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特許7087210簡略化されたワイヤレス動力レシーバアーキテクチャ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-10
(45)【発行日】2022-06-20
(54)【発明の名称】簡略化されたワイヤレス動力レシーバアーキテクチャ
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/20 20160101AFI20220613BHJP
   H02J 50/80 20160101ALI20220613BHJP
   H02J 7/00 20060101ALN20220613BHJP
【FI】
H02J50/20
H02J50/80
H02J7/00 301D
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021559852
(86)(22)【出願日】2020-04-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-26
(86)【国際出願番号】 US2020027669
(87)【国際公開番号】W WO2020210622
(87)【国際公開日】2020-10-15
【審査請求日】2021-10-08
(31)【優先権主張番号】62/832,185
(32)【優先日】2019-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515213630
【氏名又は名称】オシア インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゼイン,ハテム イブラヒム
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアムス,ダグラス ウェイン
(72)【発明者】
【氏名】ウォジック,ジェームス ジェー.
【審査官】杉田 恵一
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-530210(JP,A)
【文献】特開2010-226440(JP,A)
【文献】特表2018-501755(JP,A)
【文献】特表2018-514177(JP,A)
【文献】特表2018-514178(JP,A)
【文献】特表2018-516041(JP,A)
【文献】特表2018-521301(JP,A)
【文献】特表2018-521618(JP,A)
【文献】特表2018-523451(JP,A)
【文献】特表2018-523453(JP,A)
【文献】特表2021-502791(JP,A)
【文献】特表2022-516412(JP,A)
【文献】米国特許第9942788(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0109121(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0033021(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0034238(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0259447(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0274154(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0316414(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0058379(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0234536(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0229133(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0303741(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0208597(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0110910(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0062451(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0138754(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0287418(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
H02J 50/20
H02J 50/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス動力レシーバ機器であって、
少なくとも1つのアンテナおよびビーコン信号生成器を含む無線周波数(RF)トランシーバと、
前記RFトランシーバに結合されたエネルギーハーベスタ回路と、
前記RFトランシーバ、および前記エネルギーハーベスタ回路に結合された制御回路であって、
前記RFトランシーバに、
ワイヤレス動力伝送機(WPT)との接続を確立させ、
前記ビーコン信号生成器を使用して、ビーコン周波数(f)でビーコン信号を生成させ、
第1の期間に前記WPTにビーコン信号を送信させ、
前記ビーコン信号に応答して、前記第1の期間とは異なる第2の期間に、前記WPTによって送信されたワイヤレス動力信号を動力周波数(f)で受信させ、
前記WPTから受信した前記ワイヤレス動力信号の持続時間を測定させ、および、
前記測定された持続時間に従って、前記ビーコン信号が送信される前記fを変更させる ように構成される、制御回路と、を含む、ワイヤレス動力レシーバ機器。
【請求項2】
前記RFトランシーバは、前記ビーコン信号生成器および前記少なくとも1つのアンテナに結合されたビーコンコーディングモジュールを含み、
前記制御回路は、前記RFトランシーバに、前記少なくとも1つのアンテナを介して前記WPTに送信するために前記ビーコンコーディングモジュールを使用して前記ビーコン信号を符号化させるようにさらに動作可能である、
請求項1に記載のワイヤレス動力レシーバ機器。
【請求項3】
前記制御回路に結合された識別(ID)モジュールをさらに含み、前記IDモジュールは、前記ワイヤレス動力レシーバ機器を一意に識別するクライアントIDを前記WPTに格納する、請求項2に記載のワイヤレス動力レシーバ機器。
【請求項4】
前記制御回路は、前記RFトランシーバに、前記ビーコンコーディングモジュールを使用して、前記クライアントIDを前記ビーコン信号に符号化させるように動作可能である、請求項3に記載のワイヤレス動力レシーバ機器。
【請求項5】
前記ワイヤレス動力レシーバ機器に関連するクライアントデバイスまたはシステムの1つ以上の電子部品に電流を供給するために、前記エネルギーハーベスタ回路をインターフェース接続する手段をさらに含む、請求項1に記載のワイヤレス動力レシーバ機器。
【請求項6】
インターフェース接続する前記手段に結合され、電圧調整された電流を前記クライアントデバイスまたはシステムの前記1つ以上の電子部品に供給するように構成された少なくとも1つの動力コンバータをさらに含む、請求項5に記載のワイヤレス動力レシーバ機器。
【請求項7】
前記エネルギーハーベスタ回路および前記制御回路のうちの少なくとも1つに結合され、前記ワイヤレス動力レシーバ機器に関連するクライアントデバイスまたはシステムの1つ以上の電子装置との間でデータ信号を送信または受信するように構成されたデータインターフェース手段をさらに含む、請求項1に記載のワイヤレス動力レシーバ機器。
【請求項8】
ワイヤレス動力伝送システムであって、
複数の無線周波数(RF)トランシーバを有するアンテナアレイと、
前記アンテナアレイおよびメモリ記憶装置と通信する制御回路と、を含み、前記制御回路は、
ワイヤレス動力伝送環境を監視して、ワイヤレス動力レシーバクライアント(WPRC)によって、ビーコン周波数(f)で送信されたビーコン信号を検出することであって、前記ビーコン信号は、前記WPRCの識別情報を符号化する、ことと、
前記アンテナアレイが第1の持続時間から、前記第1の持続時間とは異なる第2の持続時間へとワイヤレス動力信号を送信する持続時間を変更することと、
前記第1の持続時間から、前記第2の持続時間への前記変更に応答して、前記WPRCに、前記fを第1のfから第2のfへとそれぞれ変更させることであって、前記第1のfは前記第2のfと異なることと、
前記ビーコン信号の検出に応答して、前記識別情報が前記メモリ記憶装置に格納されたエントリと一致するかどうかを決定することと、
前記メモリ記憶装置に格納されたエントリに一致する前記識別情報について、前記アンテナアレイに、前記第1の持続時間の間、前記ワイヤレス動力信号を前記WPRCに送信するように指示するか、または
前記メモリ記憶装置に格納されたエントリと一致しない前記識別情報について、前記アンテナアレイに、前記第2の持続時間の間、前記ワイヤレス動力信号を前記WPRCに送信して、前記WPRCに、前記第2のfで、前記WPRCの追加の識別情報を符号化する別のビーコン信号を送信するように指示することと、を実行するように構成される、ワイヤレス動力伝送システム。
【請求項9】
前記第1の持続時間は前記第2の持続時間よりも長い、請求項8に記載のワイヤレス動力伝送システム。
【請求項10】
ワイヤレス動力レシーバにおける方法であって、
前記ワイヤレス動力レシーバの無線周波数(RF)トランシーバの少なくとも1つのアンテナを介して、ワイヤレス動力伝送機(WPT)との接続を確立するステップと、
第1の期間に前記少なくとも1つのアンテナを介して、ビーコン周波数(f)でビーコン信号を前記(WPT)に送信するステップと、
前記ビーコン信号に応答して、前記第1の期間とは異なる第2の期間に、前記少なくとも1つのアンテナを介して、前記WPTによって送信されたワイヤレス動力信号を動力周波数(f)で受信するステップと、
前記WPTから受信した前記ワイヤレス動力信号の持続時間を測定するステップと、および、
前記測定に従って、前記ビーコン信号が送信される前記fを変更するステップと、を含む方法。
【請求項11】
前記ワイヤレス動力レシーバのエネルギーハーベスタ回路に、前記ワイヤレス動力信号のエネルギーの少なくとも一部を、エネルギー貯蔵装置に供給させるステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記RFトランシーバに、前記ワイヤレス動力信号のエネルギーを交流(AC)信号に変換させるステップと、
前記RFトランシーバから前記エネルギーハーベスタ回路の整流器に前記AC信号を送信するステップと、
前記エネルギーハーベスタ回路に、前記エネルギー貯蔵装置に直流(DC)信号として動力を供給させるステップと、をさらに含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ビーコン信号を送信するステップは、タイミングビーコン信号および位相ビーコン信号を前記WPTに送信するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記ワイヤレス動力レシーバが位置しているワイヤレス動力供給環境のRF媒体がアイドル状態であるかどうかを決定するためにクリアチャネル評価(CCA)を実行するステップをさらに含む、
請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記RF媒体がアイドル状態であるとの決定に応答して、
前記RFトランシーバに、前記少なくとも1つのアンテナを介して、ショートタイミングビーコンおよび位相ビーコンを前記ワイヤレス動力供給環境に送信させるステップと、
前記ワイヤレス動力信号の動力周波数(f)を監視するステップと、または
前記RF媒体がアイドルではないとの決定に応答して、
前記RFトランシーバを所定の時間量にわたって待機させるステップと、
少なくとも1回の反復にわたって前記CCAを実行するステップと、をさらに含む、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記測定された持続時間に従って前記ワイヤレス動力レシーバの通信または処理動作を制御するステップをさらに含む、
請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記エネルギーハーベスタ回路と、前記制御回路に結合されたエネルギー貯蔵装置をさらに備え、前記制御回路は前記エネルギー貯蔵装置の動力レベルを決定し、前記エネルギーハーベスタ回路に、前記ワイヤレス動力信号のエネルギーの少なくとも一部を、前記エネルギー貯蔵装置内に貯蔵するために前記エネルギー貯蔵装置に供給させるように動作可能な、請求項1に記載のワイヤレス動力レシーバ機器。
【請求項18】
前記ビーコン信号を前記WPTに送信するために、前記制御回路は、さらに、
第1の持続時間で前記ワイヤレス動力信号が測定されたことに応答して、前記ビーコン信号を第1のfで生成および送信するように動作可能か、または、
前記ワイヤレス動力信号が前記第1の持続時間とは異なる第2の持続時間で測定されたことに応答して、前記ビーコン信号を前記第1のfとは異なる第2のfで生成および送信するように動作可能である、請求項1に記載のワイヤレス動力レシーバ機器。
