(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-10
(45)【発行日】2022-06-20
(54)【発明の名称】排出ステーション
(51)【国際特許分類】
A47L 9/28 20060101AFI20220613BHJP
A47L 9/00 20060101ALI20220613BHJP
【FI】
A47L9/28 E
A47L9/00 Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021156633
(22)【出願日】2021-09-27
(62)【分割の表示】P 2020180448の分割
【原出願日】2015-11-20
【審査請求日】2021-10-01
(32)【優先日】2015-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】313013863
【氏名又は名称】アイロボット・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】モリン, ラッセル ウォルター
(72)【発明者】
【氏名】べーシェンシュタイン, ハロルド
(72)【発明者】
【氏名】スウェット, デイビッド オリン
(72)【発明者】
【氏名】ジョナス, ジュード ロイストン
【審査官】渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-283327(JP,A)
【文献】特開2001-161619(JP,A)
【文献】特開2007-181652(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0102670(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0107355(US,A1)
【文献】米国特許第06076226(US,A)
【文献】特開2001-212052(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/00- 9/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動型ロボットのデブリビンと係合するように構成された吸気ポートと、
キャニスタがバッグを受け入れることを可能にするために開位置に移動可能な
蓋を含むキャニスタと、
前記吸気ポートから前記キャニスタを通って延在する1つまたは複数の導管であって、前記デブリビンから1つまたは複数の導管を通り、前記バッグを通る流路が確立されるように、前記
蓋が閉位置に移動したときに前記バッグと接触するように移動可能な導管を含む、1つまたは複数の導管と、
移動ロボットのデブリビンから前記流路を通って前記バッグにデブリを運ぶ空気の流れを生成するように構成されたモータと、
を含んでなることを特徴とする、排出ステーション。
【請求項2】
前記導管が第1の導管であり、1つまたは複数の前記導管は、前記第1の導管に接続された第2の導管を含み、前記第1の導管は、前記第2の導管に対して旋回可能であることを特徴とする、請求項1に記載の排出ステーション。
【請求項3】
前記第2の導管を前記第1の導管に接続する柔軟なグロメットをさらに備えていることを特徴とする、請求項2に記載の排出ステーション。
【請求項4】
前記
蓋が閉位置に移動したときに前記導管を前記バッグと接触するように移動
させるように構成されたカム機構をさらに備えていることを特徴とする、請求項1に記載の排出ステーション。
【請求項5】
前記キャニスタ内に少なくとも部分的にプランジャをさらに含み、前記プランジャは、前記
蓋が閉位置に移動することに応答して移動し、前記カム機構を作動させて前記導管を前記バッグと接触するように移動させるように構成されていることを特徴とする、請求項4に記載の排出ステーション。
【請求項6】
前記
蓋が開位置に移動すると、前記導管が前記バッグから離れるように移動可能であることを特徴とする、請求項1に記載の排出ステーション。
【請求項7】
前記導管は、前記導管が前記バッグに接触したときに前記バッグと実質的な気密シールを形成するように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の排出ステーション。
【請求項8】
前記
蓋が閉位置に移動すると、前記導管の少なくとも一部が前記バッグ内に移動可能になることを特徴とする、請求項1に記載の排出ステーション。
【請求項9】
前記
蓋が前記キャニスタの上
端を構成していることを特徴とする、請求項1に記載の排出ステーション。
【請求項10】
前記キャニスタが、前記導管を前記バッグの接合端と実質的に整列させるための整列機構を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の排出ステーション。
【請求項11】
前記整列機構がスロットで構成されていることを特徴とする、請求項10に記載の排出ステーション。
【請求項12】
移動型ロボットのデブリビンと係合するように構成された吸気ポートと、
排出ステーションがバッグを受け入れることを可能にするために開位置に移動可能な
蓋と、
前記
蓋が閉位置に移動したときに前記バッグに向かって移動可能な導管であって、前記バッグと該導管の間に実質的な気密シールが形成され、前記デブリビンから前記導管および前記バッグを通る流路が確立されている、導管と、
移動ロボットの前記デブリビンから前記流路を通って前記バッグにデブリを運ぶ空気の流れを生成するように構成されたモータと、
を含んでなることを特徴とする、排出ステーション。
【請求項13】
前記導管は第1の導管で、当該排出ステーションは、前記第1の導管に接続された第2の導管をさらに含み、前記第1の導管が、前記第2の導管に対して旋回可能であることを特徴とする、請求項12に記載の排出ステーション。
【請求項14】
前記第2の導管を前記第1の導管に接続する柔軟なグロメットをさらに備えていることを特徴とする、請求項13に記載の排出ステーション。
【請求項15】
前記
蓋が閉位置に移動したときに前記導管を前記バッグ
と接触するように移動させるように構成されたカム機構をさらに備えていることを特徴とする、請求項14に記載の排出ステーション。
【請求項16】
前記
蓋が閉位置に移動することに応答して移動し、前記カム機構を作動させて前記導管を前記バッグに向かって移動させるように構成されたプランジャをさらに備えていることを特徴とする、請求項15に記載の排出ステーション。
【請求項17】
前記
蓋が開位置に移動すると、前記導管が前記バッグから離れるように移動可能であることを特徴とする、請求項12に記載の排出ステーション。
【請求項18】
前記
蓋が閉位置に移動すると、前記導管の少なくとも一部が前記バッグ内に移動可能になることを特徴とする、請求項12に記載の排出ステーション。
【請求項19】
前記
蓋が、当該排出ステーションの上
端を構成していることを特徴とする、請求項12に記載の排出ステーション。
【請求項20】
前記導管を前記バッグの接合端と実質的に整列させるための整列機構を備えていることを特徴とする、請求項12に記載の排出ステーション。
【請求項21】
前記整列機構がスロットで構成されていることを特徴とする、請求項20に記載の排出ステーション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、概して、移動型ロボットによって収集されたデブリの排出に関する。
【背景技術】
【0002】
清掃ロボットは、構造化されていない環境において、真空清掃といった所望の清掃動作を実行する移動型ロボットを含む。多くの種類の清掃ロボットが、ある程度そして異なる形で自律的である。例えば、自律型清掃ロボットは、自律型清掃ロボットの清掃ビン内の吸引されたデブリを出すことを目的として、排出ステーションと自動的にドッキングするよう設計しても良い。
【発明の概要】
【0003】
いくつかの例では、移動型ロボットは、表面上を移動して表面からデブリを受け取るよう構成された本体と、本体内のデブリビンとを備える。デブリビンは、移動型ロボットによって受け取られたデブリを保持するためのチャンバと、デブリビンからデブリが出ていく排気ポートと、排気ポートの上にあるドアユニットとを備える。ドアユニットは、排気ポートにおける空気圧に応答して、排気ポートを覆う閉位置と、チャンバと排気ポートとの間の経路を開く開位置との間で動くよう構成されたフラップを備える。開位置にあるフラップ及び閉位置にあるフラップを含むドアユニットは、移動型ロボットの外面より内側にある。
【0004】
いくつかの例では、ドアユニットは、デブリビン内に半球状の支持構造を備えても良い。フラップは、半球状の支持構造に取り付けられ、半球状の支持構造に対して凹状に湾曲していても良い。
【0005】
排気ポート及びドアユニットは、デブリビンのコーナーの近傍に位置しても良く、フラップがコーナーに対してデブリビンに向かって外側を向くように配置されていても良い。
【0006】
フラップは、一以上のヒンジによって半球状の支持構造に接続されても良い。ドアユニットは、フラップ及び半球状の支持構造の両方に接着剤によって接着された伸縮性材料を更に備えても良い。伸縮性材料は、一以上のヒンジ及びフラップと半球状の支持構造の交差部を覆っても良い。接着剤は、一以上のヒンジの位置及びフラップと半球状の支持構造の交差部には存在しなくても良い。
【0007】
フラップは、付勢機構によって半球状の支持構造に接続されていても良い。いくつかの例では、付勢機構はねじりばねを備えても良い。ねじりばねは、フラップ及び半球状の支持構造の両方に接続されても良い。ねじりばねは、排気ポートにおける空気圧に対して非線形の応答を有しても良い。ねじりばねは、フラップを動かして開位置に配置するための第一空気圧と、フラップを開位置に維持するための第二空気圧とを必要としても良い。第一空気圧は第二空気圧より高くても良い。
【0008】
いくつかの例では、付勢機構は、フラップを動かして開位置に配置するための第一空気圧と、フラップを開位置に維持するための第二空気圧とを必要とし得る緩和ばね(relaxing spring)を備えても良い。第一空気圧は第二空気圧より高くても良い。
【0009】
いくつかの例では、移動型ロボットは吸引機構を備える掃除機であっても良い。表面は床であっても良い。移動型ロボットは、移動型ロボットの動作を制御して床上を移動させる制御装置を更に備えても良い。制御装置は、吸引機構を制御して床上を移動中に床からデブリをデブリビン内に吸引させても良い。
【0010】
