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特許7087335転がり軸受装置及び軸受部の異常検出方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-13
(45)【発行日】2022-06-21
(54)【発明の名称】転がり軸受装置及び軸受部の異常検出方法
(51)【国際特許分類】
   F16C 33/66 20060101AFI20220614BHJP
   F16C 41/00 20060101ALI20220614BHJP
   F16N 29/00 20060101ALI20220614BHJP
   F16N 29/02 20060101ALI20220614BHJP
   F16N 29/04 20060101ALI20220614BHJP
【FI】
F16C33/66 Z
F16C41/00
F16N29/00 Z
F16N29/02
F16N29/04
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2017199422
(22)【出願日】2017-10-13
(65)【公開番号】P2019074113
(43)【公開日】2019-05-16
【審査請求日】2020-08-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000001247
【氏名又は名称】株式会社ジェイテクト
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】特許業務法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】東山 佳路
(72)【発明者】
【氏名】上田 裕介
(72)【発明者】
【氏名】坂▲崎▼ 司
【審査官】西藤 直人
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-153670(JP,A)
【文献】特開平07-077300(JP,A)
【文献】特開2017-180819(JP,A)
【文献】特開2008-045681(JP,A)
【文献】特開2013-104520(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 33/66
F16C 41/00
F16N 29/00-29/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内輪、外輪、及び前記内輪と前記外輪との間に設けられている複数の転動体を有する軸受部と、
前記内輪と前記外輪との間に形成されている環状空間に潤滑油を供給するポンプを有する給油ユニットと、
スイッチング素子を含む駆動回路部から出力されて前記ポンプに印加される駆動電圧を検出するための第一検出部と、
前記軸受部の回転状態を検出するための第二検出部と、
前記第一検出部の検出信号及び前記第二検出部の検出信号に基づいて前記軸受部における潤滑状態に関する判定情報を生成する処理部と、
を備え、
前記駆動回路部は、前記処理部の指令信号に基づいて前記駆動電圧を出力し、
前記処理部は、前記第一検出部の検出信号に基づいて前記ポンプの動作の適否を判定する第一機能、及び、前記第二検出部の検出信号に基づいて前記軸受部の回転状態の適否を判定する第二機能を有し、
前記処理部は、更に、前記第一機能により前記ポンプの動作が適切であり、かつ、第二機能により前記軸受部の回転状態が不適であると判定すると、前記ポンプによる給油のための指令信号を当該ポンプに出力し、所定時間経過後、少なくとも前記第二機能により前記軸受部の回転状態の適否を再判定する第三機能を有し、
前記処理部は、前記第一機能により前記ポンプの動作が不適であると判定すると、前記第三機能の処理を行わずに、前記判定情報として異常を通知するための第一異常発生情報を生成する、転がり軸受装置。
【請求項2】
前記処理部は、前記第一機能により前記ポンプの動作が適切であり、かつ、第二機能により前記軸受部の回転状態が不適であると判定すると、前記指令信号として、前記ポンプによる給油量を変化させる指令信号を当該ポンプに出力する、請求項1に記載の転がり軸受装置。
【請求項3】
前記処理部は、前記第三機能の処理を複数回について行って、前記第二機能により前記軸受部の回転状態が不適であると判定すると、前記判定情報として、異常を通知するための第二異常発生情報を生成する、請求項1又は2に記載の転がり軸受装置。
【請求項4】
前記第二検出部は、
前記軸受部の振動を検出する振動センサ、及び
前記軸受部から放射される音波を検出するアコースティックエミッションセンサ、
のうち少なくとも一方を含む、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の転がり軸受装置。
【請求項5】
内輪、外輪、及び前記内輪と前記外輪との間に設けられている複数の転動体を有し、当該内輪と当該外輪との間に形成されている環状空間に対して潤滑油がポンプにより供給される軸受部の異常を検出する方法であって、
