(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-10
(45)【発行日】2022-06-20
(54)【発明の名称】空調用室内ユニット
(51)【国際特許分類】
F24F 1/0011 20190101AFI20220613BHJP
F24F 1/0063 20190101ALI20220613BHJP
F24F 13/20 20060101ALI20220613BHJP
F24F 5/00 20060101ALI20220613BHJP
F24F 1/0043 20190101ALI20220613BHJP
F24F 1/0073 20190101ALI20220613BHJP
F24F 13/28 20060101ALI20220613BHJP
【FI】
F24F1/0011
F24F1/0063
F24F1/0007 401C
F24F5/00 K
F24F1/0043
F24F1/0073
F24F13/28
(21)【出願番号】P 2020200969
(22)【出願日】2020-12-03
(62)【分割の表示】P 2019085812の分割
【原出願日】2017-02-16
【審査請求日】2020-12-23
(31)【優先権主張番号】P 2016027712
(32)【優先日】2016-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】505461072
【氏名又は名称】東芝キヤリア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】日野 尚宣
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 健
(72)【発明者】
【氏名】田辺 厚
(72)【発明者】
【氏名】寺崎 明
【審査官】町田 豊隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-038500(JP,A)
【文献】実開昭58-167819(JP,U)
【文献】特開2013-170744(JP,A)
【文献】特開2010-127516(JP,A)
【文献】特開2004-270960(JP,A)
【文献】特開2000-018646(JP,A)
【文献】特開2015-206510(JP,A)
【文献】特開昭64-014529(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0284185(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/0011
F24F 1/0063
F24F 13/20
F24F 5/00
F24F 1/0043
F24F 1/0073
F24F 13/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通孔が形成されたフロントパネルおよび吸込口が形成されたバックパネルを有する筐体と、
前記フロント
パネルの上端部と前記バックパネルの上部との間の隙間を覆うトップカバーと、
前記バックパネルの上部と前記フロントパネルの上端部との間に介在される仕切り板と、
前記筐体の底部に設けられるドレンパンと、
前記仕切り板により前記筐体の内部が区画されることで設けられる第1の収容室と、
前記第1の収容室の上部に位置し、前記トップカバーで覆われる第2の収容室と、
前記筐体の前記フロントパネルから前方に突出する状態で前記フロントパネルに支持され、その突出の先端に吹き出し口を有するとともに、前記通孔を通して前記筐体の内部に連通するダクト部と、
前記第1の収容室に
前記バックパネルに沿うように起立して収容され、
上端面が前記仕切り板に面し、下端面が前記ドレンパンで覆われており、前記上端面および前記下端面が前記バックパネルから前記フロントパネルの方向に進むに従い下向きに傾斜された熱交換器と、
前記第2の収容室に収容され、前記バックパネルに支持されるとともに、制御部を構成する電装品と、
前記ダクト部で覆われる状態で前記筐体の前記フロントパネルに支持されるとともに前記筐体の前記フロントパネルより前方側に配置され、前記熱交換器を通過した空気を前記通孔を通じて吸い込み前記吹き出し口に向けて送風する送風機と、
を具備した空調用室内ユニット。
【請求項2】
前記送風機から前記筐体の前方に向けて突出された筒状のアタッチメントと、前記アタッチメントに同軸状に支持され、前記アタッチメントから前記筐体の前方に向けて突出された筒状の通気レジスターと、をさらに備え、
前記ダクト部は、前記送風機、前記アタッチメントおよび前記通気レジスターを連続して覆うとともに、前記送風機、前記アタッチメントおよび前記通気レジスターとの間に前記筐体の前記フロントパネルに至る通風路を規定した外筒と、前記外筒の先端から前記外筒の径方向に沿う内側に向けて張り出し、前記通気レジスターを通過した空気の一部を前記通風路に導くガイド壁と、を有し、
前記通風路が臨む前記筐体の前記フロントパネルに、前記送風機の上流側で前記筐体の内部に連通する空気戻し孔が開口された請求項1に記載の空調用室内ユニット。
【請求項3】
前記通風路に面した前記外筒の内面および前記ガイド壁の内面が断熱材で覆われた請求項
2に記載の空調用室内ユニット。
【請求項4】
前記筐体の前記バックパネルの両側部から側方に張り出したブラケットを備える請求項1に記載の空調用室内ユニット。
【請求項5】
前記筐体は、基礎構造体の外周部に設けられたフレームに前記ブラケットを介して固定された請求項
4に記載の空調用室内ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、例えばスポット空調に好適する室内ユニットおよび当該室内ユニットを備えた空気調和装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば大規模な生産工場では、工場の建屋内に分散した作業エリアを局所的に冷・暖房する空気調和装置が用いられている。この種の空気調和装置は、温度や湿度が調整された空気を作業エリアに向けて吹き出す複数の室内ユニットを備えている。室内ユニットは、例えば建屋の骨格となる柱を取り囲むように、柱の外周部に設置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
各種の工作機械やクレーンが設置された工場では、工作機械やクレーンの作動に伴う振動が建屋の柱に伝わることがある。さらに、地震が発生した場合は、地面の振動が柱に伝わり、柱が強く揺すられるのを否めない。
【0005】
このため、柱に室内ユニットを設置するに当たっては、室内ユニットが振動に耐え得るような対策を講じることが必要となる。
【0006】
本発明の目的は、基礎構造体に室内ユニットをしっかりと固定することができ、室内ユニットの耐振強度を高めることができる空気調和装置を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の空調用室内ユニットは、通孔が形成されたフロントパネルおよび吸込口が形成されたバックパネルを有する筐体と;前記フロントパネルの上端部と前記バックパネルの上部との間の隙間を覆うトップカバーと;前記バックパネルの上部と前記フロントパネルの上端部との間に介在される仕切り板と;前記筐体の底部に設けられるドレンパンと;前記仕切り板により前記筐体の内部が区画されることで設けられる第1の収容室と;前記第1の収容室の上部に位置し、前記トップカバーで覆われる第2の収容室と;前記筐体の前記フロントパネルから前方に突出する状態で前記フロントパネルに支持され、その突出の先端に吹き出し口を有するとともに、前記通孔を通して前記筐体の内部に連通するダクト部と;前記第1の収容室に前記バックパネルに沿うように起立して収容され、上端面が前記仕切り板に面し、下端面が前記ドレンパンで覆われており、前記上端面および前記下端面が前記バックパネルから前記フロントパネルの方向に進むに従い下向きに傾斜された熱交換器と;前記第2の収容室に収容され、前記バックパネルに支持されるとともに、制御部を構成する電装品と;前記ダクト部で覆われる状態で前記筐体の前記フロントパネルに支持されるとともに前記筐体の前記フロントパネルより前方側に配置され、前記熱交換器を通過した空気を前記通孔を通じて吸い込み前記吹き出し口に向けて送風する送風機と;を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る空気調和装置の配管系統を示す回路図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態の室内ユニットを正面の方向から見た斜視図である。
【
図3】
図3は、室内ユニットを背面の方向から見た斜視図である。
【
図4】
図4は、室内ユニットの内部構造を分解して示す斜視図である。
【
図6】