【請求項19】
前記アンテナアレイが前記第1の持続時間から、前記第2の持続時間へとワイヤレス動力信号を送信する持続時間の変更によって、前記制御回路は、前記ワイヤレス動力伝送システムおよび前記WPRCに、ワイヤレス動力伝送のための新しいチャネルを占有させるようにさらに構成される、請求項8に記載のワイヤレス動力伝送システム。
【請求項20】
前記ビーコン信号を送信するステップは、
前記ワイヤレス動力信号を第1の持続時間で測定したことに応答して、前記ビーコン信号を第1のfで送信すること、または、
前記ワイヤレス動力信号が前記第1の持続時間とは異なる第2の持続時間で測定されたことに応答して、前記ビーコン信号を第1のfとは異なる第2のfで送信することを含む、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年4月10日に出願された「Simplified Wireless Power Receiver Architecture(簡略化されたワイヤレス動力レシーバアーキテクチャ)」と題する米国仮特許出願第62/832,185号の優先権を主張し、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
多くの携帯型電子機器は電池で駆動する。充電式電池は、従来の乾電池を交換するコストを回避し、貴重な資源を節約するためによく使用される。しかし、従来の充電式電池充電器を使用して電池を充電するには、交流(AC)電源コンセントにアクセスする必要があり、これは時々利用できなかったり便利に同じ場所に配置されていなかったりする。したがって、電磁(EM)放射からクライアントデバイスの電池のための再充電電池動力を導出することが望ましい。
【0003】
動力レシーバは、従来、動力供給のためのサイドチャネル通信を必要としていた。このサイドチャネルは、従来、動力レシーバを登録し、動力供給タイミングを調整し、レシーバステータスを通信するために使用されるIEEE802.15.4ワイヤレスであった。このワイヤレスを含めるとコストが増加し、ワイヤレス自体、ターゲットデバイス内の他のワイヤレス(BLUETOOTH(登録商標) LOW ENERGY(BLE)またはWI-FIなど)と冗長であり得る。
【0004】
したがって、上で実証された問題を克服する技術と、追加の利点を提供する技術が必要である。本明細書で提供される一部の以前のシステムまたは関連するシステムの例およびそれらに関連する制限は、例示的であり、排他的ではないことが意図されている。既存または以前のシステムの他の制限は、以下の詳細な説明を読むことにより当業者に明らかになるであろう。
【0005】
本出願は、「Anytime Beaconing in a Wireless Power Transmission System」という表題の特許文献1および「Timing Acquisition Module For Wireless Power Transmission」という表題の特許文献2に関連および参照し、それらの全体は本明細書に組み込まれる。
【0006】
本発明の1つ以上の実施形態は、添付の図面の図において限定ではなく例として示され、同様の参照は同様の要素を示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】米国特許出願第15/852,216号明細書
【文献】米国特許出願第16/244,013号明細書
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一部の実施形態による、1つ以上のワイヤレス動力伝送システムからワイヤレス動力供給環境内の様々なワイヤレスデバイスへのワイヤレス動力供給を示す例示的なワイヤレス動力供給環境を含むブロック図を示す。
図2】一部の実施形態による、ワイヤレス動力供給を開始するためのワイヤレス動力伝送システムとワイヤレス動力レシーバクライアントとの間の例示的な動作を示すシーケンス図である。
図3】既知のワイヤレス動力レシーバクライアントの例示的な構成要素を示すブロック図を示す。
図4A】一部の実施形態による簡略化されたワイヤレス動力レシーバクライアントの例示的な構成要素を示すブロック図を示す。
図4B】一部の実施形態による、図4Aの例示的な実施態様を示すブロック図を示す。
図4C】一部の実施形態による、電子棚ラベル(ESL)アプリケーションのための図4Aの例示的な実施態様のブロック図を示す。
図4D】一部の実施形態による、従来の単3または単4電池アプリケーションのための図4Aの例示的な実施態様のブロック図を示す。
図4E】一部の実施形態による、異なる電源を有する図4Aの例示的な実施態様のブロック図を示す。
図5A】一部の実施形態による例示的なマルチパスワイヤレス動力供給環境を示す図を示す。
図5B】一部の実施形態による例示的なマルチパスワイヤレス動力供給環境を示す図を示す。
図6】一部の実施形態による、ワイヤレス動力伝送機の観点からの、サイドチャネル通信に依存しない図4A図4Eのワイヤレス動力レシーバクライアントを使用するビーコン/動力供給プロセスのフローチャートを示す。
図7】一部の実施形態による、ワイヤレス動力レシーバの観点からの、サイドチャネル通信に依存しない図4A図4Eのワイヤレス動力レシーバクライアントを使用するビーコン/動力供給プロセスのフローチャートを示す。
図8】一部の実施形態による、ワイヤレス動力レシーバまたはクライアントを有する代表的なモバイルデバイスまたはタブレットコンピュータの例示的な構成要素を示すブロック図を示す。
図9】本明細書で論じられる方法論のいずれか1つ以上を機械に実行させるための命令のセットが実行され得るコンピュータシステムの、例示的な形態の機械の図式表現を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の説明および図面は例示的なものであり、限定するものとして解釈されるべきではない。本開示の完全な理解を提供するために、多数の特定の詳細が説明されている。しかしながら、特定の例では、説明を不明瞭にすることを避けるために、よく知られているまたは従来の詳細は説明されていない。本開示における1つの実施形態への言及は、必ずしもそうである必要はないが、同じ実施形態への言及であってもよく、そのような参照は、実施形態の少なくとも1つを意味する。
【0010】
本明細書における「一実施形態」または「実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。本明細書の様々な場所での「一実施形態では」という句の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態に言及しているわけではなく、他の実施形態と相互に排他的な別個のまたは代替の実施形態でもない。さらに、一部の実施形態によって示され、他の実施形態によって示され得ない様々な特徴が説明される。同様に、一部の実施形態の要件であり得るが他の実施形態の要件ではない可能性がある様々な要件が説明される。
【0011】
本明細書で使用される用語は、一般に、本開示の文脈内、および各用語が使用される特定の文脈において、当技術分野におけるそれらの通常の意味を有する。本開示を説明するために使用される特定の用語は、本開示の説明に関して実施者に追加のガイダンスを提供するために、以下または本明細書の他の場所で議論される。便宜上、イタリックや引用符などを使用して特定の用語を強調表示する場合がある。強調表示の使用は、用語の範囲と意味には影響せず、用語の範囲と意味は、強調表示されているかどうかにかかわらず、同じコンテキストでは同じである。同じ内容が複数の方法で言えることは理解されるであろう。
【0012】
したがって、ここで説明する用語の1つ以上に代替の言語や同義語を使用してもよく、用語がここで詳しく述べられるまたは説明されているかどうかに特別な意味を持たせるべきではない。特定の用語の同義語が提供されている。1つ以上の同義語の繰り返しは、他の同義語の使用を除外しない。本明細書で論じられている用語の例を含む、本明細書のいずれの場所における例の使用は、単なる例示であり、本開示または例示された用語の範囲および意味をさらに限定することを意図しない。同様に、本開示は、本明細書で与えられる様々な実施形態に限定されない。
【0013】
本開示の範囲をさらに限定することを意図せずに、本開示の実施形態による機器、装置、方法およびそれらの関連結果の例を以下に示す。例の中で、読者の便宜のためにタイトルまたはサブタイトルが使用されている場合があることに注意されたい。これは、決して、開示の範囲を制限するものではない。他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、この開示が関係する当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合は、定義を含めて、本文書が優先される。
【0014】
本開示は、ワイヤレス動力レシーバクライアントアーキテクチャ(ワイヤレス動力レシーバクライアント構造)を使用してワイヤレス動力を受け取るためのシステム、方法、および装置を説明する。簡略化されたワイヤレス動力レシーバ機器は、エネルギー貯蔵装置と、アンテナを含む無線周波数(RF)トランシーバとを含む。エネルギーハーベスタ回路は、エネルギー貯蔵装置およびRFトランシーバに結合され、制御回路は、エネルギー貯蔵装置、RFトランシーバ、およびエネルギーハーベスタに結合される。制御回路は、RFトランシーバに、ワイヤレス動力伝送機(WPT)との接続を確立させ、ビーコン信号をWPTに送信させ、WPTからワイヤレス動力信号を受信させる。制御回路は、エネルギーハーベスタに、ワイヤレス動力信号のエネルギーの少なくとも一部をエネルギー貯蔵装置に供給して、そこに貯蔵する。一部の実施形態では、ビーコン信号の送信とワイヤレス動力信号の受信の両方に単一のアンテナが利用される。
【0015】
本技術の実施形態では、ワイヤレス動力供給のための開示された方法は、サイドチャネル通信がない状態で実現することができる。これは、ビーコン信号を使用してワイヤレス動力レシーバクライアントからWPTに基本情報(ID、一般的なステータスなど)を渡すことによって実現される。開示された実施形態によれば、既知のシステムおよび方法における直接WPT-ワイヤレス動力レシーバ通信は、開示された簡略化されたワイヤレス動力レシーバクライアントによってビーコン信号に埋め込まれ符号化されるべき異なるデータを促すために動力信号の持続時間を使用してシグナリングするためのシステム、方法および装置によって置き換えられている。これにより、例えば、通信用の専用ワイヤレス機を使用せずにCOTA関連のワイヤレス動力レシーバクライアントを作成することが可能になり、それによって設計が簡素化されると同時に、構成要素の複雑さおよびコストが低減され、関連する動力消費が低減される。本技術の開示された実施形態の実際の用途の例は、例えば、限定ではないが、別個のワイヤレス機を含めることがシステム設計/コストに大きな負担を与える電子棚ラベリング(ESL)および他の低動力モノのインターネット(IoT)用途を含む。本技術の実施形態は、好適には、専用ワイヤレス機を必要とする既知のシステムと比較して、より低いワイヤレス動力レシーバクライアントのコストおよび複雑さを提供する。開示された簡略化されたワイヤレス動力レシーバクライアントに加えて、またはその代わりに、動力信号持続時間に従ってビーコン信号に異なるデータを埋め込み符号化することにより、一部の実施形態では、その持続時間は、開示されたワイヤレス動力レシーバクライアントにそのビーコン周波数をシフトさせて、システム全体(例えば、レシーバと伝送機の両方)がワイヤレス動力伝送のための新しいチャネルを占有できるようにすることができる。
【0016】
図1は、一部の実施形態による、1つ以上のワイヤレス動力伝送システム(WPTS)101a~n(「ワイヤレス動力供給システム」、「アンテナアレイシステム」、および「ワイヤレス充電器」とも呼ばれる)からワイヤレス動力供給環境100内の様々なワイヤレスデバイス102a~nへのワイヤレス動力供給を示す例示的なワイヤレス動力供給環境100を含むブロック図を示す。より具体的には、図1は、ワイヤレス動力および/またはデータを、1つ以上のワイヤレス動力レシーバクライアント103a~103n(本明細書では「クライアント」および「ワイヤレス動力レシーバ」とも呼ばれる)を有する利用可能なワイヤレスデバイス102a~102nに供給することができる例示的なワイヤレス動力供給環境100を示す。ワイヤレス動力レシーバクライアントは、1つ以上のワイヤレス動力伝送システム101a~101nからワイヤレス動力を受け取って処理するように構成される。開示された簡略化されたワイヤレス動力レシーバクライアントの態様を実装する例示的なワイヤレス動力レシーバクライアント103の構成要素が、図4A図4Eを参照してより詳細に示され説明される。
【0017】
図1の例に示すように、ワイヤレスデバイス102a~102nは、携帯電話デバイスおよびワイヤレスゲームコントローラを含む。しかしながら、ワイヤレスデバイス102a~102nは、動力を必要とし、1つ以上の統合されたワイヤレス動力レシーバクライアント103a~103nを介してワイヤレス動力を受け取ることができる任意のデバイスまたはシステムであり得る。本明細書で説明するように、1つ以上の統合されたワイヤレス動力レシーバクライアントは、1つ以上のワイヤレス動力伝送システム101a~101nから動力を受け取りおよび処理し、その動作のために動力をワイヤレスデバイス102a~102n(またはワイヤレスデバイスの内部電池)に供給する。
【0018】
