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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-13
(45)【発行日】2022-06-21
(54)【発明の名称】ゴルフクラブヘッドの特性算出方法
(51)【国際特許分類】
   A63B 53/00 20150101AFI20220614BHJP
   A63B 60/42 20150101ALI20220614BHJP
   A63B 102/32 20150101ALN20220614BHJP
【FI】
A63B53/00 B
A63B60/42
A63B102:32
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018081125
(22)【出願日】2018-04-20
(65)【公開番号】P2019187586
(43)【公開日】2019-10-31
【審査請求日】2021-04-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000006714
【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000165
【氏名又は名称】グローバル・アイピー東京特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 亘男
(72)【発明者】
【氏名】宮下 直士
(72)【発明者】
【氏名】中原 紀彦
【審査官】槙 俊秋
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-222284(JP,A)
【文献】特開2011-239947(JP,A)
【文献】特開2013-202143(JP,A)
【文献】特開2012-161417(JP,A)
【文献】特開2015-011444(JP,A)
【文献】特開2014-144347(JP,A)
【文献】特開2013-188400(JP,A)
【文献】特開2010-088818(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 53/00
A63B 60/42
A63B 102/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフクラブヘッドの特性算出方法であって、
コンピュータが、ゴルフクラブヘッドのフェース面の各位置で打撃されたゴルフボールの、ゴルフクラブヘッドにおける反発性の指標であるCT値を予め定めたデータ間隔で取得したCT値データを用いて作成されるCT値の粗分布から、前記粗分布内の特徴領域を抽出するステップと、
前記コンピュータが、前記特徴領域について、前記CT値データに比べてデータ間隔が細かい詳細CT値データを取得するステップと、
前記コンピュータが、前記詳細CT値データを用いてCT値の詳細分布を作成するステップと、
を含むことを特徴とするゴルフクラブヘッドの特性算出方法。
【請求項2】
前記詳細CT値データの一部のデータの前記フェース面上の位置及び当該位置におけるCT値は、前記CT値データの一つのデータにおける前記フェース面上の位置及び当該位置におけるCT値と同じである、請求項1に記載のゴルフクラブヘッドの特性算出方法。
【請求項3】
前記特徴領域は、前記CT値が最大値となる位置と前記最大値の位置の周辺領域を含む、請求項1または2に記載のゴルフクラブヘッドの特性算出方法。
【請求項4】
前記詳細分布を作成するステップでは、前記コンピュータが、最小二乗回帰により前記詳細CT値データの回帰式を算出し、前記回帰式を算出するとき、前記回帰式の前記特徴領域における値が、前記特徴領域における前記詳細CT値データ内の最大値を超えないように算出され、前記回帰式を用いて前記詳細分布を作成する、請求項1~3のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッドの特性算出方法。
【請求項5】
前記コンピュータが、前記粗分布と前記詳細分布を表示する際、前記詳細分布は、前記粗分布の対応する領域上に重なるように表示し、
前記回帰式は、前記詳細分布が前記粗分布と接続する外縁で、前記詳細分布が前記粗分布に滑らかに接続される拘束条件の下に算出される、請求項4に記載のゴルフクラブヘッドの特性算出方法。
【請求項6】
前記詳細CT値データのデータ間隔は、前記CT値データのデータ間隔の50%以下である、請求項1~5のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッドの特性算出方法。
【請求項7】
ゴルフクラブヘッドの特性算出方法であって、
コンピュータが、ゴルフクラブヘッドのフェース面の各位置におけるフェース部材の厚さであって、予め定めたデータ間隔で取得された厚さデータを用いて作成される前記フェース部材の厚さの粗分布から、前記粗分布内の特徴領域を抽出するステップと、
