(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-10
(45)【発行日】2022-06-20
(54)【発明の名称】化粧品を含む使い捨ての変形可能なカプセル
(51)【国際特許分類】
B65D 75/30 20060101AFI20220613BHJP
B65D 75/58 20060101ALI20220613BHJP
B65D 77/20 20060101ALI20220613BHJP
B65D 81/32 20060101ALI20220613BHJP
【FI】
B65D75/30 Z
B65D75/58
B65D77/20 F
B65D77/20 H
B65D81/32 A
B65D81/32 N
(21)【出願番号】P 2021514046
(86)(22)【出願日】2019-08-14
(86)【国際出願番号】 EP2019071885
(87)【国際公開番号】W WO2020052898
(87)【国際公開日】2020-03-19
【審査請求日】2021-04-06
(32)【優先日】2018-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】517121892
【氏名又は名称】ラボラトワール・エム・アンド・エル
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ・ドゥ・ブルジエール
(72)【発明者】
【氏名】ホルガー・クレッペル
【審査官】宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/102816(WO,A1)
【文献】国際公開第2004/069731(WO,A2)
【文献】国際公開第2014/083279(WO,A1)
【文献】特表2006-504594(JP,A)
【文献】特表2013-503019(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 67/00-79/02
B65D 81/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使い捨ての変形可能なカプセルであって、
- ポーチ(11、41)であって、
・化粧品を含み、
・互いに対して押し付けられ、かつ固定される2枚のシート(2および3、5および6)によって前記ポーチの周辺部(16、46)が形成される
ポーチ(11、41)と、
- チャネル(20、50)であって、
・前記カプセル(1、4)の外側に前記ポーチ(11、41)を接続し、
・前記ポーチ(1、4)に対してより狭い横断面積のセクションを形成する
チャネル(20、50)と、
- 壊れやすい壁(13、43)であって、
・前記チャネル(20、50)から前記ポーチ(11、41)を分離し、
・前記ポーチ(11、41)の前記周辺部(16、46)の普通であれば凸形状内に、内側を指す角度を有する凹部(13、43)の形状を有し、
・前記ポーチの破壊は、
前記ポーチ(11、41)に加えられる圧力によって生じ、
この内側を指す角度を有する凹部(13、43)において、互いに対して押し付けられ、かつ固定されたこれらの2枚のシート(2および3、5および6)の剥離によって行われ、
前記ポーチ(11、41)を、前記化粧品が前記ポーチ(11、41)から前記チャネル(20、50)へと流れるように、前記チャネル(20、50)と連通させる、
壊れやすい壁(13、43)と、
- コネクタ(14、44)であって、
・別のカプセル(1、4)の、雌(14)または雄(44)のコネクタと結合するように意図された、雄(44)または雌(14)のものであり、
・前記コネクタ(14、44)が互いに結合された後、前記カプセル(1、4)の間で確実に封止接続されるように十分に剛性があり、
・ポーチ(41)の隣に位置する前記チャネル(50)の端部(51)の反対側にある、前記チャネル(50)の一端(52)に位置する、またはポーチ(11)の隣に位置する前記チャネル(20)の前記端部(21)とは異なる前記チャネル(20)の開口部(22)に位置し、
・前記カプセル(1)の外側へと開いている
コネクタ(14、44)と
を備える使い捨ての変形可能なカプセル。
【請求項2】
- 前記チャネル(20、50)はガイドチャネルであって、
・前記ポーチ(11、41)に対して、その長さのすべてまたは一部が、プラスマイナス20%内、好ましくは、プラスマイナス10%内の一定の、またはほぼ一定の横断面積の狭い部分を形成し、
・この一定の、またはほぼ一定の横断面積の狭い部分は、その最大幅よりも少なくとも3倍大きい長さ、好ましくは、その最大幅よりも少なくとも7倍大きい長さを有し、
・この一定の、またはほぼ一定の横断面積の狭い部分の最大幅は、前記ポーチ(11、41)の最大幅の少なくとも4分の1の大きさ、好ましくは、前記ポーチ(11、41)の最大幅の少なくとも8分の1の大きさである、
ガイドチャネルである、請求項1に記載の使い捨ての変形可能なカプセル。
【請求項3】
前記ポーチ(11、41)の前記周辺部(16、46)は、互いに溶接された2枚のシート(2および3、5および6)により形成される、請求項1または2に記載の使い捨ての変形可能なカプセル。
【請求項4】
- 2つの溶接部(12および15、42および45)
を備え、
・第1の溶接部(12、42)は、前記チャネル(20、50)の大部分を囲みながら、前記ポーチ(11、41)のすべての周囲で延びており、
・第2の溶接部(15、45)は、前記チャネル(20、50)の大部分を囲むことなく、前記ポーチ(11、41)のすべての周囲で延び、
・前記第2の溶接部(15、45)は、少なくとも部分的に、好ましくは、完全に、前記第1の溶接部(12、42)の内側に配置され、
・前記第2の溶接部(15、45)は、前記第1の溶接部(12、42)よりもさらに壊れやすく、
・前記内側を指す角度を有する凹部(13、43)は、前記第1の溶接部(12、42)によるのではなく、前記第2の溶接部(15、45)だけによって確立される、請求項1から3のいずれか一項に記載の使い捨ての変形可能なカプセル。
【請求項5】
前記第2の溶接部(15、45)は、前記第1の溶接部(12、42)よりもさらに壊れやすく、前記第2の溶接部(15、45)を開くようにする圧力に対する閾値は、前記第1の溶接部(12、42)の破壊を生ずる圧力に対する閾値の20%と50%の間、好ましくは、30%と40%の間である、請求項4に記載の使い捨ての変形可能なカプセル。
【請求項6】
前記壊れやすい壁(13、43)の破壊は、この内側を指す角度を有する凹部において、互いに溶接されたこれらの2枚のシート(2および3、5および6)を剥離することにより行われるが、この溶接部(15、45)は、前記2枚のシート(2および3、5および6)の2つの最も外側の層だけを溶融することにより作製される、請求項3から5のいずれか一項に記載の使い捨ての変形可能なカプセル。
【請求項7】
- 溶接部(15、45)は、
・160℃と200℃の間、有利には、170℃と190℃の間を含む溶接温度、
・および/または2バールと6バールの間、有利には、3バールと5バールの間を含む溶接圧力、
