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特許7087190噴霧装置を洗浄するための装置又は方法、及びそれを改良したシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-10
(45)【発行日】2022-06-20
(54)【発明の名称】噴霧装置を洗浄するための装置又は方法、及びそれを改良したシステム
(51)【国際特許分類】
   B05B 15/555 20180101AFI20220613BHJP
   B05B 3/06 20060101ALI20220613BHJP
   B05B 1/06 20060101ALI20220613BHJP
【FI】
B05B15/555
B05B3/06 Z
B05B1/06
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021506371
(86)(22)【出願日】2019-04-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-30
(86)【国際出願番号】 US2019028022
(87)【国際公開番号】W WO2019204546
(87)【国際公開日】2019-10-24
【審査請求日】2020-12-17
(31)【優先権主張番号】62/659,838
(32)【優先日】2018-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520407965
【氏名又は名称】ホスコ フィッティングス,リミティド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】トーマス マリー
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ドゥーガン
【審査官】河内 浩志
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04977911(US,A)
【文献】特開2004-024950(JP,A)
【文献】特開昭63-151368(JP,A)
【文献】特許第3920923(JP,B1)
【文献】特開昭58-25368(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B 1/00- 3/18
12/16-12/36
14/00-16/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
噴霧器用の洗浄装置であって、
洗浄流体を供給するように構成された開口部を各々が有する複数の洗浄ノズルと、
複数の洗浄ノズルのうちの少なくとも1つの洗浄ノズルが配置される可動部材と、
可動部材を包囲し、前記少なくとも1つの洗浄ノズルの対応する開口部から供給された洗浄流体が内部に収容されるようにし、内面及び外面を有するシュラウドであって、
開閉可能な入口ポートであって、洗浄流体が前記複数の洗浄ノズルのそれぞれの開口部から供給されるようにするために、入口ポートが開いたときに洗浄流体がそこを流れるようにする、入口ポートと、
開閉可能な出口ポートであって、該出口ポートが開いたときに、前記シュラウド内に集まる供給された洗浄流体を取り除くことができる出口ポートと、
前記噴霧器を受け入れることができる開口部であって、前記噴霧器を受け入れるときに、供給された洗浄流体が前記シュラウド内に収容されるように前記開口部が密閉される、開口部と、を有するシュラウドと、
前記開口部の少なくとも一部を取り囲むガス乾燥リングと、を備え、
前記内面の少なくとも一部、前記外面の少なくとも一部、またはこれらの組合せは、導電性被膜で被覆され、前記少なくとも1つの洗浄ノズルの対応する開口部は、洗浄流体を供給することで、前記可動部材を回転させて前記シュラウドの前記内面を濡らすように構成されている、洗浄装置。
【請求項2】
前記導電性被膜が、1つ以上のフルオロポリマーを含む、請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項3】
前記1つ以上のフルオロポリマーが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、パーフルオロアルコキシポリマー(PFA)、またはその混合物または共重合体を含む、請求項2に記載の洗浄装置。
【請求項4】
前記導電性被膜は、1×10オーム/スクエアより大きく、1×1012オーム/スクエアより小さい表面抵抗を有する静電気消散性がある、請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項5】
前記導電性被膜は、前記シュラウドの前記内面または前記外面の少なくとも75%に適用される、請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項6】