前記コンピュータが、前記特徴領域について、前記厚さデータに比べてデータ間隔が細かい詳細厚さデータを取得するステップと、
前記コンピュータが、前記詳細厚さデータを用いて前記厚さの詳細分布を作成するステップと、
を含むことを特徴とするゴルフクラブヘッドの特性算出方法。
【請求項8】
前記詳細厚さデータの一部のデータの前記フェース面上の位置及び当該位置における厚さは、前記厚さデータの一つのデータにおける前記フェース面上の位置及び当該位置における厚さと同じである、請求項7に記載のゴルフクラブヘッドの特性算出方法。
【請求項9】
前記特徴領域は、前記厚さの変化勾配が所定以上の変化位置と前記変化位置の周辺領域を含む、請求項7または8に記載のゴルフクラブヘッドの特性算出方法。
【請求項10】
前記詳細分布を作成するステップでは、前記コンピュータが、最小二乗回帰により前記詳細厚さデータの回帰式を算出し、前記回帰式を算出するとき、前記回帰式の前記特徴領域における値が、前記特徴領域における前記詳細厚さデータ内の最大値を超えないように、あるいは、前記特徴領域における前記詳細厚さデータ内の最小値未満にならないように前記回帰式は算出され、前記回帰式を用いて前記詳細分布を作成する、請求項7~9のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッドの特性算出方法。
【請求項11】
前記コンピュータが、前記粗分布と前記詳細分布を表示する際、前記詳細分布は、前記粗分布の対応する領域上に重なるように表示し、
前記回帰式は、前記詳細分布が前記粗分布と接続する外縁で、前記詳細分布が前記粗分布に滑らかに接続される拘束条件の下で算出される、請求項10に記載のゴルフクラブヘッドの特性算出方法。
【請求項12】
前記詳細厚さデータのデータ間隔は、前記厚さデータのデータ間隔の50%以下である、請求項7~11のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッドの特性算出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフクラブヘッドの特性算出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルフクラブヘッド、特に、ドライバー等の中空ゴルフクラブヘッドは、打撃したゴルフボールを遠くに飛ばすために反発係数の高いフェース面の構造が求められている。従来より、フェース面の反発係数を高めるために種々の技術が提案されている。その際、反発係数を高く維持したまま、ゴルフボールの打撃点の相違によって生じる飛距離の差を、より小さくする技術も提案されている。
【0003】
例えば、スコアラインが形成されたフェース部と、クラウン部と、ソール部と、サイド部とを含む中空のゴルフクラブヘッドにおいて、フェース部は、厚肉部と薄肉部とを有し、厚肉部は、フェース部の中央部をトウ-ヒール方向に帯状に延びると共にソール部側に膨出した湾曲形状を有し、薄肉部は、厚肉部からソール部側に離間し、フェース部のサイド部及びソールの周縁に沿ってトウ-ヒール方向に形成されている構成が知られている(特許文献1)。
これにより、ゴルフボールの打撃点の相違によって生じる飛距離の差を、より小さくすることができる、とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-113368号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方において、中空ゴルフクラブヘッドの高反発係数は、ゴルフ競技においてスコアに大きく影響を与えることから、ゴルフクラブヘッドの高反発係数は制限されている。具体的には、現在、ゴルフボールの、ゴルフクラブヘッドにおける反発性の指標であるCT値の上限が許容範囲内になるようにフェース面は制限されている。CT値が許容範囲を超えるゴルフクラブヘッドは、不適合のものとして扱われる。
このため、ゴルフファーにとって、ゴルフボールの、ゴルフクラブヘッドにおける反発性の増大のために、CT値の高いゴルフクラブであるが、CT値の上限を超えないことが保証されたゴルフクラブヘッドを購入することが好ましい。
CT値は、ゴルフクラブのフェース面の各位置に、ペンドラム試験機を用いて所定のサイズの小鉄球を衝突させたときのフェース面と小鉄球との間の接触時間(μ秒)に相当する特性時間を示す値である。CT値は、フェース面の各位置で測定でき、測定により、CT値の分布を得ることができる。このため、測定したCT値の分布を表示媒体に表示して、ゴルフクラブのCT値が、予め設定された許容範囲内にあるか否かを正確に判断できることが好ましい。
一方、CT値が高いフェース面におけるフェース部材の厚さは、一般的に薄く、厚さが急激に薄く変化する部分は、ゴルフクラブヘッドの耐久性の点で懸念される。このため、フェース部材の厚さ分布を表示することは、耐久性に優れたゴルフクラブヘッドを購入する点から好ましい。
【0006】
