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特許7087034ビデオゲーム処理プログラム、及びビデオゲーム処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-10
(45)【発行日】2022-06-20
(54)【発明の名称】ビデオゲーム処理プログラム、及びビデオゲーム処理システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/577 20140101AFI20220613BHJP
   A63F 13/216 20140101ALI20220613BHJP
   A63F 13/65 20140101ALI20220613BHJP
【FI】
A63F13/577
A63F13/216
A63F13/65
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020152734
(22)【出願日】2020-09-11
(65)【公開番号】P2022047034
(43)【公開日】2022-03-24
【審査請求日】2020-09-11
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 [刊行物1] 令和1年9月12日公開、公開方法 オンラインによる配信 App Store: https://apps.apple.com/jp/app/id1439417234 Google Play: https://play.google.com/store/apps/details?id=com.square_enix.android_googleplay.dqwalkj&referrer=adjust_reftag%3DcTdWPV2VahXyw%26utm_source%3D%25E5%2585%25AC%25E5%25BC%258F%25E3%2582%25B5%25E3%2582%25A4%25E3%2583%2588%26utm_campaign%3DAndroid
(73)【特許権者】
【識別番号】308033283
【氏名又は名称】株式会社スクウェア・エニックス
(74)【代理人】
【識別番号】100188662
【弁理士】
【氏名又は名称】浅見 浩二
(74)【代理人】
【識別番号】100177895
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 一範
(72)【発明者】
【氏名】柴 貴正
(72)【発明者】
【氏名】小林 央
(72)【発明者】
【氏名】和賀 潤
(72)【発明者】
【氏名】吉田 豊
【審査官】大隈 俊哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-127809(JP,A)
【文献】じごすぱちゃんねる,「#10【ドラクエウォーク】便利過ぎる『導きのつばさ』神アイテムの予感…【ios版】」,YouTube [online] [video],2019年06月13日,https://www.youtube.com/watch?v=yqI9SnwVCK8,主に0:27,1:02-2:21を参照、[2021年9月30日検索]
【文献】「『ドラゴンクエストウォーク』配信直前まとめ! 『ドラクエ』の新たな冒険を始めたい人のために基本情報&特徴を一挙紹介!!」,ファミ通.com [online],2019年09月11日,https://www.famitsu.com/news/201909/11182977.html,特に「いざ、旅立ちのとき! 目的地を決めてフィールドへ」、「“メガモンスターバトル”で大熱戦! チカラを合わせて戦おう」、「『DQウォーク』でも“自宅”に帰るまでが冒険です!」、「日本全国の名所に行って“おみやげ”をもらおう!」を参照 [2021年9月30日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00~13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ操作に応じてユーザ端末の位置情報を用いたビデオゲームの進行を制御する機能をサーバに実現させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、
前記サーバに、
現実空間の地図情報に対応する仮想空間において、前記ユーザ操作に基づいて選択されたイベントに対応するイベントオブジェクトの配置予定位置を決定する決定機能と、
前記配置予定位置に基づいて、前記イベントオブジェクトが配置される位置又は既に配置されている既存オブジェクトの位置を変更する変更機能と、
前記ユーザ端末の位置と、前記イベントオブジェクトの位置又は前記既存オブジェクトの位置とに関する位置条件に従ってイベントを発生させる発生機能とを実現させ、
前記変更機能では、前記既存オブジェクトの種類に基づいて前記イベントオブジェクト又は前記既存オブジェクトの何れの位置を変更するかを決定し、前記配置予定位置に基づいて、変更すると決定した位置を変更する機能を
実現させるためのビデオゲーム処理プログラム。
【請求項2】
前記変更機能では、前記イベントオブジェクトの前記配置予定位置への表示により当該イベントオブジェクトと前記既存オブジェクトとが少なくとも一部重なって表示される状態が発生すると判定した場合、前記配置予定位置に基づいて、前記イベントオブジェクトが配置される位置又は前記既存オブジェクトの位置を前記イベントオブジェクトと前記既存オブジェクトとが離れる位置に変更する機能を
実現させるための請求項1記載のビデオゲーム処理プログラム。
【請求項3】
前記サーバに、前記ユーザが指定した前記仮想空間における位置を前記配置予定位置として特定する特定機能を実現させ、
前記変更機能では、特定された前記配置予定位置に基づいて、前記イベントオブジェクトが配置される位置又は前記既存オブジェクトの位置を変更する機能を
実現させるための請求項1又は請求項2記載のビデオゲーム処理プログラム。
【請求項4】
前記変更機能では、前記配置予定位置に基づいて、前記イベントオブジェクト又は前記既存オブジェクトの座標を変更する機能を実現させ、
前記発生機能では、前記ユーザ端末の位置に対応する座標と、前記イベントオブジェクト又は前記既存オブジェクトの位置に対応する座標との間の距離が所定の長さ以下であるという前記位置条件が満たされた場合に前記イベントを発生させる機能を
実現させるための請求項1から請求項3のうち何れかに記載のビデオゲーム処理プログラム。
【請求項5】
前記変更機能では、前記イベントオブジェクトの種類と前記既存オブジェクトの種類とが所定の組合せの場合に、前記配置予定位置に基づいて、前記イベントオブジェクトが配置される位置又は前記既存オブジェクトの位置を変更する機能を
実現させるための請求項1から請求項4のうち何れかに記載のビデオゲーム処理プログラム。
【請求項6】
前記サーバに、前記イベントオブジェクトが配置される位置又は前記既存オブジェクトの位置の前記変更機能による変更結果を他ユーザに反映する反映機能を
実現させるための請求項1から請求項5のうち何れかに記載のビデオゲーム処理プログラム。
【請求項7】
通信ネットワークと、サーバと、ユーザ端末とを備え、ユーザ操作に応じてユーザ端末の位置情報を用いてビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理システムであって、
現実空間の地図情報に対応する仮想空間において、前記ユーザ操作に基づいて選択されたイベントに対応するイベントオブジェクトの配置予定位置を決定する決定手段と、
前記配置予定位置に基づいて、前記イベントオブジェクトが配置される位置又は既に配置されている既存オブジェクトの位置を変更する変更手段と、
前記ユーザ端末の位置と、前記イベントオブジェクトの位置又は前記既存オブジェクトの位置とに関する位置条件に従ってイベントを発生させる発生手段とを含み、
前記変更手段では、前記既存オブジェクトの種類に基づいて前記イベントオブジェクト又は前記既存オブジェクトの何れの位置を変更するかを決定し、前記配置予定位置に基づいて、変更すると決定した位置を変更する
ことを特徴とするビデオゲーム処理システム。
【請求項8】
ユーザ操作に応じてユーザ端末の位置情報を用いたビデオゲームの進行を制御する機能をサーバに実現させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、
前記ユーザ端末に、
現実空間の地図情報に対応する仮想空間において、前記ユーザ操作に基づいて選択されたイベントに対応するイベントオブジェクトの配置予定位置を決定する決定機能と、
前記配置予定位置に基づいて、前記イベントオブジェクトが配置される位置又は既に配置されている既存オブジェクトの位置を変更する変更機能とを実現させ、
前記変更機能では、前記既存オブジェクトの種類に基づいて前記イベントオブジェクト又は前記既存オブジェクトの何れの位置を変更するかを決定し、前記配置予定位置に基づいて、変更すると決定した位置を変更する機能を
実現させるためのビデオゲーム処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態の少なくとも1つは、ユーザの操作に応じてユーザ端末の位置情報を利用したビデオゲームの進行を制御する機能をサーバに実現させるためのビデオゲーム処理プログラム、及びビデオゲーム処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ビデオゲームの分野では、ユーザ端末の位置情報を利用したシステムが種々提案されている。