前記導電性被膜は、前記可動部材、前記出口ポート、および前記入口ポートのうちの1つまたは複数にさらに適用される、請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項7】
前記出口ポートは、前記噴霧器を受容する前記開口部とは反対側で、かつ前記シュラウドの底部コーナー付近の位置で前記シュラウド内に位置する、請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項8】
前記出口ポートは、約2.54cmから約7.62cmの範囲内の内径を有する出口開口を備える、請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項9】
前記洗浄装置は、洗浄流体供給ラインと結合するための第1の接続部と、前記洗浄装置から、供給された前記洗浄流体を除去するために使用されるドレン漏斗または再循環ラインと結合するための第2の接続部と、ガスを前記ガス乾燥リングに供給するラインと結合するための第3の接続部と、を更に備える、請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項10】
前記第1の接続部または前記第3の接続部の1つ以上の組合せが急速離脱取付具を備える、請求項9に記載の洗浄装置。
【請求項11】
構成要素の表面に塗料を塗布するための塗料噴霧システムであって、
前記塗料を前記構成要素の表面に送達するように構成された噴霧器を有する1つ以上の噴霧装置であって、噴霧ブース内に配置される噴霧装置と、
1つ以上の洗浄装置であって、
洗浄流体が供給される開口部を各々が有する複数の洗浄ノズルと、
複数の洗浄ノズルのうちの少なくとも1つの洗浄ノズルが配置される可動部材と、
前記可動部材を包囲し、前記複数の洗浄ノズルのそれぞれの開口部から供給された洗浄流体が内部に収容される、内面及び外面を備えた壁を有するシュラウドであって、
開閉可能な入口ポートであって、洗浄流体が前記複数の洗浄ノズルのそれぞれの開口部から供給されるようにするために、入口ポートが開いたときに洗浄流体がそこを流れるようにし、前記入口ポートは前記壁の前記外面および前記内面を貫通し、前記外面の少なくとも一部および前記内面の少なくとも一部は、導電性被膜で被覆されている、入口ポートと、
開閉可能な出口ポートであって、該出口ポートが開いたときに、前記シュラウド内に集まる供給された洗浄流体を取り除くことができる出口ポートと、
前記噴霧器を受け入れることができる開口部であって、前記噴霧器を受け入れるときに、供給された洗浄流体が前記シュラウド内に収容されるように前記開口部が密閉される開口部と、を有するシュラウドと、
前記開口部の少なくとも一部を取り囲むガス乾燥リングと、を含む、洗浄装置と、
を備える塗料噴霧システム。
【請求項12】
前記塗料噴霧システムは、前記噴霧器を前記構成要素の表面から前記シュラウドの前記開口部に可逆的に移動させることができる1つ以上のロボットアームをさらに備える、請求項11に記載の塗料噴霧システム。
【請求項13】
前記導電性被膜は1つ以上のフルオロポリマーを含む、請求項11に記載の塗料噴霧システム。
【請求項14】
前記導電性被膜は、1×10オーム/スクエアより大きく、1×1012オーム/スクエアより小さい表面抵抗を有する静電消散性がある、請求項11に記載の塗料噴霧システム。
【請求項15】
前記導電性被膜は、前記シュラウドの前記内面または前記外面の少なくとも75%に適用される、請求項11に記載の塗料噴霧システム。
【請求項16】
前記導電性被膜は、前記可動部材、前記出口ポート、および前記入口ポートのうちの1つ以上にさらに適用される、請求項11に記載の塗料噴霧システム。
【請求項17】
前記出口ポートは、前記噴霧器を受容する前記開口部の反対側で、かつ前記シュラウドの底部コーナー付近の位置で、前記シュラウド内に配置される、請求項11に記載の塗料噴霧システム。
【請求項18】
前記出口ポートは、約2.54cmから約7.62cmの範囲内の内径を有する出口開口を含む、請求項11に記載の塗料噴霧システム。
【請求項19】
構成要素の表面に塗料を塗布するために塗料噴霧システムで使用される噴霧器の洗浄方法であって、
前記構成要素の表面に前記塗料を塗布した後に、噴霧ブース内に配置されている前記噴霧器を請求項1に記載の洗浄装置の開口部まで移動させるステップと、
前記開口部が密閉されるように、前記噴霧器を前記開口部を通過させるステップと、
洗浄流体を前記洗浄装置へ供給するステップと、
前記噴霧器を洗浄するために洗浄流体を噴霧器に接触させるように、前記少なくとも1つの洗浄ノズルの対応する開口を通して洗浄流体を供給するステップと、
出口ポートを通してシュラウド内に集まる洗浄流体を排出するステップと、
噴霧器を乾燥するステップと、
前記噴霧器を前記洗浄装置から除去するステップと、
を備える洗浄方法。
【請求項20】
