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特許7087228教育用電子カルテシステム及び教育用電子カルテプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-13
(45)【発行日】2022-06-21
(54)【発明の名称】教育用電子カルテシステム及び教育用電子カルテプログラム
(51)【国際特許分類】
   G09B 19/00 20060101AFI20220614BHJP
   G16H 10/60 20180101ALI20220614BHJP
【FI】
G09B19/00 Z
G16H10/60
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021163078
(22)【出願日】2021-10-01
【審査請求日】2021-10-05
(31)【優先権主張番号】P 2021040537
(32)【優先日】2021-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520208937
【氏名又は名称】株式会社Medi-LX
(74)【代理人】
【識別番号】100130580
【弁理士】
【氏名又は名称】小山 靖
(72)【発明者】
【氏名】池辺 諒
【審査官】安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-124979(JP,A)
【文献】特開2015-219247(JP,A)
【文献】特開2019-191727(JP,A)
【文献】宇野文夫,新たな看護基礎教育教材としての電子カルテ教育システムの開発,新見公立短期大学紀要,新見公立短期大学,2009年12月25日,第30巻,pp.37-44
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 19/00
G09B 5/00-5/14
G16H 10/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
学習者端末と、管理者端末と、前記学習者端末及び前記管理者端末にネットワークを介して接続された教育用電子カルテサーバと、のみを備える教育用電子カルテシステムに於いて、
前記教育用電子カルテサーバは、
表計算ソフトウェアのデータ形式で記述されたデータファイルであって擬患者情報を含むものを、前記管理者端末からの要求に応じて取得するデータファイル取得部と、
前記データファイル取得部で取得された前記データファイルの前記模擬患者情報、及び少なくとも前記模擬患者情報に対応付けられ、かつ、仮想的に定められた患者のベッドマップ情報を格納する記憶部と、
前記学習者端末に表示させる患者カルテ情報の表示条件の設定、及び前記患者カルテ情報に含まれる任意の情報の表示又は非表示の変更を行う表示条件設定部と、
前記表示条件設定部により設定又は変更された表示条件に基づき、前記記憶部に格納された前記模擬患者情報及び前記患者のベッドマップ情報を呼び出し、さらに呼び出された前記模擬患者情報に基づき、前記学習者端末に表示させる患者カルテ情報であって、前記患者のベッドマップ情報を含む患者カルテ情報を生成する患者カルテ情報生成部と、を備え
前記患者カルテ情報生成部は、
前記ベッドマップ情報を前記学習者端末又は前記管理者端末に表示させ、表示された前記ベッドマップ情報の中から任意に選択された場合に、選択されたものの模擬患者に関する電子カルテを前記学習者端末又は前記管理者端末に表示させるものである教育用電子カルテシステム。
【請求項2】
前記記憶部に格納されている前記模擬患者情報は、当該模擬患者情報に含まれる任意の情報に対応付けられ、かつ、仮想的に定められた日時情報を含むものであり、
前記表示条件設定部は、前記日時情報に含まれる日時とは異なる日時を設定し、
前記患者カルテ情報生成部は、前記表示条件設定部により設定された日時に基づき、前記学習者端末に表示させる患者カルテ情報を生成する請求項に記載の教育用電子カルテシステム。
【請求項3】
前記患者カルテ情報生成部により生成される前記患者カルテ情報の編集を行う患者カルテ情報編集部をさらに備え、
前記患者カルテ情報編集部は、当該患者カルテ情報編集部により編集された新たな患者カルテ情報に基づき、前記記憶部に格納されている前記模擬患者情報を更新する請求項1又は2に記載の教育用電子カルテシステム。
【請求項4】
学習者端末及び管理者端末にネットワークを介して接続された教育用電子カルテサーバに処理を実行させる、コンピュータ読み取り可能な教育用電子カルテプログラムに於いて、
表計算ソフトウェアのデータ形式で記述されたデータファイルであって擬患者情報を含むものを、前記管理者端末からの要求に応じて取得する処理と、
取得した前記模擬患者情報、及び少なくとも前記模擬患者情報に対応付けられ、かつ、仮想的に定められた患者のベッドマップ情報を、前記教育用電子カルテサーバの記憶部に格納する処理と、
前記学習者端末に表示させる患者カルテ情報の表示条件を設定し、又は前記患者カルテ情報に含まれる任意の情報の表示若しくは非表示を変更する処理と、
設定又は変更された前記表示条件に基づき、前記記憶部に格納された前記模擬患者情報及び前記患者のベッドマップ情報を呼び出し、さらに呼び出された前記模擬患者情報に基づき、前記学習者端末に表示させる患者カルテ情報であって、前記患者のベッドマップ情報を含む患者カルテ情報を生成する処理と、
前記ベッドマップ情報を前記学習者端末又は前記管理者端末に表示させ、表示された前記ベッドマップ情報の中から任意に選択された場合に、選択されたものの模擬患者に関する電子カルテを前記学習者端末又は前記管理者端末に表示させる処理と、を実行させる教育用電子カルテプログラム。
【請求項5】
前記記憶部に格納されている前記模擬患者情報は、当該模擬患者情報に含まれる情報に対応付けられ、かつ、仮想的に定められた日時情報を含むものであり、
前記日時情報に含まれる日時とは異なる日時を設定する処理と、
設定された日時に基づき、前記学習者端末に表示させる前記患者カルテ情報を生成する処理と、を実行させる請求項に記載の教育用電子カルテプログラム。
【請求項6】
生成された前記患者カルテ情報を編集し、編集された新たな患者カルテ情報に基づき、前記記憶部に格納されている模擬患者情報を更新する処理をさらに実行させる請求項4又は5に記載の教育用電子カルテプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、医療従事者等に対する電子カルテを用いた教育及び訓練を可能にする教育用電子カルテシステム及び教育用電子カルテプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
医療現場を取り巻く環境や、医療の高度化・複雑化、患者ニーズの多様化、及び高度情報化が進む中で、医療の教育機関に対しては高度な医療実践能力の育成が求められている。例えば、看護学生等に対しては、電子カルテ等を用いて情報収集を行い、収集した情報に基づき患者の状況を的確に把握・分析し、看護計画の立案を行うなど、適切な看護を実践できる能力が求められている。このような実践能力の教育及び訓練には実践事例学習が有効であり、看護教育では学内での学習活動に加え、臨地実習等の学外活動もカリキュラムの中に組み込まれている。
【0003】