図6は、室内ユニットから吹き出す空気の流れ方向を示す室内ユニットの断面図である。
【
図7】
図7は、第1の実施形態に係る空気調和装置の側面図である。
【
図8】
図8は、第1の実施形態に係る空気調和装置の斜視図である。
【
図9】
図9は、建屋の柱にフレームを介して第1ないし第4の室内機アッセンブリを設置した状態を示す平面図である。
【
図10】
図10は、建屋の柱にフレームを組み付けた状態を示す斜視図である。
【
図11】
図11は、建屋の柱にフレームの下部構造体を組み付けた状態を示す斜視図である。
【
図12】
図12は、下部構造体と上部構造体との連結箇所を拡大して示す斜視図である。
【
図13】
図13は、四台の室内ユニットをサブフレームで一体的に連結した第1の室内機アッセンブリの斜視図である。
【
図14】
図14は、サブフレームと室内ユニットとの位置関係を示す斜視図である。
【
図15】
図15は、フレーム、外装パネルおよびフィルタの相互の位置関係を分解して示す斜視図である。
【
図16】
図16は、フィルタ要素と外枠との相対的な位置関係を示す空気調和装置の斜視図である。
【
図17】
図17は、第1の実施形態の変形例に係る空気調和装置の側面図である。
【
図18】
図18は、第2の実施形態に係る空気調和装置の側面図である。
【
図19】
図19は、第2の実施形態に係る空気調和装置の斜視図である。
【
図20】
図20は、第2の実施形態において、フレームに取り付けられた第1ないし第4の室内機アッセンブリと柱との位置関係を示す空気調和装置の斜視図である。
【
図21】
図21は、建屋の柱にフレームを介して第1ないし第4の室内機アッセンブリを設置した状態を示す平面図である。
【
図22】
図22は、フレームの第1のユニット支持部に四台の室内ユニットを取り付けた状態を示す第1の室内機アッセンブリの斜視図である。
【
図23】
図23は、室内ユニット、外装パネル、第1の化粧パネルおよび第2の化粧パネルの位置関係を示す斜視図である。
【
図24】
図24は、室内ユニットから外れた柱の周囲に消火器、エアコンプレッサおよびリモートコントローラを配置した状態を示す斜視図である。
【
図25】
図25は、第3の実施形態に係る空気調和装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第1の実施形態]
以下、第1の実施形態について、
図1ないし
図16を参照して説明する。
【0010】
図1は、例えば生産工場、車両工場等のような大規模な空間の局所的な冷・暖房に用いる空気調和装置1の配管系統を示す回路図である。
図1に示すように、空気調和装置1は、室外機2および第1ないし第4の室内機アッセンブリ3a,3b,3c,3dを主要な要素として備えている。
【0011】
室外機2は、例えば工場の建屋4の外に据え付けられ、冷媒を圧縮する圧縮機、熱交換器およびアキュームレータのような各種の冷凍サイクル機器を収容している。第1ないし第4の室内機アッセンブリ3a,3b,3c,3dは、建屋4の内部の空調すべき作業エリアAに設置されている。第1ないし第4の室内機アッセンブリ3a,3b,3c,3dは、夫々四台の室内ユニット5を備えている。
【0012】
図1に示すように、室外機2に接続された液側主配管7Aは、分岐ヘッダ8Aを介して第1ないし第4の液側接続配管9a,9b,9c,9dに分岐されている。室外機2に接続されたガス側主配管7Bは、分岐ヘッダ8Bを介して第1ないし第4のガス側接続配管9e,9f,9g,9hに分岐されている。第1ないし第4の液側接続配管9a,9b,9c,9dおよび第1ないし第4のガス側接続配管9e,9f,9g,9hは、第1ないし第4の室内機アッセンブリ3a,3b,3c,3dに導かれている。
【0013】
第1ないし第4の液側接続配管9a,9b,9c,9dは、夫々液管10を備えている。第1ないし第4のガス側接続配管9e,9f,9g,9hは、夫々ガス管11を備えている。
【0014】
第1ないし第4の液側接続配管9a,9b,9c,9dの液管10は、三つのY形分岐ジョイント12a,12b,12cで分岐された四本の分岐液管10a,10b,10c,10dを有している。分岐液管10a,10b,10c,10dは、夫々室内ユニット5に接続されている。
【0015】
同様に、第1ないし第4のガス側接続配管9e,9f,9g,9hのガス管11は、三つのT形分岐ジョイント13a,13b,13cで分岐された四本の分岐ガス管11a,11b,11c,11dを有している。分岐ガス管11a,11b,11c,11dは、夫々室内ユニット5に接続されている。
【0016】
このため、室外機2で圧縮された冷媒は、第1ないし第4の室内機アッセンブリ3a,3b,3c,3dの室内ユニット5に分配されるとともに、室内ユニット5から吐出された冷媒が再び室外機2に戻されるようになっている。
【0017】
さらに、第1ないし第4の室内機アッセンブリ3a,3b,3c,3dは、夫々リモートコントローラ15a,15b,15c,15dを備えている。第1ないし第4の室内機アッセンブリ3a,3b,3c,3dでは、アッセンブリ毎にリモートコントローラ15a,15b,15c,15dにて室内ユニット5の運転/停止、温度設定、運転切り換え等の各種の操作が実行可能となっている。
【0018】
第1ないし第4の室内機アッセンブリ3a,3b,3c,3dの室内ユニット5は、互いに共通の構成を有している。そのため、本実施形態では、第1の室内機アッセンブリ3aの一つの室内ユニット5を代表して説明する。
【0019】
図2ないし
図6に示すように、室内ユニット5は、筐体20、空気熱交換器21、送風機22、制御部23およびダクト部24を主要な要素として備えている。筐体20は、奥行き寸法D、幅寸法Wおよび高さ寸法Hを有する四角い箱形の要素であって、例えば薄い鋼板により形成されている。筐体20の幅寸法Wおよび高さ寸法Hは、互いに同等であるとともに、奥行き寸法Dが幅寸法Wおよび高さ寸法Hよりも格段に小さく設定されている。したがって、筐体20は、偏平な形状を有している。
【0020】
筐体20は、ベース26、フロントカバー27、トップカバー28および仕切り板29を有している。ベース26は、起立されたバックパネル30と、バックパネル30の下端部に固定された皿状の底板31と、で構成されている。バックパネル30の略中央部には、四角い吸込口32が形成されている。底板31は、バックパネル30の下端部から筐体20の前方に向けて水平に突出されており、当該底板31の後端部にドレン口33が形成されている。ドレン口33は、筐体20の背後に突出されている。
【0021】
フロントカバー27は、フロントパネル34と、一対のサイドパネル35a,35bと、を有している。フロントパネル34は、筐体20の前面を構成する要素である。フロントパネル34は、バックパネル30と向かい合うとともに、フロントパネル34の略中央部には通孔36が形成されている。さらに、フロントパネル34の下端部は、底板31の前端部に複数のねじで固定されている。
【0022】
サイドパネル35a,35bは、フロントパネル34の側縁部からバックパネル30に向けて直角に折り返されている。サイドパネル35a,35bの後端部は、バックパネル30の両側部に複数のねじで固定されている。
【0023】
トップカバー28は、フロントパネル34の上端部およびサイドパネル35a,35bの上端部に複数のねじで固定されている。トップカバー28は、フロントカバー27の上端部とバックパネル30の上部との間の隙間を覆っている。
【0024】
仕切り板29は、バックパネル30の上部とフロントカバー27の上端部との間に介在されている。仕切り板29は、筐体20の内部を第1の収容室38と第2の収容室39との二室に区画している。
【0025】
第1の収容室38は、第2の収容室39よりも容積が大きいとともに、当該第1の収容室38に筐体20の吸込口32および通孔36が開口されている。筐体20の底板31は、第1の収容室38の底を構成しており、当該底板31がドレンパンとしての機能を兼ねている。
【0026】
第2の収容室39は、第1の収容室38の上方に位置され、トップカバー28で覆われている。言い換えると、ねじを緩めてトップカバー28のみを取り外すことで、第2の収容室39を筐体20の外に露出させることができる。
【0027】
さらに、バックパネル30の両側部に夫々ブラケット40a,40bが固定されている。ブラケット40a,40bは、筐体20の高さ方向に延びているとともに、筐体20の側方に張り出している。
【0028】
空気熱交換器21は、第1の収容室38に収容されている。空気熱交換器21は、フラットな板状であり、複数の冷却フィン43および冷媒が流れる複数の伝熱管44を備えている。冷却フィン43は、筐体20の高さ方向に延びた細長い四角い板であり、筐体20の幅方向に互いに間隔を存して一列に並んでいる。伝熱管44は、筐体20の高さ方向および奥行方向に間隔を存して並んでいるとともに、互いに直列に接続されて複数の流路(パス)を形成している。さらに、伝熱管44は、冷却フィン43に熱的に接続されている。