前記シュラウドは、前記内面および前記外面を備えた壁を有し、前記入口ポートは、前記壁の前記外面および前記内面を貫通し、前記外面の少なくとも一部および前記内面の少なくとも一部は、導電性被膜で被覆されている、請求項1に記載の洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的に、自動または手動の噴霧装置とともに使用される噴霧器の洗浄装置及びこのような洗浄装置が組み込まれたシステム、並びにそれによって洗浄する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この欄における記載は、本開示に関連する背景情報のみを提供するものであり、従来技術に該当しない場合がある。
【0003】
多くの企業は、美的品質または機能的属性を提供するために、例えば環境曝露及び摩耗に対する抵抗力をもたらすために、製品または製品を形成するために使用される様々な構成要素の表面に1つ以上の被膜を適用している。これらの被膜の施工は、しばしば、1つ以上の自動または手動の噴霧(スプレー)塗装ラインを備えた塗装工程で行われる。各噴霧塗装ラインは、塗料の色を効率的に変え、及び/又は欠陥の発生を減少させるために、通常、噴霧装置の定期的な洗浄を必要とする。従って、各塗装ラインは、噴霧装置の外部洗浄(例えば、ベルカップ、シェーピングエアリング、アプリケータシュラウド、ガンエアキャップ等)、洗浄後の噴霧装置の乾燥、及び発生する全ての廃溶剤/材料を回収する手段を備えることができる1つ以上の洗浄装置又はシステムを備えることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、製造における生産力又は労働力を高めることの要求は、しばしば、洗浄装置の適切な作動又は保守を阻害する。また、生産設備に導入された新しい被覆方法は、噴霧装置の適切な洗浄のための課題をもたらす。セットアップおよび/またはメンテナンスが不十分である洗浄装置またはシステムは、それを妨げる多くの欠陥を引き起こす可能性がある。これらの欠陥は、噴霧装置上の塗料の蓄積、洗浄システムからの廃液/廃材の除去による排水管の詰まり、及び/又は過剰な溶剤圧力の使用に起因する可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、一般に、噴霧器のための洗浄装置、そのような洗浄装置を組み込んだ塗料噴霧システム、従来の洗浄装置を改良または置換するための組み立てられた洗浄装置を備えるキット、および洗浄装置を使用する方法を提供する。洗浄装置は、内面および外面を有し、これらの表面のうちの少なくとも一部または両方が導電性被膜で被覆されている。または、洗浄装置の内面または外面の少なくとも75%が導電性被膜で覆われている。
【0006】
本開示の1つの態様によれば、導電性被膜は、1つ以上のフルオロポリマーを含んでもよい。あるいは、1つ以上のフルオロポリマーは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、パーフルオロアルコキシポリマー(PFA)、またはその混合物または共重合体を含んでもよい。導電性被膜は、1×10オーム/スクエアより大きく、1×1012オーム/スクエアより小さい表面抵抗を有する静電気散逸性がある。
【0007】
本開示の別の態様によれば、洗浄装置は、噴霧器を受け入れる開口部と反対側で、シュラウドの底部コーナー付近の位置で、シュラウド内に位置された出口ポートを含む。出口ポートは、約2.54cm(1インチ)から約7.62cm(3インチ)の範囲内の内径を有する開口を備える。
【0008】
本開示のさらに別の態様によれば、既存の塗料噴霧システムを改良するために使用することができ、または新しい塗料噴霧システムの構築中に使用することができるキットが提供される。キットは、一般に、組み立てられた洗浄装置を備える。さらに、キットは、任意に、洗浄流体ラインと結合するための第1の接続部と、使用後に洗浄流体を除去するためのドレインまたは再循環ラインと結合するための第2の接続部と、ガス乾燥リングにガスを供給するラインと結合するための第3の接続部とを備えることができる。望ましい場合、キットは、洗浄装置の入口ポートに送られる洗浄流体の圧力を制御することができる、噴霧ブースの外部に取り付けるためのレギュレータ組立体をさらに備えてもよい。
【0009】
本開示のさらに別の態様によれば、塗料噴霧システムは、上述のように、かつ本明細書でさらに定義されるように、レギュレータ組立体と共に洗浄装置を含んでもよい。このレギュレータ組立体は、洗浄流体によって示される圧力を約0.55MPa(80psi)まで減じ、維持することができ、噴霧ブースの外部に取り付けることができる。
【0010】
本資料の記述から、さらに適用可能な領域が明らかになるであろう。また、記載および具体例は例示のみを目的としたものであり、本開示の範囲を限定するものではない。
【0011】
本開示を十分に理解するために、添付の図面を参照して、例として与えられる、本開示の様々な形態をここで説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、複数の噴霧器および洗浄装置を組み込んだ自動塗料噴霧システムの模式図である。
