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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-10
(45)【発行日】2022-06-20
(54)【発明の名称】ランダムアクセス検出方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 27/26 20060101AFI20220613BHJP
【FI】
H04L27/26 110
H04L27/26 313
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020512392
(86)(22)【出願日】2019-02-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-05
(86)【国際出願番号】 CN2019076196
(87)【国際公開番号】W WO2019161806
(87)【国際公開日】2019-08-29
【審査請求日】2020-02-27
(31)【優先権主張番号】201810162714.0
(32)【優先日】2018-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】516034968
【氏名又は名称】深▲セン▼市中▲興▼微▲電▼子技▲術▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Sanechips Technology Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】ZTE Industrial Park,Liuxian Avenue,Xili Street,Nanshan District,Shenzhen,P.R.China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】李東
(72)【発明者】
【氏名】王佳東
【審査官】原田 聖子
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-026704(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 27/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのアンテナを含む1組のアンテナの各々から受信したデータを、直交周波数分割多重(OFDM)シンボルまたはシングルキャリア周波数分割多重アクセス(SC-FDMA)シンボルを含むシンボルごとに前記アンテナに対応する第1記憶領域に順に記憶することと、
記受信したデータを、シンボルごとに前記第1記憶領域から順に読み出し、読み出したシンボルデータに対応する、通信プロトコルタイプと、物理ランダムアクセスチャネルのプリアンブルフォーマットタイプと、サンプリングレートと、抽出倍数とを含む無線構成パラメータを確定することと、
記無線構成パラメータに基づき、前記読み出したシンボルデータに対して前処理を行い、前処理が行われたシンボルデータを前記アンテナに対応する第2記憶領域にキャッシュすることと、を含み、
前記前処理は、少なくともサイクリックプレフィックス除去処理、スペクトルシフト処理、および抽出濾波処理を含
前処理が行われ前記第2記憶領域にキャッシュされた前記シンボルデータが、前記アンテナの完全なプリアンブルデータを既に構成しているとき、前記無線構成パラメータに基づき、前記完全なプリアンブルデータに対してプリアンブル検出処理を行うことを更に含み、
前記プリアンブル検出処理は、少なくとも高速フーリエ変換(FFT)処理、親符号相関処理、逆高速フーリエ変換(IFFT)処理、およびピーク検出処理を含む、
ランダムアクセス検出方法。
【請求項2】
記アンテナに対応する無線構成パラメータを予め設置することと、
記無線構成パラメータに基づき、前記アンテナに対応する第1記憶領域および第2記憶領域を確立することと、を更に含む、
請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記通信プロトコルタイプは、第4世代通信システムプロトコルまたは第5世代移動通信システムプロトコルを含む、
