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特許7087115光学材料用モノマーのモールド自動注入方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-10
(45)【発行日】2022-06-20
(54)【発明の名称】光学材料用モノマーのモールド自動注入方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 39/24 20060101AFI20220613BHJP
   B29C 39/02 20060101ALI20220613BHJP
【FI】
B29C39/24
B29C39/02
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020567887
(86)(22)【出願日】2019-10-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-10-14
(86)【国際出願番号】 KR2019014323
(87)【国際公開番号】W WO2020091362
(87)【国際公開日】2020-05-07
【審査請求日】2020-12-04
(31)【優先権主張番号】10-2018-0129550
(32)【優先日】2018-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】513164934
【氏名又は名称】ケイオーシーソリューション カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】KOC SOLUTION CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】チャン ドンギュ
(72)【発明者】
【氏名】キム ジュンソプ
【審査官】田代 吉成
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2008/108280(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 39/24
B29C 39/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周がシーリングされた一対のモールドの間に形成されたキャビティの内部にモノマー溶液を注入する方法であって、
モノマー溶液の大部分をモールド内に注入する第1段階と、
前記第1段階後に、モノマー溶液をモールド内に注入しながらビジョン認識システムを用いて流面を感知し、設定された最終注入地点に流面が感知されるとモノマー溶液の注入を終了する第2段階と、
を含み、
前記ビジョン認識システムは、モールドの輪郭と前記モールドに注入されるモノマー溶液の流面を撮影するものであり、モールドが注入位置にセッティングされた状態を感知するために、前記モールド輪郭の一部に位置する第1領域と、前記モールドの外側に位置した第2領域を設定し、コントローラは、前記第1領域でモールドの輪郭が感知されると、設定された第1注入流量又は注入速度でモノマー溶液の大部分をモールド内に注入した後、前記第1注入流量又は注入速度よりも低い注入流量又は注入速度で残量のモノマー溶液を注入しながら第2領域で流面が感知されるとモノマー溶液の注入を終了し
前記ビジョン認識システムは流面を画素数の変化によって感知することを特徴とする、
光学材料用モノマーのモールド自動注入方法。
【請求項2】
前記第1及び第2領域ではモールドの輪郭及びモノマー溶液の流面を陰影の変化によって感知することを特徴とする、請求項1に記載の光学材料用モノマーのモールド自動注入方法。
【請求項3】
前記陰影の変化は画素数の変化で感知することを特徴とする、請求項2に記載の光学材料用モノマーのモールド自動注入方法。
【請求項4】
前記第1領域には円弧状に仮想輪郭が表示され、前記第1領域でモールド輪郭の感知時に、撮影されたモールドの輪郭が前記仮想輪郭に一致するように撮影位置調整がなされ、前記第1領域の位置変化にしたがって第2領域の位置が共に調整されて流面変化を感知することを特徴とする、請求項1に記載の光学材料用モノマーのモールド自動注入方法。
【請求項5】
前記第1領域は、モールドの外周においてモールドのX方向情報及びY方向情報の両方を有する位置に設定されることを特徴とする、請求項1に記載の光学材料用モノマーのモールド自動注入方法。
【請求項6】
前記モノマー溶液をモールド内に第1注入流量又は注入速度で注入する段階ではモールド内キャビティ容積の90%~98%を注入することを特徴とする、請求項1に記載の光学材料用モノマーのモールド自動注入方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外周がシーリングされた一対のモールドの間に形成されたキャビティの内部にモノマー溶液を注入して光学材料を製造する方法に関し、より詳細には、原料タンクのモノマーをモールドのキャビティに注入しながらビジョン認識システムを用いてモノマー溶液の流面を感知し、最終注入地点に流面が感知されると注入を中止することによって短時間で定量注入可能にした光学材料用モノマーのモールド自動注入方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光学材料において、プラスチックレンズはラスレンズに比べて軽く、破れ難く、加工性が良いという長所から多く使用されている。かかるプラスチックレンズは、モノマー(monomer)という高分子化合物をモールドに注入して固めた後、適当な後加工を経て製造される。すなわち、レンズ形状の空いた注入空間(キャビティ)を持つモールドにモノマー溶液を注入する方式で製造される。
【0003】
これに関する従来技術として特許文献1では‘メガネレンズ製造用モールドの移動距離セッティング装置’を開示している。この文献では、メガネレンズ製造用ガラスモールドの隔離距離を正確に決定するためにモールドチャックを用いてガラスモールドを互いに離隔して配置させた状態で、ガラスモールドの外周面にテープを接着するテーピング作業をした後、形成されたキャビティにモノマー溶液を手作業で注入する。
【0004】
ところが、特許文献1に開示のような、ガラスモールド内にモノマーを手作業で注入する技術は、完全に注入者の熟練度に依存するため、熟練度によって不良が発生することがあり、作業効率が低下する問題があった。特に、モノマーを毎度一定量で精密注入することには高度の熟練が必要であり、未熟練者による場合にはモールドの内部に気泡ができる問題がある。その上、液状のモノマーは人体に有害な揮発性気体を生成するため、長時間作業する場合、作業者の健康に悪い影響を及ぼすことがある。
【0005】
特許文献2には‘メガネレンズ用モノマー自動注入装備及びこれを用いたメガネレンズ生産方法’が開示されている。特許文献2では、モールドに原料を注入する工程を自動化することによって、製造現場で製品の生産性を増加させ、不良率を減少させ、エコな製造環境を追求するためのものであり、特許文献2の装置は、モールド着座部、テープ着脱部、モノマー注入部を含み、レンズモールド供給段階、モールド着座段階、テープ離脱段階、モノマー注入段階、テープ付着段階、レンズモールド排出段階によってレンズ用モノマーを自動で注入できるようにしている。
【0006】
一方、特許文献2では、一対のモールドが形成するキャビティの内部にモノマー溶液を注入する段階でレンズモールドの位置を感知する変位センサー(レーザーセンサー)を使用することによってレンズモールドの位置を把握し、第2移動部によってレンズモールドに満たされる原料のレベルを感知しており、注入ノズルのモノマー注入量は注入量調節部によって調節するが、モノマーが一定レベルに到達すると、モノマーが注入される量を1段階であるレベル5mmと2段階であるレベル10mmに調節するようになっている。
【0007】
しかし、特許文献2のように変位センサーを用いて原料(モノマー溶液)のレベルを感知する場合、モノマー溶液は水に比べて粘性が高いため、レベルの変化が水平的な変化ではなく2次元的な左右対称形のほう物線状をなすことになり、実時間でレベルを正確に感知することが困難であった。このため、注入量の段階的調節にもかかわらず正確な量で注入することが難しくなって注入量が不足又は過剰になり、製品不良、及び溢れ出たモノマー溶液による注入装備の汚染が発生し、装備の安定した動作を妨げる恐れがあった。
【0008】
また、特許文献3の‘プラスチック製品の製造方法及び製造装置’では、プラスチックレンズ製造過程で成型用モールドにプラスチック原液を注入する工程を自動化するための方法であって、キャビティ内側の第1及び第2壁部間の幅を計測して第1流量及び第1時間を設定し、キャビティに第1流量で第1時間、プラスチック原液を注入する第1工程と、第1工程に続いてキャビティに第1流量よりも少ない第2流量でプラスチック原液を注入する第2工程を有することを特徴とし、所定の時間だけ大流量で原液を注入し、その後、注入終了に向かっては少流量で原液を注入することによって、注入時間を短縮すると共に漏れ量を少なくできるようにしている。
【0009】
特許文献3ではキャビティ内の空間的な特性を勘案してプラスチック原料の注入量及び注入時間を段階的に減少させることによって注入時間の短縮及び漏れ量の低減を図っているが、レンズ製造のためのプラスチック原料をレンズモールドに注入するとき、粘性の高いプラスチック原料の流面変化特性を勘案していないため、依然として、プラスチック原料の漏れが効果的に防止されないか、プラスチック原料の注入量が最適に制御されないという短所があった。
【0010】
