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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-10
(45)【発行日】2022-06-20
(54)【発明の名称】火災報知システム
(51)【国際特許分類】
   G08B 27/00 20060101AFI20220613BHJP
   G08B 17/00 20060101ALI20220613BHJP
   G08B 25/10 20060101ALI20220613BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20220613BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20220613BHJP
   H04W 4/02 20180101ALI20220613BHJP
   H04W 4/90 20180101ALI20220613BHJP
【FI】
G08B27/00 B
G08B17/00 F
G08B25/10 A
H04M11/00 301
H04Q9/00 311H
H04W4/02
H04W4/90
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020165457
(22)【出願日】2020-09-30
(62)【分割の表示】P 2016072726の分割
【原出願日】2016-03-31
(65)【公開番号】P2021022388
(43)【公開日】2021-02-18
【審査請求日】2020-09-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000233826
【氏名又は名称】能美防災株式会社
(72)【発明者】
【氏名】山口 靖夫
【審査官】望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-234534(JP,A)
【文献】特開2000-113357(JP,A)
【文献】特開2005-115796(JP,A)
【文献】国際公開第2015/129055(WO,A1)
【文献】特開2016-038755(JP,A)
【文献】特開2005-018452(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 17/00
19/00-31/00
H03J 9/00-9/06
H04B 7/24-7/26
H04M 3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
H04Q 9/00-9/16
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末と、
建物の各所に配置されアドレスを有し、前記携帯端末から送信される前記携帯端末固有番号を含むビーコン信号を受信する位置検出手段、または、建物の各所に配置されアドレスを有し、前記携帯端末にアドレスを含むビーコン信号を送信する設置位置情報送信手段と、
前記携帯端末固有番号および前記アドレスに基づき、前記携帯端末の位置を特定する携帯端末判定手段と、
前記携帯端末固有番号に基づき、各種支援情報を作成する支援情報部と、
を備え、
前記位置検出手段および前記設置位置情報送信手段は、火災受信手段と配線によって接続された火災感知手段または前記配線に接続された位置検出端末に備えられ、前記位置検出手段または設置位置情報送信手段は、前記配線を介して火災受信手段から電源の供給を受け、
前記支援情報部は、前記支援情報として地図情報を作成するものであって、前記特定された携帯端末の位置に対応させて、前記携帯端末を示すマークを追加した地図情報を作成する
ことを特徴とする支援システム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物内の在館者の位置を取得し、火災発生時に避難誘導や消火活動を行うための火災報知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
商業施設や工場等の建物には、火災を検知するための火災報知システムが設置されている。火災報知システムは、火災感知器が建物の各所に設置され、火災感知器と通信線を介して接続された火災受信機が火災感知器から火災信号を受信すると警報を発して火災の発生を知らせる。近年では、火災報知システムから火災発生場所の火災位置情報を取得するとともに、人の存在を感知するセンサを建物の各所に設置し、センサと通信線を介して接続された在館者位置情報システムから在館者位置情報を取得して、火災位置情報と在館者位置情報に基づき在館者を避難させたり、消防隊に指示を出したりするための支援情報を提供する防災支援システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-63485号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、建物内の在館者の位置を把握して、在館者を避難させたり、消防隊に指示を出したりするための支援情報を提供することができる火災報知システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る支援システムは、建物の各所に配置されアドレスを有し、前記携帯端末から送信される前記携帯端末固有番号を含むビーコン信号を受信する位置検出手段、または、建物の各所に配置されアドレスを有し、前記携帯端末にアドレスを含むビーコン信号を送信する設置位置情報送信手段と、前記携帯端末固有番号および前記アドレスに基づき、前記携帯端末の位置を特定する携帯端末判定手段と、前記携帯端末固有番号に基づき、各種支援情報を作成する支援情報部と、を備え、前記位置検出手段および前記設置位置情報送信手段は、火災受信手段と配線によって接続された火災感知手段または前記配線に接続された位置検出端末に備えられ、前記位置検出手段または設置位置情報送信手段は、前記配線を介して火災受信手段から電源の供給を受け、前記支援情報部は、前記支援情報として地図情報を作成するものであって、前記特定された携帯端末の位置に対応させて、前記携帯端末を示すマークを追加した地図情報を作成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、建物内の在館者の位置を把握して支援情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態1に係る火災報知システムの概略構成図である。
図2】本発明の実施の形態1に係る火災報知システムの動作を示すフローチャート図である。
図3】本発明の実施の形態1に係る表示部の表示を示す図である。
図4】本発明の実施の形態2に係る火災報知システムの概略構成図である。
図5】本発明の実施の形態3に係る火災報知システムの概略構成図である。
図6】本発明の実施の形態4に係る火災報知システムの概略構成図である。
図7】本発明の実施の形態4の変形例に係る火災報知システムの概略構成図である。
図8】本発明の実施の形態5に係る火災報知システムの概略構成図である。
図9】本発明の実施の形態5に係る火災報知システムの動作を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1について図面に基づき説明する。
【0010】
図1は、本発明の実施の形態1に係る火災報知システム1の一例を示す概略構成図である。
【0011】
火災報知システム1は、建物(例えば、ホテル、マンションなどの集合住宅、オフィスビル、商業施設など)の各部屋等に設置される複数の火災感知手段である火災感知器30と、火災感知器30の火災検出結果に基づいた警報を行う火災受信手段である火災受信機10とが、配線70によって接続されている。さらに火災報知システム1には、火災受信機10とインターネット回線網等の外部ネットワークNWを介して接続される支援手段である支援装置100が接続されている。火災報知システム1の配線70は、グランド線71とプラス線72のペア線からなり、火災受信機10から火災感知器30に電源を供給する電源線であるとともに、火災受信機10と火災感知器30の間で通信を行うための通信線となっている。配線70には、火災受信機10からの命令によりベルを鳴動させたり、防排煙機器を動作させたりする図示しない中継器やその他の端末機器も接続されている。
(火災受信機の構成)
火災受信手段である火災受信機10は、端末情報部11、受信機通信部12、火災判定部13、表示部14、電池15および外部通信部16を備える。
【0012】
端末情報部11は、建物に設置される複数の火災感知器30の個々に付与されているアドレスと、火災感知器30の設置場所等の情報がアドレスに関連付けて火災感知器情報として格納する端末データベースを有する。端末データベースには、火災感知器30の情報の他に中継器やその他の端末機器の情報も格納されている。
【0013】
受信機通信部12は、配線70を介して火災感知器30に電源を供給するとともに、端末情報部11に格納されている火災感知器30のアドレスに基づき火災感知器30と通信を行い情報の授受を行う。
【0014】
火災判定部13は、受信機通信部12によって収集された火災感知器30の情報に基づき、火災発生の判定を行う。火災判定部13は、火災感知器30が煙濃度や温度等により火災を判断するシステムにおいては、火災感知器30からの情報に火災情報が含まれているか否かで火災発生を判定し、火災感知器30が煙濃度や温度等のアナログ値を送信するシステムにおいては、アナログ値が所定の値を超えているか否かで火災発生を判定する。これ以降の説明においては、火災感知器30が火災を判断するものとして説明する。
【0015】
表示手段である表示部14は、図示しないLCD装置等の表示装置を有する。
【0016】
電池15は、非常用電源として用いられるもので、通常時は図示しない商用電源から電源供給を受けて動作している火災受信機10に停電時に電源を供給する。
【0017】
外部通信手段である外部通信部16は、外部ネットワークNWを介して、支援装置100と通信を行い情報の授受を行う。
(火災感知器の構成)
火災感知器30は、煙感知器、熱感知器、炎感知器等があるが、ここでは火災時に発生する煙を検知して火災を検出する光電式煙感知器を例に説明する。
【0018】
火災感知手段である火災感知器30は、感知器電源部31、感知器通信部32、火災検出部33、位置検出受信部51、支援情報送信部52を備える。
【0019】
電源手段である感知器電源部31は、配線70を介して火災受信機10から電源の供給を受け、所定の電圧である感知器動作電圧(例えば10V)に電圧を変換して火災感知器30の各部に供給する。
【0020】
情報送信手段である感知器通信部32は、アドレスを格納しており、配線70を介して、アドレスに基づき火災受信機10と通信を行い情報の授受を行う。
【0021】
