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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-13
(45)【発行日】2022-06-21
(54)【発明の名称】水処理装置
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/00 20060101AFI20220614BHJP
   B63B 13/00 20060101ALI20220614BHJP
   C02F 1/32 20060101ALI20220614BHJP
【FI】
C02F1/00 S
B63B13/00 Z
C02F1/32
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018023544
(22)【出願日】2018-02-13
(65)【公開番号】P2019136673
(43)【公開日】2019-08-22
【審査請求日】2020-12-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000175272
【氏名又は名称】三浦工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】丹下 智陽
(72)【発明者】
【氏名】大谷 英彦
(72)【発明者】
【氏名】炭蔵 久和
(72)【発明者】
【氏名】山本 尚生
【審査官】小久保 勝伊
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-009569(JP,A)
【文献】特開2017-018932(JP,A)
【文献】特開2018-020671(JP,A)
【文献】特開2013-023187(JP,A)
【文献】特開2011-224476(JP,A)
【文献】特開2017-225907(JP,A)
【文献】特開2017-094946(JP,A)
【文献】特開2000-185280(JP,A)
【文献】国際公開第2016/031900(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0000146(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/00-1/78
B01D 34/04
B63B 13/00
G05D 16/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を浄化処理する水処理装置であって、
濾過装置と、第1弁と、第2弁と、流量計と、圧力計と、制御手段とを備え、
前記濾過装置、前記第1弁及び前記第2弁はそれぞれ、浄化処理時に水が流通する浄化ライン上に配置され
前記第1弁は、前記濾過装置よりも上流側に設けられ且つ開度調整可能な調整弁であり
前記第2弁は、前記濾過装置よりも下流側に設けられ且つ開度調整可能な調整弁であり、
前記流量計は、前記浄化ライン上に配置されるとともに前記浄化ラインを流通する水の流量を計測し、
前記圧力計は、前記浄化ライン上に配置されるとともに前記浄化ラインを流通する水の圧力を計測し、
前記制御手段は、前記流量計により計測される水の流量と前記圧力計により計測される圧力とに基づいて、前記第1弁及び前記第2弁の開度を制御し、
前記制御手段はさらに、前記浄化処理を行う通常モードと、前記通常モードよりも流量を絞った状態で前記浄化処理を行う低流量モードとを備えるとともに、前記低流量モードにおいて、前記第1弁により、前記濾過装置を流通する水の圧力を低下させるよう構成される、水処理装置。
【請求項2】
請求項に記載の水処理装置であって、
前記制御手段は、前記第2弁の開度を一定にした状態で、前記圧力の変動幅が小さくなるよう前記第1弁の開度を制御する、水処理装置。
【請求項3】
請求項に記載の水処理装置であって、
前記制御手段は、前記流量及び前記圧力がそれぞれ所定の範囲内に維持されるよう、前記第1弁及び前記第2弁の開度を調整する、水処理装置。
【請求項4】
水を処理する水処理装置であって、
濾過装置と、紫外線照射手段と、第1ライン~第5ラインと、第1弁~第5弁と、圧力計と、流量計と、制御手段と、上流側接続部と、下流側接続部とを備えており、
前記第1ラインは、前記濾過装置及び前記紫外線照射手段をバイパスし、
前記第2ラインは、上流側接続部と前記濾過装置とを接続し、
前記第3ラインは、前記濾過装置と前記紫外線照射手段とを接続し、
前記第4ラインは、前記第1ラインと前記第3ラインとを接続し、
前記第5ラインは、前記紫外線照射手段と下流側接続部とを接続し、
前記第1弁は、前記第1ラインに配置され、