【0029】
本実施形態によると、空気熱交換器21は、第1の収容室38の内部でバックパネル30に沿うように起立されている。これにより、空気熱交換器21が吸込口32を通じて筐体20の背後に露出されている。
【0030】
図6に最もよく示されるように、空気熱交換器21は、上端面21aおよび下端面21bを有している。上端面21aは、第1の収容室38の内部で仕切り板29に面している。下端面21bは、ドレンパンとしての底板31で下方から覆われている。空気熱交換器21の上端面21aおよび下端面21bは、夫々バックパネル30からフロントパネル34の方向に進むに従い下向きに傾斜されている。
【0031】
この結果、空気熱交換器21の上端面21aに結露による水滴が生じた場合、水滴は上端面21aの傾斜に伴ってバックパネル30から遠ざかる方向に流れ易くなる。同様に、空気熱交換器21の表面に生じた水滴がドレン水となって空気熱交換器21に下端部に達した場合、ドレン水は、空気熱交換器21の下端面21bの傾斜に伴ってバックパネル30から遠ざかる方向に流れ易くなる。
【0032】
したがって、ドレン水がバックパネル30の吸込口32から筐体20の外に流出する、所謂水漏れを防止することができる。
【0033】
空気熱交換器21に接続された冷媒管45が第1の収容室38に収容されている。本実施形態では、第1の収容室38の内部に冷媒管45を収めるスペースを確保するため、空気熱交換器21がフロントカバー27のサイドパネル35a,35bの間で一方のサイドパネル35aの側に片寄っている。この結果、空気熱交換器21と他方のサイドパネル35bとの間にスペースが生じ、当該スペースに冷媒管45が集中して配置されている。
【0034】
図3に示すように、室内ユニット5は、冷媒管45に接続された一対の接続口46a,46bを有している。接続口46a,46bは、バックパネル30を貫通して筐体20の背後に突出されており、当該接続口46a,46bに分岐液管10aおよび分岐ガス管11aが接続されるようになっている。
【0035】
さらに、
図5に示すように、空気熱交換器21が一方のサイドパネル35aの側に片寄っていることに伴い、空気熱交換器21の中心C1は、フロントカバー27のフロントパネル34の中心C2からずれている。フロントパネル34に開口された通孔36の中心は、空気熱交換器21の中心C1の延長線上に位置されている。
【0036】
図4および
図5に示すように、送風機22は、筐体20のフロントパネル34の中央部に支持されている。送風機22は、円筒状のケーシング50と、ケーシング50の内部に収容された羽根車51と、を主要な要素として備えている。
【0037】
ケーシング50は、第1のフランジ部52および第2のフランジ部53を有している。第1のフランジ部52は、ケーシング50の一端においてケーシング50の径方向に沿う外側に張り出している。第2のフランジ部53は、ケーシング50の他端においてケーシング50の径方向に沿う外側に張り出している。第1のフランジ部52は、通孔36に対応した位置でフロントパネル34に複数のねじで固定されている。
【0038】
羽根車51は、空気熱交換器21の中心C1の延長線上に同軸状に位置するようにケーシング50に回転自在に支持されている。羽根車51のボス部55は、羽根車51を回転させるモータ56を内蔵している。
【0039】
制御部23は、空気熱交換器21および送風機22を制御するための要素であって、筐体20の第2の収容室39に収容されている。制御部23は、例えば制御基板、リアクタおよび複数の端子台のような各種の電装品58を含んでいる。電装品58は、バックパネル30の上部に支持されている。
【0040】
図4および
図6に示すように、円筒状のアタッチメント60が送風機22に取り付けられている。アタッチメント60は、一端にフランジ部61を有している。フランジ部61は、送風機22の第2のフランジ部53に複数のねじで固定されている。これにより、アタッチメント60は、送風機22のケーシング50から筐体20の前方に向けて同軸状に突出されている。
【0041】
円筒状の通気レジスター62がアタッチメント60に嵌め込まれている。通気レジスター62は、送風機22から送風される空気量を調整したり、送風方向を任意に変更するための要素であって、アタッチメント60から筐体20の前方に向けて同軸状に突出されている。
【0042】
図4および
図6に示すように、ダクト部24は、円筒状の外筒65を有している。外筒65は、送風機22、アタッチメント60および通気レジスター62を連続して覆う要素であって、その軸方向に沿う一端にフランジ部66が形成されている。フランジ部66は、外筒65の周方向に連続するとともに、外筒65の径方向に沿う外側に張り出している。フランジ部66は、複数のねじでフロントパネル34に取り外し可能に支持されている。
【0043】
外筒65は、送風機22、アタッチメント60および通気レジスター62を取り囲んだ状態でフロントパネル34から筐体20の前方に向けて水平に突出されている。
図6に示すように、外筒65の中心を通る軸線O1は、空気熱交換器21の中心C1と交差されている。
【0044】
外筒65の突出端は、通気レジスター62よりも筐体20の前方に位置されている。外筒65の突出端にガイド壁67が形成されている。ガイド壁67は、外筒65の周方向に連続するとともに、外筒65の径方向に沿う内側に向けて張り出している。ガイド壁67は、外筒65の突出端に円形の吹き出し口68を規定している。吹き出し口68は、通気レジスター62を介して送風機22と向かい合っている。
【0045】
図6に最もよく示されるように、ダクト部24の外筒65は、送風機22、アタッチメント60および通気レジスター62との間に通風路70を規定している。通風路70の一端は、筐体20のフロントパネル34に達している。通風路70の他端は、外筒65のガイド壁67によって閉じられている。
【0046】
通風路70の一端が臨む筐体20のフロントパネル34に複数の空気戻し孔71が形成されている。空気戻し孔71は、送風機22の周囲に位置されているとともに、筐体20の第1の収容室38に開口されている。そのため、通風路70の一端は、送風機22の上流側に連通されている。さらに、本実施形態では、通風路70に臨む外筒65の内面およびガイド壁67の内面が断熱材72で覆われている。
【0047】
図7ないし
図9に示すように、室内ユニット5を有する第1ないし第4の室内機アッセンブリ3a,3b,3c,3dは、建屋4の骨格となる既存の柱80の外周部に専用のフレーム81を用いて設置されている。
【0048】
柱80は、基礎構造体の一例であって、建屋4の床面Fから垂直に起立されている。本実施形態によると、柱80は、 フラットな第1ないし第4の外周面80a,80b,8
0c,80dを有する四角柱である。第1ないし第4の外周面80a,80b,80c,80dは、建屋4内の作業エリアAに臨むとともに、互いに異なる四方向を指向している。第1ないし第4の外周面80a,80b,80c,80dは、柱80の外周部を規定している。
【0049】
柱80に対する第1ないし第4の室内機アッセンブリ3a,3b,3c,3dの取り付け構造は互いに共通である。そのため、本実施形態では、第1の室内機アッセンブリ3aの取り付け構造を代表して説明し、第2ないし第4の室内機アッセンブリ3b,3c,3dの取り付け構造については同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
【0050】
図13および
図14に示すように、第1の室内機アッセンブリ3aを構成する四台の室内ユニット5は、梯子状のサブフレーム82を用いて柱80の高さ方向に沿って一体的に連結されている。サブフレーム82は、一対のフレーム要素83a,83bと、複数の梁84(
図14に一つのみを図示)と、を備えている。
【0051】
各フレーム要素83a,83bは、例えばL形の断面形状を有する山形鋼で構成され、互いに直交し合う一対の平板部85a,85bを有している。フレーム要素83a,83bは、柱80の高さ方向に真っ直ぐに延びている。
【0052】
梁84は、例えば溝形鋼で構成されている。梁84は、フレーム要素83a,83bの間に水平に架け渡されているとともに、柱80の高さ方向に間隔を存して配列されている。
【0053】
このため、フレーム要素83a,83bは、互いに間隔を存して平行に配置されており、フレーム要素83a,83bの一方の平板部85aが同一の面上に位置されている。さらに、フレーム要素83a,83bの間の間隔は、室内ユニット5の幅寸法Wと同等に設定されている。
【0054】
図13および
図14に示すように、室内ユニット5の筐体20の両側部から張り出すブラケット40a,40bがフレーム要素83a,83bの一方の平板部85aの前面に複数のねじで固定されている。これにより、四台の室内ユニット5が縦方向に一列に並んだ状態でサブフレーム82に取り外し可能に支持されている。本実施形態では、サブフレーム82の梁84は、隣り合う室内ユニット5の境界の背後に位置されている。