火災検出部33は、火災時に発生する煙を検知して火災を検出するものであり、図示しない発光部および受光部を有する。火災検出部33は、火災検出動作として発光部を所定時間毎に発光させ、煙が存在する場合に散乱される光を受光部が所定の光量を超えて受光したときに火災として検出する。
【0022】
位置検出手段である位置検出受信部51は、携帯端末90からBluetooth(登録商標)やZigBee(登録商標)等の近距離無線通信で送信される携帯端末固有番号等を含むビーコン信号を受信する。
【0023】
支援情報送信部52は、火災受信機10から送信される支援情報を支援情報信号として携帯端末90に向けてBluetooth(登録商標)やZigBee(登録商標)等の近距離無線通信で送信する。近距離無線通信での送信は、複数の電波強度(例えば電波強度大、電波強度中、電波強度小)で行い、その電波強度の情報を支援情報信号に含める。
(支援装置の構成)
支援手段である支援装置100は、支援装置通信部101、端末情報部102、携帯端末判定部103および支援情報部104を備える。
【0024】
支援装置通信部101は、外部ネットワークNWを介して火災受信機10と通信を行い情報の授受を行う。
【0025】
端末情報部102は、火災受信機10の端末情報部11と同様に建物に設置される複数の火災感知器30の個々に付与されているアドレスと、火災感知器30の設置場所等の情報がアドレスに関連付けて火災感知器情報として格納する端末データベースを有する。なお、複数の火災受信機10の端末データベースを火災受信機10の個々を識別する火災受信機固有番号とともに格納するようにしてもよい。また、火災受信機10の端末情報部11に格納されている端末データベースを、外部ネットワークNWを介して収集して、端末情報部102に格納するようにしてもよい。
【0026】
携帯端末判定手段である携帯端末判定部103は、火災受信機10から受信した、火災受信機10の受信機通信部12によって収集された火災感知器30の情報に基づき、在館者が携帯する携帯電話、タブレット端末や所定のコード信号や個別のID信号を送信する電波発信機(いわゆるビーコン送信機)等の携帯端末90が、どのアドレスの火災感知器30によって検出されたか判定する。
【0027】
支援情報部104は、避難誘導のための情報や、消防隊の消火活動を支援するための支援情報を作成する。また、支援情報部104には、消防隊の隊員が所持する携帯端末90を識別するための消防隊員識別情報や建物の関係者が所持する携帯端末90を識別するための関係者識別情報が記録されている。消防隊員識別情報や関係者識別情報としては、例えば携帯端末90に付与されている個体識別番号や製造番号あるいは電話番号等の一意的に付与されている携帯端末固有番号を利用することができる。
(火災受信機と火災感知器の通信)
ここで、火災受信機10と火災感知器30の通信の一例について説明する、受信機通信部12は、配線70に電源を供給し、グランド線71とプラス線72の間の線間電圧を24Vにする。受信機通信部12は、プラス線72の電圧を降下させて、配線70の線間電圧を所定時間15V以下に低下させるパルスを発生させ、15V以上であればパルス「0」、15V以下であれば「1」とするパルスの組み合わせにより火災感知器30に通信信号を送信する。また、受信機通信部12は、通信信号の送信を行っていないとき、配線70の線間電圧を測定して、線間電圧が15V以上の場合にはパルス「0」を15V以下の場合にはパルス「1」と判断し、パルスの組み合わせにより火災感知器30から送信された通信信号を受信する。
【0028】
感知器通信部32は、受信機通信部12と同様に、配線70の線間電圧を変動させて、パルスを組み合わせて火災受信機10に通信信号を送信し、線間電圧を測定することにより、火災受信機10から送信された通信信号を受信する。
(火災報知システム1の動作)
次に図2に基づき本実施の形態1に係る火災報知システム1の動作について説明する。図2において破線によって分割された左側が支援装置100の動作を示し、中央が火災受信機10の動作を示し、右側が火災感知器30の動作を示す。
【0029】
火災受信手段である火災受信機10は、商用電源から電源が供給されると動作を開始し(SJ01)、受信機通信部12が配線70に電圧を出力して電源を供給し(SJ02)、火災感知手段である火災感知器30に電源が供給される。
【0030】
火災感知器30は、電源が供給されると電源手段である感知器電源部31が感知器動作電圧に電圧を変換し、感知器通信部32および火災検出部33に電源を供給する(SK03)。電源が供給されると火災検出部33は、火災検出動作を開始する(SK04)。図2には詳細に示さないが火災検出部33は、火災検出動作を開始すると所定時間毎に火災が発生していないかの検出動作を繰り返している。
【0031】
受信機通信部12は、配線70に接続されている全ての火災感知器30をアドレスで識別して火災を検出しているか等の状態情報を収集するため、火災感知器30に状態情報収集の信号を送信する(SJ05)。
【0032】
感知器通信部32が状態情報収集の信号を受信すると(SK06)、火災検出部33が火災検出動作で火災を検出している火災検出中であるか判定する(SK07)。ステップSK07で、火災検出中である場合は、火災受信機10から後述する火災発生中の通知を受信していないか判定する(SK08)。感知器通信部32は、ステップSK08で火災発生中の通知を受信していない場合に、状態情報として火災信号をそのまま送信し、火災発生中の通知を受信している場合に、状態情報として後述する携帯端末90の携帯端末情報を付加して(SK09)、火災信号を送信する(SK10)。