前記第2弁は、前記第2ラインに配置され且つ開度調整可能な調整弁であり、
前記第3弁は、前記第3ラインの前記第4ラインとの接続位置よりも上流側に配置され且つ開度調整可能な調整弁であり、
前記第4弁は、前記第4ラインに配置され且つ開度調整可能な調整弁であり、
前記第5弁は、前記第5ラインに配置され且つ開度調整可能な調整弁であり、
前記圧力計は、前記第2ラインに配置され、
前記制御手段は、前記浄化処理を行う通常モードと、前記通常モードよりも流量を絞った状態で前記浄化処理を行う低流量モードとを備えるとともに、前記圧力計及び前記流量計の値に応じて前記第2弁~第5弁の開度を調整し、
前記制御手段はさらに、前記低流量モードにおいて、前記圧力計により計測される圧力が高い場合は前記第2弁及び前記第5弁により前記濾過装置を流通する水の流量調整を行い、前記圧力が低い場合は前記第3弁及び前記第5弁により前記濾過装置を流通する水の流量調整を行う、水処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水を浄化処理する水処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
タンカー等の船舶は、積み荷の原油等を降ろした後、再度目的地に向けて航行する際、航行中の船舶のバランスを取るため、通常、バラスト水と呼ばれる水をバラストタンク内に貯留する。このような船舶には、バラスト水の注排水による生態系の破壊を防ぐため、バラスト水を浄化処理する水処理装置(バラスト水処理装置)が設けられている。
【0003】
例えば、特許文献1には、流量調整が可能な弁(流量調整弁)を備えたバラスト水処理装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-227063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のような構成の場合、特に、流量を絞った状態(低流量域)でバラスト水を処理する際には、流量調整弁よりも上流側にあるフィルタ等の浄化手段が高圧状態に晒され、浄化手段の各部品が損傷するおそれがあった。また、流量調整弁を絞ると、その下流側でキャビテーションが発生するおそれもあった。
【0006】
なお、このような低流量域において生じる問題は、海水を処理するバラスト水処理装置に限らず、河川、湖沼、池、工業水等の水を処理する水処理装置全般に生じるものである。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、低流量域において水処理を行う際に、浄化手段が高圧状態に晒されないようにすることを目的とする。また、流量を調整する弁の下流側におけるキャビテーションを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、水を浄化処理する水処理装置であって、浄化手段と、第1弁と、第2弁とを備え、前記浄化手段、前記第1弁及び前記第2弁はそれぞれ、浄化処理時に水が流通する浄化ライン上に配置され、前記第1弁は、前記浄化手段よりも上流側に設けられ、前記第2弁は、前記浄化手段よりも下流側に設けられ且つ開度調整可能な調整弁であり、前記第1弁により、前記浄化手段を流通するバラスト水の圧力を低下させるよう構成される、水処理装置が提供される。
【0009】
本発明によれば、浄化手段よりも上流側にもう一つ弁(第1弁)を設けたことで、浄化手段の前後で段階的に圧力が低下することになり、低流量域においても浄化手段が高圧状態に晒されないようにすることが可能となる。また、流量を削減するため第2弁を絞った場合にも、第2弁の前後の圧力差が大きくならないため、キャビテーションの発生を防止することができる。
【0010】
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
【0011】
好ましくは、制御手段を備え、前記第1弁も開度調整可能な調整弁であり、前記制御手段は、前記第1弁の開度を制御するよう構成されている。
【0012】
好ましくは、流量計と、圧力計とをさらに備え、前記流量計は、前記浄化ライン上に配置されるとともに前記浄化ラインを流通する水の流量を計測し、前記圧力計は、前記浄化ライン上に配置されるとともに前記浄化ラインを流通する水の圧力を計測し、前記制御手段は、前記流量計により計測される水の流量と前記圧力計により計測される圧力とに基づいて、前記第1弁及び前記第2弁の開度を制御する。
【0013】
好ましくは、前記制御手段は、前記第2弁の開度を一定にした状態で、前記圧力の変動幅が小さくなるよう前記第1弁の開度を制御する。
【0014】
好ましくは、前記制御手段は、前記流量及び前記圧力がそれぞれ所定の範囲内に維持されるよう、前記第1弁及び前記第2弁の開度を調整する。