・および/または0.5秒と3秒の間、有利には、1秒と2秒の間を含む溶接時間
を有する、請求項3から6のいずれか一項に記載の使い捨ての変形可能なカプセル。
【請求項8】
前記カプセル(1、4)の前記ポーチ(11、41)の形状は、その厚さの方向に対して直角なその中央平面(10)において円形である、請求項1から7のいずれか一項に記載の使い捨ての変形可能なカプセル。
【請求項9】
- 前記ポーチ(11、41)は平坦化されており、
・その2つの面の一方(3、6)は平坦であり、
・その2つの面の他方(2、5)は、それに対する機械的な圧力によって、前記ポーチ(11、41)の内容物を排出できるようにするために、少なくとも部分的に凸形であり、かつ可撓性を有する、請求項1から8のいずれか一項に記載の使い捨ての変形可能なカプセル。
【請求項10】
前記凸形状(2、5)はまた、前記内側を指す角度を有する凹部(13、43)が中へと前進する内側に凹んだ部分(17、47)を備える、請求項1から9のいずれか一項に記載の使い捨ての変形可能なカプセル。
【請求項11】
凸形の面(2、5)は、有利には、100μmと300μmの間を含む厚さの、より有利には、150μmと250μmの間を含む厚さの、好ましくは、単層の、より好ましくはポリオレフィンの熱成形された薄膜である、請求項9または10に記載の使い捨ての変形可能なカプセル。
【請求項12】
前記平坦な面(3、6)は、有利には、50μmと250μmの間を含む厚さの、より有利には、100μmと200μmの間を含む厚さの、好ましくは多層の、より好ましくは、PET/アルミニウム/PPのスタックにより形成される、平坦かつ可撓性を有する薄膜である、請求項9から11のいずれか一項に記載の使い捨ての変形可能なカプセル。
【請求項13】
前記ポーチ(11、41)は、2相のうちの所定量の1相だけを含み、その混合物は、直ぐに使用できる化粧品を形成する、請求項1から12のいずれか一項に記載の使い捨ての変形可能なカプセル。
【請求項14】
前記内側を指す角度を有する凹部(13、43)は、この角度を有する凹部(13、43)の幅(l)の半分より大きく、かつこの角度を有する凹部(13、43)の幅(l)未満の深さ(p)を有する、請求項1から13のいずれか一項に記載の使い捨ての変形可能なカプセル。
【請求項15】
前記内側を指す角度を有する凹部(13、43)の前記壊れやすい壁の幅(lpf)は、前記内側を指す角度を有する凹部(13、43)の前記壊れやすい壁の全長に沿って一定である、請求項1から14のいずれか一項に記載の使い捨ての変形可能なカプセル。
【請求項16】
前記内側を指す角度を有する凹部(13、43)の前記壊れやすい壁の幅(lpf)は、前記内側を指す角度を有する凹部(13、43)の最も前進した部分において、前記内側を指す角度を有する凹部(13、43)のアームにおけるものよりも大きい、請求項1から14のいずれか一項に記載の使い捨ての変形可能なカプセル。
【請求項17】
前記内側を指す角度を有する凹部(13、43)の前記壊れやすい壁の幅(lpf)は、1mmと2.5mmの間、好ましくは、1.5mmと2mmの間である、請求項1から16のいずれか一項に記載の使い捨ての変形可能なカプセル。
【請求項18】
前記内側を指す角度を有する凹部(13、43)は、内側に向いた先端を備える尖った形状、好ましくは、V形状、より好ましくは、前記先端における、角度(aa)が鋭角であるV形状を有する、請求項1から17のいずれか一項に記載の使い捨ての変形可能なカプセル。
【請求項19】
前記壊れやすい壁(13、43)は、前記ポーチ(11、41)に加えられる圧力が、10Nと45Nの間、好ましくは、15Nと40Nの間を含む力に相当するとき開くように、その厚さ、幅、長さ、および形状において寸法化される、請求項1から18のいずれか一項に記載の使い捨ての変形可能なカプセル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧品を、特に、化粧品の混合物に加えられてそのユーザが直ぐに使用できるように意図された化粧品を含む使い捨ての変形可能なカプセルの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ヨーロッパ特許EP2038189で示された、第1の従来技術によれば、異なる基本製品を含む事前に分与されたポッドから、個人的な化粧品を作製するための知られたシステムが存在し、これらのポッドは、機械の中で開かれ、その内容物は水と混合される。
【0003】
ポッドを開くことは、かなり限定された力に対しては較正されておらず、したがって、弱い力の場合には完全に制御されず、その後の流し込みは、ポッド出口にてチャネルによりガイドされないが、これは、特許EP2038189のコンテキストにおける欠点ではなく、それは、その内容物が混合チャンバにおいて散乱するが、そこでさらに水がポッドからの化粧品と混合されるからである。
【0004】
例えば、米国特許第4,759,472号、または特許出願FR2673916、または特許出願WO2017/204257で述べられる第2の従来技術によれば、内側を指す角度を有する凹部を有する壊れやすい壁により閉じられた化粧品のポーチを備えるカプセルが知られており、それは、開かれたとき、化粧品をポーチから、さらにカプセルから出すようにし、化粧品は、次いで、直接使用できる状態になり、混合物の生成を必要としない。
【0005】
しかし、弱い力の場合、カプセルを開くことはより細かく較正されているが、壊れやすい壁が壊れた、すなわち、開かれた後、化粧品は不十分に制御され、あるいは完全に制御されずにカプセルから流出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】EP2038189
【文献】米国特許第4,759,472号
【文献】FR2673916
【文献】WO2017/204257
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、前述の欠点を少なくとも部分的に克服する変形可能なカプセルを提供することである。
【0008】
より詳細には、本発明は、圧力が、所与の開放閾値を超えて変形可能なカプセルに加えられたとき、カプセルの開放に対して良好な制御を可能にし、かつそれが開放された後、変形可能なカプセルの内容物の流れを、変形可能なカプセルの外に適正にガイドできるようにする、変形可能なカプセルを提供することを目的とする。
【0009】