各ワイヤレス動力伝送システム101は、複数のアンテナ104a~n、例えば、ワイヤレス動力をワイヤレスデバイス102a~102nに供給することができる数百または数千のアンテナを含むアンテナアレイを含むことができる。一部の実施形態では、アンテナは、適応位相RFアンテナである。ワイヤレス動力伝送システム101は、コヒーレント動力伝送信号をワイヤレス動力レシーバクライアント103a~103nに供給するための適切な位相を決定することができる。アレイは、互いに対して特定の位相で複数のアンテナから信号(例えば、連続波またはパルス動力伝送信号)を放射するように構成される。「アレイ」という用語の使用は、アンテナアレイを特定のアレイ構造に必ずしも限定するものではないことを理解されたい。つまり、アンテナアレイを、特定の「アレイ」の形式や形状で構成する必要はない。さらに、本明細書で使用される「アレイ」または「アレイシステム」という用語は、無線、デジタルロジックおよびモデムなどの信号生成、受信および送信のための関連および周辺回路を含み得る。一部の実施形態では、ワイヤレス動力伝送システム101は、1つ以上のアンテナまたはトランシーバを介したデータ通信のための組み込みWi-Fiハブを有してもよい。
【0019】
ワイヤレスデバイス102は、1つ以上のワイヤレス動力レシーバクライアント103を含むことができる。図1の例に示すように、動力供給アンテナ104a~104nが示されている。動力供給アンテナ104aは、ワイヤレス動力供給環境においてワイヤレス無線周波数(RF)動力の供給を提供するように構成される。一部の実施形態では、1つ以上の動力供給アンテナ104a~104nは、代替的または追加的に、ワイヤレス動力供給に加えて、またはその代わりに、データ通信用に構成することができる。1つ以上のデータ通信アンテナは、ワイヤレス動力レシーバクライアント103a~103nおよび/またはワイヤレスデバイス102a~102nとの間でデータ通信を送信し、そこからデータ通信を受信するように構成される。一部の実施形態では、データ通信アンテナは、BLUETOOTH(登録商標)、WI-FI、ZIGBEE(登録商標)などを介して通信することができる。他のデータ通信プロトコルも可能である。
【0020】
各ワイヤレス動力レシーバクライアント103a~103nは、ワイヤレス動力伝送システム101a~101nから信号を受信するための1つ以上のアンテナ(図示せず)を含む。同様に、各ワイヤレス動力伝送システム101a~101nは、互いに特定の位相で連続波または離散(パルス)信号を放射することができる1つ以上のアンテナおよび/またはアンテナのセットを有するアンテナアレイを含む。上述したように、ワイヤレス動力伝送システム101a~101nの各々は、コヒーレント信号をワイヤレス動力レシーバクライアント102a~102nに供給するための適切な位相を決定することができる。例えば、一部の実施形態では、コヒーレント信号がビーコン(または較正)信号を送信した特定のワイヤレス動力レシーバクライアントに動力を供給するために位相調整されるように、アレイの各アンテナで受信ビーコン(または較正)信号の複素共役を計算することによってコヒーレント信号を決定できる。
【0021】
図示されていないが、環境の各構成要素、例えば、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス動力伝送システムなどは、例えば、データ通信同期モジュールなどの制御および同期機構を含むことができる。ワイヤレス動力伝送システム101a~101nは、例えば、ワイヤレス動力伝送システムを建物内の標準または主要な電源に接続する電源コンセントまたは動力源などの動力源に接続することができる。代替的または追加的に、ワイヤレス動力伝送システム101a~101nのうちの1つ以上は、電池によって、または他の機構、例えば太陽電池などを介して動力を供給され得る。
【0022】
ワイヤレス動力レシーバクライアント102a~102nおよび/またはワイヤレス動力伝送システム101a~101nは、マルチパスワイヤレス動力供給環境で動作するように構成される。すなわち、ワイヤレス動力レシーバクライアント102a~102nおよびワイヤレス動力伝送システム101a~101nは、例えば壁または範囲内の他のRF反射性障害物などの反射性オブジェクト106を利用して、ワイヤレス動力供給環境内でビーコン(または較正)信号を送信し、および/またはワイヤレス動力および/またはデータを受け取るように構成される。反射性オブジェクト106は、ブロックオブジェクトがワイヤレス動力伝送システムとワイヤレス動力レシーバクライアント103a~103nとの間の見通し線内にあるかどうかにかかわらず、多方向信号通信に利用することができる。
【0023】
本明細書で説明されるように、各ワイヤレスデバイス102a~102nは、例示的な環境100内の別のデバイス、サーバ、および/または他のシステムとの接続を確立できる任意のシステムおよび/またはデバイス、および/またはデバイス/システムの任意の組み合わせであり得る。一部の実施形態では、ワイヤレスデバイス102a~102nはそれぞれ、ユーザにデータを提示するためのディスプレイまたは他の出力機能および/またはユーザからデータを受信するための入力機能を含む。例として、ワイヤレスデバイス102は、ビデオゲームコントローラ、サーバデスクトップ、デスクトップコンピュータ、コンピュータクラスタ、そしてノートブック、ラップトップコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、携帯電話、スマートフォン、PDA、BLACKBERRY(登録商標)デバイス、TREO、iPHONEなどのモバイルコンピューティングデバイスなどであり得るが、これらに限定されない。限定ではなく例として、ワイヤレスデバイス102はまた、腕時計、ネックレス、リングなどの任意のウェアラブルデバイス、または顧客の上もしくは内部に組み込まれたデバイスとすることもできる。ワイヤレスデバイス102の他の例には、安全センサ(例えば、火または一酸化炭素)、電動歯ブラシ、電子ドアロック/ハンドル、電灯スイッチコントローラ、電気シェーバなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0024】
図1の例には示されていないが、ワイヤレス動力伝送システム101およびワイヤレス動力レシーバクライアント103a~103nはそれぞれ、データチャネルを介して通信するためのデータ通信モジュールを含むことができる。代替的または追加的に、ワイヤレス動力レシーバクライアント103a~103nは、既存のデータ通信モジュールを介してワイヤレス動力伝送システムと通信するようにワイヤレスデバイス102a~102nに指示することができる。一部の実施形態では、本明細書では主に連続波形と呼ばれるビーコン信号は、代替的または追加的に、変調信号の形をとることができる。
【0025】
図2は、一実施形態による、マルチパスワイヤレス動力供給においてワイヤレス動力供給を確立するためのワイヤレス動力供給システム(例えば、WPTS101)とワイヤレス動力レシーバクライアント(例えば、ワイヤレス動力レシーバクライアント103)との間の例示的な動作を示すシーケンス図200を示す。最初に、ワイヤレス動力伝送システム101と動力レシーバクライアント103との間で通信が確立される。初期通信は、例えば、ワイヤレス動力伝送システム101の1つ以上のアンテナ104を介して確立されるデータ通信リンクとすることができる。説明したように、一部の実施形態では、アンテナ104a~104nのうちの1つ以上は、データアンテナ、ワイヤレス動力伝送アンテナ、または二重目的データ/動力アンテナとすることができる。ワイヤレス動力伝送システム101とワイヤレス動力レシーバクライアント103との間では、このデータ通信チャネルを介して様々な情報を交換することができる。例えば、ワイヤレス動力シグナリングは、ワイヤレス動力供給環境内の様々なクライアント間でタイムスライスすることができる。そのような場合、ワイヤレス動力伝送システム101は、例えばビーコンビートスケジュール(BBS)サイクル、動力供給サイクル情報などのビーコンスケジュール情報を送信することができ、これにより、ワイヤレス動力レシーバクライアント103は、ビーコン信号を伝送(ブロードキャスト)する時期および動力を待機する時期などを把握することができる。
【0026】
図2の例を続けると、ワイヤレス動力伝送システム101は、動力を受け取るための1つ以上のワイヤレス動力レシーバクライアントを選択し、選択したワイヤレス動力レシーバクライアント103にビーコンスケジュール情報を送信する。ワイヤレス動力伝送システム101はまた、動力伝送スケジューリング情報を送信することができ、その結果、ワイヤレス動力レシーバクライアント103は、ワイヤレス動力伝送システムからのワイヤレス動力をいつ期待するか(例えば、時間枠)を知ることができる。次いで、ワイヤレス動力レシーバクライアント103は、ビーコン(または較正)信号を生成し、例えばBBSサイクルなどのビーコンスケジュール情報によって示される割り当てられたビーコン送信ウィンドウ(またはタイムスライス)の間にビーコンをブロードキャストする。本明細書で説明するように、ワイヤレス動力レシーバクライアント103は、ワイヤレス動力レシーバクライアント103が組み込まれているワイヤレスデバイス102に近接する三次元空間に放射および受信パターンを有する1つ以上のアンテナ(またはトランシーバ)を含む。
【0027】
ワイヤレス動力伝送システム101は、動力レシーバクライアント103からビーコンを受信し、ビーコン信号が複数のアンテナで受信される位相(または方向)を検出および/または別の方法で測定する。次いで、ワイヤレス動力伝送システム101は、対応するアンテナの各々における受信ビーコンの検出または測定された位相(または方向)に基づいて、複数のアンテナ103から動力レシーバクライアント103にワイヤレス動力を供給する。一部の実施形態では、ワイヤレス動力伝送システム101は、ビーコンの測定位相の複素共役を決定し、この複素共役を使用して、ビーコン信号がワイヤレス動力レシーバクライアント103から受信されたのと同じ経路を介してワイヤレス動力をワイヤレス動力レシーバクライアント103に供給し、かつ/または別の方法で方向付けるためのアンテナを構成する送信位相を決定する。
【0028】
一部の実施形態では、ワイヤレス動力伝送システム101は多くのアンテナを含む。多くのアンテナのうちの1つ以上を使用して、動力レシーバクライアント103に動力を供給することができる。ワイヤレス動力伝送システム101は、ビーコン信号が各アンテナで受信された位相を検出および/または別の方法で決定または測定することができる。多数のアンテナは、ワイヤレス動力伝送システム101の各アンテナで受信されるビーコン信号の異なる位相をもたらし得る。上述したように、ワイヤレス動力伝送システム101は、各アンテナで受信されたビーコン信号の複素共役を決定することができる。複素共役を使用して、1つまたは複数のアンテナは、ワイヤレス動力伝送システム101内の多数のアンテナの影響を考慮に入れた信号を発することができる。言い換えれば、ワイヤレス動力伝送システム101は、ビーコンの波形を反対方向にほぼ再現する集約信号をアンテナのうちの1つ以上から生成するように、1つ以上のアンテナからワイヤレス動力伝送信号を発することができる。言い換えれば、ワイヤレス動力伝送システム101は、ビーコン信号がワイヤレス動力伝送システム101において受信されるのと同じ経路を介してワイヤレスRF動力をワイヤレス動力レシーバクライアントに供給することができる。これらの経路は、環境内の反射性オブジェクト106を利用することができる。さらに、ワイヤレス動力伝送信号は、ワイヤレス動力伝送信号がクライアントデバイスに近接する三次元(3D)空間内のクライアントデバイスのアンテナ放射および受信パターンと集合的に一致するように、ワイヤレス動力伝送システム101から同時に送信することができる。
【0029】
図示するように、ビーコン(または較正)信号は、例えばBBSに従って動力供給環境内のワイヤレス動力レシーバクライアント103によって周期的に送信することができ、その結果、ワイヤレス動力伝送システム101は、ワイヤレス動力供給環境内の動力レシーバクライアント103の位置の把握を維持し、および/または別の方法で追跡することができる。ワイヤレス動力伝送システムにおいてワイヤレス動力レシーバクライアント103からビーコン信号を受信し、次にその特定のワイヤレス動力レシーバクライアントに向けられたワイヤレス動力で応答するプロセスは、本明細書ではレトロディレクティブ方式ワイヤレス動力供給と呼ばれる。
【0030】
さらに、本明細書で説明するように、ワイヤレス動力は、動力スケジュール情報によって定義された動力サイクルで供給することができる。開示された簡略化されたワイヤレス動力レシーバクライアントを使用してワイヤレス動力供給を開始するために必要なシグナリングのより詳細な例を、図4A図4Eを参照して以下に説明する。
【0031】
図3は、既知のワイヤレス動力レシーバクライアント300の例示的な構成要素を示すブロック図である。図3の例に示されるように、レシーバ300は、制御ロジック310、電池320、IoT制御モジュール325、通信ブロック330および関連付けられたアンテナ370、動力計340、整流器350、コンバイナ355、ビーコン信号生成器360、ビーコンコーディングユニット362および関連付けられたアンテナ380、ならびに整流器350またはビーコン信号生成器360を1つ以上の関連付けられたアンテナ390a~nに接続するスイッチ365を含む。一部の実施形態では、構成要素の一部またはすべてを省略できる。一部の例では、ワイヤレス動力レシーバクライアント300は、それ自体のアンテナを含まず、代わりに、ワイヤレス動力レシーバクライアントが組み込まれたワイヤレスデバイスの1つ以上のアンテナ(例えば、WI-FIアンテナ)を利用し、および/または別の方法で共有する。さらに、一部の例では、ワイヤレス動力レシーバクライアント300は、データ伝送機能ならびに動力/データ受信機能を提供する単一のアンテナを含むことができる。追加の構成要素も可能である。