【0033】
ステップSK07で、火災検出中でない場合は、火災受信機10から後述する火災発生中の通知を受信していないか判定する(SK11)。感知器通信部32は、ステップSK11で火災発生中の通知を受信していない場合に、状態情報として平常信号をそのまま送信し、火災発生中の通知を受信している場合に、状態情報として後述する携帯端末90の携帯端末情報を付加して(SK12)、平常信号を送信する(SK13)。受信機通信部12は、火災感知器30から状態情報を受信すると(SJ14)、火災判定部13が状態情報に火災信号が含まれているか、またそれが初の火災信号の受信かを判定する(SJ15)。火災判定部13がステップSJ15で初の火災信号受信と判定すると、端末情報部11に格納されている火災信号を送信した火災感知器30のアドレスに関連する情報に基づき、表示部14が火災表示を行うとともに図示しない音響部が鳴動して火災警報を行い(SJ16)、受信機通信部12が火災感知器30に火災発生中を送信する(SJ17)。
【0034】
感知器通信部32が火災発生中を受信すると(SK18)、電源手段である感知器電源部31が位置検出手段である位置検出受信部51および支援情報送信部52に電源を供給する(SK19)。位置検出受信部51は、電源が供給されると火災感知器30の近辺にいる在館者によって所持される携帯端末90からのビーコン信号の受信を開始する(SK20)。図2には詳細に示さないが、位置検出受信部51は、ビーコン信号の受信動作を開始すると、所定時間毎にビーコン信号の検出を繰り返し、検出したビーコン信号の電波強度の測定を行う。また、火災感知器30は、ビーコン信号の受信動作を開始すると、前述したステップSK09およびステップSK12の通り、ビーコン信号を受信している携帯端末90の携帯端末固有番号およびビーコン信号の電波強度を携帯端末情報として状態情報に付加して火災受信機10に送信する。
【0035】
火災受信機10は、ステップSJ15で初の火災信号受信ではない場合は、新たに火災を検出した火災感知器30がないか、携帯端末90の位置に変化がないかを判断し(SJ21)、変化がなければステップSJ05に戻り、変化がある場合には変化した状態情報を送信した火災感知器30のアドレスとともに、その火災感知器30の状態情報を火災報知情報として、外部通信部16により外部ネットワークNWを介して、支援装置100に送信する(SJ22)。
【0036】
ここで、火災感知器30がステップSK20でビーコン信号の受信動作を開始した後に最初に受信した状態情報には、それまでに含まれていなかった携帯端末情報が含まれるため、ステップSJ21で変化有りと判断される。そのため、外部通信部16は、火災報知情報を支援装置100に送信することとなる。
【0037】
支援装置100は、支援装置通信部101で火災報知情報を受信すると(SS23)、携帯端末判定部103が火災報知情報に含まれる携帯端末情報および火災感知器30のアドレスに基づき、端末情報部102の端末データベースを参照して携帯端末90の位置を特定する(SS24)。支援情報部104は、消火活動や避難が順調に行われるように、火災発生場所や携帯端末90の位置を分析して火災感知器30が設置されている場所に適した支援情報を作成する(SS25)。
【0038】
ここで、支援情報の一例として、支援情報が地図情報であるものとして、図3に基づき説明する。図3において、AD01~AD07は、建物の各場所に設置された火災感知器30を示し、01~07の数字が火災感知器30に付与されているアドレスを示す。また、T01~T08は携帯端末90を示し、01~08の数字が携帯端末固有番号を示す。なお、図3は、火災発生場所付近の建物の一部を示すものであり、実際には更に多くの火災感知器30が図3に示す建物の一部以外の場所に設置されている。
【0039】
図3(a)は、ステップSJ15で初の火災信号を受信したときの支援情報であり、ステップSS23で受信した火災報知情報には、火災信号を送信したAD05の火災感知器30の情報しか含まれていないため、AD05の火災感知器30が設置されている部屋で火災が発生していることを示す炎のマークを付加している。
【0040】
支援情報部104は、ステップSJ15で初の火災信号受信ではなく、ステップSJ21で状態情報に携帯端末情報が付加されていた場合に、火災の情報のみを表示していた図3(a)から、携帯端末90の位置を示すマークであるT01~T08を追加した図3(b)に支援情報を更新する。このとき、複数の火災感知器30で同じ携帯端末90(携帯端末固有番号が同じ)のビーコン信号を受信している場合は、一番強い電波強度の携帯端末情報を含む状態情報を送信した火災感知器30のマークの場所に携帯端末90の位置を示すマークを追加する。例えば図3においてAD06とAD07の火災感知器30の間には仕切りがないため、その間に存在する携帯端末90からのビーコン信号を両方の火災感知器30で受信する可能性がある。その場合に、電波強度の情報を用いることで、どちらの火災感知器30の近辺に携帯端末90が存在するのか判別することができる。
【0041】
また、支援情報部104は、支援情報部104に格納されている消防隊員識別情報や関係者識別情報に基づき消防隊員や関係者が所持する携帯端末90を示すマークの色を変えたり、形を変えたりして判別できるように支援情報を作成する。図3(b)では、T04が消防隊員、T05が関係者であることを示している。