【0015】
また、本発明によれば、水を処理する水処理装置であって、濾過装置と、紫外線照射手段と、第1ライン~第5ラインと、第1弁~第5弁と、圧力計と、流量計と、制御手段と、上流側接続部と、下流側接続部とを備えており、前記第1ラインは、前記濾過装置及び前記紫外線照射手段をバイパスし、前記第2ラインは、上流側接続部と前記濾過装置とを接続し、前記第3ラインは、前記濾過装置と前記紫外線照射手段とを接続し、前記第4ラインは、前記第1ラインと前記第3ラインとを接続し、前記第5ラインは、前記紫外線照射手段と下流側接続部とを接続し、前記第1弁は、前記第1ラインに配置され、前記第2弁は、前記第2ラインに配置され且つ開度調整可能な調整弁であり、前記第3弁は、前記第3ラインの前記第4ラインとの接続位置よりも上流側に配置され且つ開度調整可能な調整弁であり、前記第4弁は、前記第4ラインに配置され且つ開度調整可能な調整弁であり、前記第5弁は、前記第5ラインに配置され且つ開度調整可能な調整弁であり、前記圧力計は、前記第2ラインに配置され、前記制御手段は、前記圧力計及び前記流量計の値に応じて前記第2弁~第5弁の開度を調整する、水処理装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態に係る水処理装置10を船舶のバラスト装置に導入した様子を示す図である。
図2図1の水処理装置10において、濾過装置11及び紫外線リアクタ12をバイパスさせた際の流路を示す図である。
図3図1の水処理装置10において、濾過装置11及び紫外線リアクタ12を流通させてバラスト水を浄化処理する際の流路を示す図である。
図4図1の水処理装置10の低流量モードM2での動作を説明するフローチャートである。
図5図1の水処理装置10において、濾過装置11のみをバイパスさせた際の流路を示す図である。
図6】本発明の変形例1に係る水処理装置10を導入したバラスト装置の概略を示す図である。
図7】本発明の変形例2に係る水処理装置10を導入したバラスト装置の概略を示す図である。
図8】本発明の変形例3に係る水処理装置10を導入したバラスト装置の概略を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴について独立して発明が成立する。
【0018】
1.バラスト装置の構成
図1は、本発明の実施形態に係る水処理装置(バラスト水処理装置)10を船舶のバラスト装置に導入した様子を示す概略図である。バラスト装置は、海水等の船外の水をシーチェストSC1から船内に取り込んでバラストタンク2に注水を行うバラスト動作と、バラストタンク2に貯留されたバラスト水を船外排出口SC2から排水するデバラスト動作とを行うものである。図1に示すように、本実施形態のバラスト装置は主に、船内を流通するバラスト水を圧送するポンプ1(バラストポンプ)と、水処理装置10と、バラストタンク2とを備える。以下、水処理装置10の構成を中心に説明する。
【0019】
なお、本明細書における「バラスト水」について、バラストタンク2に導入(流入)される前又はバラストタンク2から排出(流出)された後に拘わらず、船内に取り込まれた水を全て「バラスト水」と表現する。また、船内に取り込むバラスト水には、海水、淡水、汽水等が含まれるものとする。
【0020】
2.水処理装置10の構成
水処理装置10は、船内に取り込むバラスト水及び船内から排出するバラスト水を処理してバラスト水中に含まれる微生物・異物の含有量を低減するために導入されるものである。水処理装置10は、図1に示すように、ポンプ1とバラストタンク2(あるいは船外排出口SC2)との間に設けられる。ここで、水処理装置10において、ポンプ1側の接続部を上流側接続部P1、バラストタンク2側の接続部を下流側接続部P2とする。
【0021】
本実施形態の水処理装置10は、フィルタによりバラスト水を濾過処理する濾過装置11と、バラスト水に紫外線を照射して微生物を殺菌処理する紫外線照射手段としての紫外線リアクタ12と、バラスト水の流量を計測する流量計13と、バラスト水の水圧を計測する圧力計14と、水処理装置10内を流通するバラスト水の流通を制御する制御手段15とを備える。本実施形態の濾過装置11は、濾過処理中のフィルタの洗浄(逆洗浄)のため、フィルタの一次側に設けられ且つフィルタに向かって開口し、洗浄汚水を吸引して船外へ排出する排出管16を備えている。排出管16には、逆洗弁17が設けられている。なお、濾過装置11と紫外線リアクタ12とをそれぞれ浄化手段とも称する。本実施形態において、濾過装置11と紫外線リアクタ12には既知の構成が用いられる。またこの水処理装置10は、ポンプ1とバラストタンク2(あるいは船外排出口SC2)との間に設けられる。