しかし良質な教材は少なく、また従来の教育用電子カルテは、看護学生等に電子カルテの操作を体験させることを目的としたものにすぎない。また、医療シミュレーションや看護学習システムの活用も考えられるが、これらは特定のある段階での情報収集から看護行為の実施までを学習することができるものの、実際の医療現場で用いられる臨床のカルテのように多くの情報量を含むものではない。そのため、看護計画の立案など、十分な実践能力の教育及び訓練を行うことは困難である(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-219247号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は前記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、学習者の多様なニーズや、高度かつ複雑な医療情報に対応し、実際の医療現場で用いられる電子カルテと同等以上の情報量を有する患者カルテ情報を用いることを可能にし、これにより医療従事者等の学習者に対し効果的な教育及び訓練を可能にする教育用電子カルテシステム及び教育用電子カルテプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の教育用電子カルテシステムは、前記の課題を解決するために、学習者端末と、前記学習者端末にネットワークを介して接続された教育用電子カルテサーバと、を少なくとも備える教育用電子カルテシステムに於いて、前記教育用電子カルテサーバは、任意のソフトウェアのデータ形式で記述されたデータファイルであって、模擬患者情報を含むものを取得するデータファイル取得部と、前記データファイル取得部で取得された前記データファイルの前記模擬患者情報を格納する記憶部と、前記記憶部から前記模擬患者情報を呼び出し、前記学習者端末に表示させる患者カルテ情報を、前記模擬患者情報に基づき生成する患者カルテ情報生成部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
前記の構成によれば、教育用電子カルテサーバ(以下、「電子カルテサーバ」という場合がある。)は、任意のソフトウェアのデータ形式で記述されたデータファイルを、データファイル取得部により外部から取り込み、記憶部により当該データファイルに含まれる模擬患者情報を格納することができる。また、電子カルテサーバは、患者カルテ情報生成部により、記憶部に格納された模擬患者情報に基づき、学習者端末に表示させる患者カルテ情報を生成することができる。そのため、前記構成では、学習者の多様なニーズや、高度かつ複雑な医療情報に対応させ、実際の医療現場で用いられる電子カルテと同等以上の情報量を備えた患者カルテ情報を用いることを可能にし、これにより学習者に対して効果的な教育及び訓練を可能にする。
【0008】
前記の構成に於いては、前記学習者端末に表示させる前記患者カルテ情報の表示条件を設定する表示条件設定部をさらに備え、前記患者カルテ情報生成部は、前記表示条件設定部により設定された表示条件に適合する模擬患者情報を前記記憶部から呼び出し、呼び出された前記模擬患者情報に基づき前記患者カルテ情報を生成するようにしてもよい。
【0009】
前記の構成によれば、例えば、学習させたい内容や学習者の学習到達度、学習者のニーズ等に応じて、表示させる患者カルテ情報を変更することが可能になる。その結果、学習者に対し、より一層効果的な教育及び訓練を施すことが可能になる。
【0010】
さらに前記の構成に於いて、前記記憶部に格納されている前記模擬患者情報は、当該模擬患者情報に含まれる任意の情報に対応付けられ、かつ、仮想的に定められた日時情報を含むものであり、前記表示条件設定部は、前記日時情報に含まれる日時とは異なる日時を設定し、前記患者カルテ情報生成部は、前記表示条件設定部により設定された日時に基づき、前記学習者端末に表示させる患者カルテ情報を生成するようにしてもよい。
【0011】
前記の構成によれば、表示条件設定部が、模擬患者情報に含まれる日時情報の日時とは異なる新たな日時を設定することで、患者カルテ情報生成部に対し、新たに設定された日時に基づき患者カルテ情報を生成させることができる。これにより、学習者端末に表示させる患者カルテ情報の表示日時を、学習者の実習・演習開始日時に合わせることが可能になる。また、臨地実習のような時間経過を再現して、学習者をより効果的に教育及び訓練することができる。
【0012】
また前記の構成に於いて、前記記憶部には、少なくとも前記模擬患者情報に対応付けられ、かつ、仮想的に定められた患者の配置場所に関する情報が格納されており、前記患者カルテ情報生成部は、前記表示条件設定部により設定された表示条件に基づき前記記憶部に格納された前記患者の配置場所に関する情報及び前記模擬患者情報を呼び出して、前記患者の配置場所に関する情報を含む患者カルテ情報を生成するようにしてもよい。
【0013】
前記の構成によれば、表示条件設定部により設定された条件に基づき、患者の配置場所に関する情報(例えば、病棟、病室及び病床等の患者配置情報)を含む患者カルテ情報を生成させることができる。
【0014】
また前記の構成に於いては、前記患者カルテ情報生成部により生成される前記患者カルテ情報の編集を行う患者カルテ情報編集部をさらに備え、前記患者カルテ情報編集部は、当該患者カルテ情報編集部により編集された新たな患者カルテ情報に基づき、前記記憶部に格納されている前記模擬患者情報を更新するようにしてもよい。
【0015】
前記の構成によれば、データファイルの取得により取り込まれた模擬患者情報に基づき生成された患者カルテ情報を自由に編集することが可能になり、様々な症例等に応じた演習及び実習を可能にするなど、医療従事者等に対する教育及び訓練の自由度を向上させることができる。
【0016】
また、本発明の教育用電子カルテプログラムは、前記の課題を解決するために、学習者端末にネットワークを介して接続された教育用電子カルテサーバに処理を実行させる、コンピュータ読み取り可能な教育用電子カルテプログラムに於いて、任意のソフトウェアのデータ形式で記述されたデータファイルであって、模擬患者情報を含むものを取得する処理と、取得した前記模擬患者情報を、前記教育用電子カルテサーバの記憶部に格納する処理と、前記記憶部から前記模擬患者情報を呼び出し、前記学習者端末に表示させる患者カルテ情報を前記模擬患者情報に基づき生成する処理と、を実行させることを特徴とする。
【0017】
前記の構成によれば、教育用電子カルテプログラム(以下、「電子カルテプログラム」という場合がある。)は、任意のソフトウェアのデータ形式で記述されたデータファイルを外部から取り込み、当該データファイルに含まれる模擬患者情報を記憶部に格納する処理を実行させる。また、電子カルテプログラムは、記憶部に格納された模擬患者情報に基づき、学習者端末に表示させる患者カルテ情報を生成する処理を実行させる。そのため、前記構成の電子カルテプログラムであると、実際の医療現場で用いられる電子カルテと同等以上の情報量を備えた模擬患者情報を用いて、学習者に対し看護計画及び行動計画の立案等の十分な教育及び訓練の実施を可能にする。
【0018】
前記の構成に於いては、前記学習者端末に表示させる前記患者カルテ情報の表示条件を設定する処理と、設定された前記表示条件に適合する模擬患者情報を前記記憶部から呼び出し、呼び出された前記模擬患者情報に基づき前記患者カルテ情報を生成する処理と、を実行させるようにしてもよい。
【0019】
前記の構成によれば、例えば、学習させたい内容や学習者の学習到達度、学習者のニーズ等に応じて、表示させる患者カルテ情報を変更することが可能になる。その結果、学習者に対し、より一層効果的な教育及び訓練を施すことが可能になる。
【0020】
前記の構成に於いては、前記記憶部に格納されている前記模擬患者情報は、当該模擬患者情報に含まれる情報に対応付けられ、かつ、仮想的に定められた日時情報を含むものであり、前記日時情報に含まれる日時とは異なる日時を設定する処理と、設定された日時に基づき、前記学習者端末に表示させる前記患者カルテ情報を生成する処理と、を実行させるようにしてもよい。
【0021】
前記の構成によれば、模擬患者情報に含まれる日時情報の日時とは異なる新たな日時を設定することで、新たに設定された日時に基づき患者カルテ情報を生成させることができる。これにより、学習者端末に表示させる患者カルテ情報の表示日時を、学習者の実習・演習開始日時に合わせることが可能になる。また、臨地実習のような時間経過を再現して、学習者をより効果的に教育及び訓練することができる。
【0022】
また前記の構成に於いて、前記記憶部には、少なくとも前記模擬患者情報に対応付けられ、かつ、仮想的に定められた患者の配置場所に関する情報が格納されており、設定された前記表示条件に基づき、前記患者の配置場所に関する情報及び前記模擬患者情報を前記記憶部から呼び出して、前記患者の配置場所に関する情報を含む患者カルテ情報を生成する処理を実行させるようにしてもよい。
【0023】
前記の構成によれば、表示条件に基づき患者の配置場所に関する情報(例えば、病棟、病室及び病床等の患者配置情報)を含む患者カルテ情報を生成させることができる。
【0024】
また前記の構成に於いては、生成された前記患者カルテ情報を編集し、編集された新たな患者カルテ情報に基づき、前記記憶部に格納されている模擬患者情報を更新する処理をさらに実行させるようにしてもよい。