請求項に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも1つのアンテナを含む1組のアンテナの各々から受信したデータを、直交周波数分割多重(OFDM)シンボルまたはシングルキャリア周波数分割多重アクセス(SC-FDMA)シンボルを含むシンボルごとに前記アンテナに対応する第1記憶領域に順に記憶するように構成されるアンテナデータ記憶モジュールと、
記受信したデータを、シンボルごとに第1記憶領域から順に読み出し、読み出したシンボルデータに対応する、通信プロトコルタイプと、物理ランダムアクセスチャネルのプリアンブルフォーマットタイプと、サンプリングレートと、抽出倍数とを含む無線構成パラメータを確定するように構成されるシンボルデータ読み取りモジュールと、
記無線構成パラメータに基づき、前記読み出したシンボルデータに対して前処理を行い、前処理が行われたシンボルデータを前記アンテナに対応する第2記憶領域にキャッシュするように構成される第1処理モジュールであって、前記前処理は、少なくともサイクリックプレフィックス除去処理、スペクトルシフト処理、および抽出濾波処理を含む、第1処理モジュールと、
前処理され前記第2記憶領域にキャッシュされた前記シンボルデータが、前記アンテナの完全なプリアンブルデータを既に構成しているとき、前記無線構成パラメータに基づき、前記完全なプリアンブルデータに対してプリアンブル検出処理を行うように構成される第2処理モジュールと、を備え、
前記プリアンブル検出処理は、少なくとも高速フーリエ変換(FFT)処理、親符号相関処理、逆高速フーリエ変換(IFFT)処理、およびピーク検出処理を含む、
ランダムアクセス検出装置。
【請求項5】
メモリ、プロセッサ、および前記メモリに記憶されて前記プロセッサによって実行され得るランダムアクセス検出プログラムを含み、前記ランダムアクセス検出プログラムが前記プロセッサにより実行されると、請求項1~のいずれか1項に記載のランダムアクセス検出方法が実現される、ランダムアクセス検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2018年02月26日に中国専利局に出願された出願番号が201810162714.0である中国特許出願に対して、優先権の利益を主張するものであり、該出願の全ての内容を引用により本発明に援用する。
【0002】
本発明は、無線通信の技術分野に関し、例えば、ランダムアクセス検出方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
第4世代通信システム(the 4th Generation communication system、4G)および第5世代移動通信システム(fifth-Generation communication system、5G)規格において、上りリンクに対し、ユーザ機器(User Equipment、UE)は物理ランダムアクセスチャネル(Physical Random Access Channel、PRACH)を用いてセルアクセスを行う。一部のサブフレームはPRACHサブフレームに構成されてもよく、UEはこれらのサブフレームにおいてランダムアクセスシーケンスを送信することができ、ランダムアクセスシーケンスは1つまたは複数のプリアンブルシーケンス(Preamble Sequence)を含み、4G/5Gプロトコル規格によってランダムアクセスシーケンスは異なる。
【0004】
基地局が4G/5Gのランダムアクセス検出を同時にサポートしようとする場合、関連技術における態様は、2セットのランダムアクセス信号処理装置(それぞれ4Gと5G)を採用することが多いが、1つのセルが4Gまたは5G規格しかないため、リソースが無駄になるという欠点が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、異なる複数種の通信規格プロトコルの無線アクセスシステムのランダムアクセス検出を同時にサポートできるランダムアクセス検出方法および装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、
少なくとも1つのアンテナを含む1組のアンテナの各々から受信したデータを、シンボルごとに前記各アンテナに対応する第1記憶領域に順に記憶することと、
前記各アンテナから受信したデータを、シンボルごとに各アンテナに対応する第1記憶領域から順に読み出し、読み出したシンボルデータに対応する無線構成パラメータを確定することと、