そこで、本発明は、ゴルフクラブヘッドにおいて、ゴルフボールの反発性の指標であるCT値の分布やゴルフクラブヘッドのフェース部材の厚さ分布を、ゴルフクラブヘッドの特性として正確に表示することができるゴルフクラブヘッドの特性算出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、ゴルフクラブヘッドの特性算出方法である。当該特性算出方法は、
ゴルフクラブヘッドのフェース面の各位置で打撃されたゴルフボールの、ゴルフクラブヘッドにおける反発性の指標であるCT値を予め定めたデータ間隔で取得したCT値データを用いて作成されるCT値の粗分布から、前記粗分布内の特徴領域を抽出するステップと、
前記特徴領域について、前記CT値データに比べてデータ間隔が細かい詳細CT値データを取得するステップと、
前記詳細CT値データを用いてCT値の詳細分布を作成するステップと、
を含む。
【0008】
前記詳細CT値データの一部のデータの前記フェース面上の位置及び当該位置におけるCT値は、前記CT値データの一つのデータにおける前記フェース面上の位置及び当該位置におけるCT値と同じである、ことが好ましい。
【0009】
前記特徴領域は、前記CT値の最大値の位置と前記最大値の位置の周辺領域を含む、ことが好ましい。
【0010】
前記詳細分布を作成するステップでは、最小二乗回帰により前記詳細CT値データの回帰式を算出し、前記回帰式を算出するとき、前記回帰式の前記特徴領域における値が、前記特徴領域における前記詳細CT値データ内の最大値を超えないように算出され、前記回帰式を用いて前記詳細分布を作成する、ことが好ましい。
【0011】
前記粗分布と前記詳細分布を表示する際、前記詳細分布は、前記粗分布の対応する領域上に重なるように表示し、
前記回帰式は、前記詳細分布が前記粗分布と接続する外縁で、前記詳細分布が前記粗分布に滑らかに接続される拘束条件の下に算出される、ことが好ましい。
【0012】
前記詳細CT値データのデータ間隔は、前記CT値データのデータ間隔の50%以下である、ことが好ましい。
【0013】
本発明の他の一態様も、ゴルフクラブヘッドの特性算出方法である。当該特性算出方法は、
ゴルフクラブヘッドのフェース面の各位置におけるフェース部材の厚さであって、予め定めたデータ間隔で取得された厚さデータを用いて作成される前記フェース部材の厚さの粗分布から、前記粗分布内の特徴領域を抽出するステップと、
前記特徴領域について、前記厚さデータに比べてデータ間隔が細かい詳細厚さデータを取得するステップと、
前記詳細厚さデータを用いて前記厚さの詳細分布を作成するステップと、
前記粗分布と前記詳細分布を同じ表示媒体上に表示するステップと、
を含む。
【0014】
前記詳細厚さデータの一部のデータの前記フェース面上の位置及び当該位置における厚さは、前記厚さデータの一つのデータにおける前記フェース面上の位置及び当該位置における厚さと同じである、ことが好ましい。
【0015】
前記特徴領域は、前記厚さの変化勾配が所定以上の変化位置と前記変化位置の周辺領域を含む、ことが好ましい。
【0016】
前記詳細分布を作成するステップでは、最小二乗回帰により前記詳細厚さデータの回帰式を算出し、前記回帰式を算出するとき、前記回帰式の前記特徴領域における値が、前記特徴領域における前記詳細厚さデータ内の最大値を超えないように、あるいは、前記特徴領域における前記詳細厚さデータ内の最小値未満にならないように前記回帰式は算出され、前記回帰式を用いて前記詳細分布を作成する、ことが好ましい。
【0017】
前記粗分布と前記詳細分布を表示する際、前記詳細分布は、前記粗分布の対応する領域上に重なるように表示し、
前記回帰式は、前記詳細分布が前記粗分布と接続する外縁で、前記詳細分布が前記粗分布に滑らかに接続される拘束条件の下で算出される、ことが好ましい。
【0018】
前記詳細厚さデータのデータ間隔は、前記厚さデータのデータ間隔の50%以下である、ことが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
上述のゴルフクラブヘッドの特性算出方法によれば、CT値の分布やゴルフクラブのフェース部材の厚さ分布を、ゴルフクラブヘッドの特性として正確に表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】ゴルフクラブヘッドの一例の正面図である。
図2】一実施形態におけるゴルフクラブヘッドの特性表示の例を示す図である。
図3】一実施形態における詳細分布の表示の一例を示す図である。
図4】(a),(b)は、CT値のデータを用いてコンター図(粗分布)を作成する一実施形態の方法を説明する図である。
図5】一実施形態で用いる詳細CT値データとCT値データの関係の一例を説明する図である。
図6】一実施形態で用いる2次曲面関数を用いた最小二乗回帰の一例を示す図である。
図7】一実施形態で作成するフェース部材の厚さの粗分布の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本実施形態のゴルフクラブヘッドの特性算出方法について詳細に説明する。
【0022】