【0003】
このようなシステムには、例えば、現実空間の位置に対応させて特典領域を設定した特典マップと移動体(例えばユーザ端末)の位置を特定する位置情報とに基づいてユーザの得点を算出するものがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2002-95865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ユーザ端末の位置情報を利用した従来のシステムでは、現実空間の地図情報に対応する仮想空間にオブジェクトが配置される場合、当該オブジェクトは予め定められていた位置に配置されており、その位置が変更される場合も、ユーザの意志が反映されるものではなかった。そのため、仮想空間の構成に対してユーザが飽きてしまう場合があった。そして、その結果、ビデオゲームに対するユーザの興味が低下してしまう場合があった。
【0006】
本発明の少なくとも1つの実施形態の目的は、上記課題を解決し、ビデオゲームに対するユーザの興味が低下することを防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
非限定的な観点によると、本発明の一実施形態に係るビデオゲーム処理プログラムは、ユーザ操作に応じてユーザ端末の位置情報を用いたビデオゲームの進行を制御する機能をサーバに実現させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、前記サーバに、現実空間の地図情報に対応する仮想空間において、前記ユーザ操作に基づいて選択されたイベントに対応するイベントオブジェクトの配置予定位置を決定する決定機能と、前記配置予定位置に基づいて、前記イベントオブジェクトが配置される位置又は既に配置されている既存オブジェクトの位置を変更する変更機能と前記ユーザ端末の位置と、前記イベントオブジェクトの位置又は前記既存オブジェクトの位置とに関する位置条件に従ってイベントを発生させる発生機能とを実現させためのものである。
【0008】
非限定的な観点によると、本発明の一実施形態に係るビデオゲーム処理システムは、通信ネットワークと、サーバと、ユーザ端末とを備え、ユーザ操作に応じてユーザ端末の位置情報を用いてビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理システムであって、現実空間の地図情報に対応する仮想空間において、前記ユーザ操作に基づいて選択されたイベントに対応するイベントオブジェクトの配置予定位置を決定する決定手段と、前記配置予定位置に基づいて、前記イベントオブジェクトが配置される位置又は既に配置されている既存オブジェクトの位置を変更する変更手段と、前記ユーザ端末の位置と、前記イベントオブジェクトの位置又は前記既存オブジェクトの位置とに関する位置条件に従ってイベントを発生させる発生手段とを含むことを特徴とする。
【0009】
非限定的な観点によると、本発明の一実施形態に係るビデオゲーム処理プログラムは、ユーザ操作に応じてユーザ端末の位置情報を用いたビデオゲームの進行を制御する機能をサーバに実現させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、前記ユーザ端末に、現実空間の地図情報に対応する仮想空間において、前記ユーザ操作に基づいて選択されたイベントに対応するイベントオブジェクトの配置予定位置を決定する決定機能と、前記配置予定位置に基づいて、前記イベントオブジェクトが配置される位置又は既に配置されている既存オブジェクトの位置を変更する変更機能と前記ユーザ端末の位置と、前記イベントオブジェクトの位置又は前記既存オブジェクトの位置とに関する位置条件に従ってイベントを発生させる発生機能とを実現させるためのものである。
【発明の効果】
【0010】
本願の各実施形態により1または2以上の不足が解決される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するビデオゲーム処理システムの構成の例を示すブロック図である。
図2】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。
図3】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理の例を示すフローチャートである。
図4】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理におけるサーバ側の動作の例を示すフローチャートである。
図5】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理における端末側の動作の例を示すフローチャートである。
図6】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。
図7】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理の例を示すフローチャートである。
図8】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。
図9】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理の例を示すフローチャートである。
図10】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。
図11】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理の例を示すフローチャートである。
図12】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。
図13】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理の例を示すフローチャートである。
図14】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。
図15】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する情報の格納状態の例について説明するための説明図である。
図16】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する情報の格納状態の例について説明するための説明図である。
図17】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理の例を示すフローチャートである。
図18】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム画面の例を示す説明図である。
図19】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム画面の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態の例について図面を参照して説明する。なお、以下で説明する各実施形態の例における各種構成要素は、矛盾等が生じない範囲で適宜組み合わせ可能である。また、ある実施形態の例として説明した内容については、他の実施形態においてその説明を省略している場合がある。また、各実施形態の特徴部分に関係しない動作や処理については、その内容を省略している場合がある。さらに、以下で説明する各種フローを構成する各種処理の順序は、処理内容に矛盾等が生じない範囲で順不同である。
【0013】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の一実施の形態におけるビデオゲーム処理システム100の構成の例を示すブロック図である。図1に示すように、ビデオゲーム処理システム100は、ビデオゲーム処理サーバ10(サーバ10)と、ビデオゲーム処理システム100のプレイヤが使用するプレイヤ端末20,201~20N(Nは任意の整数)とを含む。なお、ビデオゲーム処理システム100の構成はこれに限定されず、単一のプレイヤ端末を複数のプレイヤが使用する構成としてもよいし、複数のサーバを備える構成としてもよい。
【0014】
サーバ10と複数のプレイヤ端末20,201~20Nは、それぞれインターネットなどの通信ネットワーク30に接続されている。なお、図示しないが、複数のプレイヤ端末20,201~20Nは、通信業者によって管理される基地局と無線通信回線によるデータ通信を行うことによって、通信ネットワーク30と接続する。
【0015】
ビデオゲーム処理システム100は、サーバ10と複数のプレイヤ端末20,201~20Nとを備えることにより、プレイヤの操作に応じて各種処理を実行するための各種機能を実現する。
【0016】
サーバ10は、ビデオゲーム処理システム100の管理者によって管理され、複数のプレイヤ端末20,201~20Nに対して各種処理に関する情報を提供するための各種機能を有する。本例において、サーバ10は、WWWサーバなどの情報処理装置によって構成され、各種情報を格納する記憶媒体を備える。サーバ10の構成は、制御部や通信部などコンピュータとして各種処理を行うための一般的な構成を備えていれば特に限定されない。以下、サーバ10のハードウェア構成の例について簡単に説明する。
【0017】
図1に示すように、サーバ10は、CPU(Central Processing Unit)101と、メモリ102と、記憶装置103とを少なくとも備える。