【0055】
図9ないし
図12に示すように、前記フレーム81は、下部構造体90と上部構造体91とで構成されている。下部構造体90は、四本の縦桟92a,92b,92c,92dと、一対の連結具93と、を備えている。
【0056】
各縦桟92a,92b,92c,92dは、例えばL形の断面形状を有する山形鋼で構成され、夫々互いに直交し合う平板部94a,94bを有している。縦桟92a,92b,92c,92dは、柱80の四つの角部に対応した位置で柱80に沿って起立している。
【0057】
図11および
図12に示すように、連結具93は、柱80と縦桟92a,92b,92c,92dとの間を連結する要素であって、柱80の高さ方向に間隔を存して配置されている。各連結具93は、一対の第1の横桟95a,95bと、一対の第2の横桟96a,96bと、第1ないし第4の外梁97a,97b,97c,97dと、を備えている。
【0058】
第1の横桟95a,95bは、例えばL形の断面形状を有する山形鋼で構成され、柱80を挟み込むように互いに間隔を存して水平に配置されている。一方の第1の横桟95aの中間部は、柱80の第1の外周面80aに接している。他方の第1の横桟95bの中間部は、柱80の第3の外周面80cに接している。第1の横桟95a,95bの両端部は、互いに平行な状態で柱80の周囲に張り出している。
【0059】
第2の横桟96a,96bは、例えばL形の断面形状を有する山形鋼で構成され、第1の横桟95a,95bと直交する方向から柱80を挟み込むように互いに間隔を存して水平に配置されている。一方の第2の横桟96aの中間部は、柱80の第2の外周面80bに接している。他方の第2の横桟96bの中間部は、柱80の第4の外周面80dに接している。第2の横桟96a,96bの両端部は、互いに平行な状態で柱80の周囲に張り出している。
【0060】
さらに、第1の横桟95a,95bの中間部と第2の横桟96a,96bの中間部とは、柱80の周囲で互いに交差されている。第1の横桟95a,95bと第2の横桟96a,96bとが交差する箇所は、夫々複数のねじ又はボルトのような締結具で結合されている。
【0061】
この結果、第1の横桟95a,95bおよび第2の横桟96a,96bは、柱80を取り囲んだ状態で格子状に組み合わされている。言い換えると、第1の横桟95a,95bおよび第2の横桟96a,96bは、柱80を互いに直交する二方向から挟み込んでいる。
【0062】
第1ないし第4の外梁97a,97b,97c,97dは、例えば溝形鋼で構成されている。第1の外梁97aは、縦桟92aの平板部94aと縦桟92bの平板部94aとの間に水平に架け渡されている。第1の外梁97aの中間部は、第2の横桟96a,96bの一端に複数のねじ又はボルトのような締結具で結合されている。
【0063】
第2の外梁97bは、縦桟92bの平板部94bと縦桟92cの平板部94bとの間に水平に架け渡されている。第2の外梁97bの中間部は、第1の横桟95a,95bの一端に複数のねじ又はボルトのような締結具で結合されている。
【0064】
第3の外梁97cは、縦桟92cの平板部94aと縦桟92dの平板部94aとの間に水平に架け渡されている。第3の外梁97cの中間部は、第2の横桟96a,96bの他端に複数のねじ又はボルトのような締結具で結合されている。
【0065】
第4の外梁97dは、縦桟92dの平板部94bと縦桟92aの平板部94bとの間に水平に架け渡されている。第4の外梁97dの中間部は、第1の横桟95a,95bの他端に複数のねじ又はボルトのような締結具で結合されている。
【0066】
したがって、第1ないし第4の外梁97a,97b,97c,97dは、柱80の第1ないし第4の外周面80a,80b,80c,80dから離れた位置で柱80を取り囲んでいるとともに、四本の縦桟92a,92b,92c,92dの間を一体的に連結している。
【0067】
この結果、四本の縦桟92a,92b,92c,92dは、柱80の角部から対角方向に離れた位置で建屋4の床面Fから垂直に起立した姿勢に保持されている。隣り合う縦桟92a,92b,92c,92dの間隔は、前記サブフレーム82のフレーム要素83a,83bの間隔と同等に設定されている。
【0068】
図10および
図12に示すように、フレーム81の上部構造体91は、基本的に下部構造体90と同様の構成を有している。すなわち、上部構造体91は、四本の縦桟100a,100b,100c,100dと、一対の連結具101と、を備えている。各縦桟100a,100b,100c,100dは、例えばL形の断面形状を有する山形鋼で構成され、夫々互いに直交し合う平板部102a,102bを有している。縦桟100a,100b,100c,100dは、柱80の四つの角部に対応した位置で柱80に沿って起立している。
【0069】
図10に示すように、連結具101は、柱80と縦桟100a,100b,100c,100dとの間を連結する要素であって、柱80の高さ方向に間隔を存して配置されている。各連結具101は、一対の第1の横桟104a,104bと、一対の第2の横桟105a,105bと、第1ないし第4の外梁106a,106b,106c,106dと、を備えている。
【0070】
第1の横桟104a,104bは、例えばL形の断面形状を有する山形鋼で構成され、柱80を挟み込むように互いに間隔を存して水平に配置されている。第1の横桟104aの中間部は、柱80の第1の外周面80aに接している。第1の横桟104bの中間部は、柱80の第3の外周面80cに接している。第1の横桟104a,104bの両端部は、互いに平行な状態で柱80の周囲に張り出している。
【0071】
第2の横桟105a,105bは、例えばL形の断面形状を有する山形鋼で構成され、第1の横桟104a,104bと直交する方向から柱80を挟み込むように互いに間隔を存して水平に配置されている。第2の横桟105aの中間部は、柱80の第2の外周面80bに接している。第2の横桟105bの中間部は、柱80の第4の外周面80dに接している。第2の横桟105a,105bの両端部は、互いに平行な状態で柱80の周囲に張り出している。
【0072】
さらに、第1の横桟104a,104bの中間部と第2の横桟105a,105bの中間部とは、柱80の周囲で互いに交差されている。第1の横桟104a,104bと第2の横桟105a,105bとが交差する箇所は、夫々複数のねじ又はボルトのような締結具で結合されている。
【0073】
この結果、第1の横桟104a,104bおよび第2の横桟105a,105bは、柱80を取り囲んだ状態で格子状に組み合わされている。言い換えると、第1の横桟104a,104bおよび第2の横桟105a,105bは、柱80を互いに直交する二方向から挟み込んでいる。
【0074】
第1ないし第4の外梁106a,106b,106c,106dは、例えば溝形鋼で構成されている。第1の外梁106aは、縦桟100aの平板部102aと縦桟100bの平板部102aとの間に水平に架け渡されている。第1の外梁106aの中間部は、第2の横桟105a,105bの一端に複数のねじ又はボルトのような締結具で結合されている。
【0075】
第2の外梁106bは、縦桟100bの平板部102bと縦桟100cの平板部102bとの間に水平に架け渡されている。第2の外梁106bの中間部は、第1の横桟104a,104bの一端に複数のねじ又はボルトのような締結具で結合されている。
【0076】
第3の外梁106cは、縦桟100cの平板部102aと縦桟100dの平板部102aとの間に水平に架け渡されている。第3の外梁106cの中間部は、第2の横桟105a,105bの他端に複数のねじ又はボルトのような締結具で結合されている。
【0077】
第4の外梁106dは、縦桟100dの平板部102bと縦桟100aの平板部102bとの間に水平に架け渡されている。第4の外梁106dの中間部は、第1の横桟104a,104bの他端に複数のねじ又はボルトのような締結具で結合されている。
【0078】
このため、第1ないし第4の外梁106a,106b,106c,106dは、柱80の第1ないし第4の外周面80a,80b,80c,80dから離れた位置で柱80を取り囲んでいるとともに、四本の縦桟100a,100b,100c,100dの間を一体的に連結している。
【0079】
したがって、四本の縦桟100a,100b,100c,100dは、柱80の角部から対角方向に離れた位置で垂直に起立した姿勢に保持されている。隣り合う縦桟100a,100b,100c,100dの間隔は、前記サブフレーム82のフレーム要素83a,83bの間隔と同等に設定されている。
【0080】
図10および
図12に示すように、上部構造体91の縦桟100a,100b,100c,100dの下端部は、下部構造体90の縦桟92a,92b,92c,92dの上端部に重ね合わされるとともに、複数のねじ又はボルトのような締結具で結合されている。