所定の指令信号に基づいてスイッチング素子を含む駆動回路部から出力されて前記ポンプに印加される駆動電圧を検出する第一検出ステップと、
前記軸受部の回転状態を検出する第二検出ステップと、
前記第一検出ステップの検出結果及び前記第二検出ステップの検出結果に基づいて前記軸受部における潤滑状態に関する判定情報を生成する処理ステップと、
を含み、
前記処理ステップでは、前記第一検出ステップでの検出結果に基づいて前記ポンプの動作の適否を判定すると共に、前記第二検出ステップの検出結果に基づいて前記軸受部の回転状態の適否を判定し、
前記処理ステップは、前記ポンプの動作が適切であり、かつ、前記軸受部の回転状態が不適であると判定すると、前記ポンプによる給油のための指令信号を当該ポンプに出力し、所定時間経過後、少なくとも前記軸受部の回転状態の適否を再判定する再判定ステップを含み、
前記処理ステップは、前記ポンプの動作が不適であると判定すると、前記再判定ステップを行わずに、前記判定情報として異常を通知するための異常発生情報を生成するステップを含む、軸受部の異常検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、転がり軸受装置及び軸受部の異常検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、各種の工作機械では、加工効率及び生産効率の向上のために主軸の高速化が要求されている。主軸が高速で回転すると、主軸を支持する軸受部において特に潤滑性が問題となる。そこで、軸受部の軸方向隣りに給油ユニットが設けられている転がり軸受装置が提案されている(特許文献1参照)。この給油ユニットは、潤滑油を軸受部に供給するためにポンプ等を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-26157号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の給油ユニットの場合、ポンプは、潤滑油を数ピコリットル~数ナノリットルの油滴として噴出し、軸受部の転動体(玉)や転動体が転がり接触する軌道を、油滴のターゲットとしている。
【0005】
前記のような給油ユニットは、一旦、装置内部に組み込まれると、軸受部の潤滑状態を外部から把握することができない。つまり、給油ユニットのポンプが潤滑油を吐出するために適切に動作し、油滴が所望のターゲットに到達して潤滑に寄与しているか否かを判断することはできない。仮に、ポンプは正常に動作しているが、油滴がターゲットに到達していない場合、軸受部において潤滑油が不足して焼付き等の不具合が発生する可能性がある。
【0006】
そこで、本発明は、軸受部が貧潤滑状態となり、軸受部において不具合が発生するのを抑制すること目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の転がり軸受装置は、内輪、外輪、及び前記内輪と前記外輪との間に設けられている複数の転動体を有する軸受部と、前記内輪と前記外輪との間に形成されている環状空間に潤滑油を供給するポンプを有する給油ユニットと、前記ポンプの動作を検出するための第一検出部と、前記軸受部の回転状態を検出するための第二検出部と、前記第一検出部の検出信号及び前記第二検出部の検出信号に基づいて前記軸受部における潤滑状態に関する判定情報を生成する処理部と、を備え、前記処理部は、前記第一検出部の検出信号に基づいて前記ポンプの動作の適否を判定する第一機能、及び、前記第二検出部の検出信号に基づいて前記軸受部の回転状態の適否を判定する第二機能を有し、前記処理部は、更に、前記第一機能により前記ポンプの動作が適切であり、かつ、第二機能により前記軸受部の回転状態が不適であると判定すると、前記ポンプによる給油のための指令信号を当該ポンプに出力し、所定時間経過後、少なくとも前記第二機能により前記軸受部の回転状態の適否を再判定する第三機能を有している。
【0008】
この転がり軸受装置によれば、例えばポンプは正常に動作しているが、所望の給油箇所に給油がされていない場合、軸受部の回転状態が変化することから、その変化が第二検出部により検出される。軸受部の回転状態が不適となる場合、ポンプによる給油が行われ、所定時間経過後、軸受部の回転状態の適否が再判定される。再判定の結果、不適である場合、メンテナンス等を行なうことにより、軸受部における不具合発生を抑制することが可能となる。再判定の結果、軸受部の回転状態が適切となっていれば、運転を継続することができる。
【0009】
また、前記処理部は、前記第一機能により前記ポンプの動作が適切であり、かつ、第二機能により前記軸受部の回転状態が不適であると判定すると、前記指令信号として、前記ポンプによる給油量を変化させる指令信号を当該ポンプに出力するのが好ましい。この構成によれば、ポンプの動作は適切であるが、例えば、軸受部における負荷状態が変化することで、軸受部の回転状態が不適となる場合、ポンプによる給油量を変化し、所定時間経過後、軸受部の回転状態の適否が再判定される。このように、例えば、軸受部における負荷状態が変化した場合に、ポンプの給油量を変化させることができ、その負荷状態に合った潤滑状態を得ることが可能となる。そして、再判定の結果、軸受部の回転状態が適切となっていれば、運転を継続することができる。