【0042】
なお、図3(c)は、しばらく時間が経過して火災が広がり、新たに火災をAD07の火災感知器30が検出し、T02、T03、T05、T08の携帯端末90を所有する在館者が避難のためにAD06の火災感知器30の設置場所に移動し、T04の携帯端末90を所持する消防隊員がAD07の火災感知器30の設置場所に移動した状態の支援情報である。
【0043】
支援装置通信部101は、支援情報部104が作成した支援情報を外部ネットワークNWを介して火災受信機10に送信し(SS26)、火災受信機10は外部通信部16で支援情報を受信すると(SJ27)、受信機通信部12が支援情報を火災感知器30の設置場所にあわせたアドレスを指定して送信する(SJ28)。感知器通信部32が支援情報を受信すると(SK29)、支援情報送信部52が携帯端末90に向けて支援情報信号を送信する(SK30)。支援情報信号を受信した携帯端末90は、支援情報に基づき避難情報を表示することができる。支援情報には、消防隊員識別情報や関係者識別情報が含まれており、その情報を持つ携帯端末90では、一般の人の携帯端末90とは異なる消火活動に役立つ情報を表示することもできる。また、携帯端末90は、複数の火災感知器30から支援情報信号を受信した場合は、支援情報信号に含まれる電波強度の情報が一番大きい火災感知器30、つまり一番近い火災感知器30から受信した支援情報を表示することもできる。
【0044】
なお、支援情報は、火災発生場所の位置に応じた幾つかのパターンを用意しておき、選択するようにしてもよいし、全携帯端末90に同一の情報として支援情報信号を1つの電波強度のみで送信してもよい。また、支援情報は、文字のみによるものでもよい。
【0045】
火災感知器30は、ステップSK18で火災発生中を受信したとき、支援情報送信部52からビーコン信号の送信命令を送信して、携帯端末90にビーコン信号を強制的に送信させるようにしてもよい。
【0046】
火災受信機10でステップSJ21の火災感知器30から収集した状態情報に変化があったかを判定することなく、火災受信機10から支援装置100に火災報知情報を送信して、支援装置100で火災報知情報に変化があったかを判断し、支援情報を更新するようにしてもよい。
【0047】
支援装置100からの支援情報をステップSJ27~ステップSK30のように火災受信機10および火災感知器30を経由して携帯端末90に送信するのではなく、支援装置100から外部ネットワークNWを介して、携帯端末固有情報を指定して直接携帯端末90に送信するようにしてもよい。
【0048】
また、支援情報を、外部ネットワークNWを通じて消防署や外部の防災センターで表示するようにしてもよい。
【0049】
また、火災感知器30は、火災受信機10から電源を受けた当初から位置検出受信部51に電源を供給し、火災が発生していないときにも在館者の位置情報を取得するようにしてもよい。
【0050】
また、支援情報部104に携帯端末固有番号に関連付けて人の名前や電話番号等を格納し、図3においてT01のような記号に代えて名前や電話番号等を表示したり、携帯端末90のマークをタッチしたときに名前や電話番号等が表示されるようにしたりしてもよい。さらに、インターネット回線等を通じて外部のデータベース等から携帯端末固有番号に基づき情報を取得して、人の名前等を表示するようにしてもよい。
【0051】
また、支援情報部104は、携帯端末90からのビーコン信号に消防隊員や建物の関係者等の一般の人と区別する識別コードが含まれる場合に、消防隊員識別情報や関係者識別情報に登録するようにしてもよい。
【0052】
また、位置検出受信部51は、携帯端末90から全携帯端末に共通の携帯端末であることを示す情報のみを含むビーコン信号を受信して、携帯端末90が付近に存在することのみを検出するようにしてもよい。
【0053】
また、ビーコン信号として、火災感知器30に格納されているソフトウェアを起動させる信号を送信し、ビーコン信号を受信して起動したソフトウェアにより火災感知器30から携帯端末90に通信開始を送信して、それを受信した携帯端末90と火災感知器30が通信を確立してから携帯端末情報等のやりとりするようにしてもよい。
【0054】
また、携帯端末情報として、MACアドレス等の一意的な識別子を送信し、支援装置100で識別子と位置情報を対応付けたデータベースに基づき携帯端末の位置を特定するようにしてもよい。
【0055】
上記のように、この実施の形態では、火災報知システム1は、火災感知手段である火災感知器30で近辺の携帯端末90を検出することで在館者の位置を検出できるため、火災報知システムの火災感知器30を接続する通信線と別に人の存在を感知するセンサ等を接続するための通信線を設ける必要がなく、メンテナンス性、施工性やコストに優れる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2について図面に基づき説明する、
図4は、本発明の実施の形態2に係る火災報知システム2の一例を示す概略構成図である。火災報知システム2は、実施の形態1で説明した火災報知システム1における火災感知器30から、携帯端末90とのやりとりを行う機能を独立させ、配線70に接続できるようにしたものである。本実施の形態2は、実施の形態1と共通する構成については同一符号を付して説明を省略する。
(位置検出端末の構成)
火災感知手段である火災感知器30Bは、感知器電源部31、感知器通信部32、火災検出部33を備える。
【0056】