【0032】
コンバイナ355は、レシーバ300が複数のアンテナを有する場合に、動力伝送機から動力伝送信号を受信し、受信した動力伝送信号を結合する。コンバイナは、整合状態を維持しながら出力ポート間の分離を実現するように構成された任意のコンバイナまたはディバイダ回路とすることができる。例えば、コンバイナ355は、ウィルキンソン動力ディバイダ回路とすることができる。整流器350は、コンバイナ355(存在する場合)から結合された動力伝送信号を受信し、これは、充電のために動力計340を介して電池320に供給される。他の実施例では、各アンテナの動力経路は、それ自体の整流器350を有することができ、整流器からのDC動力は、動力計340に供給される前に結合される。動力計340は、受信した動力信号強度を測定することができ、この測定値を制御ロジック310に提供する。
【0033】
電池320は、保護回路および/または監視機能を含むことができる。さらに、電池320は、電流制限、温度保護、過電圧/不足電圧警告および保護、ならびにクーロン監視を含むがこれらに限定されない1つ以上の機能を含むことができる。
【0034】
制御ロジック310は、電池320自体から電池残量を受信して処理する。制御ロジック310は、通信ブロック330を介して、クロック同期のためのベース信号クロックなどのデータ信号をデータキャリア周波数で送信/受信することもできる。ビーコン信号生成器360は、ビーコン信号または較正信号を生成し、ビーコン信号が符号化された後、アンテナ380または390のいずれかを使用してビーコン信号を送信する。
【0035】
電池320は、ワイヤレス動力レシーバクライアント300によって充電され、それに動力を供給するものとして示されているが、レシーバはまた、整流器350から直接動力を受け取ることもできることに留意されたい。これは、電池320に充電電流を供給する整流器350に加えて、または充電を提供する代わりに行うことができる。また、複数のアンテナの使用は実装の一例であり、構造は1つの共有アンテナに削減できることに留意されたい。
【0036】
一部の実施形態では、制御ロジック310および/またはIoT制御モジュール325は、ワイヤレス動力レシーバクライアント300が組み込まれているデバイスから通信および/または別の方法でIoT情報を導出することができる。図示されていないが、一部の例では、ワイヤレス動力レシーバクライアント300は、それを介してIoT情報を取得することができるワイヤレス動力レシーバクライアント300が組み込まれたデバイスとの1つ以上のデータ接続(有線またはワイヤレス)を有することができる。代替的または追加的に、IoT情報は、例えば、1つ以上のセンサを介して、ワイヤレス動力レシーバクライアント300によって決定および/または推測することができる。上述したように、IoT情報は、ワイヤレス動力レシーバクライアント300が組み込まれたデバイスの能力に関する情報、ワイヤレス動力レシーバクライアント300が組み込まれたデバイスの使用情報、ワイヤレス動力レシーバクライアント300が組み込まれたデバイスの電池残量、および/またはワイヤレス動力レシーバクライアントが組み込まれたデバイスもしくはワイヤレス動力レシーバクライアント自体によって、例えばセンサなどを介して取得もしくは推測される情報を含むことができるが、これらに限定されない。
【0037】
一部の実施例では、クライアント識別子(ID)モジュール315は、ワイヤレス動力供給環境においてワイヤレス動力レシーバクライアント300を一意に識別することができるクライアントIDを格納する。例えば、IDは、通信が確立されたときに1つ以上のワイヤレス動力伝送システムに送信され得る。一部の実施例では、ワイヤレス動力レシーバクライアントはまた、クライアントIDに基づいて、ワイヤレス動力供給環境において他のワイヤレス動力レシーバクライアントを受信および識別することができてもよい。
【0038】
オプションのモーションセンサ395は、モーションを検出し、それに応じて動作するように制御ロジック310に信号を送信することができる。例えば、動力を受け取るデバイスは、モーションを検出するために、加速度計などのモーション検出機構または同等の機構を統合することができる。デバイスが動いていることを検出すると、ユーザによって使用されていると見なされ、動力の伝送を停止するか、デバイスに送信される動力を下げるために、アレイへの信号がトリガされる。一部の実施例では、デバイスが車、電車、飛行機などの移動環境で使用される場合、デバイスの動力が非常に低い場合を除き、動力は断続的に、または低減されたレベルでのみ送出される。
【0039】
図4Aは、一部の実施形態による簡略化されたワイヤレス動力レシーバクライアント400の例示的な構成要素を示すブロック図を示す。図4Bは、一部の実施形態による、図4Aの簡略化されたワイヤレス動力レシーバクライアント400の例示的な実施態様を示すブロック図を示す。図4Cは、一部の実施形態による、ESLアプリケーションのための図4Aの簡略化されたワイヤレス動力レシーバクライアント400の例示的な実施態様のブロック図を示す。図4Dは、一部の実施形態による、従来の単3または単4電池アプリケーションのための図4Aの簡略化されたワイヤレス動力レシーバクライアント400の例示的な実施態様のブロック図を示す。図4Eは、一部の実施形態による、異なる電源を有する図4Aの簡略化されたワイヤレス動力レシーバクライアント400の例示的な実施態様のブロック図を示す。
【0040】
図3の既知のワイヤレス動力レシーバクライアント300と比較すると、図4Aの簡略化されたワイヤレスレシーバクライアント400は、専用通信ワイヤレスブロック330を含まない。代わりに、図4Aの簡略化されたワイヤレスレシーバクライアント400は、アップリンクのためにビーコンコーディングモジュール(ビーコン符号化モジュール)440を利用し、動力信号持続時間の測定のために制御ロジック410を使用する。これにより、既知のワイヤレス動力レシーバクライアント300と比較して、より単純なダウンリンクシグナリングがさらに提供される。
【0041】
図4Aを参照すると、簡略化されたワイヤレス動力レシーバクライアント400は、制御ロジック410と、エネルギー貯蔵装置415(例えば、電池)と、RFトランシーバブロック420および少なくとも1つの関連するアンテナ425と、エネルギーハーベスタブロック430とを含む。RFトランシーバ420は、ビーコンコーディングモジュール440と通信するビーコン信号生成器435を含むことができる。ビーコンコーディングモジュール440は、アンテナ425に結合することができる。エネルギーハーベスタ430は、整流器449に結合された動力管理ブロック445を含むことができる。整流器449は、アンテナ425に結合することができる。動力管理ブロック445は、エネルギー貯蔵装置415および制御ロジック410に結合することができる。エネルギー貯蔵装置415は、制御ロジック410に結合することができる。制御ロジック410、エネルギーハーベスタブロック430、ビーコン信号生成器435、ビーコンコーディングモジュール440、および動力管理モジュール445はそれぞれ、開示された実施形態による本技術の動作を実行、実施、または他の様態で容易にするように構成された1つ以上のアナログおよび/またはデジタル電子構成要素を含むことができる。
【0042】
一部の実施形態では、構成要素の一部またはすべてを省略できる。一部の実施形態では、ワイヤレス動力レシーバクライアント400は、それ自体のアンテナを含まず、代わりに、ワイヤレス動力レシーバクライアント400が組み込まれたワイヤレスデバイスの1つ以上のアンテナ(例えば、WI-FIアンテナ)を利用し、および/または別の方法で共有する。さらに、一部の実施形態では、ワイヤレス動力レシーバクライアント400は、データ伝送機能ならびに動力/データ受信機能を提供する単一のアンテナを含むことができる。追加の構成要素も可能である。
【0043】
RFトランシーバ420は、アンテナ425を介して動力伝送機から動力伝送信号を受信することができる。例として以下により詳細に説明するように、動力伝送信号は、RFトランシーバ420からエネルギーハーベスタ430の整流器449に送ることができる。一例では、動力伝送信号は、統合されたRFスイッチ446を使用して、RFトランシーバ420から整流器449に送ることができる。整流器449は、RFトランシーバ420から時変(例えば、正弦波)動力伝送信号を受信し、それを整流することができる。整流された動力伝送信号は、整流器449からエネルギーハーベスタ430の動力管理ブロック445に渡すことができる。動力管理ブロック445は、充電のためにエネルギー貯蔵装置415に動力を供給する。さらに、図4Aに示すように、整流された動力を動力管理ブロック445を介して制御ロジック410に供給することができる。
【0044】
エネルギー貯蔵装置415(例えば、電池またはスーパーキャパシタ)は、保護回路および/または監視機能を含むことができる。さらに、エネルギー貯蔵装置415は、電流制限、温度保護、過電圧/不足電圧警告および保護、ならびにクーロン監視を含むがこれらに限定されない1つ以上の機能を含むことができる。
【0045】
制御ロジック410は、エネルギー貯蔵装置415自体から電池残量を受け取り、処理する。制御ロジック410はまた、RFトランシーバ420に、例えばRFトランシーバ420を介して、データキャリア周波数でデータ信号を送信させることができる。ビーコン信号生成器435は、ビーコン信号または較正信号を生成し、ビーコン信号がビーコンコーディングモジュール440によって符号化された後、アンテナ425を使用してビーコン信号を送信することができる。一部の実施形態では、制御ロジック410は、シグナリング目的のためにワイヤレスRF動力信号の持続時間を測定することができる。図6および図7を参照して以下により詳細に説明するように、動力信号の持続時間は、ワイヤレス動力伝送環境におけるクライアント発見プロセスを制御するために使用することができる。一例では、測定された持続時間は、測定された持続時間に従って、RFトランシーバ420および/または少なくとも1つのアンテナ425の通信(例えば、受信)挙動を制御するためのシグナリング目的に使用することができる。別の例では、測定された持続時間は、例えば、動力管理モジュール445および/または制御ロジック410の処理動作を制御するために使用することができる。通信および/または処理のそのような制御の例は、他の動作の中でも、次のビーコンでロングIDを送信するようにワイヤレス動力レシーバクライアント400をトリガすること、ビーコンの周波数を設定すること、および次のビーコンでエネルギー貯蔵装置415(例えば、電池)状態を送信することを含むことができる。開示された簡略化されたワイヤレス動力レシーバクライアントに加えて、またはその代わりに、動力信号持続時間に従ってビーコン信号に異なるデータを埋め込み符号化することにより、一部の実施形態では、その持続時間は、開示されたワイヤレス動力レシーバクライアントにそのビーコン周波数をシフトさせて、システム全体(例えば、レシーバと伝送機の両方)がワイヤレス動力伝送のための新しいチャネルを占有できるようにすることができる。
【0046】
エネルギー貯蔵装置415(例えば、電池)は、ワイヤレス動力レシーバクライアント400によって充電され、それに動力を供給するものとして示されているが、レシーバはまた、例えば、これに限定されないが、動力管理ブロック445を介して、整流器449から直接その動力を受け取ることもできることに留意されたい。これは、エネルギー貯蔵装置415に充電電流を供給する整流器449に加えて、または充電を提供する代わりに行うことができる。また、複数のアンテナの使用は一実施形態であり(図4Aには示さず)、図4Aに示すように、1つの共有アンテナ425に削減され得ることに留意されたい。
【0047】
一部の実施形態では、制御ロジック410は、ワイヤレス動力レシーバクライアント400が組み込まれているデバイスから通信および/または別の方法でIoT情報を導出することができる。図4Aには示されていないが、一部の実施形態では、ワイヤレス動力レシーバクライアント400は、それを介してIoT情報を取得することができるワイヤレス動力レシーバクライアント400が組み込まれたデバイスとの1つ以上のデータ接続(有線またはワイヤレス)を有することができる。代替的または追加的に、IoT情報は、例えば、1つ以上のセンサ(図4Aには図示せず)を介して、ワイヤレス動力レシーバクライアント400によって決定および/または推測することができる。上述したように、IoT情報は、ワイヤレス動力レシーバクライアント400が組み込まれたデバイスの能力に関する情報、ワイヤレス動力レシーバクライアント400が組み込まれたデバイスの使用情報、ワイヤレス動力レシーバクライアント400が組み込まれたデバイスの電池残量、および/またはワイヤレス動力レシーバクライアント400が組み込まれたデバイスもしくはワイヤレス動力レシーバクライアント400自体によって、例えばセンサなどを介して取得もしくは推測される情報を含むことができるが、これらに限定されない。
【0048】