図2図2は、本開示に従って構成された洗浄装置の斜視図である。
図3図3は、図2の洗浄装置を上から下を見た図である。
図4図4は、図2の洗浄装置を下から上を見た図である。
図5図5は、本開示の教示による組み立てられた洗浄装置を含む改良キットの斜視図である。
図6A図6Aは、本開示の教示による、図2の洗浄装置に供給される洗浄流体の圧力を制御する際に使用するためのレギュレータ組立体の斜視図である。
図6B図6Bは、噴霧ブースの外壁に取り付けられた図6Aのレギュレータ組立体の略図である。
図6C図6Cは、図6Bのレギュレータ組立体の模式図であり、そこを通る洗浄流体の流れの方向を示す。
図7図7は、本開示の教示による図2の洗浄装置を使用して噴霧器を洗浄するために使用される方法の流れ図である。
図8図8は、時間の関数としてプロットされた塗装された部品に観察された欠陥の数のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書に記載される図面は、例示の目的のためだけのものであり、本開示の技術的範囲を決して限定することを意図するものではない。
【0014】
以下の説明は、本質的に例示的なものにすぎず、本開示またはその用途またはアプリケーションを限定することを決して意図しない。例えば、本明細書に記載される教示に従って作製され、使用される洗浄装置は、洗浄装置およびその使用をより完全に例証するために、回転噴霧器または塗料ベル噴霧器を使用する自動車コーティングのロボット塗布と併せて、本開示全体を通して説明される。静電噴霧(スプレー)、回転噴霧、エアレス噴霧、エアアシストエアレス噴霧、高量低圧(HVLP)噴霧などを含む、任意の形態のスプレー塗布を使用する金属またはプラスチック部品への塗料または被膜の手動塗布または自動塗布のいずれかを含む他の用途におけるそのような洗浄装置の組み込みおよび使用は、本開示の範囲内であると考えられる。説明を通して、対応する参照番号は、同様または対応する部分および特徴を示すものと理解されるべきである。
【0015】
本開示は、一般に、図1に示されるような塗料噴霧システム1に使用される噴霧器のための洗浄装置を提供する。この洗浄装置5は、典型的には、噴霧ブース10内に設置され、部品または構成要素20(例えば、自動車の車体など)に塗料を塗布するために使用される、塗装ベル噴霧器などの噴霧装置または噴霧器15に隣接して配置される。噴霧装置又は噴霧器15は、塗料を手動で塗布するための個々の噴霧ガンであってもよいし、塗料を自動で塗布するためのロボットアーム25に連結された自動アプリケータであってもよい。
【0016】
本開示の教示が組み込まれている洗浄装置5は、複数の製造業者によって製造されてもよい。言い換えると、異なる製造業者は、装置の製造中に本開示の洗浄装置5に関連する特徴を組み込むことができ、または洗浄装置5を、本明細書で教示するそのような特徴を含むように改良することができる。従って、各洗浄装置5の全体的な幾何形状は、各製造業者の好み、並びにアプリケータに関連する寸法、及びアプリケーションが要求する仕様に応じて、同一又は異なっていてもよい。このような幾何学的形状の違いは、塗料噴霧システム1の左側(L)および右側(R)に設置された図1に示す洗浄装置5に描かれている。洗浄装置の製造業者の例としては、クリスタルキャップクリーナーズ(カナダオンタリオ州)、サークルダイナミクス(カナダオンタリオ州)、ハッピーダイナミクス(カナダオンタリオ州)、ファナックロボティクスアメリカコーポレーション(米国ミシガン州)、デュルシステムズAG(ドイツ)、およびABBグループ(スイス)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0017】
ここで図2を参照すると、洗浄装置5は、一般に、開閉可能な入口ポート55と出口ポート60とを有するシュラウド50を備える。入口ポート55は、入口ポート55が開いているときに洗浄流体がそこを流れることを可能にし、その結果、洗浄流体が洗浄ノズル57(図2Bに示す)を通して供給され得る。出口ポート60は、開いた位置にあるときに、シュロウド50内に集まり、封じ込められている供給された洗浄流体を除去することができる。シュラウド50は、1つ以上の支持ブラケット65(a,b)に連結され、少なくとも1つの支持ブラケット65bは、洗浄装置5が静止したままであることを確実にするために、塗装ブースのグレーティングまたは床に取り付けられてもよい。望ましい場合、ブラケット65(a,b)は、洗浄装置5を静止したままにするために、ブラケットを塗装ブースに取り付ける必要がないように重み付けすることができる。
【0018】
本開示の目的のために、用語「少なくとも1つの」および「1つ以上の要素」は、互換的に使用され、同じ意味を有してもよい。これらの用語は、単一の要素または複数の要素の包含を指し、要素の末尾に接尾辞「1つ以上の」によって表されてもよい。例えば、「少なくとも1つの洗浄ノズル」、「1つ以上の洗浄ノズル」、および「複数の洗浄ノズル」は、互換的に使用されてもよく、同じ意味を有することが意図される。