これにより、下部構造体90と上部構造体91とが一体構造物として組み立てられている。
【0081】
図7ないし
図9に示すように、縦方向に一列に並んだ四台の室内ユニット5を有する第1ないし第4の室内機アッセンブリ3a,3b,3c,3dは、フレーム81の上部構造体91に選択的に取り外し可能に支持されている。
【0082】
本実施形態によると、建屋4の床面Fから起立した下部構造体90の高さは、例えば2mであり、作業エリアAで活動する作業者Mの平均的な身長よりも高い。このため、第1ないし第4の室内機アッセンブリ3a,3b,3c,3dは、作業エリアAの真上に位置されている。
【0083】
第1の室内機アッセンブリ3aにあっては、サブフレーム82を構成するフレーム要素83a,83bの平板部85aが縦桟100a,100bの平板部102aに複数のねじ又はボルトのような締結具で固定されている。第1の室内機アッセンブリ3aを上部構造体91に固定した状態では、四台の室内ユニット5が柱80に沿って一列に並んでいるとともに、各室内ユニット5の筐体20が柱80の第1の外周面80aと向かい合っている。
【0084】
第2の室内機アッセンブリ3bにあっては、サブフレーム82を構成するフレーム要素83a,83bの平板部85aが縦桟100b,100cの平板部102bに複数のねじ又はボルトのような締結具で固定されている。第2の室内機アッセンブリ3bを上部構造体91に固定した状態では、四台の室内ユニット5が柱80に沿って一列に並んでいるとともに、各室内ユニット5の筐体20が柱80の第2の外周面80bと向かい合っている。
【0085】
第3の室内機アッセンブリ3cにあっては、サブフレーム82を構成するフレーム要素83a,83bの平板部85aが縦桟100c,100dの平板部102aに複数のねじ又はボルトのような締結具で固定されている。第3の室内機アッセンブリ3cを上部構造体91に固定した状態では、四台の室内ユニット5が柱80に沿って一列に並んでいるとともに、各室内ユニット5の筐体20が柱80の第3の外周面80cと向かい合っている。
【0086】
第4の室内機アッセンブリ3dにあっては、サブフレーム82を構成するフレーム要素83a,83bの平板部85aが縦桟100d,100aの平板部102bに複数のねじ又はボルトのような締結具で固定されている。第4の室内機アッセンブリ3dを上部構造体91に固定した状態では、四台の室内ユニット5が柱80に沿って一列に並んでいるとともに、各室内ユニット5の筐体20が柱80の第4の外周面80dと向かい合っている。
【0087】
図7ないし
図9に示すように、第1ないし第4の室内機アッセンブリ3a,3b,3c,3dが上部構造体91に固定された状態では、室内ユニット5のダクト部24が柱80を中心とする四方向に向けて水平に突出されている。
【0088】
それとともに、全ての室内ユニット5の筐体20と上部構造体91の縦桟100a,100b,100c,100dとは、互いに協働して柱80を周方向に連続して取り囲んでいる。このため、柱80の外周部と第1ないし第4の室内機アッセンブリ3a,3b,3c,3dとの間には、上部空間S1が形成されている。
【0089】
図7、
図8、
図15および
図16に示すように、第1ないし第4の室内機アッセンブリ3a,3b,3c,3dから外れたフレーム81の下部構造体90には、複数の外装パネル110および複数のフィルタ111が選択的に取り外し可能に支持されている。外装パネル110およびフィルタ111は、互いに同じ大きさの四角い板状の要素であって、互換性を有している。
【0090】
外装パネル110は、隣り合う縦桟92a,92b,92c,92dの間に跨るように複数のねじ又はボルトのような締結具で下部構造体90に取り付けられている。フィルタ111は、四角い外枠112と、空気を濾過するフィルタ要素113と、を備えている。
外枠112は、四つの辺を有するとともに、隣り合う縦桟92a,92b,92c,92dの間に跨るように複数のねじ又はボルトのような締結具で下部構造体90に取り付けられている。フィルタ要素113は、四角い板状に形成され、外枠112の一辺に形成されたスリット114を通じて外枠112に取り外し可能に支持されている。
【0091】
本実施形態では、外装パネル110は、下部構造体90、柱80の第2の外周面80b、第3の外周面80cおよび第4の外周面80dを覆い隠している。フィルタ111は、第1の室内機アッセンブリ3aの下方において柱80の高さ方向に並んでおり、柱80の第1の外周面80aを覆い隠している。
【0092】
この結果、外装パネル110およびフィルタ111は、互いに協働してフレーム81の下部構造体90を包囲している。建屋4の床面Fと外装パネル110との間の隙間および建屋4の床面Fとフィルタ111との間の隙間は、複数の巾木115によって塞がれている。
【0093】
外装パネル110およびフィルタ111を下部構造体90に取り付けた状態では、柱80の外周部と外装パネル110およびフィルタ111との間に下部空間S2が形成されている。下部空間S2は、上部空間S1に連通するとともに、当該上部空間S1と協働して吸込み通路117を規定している。吸込み通路117は、柱80を取り囲んでいる。全ての室内ユニット5の吸込口32は、吸込み通路117に開口されている。
【0094】
本実施形態によると、吸込み通路117の上端は、
図8に示す複数の閉塞板118によって塞がれている。閉塞板118は、上部構造体91の上端に取り付けられている。このため、吸込み通路117は、建屋4の内部の作業エリアAから区画されているとともに、フィルタ111を介して作業エリアAに通じている。
【0095】
図9に示すように、吸込み通路117は、全ての室内ユニット5に接続された第1ないし第4の液側接続配管9a,9b,9c,9dおよび第1ないし第4のガス側接続配管9e,9f,9g,9hを通す配管スペースとしての機能を兼ねている。各接続配管9a~9hは、閉塞板118を貫通して柱80の上部に導かれている。それとともに、全ての室内ユニット5のドレン口33に接続されたドレンパイプ119は、吸込み通路117を通して柱80の上部に導かれている。
【0096】
さらに、全ての室内ユニット5の制御部23に電気的に接続された配線121にしても、吸込み通路117を通して柱80の上部に導かれている。
【0097】
このような第1の実施形態において、第1ないし第4の室内機アッセンブリ3a,3b,3c,3dの室内ユニット5が作動を開始すると、室内ユニット5の送風機22が通孔36を通じて筐体20の第1の収容室38内の空気を吸い込む。これにより、筐体20の吸込口32に負圧が作用する。吸込口32は、柱80の周囲の吸込み通路117に開口されているので、建屋4の内部の空気がフィルタ111を経て吸込み通路117に吸い込まれる。フィルタ111は、フレーム81の下部構造体90に取り付けられているので、作業エリアAの床面Fの付近の空気が吸込み通路117に吸い込まれる。
【0098】
吸込み通路117から送風機22に吸い込まれる空気は、空気熱交換器21を通過する。空気熱交換器21は、送風機22に向かう空気と伝熱管44を流れる冷媒との熱交換により、送風機22に向かう空気を冷気もしくは暖気に換える。熱交換された空気は、通気レジスター62を通過した後、ダクト部24の吹き出し口68から作業者Mが活動する作業エリアAの上方の領域に向けて水平に吹き出す。
【0099】
このため、柱80の四方に向けて熱交換された空気を送出することができ、柱80の周囲に位置する作業エリアAの局所的な空調あるいは柱80を利用した成層空調が可能となる。
【0100】
本実施形態によると、第1ないし第4の室内機アッセンブリ3a,3b,3c,3dを構成する四台の室内ユニット5は、柱80の外周部を囲んだ状態でフレーム81に支持されている。フレーム81は、複数の形鋼を組み合わせることで一体化されているので、十分な機械的強度を有している。そのため、フレーム81を用いて全ての室内ユニット5の筐体20を柱80の外周部にしっかりと固定することができる。
【0101】
この結果、例えば建屋4の床面Fに据え付けられた各種の工作機械の振動、あるいは地震に伴う振動が柱80に伝わった場合でも、室内ユニット5に作用する振動を少なく抑えることができ、室内ユニット5の耐震強度を十分に確保できる。
【0102】
さらに、第1ないし第4の室内機アッセンブリ3a,3b,3c,3dごとに、四台の室内ユニット5がサブフレーム82を用いて一体構造物として組み立てられている。このため、第1ないし第4の室内機アッセンブリ3a,3b,3c,3dをフレーム81に組み付ける際の作業性が向上し、第1ないし第4の室内機アッセンブリ3a,3b,3c,3dを既存の柱80の外周部に容易に設置することができる。
【0103】
それとともに、サブフレーム82が一種の強度メンバーとしての機能を果たし、この点でも室内ユニット5の耐震強度を高める上で有効に寄与する。