実際に、本発明は、壊れやすい壁を有する使い捨ての変形可能なカプセルにより遭遇する2つの要素の問題を検出している。一方では、開放は、カプセルの開放中に不十分に制御され、意図しない裂け目を生じて内容物を、制御されない方向および強度でポーチから噴出させ、または時には、全く裂け目を生じることなく、カプセルの開放、およびポーチからのその内容物の流れを阻止することになる。他方では、内容物がポーチから流出すると、その外方向の経路も制御されず、カプセルの外に内容物の自然発生的な噴出を生じ、その場合、それはガイドされない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、この2つの要素の問題を、少なくとも部分的に解決することを目的とする。一方では、壊れやすい壁において、内側を指す角度を有する凹部とも呼ばれる、凹形の角度を有する形状の存在により、かつ剥離することによって、壊れやすい壁を形成する2枚のシートを分離することにより、カプセルの開放中に、開放は良好に制御されることになる。他方で、内容物がポーチから流出すると、その外側の経路は、より狭い横断面積のセクションを形成するガイドチャネルと、2つのカプセルの内容物を共に混合して、直ぐに使用できる最終的な化粧品を生成するために、カプセルを別のカプセルに結合できるようにする、ガイドチャネルの端部に位置するコネクタとの存在により良好に制御されるようになり、2つのコネクタを含むポーチの間の狭い横断面積のチャネルを介して、2つのカプセルの2つのそれぞれのポーチの間で混合物を移動させることはまた、この混合物の良好な均質化を達成し、この動きは、一方向に、次いで他の方向に交互に、好ましくは、これらの2つの変形可能なカプセルの一方を押し付け、次いで他方を交互に押し付ける機械の内部で、1回または複数回実施されると有利である。
【0011】
したがって、2つの変形可能なカプセルが共に連結されたとき、それらの一方の内容物が、まず他方の中に流入することができ、次いで、その混合物は、一方のカプセルから別のものへと移動して良好に均質化され得るようにするが、混合機を汚すおそれのある混合チャンバへと出ることなく、カプセルの対の内部に残った状態のままである。この相互接続されたカプセルの対は、例えば、本明細書に参照により組み込まれる特許出願FR1755749において述べられたものなど、化粧品を製作するための機械で使用され得る。
【0012】
特許出願FR1755749は、ポッドとも呼ばれる事前に分与されたパッケージングユニットから個人用の化粧品を製作するためのシステムを述べており、事前に分与されたパッケージングユニットの内容物の混合は、機械により自動的に行われ、個人用化粧品の最終消費者は、事前に分与されたパッケージングユニットを機械の中に導入し、かつ使用状態にある個人用化粧品を収集する必要があるだけである。混合は、混合機の残部に触れることなく、相互接続されたカプセルの対の内側で行われ、したがって、それを汚すことはない。
【0013】
特許出願FR1755749の使い捨ての変形可能なカプセルの特定の内部構造は、これらの変形可能なカプセルの開放を良好に制御するためにさらに向上させることができ、したがって、このような開放が必要な場合はいつでも開き、また衝撃もしくは誤って操作したとき予期せずに開くこともないようにする。
【0014】
この目的のために、本発明は、使い捨ての変形可能なカプセルを提案し、カプセルは、化粧品を含み、互いに対して押し付けられ、かつ固定される2枚のシートによってポーチの周辺部が形成されるポーチと、カプセルの外側にポーチを接続し、ポーチに対してより狭い横断面積のセクションを形成するチャネルと、チャネルからポーチを分離し、ポーチの周辺部の普通であれば凸形状内に、内側を指す角度を有する凹部の形状を有し、ポーチの破壊は、ポーチに加えられる圧力により生じ、この内側を指す角度を有する凹部において、互いに対して押し付けられ、かつ固定されたこれらの2枚のシートの剥離によって行われ、ポーチを、化粧品がポーチからチャネルへと流れるように、チャネルと連通させる、壊れやすい壁と、雄または雌のコネクタであって、別のカプセルの、雌または雄のコネクタと結合するように意図され、コネクタが互いに結合された後、カプセルの間で確実に封止接続されるように十分に剛性があり、ポーチの隣に位置するチャネルの端部の反対側にある、チャネルの一端に位置する、またはポーチの隣に位置するチャネルの端部とは異なるチャネル開口部に位置し、カプセルの外側へと開いているコネクタとを備える。
【0015】
好ましい実施形態によれば、本発明は、別々に、または任意の組合せで使用できる以下の特徴のうちの1つまたは複数のものを含む。
【0016】
好ましくは、チャネルはガイドチャネルであって、ポーチに対して、その長さのすべて、または一部が、プラスマイナス20%内、好ましくは、プラスマイナス10%内の一定の、またはほぼ一定の横断面積の狭い部分を形成し、この一定の、またはほぼ一定の横断面積の狭い部分は、その最大幅よりも少なくとも3倍大きい長さ、好ましくは、その最大幅よりも少なくとも7倍大きい長さを有し、この一定の、またはほぼ一定の横断面積の狭い部分の最大幅は、ポーチの最大幅の少なくとも4分の1の大きさ、好ましくは、ポーチの最大幅の少なくとも8分の1の大きさである、ガイドチャネルである。
【0017】
ガイドチャネルの形状および寸法は、ガイドチャネルの中にガイドされ、かつガイドチャネルを通過するとき、カプセルのポーチ間の混合物の循環の良好な制御、ならびにこの混合物の良好な均質化を可能にするが、このような通過は、一方向に、次いで、他方向に、1回または複数回生ずるので有利である。
【0018】
ポーチの周辺部は、互いに溶接された2枚のシートにより形成されることが好ましい。
【0019】
2枚のシートの間に溶接が存在することは、したがって、カプセルのポーチの内容物を長時間にわたり、かつより安全な方法で外部環境から十分隔離した状態に保つことを可能にして、漏れおよび偶発的に裂けることを低減する、あるいは阻止する。
【0020】
好ましくは、使い捨ての変形可能なカプセルはまた、2つの溶接部を備え、第1の溶接部は、チャネルの大部分を囲みながら、ポーチのすべての周囲で延びており、第2の溶接部は、チャネルの大部分を囲むことなく、ポーチのすべての周囲で延び、第2の溶接部は、少なくとも部分的に、好ましくは完全に、第1の溶接部の内側に配置され、第2の溶接部は、第1の溶接部よりもさらに壊れやすく、内側を指す角度を有する凹部は、第1の溶接部によるのではなく、第2の溶接部だけによって確立される。
【0021】
したがって、カプセルを開いたとき、壊れやすい壁の開放中に、ポーチの内容物のポーチの外側への流れ方向は、良好に制御され、かつガイドチャネルに向けて導かれ、次いで、それは、このカプセルが接続されている他のカプセルの方向に流れるようになる。
【0022】
好ましくは、第2の溶接部は、第1の溶接部よりもさらに壊れやすく、第2の溶接部を開くようにする圧力に対する閾値は、第1の溶接の破壊を生ずる圧力に対する閾値の20%と50%の間、好ましくは、30%と40%の間である。
【0023】
したがって、カプセルを開いたとき、壊れやすい壁の開放中に、ポーチの内容物のポーチの外側への流れ方向は、さらに良好に制御され、かつガイドチャネルに向けてガイドされ、次いで、それは、このカプセルが接続されている他のカプセルの方向に流れるようになる。この方法では、第1の溶接部をほとんど裂くことないが、ほぼ常に第2の溶接部を開くことになる圧力を較正することが容易になる。
【0024】
好ましくは、互いに溶接されたこれらの2枚のシートの壊れやすい壁の破壊は、この内側を指す角度を有する凹部において剥離することによって生ずるものであり、この溶接部は、2枚のシートの2つの最も外側の層だけを溶融することにより生成される。
【0025】
