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特許7087072統合されたカメラモジュールを有するアドオン部品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-10
(45)【発行日】2022-06-20
(54)【発明の名称】統合されたカメラモジュールを有するアドオン部品
(51)【国際特許分類】
   G03B 15/00 20210101AFI20220613BHJP
   G03B 17/02 20210101ALI20220613BHJP
   G03B 17/56 20210101ALI20220613BHJP
   B29C 45/16 20060101ALI20220613BHJP
   B60J 1/00 20060101ALI20220613BHJP
【FI】
G03B15/00 V
G03B17/02
G03B17/56 A
B29C45/16
B60J1/00 H
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020523290
(86)(22)【出願日】2018-10-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-07
(86)【国際出願番号】 EP2018078480
(87)【国際公開番号】W WO2019081315
(87)【国際公開日】2019-05-02
【審査請求日】2020-04-24
(31)【優先権主張番号】17198521.1
(32)【優先日】2017-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】500374146
【氏名又は名称】サン-ゴバン グラス フランス
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 智史
(72)【発明者】
【氏名】ルク-ヘンリー ブランシュ
(72)【発明者】
【氏名】ローラン フリオコート
(72)【発明者】
【氏名】マルクス グルダン
(72)【発明者】
【氏名】クレマン モスニエ
【審査官】越河 勉
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-500926(JP,A)
【文献】特開2016-107755(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 15/00
G03B 17/02
G03B 17/56
B29C 45/16
B60J 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも下記を有する、統合されたカメラモジュール(3)を有する乗り物アドオン部品(11):
- 外側面(I)及び内側面(II)を有するカバー(1)、ここで、前記カバー(1)は、少なくとも部分的に、透明熱可塑性材料(1.1)からなる;
- 前記カバー(1)の前記内側面(II)に配置されており、かつカメラモジュール(3)が配置されている、担持部品(12);
ここで、前記カバー(1)が、前記内側面(II)において、前記透明熱可塑性材料(1.1)の局所的に厚い部分(9)及び/又は局所的に薄い部分(15)を有しており;
ここで、前記カメラモジュール(3)は、少なくとも1つのカメラレンズ(7)を有しており、かつ、前記少なくとも1つのカメラレンズ(7)が前記局所的に厚い部分(9)及び/又は前記局所的に薄い部分(15)に直接に対向して配置されるようにして、前記担持部品(12)に配置されており、
ここで、前記カメラモジュール(3)のための前記担持部品(12)が、熱可塑性材料でできており、好ましくは不透明の、特に好ましくは着色されている、特には黒色に着色されている、最も特に好ましくは黒色の、熱可塑性材料でできており、
かつ、ここで、前記カバー(1)が、透明熱可塑性材料(1.1)でできており、前記カバー(1)及び前記担持部品(12)が、好ましくは、2成分射出成形部品として実施されている。
【請求項2】
前記カメラモジュール(3)を保持するためのすきま、前記カメラモジュール(3)のための固定要素、及び/又は前記カメラモジュール(3)に接続されるケーブルのためのすきまが、前記担持部品(12)の前記熱可塑性材料に導入されている、請求項1に記載の乗り物アドオン部品(11)。
【請求項3】
少なくとも下記を有する、統合されたカメラモジュール(3)を有する乗り物アドオン部品(11):
- 外側面(I)及び内側面(II)を有するカバー(1)、ここで、前記カバー(1)は、少なくとも部分的に、透明熱可塑性材料(1.1)からなる;
- 前記カバー(1)の前記内側面(II)に配置されており、かつカメラモジュール(3)が配置されている、担持部品(12);
ここで、前記カバー(1)が、前記内側面(II)において、前記透明熱可塑性材料(1.1)の局所的に厚い部分(9)及び/又は局所的に薄い部分(15)を有しており;
ここで、前記カメラモジュール(3)は、少なくとも1つのカメラレンズ(7)を有しており、かつ、前記少なくとも1つのカメラレンズ(7)が前記局所的に厚い部分(9)及び/又は前記局所的に薄い部分(15)に直接に対向して配置されるようにして、前記担持部品(12)に配置されており、
ここで、前記乗り物アドオン部品(11)が、ポリマーフィルム(10)、好ましくはバック射出されたポリマーフィルム(10)を有しており、このフィルムが、好ましくは、前記カバー(1)と前記担持部品(12)との間に配置されており、
かつ、ここで、前記フィルム(10)が、好ましくは、不透明であり、特に好ましくは着色されており、特には暗色で着色されており、最も特に好ましくは黒色である。
【請求項4】
少なくとも下記を有する、統合されたカメラモジュール(3)を有する乗り物アドオン部品(11):
- 外側面(I)及び内側面(II)を有するカバー(1)、ここで、前記カバー(1)は、少なくとも部分的に、透明熱可塑性材料(1.1)からなる;
- 前記カバー(1)の前記内側面(II)に配置されており、かつカメラモジュール(3)が配置されている、担持部品(12);
ここで、前記カバー(1)が、前記内側面(II)において、前記透明熱可塑性材料(1.1)の局所的に厚い部分(9)及び/又は局所的に薄い部分(15)を有しており;
ここで、前記カメラモジュール(3)は、少なくとも1つのカメラレンズ(7)を有しており、かつ、前記少なくとも1つのカメラレンズ(7)が前記局所的に厚い部分(9)及び/又は前記局所的に薄い部分(15)に直接に対向して配置されるようにして、前記担持部品(12)に配置されており、
かつ、ここで、前記カバー(1)が、少なくとも前記外側面(I)において、防護コーティングによってコーティングされており、前記防護コーティングが、好ましくは、少なくとも1種のポリシロキサン、少なくとも1種のポリアクリレート、少なくとも1種ポリメタクリレート、及び/又は少なくとも1種のポリウレタンを含有しており又はそれから形成されており、前記防護コーティングが、好ましくは、1μm~50μmの厚みで、特に好ましくは2μm~25μmの厚みで適用されている。
【請求項5】
前記局所的に厚い部分(9)及び/又は前記局所的に薄い部分(15)が、前記少なくとも1つのカメラレンズ(7)と物質的に統合されている様式で、又は実質的に同一面で、終端している、請求項1~4のいずれか一項に記載の乗り物アドオン部品(11)。
【請求項6】
前記カバー(1)の前記外側面(I)が、実質的に、平坦な表面又は湾曲した表面の形状を有している、請求項1~5のいずれか一項に記載の乗り物アドオン部品(11)。
【請求項7】
前記乗り物アドオン部品(11)が、フロントウィンドウ、リアウィンドウ、サイドウィンドウ、ルーフパネル、トリムストリップ、バンパー、敷居、スポイラー、ランプカバー、又はパネルである、請求項1~6のいずれか一項に記載の乗り物アドオン部品(11)。
【請求項8】
構造、好ましくは曲率、プリズム、又はフレネル光学部品が、前記カバー(1)の前記透明熱可塑性材料(1.1)に、前記内側面(II)において、前記カメラレンズ(7)の方向に、導入されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の乗り物アドオン部品(11)。
【請求項9】
下記である、少なくとも1つのカメラレンズ(7)を有する統合されたカメラモジュール(3)を有する乗り物アドオン部品(11)を製造する方法:
- 第1工程において、少なくとも部分的に透明熱可塑性材料(1.1)からなり、かつその内側面(II)において前記透明熱可塑性材料(1.1)の局所的に厚い部分(9)及び/若しくは局所的に薄い部分(15)を有している、カバー(1)を、射出成形法によって、製造すること、並びに、
第2工程において、少なくとも1つのカメラレンズ(7)を有している前記カメラモジュール(3)のための、熱可塑性材料でできている担持部品(12)を、前記カバー(1)の上に、前記内側面(II)において、射出成形すること;
又は、
第1工程において、少なくとも1つのカメラレンズ(7)を有している前記カメラモジュール(3)のための、熱可塑性材料でできている担持部品(12)を、射出成形法によって、製造すること、並びに
第2工程において、少なくとも部分的に透明熱可塑性材料(1.1)でできており、かつその内側面(II)において前記透明熱可塑性材料(1.1)の局所的に厚い部分(9)及び/若しくは局所的に薄い部分(15)を有している、カバー(1)を、前記担持部品(12)の上に成形し、それにより、前記カバー(1)の前記内側面(II)が前記担持部品(12)に接続するようにすること;
- 第3工程において、前記カメラモジュール(3)を、前記担持部品(12)に保持し、それにより、前記少なくとも1つのカメラレンズ(7)が、前記局所的に厚い部分(9)及び/又は前記局所的に薄い部分(15)に直接に対向して配置されるようにすること。
【請求項10】
前記カバー(1)及び前記カバー(1)に接続している前記担持部品(12)を、2成分射出成形法において、又は、回転プラテン技術を有する2成分射出圧縮成形法において、製造する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
下記である、少なくとも1つのカメラレンズ(7)を有する統合されたカメラモジュール(3)を有する乗り物アドオン部品(11)を製造する方法:
-第1工程において、少なくとも部分的に透明熱可塑性材料(1.1)でできており、かつ、その内側面(II)において前記透明熱可塑性材料の局所的に厚い部分(9)及び/又は局所的に薄い部分(15)を有している、カバー(1)を、バック射出されたポリマーフィルム(10)を有する1成分射出成形部品として製造すること、ここで、前記フィルム(10)は、前記カバー(1)の前記内側面(II)に配置され、かつ、好ましくは、前記フィルム(10)は、前記少なくとも1つのカメラレンズ(7)が配置される場所に、すきまを有している;
