金属ワイヤのグリッドを十分に高い密度で設けることである。しかしながら、この手法は、器具カセットの製造を複雑にし、器具カセットの製造コストを増加させる。
【発明の概要】
【0004】
以下、本発明の一部の実施形態の基本的な理解が得られるように、簡略化した概要を提示する。この概要は、本発明の広範囲に亘る全体像ではない。本発明の主要又は重要な要素を特定することも、そして、本発明の範囲を線引きすることも意図していない。以下の概要は、単に、本発明の例示的な実施形態のより詳細な説明の前置きとして、単純化された形で、本発明の一部の概念を提示するものである。
【0005】
この文書において、接頭辞として使用される際の「幾何学的」という言葉は、必ずしも物理的な物体の一部分ではない幾何学的概念を意味している。この幾何学的概念は、例えば、幾何学的な点、幾何学的な線、幾何学的な平面、非平面の幾何学的な表面、幾何学的なスペース、あるいは、ゼロ、1、2又は3次元の他の任意の幾何学的エンティティであり得る。
【0006】
本発明に従って、例えば医療用又は歯科用の手用器具のような器具を取り扱うための新規な器具カセットを提供する。
【0007】
この器具カセットは、
・器具を機械的に支持するための支持構造体と、
・器具の施術用部分を収容するための、且つ、器具の施術用部分に意図せずに触れるリスクを低減するための少なくとも1つの遮蔽構造体と、を備えている。
【0008】
遮蔽構造体の少なくとも1つの壁部が、液体及び気体の物質、例えば、オートクレーブ滅菌処理において使用される高温蒸気が壁部を通り抜けて流れることを可能にするための流路を備えている。この壁部は、例えば、遮蔽構造体の底部であってもよい。流路は、器具の施術用部分が流路を介して壁部を通り抜けて突出することを防止するために、1.5mmを超える直径を有する真っ直ぐで曲がっていない丸いロッドが、該真っ直ぐで曲がっていない丸いロッドが壁部に平行な幾何学的平面に垂直である時に、流路を介して壁部を貫通できないように、且つ、液体及び気体の物質に十分な断面の流動面積を提供するために、1.5mmを超える直径を有する曲げ可能な丸いロッドが流路を介して壁部を貫通できるように、成形されている。流路は、例えば、必ずしもそうではないが、支持構造体から離れるようにして傾けられるように壁部に平行な幾何学的平面に対して傾けられていてもよく、それによって、器具の施術用部分が流路を介して壁部を通り抜けて突出することを防止できる。従って、流路が上述の態様で成形されているので、多数の小さな流路又は流路上の細い金属ワイヤの高密度のグリッドは必要ない。
【0009】
いくつかの例示的且つ非限定的な実施形態を本明細書における従属請求項に記載する。
【0010】
構造及び動作の方法の両方に関する様々な例示的且つ非限定的な実施形態が、それらの更なる目的及び利点と共に、添付図面に関連付けて読まれる、それらの特定の例示的且つ非限定的な実施形態の以下の説明から、最適に理解されるであろう。
【0011】
この文書において、「備えている(to comprise)」及び「含んでいる(to include)」という動詞は、本明細書に記載されていない特徴の存在を除外することも必要とすることもない非排他的な限定として使用されている。従属請求項に記載された特徴は、特に明記しない限り、互いに自由に組み合わせることができる。更に、「a」又は「an」、即ち、単数形の使用は、この文書全体を通じて、複数形を除外していないことを理解されたい。
【0012】
以下、例示的且つ非限定的な実施形態とそれらの利点とを、例の意味で、下記の添付図面を参照して、更に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1A】例示的且つ非限定的な一実施形態に従う器具カセットを例示する図である。
図1B】例示的且つ非限定的な一実施形態に従う器具カセットを例示する図である。
図1C】例示的且つ非限定的な実施形態に従う器具カセットの詳細を例示する図である。
図1D】例示的且つ非限定的な実施形態に従う器具カセットの詳細を例示する図である。
図2】例示的且つ非限定的な一実施形態に従う器具カセットの詳細を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の説明において提供する具体的な例は、本明細書に記載の特許請求の範囲の適用範囲及び/又は適用の可能性を限定するものとして解釈されるべきではない。この説明において提供する多数の例と数組の例とは、特に明記しない限り、網羅的ではない。
【0015】
図1A及び1Bは、例示的且つ非限定的な一実施形態に従う器具カセット100を例示している。図1Aは器具カセット100の等角図を示しており、図1B図1Aに示された線A-Aに沿った断面図を示している。図1Bに関する断面は、座標系199のyz平面と平行である。器具カセット100は、例えば医療用又は歯科用の手用器具のような器具を機械的に支持するための支持構造体101を備えている。図1A及び1Bに示された例示的な状況において、器具カセット100内には例示的な器具111が存在している。器具カセット100は、器具の施術用部分を収容し且つ器具の施術用部分に意図せずに触れるリスクを低減するための遮蔽構造体102及び103を備えている。各器具の施術用部分は、その器具の使用目的に応じた施術を実施するためのその器具の一部分である。施術用部分は、例えばメスのブレードであってもよい。この例示的な器具カセット100は、その両端に遮蔽構造体102及び103を備えており、従って、この器具カセット100は、両端に施術用部分を有する器具に適している。しかしながら、例示的な一実施形態に従う器具カセットが1つの遮蔽構造体のみを備えており、従って、一端のみに施術用部分を有する器具のみに適していることも可能である。器具カセット100の材料は、例えば、ポリフェニレンスルフィド「PPS」を含んでいてもよい。