【0025】
前記の構成によれば、データファイルの取得により取り込まれた模擬患者情報に基づき生成された患者カルテ情報を自由に編集することが可能になり、様々な症例等に応じた演習及び実習を可能にするなど、医療従事者等に対する教育及び訓練の自由度を向上させることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、学習者の多様なニーズや、高度かつ複雑な医療情報に対応させ、実際の医療現場で用いられる電子カルテと同等以上の情報量を備えた模擬患者情報を用いることを可能にする。これにより、例えば、臨地実習等に於いて、実習施設等の代替が困難な場合にも、学習者に対して効果的な教育及び訓練を施し、必要な知識及び技能を修得することが可能な教育用電子カルテシステム及び教育用電子カルテプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の実施の形態に係る教育用電子カルテシステムの構成の一例を示す概念図である。
図2】本発明の実施の形態に係る電子カルテサーバのハードウェア構成を表すブロック図である。
図3】本発明の実施の形態に係る学習者端末のハードウェア構成を表すブロック図である。
図4】本発明の実施の形態に係る電子カルテサーバの機能構成の一例を示すブロック図である。
図5】本発明の実施の形態に係る教育用電子カルテシステムを用いた初期登録処理の流れを示すフローチャートである。
図6】登録済み管理者の管理者端末に表示させる管理者画面ページを示す説明図である。
図7】同図(a)は、データファイルのアップロード受付画面ページを示す説明図であり、同図(b)はアップロード後のアップロード完了画面ページを示す説明図である。
図8】同図(a)は、模擬患者情報の複製処理を行う模擬患者情報複製画面ページを示す説明図であり、同図(b)は模擬患者情報の複製完了画面ページを示す説明図である。
図9】本発明の実施の形態に係る教育用電子カルテシステムを用いた学習者の登録処理の流れを示すフローチャートである。
図10】同図(a)は学習者の登録受付ページを示す説明図であり、同図(b)は登録済みの学習者を示す登録済み学習者管理ページを示す説明図である。
図11】本発明の実施の形態に係る教育用電子カルテシステムを用いた管理者による模擬患者の設定処理の流れを示すフローチャートである。
図12】登録済みの学習者に表示させる模擬患者の設定を行うための模擬患者設定ページを示す説明図である。
図13】本発明の実施の形態に係る教育用電子カルテシステムを用いた模擬患者の病棟等の設定処理の流れを示すフローチャートである。
図14】選択された模擬患者情報の設定を行うための模擬患者情報設定ページを示す説明図である。
図15】病棟内の患者配置場所に関する情報を表示したベッドマップ表示ページを示す説明図である。
図16】本発明の実施の形態に係る教育用電子カルテシステムを用いた患者カルテ情報の日時表示の設定処理の流れを示すフローチャートである。
図17】患者カルテ情報の日時表示を変更するための日時表示設定ページを示す説明図である。
図18】本発明の実施の形態に係る教育用電子カルテシステムを用いた検査のオーダー歴表示の設定処理の流れを示すフローチャートである。
図19】同図(a)は検査のオーダー歴に関する情報を登録するための検査オーダー歴情報登録ページを示す説明図であり、同図(b)は各種の検査結果を記載した画像データを表示するウェブページを示す説明図である。
図20】学習者端末に表示される電子カルテ表示ページを示す説明図である。
図21】本発明の実施の形態に係る教育用電子カルテシステムを用いた管理者端末による患者カルテ情報の表示条件の変更処理の流れを示すフローチャートである。
図22】管理者端末に表示される電子カルテ編集ページを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(教育用電子カルテシステム)
本発明の実施の形態に係る教育用電子カルテシステム(以下、「電子カルテシステム」という場合がある。)及び教育用電子カルテプログラム(以下、「電子カルテプログラム」という場合がある。)について、図を参照しながら以下に説明する。
【0029】
[教育用電子カルテシステムの全体構成]
本実施の形態の電子カルテシステムは、図1に示すように、ネットワーク20を介して、教育用電子カルテサーバ(以下、「電子カルテサーバ」という。)10、学習者が使用する学習者端末30及び管理者が使用する管理者端末40が相互に通信可能に接続されて構成されている。図1は、本実施の形態に係る教育用電子カルテシステムの構成の一例を示す概念図である。
【0030】
電子カルテサーバ10は、例えば、ワークステーションやパーソナルコンピュータ、その他のコンピュータ装置に於いて、電子カルテプログラムが実行されることで実現される。電子カルテサーバ10は、模擬患者情報を記憶し、模擬患者情報に基づき生成される患者カルテ情報を学習者端末30に表示させ、これにより学習者に対して、教育用電子カルテを用いた教育及び訓練を可能にするものである(模擬患者情報及び患者カルテ情報の詳細については、後述する。)。
【0031】
電子カルテサーバ10のハードウェア構成は、具体的には例えば、次の通りである。すなわち、電子カルテサーバ10は、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、通信制御インターフェース14、記憶装置15及び入力操作部16を少なくとも備える。図2は、電子カルテサーバ10のハードウェア構成を表すブロック図である。
【0032】
CPU11は、電子カルテサーバ10の全体を制御するために各種演算処理等を行う。より具体的には、CPU11は、ROM12から電子カルテプログラムを読み出し、RAM13を作業領域に用いて実行することで、電子カルテサーバ10の各構成要素の動作を制御する。ROM12は、読み出し専用のメモリであって、例えば電子カルテサーバ10の起動時にCPU11に実行させる初期プログラムなどを格納する。RAM13は、書き込み可能な揮発性のメモリであって、実行中のプログラムやデータ等を一時的に格納する。通信制御インターフェース14は、外部へのデータ送信の制御や外部からのデータ受信の制御を行う。電子カルテサーバ10は、通信制御インターフェース14を介してネットワーク20と通信可能に接続される。記憶装置15は、例えば、磁気ディスク装置等からなり、電子カルテサーバ10の電源がオフにされても保持されるべき各種プログラム・各種データを格納する。入力操作部16は、具体的には、キーボードやマウス等であって、管理者等による入力操作を受け付ける。
【0033】
ネットワーク20は、インターネットや専用回線、WAN(Wide Area Network)、電灯線ネットワーク、無線ネットワーク、公衆回線網、携帯電話網などの種々のものを用いることにより実現される。さらに、ネットワーク20はVPN(Virtual Private Network)など仮想専用ネットワーク技術を用いることで、セキュリティ性を向上させたインターネット通信を確立するようにしてもよい。
【0034】
学習者端末30は、携帯電話、スマートフォン、PHS(Personal Handy-phone System)及びPDA(Personal Digital Assistant)等の携帯端末装置、並びにデスクトップ型又はノート型のパーソナルコンピュータ等の情報処理装置等により実現される。本実施の形態の電子カルテシステムに於いて、学習者端末30は少なくとも1台あればよく、複数台でもよい。学習者端末30には、本実施の形態の電子カルテシステムを実現するために、インターネットブラウザ等が搭載されていることが好ましい。
【0035】
学習者端末30のハードウェア構成は、具体的には、例えば、次の通りである。すなわち、学習者端末30は、図3に示すように、CPU31、ROM32、RAM33、表示部34、入力部35及び通信制御インターフェース36を少なくとも備える。図3は、学習者端末30のハードウェア構成を表すブロック図である。
【0036】