【0022】
また、水処理装置10は、各構成要素を接続してバラスト水を流通させる複数のラインである第1ラインL1~第5ラインL5を備える。「ライン」とは、流路、経路、管路等の流体の流通が可能なラインの総称である。また、水処理装置10は、開閉弁V1~開閉弁V4及び、開度調整の可能な第1弁としての第1調整弁FCV1、開度調整の可能な第2弁としての第2調整弁FCV2も備えている。なお、水処理装置10の第1ラインL1について、一部の管路として船舶に既存のラインを用いてもよい。したがって、水処理装置10において第1ラインL1は必須の構成ではない。また、第2ラインL2~第5ラインL5について部分的に船舶に既存のラインを用いることも可能である。
【0023】
具体的には、図1に示すように、第1ラインL1は浄化手段をバイパスして上流側接続部P1と下流側接続部P2を接続するラインであり、開閉弁V1を有する。第2ラインL2は第1ラインL1と濾過装置11とを接続するラインであり、開閉弁V2を有する。第3ラインL3は、濾過装置11と紫外線リアクタ12とを接続するラインであり、開閉弁V3を有する。また、第4ラインL4は、一端が第1ラインL1の第2ラインL2との接続位置よりも下流側の位置であって開閉弁V1よりは上流側の位置に接続され、他端が第3ラインL3の開閉弁V3よりも下流側の位置に接続される。第4ラインL4は開閉弁V4を有する。第5ラインL5は、一端が紫外線リアクタ12に接続され、他端が第1ラインL1の開閉弁V1よりも下流側の位置に接続される。なお、本実施形態において、流量計13は第5ラインL5に設置され、圧力計14は第1ラインL1の第4ラインL4との接続位置よりも上流側の位置に設置される。
【0024】
加えて、本実施形態の水処理装置10は、第1ラインL1の第2ラインL2との接続位置よりも上流側の位置に開度調整可能な第1調整弁FCV1が設けられ、第5ラインL5の流量計13よりも下流側の位置に開度調整可能な第2調整弁FCV2が設けられている。なお、本明細書において、「調整弁」と呼ぶ場合は、開状態と閉状態の2つの状態しか取ることのできない開閉弁は除かれるものとする。
【0025】
制御手段15は、上述した開閉弁V1~開閉弁V4の開閉を制御することにより、水処理装置10内を流通するバラスト水の流通を制御する。また、制御手段15は、浄化手段を流れるバラスト水の流量を調整するため第1調整弁FCV1及び第2調整弁FCV2の開度を調整する制御も行う。
【0026】
3.水処理装置10の動作
次に、以上のように構成された水処理装置10の動作について説明する。なお、以下の動作は制御手段15の制御により行われる。
【0027】
3.1 バイパス動作
ポンプ1の駆動直後やバラスト水の浄化処理が必要ない場合は、制御手段15は開閉弁V1及び第1調整弁FCV1を開きその他の開閉弁を閉じることでバラスト水が第1ラインL1を流通するようにし、濾過装置11及び紫外線リアクタ12をバイパスさせる(図2参照)。
【0028】
3.2 浄化動作
水処理装置10によりバラスト水を浄化する場合は、制御手段15は開閉弁V1,V4を閉じ、開閉弁V2,V3を開くとともに、第1調整弁FCV1及び第2調整弁FCV2を所定の開度にして、バラスト水が濾過装置11及び紫外線リアクタ12(浄化手段)を流通するようにする(図3参照)。この際、制御手段15は、これら濾過装置11及び紫外線リアクタ12の起動命令も出力する。バラスト水は、濾過装置11及び紫外線リアクタ12を流通することで浄化される。なお、本実施形態においては、図3に示す、第1調整弁FCV1、濾過装置11、紫外線リアクタ12及び第2調整弁FCV2を流通するライン、すなわち第1ラインL1の一部及び第2ラインL2、第3ラインL3、第5ラインL5を「浄化ライン」とも呼ぶ。また、バラスト装置の開閉弁V5を閉じて開閉弁V6を開いた場合、浄化されたバラスト水はバラストタンク2に貯水され、開閉弁V5を開いて開閉弁V6を閉じた場合、浄化されたバラスト水は船外へ排出される。
【0029】
ここで、制御手段15は、第1調整弁FCV1と第2調整弁FCV2の開度をそれぞれ制御することにより、浄化処理を行うバラスト水の流量、すなわち浄化手段を流通するバラスト水の流量の制御と、浄化手段(特に濾過装置11)における圧力の制御も行う。流通するバラスト水の流量は流量計13により計測され、圧力は濾過装置11の上流側に配置された圧力計14により計測される。本実施形態において、制御手段15による第1調整弁FCV1と第2調整弁FCV2の制御には、通常モードM1及び低流量モードM2の2つのモードがある。以下に、バラスト水の流量制御及び圧力制御のこれら2つのモードについて具体的に説明する。
【0030】
<通常モードM1>