一部の実施形態では、クライアント識別子(ID)モジュール450は、ワイヤレス動力供給環境においてワイヤレス動力レシーバクライアント400を一意に識別することができるクライアントIDを格納する。例えば、ビーコン符号化メッセージを使用して、クライアントIDを1つ以上のワイヤレス動力伝送システムに渡すことができる。一部の実施形態では、ワイヤレス動力レシーバクライアント400は、他のデバイスのクライアントIDを認識させることができるように、ワイヤレス動力レシーバクライアント400に追加の機能を提供するためのIoTワイヤレス機(図4Aには図示せず)を含むことができる。
【0049】
図4Bのワイヤレス動力レシーバクライアント400を参照すると、エネルギー貯蔵装置415は、充電のための整流された動力を受信するための、エネルギーハーベスタ430に結合されたスーパーキャパシタまたは電池(例えば、リチウムイオン)に具現化することができる。図4Bのワイヤレス動力レシーバクライアント400は、アンテナ425およびエネルギーハーベスタ430に結合された外部整流器451を含むことができる。図4A図4Eに示す実施形態のいずれかでは、エネルギーハーベスタ430は、動力管理モジュール445および内部整流器449に加えて、コールドスタートモジュール452、スーパーキャパシタまたは電池型エネルギー貯蔵装置415を充電するための別個のまたは統合された充電回路453、1つ以上の電源454、1つ以上のロードスイッチ455、外部整流器支持ブロック457、およびデジタルロジック、RAMおよび通信(例えば、SPI)インターフェース459を含むことができる。一例では、エネルギーハーベスタ430は、電源454、ロードスイッチ455、外部整流器支持ブロック457、および内部整流器449のうちの1つ以上を含むサブシステムを利用して、例えば1.8V~3.3Vの範囲内の動力を供給し、例えば、ワイヤレス動力レシーバクライアント400が組み込まれているデバイス内の動力を必要とする構成要素に出力することができる。ワイヤレス動力レシーバクライアント400は、ワイヤレス動力レシーバクライアント400に関連するクライアントデバイスまたはシステムの1つ以上の電子部品に電流を供給することを容易にするために、内部整流器に結合されたエネルギーハーベスタ430をインターフェース接続する手段を含むことができる。一例では、エネルギーハーベスタ430をインターフェース接続する手段は、少なくとも1つの電気コネクタ471であるか、それを含む。
【0050】
図示の実施形態では、顧客固有システム472は、エネルギーハーベスタ430に結合されている。システム472は、その動作のためにエネルギーハーベスタ430から(例えば、1.8V~3.3Vで)動力を受け取ることができる。システム472は、ワイヤレス動力レシーバクライアント400が組み込まれているデバイスのマイクロコントローラ、ワイヤレス機、および同様の電子サブシステムを含むことができる。例えば、エネルギーハーベスタ430は、例えば、これに限定されないが、シリアルペリフェラルインターフェース(SPI)プロトコルを使用してデジタルI/O信号を送受信することができる。ワイヤレス動力レシーバクライアント400は、ワイヤレス動力レシーバクライアント400に関連するクライアントデバイスまたはシステム(例えば、システム472)のうちの1つ以上の電子機器との間でデータ信号の送信および/または受信を容易にするために、エネルギーハーベスタ430および制御ロジック410のうちの少なくとも一方に結合されたデータインターフェース手段を含むことができる。一例では、データインターフェース手段は、少なくとも1つのデータ通信コネクタ473であるか、それを含む。
【0051】
図4Cのワイヤレス動力レシーバクライアント400は、図4Bに関して上述したように、(システム472を除く)すべての構成要素および機能を含む。図4Cの例では、エネルギーハーベスタ430に結合された顧客固有システム472は、例えば、2.4GHz、900MHz、または5.8GHzなどの周波数でワイヤレス符号化信号を送信および/または受信するための、BLE、ZIGBEE(登録商標)、およびカスタムRF構成要素のうちの少なくとも1つに基づくRFトランシーバ(例えば、トランシーバ420以外)を含むことができる。一例では、図4Cのシステム472は、SPIデータ出力(DOUT)信号を例えば3.3Vで1つ以上のe-インクディスプレイ476に出力することができる。使用事例では、図4Cに示すように、e-インクディスプレイ476は、本明細書で説明するように、システム472および簡略化されたワイヤレス動力レシーバクライアント400を使用して遠隔設定することができる英数字情報を有する複数の食料品店の店頭価格および関連製品情報ESLラベル478に組み込まれる。
【0052】
図4Dのワイヤレス動力レシーバクライアント400は、図4Bに関して上に図示および説明したように、すべての構成要素および機能(システム472について説明したものを含む)を含む。さらに、図4Dの例では、エネルギーハーベスタ430は、電源454、ロードスイッチ455、外部整流器支持ブロック457、および内部整流器449のうちの1つ以上を含むサブシステムを利用して、例えば、ワイヤレス動力レシーバクライアント400が組み込まれているデバイスの電池(例えば、充電可能な標準サイズの単3電池484)の電池接点482に出力される0.9V~3.0Vの範囲内の動力を供給することができる。図示の実施形態では、電池接点482は、エネルギーハーベスタ430からその動作のための動力(例えば、0.9V~3.0Vで)を受け取るために、エネルギーハーベスタ430に結合される。
【0053】
図4Eの実施形態の図示のワイヤレス動力レシーバクライアント400は、図4Bに関して図示および説明したように、すべての構成要素および機能を含む。さらに、図4Eの例では、エネルギーハーベスタ430は、最大動力点追跡(MPPT)ブロック487、第1の昇降圧DC/DC動力コンバータ489、第2の昇降圧DC/DC動力コンバータ492、および第3の昇降圧DC/DC動力コンバータ494、またはそれらの複数のインスタンスを含む。MPPTブロック487は、動力伝送信号がアンテナ425を介して受信された後、内部整流器449および外部整流器451に結合されてそこから整流された動力を受け取ることができる。一部の実施形態では、MPPTブロック487は、動力管理モジュール445(図4Eには示さず)に含まれる。他の実施形態では、MPPTブロック487は、別個の構成要素であってもよく、またはエネルギーハーベスタ430内の動力管理モジュール445を置き換えることができる。
【0054】
第1の昇降圧コンバータ489は、全ての条件下でエネルギーハーベスタ430によるワイヤレス動力信号からの動力抽出によって最大化することができるDC動力を受け取るために、MPPTブロック487に結合することができる。第1のコンバータ489は、エネルギー貯蔵装置415を充電する目的で充電回路453に動力を供給することができる。第2の昇降圧コンバータ492は、充電回路453に結合することができる。1つ以上のロードスイッチ455は、第2のコンバータ492から動力を受け取って、例えば1.8V~3.3Vの範囲内の調整可能な動力を提供することができ、例えば、ワイヤレス動力レシーバクライアント400が組み込まれたデバイス内のそれを必要とする構成要素に出力することができる。一例では、第2のコンバータ492は、第2のコンバータ492がロードスイッチ455に動力を出力する電圧を選択するための1つ以上の手段とインターフェースする。一部の実施形態では、電圧を選択するための手段は、モードピンを含む。
【0055】
第1の昇降圧コンバータ489は、第3の昇降圧コンバータ494にさらに結合することができる。一例では、第3のコンバータ494のうちの1つ以上は、例えば0.8V~3.0Vの範囲内の調整可能な動力を提供し、1つ以上のOSSIA COTA FOREVER電池に出力する。別の例では、1つ以上の第3のコンバータ494は、例えば、例えば1.8Vの定電圧で動力を供給し、ワイヤレス動力レシーバクライアント400が組み込まれたデバイスのCPUまたは関連構成要素のリアルタイムクロック(RTC)に5mA未満で出力する。
【0056】
一部の実施形態では、第2の動力コンバータ492および/または第3の動力コンバータ494は、図4Eに示す実線接続によってMPPTブロック487に接続される代わりに、またはそれに加えて、MPPTブロック487に直接結合され(図4Eに破線で示す)、MPPTブロックから動力の流れを受け取ることができる。当業者であれば、図4A図4Eを参照して上述した特徴のいずれかまたはすべてを実現するために、図4B図4Eの例示的な実施形態のいずれかを交換または組み合わせることができることを認識および理解するであろう。
【0057】
図4A図4Eを参照すると、ワイヤレス動力レシーバクライアント400は、1つ以上の5.8GHzアンテナ425からの動力を整流することができる。ワイヤレス動力レシーバクライアント400は、特定用途向け集積回路(ASIC)(例えば、制御ロジック410)を含むことができ、外部整流器451をサポートすることができ、別個の整流器(例えば、整流器449)を含むこともできる。ワイヤレス動力レシーバクライアント400は、通常動作を超えるRF入力動力レベルからそれ自体を保護することができる。
【0058】
RFトランシーバ420およびその構成要素(例えば、435、440)は、単純なオンオフキーイング(OOK)プロトコルを使用することができる5.8GHzの低動力ビーコン信号を生成する。ビーコン動力レベルおよび符号化は、例えば制御ロジック410に含まれる内部メモリレジスタに基づく。ワイヤレス動力レシーバクライアント400は、それを一意に識別するために使用することができる一意の識別子(例えば、クライアントIDモジュール450に格納されている)を有することができる。この固有のIDは、例えばビーコンコーディングモジュール440によって符号化され、アンテナ425によって送信されるビーコン信号の一部(例えば、その中に符号化される)であり得る。
【0059】
ワイヤレス動力レシーバクライアント400によって収集された整流動力は、非常に低い静止電流、高効率同期昇降圧コンバータ(例えば、第1のコンバータ489、第2のコンバータ492および第3のコンバータ494のうちの1つ以上)に入力することができる。コンバータからの出力は、スーパーキャパシタまたはリチウムイオン電池エネルギー貯蔵装置415を充電することができる。ワイヤレス動力レシーバクライアント400は、内部プログラム値またはレジスタ設定電圧に達すると、システムをオンにすることができる。この値に達する前に、ワイヤレス動力レシーバクライアント400は、スーパーキャパシタまたはリチウムイオン電池が十分な動力を貯蔵するまで、システム電源を無効に維持することができる。別個の昇降圧コンバータ(例えば、492および/または494)は、システム(例えば、472)を動作させるための動力を供給することができる。この昇降圧コンバータ(例えば、492)は、スーパーキャパシタまたはリチウムイオン電池エネルギー貯蔵装置415に接続し、プログラム可能な電圧を出力することができる。1つ以上のレジスタまたは工場プログラミングは、例えば上述の手段に従ってこの出力電圧を設定する。出力電圧はまた、(例えば、制御ロジック410の)内部メモリレジスタまたはデジタル入力ピンを介して調整可能であり、低動力モードのためにこの電圧を変更することができる。昇降圧コンバータ(例えば、492)は、動力を節約するためにシステム472の一部をオンおよびオフすることを可能にするために、1つの直接出力と、少なくとも2つのロードスイッチ455出力とを含む3つの出力を有することができる。ワイヤレス動力レシーバクライアント400は、スーパーキャパシタまたはリチウムイオン電池エネルギー貯蔵装置415の充電状態が低いときに警告する出力信号を有することができる。一部の実施形態では、ワイヤレス動力レシーバクライアント400は、外部リアルタイムクロック(RTC)を実行するための超低電流昇降圧コンバータ(例えば、494)を有することができる。
【0060】
ワイヤレス動力レシーバクライアント400は、アンテナ425を介してワイヤレス動力伝送環境に送信するための2つのビーコンモード、すなわちタイミングビーコンおよび動力ビーコンを有することができる。これらの各々は、ワイヤレス動力伝送機(WPT)とワイヤレス動力レシーバクライアント(WPRC)400との間の動力供給および同期通信を容易にするために利用することができる。これはまた、そのタイミングビーコンの送信がサイドチャネル通信よりも消費する動力が少ないため、ワイヤレス動力レシーバにおける低消費動力を可能にすることができる。
【0061】
一般的に言えば、ワイヤレス動力レシーバクライアント400は、常に、ビーコン(タイミングビーコン/動力ビーコン)および動力収集モードの2つのモードにある。WPTは、2つの情報セット、すなわち、WPRCからの位相セットと、最上位ビット(MSB)と呼ぶことができるWPRCロングIDから抽出された特定のビットとを比較することによって、各固定レシーバを識別する能力を有することができる。例えば、ワイヤレス動力レシーバクライアント400のフルIDは128ビットを有することができ、そのうちの8つがMSBである。WPTへのキー情報は、ステータスまたは特定の必要性を伝えるためにWPRCによって送信することができる。
【0062】
ビーコン送信は、同期方式(スケジュールされたCWおよび/または符号化されたビーコン)または非同期方式のいずれかで送信することができる。非同期ビーコンは、米国特許出願第15/852,216号明細書に記載されているように、設定されたスケジュールなしでブロードキャストすることができる。
【0063】