CPU31は、学習者端末30の全体を制御するために各種演算処理等を行う。より具体的には、CPU31は、ROM32からコンピュータプログラムを読み出し、RAM33を作業領域に用いて実行することで、学習者端末30の各構成要素の動作を制御する。ROM32は、書き込み可能な不揮発性のメモリであって、学習者端末30の電源がオフにされても保持されるべき各種プログラム・各種データを格納することができる。RAM33は、書き込み可能な揮発性のメモリであって、実行中のプログラムやデータ等を一時的に格納することができる。表示部34は、例えば、液晶又は有機EL(Electro Luminescence)等から構成されるディスプレイ、モニタ、又はタッチパネル等により実現される。通信制御インターフェース36は、学習者端末30の外部へのデータ送信の制御や外部からのデータ受信の制御を行う。学習者端末30は、通信制御インターフェース36を介してネットワーク20と通信可能に接続される。
【0037】
管理者端末40は、携帯電話、スマートフォン、PHS及びPDA等の携帯端末装置、並びにデスクトップ型又はノート型のパーソナルコンピュータ等の情報処理装置等により実現される。また管理者端末40は、学習者端末30と同様、CPU、ROM、RAM、表示部、入力部及び通信制御インターフェースを少なくとも備えたハードウェア構成を採用することができる。従って、管理者端末40のハードウェア構成の詳細については、その説明を省略する。
【0038】
[教育用電子カルテサーバ]
次に、電子カルテサーバ10の機能構成について、図4に基づき説明する。図4は、電子カルテサーバ10の機能構成の一例を示すブロック図である。同図に示すように、電子カルテサーバ10は、機能概念的にはサーバ制御部101、サーバ記憶部(記憶部)102及びインターフェース部103を少なくとも備える。
【0039】
サーバ制御部101は、OS等の制御プログラムや、各種の処理手順等を規定したプログラム、及び所要データを格納するための内部メモリを有する。サーバ制御部101は、これらのプログラム等により、種々の処理を実行するための情報処理を行う。サーバ制御部101は、機能概念的には登録受付部111、データファイル取得部112、患者カルテ情報生成部113、表示条件設定部114、受信部115、送信部116、画像データ処理部117、データファイル編集部118及び患者カルテ情報編集部119を少なくとも備える。
【0040】
登録受付部111は、管理者端末40からの管理者の新規登録や登録事項の変更を受け付ける手段である。また、管理者端末40からの学習者の登録及び設定を受け付ける手段である。
【0041】
データファイル取得部112は、例えば、ネットワーク20を介して、FTP(File Transfer Protocol)等のプロトコルで模擬患者情報を含むデータファイルを取得する手段である。また、データファイル取得部112は、取り込んだデータファイルを後述の模擬患者情報データベース121に保存させる。データファイル取得部112により模擬患者情報を含むデータファイルを電子カルテサーバ10に取り込むようにすることで、学習者の多様なニーズに柔軟に対応することが可能になる。また、高度かつ複雑な医療情報にも対応させることができ、実際の医療現場で用いられる電子カルテと同等以上の情報量を有する模擬患者情報を、電子カルテサーバ10に実装させることができる。
【0042】
模擬患者情報は、例えば、模擬患者番号;入院情報;模擬患者番号、入院前ADL(日常生活動作)、生活様式、健康管理情報、在宅支援情報、意思・意思決定支援、病名情報、既往歴、患者状態情報、患者家族情報、患者職業情報、患者障害情報、患者アレルギー情報、患者感染症情報、月経歴、妊娠分娩歴等の患者基本情報;診療科情報;診療録(経過)情報;看護実施情報;看護問題情報;注射オーダー情報;内服オーダー情報;一般指示情報;検体検査結果情報;手術オーダー情報;透析オーダー情報;リハビリオーダー情報;看護支援情報等を含むものを意味する。尚、模擬患者番号とは、模擬患者情報に含まれる模擬患者毎に対応させて付与された識別子であり、例えば、数字、文字、記号又はこれらの組合せからなる。また模擬患者番号は、データファイル取得部112が取り込んだ模擬患者情報に含まれていない場合には、データファイル取得部112がデータファイルを取り込む際に、模擬患者情報に含まれる各模擬患者に対応させて付与されたものである。
【0043】
また、模擬患者情報は、仮想的に定められた日時情報を含むものが好ましい。日時情報は、過去、現在及び未来に於ける模擬患者の入院日時、退院日時等に関する情報を意味する。また、日時情報は、模擬患者情報に含まれる情報に対応付けられるものが好ましい。模擬患者情報に含まれる情報とは、前述の入院情報等を意味する。
【0044】
データファイルは、任意のソフトウェアのデータ形式で記述されたものである。ソフトウェアとしては特に限定されず、例えば、表計算ソフトウェア等が挙げられる。さらに、表計算ソフトウェアとしては、例えば、Excel(登録商標)等を用いることができる。データ形式についても特に限定されず、例えば、CSV(comma-separated value)形式等のテキストファイルが挙げられる。
【0045】
データファイルを、管理者が日常的に利用している表計算ソフトウェアで作成可能にすることで、データ形式の標準化、可読性及び保守性を向上させることができる。また、表計算ソフトウェアで定義される計算式や変数を使用することもできるので、RPA(Robotic Process Automation)ソフトウェアでデータファイルを作成する場合と比べ、簡易にデータファイルの作成が可能になる。また、表計算ソフトウェアのコピー機能を使用することにより、類似のデータファイルを簡易に作成することも可能である。
【0046】
患者カルテ情報生成部113は、サーバ記憶部102に格納されている模擬患者情報を読み出し、この模擬患者情報に基づき患者カルテ情報を生成する。また、患者カルテ情報生成部113は、後述の表示条件設定部114により設定された表示条件に適合する模擬患者情報をサーバ記憶部102から読み出し、この模擬患者情報に基づいて患者カルテ情報を生成する。さらに、表示条件設定部114が、患者模擬情報に含まれる日時情報の日時とは異なる日時を表示条件として設定する場合、患者カルテ情報生成部113は、この新たな日時を表示日時として患者カルテ情報を生成する。また、患者カルテ情報生成部113は、生成した患者カルテ情報を学習者情報と対応付けて模擬患者情報データベース121に保存させる。
【0047】
患者カルテ情報は、例えば、患者の配置場所に関する情報(例えば、一般病棟や療養病棟等の病棟、病室(番号)、病床(番号)(ベッド番号)等に関する情報。以下、「患者配置情報」という場合がある。)、患者基礎情報(例えば、氏名、年齢、住所、保険の種別、血液型、障害、病名、既往歴等に関する情報)、診療録(経過)に関する情報(例えば、医師の所見、看護記録、診察記事、安楽障害等に関する情報)、検温表に関する情報、内服に関する情報、注射に関する情報、一般指示に関する情報、検査結果に関する情報(例えば、血液検査、血液ガス検査、病理検査、X線・CT・MR・内視鏡等の画像検査、心電図検査、脳波検査、超音波検査、血管造影検査等)、検査のオーダー歴に関する情報、看護支援(看護計画)に関する情報(例えば、模擬患者の食事量、主食・副食・間食の食事摂取割合、食欲等に関する情報)、文書情報(例えば、手術・麻酔・処置・検査に関する同意書、模擬患者の家族関係を表す家族図等)等を含むものを意味する。また、模擬患者情報に前述の日時情報が含まれる場合、患者カルテ情報は当該日時情報を含んでもよい。
【0048】
表示条件設定部114は、学習者端末30に表示させる患者カルテ情報の表示条件の設定及び変更を行う。これにより、管理者は学習者端末30に表示させる患者カルテ情報の内容を自由に設定及び変更することができ、本実施の形態の電子カルテシステムを、演習又は実習の設計に自由に適合させることができる。例えば、模擬患者の種類を設定することで、学習者に対し、様々な症例等に応じた演習及び実習を可能にする。尚、表示条件設定部14による表示条件の変更とは、患者カルテ情報に含まれる任意の情報の表示又は非表示の変更を意味する。従って、患者カルテ情報自体を変更し編集することを意味するものではない。
【0049】
また、模擬患者の入院日や退院日を設定することで、学習者の実習・演習開始日時に合わせた実習及び演習が可能になる。ここで、入院日及び退院日の設定は、模擬患者情報に含まれる仮想的に定められた日時情報の日時とは異なる日時であってもよい。さらに、模擬患者の入院経過日時を設定することで、患者カルテ情報の経時的な表示が可能になる。これにより、学習者に対しては、時間の経過と共に患者カルテ情報が追加されていくように見せることができる。また、患者カルテ情報の表示終了日時を設定することで、学習者の学習進度に応じた患者カルテ情報の表示が可能になる。