確定した無線構成パラメータに基づき、読み出したシンボルデータに対して前処理を行い、前処理が行われたシンボルデータを前記各アンテナに対応する第2記憶領域にキャッシュすることとを含み、前記前処理は、サイクリックプレフィックス除去処理、スペクトルシフト処理、および抽出濾波処理を含む、ランダムアクセス検出方法を提供する。
【0007】
本発明は、
少なくとも1つのアンテナを含む1組のアンテナの各々から受信したデータを、シンボルごとに前記各アンテナに対応する第1記憶領域に順に記憶するように構成されるアンテナデータ記憶モジュールと、
前記各アンテナから受信したデータを、シンボルごとに各アンテナに対応する第1記憶領域から順に読み出し、読み出したシンボルデータに対応する無線構成パラメータを確定するように構成されるシンボルデータ読み取りモジュールと、
確定した無線構成パラメータに基づき、読み出したシンボルデータに対して前処理を行い、前処理が行われたシンボルデータを前記各アンテナに対応する第2記憶領域にキャッシュするように構成される第1処理モジュールとを備え、前記前処理は、サイクリックプレフィックス除去処理、スペクトルシフト処理、および抽出濾波処理を含む、
ランダムアクセス検出装置を提供する。
【0008】
本発明は、メモリ、プロセッサ、および前記メモリに記憶されて前記プロセッサによって実行され得るランダムアクセス検出プログラムを含み、前記ランダムアクセス検出プログラムが前記プロセッサにより実行されると、上記ランダムアクセス検出方法が実現されるランダムアクセス検出装置を更に提供する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】関連技術の4GプロトコルのPRACH Preamble formatの模式図である。
図2(a)】関連技術の5GプロトコルのPRACH Preamble formatの模式図である。
図2(b)】関連技術の5GプロトコルのPreamble formatにおける1つの短い符号の例の模式図である。
図2(c)】関連技術の5GプロトコルのPreamble formatにおける1つの長い符号の例の模式図である。
図3】一実施例に係るランダムアクセス検出方法のフローチャートである。
図4】一実施例に係るランダムアクセス検出装置の模式図である。
図5(a)】一実施例に係るシングルプロトコルのシーンでのデータ処理の模式図である。
図5(b)】一実施例に係る2種類のプロトコルのシーンでのデータ処理の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら本発明の実施例について説明する。
【0011】
4G上りランダムアクセス検出は、対応する時間領域リソース、異なる周波数で1つまたは複数のプリアンブル(preamble)を同時に抽出し、839点または139点のシーケンスに復元し、対応するローカルで生成した親符号シーケンス(Zadoff-Chuシーケンス)と畳み込み相関処理を行う必要がある。得られた相関シーケンスに対してピーク検出を行い、ピーク位置の詳細情報を得る。ランダムアクセス検出は、実質的に、シーケンスおよびローカル親符号シーケンスの畳み込み相関を受信する過程であり、畳み込み相関計算の複雑度が高く、通常、畳み込み相関計算の原理に基づき、高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform、FFT)を用いて相関のシーケンスを周波数領域に変換してドット積演算を行い、結果を逆高速フーリエ変換(Inverse Fast Fourier Transform、IFFT)により時間領域に変換して等価な結果を得る。図1に示すように、4G PRACHチャネルのプリアンブルフォーマット(format)はformat0~4を含む。ここで、4G PRACHチャネルのプリアンブルのformatフォーマットは、一般的にサイクリックプレフィックス(Cyclic Prefix、CP)、1つまたは複数のプリアンブルシーケンス、およびガードインターバル(Guard Interval、GI)を含み、あるformatフォーマットは、下りパイロットタイムスロット(Down Pilot Time Slot、DwPTS)またはガードインターバル(Guard Period、GP)を更に含んでもよい。4Gロングタームイボリューション(Long Term Evolution、LTE)プロトコルで記述されたサンプリングレートは、30.72メガヘルツ(MHz)、23.04MHz、19.20MHz、15.36MHz、11.52MHz、7.68MHz、5.76MHz、3.84MHz、1.92MHz等の9種類のサンプリングレートを含む。