したがって、剥離することが、より容易に達成され、さらに、ポーチの内容物が、チャネルを通過することなくカプセルから完全に噴出し、それにより、これらの内容物の部分的な損失を生じるおそれのある意図しない裂けの危険を低減し、この壊れやすい壁を開くことの処理および清浄度を向上させる。
【0026】
ポーチの面の間に作製される溶接部の特有の構造は特に適したものである。それらは以下で与えられる。
【0027】
好ましくは、溶接部は、160℃と200℃の間、有利には170℃と190℃の間を含む溶接温度、および/または2バールと6バールの間、有利には、3バールと5バールの間を含む溶接圧力、および/または0.5秒と3秒の間、有利には、1秒と2秒の間を含む溶接時間を有する。これは、2つの異なる溶接部がある場合、より弱い、またはより壊れやすい溶接部に関係する。
【0028】
好ましくは、カプセルのポーチの形状は、その厚さ方向に対して直角なその中央平面において円形である。
【0029】
この円形状は、したがって、内側を指す角度を有する凹部の方向に、カプセルを開くために加えられた圧力の良好な集中を確実にし、それにより、円形状の円周に対する力のバランスされた分散により、カプセルの開きを良好に制御できるようにする。
【0030】
好ましくは、ポーチは平坦化され、その2つの面の一方は平坦であり、その2つの面の他方は、少なくとも部分的に凸形であり、かつ可撓性があり、それに対する機械的な圧力によりポーチの内容物の排出を可能にする。
【0031】
したがって、カプセルを使用する簡単さが向上する。一方で、2つのカプセルが互いに面して配置されたとき、ポーチの平坦な面は、簡単で均一な加熱を可能にし、有利には一定の厚さを有する簡単な構造の単一の加熱要素を用いるとさらに好ましい。他方で、2つのカプセルが互いに面するように配置されたとき、ポーチの凸形の、可撓性のある面は、簡単な機械的圧力により、さらに好ましくは、互いに面して配置された、例えば、ピストンなどの2つの機械的部材を用いて、ポーチの外にポーチの内容物を完全に排出する簡単な方法を提供し、各機械的な部材は、順に、カプセルの一方に圧力を加えて、その内容物を他方のカプセルに向けて排出するように働き、その逆も同様である。
【0032】
好ましくは、凸形状はまた、内側を指す角度を有する凹部が中へ前進する、内側に凹んだ部分を備える。
【0033】
したがって、カプセルを開いたとき、壊れやすい壁の開放中に、ポーチの外側へのポーチの内容物の流れ方向が、良好に制御され、かつガイドチャネルの方向に導かれて、このカプセルが接続されている他のカプセルに向けて流れるようになる。
【0034】
ポーチの面に対する特有の構造は特に適している。それらは以下で与えられる。
【0035】
好ましくは、凸形の面は、有利には、100μmと300μmの間を含む厚さの、より有利には、150μmと250μmの間を含む厚さの、より好ましくは単層の、さらにより好ましくは、ポリオレフィンの熱成形された薄膜である。
【0036】
凸形の面の厚さは、例えば、200μmである。
【0037】
好ましくは、平坦な面は、有利には50μmと250μmの間を含む厚さの、より有利には100μmと200μmの間を含む厚さの、より好ましくは多層の、さらにより好ましくはPET/アルミニウム/PPのスタックにより形成される平坦かつ可撓性を有する薄膜である。
【0038】
平坦な面の厚さは、例えば、150μmである。
【0039】
平坦な面の厚さは、凸形の面の厚さ未満であることが好ましい。
【0040】
好ましくは、ポーチは、2相のうちの所定量の1相だけを含み、その混合物は、直ぐに使用できる化粧品を形成する。
【0041】
したがって、2つの相を混合することにより使用されるまで、2つのカプセルの一方に含まれる各相は、他方のカプセルに含まれる他の相から完全に隔離された状態に留まることができ、相の組成において、保存薬を完全に、またはほぼ完全になしですませることができ、その場合、これらの相のそれぞれは、自然のものである、言い換えると、保存薬を含まない、またはほとんど保存薬を含んでいない。
【0042】
ポーチの面に対する特有の構造は特に適したものである。それらは以下で与えられる。
【0043】
好ましくは、内側を指す角度を有する凹部は、この角度を有する凹部の幅の半分より大きく、かつこの角度を有する凹部の幅未満の深さを有する。
【0044】
したがって、壊れやすい壁の開放を制御することと、この壊れやすい壁を開くために必要な最小の閾値との間の良好な妥協が達成され、偶発的に、この壊れやすい壁を開く危険を低減する、またはさらになくすようにする。
【0045】
好ましくは、第1の実施形態において、本質的にわずかにより強度のある壊れやすい溶接部が得られ、互いにより強力に固定される互いに対して押し付けられたシートのいくつかの材料に対して、内側を指す角度を有する凹部の壊れやすい壁の幅は、内側を指す角度を有する凹部の壊れやすい壁の全長に沿って一定である。
【0046】
したがって、内側を指す角度を有する凹部の製作は簡単化され、またこの内側を指す角度を有する凹部の特性の再現性はよく保証され、この内側を指す角度を有する凹部の壊れやすい壁、または溶接に適した場所の他の特性(厚さ、幅、および深さ、ならびに形状)は、カプセルの周辺部にそれを取り付けるそのアームに対するその最も進んだ部分における内側を指す角度を有する凹部の壊れやすい壁、または溶接に適した場所の幅の改良からなるさらなる複雑さを追加する必要なく、壊れやすい壁、または溶接に適した場所が、そのアームに対して内側を指す角度を有する凹部の最も進んだ部分における適正な場所で開き始めることを保証するのに十分である。我々は、したがって、この開放が、例えば、変形可能なカプセルに対する機械ピストンの圧力からなど、較正された力を加えることによって生じたときを含む、内側を指す角度を有する凹部全体の清浄かつ完全な開放を取得するが、内側を指す角度を有する凹部の壊れやすい壁が可変幅の場合、単に部分的な開放、および1つのものから次へと開放が変化する場合がある。
【0047】
好ましくは、第2の実施形態においては、本質的にわずかに堅くない壊れやすい壁を生ずる、互いに少し弱く固定された、互いに押し付けられたシートのいくつかの他の材料に対して、内側を指す角度を有する凹部の壊れやすい壁の幅は、内側を指す角度を有する凹部の最も前進した部分において、内側を指す角度を有する凹部のアームにおけるものよりも大きい。
【0048】
この内側を指す角度を有する凹部の特性の再現性は、したがって良好に保証され、内側を指す角度を有する凹部の壊れやすい壁の可変の壁は、最も進んだ部分からアームの方向に減少し、壊れやすい壁または溶接に適した場所が、内側を指す角度を有する凹部の最も進んだ部分における適正な場所で開き始めるのを良好に保証するのを助ける。したがって、この場合であっても、この開放が、例えば、変形可能なカプセルに対する機械ピストンの圧力からなど、較正された力を加えることによって生ずる場合を含めて、内側を指す角度を有する凹部全体の清浄かつ完全な開放が得られる。
【0049】
好ましくは、内側を指す角度を有する凹部の壊れやすい壁の幅は、1mmと2.5mmの間、好ましくは、1.5mmと2mmの間である。
【0050】