いくつかの例では、排出ステーションは、移動型ロボットのデブリビンの排出を制御するようプログラムされた一以上の処理装置を備える制御システムを備える。排出ステーションは、移動型ロボットを受けるベースを備える。ベースは、デブリビンの排気ポートと整列する吸気ポートを備える。排出ステーションは、デブリビンからのデブリを蓄積させるためのバッグを保持するキャニスタと、吸気ポートからバッグに延びる一以上の導管を更に備え、デブリは一以上の導管を通って吸気ポートとバッグとの間で搬送される。排出ステーションは、制御システムからのコマンドに応答してキャニスタから空気を除去し、それによってキャニスタ内に負の空気圧を生じさせてデブリビンからデブリを吸引することによってデブリビンの排出を行う、モータと、空気圧を監視するための圧力センサも備える。制御システムは、圧力センサによって監視されている空気圧に基づいてデブリビンの排出を行う時間の長さを制御するようプログラムされている。
【0011】
いくつかの例では、制御システムは、空気圧に基づいてデブリビンの排出を行う時間の長さを制御するために、排出開始後に一定状態空気圧を検出するようプログラムされていても良い。制御システムは、所定期間負の空気圧を加え続け、所定期間中は一定状態空気圧を維持し、モータの動作を停止させるコマンドを送信するようプログラムされていても良い。
【0012】
ベースは、移動型ロボット上の対応する電気接点と結合して制御システムと移動型ロボットとの間の通信を可能にする電気接点を備えても良い。制御システムは、デブリビンの排出を開始するためのコマンドを移動型ロボットから受信するようプログラムされていても良い。
【0013】
いくつかの例では、圧力センサはマイクロ電気機械システム(MEMS)圧力センサを含んでも良い。
【0014】
いくつかの例では、吸気ポートは、吸気ポートの外周を規定するリムを備えても良い。リムは、移動型ロボットの底面のクリアランスより低い高さを有しても良く、それによって移動型ロボットがリムの上を通過することが可能になる。吸気ポートは、リム内にあるシールを備えても良い。シールは、空気圧に応答してリムに対して可動である変形可能な材料を含んでも良い。いくつかの例では、シールは、空気圧に応答して、デブリビンの排気ポートに接触して排気ポートの形状に適合するように可動であっても良い。シールは、シール上に一以上のスリットを含んでも良い。いくつかの例では、シールは、リムの高さより低い高さを有し、空気圧がない状態においてはリムの上面より下にあっても良い。
【0015】
いくつかの例では、一以上の導管は、吸気ポートとキャニスタとの間で少なくとも部分的にベースの底部に沿って延びる取り外し可能な導管を含んでも良い。取り外し可能な導管は、吸気ポートの近傍における少なくとも部分的に矩形の形状から、キャニスタの近傍における少なくとも部分的に湾曲した形状に推移する断面形状を有しても良い。取り外し可能な導管の断面形状は、キャニスタの近傍において少なくとも部分的に円形であっても良い。
【0016】
いくつかの例では、排出ステーションは、キャニスタ内に発泡絶縁体を更に備えても良い。モータは、発泡絶縁体に隣接する、キャニスタの出口ポートに通じる分裂した経路に沿ってキャニスタから空気を引き込むよう配置されていても良い。
【0017】
いくつかの例では、ベースは、排出ステーションが置かれている表面に対する高さが増加する傾斜部を備えても良い。傾斜部は、傾斜部の表面と移動型ロボットの底面との間に一以上のロボット安定化突出部を備えても良い。
【0018】
いくつかの例では、キャニスタは、開位置と閉位置との間で可動である蓋を備えても良い。蓋は、蓋が閉じると作動するプランジャを備えても良い。一以上の導管は、キャニスタ内の第一パイプ及び第二パイプを含んでも良い。第一パイプは固定されていても良く、第二パイプは、プランジャの動きに応答してバッグに接触するよう可動であっても良く、それによってデブリがデブリビンとバッグとの間で移動するための経路が形成される。第二パイプは、バッグに接触している場合、バッグのラテックス膜と実質的に気密なシールを形成しても良い。第一パイプ及び第二パイプは、柔軟なグロメットを介して接合されても良い。カム機構が、プランジャの動きに基づいて第二パイプの動きを制御しても良い。第二パイプは、蓋を開位置に動かしたことに応答してバッグから離れるよう可動であっても良い。
【0019】
いくつかの例では、制御システムは、空気圧がキャニスタの閾圧力を超えたことに基づいてデブリビンの排出を行う時間の長さを制御するようプログラムされていても良い。閾圧力は、バッグがデブリで満杯になったことを示しても良い。
【0020】
前述の構成は、限定されないが、以下の長所を含み得る。フラップ(ドアとも呼ぶ)は、ロボットの外面の内側に閉じ込められたままであるため、フラップ(ドア)が開位置にある時でも環境内の物体と接触することがない。その結果、いくつかの例では、ロボットが床表面に沿って移動している時にフラップが空いた場合でも、フラップは床表面に接触しない。フラップは、柔軟な材料で作られていても、プラスチックのような硬い材料で作られていても良い。
【0021】
変形可能な材料は、交換するまでに数回の排出動作に耐えることができる。変形可能な材料は、リムより低い位置にあることで、移動型ロボットが排出ステーションにドッキングしている最中に移動型ロボットと接触しないため、変形可能な材料を傷める可能性がある摩擦や接触力を受けない。変形可能な材料は、変形が可能なため、デブリビンの排気ポートと排出ステーションの吸気ポートとの間に気密シールを形成することで空気流を向上させることができる。シールは、排気ポートと吸気ポートとの間で空気が漏れるのを防止することができるため、排出動作中に用いられる負の空気圧の効率を向上させることができる。
【0022】
取り外し可能な導管は、取り外し可能な導管内に詰まった又は取り込まれたデブリをユーザが容易に取り除くことを可能にする。取り外し可能な導管の断面形状は、顕著な乱流を起こすことなく取り外し可能な導管が空気を(そしてそれによってデブリを)運ぶことを可能にする。取り外し可能な導管の断面形状は更に、矩形状から湾曲した形状に遷移することで、高さが増加する傾斜部を備えるように排出ステーションのベースを曲げることを可能にし、それによってデブリビンからデブリを排出する効率を向上させる。
【0023】
可動である導管は、空気及びデブリの流れが可動パイプを通ってバッグに入ることが可能になるようにユーザにバッグを直接操作させることなく、ユーザが排出ステーション内にバッグを配置することを可能にする。むしろ、ユーザは、単に排出ステーションのキャニスタにバッグを配置して蓋を閉じるだけで良い。従って、バッグは、排出ステーションで動作するようにするために少しのユーザ操作しか必要としない。
【0024】
制御装置は、排出動作を実行する(例えば、排出ステーションのモータを操作する)時間を適応制御することができる。従って、排出ステーションの電力効率を向上させ、排出動作が環境に(例えば排出ステーションのモータに起因する)騒音を発する時間を低減するために、排出動作の時間を最小化することができる。
【0025】
この発明の概要を含む本明細書で説明する二以上の特徴を組み合わせて、本明細書で具体的に説明されていない実施例を形成することができる。
【0026】
本明細書で説明するロボット又はその動作態様は、一以上の非一時的機械可読記憶媒体に保存され、一以上の処理装置で実行して本明細書で説明する動作を制御(例えば、統合)することができる指示を含む、コンピュータプログラム製品として実施する又はコンピュータプログラム製品で制御することができる。本明細書で説明するロボット又はその動作態様は、一以上の処理装置及び様々な動作を実施するための実行可能な指示が保存されているメモリを含み得るシステム又は方法の一部として実施することができる。
【0027】
一以上の実施例の詳細は、添付の図面及び以下の明細書に記載されている。その他の特徴及び長所は、明細書、図面及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】
図1は、排出ステーションがある環境内で移動する移動型ロボットの斜視図 である。
【
図2】
図2は、排出ステーション及び排出ステーションにドッキングしている移動 型ロボットの側面断面図である。
【
図3】
図3は、
図2に示す排出ステーションの上面斜視図である。
【
図4】
図4は、
図2に示す排出ステーションのキャニスタ内で、ある期間監視した空気圧のグラフである。
【
図5】
図5は、排出ステーションを操作するための処理のフローチャートである。
【
図6】
図6は、
図2に示す排出ステーションのシールの上面図である。
【
図8】
図8は、移動型ロボットが
図2に示す排出ステーションにドッキングした状態における、
図7に示すシールの側面断面図である。
【
図9】
図9は、
図2に示す排出ステーションの側面断面図である。
【
図12】
図12は、キャニスタの蓋が開位置にある状態における、
図11に示すキャニスタの側面断面図である。
【
図14】
図14は、
図2に示す排出ステーションの排気チャンバの上面断面図である。
【
図17】
図17は、
図16に示す移動型ロボット用のデブリビンの、ビンドアが開位置にある状態の正面図である。
【0029】
異なる図面中の同様の参照番号は、同様の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本明細書では、床、カーペット、又はその他の素材の面といった面上を横断(又は移動)し、限定されないが、吸引を含む様々な清掃動作を実行するよう構成されたロボットの例について説明する。また、本明細書では、移動型ロボットがドッキングして移動型ロボットのデブリビンに蓄積されたデブリを排出することが可能な排出ステーションの例についても説明する。
図1に示す例を参照し、移動型ロボット100は、清掃動作を実行して、環境110の表面105上を移動しながらデブリを取り込むよう構成されている。取り込まれたデブリは、移動型ロボット100のデブリビン115に蓄積される。デブリビン115は、移動型ロボット100が一定量のデブリを取り込むと満杯になる。
【0031】
デブリビンが満杯になった後、移動型ロボットは、排出ステーション120まで移動し排出ステーション120にドッキングすることができる。通常、排出ステーションは、加えて例えば充電ステーション及びドッキングステーションの役割も果たすことができる。排出ステーションは、デブリビンからデブリを取り除き、移動型ロボットと向かい合って充電といったその他の機能を実行するよう構成されたベースステーションを含む。排出ステーションは、排出ステーションの動作を制御するようプログラムされた一以上の処理装置を含み得る制御システムを備える。この例では、排出ステーション120は、負の空気圧を生じさせて、取り込まれたデブリをデブリビン115から吸い出して排出ステーション120内に吸引するよう制御される。排出動作の一部として、デブリは排出ステーション120のキャニスタ125内に収容されている(