特許文献4(日本公開特許第2008-80766号)の‘プラスチックレンズの成型方法’では、あたかも酒杯を傾けて酒を注ぐような方式で液状成型材料をモールド内に注入するとき、内部に極力泡を残さずに充填させることができるように、初期には注入口が上方正中から一側にややずれた状態にして注入を開始し、ある程度注入が進んだところでモールドを回転させて(傾けて)注入口を上方正中に位置させて原料モノマーを充填するようにしたプラスチックレンズの成型方法が開示されている。
【0011】
特許文献4は、バブルを残留させずに原料を注入するには適切であるが、原料を正確な量で注入するには足りない方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】韓国登録実用新案第20-0236704号(2001.06.21.登録)
【文献】韓国登録特許第10-1383132号(2014.04.02.登録)
【文献】日本登録特許第3707189号(2005.08.12.登録)
【文献】日本特開2008-80766号(2008.04.10.公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は上記の問題点を解決するために案出されたものであり、本発明の目的は、光学材料を製造するためにモールド内にモノマー溶液を注入する時間を短縮できながらも、ビジョン認識システムを用いてモノマー溶液があふれないように定量注入できる光学材料用モノマーのモールド自動注入方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記の目的を達成するために、本発明は、外周がシーリングされた一対のモールドの間に形成されたキャビティの内部にモノマー注入器でモノマー溶液を注入する方法であって、モノマー溶液の大部分をモールド内に注入する段階と、ビジョン認識システムを用いて最終注入地点に流面が感知されるまで残量を注入した後、注入を終了する段階を含んでなる光学材料用モノマーのモールド自動注入方法を提供する。
【0015】
本発明において、前記自動注入方法は、モノマー溶液をモールド内に高い注入流量又は注入速度で大部分注入する第1段階と;モノマー溶液の注入流量又は注入速度を前記第1段階よりも下げ、ビジョン認識システムを用いて最終注入地点に流面が感知されるまで徐々に残量を注入した後、注入を終了する第2段階;を含んでなり得る。
【0016】
好ましくは、前記ビジョン認識システムは、モールドの輪郭と前記モールドに注入されるモノマー溶液の流面が形成する2次元形状の陰影を撮影するものであり、モールドが注入位置にセッティングされた状態を感知するための前記モールド輪郭の一部の第1領域と、前記モールドの外側に位置した第2領域を設定し、コントローラは、前記第1領域でモールドの輪郭が感知されるとシリンジ内のモノマー溶液をモールド内に注入させ、前記第2領域で流面が感知されるとモノマー溶液の注入を終了させる。
【0017】
前記第1及び第2領域ではモールドの輪郭及びモノマー溶液の流面を好ましくは陰影の変化によって感知する。前記陰影の変化は好ましくは画素数の変化で感知できる。
【0018】
本発明の実施例において、前記第1領域には円弧状に仮想輪郭が表示され、前記第1領域でモールド輪郭の感知時に、撮影されたモールドの輪郭が前記仮想輪郭に一致するように撮影位置調整がなされ、前記第1領域の位置変化にしたがって第2領域の位置が共に調整され、流面変化を感知する。
【0019】
本発明の実施例において、前記第1領域は、モールドの外周において対角線方向、すなわち、モールドのX方向情報及びY方向情報の両方を有する位置を意味し、モールドを注入位置に安置時にモールドの位置変化を把握するための部分であり、前記第1領域は第2領域の位置移動の基準となり、第1領域ではモールドが注入位置に着座するとモールドの輪郭を直ちに感知する。
【0020】
本発明の実施例において、前記第2領域は、モールド内のキャビティに気泡無しにモノマー溶液を完全に満たすために、モールドのモノマー注入口から近い位置の外部に設定されており、概してモールド輪郭から1~2mm以内の位置に設置される。
【0021】
好ましい実施例において、前記コントローラは、シリンジに一次注入されたモノマー溶液をモールド内に注入する時、モノマー溶液の90~98%を高い注入流量又は注入速度で注入し、これよりも低い注入流量又は注入速度で徐々にその残量を注入するようにシリンジ駆動部を制御する。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、モノマー溶液のモールド内への注入時に、ビジョン認識システムを用いて流面を確認しながら流面が最終注入地点に到達するところで自動で注入を中止するので、モノマー溶液が不足することもあふれることもなく定量注入できる利点がある。
【0023】