内側を指す角度を有する凹部は、内側を向いた先端を有する尖った形状を、好ましくはV形状を、より好ましくは、先端における、角度が鋭角であるV形状を有することが好ましい。
【0051】
変形可能なカプセルに加えられる開放圧力は、したがって、この先端が狭い場合、内側を指す角度を有する凹部の先端においてより局所化される。
【0052】
好ましくは、壊れやすい壁は、ポーチに加えられる圧力が、10Nと45Nの間、好ましくは、15Nと40N(N=ニュートン)の間を含む力に相当するとき開くように、その厚さ、幅、長さ、および形状において寸法化される。
【0053】
本発明の他の特徴および利点は、例として与えられた本発明の好ましい実施形態の以下の記述を読み、かつ添付図面を参照することにより明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【
図1】本発明の実施形態による雌コネクタを備えた変形可能なカプセルの例の概略的な上面図である。
【
図2】
図1ですでに示された本発明の実施形態による雌コネクタを備えた変形可能なカプセルの例の概略的な斜視図である。
【
図3】
図1ですでに示された本発明の実施形態による雌コネクタを備えた変形可能なカプセルの例の、第1の方向Aにおける概略的な側面図である。
【
図4】
図1ですでに示された本発明の実施形態による雄コネクタを備えた変形可能なカプセルの例の、第2の方向Cにおける概略的な側面図である。
【
図5】本発明の実施形態による雄コネクタを備えた変形可能なカプセルの例の概略的な上面図である。
【
図6】
図5ですでに示された本発明の実施形態による雄コネクタを備えた変形可能なカプセルの例の概略的な斜視図である。
【
図7】
図5ですでに示された本発明の実施形態による雄コネクタを備えた変形可能なカプセルの例の、第1の方向Aにおける概略的な側面図である。
【
図8】
図5ですでに示された本発明の実施形態による雄コネクタを備えた変形可能なカプセルの例の、第2の方向Cにおける概略的な側面図である。
【
図9】本発明の実施形態による雌コネクタを備えた変形可能なカプセルの例のより正確な底面図である。
【
図10】
図9ですでに示された本発明の実施形態による雌コネクタを備えた変形可能なカプセルの例の、第1の方向Dにおけるより正確な側面図である。
【
図11】本発明の実施形態による雄コネクタを備えた変形可能なカプセルの例のより正確な底面図である。
【
図12】
図11ですでに示された本発明の実施形態による雄コネクタを備えた変形可能なカプセルの例の、第1の方向Aの概略的な側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
図1は、本発明の実施形態による雌コネクタを備えた変形可能なカプセルの例の上面図を概略的に示す。
【0056】
図2は、
図1ですでに示された本発明の実施形態による雌コネクタを備えた変形可能なカプセルの例の斜視図を概略的に示す。
【0057】
図3は、
図1ですでに示された本発明の実施形態による雌コネクタを備えた変形可能なカプセルの例の、第1の方向Aにおける側面図を概略的に示す。
【0058】
図4は、
図1ですでに示された本発明の実施形態による雄コネクタを備えた変形可能なカプセルの例の、第2の方向Cにおける側面図を概略的に示す。
【0059】
変形可能なカプセル1は、チャネル20によって延ばされたポーチ11を備え、チャネル20はそれ自体、実質的に概して平坦なカプセル1の中央平面10に対して直交して延びる雌コネクタ14により延ばされている。
【0060】
カプセル1は、互いに押し付けられ、互いに取り付けられた、好ましくは、溶接エリアに沿って互いに溶接された2枚のシート2および3を重ね合わせることにより形成される。これらの2枚のシート2および3は、
図5から
図8で示される別のカプセル4の雄コネクタ44の相互にロックする部分を受け入れるように意図された雌コネクタ14の基部18を、またはより詳細には、雌コネクタの端部14を、それらの間に閉じ込める。シート2は、熱成形された外殻であるが、シート3は、平面10において熱成形された外殻を閉じるように覆う平坦な薄膜である。
【0061】
カプセル1は、
図5から
図8で表される別のカプセル4の別のポーチ41の別の化粧品と混合されるように意図された化粧品で満たされたポーチ11を備え、これらの2つの化粧品の混合物は、均質化された後、例えば、顔に塗るクリームなど、最終的な化粧品をユーザにより直ぐに使用できる状態にする。混合される化粧品の一方は、例えば、脂肪相などのベース(base)であり、他方の化粧品は、例えば、水性相などの活性成分の複合体である。ここで、カプセル1は、ベースを含み、活性成分の複合体を含むカプセル4よりも大きい容量を有する。ポーチ11の容積は、例えば、約1mlであり、弾性変形により、1.2ml、またはさらに少し大きく拡大することができる。
【0062】
チャネル20は、3つの部分を備え、2つの部分は、ポーチ11から雌コネクタ14へと進むものであり、それは、内側部分21、次いで中心部分22であり、中心部分22は、一方の側で雌コネクタ14の入口の中へと開き、他方の側で第3の部分、すなわち、カプセル1の外側に直接導く外側部分23へと開いており、それは、均質化された後、混合物が排出される出口である。外側部分23の出口は、カプセル1と4の間で混合物が前後に移動する間は閉じたままであり、混合物の均質化が終了するまで開かれることはない。混合物の均質化中に、圧力がカプセル1のポーチ11に加えられたとき、その内容物は排出されて、まずチャネル20の内側部分21に入り、次いでチャネル20の中心部分22に入り、その後に、雌コネクタ14に入り、他方のカプセル4の雄コネクタ44に向けて移動するが、カプセル1および4の対が挿入されている機械の部材の封止、またはそのクランプによって、チャネル20の外側部分23の出口は閉じられたままである。混合物の均質化の後、圧力がカプセル1のポーチ11に、かつカプセル4のポーチ41に同時に加えられたとき、その封止を開くことにより、またはクランプを解放することにより、チャネル20の外側部分23の出口が開くと、ポーチ11の内容物が排出され、雌コネクタ14に入って、他方のカプセル4の雄コネクタ44に向けて移動する前に、まず、チャネル20の内側部分21の中に入り、次いで、チャネル20の中心部分22に入る。
【0063】
ポーチ11およびチャネル20の組立体は、外側溶接部12により囲まれており、溶接部12は、まず、ポーチ11の周辺部16のほぼ全体の周りで延び、次いで、チャネル20、ならびに雌コネクタ14の基部18を囲む。
【0064】
ポーチ11はまた、ポーチ11の全体の周辺部16周りで延びる内側溶接部15によっても囲まれており、それは、まず外側溶接部12に従い、次いで、内側を指す角度を有する凹部13によってこの周辺部16が閉じられ、凹部13は、ポーチ11のこの凸形の実質的に円形の周辺部16において、内側に凹んだ角度を形成し、この内側を指す角度を有する凹部13は、内側に凹んだV形状を有し、かつ外側溶接部12から分離されている。この内側溶接部15は、チャネル20を閉じることは全くない。この内側を指す角度を有する凹部13は、ポーチ11の窪み17に面しており、ポーチ11の内側に、かつ中心に向けてより深く貫通できるようにする。