位置検出端末50は、位置検出手段である位置検出受信部51、支援情報送信部52、位置検出用電源手段である位置検出電源部53および位置検出用情報送信手段である位置検出通信部54を備える。
【0057】
位置検出電源部53は、感知器電源部31と同様に配線70を介して火災受信機10から電源の供給を受け、所定の電圧である位置検出端末動作電圧(例えば10V)に電圧を変換して位置検出端末50の各部に供給する。
【0058】
位置検出通信部54は、感知器通信部32と同様にアドレスを格納しており、配線70を介して、アドレスに基づき火災受信機10と通信を行い情報の授受を行う。
【0059】
なお、火災受信手段である火災受信機10の端末情報部11は、火災感知器30の火災感知器情報に加え、位置検出端末50のアドレスおよびそのアドレスに関連する設置場所等の情報である位置検出端末情報が格納されている
(火災報知システム2の動作)
本実施の形態2に係る火災報知システム2の動作は、実施の形態1の火災警報システム1で、位置検出手段である位置検出受信部51および支援情報送信部52に関する感知器電源部31および感知器通信部32が行っていた動作を、位置検出用電源手段である位置検出電源部53および位置検出用情報送信手段である位置検出通信部54が行っている。以下に、位置検出電源部53および位置検出通信部54の具体的な動作について説明する。
【0060】
位置検出電源部53は、電源が供給されると位置検出通信部54に電源を供給し(SK03)、火災受信手段である火災受信機10から位置検出通信部54が火災発生中を受信すると位置検出受信部51および支援情報送信部52に電源を供給する(SK19)。
【0061】
位置検出通信部54は、状態情報収集の信号を受信すると(SK06)、火災受信機10に携帯端末90の情報を状態情報として送信する(SK10またはSK13)。
【0062】
上記のように、火災報知システム2は、火災受信機10と火災感知手段である火災感知器30を接続する配線70に位置検出端末50を接続するだけで在館者の位置を検出できるため、火災報知システムの火災感知器30を接続する通信線と別に人の存在を感知するセンサを接続するための通信線を設ける必要がなく、メンテナンス性や施工性やコストに優れる。とくに、既存の火災報知システムの設備を利用して、位置検出端末50等を配置するような設置方式が取れる。
【0063】
なお、本実施の形態2と実施の形態1を組み合わせてもよく、消防法により設置場所が規定されている火災感知器30では携帯端末90とやりとりができない場所に、位置検出端末50を補助のために設置することができる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3について図面に基づき説明する、
図5は、本発明の実施の形態3に係る火災報知システム3の一例を示す概略構成図である。火災報知システム3は、実施の形態2で説明した火災報知システム2における配線70をペア線から3線としたものである。本実施の形態3は、実施の形態2と共通する構成については同一符号を付して説明を省略する。
【0064】
配線70Aは、グランド線71、プラス線72A、通信線73を有する。
【0065】
火災受信手段である火災受信機10Aは、端末情報部11、受信機通信部12A、火災判定部13、表示部14、電池15および外部通信部16を備える。
【0066】
受信機通信部12Aは、グランド線71を基準として、プラス線72Aおよび通信線73に24Vの電源を供給する。そして、受信機通信部12Aは、通信線73の電圧を降下させて、グランド線71と通信線73の間の線間電圧を所定時間15V以下に低下させるパルスを発生させて、火災感知手段である火災感知器30Bおよび位置検出端末50と通信信号を送信する。
【0067】
感知器電源部31は、配線70Aのグランド線71およびプラス線72Aを介して、火災受信機10から電源の供給を受け、所定の電圧である感知器動作電圧(例えば10V)に電圧を変換して火災感知器30Bの各部に供給する。
【0068】
位置検出用電源手段である位置検出電源部53も同様に、配線70Aのグランド線71およびプラス線72Aを介して、火災受信機10から電源の供給を受け、所定の電圧である位置検出端末動作電圧(例えば10V)に電圧を変換して位置検出端末50の各部に供給する。
【0069】
感知器通信部32は、受信機通信部12Aと同様に通信線73の電圧を低下させるパルスを発生させて、火災受信機10に通信信号を送信する。位置検出用情報送信手段である位置検出通信部54についても同様である。
【0070】
つまり、火災報知システム3では、配線70Aを3線とし、火災感知器30および位置検出端末50が動作するための電源をプラス線72Aで供給し、火災受信機10と火災感知器30および位置検出端末50との間の通信を通信線73によって行うようにして、電源供給と通信を行う線を別としたものである。
【0071】
ここで、一般的な配線に生じる電圧降下について説明する。配線に機器が接続される場合、配線には配線抵抗があるため、配線では「機器の消費電流」×「配線抵抗」の電圧降下が生じる。そのため、機器には、「供給元の電圧」-「電圧降下分」の電圧が電源として供給されることとなる。機器の消費電流が一定の場合、配線が長くなると配線抵抗が増加して、機器に供給される電圧が低下する。配線の長さが変わらない場合、接続する機器を増やすと機器の消費電流が増加して、機器に供給される電圧が低下する。
【0072】