図1には示されていない)取り外し可能なバッグ内に運ばれる。排出ステーション120は、デブリビン115とバッグとの間に、デブリのデブリビン115からバッグ内への移動を可能にする(
図1には示されていない)導管を備える。本明細書で説明するように、導管は、取り外して洗うことができる取り外し可能な導管と、バッグに接触させたりバッグから離したりするよう移動制御可能である移動可能な導管を含み得る。排出後、移動型ロボット100は、排出ステーション120から離れて新規の清掃(又はその他の)動作を実行することができる。排出ステーション120は、移動型ロボット100が充電のために接続される一以上のポートも含む。
【0032】
図2は、移動型ロボット及び
図1に示すタイプの排出ステーションの側面断面図を示す。
図2においては、移動型ロボット200は排出ステーション205にドッキングしており、本明細書で説明するように、排出ステーション205と移動型ロボット200が互いに交信する(例えば、電気的及び光学的に交信する)ことを可能にしている。
図3にも示されている排出ステーション205は、移動型ロボット200を受けて移動型ロボット200が排出ステーション205にドッキングすることを可能にするためのベース206を含む。移動型ロボット200は、自身のデブリビン210が満杯であることを検出し、排出ステーション205がデブリビン210を空にすることができるように、移動型ロボット200が排出ステーション205にドッキングするよう促しても良い。移動型ロボット200は、充電が必要であることを検出し、充電のために同様に排出ステーション205に戻るよう移動型ロボット200を促しても良い。
【0033】
移動型ロボット200及び排出ステーション205は、双方とも電気接点を備える。排出ステーション205においては、電気接点245は、ベースの後方部246に沿って、前方部247に沿って配置された吸気ポート227の反対側に配置されている。移動型ロボット200上の電気接点240は、移動型ロボット200の前方部に配置されている。移動型ロボット200上の電気接点240は、移動型ロボット200が排出ステーション205に適切にドッキングしている時、ベース206上の対応する電気接点245と結合する。電気接点240と電気接点245との間の結合は、排出ステーションの制御システム208と、移動型ロボット200の対応する制御システムとの間の通信を可能にする。排出ステーション205は、これらの通信に基づいて排出動作を開始することができ、いくつかの場合においては、充電動作も開始することができる。他の例では、移動型ロボット200と排出ステーション205との間の通信は、赤外線(IR)通信リンクにより提供される。いくつかの例では、移動型ロボット200上の電気接点240は移動型ロボット200の下側ではなく移動型ロボット200の後側に配置され、排出ステーション205上の対応する電気接点245はそれに対応して配置される。
【0034】
例えば、電気接点240、245が適切に結合した場合、排出ステーション205は、移動型ロボット200に対してコマンドを発行してデブリビン210からの排出を開始することができる。いくつかの例では、排出ステーション205は移動型ロボット200にコマンドを送信し、移動型ロボット200が適切なハンドシェイク(例えば、電気接点240と電気接点245との間の電気接触)を完了した場合のみ排出を実行する。例えば、制御システム208は、移動型ロボット200にメッセージを送信して当該メッセージに対する応答を移動型ロボット200から受信し、それに応答してデブリビン210の排出動作を開始することができる。加えて又は代替的に、電気接点240、245が適切に結合した場合、制御システム208は、充電動作を実行して移動型ロボット200の電源を完全に又は部分的に回復させることができる。他の例では、電気接点240、245が適切に結合した場合、移動型ロボット200は、排出ステーション205に対してコマンドを発行してデブリビン210からの排出を開始することができる。移動型ロボット200は、電気信号、光信号、又はその他の適切な信号を用いて排出ステーション205にコマンドを送信することができる。
【0035】
また、電気接点240、245が適切に結合している場合、移動型ロボット200と排出ステーション205は、排出ステーション205が排出動作を開始できるよう整列されている。例えば、排出ステーション205の吸気ポート227は、デブリビン210の排気ポート225と整列される。吸気ポート227と排気ポート225の整列によって、デブリビン210と排出ステーション205内のバッグ235との間でデブリ215が移動する流路222の連続性が提供される。本明細書で説明するように、デブリ215は、排出ステーション205によってデブリビン210からバッグ235内に吸引され、バッグ235に蓄積される。
【0036】
この関連で、排出ステーションは、キャニスタ220に接続されたモータ218を備える。モータ218は、キャニスタ220から空気を吸い出し、空気透過性のバッグ235を通過させるよう構成される。その結果、モータ218は、キャニスタ220内に負の空気圧を作り出すことができる。モータ218は、制御システム208からのコマンドに応答してキャニスタ220から空気を吸い出す。モータ218は、キャニスタ220上の出口ポート223を通してキャニスタ220から吸い出した空気を放出する。上述したように、空気の除去はキャニスタ220内に負の空気圧を発生させ、負の空気圧によって流路222に沿ったデブリ215を吸引する空気流を発生させてデブリビン210を空にする。この例では、デブリ215は、デブリビン210から、デブリビン210上の(不図示の)ドアユニットを通り、デブリビン210上の排気ポート225を通り、ベース206上の吸気ポート227を通り、排出ステーション205内の複数の導管230a、230b、230cを通り、バッグ235に入る流路222に沿って移動する。
【0037】
空気は、モータ218によって、モータ218を収容する排気チャンバ236及び出口ポート223を通して環境に放出される。バッグ235は、例えば空気やデブリ215の流れを含み得る流路222に沿って移動するデブリ215を受けてデブリ215を空気から分離することができる、空気透過性のフィルタバッグであっても良い。バッグ235は使い捨てであっても良く、空気を透過させるがデブリ215はバッグ235内に捕らえることを可能にする、紙、布、又はその他の適切な多孔質の素材でできていても良い。これにより、モータ218がキャニスタ220から空気を取り除くと、空気はバッグ235を通過し出口ポート223を通って出ていく。
【0038】
排出ステーション205は、キャニスタ220内の空気圧を監視する圧力センサ228も備える。圧力センサ228は、マイクロ電気機械システム(MEMS)圧力センサ又はその他の適切なタイプの圧力センサを含み得る。MEMS圧力センサは、例えばモータ218の機械的な動きや環境から排出ステーション205に伝達される動きに起因する震動が存在する中でも正確に動作し続ける能力を有するため、本実施形態ではMEMS圧力センサが用いられている。圧力センサ228は、キャニスタ220から空気を除去するためのモータ218の起動により生じるキャニスタ220内の空気圧の変化を検出することができる。排出が実行される時間の長さは、
図4に関して説明するように、圧力センサ228により測定される圧力に基づいていても良い。
【0039】
図4は、キャニスタ220からの空気の除去に応答してある時間410の間に生じた空気圧405のグラフ400の一例を示す。空気圧405は、モータ218による起動の前は、大気圧であり得る。モータ218の最初の起動は、空気圧405の初期ディップ415を引き起こし得る。この初期ディップ415は、最初にデブリビンのフラップ又はドアユニットのドアを開ける際に必要なクラッキング圧により生じ得る。より具体的には、初期ディップ415は、最初に閉位置から開位置に動かすために、フラップを開位置に維持するための第二空気圧より高い第一空気圧を必要とする、付勢機構を含むフラップに関係し得る。
【0040】
モータ218が空気の除去及びデブリ215のバッグ235内への引き込みを続けている間、流路222を通るデブリ215の動きによって空気圧405の変動420が起こり得る。すなわち、デブリ215は、空気圧405の変動420を引き起こし得る、流路222の部分的な閉塞を引き起こす場合がある。部分的な閉塞は、変動420に空気圧405の低下を含ませ得る。いくつかの場合においては、排出動作中は、空気圧405は部分的な閉塞を解消して空気流に対する抵抗を減らすことができる。従って、変動420は、部分的な閉塞が解消された後に空気圧405の上昇を含み得る。加えて、バッグ235内でのデブリ215の動きが空気の流れの特性の変化を引き起こす場合があり、これも変動420をもたらす。デブリ215がバッグ235を充たし続けると、空気がキャニスタ220を通って流れるのをデブリ215が妨げるため、空気圧405が上昇する。
【0041】
デブリ215がデブリビン210からほぼ又は完全に排出されると、バッグ235はデブリで充たされ続けなくなり、空気圧405の一定状態425をもたらす。これに関連して、一定状態425は、一定の圧力、又はある期間にわたって一定の圧力に対する変動の割合が、例えば1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%といったある割合を超えない変動を含み得る。制御システム208は、排出開始後に所定期間430空気圧405を監視することで、空気圧405が一定状態425に達したと判断することができる。空気圧405は圧力センサ228で検出することができ、次いで、圧力センサ228は、空気圧信号を生成して信号処理のために制御システム208に送信することができる。制御システム208は、これらの圧力信号を用いていつデブリビンの排出を終了するかを判断しても良い。この関連で、排出は比較的うるさい動作であり得ること、及び排出時間は清掃時間に割り込むものであることから、排出時間を減らしたほうが有利であり得る。更に、いくつかの場合においては、デブリ215の大部分はプログラムされた排出時間全体のうちのほんの一部の間にデブリビン210から吸い出され、それによって排出時間の少なくとも一部は不要なものとなっている。いくつかの例では、プログラムされた排出時間30秒であるが、実際には、デブリの大部分は5秒以内にデブリビン210から排出される。