- 第2工程において、前記カメラモジュール(3)のための担持部品(12)を提供すること;
- 第3工程において、前記担持部品(12)を、前記バック射出されたポリマーフィルム(10)に取り付けること、並びに、
- 第4工程において、少なくとも1つのカメラレンズ(7)を有する前記カメラモジュール(3)を、前記担持部品(12)に保持し、それにより、前記カメラレンズ(7)が、前記局所的に厚い部分(9)及び/又は前記局所的に薄い部分(5)に直接に対向して配置されるようにすること。
【請求項12】
射出成形化合物を、前記カバー(1)の製造の間に、前記局所的に厚い部分(9)及び/又は前記局所的に薄い部分(15)の領域において、側方ファンスプルー及び/若しくは側方射出点を介して、かつ/又は射出点(14)を介して、導入する、請求項9~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
防護コーティングを、前記乗り物アドオン部品(11)若しくは前記カバー(1)、及び/又は前記担持部品(12)の、少なくとも外側面に、適用する、請求項9~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
乗り物に、好ましくは自動車、トラック、バスに、カメラモジュール(3)を統合するための、特には、ウィンドウペインに、特には、フロントウィンドウペイン、リアウィンドウペイン、サイドウィンドウペイン、又はルーフパネルに、トリムストリップに、特にはサイドトリムストリップ、フロントトリムストリップ、リアトリムストリップ、又は装飾トリムストリップに、バンパーに、敷居に、スポイラーに、ランプカバーに、又はパネルに、特にはカラムパネル、特に好ましくはBカラムパネルに、カメラモジュールを統合するための、請求項1~8のいずれか一項に記載の乗り物アドオン部品(11)の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、以下で「乗り物アドオン部品」又は略して「アドオン部品」としても言及される乗り物のためのアドオン部品に関し、この乗り物のためのアドオン部品には、カメラモジュールが統合される。本発明は、また、乗り物のためのアドオン部品の製造及びその使用にも関する。
【背景技術】
【0002】
現代的な乗り物のコンセプトは、多くの場合、高性能の運転者支援システム、特には自動運転のためのシステムを有している。このために、複雑なセンサ技術が、非常に広範囲の環境データを検出しかつ評価するために必要である。さらに、無線及びレーダーシステムに加えて、光学システムも、ここでは使用される。
【0003】
設計技術上の理由から、乗り物製造者が、このセンサ技術を、乗り物に、外部観察者からできる限り不可視であるように設置することが望ましい。380nm~780nmの光の可視範囲での環境の視界も必要となるカメラシステムの場合には、これらは通常は無機ガラスの背後に巧妙に取り付けられ、そのようにして、通常の光条件下で、観察者から隠され、又は見えにくくされる。
【0004】
しかしながら、コンポーネントの表面に当たる光の強さ及び角度、並びに視野角によっては、そのようなコンセプトには、一定の限界がある。特定の条件下では、透明カバーの背後に統合されたアセンブリが、可視になることがある。結果として、それらをできる限り小さく、したがってできる限り目立たなく設計することが重要である。カメラモジュールの場合には、これらは、カメラレンズであり、かつ、固定要素及びケーブルでありうる。しかしながら、同様に重要なのが、カメラの視野に必要とされる円錐形の開口角である。カバーの外表での光の反射及びカバーの内表での光の反射又はカバーと担持部品との間の境界での光の反射が、いずれも、外部からのカメラモジュールの可視性にとって、決定的である(図1)。
【0005】
従来技術では、アドオン部品の場合に、カメラ要素をできる限り不可視に設計するために、レンズの周囲の隣接する領域が、黒くフロッキング加工される。フロッキングは、透明カバーを貫通してくる光を吸収し(すなわち、光が反射せず)、光が再び現れることができなくなっている。観察者にとっては、内表と空気との間の境界において部分的に反射した光に起因して、黒色でバック射出された領域から、カメラ領域が際立って見える。
【0006】
アドオン部品におけるカメラレンズの観察角度は、多くの場合、アドオン部品の外表、すなわち、カバーの外側面の外表に対して垂直に向けられてはおらず、好ましくは、わずかに下向きに、かつ/又はわずかに側方に向けられており、それによって、例えば、道路の部分の画像を取得するようになっている。従来技術のアドオン部品では、これは、大きな設置空間を必要とし、したがって、水分又は水蒸気の侵入が増加するおそれが増加する。レンズとカバーとの間の空間に位置する空気が多いほど、カメラシステムの光学特性がさらに悪影響を受けうる;なぜならば、存在しうる水蒸気が、凝縮できてしまうからである。
【0007】
悪影響を回避するために、従来技術では、微多孔性膜、特には延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)から形成されている膜が、統合されたカメラモジュールを有する乗り物アドオン部品に統合され、それによって、隣接する空間から液水を遠ざけ、かつ同時に、内部からの水蒸気の蒸発を可能にする。しかしながら、これは、製造コストを増加させ、かつ、膜の統合によって、さらなる製造工程を伴う。
【0008】
代替的には、従来技術によれば、独国特許公報第102004057322号明細書に記載されているように、曇り防止層が、カメラに面するペインの表面に適用される。
【0009】
米国特許出願公開第2008/0112050号明細書は、レンズ部品の表面に疎水性層を提供すること、及びレンズの周辺の部品の表面に親水性層を提供することを記載している。
【0010】
国際公開第2013/13700号明細書は、乗り物部品に加熱装置を配置して、水蒸気の凝縮を防止することを記載している。
【0011】
独国特許出願公開第102006059555号明細書は、ペインを通して向こう側を見るカメラを有しているカメラ装置を開示しており、ここでは、カメラとペインとの間の空間が、凝縮媒体で充填されている。
【0012】
独国特許出願公開第102004024735号明細書は、剛性で光学的に透明な材料でできている光誘導体がカメラレンズと乗り物ペインとの間に配置されているカメラ装置を示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、軽量であり、少ない工程で製造することができ、水蒸気が曇りを生じるおそれが最小化されており、かつ/又は、統合されたカメラモジュールが外部からできる限り不可視になっている、カメラモジュールが統合されている乗り物アドオン部品を提供することからなる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の目的は、本発明に従って、独立請求項に係る、統合されたカメラモジュールを有する乗り物アドオン部品、その製造方法、及びその使用によって、達成される。好ましい実施態様が、従属請求項から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、従来技術に係る、統合されたカメラモジュールを有している乗り物アドオン部品の断面である。
図2図2は、本発明に係るアドオン部品の1つの実施態様の断面である。
図3図3は、本発明に係るアドオン部品の1つの実施態様の断面である。
図4図4は、本発明に係るアドオン部品の1つの実施態様の断面である。
図5図5は、本発明に係るアドオン部品の1つの実施態様の断面である。
図6図6は、本発明に係るアドオン部品の1つの実施態様の断面である。
図7図7は、本発明に係るアドオン部品の1つの実施態様の断面である。
図8図8は、本発明に係るアドオン部品の1つの実施態様の断面であり、カバーの射出のためのノズルが、概略的に描写されている。
図9図9は、本発明に係るアドオン部品の1つの実施態様の断面である。
図10図10は、本発明に係るアドオン部品の1つの実施態様の断面である。
図11図11は、本発明に係るアドオン部品の1つの実施態様の断面である。
図12図12は、本発明に係るアドオン部品を製造する方法のフローチャートである。
図13図13は、本発明に係るアドオン部品を製造する代替的な方法のフローチャートである。
図14図14は、本発明に係るアドオン部品を製造する代替的な方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係るアドオン部品は、少なくとも、外側面及び内側面を有するカバー、並びに、カバーの内側面に配置されておりかつカメラモジュールが配置されている担持部品を、有する。カメラモジュールは、少なくとも1つのカメラレンズを有する。モジュールは、単一のカメラレンズ、又は2若しくはそれ以上の、好ましくは互いに隣り合って配置されているカメラレンズを、有していることができる。少なくとも1つのカメラレンズは、カバーの内側面の方向に向かって配置されており、それにより、カメラレンズへの光線経路が、外部からカバーを通って来るようになっている。
【0017】
カバーの、設置位置において乗り物の外部環境に面する表面は、「外側面」として言及される。カバーの、設置位置において乗り物の内部に面する表面は、「内側面」として言及される。
【0018】
カメラレンズは、任意の適切な直径を有していることができる。カメラレンズの直径は、好ましくは、1mmと100mmの間、特に好ましくは1mmと50mmの間、最も特に好ましくは5mmと30mmの間であり、例えば、11mmである。
【0019】
本発明によれば、カバーが、少なくとも部分的に、透明熱可塑性材料から形成されている。透明熱可塑性材料に加えて、カバーが、例えば、フィルム、非透明プラスチック、及び/又は金属部品を含有していてよい。好ましい実施態様では、カバーが、その全体で、透明熱可塑性材料から形成されている。
【0020】