【0018】
CPU101は、各種の演算および制御を行う中央処理装置である。また、サーバ10がGPU(Graphics Processing Unit)を備える場合には、各種の演算および制御の一部をGPUによって行うようにしてもよい。サーバ10は、適宜メモリ102に読み出したデータを用いてビデオゲームの制御に必要な各種の情報処理をCPU101にて実行し、得られた処理結果を必要に応じて記憶装置103に記憶させる。
【0019】
記憶装置103は、各種情報を格納する記憶媒体としての機能を有する。記憶装置103の構成は特に限定されないが、複数のプレイヤ端末20,201~20Nそれぞれにかかる処理負荷を軽減させるといった観点から、ビデオゲームの制御に必要な各種情報を全て記憶可能な構成であることが好ましい。このような例には、HDDやSSDがある。ただし、各種情報を記憶する記憶部は、サーバ10がアクセス可能な状態で記憶領域を備えていればよく、例えば専用の記憶領域をサーバ10の外部に有する構成とされていてもよい。
【0020】
図2は、サーバ10の構成の例であるサーバ10Aの構成を示すブロック図である。図2に示すように、サーバ10Aは、決定部11と、変更部12と、発生部13とを少なくとも備える。
【0021】
決定部11は、現実空間の地図情報に対応する仮想空間において、ユーザ操作に基づいて選択されたイベントに対応するイベントオブジェクトの配置予定位置を決定する機能を有する。
【0022】
ここで、現実空間の地図情報に対応する仮想空間とは、現実空間の地図情報を用いて生成された仮想空間を意味する。仮想空間を生成するための構成は特に限定されないが、現実空間の地図情報に基づいて仮想空間が生成されたことをユーザが認識し得る構成が好ましい。このような構成の例には、現実空間の道路や建物等に対応するオブジェクトを、現実空間における道路や建物等の位置に対応する位置に配置することで仮想空間を生成する構成がある。なお、現実空間の道路や建物等に対応するオブジェクトの構成は特に限定されないが、道路や建物等と対応関係にあることをユーザが認識し得る構成であることが好ましい。このような構成の例には、道路の外観に似せて作成されたオブジェクトや、仮想空間を構成するオブジェクト(例えば、地面)とは異なるオブジェクト(例えば、キャラクタ)がある。また、現実空間における位置と、仮想空間における位置とを対応付けるための構成は特に限定されず、現実空間における座標と仮想空間における座標が1対1の関係で定義される構成としてもよいし、複数対1または1対複数の関係で定義される構成としてもよい。
【0023】
また、ユーザ操作とは、ユーザによるユーザ端末20に対する入力操作を意味する。ユーザ操作は特に限定されないが、ユーザによる選択の入力操作が好ましい。ユーザ操作の例には、ゲーム画面に表示された情報に対し選択する入力操作がある。
【0024】
また、ユーザ操作に基づいてイベントを選択するための構成は特に限定されないが、何れのイベントを選択したかをユーザが認識可能な構成が好ましい。ユーザ操作に基づいてイベントを選択するための構成の例には、複数のイベントに関する情報をユーザ端末20に表示させ、表示させた情報に基づいて何れかのイベントをユーザに選択入力させる構成がある。
【0025】
また、イベントとは、ビデオゲームで発生し得る各種出来事を意味する。イベントの構成は特に限定されないが、ビデオゲームの進行に応じて現実空間の地図情報に対応する仮想空間において、発生条件が満たされた場合に発生する構成が好ましい。所定のイベントの例には、現実空間の地図情報に対応する仮想空間に配置されたオブジェクトに対応付けされたイベントがある。なお、オブジェクトに対応するイベントの例には、オブジェクトの種類に対応付けされた各種イベントがある。
【0026】
また、イベントオブジェクトとは、イベントに対応するオブジェクトであって、当該イベントに関連するオブジェクトを意味する。また、オブジェクトとは、ビデオゲームに登場する仮想的な物を意味する。イベントオブジェクトは特に限定されないが、当該イベントに関連する外観を有するものが好ましい。イベントオブジェクトの例には、対応するイベントに関連した場所(例えば町やダンジョン)を示すものがある。
【0027】
また、イベントオブジェクトの配置予定位置とは、仮想空間においてイベントオブジェクトが配置されることが予定された位置を意味する。イベントオブジェクトの配置予定位置は特に限定されないが、ユーザが認識し得る位置が好ましい。イベントオブジェクトの配置予定位置の例には、イベントオブジェクトに関する情報に基づいて定まる位置がある。また、オブジェクトを配置するとは、オブジェクトと、仮想空間における位置とを対応付けることを意味する。オブジェクトを配置するための構成は特に限定されないが、オブジェクトが配置された位置または当該位置を含む当該オブジェクトに対応する領域がユーザ端末20の表示領域に含まれた場合に、当該オブジェクトが当該ユーザ端末20の表示画面に表示され得るように配置する構成が好ましい。
【0028】
変更部12は、配置予定位置に基づいて、イベントオブジェクトが配置される位置又は既に配置されている既存オブジェクトの位置を変更する機能を有する。
【0029】
ここで、既存オブジェクトとは、既に配置されているオブジェクトであって、イベントオブジェクトとは異なるオブジェクトを意味する。既存オブジェクトは特に限定されないが、イベントオブジェクトとは異なる種類や外観のオブジェクトが好ましい。既存オブジェクトの例には、ユーザのキャラクタ自身や、ユーザのキャラクタに影響を与えるイベントを発生させるもの、ユーザが所有できるアイテム、ユーザが設置した建物がある。なお、既存オブジェクトがイベントオブジェクトと同種のオブジェクトであってもよい。
【0030】
また、イベントオブジェクトが配置される位置又は既存オブジェクトの位置を変更するとは、イベントオブジェクト又は既存オブジェクトに対応付けされる位置を変更することを意味する。イベントオブジェクトが配置される位置又は既に既存オブジェクトの位置を変更するための構成は特に限定されないが、所定の変更規則に従って変更後の位置を特定する構成が好ましい。イベントオブジェクトが配置される位置又は既に既存オブジェクトの位置を変更するための構成の例には、イベントオブジェクトと既存オブジェクトとの間の位置関係に基づく変更規則に従って変更後の位置を特定する構成がある。このような構成の例には、一方の位置を変更せず、他方の位置を、一方の位置から他のオブジェクトを挟まない程度の近距離に変更する構成がある。このような構成とすることにより、他方の位置が開発者等が想定していないほど大きく変更されることを防止できる。
【0031】
発生部13は、ユーザ端末20の位置と、イベントオブジェクトの位置又は既存オブジェクトの位置とに関する位置条件に従ってイベントを発生させる機能を有する。
【0032】
ここで、ユーザ端末20の位置とは、ユーザ端末20の位置情報により示される位置を意味する。位置情報の構成は特に限定されないが、ユーザ端末20の現実空間における位置を特定可能な座標を含む構成であることが好ましい。ユーザ端末20の位置情報を取得するための構成の例には、GPS信号を用いて取得する構成や、複数のビーコン発信機からの無線信号の受信強度情報に基づいて取得する構成がある。
【0033】
また、ユーザ端末20の位置と、イベントオブジェクトの位置又は既存オブジェクトの位置とに関する位置条件とは、ユーザ端末20の位置と、配置されたイベントオブジェクト又は既存オブジェクトの位置とが所定の関係であることを含む条件を意味する。位置条件の例には、ユーザ端末20の位置と、配置されたイベントオブジェクト又は既存オブジェクトの位置との間の距離が所定の長さ以下であることがある。なお、イベントは、位置条件以外の条件も満たされた場合に発生する構成としてもよい。位置条件以外の条件の例には、イベントオブジェクト又は既存オブジェクトに対する選択操作が行われることがある。
【0034】
また、位置条件に従って発生するイベントは特に限定されないが、イベントオブジェクト又は既存オブジェクトに対応するイベントが好ましい。既存オブジェクトに対応するイベントの例には、ユーザのキャラクタに関するイベントがある。
【0035】
複数のユーザ端末20,201~20Nは、それぞれ、ユーザによって管理され、例えば携帯電話端末やPDA(Personal Digital Assistants)、携帯型ゲーム装置や所謂ウェアラブルデバイスなどのネットワーク配信型のゲームを行うことが可能な通信端末によって構成される。なお、ビデオゲーム処理システム100が含み得るユーザ端末の構成は上述した例に限定されず、ユーザが合成画像を認識し得る構成であればよい。ユーザ端末の構成の他の例には、各種通信端末を組み合わせたものやパーソナルコンピュータ、据置型ゲーム装置がある。
【0036】
また、複数のユーザ端末20,201~20Nは、それぞれ、通信ネットワーク30に接続し、サーバ10との通信を行うことにより各種処理を実行するためのハードウェア(例えば、座標に応じたブラウザ画面やゲーム画面を表示する表示装置など)およびソフトウェアを備える。なお、複数のユーザ端末20,201~20Nそれぞれは、サーバ10を介さずに互いに直接通信を行うこともできる構成とされていてもよい。
【0037】
次に、本例のビデオゲーム処理システム100(システム100)の動作について説明する。
【0038】
図3は、システム100が実行するビデオゲーム処理の例を示すフローチャートである。本例におけるゲーム処理では、ユーザ端末20の位置情報を用いたビデオゲームの進行を制御すること関連する処理が行われる。以下、サーバ10Aとユーザ端末20(端末20)とが、ゲーム処理を実行する場合を例にして説明する。