【0019】
次に、図3を参照すると、洗浄装置5は、噴霧器を受け入れることができる開口70をさらに備え、噴霧器を受け入れると、開口70は、供給された洗浄流体がシュラウド50内に収容されるように密閉される。このような密封作用は、開口部付近のアプリケータとシュラウドとの接触によって、又は開口部に配置されたガス乾燥リング75(最良に図5に示されている)によって行うことができる。ガス乾燥リング75は、シュラウド50内に残留するか又はアプリケータの表面に存在する残留した洗浄流体を蒸発させるために、空気又は別のガス媒体がシュラウド50内に流入させられるように構成される。したがって、ガス乾燥リング75は、噴霧器の洗浄が完了した後に乾燥機能を提供する。
【0020】
さらに図3を参照すると、洗浄装置は、洗浄流体が供給される開口を有する複数の洗浄ノズル80を含む。洗浄ノズル80の少なくとも1つは、動作中にノズルの位置を変更し、アプリケーターの全ての部分(例えば、ベルカップ、シェーピングエアリング、アプリケーターシュラウド、ガンエアキャップなど)の洗浄を補助するために、可動部材85上に配置される。図3に示す具体例では、4つの洗浄ノズル80は、それが円運動で回転するように構成された部材85上に配置されている。この場合、ノズルを通して供給される洗浄流体は、洗浄サイクル中に部材85を回転させる。従って、噴霧器から塗料の残留物や汚染を除去するための洗浄作用を作り出すことに加えて、回転ノズルはまた、シュラウドの内面90bを濡らす。このシュラウドの内面90bを濡らすことは、洗浄サイクル中に塗料の残留物や汚染物が内面90bに付着しないようにすることを保証する。
【0021】
さらに図2および図3の両方を参照すると、洗浄装置5は、外面90aおよび内面90bを有し、ここで、それらの一方または両方の少なくとも一部は、導電性被膜95で覆われている。導電性被膜は、一般に、1つ以上のフルオロポリマーを含む。フルオロポリマーは、フッ素元素(F)を含む熱可塑性材料の仲間の一部であるポリマーを含むと定義される。フルオロポリマーは、一般に、優れた熱安定性、耐薬品性、低摩擦などの特性を有する。
【0022】
導電性被膜95中に含まれるフルオロポリマーは、いくつかの材料を挙げると、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ペルフルオロアルコキシポリマー(PFA)、フッ素化エチレンプロピレングリコール(FEP)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリエチレンクロロトリフルオロエチレン(ECTFE)、パーフルオロエラストマー(FFPM/FFKM)、クロロトリフルオロエチレンビニリデンフルオライド(FPM/FKM)、テトラフルオロエチレン-プロピレングリコール(FEPM)、またはパーフルオロポリエーテル(PFPE)のうちの1つまたは複数を含むことができる。あるいは、フルオロポリマーは、ポリエトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、パーフルオロアルコキシポリマー(PFA)、またはその混合物または共重合体を含んでもよい。市販されているいくつかの特異的フルオロポリマーには、Xylan(登録商標)被膜(Whitford Corporation、Elverson、PA)、Teflon(登録商標)またはTefzel(登録商標)被膜(The Chemours Company、Wilmington、DE)、およびKynar(登録商標)(Arkema
Chemicals Co.、France)を含むが、これに限定されない。
【0023】
本文中の「ポリマー」という用語は、モノマーの1種以上の重合体を有する分子を指す。「ポリマー」という用語は、高分子及び共重合体の両方を含むものと理解される。本文中の「共重合体」という用語は、モノマーの2種以上の重合体を有する重合体を指すものと理解される。本文中の「ポリマー又は他の化学化合物」とは、ポリマー又は化学化合物の1分子に限定されるのではなく、ポリマー又は他の化学化合物の1分子又は複数の分子を指すものと理解される。さらに、化学化合物に該当する場合には、1分子又は複数の分子が同一であるか又は同一でないかもしれない。したがって、「フルオロポリマー」は、フルオロポリマーの1つ又は複数のポリマー分子を含んでいると解釈され、ポリマー分子が同一であるか、又は同一でないかもしれない(例えば、異なる分子重量、構造等)。
【0024】
導電性被膜95は、1×10オーム/スクエアより大きく、1×1012オーム/スクエアより小さい表面抵抗を有する点で静電気消散性である。または、表面抵抗は1x1010オーム/スクエア未満である。または、約1x10オーム/スクエアと1x10オーム/スクエアの間である。または、約1x10オーム/スクエアと1x10オーム/スクエアの間である。
【0025】