【0010】
また、前記処理部は、前記第三機能の処理を複数回について行って、前記第二機能により前記軸受部の回転状態が不適であると判定すると、前記判定情報として、異常を通知するための異常発生情報を生成するのが好ましい。この構成によれば、ポンプによる給油を行って前記第三機能により軸受部の回転状態が適切となれば、そのまま運転が継続されるのに対し、前記第三機能の処理が複数回について行われても軸受部の回転状態が不適であれば、異常発生情報が生成される。この異常発生情報を確認した管理者は、例えば運転を停止する等の処置を行なうことが可能となる。
【0011】
また、本発明は、内輪、外輪、及び前記内輪と前記外輪との間に設けられている複数の転動体を有し、当該内輪と当該外輪との間に形成されている環状空間に対して潤滑油がポンプにより供給される軸受部の異常を検出する方法であって、前記ポンプの動作を検出する第一検出ステップと、前記軸受部の回転状態を検出する第二検出ステップと、前記第一検出ステップの検出結果及び前記第二検出ステップの検出結果に基づいて前記軸受部における潤滑状態に関する判定情報を生成する処理ステップと、を含み、前記処理ステップでは、前記第一検出ステップでの検出結果に基づいて前記ポンプの動作の適否を判定すると共に、前記第二検出ステップの検出結果に基づいて前記軸受部の回転状態の適否を判定し、前記処理ステップでは、更に、前記ポンプの動作が適切であり、かつ、前記軸受部の回転状態が不適であると判定すると、前記ポンプによる給油のための指令信号を当該ポンプに出力し、所定時間経過後、少なくとも前記軸受部の回転状態の適否を再判定する。
この異常検出方法によれば、例えばポンプは正常に動作しているが、所望の給油箇所に給油がされていない場合、軸受部の回転状態が変化することから、その変化が第二検出ステップで検出される。軸受部の回転状態が不適となる場合、ポンプによる給油が行われ、所定時間経過後、軸受部の回転状態の適否が再判定される。再判定の結果、不適である場合、メンテナンス等を行なうことにより、軸受部における不具合発生を抑制することが可能となる。再判定の結果、軸受部の回転状態が適切となっていれば、運転を継続することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、例えばポンプは正常に動作しているが、所望の給油箇所に給油がされていない場合、軸受部の回転状態が変化することから、その変化が検出される。軸受部の回転状態が不適となる場合、ポンプによる給油が行われ、所定時間経過後、軸受部の回転状態の適否が再判定され、その結果、不適である場合、メンテナンス等を行なうことにより、軸受部において不具合が発生するのを抑制することが可能となる。これにより、転がり軸受装置を含む機器を管理者は安心して使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】転がり軸受装置の一例を示す断面図である。
図2】給油ユニットを軸方向から見た図である。
図3】給油ユニットを説明するブロック図である。
図4】ポンプを駆動するための正常時の駆動電圧を示す説明図である。
図5】異常時の駆動電圧を示す説明図である。
図6】制御部が行なう処理を説明するフロー図である。
図7】制御部が行なう判定のパターンを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
〔転がり軸受装置の全体構成について〕
図1は、転がり軸受装置の一例を示す断面図である。図1に示す転がり軸受装置10(以下、「軸受装置10」ともいう。)は、工作機械が有する主軸装置の軸(主軸)7を回転可能に支持するものであり、主軸装置の軸受ハウジング8内に収容されている。図1では、軸7及び軸受ハウジング8を2点鎖線で示している。なお、本発明の転がり軸受装置は工作機械以外においても適用可能である。また、以下の説明において、軸受装置10の中心軸Cに平行な方向を「軸方向」と呼び、この軸方向に直交する方向を「径方向」と呼ぶ。
【0015】
図1に示す軸受装置10は、軸受部20と給油ユニット40とを備えている。軸受部20は、内輪21、外輪22、複数の玉(転動体)23、及びこれら複数の玉23を保持する保持器24を有しており、玉軸受(転がり軸受)を構成している。更に、この軸受装置10は、円筒状である内輪間座17、及び円筒状である外輪間座18を備えている。
【0016】
給油ユニット40は、全体として円環状であり、軸受部20の軸方向隣りに設けられている。本実施形態の給油ユニット40は、外輪間座18の径方向内側に設けられ、内輪21と外輪22との間に形成されている環状空間11の軸方向隣りに位置しており、この環状空間11に潤滑油を供給する機能を有する。給油ユニット40の構成及び機能については後に説明する。なお、図示しないが、給油ユニット40(後述の本体部41)と外輪間座18とを一体とし、給油ユニット40が外輪間座としての機能を有するようにしてもよい。