【0039】
ゲーム処理は、例えばサーバ10Aにアクセスした端末20が仮想空間の表示を要求したことを契機に開始される。
【0040】
サーバ10Aは、ゲーム処理において、先ず、現実空間の地図情報に対応する仮想空間において、ユーザ操作に基づいて選択されたイベントに対応するイベントオブジェクトの配置予定位置を決定する(ステップS11)。本例においてサーバ10Aは、決定した配置予定位置に関する情報を所定の記憶領域に記憶させる。
【0041】
サーバ10Aは、配置予定位置を決定すると、配置予定位置に基づいて、イベントオブジェクトが配置される位置又は既に配置されている既存オブジェクトの位置を変更する(ステップS12)。本例においてサーバ10Aは、イベントオブジェクト又は既存オブジェクトの位置の変更内容に関連し当該変更の結果を端末20に表示させるための位置変更関連情報を端末20に送信する。
【0042】
サーバ10Aは、位置を変更すると、ユーザ端末20の位置と、イベントオブジェクトの位置又は既存オブジェクトの位置とに関する位置条件に従ってイベントを発生させる(ステップS13)。本例においてサーバ10Aは、イベントの発生に関連し当該イベントの発生内容を端末20に表示させるための発生イベント関連情報を端末20に送信する。
【0043】
端末20は、サーバ10Aから発生イベント関連情報を受信すると、所定の表示装置の表示画面にゲーム画面を出力する(ステップS14)。本例において端末20がゲーム画面を出力すると、ここでの処理を終了する。
【0044】
図4は、ゲーム処理におけるサーバ10A側の動作の例を示すフローチャートである。ここでは、システム100におけるサーバ10Aの動作について改めて説明する。
【0045】
サーバ10Aは、ゲーム処理において、先ず、現実空間の地図情報に対応する仮想空間において、ユーザ操作に基づいて選択されたイベントに対応するイベントオブジェクトの配置予定位置を決定し(ステップS101)、配置予定位置に基づいて、イベントオブジェクトが配置される位置又は既に配置されている既存オブジェクトの位置を変更し(ステップS102)、端末20の位置と、イベントオブジェクトの位置又は既存オブジェクトの位置とに関する位置条件に従ってイベントを発生させる(ステップS103)。サーバ10Aは、イベントを発生させると、ここでの処理を終了する。
【0046】
図5は、端末20がゲーム処理を実行する場合の端末20側の動作の例を示すフローチャートである。以下、端末20が、単体でゲーム処理を実行する場合を例にして説明する。なお、端末20の構成については、サーバ10Aから各種情報を受信することを除きサーバ10Aの構成と同様の機能を備えるものであるため、重複説明を避ける観点から記載を省略する。
【0047】
端末20は、ゲーム処理において、先ず、現実空間の地図情報に対応する仮想空間において、ユーザ操作に基づいて選択されたイベントに対応するイベントオブジェクトの配置予定位置を決定し(ステップS201)、配置予定位置に基づいて、イベントオブジェクトが配置される位置又は既に配置されている既存オブジェクトの位置を変更し(ステップS202)、端末20の位置と、イベントオブジェクトの位置又は既存オブジェクトの位置とに関する位置条件に従ってイベントを発生させる(ステップS203)。端末20は、イベントを発生させると、ここでの処理を終了する。
【0048】
以上に説明したように、第1の実施形態の一側面として、現実空間の地図情報に対応する仮想空間と、ユーザ端末の位置情報とを用いてビデオゲームの進行を制御するサーバ10Aが、決定部11と、変更部12と、発生部13とを備える構成としているので、現実空間の地図情報に対応する仮想空間において、ユーザ操作に基づいて選択されたイベントに対応するイベントオブジェクトの配置予定位置を決定し、配置予定位置に基づいて、イベントオブジェクトが配置される位置又は既に配置されている既存オブジェクトの位置を変更し、端末20の位置と、イベントオブジェクトの位置又は既存オブジェクトの位置とに関する位置条件に従ってイベントを発生させ、ビデオゲームに対するユーザの興味が低下することを防止することが可能となる。
【0049】
すなわち、端末20の位置情報を用いたビデオゲームで、ユーザ操作によるオブジェクトの配置によって、現実空間の地図情報に対応する仮想空間においてオブジェクトの位置の変更にユーザの意思を反映させることができ、結果としてビデオゲームに対するユーザの興味が低下することを防止することが可能となる。言い換えれば、端末20の位置情報を用いたビデオゲームで、オブジェクトの位置の変更によって仮想空間の構成に対して影響を与えている感覚をユーザに覚えさせることでき、結果としてビデオゲームに対する関心をユーザに持たせ続けることが可能となる。
【0050】
[第2の実施形態]
図6は、ビデオゲーム処理サーバ10の例であるビデオゲーム処理サーバ10B(サーバ10B)の構成を示すブロック図である。本例において、サーバ10Bは、決定部11と、変更部12Bと、発生部13とを少なくとも備える。
【0051】
変更部12Bは、イベントオブジェクトの配置予定位置への表示により当該イベントオブジェクトと既存オブジェクトとが少なくとも一部重なって表示される状態が発生すると判定した場合、配置予定位置に基づいて、イベントオブジェクトが配置される位置又は既存オブジェクトの位置をイベントオブジェクトと既存オブジェクトとが離れる位置に変更する機能を有する。
【0052】
ここで、イベントオブジェクトと既存オブジェクトとが少なくとも一部重なって表示される状態(重なり状態)とは、イベントオブジェクトに対応する領域と既存オブジェクトに対応する領域とが少なくとも一部重なる状態を意味する。重なり状態は特に限定されないが、ユーザが認識可能な状態が好ましい。重なり状態の例には、イベントオブジェクトの画像と既存オブジェクトの画像とのゲーム画面上での表示領域が重なり得る状態や、仮想空間に対応する地図上でのイベントオブジェクトに対応する領域の少なくとも一部が仮想空間における既存オブジェクトに対応する領域の少なくとも一部の領域内に存在する状態や、一方のオブジェクトの少なくとも一部が他方のオブジェクトの少なくとも一部に隠れた状態がある。なお、重なり状態が発生すると判定する構成の例には、イベントオブジェクトの基準となる位置(座標)と既存オブジェクトの基準となる位置(座標)との間が所定距離以下である場合に重なり状態が発生すると判定する構成がある。
【0053】
また、イベントオブジェクトと既存オブジェクトとが離れるとは、イベントオブジェクトと既存オブジェクトとの間の距離が開くことを意味する。2つのオブジェクトが離れる状態にする構成は特に限定されず、2つのオブジェクトの描画範囲を離す構成としてもよいし、2つのオブジェクトを構成する一部(例えば、互いの基準位置となる座標)を離す構成としてもよい。2つのオブジェクトが離れる状態にする構成の例には、2つのオブジェクトの描画範囲が重ならないようにする構成や2つのオブジェクトを構成する一部(例えば、互いの基準位置となる座標)を他のオブジェクトを挟まない程度に離す構成がある。
【0054】
図7は、システム100が実行するゲーム処理の例を示すフローチャートである。以下、サーバ10Bと、端末20の動作を例にして説明する。なお、サーバ10Bと端末20それぞれの動作を示すフローチャートについては、重複説明を避ける観点から記載を省略する。
【0055】
サーバ10Bは、配置予定位置を決定すると、イベントオブジェクトの配置予定位置への表示により当該イベントオブジェクトと既存オブジェクトとが少なくとも一部重なって表示される状態が発生すると判定した場合、配置予定位置に基づいて、イベントオブジェクトが配置される位置又は既存オブジェクトの位置をイベントオブジェクトと既存オブジェクトとが離れる位置に変更する(ステップS2-11)。本例においてサーバ10Bは、イベントオブジェクト又は既存オブジェクトの位置の変更内容に関連し当該変更の結果を端末20に表示させるための位置変更関連情報を端末20に送信する。
【0056】
以上に説明したように、第2の実施形態の一側面として、現実空間の地図情報に対応する仮想空間と、ユーザ端末の位置情報とを用いてビデオゲームの進行を制御するサーバ10Bが、決定部11と、変更部12Bと、発生部13とを備える構成としているので、イベントオブジェクトの配置予定位置への表示により当該イベントオブジェクトと既存オブジェクトとが少なくとも一部重なって表示される状態が発生すると判定した場合、配置予定位置に基づいて、イベントオブジェクトが配置される位置又は既存オブジェクトの位置をイベントオブジェクトと既存オブジェクトとが離れる位置に変更し、表示されたオブジェクトのユーザからの視認性を向上させることができる。また、例えば表示されたオブジェクトを直接選択する操作をユーザが行う場合、2つのオブジェクトのうち選択を意図しないオブジェクトを選択する操作(誤操作)をユーザが行ってしまう可能性を低くすることができるため、操作性を向上させることが可能となる。
【0057】
[第3の実施形態]
図8は、ビデオゲーム処理サーバ10の例であるビデオゲーム処理サーバ10C(サーバ10C)の構成を示すブロック図である。本例において、サーバ10Cは、決定部11と、変更部12Cと、発生部13と、特定部14とを少なくとも備える。
【0058】
特定部14は、ユーザが指定した仮想空間における位置を配置予定位置として特定する機能を有する。
【0059】