【0042】
図4に示すように、一定状態425に入ると、制御システム208はモータ218を制御し続け、モータ218に負の空気圧をかけ続けさせる。この負の空気圧は所定期間430かけ続けられ、その間は、空気圧405は所定範囲435(例えば、両側ヒステリシス(two-sided hysteresis)で規定される範囲)内に維持される。その所定期間430の後、空気圧405が安定した状態を維持していれば(例えば、所定範囲435内に維持されていれば)、制御システム208はモータ218の動作を停止させるコマンドを送信し、それによって排出を終了させる。すると、モータ218はキャニスタ220から空気を除去するのを止め、それによって空気圧405が大気圧に戻る。所定期間430は、例えば、3秒、4秒、5秒、6秒、7秒、8秒、9秒、10秒、11秒、12秒、13秒、14秒、15秒等とすることができる。所定範囲435は、例えば、プラスマイナス5Pa、10Pa、15Pa、20Pa等とすることができる。所定期間430及び所定範囲は、制御システム208で操作可能な記憶素子に保存することができる。
【0043】
いくつかの実施例においては、一定状態の空気圧405が閾圧力440未満に低下する場合があり、その場合はバッグ235がデブリで実質満杯になったことを示す。いくつかの実施例においては、環境の条件、デブリ、及びその他の条件が変化するため、バッグ235がデブリで実質満杯になったことを示すために、複数回にわたる排出動作における一定状態の空気圧405の傾向が用いられる。いくつかの実施例においては、閾圧力440と一定状態の空気圧405の傾向の組み合わせが用いられる。一定状態の空気圧405はバッグ235が充たされると低下し、空気にバッグ235を通過させるのがより難しくなる。閾圧力440は、予め決定(例えば、制御システム208がアクセス可能な記憶素子に保存)しておいても良く、新しいバッグ235が取り付けられた際の一定状態の空気圧405のベースライン測定値に基づいて制御システム208によって調整されても良い。制御システム208は、例えば、いつ一定状態の空気圧405が閾圧力440未満になったか、複数回にわたる排出動作における一定状態の空気圧405の傾向が十分傾斜しているか、又はこれらを組み合わせたものを判断することができ、次いで、空気圧405が閾圧力440を超えたことに応答して動作指示を発することができる。例えば、制御システム208はデブリ215の排出を終了させるコマンドをモータ218に送信することができ、それによって空気圧405が大気圧に戻る。閾圧力440は例えば600Paから950Paの間とすることができるが、閾圧力440はシステム及び環境の条件による。閾圧力440は、例えば50%から100%の間の、デブリ215が占領しているバッグ235の容積の割合を示すことができる。バッグ235が満杯であることを検出すると、制御システム208は、サーバといった、ユーザアカウントを維持し、バッグが満杯であり交換が必要であることをユーザに知らせることができるコンピュータシステムに指示を出力することもできる。例えば、サーバは、ユーザのモバイル機器のアプリケーション(「アプリ」)に情報を出力することができ、ユーザはその情報にアクセスしてホームシステムを監視することができる。いくつかの例では、第二閾圧力(例えば、通知圧力)を用いて、バッグ235が満杯に近づいており、バッグ235を交換するまでは、さらなる排出は限られた回数しかできないことをユーザに通知することができる。従って、このシステムは、ユーザに通知して、ロボットビンの排出を行うにはバッグ235が満杯すぎるという状態になる前にユーザがバッグ235を交換することを可能にする。
【0044】
制御システム208は、圧力センサ228を用いてキャニスタ220内の空気圧405を監視することで、制御システム208がモータ218を操作する排出時間445の長さを適応的に制御し、それによって、デブリビン210の排出が行われる時間の長さを制御することができる。例えば、空気圧405が閾圧力440を超えた時点及び/又は空気圧405がある期間430所定範囲435内に維持された時点によって、いつ排出が終了したかを決定づけることができる。いくつかの実施例においては、制御システム208は、排出時間445を15秒から45秒の間に制御することができる。空気圧405は、そしてそれに伴って排出時間445は、限定されないが、デブリビン210内に蓄積しているデブリの量や、例えばデブリ215のサイズ、粘性、含水量、質量等に起因する流れの特性といった多くの要因に依存し得る。
【0045】
図5は、制御システム(例えば、制御システム208)が、電気接点信号及び排出ステーションのキャニスタ(例えば、キャニスタ220)内の空気圧(例えば、空気圧405)に基づいて排出ステーション(例えば、排出ステーション205)のモータ(例えば、モータ218)を操作する処理500の一例のフローチャートを示す。
【0046】
制御システムは、処理500の開始時に電気接点信号を受信(505)する。電気接点信号は、移動型ロボットが排出ステーションにドッキングしていることを示す。いくつかの例では、電気接点信号は、移動型ロボットの電気接点が排出ステーションの電気接点と電気的及び物理的に接触していることを示し得る。
【0047】
制御システムは、電気接点信号を受信した後、排出を開始するために、例えば光通信リンクを介して光開始信号を送信(507)する。いくつかの場合においては、移動型ロボットが光通信リンクを用いて光開始信号を送信する。移動型ロボットの電気接点は排出ステーションの電気接点に接触しているため、移動型ロボットは、排出ステーションが光開始信号を移動型ロボットに直接送信することで排出処理を開始できるよう、排出ステーションに適切に整列されている。移動型ロボットは、制御システムが排出を開始する前に、開始光信号の受信を確認光信号で排出ステーションに知らせる。
【0048】
制御システムは、次いで、排出を開始させるコマンドを送信(510)する。制御システムは、排出を開始するとの移動型ロボットからの光確認信号を受信した後に、排出を開始するためにコマンドを送信(510)することができる。いくつかの例では、排出ステーションは、受信(505)した電気接点信号を検出し、受信(505)した電気接点信号を検出した後に排出を開始するためのコマンドを送信(510)する。従って、排出ステーションは、排出を開始するために移動型ロボットから光開始信号を受信しない。いくつかの実施例においては、制御システムは、電気接点が結合した際に電気接点信号を受信(505)しない。移動型ロボットの制御装置は、電気接点信号を受信し、次いで、電気接点信号に応答して光開始信号を制御システムに送信することができる。
【0049】
制御システムが送信(510)するコマンドによって、本明細書で説明するように駆動するようモータに指示することができる。具体的には、モータは、排出ステーションのキャニスタから空気を吸い出してキャニスタ内に負の空気圧を生じさせる。引き起こされる負の空気圧は、流路に沿ってロボットのデブリビン内に延び、ロボットのデブリビンから、流路を通って、キャニスタ内に保持された空気透過バッグ内に入るデブリの吸引を引き起こす。
【0050】
制御システムはコマンドを送信し続け(515)、それによってモータの作動及びデブリの排出が継続される。モータが作動中は、制御システムは、モータに供給される電力を変更して、キャニスタ内に生じさせる負の空気圧の量を増加させたり減少させたりすることができる。
【0051】
制御システムは、排出が続いている間、キャニスタ内の圧力センサから空気圧信号を受信し続ける(520)。測定される空気圧信号は、バッグ内のデブリの量や流路の閉塞等の変化が原因で変化する。
【0052】
制御システムは、空気圧信号に基づいて、キャニスタ内の空気圧が一定状態に達したかを判断(525)する。空気圧が一定状態に達したかを判断(525)するために、制御システムは、所定の範囲内の圧力を示す空気圧信号を少なくとも所定の期間受信したかを判断する。空気圧が所定の期間一定状態であったと制御システムが判断した場合、制御システムは排出を終了させるコマンドを送信(527)することができる。空気圧が一定状態空気圧に達していないと制御システムが判断(539)した場合、制御システムは、排出用のコマンドを送信し続け(515)、空気圧信号を受信(520)し、排出を終了させる指示を送信(527)するか否かを判断することができる。他の例では、制御システムはプリセット排出時間(排出の長さ)を有し得る。このような状況の場合、制御システムは、圧力センサ信号に基づいて排出が完了したかを判断しない。
【0053】
制御システムは、一定状態空気圧の閾値との比較に基づいて、一定状態空気圧が(a)バッグ否満杯状態を示しているか、(b)バッグが満杯状態に近づいていることを通知する範囲内にあるか、又は(c)バッグ満杯状態を示しているかも判断(529)する。空気圧が通知閾圧力及びバッグ満杯閾圧力の両方を超えていると制御システムが判断すると、制御システムは次の排出動作を待つ(530)。空気圧が通知閾圧力より低いがバッグ満杯閾圧力より高いと制御システムが判断(529)すると、制御システムは、バッグがもうすぐ満杯になることを示す通知をユーザに送信(532)する。空気圧がバッグ満杯閾圧力より低いと制御システムが判断(529)した場合、制御システムは、バッグが満杯であることを示す通知をユーザに送信(532)し、バッグが交換されるまでビンの更なる排出を禁止(534)する。
【0054】
本明細書で説明するように、モータ218は、キャニスタ220内に負の空気圧を生じさせ、デブリ215をデブリビン210からキャニスタ220内に保持されているバッグ235に運ぶための流路222に沿った空気流を発生させる。そして、例えば
図4及び
図5に関して本明細書で説明するように、制御システム208は、圧力センサ228によって監視されている空気圧を用いて、制御システム208がモータ218を駆動させてバッグ235の排出を行う排出時間445を判断する。従って、キャニスタ220及び複数の導管230a、230b、230cの空気圧を環境から遮断すると、モータ218がより効率的に動作し、且つ圧力センサ228により検出される空気圧によって排出動作の状況を制御システム208に予測通知できるようにするのに有利であり得る。
【0055】
図3、
図6及び