本発明によれば、カバーの透明熱可塑性材料が、カバーの内側面において、局所的に厚い部分及び/又は局所的に薄い部分を有しており、すなわち、透明熱可塑性材料が、特定の領域において厚くなっており、かつ/又は、特定の領域において薄くなっている。厚い部分及び/又は薄い部分は、本発明に係る乗り物アドオン部品において、カメラレンズに直接に対向して配置されている。換言すると、厚い部分の最大厚みの場所、及び/又は薄い部分の最小厚みの場所が、カメラレンズに直接に対向して配置されている。これらの場所は、カメラレンズの中央に直接に対向して配置されている必要はない;これらの場所は、例えば、カメラレンズの端部又は端部領域に直接に対向して配置されていてもよい。カバーの、厚くなっており、かつ/又は薄くなっている領域の全体は、好ましくは、少なくともカメラレンズの寸法と等しくなっており、特に好ましくは、カメラモジュールのために必要となる円すい角の寸法に等しくなっている。好ましくは、カバーの透明熱可塑性材料が、局所的に厚い部分及び/又は局所的に薄い部分の領域においてカメラレンズにまで達しており、それにより、カバーの内側面が、カメラレンズとほとんど同一面で、接続している。本発明に係るアドオン部品の場合には、このようにして、カバーの外側面とカメラレンズとの間の領域が、カバーの熱可塑性材料によって、ほぼ完全に充填されている。
【0021】
1つの実施態様では、統合されたカメラモジュールを有する乗り物アドオン部品が、外側面及び内側面を有するカバー、並びに、カバーの内側面に配置されておりかつカメラモジュールが配置される担持部品、を有しており、カバーが、少なくとも部分的に、透明熱可塑性材料から形成されており、カバーが、内側面において、透明熱可塑性材料の局所的に厚い部分を有しており、かつ、カメラモジュールは、少なくとも1つのカメラレンズを有し、かつ、カメラモジュールは、少なくとも1つのカメラレンズが局所的に厚い部分に直接に対向して配置されるように、担持部品に配置されている。好ましくは、カバーのプラスチックの局所的に厚い部分が、カメラレンズにまで達しており、それにより、カバーの内側面がカメラレンズとほぼ同一面で接続されるようになっている。このようにして、カバーの外側面とカメラレンズとの間の領域が、カバーの熱可塑性材料でほぼ完全に充填されているようになっている。
【0022】
別の実施態様では、統合されたカメラモジュールを有する乗り物アドオン部品が、外側面及び内側面を有するカバー、並びに、カバーの内側面に配置されておりかつカメラモジュールが配置される担持部品、を有しており、カバーが、少なくとも部分的に透明熱可塑性材料から形成されており、カバーが、内側面において、透明熱可塑性材料の局所的に厚い部分及び局所的に薄い部分を有しており、カメラモジュールは、少なくとも1つのカメラレンズを有しており、かつ、カメラモジュールは、少なくとも1つのカメラレンズが局所的に厚い部分及び局所的に薄い部分に直接に対向するように、担持部品に配置されている。好ましくは、カバーの透明熱可塑性材料が、局所的に厚い部分及び局所的に薄い部分の領域において、カメラレンズにまで到達しており、それにより、カバーの内側面が、カメラレンズとほぼ同一面で接続されるようになっている。本発明に係るアドオン部品によれば、このようにして、カバーの外側面とカメラレンズとの間の領域が、カバーの熱可塑性材料でほぼ完全に充填されているようになる。
【0023】
別の実施態様では、統合されたカメラモジュールを有する乗り物アドオン部品が、外側面及び内側面を有するカバー、並びにカバーの内側面に配置されておりかつカメラモジュールが配置されている担持部品を有しており、カバーが、少なくとも部分的に、透明熱可塑性材料から形成されており、カバーが、内側面において、透明熱可塑性材料の局所的に薄い部分を有しており、カメラモジュールは、少なくとも1つのレンズを有しており、かつ、カメラモジュールは、少なくとも1つのカメラレンズが局所的な薄い部分に直接に対向して配置されるように、担持部品に配置されている。好ましくは、局所的に薄い部分の領域においてカバーの透明熱可塑性材料がカメラレンズにまで達しそれによりカバーの内側面がカメラレンズとほぼ同一面で接続するように、カメラモジュールが、配置されている。本発明に係るアドオン部品によれば、カバーの外側面とカメラレンズとの間の領域が、このようにして、カバーの熱可塑性材料によってほぼ完全に充填されるようになる。
【0024】
カバーの外側面は、好ましくは、実質的に、平坦表面の形状、わずかに湾曲している表面の形状、又は、湾曲している表面の形状を、有している。
【0025】
カバーの外側面は、設置位置において、観察者から可視的な外表を構成する。したがって、本発明に係るアドオン部品は、独国特許出願公開第102004024735号明細書に記載されている構成要素の場合のような、乗り物ウィンドウペインの内側面に取り付けるための追加的な構成要素ではない。
【0026】
1つの実施態様では、カメラレンズが、カバーの透明熱可塑性材料の局所的に厚い部分及び/又は局所的に薄い部分の領域において、カバーの内側面に、物質的に統合される様式で、結合している。この場合には、カバーの外側面とカメラレンズとの間の領域が、カバーの熱可塑性材料によって、完全に充填されている。カバーの内側面とカメラレンズとの間の物質的に統合された結合は、透明充填化合物を追加的に導入することによっても、達成することができる。充填化合物は、好ましくは、カバー及びカメラレンズと同様の屈折率を有しており、又は、カバーの屈折率とカメラレンズの屈折率との間の屈折率を有している。
【0027】
ここで、かつ下記において、用語「厚い部分」は、カバーの熱可塑性材料の壁厚における増加を意味している。本発明によれば、この厚い部分は、カバーの内側面においてのみ実施される;すなわち、本発明によれば、壁厚におけるこの増加が、カメラレンズの方向においてのみ、実施される。
【0028】
ここで、かつ下記において、用語「薄い部分」は、カバーの熱可塑性材料の壁厚における減少を意味している。本発明によれば、この薄い部分は、カバーの内側面においてのみ実施される。
【0029】
本発明に関して、「透明」という特徴は、放射線受信器に関連する波長範囲における透明性に言及している。可視範囲及び/又は赤外範囲における放射線受信器、すなわちカメラに関して、200nm~2000nmの波長についての透過率が、好ましくは、60%超、特に好ましくは70%超、特には90%超である。
【0030】
放射線受信機は、好ましくは、380nm~780nmの波長の可視光のための、かつ/又は、780nm~1300nmの波長の赤外光のための、カメラを含む。
【0031】
好ましい実施態様では、カメラによって検出される波長範囲が、人間の目に可視的な波長範囲、すなわち、380nm~780nmに実質的に対応している。
【0032】
本発明に係るアドオン部品は、例えば、可視範囲における運転者支援カメラ又は事故録画カメラの統合だけではなく、例えばレーン検出及び/又は物体検出のために設計されている、赤外線ナイトビジョンカメラの統合も可能にする。
【0033】
局所的に厚い部分及び/又は局所的に薄い部分は、技術的な要件を満たす任意の三次元形状を有していてよい。特には、局所的に厚い部分及び局所的に薄い部分は、光線経路を最適化する形状、及び/又は光学的な効果をもたらす形状を有していてよい。
【0034】
局所的に厚い部分及び/又は局所的に薄い部分の形状は、特には、カメラレンズのサイズ及び数、それらの視野方向、及びカメラの視野に必要な(円錐形)開口角によって、決定される。
【0035】
厚い部分及び/又は薄い部分は、例えば、直方体、円錐、くさび、円筒、又は台形プリズムの形状であってよい。
【0036】
例えば、厚い部分及び/又は薄い部分の断面が、四角形、好ましくは長方形又は台形を有していてよい。これは、特には、カメラモジュールにおいて1つの平面で互いに隣り合って配置されておりかつ1つの高さで配置されている1又は複数のカメラレンズが、カメラレンズの視野方向がそれぞれカバーの外側面に対して垂直となるように配置されている場合でありうる。
【0037】
厚い部分及び/又は薄い部分の断面は、例えば、実質的に三角形状を有していてもよい。これは、特には、カメラモジュールにおいて互いに隣り合って配置されている1又は複数のカメラレンズが、カメラレンズの視野方向とカバーの外側面との間の角度が90°未満、好ましくは80°と30°との間、特に好ましくは85°と50°の間、最も特に好ましくは85°と65°の間となるように、配置されている場合でありうる。これは、また、例えば、1つの平面において互いに隣り合って配置されている1又は複数のカメラレンズが、カメラレンズの視野方向とカバーの外側面との間の角度が90°未満、好ましくは89°と30°との間、特に好ましくは89°と65°の間、最も特に好ましくは89°と85°の間となるように、配置されている場合でありうる。
【0038】
1つの平面に配置されていない複数のカメラレンズ、及び/又は視野方向が異なっている複数のカメラレンズを有するカメラモジュールの場合には、透明熱可塑性材料の厚い部分及び/又は薄い部分は、好ましくは、透明熱可塑性材料がカメラレンズと実質的に同一面で終端するように、実施される。
【0039】
厚い部分及び/又は薄い部分の外の領域では、カバーの透明熱可塑性材料は、好ましくは、1mm~5mm厚、特に好ましくは2mm~3mm厚である。厚い部分の領域では、カバーの透明熱可塑性材料が、好ましくは、厚い部分の外の領域よりも、最大で1mm~20mm厚くなっている。薄い部分の領域では、カバーの透明熱可塑性材料が、好ましくは、最大で1mm薄くなっている。
【0040】
本発明に係るアドオン部品の1つの実施態様では、カバーが、内側面において、厚い部分を有しており、カバーの透明熱可塑性材料が、厚い部分の領域において、厚い部分の外の領域よりも、最大で1mm~20mm厚くなっており、好ましくは、厚い部分の外の領域におけるカバーの透明熱可塑性材料が、1mm~5mm厚、特に好ましくは2mm~3mm厚である。
【0041】
カメラレンズの方向に向かってカバーの透明熱可塑性材料が厚くなっていること、及び/又はカバーの透明熱可塑性材料が薄くなっていること、並びに、カメラレンズが厚い部分及び/又は薄い部分の領域に直接に対向するように、カメラモジュールが配置されていることの結果として、カメラレンズと、カバーの内側面との間に形成されるキャビティが、低減され、そのようにして、水蒸気による曇りの発生のおそれが同様に低減され、好ましくは最小化される。本発明に係るアドオン部品によって、カメラレンズとカバーとの間の隣接する空間から液水を遠ざけかつ同時に内部からの水蒸気の蒸発を可能とする微多孔性膜、特には延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)から形成される膜を、カメラモジュールに統合することを、結果として省くことができる。これは、特には、厚い部分及び/又は薄い部分がカメラレンズと実質的に同一面で終端している場合、すなわち、カバーの外側面とカメラレンズとの間の領域のほぼ全体が、カバーの熱可塑性材料で充填されている場合である。微多孔性膜を省くことが可能となることは、とりわけ、本発明に係るアドオン部品が従来技術のアドオン部品よりも少ない別個の構成要素からなるという結果をもたらし、製造コストの低減及びアセンブリの単純化を可能とする。
【0042】