【0017】
本実施形態では、外輪22、外輪間座18、及び給油ユニット40が軸受ハウジング8に回転不能として取り付けられており、内輪21及び内輪間座17が軸7と共に回転する。したがって、外輪22が、回転しない固定輪となり、内輪21が、軸7と共に回転する回転輪となる。
【0018】
内輪21は、軸7に外嵌する円筒状の部材であり、その外周に軌道(以下、「内輪軌道25」という。)が形成されている。本実施形態では、内輪21と内輪間座17とは別体であるが、図示しないが、これらは一体(一体不可分)であってもよい。外輪22は、軸受ハウジング8の内周面に固定される円筒状の部材であり、その内周に軌道(以下、「外輪軌道26」という。)が形成されている。本実施形態では、外輪22と外輪間座18とは別体であるが、図示しないが、これらは一体(一体不可分)であってもよい。
【0019】
玉23は、内輪21と外輪22との間に介在しており、内輪軌道25及び外輪軌道26を転動する。保持器24は、環状であり、玉23を収容するポケット27が周方向に沿って複数形成されている。玉23及び保持器24は、前記環状空間11に設けられている。
【0020】
保持器24は、全体として環状であり、玉23の軸方向一方側の環状部28aと、玉23の軸方向他方側の環状部28bと、これら環状部28a,28bを連結している複数の柱部29とを有している。環状部28a,28bの間であって周方向で隣り合う柱部29,29の間がポケット27となり、各ポケット27に一つの玉23が収容されている。この構成により、保持器24は、複数の玉23を周方向に間隔をあけて保持することができる。
【0021】
この保持器24では、軸方向一方側(給油ユニット40側)の環状部28aが外輪22の肩部30と摺接可能となっている。これにより、保持器24は外輪22によって径方向についての位置決めがされる。つまり、この軸受部20では、保持器24が外輪案内(軌道輪案内)される軸受となっている。玉23と内輪21との間、及び、玉23と外輪22との間の他に、保持器24の環状部28aと外輪22(肩部30)との間の摺接部が、給油箇所となる。給油箇所において潤滑油が不足すると、軸受部20において振動が発生したり、温度が上昇したり、外輪22等に想定外のひずみエネルギーが生じたりする原因となる。なお、保持器24と外輪22との間の前記摺接部への給油は、内輪21又は外輪22から玉23をつたって行われる。
【0022】
図2は、給油ユニット40を軸方向から見た図である。給油ユニット40は、全体として円環形状を有し、環状の本体部41、タンク42、及びポンプ43を備えている。本実施形態の給油ユニット40は、更に、センサ50、制御部44及び電源部45を備えている。
【0023】
本体部41は、例えば樹脂製の環状部材であり、ポンプ43等を収容(保持)するフレームとしての機能も有している。つまり、本体部41には中空空間が形成されており、この中空空間にタンク42、ポンプ43、センサ50、制御部44、及び電源部45が設けられる。これにより、本体部41、タンク42、ポンプ43、センサ50、制御部44、及び電源部45を含む給油ユニット40は一体として構成される。
【0024】
タンク42は、潤滑油(オイル)を溜めるものであり、潤滑油をポンプ43へ供給させるためにポンプ43と流路を通じて繋がっている。ポンプ43は、軸受部20の環状空間11に潤滑油を供給する機能を有している。この機能を発揮するために、ポンプ43は、潤滑油を吐出する噴出口(ノズル)51が設けられているポンプ本体48を有しており、ポンプ本体48は、噴出口51と繋がりかつ潤滑油を溜める空間である油室(内部空間)54と、圧電素子55とを有している。ポンプ本体48内には、油室54の壁の一部を構成する弾性変形可能な振動板47が設けられており、この振動板47に圧電素子55が取り付けられている。圧電素子55に電圧が付与され、圧電素子55が振動板47を変形させることで、油室54の容積が変化する。
【0025】
本実施形態の噴出口51は、ポンプ本体48が有する壁部に形成された微小の貫通孔により構成されており、噴出口51は、この壁部の側面において開口している。噴出口51が開口しているこの側面は、前記環状空間11の一部に臨む面となっている。
【0026】
前記のとおり、圧電素子55が動作することで油室54の容積が変化し、これにより、油室54の潤滑油を噴出口51から軸受部20の環状空間11に吐出させることができる。特に、圧電素子55が動作することにより、噴出口51から潤滑油が油滴となって初速を有して吐出される。つまり、噴出口51から油滴は飛翔する。噴出口51は、軸受部20の内輪軌道25に向かって開口しており、噴出口51から吐出させた油滴は、玉23に当たる、又は、隣り合う玉23,23の間を通過したとしても内輪軌道25に当たることができる。これにより、給油ユニット40は、前記給油箇所に対して給油を行なうことができる。