30.72MHzのサンプリングレートを例とし、Format0~3の各プリアンブルシーケンスは24576個のサンプリング点を有し、Format4のプリアンブルシーケンスは4096個のサンプリング点を有する。従って、システム帯域幅が大きく、サンプリングレートが大きい場合に、ダウンサンプリングを経てサンプリング点数を、Zadoff-Chuシーケンスの点数に相当する程度まで低減してから、ローカルで生成したセルZadoff-Chuシーケンスと相関処理を行う必要がある。これにより、処理演算量を低減し、処理リソースを節約し、処理速度を加速することができる。
【0012】
各周波数の帯域幅が同じ(例えば、いずれも1.08MHzである)であり、オフセットのみが異なり、処理が必要なステップも同じであるため、関連する態様において、単一周波数ランダムアクセス信号処理装置、すなわち、1回に1つの周波数のみを処理できるランダムアクセス処理(スペクトルシフト、フィルタリング、ダウンサンプリング、FFT等のステップ)を採用することが多い。各本のアンテナのPRACHのデータ量が大きく、各PRACHの持続時間も長い(n個のシングルキャリア周波数分割多重アクセス(Single Carrier-Frequency Division Multiple Access、SC-FDMA)シンボル)。関連技術において、通常、1つのプリアンブルの全ての点数をキャッシュしてからPRACH処理を開始し、これにより、記憶空間が大きい必要があり、且つ処理遅延が大きい。周波数分割復信(Frequency Division Dual、FDD)モードの場合、1つのアクセス周波数のみがあるため、1つの単一周波数装置があれば良い。しかし、時分割復信(Time Division Duplexing、TDD)モードの場合、複数の周波数が存在すると、一般的に複数セットの単一周波数装置を用いて複数の周波数を同時に並列処理し、リソースの浪費が存在する。
【0013】
5G新たな無線技術(New Radio、NR)ランダムアクセス検出の基本原理は4G LTEと一致し、処理が必要なステップも類似し、同様に対応する時間領域リソース、異なる周波数で1つまたは複数のpreambleを同時に抽出し、且つ1536点または256点のシーケンスに復元する。
【0014】
図2(a)に示すように、5G NRのPRACHは、1種のプリアンブルフォーマットが1つまたは複数のプリアンブルを含むことができ、1つのプリアンブルが1つのプリアンブルシーケンスおよび1つのCPを含む。1つのプリアンブルシーケンスは、1つまたは複数の直交周波数分割多重(Orthogonal Frequency Division Multiplexing、OFDM)シンボルを含む。5G NRのPRACHのプリアンブルフォーマットは、4種類の長い符号フォーマット(format0-format3)および10種類の短い符号フォーマット(formatA0、formatA1、formatA2、formatA3、formatB0、formatB1、formatB2、formatB3、formatC1、formatC2)を含む。ここで、図2(b)に示す短い符号の例では、formatA0フォーマットにおいて、1つのプリアンブルが1つのシンボルを占有し、formatB0フォーマットにおいて、1つのプリアンブルが2つのシンボルを占有し、formatC1フォーマットにおいて、1つのプリアンブルが4つのシンボルを占有する。図2(c)に示す長い符号の例では、1つのプリアンブルシーケンスに2つのRACH(Random Access Channel、ランダムアクセスチャネル)を含むことができ、各RACHが複数のシンボルを含むことができる。PRACHのプリアンブルフォーマットタイプの間の違いは、RACHの数、CP長、GP長の異なりにある。
【0015】
5G新たな無線(New Radio、NR)プロトコルで記述されたサンプリングレートは、19.2MHz、30.72MHz、38.4MHz、46.08MHz、61.44MHz、76.8MHz、92.16MHz、107.52MHz、122.88MHz、153.6MHz、184.32MHz、215.04MHz、245.76MHz等の13種類のサンプリングレートを含む。サブキャリア間隔2.5khzを例とし、プロトコルにより確定された長さが839点のZadoff-Chuシーケンスは、プリアンブルシーケンス(Preamble Sequence)を生成し、30.72MHzで12288個のサンプリング点が8倍の抽出を行う必要があり、245.76Mhzで98304個のサンプリング点が64倍の抽出処理を行う必要があり、データ量は非常に大きい。