導電性被膜95は、被膜の電気抵抗率を低下させる(例えば、導電性を高める)、カーボンブラック、セラミック(無機)フィラー、または金属フィラーなどの1つまたは複数の添加剤を含むことができる。加えて、被膜の導電性を増加させることに加えて、これらのフィラーは、導電性被膜95によって示される他の特性と同様に、耐摩耗性および耐摩耗性を改善することもできる。例えば、MoS(二硫化モリブデン)やグラファイトのような固体潤滑剤を添加すると潤滑性が改善される可能性があるが、金属粉末(例えば、Ni、Alなど)を添加すると、優れた耐摩耗性が得られる可能性もある。
【0026】
導電性添加剤は、導電性被膜95に粉末(例えば粒子)、繊維、又はその組合せの形成で取り込むことができる。導電性添加剤は、1ナノメートルまたは10,000マイクロメートル、あるいは、1000マイクロメートル未満、あるいは、500マイクロメートル未満、あるいは、約5ナノメートルから約100マイクロメートルの範囲の直径を有することを特徴とすることができる。望ましい場合、導電性添加剤は、カーボンブラック、グラファイト、セラミック、および/または金属ナノ粒子またはカーボンナノファイバー(CNF)であってもよい。
【0027】
導電性被膜95は、浸漬被膜、噴霧被膜、およびフロー被膜を含むがこれらに限定されない任意の公知の被覆技術を使用して、シュラウド50の外面90aおよび/または内面90bに塗布されてもよい。あるいは、導電性被膜95は、空気によって及び/又は静電的に微粒化され、シュラウド50の表面が反対に帯電されるような従来の噴霧方法を用いて塗布される。導電性被膜95には、液体被覆方法として、又は粉体被覆方法として、そのどちらでも適用されることができる。
【0028】
再び図3を参照すると、被膜は、可動部材85、入口ポート、出口ポートなどのシュラウド50内に位置する洗浄装置5の様々な要素に適用されてもよい。少なくとも外面90a、内面90b、又はそれらの組み合わせの一部は、導電性被膜95で覆われる。あるいは、シュラウド50の内面90a又は外面90bの少なくとも75%を導電性被膜95で覆ってもよい。あるいは、図2および3に描かれるように、内面および外面90(a、b)の実質的に全て(例えば、>95%)は、導電性被膜95で覆われてもよい。
【0029】
本開示の目的のために、用語「約」および「実質的に」は、当業者に公知の予想される変動(例えば、測定における制限および変動性)に起因する測定可能な値および範囲に関して本明細書中で使用される。
【0030】
導電性被膜95は、約15マイクロメートル~約100マイクロメートルの範囲の厚さで、シュラウド50の内面および外面90(a、b)に適用される。適用される被膜の厚さは、シュラウド50の表面上への1つ以上の層の適用によって調節されてもよい。あるいは、適用される被膜の厚さは、最適な効果を得るために、少なくとも25マイクロメートル(0.001インチ)である。25マイクロメートル未満の厚さを有する被膜は、不連続になる傾向があり、これは、その所望の電気的特性に影響を及ぼす可能性がある。
【0031】
導電性被膜95は、一般的に約180℃から約420℃の温度の間で硬化される。硬化に関連する温度/時間は、硬化される被膜の厚さに適応するため、および/または被膜によって示される特定の特性を変更するために変化されてもよい。あるいは、導電性被膜95は、300℃を超える温度で硬化される。
【0032】
導電性に加えて、導電性被膜95はまた、高められた耐薬品性および耐摩耗性、ならびに高温での熱安定性を提供する。導電性被膜95は、最高使用温度260℃に曝される洗浄装置に使用することができる。これらの特性により、洗浄装置は、溶剤を含むプライマー、水性ベースコート、および溶剤を含むクリアコートを限定するものではないが、様々な塗料を適用する洗浄装置と併用することができる。
【0033】
洗浄流体は、噴霧器から塗料を溶解、可溶化、または他の方法で除去することができる任意の有機溶剤、水、またはそれらの組み合わせであってもよい。洗浄流体は、塗料を噴霧器から除去する洗浄流体の能力を高めるために、周囲温度(例えば、約25℃)または高温で洗浄装置内に供給されてもよい。望ましい場合、洗浄流体はまた、噴霧器の洗浄をさらに強化するために、有機溶剤および/または水とともに連続的または断続的(例えば、パルス状)に供給される空気、窒素などのガスを含んでもよい。この後の場合、洗浄流体は、噴霧器の表面を洗浄するだけでなく、溶剤および/または水を噴霧し、それによって、より高いエネルギの混合物を噴霧器の表面に送達すると考えられる。
【0034】
次に、図4を参照すると、出口ポート60は、噴霧器を受容する開口70とは反対の位置にあるシュラウド50内に位置する。出口ポート60は、一般にシュラウド50の底部53aの中央に位置するのではなく、むしろ、例えばシュラウド50の側壁53bに近い、底部53の外側部分またはコーナ近くに位置する。この出口ポート60は、約2.54cm(1インチ)から約7.62cm(3インチ)の範囲内にある内径を有する開口部を備える。あるいは、出口ポート60の開口は、約5.08cm(2インチ)の内径を有する。出口ポート60は、溶剤/塗料回収又は廃棄システムに接続されたパイプ又はホース98に連結されていてもよい。