【0016】
遮蔽構造体102は、図1Bにおいて、より詳細に描かれている。遮蔽構造体103は、遮蔽構造体102と同様とすることができる。遮蔽構造体の壁部104は、液体及び気体の物質、例えばオートクレーブ滅菌処理で使用される高温蒸気が、壁部104を通り抜けて流れることを可能にする流路を備えている。図1Bにおいて、流路の1つが参照番号105で示されている。流路は、支持構造体101から、従って、器具111から、離れるようにして傾けられるように壁部104に平行な幾何学的平面に対して傾けられており、それによって、器具111の施術用部分112が流路の1つを介して壁部104を通り抜けて突出することを防止している。従って、流路が上述の態様で方向付けられているので、多数の小さな流路又は流路上の細い金属ワイヤの高密度のグリッドは必要ない。流路は、1.5mmを超える直径を有する真っ直ぐで曲がっていない丸いロッドが流路を介して壁部104を貫通できない程度に傾けられている。従って、器具の施術用部分が流路を介して壁部104を通り抜けて突出することが防止される。また、流路は、壁部104に平行な幾何学的平面に垂直な幾何学的線がこれらの傾斜流路を通じて底部104を貫通できない程度に、即ち、人が壁部104に垂直な幾何学的線に沿って見る場合に、流路を通じて見ることができない程度に、傾けられていることも可能である。
【0017】
この例示的な器具カセット100において、壁部104は、横方向が壁部104に平行な幾何学的平面に対して傾斜している互いに平行な平坦ストリップによって構成された格子であり、それらの平坦ストリップは、長手方向がそれらの平坦ストリップの長手方向に実質的に垂直であるストリップによって機械的に支持されている。図1C及び1Dは、相異なる例示的な実施形態における格子の詳細を例示している。図1Cに示された例示的な場合において、距離D1は最大1.5mmであり、従って、1.5mmを超える直径を有する真っ直ぐで曲がっていない丸いロッドは、このロッドが壁部104に垂直である時には、流路105を通じて壁部104を貫通できない。図1Cに示された例示的な場合において、各々の流路は、これらの流路を備えた壁部に垂直な幾何学的線に沿って見た時に、矩形の輪郭を有している。図1Dに示された例示的な場合において、平坦ストリップは、人が座標系199のz軸に平行な幾何学的線に沿って流路を通じて見ることができないように、配置されている。流路が、座標系のz軸に対して、即ち、流路を備えた壁部に垂直な幾何学的線に対して、傾斜している角度αは、例えば、30度から70度まで、あるいは、40度から60度まで、あるいは、41度から46度までとすることができる。しかしながら、別の例示的な一実施形態に従う器具カセットの対応する壁部が異なる機械的な一構造を有していることも可能である。図2は、例示的な一実施形態に従う器具カセットの流路を例示している。距離D1は最大1.5mmである。従って、D1より大きい直径を有する真っ直ぐで曲がっていない丸いロッドは、そのロッドが流路を備えた壁部に垂直である時に、流路205を貫通できない。一方、直径D2が1.5mmを超える曲げ可能な丸いロッドは、流路を貫通できる。従って、液体及び気体の物質、例えば、オートクレーブ処理で使用される蒸気に対しては、十分な断面の流動面積が提供される。
【0018】
この例示的な器具カセット100において、上述の流路を備えた壁部104は、遮蔽構造体102の底部である。しかしながら、遮蔽構造体102の1つ又は複数の側壁が上述の部類の流路を備えていることも可能である。
【0019】
この例示的な器具カセット100は、器具の施術用部分を収容するためのスペースを覆うカバー要素106及び107を更に備えており、これによって、施術用部分に意図せずに触れるリスクを更に低減している。カバー要素106及び107は、液体及び気体の物質がカバー要素を通り抜けて流れることを可能にするための流路を備えている。これらのカバー要素の流路は、壁部104の流路と同様とすることができる。図1Bにおいて、カバー要素106の流路の1つは参照番号108で示されている。図1Bに例示されているように、カバー要素106の流路は、カバー要素が器具の施術用部分を収容するためのスペースを覆っている時に、カバー要素の流路が支持構造体101から離れるように傾けられているようにカバー要素に平行な幾何学的平面に対して傾けられており、これによって、器具の施術用部分がカバー要素の流路を介してカバー要素を通り抜けて突出することを防止している。この例示的な器具カセット100において、カバー要素106及び107は、器具カセット100の本体部分にヒンジ留めされている。しかしながら、例示的な一実施形態に従えば、1つ又は複数のカバー要素が、器具カセットの本体部分に形状固定されているか、あるいは、さもなければ、機械的に接続されていることも可能である。また、例示的な一実施形態に従う器具カセットが、上述の部類のカバー要素を全く備えていないことも可能である。
【0020】
以上の説明において提供した具体的な例は、本明細書に記載の特許請求の範囲の適用範囲及び/又は適用の可能性を限定するものとして解釈されるべきではない。以上の説明において提供した多数の例と数組の例とは、特に明記しない限り、網羅的ではない。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2