図4A図4Eを参照して上述したワイヤレス動力レシーバクライアント400の実施形態における簡略化されたレシーバアーキテクチャは、米国特許出願第16/244,013号に記載されているようなタイミング取得モジュール(TAM)に依拠することができる。
【0064】
本明細書で開示する簡略化されたワイヤレス動力レシーバクライアント400の技術は、ワイヤレス動力、データ、およびビーコン送信を説明する。当業者であれば、開示された技術による伝送機およびレシーバは、これらの送信および/または他のデータ送信を可能にするために、様々な周波数のうちの1つ以上で動作するように構成することができることを認識および理解するであろう。例えば、伝送機およびレシーバは、任意のISM帯域(2.4GHz、5.8GHz、24GHzなど)で動作するように構成され得る。
【0065】
本技術において、タイミングビーコンは、一定の持続時間(例えば、10ns)の間、周波数0「0」で動作する。これにより、WPTに、WPRCブロードキャストされたタイミングビーコンをリッスンすることを可能にするためにWPTアンテナにおける動力を遮断する機会を与えることができる。このビーコンは、動力ビーコンタイミングに関連して短時間で送信される。タイミングビーコンは、ショートID(例えば、8ビットビーコン)を有することができ、フルレシーバID「COTA IDと呼ばれることもある」(128ビットビーコン)から抽出することができる。WPTがこのタイミングビーコンを初めて受信することができる場合、動力は特定の持続時間(例えば、xマイクロ秒)の間送信され得る。ワイヤレス動力レシーバクライアント400は、動力が供給されるのにかかった時間量を確認することができる。この時点までに、ワイヤレス動力レシーバクライアント400は、フルコード(128ビット)を送信するのに十分な動力を有することができ、これにより、WPTは、動力供給されるべき所望のWPRCであるかどうかを確認することができる。ここで、WPTは、WPRC(動力ビーコン)の8ビットコードおよび位相セットを有する。したがって、WPTは、それがどのクライアントと対話しているかを確認することができる。WPTが予想とは異なる位相セットを受信した場合、それが所望のWPRCではないことを確認することができる。これは、WPRCが静止している場合に機能する。動いているWPRCの場合、認証は、履歴位相データに基づいて、従来の予測される場所に基づいて、別の方法で実行できる。WPTは、望ましくないレシーバを起動したり、WPRCまたはWPTにおける障害のあるハードウェア/ソフトウェアを検出したりする可能性がある。
【0066】
プロキシ(通信モジュール)が不要であるため、WPTハードウェアもまた、本技術によるワイヤレス動力レシーバクライアント400と共に使用するために簡略化することができる。図3の既知のワイヤレス動力レシーバクライアント300と比較して、レシーバハードウェアは、図4A図4Eにも記載されているように簡略化されている。ワイヤレス動力レシーバクライアント400は、図3に示すような複数の専用アンテナの代わりに、そのすべての必要性に対して1つのアンテナ425のみを有することができる。ワイヤレス動力レシーバクライアント400内の整流器(449および/または451)は、異なる周波数の指向性動力および非指向性動力を利用するための受動/能動整流器とすることができる。ワイヤレス動力レシーバクライアント400は、システム472のものを含むデバイスに受け取られ、供給される動力を管理する役割を果たす動力管理モジュール445を有することができる。WPTは、WPRCを識別するためにクライアントID(例えば、クライアントIDモジュール450に格納されている)と組み合わせて位相データを使用することができる。
【0067】
図6および図7を参照して以下に示され説明される2つのフローチャートは、ワイヤレス動力レシーバクライアント400のこの簡略化された手法がどのように動作することができるかに関する詳細を提供する。動力スロットの持続時間は、特定量の情報(例えば、電池残量を送ってください)を送信するためにトリガすることができる。一部の実施形態では、動力スロット持続時間を使用して、次のビーコン内の情報をトリガするか、またはクライアントに特定の動作(例えば、ビーコン周波数を切り替えるためになど)を行わせることができる。
【0068】
図5Aおよび図5Bは、一部の実施形態による例示的なマルチパスワイヤレス動力供給環境500を示す図である。マルチパスワイヤレス動力供給環境500は、1つ以上のワイヤレス動力レシーバクライアント503を含むワイヤレスデバイス502を操作するユーザを含む。ワイヤレスデバイス502および1つ以上のワイヤレス動力レシーバクライアント503は、それぞれ図1のワイヤレスデバイス102および図1のワイヤレス動力レシーバクライアント103または図4A図4Eのワイヤレス動力レシーバクライアント400とすることができるが、代替構成も可能である。同様に、ワイヤレス動力伝送システム501は、図1のワイヤレス動力伝送システム101とすることができるが、代替構成も可能である。マルチパスワイヤレス動力供給環境500は、反射性オブジェクト506と、例えばユーザまたは人間、家具などの様々な吸収性オブジェクトとを含む。
【0069】
ワイヤレスデバイス502は、ワイヤレスデバイス502に近接する三次元空間内に放射および受信パターン510を有する1つ以上のアンテナ(またはトランシーバ)を含む。1つ以上のアンテナ(またはトランシーバ)は、全体的または部分的に、ワイヤレスデバイス502および/またはワイヤレス動力レシーバクライアント(図示せず)の一部として含まれてもよい。例えば、一部の実施形態では、ワイヤレスデバイス502の1つ以上のアンテナ、例えば、WI-FI、BLUETOOTH(登録商標)等が、ワイヤレス動力受け取りのために利用され、および/または別の方法で共有され得る。図5Aおよび図5Bの例に示すように、放射および受信パターン510は、一次ローブおよび複数のサイドローブを有するローブパターンを含む。他のパターンも可能である。
【0070】
ワイヤレスデバイス502は、複数の経路を介してビーコン(または較正)信号をワイヤレス動力伝送システム501に送信する。本明細書で説明するように、ワイヤレスデバイス502は、ワイヤレス動力伝送システムによる受信ビーコン信号の強度、例えば受信信号強度表示(RSSI)が放射および受信パターン510に依存するように、ビーコンを放射および受信パターン510の方向に送信する。例えば、ビーコン信号は、放射および受信パターン510にヌルがあり、ビーコン信号が放射および受信パターン510のピーク、例えば一次ローブのピークで最も強い場合には送信されない。図5Aの例に示すように、ワイヤレスデバイス502は、5つの経路P1~P5を介してビーコン信号を送信する。経路P4およびP5は、反射性および/または吸収性オブジェクト506によって遮断される。ワイヤレス動力伝送システム501は、経路P1~P3を介して強度が増加するビーコン信号を受信する。太線は、より強い信号を示す。一部の実施形態では、ビーコン信号は、例えば、ユーザへの不必要なRFエネルギー曝露を回避するために、このようにして指向的に送信される。
【0071】
アンテナの基本的な特性は、受信に使用したときのアンテナの受信パターン(方向の関数としての感度)が、送信に使用したときのアンテナの遠方界放射パターンと同じであることである。これは、電磁気学における相反定理の結果である。図5Aおよび図5Bの例に示すように、放射および受信パターン510は三次元ローブ形状である。しかしながら、放射および受信パターン510は、例えば、アンテナ設計に使用されるホーンアンテナ、単純な垂直アンテナなど、タイプに応じて任意の数の形状とすることができる。例えば、放射および受信パターン510は、様々な指向性パターンを含むことができる。ワイヤレス動力供給環境における複数のクライアントデバイスの各々について、任意の数の異なるアンテナ放射および受信パターンが可能である。
【0072】
再び図5Aを参照すると、ワイヤレス動力伝送システム501は、複数のアンテナまたはトランシーバにおいて複数の経路P1~P3を介してビーコン(または較正)信号を受信する。図示のように、経路P2およびP3は直接見通し線経路であり、経路P1は非見通し線経路である。ビーコン(または較正)信号がワイヤレス動力伝送システム501によって受信されると、動力伝送システム501はビーコン(または較正)信号を処理して、複数のアンテナの各々におけるビーコン信号の1つ以上の受信特性を決定する。例えば、ワイヤレス動力伝送システム501は、他の動作の中でも、複数のアンテナまたはトランシーバの各々においてビーコン信号が受信される位相を測定することができる。
【0073】
ワイヤレス動力伝送システム501は、対応するアンテナまたはトランシーバで測定されたビーコン(または較正)信号の1つ以上の受信特性に基づいて、複数のアンテナの各々におけるビーコン信号の1つ以上の受信特性を処理して、複数のRFトランシーバの各々の1つ以上のワイヤレス動力伝送特性を決定または測定する。限定ではなく例として、ワイヤレス動力伝送特性は、各アンテナまたはトランシーバの位相設定、送出動力設定などを含むことができる。
【0074】
本明細書で論じられるように、ワイヤレス動力伝送システム501は、アンテナまたはトランシーバが一旦構成されると、複数のアンテナまたはトランシーバが、クライアントデバイスに近接する三次元空間のクライアント放射および受信パターンに一致するワイヤレス動力信号を通過するように動作可能であるように、ワイヤレス動力伝送特性を決定する。図5Bは、経路P1~P3を介してワイヤレス動力をワイヤレスデバイス502に伝送するワイヤレス動力伝送システム501を示す。有利には、本明細書で説明するように、ワイヤレス動力信号は、クライアントデバイスに近接する三次元空間内のクライアント放射および受信パターン510と一致する。言い換えれば、ワイヤレス動力伝送システムは、ワイヤレス動力レシーバが最大利得を有する、例えば最も多くのワイヤレス動力を受け取る方向にワイヤレス動力信号を送信する。その結果、ワイヤレス動力レシーバが動力を受け取ることができない方向、例えばヌルおよびブロックに信号は送信されない。一部の実施形態では、ワイヤレス動力伝送システム501は、受信したビーコン信号のRSSIを測定し、ビーコンが閾値未満である場合、ワイヤレス動力伝送システムは、その経路を介してワイヤレス動力を送信しない。
【0075】
図5Aおよび図5Bの例に示されている3つの経路は、簡略化のために示されているが、とりわけ、ワイヤレス動力供給環境内の反射性および吸収性オブジェクトに応じて、ワイヤレスデバイス502に動力を伝送するために任意の数の経路を利用することができることが理解される。図5Aの例は、放射および受信パターン510の方向にビーコン(または較正)信号を送信することを示しているが、一部の実施形態では、ビーコン信号は、代替的または追加的に、全方向に送信され得ることが理解される。
【0076】
図6は、一実施形態による、WPTの観点からの、サイドチャネル通信に依存しない図4A図4Eのワイヤレス動力レシーバクライアント400を使用するビーコン/動力供給プロセス600のフローチャートを示す。プロセス600は、WPTアプリケーション開始動力供給モード602から動作604Aまで開始する。動作604Aにおいて、TAMは、短いタイミングのビーコン信号についてビーコン周波数(f)を監視する。動作604Aから、プロセス600はロジック分岐604Bに進み、ここでTAMは、ショートタイミングビーコン(TB)が検出されたかどうかを決定する。TAMがショートタイミングビーコン(TB)を検出した場合、プロセス600は動作606Aに進む。動作606Aにおいて、WPTトランシーバ(XCVR)は、tBeaconDelay未満の時間量内に、動力周波数(f)での動力の伝送を停止する。この期間は、タイミングビーコンが検出されると短い遅延を提供し、WPT時間が動力の伝送を停止し、かつ位相ビーコンを受信する準備をすることを可能にする。動作606Aから、プロセス600は動作606Bに進み、ここで、XCVRは、位相ビーコンについてfを監視する。
【0077】
動作606Bから、プロセス600はロジック分岐608Aに進み、ここで、アンテナマトリクスボード(AMB)デジタルコントローラは、位相ビーコンが検出されたかどうかを決定する。一例では、AMBデジタルコントローラはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)とすることができる。他の例では、AMBデジタルコントローラは、デジタル特定用途向け集積回路(ASIC)、マイクロコントローラ(MCU)、またはデジタル信号プロセッサ(DSP)などとすることができる。AMBデジタルコントローラが位相ビーコンを検出した場合、プロセス600はロジック分岐608Bに進み、そこでAMBデジタルコントローラは、ショートTB IDが既知であるかどうかを決定する。ショートTB IDが既知であるとAMBデジタルコントローラが決定した場合、プロセス600はロジック分岐610Aに進み、そこで構成制御基板(CCB)デジタルコントローラは、位相データがショートTB IDのデータエントリと一致するかどうかを決定する。一例では、CCBデジタルコントローラはFPGAとすることができる。他の例では、CCBデジタルコントローラは、デジタルASIC、MCU、またはDSPなどであってもよい。位相データがショートTB IDのデータエントリと一致するとCCBデジタル制御部が決定した場合、プロセス600は動作612Aに進む。動作612Aにおいて、リアルタイムソフトウェア(SW)は、時間量=tPowerSlotの間動力を伝送するようにWPTに指示する。プロセス600はその後、動作604Aにループバックする。プロセス600はまた、ロジック分岐604Bまたはロジック分岐608Aにおいて、ショートTBが検出されないとTAMが決定した場合、または位相ビーコンが検出されないとAMBデジタルコントローラが決定した場合、それぞれ動作604Aにループバックする。