本発明に係る乗り物アドオン部品によれば、カバーの透明熱可塑性材料が、特に、観察者に可視的なアドオン部品の外表となるだけでなく、同時に、アドオン部品の内側面に取り付けられたカメラの光誘導体としても機能する。本発明に係るアドオン部品によれば、局所的な厚い部分及び/又は薄い部分、並びに、局所的に厚い部分及び/又は局所的に薄い部分に直接に対向してカメラレンズが配置されるようにカメラモジュールが配置されることに起因して、光誘導体が、従来技術のアドオン部品の場合と比較して、カメラレンズの近くまで達しており、好ましくは、カメラレンズと実質的に同一面で終端しており、又は、好ましくは、カメラレンズに、物質的に統合された様式で結合している。これは、カメラシステムの光学特性に有利な効果をもたらす。
【0043】
本発明に係るアドオン部品の別の利点は、カバーの重量が、無機ガラスから形成されているカバーと比較して、実質的に低減されていることである。これは、カバーが、少なくとも部分的に、透明熱可塑性材料から形成されているという事実に起因している。
【0044】
1つの実施態様では、カメラレンズの視野方向が、アドオン部品の外表に対して垂直に向いておらず、代わりに、わずかに下向きに、かつ/又はわずかに側方に向いており、例えば、それによって、道路の部分の画像を取得するようになっている。この実施態様では、カメラレンズの視野方向とカバーの外側面との間の角度が、90°未満、好ましくは85°と30°との間、特に好ましくは85°と50°の間、最も特に好ましくは85°と65°との間である。別の実施態様では、カメラレンズの視野方向とカバーの外側面との間の角度が、90°未満、好ましくは89°と30°の間、特に好ましくは89°と65°の間、最も特に好ましくは89°と85°の間である。カメラレンズに直接に対向している領域における、カバーの透明熱可塑性材料の、対応する局所的に厚い部分及び/又は局所的に薄い部分は、これらの実施態様においても、カバーの内側面とカメラレンズとの間の中間空間の低減を確保し、それにより、特には、カメラの、カバーへの、実質的に同一面での接続、又は物質的に統合された接続を、確保する。
【0045】
カメラレンズ又は入射の光学特性を最適化し得る表面構造、例えば、曲率、プリズム、又はフレネル光学部品を、カバーの透明熱可塑性材料に、内側面において、導入することができる。これは、重量の低減に加えて、無機ガラスの使用と比較してさらなる利点をもたらす;なぜならば、表面下構造の導入は、無機ガラスでは不可能だからである。
【0046】
カバーの透明熱可塑性材料は、好ましくは、少なくとも、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、ポリブダジエン、ポリニトリル、ポリエステル、特には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリウレタン(PU)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアクリレート、ポリアミド(PA)、アクリロニトリルブタジエンスチレンコポリマー(ABS)、スチレンアクリロニトリルコポリマー(SAN)、アクリロニトリルスチレンアクリルエステルコポリマー(ASA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン-ポリカーボネート混合物(ABS/PC)、並びに/又は、これらのコポリマー、共縮合体、及び/若しくは混合物を、含有する。
【0047】
特に好ましくは、カバーの透明熱可塑性材料が、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、スチレンアクリロニトリル(SAN)、及び/又はこれらのコポリマー若しくは混合物を含有する。これらのポリマーは、高光沢表面への処理を可能とし、それらのいくつかは、意図する用途によっては、ガラスと同様である。
【0048】
アドオン部品、特にカバーは、好ましくは、防護コーティング(ハードコート)を備えており、特に好ましくは熱又はUV硬化ラッカーを備えており、特に好ましくは、ポリシロキサン、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリウレタン、及び/又はこれらの混合物若しくはコポリマーを備えている。ハードコートは、機械的な損傷、風化、温度変動、UV放射、及び/又は空気からの若しくはスプレー水からの攻撃的な化学物質に対する抵抗性を改善する。随意に、ハードコートは、装飾的な機能を担っていてもよい。
【0049】
防護コーティングは、好ましくは、1μm(ミクロン)~50μm、特に好ましくは2μm~25μmの厚みを有する。
【0050】
カメラモジュールの統合に適している任意の担持部品が、担持部品として適している。担持部品は、カバーの厚い部分及び/又は薄い部分の領域に直接に対向してカメラレンズが配置されるようにカメラモジュールを保持しうるように、実施される。
【0051】
担持部品は、例えば、カメラ担持体及びリング封止を有する従来技術から知られている担持部品と同様にして、実施することができる(図1参照)。
【0052】
好ましい実施態様では、担持部品が、熱可塑性材料でできている。担持部品は、好ましくは、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、ポリブダジエン、ポリニトリル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、好ましくは、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、アクリロニトリルスチレンアクリルエステル(ASA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン-ポリカーボネート(ABS/PC)、及び/又は、これらのコポリマー若しくは混合物を含有し、又はそれからなっている。
【0053】
好ましくは、熱可塑性材料でできている担持部品が、無機又は有機フィラー、特に好ましくはSiO、Al、TiO、粘土鉱物、シリケート、ゼオライト、ガラス繊維、炭素繊維、ガラス球体、有機繊維、及び/又は、これらの混合物を含有する。これらのフィラーは、担持部品の安定性を向上させることができる。さらに、フィラーは、ポリマー材料含有を低減することができ、そのため、構成要素の製造コストが低減されうる。
【0054】
カメラモジュールのための担持部品を形成する熱可塑性材料は、1つの実施態様では、好ましくは、不透明であり、特に好ましくは、着色されており、特には、暗色であり、最も特に好ましくは、黒色である。
【0055】
1つの実施態様では、担持部品を形成する熱可塑性材料が、透明で形成されている。
【0056】
熱可塑性材料でできている担持部品は、好ましくは、1mm~100mm厚、特に好ましくは、2mm~50mm、最も特に好ましくは2mm~10mm、特には2mm~3mm厚である。
【0057】
担持部品が射出成形部品として熱可塑性材料から製造される態様は、担持部品におけるカメラモジュールの簡便化されたアセンブリという利点をもたらす;なぜならば、この場合には、カメラモジュール、固定要素、例えばドーム、クリップ開口部などの固定要素のためのすきま、及び、カメラモジュールに接続されるケーブルのためのすきまを、射出成形部品として実施される担持部品に直接に導入することができるからである。好ましくは、カメラモジュールが、対になる取付コンセプトを有しており、それにより、例えば、カメラモジュールを担持部品に1つの工程のみで留めることができ、かつ、固定要素の接着が不要となる。これに対して、無機ガラスでできているカバーの場合には、多くの場合、内側殻部及び固定要素を、追加的に接着する必要がある。
【0058】
1つの実施態様では、カバーが、透明熱可塑性材料でできている射出成形部品として実施されている。そして、このカバーを、カメラモジュールの統合のための上述の担持部品に、接続することができる。
【0059】
好ましい実施態様では、カバー及び担持部品が、2成分射出成形部品として実施されている。
【0060】
代替的な実施態様では、カバーが、バック射出されたポリマーフィルムを有する1成分射出成形部品として実施されている。このバック射出されたフィルムは、好ましくは、不透明であり、特に好ましくは着色されており、特には、黒色で着色されており、最も特に好ましくは、黒色である。そして、カメラモジュールの統合のための担持部品を、フィルムに接着することができ、すなわち、担持部品がフィルムに結合される。
【0061】
ポリマーフィルムは、好ましくは、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート-ポリブチレンテレフタレート(PBT/PC)、スチレンアクリロニトリル(SAN)、及び/又はこれらのコポリマー若しくは混合物を含有している。
【0062】
1つの実施態様では、フィルムが、着色されておりかつ/又は1若しくは複数のパターンで実施されており、それにより、フィルムが、光学的な効果をもたらすようになっている。例えば、そのようなフィルムを介して、アドオン部品に装飾的な要素を導入することが可能である。
【0063】
本発明に係るアドオン部品は、好ましくは、フロントウィンドウペイン、リアウィンドウペイン、サイドウィンドウペイン、又はルーフパネルであり、トリムストリップ、特にはサイドトリムストリップ、フロントトリムストリップ、リアトリムストリップ、又は装飾トリムストリップであり、バンパー、敷居、スポイラー、ランプカバー、又はパネル、特にはカラムパネル、特に好ましくはBカラムパネルであってよい。
【0064】
本発明は、さらに、統合されたカメラモジュールを有する本発明に係るアドオン部品を製造するための方法を含む。
【0065】
この方法は、工程として、少なくとも、少なくとも部分的に透明熱可塑性材料でできており、かつその内側面において透明熱可塑性材料の局所的に厚い部分及び/又は局所的に薄い部分を有している、カバーを提供すること、少なくとも1つのカメラレンズを有するカメラモジュールのための担持部品を提供すること、カバーを担持部品に結合させること、並びに、カメラモジュールを担持部品において保持すること、を含み、カメラモジュールは、カメラモジュールのカメラレンズがカバーの透明熱可塑性材料の局所的に厚い部分及び/又は局所的に薄い部分に直接に対向して配置されるように、担持部品に保持される。
【0066】
随意に、本方法は、さらなる工程として、防護コーティングを好ましくはフラッドコーティングによって適用することを、含むことができる。防護コーティングは、カバーに適用することができ、かつ/又は、担持部品に適用することができる。代替的には、防護コーティングを、カメラモジュールを有しているアドオン部品、又はカメラモジュールを有していないアドオン部品に、適用してもよい。
【0067】