【0050】
受信部115及び送信部116は、学習者端末30及び管理者端末40から送信される種々の情報を受信する手段である。
【0051】
送信部116は、学習者端末30及び管理者端末40からの要求に応じ、サーバ記憶部102に格納されている種々の情報、例えば、模擬患者情報や学習者情報、管理者情報等を送信する手段である。
【0052】
画像データ処理部117は、管理者端末40からの画像データのアップロードを可能にする手段である。より具体的には、管理者端末40から送信される、検査結果等を記載した画像データを受信し、当該画像データを模擬患者情報に対応付けして模擬患者情報データベース121に格納する。また、画像データ処理部117は、アップロードされた画像データを表示するウェブページを生成し、当該ウェブページを学習者端末30及び/又は管理者端末40に表示させる。
【0053】
データファイル編集部118は、データファイル取得部112により取り込まれたデータファイルの編集を行う手段である。データファイル編集部118は、具体的には、取り込んだデータファイルに於ける模擬患者情報の少なくとも一部を複製することができる。また、データファイル編集部118は看護支援(看護計画)に関する情報及び各種検査の検査基準値等の検査結果に関する情報を学習者端末30に表示させるか否かについても編集し設定することができる。
【0054】
患者カルテ情報編集部119は、管理者端末40からの患者カルテ情報の編集を行う手段である。これにより、演習又は実習の進捗や学習者の学習の程度等に応じて、学習者端末30に表示させる患者カルテ情報の内容を自由に編集することができる。患者カルテ情報編集部119が編集可能な情報は患者カルテ情報であれば特に限定されず、任意に設定することができる。但し、患者カルテ情報編集部119は、患者カルテ情報として表示されている情報を修正する手段であり、患者カルテ情報として表示されていない情報の追加、表示項目の追加及び削除、並びに日時情報の変更を行うことはできない。
【0055】
サーバ記憶部102は、例えば、その内部に複数の記憶領域が定義されており、模擬患者情報データベース121、学習者情報データベース122及び管理者情報データベース123を少なくとも備える。このサーバ記憶部102としては、保存用のデータやプログラムを記憶するためのハードディスク等の記憶媒体を使用することができる。
【0056】
模擬患者情報データベース121は、データファイル取得部112により取り込まれた模擬患者情報(模擬患者番号を含む。)を格納する。また、仮想的に設定された患者配置情報を格納する。仮想的に設定された患者配置情報には、前述の通り、例えば、一般病棟や療養病棟等の病棟、病室(番号)、病床(番号)(ベッド番号)等が含まれる。また、患者配置情報は模擬患者情報と対応付けられて模擬患者情報データベース121に格納される。さらに、管理者端末40からアップロードされ、画像データ処理部117により取り込まれた文書情報の画像データも格納する。尚、模擬患者情報には、データファイル取得部112により取り込まれた情報の他に、管理者端末40等により直接入力された模擬患者情報が含まれていてもよい。
【0057】
学習者情報データベース122は、学習者の学習者情報を格納する。学習者情報には、例えば、学習者のアカウント情報、より具体的には、学習者の氏名又は名称、学習者の住所等の所在地を示す所在地情報、学習者端末30が電子カルテサーバ10に接続するための接続用パスワード、学習者のメールアドレス、及び支払いに関する情報(例えば、クレジットカード情報等)等が含まれる。また、学習者情報には、学習者端末30を識別するための端末識別子が含まれていてもよい。端末識別子としては特に限定されず、例えば、数字、文字、記号又はこれらの組合せを識別子として使用することができる。
【0058】
管理者情報データベース123は、管理者の管理者情報を格納する。管理者情報には、例えば、管理者のアカウント情報、より具体的には、管理者の氏名又は名称、管理者の住所等の所在地を示す所在地情報、管理者端末40が電子カルテサーバ10に接続するための接続用パスワード、学習者のメールアドレス、及び支払いに関する情報(例えば、クレジットカード情報等)等が含まれる。また、管理者情報には、管理者端末40を識別するための端末識別子、及び管理者が所属する施設を識別するための施設識別子が含まれていてもよい。端末識別子及び施設識別子としては特に限定されず、例えば、数字、文字、記号又はこれらの組合せを識別子として使用することができる。
【0059】
インターフェース部103は、ウェブページの生成による入出力を可能にするものであり、当該ウェブページをネットワーク20上で転送し、ウェブブラウザで学習者端末30及び管理者端末40に表示させる。より詳細には、CGI(Common Gateway Interface)スクリプトによって実現される。CGIとは、クライアントのブラウザから送信される要求に対してWWWサーバ側で対応するプログラム、すなわちCGIスクリプトを起動し、このプログラムで得た結果をクライアント側に返送するインターフェースである。CGIスクリプトはメモリ203に格納されている。インターネットに接続された電子カルテサーバ10から学習者端末30や管理者端末40へのHTML文書の伝送に際しては、プロトコルとしてHTTP(Hypertext Transport Protocol)が採用される。
【0060】
(教育用電子カルテシステムの動作)
次に、本実施の形態の電子カルテシステムの動作について図を参照しつつ説明する。尚、電子カルテシステムに於ける各種の動作は、電子カルテサーバ10のサーバ記憶部102が、サーバ制御部101の登録受付部111等の各構成部の機能を実現すべく備える電子カルテプログラムによって実現される。そして、この電子カルテプログラムは、以下に説明される各種の動作を行うためのコードから構成されており、各構成部の機能を実装したものとなる。
【0061】
[初期登録処理]
先ず、管理者による初期登録処理について、図5に基づき説明する。図5は、管理者による初期登録処理の流れを示すフローチャートである。同図に示すように、管理者は、本実施の形態の電子カルテシステムを利用するため、先ず管理者端末40からネットワーク20を介して電子カルテサーバ10にアクセスし初期登録を行う。管理者が管理者端末40からネットワーク20を介して電子カルテサーバ10へアクセスすると(S101)、電子カルテサーバ10の登録受付部111は、電子カルテサービスを提供するホームページを表示するためのHTML文書のデータを、管理者端末40に送信する。これにより、管理者端末40のディスプレイ等には、管理者用の新規登録ページが表示される。
【0062】
管理者は、管理者の新規登録ページに於いて、管理者端末40に備えられているキーボードやマウス等の入力手段を用いて、管理者情報に関する事項の入力を行う(S102)。また、管理者の新規登録ページには、例えば、管理者端末40からの入力事項に関する確認画面を表示させる機能が付加されていてもよい。これにより、入力後、登録受付部111は管理者端末40に入力事項の確認画面を送信することができる(S103)。管理者が入力事項を確認し、その結果、入力漏れや誤記等がなければ、送信ボタンを選択することにより、管理者情報が電子カルテサーバ10に送信される。受信部115が管理者情報を受信すると、登録受付部111は新規登録の管理者情報を受け付け、管理者情報に管理者識別子を付与した上で、管理者情報データベース123に管理者情報を保存させる(S104)。
【0063】
[データファイルの取込み処理]
次に、管理者端末40によるデータファイルの取込み処理について、図6及び図7に基づき説明する。図6は、登録済み管理者の管理者端末40に表示させる管理者画面ページ209を示す説明図である。図7(a)は、データファイルのアップロード受付画面ページを示す説明図であり、同図(b)はアップロード後のアップロード完了画面ページを示す説明図である。
【0064】
データファイルの取込み処理は、模擬患者情報を電子カルテサーバ10の模擬患者情報データベース121に格納させるための処理である。これにより、学習者端末30に表示させる患者カルテ情報の生成を可能にする。