【0078】
ロジック分岐608Bにおいて、ショートTB IDが既知ではないとAMBデジタルコントローラが決定した場合、プロセス600は動作612Bに進む。同様に、ロジック分岐610Aにおいて、位相データがショートTB IDのデータエントリと一致しないとCCBデジタルコントローラが決定した場合、プロセス600は動作612Bに進む。動作612Bにおいて、リアルタイムSWは、時間量=tSignalDiscoveryの間動力を伝送する。動作612Bから、プロセス600は動作604Cに進む。動作604Cにおいて、TAMは、ロングIDを含むタイミングビーコン信号についてfを監視する。動作604Cから、プロセス600はロジック分岐604Dに進み、ここでTAMは、ロングTBが検出されたかどうかを決定する。ロングTBが検出されていないとTAMが決定した場合、プロセス600は動作604Aにループバックする。
【0079】
しかしながら、ロジック分岐604Dにおいて、ロングTBが検出されたとTAMが決定した場合、プロセス600は動作606Cに進む。動作606Cにおいて、XCVRは、tBeaconDelay未満の時間量内にfで動力を伝送することを停止する。動作606Cから、プロセス600は動作606Dに進み、ここで、XCVRは、位相ビーコンについてfを監視する。動作606Dから、プロセス600はロジック分岐608Cに進み、そこでAMBデジタルコントローラは、位相ビーコンが検出されたかどうかを決定する。位相ビーコンが検出されない場合、プロセス600は動作604Aにループバックする。しかしながら、ロジック分岐608Cにおいて、位相ビーコンが検出されたとAMBデジタルコントローラが決定した場合、プロセス600はロジック分岐608Dに進む。ロジック分岐608Dにおいて、AMBデジタルコントローラは、ロングTB IDが(例えば、テーブル内の)データエントリと一致するかどうかを決定する。
【0080】
ロジック分岐608Dにおいて、ロングTB IDがデータエントリと一致するとAMBデジタルコントローラが決定した場合、プロセス600は動作610Bに進む。動作610Bにおいて、CCBデジタルコントローラは、ワイヤレス動力レシーバクライアント400の新しい位相データを用いてデータエントリを更新する。しかしながら、ロングTB IDがデータエントリと一致しないとAMBデジタルコントローラが決定した場合、プロセス600は動作610Cに進む。動作610Cにおいて、CCBデジタルコントローラは、ワイヤレス動力レシーバクライアント400のショートIDおよびロングIDならびに位相データを用いてデータエントリを作成する。動作610Bまたは610Cから、プロセス600は、動作604Aにループバックする。
【0081】
図7は、一部の実施形態による、ワイヤレス動力レシーバの観点からの、サイドチャネル通信に依存しない図4A図4Eのワイヤレス動力レシーバクライアント400を使用するビーコン/動力供給プロセス700のフローチャートを示す。プロセス700は、電池が切れているデバイス(例えば、スマートフォン)のワイヤレス動力レシーバクライアント400のエントリ702から開始し、動作704に進む。動作704において、ワイヤレス動力レシーバクライアント400のエネルギー貯蔵装置415(例えば、コンデンサ)は、ワイヤレス動力伝送環境内の周囲RFから充電される。動作704から、プロセス700は動作706に進み、ここではワイヤレス動力レシーバクライアント400は「デッド」から起動する。本技術の文脈において、「デッド」とは、完全に空乏した充電状態にあり、WPTで集中型動力供給サイクルを開始するのに十分な周囲エネルギーを収集することができるWPRCを指す。次に、プロセス700は動作706からロジック分岐708に進み、ここでクリアチャネル評価(CCA)が実行されて、RF媒体がアイドルであるかどうかが決定される。チャネルがクリアでない場合、プロセス700は動作710に進む。動作710において、ワイヤレス動力レシーバクライアント400は時間量=tbackoffの間待機し、次いでロジック分岐708にループバックする。しかしながら、ロジック分岐708において、チャネルがクリアであるとワイヤレス動力レシーバクライアント400が決定した場合、プロセス700は動作712に進む。
【0082】
動作712において、ワイヤレス動力レシーバクライアント400は、ショートTBおよび位相ビーコンをワイヤレス動力伝送機に送信する。次に、動作714において、ワイヤレス動力レシーバクライアント400は、ワイヤレス動力伝送機からの到来RFエネルギーを監視する。動作714から、プロセス700はロジック分岐716に進み、ここでワイヤレス動力レシーバクライアント400は、RF動力が受け取られたかどうかを決定する。RF動力が受け取られていないと決定された場合、プロセス700はロジック分岐718に進み、ここでワイヤレス動力レシーバクライアントは、ビーコン信号を送信するのに十分なエネルギー貯蔵が存在するかどうかを決定する。ビーコンに十分なエネルギーがエネルギー貯蔵装置415に存在する場合、プロセス700は動作720に進む。動作720において、ワイヤレス動力レシーバクライアント400は時間量=tbackoffの間待機し、次いでプロセス700は、ロジック分岐708にループバックする。しかしながら、ロジック分岐718において、ビーコン送信に十分なエネルギーがエネルギー貯蔵装置415に存在しないとワイヤレス動力レシーバクライアント400が決定した場合、プロセス700は動作722に進み、ワイヤレス動力レシーバクライアント400を「デッド」状態に戻す。動作722から、プロセス700は、動作704にループバックする。
【0083】
ロジック分岐716において、RF動力が受け取られたとワイヤレス動力レシーバクライアント400が決定した場合、プロセス700はロジック分岐724に進む。ロジック分岐724において、ワイヤレス動力レシーバクライアント400は、tSignalDiscoveryに等しい時間量=tpowerが経過したかどうかを決定する。その時間量が経過した場合、プロセス700はロジック分岐726に進み、ここでCCAが実行されてRF媒体がアイドルであるかどうかが決定される。チャネルがクリアでない場合、プロセス700は動作728に進む。動作728において、ワイヤレス動力レシーバクライアント400は、時間量=tbackoffの間待機する。その後、プロセス700は、ロジック分岐726にループバックする。
【0084】
しかしながら、ロジック分岐726において、CCAの結果が、チャネルがクリアであるというものである場合、プロセス700は動作730に進む。動作730において、ワイヤレス動力レシーバクライアント400は、ロングTBおよび位相ビーコンをワイヤレス動力伝送機に送信する。動作730から、プロセス700は動作732に進み、ここでワイヤレス動力レシーバクライアント400はRF動力を受け取る。動作732から、プロセス700はロジック分岐734に進み、ここでワイヤレス動力レシーバクライアント400は、さらなる動力を必要とするかどうかを決定する。同様に、プロセス700はロジック分岐734に進み、ロジック分岐724において、ワイヤレス動力レシーバクライアント400は、tSignalDiscoveryに等しい時間量=tpowerが経過していないかどうかを決定する。ロジック分岐734において、ワイヤレス動力レシーバクライアント400がより多くの動力を必要としないと決定した場合、プロセスは動作736に進む。動作736において、ワイヤレス動力レシーバクライアント400は、時間量=tsleepの間、ディープスリープ状態に入る。プロセス700はその後、ロジック分岐734にループバックする。しかしながら、ロジック分岐734において、ワイヤレス動力レシーバクライアント400がさらなる動力を必要とすると決定した場合、プロセス700はロジック分岐708にループバックする。
【0085】
図8は、一部の実施形態による、モバイル(またはスマート)電話またはタブレット・コンピュータ・デバイスの形態の、ワイヤレス動力レシーバまたはクライアントを有する代表的なモバイルデバイスまたはタブレットコンピュータ800の例示的な構成要素を示すブロック図を示す。様々なインターフェースおよびモジュールが図8を参照して示されているが、モバイルデバイスまたはタブレットコンピュータは、本明細書に記載の機能を実行するためのモジュールまたは機能のすべてを必要とするわけではない。多くの実施形態では、カテゴリコントローラの動作には様々な構成要素が含まれず、および/または必要ではないことが理解される。例えば、GPSワイヤレス機、セルラワイヤレス機、および加速度計などの構成要素は、コストおよび/または複雑さを低減するためにコントローラに含まれなくてもよい。さらに、ZIGBEE(登録商標)ワイヤレス機およびRFIDトランシーバなどの構成要素は、アンテナと共に、プリント回路基板(PCB)に実装することができる。
【0086】
ワイヤレス動力レシーバクライアントは、図1の動力レシーバクライアント103または図4Aのワイヤレス動力レシーバクライアント400とすることができるが、代替の構成も可能である。さらに、ワイヤレス動力レシーバクライアントは、例えば図1の充電器101などの充電器から動力および/またはデータ信号を受信するための1つ以上のRFアンテナを含むことができる。
【0087】
図9は、本明細書で論じられる方法論のいずれか1つ以上を機械に実行させるための命令のセットが実行され得るコンピュータシステム900の、例示的な形態の機械の図式表現を示す。
【0088】
図9の例では、コンピュータシステムは、プロセッサ、メモリ、不揮発性メモリ、およびインターフェースデバイスを含む。説明を簡単にするために、様々な共通の構成要素(例えば、キャッシュメモリ)は省略されている。コンピュータシステム900は、図1または図4Aの例に示された構成要素のいずれか(および本明細書に記載された任意の他の構成要素)を実装することができるハードウェアデバイスを示すことを意図している。例えば、コンピュータシステムは、任意の放射オブジェクトまたはアンテナアレイシステムとすることができる。コンピュータシステムは、任意の適用可能な既知のまたは便利なタイプのものとすることができる。コンピュータシステムの構成要素は、バスを介して、または何らかの他の既知のまたは便利なデバイスを介して互いに結合することができる。
【0089】
プロセッサは、例えば、INTEL PENTIUM(登録商標)マイクロプロセッサまたはMOTOROLA POWER PCマイクロプロセッサなどの従来のマイクロプロセッサであってもよい。当業者は、「機械可読(記憶)媒体」または「コンピュータ可読(記憶)媒体」という用語が、プロセッサによってアクセス可能な任意のタイプのデバイスを含むことを認識するであろう。一部の実施形態では、これらの記憶媒体は、開示された技術(例えば、制御ロジック410、動力管理モジュール445、システム472)の1つ以上のプロセッサによって実行されると、ワイヤレス動力レシーバクライアント400に本明細書で開示された様々なアルゴリズムおよび方法の実行を実施、実行、または他の方法で促進させるプログラム命令(例えば、ソフトウェアまたはファームウェアとして)を記憶することができる非一時的コンピュータ可読媒体で具現化される。
【0090】
メモリは、例えばバスによってプロセッサに結合される。メモリは、限定ではなく例として、ダイナミックRAM(DRAM)およびスタティックRAM(SRAM)などのランダムアクセスメモリ(RAM)を含むことができる。メモリは、ローカル、リモート、または分散型とすることができる。
【0091】
バスはまた、プロセッサを不揮発性メモリおよびドライブユニットに結合する。不揮発性メモリは、多くの場合、磁気フロッピーもしくはハードディスク、磁気光学ディスク、光ディスク、CD-ROM、EPROMもしくはEEPROMなどの読み出し専用メモリ(ROM)、磁気カードもしくは光カード、または大量のデータ用の別の形式の記憶装置である。このデータの一部は、コンピュータ900内のソフトウェアの実行中に、直接メモリアクセスプロセスによってメモリに書き込まれることが多い。不揮発性記憶装置は、ローカル、リモート、または分散型とすることができる。不揮発性メモリは、メモリ内で利用可能なすべての適用可能なデータを用いてシステムを作成できるため、任意選択である。典型的なコンピュータシステムは、通常、少なくともプロセッサと、メモリと、メモリをプロセッサに結合するデバイス(例えば、バス)とを含む。
【0092】
ソフトウェアは、通常、不揮発性メモリおよび/またはドライブユニットに格納される。実際、大規模なプログラムでは、プログラム全体をメモリに格納することさえできない場合がある。それにもかかわらず、ソフトウェアが実行されるために、必要に応じて、ソフトウェアは処理に適したコンピュータ可読位置に移動され、例示目的のために、その位置は本文書ではメモリと呼ばれることを理解されたい。ソフトウェアが実行のためにメモリに移動される場合であっても、プロセッサは、通常、ソフトウェアに関連する値を記憶するためにハードウェアレジスタと、理想的には実行を高速化するように機能するローカルキャッシュとを利用する。本明細書で使用される場合、ソフトウェアプログラムは、ソフトウェアプログラムが「コンピュータ可読媒体に実装されている」と呼ばれる場合、(不揮発性記憶装置からハードウェアレジスタまでの)任意の既知のまたは便利な場所に記憶されると想定される。プロセッサは、プログラムに関連する少なくとも1つの値がプロセッサによって読み取り可能なレジスタに格納されている場合、「プログラムを実行するように構成されている」と見なされる。