【0016】
それと同時に、5G NRプロトコルは進化中にあるため、後期のプロトコルの進化変化を考慮する必要がある。関連技術における態様は、固定のランダムアクセス信号処理装置を採用することが多く、これにより、プロトコルが完全に明瞭でなければランダムアクセスを設計できないと要求される。そのため、プロトコルが完全に確定するまで待ち、時間遅延が存在するか、あるいはランダムアクセスを複数回繰り返して設計する必要があり、人員の浪費がある。
【0017】
本発明に係る技術案において、OFDMまたはSC-FDMAシンボルをデータ処理ユニットとして上り時間領域アンテナデータに対してCP除去、スペクトルシフト、および抽出濾波処理を行い、多くのデータをキャッシュする必要がなく、共有キャッシュにおけるOFDMまたはSC-FDMAシンボルデータが完全なプリアンブルである場合に後続の信号検出を行う。本発明に係る技術案のアンテナデータがOFDMまたはSC-FDMAシンボルを処理ユニットとするため、本発明に係るランダムアクセス検出方法は、4Gと5GのPRACHデータをシームレスに切り替えて処理することができる。これにより、処理速度を加速し、アンテナデータのキャッシュを減少し、リソース消費を減少することができる。異なる複数種の4G/5Gの設置シーンを柔軟にサポートできるとともに、良好な拡張性を有し、例えば、新たな処理装置を容易に追加して並列処理を行うことができるとともに、パラメータ設定を採用することにより、4G/5Gプロトコルの進化に柔軟に適応することができる。
【0018】
実施例1
図3は、一実施例に係るランダムアクセス検出方法のフローチャートである。図3に示すように、本実施例に係る方法は以下のステップを含む。
【0019】
ステップS310において、1つまたは複数のアンテナを含む1組のアンテナの各々から受信したデータを、シンボルごとに前記各アンテナに対応する第1記憶領域に順に記憶する。
【0020】
ステップS320において、前記各アンテナから受信したデータを、シンボルごとに各アンテナに対応する第1記憶領域から順に読み出し、読み出したシンボルデータに対応する無線構成パラメータを確定する。
【0021】
ステップS330において、確定した無線構成パラメータに基づき、読み出したシンボルデータに対して前処理を行い、前処理が行われたシンボルデータを前記各アンテナに対応する第2記憶領域にキャッシュする。ここで、前記前処理は、サイクリックプレフィックス除去処理、スペクトルシフト処理、および抽出濾波処理を含む。
【0022】
本実施例において、シンボルデータとは、アンテナにより受信された上り時間領域データを指し、本実施例では、毎回シンボルごとに第1記憶領域から読み出した対応するデータである。
【0023】
本実施例において、前記ランダムアクセス検出方法は基地局で実現できる。
【0024】
本実施例において、前記無線構成パラメータは、通信プロトコルタイプ、物理ランダムアクセスチャネルのプリアンブルフォーマットタイプ、サンプリングレート、および抽出倍数という情報の少なくとも1種を含む。
【0025】
本実施例において、前記通信プロトコルタイプは、第4世代通信システムプロトコルまたは第5世代移動通信システムプロトコルを含む。
【0026】
本実施例において、前記シンボルは、直交周波数分割多重OFDMシンボルまたはシングルキャリア周波数分割多重アクセスSC-FDMAシンボルを含む。
【0027】
実施形態において、前記方法は、1組のアンテナ内の各アンテナの無線構成パラメータを予め設置することと、各アンテナの無線構成パラメータに基づき、前記各アンテナに対応する第1記憶領域および第2記憶領域を確立することとを更に含む。
【0028】
本実施例において、シンボルデータに対応する無線構成パラメータは、アンテナに対応する無線構成パラメータである。
【0029】