【0065】
先ず、管理者が管理者端末40からネットワーク20を介して電子カルテサーバ10へアクセスすると、電子カルテサーバ10の登録受付部111は、管理者端末40のディスプレイ等に登録済みの管理者のログインページを表示させる。管理者が、管理者のログインページに於いて、管理者端末40に備えられているキーボードやマウス等の入力手段を用いて、接続用パスワード、管理者識別子及び施設識別子の入力を行うと、図6に示す様な管理者画面ページ209が表示される。
【0066】
管理者画面ページ209は、例えば、ベッドマップ表示ページ、学習者管理ページ(学習者の登録受付ページ、模擬患者設定ページ等)、模擬患者情報設定ページ、データファイルのアップロード受付画面ページ213及び模擬患者情報編集ページ214により構成される。尚、管理者画面ページ209には、機能等に応じてさらに他のページが追加されていてもよい。
【0067】
管理者端末40に於いて、管理者画面ページ209の患者データ取込ボタン301が選択されると、データファイル取得部112はデータファイルのアップロード要求を受け付ける。さらに、データファイル取得部112は、図7(a)に示すように、アップロード受付画面213を管理者端末40に表示させる。続いて、管理者端末40でデータファイルを電子カルテサーバ10にアップロードする。電子カルテサーバ10が管理者端末40からデータファイルを受信すると、データファイル取得部112は模擬患者情報データベース121にデータファイルを保存させる。さらに、データファイル取得部112は、図7(b)に示すように、データファイルの取り込みが成功したことを表示するアップロード完了画面214を管理者端末40に表示させる。ここで、データファイルに各模擬患者に対応させた模擬患者番号が含まれていない場合、データファイル取得部112は模擬患者番号を模擬患者に対応させて付与する。以上により、電子カルテサーバ10によるデータファイルの取り込み処理が終了する。
【0068】
[データファイルの編集処理]
次に、データファイルの編集処理について、図8に基づき説明する。図8(a)は、模擬患者情報の複製処理を行う模擬患者情報複製画面ページを示す説明図であり、同図(b)は模擬患者情報の複製完了画面ページを示す説明図である。
【0069】
模擬患者情報データベース121に格納された模擬患者情報のデータファイルは、データファイル編集部118により編集することができる。具体的には、模擬患者情報の複製処理を行うことができる。
【0070】
模擬患者情報の複製処理は、模擬患者情報データベース121に格納されている模擬患者情報の少なくとも1つを複製するための処理である。より具体的には、以下の様に実行される。すなわち、先ず、管理者端末40に於いて、管理者画面ページ209に於ける模擬患者コピーボタン302が選択されると、データファイル編集部118は模擬患者情報の複製要求を受け付ける。さらに、データファイル編集部118は、図8(a)に示すように、模擬患者情報複製画面ページ215を管理者端末40に表示させる。模擬患者情報複製画面ページ215には、模擬患者情報データベース121に格納されている模擬患者情報のリストが表示されており、管理者端末40の入力手段により複製対象となる模擬患者情報の選択を可能にしている。
【0071】
続いて、管理者端末40の入力手段により、複製したい模擬患者情報を少なくとも1つ選択し、「チェックしたデータをコピー」を選択する。これにより、データファイル編集部118は、選択された模擬患者情報の複製要求を受付け、新たに模擬患者番号を付与した上で模擬患者情報を複製し、模擬患者情報データベース121に保存させる。模擬患者情報データベース121に新たな模擬患者情報が格納されると、データファイル編集部118は、新たな模擬患者情報のリストを表示する模擬患者情報複製完了画面ページ216を管理者端末40に表示させる。この模擬患者情報複製完了画面ページ216には、複製され、かつ新たに模擬患者番号が付与された模擬患者情報も表示される。以上により、模擬患者情報の複製処理が終了する。
【0072】
[学習者の登録処理]
次に、管理者による学習者の登録処理について、図9図10(a)及び図10(b)に基づき説明する。図9は、管理者端末40による学習者の登録処理の流れを示すフローチャートである。図10(a)は、学習者の登録受付ページ200を示す説明図であり、同図(b)は登録済みの学習者を示す学習者管理ページを示す説明図である。
【0073】
図9に示すように、管理者が管理者端末40からネットワーク20を介して電子カルテサーバ10へアクセスして、管理者画面ページ209の学生ID管理画面ボタン304を選択すると、登録受付部111は学習者の登録要求を受け付ける(S201)。続いて、登録受付部111は、学習者の登録受付ページ200を表示するためのHTML文書のデータを、管理者端末40に送信する。これにより、管理者端末40のディスプレイ等には、学習者の登録受付ページ200が表示される。尚、学習者の登録受付ページ200は、機能等に応じてさらに他のページが追加されていてもよい。
【0074】
管理者は、図10(a)に示すように、学習者の登録受付ページ200に於いて、管理者端末40に備えられているキーボードやマウス等の入力手段を用いて、学習者情報に関する事項の入力を行う(S202)。学習者情報に関する事項としては、例えば、学習者のアカウント名、及び学習者端末30から電子カルテサーバ10に接続するための接続用パスワード等が挙げられる。
【0075】
学習者情報が電子カルテサーバ10に送信され受信部115がこれを受信すると、登録受付部111は学習者情報を受け付け、学習者識別子を付与した上で、学習者情報データベース122に学習者識別子を含む学習者情報を保存させる(S203)。さらに、学習者情報が学習者情報データベース122に格納されると、登録受付部111は、図10(b)に示すように、新規学習者の登録事項を示す学習者管理ページ201を管理者端末40に送信する。以上により、学習者の登録処理が終了する。
【0076】
[患者カルテ情報の表示条件の設定処理]
管理者による患者カルテ情報の表示条件の設定処理について説明する。
先ず、模擬患者の設定処理について、図11及び図12に基づき説明する。図11は、管理者による模擬患者の設定処理の流れを示すフローチャートである。図12は、登録済みの学習者に表示させる模擬患者の設定を行うための模擬患者設定ページ202を示す説明図である。
【0077】
模擬患者の設定処理は、登録済みの学習者に対し、どの模擬患者情報を患者カルテ情報として表示させるのかを設定するための処理である。すなわち、表示条件設定部114は、管理者端末40からの模擬患者の設定要求を受け付けると、模擬患者の設定を行うための模擬患者設定ページ202を管理者端末40に表示させる(S301、図12参照)。さらに、模擬患者情報データベース121に格納されている模擬患者情報を呼び出し、選択させる模擬患者候補を模擬患者設定ページ202に表示させる。
【0078】
模擬患者設定ページ202が管理者端末40に表示されると、管理者は当該模擬患者設定ページ202に表示されている模擬患者候補の中から、管理者端末40に備えられているキーボードやマウス等の入力手段を用いて模擬患者の選択を行う(S302)。模擬患者の選択は少なくとも1つ行うことができる。模擬患者の選択が行われ、模擬患者設定ページ202に表示されている更新ボタンが選択されると、表示条件設定部114は、模擬患者の選択を受け付け、選択された模擬患者の模擬患者情報を学習者情報に対応付けて模擬患者情報データベース121に保存させる(S303)。以上により、模擬患者の設定処理が終了する。
【0079】
次に、選択した模擬患者の病棟等の設定処理について、図13及び図14に基づき説明する。図13は、選択された模擬患者の病棟等の設定処理の流れを示すフローチャートである。図14は、選択された模擬患者情報の設定を行うための模擬患者情報設定ページ203を示す説明図である。
【0080】
病棟の設定処理は、選択された模擬患者をどの病棟に入院させるか、仮想的に設定するための処理である。すなわち、管理者が管理者端末40からネットワーク20を介して電子カルテサーバ10へアクセスし、管理者端末40に於いて管理者画面ページ209の患者情報設定画面ボタン303が選択されると、表示条件設定部114は模擬患者情報の設定要求を受け付ける。さらに、表示条件設定部114は、病棟設定を行うための模擬患者情報設定ページ203を管理者端末40に表示させる(S401、図13参照)。