【0027】
制御部44は、ポンプ43を動作させるタイミングを制御する機能を有している。電源部45(図2参照)は、ポンプ43、制御部44、及びセンサ50の動作用の電力を供給する。
【0028】
以上より、ポンプ43は、タンク42の潤滑油を油室54において受けると共に、この油室54の潤滑油を噴出口51から油滴として軸受部20のターゲットに向けて噴出させる(飛翔させる)構成となっている。潤滑油の効率的利用の観点から、ポンプ43において1回の吐出動作で定められた量の油滴を噴出させ、この油滴を軸受部20のターゲットに到達させる。ポンプ43の1回の動作で、噴出口51から数ピコリットル~数ナノリットルの潤滑油が油滴として噴出される。本実施形態における前記ターゲットは、玉23及び内輪軌道25である。
【0029】
〔制御部44の機能について〕
図3は、給油ユニット40を説明するブロック図である。制御部44は、プログラミングされたマイコン、演算回路、及び各種素子等を含む基板回路により構成されている。制御部44は、マイコンによる機能部として処理部61を備えており、演算回路及び各種素子等による機能部として駆動回路部62を備えている。給油ユニット40は更に、駆動回路部62の駆動電圧を検出する第一検出部63を備えている。後にも説明するが、駆動回路部62は、ポンプ43の圧電素子55に駆動電圧を印加する。第一検出部63は、この駆動電圧を検出する電圧計としての機能を有している。第一検出部63については、前記基板回路の演算回路及び各種素子等により構成することができる。給油ユニット40は、処理部61による処理結果(後述の判定情報)を外部へ出力する通信部64を有している。通信部64による通信手段は有線であってもよいが、本実施形態では無線としている。
【0030】
駆動回路部62は、スイッチング素子等を有して構成されており、ポンプ43に駆動電圧を出力する。この駆動電圧により、ポンプ43の圧電素子55が印加され、油滴の吐出が行われる。処理部61からの指令信号に基づいて、駆動回路部62は所定の大きさの駆動電圧を、所定のタイミングで出力する。つまり、ポンプ43の動作制御は処理部61により行われる。
【0031】
処理部61は、前記のようにポンプ43の動作を制御する機能の他、次の第一機能、第二機能、及び第三機能を備えている。ここでは、これら第一機能、第二機能、及び第三機能の概略について説明し、具体例については、後に説明する。
・第一機能:第一検出部63の検出信号に基づいてポンプ43の動作の適否を判定する機能。
・第二機能:センサ50(第二検出部)の検出信号に基づいて軸受部20の回転状態の適否を判定する機能。
・第三機能:軸受部20の回転状態の適否を再判定する機能。
【0032】
処理部61は、このような第一機能、第二機能、及び第三機能を有している他に、第一検出部63の検出信号、及び、センサ50(第二検出部)の検出信号に基づいて、軸受部20における潤滑状態に関する判定情報を生成する機能を有している。前記「潤滑状態に関する判定情報」には「異常を通知するための異常発生情報」が含まれ、この異常発生情報は、軸受部20が貧潤滑状態となっていて潤滑状態が不良となっている可能性があることを、管理者に通知するための情報である。
【0033】
第一検出部63は、駆動回路部62の駆動電圧を検出し検出信号を出力する回路部(電圧計)により構成されている。図4は、ポンプ43を駆動するために駆動回路部62からポンプ43に与えられる駆動電圧の説明図である。本実施形態では、図4に示すように、三角波の駆動電圧がポンプ43に与えられることで、ポンプ43は潤滑油の吐出動作を正常に行なう。そこで、第一検出部63は、駆動電圧発生の開始(点T0)から所定時間経過後の複数点(図例では三つの点T1,T2,T3)において、駆動回路部62からポンプ43(圧電素子55)へ出力される電圧を計測する。計測された電圧が、検出結果として処理部61へ出力され、処理部61は、前記複数点で計測された電圧が、規定の電圧の範囲(Va,Vb,Vc)内である場合、正常と判定する(前記第一機能)。
【0034】
これに対して、計測された電圧が規定の電圧の範囲外である場合、異常と判定することができる。図5は、駆動回路部62から出力された、異常時の駆動電圧を示しており、矩形の電圧波形となっている。これは、例えば駆動回路部62の故障により出力される駆動電圧の一例である。図5の場合、駆動電圧発生の開始(点T0)から所定時間経過後の前記複数点(前記三つの点T1,T2,T3)において、駆動回路部62から出力される電圧を第一検出部63が計測した結果、その電圧が規定の電圧の範囲(Va,Vb,Vc)外となることから、処理部61は、ポンプ43を正常に動作させることができていない(つまり、ポンプ43の動作が異常である)と判定することができる(前記第一機能)。このように、第一検出部63は、ポンプ43を駆動する駆動回路部62からの駆動電圧を検出しており、ポンプ43の動作の正常又は異常を検出するためのセンサ部と言える。第一検出部63によれば、ポンプ43が電気的に正常に動作しているか否かを検出することができる。