一実施例において、確定した無線構成パラメータに基づいてサイクリックプレフィックス除去処理を行うことは、例えば、CP除去処理が、サンプリングレート、プリアンブルフォーマットに基づき、PRACHプリアンブルフレーム構造に従ってCP、GIを除去し、DwTPSおよびGPが存在すれば、更にDwTPSおよびGPを除去して真に有効なプリアンブルシーケンスサンプリング点を残す必要があることを指す。異なるプロトコルの異なるプリアンブルフォーマットのシーンで、有効なプリアンブルシーケンスのデータ長は異なる。本実施例において、現在処理データのプロトコルタイプ(各処理待ちのシンボルデータに対応するプロトコルタイプ)、対応する帯域幅、およびプリアンブルフォーマットを知る必要があり、その後、各OFDMシンボルまたはSC-FDMAシンボルのCP除去タイプ、スペクトルシフトの設計パラメータ、フィルタ抽出パラメータ、およびデータ出力長を確定する。
【0030】
確定した無線構成パラメータに基づいてスペクトルシフトを行うことは、例えば、スペクトルシフトが、PRACHスペクトルパラメータに従ってPRACHが占有する周波数帯域をベースバンドの中心位置にシフトすることができることを指す。
【0031】
確定した無線構成パラメータに基づいて抽出濾波処理を行うことは、例えば、サンプリングレート、周波数帯域に含まれる周波数数およびプリアンブルフォーマットタイプに従って抽出倍数を確定し、ダウンサンプリング処理を行うことを指す。ここで、フィルタはハーフバンドフィルタで実現でき、4Gと5Gとの2種類のプロトコル、20種程度のサンプリングレートをサポートする。4G LTEに対し、1段の抽出濾波を設計することができる。5G NRは、帯域幅が大きくてプロトコルが進化中にあるため、2段の抽出濾波を設計することができ、2段の抽出濾波の複数種の抽出率の設置に応じ、複数種の複雑な抽出率の要求をサポートすることができ、5Gのプロトコル進化に適応し、高い柔軟性を有する。それと同時に、5G NRは、2段の抽出濾波も4G LTEの抽出濾波処理を実現できるように構成される。
【0032】
1つの実施形態において、前処理が行われたシンボルデータを前記各アンテナに対応する第2記憶領域にキャッシュした後に、前記方法は、いずれかのアンテナに対応する第2記憶領域に前処理が行われた少なくとも1つのシンボルデータが存在し、且つ、少なくとも1つのシンボルデータが前記いずれかのアンテナの完全なプリアンブルデータを構成している場合に、前記いずれかのアンテナに対応する無線構成パラメータに基づき、前記いずれかのアンテナの完全なプリアンブルデータに対してプリアンブル検出処理を行う。前記プリアンブル検出処理は、少なくとも高速フーリエ変換FFT処理、親符号相関処理、逆高速フーリエ変換IFFT処理、およびピーク検出処理を含む。
【0033】
FFT演算により生成された周波数領域信号は、スペクトル分布に応じて各周波数のシーケンスを直接抽出することができ、シーケンス長はn個の点である(異なるプロトコルは異なる定義を有する)。ここで、FFTおよびIFFTは、同じFFT計算モジュールを用いて256点、320点、384点、512点、640点、768点、1024点、1280点、1536点、1920点、2048点、2304点、3072点、3584点、4096点、5120点、6144点、7168点、8192点のFFT/IFFT処理を行うことができる。
【0034】
親符号相関処理とは、本セルが無線構成パラメータに基づいて1つのローカルの親符号シーケンスを生成し、この親符号シーケンスと、FFTにより出力された結果から抽出された各周波数のシーケンスとを乗算し、得られた結果に対してIFFT逆変換等の後続処理を行い、後続のピーク検出に用いられる1組のシーケンスが得られることである。
【0035】
ピーク検出処理とは、基地局が、現在の親符号相関処理を経た後のプリアンブルデータから、最大の時間領域相関値に対応するチェック点を見つけ、時間領域相関値ピークが設定されたピーク検出閾値およびノイズパワーよりも大きい場合、プリアンブル信号が検出されたと考えられることを指す。
【0036】
実施例2
図4は、実施例に係るランダムアクセス検出装置である。図4に示すように、本実施例に係る装置は、少なくとも1つのアンテナを含む1組のアンテナの各々から受信したデータを、シンボルごとに前記各アンテナに対応する第1記憶領域に順に記憶するように構成されるアンテナデータ記憶モジュール401と、前記各アンテナから受信したデータを、シンボルごとに各アンテナに対応する第1記憶領域から順に読み出し、読み出したシンボルデータに対応する無線構成パラメータを確定するように構成されるシンボルデータ読み取りモジュール402と、確定した無線構成パラメータに基づき、読み出したシンボルデータに対して前処理を行い、前処理が行われたシンボルデータを前記各アンテナに対応する第2記憶領域にキャッシュするように構成される第1処理モジュール403とを備え、前記前処理は、サイクリックプレフィックス除去処理、スペクトルシフト処理、および抽出濾波処理を含む。