図7に示すようないくつかの例では、排出ステーション205の吸気ポート227は、吸気ポート227の外周を規定するリム600と、リム600内にあるシール605を含む。シール605は吸気ポート227内に配置されており、リム600より下(例えば、0.5-1.5mmリムより下)に位置する。しかしながら、シール605は、吸気ポート227やリム600に対して固定されておらず、例えば流路に生じる負の空気圧に応答して吸気ポート227やリム600に対して可動である。リム600は、移動型ロボット200が排出ステーション205にドッキングした際に吸気ポート227がデブリビン210の排気ポート225と整列するように、排出ステーション205の前方部247に配置することができる。
【0056】
移動型ロボット200が排出ステーション205にドッキングしていない場合といった負の空気圧が無い状態の場合、
図7に示すように、シール605は移動型ロボット200が排出ステーション205にドッキングすることによる接触及び摩擦力から保護されている。リム600及びシール605の形状によって、排出ステーション205にドッキングするために移動型ロボット200がリム600の上を移動する際のリム600及びシール605の摩耗を低減することができる。リム600の高さ700は、移動型ロボット200がリム600の上を通過する際に移動型ロボット200の底面がシール605に接触しないよう、シール605の高さ705より高くなっている。従って、負の空気圧が存在しない状態では、シール605の高さ705はリム600の上面707より低い。高さ700も、
図8に示すように、移動型ロボット200の底面805のクリアランス800より低くても良い。その結果、移動型ロボット200は、排出ステーション205にドッキングする際にリム600の上を通過することができる。
【0057】
シール605は、例えばモータ218によって生じる負の空気圧により生じる力に応答してリム600に対して可動である、変形可能な材料で作られていても良い。材料は、例えば、薄いエラストマであり得る。いくつかの実施例においては、エラストマは、数あるエラストマ材の中でもとりわけエチレンプロピレンジエンモノマ(EPDM)ゴム、シリコンゴム、ポリエーテルブロックアミド、クロロプレンゴム、及びブチルゴムであり得る。排出動作中の、流路に負の空気圧が存在する状態においては、シール605は、移動型ロボット200に向かって上方に動き、移動型ロボット200との気密シールを形成するよう変形することで、排出動作中に生じる負の空気圧に応答することができる。一例では、シール605は、移動型ロボット200の、デブリビン210の排気ポート225を囲う領域の形状に適合する。シール605は、上方に延びて移動型ロボット200の底面805に接触することができるよう、移動型ロボット200が排出ステーション205上に位置している時の排出ステーション205と移動型ロボット200との間隔に応じた幅を有する(例えば、0.5から1.5cm)。
【0058】
図6に示すように、いくつかの例では、シール605は、上方への変形によりシール605に過度のフープ応力を発生させることなくシール605がシール605の角部において上方に変更することを可能にする、一以上のスリット610を含む。従って、スリット610によってシール605の寿命を延ばして排出ステーション205によって実行される排出動作の回数や時間を増やすことができる。
【0059】
シール605及びリム600は、協働して、デブリビン210と排出ステーション205との間の耐久性のある気密シールを提供する。いくつかの実施例においては、シール605は交換可能であっても良い。ユーザは、リム600からシール605を取り外してシール605を交換することができる。
【0060】
いくつかの実施例においては、導管230a、230b、230cのそれぞれは、デブリを運ぶための連続的な流路222の提供に加えて、排出ステーション205の動作、操作、及び清掃の容易性を向上させる特徴を含んでも良い。
図2及び
図9に示すように、例えば、導管230aは部分的にベース206の底部900に沿って延びる。いくつかの場合においては、導管230aは部分的に排出ステーション205に沿って上方に(例えば、z軸に沿って)延び、デブリビン210を導管230bに接続する。導管230bは、導管230aから上方に延び、導管230aを導管230cに接続する。柔軟なグロメット905は、導管230bを導管230cに接続する。導管230cは、導管230bから上方に延び、導管230cをバッグ235に接続する。
【0061】
導管230aは、
図3に示して本明細書で説明する傾斜部907が前方部247に沿って高さを低くできるような大きさ及び寸法とすることができる。一例では、導管230aは、少なくとも部分的に矩形の形状から少なくとも部分的に湾曲した形状に推移する断面形状を有することができる。
図10に示すように、導管230aの、吸気ポート227に隣接する部分1000aは、矩形の断面形状1005aを有することができ、導管230aの、キャニスタ220に隣接する部分1000cは、円形又は少なくとも部分的に湾曲した断面形状1005cを有することができる。いくつかの実施例においては、断面形状1005cは部分的に円系である。導管230aの部分1000bは、導管230a内での鋭い形状を減らすために、断面形状1005aから断面形状1005cに徐々に推移する、遷移断面形状1005bを有することができる。遷移断面形状1005bは、部分的に湾曲した形状、部分的な矩形、部分的な円形、又はこれらの組み合わせとすることができる。断面形状1005aは、傾斜部907が前方部247から後方部246に向かって高くすることができるよう、断面形状1005b及び断面形状1005cより低くすることができる。
【0062】
導管230aは、流路222を通る非乱流の空気流を促進するために、吸気ポート227と導管230bとの間において、断面積が一定のままである部分を含んでも良い。断面形状1005a、1005b、1005cの断面積は、導管230aを通る流れの特定への形状の影響を減らすために、導管230aの長さに亘って実質一定であっても良い。
【0063】
導管230aは、排出ステーション205からのデブリ215の除去を容易にするために、透明で取り外し可能な導管及び/又は交換可能な導管とすることができる。ユーザは、導管230aを取り外して導管230aの内部を清掃することで、例えば導管230a内にはまったデブリの詰まりを取り除くことができる。導管230aは、例えば螺子、可逆スナップフィット(reversible snap fit)、さねはぎ、およびその他の留め具といった取り外し可能な留め具を用いて、ベース206に留めることができる。ユーザは、留め具を外してから導管230aをベース206から取り外して導管230aの内部を清掃することができる。
【0064】
導管230b、230cは、相互に移動するパイプを含む。一例では、導管230bは固定パイプであり、導管230cは可動パイプである。
図9を参照して、柔軟なグロメット905は、導管230bと導管230cとの間の柔軟な接合部を提供する。いくつかの実施例においては、排出ステーション205は一以上の柔軟なグロメット905を含むことができる。導管230cは、グロメット905の柔軟性によって、導管230cと導管230bとの間の接合部において回転する。
【0065】
導管230cは、デブリビン210とバッグ235との間の連続的な流路222を成立させるために、バッグ235と接合する位置に動かすことができる。いくつかの実施例においては、
図11から
図13に示すように、導管230cを導管230bに対して動かすために、排出ステーション205は、キャニスタ220内に位置する(
図12及び
図13に示す)カム機構1100及びプランジャ1105を含み得る。カム機構1100は、レバー、カム、シャトル、及び運動学的動作をプランジャ1105から導管230cに伝達するその他の構成要素を含み得る。プランジャ1105は、軸方向に(例えば、
図3に示すz軸1506Zに沿って)動く細長い構成要素であり得る。
【0066】
カム機構1100は、排出ステーション205のプランジャ1105の動きに基づいて、導管230cの動きを制御する。これに関連して、キャニスタ220の上端1110は、開位置(
図12)と閉位置(
図13)との間で可動であり得る。上端1110の開位置から閉位置への動きはプランジャ1105を作動させ、それによってカム機構1100は導管230cを導管230bに対して動かす。上端1110の開位置(
図12)から閉位置(
図13)への動きによって、導管230cは、導管230cがバッグ235と接合しない(
図12において円で囲ってある)後退位置から、導管230cがバッグ235と接合する(
図13において円で囲ってある)延伸位置に動く。従って、導管230cは、上端1110が開位置(
図12)に動いたことに応答してバッグ235から離れるように動くことができる。加えて、導管230cは、プランジャ1105の動きに応答してバッグ235に接触するように動くことができる。導管230cがバッグ235に接触している時、導管230cは、バッグ235のラテックス膜と実質的に気密なシールを形成することができる。その結果、導管230cは、デブリ215及び空気がデブリビン210とバッグ235との間を移動するための経路(例えば、導管230a、230b、230cを通る連続的な流路222)を形成することができる。いくつかの場合においては、キャニスタは、スロットといった、バッグ235を導管230cのバッグ接合端1210と整列させる整列用特徴を含み得る。
【0067】
上端1110及び導管230cの機構は、排出ステーション205へのバッグ235の取り付け及び排出ステーションからのバッグの取り外しのための便利な方法をユーザに提供し得る。ユーザは、バッグ235をキャニスタ220内に配置する前に上端1110を開けることで(
図12)、導管230cを後退位置に動かすことができる(
図12)。次いで、ユーザは、バッグ235が導管230cと整列するようにバッグ235をキャニスタ220内に配置することができる。ユーザは、上端1110を閉じることで(
図13)、導管230cを延伸位置に動かすことができる(
図13)。導管230cのバッグ接合端1210はバッグ235と結合することができ、それによってバッグ235が導管230cと接合する。従って、ユーザは、バッグ235及び導管230cのバッグ接合端1210をほとんど手動で操作することなくバッグ235を流路222に組み込むことができる。
【0068】
本明細書で説明するように、デブリ215がバッグ235内に捕らえられている間、空気はバッグ235を通って排気チャンバ236に流れ続ける。
図14に示すように、排気チャンバ236は、(
図14において不図示の)モータ218を収容するモータハウジング1400を備える。従って、出口ポート223を通って出てくる空気は、モータ218のノイズに関連するエネルギーを運ぶ。