【0104】
加えて、室内ユニット5を支えるフレーム81の上部構造体91は、第1の横桟104a,104bおよび第2の横桟105a,105bを用いて柱80を互いに直交する二方向から挟み込むことで柱80に組み付けられている。同様に、外装パネル110およびフィルタ111を支えるフレーム81の下部構造体90は、第1の横桟95a,95bおよび第2の横桟96a,96bで柱80を互いに直交する二方向から挟み込むことで柱80に組み付けられている。
【0105】
そのため、建屋4の既存の柱80に固定用の孔を開けたり、据え付け用のアンカーボルト等を敷設する必要はなく、既存の構築物に対する格別な工事が不要となる。この結果、フレーム81を既存の柱80の外周部に容易に組み付けることが可能となり、その分、工期を短縮して空気調和装置1の施工に要するコストを軽減できる。
【0106】
第1の実施形態によると、室内ユニット5の外郭となる箱状の筐体20は、フラットな空気熱交換器21および幾つかの電装品58を収容するに止まっており、送風機22は、筐体20の前面に支持されて専用のダクト部24で覆われている。
【0107】
このため、筐体20を可能な限り薄くコンパクトな形状とすることができ、筐体20の存在感を極力少なく抑えることができる。したがって、既存の柱80の外周部に室内ユニット5を無理なく設置できるとともに、柱80の周囲に室内ユニット5が存在するにも拘わらず、違和感が生じることもない。
【0108】
さらに、吹き出し口68を有するダクト部24が筐体20の前面から突出されているので、空調された空気の吹き出し方向が一目で分かる独創的な外観を有する室内ユニット5を提供することができる。よって、空気調和装置1のデザイン性を高める上でも好都合となる。
【0109】
加えて、ダクト部24を筐体20から取り外すことで、送風機22および通気レジスター62を筐体20の外に露出させることができる。したがって、筐体20をフレーム81から取り外したり、あるいは筐体20を分解することなく送風機22および通気レジスター62のメンテナンス作業を遂行することができ、作業性が良好となる。
【0110】
本実施形態によると、室内ユニット5のダクト部24は、送風機22、アタッチメント60および通気レジスター62を取り囲む外筒65を有している。外筒65は、送風機22、アタッチメント60および通気レジスター62との間に外気から区画された通風路70を規定している。
【0111】
この構成によれば、通気レジスター62を通過して吹き出し口68に向かう空気の一部は、
図6に破線の矢印で示すように、吹き出し口68を規定するガイド壁67により通風路70に案内される。通風路70は、筐体20の前面の空気戻し孔71を介して送風機22の上流側に通じているので、通風路70に案内された空気は、空気戻し孔71から第1の収容室38を経由して送風機22に吸い込まれる。
【0112】
これにより、通気レジスター62を通過した空気の一部が通風路70を通って筐体20の方向に戻る。言い換えると、通気レジスター62の外周面が空気熱交換器21で熱交換された空気の流れに直に晒されることになり、通気レジスター62の外周面と内周面との間の温度差が少なくなる。
【0113】
この結果、例えば高温・高湿の条件下において、冷房運転に伴う冷気が通気レジスター62を通過しても、通気レジスター62の外周面に結露が生じ難くなる。加えて、通風路70に臨む外筒65の内面およびガイド壁67の内面が断熱材72で覆われているので、外筒65の外周面に結露が生じるのを防止できる。
【0114】
よって、冷房運転時に吹き出し口68から水滴が吹き出す、所謂水飛びを防止できるとともに、外筒65から水滴が滴下する現象を回避することができる。
【0115】
本実施形態の室内ユニット5によると、
図5に示すように、筐体20の内部の空気熱交換器21の中心C1が筐体20のフロントパネル34の中心C2からずれている。送風機22の羽根車51およびダクト部24の外筒65は、空気熱交換器21の中心C1の延長線上に同軸状に位置されている。このため、空気熱交換器21を通過して送風機22に向かう空気の主流は、空気熱交換器21の中央部を通過することになる。
【0116】
したがって、空気熱交換器21と送風機22との位置関係が最適化され、空気熱交換器21の伝熱管44を流れる冷媒と空気との熱交換を効率よく行うことができる。
【0117】
[第1の実施形態の変形例]
図17は、第1の実施形態の変形例を開示している。
【0118】
変形例は、第1ないし第4の室内機アッセンブリ3a,3b,3c,3dをフレーム81の下部構造体90に取り付けた点が第1の実施形態と相違している。それ以外の構成は、第1の実施形態と同様である。
図17に示す例では、第3および第4の室内機アッセンブリ3c,3dは、第1および第2の室内機アッセンブリ3a,3bの背後に隠れているため図示されていない。
【0119】
図17に示すように、第1ないし第4の室内機アッセンブリ3a,3b,3c,3dは、第1の実施形態と同様にフレーム81を介して柱80の外周部に設置されている。第1ないし第4の室内機アッセンブリ3a,3b,3c,3dが有する四台の室内ユニット5は、建屋4の床面Fから縦方向に一列に並んでいる。
【0120】
そのため、第1ないし第4の室内機アッセンブリ3a,3b,3c,3dは、作業エリアA内の作業者Mと向かい合う位置にあり、室内ユニット5で空調された空気が吹き出し口68から床面Fと平行に吹き出すようになっている。
【0121】
さらに、複数の外装パネル110およびフィルタ111は、フレーム81の上部構造体91に取り付けられている。本実施形態の場合、フィルタ111は、第2の室内機アッセンブリ3bの真上において柱80の高さ方向に一列に並んでいる。
【0122】
このような第1の実施形態の変形例によると、第1ないし第4の室内機アッセンブリ3a,3b,3c,3dがフレーム81の下部構造体90に設置されているので、室内ユニット5で空調された空気を作業エリアAの低い位置から床面Fと平行に吹き出すことができる。この結果、床面Fの付近の高温の空気を建屋4の上方に向けて押し上げる成層空調が可能となり、作業エリアAの全体の温度差を少なく抑えることができる。
【0123】
第1の実施形態では、柱80を取り囲むように第1ないし第4の室内機アッセンブリ3a,3b,3c,3dを配置し、柱80を中心に四方向に空気を吹き出すようにしたが、これに限定されるものではない。
【0124】
例えば、柱80の第4の外周面80dが作業エリアAから外れている場合、室内ユニット5を柱80の第1ないし第3の外周面80a,80b,80cに対応する箇所に設置し、柱80の第4の外周面80dを外装パネル110又はフィルタ111の少なくともいずれか一方で覆うようにしてもよい。すなわち、柱80を中心に三方向に空気を吹き出すようにしてもよく、空気の吹き出し方向に特に制約はない。
【0125】
さらに、第1ないし第4の室内機アッセンブリ3a,3b,3c,3dをフレーム81の下部構造体90と上部構造体91との間に跨るようにフレーム81の高さ方向に沿う中間部に取り付けてもよい。この場合、外装パネル110およびフィルタ111は、第1ないし第4の室内機アッセンブリ3a,3b,3c,3dの上側又は下側の少なくともいずれか一方の任意な位置に配置することができる。
【0126】
言い換えると、外装パネル110およびフィルタ111の数および位置に特に制約はなく、外装パネル110およびフィルタ111の数や位置は、柱80の高さ方向に沿う室内ユニット5の位置あるいは空調すべき作業エリアAの環境に応じて適宜変更が可能である。
【0127】
第1の実施形態では、第1ないし第4の室内機アッセンブリ3a,3b,3c,3dが個々に四台の室内ユニット5を備えているが、室内ユニット5の台数は一台、二台、三台もしくは五台以上でもよく、室内ユニット5の台数に特に制約はない。
【0128】
それとともに、複数の室内ユニット5を一体的に連結するサブフレーム82は必須の要素ではなく、複数の室内ユニット5を一台ずつ個別にフレーム81に取り付けるようにしてもよい。
【0129】
[第2の実施形態]
図18ないし
図24は、第2の実施形態を開示している。
【0130】
第2の実施形態は、主に第1ないし第4の室内機アッセンブリ3a,3b,3c,3dを柱80に支持するフレーム200の構成が第1の実施形態と相違している。それ以外の構成は、基本的に第1の実施形態と同様である。そのため、第2の実施形態において、第1の実施形態と同一の構成部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
【0131】
図19ないし
図21に示すように、フレーム200は、四本の第1の縦桟201a,201b,201c,201d、複数の第1ないし第4の横桟202a,202b,202c,202dおよび第1ないし第4のユニット支持部203a,203b,203c,203dを主要な要素として備えている。
【0132】