本発明に係る方法の1つの実施態様では、少なくとも部分的に透明熱可塑性材料でできているカバーの透明熱可塑性材料が、局所的に厚い部分及び/又は局所的に薄い部分の領域においてカメラレンズにまで達しており、好ましくは、カメラレンズと実質的に同一面で終端している。
【0068】
本発明に係る方法の1つの実施態様では、カバー及びカバーに接続されている担持部品が、2成分射出成形法において、又は、回転プラテン技術を有する2成分射出圧縮成形法において、2成分射出成形部品として製造される。これらの方法は、加工対象物を後にトリム加工する必要がないため、実質的に廃棄物のない製造を可能にする。複雑な構造物も、直接に製造することができる。
【0069】
初めにカバーを射出成形部品として製造し、そして、カバーに担持部品を射出してよく、又は、代替的には、初めに担持部品を製造して、そして、担持部品にカバーを射出してもよい。
【0070】
随意に、本方法は、さらなる工程として「光学的な結合」を含んでおり、それによって、カバーの内側面とカメラレンズとの間の物質的に統合された結合を達成する。この工程では、好ましくはカバー及びカメラレンズの屈折率に近い屈折率又はカバーとカメラと間の屈折率を有する、透明充填化合物が、カメラレンズとカバーとの間に挿入される。
【0071】
代替的な方法では、局所的に厚い部分及び/又は局所的に薄い部分を有するカバーを、バック射出されたフィルムを有する1成分射出成形部品として、製造することができる。この方法では、初めに、フィルム又はフィルムブランクが、カバー射出成形キャビティの面に挿入され、これが、後に、カバーの内側面を構成する。ここで、フィルムは、好ましくは透明であり、特に好ましくは着色されており、特には黒色に着色されており、最も特に好ましくは黒色である。フィルム又はフィルムブランクは、好ましくは、カメラレンズが後に配置される領域において、局所的な開口部を有している。そして、フィルムブランクを、透明材料でバック射出する、すなわち、フィルムが配置場所にとどまっている間に、射出成形キャビティを充填する。フィルムブランクは、工具輪郭に応じて事前成形してよく、それによって、さらに良好な適合、及び、随意に、バック射出時におけるさらに良好な成形を確保する。カメラモジュールを統合するための担持部品を、このカバーに、より正確には、フィルムブランクに、接着することができ、カメラモジュールは、カメラレンズが局所的に厚い部分及び/又は局所的に薄い部分に直接に対向して配置されるように、担持部品に配置される。
【0072】
1つの実施態様では、フィルムが着色されておりかつ/又は1若しくは複数のパターンで実施されており、それにより、フィルムが、光学的な効果を生ずることができるようになっている。例えば、装飾的な要素を、そのようなフィルムを介して、アドオン部品に導入することができる。
【0073】
射出成形部品としての又はバック射出されたフィルムを有する射出成形部品としてのカバーの製造の間に、例えば、射出成形化合物を、局所的に厚い部分及び/又は局所的に薄い部分の領域に、側方ファンスプルー及び/若しくは側方射出点、並びに/又は射出点を介して、導入することができる。
【0074】
好ましい実施態様では、射出成形部品としての又はバック射出されたフィルムを有する射出成形部品としてのカバーの製造の間に、射出成形化合物を、局所的に厚い部分及び/又は局所的に薄い部分の領域に、射出点を介して、導入することができ、随意に、追加的に側方ファンスプルー及び/又は側方射出点を介して、導入することができる。このタイプの導入の結果として、射出成形化合物の成形後に、適切な保持圧力を、局所的に厚い部分及び又は局所的に薄い部分の領域に、適用することができ、それにより、射出型において透明射出成形化合物を冷却する間に、透明射出成形化合物が崩れることを、防止することができ、又は最小化することができる。このようにして、ひけマークに起因してパネルの外側面において反射光学の劣化が起こることを回避することができる。保持圧力は、事前に要求される充填圧力に依存しており、例えば、300~500barであってよい。局所的に厚い部分及び/又は局所的に薄い部分の領域における射出点は、好ましくは、カメラモジュールの統合の後にカメラレンズに直接に対向して位置する領域には、配置されず、そのようにして、カメラモジュールの光学が射出点によって影響を受けないようになっている。局所的に厚い部分及び/又は局所的に薄い部分の領域に射出成形化合物を導入することができるノズルの直径は、1mm~10mmの間であり、好ましくは、2mm~5mmである。
【0075】
本発明は、さらには、乗り物に、好ましくは自動車、トラック、バスに、カメラモジュールを統合するための、アドオン部品の使用、特には、ウィンドウペイン、特には、フロントウィンドウペイン、リアウィンドウペイン、サイドウィンドウペイン、又はルーフパネルに、トリムストリップに、特には、サイドトリムストリップ、フロントトリムストリップ、リアトリムストリップ、又は装飾トリムストリップに、バンパーに、敷居に、スポイラーに、ランプカバーに、又はパネルに、特には、カラムパネル、特に好ましくはBカラムパネルに、カメラモジュールを統合するための、アドオン部品の使用を含む。
【0076】
下記では、図面を参照して、本発明を詳細に説明する。図面は、純粋に概略的な表現であり、角度、サイズ、及び縮尺を正確に反映したものではない。これらは、決して、本発明を限定しない。
【0077】
図1は、統合されたカメラモジュール(3)を有する従来技術の乗り物アドオン部品(21)の断面を示す。従来技術の乗り物アドオン部品(21)は、黒色内側殻部(2)に結合しているガラス製のカバー(20)を有する。リング封止を有するカメラ担体(4)が、この内側殻部(2)に取り付けられている。カメラレンズ(7)を有するカメラモジュール(3)が、カメラ担体(4)に保持されている。カメラレンズ(7)は、カバー(20)の内側面(II)の方向に向いている。
【0078】
図1は、カバー(20)の外表(I)における光反射、及びカバー(20)の内表(II)における反射又はカバー(20)とカメラ担体(4)との間の境界における反射を、示している。
【0079】
光が、任意の角度から、カバー(20)の外表(I)に当たると、光の多くの部分が、初期に反射する。しかしながら、光の一部が、表面で屈折してそらされ、光学的に高い密度を有する媒体ガラスに進入する。これが起こるアドオン部品(21)の場所に応じて、2つの異なる効果がもたらされる:カメラすきまの領域では、カバー(20)の内表(II)が、大抵の場合、ガラスと比較して光学的に薄い媒体である空気と接触しており、そのため、この境界において、部分的な反射が起こる。外表(I)における部分的な反射の後に、光のうちのかなりの部分が、再び反射して、観察者の目に到達する(光線経路A)。しかしながら、カメラ領域の外では、カバー(20)が、内表(II)を介して黒色の内側殻部(2)に固定的に結合している。ここでは、黒色の担体材料によって光の大部分が吸収されるため、反射がほとんど起こらず、又は反射が起こらない(光線経路B)。
【0080】
従来技術のアドオン部品(21)を有するカメラモジュール(3)をできる限り不可視に設計するために、カバー(20)の内側面(II)に面するカメラ担体(4)の部分が、黒色でフロッキング処理されている。このフロッキング(5)は、透明カバー(20)を貫通する光(非反射光)を吸収するので、光は、再び逃れることができない。内表(II)と空気との間の境界において部分的に反射した光に起因して、カメラ領域が、観察者にとって、内側殻部(2)を有する黒色の背景領域から、比較的明瞭に際立って見える。カバー(20)の材料は、カメラレンズ(7)にまで達していない。カバー(20)の内側面(II)とカメラレンズ(7)との間には空気を有するキャビティ(8)があり、ここに、水が侵入し凝縮することができてしまい、その結果として、カメラモジュール(3)の光学的な特性が、悪影響を受けうる。
【0081】
図2は、本発明に係るアドオン部品(11)の実施態様の断面を描写しており、このアドオン部品は、透明熱可塑性材料(1.1)でできているカバー(1)、カバーに接続しており熱可塑性材料でできている担持部品(12)、及び、担持部品(12)に保持されておりかつカバー(1)の内側面(II)の方向に配置されているレンズ(7)を有するカメラモジュール(3)を、有している。カメラレンズ(7)の直径は、例えば、11mmである。描写されている実施態様では、カメラレンズ(7)の視野方向と、カバー(1)の外側面(I)との間の角度が、90°とは異なっており、例えば、65°である。しかしながら、この角度は、別の値であってもよく、例えば、85°であってもよい。カバー(1)は、カメラレンズ(7)の方向におけるその内側面(II)において、透明熱可塑性材料(1.1)の局所的に厚い部分(9)を有しており、そのようにして、カメラレンズ(7)にまで達している。カメラレンズ(7)は、局所的に厚い部分(9)に直接に対向して配置されている。結果として、カバー(1)が、実質的に同一面で、カメラレンズ(7)に接続しており、カメラレンズ(7)とカバー(1)の内側面(II)との間に形成される空気を有するキャビティ(8)が、最小化されている。このようにして、水蒸気の凝縮に起因するレンズ(7)又はカバー(1)の内側面(II)の曇りの発生が最小化されうる。熱可塑性材料(1.1)は、厚い部分(9)の外の領域において、例えば、3mmの厚みを有しており、かつ、厚い部分(9)領域においては、厚い部分(9)の領域の外よりも、最大で4mm厚くなっている。
【0082】
担持部品(12)が黒色の熱可塑性材料でできている場合には、直接に黒色材料でバック射出されていない内表(II)の断面も、図1に描写されている従来技術のアドオン部品(21)と比較して、この実施態様において、低減されている。この実施態様では、バック射出されていない内表(II)の領域は、カメラレンズ(7)の領域に対応している。このようにして、アドオン部品(11)の光学特性が、向上し得る。また、カメラモジュール(3)は、外部からの可視性がさらに低減される。
【0083】
図2に描写されているアドオン部品(11)の、カバー(1)及びカバーに結合している担持部品(12)は、例えば、2成分射出成形部品として製造される。
【0084】