【0069】
排気チャンバ236は、モータ218に起因するノイズの量を減らす特徴を含み得る。
図14に示すように、キャニスタ220の排気チャンバ236内において、空気は二つの分裂した流路1405a及び1405bを通り、出口ポート223から出ていく。分裂した流路1405a、1405bは、モータハウジング1400の部分1407を通過して出ていく。部分1407は、モータ218と出口ポート223との間の空気が移動する距離を延ばすために、出口ポート223から離れる方向を向いている。いくつかの場合においては、キャニスタ220は、分裂した流路1405a、1405bに隣接して、空気が分裂した流路1405a、1405bに沿って移動する際に音を吸収する発泡絶縁体1410を更に含む。分裂した流路1405a、1405b及び発泡絶縁体1410は、共にモータ218に起因するノイズを減らすことができる。
【0070】
排出ステーション205は、排出ステーション205の排出動作に影響を与える追加の特徴を含むことができる。一例では、傾斜部907は、
図3及び
図15に示すように、デブリ215の吸気ポート227への誘導を補助する。傾斜部907は、排出ステーション205が置かれている表面1505と角度1502を成す。従って、傾斜部907は、表面1505に対して高さが増加する。角度1502は、移動型ロボット200が排出ステーション205にドッキングした際に、重力によってデブリビン210内にあるデブリ215をデブリビン210の後方のデブリビン210の排気ポート225の近くに集まらせる。排出中は、負の空気圧が緩まりデブリ215が吸引されると、重力もデブリ215を排気ポート225に向けて移動させて流路222に入れるのを補助する。このように、傾斜部907の角度によって排出動作を促進することができる。
【0071】
いくつかの例では、排出ステーション205は、移動型ロボット200の排出ステーション205に対する適切な整列及び位置決めを補助するための特徴を含み得る。移動型ロボット200の排出ステーション205との水平方向の整列(例えば、
図3に示すy軸1506Yに沿った整列)については、傾斜部907は、移動型ロボット200の車輪を受けるのに適した寸法及び形状を有する、(
図3に示す)車輪用傾斜部1510を含み得る。移動型ロボット200が傾斜部907に登る際、移動型ロボット200の車輪は車輪用傾斜部1510と整列する。車輪用傾斜部1510は、移動型ロボット200が傾斜部907に登って排出ステーション205にドッキングすることがように、移動型ロボット200と傾斜部907との間のトラクションを増加させることができる(
図3に示す)トラクション特徴1520を含み得る。
【0072】
鉛直整列(例えば、
図3に示すz軸1506Zに沿った整列)については、排出ステーション205は、
図15に示すように、移動型ロボット200上に、傾斜部907上のロボット安定化突出部1530と接触するロボット安定化突出部1525を含み得る。従って、移動型ロボット200が排出ステーション205にドッキングする際、ロボット安定化突出部1525、1530は、移動型ロボット200の電気接点240と排出ステーション205の電気接点245との間の接触を維持することができる。傾斜部907上のロボット安定化突出部1530は、傾斜部907上の表面1532と移動型ロボット200の底面805との間に位置する。いくつかの実施例においては、傾斜部907は、二以上のロボット安定化突出部1530及び/又は二以上のロボット安定化突出部1525を含み得る。
【0073】
排出動作中は、負の空気圧は、移動型ロボット200の後方部1531に加わる力となる。この力は、移動型ロボット200の一部のz軸1506Zに沿った動きを引き起こし得る。例えば、(
図15に不図示の)前方部が傾斜部907から持ち上がり、それによって電気接点240と電気接点245との間のずれを引き起こす可能性がある。ロボット安定化突出部1525とロボット安定化突出部1530との間の接触は、移動型ロボット200を傾斜部907から持ち上げ得る、負の空気圧により生じる力に起因する移動型ロボット200の動きを減らすことができる。その結果、電気接点240の電気接点245との接触を維持することができ、それによって排出動作が中断されずに続く。
【0074】
本明細書で説明する排出ステーション(例えば、排出ステーション205)は、デブリを蓄積させるためのビンを備える複数のタイプの移動型ロボットに用いることができる。排出ステーションは、ビンからデブリを排出することができる。
【0075】
一例では、
図16に示すように、移動型ロボット1600は床表面からデブリを取り込むロボット掃除機であっても良い。移動型ロボット1600は、駆動輪1604を用いて床表面1603上を移動する本体1602を備える。キャスタ車輪1605及び駆動車輪1604は、床表面1603上に本体1602を支持する。駆動車輪1604及びキャスタ車輪1605は、デブリビン1612(例えば、デブリビン210)が床表面1603より上に3mmから15mmの間のクリアランス距離1611で支持されるように、本体1602を、そしてそれによってデブリビン1612を支持することができる。
【0076】
移動型ロボット1600は、吸引機構1606を用いて床表面1603上のデブリ1610(例えば、デブリ215)をデブリビン1612に追い込む空気流1608を生じさせることで、デブリ1610を取り込む。従って、吸引機構1606は、床表面1603を横断中にデブリ1610を床表面1603からデブリビン1612内に吸引することができる。本体1602は、協働して床表面1603からデブリ1610を回収する前側ローラ1614a及び後側ローラ1614bを支持する。より具体的には、後側ローラ1614bは反時計回り方向CCに回転し、前側ローラ1614aは時計回り方向Cに回転する。前側ローラ1614a及び後側ローラ1614bが回転すると、移動型ロボット1600はデブリを取り込み、空気流1608はデブリ1610をデブリビン1612内に流れ込ませる。デブリビン1612は、移動型ロボット1600が受け取ったデブリ1610を保持するためのチャンバ1613を備える。
【0077】
(例えば、一以上の処理装置によって実施される)制御システム1615は、移動型ロボット1600が床表面1603を横断中に、移動型ロボット1600の動作を制御することができる。例えば、清掃動作中は、制御システム1615は、モータ(不図示)に駆動車輪1604を回転させて、移動型ロボット1600を床表面1603上で動かすことができる。清掃動作中は、制御システム1615は更に、モータを駆動させて前側ローラ1614a及び後側ローラ1614bを回転させ、吸引機構1606を駆動させて床表面1603からデブリ1610を回収することができる。
【0078】
デブリビン1612は、排出ステーション(例えば、排出ステーション205)がチャンバ1613及びデブリビン1612に保存されているデブリ1610を排出できるよう、チャンバ1613と排出ステーションとの間の連絡を提供する。デブリビン1612は排気ポート1616(例えば、排気ポート225)を備え、デブリ1610は排気ポート1616を通ってデブリビン1612のチャンバ1613から出て排出ステーション内に入ることができる。
【0079】
図17から
図18において、ビンドア1701は、排出ドアユニット1700が見えるように開いている。清掃動作中及び排出動作中は、ビンドア1701は通常は閉まっている。ユーザは、ビンドア1701をヒンジ1706周りに回転させることでビンドア1701を開け、デブリビン1612からデブリ1610を手動で出すことができる。
【0080】
図17及び
図18に示すように、デブリビン1612の排出ドアユニット1700は、開閉してチャンバ1613と外部装置との間のデブリ1610の流れを制御するフラップ(ドアとも呼ぶ)1705を含むことができる。ドアユニット1700は、デブリビン1612内に配置された支持構造1702を含む。支持構造1702は半球状であり得る。ドアユニット1700は、排気ポート1616の上に位置する。フラップ1705は、
図17に示す閉位置と
図18に示す開位置との間で動くよう構成されている。フラップ1705は、支持構造1702に取り付けられている。フラップ1705は、排気ポートとデブリビン1612内の空気圧の違いに応答して閉位置から開位置に動く。本明細書で説明するように、排出ステーションは負の空気圧を生じさせることができ、それによってデブリビン1612内の空気にフラップ1705を閉位置(
図17)から開位置(
図18)に動かす空気圧を生じさせる。フラップ1705は、閉位置(
図17)においては、デブリビン1612と環境との間の空気の流れを遮断する。フラップ1705は、開位置(
図18)においては、デブリビン1612と排気ポート1616との間の経路1800を提供する。
【0081】
ドアユニット1700は、フラップ1705を閉位置(
図17)に付勢する付勢機構を含み得る。一例では、ドアユニット1700の底面を示している
図19Aに示すように、ねじりばね1900がフラップ1705を閉位置(
図17)に付勢する。フラップ1705は回転軸1905を有するヒンジ1902周りに回転し、ねじりばね1900はフラップ1705を閉位置(
図17)に付勢する軸1905周りのトルクを発生させる力を付与する。ヒンジ1902は、フラップ1705をドアユニット1700の支持構造1702に接続する。
【0082】
別の例では、ドアユニット1700の底面を示している
図19B及びデブリビン1612内のドアユニット1700の上面斜視図を示している
図21Bに示すように、板ばね1910がフラップ1705を閉位置に付勢する。フラップ1705は近似の回転軸を有する柔軟なカプラ1912周りに回転し、板ばね1910はフラップを閉位置に付勢する回転軸周りのトルクを発生させる力を付与する。柔軟なカプラ1912は、機械的なヒンジのような機械的な接合部における部品の相対回転を有さないヒンジのように振る舞う。
【0083】
ドアユニット1700の断面図及びフラップ1705を閉位置に付勢するドアユニット1700の緩和ばね(relaxing spring)1920を示している
図19C及び