【0081】
模擬患者情報設定ページ203が管理者端末40に表示されると、管理者は当該模擬患者情報設定ページ203に於いて、管理者端末40に備えられているキーボードやマウス等の入力手段を用いて、仮想的に設定された病棟等の設定を模擬患者毎に行う(S402)。病棟等の設定は、例えば、図14に示すように、入院病床階数及び入院病床(病床(ベッド)番号又は病室番号)を設定することにより行う。選択された模擬患者毎に病棟の選択が行われ、模擬患者情報設定ページ203に表示されている更新ボタンを選択すると、表示条件設定部114は病棟の選択を受け付ける。さらに、表示条件設定部114は、患者配置情報として、選択された模擬患者の模擬患者情報と共に、学習者情報に対応付けて模擬患者情報データベース121に保存させる(S403)。
【0082】
患者配置情報が模擬患者情報データベース121に格納されると、患者カルテ情報生成部113は、患者配置情報と、当該患者配置情報が対応付けられている模擬患者情報及び学習者情報とに基づき、ベッドマップ表示ページ204を学習者端末30や管理者端末40に表示する(図15参照)。このベッドマップ表示ページ204には、図15に示すように、ベッドマップ情報が表示される。ここで、ベッドマップ情報とは、仮想的な病棟内に於ける模擬患者の配置場所を表す情報を意味する。また、ベッドマップ表示ページ204は、学習者端末30に表示させるようにしてもよい。以上により、模擬患者の病棟等の設定処理が終了する。尚、図15は、病棟内の患者配置場所に関する情報を表示したベッドマップ表示ページ204を示す説明図である。
【0083】
続いて、患者カルテ情報の日時表示の設定処理について、図16及び図17に基づき説明する。図16は、患者カルテ情報の日時表示の設定処理の流れを示すフローチャートである。図17(a)及び図17(b)は、患者カルテ情報の日時表示を変更するための日時表示設定ページ205を示す説明図である。
【0084】
患者カルテ情報の日時表示の設定処理は、模擬患者の入院日を仮想的に変更し設定するための処理である。すなわち、図16に示すように、管理者端末40がネットワーク20を介して電子カルテサーバ10にアクセスすると、表示条件設定部114は、選択された模擬患者の模擬患者情報に於ける日時表示の変更設定を行うための日時表示設定ページ205を管理者端末40に表示させる(S501)。
【0085】
変更設定前の日時表示設定ページ205では、図17(a)に示すように、模擬患者の入院日時及び退院日時は、模擬患者情報に含まれる初期の日時情報に基づき表示されている。そして、模擬患者の入院日時及び退院日時を、例えば、学習者の実習開始年月日に対応させて変更する場合には、管理者端末40に備えられているキーボードやマウス等の入力手段を用いて、入院開始日欄及び/又は表示終了日欄に新しい年月日を入力する(S502)。尚、本実施の形態では、表示終了日欄は年月日の他、時間まで設定することができる(図17(b)参照)。表示終了日を時刻まで設定可能にすることで、例えば、学習者の実習中に、時間経過と共にリアルタイムで患者カルテ情報の更新を可能とし、実習・演習効果の一層の向上が図れる。
【0086】
入院開始日欄及び/又は表示終了日欄に新しい年月日が入力され、日時表示設定ページ205に表示されている更新ボタンが選択されると、表示条件設定部114は日時情報の変更要求を受け付ける。さらに、表示条件設定部114は、学習者端末30に表示させる日時情報として、選択された模擬患者の模擬患者情報と共に、学習者情報に対応付けて模擬患者情報データベース121に保存させる(S503)。以上により、患者カルテ情報の日時表示の設定処理が終了する。
【0087】
次に、検査のオーダー歴表示の設定処理について、図18及び図19に基づき説明する。図15は、検査のオーダー歴表示の設定処理の流れを示すフローチャートである。図18(a)は検査のオーダー歴に関する情報(以下、「検査オーダー歴情報」という。)を登録するための検査オーダー歴情報登録ページ206を示す説明図であり、同図(b)は各種の検査結果を記載した画像データを表示する文書情報表示ページ207を示す説明図である。
【0088】
図19に示すように、管理者端末40がネットワーク20を介して電子カルテサーバ10にアクセスすると、表示条件設定部114は、検査のオーダー歴表示の設定を行うための検査オーダー歴情報登録ページ206を管理者端末40に表示させる(S601)。
【0089】
検査オーダー歴情報登録ページ206では、図19(a)に示すように、超音波検査等の検査種別、検査をオーダーしたオーダー日、検査のオーダー時間、及び検査を依頼した依頼診療科等の検査オーダー歴情報を、管理者端末40に備えられているキーボードやマウス等の入力手段を用いて入力する(S602)。
【0090】
検査オーダー歴情報が入力され、検査オーダー歴情報登録ページ206に表示されている更新ボタンを選択すると、表示条件設定部114は検査オーダー歴情報の設定を受け付ける。さらに、表示条件設定部114は、学習者端末30に表示させる検査オーダー歴情報として、選択された模擬患者の模擬患者情報と共に、学習者情報に対応付けて模擬患者情報データベース121に保存させる(S603)。以上により、検査のオーダー歴表示の設定処理が終了する。
【0091】
尚、検査オーダー歴情報登録ページ206では、各種の検査結果を記載した画像データを電子カルテサーバ10にアップロードすることもできる。すなわち、管理者端末40から画像データを受信すると、画像データ処理部117は当該画像データを模擬患者情報に対応付けして、模擬患者情報データベース121に保存させる。さらに、画像データ処理部117はアップロードされた画像データを表示する文書情報表示ページ207を生成し、管理者端末40に表示させる。
【0092】
また、管理者による患者カルテ情報の表示条件の設定処理に於いては、文書情報(例えば、手術・麻酔・処置・検査に関する同意書、模擬患者の家族関係を表す家族図等)を表示させるようにしてもよい。この場合、文書情報を画像データとして電子カルテサーバ10にアップロードする。すなわち、管理者端末40から画像データを受信すると、画像データ処理部117は当該画像データを模擬患者情報に対応付けして、模擬患者情報データベース121に保存させる。さらに、画像データ処理部117はアップロードされた画像データを表示するウェブページを生成し、管理者端末40に表示させる。模擬患者情報データベース121に格納された文書情報は、表示条件設定部114により、学習者端末30に表示させる文書情報として、選択された模擬患者の模擬患者情報と共に、学習者情報に対応付けて模擬患者情報データベース121に保存される。
【0093】
さらに、管理者による患者カルテ情報の表示条件の設定処理に於いては、看護計画の表示又は非表示、及び検査基準値の表示又は非表示を設定することもできる。ここで、検査基準値とは、血液検査等の各種検査に於ける基準値を意味する。これらの設定は、図14に示す模擬患者情報設定ページ203に於いて、看護計画の表示/非表示、及び検査基準値の表示/非表示を設定することにより行う。
【0094】
選択された模擬患者毎に看護計画及び検査基準値の表示又は非表示の選択が行われ、模擬患者情報設定ページ203に表示されている更新ボタンを選択すると、表示条件設定部114は看護計画及び検査基準値の表示又は非表示の選択を受け付ける。さらに、表示条件設定部114はそれぞれ、看護支援(看護計画)に関する情報及び検査結果に関する情報(以下、「看護支援情報等」という。)として、選択された模擬患者の模擬患者情報と共に、学習者情報に対応付けて模擬患者情報データベース121に保存させる。
【0095】
看護支援情報等が模擬患者情報データベース121に格納されると、患者カルテ情報生成部113は、看護支援情報等と、当該看護支援情報等が対応付けられている模擬患者情報及び学習者情報とに基づき、電子カルテ表示ページを管理者端末40に表示させる。
【0096】