ここで、ユーザが仮想空間における位置を指定するとは、ユーザ操作に基づいて仮想空間において何れかの位置を定めることを意味する。ユーザが仮想空間において位置を指定するための構成は特に限定されないが、仮想空間におけるユーザにより指定可能な位置のうちの何れかをユーザに選択させる構成が好ましい。ユーザが仮想空間において位置を指定するための構成の例には、仮想空間に対応する地図上の何れかの地点をユーザに選択させる構成がある。
【0060】
変更部12Cは、特定された配置予定位置に基づいて、イベントオブジェクトが配置される位置又は既存オブジェクトの位置を変更する機能を有する。
【0061】
図9は、システム100が実行するゲーム処理の例を示すフローチャートである。以下、サーバ10Cと、端末20の動作を例にして説明する。なお、サーバ10Cと端末20それぞれの動作を示すフローチャートについては、重複説明を避ける観点から記載を省略する。
【0062】
サーバ10Cは、ゲーム処理において、先ず、ユーザが指定した仮想空間における位置を配置予定位置として特定する(ステップS3-11)。本例においてサーバ10Cは、ユーザの指定により特定された配置予定位置に関する情報を所定の記憶領域に記憶させる。
【0063】
以上に説明したように、第3の実施形態の一側面として、現実空間の地図情報に対応する仮想空間と、ユーザ端末の位置情報とを用いてビデオゲームの進行を制御するサーバ10Bが、決定部11と、変更部12Cと、発生部13と、特定部14とを備える構成としているので、ユーザとユーザが指定した仮想空間における位置を配置予定位置として特定し、特定した配置予定位置に基づいて、イベントオブジェクトが配置される位置又は既存オブジェクトの位置を変更し、配置予定位置をユーザが指定できない場合と比較して、ゲームバランスを維持しながら、オブジェクトの位置に対するユーザによる影響の与え方の自由度をより高くすることが可能となる。
【0064】
[第4の実施形態]
図10は、ビデオゲーム処理サーバ10の例であるビデオゲーム処理サーバ10D(サーバ10D)の構成を示すブロック図である。本例において、サーバ10Cは、決定部11と、変更部12Dと、発生部13とを少なくとも備える。
【0065】
変更部12Dは、既存オブジェクトの種類に基づいてイベントオブジェクト又は既存オブジェクトの何れの位置を変更するかを決定し、配置予定位置に基づいて、変更すると決定した位置を変更する機能を有する。
【0066】
ここで、既存オブジェクトの種類とは、所定の基準で分類された既存オブジェクトのまとまりを意味する。既存オブジェクトの種類は特に限定されないが、ユーザが認識可能なものが好ましい。既存オブジェクトの種類の例には、既存オブジェクトに対応するイベントが存在するか否かで分類されたものや既存オブジェクトに対応するイベントの種類により分類されたものがある。
【0067】
図11は、システム100が実行するゲーム処理の例を示すフローチャートである。以下、サーバ10Dと、端末20の動作を例にして説明する。なお、サーバ10Dと端末20それぞれの動作を示すフローチャートについては、重複説明を避ける観点から記載を省略する。
【0068】
サーバ10Dは、配置予定位置を決定すると、既存オブジェクトの種類に基づいてイベントオブジェクト又は既存オブジェクトの何れの位置を変更するかを決定し、配置予定位置に基づいて、変更すると決定した位置を変更する(ステップS4-11)。本例においてサーバ10Dは、イベントオブジェクト又は既存オブジェクトの位置の変更内容に関連し当該変更の結果を端末20に表示させるための位置変更関連情報を端末20に送信する。
【0069】
以上に説明したように、第4の実施形態の一側面として、現実空間の地図情報に対応する仮想空間と、ユーザ端末の位置情報とを用いてビデオゲームの進行を制御するサーバ10Dが、決定部11と、変更部12Dと、発生部13とを備える構成としているので、既存オブジェクトの種類に基づいてイベントオブジェクト又は既存オブジェクトの何れの位置を変更するかを決定し、配置予定位置に基づいて、変更すると決定した位置を変更し、ビデオゲームに対するユーザの興味をより維持させることが可能となる。
【0070】
[第5の実施形態]
図12は、ビデオゲーム処理サーバ10の例であるビデオゲーム処理サーバ10E(サーバ10E)の構成を示すブロック図である。本例において、サーバ10Eは、決定部11と、変更部12Eと、発生部13とを少なくとも備える。
【0071】
変更部12Eは、イベントオブジェクトの種類と既存オブジェクトの種類とが所定の組合せの場合に、配置予定位置に基づいて、イベントオブジェクトが配置される位置又は既存オブジェクトの位置を変更する機能を有する。
【0072】
ここで、所定の組合せは特に限定されないが、イベントオブジェクトの種類と既存オブジェクトの種類とが同様である組合せが好ましい。所定の組合せの例には、イベントオブジェクトと既存オブジェクトとがそれぞれ対応するイベントに関連した場所(例えば町やダンジョン)を示すオブジェクトである組合せがある。
【0073】
図13は、システム100が実行するゲーム処理の例を示すフローチャートである。以下、サーバ10Eと、端末20の動作を例にして説明する。なお、サーバ10Eと端末20それぞれの動作を示すフローチャートについては、重複説明を避ける観点から記載を省略する。
【0074】
サーバ10Eは、配置予定位置を決定すると、イベントオブジェクトの種類と既存オブジェクトの種類とが所定の組合せの場合に、配置予定位置に基づいて、イベントオブジェクトが配置される位置又は既存オブジェクトの位置を変更する(ステップS5-11)。本例においてサーバ10Eは、イベントオブジェクト又は既存オブジェクトの位置の変更内容に関連し当該変更の結果を端末20に表示させるための位置変更関連情報を端末20に送信する。
【0075】
以上に説明したように、第5の実施形態の一側面として、現実空間の地図情報に対応する仮想空間と、ユーザ端末の位置情報とを用いてビデオゲームの進行を制御するサーバ10Eが、決定部11と、変更部12Eと、発生部13とを備える構成としているので、イベントオブジェクトの種類と既存オブジェクトの種類とが所定の組合せの場合に、配置予定位置に基づいて、イベントオブジェクトが配置される位置又は既存オブジェクトの位置を変更し、ゲームバランスの維持を優先させながら、オブジェクトの位置にユーザが影響を与えることが可能となる。すなわち、ゲームバランスの維持の観点から、位置を変更すべきか否かを、オブジェクトの種類を考慮してユーザが大まかに判断できるようになる。
【0076】
[第6の実施形態]
図14は、システム100(図1参照)におけるビデオゲーム処理サーバ10の例であるビデオゲーム処理サーバ10Z(サーバ10Z)の構成を示すブロック図である。本例において、サーバ10Zは、決定部11Zと、変更部12Zと、発生部13Zとを少なくとも備える。
【0077】
決定部11Zは、現実空間の地図情報に対応する仮想空間において、ユーザ操作に基づいて選択されたイベントに対応するイベントオブジェクトの配置予定位置を決定する機能を有する。
【0078】
ここで、現実空間の地図情報に対応する仮想空間とは、現実空間の地図情報を用いて生成された仮想空間を意味する。以下、現実空間の道路や建物等に対応するオブジェクトを、現実空間に対応する位置に配置することで仮想空間を生成する構成を例にして説明する。
【0079】
また、ユーザ操作とは、ユーザによる端末20に対する入力操作を意味する。以下、複数のイベントに関する情報を端末20に表示させ、表示させた情報に基づいて何れかのイベントをユーザに選択入力させる構成を例に説明する。以下、ビデオゲームにおけるクエストをユーザが選択入力する場合を例に説明する。
【0080】
また、イベントとは、ビデオゲームで発生し得る各種出来事を意味する。以下、イベントが、ユーザ操作により選択されるイベントが、所定のクリア条件が定められたクエストである場合を例に説明する。
【0081】
また、イベントオブジェクトとは、イベントに対応するオブジェクトであって、当該イベントに関連するオブジェクトを意味する。以下、イベントオブジェクトが、クエストに対応し、当該クエストが発生するオブジェクト(目的地)である場合を例に説明する。なお本例では、目的地は、対応するクエストに関連する外観を有する。
【0082】
また、イベントオブジェクトの配置予定位置とは、仮想空間においてイベントオブジェクトが配置されることが予定された位置を意味する。以下、目的地の配置予定位置をユーザが指定する場合を例に説明する。
【0083】
変更部12Zは、配置予定位置に基づいて、イベントオブジェクトが配置される位置又は既に配置されている既存オブジェクトの位置を変更する機能を有する。
【0084】
ここで、既存オブジェクトとは、既に配置されているオブジェクトであって、イベントオブジェクトとは異なるオブジェクトを意味する。以下、既存オブジェクトとして、ユーザのキャラクタを回復させたりアイテムを獲得したりできるスポットや、ユーザのキャラクタ自身、敵キャラクタ、ユーザの拠点が仮想空間としてのマップに配置されている場合を例に説明する。なお本例では、既存オブジェクトが目的地であってもよい。
【0085】
また、オブジェクトの位置を変更するとは、オブジェクトに対応付けされる位置を変更することを意味する。以下、目的的の位置をユーザに指定させる際、ユーザ指定位置に目的地を表示すると既存オブジェクトに重なって表示されるとき、目的地又は既存オブジェクトの位置を変更する場合を例に説明する。本例では、目的地の配置予定位置を、目的地がスポットに重なって表示されるように指定すると、スポットが目的地と重ならない位置に変更される。一方、目的地の配置予定位置を、目的地がユーザのキャラクタ自身やユーザの拠点に重なって表示されるように指定すると、目的地が配置される位置がユーザのキャラクタ自身やユーザの拠点と重ならない位置に変更される。なお本例では、目的地の配置予定位置を、当該目的地を他の目的地に重なって表示されるように指定しても位置の変更は起こらず、2つの目的地は重なって表示される。