図3は、本発明に係るアドオン部品(11)の別の実施態様の断面を描写しており、このアドオン部品は、透明熱可塑性材料(1.1)でできているカバー(1)、カバーに接続されており熱可塑性材料でできている担持部品(12)、及び、担持部品(12)に保持されておりかつカバー(1)の内側面(II)の方向に配置されているレンズ(7)を有するカメラモジュール(3)を、有している。カメラレンズ(7)の直径は、例えば、11mmである。描写されている実施態様では、カメラレンズ(7)の視野方向とカバー(1)の外側面(I)との間の角度が、90°とは異なっている。カバー(1)は、その内側面(II)において、透明熱可塑性材料(1.1)の局所的に薄い部分(15)を有している。カメラレンズ(7)は、薄い部分(15)の領域に直接に対向して配置されている。その結果として、カバー(1)が、実質的に同一面で、カメラレンズ(7)に接続し、カメラレンズ(7)とカバー(1)の内側面(II)との間に形成される空気を有するキャビティ(8)が、最小化される。このようにして、水蒸気の凝縮に起因するレンズ(7)又はカバー(1)の内側面(II)の曇りの発生が、最小化されうる。熱可塑性材料(1.1)は、薄い部分(15)の外の領域において、例えば、5mm厚であり、かつ、薄い部分(15)の領域では、薄い部分(15)の領域の外よりも、最大で3mm薄くなっている。
【0085】
担持部品(12)が黒色の熱可塑性材料でできている場合には、直接に黒色材料でバック射出されていない内表(II)の断面も、図1に描写されている従来技術のアドオン部品(21)と比較して、この実施態様において低減されている。バック射出されていない内表(II)の領域は、この実施態様では、カメラレンズ(7)の領域に対応している。このようにして、アドオン部品(11)の光学特性が、向上し得る。また、カメラモジュール(3)は、外部からの可視性がさらに低減される。
【0086】
図3に描写されているアドオン部品(11)の、カバー(1)及びカバーに結合している担持部品(12)は、例えば、2成分射出成形部品として製造される。
【0087】
図4は、本発明に係るアドオン部品(11)の別の実施態様の断面を描写しており、このアドオン部品は、透明熱可塑性材料(1.1)でできているカバー(1)、カバーに接続されており熱可塑性材料でできている担持部品(12)、及び、担持部品(12)に保持されており、かつカバー(1)の内側面(II)の方向に配置されているレンズ(7)を有するカメラモジュール(3)を、有している。カメラレンズ(7)の直径は、例えば、11mmである。描写されている実施態様では、カメラレンズ(7)の視野方向とカバー(1)の外側面(I)との間の角度が、90°とは異なっている。カバー(1)は、その内側面(II)において、透明熱可塑性材料(1.1)の局所的に厚い部分(9)及び局所的に薄い部分(15)を有している。カメラレンズ(7)は、厚い部分(9)及び薄い部分(15)の領域に直接に対向して配置されている。その結果として、カバー(1)が、実質的に同一面で、カメラレンズ(7)に接続し、カメラレンズ(7)とカバー(1)の内側面(II)との間に形成される空気を有するキャビティ(8)が、最小化されている。このようにして、水蒸気の凝縮に起因するレンズ(7)又はカバー(1)の内側面(II)の曇りの発生が、最小化されうる。熱可塑性材料(1.1)は、厚い部分(9)の外でありかつ薄い部分(15)の外である領域において、例えば、5mm厚であり、かつ、厚い部分(9)及び薄い部分(15)の領域の外よりも、厚い部分(9)の領域において、最大で3mm厚くなっており、薄い部分(15)の領域において、最大で3mm薄くなっている。
【0088】
担持部品(12)が黒色の熱可塑性材料でできている場合には、直接に黒色材料でバック射出されていない内表(II)の断面も、図1に描写されている従来技術のアドオン部品(21)と比較して、この実施態様において低減されている。黒色射出されていない内表(II)の領域は、この実施態様では、カメラレンズ(7)の領域に対応する。このようにして、アドオン部品(11)の光学特性が、向上し得る。また、カメラモジュール(3)は、外部からの可視性もさらに低減される。
【0089】
図4に描写されているアドオン部品(11)の、カバー(1)及びカバーに結合している担持部品(12)は、例えば、2成分射出成形部品として製造される。
【0090】
図5は、本発明に係るアドオン部品(11)の代替的な実施態様の断面を描写しており、このアドオン部品は、透明熱可塑性材料(1.1)でバック射出されたフィルム(10)でできているカバー(1)、フィルム(10)に接続されており熱可塑性材料でできている担持部品(12)、及び、担持部品(12)に保持されておりかつ透明熱可塑性材料(1.1)の内側面(II)の方向に配置されているレンズ(7)を有するカメラモジュール(3)を、有している。カメラレンズ(7)の直径は、例えば、11mmである。描写されている実施態様では、カメラレンズ(7)の視野方向とカバー(1)の外側面(I)との間の角度が、90°とは異なっている。バック射出されているフィルム(10)が、アドオン部品(11)においてレンズ(7)が配置される領域において、すきまを有している。カバー(1)の透明熱可塑性材料(1.1)は、カメラレンズ(7)の方向におけるその内側面(II)において、局所的に厚い部分(9)を有しており、それにより、カメラレンズ(7)にまで達している。カメラレンズ(7)は、局所的に厚い部分(9)に直接に対向して配置されている。その結果として、カバー(1)が、実質的に同一面で、カメラレンズ(7)に接続し、カメラレンズ(7)とカバー(1)の透明熱可塑性材料(1.1)の内側面(II)との間に形成される、空気を有するキャビティ(8)が、最小化されている。このようにして、水蒸気の凝縮に起因するレンズ(7)又はカバー(1)の透明熱可塑性材料(1.1)の内側面(II)の曇りの発生が、最小化されうる。熱可塑性材料(1.1)は、厚い部分(9)の外の領域において、例えば、3mm厚であり、かつ、厚い部分(9)の領域において、厚い部分(9)の領域の外よりも、最大で4mm厚くなっている。
【0091】
この実施態様では、バック射出されたフィルム(10)としての黒色フィルムの使用によって、直接に黒色材料に接続していないカバー(1)の内表(II)の断面が、図1に描写されている従来技術のアドオン部品(21)と比較して、低減されている。黒色材料に接続していないカバー(1)の内表(II)の領域は、この実施態様では、カメラレンズ(7)の領域に対応する。このようにして、アドオン部品(11)の光学特性が、向上し得る。カメラモジュール(3)は、また、外部からの可視性がさらに低減される。
【0092】
この実施態様は、着色されておりかつ/又は1若しくは複数のパターンを備えているフィルムの使用によって、アドオン部品にフィルムを介して装飾要素を導入する可能性を、提供する。
【0093】
図6は、本発明に係るアドオン部品(11)の代替的な実施態様の断面を描写しており、このアドオン部品は、透明熱可塑性材料(1.1)でバック射出されたフィルム(10)でできているカバー(1)、フィルム(10)に接続している担持部品(12)、及び、担持部品(12)に保持されており、かつカバー(1)の透明熱可塑性材料(1.1)の内側面(II)の方向に配置されているレンズ(7)を有しているカメラモジュール(3)、を有している。カメラレンズ(7)の直径は、例えば、11mmである。描写されている実施態様では、カメラレンズ(7)の視野方向とカバー(1)の外側面(I)との間の角度が、90°とは異なっている。バック射出されたフィルム(10)は、アドオン部品(11)においてレンズ(7)が配置される領域に、すきまを有している。カバー(1)の透明熱可塑性材料(1.1)は、カメラレンズ(7)の方向におけるその内側面(II)に、局所的に厚い部分(9)を有しており、そのようにしてカメラレンズ(7)にまで到達している。その結果として、カバー(1)が、実質的に同一面で、カメラレンズ(7)に接続し、カメラレンズ(7)とカバー(1)の透明熱可塑性材料(1.1)の内側面(II)との間に形成される、空気を有するキャビティ(8)が、最小化されている。このようにして、水蒸気の凝縮に起因するレンズ(7)又はカバー(1)の透明熱可塑性材料(1.1)の内側面(II)の曇りの発生が、最小化されうる。熱可塑性材料(1.1)は、厚い部分(9)の外の領域において、例えば3mm厚であり、かつ、厚い部分(9)の領域において、厚い部分(9)の領域の外よりも、最大で4mm厚くなっている。
【0094】
この実施態様では、バック射出されたフィルム(10)としての黒色フィルムの使用によって、直接に黒色材料に接続されていないカバー(1)の内側面(II)の断面が、図1に描写されている従来技術のアドオン部品(21)と比較して、低減されている。黒色材料に接続されていないカバー(1)の内側面(II)の領域は、この実施態様では、カメラレンズ(7)の領域に対応する。このようにして、アドオン部品(11)の光学特性が、向上し得る。カメラモジュール(3)は、また、外部からの可視性がさらに低減される。
【0095】
図6に描写されている実施態様は、図5に描写されている実施態様とは、担持部品(12)の形状の点においてのみ、異なっている。
【0096】
図7は、図6に描写されている本発明に係るアドオン部品の好ましい実施態様の断面を描写しており、ここでは、担持部品が、従来技術で使用される、リング封止(6)を有するカメラ担体(4)(図1参照)に対応している。
【0097】
カバー(1)の透明熱可塑性材料(1.1)が、カメラレンズ(7)の方向におけるその内側面(II)において、局所的に厚い部分(9)を有しており、そのようにして、カメラレンズ(7)にまで達している。その結果として、カバー(1)が、ほぼ同一面で、カメラレンズ(7)に接続し、カメラレンズ(7)とカバー(1)の透明熱可塑性材料(1.1)の内側面(II)との間に形成される、空気を有するキャビティ(8)が、最小化されている。このようにして、水蒸気の凝縮に起因するレンズ(7)又はカバー(1)の透明熱可塑性材料(1.1)の内側面(II)の曇りの発生が、最小化されうる。熱可塑性材料(1.1)は、厚い部分(9)の外の領域において、例えば3mm厚であり、かつ、厚い部分(9)の領域において、厚い部分(9)の領域の外よりも、最大で4mm厚くなっている。
【0098】
この実施態様では、バック射出されたフィルム(10)としての黒色フィルムの使用によって、直接に黒色材料に接続していないカバー(1)の内側面(II)の断面も、図1に描写されている従来技術のアドオン部品(21)と比較して、低減されている。黒色材料に接続していないカバー(1)の内側面(II)の領域は、この実施態様では、カメラレンズ(7)の領域に対応する。このようにして、アドオン部品(11)の光学特性が、向上し得る。カメラモジュール(3)は、また、外部からの可視性がさらに低減される。
【0099】
図8は、本発明に係るアドオン部品の実施態様の断面を描写しており、ここでは、カバー(1)を射出するためのノズル(13)が描写されており、それ以外は、この実施態様は、図2に描写されている実施態様に実質的に対応している。図8で見られるように、射出点(14)は、好ましくは、後にカバー(1)の局所的に厚い部分(9)を形成する領域にある。ノズル(13)のこのような配置によって、射出成形化合物の成形後に、この領域に適切な保持圧力を適用することができ、それにより、射出型における透明射出成形化合物の冷却の間における崩れを回避又は最小化することができる。このようにして、ひけマークに起因するパネルの外側における反射光学の劣化を回避することができる。射出点(14)は、好ましくは、カメラレンズ(7)が位置する領域の近くに配置される。カバーの領域のうち、カメラモジュール(3)の配置後にカメラレンズ(7)の光線経路が通る領域の外に、射出点(14)を配置することによって、カメラモジュール(3)の光学が、射出点(14)によって影響をうけなくなる。