本発明の具体的な実施例によれば、粘性を有するモノマー溶液をモールド内のキャビティに注入時に、あらかじめ前記モールドのキャビティ容量に一致するようにセッティングされたシリンジの内部に一次にモノマー溶液を吸引し、これをモールド内に高い注入流量又は注入速度で速く大部分注入した後、最終段階で注入流量又は注入速度を下げて残量を徐々に注入して充満させるので、注入容量を超える恐れがない。また、モールドの内部にシリンジ内のモノマー溶液を短時間で大部分を注入した後、ビジョン認識システムによって第2領域におけるモノマー溶液が感知されると注入を終了するので、気泡の残留もなく、モノマー溶液の注入量があふれることも足りないこともなく正確に定量が注入され、均一な品質のレンズが生産でき、モノマーの注入時間を短縮できるので、モノマー注入作業の効率性を高めることができる。これによって、モノマー溶液の注入量不足による不良を防止するとともに、モノマー溶液の過度な注入による装備の異常動作や故障を予防することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施例によるレンズ製造過程を概略的に示すフローチャートである。
図2】本発明の一実施例によるモノマー自動注入方法の構成図である。
図3図2でモノマー溶液がシリンジ内に一次吸引された状態を示す図である。
図4図3でモノマー溶液がモールド内に注入されている状態を示す図である。
図5図4でモノマー溶液がモールド内に充満された状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を限定しない好ましい実施例を添付の図面に基づいて詳細に説明する。
【0026】
まず、図1に示すように、レンズなどの光学材料を製造するためにモノマー溶液をモールド内に自動で注入する方法は、モールドのローディング(S10)、テーピング(S20)、テープ開放(S30)、モノマー注入(S40)、テープ閉鎖(S50)及びモールドアンローディング(S60)段階を含み、後続工程としてモノマーの硬化後にモールドから分離する工程を経ることでレンズを完成する。
【0027】
本発明の実施例で使用されるモールドは、外周がシーリングされた一対のモールドであり、一対のモールドの間に形成されたキャビティの内部にモノマー溶液を注入する。このとき、モールドの材質は制限されず、モノマーの硬化後に脱着に適切な材質であればいずれも使用可能である。好ましくは、ガラスモールドを使用することができる。
【0028】
モールドのシーリングは、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET:polyethylene terephthalate)、ナイロンなどのフィルムをベースフィルムとする粘着テープを使用できるが、これに限定されない。モノマーの硬化最終温度が100℃以下であるアリール系モノマーを注入硬化させる時には、PPフィルムをベースにした粘着テープを使用することが好ましい。モノマーの硬化最終温度が100℃以上であるモノマーを注入硬化させる時には、PETフィルムをベースフィルムにした粘着テープを使用することが好ましい。また、モノマーの硬化最終温度が100℃以下であっても、ウレタン、アクリル、エピスルフィド系モノマーを注入硬化させる時には、PETフィルムをベースにした粘着テープ使用することが好ましい。
【0029】
本発明の実施例で使用されるモノマーは、光学レンズ及びメガネレンズとして使用可能な様々なモノマー化合物をいずれも含むことができる。例えば、アクリル系モノマー、エポキシアクリル系モノマー、チオウレタン系光学材料のためのポリイソシアネートとポリチオール、エピスルフィド系光学材料のためのエピスルフィド化合物、アリール系光学材料のためのアルキレングリコールビスアリールカーボネート又はマレート化合物、アリルジグリコールカーボネートなどが含まれ得る。
【0030】
好ましい一実施例において前記モノマーは、次の式1で表示されるエポキシアクリレート化合物、次の式2で表示されるエポキシアクリレート化合物のいずれか一つ以上を含むアクリル系光学材料用モノマー組成物である。
【0031】
【化1】
【0032】
(ここで、n=0~15であり、RはH又はCHであり、RはH或いはBrである。)
【0033】
【化2】
【0034】
(ここで、R、RはH又はCHであり、m=0~5、n=0~5であり、mとnは同時に0でなく、m+n=1~10である。)
【0035】
前記アクリル系光学材料用モノマー組成物は、スチレン、ジビニルベンゼン、アルファメチルスチレン、アルファメチルスチレンダイマー、メチルメタクリレート、ベンジルメタアクリレート、クロロスチレン、ブロモスチレン、メトキシスチレン、モノベンジルマレート、ジベンジルマレート、モノベンジルフマレート、ジベンジルフマレート、メチルベンジルマレート、ジメチルマレート、ジエチルマレート、ジブチルマレート、ジブチルフマレート、モノブチルマレート、モノペンチルマレート、ジペンチルマレート、モノペンチルフマレート、ジペンチルフマレート及びジエチレングリコールビスアリールカーボネートからなる群から選ばれる1種或いは2種以上の化合物をさらに含むことができる。
【0036】