【0086】
発生部13Zは、端末20の位置と、イベントオブジェクトの位置又は既存オブジェクトの位置とに関する位置条件に従ってイベントを発生させる機能を有する。
【0087】
ここで、端末20の位置とは、端末20の位置情報により示される位置を意味する。端末20の位置情報とは、現実空間における位置を示す情報を意味する。以下、GPS信号を用いた位置情報が端末20の位置情報である構成を例にして説明する。
【0088】
また、端末20の位置と、イベントオブジェクトの位置又は既存オブジェクトの位置とに関する位置条件とは、端末20の位置と、配置されたイベントオブジェクト又は既存オブジェクトの位置とが所定の関係であることを含む条件を意味する。以下、位置条件が、ユーザのキャラクタと目的地又は既存オブジェクトとの間の距離が所定の長さ以下である場合を例に説明する。なお、イベントは、位置条件以外の条件も満たされた場合に発生する構成としてもよい。例えば、イベントは、位置条件が満たされ、かつ目的地又は既存オブジェクトに対する選択操作をユーザが行った場合に発生する構成としてもよい。
【0089】
また、位置条件に従って発生するイベントは特に限定されないが、位置条件が満たされたイベントオブジェクト又は既存オブジェクトに対応するイベントが好ましい。本例では、目的地に対応するイベントはクエストである。また本例では、スポットに対応するイベントはユーザのキャラクタの回復イベントやアイテム獲得イベントであり、ユーザの拠点に対応するイベントはユーザの拠点内を確認するイベントである。
【0090】
図15は、サーバ10Zが備える記憶部(図示せず)に記憶される情報の格納状態の例について説明するための説明図である。図15に示すように、記憶部は、イベントオブジェクトの配置に関する情報として、オブジェクトIDと、イベントIDと、配置予定位置と、配置位置とを対応付けて記憶する。以下、ここで記憶される情報を、既存オブジェクトの配置に関する情報と区別するために、イベントオブジェクト配置関連情報と称して説明する。
【0091】
ここで、オブジェクトIDとは、イベントオブジェクトを識別するための情報を意味する。
【0092】
また、イベントIDとは、イベントを識別するための情報を意味する。
【0093】
また、配置予定位置とは、決定部11Zにより決定された配置予定位置を意味する。本例では、配置予定位置は、オブジェクトIDにより識別されるイベントオブジェクトの配置予定位置の座標である。
【0094】
また、配置位置とは、イベントオブジェクトが配置される位置を意味する。本例では、イベントオブジェクトが配置される位置は、変更部12Zにより変更される場合があるため、実際にイベントオブジェクトが配置された位置を配置位置として管理する。なお、配置予定位置と配置位置との関係は本例に限定されず、配置予定位置が配置位置に更新される構成としてもよい。
【0095】
図16は、サーバ10Zが備える記憶部(図示せず)に記憶される情報の格納状態の例について説明するための説明図である。図16に示すように、記憶部は、既存オブジェクトの配置に関する情報として、オブジェクトIDと、イベントIDと、配置位置と、イベントオブジェクトIDと、変更後配置位置とを対応付けて記憶する。以下、ここで記憶される情報を、イベントオブジェクトの配置に関する情報と区別するために、既存オブジェクト配置関連情報と称して説明する。
【0096】
ここで、オブジェクトIDとは、既存オブジェクトを識別するための情報を意味する。
【0097】
また、イベントIDとは、イベントを識別するための情報を意味する。本例では、既存オブジェクトにイベントが対応付けされている。しかし、必ずしも既存オブジェクトにイベントが対応付けされている必要は無い。
【0098】
また、配置位置とは、オブジェクトIDにより識別される既存オブジェクトが配置されている位置を意味する。本例では、配置予定位置は、オブジェクトIDにより識別される既存オブジェクトが配置されている位置の座標である。
【0099】
また、イベントオブジェクトIDは、イベントオブジェクトを識別するための情報を意味する。本例では、イベントオブジェクトIDは、図15で示されたオブジェクトIDに対応し、複数のオブジェクトによる重なり状態が発生している場合に利用される。すなわち、本例では、図16で示すオブジェクトIDとして格納された情報により識別される既存オブジェクトについて、イベントオブジェクトとの間で重なり状態が発生すると判定されていない場合、イベントオブジェクトIDは格納されない。
【0100】
また、変更後配置位置とは、オブジェクトIDにより識別される既存オブジェクトの位置が変更した場合の変更後に配置される位置を意味する。本例では、既存オブジェクトの位置は、変更部12Zにより変更される場合の変更後に配置される位置である。なお、配置位置と変更後配置位置との関係は本例に限定されず、配置位置が更新される構成としてもよい。
【0101】
なお、イベントオブジェクトの配置に関する情報及び既存オブジェクトの配置に関する情報は、上述したように区別を目的として別々のデータベースで管理されてもよいが、同一のデータベースで管理されてもよい。
【0102】
図17は、システム100Zが実行するビデオゲーム処理の例を示すフローチャートである。本例におけるゲーム処理では、ユーザの操作に応じて端末20の位置情報を用いたビデオゲームの進行を制御することに関連する処理が行われる。以下、各処理について説明する。なお、各処理の順序は、処理内容に矛盾等が生じない範囲で順不同である。
【0103】
ゲーム処理は、例えばサーバ10Zにアクセスした端末20がゲーム画面の表示を要求したことを契機に開始される。
【0104】
システム100Zは、ゲーム処理において、先ず、ユーザによるイベントの選択操作を受け付ける(ステップS301)。本例では、システム100Zは、ゲーム画面に表示した複数のイベントに関する情報に対するユーザからの選択操作を受け付ける。
【0105】
システム100Zは、イベントの選択操作を受け付けると、ユーザによる位置指定操作を受け付ける(ステップS302)。本例では、システム100Zは、ゲーム画面に表示した仮想空間の地図に対するユーザからの位置の選択操作を受け付ける。
【0106】
システム100Zは、位置指定操作を受け付けると、受け付けた位置指定操作に基づいて仮想空間における位置を特定する(ステップS303)。本例では、システム100Zは、仮想空間の地図に対し指定を受け付けた位置に基づいて仮想空間における位置を特定する。
【0107】
システム100Zは、仮想空間における位置を特定すると、現実空間の地図情報に対応する仮想空間において、ユーザ操作に基づいて選択されたイベントに対応するイベントオブジェクトの配置予定位置を決定する(ステップS304)。本例では、システム100Zは、特定した位置を目的地の配置予定位置として決定する。
【0108】
システム100Zは、配置予定位置を決定すると、イベントオブジェクトの配置予定位置への表示により当該イベントオブジェクトと既存オブジェクトとが少なくとも一部重なって表示される状態が発生すると判定した場合、配置予定位置に基づいて、イベントオブジェクトが配置される位置又は既存オブジェクトの位置をイベントオブジェクトと既存オブジェクトとが離れる位置に変更する(ステップS305)。本例では、システム100Zは、目的地の配置予定位置を、目的地がスポットに重なって表示されるように指定すると、スポットが目的地と重ならない位置に変更される。
【0109】
システム100Zは、イベントオブジェクトが配置される位置又は既存オブジェクトの位置を変更すると、イベントオブジェクトを配置して端末20に表示させる(ステップS306)。本例では、システム100Zは、目的地を配置して端末20に表示させる。
【0110】
システム100Zは、イベントオブジェクトを配置して表示させると、端末20の位置と、イベントオブジェクトの位置又は既存オブジェクトの位置とに関する位置条件に従ってイベントを発生させる(ステップS307)。本例では、システム100Zは、ユーザのキャラクタとの距離が所定の長さ以下である目的地に対する選択操作をユーザが行った場合に当該目的地に対応するクエストが開始する。
【0111】
本例では、システム100Zは、イベントを発生させると、ここでの処理を終了する。
【0112】
図18は、ゲーム画面の例について説明するための説明図である。図18左側のゲーム画面には、ユーザのキャラクタ1801と、キャラクタ1801の位置を基準としたイベント発生可能領域1802と、スポット1803とが示されている。
【0113】
キャラクタ1801は、ユーザのキャラクタを示す画像であり、表示画面の中央寄りの場所に示され、端末20の位置情報に対応する仮想空間における位置に表示されている。現実空間において端末20の位置が変化すると、キャラクタ1801は、仮想空間において同様に移動する。また、キャラクタ1801の移動に応じて、イベント発生可能領域1802も移動する。
【0114】
イベント発生可能領域1802は、オブジェクトに対応するイベントが発生する条件に含まれる、端末20の位置と当該オブジェクトの位置とが所定の関係であるという位置条件を満たす領域である。
【0115】