【0035】
前記センサ50は、軸受部20の振動若しくは温度、又は、軸受部20から放射される音波を検出する。つまり、センサ50は、振動センサ、温度センサ、又はAEセンサ(アコースティックエミッションセンサ)である。または、これらのうちの複数であってもよい。センサ50が振動センサである場合、そのセンサ50は、軸受部20において発生した振動を、外輪間座18を通じて検出する。センサ50が温度センサである場合、非接触式のセンサ(赤外線センサ)であり、例えば、保持器24(環状部28a)の温度を検出する。センサ50がAEセンサである場合、軸受部20(例えば外輪22)の内部のひずみエネルギーが弾性波となって放射されると、センサ50は弾性波を音波として検出する。
【0036】
例えば、軸受部20が貧潤滑状態になると、軸受部20において振動が大きくなったり、昇温したり、想定外のひずみエネルギーが蓄積されて弾性波(音波)が放射されたりする。そこで、センサ50は、軸受部20における振動の大きさ、温度、又は受信した音波に応じた検出信号を出力する。軸受部20における温度又は振動の変化、音波(弾性波)の発生は、軸受部20における回転状態の変化であると言えることから、センサ50は、軸受部20の回転状態を検出するための第二検出部となる。センサ50の検出結果は、処理部61へ出力される。処理部61は、センサ50の検出結果と、規定の閾値とを比較することにより、軸受部20の回転状態の適否を判定する。つまり、処理部61は、センサ50(第二検出部)の検出信号に基づいて軸受部20の回転状態の適否を判定する(前記第二機能)。
【0037】
以上の構成を備えたセンサ50及び制御部44による処理動作について説明する。図6は、センサ50及び制御部44が行なう処理を説明するフロー図である。図7は、制御部44が行なう判定のパターンを説明する説明図である。
【0038】
軸受部20が回転している状態で、第一検出ステップS1(図6参照)として、第一検出部63からの検出信号に基づいて、ポンプ43の動作の確認が行われる(前記第一機能)。処理部61により、ポンプ43の動作が異常であると判定されると(ステップS1で「NG」の場合)、処理部61は、判定情報として、異常を通知するための異常発生情報を生成する(処理ステップS11)。この異常発生情報は、通信部64から例えば無線により工作機械の制御盤等に出力され、軸受装置10の異常を管理者に報知することができる。これにより、管理者は工作機械の運転を停止し、軸受装置10のメンテナンスが行われる。図7に示すパターン1及びパターン2のように、ポンプ43の動作が異常(図7では「NG(×)」)である場合、軸受部20の回転状態に関わらず、軸受装置10は「異常(図7ではNG(×))」であると判定される。
【0039】
これに対して、処理部61により、ポンプ43の動作が正常であると判定されると(図6のステップS1で「OK」の場合)、第二検出ステップS2として、センサ50(第二検出部)からの検出信号に基づいて、軸受部20の回転状態の確認が行われる(前記第二機能)。処理部61により、軸受部20の回転状態が正常であると判定されると(ステップS2で「OK」の場合)、処理部61は、判定情報として、給油が正常に行われていること(つまり、正常)を通知するための正常情報を生成する(処理ステップS12)。この正常情報は、通信部64を通じて、工作機械の制御盤等に出力され、管理者に正常であることを報知することができる。図7に示すパターン3のように、ポンプ43の動作が正常(図7では「OK(○)」)であって、軸受部20の回転状態が正常(図7では「OK(○)」)である場合、軸受装置10は「正常(図7では「OK(○)」であると判定され、工作機械の運転は継続される。
【0040】
図7に示すパターン4のように、第一検出ステップS1において、ポンプ43の動作は正常であると判定されたが、第二検出ステップS2において、軸受部20の回転状態が異常であると判定された場合(図6のステップS2で「NG」の場合)、確認ステップS13へ進む。確認ステップS13では、軸受部20の回転状態が異常であるとセンサ50により判定された後において、ポンプ43による給油量の変更(変更ステップS14)がされて給油が行われた回数の確認が行われる。この変更がされた回数の規定値は、予め制御部44に設定されている(本実施形態では、規定値が「3回」)。軸受部20の回転状態が異常であるとセンサ50により判定された後において、まだ、給油が行われていないため、確認ステップS13では処理部61によって「No」と判定され、給油量の変更ステップS14に進む。
【0041】