図19Dに示す別の例では、フラップ1705を閉じた位置に保持するばね力は、フラップ1705が開くと緩まる。フラップ1705が開くとばねの力が緩まるため、排出中にデブリビンに生じる圧力の波の大きさは、フラップ1705のクラッキング圧によって決まる。排出される物質の量は、フラップ1705がどれだけ大きく開くかに影響される。フラップ1705が開いた後は、流れによって圧力が低下する。緩和ばね1920は、クラッキング力は高いが滞留力(dwell force)が低いばねを提供すると考えられている。フラップ1705は、ばね1920とレバーアーム1925との間のスライド相互作用によって閉じるよう設計されている。フラップ1705が開くと、接点が上方にスライドしてばね1920とフラップ旋回軸1930との間にあるレバーアーム1925が短くなり、それによってフラップ1705にかかるモーメントが減少する。その結果、フラップ1705を開いた状態に維持するためにフラップ1705に加える力(例えば、圧力による力)はより小さく済むようになる。いくつかの例では、スライドは、フラップ1705上のレバーアーム1925に沿ったローラによってスライド摩擦を減らすことで補助することができる。
【0084】
排出動作中は、フラップ1705に対して生じた空気圧は、フラップ1705に付勢機構(例えば、ねじりばね1900、板ばね1910、緩和ばね1920)によってもたらされる付勢力を克服させ、それによってフラップ1705を閉位置(
図17)から開位置(
図18)に移動させる。
【0085】
排出動作中は、ドアユニット1700のフラップ1705は、排気ポート1616を閉じてデブリ1610が排気ポート1616を通って脱出できないようにする。その結果、デブリビン1612内に取り込まれたデブリ1610はチャンバ1613内に留まる。排出動作中は、本明細書で説明するように、空気圧によってドアユニット1700のフラップ1705を開き、それによって排気ポート1616を露出させてチャンバ1613内のデブリ1610が排気ポート1616を通って出て排出ステーションに入れるようにする。
【0086】
図20から
図22は、閉位置にあるフラップ1705を示している。
図23、
図24及び
図25は、それぞれ
図20、
図21A及び
図22と同じ視点から見たドアユニット1700を示しているが、フラップ1705は開位置にある。付勢機構2030(例えば、
図19Aに示すねじりばね1900、
図19Bに示す板ばね1910、又は
図19C及び
図19Dに示す緩和ばね1920を含む付勢機構)は、フラップ1705を閉位置(
図20から
図22)に付勢する。本明細書で説明するように、負の空気圧によってフラップ1705が開位置(
図23から
図25)に動く。開位置(
図23から
図25)にあるフラップ1705は、空気及びそれによってデブリ1610が排気ポート1616を通って排出ステーション内に流れることを可能にする経路1800を形成する。
【0087】
図22に示す閉位置にあるフラップ1705及び
図25に示す開位置にあるフラップ1705は、デブリビン1610の外面2200(例えば、底面)より内側に留まっている。従って、フラップ1705は、移動型ロボット1600が移動する床表面1603といったデブリビン1610の外側にある物体に不注意で接触することはない。いくつかの場合においては、フラップ1705は、フラップ1705が開位置(
図25)にあって外面2200に向かって完全に伸びている状態において、0mmから10mmの間の距離だけ外面2200より上にある。いくつかの実施例においては、フラップ1705は、外面2200を超えて延びていても良い。このような場合、フラップ1705が床表面(例えば、
図16に示す床表面1603)に接触するのを防ぐため、フラップ1705はクリアランス距離1611より短い距離だけ延びることができる。
【0088】
(例えば、ねじりばね1900、板ばね1910、又は緩和ばね1920を含み得る)付勢機構2030は、排気ポート1616における空気圧に対して非線形な応答を示し得る。例えば、フラップ1705が閉位置から開位置に移動すると、付勢機構2030の付勢力用の軸1905周りのレバーアームが減少するため、付勢機構2030によって生じるトルクは減少し得る。そのため、付勢機構2030は、最初に閉位置(
図20から
図22)から開位置(
図23から
図25)に動かすために、ドアを開位置(
図23から
図25)に維持するための第二空気圧より高い第一空気圧を必要とし得る。第一空気圧は、環境の状態及びデブリの組成に応じて、第二空気圧より0%から100%大きくすることができる。
【0089】
ドアユニット1700は、デブリ1610をデブリビン1612から排出できる速さを増加させるように配置しても良い。(例えば、
図17に示すような)閉位置にあるフラップ1705を示す
図20を参照して、ドアユニット1700は、デブリビン1612の全長2002の半分2000の部分に位置する。ドアユニット1700は、全長2002の半分2005を占領する吸引機構1606の反対側に位置する。ドアユニット1700は、ドアユニット1700からコーナー2010までの距離がデブリビン1612の全長2002の0%から25%の間になるよう、デブリビン1612のコーナー2010の近傍に位置する。ドアユニット1700は、部分的にデブリビン1612の後方部分2007内に位置しても良い。フラップ1705は、デブリビン1612の大部分からのデブリ1610が開位置(
図23から
図25)にあるフラップ1705によって提供される経路1800に向かうよう、コーナー2010からデブリビン1612に向かって外側を向いている。その結果、フラップ1705が開位置(
図23から
図25)にあって排出ステーションが排出動作を開始した場合、負の空気圧によって、例えばコーナー及び後方部分2007の領域を含むデブリビン1612全体の到達困難位置からのデブリ1610を、経路1800に流して排出ステーション内に排出することができる。
【0090】
一例では、デブリビン1612の全長2002は、20センチメートルから50センチメートルの間である。デブリビンは、10センチメートルから20センチメートルの間の幅2015を有し得る。ドアユニット1700は、コーナー2010から0センチメートルから8センチメートルの間(例えば、水平方向距離が0センチメートルから8センチメートルの間、鉛直方向距離が0センチメートルから8センチメートルの間)に位置する。ドアユニット1700は、2センチメートルから6センチメートルの間の直径を有し得る。
【0091】
図21A、
図21B及び
図22に示すように、フラップ1705は、固形プラスチック又はその他の硬い材料で作られていても良く、支持構造1702に対して凹状に湾曲していても良い。これにより、排出動作中のデブリビン1612内の空気圧によってフラップ1705に加わる力がより大きくなり、フラップ1705をより簡単に開位置(
図20から
図22)から閉位置(
図23から
図25)に動かすことができるようになる。
【0092】
伸縮性材料2100は、フラップ1705が空いている時(
図23から
図25)に経路1800を通って入ってくるデブリ1610がフラップ1705と支持構造1702との間に詰まるように、フラップ1705の一部を覆うことができる。伸縮性材料2100は、エラストマといった弾性材料で形成することができる。いくつかの実施例においては、伸縮性材料2100は、数あるエラストマ材の中でもとりわけエチレンプロピレンジエンモノマ(EPDM)ゴム、シリコンゴム、ポリエーテルブロックアミド、クロロプレンゴム、及びブチルゴムで形成することができる。
図21Aに示すように、伸縮性材料2100は、フラップ1705と支持構造1702の(
図21Aに示す)交差部2105を覆うことができる。交差部2105に沿って存在するデブリ1610及びその他の異物は、フラップ1705が閉じて支持構造1702との間にシールを形成するのを妨げ得る。従って、伸縮性材料2100は、デブリ1610がドアユニット1700のフラップ1705が正常に機能するのを妨げないように、デブリ1610が交差部2105に集まるのを防止する。いくつかの実施例においては、ヒンジ及び伸縮性材料は、同じ機能を果たすために同様の伸縮性材料で作られた、(例えば
図19Bに関して説明したもののような)柔軟なカプラに置き換えることができる。このような実施例においては、フラップ1705は、柔軟なカプラによって支持構造1702に取り付けられる。
【0093】
伸縮性材料2100をフラップ1705及び支持構造1702に接着するために接着剤を用いることができる。伸縮性材料2100は、固定部分2110に沿ってフラップ1705に接着することができ、固定部分2120に沿って支持構造1702に接着することができる。接着剤は、ヒンジ(例えば、ヒンジ1902)の位置2130又は上には無くても良い。更に、接着剤は、フラップ1705と支持構造1702の交差部2105にも無くても良い。これにより、伸縮性材料2100は位置2130に沿って曲がって変形することができるが、伸縮性材料2100の固定部分2110、2120はそれぞれフラップ1705及び支持構造1702に固定されたままとなり曲がらない。位置2130に沿って接着剤が存在しないことにより伸縮性材料2100に柔軟部分が提供され、伸縮性材料2100は、フラップ1705の閉位置(
図20から
図22)から開位置(
図23から
図25)への動きによって生じる過剰な応力によっても壊れたり砕けたりしなくなる。
【0094】
清掃動作中は、付勢機構2030によって閉位置(
図20から
図22)に付勢されているフラップ1705は、デブリ1610が排気ポート1616を通ってデブリビン1612から出ていくのを防止する。排出動作中は、移動型ロボット200は、排出ステーションが負の空気圧を生じさせてデブリ1610を排出することができるように、排出ステーションにドッキングする。デブリ1610は、排出動作中に生じる空気流によって、排気ポート1616を通って流れることができる。排出動作中に生じる負の空気圧によって開位置(
図23から
図25)に動かされたフラップ1705は、デブリ1610が流路(例えば、流路222)に沿って排出ステーションのバッグ(例えば、バッグ235)に移動することができるように、経路1800を提供する。デブリが排気ポート1616を通って流れると、伸縮性材料2100は、更に、デブリ1610が付勢機構2030及び交差部2105の周囲に集まるのを防止する。従って、排出動作後は、付勢機構2030はフラップ1705を閉位置(
図20から
図22)に容易に付勢することができ、移動型ロボット200は、清掃動作を続けてデブリ1610を取り込み続け、デブリビン1612内にデブリ1610を蓄積させることができる。
【0095】
本明細書で説明するロボットは、少なくとも部分的に、例えばプログラムプロセッサ、コンピュータ、複数のコンピュータ、及び/又はプログラム可能なロジックコンポーネントといった一以上のデータ処理装置で実行するための又は一以上のデータ処理装置の動作を制御するための、例えば一以上の非一時的な機械可読媒体といった一以上の情報媒体で明白に具現化された一以上のコンピュータプログラムといった、一以上のコンピュータプログラム製品を用いて制御することができる。