スポット1803は、イベント発生可能領域1802内に存在する状態の場合にユーザがタッチ操作を行うと回復イベントやアイテム獲得イベントが発生するオブジェクトである。図18左側では、スポット1803は、イベント発生可能領域1802外に存在するためユーザがタッチ操作を行っても回復イベントやアイテム獲得イベントは発生しない。
【0116】
図18右側のゲーム画面には、ユーザのキャラクタ1801と、イベント発生可能領域1802と、スポット1803と、目的地1804とが示されている。図18右側は、図18左側の状態において目的地1804の配置予定位置を、目的地1804がスポット1803と重なるようにユーザが指定した場合のゲーム画面である。ここで、目的地1804の配置予定位置に基づいて、目的地1804とスポット1803とが重なって表示される状態が発生すると判定され、スポット1803は位置が変更されている。一方、目的地1804は、ユーザに指定された配置予定位置に配置されている。スポット1803の変更後の位置はイベント発生可能領域1802内に存在している。つまり、スポット1803は目的地1804の配置によりイベント発生可能領域1802の外から内に移動している。すなわち、目的地1804の配置によりユーザは、キャラクタ1801を移動させずにスポット1803に対応するイベントを発生させることが可能となっている。なお、イベント発生可能領域1802内に位置しているか否かによって、スポット1803の外観を変化させる構成としてもよい。
【0117】
図19は、ゲーム画面の例について説明するための説明図である。図19左側には、ゲーム画面を表示している端末20と、当該端末20に対する目的地の配置予定位置の選択操作を行っているユーザの手Hが示されている。
【0118】
図19右側のゲーム画面には、ユーザのキャラクタ1901と、イベント発生可能領域1902と、スポット1903と、目的地1904とが示されている。キャラクタ1901~目的地1904は、それぞれキャラクタ1801~目的地1804に対応する。図19右側では、図19左側で選択された配置予定位置に基づいて目的地1904が配置された状態のゲーム画面を端末20が表示している。ここで、目的地1904は、配置予定位置とは異なる位置に配置されている。なお、キャラクタ1901だけでなくユーザの拠点に重なって表示される状態が発生する位置が目的地1904の配置予定位置として指定された場合でも目的地1904が配置される位置が変更される構成としてもよい。
【0119】
以上に説明したように、第6の実施形態の一側面として、現実空間の地図情報に対応する仮想空間と、ユーザ端末の位置情報とを用いてビデオゲームの進行を制御するサーバ10Zが、決定部11Zと、変更部12Zと、発生部13Zとを備える構成としているので、現実空間の地図情報に対応する仮想空間において、ユーザ操作に基づいて選択されたイベントに対応するイベントオブジェクトの配置予定位置を決定し、配置予定位置に基づいて、イベントオブジェクトが配置される位置又は既に配置されている既存オブジェクトの位置を変更し、端末20の位置と、イベントオブジェクトの位置又は既存オブジェクトの位置とに関する位置条件に従ってイベントを発生させ、ビデオゲームに対するユーザの興味が低下することを防止することが可能となる。
【0120】
すなわち、端末20の位置情報を用いるビデオゲームにおいて、イベントオブジェクト(例えば目的地)の配置によって、オブジェクトの位置の変更にユーザの意思を反映させることができ、結果としてビデオゲームに対するユーザの興味が低下することを防止することが可能となる。言い換えれば、端末20の位置情報を用いるビデオゲームにおいて、オブジェクトの位置の変更によって仮想空間の構成に対して影響を与えている感覚をユーザに覚えさせることでき、結果としてビデオゲームに対する関心をユーザに持たせ続けることが可能となる。
【0121】
また、上述した第6の実施形態の例では、サーバ10Zが、イベントオブジェクトの配置予定位置への表示により当該イベントオブジェクトと既存オブジェクトとが少なくとも一部重なって表示される状態が発生すると判定した場合、配置予定位置に基づいて、イベントオブジェクトが配置される位置又は既存オブジェクトの位置をイベントオブジェクトと既存オブジェクトとが離れる位置に変更し、表示されたオブジェクトのユーザからの視認性や、例えば表示されたオブジェクトを直接選択する操作ユーザが行う場合の操作性を向上させることが可能となる。
【0122】
すなわち、端末20の位置情報を用いるビデオゲームにおいて、イベントオブジェクト(例えば目的地)と既存オブジェクト(例えばスポット)とが重なる場合に何れかをずらすことで操作性や視認性を向上させることが可能となる。また、端末20の位置情報を用いるビデオゲームにおいて、例えば端末20を携帯しているユーザが移動できずにオブジェクトのイベントの位置条件を満たすことができない場合でも当該オブジェクトをずらすことで位置条件を満たした状態にすることができ、結果としてユーザにビデオゲームを積極的にプレイさせる動機を与えることが可能となる。
【0123】
また、上述した第6の実施形態の例では、サーバ10Zが、ユーザとユーザが指定した仮想空間における位置を配置予定位置として特定し、特定した配置予定位置に基づいて、イベントオブジェクトが配置される位置又は既存オブジェクトの位置を変更し、配置予定位置をユーザが指定できない場合と比較して、ゲームバランスを維持しながら、オブジェクトの位置に対するユーザによる影響の与え方の自由度をより高くすることが可能となる。
【0124】
また、上述した第6の実施形態の例では、サーバ10Zが、既存オブジェクトの種類に基づいてイベントオブジェクト又は既存オブジェクトの何れの位置を変更するかを決定し、配置予定位置に基づいて、変更すると決定した位置を変更し、ビデオゲームに対するユーザの興味をより維持させることが可能となる。
【0125】
また、上述した第6の実施形態の例では、サーバ10Zが、イベントオブジェクトの種類と既存オブジェクトの種類とが所定の組合せの場合に、配置予定位置に基づいて、イベントオブジェクトが配置される位置又は既存オブジェクトの位置を変更し、ゲームバランスの維持を優先させながら、オブジェクトの位置にユーザが影響を与えることが可能となる。
【0126】
また、上述した第6の実施形態の例では特に言及していないが、サーバ10Zが、イベントオブジェクトが配置される位置又は既存オブジェクトの位置の変更結果を他ユーザに反映する構成としてもよい。ここで、他ユーザとは、端末20を使用する1のユーザとは異なるユーザであることを意味する。すなわち、他ユーザとは、それぞれのユーザにとって、自身とは異なるユーザを意味する。なお、他ユーザは、当該ユーザの端末20とは異なる端末201~20Nの何れかを使用することが好ましい。また、変更結果を他ユーザに反映するとは、他ユーザの端末20により表示されるゲーム画面に変更結果に基づく影響を与えることを意味する。このような構成とすることで、例えば他ユーザと共有した仮想空間に配置されたオブジェクトの位置に影響を与えた感覚をユーザに覚えさせることができ、結果として他ユーザとの一体感をユーザに覚えさせることが可能となる。
【0127】
また、上述した第6の実施形態の例では特に言及していないが、サーバ10Zが、イベントオブジェクトが配置されている状態で、さらにユーザ操作に基づいて他のイベントオブジェクトが選択された場合、当該他のイベントオブジェクトの配置予定位置を決定し、他のイベントオブジェクトの配置予定位置に基づいて、変更した位置に配置されている既存オブジェクトの位置をさらに変更する構成としてもよい。ここで、変更した位置に配置されている既存オブジェクトの位置をさらに変更するとは、イベントオブジェクトの配置予定位置に基づく既存オブジェクトの変更後の位置からさらに異なる位置に変更することを意味する。変更した位置に配置されている既存オブジェクトの位置をさらに変更するための構成は特に限定されないが、変更した位置を基準としてさらに変更した後の位置を決定することが好ましい。上述した例において、目的地の配置及び表示後、他の目的地の配置予定位置を、目的地の配置による変更後の位置のスポットに重なって表示される構成としてもよい。このような構成とすることで、ユーザがより自由に既存オブジェクトの位置を変更させることが可能となる。
【0128】
また、上述した第6の実施形態の例では特に言及していないが、サーバ10Zが、イベントオブジェクトの配置状態が解消された場合、当該イベントオブジェクトの配置により位置を変更した既存オブジェクトの位置を変更前の位置に復元する構成としてもよい。ここで、イベントオブジェクトの配置状態とは、イベントオブジェクトが仮想空間に配置されている状態を意味する。また、イベントオブジェクトの配置状態が解消されるとは、イベントオブジェクトが仮想空間に配置されている状態から配置されていない状態に変化することを意味する。イベントオブジェクトの配置状態が解消されるための構成は特に限定されないが、ユーザ操作に基づいてイベントオブジェクトの配置状態の解消が決定される構成が好ましい。なお、イベントオブジェクトの配置状態の解消は、さらなるユーザ操作に基づいて取り消されてもよい。すなわち、イベントオブジェクトは、配置状態が解消された場合に、さらなるユーザ操作に基づいて仮想空間に配置される構成としてもよい。上述した例において、ユーザが選択可能となり得るクエストが複数のクエスト毎に区分されたまとまり(章)で管理される構成としてもよい。当該構成では、ユーザが選択している章のクエストに対応する目的地は配置状態となり得て、ユーザが選択する章を変更した場合、変更前の章のクエストに対応する目的地の配置状態が解消される。このような構成とすることで、開発者が意図した既存オブジェクトの位置に戻すことができ、ゲームバランスをより容易に維持することが可能となる。