前記アクリル系光学材料用モノマー組成物は、内部離型剤をさらに含むことができる。鋳型重合前にモノマー組成物中に内部離型剤を添加することによって重合後の異型性を向上させることができる。内部離型剤としてはリン酸エステル化合物、シリコン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、アルキル第4級アンモニウム塩などをそれぞれ単独で又は2種以上共に使用することができる。内部離型剤は好ましくは組成物中に0.001~10重量%で含まれ得る。
【0037】
また、前記アクリル系光学材料用モノマー組成物は熱安定剤をさらに含むことができる。熱安定剤としては、例えば、金属脂肪酸塩系のカルシウムステアレート、バリウムステアレート、亜鉛ステアレート、カドミウムステアレート、亜鉛ステアレート、マグネシウムステアレート、アルミニウムステアレート、カリウムステアレート、亜鉛オクトエートなどの化合物から選ばれる1種或いは2種以上の化合物を使用することができる。熱安定剤は好ましくはモノマー組成物中に0.01~5.00重量%で含まれ得る。熱安定剤を0.01重量%未満で使用するときは、熱安定効果が弱く、5.00重量%を超えて使用するときは、硬化時に重合不良率が高く、硬化物の熱安定性がかえって低下することがある。
【0038】
前記アクリル系光学材料用モノマー組成物のモールド内注入は、5℃~60℃の温度範囲で行われることが好ましく、5℃~40℃の温度範囲で行われることがより好ましい。適切な温度で注入されることによって可使時間を適切に維持でき、また最終的に得られる光学材料において脈理、リング、可変未硬化の発生率を下げて光学材料の品質を高めることができる。
【0039】
好ましい他の実施例において前記モノマーは、アルキレングリコールビスアリールカーボネート及びマレート化合物から選ばれる1種以上の化合物である‘成分A’と次の式3で表示されるジアリールエステル化合物である‘成分B’を含むアリール系光学材料用モノマー組成物である。
【0040】
【化3】
【0041】
(ここで、Rは水素原子又はメチル基を表し、ORは、炭素数1~5の2価アルコール残基を表し、m=0~20の整数を表す)
【0042】
前記成分A及び成分Bは、好ましくは5~70重量%及び30~95重量%の割合で混合できる。ジアリールエステル化合物(成分B)の含有量が30%未満であり、成分A化合物が70%を超える場合には、製造された光学レンズの衝撃強度が低いか、屈折率が低いことがあり、ジアリールエステル化合物の含有量が95%を超える場合には、単量体組成物の粘度が高くなってガラス金型に注入し難くなり、生産性が低下する問題点がある。前記成分Aと成分Bは、より好ましくは10~60重量%及び40~90重量%の割合で混合できる。
【0043】
前記アルキレングリコールビスアリールカーボネートは、好ましくは次の式4で表示できる。前記アルキレングリコールビスアリールカーボネートは特に好ましくはジエチレングリコールビスアリールカーボネートである。
【0044】
【化4】
【0045】
(ここで、Rは水素又はメチル基を表し、-ORは、炭素数1~10の2価アルコール残基を表し、nは1~10の整数を表す。)
【0046】
前記式3で表示されるジアリールエステル化合物は、ジアリールフタレート、ジアリールイソフタレート、ジアリールテレフタレートなどに2価アルコール、すなわち、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、ネオペンチルグリコールなどを一部付加するエステル交換反応によって製造できる。
【0047】
前記マレート化合物は、好ましくは、ジベンジルマレート;モノベンジルマレート;ジベンジルフマレート;メチルベンジルマレート;メチルベンジルフマレート;ジメチルマレート;ジエチルマレート;ジブチルマレート;ジブチルフマレート;モノブチルマレート;ジペンチルマレート及びジペンチルフマレートからなる群から選択できる。
【0048】
前記アリール系光学材料用モノマー組成物は、リン酸エステル化合物をさらに含むことができる。本組成物においてリン酸エステルは、アニール過程で熱によって発生する光学レンズの黄変現象を防ぐ役割を担う。本組成物中にリン酸エステルは好ましくは0.001~3重量%(10~30000ppm)で含まれ、より好ましくは0.02~2重量%(200~20000ppm)で含まれ得る。リン酸エステルの含有量が0.001重量%未満の場合は熱による黄変を防ぎ難く、3重量%を超える場合は硬化過程で固相樹脂からガラス金型が離れていることになり、レンズ表面に縞ができる不良が発生し得る。リン酸エステルは、好ましくは次の式5で表示できる。
【0049】
【化5】
【0050】
(X、Y、Zは、水素、ハロゲン、アルキル、アリル、フェニル、エチレンオキシド又はプロピレンオキシドが付加されたアルコール残基及びハロアルキルの炭化水素からなる群から選ばれるいずれか一つであり、互いに同一でも異なってもよい。
【0051】
前記アリール系光学材料用モノマー組成物のモールド内注入は、50℃以下の温度範囲で行われることが好ましく、より好ましくは-10℃~50℃、より好ましくは5℃~40℃温度範囲で行われるとよい。適切な温度で注入されることによって可使時間を適切に維持でき、また最終的に得られる光学材料において脈理、リング、可変未硬化の発生率を下げて光学材料の品質を高めることができる。