通常モードM1は、浄化手段に定格流量、すなわち浄化処理可能で且つ効率的な流量を流通させてバラスト水を浄化処理させるモードである。具体的には、流通するバラスト水の水質が良い場合等、濾過装置11及び紫外線リアクタ12による浄化処理可能量が多い場合はバラスト水の流量を増加させる。また、濾過装置の処理能力よりも紫外線リアクタ12の処理能力が多い場合は、紫外線リアクタ12の出力を落とす。一方バラスト水の水質が悪い場合等、濾過装置11及び紫外線リアクタ12による浄化処理可能量が少ない場合は流量を低減する。なお、流通させるバラスト水の流量は、濾過装置11が濾過処理可能な定格流量と、紫外線リアクタ12が微生物を殺滅処理できる定格流量のうち、小さいほうの定格流量に設定することが好ましい。これにより、浄化手段により適切に処理されたバラスト水を最短時間で貯留または排出することができる。
【0031】
また、通常モードM1において、制御手段15は、流量をほぼ一定に保ちつつ、圧力の変動も一定の範囲内に抑えるよう制御する。つまり、流量を下限値Qminと上限値Qmaxの間で維持しつつ、圧力も下限値Pminと上限値Pmaxの間で維持する。具体的には、制御手段15は、第2調整弁FCV2の開閉によりバラスト水の流量を制御し、第1調整弁FCV1の開度の調整により圧力を制御する。
【0032】
より具体的には、制御手段15は、流量計13により計測されるバラスト水の流量が下限値を下回っている場合は、第2調整弁FCV2の開度を上げ、バラスト水の流量が上限値を超えている場合は、第2調整弁FCV2の開度を下げる。ここで、水処理装置10を流通するバラスト水は、第2調整弁FCV2の開度を上げると増加し、第2調整弁FCV2の開度を下げると減少する。また、制御手段15は、圧力計により計測される圧力が下限値を下回っている場合は、第1調整弁FCV1の開度を上げ、圧力が上限値を上回っている場合は、第1調整弁FCV1の開度を下げる。
【0033】
なお、制御手段15は、第1調整弁FCV1と第2調整弁FCV2を同時には動作させないようにしている。これは、調整弁の開閉動作直後は圧力及び流量がしばらく変動するので、その変動値をもとに他方の調整弁を動作させてしまうと制御が困難になってしまうからである。
【0034】
通常モードM1では、制御手段15が上記のような制御を行うことで、浄化手段に所望の流量のバラスト水を処理させつつ、圧力の変動幅も小さくなるようになっている。したがって、急激な圧力変動(特に高圧になること)が抑制され、浄化手段、特に濾過装置11のフィルタ等に悪影響が生じることが防止されている。また、通常モードM1において、濾過装置11は逆洗弁17を開くことで洗浄汚水を排出管16から船外へ排出するフィルタの洗浄(逆洗浄)動作も行っているが、逆洗浄のための洗浄水には流通するバラスト水を用いている。そのため、流通するバラスト水の圧力が低下しすぎると、洗浄水の水圧も不足して洗浄が不十分になるおそれがあった。しかしながら、本実施形態の水処理装置は、圧力の変動幅を抑え、バラスト水の圧力が低下することも抑制されているため、濾過装置11の逆洗浄が不十分になることも防止されている。
【0035】
なお、通常モードM1において制御手段15は、第2調整弁FCV2の1回の最大動作量(例えば、3秒毎に調整される)を、開度が小さいほど少なく、開度が大きいほど多くなるよう制御している。具体的には例えば、開度がX1以下のときは、最大動作量をY1とし、開度がX2(>X1)~X3(>X2)のときは、最大動作量をY2(>Y1)とし、開度がX3以上のときは、最大動作量をY3(>Y2)とするというように設定する。これは、開度が小さい場合、開度が大きい場合よりも開度変化に応じた流量及び圧力の変動が大きくなるからである。このような制御により、開度が大きい場合には、最大動作量を多くして素早い圧力の調整を可能とし、開度が小さい場合には、最大動作量を小さくして急激な圧力変動を抑制している。
【0036】
<低流量モードM2>
低流量モードM2は、例えば、流通するバラスト水の水質が悪い場合に、紫外線リアクタ12による紫外線の照射量を確保するため、流通するバラスト水の流量を減らして浄化処理を行うモードである。低流量モードM2において、制御手段15は、紫外線リアクタ12の備える照度計(図示せず)及び流量計13により計測される流量からバラスト水に対する照射量を算出する。そして、制御手段15は、算出される照射量と圧力計14により計測される圧力に基づいて、第1調整弁FCV1及び第2調整弁FCV2を制御する。具体的には、制御手段15は、第1調整弁FCV1及び第2調整弁FCV2の制御により、照射量を所定値以上に保つよう流量を抑えつつ、圧力も所定の範囲内を維持するよう制御する。以下、図4のフローチャートを用いて、低流量モードM2の動作をさらに具体的に説明する。なお、第1調整弁FCV1には最小開度Xminが設定され、第2調整弁FCV2には最小開度Yminが設定される。また、以下のステップにわたって、照射量は十分(OK)か十分でない(NG)かの2つの状態をとり、圧力は下限値Pmin以下であるか、下限値Pminと上限値Pmaxの間にある(正常状態)か、上限値Pmax以上であるかの3つの状態をとるものとする。