給油量の変更ステップS14では、処理部61が、ポンプ43による給油量を変化させる指令信号を生成し、この指令信号がポンプ43に出力される。本実施形態では、ポンプ43による給油量を増加させる指令信号が生成され、出力される。本実施形態では、(貧潤滑である場合)ポンプ43からの潤滑油の吐出周期を短く変更することによって、つまり、潤滑油の吐出頻度を従前よりも高めることによって、ポンプ43による給油量を増加させる。なお、指令信号は、ポンプ43による給油量を減少させる信号であってもよい。また、(潤滑油が供給過剰である場合)給油量の変更の程度(変更量)は、センサ50による検出結果と、その検出結果と比較する閾値との差に応じて変化させてもよい。なお、給油量を変化(増加)させるために、ポンプ43からの潤滑油の吐出周期を変更する手段以外であってもよく、例えば、ポンプ43による一回の吐出動作で吐出させる潤滑油の量を変更してもよい。
【0042】
変更ステップS14が完了し、給油が行われてから所定時間経過後(例えば数分後)に、2回目の第一検出ステップS1が行われ、ポンプ43の動作が正常であると判定されると(ステップS1で「OK」の場合)、2回目の第二検出ステップS2が行われる。処理部61により、軸受部20の回転状態が正常であると判定されると(ステップS2で「OK」の場合)、処理部61は、判定情報として、給油が正常に行われていることを通知するための正常情報を生成する(処理ステップS12)。この場合、前回の給油量の変更を伴うポンプ43による潤滑油の供給により(ステップS14)、軸受部20への給油が適切に行われ、軸受部20の潤滑状態が改善され、回転状態が正常となっている。
【0043】
これに対して、2回目の第二検出ステップS2の結果、再び、軸受部20の回転状態が異常であると判定された場合(ステップS2で「NG」の場合)、確認ステップS13へ進む。ポンプ43による給油(ステップS14)がされた回数は「1回」であり、規定値である「3回」に到達していないため、確認ステップS13では「No」となり、給油量の変更ステップS14に進む。以下、同様に、給油量の変更を伴うポンプ43による給油が行われる。
【0044】
ポンプ43は動作しているが、軸受部20の給油箇所に潤滑油が届いておらず、潤滑状態が改善されない場合、次のとおりとなる。つまり、3回目の第一検出ステップS1及び第二検出ステップS2が行われ、確認ステップS13において、ポンプ43による給油(ステップS14)が繰り返してされた回数が、規定値「3回」に到達していると、処理ステップS15へ進む。この処理ステップS15では、処理部61が、判定情報として、異常を通知するための異常発生情報を生成する。つまり、給油量を増加しているにも関わらず、軸受部20の回転状態が改善されていないということは、異常が発生していると推定される。生成された異常発生情報は、通信部64から送信され、この情報が反映された制御盤を見た管理者は、工作機械の運転を停止し、軸受装置10のメンテナンスを行なう。
【0045】
前記実施形態では、図6に示す第二検出ステップS2において、軸受部20の回転状態が不適であると判定された場合、ポンプ43による給油量を変化させて(図6のステップS14)、少なくとも第二検出ステップS2による再判定を行なう場合について説明したが、ステップS14ではポンプ43による給油量を変化させなくてもよい。この場合、確認ステップS13では、第二検出ステップS2でNGの判定がされた後に、ポンプ43による給油を実施した回数が、既定値と比較され、既定値の回数について給油が繰り返して実施されていれば、処理ステップS15に進む。
【0046】
〔本実施形態の軸受装置10について〕
以上のように、本実施形態の軸受装置10は、給油ユニット40が有するポンプ43の動作を検出するための第一検出部63と、軸受部20の回転状態を検出するためのセンサ(第二検出部)50と、これら第一検出部63の検出信号及びセンサ50の検出信号に基づいて軸受部20における潤滑状態に関する判定情報を生成する処理部61とを備えている。そして、この軸受装置10によって行われる軸受部20の異常を検出する方法には、ポンプ43の動作を検出する第一検出ステップ(図6のS1)、軸受部20の回転状態を検出する第二検出ステップ(図6のS2)、及び、軸受部20における潤滑状態に関する判定情報を生成する処理ステップ(図6のS11、S12、S15)が含まれている。処理ステップ(図6のS11、S12、S15)では、第一検出ステップ(S1)の検出結果及び第二検出ステップ(S2)の検出結果に基づいて、軸受部20における潤滑状態に関する判定情報が生成される。
【0047】
このような軸受装置10における異常検出方法によれば、例えばポンプ43は正常に動作しているが、所望の給油箇所に給油がされていない場合、潤滑油不足が原因で軸受部20の回転状態が変化することから、その変化がセンサ50により検出される。この検出結果により、処理部61は、軸受部20における潤滑状態が不適であると判定することができ、この判定の結果は前記判定情報として外部の制御盤に出力される。これにより、管理者は軸受装置10のメンテナンス等を行なうことができ、軸受部20における不具合発生を抑制することが可能となる。
【0048】