【0037】
1つの実施形態において、前記装置は、いずれかのアンテナに対応する第2記憶領域に前処理が行われた少なくとも1つのシンボルデータが存在し、且つ、前記少なくとも1つのデータが前記いずれかのアンテナの完全なプリアンブルデータを構成している場合に、前記いずれかのアンテナに対応する無線構成パラメータに基づき、前記いずれかのアンテナの完全なプリアンブルデータに対してプリアンブル検出処理を行うように構成される第2処理モジュールを更に備え、前記プリアンブル検出処理は、少なくとも高速フーリエ変換FFT処理、親符号相関処理、逆高速フーリエ変換IFFT処理、およびピーク検出処理を含む。
【0038】
本実施例において、前記無線構成パラメータは、通信プロトコルタイプ、物理ランダムアクセスチャネルのプリアンブルフォーマットタイプ、サンプリングレート、および抽出倍数などの情報の少なくとも1種を含む。
【0039】
本実施例において、前記シンボルは、直交周波数分割多重OFDMシンボルまたはシングルキャリア周波数分割多重アクセスSC-FDMAシンボルを含む。
【0040】
本実施例において、前記通信プロトコルタイプは、第4世代通信システムプロトコルまたは第5世代移動通信システムプロトコルを含む。
【0041】
1つの実施形態において、前記装置は、1組のアンテナ内の各アンテナの無線構成パラメータを予め設置し、各アンテナの無線構成パラメータに基づき、前記各アンテナに対応する第1記憶領域および第2記憶領域を確立するように構成される設置モジュールを更に備える。
【0042】
以下、例により本発明に係る技術案を説明する。
【0043】
例1
本例のランダムアクセス検出装置は、ハードウェア加速モジュールおよびソフトウェア処理モジュールを備える。4G LTEプロトコルで記述された複数種のサンプリングレートおよび5G NRプロトコルで記述された複数種のサンプリングレートをサポートする。ここで、サンプリングレートおよび帯域幅は、システム要求に応じて柔軟にマッチングすることができる。前記ランダムアクセス検出装置のハードウェア加速モジュールは、OFDMまたはSC-FDMAシンボルを処理ユニットとし、各本のアンテナから受信されたデータに対して前処理を行った後、共有キャッシュにキャッシュし、前記前処理は、CP除去処理、スペクトルシフト、フィルタリング、および抽出処理を含む。ソフトウェア処理モジュールは、FFT/IFFT処理を完了する必要があり、データインターリーブが存在するため、OFDMまたはSC-FDMAシンボルデータを単位として処理することができず、ハードウェア加速モジュールが1つのアンテナの1つの完全なPRACH preambleデータを完了してからソフトウェアの後続処理を起動する必要がある。前記共有キャッシュで完全なプリアンブルを検出した後に、ソフトウェア処理モジュールはIFFT、親符号相関処理、ピーク検出等の後続処理を更に行う。
【0044】
図5(a)に示すように、PRACHデータは、1つのOFDMまたはSC-FDMAシンボルであり、順に入力し、LTEプロトコルまたは5Gプロトコルのみがあるシングルプロトコルのシーンで、ハードウェア加速モジュールは、OFDMまたはSC-FDMAシンボル時間で受信されたデータを処理単位とし、1つのOFDMまたはSC-FDMA時間のデータを受信する度にPRACH処理を起動する。図5(b)に示すように、マルチプロトコルマルチアンテナのシーンで、1つのOFDMまたはSC-FDMAシンボル時間に複数のアンテナのPRACHを処理する必要があり、例えば、1つのOFDMシンボル時間に、4Gと5Gとの異なる2種類のプロトコルのPRACHのデータ処理を順に完了し、且つ異なるアンテナのPRACHのデータの中間結果を保護する必要があり、次のOFDMまたはSC-FDMAシンボルデータの到来を待って対応するアンテナのデータを回復してから処理し続ける。
【0045】
本実施例において、CP除去処理は、サンプリングレート、Formatフォーマットに基づき、PRACHプリアンブルフレーム構造に従ってCP、GIを除去することができ、DwTPSおよびGPが存在すれば、更にDwTPSおよびGPを除去して真に有効なPreamble Sequenceサンプリング点を残す必要がある。異なるプロトコルの異なるプリアンブルformatのシーンで、有効なPreamble Sequenceのデータ長は異なる。本実施例において、パラメータ解析モジュールは、現在処理データのプロトコルタイプ(各処理待ちのシンボルデータに対応するプロトコルタイプ)、対応する帯域幅、およびpreamble formatを知る必要があり、パラメータ解析モジュールは、各OFDMシンボルまたはSC-FDMAシンボルのCP除去タイプ、スペクトルシフトの設計パラメータ、フィルタ抽出パラメータ、およびデータ出力長を解析する。