【0052】
好ましい他の実施例において、前記モノマーは次の式6で表示されるジエチレングリコールビスアリルカーボネートとイソプロピルペルオキシジカーボネートを含むアリルジグリコールカーボネートモノマー組成物である。
【0053】
【化6】
【0054】
前記アリルジグリコールカーボネートモノマー組成物は、リン酸エステル化合物をさらに含むことができる。本組成物においてリン酸エステルは、アニール過程で熱によって発生する光学レンズの黄変現象を防ぐ役割を担う。本組成物中にリン酸エステルは好ましくは0.001~3重量%(10~30000ppm)で含まれ、より好ましくは0.02~2重量%(200~20000ppm)で含まれ得る。リン酸エステルの含有量が0.001重量%未満の場合は熱による黄変を防ぎ難く、3重量%を超える場合は硬化過程で固相樹脂からガラス金型が離れることになり、レンズ表面に縞ができる不良が発生し得る。リン酸エステルは、好ましくは前記式5で表示できる。
【0055】
前記モノマーは、紫外線吸収剤、重合開始剤(触媒)をさらに含むことができる。また、前記モノマーは、プラスチック光学レンズ分野の通常の技術によって、有機染料、着色防止剤、酸化防止剤、光安定剤などの添加剤を必要によって通常の方法でさらに含むことができる。
【0056】
本発明の自動注入器に使用するモノマーの粘度は、500CPS以下が好ましく、より好ましくは10~150CPSである。モノマーの粘度が高いと、注入時に気泡の発生が多く、気泡が除去されるまで時間がかかり、注入時間が長くなる問題がある。
【0057】
本実施例では、原料タンクのモノマーをモールドのキャビティに注入しながらビジョン認識システムを用いて流面を感知し、設定された最終注入地点に流面が感知されるとモノマー溶液の注入を中止する具体的な方法を提示する。図2図5に示すように、モノマー溶液タンク10のモノマー溶液Sを、モールドMのキャビティに合わせて容量調節可能なシリンジ20内にまず吸引した後、前記シリンジ20内に注入されたモノマー溶液Sを一次にモールドM内に大部分の量を高い注入流量又は注入速度で注入する。その後、二次に、より低い注入流量又は注入速度で残量を注入しながら、最終的にビジョン認識システムを用いてモノマー溶液SがモールドMの内部に充満されたか確認した後、注入を終了する。
【0058】
本実施例において前記ビジョン認識システムは、図2図5から分かるように、モールドMの輪郭と前記モールドMのキャビティ内に注入されるモノマー溶液Sの流面L1を撮影するものであり、モールドMが注入位置にセッティングされた状態を感知するための前記モールドM輪郭の一部の第1領域A1と、前記モールドMの注入口の外側に位置した第2領域A2が設定されている。
【0059】
一方、コントローラCは、前記ビジョン認識システムで撮影されたイメージ信号、すなわち、図2に示すように、前記第1領域A1でモールドMの輪郭が感知されるとモールドMが注入位置に着座したと認識するが、この時、撮影されたモールドMの輪郭と第1領域A1に円弧状に表示された仮想輪郭Lとが一致するかどうか判断し、一致しない場合にはビジョン認識システムを微細調整、すなわち、ビジョンカメラの位置を調整してモールドMの輪郭に前記仮想輪郭Lを一致させる撮影位置調整段階を行う。
【0060】
上記の撮影位置調整段階では第1領域A1の位置が調整されると同時に第2領域の位置が第1領域A1と共に等距離移動するので、注入装置内でモールドMの着座位置が少しずつ変化するにもかかわらず、ビジョン認識システムでは同じ位置の第2領域A2を撮影してモノマー溶液の流面変化を感知するようになる。
【0061】
また、コントローラCはビジョン認識システムで撮影されたイメージを分析し、モールドMの種類によってキャビティ容量の把握及び注入位置セッティングの有無を感知し、シリンジ20の駆動部22及びバルブVの開閉動作を制御することによって、図3に示すように、モノマー溶液Sをシリンジ20内に吸引する量とその後にモールドMに注入する時点、注入流量又は注入速度、及び終了時点を制御し、ビジョン認識システムの微細位置も調整する。
【0062】
また、前記コントローラCは、タッチパッドやキーボードのような外部入力手段によってモールドMとモノマー溶液Sの種類にしたがって注入流量又は注入速度を別々にセッティングし、新しい種類のモールドやモノマー溶液の使用時には、反復的なテストを経て入手したデータを保存し、最適の注入流量又は注入速度を見出してセッティングできるようになっている。
【0063】
本実施例において、前記駆動部22は、不図示のモーターの動力によってプランジャー23が進退作動をしてシリンジ20内にモノマー溶液を吸引したり、或いは吸引されたモノマー溶液をモールドMに注入したりするように構成されているが、本発明はこれに限定されず、駆動部22の駆動方式は公知の様々な方式を用いることができる。