火災報知システム2においては、グランド線71およびプラス線72のペア線からなる配線70で、火災感知器30Bおよび位置検出端末50に電源を供給するとともに通信を行っていたが、配線70による電圧降下が大きくなると、火災感知器30Bおよび位置検出端末50に供給される電圧がパルスの「0」と「1」を判別する電圧以下となると、通信ができなくなってしまう。
【0073】
それに対して、火災報知システム3は、配線70Aを3線としたため、火災感知器30Bおよび位置検出端末50が動作するための電源を供給するプラス線72Aで電圧降下が生じても、通信線73では電圧降下が生じないため、ペア線の配線70よりも、配線距離を延ばしたり、火災感知器30Bおよび位置検出端末50の接続数を多くしたりすることができる。
【0074】
なお、実施の形態1の配線70を3線の配線70Aにしてもよく、同様の効果を得ることができる。
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4について図面に基づき説明する、
図6は、本発明の実施の形態4に係る火災報知システム4の一例を示す概略構成図である。火災報知システム4は、実施の形態2で説明した火災報知システム2における一対のペア線からなる配線70を2対のペア線からなる配線70Bとし、火災感知手段である火災感知器30Bおよび位置検出端末50を別のペア線に接続したものである。本実施の形態4は、実施の形態2と共通する構成については同一符号を付して説明を省略する。
【0075】
配線70は、グランド線71、プラス線72からなる第1ペア線と、グランド線71B、プラス線72Bからなる第2ペア線を有する。
【0076】
火災受信機手段である火災受信機10Bは、端末情報部11、受信機通信部12B、火災判定部13、表示部14、電池15、外部通信部16および位置情報通信部17を備える。
【0077】
受信機通信部12Bは、配線70のグランド線71およびプラス線72を介して、火災感知器30Bに電源を供給するとともに通信を行う。
【0078】
位置情報通信部17は、配線70のグランド線71Bおよびプラス線72Bを介して、位置検出端末50に電源を供給するとともに通信を行う。
(火災報知システム4の動作)
本実施の形態4に係る火災報知システム4の動作は、実施の形態2の火災報知システム2の受信機通信部12が行っていた動作のうち、位置検出端末50への電源供給および通信を位置情報通信部17が行うほかは、火災報知システム2同様である。
【0079】
なお、位置情報通信部17は、火災発生中にのみ配線70Bのグランド線71Bおよびプラス線72Bに電源を供給し、位置検出端末50と通信を行うようにしてもよい。
【0080】
上記のように、火災報知システム4は、受信機通信部12Bで火災感知器30Bと通信を行い、位置情報通信部17で位置検出情報端末50と通信を行うので、新たなる火災と、携帯端末90の位置を別々に収集できるため、情報の収集を早く行うことができる。
【0081】
なお、配線70Bのグランド線71および71Bを、図7の様に共通の1本のグランド線71Cとした配線70Cとしても同様の効果を得ることができる。
【0082】
また、配線70Bの第1ペア線と第2ペア線を別々の配線としてもよい。
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5について図面に基づき説明する、
図8は、本発明の実施の形態5に係る火災報知システム5の一例を示す概略構成図である。実施の形態1おいては、携帯端末90からのビーコン信号を受信する火災報知システムついて説明したが、本実施の形態5の火災報知システム5は、火災感知器30Cからビーコン信号を送信するようにしたものである。本実施の形態5は、実施の形態1と共通する構成については同一符号を付して説明を省略する。
【0083】
火災感知手段である火災感知器30Cは、電源手段である感知器電源部31、感知器通信部32、火災検出部33、支援情報送信部52および設置位置情報送信手段である設置情報送信部55を備える。
【0084】
設置情報送信部55は、火災感知器30Cのアドレスを設置位置情報として含むビーコン信号を送信する。なお、設置位置情報としては、火災感知器30Cの設置階や設置座標等の火災感知器30Cの位置を示す情報であってもよい。
【0085】
支援手段である支援装置100Cは、支援装置通信部101C、端末情報部102、携帯端末判定部103Cおよび支援情報部104を備える。
【0086】
支援装置通信部101Cは、外部ネットワークNWを介して火災受信機10および携帯端末90から送信される情報を受信し、火災受信機10および携帯端末90と通信を行い情報の授受を行う。
【0087】
携帯端末判定手段である携帯端末判定部103Cは、支援装置通信部101Cが携帯端末90から受信した情報に基づき、情報を発した携帯端末90がどの火災感知器30Cからのビーコン信号を検出したかを判定する。
(火災報知システム5の動作)
次に図9に基づき本実施の形態5に係る火災報知システム5の動作について説明する。図9において破線によって分割された左側が支援装置100Cの動作を示し、中央が火災受信手段である火災受信機10の動作を示し、右側が火災検出手段である火災感知器30Cの動作を示す。
【0088】