【0046】
本実施例において、スペクトルシフトは、パラメータ解析モジュールにより解析されたPRACHスペクトルパラメータに従い、PRACHが占有する周波数帯域をデジタルミキサ部によりベースバンドの中心位置にシフトすることができる。スペクトルシフト処理ユニットは、OFDMまたはSC-FDMAシンボル時間に従ってPRACHデータを時分割処理し、複数種のプロトコル、マルチアンテナの切り替えを完了するために、デジタルミキサ部の現場を記憶して回復する必要がある。例えば、アンテナnのシンボルmのスペクトルシフトを行う際に、まず、デジタルミキサ部による前記アンテナnのシンボルm-1に対する処理情報を回復し、その後、アンテナnのシンボルmを処理する必要がある。
【0047】
本実施例において、抽出モジュールは、サンプリングレート、周波数帯域に含まれる周波数数、およびプリアンブルFormatのタイプに従って抽出倍数を確定し、ダウンサンプリング処理を行う必要がある。一実施例において、フィルタはハーフバンドフィルタで実現され、4Gと5Gとの2種類のプロトコル、20種程度のサンプリングレートをサポートする。周波数帯域に含まれる周波数数に応じ、複数種のフィルタリング帯域幅をサポートし、それぞれ1.08MHz、2.16MHz、3.24MHz、4.32MHz、5.40MHz、6.48MHzである。抽出モジュールがシンボル時間でPRACHデータを時分割処理するため、フィルタリング現場の保護およびフィルタリング現場の回復という操作が必要となる。4G LTEに対し、1段の抽出濾波のみが必要となり、表1は、4G LTEの抽出濾波の設計の一部の説明である。5G NRは、帯域幅が大きくてプロトコルが進化中にあるため、抽出濾波を設計する時、2段のフィルタ抽出の設計を用いることができ、2段の複数種の抽出率の設置に応じ、複数種の複雑な抽出率の要求をサポートすることができ、5Gのプロトコル進化に適応し、高い柔軟性を有する。表2は、5Gプロトコルの抽出濾波の設計の一部の説明である。それと同時に、5G NRは、2段の抽出濾波が4G LTEの抽出濾波に対するカバーを完了できるように構成される。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
共有キャッシュに1本のアンテナの完全なPRACH preambleデータが記憶されると、ソフトウェア処理モジュールは、前記preambleデータに対してFFT/IFFT、親符号相関、ピーク検出等の処理を行う。ソフトウェア処理モジュールは、まず、ハードウェア加速モジュールの出力データを読み込み、FFT演算を完了する。FFT演算により生成された周波数領域信号は、スペクトル分布に応じて各周波数のシーケンスを直接抽出することができ、シーケンス長はn個の点である(異なるプロトコルは異なる定義を有する)。ここで、FFTおよびIFFTは、同じFFT計算モジュールを用いて256点、320点、384点、512点、640点、768点、1024点、1280点、1536点、1920点、2048点、2304点、3072点、3584点、4096点、5120点、6144点、7168点、8192点のFFT/IFFT処理を完了することができる。
【0051】
親符号相関処理の過程は、本セルがソフトウェア構成のセル無線構成パラメータに基づいて1つのローカルの親符号シーケンスを生成し、この親符号シーケンスと、FFTにより出力された結果から抽出された各周波数のシーケンスとを乗算し、得られた結果がIFFT逆変換等の後続処理を経て、後続のPRACHのピーク検出に用いられる1組の新たなシーケンスを得ることである。
【0052】
ピーク検出処理とは、基地局が、現在の相関処理を経た後のpreambleデータから、最大の時間領域相関値(時間領域相関ピーク)に対応するチェック点を見つけ、時間領域相関ピークが設定されたピーク検出閾値およびノイズパワーよりも大きい場合、preamble信号が検出されたと考えられ、ピーク位置の詳細情報を得ることを指す。
図1
図2a
図2b
図2c
図3
図4
図5a
図5b