【0037】
まず、ステップS1において、制御手段15は、第1調整弁FCV1の開度を通常モードM1における開度よりも小さいX1(最小開度Xminよりは大きい)にする。また、第2調整弁FCV2の開度を通常モードM1における開度よりも小さいY1(最小開度Yminよりは大きい)にする。
【0038】
次に、ステップS2において、照射量が十分である場合、すなわちそのときの水質に対して、流量が流通するバラスト水に紫外線を十分に照射できる量である場合は、ステップS4に移行する。一方、照射量が十分でない場合、すなわちそのときの水質に対して流量が多すぎる場合は、制御手段15はステップS3において第1調整弁FCV1の開度をX1よりも小さいX2にし、第2調整弁FCV2の開度を最小開度Yminにする。
【0039】
次に、ステップS4において、圧力(Pとする)及び照射量の状態に応じて、第1調整弁FCV1又は第2調整弁FCV2を所定開度ずつ開度調整する。ここで、開度調整する調整幅である所定開度は、急激な圧力及び流量の変動が生じないよう少ない調整幅とされ、例えば1%ずつとされる。以下、圧力及び照射量の状態ごとの制御を具体的説明する。
【0040】
まず、圧力が下限値Pmin以下で且つ照射量が十分である場合は、制御手段15はステップS5において第1調整弁FCV1を所定開度開き、再び判定ステップS4に戻る。一方、圧力が下限値Pmin以下で且つ照射量が不十分である場合は、制御手段15はステップS6として、水処理装置10をエラー停止させる。
【0041】
また、圧力が上限値Pmax以上で且つ照射量が十分である場合は、制御手段15はステップS7において第1調整弁FCV1がすでに最小開度Xminであるかどうかを判定する。第1調整弁FCV1が最小開度Xmin以上である場合は、ステップS8において、第1調整弁FCV1を所定開度閉じ、判定ステップS4に戻る。一方、ステップS7において第1調整弁FCV1が最小開度Xminであった場合は、次のステップS9で第2調整弁FCV2を所定開度開き、判定ステップS4に戻る。
【0042】
さらに、圧力が下限値Pmin以上(上限値Pmax以下の場合と上限値Pmaxより大きい場合をともに含む)で照射量が不十分である場合は、制御手段15はステップS10において第1調整弁FCV1がすでに最小開度Xminであるかどうかを判定する。第1調整弁FCV1が最小開度Xmin以上である場合は、ステップS11において、第1調整弁FCV1を所定開度閉じ、判定ステップS4に戻る。一方、ステップS10において第1調整弁FCV1が最小開度Xminであった場合は、制御手段15はステップS12として、水処理装置10をエラー停止させる。
【0043】
最後に、圧力が下限値Pmin以上上限値Pmax以下の正常範囲内で且つ照射量も十分である場合は、水質が改善して照射量に余裕があるとして、流量を増やしてゆき低流量モードM2から通常モードM1に移行するよう制御を行う。具体的には、ステップS13において流量を判定し、流量が通常モードM1での流量に回復していれば低流量モードM2を終了する。一方、流量がまだ少なければ、第1調整弁FCV1及び第2調整弁FCV2をそれぞれ所定開度開けて流量を増加させ、ステップS4に戻る。この場合も、圧力が正常範囲内で照射量も十分な状態でステップS14が繰り返されると、ステップS13において流量が回復したと判定され、通常モードM1に移行する。
【0044】
なお、通常モードM1と低流量モードM2の切替えは制御手段15により自動的に行われるよう構成してもよく、手動で切り替える構成としても良い。
【0045】
以上のように、本実施形態の低流量モードM2において、制御手段15は基本的に、圧力を上げる場合には第1調整弁FCV1を開き、圧力を下げる場合には第1調整弁FCV1を閉じる制御を行っている。また、照射量が十分であると判断した場合には、流量を増やして処理の効率を上げるため、第2調整弁FCV2を開ける制御を行っている。
【0046】