第1の縦桟201a,201b,201c,201dは、例えばL形の断面形状を有する山形鋼で構成され、互いに直交し合う平板部205a,205bを有している。第1の縦桟201a,201b,201c,201dは、夫々平板部205a,205bの交差部を柱80の四つの角部に突き当てた状態で柱80に沿って起立している。
【0133】
第1ないし第4の横桟202a,202b,202c,202dは、例えば溝形鋼で構成されている。
図21に示すように、第1の横桟202aは、第1の縦桟201aの平板部205aと第2の縦桟201bの平板部205aとの間に水平に架け渡されているとともに、柱80の高さ方向に間隔を存して配列されている。第1の横桟202aは、柱80の第1の外周面80aに接している。
【0134】
第2の横桟202bは、第2の縦桟201bの平板部205bと第3の縦桟201cの平板部205bとの間に水平に架け渡されているとともに、柱80の高さ方向に間隔を存して配列されている。第2の横桟202bは、柱80の第2の外周面80bに接している。
【0135】
第3の横桟202cは、第3の縦桟201cの平板部205aと第4の縦桟201dの平板部205aとの間に水平に架け渡されているとともに、柱80の高さ方向に間隔を存して配列されている。第3の横桟202cは、柱80の第3の外周面80cに接している。
【0136】
第4の横桟202dは、第4の縦桟201dの平板部205bと第1の縦桟201aの平板部205bとの間に水平に架け渡されているとともに、柱80の高さ方向に間隔を存して配列されている。第4の横桟202dは、柱80の第4の外周面80dに接している。
【0137】
この結果、第1ないし第4の横桟202a,202b,202c,202dは、柱80の高さ方向に沿う複数個所において柱80の外周部を取り囲んだ状態で枠状に組み合わされている。言い換えると、第1ないし第4の横桟202a,202b,202c,202dは、互いに協働して柱80を互いに直交する二方向から挟み込んでいる。
【0138】
第1ないし第4のユニット支持部203a,203b,203c,203dは、第1ないし第4の室内機アッセンブリ3a,3b,3c,3dに対応する要素であって、互いに共通の構成を有している。そのため、本実施形態では、第1の室内機アッセンブリ3aに対応する第1のユニット支持部203aを代表して説明し、第2ないし第4のユニット支持部203b,203c,203dに関しては、第1のユニット支持部203aと同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
【0139】
図20ないし
図22に示すように、第1のユニット支持部203aは、一対の外桟207a,207b、複数の横梁208および複数の支持ステー209を主要な要素として備えている。
【0140】
外桟207a,207bは、例えばL形の断面形状を有する山形鋼で構成されている。横梁208は、例えば溝形鋼で構成されている。横梁208は、外桟207a,207bの間に水平に架け渡されているとともに、柱80の高さ方向に間隔を存して配列されている。そのため、横梁208で連結された外桟207a,207bは、互いに間隔を存して平行に配置されている。外桟207a,207bの間の間隔は、室内ユニット5の幅寸法Wと同等に設定されている。
【0141】
支持ステー209は、例えば溝形鋼で構成されている。支持ステー209は、第1の横桟202aの両端と第1のユニット支持部203aの横桟208の両端との間に架け渡されている。支持ステー209は、柱80の第1の外周面80aから遠ざかる方向に水平に延びている。
【0142】
支持ステー209の存在により、第1のユニット支持部203aが第1の縦桟201a、第2の縦桟201bおよび第1の横桟202aを介して柱80に連結されている。この結果、第1のユニット支持部203aの外桟207a,207bは、柱80の第1の外周面80aから離れた位置で第1の縦桟201aおよび第2の縦桟201bと向かい合うように柱80の高さ方向に沿って起立している。
【0143】
図20および
図21に示すように、第2のユニット支持部203bの縦桟207a,207bは、柱80の第2の外周面80bから離れた位置で、第2の縦桟201bおよび第3の縦桟201cと向かい合うように柱80の高さ方向に沿って起立している。
【0144】
第3のユニット支持部203cの縦桟207a,207bは、柱80の第3の外周面80cから離れた位置で、第3の縦桟201cおよび第4の縦桟201dと向かい合うように柱80の高さ方向に沿って起立している。
【0145】
さらに、第4のユニット支持部203dの縦桟207a,207bは、柱80の第4の外周面80dから離れた位置で、第4の縦桟201dおよび第1の縦桟201aと向かい合うように柱80の高さ方向に沿って起立している。
【0146】
図18および
図19に示すように、四台の室内ユニット5を有する第1ないし第4の室内機アッセンブリ3a,3b,3c,3dは、作業者Mの身長よりも高い位置でフレーム200の第1ないし第4のユニット支持部203a,203b,203c,203dに選択的に取り外し可能に支持されている。
【0147】
第1の室内機アッセンブリ3aにあっては、各室内ユニット5のブラケット40a,40bが第1のユニット支持部203aの外桟207a,207bに複数のねじ又はボルトのような締結具で固定されている。第1の室内機アッセンブリ3aを第1のユニット支持部203aに固定した状態では、四台の室内ユニット5が柱80の高さ方向に沿って一列に並んでいるとともに、各室内ユニット5の筐体20が柱80の第1の外周面80aと向かい合っている。
【0148】
第2の室内機アッセンブリ3bにあっては、各室内ユニット5のブラケット40a,40bが第2のユニット支持部203bの外桟207a,207bに複数のねじ又はボルトのような締結具で固定されている。第2の室内機アッセンブリ3bを第2のユニット支持部203bに固定した状態では、四台の室内ユニット5が柱80の高さ方向に沿って一列に並んでいるとともに、各室内ユニット5の筐体20が柱80の第2の外周面80bと向かい合っている。
【0149】
第3の室内機アッセンブリ3cにあっては、各室内ユニット5のブラケット40a,40bが第3のユニット支持部203cの外桟207a,207bに複数のねじ又はボルトのような締結具で固定されている。第3の室内機アッセンブリ3cを第3のユニット支持部203cに固定した状態では、四台の室内ユニット5が柱80の高さ方向に沿って一列に並んでいるとともに、各室内ユニット5の筐体20が柱80の第3の外周面80cと向かい合っている。
【0150】
第4の室内機アッセンブリ3dにあっては、各室内ユニット5のブラケット40a,40bが第4のユニット支持部203dの外桟207a,207bに複数のねじ又はボルトのような締結具で固定されている。第4の室内機アッセンブリ3dを第4のユニット支持部203dに固定した状態では、四台の室内ユニット5が柱80の高さ方向に沿って一列に並んでいるとともに、各室内ユニット5の筐体20が柱80の第4の外周面80dと向かい合っている。
【0151】
図18、
図19および
図21に示すように、第1ないし第4の室内機アッセンブリ3a,3b,3c,3dが柱80に設置された状態では、柱80の周方向に隣り合う室内ユニット5の間に夫々隙間Gが形成されている。隙間Gは、柱80の四つの角部と向かい合うように柱80の高さ方向に延びている。隙間Gは、室内ユニット5と柱80との間に作業者が手や工具を差し入れることができる程度の大きさを有している。
【0152】
隙間Gは、複数の第1の化粧パネル212によって覆われている。第1の化粧パネル212は、柱80の高さ方向に延びた細長い形状を有している。第1の化粧パネル212は、隣り合う第1ないし第4のユニット支持部203a,203b,203c,203dの外桟207a,207bに複数のねじ又はボルトのような締結具で固定されている。そのため、第1の化粧パネル212は、締結具を緩めることで自由に取り外しが可能となっている。
【0153】
図20および
図21に示すように、第1の化粧パネル212は、第1ないし第4の室内機アッセンブリ3a,3b,3c,3dと協働して柱80を周方向に連続して取り囲んでいる。このため、柱80の外周部と第1ないし第4の室内機アッセンブリ3a,3b,3c,3dとの間には、上部空間S1が形成されている。
【0154】
図19および
図20に示すように、フレーム200のうち第1ないし第4の室内機アッセンブリ3a,3b,3c,3dから外れた領域に複数の外装パネル110および図示しない複数のフィルタが選択的に取り外し可能に支持されている。外装パネル110およびフィルタは、第1ないし第4の室内機アッセンブリ3a,3b,3c,3dの下方に位置されている。
【0155】