【0035】
上述のような洗浄装置5は、自動車および航空宇宙産業を限定せず、ほとんどの産業によって定められた仕様を満たしており、その導電性被膜を備えた本開示の洗浄装置5の使用は、ほとんどの塗料散布システムに関連する生産性を高める。このことは、一般的に、装置5の高洗浄性能により、装置を毎日清掃し、週毎に分解しなければならないダウンタイムの削減を可能にすることから生じる。典型的には、塗料噴霧システムの動作は、月次の点検および保守間隔まで延長可能となる。
【0036】
また、洗浄装置5の出口ポート60のサイズおよび位置決めは、廃棄洗浄流体および塗料残渣の排出を改善し、洗浄サイクル中に出口ポート60を目詰まりさせる可能性または噴霧器上への後方跳ね返りの可能性を低減する。本開示の洗浄装置5は、入口ポート55に溶剤ラインおよびガスラインを接続するために、急速離脱取付具115(図5に示される)を使用することによって、メンテナンスに必要な人員のサポートを更に減少させることができる。
【0037】
次に、図5を参照すると、本開示の洗浄装置で既存の塗料噴霧システムを改良するためのキット100が提供される。このキット100は、一般に、本明細書に定義されるように組み立てられた洗浄装置5を備える。このキットを使用することにより、既存の従来の洗浄装置を、本明細書に記載される様々な特徴を有する洗浄装置に置き換えることに関連する時間とコストを削減する。さらに、キット内の組み立てられた洗浄装置5は、洗浄流体供給ラインと結合するための第1の接続部105と、既存の塗料噴霧システムでの使用後に洗浄流体を除去するために使用されるドレン漏斗または再循環ラインと結合するための第2の接続部110とを設けることもできる。望ましい場合には、後付けキット100を使用して、新しい塗料噴霧システムの構築中に洗浄装置5を組み込むこともできる。
【0038】
組み立てた洗浄装置5は、洗浄サイクルの完了後に乾燥作用を提供するために、空気などのガスをガス乾燥リング75に供給するラインに結合される第3の接続部120をさらに備えることができる。望ましい場合には、この第3の接続部120は、また、急速離脱取付具(図示せず)を含んでもよい。第1の105又は第3の120接続部に関連する任意のチューブ又はライン106、121は、ステンレス鋼を含むが、これに限定されない、任意のタイプの耐薬品性又は耐摩耗性材料で構成することができる。
【0039】
なお、図5を参照すると、望ましい場合、改良キット100は、洗浄装置5および洗浄装置が配置されている洗浄ブースの外側に遠隔で取り付けることができるレギュレータ組立体125をさらに含んでもよい。本明細書にさらに定義されるような遠隔取付け型レギュレータ組立体125の使用は、操作者が洗浄ブース領域からロックアウトされたり、入ったりする必要なく、洗浄装置の動作へのアクセスおよび調整を可能にする。このレギュレータ組立体125の使用は、洗浄装置及び/又は噴霧器の損傷を低減すると共に、洗浄装置及び/又は噴霧器上への塗料の積み重なりを除去する必要性を低減する。
【0040】
レギュレータ組立体125は、洗浄および乾燥プロセスを強化するために、約0.55MPa(80psi)で洗浄流体の圧力を効果的に制御することができる。洗浄サイクル中に過剰な溶媒圧力(例えば、>0.55MPa)を使用すると、洗浄流体および/または塗料の残留物または汚染物を噴霧器シュラウド、タービンハウジングまたはシェーピングエアリングに強制的に押し込む可能性がある。洗浄流体または塗料の残渣の噴霧器内への発生は、適切な乾燥を妨げ、その後、滴下、クレータ、および乾燥したフレーク/固体が介在物となり、他の塗料欠陥となる可能性がある。
【0041】
次に、図6Aおよび6Bを参照すると、レギュレータ組立体125は、レギュレータ130およびゲージ135とともに、種々の取付具を備えるために、より詳細に示されている。レギュレータ組立体125は、洗浄流体供給ラインからの接続と、洗浄ブースの内側にある洗浄装置の入口ポートに結合されたラインへの接続によって、洗浄ブースの壁の外側に取り付けることができる。
【0042】
次に、図6Cを参照すると、洗浄流体は、噴霧動作中に色を変化させるときに、ロボット式アプリケータまたは噴霧器に関連する熱交換器140およびカラーバルブ145を洗浄するために使用されてもよい。高圧(例えば、>0.69MPa(100psi)で、高温(例えば、周囲温度より高い)である、ロボット供給ライン150内の洗浄流体の一部を、レギュレータ組立体125に送ることができる。レギュレータ組立体125は、戻りライン155に再循環される洗浄流体の一部によって、洗浄流体が洗浄装置5上に存在し続けることを可能にする前に、圧力を約0.55MPa(80psi)まで効果的に減圧する。レギュレータ組立体125の使用は、任意の行き止まりラインまたはパイプの発生を減らし、それにより、加熱された洗浄流体を使用地点まで循環させるシステムの設計を可能にする。