【0065】
内側を指す角度を有する凹部13は、したがって、普通であれば凸形のポーチ11の周辺部16において窪みを有する。内側を指す角度を有する凹部13は、内側に凹んだV形状を有するが、U形状により近い傾向のある丸みを帯びた先端を有することもできる。内側を指す角度を有する凹部13は、その先端において鋭角aa、先端とそのアームの両端を接続する線との間の深さp、および一方のアームの端部から他方のアームの端部までの幅lを有する。深さpは、幅lの半分と、そのすべてとの間を含むと有利である。
【0066】
例えば、
図1の平面に直交し、かつ
図3の平面内で垂直上方に移動する機械のピストンを用いて、圧力が、ポーチ11の中心部分に、特に内側を指す角度を有する凹部13のVの先端に加えられたとき、2枚のシート2および3は、次いで、Vのこの先端で分離して移動し、次いで、Vのアームに沿って分離して移動し続け、その後、外側溶接部12において、Vのこれらのアームの端部に達する。
【0067】
内側溶接部15の内側を指す角度を有する凹部13だけが、壊れやすい壁を形成し、それは、壊れたとき、ポーチ11の内容物を解放して、次いで、雌コネクタ14の方向にチャネル20の中へと排出する。有利には、内側を指す角度を有する凹部13に沿った内側溶接部15の一定な幅lpfにより、この壊れやすい壁13、実際には、この壊れやすい溶接部13のより清浄な、かつさらに明確な開放を可能にする。この壊れやすい壁13、すなわち、この壊れやすい溶接部13の破壊は、互いに面するその最も外側の層によってだけ溶接されたシート2および3を剥離することにより穏やかに行われ、したがって、これらのシート2および3は、カプセル1の外側に裂ける、または開くことなく、互いに分離する。剥離は、その最も外側の層だけにより取り付けられた2枚のシートが、互いから引き離され、裂けることなく、また外側に開くことなく、互いに対して離れるように行われる。壊れやすい壁13を押し付けている化粧品は、2枚のシートを、剥離により互いに分離させ、チャネル20を進むが、カプセル4に達する前は、カプセル1内に閉じ込められた状態にある。
【0068】
図5は、本発明の実施形態による雄コネクタを備えた変形可能なカプセルの例の上面図を概略的に示す。
【0069】
図6は、
図5ですでに示された本発明の実施形態による雄コネクタを備えた変形可能なカプセルの例の斜視図を概略的に示す。
【0070】
図7は、
図5ですでに示された本発明の実施形態による雄コネクタを備えた変形可能なカプセルの例の、第1の方向Aにおける側面図を概略的に示す。
【0071】
図8は、
図5ですでに示された本発明の実施形態による雄コネクタを備えた変形可能なカプセルの例の、第2の方向Cにおける側面図を概略的に示す。
【0072】
変形可能なカプセル4は、チャネル50により延長されたポーチ41を備え、チャネル50は、それ自体、実質的に概して平坦なカプセル4の中央平面40に直交して延びる雄コネクタ44により延ばされている。
【0073】
カプセル4は、互いに押し付けられ、互いに取り付けられた、好ましくは、溶接エリアに沿って互いに溶接された2枚のシート5および6を重ね合わせることにより形成される。これらの2枚のシート5および6は、
図1から
図4で示される別のカプセル1の雌コネクタ14の中に嵌合するように意図された、雄コネクタ44の基部48を、またはより正確には、雄コネクタの端部44を、それらの間に閉じ込める。シート5は、熱成形された外殻であるが、シート6は、平面40における熱成形された外殻を閉じるために覆う平坦な薄膜である。
【0074】
カプセル4は、
図1から
図4で示される別のカプセル1の別のポーチ11の別の化粧品と混合されるように意図された化粧品で満たされたポーチ41を備え、これらの2つの化粧品の混合物は、均質化された後、例えば、顔に塗るクリームなど、最終的な化粧品をユーザが直ぐに使用できる状態にする。この均質化は、最初は、カプセル1および4のポーチ11および41にそれぞれ含まれた2つの化粧品の混合物を、1回または複数回、チャネル20および50、雌コネクタ14および雄コネクタ44を通して、移動させることにより行われ、チャネル20および50により、また雌コネクタ14および雄コネクタ44により形成される組立体は、ポーチ11および41の横断面積に対してより狭い横断面積のセクションを形成し、したがって、この混合物をせん断変形させて、良好かつ迅速な均質化に大きく寄与する。混合される化粧品の1つは、例えば、脂肪相などのベースであり、他の化粧品は、例えば、水性相などの活性成分の複合体である。ここで、カプセル4は、活性成分の複合体を含み、またベースを含むカプセル1よりも小さい容量を有する。ポーチ41の容積は、例えば、約0.5mlであり、弾性変形により、0.7mlに、またはさらにわずかに大きく拡大することができる。
【0075】
チャネル50は、ポーチ41から雄コネクタ44へと進む2つの部分を備え、それは、まず内側部分51であり、次いで、雄コネクタ44の入口へと開いている中心部分52である。他のカプセル1のチャネル20の外側部分23の出口は、カプセル1と4の間で混合物が前後に移動する間は閉じたままであり、混合物の均質化が終了するまで開かれることはない。混合物の均質化中に、圧力がカプセル4のポーチ41に加えられたとき、その内容物は排出されて、まずチャネル50の内側部分51に入り、次いでチャネル50の中心部分52に入り、その後に、中心部分52の開口部を通って雄コネクタ44に入り、他方のカプセル1の雌コネクタ14に向けて移動するが、カプセル1のチャネル20の外側部分23の出口は、封止により、またはカプセル1および4の対が中に導入されている機械の部材のクランプによって、閉じられたままである。混合物の均質化の後、圧力が、カプセル1のポーチ11に、かつカプセル4のポーチ41に同時に加えられたとき、その封止を開くことにより、またはそのクランプを解放することにより、カプセル1のチャネル20の外側部分23の出口が開かれると、ポーチ41の内容物が排出されて、雄コネクタ44に入って、他方のカプセル1の雌コネクタ14に向けて移動する前に、まず、チャネル50の内側部分51の中に入り、次いで、チャネル50の中心部分52に入る。
【0076】
ポーチ41およびチャネル50の組立体は、外側溶接部42により囲まれ、外側溶接部42は、まずポーチ41の周辺部46のほぼ全体の周りで延び、次いで、チャネル50、ならびに雄コネクタ44の基部48を囲む。
【0077】
ポーチ41はまた、ポーチ41の全体の周辺部46周りで延びる内側溶接部45によって囲まれており、それは、まず、外側溶接部42に従い、次いで、この周辺部46を、内側を指す角度を有する凹部43により閉じ、凹部43は、ポーチ41のこの凸形の実質的に円形の周辺部46において、内側に凹んだ角度を形成し、この内側を指す角度を有する凹部43は、内側に凹んだV形状を有し、かつ外側溶接部42から分離されている。この内側溶接部45は、チャネル50を閉じることは全くない。この内側を指す角度を有する凹部43は、ポーチ41の窪み47に面しており、ポーチ41の内側に、かつ中心に向けてより深く貫通できるようにする。