【0100】
図9は、本発明に係るアドオン部品(11)の別の実施態様の断面を描写しており、このアドオン部品は、透明熱可塑性材料(1.1)でバック射出されたフィルム(10)でできているカバー(1)、熱可塑性材料でできておりフィルム(10)に接続している担持部品(12)、及び、担持部品(12)に保持されており、かつ、透明熱可塑性材料(1.1)の内側面(II)の方向に配置されているレンズ(7)を有しているカメラモジュール(3)、を有している。カメラレンズ(7)の直径は、例えば、11mmである。描写されている実施態様では、カメラレンズ(7)の視野方向とカバー(1)の外側面(I)との間の角度が、90°とは異なっている。バック射出されたフィルム(10)は、アドオン部品(11)においてレンズ(7)が配置される領域に、すきまを有している。カバー(1)の透明熱可塑性材料(1.1)は、その内側面(II)に、局所的に薄い部分(15)を有している。カメラレンズ(7)は、局所的に薄い部分(15)に直接に対向して配置されている。その結果として、カバー(1)が、実質的に同一面で、カメラレンズ(7)に接続し、カメラレンズ(7)とカバー(1)の透明熱可塑性材料(1.1)の内側面(II)との間に形成される、空気を有するキャビティ(8)が、最小化されている。このようにして、水蒸気の凝縮に起因するレンズ(7)又はカバー(1)の透明熱可塑性材料(1.1)の内側面(II)の曇りの発生が、最小化されうる。熱可塑性材料(1.1)は、薄い部分(15)の外の領域において、例えば5mm厚であり、かつ、薄い部分(15)の領域において、薄い部分(15)の領域の外よりも、最大で3mm薄くなっている。
【0101】
この実施態様では、バック射出されたフィルム(10)としての黒色フィルムの使用によって、直接に黒色材料に接続していないカバー(1)の内側面(II)の断面が、図1に描写されている従来技術のアドオン部品(21)と比較して、低減されている。黒色材料に接続していないカバー(1)の内側面(II)の領域は、この実施態様では、カメラレンズ(7)の領域に対応する。このようにして、アドオン部品(11)の光学特性が、向上し得る。カメラモジュール(3)は、また、外部からの可視性がさらに低減される。
【0102】
この実施態様は、着色されておりかつ/又は1若しくは複数のパターンを備えているフィルムの使用によって、アドオン部品にフィルムを介して装飾的な要素を導入する可能性を、提供する。
【0103】
図10は、本発明に係るアドオン部品(11)の別の実施態様の断面を描写しており、このアドオン部品は、透明熱可塑性材料(1.1)でバック射出されたフィルム(10)でできているカバー(1)、熱可塑性材料でできておりフィルム(10)に接続している担持部品(12)、及び、担持部品(12)に保持されており、かつ、透明熱可塑性材料(1.1)の内側面(II)の方向に配置されているレンズ(7)を有しているカメラモジュール(3)、を有している。カメラレンズ(7)の直径は、例えば、11mmである。描写されている実施態様では、カメラレンズ(7)の視野方向とカバー(1)の外側面(I)との間の角度が、90°とは異なっている。バック射出されたフィルム(10)は、アドオン部品(11)においてレンズ(7)が配置される領域に、すきまを有している。カバー(1)の透明熱可塑性材料(1.1)は、その内側面(II)に、透明熱可塑性材料(1.1)の局所的に厚い部分(9)及び局所的に薄い部分(15)を有している。カメラレンズ(7)は、厚い部分(9)及び局所的に薄い部分(15)に直接に対向して配置されている。その結果として、カバー(1)が、実質的に同一面で、カメラレンズ(7)に接続し、カメラレンズ(7)とカバー(1)の内側面(II)との間に形成される、空気を有するキャビティ(8)が、最小化される。このようにして、水蒸気の凝縮に起因するレンズ(7)又はカバー(1)の内側面(II)の曇りの発生が、最小化されうる。熱可塑性材料(1.1)は、厚い部分(9)の外でありかつ薄い部分(15)の外である領域において、例えば5mm厚であり、かつ、厚い部分(9)及び薄い部分(15)の領域の外よりも、厚い部分(9)の領域において、最大で3mm厚くなっており、薄い部分(15)の領域において、最大で3mm薄くなっている。
【0104】
この実施態様では、バック射出フィルム(10)としての黒色フィルムの使用によって、直接に黒色材料に接続していないカバー(1)の内表(II)の断面が、図1に描写されている従来技術のアドオン部品(21)と比較して、低減されている。黒色材料に接続していないカバー(1)の内側面(II)領域は、この実施態様では、カメラレンズ(7)の領域に対応する。このようにして、アドオン部品(11)の光学特性が、向上し得る。カメラモジュール(3)は、また、外部からの可視性がさらに低減される。
【0105】
この実施態様も、着色されておりかつ/又は1若しくは複数のパターンを備えているフィルムの使用によって、アドオン部品にフィルムを介して装飾要素を導入する可能性を、提供する。
【0106】
図11は、本発明に係るアドオン部品(11)の代替的な実施態様の断面を描写しており、このアドオン部品は、透明熱可塑性材料(1.1)でバック射出されたフィルム(10)でできているカバー(1)、フィルム(10)に接続している担持部品(12)、及び、担持部品(12)に保持されており、かつ、カバー(1)の透明熱可塑性材料(1.1)の内側面(II)の方向に配置されているレンズ(7)を有しているカメラモジュール(3)、を有している。カメラレンズ(7)の直径は、例えば、11mmである。描写されている実施態様では、カメラレンズ(7)の視野方向とカバー(1)の外側面(I)との間の角度が、90°とは異なっている。バック射出されたフィルム(10)は、アドオン部品(11)においてレンズ(7)が配置される領域に、すきまを有している。カバー(1)の透明熱可塑性材料(1.1)は、その内側面(II)に、透明熱可塑性材料(1.1)の局所的に厚い部分(9)及び局所的に薄い部分(15)を有している。カメラレンズ(7)は、厚い部分(9)及び局所的に薄い部分(15)に直接に対向して配置されている。その結果として、カバー(1)が、実質的に同一面で、カメラレンズ(7)に接続し、カメラレンズ(7)とカバー(1)の内側面(II)との間に形成される、空気を有するキャビティ(8)が、最小化されている。このようにして、水蒸気の凝縮に起因するレンズ(7)又はカバー(1)の内側面(II)の曇りの発生が、最小化されうる。熱可塑性材料(1.1)は、厚い部分(9)の外でありかつ薄い部分(15)の外である領域において、例えば5mm厚であり、かつ、厚い部分(9)及び薄い部分(15)の領域の外よりも、厚い部分(9)の領域において、最大で3mm厚くなっており、薄い部分(15)の領域において、最大で3mm薄くなっている。
【0107】
この実施態様では、バック射出されたフィルム(10)としての黒色フィルムの使用によって、直接に黒色材料に接続していないカバー(1)の内側面(II)の断面が、図1に描写されている従来技術のアドオン部品(21)と比較して、低減されている。黒色材料に接続していないカバー(1)の内側面(II)の領域は、この実施態様では、カメラレンズ(7)の領域に対応する。このようにして、アドオン部品(11)の光学特性が、向上し得る。カメラモジュール(3)は、また、外部からの可視性がさらに低減される。
【0108】
この実施態様も、着色されておりかつ/又は1若しくは複数のパターンを備えているフィルムの使用によって、アドオン部品にフィルムを介して装飾要素を導入する可能性を、提供する。
【0109】
図12は、本発明に係るアドオン部品(11)を製造するための、本発明に係る方法のフローチャートを描写している。この方法では、カバー(1)及び担持部品(12)が、2成分射出成形部品として製造される。第1工程では、透明熱可塑性材料(1.1)でできているカバー(1)を、射出成形する。第2工程では、熱可塑性材料でできている、好ましくは黒色プラスチックでできている担持部品(12)を、カバー(1)の上に成形する。カバー(1)は、内側面(II)において、局所的に厚い部分(9)及び/又は局所的に薄い部分(15)を有する。
【0110】
さらなる工程において、カメラモジュール(3)を、アセンブルする;ここで、カメラモジュールは、カメラレンズ(7)がカバー(1)の透明熱可塑性材料(1.1)の局所的に厚い部分(9)及び/又は局所的に薄い部分(15)に直接に対向するように、配置される。
【0111】
随意に、本方法は、工程として、防護コーティングによるコーティング、好ましくはフラッドコーティングを、含んでよい。
【0112】
図13は、本発明に係るアドオン部品(11)を製造するための、本発明に係る代替的な方法のフローチャートを描写している。この方法では、カバー(1)及び担持部品(12)が、2成分射出成形部品として製造される。第1工程では、熱可塑性材料でできている、好ましくは黒色プラスチックでできている担持部品(12)を、射出成形する。第2工程では、透明熱可塑性材料(1.1)でできているカバー(1)を、担持部品(12)の上に成形する。カバー(1)は、内側面(II)に、局所的に厚い部分(9)及び/又は局所的に薄い部分(15)を有する。
【0113】
さらなる工程において、カメラモジュール(3)を、アセンブルする;ここで、カメラモジュールは、カメラレンズ(7)がカバー(1)の透明熱可塑性材料(1.1)の局所的に厚い部分(9)及び/又は局所的に薄い部分(15)に直接に対向するように、配置される。
【0114】
随意に、本方法は、工程として、防護コーティングによるコーティング、好ましくはフラッドコーティングを、含んでよい。
【0115】
図14は、本発明に係るアドオン部品(11)を製造するための本発明に係る代替的な方法のフローチャートを描写している。この方法では、カバー(1)が、透明熱可塑性材料(1.1)でバック射出されたフィルム(10)からなる射出成形部品として、製造される。第1工程では、好ましくは黒色であるフィルムブランクを、カバー(1)の射出成形キャビティに配置する。第2工程では、フィルムブランク(10)を、透明熱可塑性材料(1.1)でバック射出し、そのようにして、フィルムブランク(10)がカバー(1)の透明熱可塑性材料(1.1)の内側面(II)で終端するようにする。カバー(1)は、内側面(II)に、局所的に厚い部分(9)及び/又は局所的に薄い部分(15)を有する。