【0096】
コンピュータプログラムは、コンパイルされた又は解釈された言語を含むあらゆる形式のプログラム言語で書くことができ、単体プログラムやモジュール、コンポーネント、サブルーチン、又は演算環境での使用に適したその他の単位を含む、あらゆる形式に展開することができる。
【0097】
本明細書で説明するロボットの制御に関連する操作は、一以上のコンピュータプログラムを実行して本明細書で説明する機能を実行する一以上のプログラム可能なプロセッサで実行することができる。本明細書で説明するロボット及び排出ステーションの全体又は一部の制御は、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)及び/又はASIC(Application-Specific integrated circuit)といった専用論理回路を用いて実施することができる。
【0098】
コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサは、例えば、汎用及び専用マイクロプロセッサ、並びにあらゆる種類のデジタルコンピュータの一以上のプロセッサを含む。通常、プロセッサは、読み出し専用記憶領域又はランダムアクセス記憶領域或いはその両方から指示及びデータを受信する。コンピュータの要素は、指示を実行するための一以上のプロセッサ及び指示やデータを保存するための一以上の記憶領域装置を含む。コンピュータはまた、通常、例えば、磁気、光磁気ディスク、又は光ディスクのようなデータを保存するための集合基板といった一以上の機械可読記憶媒体を含むか、データを受信するため又はデータを転送するために一以上の機械可読記憶媒体に操作可能に接続されているか、あるいはその両方である。コンピュータプログラム指示及びデータの具現化に適した機械可読記憶媒体は、例えば、EPROM、EEPROM、及びフラッシュ記憶領域装置といった半導体記憶領域装置、例えば内部ハードディスクやリムーバブルディスクといった磁気ディスク、光磁気ディスク、及びCD-ROMやDVD-ROMディスクを含む、あらゆる形式の不揮発性記憶領域を含む。
【0099】
本明細書で説明する異なる実施形態の要素を組み合わせて、具体的に上で記載していない他の実施形態を形成することができる。本明細書で説明する構造からその動作に負の影響を与えることなく要素を取り除くことができる。更に、様々な別々の要素を一以上の個別の要素に結合して本明細書で説明する機能を実行するようにしても良い。
【0100】
[第1項]
移動型ロボットであって、
表面上を移動して該表面からデブリを受け取るよう構成された本体と、
前記本体内のデブリビンであって、
前記移動型ロボットによって受け取られた前記デブリを保持するためのチャンバと、
前記デブリビンから前記デブリが出ていく排気ポートと、
前記排気ポートの上にあるドアユニットであって、該排気ポートにおける空気圧に応答して、該排気ポートを覆う閉位置と、前記チャンバと該排気ポートとの間の経路を開く開位置との間で動くよう構成されたフラップを備えるドアユニットと、
を備えるデブリビンと、を備え、
前記開位置にある前記フラップ及び前記閉位置にある該フラップを含む前記ドアユニットは、前記移動型ロボットの外面より内側にある、
移動型ロボット。
[第2項]
前記ドアユニットは前記デブリビン内に半球状の支持構造を備え、前記フラップは、該半球状の支持構造に取り付けられ、該半球状の支持構造に対して凹状に湾曲している、
第1項に記載の移動型ロボット。
[第3項]
前記排気ポート及び前記ドアユニットは、前記デブリビンのコーナーの近傍に位置し、前記フラップが該コーナーに対して該デブリビンに向かって外側を向くように配置されている、
第1項に記載の移動型ロボット。
[第4項]
前記フラップは一以上のヒンジによって前記半球状の支持構造に接続され、
前記ドアユニットは、前記フラップ及び前記半球状の支持構造の両方に接着剤によって接着された伸縮性材料を更に備え、該伸縮性材料は前記一以上のヒンジ及び該フラップと該半球状の支持構造の交差部を覆い、該接着剤は該一以上のヒンジの位置及び該フラップと該半球状の支持構造の該交差部には存在しない、
第1項に記載の移動型ロボット。
[第5項]
前記フラップは付勢機構によって前記半球状の支持構造に接続され、該付勢機構は該フラップ及び該半球状の支持構造の両方に接続されたねじりばねを備え、該ねじりばねは前記排気ポートにおける前記空気圧に対して非線形の応答を有する、
第1項に記載の移動型ロボット。
[第6項]
前記ねじりばねは、前記フラップを動かして開位置に配置するための第一空気圧と、該フラップを該開位置に維持するための第二空気圧とを必要とし、該第一空気圧は該第二空気圧より高い、
第5項に記載の移動型ロボット。
[第7項]
前記フラップは付勢機構によって前記半球状の支持構造に接続され、該付勢機構は、該フラップを動かして開位置に配置するための第一空気圧と、該フラップを該開位置に維持するための第二空気圧とを必要とする緩和ばね(relaxing spring)を備え、該第一空気圧は該第二空気圧より高い、
第1項に記載の移動型ロボット。
[第8項]
前記移動型ロボットは吸引機構を備える掃除機であり、前記表面は床であり、
前記移動型ロボットは、該移動型ロボットの動作を制御して前記床上を移動させ、前記吸引機構を制御して該床上を移動中に該床からデブリをデブリビン内に吸引させるための制御装置を更に備える、
第1項に記載の移動型ロボット。
[第9項]
移動型ロボットのデブリビンの排出を制御するようプログラムされた一以上の処理装置を備える制御システムと、
前記移動型ロボットを受けるベースであって、前記デブリビンの排気ポートと整列する吸気ポートを備えるベースと、
前記デブリビンからのデブリを蓄積させるためのバッグを保持するキャニスタと、
前記吸気ポートから前記バッグに延びる一以上の導管であって、デブリは該一以上の導管を通って該吸気ポートと該バッグとの間で搬送される、一以上の導管と、
前記制御システムからのコマンドに応答して前記キャニスタから空気を除去し、それによって該キャニスタ内に負の空気圧を生じさせて前記デブリビンからデブリを吸引することによって該デブリビンの排出を行う、モータと、
前記空気圧を監視するための圧力センサと、
を備え、
前記制御システムは、前記圧力センサによって監視されている前記空気圧に基づいて前記デブリビンの排出を行う時間の長さを制御するようプログラムされている、
排出ステーション。
[第10項]
前記制御システムは、前記空気圧に基づいて前記デブリビンの排出を行う時間の長さを制御するために、
排出開始後に一定状態空気圧を検出し、
所定期間前記負の空気圧を加え続け、該所定期間中は前記一定状態空気圧を維持し、
前記モータの動作を停止させるコマンドを送信するようプログラムされている、
第9項に記載の排出ステーション。
[第11項]
前記ベースは、前記移動型ロボット上の対応する電気接点と結合して前記制御システムと該移動型ロボットとの間の通信を可能にする電気接点を備え、
前記制御システムは、前記デブリビンの排出を開始するためのコマンドを前記移動型ロボットから受信するようプログラムされている、
第9項に記載の排出ステーション。
[第12項]
前記圧力センサはマイクロ電気機械システム(MEMS)圧力センサを含む、
第9項に記載の排出ステーション。
[第13項]
前記吸気ポートは、
前記吸気ポートの外周を規定するリムであって、前記移動型ロボットの底面のクリアランスより低い高さを有し、それによって該移動型ロボットが該リムの上を通過することを可能にする、リムと、
前記リム内にあるシールであって、前記空気圧に応答して該リムに対して可動である変形可能な材料を含むシールと、
を備える、
第9項に記載の排出ステーション。
[第14項]
前記シールは、前記空気圧に応答して、前記デブリビンの前記排気ポートに接触して該排気ポートの形状に適合するように可動であり、該シール上に一以上のスリットを含む、
第13項に記載の排出ステーション。
[第15項]
前記シールは、前記リムの高さより低い高さを有し、空気圧がない状態においては該リムの上面より下にある、
第13項に記載の排出ステーション。
[第16項]
前記一以上の導管は、前記吸気ポートと前記キャニスタとの間で少なくとも部分的に前記ベースの底部に沿って延びる取り外し可能な導管を含み、該取り外し可能な導管は、該吸気ポートの近傍における少なくとも部分的に矩形の形状から、該キャニスタの近傍における少なくとも部分的に湾曲した形状に推移する断面形状を有する、
第9項に記載の排出ステーション。
[第17項]
前記取り外し可能な導管の前記断面形状は、前記キャニスタの近傍において少なくとも部分的に円形である、
第16項に記載の排出ステーション。
[第18項]
前記キャニスタ内に発泡絶縁体を更に備え、前記モータは、該発泡絶縁体に隣接する、該キャニスタの出口ポートに通じる分裂した経路に沿って前記キャニスタから空気を引き込むよう配置されている、
第9項に記載の排出ステーション。
[第19項]
前記ベースは、前記排出ステーションが置かれている表面に対する高さが増加する傾斜部を備え、該傾斜部は、該傾斜部の表面と前記移動型ロボットの底面との間に一以上のロボット安定化突出部を備える、
第9項に記載の排出ステーション。
[第20項]
前記キャニスタは開位置と閉位置との間で可動である蓋を備え、該蓋は、該蓋が閉じると作動するプランジャを備え、
前記一以上の導管は前記キャニスタ内の第一パイプ及び第二パイプを含み、該第一パイプは固定されており、該第二パイプは、前記プランジャの動きに応答して前記バッグに接触するよう可動であり、それによってデブリが前記デブリビンと該バッグとの間で移動するための経路が形成される、
第9項に記載の排出ステーション。
[第21項]
前記第二パイプは、前記バッグに接触している場合、該バッグのラテックス膜と実質的に気密なシールを形成し、
前記第一パイプ及び前記第二パイプは、柔軟なグロメットを介して接合され、カム機構が前記プランジャの動きに基づいて該第二パイプの動きを制御する、
第20項に記載の排出ステーション。
[第22項]
前記第二パイプは、前記蓋を前記開位置に動かしたことに応答して前記バッグから離れるよう可動である、
第21項に記載の排出ステーション。
[第23項]
前記制御システムは、前記空気圧が前記キャニスタの閾圧力を超えたことに基づいて前記デブリビンの排出を行う時間の長さを制御するようプログラムされており、該閾圧力は前記バッグが前記デブリで満杯になったことを示す、
第9項に記載の排出ステーション。