火災受信機10は、電源が供給されると動作を開始する(SJ01)。以降、ステップSK18までの動作は、図2に示す火災報知システム1の動作とほぼ同じであるため、説明を省略する。異なる点は、火災報知システム5は、携帯端末90から携帯端末固有番号を含むビーコン信号を受信することがないので、図2における火災感知器30による火災発生中受信済(SK08およびSK11)である場合に、状態情報に携帯端末90の情報を付加する(SK09およびSK12)動作を行わない。そのため、状態情報の送信であるステップSK10およびSK13では、状態情報に携帯端末90の情報は含まれない。
【0089】
感知器通信部32が火災発生中を受信すると(SK18)、感知器電源部31が設置情報送信部55および支援情報送信部52に電源供給を行う(SK50)。設置情報送信部55は、電源が供給されると感知器通信部32に格納されているアドレスを含むビーコン信号を送信する。なお、ビーコン信号は、Bluetooth(登録商標)やZigBee(登録商標)等の近距離無線通信で送信される(SK51)。携帯端末90は、ビーコン信号を受信すると、ビーコン信号に含まれるアドレスと携帯端末固有番号を含む携帯端末情報を、外部ネットワークNWを介して、支援装置100Cに送信する。支援装置100Cの支援装置通信部101Cは、外部ネットワークNWを介して携帯端末情報を受信する(SS52)。携帯端末判定部103Cは、受信した携帯端末情報に含まれる携帯端末固有番号と火災感知器30Cのアドレスに基づき、端末情報部102の端末データベースを参照して携帯端末90の位置を特定する(SS53)。
【0090】
火災受信機10は、ステップSJ15で初の火災信号受信ではない場合は、新たに火災を検出した火災感知器30Cがないかを判断し(SJ54)、変化がある場合には変化した状態情報を送信した火災感知器30Cのアドレスとともに、その火災感知器30Cの状態情報を火災報知情報として、外部通信部16により外部ネットワークNWを介して、支援装置100Cに送信する(SJ55)。支援装置100Cは、支援装置通信部101Cで火災報知情報を受信する(SS56)。ステップSJ54で変化がない場合は、ステップSS57に進む。
【0091】
支援情報部104は、受信した携帯端末情報および火災報知情報に変化がないか判断し(SS57)、変化がない場合はなにもせずステップSJ05に戻り、変化がある場合は、消火活動や避難が順調に行われるように、火災発生場所や携帯端末90の位置を分析して火災感知器30Cが設置されている場所に適した支援情報を作成する(SS25)。 火災報知システム5は、SS26~SK30まで、火災報知システム1と同様に動作するため説明を省略する。また、支援情報については、実施の形態1と同様とすることができるため説明を省略する。
【0092】
上記のように、火災報知システム5は、火災感知器30Cの個々を示すビーコン信号を送信するため、携帯端末90からの携帯端末情報に基づき、在館者の位置を把握出来るため、火災感知器30Cと別に人の存在を感知するセンサを接続するための通信線を設ける必要がなく、メンテナンス性、施工性やコストに優れる。
【0093】
なお、支援情報を、外部ネットワークNWを通じて消防署や外部の防災センター等の外部機器で表示するようにしてもよい。
【0094】
また、支援装置100Cに表示部を設けて支援情報の表示を行うようにしてもよい。さらに、支援情報部104に格納されている情報を外部機器に送信してもよい。また、支援情報部104で作成された支援情報をステップSJ27~ステップSK30のように火災受信機10および火災感知器30Cを経由して携帯端末90に送信するのではなく、支援装置100Cから外部ネットワークNWを介して、携帯端末固有情報を指定して直接携帯端末90に送信するようにしてもよい。
【0095】
また、ビーコン信号として、携帯端末90に格納されているソフトウェアを起動させる信号を送信し、ビーコン信号を受信して起動したソフトウェアにより携帯端末90から火災感知器30Cに通信開始を送信して、それを受信した火災感知器30Cと携帯端末90が通信を確立してから設置位置情報や火災報知情報をやりとりするようにしてもよい。
【0096】
また、設置位置情報として、MACアドレス等の一意的な識別子を送信し、支援装置100で識別子と位置情報を対応付けたデータベースに基づき携帯端末の位置を特定するようにしてもよい。
【0097】
また、火災報知システム5は、火災報知システム2のように、火災感知器30Cから支援情報送信部52および設置情報送信部55を位置検出端末として独立させてもよく、火災報知システム3および4のように配線70を3線式にしたり、2対のペア線にしたりしてもよい。
【符号の説明】
【0098】
1、2、3、4、5 火災報知システム、10、10A、10B、10C 火災受信機、11 端末情報部、12、12A、12B 受信機通信部、13 火災判定部、14 表示部、15 電池、16 外部通信部、17 位置情報通信部、30、30B、30C 火災感知器、31 感知器電源部、32 感知器通信部、33 火災検出部、50 位置検出端末、51 位置検出受信部、52 支援情報送信部、53 位置検出電源部、54 位置検出通信部、55 設置情報送信部、70、70A、70B、70C 配線、71、71B、71C グランド線、72、72A、72B プラス線、73 通信線、90 携帯端末、100、100C 支援装置、101、101C 支援装置通信部、102 端末情報部、103、103C 携帯端末判定部、104 支援情報部
図1
図2
図3
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図5
図6
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図9