【0116】
第3工程では、担持部品(12)を、フィルムブランク(10)に取り付ける。担持部品(12)は、例えば、熱可塑性材料でできている射出成形部品として製造することができる。しかしながら、カメラモジュール(3)のための任意の他の保持装置が、担持部品(12)として適しており、そのため、担持部品(12)は、例えば、リング封止(6)を有するカメラ担体(4)として従来技術で知られているアドオン部品(11)と同様にして製造することもできる。
【0117】
さらなる工程において、カメラモジュール(3)を、アセンブルする;ここで、カメラモジュールは、カメラレンズ(7)がカバー(1)の透明熱可塑性材料(1.1)の局所的に厚い部分(9)及び/又は局所的に薄い部分(15)に直接に対向するように、配置される。
【0118】
随意に、本方法は、工程として、防護コーティングによるコーティング、好ましくはフラッドコーティングを、含んでよい。担持部品(12)が射出成形部品として実施されない場合には、それに固定要素又はケーブルダクトを統合することはできず、そのため、この点では、この方法は好ましくない。しかしながら、例えば従来技術と同様にして形成された担持部品を有する、図14に記載された方法に従って製造されたアドオン部品(11)は、特に小さいシリーズの製造のためには、適切でありうる;なぜならば、この場合には、道具コストが、2成分射出成形部品として実施されるアドオン部品(11)の場合よりも、低くなるからである。
本開示に係る発明は、下記の態様を含む。
<態様1>
少なくとも下記を有する、統合されたカメラモジュール(3)を有する乗り物アドオン部品(11):
- 外側面(I)及び内側面(II)を有するカバー(1)、ここで、前記カバー(1)は、少なくとも部分的に、透明熱可塑性材料(1.1)からなる;
- 前記カバー(1)の前記内側面(II)に配置されており、かつカメラモジュール(3)が配置されている、担持部品(12);
ここで、前記カバー(1)が、前記内側面(II)において、前記透明熱可塑性材料(1.1)の局所的に厚い部分(9)及び/又は局所的に薄い部分(15)を有しており;
かつ、ここで、前記カメラモジュール(3)は、少なくとも1つのカメラレンズ(7)を有しており、かつ、前記少なくとも1つのカメラレンズ(7)が前記局所的に厚い部分(9)及び/又は前記局所的に薄い部分(15)に直接に対向して配置されるようにして、前記担持部品(12)に配置されている。
<態様2>
前記局所的に厚い部分(9)及び/又は前記局所的に薄い部分(15)が、前記少なくとも1つのカメラレンズ(7)と物質的に統合されている様式で、又は実質的に同一面で、終端している、態様1に記載の乗り物アドオン部品(11)。
<態様3>
前記カバー(1)の前記外側面(I)が、実質的に、平坦な表面又は湾曲した表面の形状を有している、態様1又は2に記載の乗り物アドオン部品(11)。
<態様4>
前記乗り物アドオン部品(11)が、フロントウィンドウ、リアウィンドウ、サイドウィンドウ、ルーフパネル、トリムストリップ、バンパー、敷居、スポイラー、ランプカバー、又はパネルである、態様1~3のいずれか一項に記載の乗り物アドオン部品(11)。
<態様5>
構造、好ましくは曲率、プリズム、又はフレネル光学部品が、前記カバー(1)の前記透明熱可塑性材料(1.1)に、前記内側面(II)において、前記カメラレンズ(7)の方向に、導入されている、態様1~4のいずれか一項に記載の乗り物アドオン部品(11)。
<態様6>
前記カメラモジュール(3)のための前記担持部品(12)が、熱可塑性材料でできており、好ましくは不透明の、特に好ましくは着色されている、特には黒色に着色されている、最も特に好ましくは黒色の、熱可塑性材料でできている、態様1~5のいずれか一項に記載の乗り物アドオン部品(11)。
<態様7>
前記カメラモジュール(3)を保持するためのすきま、前記カメラモジュール(3)のための固定要素、及び/又は前記カメラモジュール(3)に接続されるケーブルのためのすきまが、前記担持部品(12)の前記熱可塑性材料に導入されている、態様6に記載の乗り物アドオン部品(11)。
<態様8>
前記カバー(1)が、透明熱可塑性材料(1.1)でできており、かつ、前記カバー(1)及び前記担持部品(12)が、好ましくは、2成分射出成形部品として実施されている、態様6又は7に記載の乗り物アドオン部品(11)。
<態様9>
前記乗り物アドオン部品(11)が、ポリマーフィルム(10)、好ましくはバック射出されたポリマーフィルム(10)を有しており、このフィルムが、好ましくは、前記カバー(1)と前記担持部品(12)との間に配置されており、かつ、ここで、前記フィルム(10)が、好ましくは、不透明であり、特に好ましくは着色されており、特には暗色で着色されており、最も特に好ましくは黒色である、態様1~8のいずれか一項に記載の乗り物アドオン部品(11)。
<態様10>
前記カバー(1)が、少なくとも前記外側面(I)において、防護コーティングによってコーティングされており、前記防護コーティングが、好ましくは、少なくとも1種のポリシロキサン、少なくとも1種のポリアクリレート、少なくとも1種ポリメタクリレート、及び/又は少なくとも1種のポリウレタンを含有しており又はそれから形成されており、かつ、前記防護層が、好ましくは、1μm~50μmの厚みで、特に好ましくは2μm~25μmの厚みで適用されている、態様1~9のいずれか一項に記載の乗り物アドオン部品(11)。
<態様11>
下記である、少なくとも1つのカメラレンズ(7)を有する統合されたカメラモジュール(3)を有する乗り物アドオン部品(11)を製造する方法:
- 第1工程において、少なくとも部分的に透明熱可塑性材料(1.1)からなり、かつその内側面(II)において前記透明熱可塑性材料(1.1)の局所的に厚い部分(9)及び/若しくは局所的に薄い部分(15)を有している、カバー(1)を、射出成形法によって、製造すること、並びに、
第2工程において、少なくとも1つのカメラレンズ(7)を有している前記カメラモジュール(3)のための、熱可塑性材料でできている担持部品(12)を、前記カバー(1)の上に、前記内側面(II)において、射出成形すること;
又は、
第1工程において、少なくとも1つのカメラレンズ(7)を有している前記カメラモジュール(3)のための、熱可塑性材料でできている担持部品(12)を、射出成形法によって、製造すること、並びに
第2工程において、少なくとも部分的に透明熱可塑性材料(1.1)でできており、かつその内側面(II)において前記透明熱可塑性材料(1.1)の局所的に厚い部分(9)及び/若しくは局所的に薄い部分(15)を有している、カバー(1)を、前記担持部品(12)の上に成形し、それにより、前記カバー(1)の前記内側面(II)が前記担持部品(12)に接続するようにすること;
- 第3工程において、前記カメラモジュール(3)を、前記担持部品(12)に保持し、それにより、前記少なくとも1つのカメラレンズ(7)が、前記局所的に厚い部分(9)及び/又は前記局所的に薄い部分(15)に直接に対向して配置されるようにすること。
<態様12>
前記カバー(1)及び前記カバー(1)に接続している前記担持部品(12)を、2成分射出成形法において、又は、回転プラテン技術を有する2成分射出圧縮成形法において、製造する、態様11に記載の方法。
<態様13>
下記である、少なくとも1つのカメラレンズ(7)を有する統合されたカメラモジュール(3)を有する乗り物アドオン部品(11)を製造する方法:
-第1工程において、少なくとも部分的に透明熱可塑性材料(1.1)でできており、かつ、その内側面(II)において前記透明熱可塑性材料の局所的に厚い部分(9)及び/又は局所的に薄い部分(15)を有している、カバー(1)を、バック射出されたポリマーフィルム(10)を有する1成分射出成形部品として製造すること、ここで、前記フィルム(10)は、前記カバー(1)の前記内側面(II)に配置され、かつ、好ましくは、前記フィルム(10)は、前記少なくとも1つのカメラレンズ(7)が配置される場所に、すきまを有している;
- 第2工程において、前記カメラモジュール(3)のための担持部品(12)を提供すること;
- 第3工程において、前記担持部品(12)を、前記バック射出されたポリマーフィルム(10)に取り付けること、並びに、
- 第4工程において、少なくとも1つのカメラレンズ(7)を有する前記カメラモジュール(3)を、前記担持部品(12)に保持し、それにより、前記カメラレンズ(7)が、前記局所的に厚い部分(9)及び/又は前記局所的に薄い部分(5)に直接に対向して配置されるようにすること。
<態様14>
射出成形化合物を、前記カバー(1)の製造の間に、前記局所的に厚い部分(9)及び/又は前記局所的に薄い部分(15)の領域において、側方ファンスプルー及び/若しくは側方射出点を介して、かつ/又は射出点(14)を介して、導入する、態様11~13のいずれか一項に記載の方法。
<態様15>
防護コーティングを、前記乗り物アドオン部品(11)若しくは前記カバー(1)、及び/又は前記担持部品(12)の、少なくとも外側面に、適用する、態様11~14のいずれか一項に記載の方法。
<態様16>
乗り物に、好ましくは自動車、トラック、バスに、カメラモジュール(3)を統合するための、特には、ウィンドウペインに、特には、フロントウィンドウペイン、リアウィンドウペイン、サイドウィンドウペイン、又はルーフパネルに、トリムストリップに、特にはサイドトリムストリップ、フロントトリムストリップ、リアトリムストリップ、又は装飾トリムストリップに、バンパーに、敷居に、スポイラーに、ランプカバーに、又はパネルに、特にはカラムパネル、特に好ましくはBカラムパネルに、カメラモジュールを統合するための、態様1~10のいずれか一項に記載の乗り物アドオン部品(11)の使用。
【符号の説明】
【0119】
1 カバー、本発明に係るカバー
1.1 透明熱可塑性材料
2 内側殻部
3 カメラモジュール
4 カメラ担体
5 フロッキング
6 リング封止
7 カメラレンズ
8 空気を有するキャビティ
9 厚い部分
10 フィルム/フィルムブランク
11 アドオン部品/乗り物アドオン部品、アドオン部品/本発明に係る乗り物アドオン部品
12 担持部品
13 ノズル
14 射出点
15 薄い部分
I 外側面/外表
II 内側面/内表
20 カバー、従来技術のカバー
21 アドオン部品、従来技術のアドオン部品
図1
図2
図3
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図5
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図9
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図14