【0064】
このように構成された本実施例の光学材料用モノマーのモールド自動注入方法でモノマー溶液をモールド内に注入する好ましい実施例について説明すると、次の通りである。
【0065】
まず、一次に、図3に示すように、供給されるモールドMの種類にしたがってモールドMのキャビティ容量に一致するようにシリンジ20にモノマー溶液Sを吸引するが、この時、原料タンク10とシリンジ20との間に設置されたバルブVは開放状態を維持し、ノズル21の部分は、不図示の内蔵型チェックバルブによって外部からの空気流入が遮断された状態でシリンジ20の上部の駆動部22が動作してシリンジ20内にモノマー溶液Sを定量だけ満たす。
【0066】
一方、前記バルブVはコントローラCによって開閉動作が制御されるようにしてもよく、チェックバルブを用いて、シリンジ20の駆動部22が吸引動作をする場合には開放され、排出動作、すなわち、モールド側への注入時には自動で閉鎖されるようにしてもよいことは勿論である。
【0067】
その後、図4に示すように、ビジョン認識システムによって撮影されたイメージにおいて第1領域A1にモールドMの輪郭が感知されると、これを仮想輪郭Lと一致するようにカメラの位置を微細調整し、これによってモールドMが注入位置に着座したと把握し、駆動部22が上記の一次とは反対方向に駆動してシリンジ20内のモノマー溶液Sがノズル21を通じてモールドM内に注入されるが、この時、前記バルブVは閉鎖された状態を維持し、ノズル21に設けられたチェックバルブは開放された状態で、前記駆動部22の駆動はあらかじめ設定された量のモノマー溶液Sだけを注入する。あらかじめ設定された量は、シリンジ20に一次注入された量の90%~98%となるように設定されている。
【0068】
前記段階においてモノマー溶液Sの注入流量又は注入速度は、モノマー溶液の粘度やモールド内のキャビティ厚などに基づいてモノマー溶液に気泡が発生しない範囲内では最高の注入流量又は注入速度で注入されるようにし、注入時間の短縮を図ることができる。
【0069】
最後に、上記のように駆動部22の駆動によってシリンジ20内のモノマー溶液Sの大部分がモールドM内に注入された後には、駆動部22の駆動速度を相対的に遅くしてより低い注入流量又は注入速度で注意して残量の注入を行う。この時には、図5に示すように、ビジョン認識システムによって注入口Iの外側に位置した第2領域A2でモノマー溶液Sの流面が感知されることを確認するまで注入し、表面張力によってモールドMの注入口Iの約1~2mmの外側に位置した第2領域A2でモノマー溶液Sの流面が感知されるとシリンジ駆動部22の動作を中止させることでモノマー溶液Sの注入を完了し、後続工程として、開放したシーリングテープTを再び巻いて注入口Iを閉鎖した後、モールドのアンローディング過程を経る。これでモールドMへのモノマー溶液Sの注入が完了する。
【0070】
上記のような過程を通じて第1領域A1におけるモールドMの輪郭が仮想輪郭Lに一致すると、供給されたモールドの種類にしたがってあらかじめ設定された第1注入流量又は注入速度でモノマー溶液Sの大部分をモールドM内に注入し、その後、前記第1注入流量又は注入速度よりも相対的に低い注入流量又は注入速度で残量の注入を進行してモールドMの外側に位置した第2領域A2に流面L1が現れるか否か確認し、流面L1が現れるとモノマー溶液の注入を終了し、流面が現れない場合には、第2領域A2に流面が現れるまで注入流量又は注入速度を下げて微細に調整しつつモノマー溶液を注入する。
【0071】
一方、前記第1領域及び第2領域では、モールドの輪郭又はモノマー溶液の流面を陰影の変化で感知し、陰影の変化は好ましくは画素数の変化によって感知する。モールドの輪郭とモノマー溶液の流面は、空気とモールド及びモノマー溶液間の密度差によってその境界部分が線形の陰影として見られ、これによって各領域で撮影される線形の陰影が形成する画素数によってモールドの輪郭及びモノマー溶液の流面が形成されることが分かる。
【0072】
本実施例において、前記領域A1,A2で感知されるモールドMの輪郭及びモノマー溶液の流面の厚さが概して一定であるので、検出される画素数もほぼ一定であるが、周辺装置部が全て速く動作中であり、設備の周辺に人及びその他装置の移動があり、これによってモールドやモノマー溶液に奇妙な現象として反射されて誤検出される場合があるため、検出される画素数の変化量と陰影の進行方向に対しても感知して各種ノイズによる誤検出を防止可能にする。
【0073】
本実施例において、前記第1注入流量又は注入速度で注入されるモノマー溶液の量は、全注入量の90~98%が適正であるが、本発明はこれに限定されず、モールドの種類及びモノマー溶液の粘度にしたがって一次注入量は多少異なるように設定してもよいことは勿論である。
【0074】
外周がシーリングされた一対のモールドの間に形成されたキャビティの体積による好ましい注入量及び注入速度は、次の通りである。
【0075】