以上のようにして、管理者による患者カルテ情報の表示条件の設定処理を終えると、電子カルテサーバ10は、管理者が設定した表示条件に基づいて、図20に示す様な電子カルテ表示ページ208を学習者の学習者端末30に表示させることができる。すなわち、学習者が学習者端末30によりネットワーク20を介して電子カルテサーバ10にアクセスすると、患者カルテ情報生成部113は、表示条件設定部114が設定・変更した表示条件に適合する模擬患者情報を模擬患者情報データベース121から呼び出し、患者カルテ情報として生成する。さらに、生成した患者カルテ情報が記載された電子カルテ表示ページ208を、学習者端末30のディスプレイ等の表示部34に表示させることができる。電子カルテ表示ページ208では、患者基礎情報の他、診療録(経過表)、検温表、内服(指示)、注射(指示)、一般指示、検査結果、オーダー歴、看護支援、及び手術同意書等の各種文書やレポートの閲覧が可能となっている。また、学習者には、ベッドマップ表示ページ204の閲覧も可能となっている。尚、図20は、学習者端末30に表示される電子カルテ表示ページ208を示す説明図である。
【0097】
[患者カルテ情報の表示内容の編集処理]
次に、管理者による患者カルテ情報の表示条件の編集処理について、図21及び図22に基づき説明する。図21は、本実施の形態に係る教育用電子カルテシステムを用いた管理者端末による患者カルテ情報の表示内容の編集処理の流れを示すフローチャートである。図22は、管理者端末40に表示される電子カルテ編集ページ211を示す説明図である。
【0098】
患者カルテ情報の表示内容の編集処理は、学習者端末30に表示させる患者カルテ情報の表示内容を管理者が編集するための処理である。これにより、本実施の形態では、演習又は実習の進捗や学習内容、学習者の学習の程度等に応じて、学習者端末30に表示させる患者カルテ情報の内容を自由に変更することができる。
【0099】
先ず、管理者が管理者端末40からネットワーク20を介して電子カルテサーバ10へアクセスし、管理者端末40に於いて管理者画面ページ209のベッドマップボタン305が選択されると、患者カルテ情報生成部113はベッドマップ表示ページ204を管理者端末40のディスプレイ等に表示させる(S701、図15及び図21参照)。
【0100】
ベッドマップ表示ページ204には模擬患者に関するベッドマップ情報が表示されており、ベッドマップ情報の中から任意の模擬患者を管理者端末40の入力手段を用いて選択すると、患者カルテ情報生成部113は、選択した模擬患者に関する電子カルテを表示する電子カルテ表示ページの表示要求を受け付ける。さらに、患者カルテ情報生成部113は電子カルテ表示ページを管理者端末40のディスプレイ等に表示させる(S702、図21参照)。
【0101】
続いて、管理者端末40に於いてマウス等の入力手段を用いて、電子カルテ表示ページに表示されているデータ編集モードボタン210を選択する。データ編集モードボタン210は、電子カルテ表示ページに於いて任意の表示項目を編集するための編集モードに移行させるものである。データ編集モードボタン210が選択されると、患者カルテ情報編集部119は患者カルテ情報の編集モードへの移行要求を受け付け、図22に示す電子カルテ編集ページ211を管理者端末40に表示させる(S703)。
【0102】
電子カルテ編集ページ211が管理者端末40に表示されると、管理者端末40の入力手段を用いて患者カルテ情報の編集を行うことができる(S704)。すなわち、管理者端末40により任意の患者カルテ情報が編集され更新ボタン212が選択されると、入力された新たな患者カルテ情報が電子カルテサーバ10に送信される。さらに、新たな患者カルテ情報が電子カルテサーバ10の受信部115で受信されると、患者カルテ情報編集部119は、新たな患者カルテ情報に基づき、模擬患者情報データベース121に格納されている模擬患者情報を更新して、当該模擬患者情報データベース121に再度保存させる。模擬患者情報が更新されると、患者カルテ情報生成部113は、模擬患者情報データベース121に格納されている模擬患者情報を読み出し、この模擬患者情報に基づき患者カルテ情報を生成する。あるいは、患者カルテ情報生成部113は、表示条件設定部114により設定された表示条件に適合する模擬患者情報を模擬患者情報データベース121から読み出し、この模擬患者情報に基づいて新たな患者カルテ情報を生成する。さらに、患者カルテ情報生成部113は、新たな患者カルテ情報が反映された電子カルテ表示ページを管理者端末40に表示させる(S705)。このとき管理者端末40に表示されるページは電子カルテ編集ページ211ではなく閲覧モードの電子カルテ表示ページ208である。
【0103】
以上のようにして、管理者端末40による患者カルテ情報の表示内容の編集処理を終えると、電子カルテサーバ10は、管理者端末40により変更された表示条件に基づいて変更後の電子カルテ表示ページを学習者端末30に表示させることができる。
【0104】
本実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための教育用電子カルテシステム及び教育用電子カルテプログラムを例示するものであり、本発明を当該実施の形態に特定することを意図したものではない。従って、本発明は、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態の教育用電子カルテシステム及び教育用電子カルテプログラムにも等しく適用することができる。例えば、本実施の形態で例示する教育用電子カルテシステム及び教育用電子カルテプログラムにおける学習者端末、管理者端末及び教育用電子カルテサーバの機能分散の形態は、前述の場合に限られず、同様の効果や機能を果たし得る範囲に於いて、任意の単位で機能的又は物理的に分散し、あるいは統合して構成することができる。
【符号の説明】
【0105】
10 電子カルテサーバ
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 通信制御インターフェース
15 記憶装置
16 入力操作部
20 ネットワーク
30 学習者端末
31 CPU
32 ROM
33 RAM
34 表示部
35 入力部
36 通信制御インターフェース
40 管理者端末
101 サーバ制御部
102 サーバ記憶部(記憶部)
103 ユーザーインターフェース部
111 登録受付部
112 データファイル取得部
113 患者カルテ情報生成部
114 表示条件設定部
115 受信部
116 送信部
117 画像データ処理部
118 データファイル編集部
119 患者カルテ情報編集部
121 模擬患者情報データベース
122 学習者情報データベース
123 管理者情報データベース
200 学習者の登録受付ページ
201 学習者管理ページ
202 模擬患者設定ページ
203 模擬患者情報設定ページ
204 ベッドマップ表示ページ
205 日時表示設定ページ
206 検査オーダー歴情報登録ページ
207 文書情報表示ページ
208 電子カルテ表示ページ
209 管理者画面ページ
210 データ編集モードボタン
211 電子カルテ編集ページ
212 更新ボタン
213 アップロード受付画面ページ
214 アップロード完了画面
215 模擬患者情報複製画面ページ
216 模擬患者情報複製完了画面ページ
301 患者データ取込ボタン
302 模擬患者コピーボタン
303 患者情報設定画面ボタン
304 学生ID管理画面ボタン
305 ベッドマップボタン
【要約】
【課題】学習者の多様なニーズや、高度かつ複雑な医療情報に対応し、実際の医療現場で用いられる電子カルテと同等以上の情報量を有する患者カルテ情報を用いることを可能にし、これにより医療従事者等の学習者に対し効果的な教育及び訓練を可能にする教育用電子カルテシステム及び教育用電子カルテプログラムを提供する。
【解決手段】本発明の教育用電子カルテシステムは、任意のソフトウェアのデータ形式で記述されたデータファイルであって、模擬患者情報を含むものを取得するデータファイル取得部112と、データファイル取得部112で取得されたデータファイルの模擬患者情報を格納する記憶部102と、記憶部102から模擬患者情報を呼び出し、学習者端末40に表示させる患者カルテ情報を、模擬患者情報に基づき生成する患者カルテ情報生成部113とを備える教育用電子カルテサーバ10を少なくとも有することを特徴とする。
【選択図】 図4
図1
図2
図3
図4
図5
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図20
図21
図22