外装パネル110は、隣り合う第1ないし第4のユニット支持部203a,203b,203c,203dの外桟207a,207bに複数のねじ又はボルトのような締結具で取り付けられている。フィルタは、第1の実施形態のフィルタ111と同様に、フィルタ要素を取り外し可能に支持する四角い外枠を備えている。外枠は、隣り合う第1ないし第4のユニット支持部203a,203b,203c,203dの外桟207a,207bに複数のねじ又はボルトのような締結具で取り付けられている。
【0156】
さらに、柱80の周方向に隣り合う外装パネル110の間の隙間、および柱80の周方向に隣り合う外装パネル110とフィルタとの間の隙間は、第2の化粧パネル213で覆われている。第2の化粧パネル213は、前記第1の化粧パネル212と同様に柱80の高さ方向に延びた細長い形状を有している。第2の化粧パネル213は、隣り合う第1ないし第4のユニット支持部203a,203b,203c,203dの外桟207a,207bに複数のねじ又はボルトのような締結具で固定されている。そのため、外装パネル110、フィルタおよび第2の化粧パネル213は、互いに協働してフレーム200および柱80を包囲している。
【0157】
外装パネル110、フィルタおよび第2の化粧パネル213を第1ないし第4のユニット支持部203a,203b,203c,203dの外桟207a,207bに取り付けた状態では、柱80の外周部と外装パネル110、フィルタおよび第2の化粧パネル213との間に下部空間S2が形成されている。下部空間S2は、上部空間S1に連通するとともに、当該上部空間S1と協働して柱80の周囲に吸込み通路215を規定している。
吸込み通路215は、フレーム200の全長に亘って延びている。
【0158】
本実施形態では、吸込み通路215の上端は、
図20に示す複数の閉塞板216によって塞がれている。閉塞板216は、フレーム200の上端に取り付けられている。このため、吸込み通路215は、建屋4の内部の作業エリアAから区画されているとともに、フィルタを介して作業エリアAに通じている。フレーム200に取り付けられた全ての室内ユニット5は、吸込み通路215から空気を吸い込むようになっている。
【0159】
図21に示すように、吸込み通路215は、全ての室内ユニット5に接続された第1ないし第4の液側接続配管9a,9b,9c,9dおよび第1ないし第4のガス側接続配管9e,9f,9g,9hを通す配管スペースとしての機能を兼ねている。各接続配管9a~9hは、閉塞板216を貫通して柱80の上部に導かれている。
【0160】
それとともに、全ての室内ユニット5のドレン口33に接続されたドレンパイプ119は、吸込み通路215を通して柱80の上部に導かれている。さらに、全ての室内ユニット5に電気的に接続された配線121は、吸込み通路215を通して柱80の上部に導かれている。
【0161】
図24に示すように、第1ないし第4の室内機アッセンブリ3a,3b,3c,3dを外れた柱80の周囲に、例えば消火器220およびエアコンプレッサ221のような付帯機器と、第1ないし第4の室内機アッセンブリ3a,3b,3c,3dを操作するリモートコントローラ222が配置されている。
【0162】
消火器220は、例えば第3の室内機アッセンブリ3cの下方で下部空間S2に収容されている。消火器220に対応する位置では、フレーム200から外装パネル110が取り外されている。そのため、消火器220は、外装パネル110で覆われることなく作業エリアAに露出されている。
【0163】
エアコンプレッサ221およびリモートコントローラ222は、例えば第1の室内機アッセンブリ3aの下方で下部空間S2に収容されている。エアコンプレッサ221およびリモートコントローラ222は、柱80の高さ方向に並んでいるとともに、フレーム200に取り付けた外装パネル110で覆い隠されている。
【0164】
これにより、エアコンプレッサ221およびリモートコントローラ222の盗難を防止できる。それとともに、空気調和装置1の管理者あるいは空気調和装置1のメンテナンスを行う作業員の許可なく、第三者が勝手にリモートコントローラ222を操作するのを防止できる。
【0165】
下部空間S2に消火器220、エアコンプレッサ221およびリモートコントローラ222を収める場合、下部空間S2のうちエアコンプレッサ221およびリモートコントローラ222が臨む領域を
図24に示すような複数のインナカバー223で吸込み通路215から区画するとよい。これにより、作業エリアAの空気がフィルタを通らずに吸込み通路215に吸い込まれるのを回避でき、室内ユニット5の空気熱交換器21に塵埃が付着するのを防止できる。
【0166】
第2の実施形態によると、第1ないし第4の室内機アッセンブリ3a,3b,3c,3dを柱80の外周部に支持するフレーム200は、複数の形鋼を組み合わせることで一体化されているので、十分な機械的強度を有している。そのため、フレーム200を用いて全ての室内ユニット5の筐体20を柱80の外周部にしっかりと固定することができ、前記第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0167】
[第3の実施形態]
図25は、第3の実施形態を開示している。
【0168】
第3の実施形態は、室内ユニット5の配列方向が第1の実施形態と相違している。それ以外の構成は、基本的に第1の実施形態と同様である。
図25に示すように、第3の実施形態では、二本の四角い柱130a,130bが建屋4の床面Fから起立されている。柱130a,130bは、例えば作業エリアA内で互いに間隔を存して並んでいる。
【0169】
柱130a,130bの外周部に夫々フレーム131a,131bが組み付けられている。各フレーム131a,131bは、前記第1の実施形態に係るフレーム81の下部構造体90と同様の構成を有している。そのため、フレーム131a,131bの各部に関しては、第1の実施形態の下部構造体90と同様の参照符号を付して、その説明を省略する。
【0170】
第3の実施形態によると、一方のフレーム131aは、一方の柱130aの角部から対角方向に離れた位置で建屋4の床面Fから垂直に起立されている。同様に、他方のフレーム131bは、他方の柱130aの角部から対角方向に離れた位置で建屋4の床面Fから垂直に起立されている。
【0171】
一つの室内機アッセンブリ132がフレーム131a,131bの上端部の間に跨って水平に架け渡されている。室内機アッセンブリ132は、例えば四台の室内ユニット5を備え、当該室内ユニット5は、梯子状のサブフレーム133を用いて一体的に連結されている。
【0172】
サブフレーム133は、一対のフレーム要素134a,134bと、複数の縦梁135と、を備えている。各フレーム要素134a,134bは、例えば形鋼で構成され、柱130a,130bと直交する水平方向に沿って真っ直ぐに延びている。
【0173】
縦梁135は、例えば形鋼で構成されている。縦梁135は、フレーム要素134a,134bの間に垂直に架け渡されているとともに、フレーム要素134a,134bの長手方向に間隔を存して並んでいる。
【0174】
四台の室内ユニット5は、夫々フレーム要素134a,134bの間に跨るようにサブフレーム133に固定されている。フレーム要素134a,134bの一端部は、一方のフレーム131aの上端部に複数のねじ又はボルトのような締結具で固定されている。同様に、フレーム要素134a,134bの他端部は、他方のフレーム131bの上端部に複数のねじ又はボルトのような締結具で固定されている。
【0175】
このため、四台の室内ユニット5は、作業者Mの身長よりも高い位置で作業エリアAを横切るように水平方向に一列に並んでいる。よって、第3の実施形態では、室内ユニット5で空調された空気が吹き出し口68から作業エリアAの上方の領域に向けて水平に吹き出すようになっている。
【0176】
第3の実施形態では、室内ユニット5のサブフレーム133をフレーム131a,131bの上端部の間に跨るように固定したが、これに限定されるものではない。例えば、隣り合う支柱の間に跨って梁が固定されている建屋では、梁の外周部を取り囲むようにフレームを設置し、当該フレームに室内機アッセンブリのサブフレームを固定したり、室内ユニットを個々に固定してもよい。
【0177】
したがって、基礎構造体は、建屋の柱に限らず、例えば隣り合う柱の間に跨る梁あるいは筋交いであってもよい。さらに、基礎構造体は、建屋の骨格となる柱や梁に特定されるものではなく、室内機アッセンブリを支持するために建屋の床面から起立された専用の支柱であってもよい。
【0178】
それとともに、柱にしても四角柱に限らず、例えばH形鋼、I形鋼で構成してもよいし、複数の形鋼を組み合わせた構成としてもよい。
【0179】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0180】
1…空気調和装置、5…室内ユニット、20…筐体、21…空気熱交換器、22…送風機、24…ダクト部、68…吹き出し口、80,130a,130b…基礎構造体(柱)、81,200…フレーム。