低流量モードM2では、制御手段15が上記のような制御を行うことで、流量を浄化手段が処理可能な低流量に抑えつつ、圧力の変動幅も小さくすることが可能となっている。つまり、水処理装置10において、浄化処理するバラスト水の流量を低減させるため第2調整弁FCV2の開度を下げると、第2調整弁FCV2の前後での圧力の急激な低下によりキャビテーションが発生するおそれがある。そして、その結果、流量調整が不能になるおそれや、弁やその他の設備が損傷するおそれがある。しかしながら、本実施形態の構成では、流通させるバラスト水を削減した低流量域においても、制御手段15が第2調整弁FCV2に加えて浄化手段の上流側に設置された第1調整弁FCV1の開度を制御することにより、バラスト水の流量及び圧力を調整している。その結果、キャビテーションの発生や、圧力変動による浄化手段への影響を抑えることが可能となっている。そして、低流量モードM2において上記の制御を続けることで、水質が改善した際には通常モードM1に移行することが可能となっている。
【0047】
なお、上記の説明では、バラスト水を濾過装置11及び紫外線リアクタ12の両方に流通させて浄化する場合の例を説明した。しかしながら、例えばデバラスト動作時には、開閉弁V2,V3を閉じて開閉弁V4を開くことで濾過装置11をバイパスし、紫外線リアクタ12の処理のみを行うことも可能である(図5参照)。デバラスト動作時には、図5に示す、第1調整弁FCV1、紫外線リアクタ12及び第2調整弁FCV2を流通するライン、すなわち第1ラインL1の一部、第4ラインL4、第3ラインL3の一部及び第5ラインL5が「浄化ライン」となる。なお、バラスト装置において、デバラスト動作時には、バラストタンク2に貯留されていたバラスト水は、開閉弁V7が開かれることにより第6ラインL6及びポンプ1を経由して水処理装置10へ流入する。この際も、制御手段15により第1調整弁FCV1及び第2調整弁FCV2の制御を行うことで、流量を絞った場合にもキャビテーションの発生を抑制することが可能となっている。そして、デバラスト動作時も、制御手段15により第1調整弁FCV1及び第2調整弁FCV2の制御を行うことで、通常モードM1と低流量モードM2いずれのモードにおいても、キャビテーションの発生や圧力変動による浄化手段への影響を抑えることが可能となっている。
【0048】
4.変形例
本発明は、以下の態様でも実施可能である。
【0049】
<変形例1>
上記実施形態では、バラスト装置は図1に示すように、バラストタンク2を1つのみ備える構成であったが、バラストタンク2を2つ以上備える構成とする場合もある。このような構成の場合、バラストタンク2への漲水時、1つのバラストタンク2が容量いっぱいになり、別の空のバラストタンク2へ漲水を切り替えると、バラストタンク2の水位による圧力(背圧)が急激に低下し、水処理装置10において急激な圧力低下が生じる。そこで、バラストタンク2を複数備える構成においては、制御手段15は、上記通常モードM1と低流量モードM2のほか、第1調整弁FCV1及び第2調整弁FCV2の開閉制御において、切替モードM3を備えていることが好ましい。
【0050】
上記通常モードM1及び低流量モードM2では基本的に、圧力が低下した際には、第1調整弁FCV1を段階的に開けることで圧力を増加させていたが、第1調整弁FCV1の開度を徐々に上げる制御では圧力は徐々にしか増加しない。この場合、特に濾過装置11が逆洗浄を行う構成であると、逆洗浄のための圧力が不足して逆洗浄が正常に行われない時間が長時間続いてしまい好ましくない。
【0051】
したがって、切替モードM3においては、急激な圧力低下が生じた際、第1調整弁FCV1の開度を上げるのではなく、第2調整弁FCV2の開度を段階的に下げることで圧力を増加させるようになっている。これにより、一時的にバラスト水の流量は減ることになるが、第1調整弁FCV1の開度を上げる場合と比較して短時間で圧力を正常範囲内に戻すことが可能となっている。
【0052】
<変形例2>
上記実施形態では、第2ラインL2、第3ラインL3及び第4ラインL4に設けられる弁V2、弁V3、弁V4はそれぞれ開状態と閉状態の2つの状態しか取ることのできない開閉弁であり、これらに加えて別途開度調整可能な第1調整弁FCV1を設けていた(図1参照)。しかしながら、図7に示すように、第1調整弁FCV1を設けず、第2弁としての弁V2,第3弁としての弁V3,第4弁としての弁V4をそれぞれ開度調整可能な調整弁とすることで、圧力制御を行う構成とすることも可能である。具体的には、制御手段15は、バラスト水の流量は基本的に上記実施形態と同様、第5ラインL5に設けられる第2調整弁FCV2(第5弁とも呼ぶ)で制御し、圧力を弁V2及び弁V3の開度調整により制御する。ただし、低流量モードM2において濾過装置11の圧力(フィルタ圧力)が高い場合の流量調整は、弁V2及び第2調整弁FCV2で行い、濾過装置11の圧力(フィルタ圧力)が低い場合の流量調整は、弁V3及び第2調整弁FCV2で行う。また、デバラスト動作等で濾過装置11をバイパスする際は、弁V4と第2調整弁FCV2で流量調整を行う。さらに、動作開始時(通常モードM1時)には、弁V2,V3を微開状態から徐々に開いていくことで急激なバラスト水の流入を防止する。このような構成によっても、上記実施形態に準じた効果を得ることができる。なお、この構成においても、第1ラインL1に設けられる第1弁としての弁V1は開閉弁で良い。