【0078】
内側を指す角度を有する凹部43は、したがって、普通であれば凸形のポーチ41の周辺部46に窪みを有する。内側を指す角度を有する凹部43は、内側に凹んだV形状を有するが、U形状により近い傾向のある丸みを帯びた先端を有することもできる。内側を指す角度を有する凹部43は、その先端において鋭角aa、先端とそのアームの両端を接続する線との間の深さp、および一方のアームの端部から他方のアームの端部までの幅lを有する。深さpは、幅lの半分と、そのすべてとの間を含むと有利である。
【0079】
例えば、
図5の平面に直交し、かつ
図7の平面内で垂直上方に移動する機械のピストンを用いて、圧力が、ポーチ41の中心部分に圧力が加えられたとき、特に内側を指す角度を有する凹部43のVの先端に力が加えられ、2枚のシート5および6は、次いで、Vのこの先端で分離し、次いで、Vのアームに沿って分離して移動し続け、その後、外側溶接部42において、Vのこれらのアームの端部に達する。
【0080】
内側溶接部45の内側を指す角度を有する凹部43だけが、壊れやすい壁を形成し、それは、壊れたとき、ポーチ41の内容物を解放して、次いで、雄コネクタ44の方向にチャネル50の中へと排出する。有利には、内側を指す角度を有する凹部43に沿った内側溶接部45の一定な幅lpfにより、この壊れやすい壁43、実際にはこの壊れやすい溶接部43のより清浄な、かつさらに明確な開きを可能にする。この壊れやすい壁43の、すなわち、この壊れやすい溶接部43の破壊は、互いに面するその最も外側の層によってだけ溶接されているシート5および6を剥離することにより穏やかに行われ、したがって、これらの2枚のシート5および6は、カプセル4の外側に裂ける、または開くことなく互いに分離する。壊れやすい壁43を押し付けている化粧品は、2枚のシートを、剥離により互いに分離させ、チャネル50を進むが、カプセル1に達する前は、カプセル4に閉じ込められた状態にある。
【0081】
図9、
図10、
図11、および
図12の図で与えられた寸法(幅、長さ、高さ、直径)の様々な値は、カプセル1および4の構造の詳細な例を提供することを可能にする。これらのすべての値は、mmで与えられる。
図9から
図12は、すべて尺度を合わせており、すべてが同じ尺度を使用している。
【0082】
混合機は、2つの可撓性のある変形可能なカプセル1および4からなる2つの用量を関連付けることができ、それぞれは、液体の化粧品を含み、またそれぞれは、好ましくはプラスチック製の雄コネクタ44および雌コネクタ14を備える。2つのカプセル1および4は共に接続され、したがって、例えば、乳濁液などの均質な混合物が形成されるまで、2つの液体化粧品の混合物を交互に受け取ることができるようになる。実際に、このように接続された2つのカプセル1および4は、ユーザによって直ぐに使用できる状態の最終的な化粧品を排出するために、チャネル20の外側部分23が外部に向けて開く前に、外部に対して本質的に封止された混合機を形成する。
【0083】
カプセル1および4は、機械的な混合機内に配置され、その各ポーチ11および41の初期の内容物の混合が、2つの可動ピストンにより行われるが、可動のピストンは、交互に作動され、したがって、カプセル1および4のそれぞれに対する圧力が交番し、カプセル1のポーチ11からカプセル4の他のポーチ41へと混合物の移送を強制し、その逆も同様に行われる。
【0084】
カプセル1および4の可撓性があり、かつ変形可能な性質は、これらのカプセル1および4の一方を、ピストンによって実質的に容積ゼロへと平坦化させ、かつこれらのカプセル1および4の他方を、平坦化されたものとは反対のカプセルにおいて、2つのカプセル1および4の容積全体を吸収するために、反対側のピストンを解放することによって拡大させるのを容易にする。カプセル1とカプセル4の間のこの交互アクションは、周期的に実施される。
【0085】
カプセル1および4のポーチ11および41に含まれる化粧品の液は、約85℃の温度まで加熱されると有利であり、薄膜2および3、ならびに薄膜5および6はまた、均質化時間に影響を与えることなく、温度のこの増加、ならびに混合機のピストンにより加えられる圧力に耐えることができるように選択され、これらのカプセル1および4は、使い捨てのものである。
【0086】
図9から
図12におけるすべての寸法は、mm(mm=ミリメートル)で示される。
【0087】
図9は、本発明の実施形態による雌コネクタを備えた変形可能なカプセルの例のより正確な底面図を示す。
【0088】
ポーチ11の熱成形される外殻の構造は、マルチレベルで、かつ同心に作製される。チャネル20の内側部分21は、内側を指す角度を有する凹部13により形成されたVの中に明確に貫通する。内側を指す角度を有する凹部13は、ポーチ11の窪み17を貫通する。チャネル20は、その3つの部分に沿って、すなわち、連続的にその内側部分21、その中心部分22、およびその外側部分23に沿って、一定の幅、および横断面積を維持する。
【0089】
これらの弱く溶接された内側を指す角度を有する凹部13および43は、V形状であるか、それとも弧状であるかにかかわらず、弱い溶接部15および45の開放の良好な制御を提供し、ならびに、これらの弱い溶接部15および45の開放閾値を低下させるが、それは、カプセル1および4のポーチ11および41の内容物を混合する機械における小型のピストンからの限定された圧力の場合、特に注目される。
【0090】
これらの内側を指す角度を有する凹部13および43において、ポーチ11および41の液体を支持するエリアは、これらのポーチが垂直圧力を受けているとき、この垂直な圧力により加えられる力の中心により近くなり、それは、特に以下の2つの利点を有する、すなわち、弱い溶接部15または45を「破壊する」のに必要な閾値が低くなること、および圧力からの力がそこに最初に加えられるので、弱い溶接部15または45を開くことに対してよく制御できることである。
【0091】
弱い溶接部15または45を、その内側を指す角度を有する凹部13または43において、開くことに対する微調整された制御は、特に、凹部の深さpと、内側を指す角度を有する凹部13または43の周囲の長さである、この内側を指す角度を有する凹部13または43のパラメータを変化させることにより、またこの内側を指す角度を有する凹部13または43における弱い溶接部15または45を開くための最小の力と最大の力の間の差を微調整し、さらにオフセットを、言い換えると、前のオフセットが位置する付近の平均値を微調整する溶接厚さであって、この溶接厚さは、共に溶接されるシート2および3(または5および6)の最も外側の層に対応し、この厚さは、5と15μmの間、有利には、約10μmである、溶接厚さを微調整し、ならびに上記の寸法よりも重要性は低いが、内側を指す角度を有する凹部13または43の形状を微調整することにより達成される。
【0092】
内側の溶接部、または弱い溶接部15もしくは45は、カプセル1または4全体の周囲に延びるのではなく、ポーチ11または41の周囲で延びるように制限された弱い溶接周辺部を有する。この弱い溶接部15または45は、低減された周囲、および簡単化した形状(8の字を形成するのではなく円形)を有するので、この弱い溶接部15または45の開放は、したがって、力をよく分散させることになる、圧力がより限定されたエリアに加えられるため、良好に制御され得る。