モノマーの粘度が10~150CPSである場合を基準にするとき、注入速度は、-レンズ(CYL(-))或いはセミレンズの場合、キャビティ内の体積が20cc以下の場合は注入速度10ml~450ml/min、20.1cc~40.0ccでは注入速度20ml~700ml/min、40.1cc~60.0cc以下では注入速度40ml~900ml/min、60.1cc~80.0cc以下では注入速度60ml~1200ml/min、80.1cc~100.0cc以下では注入速度80ml~1500ml/minの範囲内で調節することが好ましい。より好ましくは、キャビティ内の体積が20cc以下の場合は注入速度10ml~340ml/min、20.1cc~40.0ccでは注入速度20ml~580ml/min、40.1cc~60.0cc以下では注入速度40ml~720ml/min、60.1cc~80.0cc以下では注入速度60ml~960ml/min、80.1cc~100.0cc以下では注入速度80ml~1200ml/minの範囲内で調節することが良い。
【0076】
モノマーの粘度が10~150CPSである場合を基準にするとき、注入速度は、+レンズ(CYL(+))の場合、キャビティ内の体積が12cc以下では注入速度8ml~190ml/min、12.1cc~20.0ccでは注入速度12ml~340ml/min、20.1cc~30.0cc以下では注入速度20ml~390ml/minの範囲内で調節することが好ましい。より好ましくは、キャビティ内の体積が12cc以下の場合は注入速度8ml~144ml/min、12.1cc~20.0ccでは注入速度12ml~240ml/min、20.1cc~30.0cc以下では注入速度20ml~300ml/minの範囲内で調節することが良い。
【0077】
上述した本発明の実施例によるモノマー溶液自動注入方法によれば、初期にはモールド内に高い注入流量又は注入速度で最短時間でモノマー溶液の大部分を注入し、その後、第2領域でモノマー溶液の流面が感知されるまで相対的に低い注入流量又は注入速度でモールド内のキャビティが充満するように残量を注入することによって、モノマー溶液の注入にかかる時間を短縮しながらも溢れないように正確な量を注入できるので、工程時間の短縮による生産性の向上と共に均一な品質のレンズの製造が可能な利点があり、モノマー注入量の不足や過剰による不良発生及び製造装置の誤動作も防止できる利点がある。
【0078】
以下、具体的な実施例を用いて本発明をより詳細に説明する。しかし、この実施例は単に本発明をより具体的に説明するためのもので、本発明の範囲を限定されるものではない。
【0079】
[製造例]
【0080】
次の式7においてエポキシアクリル系化合物のうち成分I(当量が259の化合物)65g及び成分(II)(当量が472の化合物)15gに、重合調節剤であるアルファメチルスチレンダイマー0.5gを添加し、スチレン16g及びジメチルマレート3.3g、そして熱安定剤としてジフェニルイソデシルホスファイト0.2gを添加した後、約30分間撹拌して均一溶液を作った。その後、0.45μm以下の濾過紙で濾過した。ここに、触媒として2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)0.05g、1,1-ビス(t-ブチルペロキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン0.12gを添加し、内部離型剤として8-PENPP(ポリオキシエチレンノニルフェニルホスフェート(エチレンオキシドが9モル付加されたもの5重量%、エチレンオキシドが8モル付加されたもの80重量%、エチレンオキシドが7モル付加されたもの10重量%、エチレンオキシドが6モル以下で付加されたもの5重量%))0.2gを混合した後、1時間撹拌し、10分間減圧脱泡した後、モールドに注入するモノマーとして使用した。
【0081】
【化7】
【0082】
(ここで、n=1~15であり、成分IはRがHであり、成分(II)はRがBrである。)
【0083】
本発明の自動注入器を用いて、次の表1~表3のような注入量でモノマーをモールドに注入して硬化させ、1.60エポキシアクリル系レンズ(Ne=1.597)を生産した。モールドのキャビティ内体積は屈折率によって変化し得るが、表1~表3は、1.60エポキシアクリル系レンズ(Ne=1.597)の生産時に、モールド直径、レンズの厚さ、度数によるモノマーの注入量を示すものである。表1は、-レンズ(CYL(-))の製造例、表2は+レンズ(CYL(+))の製造例、表3はセミレンズの製造例である。
【0084】
【表1】
【0085】
【表2】
【0086】
【表3】
【符号の説明】
【0087】
C:コントローラ
I:注入口
L:仮想輪郭
L1:流面
M:モールド
A1,A2:感知領域
S:モノマー溶液
T:シーリングテープ
V:バルブ
10:原料タンク
20:シリンジ
21:ノズル
22:駆動部
23:プランジャー
図1
図2
図3
図4
図5