【0053】
<変形例3>
上記実施形態では、第1調整弁FCV1はポンプ1側の接続部である上流側接続部P1よりも下流側に設けられていた。しかしながら、図8に示すように、バラスト装置にポンプ1の吐出側から吸込側への循環ラインL7を設け、循環ラインL7に第1調整弁FCV1を設ける構成とすることも可能である。この構成の場合、第1調整弁FCV1の開度を大きくすることで、水処理装置10における圧力を低下させることができる。
【0054】
<変形例4>
上記実施形態では、圧力計14が第1ラインL1の第4ラインL4との接続位置よりも上流側の位置、すなわち濾過装置11の上流側に配置され、制御手段15は、濾過装置11の上流側の圧力に基づいて第1調整弁FCV1及び第2調整弁FCV2の開度を調整する構成であった。しかしながら、圧力計14の設置場所は、濾過装置11(制御手段)の上流側に限定されるものではなく、浄化ライン上の任意の位置に設置することができる。例えば、圧力計14を、濾過装置11と紫外線リアクタ12の間の位置に設置することや、紫外線リアクタ12の下流側の位置に設置することも可能である。このような場合も、浄化ラインを流通するバラスト水の圧力変動を計測することができ、制御手段15の制御により、浄化ラインにおけるバラスト水の圧力を所定の範囲内に維持することが可能となっている。なお、浄化ラインのうち、第2ラインL2、第4ラインL4等はバラスト動作時又はデバラスト動作時の何れか一方の動作時のみでバラスト水が流通するラインである。当該ラインに圧力計14を設ける場合には、例えば第2ラインL2と第4ラインL4それぞれに圧力計14を設置する、すなわち複数の圧力計14を設置することで、バラスト動作時とデバラスト動作の何れの動作時にも、浄化ラインの圧力を計測することができる。
【0055】
<その他の変形例>
・上記実施形態では、制御手段15が第1調整弁FCV1及び第2調整弁FCV2をともに制御していたが、第2調整弁FCV2を制御手段15によっては制御しない構成、例えば手動で動作させる構成とすることも可能である。この場合、制御手段15は第2調整弁FCV2の開度を取得して第1調整弁FCV1の開度の制御を行うことになる。
・上記実施形態では、第1調整弁FCV1と第2調整弁FCV2の2つの開度調整可能な調整弁により流量及び圧力を制御していた。しかしながら、第1調整弁FCV1を設けず、当該位置に弁体に貫通孔を有する開閉弁(固定圧損タイプの弁)を設ける構成とすることも可能である。この場合であっても、浄化手段よりも上流側で圧力損失が生じるため、浄化手段における圧力増加を抑制することが可能となっている。
・上記実施形態では、水処理装置10は浄化手段として濾過装置11及び紫外線リアクタ12を備えていたが、濾過装置11と紫外線リアクタ12の一方のみを備えた構成や、他の浄化手段を用いた構成とすることも可能である。
・上記実施形態は、第1弁(第1調整弁FCV1)と第2弁(第2調整弁FCV2)の間に濾過装置11と紫外線リアクタ12の2つの浄化手段が配置される構成であったが、第1弁と第2弁の間には1つの浄化手段のみを配置し、他の浄化手段は第1弁の上流側又は第2弁の下流側に配置することも可能である。この場合も、第1弁と第2弁の間に配置した浄化手段の圧力の変動幅を抑え、キャビテーションの発生を抑えることも可能となっている。
・上記実施形態では、流量計13は第5ラインL5(濾過装置11の下流側)に設けられていたが、浄化ライン上の任意の位置に配置することができる。
・上記実施形態では、水処理装置10をバラスト装置に適用した例を示したが、本発明の水処理装置10は、バラスト装置以外にも、河川、湖沼、池、工業水等の様々な水を処理する水処理装置として用いることができる。
【符号の説明】
【0056】
1 :ポンプ
2 :バラストタンク
10 :水処理装置
11 :濾過装置
12 :紫外線リアクタ
13 :流量計
14 :圧力計
15 :制御手段
16 :排出管
17 :逆洗弁
20 :浄化手段
FCV1 :第1調整弁
FCV2 :第2調整弁
L1~L7 :ライン
M1 :通常モード
M2 :低流量モード
M3 :切替モード
P1 :上流側接続部
P2 :下流側接続部
S1~S14 :ステップ
SC1 :シーチェスト
SC2 :船外排出口
V1~V7 :開閉弁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8