【0129】
また、上述した第6の実施形態の例では特に言及していないが、サーバ10Zが、イベントオブジェクトの配置状態が解消され、かつ所定の維持条件が満たされた場合には、当該イベントオブジェクトの配置により位置を変更した既存オブジェクトの位置を復元せずに変更した位置を維持する構成としてもよい。ここで、維持条件とは、イベントオブジェクトの配置状態が解消された場合でも変更した既存オブジェクトの位置を維持する条件を意味する。維持条件は特に限定されないが、ユーザ操作に基づいて充足される条件が好ましい。上述した例において、クエストをクリアすることで、当該クエストに対応する目的地の配置状態が解消された場合でも当該目的地の配置により位置が変更されたスポットを変更前の位置に復元せず変更後の位置を維持する構成としてもよい。このような構成とすることで、イベントオブジェクトの配置状態が解消された場合に一律に既存オブジェクトの位置を復元するのではなく、ユーザの趣向性向上とゲームバランスの維持とに関して柔軟に調整することが可能となる。
【0130】
以上に説明したように、本願の各実施形態により1または2以上の不足が解決される。なお、夫々の実施形態による効果は、非限定的な効果または効果の一例である。
【0131】
なお、上述した各実施形態では、複数のユーザ端末20,201~20Nとサーバ10は、自己が備える記憶装置に記憶されている各種制御プログラム(例えば、ビデオゲーム処理プログラム)に従って、上述した各種の処理を実行する。
【0132】
また、システム100の構成は上述した各実施形態の例として説明した構成に限定されず、例えばユーザ端末が実行する処理として説明した処理の一部または全部をサーバ10が実行する構成としてもよいし、サーバ10が実行する処理として説明した処理の一部または全部を複数のユーザ端末20,201~20Nの何れか(例えば、ユーザ端末20)が実行する構成としてもよい。また、サーバ10が備える記憶部の一部または全部を複数のユーザ端末20,201~20Nの何れかが備える構成としてもよい。すなわち、システム100におけるユーザ端末20とサーバ10のどちらか一方が備える機能の一部または全部を、他の一方が備える構成とされていてもよい。
【0133】
また、プログラムが、上述した各実施形態の例として説明した機能の一部または全部を、通信ネットワークを含まない装置単体に実現させる構成としてもよい。
【0134】
[付記]
上述した実施形態の説明は、少なくとも下記発明を、当該発明の属する分野における通常の知識を有する者がその実施をすることができるように記載した。
[1]
ユーザ操作に応じてユーザ端末の位置情報を用いたビデオゲームの進行を制御する機能をサーバに実現させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、
前記サーバに、
現実空間の地図情報に対応する仮想空間において、前記ユーザ操作に基づいて選択されたイベントに対応するイベントオブジェクトの配置予定位置を決定する決定機能と、
前記配置予定位置に基づいて、前記イベントオブジェクトが配置される位置又は既に配置されている既存オブジェクトの位置を変更する変更機能と、
前記ユーザ端末の位置と、前記イベントオブジェクトの位置又は前記既存オブジェクトの位置とに関する位置条件に従ってイベントを発生させる発生機能とを
実現させるためのビデオゲーム処理プログラム。
[2]
前記変更機能では、前記イベントオブジェクトの前記配置予定位置への表示により当該イベントオブジェクトと前記既存オブジェクトとが少なくとも一部重なって表示される状態が発生すると判定した場合、前記配置予定位置に基づいて、前記イベントオブジェクトが配置される位置又は前記既存オブジェクトの位置を前記イベントオブジェクトと前記既存オブジェクトとが離れる位置に変更する機能を
実現させるための[1]記載のビデオゲーム処理プログラム。
[3]
前記サーバに、前記ユーザが指定した前記仮想空間における位置を前記配置予定位置として特定する特定機能を実現させ、
前記変更機能では、特定された前記配置予定位置に基づいて、前記イベントオブジェクトが配置される位置又は前記既存オブジェクトの位置を変更する機能を
実現させるための[1]または[2]記載のビデオゲーム処理プログラム。
[4]
前記変更機能では、前記既存オブジェクトの種類に基づいて前記イベントオブジェクト又は前記既存オブジェクトの何れの位置を変更するかを決定し、前記配置予定位置に基づいて、変更すると決定した位置を変更する機能を
実現させるための[1]から[3]のうち何れかに記載のビデオゲーム処理プログラム。
[5]
前記変更機能では、前記イベントオブジェクトの種類と前記既存オブジェクトの種類とが所定の組合せの場合に、前記配置予定位置に基づいて、前記イベントオブジェクトが配置される位置又は前記既存オブジェクトの位置を変更する機能を
実現させるための[1]から[4]のうち何れかに記載のビデオゲーム処理プログラム
[6]
前記サーバに、前記イベントオブジェクトが配置される位置又は前記既存オブジェクトの位置の前記変更機能による変更結果を他ユーザに反映する反映機能を
実現させるための[1]から[5]のうち何れかに記載のビデオゲーム処理プログラム。
[7]
[1]から[6]のうち何れかに記載のビデオゲーム処理プログラムが前記サーバに実現させる機能のうち少なくとも1つの機能を、当該サーバと通信可能なユーザ端末に実現させるためのビデオゲーム処理プログラム。
[8]
通信ネットワークと、サーバと、ユーザ端末とを備え、ユーザ操作に応じてユーザ端末の位置情報を用いてビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理システムであって、
現実空間の地図情報に対応する仮想空間において、前記ユーザ操作に基づいて選択されたイベントに対応するイベントオブジェクトの配置予定位置を決定する決定手段と、
前記配置予定位置に基づいて、前記イベントオブジェクトが配置される位置又は既に配置されている既存オブジェクトの位置を変更する変更手段と、
前記ユーザ端末の位置と、前記イベントオブジェクトの位置又は前記既存オブジェクトの位置とに関する位置条件に従ってイベントを発生させる発生手段とを含む
ことを特徴とするビデオゲーム処理システム。
[9]
前記サーバが、前記決定手段と、前記変更手段と、前記発生手段とを含み、
前記ユーザ端末が、前記表示手段により前記所定のオブジェクトの様子を表すゲーム画面を表示装置の表示画面に出力する出力手段を含む
[8]記載のビデオゲーム処理システム。
[10]
ユーザ操作に応じてユーザ端末の位置情報を用いたビデオゲームの進行を制御する機能をサーバに実現させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、
前記ユーザ端末に、
現実空間の地図情報に対応する仮想空間において、前記ユーザ操作に基づいて選択されたイベントに対応するイベントオブジェクトの配置予定位置を決定する決定機能と、
前記配置予定位置に基づいて、前記イベントオブジェクトが配置される位置又は既に配置されている既存オブジェクトの位置を変更する変更機能と、
前記ユーザ端末の位置と、前記イベントオブジェクトの位置又は前記既存オブジェクトの位置とに関する位置条件に従ってイベントを発生させる発生機能とを
実現させるためのビデオゲーム処理プログラム。
[11]
ユーザ操作に応じてユーザ端末の位置情報を用いたビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理方法であって、
現実空間の地図情報に対応する仮想空間において、前記ユーザ操作に基づいて選択されたイベントに対応するイベントオブジェクトの配置予定位置を決定する決定処理と、
前記配置予定位置に基づいて、前記イベントオブジェクトが配置される位置又は既に配置されている既存オブジェクトの位置を変更する変更処理と、
前記ユーザ端末の位置と、前記イベントオブジェクトの位置又は前記既存オブジェクトの位置とに関する位置条件に従ってイベントを発生させる発生処理とを含む
ことを特徴とするビデオゲーム処理方法。
[12]
通信ネットワークと、サーバと、ユーザ端末とを備えるビデオゲーム処理システムが、ユーザ操作に応じてユーザ端末の位置情報を用いたビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理方法であって、
現実空間の地図情報に対応する仮想空間において、前記ユーザ操作に基づいて選択されたイベントに対応するイベントオブジェクトの配置予定位置を決定する決定処理と、
前記配置予定位置に基づいて、前記イベントオブジェクトが配置される位置又は既に配置されている既存オブジェクトの位置を変更する変更処理と、
前記ユーザ端末の位置と、前記イベントオブジェクトの位置又は前記既存オブジェクトの位置とに関する位置条件に従ってイベントを発生させる発生処理とを含む
ことを特徴とするビデオゲーム処理方法。
【産業上の利用可能性】
【0135】
本発明の実施形態の一つによれば、ビデオゲームに対するユーザの興味が低下することを防止することを可能にするのに有用である。
【符号の説明】
【0136】
10 ビデオゲーム処理サーバ
20,201~20N ユーザ端末
11 決定部
12 変更部
13 発生部
14 特定部
30 通信ネットワーク
100 ビデオゲーム処理システム

図1
図2
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