【0093】
バスはまた、プロセッサをネットワークインターフェースデバイスに結合する。インターフェースは、モデムまたはネットワークインターフェースのうちの1つ以上を含むことができる。モデムまたはネットワークインターフェースは、コンピュータシステムの一部であると見なされ得ることが理解されよう。インターフェースは、アナログモデム、ISDNモデム、ケーブルモデム、トークンリングインターフェース、衛星伝送インターフェース(例えば、「ダイレクトPC」)、またはコンピュータシステムを他のコンピュータシステムに結合するための他のインターフェースを含むことができる。インターフェースは、1つ以上の入力および/または出力(I/O)デバイスを含むことができる。I/Oデバイスは、限定ではなく例として、キーボード、マウスまたは他のポインティングデバイス、ディスクドライブ、プリンタ、スキャナ、ならびにディスプレイ装置を含む他の入力および/または出力デバイスを含むことができる。ディスプレイ装置は、限定ではなく例として、陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、または他の適用可能な既知のまたは便利なディスプレイ装置を含むことができる。簡単にするために、図9の例に示されていない任意のデバイスのコントローラがインターフェース内に存在すると仮定する。
【0094】
動作中、コンピュータシステム900は、ディスクオペレーティングシステムなどのファイル管理システムを含むオペレーティングシステムソフトウェアによって制御することができる。関連するファイル管理システムソフトウェアを有するオペレーティングシステムソフトウェアの一例は、ワシントン州レドモンド所在のマイクロソフト社のWINDOWS(登録商標)として知られているオペレーティングシステムのファミリおよびそれらに関連するファイル管理システムである。関連するファイル管理システムソフトウェアを有するオペレーティングシステムソフトウェアの別の例は、LINUXオペレーティングシステムおよび関連するファイル管理システムである。ファイル管理システムは、通常、不揮発性メモリおよび/またはドライブユニットに格納され、プロセッサに、オペレーティングシステムがデータを入出力し、不揮発性メモリおよび/またはドライブユニットにファイルを格納することを含む、メモリにデータを格納するために必要な様々な動作を実行させる。
【0095】
詳細な説明の一部の部分は、コンピュータメモリ内のデータビットに対する操作のアルゴリズムおよび記号表現に関して提示され得る。これらのアルゴリズムの説明と表現は、データ処理技術の当業者が他の当業者に自らの仕事の内容を最も効果的に伝えるために使用する手段である。アルゴリズムは、ここではおよび一般に、望ましい結果につながる自己矛盾のない一連の操作であると考えられている。操作は、物理量の物理的な操作を必要とする操作である。通常、必ずというわけではないが、これらの量は、格納、転送、結合、比較、その他の操作が可能な電気信号または磁気信号の形式をとる。これらの信号をビット、値、要素、記号、文字、用語、数値などと呼ぶことは、主に慣用の理由から、時には便利であることが証明されている。
【0096】
ただし、これらの用語および類似の用語はすべて適切な物理量に関連付けられ、これらの量に適用される便利なラベルにすぎないことを覚えておく必要がある。特に明記しない限り、以下の説明から明らかなように、説明全体を通して、「処理」または「コンピュータ処理」または「計算」または「決定」または「表示」などの用語を使用する説明は、コンピュータシステムのレジスタおよびメモリ内の物理(電子)量として表されるデータを操作および変換して、コンピュータシステムのメモリまたはレジスタまたは他のそのような情報記憶、伝達または表示デバイス内の物理量として同様に表される他のデータに操作および変換する、コンピュータシステムまたは類似の電子計算デバイスの操作および処理を指すことが理解される。
【0097】
本明細書に提示されるアルゴリズムおよび表示は、特定のコンピュータまたは他の装置に本質的に関連するものではない。様々な汎用システムを、本明細書の教示に従ってプログラムと共に使用することができ、または一部の実施形態の方法を実行するためにより専門的な装置を構築することが好都合であることが判明する場合がある。これらのさまざまなシステムに必要な構造は、以下の説明から明らかになる。さらに、技法は、特定のプログラミング言語を参照して説明されておらず、したがって、様々な実施形態は、様々なプログラミング言語を使用して実装され得る。
【0098】
代替の実施形態では、機械は、スタンドアロンデバイスとして動作するか、または他の機械に接続(例えば、ネットワーク化)されてもよい。ネットワーク化された展開では、機械は、クライアントサーバネットワーク環境のサーバまたはクライアント機械の能力で、またはピアツーピア(または分散)ネットワーク環境のピア機械として動作する。
【0099】
機械は、サーバコンピュータ、クライアントコンピュータ、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、ラップトップコンピュータ、セットトップボックス(STB)、携帯情報端末(PDA)、携帯電話、iPHONE、BLACKBERRY(登録商標)、プロセッサ、電話、Web器具、ネットワークルータ、スイッチまたはブリッジ、またはその機械が実行する動作を指定する一連の命令(順次またはその他)を実行できる機械であり得る。
【0100】
機械可読媒体または機械可読記憶媒体は、例示的な実施形態では単一の媒体であると示されているが、「機械可読媒体」および「機械可読記憶媒体」という用語は、1つ以上の命令セットを格納する単一の媒体または複数の媒体(例えば、集中型または分散型データベース、および/または関連するキャッシュおよびサーバ)を含むと解釈されるべきである。「機械可読媒体」および「機械可読記憶媒体」という用語はまた、機械による実行のための一連の命令を記憶、符号化、または運ぶことができ、機械に現在開示されている技術および革新の方法論の任意の1つ以上実行を行わせる任意の媒体を含むと解釈されるべきである。
【0101】
一般に、本開示の実施形態を実装するために実行されるルーチンは、オペレーティングシステムの一部、または「コンピュータプログラム」と呼ばれる特定のアプリケーション、構成要素、プログラム、オブジェクト、モジュール、または一連の命令として実装され得る。コンピュータプログラムは通常、コンピュータのさまざまなメモリおよびストレージデバイスにさまざまな時点で設定された1つ以上の命令を含み、コンピュータの1つ以上の処理ユニットまたはプロセッサによって読み取られて実行されると、コンピュータに本開示のさまざまな態様を含む要素を実行するための動作を実行させる。
【0102】
さらに、実施形態は、完全に機能するコンピュータおよびコンピュータシステムの文脈で説明されたが、当業者は、様々な実施形態が様々な形態のプログラム製品として配布可能であり、実際に配布が効果をあげるために使用される特定のタイプの機械またはコンピュータ可読媒体に関係なく本開示が等しく適用されることを理解するであろう。
【0103】
機械可読記憶媒体、機械可読媒体、またはコンピュータ可読(記憶)媒体のその他の例には、とりわけ、揮発性および不揮発性メモリデバイス、フロッピーおよびその他のリムーバブルディスク、ハードディスクドライブ、光ディスク(例えば、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)など)、デジタルおよびアナログ通信リンクなどの送信タイプの媒体などの記録可能なタイプの媒体が含まれるが、これらに限定されない。
【0104】
文脈が明らかにそうでないことを必要としない限り、説明および特許請求の範囲を通して、「備える」、「含む」などの語は、排他的または網羅的な意味ではなく、包括的意味で解釈されるべきであり、つまり、「含むがそれに限定されない」という意味である。本明細書で使用される場合、「接続された」、「結合された」という用語、またはそれらの任意の変形は、2つ以上の要素間の直接または間接のいずれかの接続または結合を意味し、要素間の接続の結合は、物理的、論理的、またはそれらの組み合わせとすることができる。さらに、「本明細書」、「上で」、「以下に」、および同様の主旨の単語は、本出願使用される場合、全体として本出願を指し、本出願の特定の部分を指すものではない。文脈が許す場合、単数または複数の数を使用する上記の詳細な説明の単語は、それぞれ複数または単数も含むことができる。2つ以上の項目のリストを参照する「または」という単語は、この単語の解釈である、リスト内の項目のいずれか、リスト内のすべての項目、およびリスト内の項目の組み合わせ、のすべてを網羅している。
【0105】
本開示の実施形態の上記の詳細な説明は、網羅的であること、または教示を上記に開示されたとおりの形態に限定することを意図していない。本開示の特定の実施形態および例が例示の目的で上に説明されているが、当業者が認識するように、本開示の範囲内で様々な同等の修正が可能である。例えば、プロセスまたはブロックが所定の順序で提示されているが、別の実施形態では、ステップを含むルーチンを実行したり、ブロックを含むシステムを異なる順序で使用したり、一部のプロセスまたはブロックを、代替または部分的組み合わせを提供するために、削除、移動、追加、再分割、結合、および/または変更してもよい。これらの各プロセスまたはブロックは、さまざまな方法で実装できる。また、プロセスまたはブロックは、時々、連続して実行されるように示されているが、これらのプロセスまたはブロックは、代わりに並行して実行されてもよく、または異なる時間に実行されてもよい。さらに、本明細書に記載されている特定の数値は単なる例であり、代替の実装では異なる値または範囲を使用することができる。
【0106】
本明細書で提供される開示の教示は、必ずしも上記のシステムではない他のシステムに適用することができる。上記の様々な実施形態の要素および動作は、さらなる実施形態を提供するために組み合わせることができる。
【0107】
添付の出願書類にリストされている可能性があるものを含め、上記のすべての特許および出願、ならびにその他の参考文献は、参照により本明細書に組み込まれる。本開示の態様は、本開示のなお一層の実施形態を提供するために、上で説明された様々な参考文献のシステム、機能、および概念を使用するために、必要に応じて修正され得る。
【0108】
上記の詳細な説明に照らして、これらおよび他の変更を本開示に加えることができる。上記の説明は、本開示の特定の実施形態を説明し、企図される最良のモードを説明しているが、上記がテキストにどれほど詳細に現れていても、教示は多くの方法で実施され得る。システムの詳細は、その実装の詳細はかなり異なる場合があるが、本明細書に開示されている主題によって依然として包含されている。上記のように、本開示の特定の特徴または態様を説明するときに使用される特定の用語は、その専門用語が本明細書で再定義されて、その用語が関連付けられている本開示の特定の特性、特徴、または態様に限定されることを意味するものと解釈してはならない。一般に、以下の請求項で使用される用語は、上記の詳細な説明セクションがそのような用語を明示的に定義しない限り、本開示を明細書に開示された特定の実施形態に限定すると解釈されるべきではない。したがって、本開示の実際の範囲は、開示された実施形態だけでなく、特許請求の範囲の下で本開示を実施または実装するすべての同等の方法も包含する。
【0109】
本開示の特定の態様は、特定の請求形態で以下に提示されるが、発明者は、任意の数の請求形態での本開示の様々な態様を企図する。例えば、本開示の1つの側面のみが米国特許法第112条fの下でミーンズプラスファンクションクレームとして記載されていても、他の側面も同様にミーンズプラスファンクションクレームとして、またはコンピュータ可読媒体で具体化されるような他の形態で具体化されてもよい。(米国特許法第112条第fの下で扱われることを意図したすべてのクレームは、「手段」という言葉で始まる。)したがって、出願人は、本出願の提出後に、開示の他の側面についてそのような追加の請求形態を追求するために、追加の請求を追加する権利を留保する。
【0110】
本明細書で提供される詳細な説明は、必ずしも上記のシステムだけではなく、他のシステムに適用されてもよい。上述のさまざまな例の要素および動作は、本発明のさらなる実装を提供するために組み合わせることができる。本発明のいくつかの代替の実装は、上記の実装への追加の要素を含むだけでなく、より少ない要素を含んでもよい。上記の詳細な説明に照らして、これらおよび他の変更を本発明に加えることができる。上記の説明は本発明の特定の例を定義し、企図される最良の形態を説明しているが、上記がテキストにどれほど詳細に現れていても、本発明は多くの方法で実施することができる。システムの詳細は、その特定の実装においてかなり異なる場合があるが、本明細書に開示されている本発明によって依然として包含されている。上記のように、本発明の特定の特徴または態様を説明するときに使用される特定の用語は、その専門用語が本明細書で再定義されて、その用語が関連付けられている本発明の特定の特性、特徴、または態様に限定されることを意味するものと解釈してはならない。一般に、以下の請求項で使用される用語は、上記の詳細な説明セクションがそのような用語を明示的に定義しない限り、本発明を明細書に開示された特定の例に限定すると解釈されるべきではない。したがって、本発明の実際の範囲は、開示された例だけでなく、本発明を実施または実装するすべての同等の方法も包含する。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9