【0093】
図10は、
図9ですでに示された本発明の実施形態による雌コネクタを備えた変形可能なカプセルの例の、第1の方向Dにおけるより正確な側面図を示す。それぞれ1.2mlと1mlで示された2つの容積は、変形可能なカプセルの容量に対応しており、それぞれ、変形可能なカプセルの最大容量に、かつ実効充填容積に対応する(ml=ミリリットル)。
【0094】
雌コネクタ14の軸は、カプセル1の中央平面10に対して直交している。雌コネクタ14は、完全に中空であり、化粧品は、したがって、完全にその中を通って移動することができる。
【0095】
裂けて分離する従来の切込みの入ったものに代えて、互いに押し付けられ、かつ非常に薄いその外側層だけの溶融により互いに固定された2枚の薄膜2および3(または5および6)を剥離させることによって、弱い溶接部15または45を開くことは、壊れやすい溶接部15または45の開放を、前に連結された薄膜2および3(または5および6)を分離させるため、偶発的な裂けまたは微粒子を回避して、よく制御され、かつ清浄に行うことができるようにし、これは、均質化すべき混合物のカプセル1と4の間の複数の前後の動きの数が増加したときであっても、より魅力的なものになる。
【0096】
チャネル20または50の内側部分21または51の端部が、かなり前に停止するのではなく、弱い溶接部15または45の内側を指す角度を有する凹部13または43の中に「入る」ように、ポーチ11または41に向けてチャネル20または50が延びることは、ポーチ11または41とチャネル20または50の間に位置する緩衝ゾーンを低減させ、したがって、全体のチャネルを通して(チャネル20および50、ならびにコネクタ14および44を含む)、また特にポーチ11もしくは41からチャネル20もしくは50へのほとんど直接の通路を通して、ポーチ11とポーチ41の間の移動の良好な流動性を可能にし、したがって、実質的に、普通であれば、混合物がわずかによどんだ状態になり得る何らかの「デッドゾーン」を生ずることもなく、実際には逆流により、均質化すべき化粧品混合物の乳濁液の品質をさらに高める。
【0097】
完全に円形のポーチ11および41を有するのではなく、ポーチ11または41の窪み17または47により、V形状の内側を指す角度を有する凹部13または43を複製することは、このポーチ11または41の形状が、弱い溶接部15または45の内側を指す角度を有する凹部13または43の輪郭にかなり近接して従うことを可能にし、したがって、この壊れやすい壁13または43を開く間、「剥離可能性」作用(剥離可能性=多かれ少なかれ剥離可能であること)をさらに向上させることができる。
【0098】
図11は、本発明の実施形態による雄コネクタを備えた変形可能なカプセルの例のより正確な底面図を示す。
【0099】
ポーチ41の熱成形される外殻の構造は、マルチレベルで作製される。チャネル50の内側部分51は、内側を指す角度を有する凹部43により形成されたVの中に明確に貫通する。内側を指す角度を有する凹部43は、ポーチ41の窪み47を貫通する。チャネル50は、その2つの部分に沿って、すなわち、その内側部分51およびその中心部分52に沿って連続的に、一定な幅および横断面積を維持する。
【0100】
カプセル4は、カプセル1と同様に挙動する。
【0101】
図12は、
図11ですでに示された本発明の実施形態による雄コネクタを備えた変形可能なカプセルの例の、第1の方向Aの側面図を概略的に示す。それぞれ0.7mlと0.5mlで示された2つの容積は、変形可能なカプセルの容量に対応しており、それぞれ、変形可能なカプセルの最大容量に、かつ実効充填容積に対応する。
【0102】
雄コネクタ44の軸は、カプセル4の中央平面40に対して直交している。雄コネクタ44は、完全に中空であり、化粧品は、したがって、完全にその中を通って移動することができる。雄コネクタ44が、雌コネクタ14の内部に完全に貫通したとき、最初は、カプセル1および4のポーチ11および41に含まれていたが、現在共に結合された化粧品の混合物は、雌コネクタ14の中空の内部の内側に位置する雄コネクタ44の中空の内部を毎回通過しながら、ポーチ11とポーチ41の間を循環できるようになる。
【0103】
カプセル4は、カプセル1と同様に挙動する。
【0104】
混合機の動作は、2つのカプセル1および4が相互に接続された状態で、ピストンをそれらに作動させる自律的な機械によって行われ、まず、初期には、ポーチ11および41に存在するその内容物を解放するために、壊れやすい溶接部13および43を開き、次いで、これらの内容物を他方のカプセルに向けて押し出し、最後に、逆も同様であるが、カプセル1および4の一方からこれらのカプセル1および4の他方へと混合し、これを交互に行う。壊れやすい溶接部13および43を開くための力は制御され、したがって、それらは、かなり正確に、かつ反復可能に高い信頼性で開くことができる。相補的に、これらの壊れやすい溶接部13および43は、混合機でそれが使用される前に、最小の安全性圧力に耐えるように設計される。これらの壊れやすい溶接部13および43は、その内容物を汚染または望ましくない開放から保護するために封止される。このようなことは、カプセルの製作中、または移送中、または混合機内での配置中などの操作時における予期しない圧力に起因して生ずるおそれがある。
【0105】
図1から
図8に関連して、また特に
図9から
図12で示された例で提案されたカプセル1および4の形状ならびに寸法的なパラメータは、これらのカプセル1および4のそれぞれの作製中において、比較的限定された範囲内の最小および最大開放圧力を制御し、かつ信頼性のある反復速度を用いて制御することを可能にするが、最初に動かすときそのピストンを簡単に作動させることにより、これらの壊れやすい溶接部13および43を開くことができるように、一般人向けの、したがって、比較的軽い混合機の容量に、確実にこの範囲を適合させるようにする。
【0106】
当然であるが、本発明は、述べられ、かつ示された例および実施形態に限定されず、当業者であればアクセス可能な数多くの変形形態が可能である。
【符号の説明】
【0107】
1 カプセル
2 シート、凸形状、凸形の面
3 シート
4 カプセル
5 シート、凸形状、凸形の面
6 シート
10 中央平面
11 ポーチ
12 外側の溶接部、第1の溶接部
13 内側を指す角度を有する凹部
14 雌コネクタ
15 内側溶接部、第2の溶接部
16 周辺部
17 窪み、内側に凹んだ部分
18 基部
20 チャネル
21 内側部分、端部
22 中心部分、開口部
23 外側部分
40 中央平面
41 ポーチ
42 外側溶接部、第1の溶接部
43 内側を指す角度を有する凹部
44 雄コネクタ
45 内側溶接部、第2の溶接部
46 周辺部
47 窪み、内側に凹んだ部分
48 基部
50 チャネル
51 内側部分、端部
52 中心部分、一端
A 第1の方向
D 第1の方向
aa 鋭角
C 第2の方向
l 幅
lpf 幅
P 深さ