本実施形態の場合、図4により説明したように、第一検出部63は、ポンプ43の駆動電圧を検出し、処理部61は、この第一検出部63の検出結果であるポンプ43の駆動電圧を判定することにより、ポンプ43の動作の適否の判定を行なう。これにより、例えばポンプ43を駆動する駆動回路部62に障害があれば(図6の第一検出ステップS1で「NG」の場合)、その障害が検知される(処理ステップS11)。
【0049】
また、本実施形態では、センサ50を第二検出部として、軸受部20からの振動(又は温度、音波)が検出される。処理部61は、センサ50の検出結果である軸受部20の振動(又は温度、音波)を判定することにより、軸受部20の回転状態の適否の判定を行なう。これにより、ポンプ43は正常に動作していても、例えばポンプ43の噴出口51が塞がれていて、軸受部20の給油箇所に対して給油が適切に行われていない場合に(図6の第二検出ステップS2で「NG」の場合、確認ステップS13を経て)、軸受部20の回転状態が不適であると判定される(処理ステップS15)。
【0050】
更に、処理部61は、前記第一機能、及び、前記第二機能を有している他に、第三機能を有している。第三機能は、第一機能によりポンプ43の動作が適切であり(第一検出ステップS1で「OK」)かつ、第二機能により軸受部20の回転状態が不適である(第二検出ステップS2で「NG」)と判定されると、ポンプ43による給油のための指令信号をポンプ43に出力し(変更ステップS14)、所定時間経過後、ポンプ43の動作確認のための第一検出ステップS1、及び、軸受部20の回転状態の確認のための第二検出ステップS2を、再び行なう機能である。なお、この第三機能において、前記所定時間経過後の第一検出ステップS1は省略してもよい。つまり、処理部61は、少なくとも前記第二機能により、軸受部20の回転状態の適否を再判定する第三機能を有している。なお、本実施形態では、前記指令信号として、ポンプ43による給油量を変化させる指令信号をポンプ43に出力する(変更ステップS14)。
【0051】
この第三機能によれば、ポンプ43の動作は適切であるが、例えば、軸受部20における負荷状態が変化することで、潤滑油が不足し、軸受部20の回転状態が不適となる場合、ポンプ43による給油量が変化し、所定時間経過後、軸受部20の回転状態の適否が再判定される。例えば、軸受部20における負荷状態が変化した場合に、一時的に潤滑油が不足する状態となったとしても、給油量を増加方向に変更することで、この一時的な潤滑油不足を解消することができる場合がある。再判定の結果、軸受部20の回転状態が適切となっていれば(第二検出ステップS2で「OK」)、運転を継続することができる。そして、負荷状態に合った潤滑状態を得ることが可能となる。
【0052】
これに対して、処理部61が、第三機能の処理を複数回について行って、(その複数回目の)第二機能により軸受部20の回転状態が不適であると判定すると(確認ステップS13で「YES」の場合)、前記判定情報として、異常を通知するための異常発生情報が生成される(処理ステップS15)。この構成によれば、前記のとおり、ポンプ43による給油を行って、軸受部20の回転状態が適切となれば、そのまま運転が継続される(処理ステップS12)が、第三機能の処理が複数回について行われても軸受部20の回転状態が不適であれば、その時点で、異常発生情報が生成される(処理ステップS15へ)。この異常発生情報は、通信部64により外部へ送信され、この異常発生情報を確認した管理者は、例えば工作機械の運転を停止する等の処置を行なうことが可能となり、軸受装置10のメンテナンスを行なうことができる。
【0053】
以上より、本実施形態の軸受装置10によれば、例えばポンプ43は正常に動作しているが、所望の給油箇所に給油がされていない場合、軸受部20が貧潤滑状態となり、軸受部20の回転状態が変化することから、その変化がセンサ50により検出される。この結果、軸受部20における潤滑状態が不適であると判定されると、その判定の結果(前記判定情報)が例えば工作機械の制御盤に出力され、この判定(前記判定情報)に基づいて管理者はメンテナンス等を行なうことができる。以上より、軸受部20における不具合発生を抑制することが可能となり、軸受部20を含む工作機械を管理者は安心して使用することができる。
【0054】
以上のとおり開示した実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。つまり、本発明の転がり軸受装置は、図示する形態に限らず本発明の範囲内において他の形態のものであってもよい。
例えば、図1に示す軸受部20はアンギュラ玉軸受であるが、軸受の形式はこれに限らず、深溝玉軸受であってもよく、また、軸受部20は、転動体としてころを有している円すいころ軸受や円筒ころ軸受等であってよい。
【符号の説明】
【0055】
10:転がり軸受装置 11:環状空間 20:軸受部
21:内輪 22:外輪 23:玉(転動体)
40:給油ユニット 43:ポンプ 50:センサ(第二検出部)
61:処理部 62:駆動回路部 63:第一検出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7