【0043】
本開示の別の態様によれば、構成要素の表面に塗料を塗装するための塗料噴霧システムが提供される。再び図1図4を参照すると、塗料噴霧システム1は、一般に、前述したように、または本明細書でさらに定義したように、塗料を構成要素20の表面にもたらすように構成された1つまたは複数の噴霧装置または噴霧器15と、1つまたは複数の洗浄装置5とを備える。塗料噴霧装置又は噴霧器15は、塗料噴霧ブース10内に配置されている。望ましい場合、塗料噴霧システムは、洗浄装置5のシュラウド50内の構成要素20の表面から開口部70に噴霧器を可逆的に移動させることができる1つまたは複数のロボットアーム25を更に備えることができる。
【0044】
再び図6A~6Cを参照すると、塗料噴霧システムはまた、レギュレータがブースの外側または外部に配置されるように、噴霧ブース10の壁に取り付けられたレギュレータ組立体125を備えてもよい。洗浄流体供給ラインから生じるレギュレータ組立体125への接続およびレギュレータ組立体125から洗浄装置の入口ポートに結合されたラインへの接続は、洗浄ブースの内側に配置することができる。
【0045】
本開示のさらに別の態様によれば、塗料を噴霧ブース内の構成要素の表面に塗料を塗布するための塗料噴霧システムで使用される噴霧器を洗浄する方法が提供される。この方法200は、一般に、上述したように、洗浄装置内の開口部に、構成要素の表面に塗料を塗布した後に噴霧器を移動させるステップ210と、洗浄流体を洗浄装置に送出するステップ220と、流体が噴霧器を洗浄するために、流体が噴霧器と接するように、洗浄ノズルの開口部を通じて流体を供給するステップ230と、出口ポートを通してシュラウドに集まる洗浄流体を排出するステップ240と、噴霧器を乾燥するステップ250と、洗浄装置から洗浄された噴霧器を除去するステップ260とを含む。望ましい場合、本方法は、レギュレータ組立体を使用するステップ270を含み、レギュレータ組立体が噴霧ブースの外部に配置されている状態で、洗浄流体が示す圧力を約0.55MPa(80psi)まで低下させることをさらに含むことができる。
【0046】
以下の具体例は、本開示の教示に従い形成された洗浄装置の性能を説明するものであり、開示の範囲を限定するように解釈すべきではない。当業者であれば、本開示に照らして、本明細書に開示される特定の実施形態において、多くの変更を行うことができ、なお、開示の精神または範囲を逸脱することなく、または超えることなく、同様または同様の成績を得ることができることは理解されよう。当業者は、本明細書に報告される任意の特性が、日常的に測定され、複数の異なる方法によって得ることができる特性を表すことをさらに理解するであろう。本明細書に記載される方法は、1つのそのような方法を表し、他の方法は、本開示の技術的範囲を超えることなく利用されてもよい。
【0047】
(例1 - 洗浄装置の性能)
構成要素に溶剤性プライマーを塗布した製造ラインにおいて、滴下によるクレータの数と洗浄自動化塗布のための洗浄サイクルは、図8に示すように、複数月(1月~6月)にわたって監視された。本開示の洗浄装置に導電性被膜と拡大・再配置された出口ポートを設置した噴霧塗装システムは、7月にアップグレードされた。洗浄サイクルによるクレーターの数の大幅な減少は、図8に示されるように、設置後に、7月から9月にかけて観察された。図8に示す各データポイントは、1000個の構成要素に塗布した塗料中のクレーター(C’s)の測定数を表している。
【0048】
この例は、本開示内に定義される洗浄装置が、洗浄サイクルによって生じる塗装された構成要素の欠陥の数を効果的に減少させることを実証する。全体として、洗浄装置または噴霧器から残留塗料を除去する本開示の洗浄装置の能力は、従来の洗浄装置の洗浄能力に対する実質的な改善を表す。
【0049】
本明細書の範囲内で、実施形態は、明瞭かつ簡潔な仕様を書くことを可能にする方法で説明されてきたが、実施形態は、本発明から分割することなく、様々に組み合わされてもよく、または分離されてもよいことが意図されており、理解されるであろう。例えば、本文書に記載されているすべての好ましい特徴は、本書に記載されている発明のすべての側面に適用可能であることが評価されるであろう。
【0050】
発明の様々な形態の前述の説明は、説明および説明の目的で提示されてきた。開示された厳密な形態は網羅的なものではなく、本発明はこれに限定されるものではない。上記の教示に照らして、多数の修正または変形が可能である。論じられた形態は、発明の原理およびその実用的用途の最良の図示を提供するように選択され、説明されており、それによって、当業者が、意図された特定の使用に適した種々の形態および様々な改変で本発明を利用することを可能にする。このような変形および変形はすべて、それらが公正、法的、および公平に権利を有する範囲に従って解釈されるとき、添付の特許請求の範囲によって決定される本発明の範囲内にある。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8