CT値は、R&A及びUSGAによって採用されたゴルフボールの、ゴルフクラブヘッドにおける反発性に関する評価パラーメータ(ゴルフクラブヘッドの特性)であって、上述したように、ペンドラム試験機を用いてゴルフクラブのフェース面の各位置に、所定のサイズの小鉄球を衝突させたときのフェース面と小鉄球との間の接触時間(μ秒)に相当する特性時間を示す値である。CT値は、フェース面の各位置で測定できるため、測定により、CT値の分布を得ることができる。一般的に、フェース面においてCT値が高くなるほど、ゴルフボールの反発性は高くなることを意味し、反発性(ボール初速)は飛距離との相関が非常に高いことから、CT値の分布は、ゴルフボールがフェース面のどの位置に当たるかによって飛距離が変化することを意味する。すなわち、CT値は、フェース面の各位置において打撃されたゴルフボールの、ゴルフクラブヘッドにおける反発性の指標である。具体的には、CT値は、USGAの定めるペンデュラムテストに準拠して測定された時間(t2-t1)である。時間(t2-t1)が長いということは、ゴルフボールとゴルフクラブヘッドとの接触時間が長いことを意味する。長い接触時間は、大きな反発係数に帰着する。ペンデュラムテストの詳細は、2003年2月24日にUSGAから発行された「Notice To Manufacturers」に添付された「Technical Description of the Pendulum Test」に記載されている。
【0023】
ペンデュラムテストに用いる試験機は、例えば、基盤から起立する2本の支柱の上方に架け渡された支軸から振り子状に支軸周りに回転移動するアームと、このアームの先端に固定された半球状の金属製質量体と、この質量体の背面に取り付けられた加速度センサと、を主に備える。ゴルフクラブは、ゴルフクラブシャフトを試験機に設けられた把持治具で把持することにより、ゴルフクラブは試験機に固定される。このような構成の試験機において、アームが所定角度となるまで金属製質量体を持ち上げ、アームが振り下ろされる。これにより、金属製質量体が振り子状に降下し、ゴルフクラブヘッドに衝突する。金属製質量体が衝突するゴルフクラブのフェース面の向きは、衝突直前の金属製質量体の進行方向がゴルフクラブヘッドのフェースに対して垂直となるように予め調整されている。
金属製質量体とゴルフクラブヘッドとが接触している間、金属製質量体の進行方向とは逆方向における加速度が金属製質量体に取り付けた加速度センサによって測定される。測定された加速度から、測定開始から加速度の時間積分された累積時系列データを求め、この累積時系列データの値が、累積時系列データの最終的な値の5%に到達するまでの時間t1と、累積時系列データの値が、最終的な値の95%に到達するまでの時間t2とを求める。この2つの時間t1,t2から、時間(t2-t1)を求める。こうして、CT値を得ることができる。
【0024】
図1は、ゴルフクラブヘッドの一例の正面図である。図1に示すゴルフクラブヘッド10は、中空のウッド型ゴルフクラブヘッド(ドライバー)であり、ヘッド本体12を含んで構成されている。なお、ゴルフクラブヘッドは、内部が中空のゴルフクラブヘッドでもよいが、内部が中実のゴルフクラブヘッドであってもよい。
ヘッド本体12は、主に金属材料により構成され、例えばステンレス鋼、マルエージング鋼、純チタン、チタン合金又はアルミニウム合金等の1種又は2種以上の材料が用いられる。
ヘッド本体12は、フェース部14と、クラウン部16と、ソール部18と、サイド部20とを備えている。
フェース部14は、上下の高さを有して左右に延在している。
クラウン部16は、フェース部14よりも小さい厚さでフェース部14の上部から後方に延在している。
ソール部18は、フェース部14の下部から後方に延在している。
サイド部20は、クラウン部16とソール部18の間でフェース部14のトウ22側縁とヒール24側縁との間を、フェースバックを通って延在している。
ヘッド本体12は、それらフェース部14とクラウン部16とソール部18とサイド部20とで囲まれた内部が中空とされた中空構造を呈している。
フェース部14の外側に露出する表面がボールを打撃するフェース面14Aである。
クラウン部16には、フェース面14A側でかつヒール24寄りの位置に図示されないシャフトに接続するホーゼル30が設けられ、ホーゼル30に図示されないシャフトが接続されることでゴルフクラブが構成される。
【0025】
フェース面14Aの中心点Pcは、ゴルフクラブヘッド12を、ライ角およびフェース角が規定値となるように水平面上にゴルフクラブヘッド10を載置した基準状態で定めることができる。なお、ライ角およびフェース角の設定値は、例えば製品カタログに記載された値である。
中心点Pcは、点a1と点a2との間のフェース面14Aに沿ったペリフェリ長さを持つ線分の中点であり、点b1と点b2との間のフェース面14Aに沿ったペリフェリ長さを持つ線分の中点である。点a1は、中心点Pcを通る垂線が、フェース面14Aのクラウン部16側の上縁と交差する点であり、点a2は、中心点Pcを通る垂線が、フェース面14Aのソール18側の下縁と交差する点である。点b1は、中心点Pcを通る水平線が、フェース面14Aのトウ側(サイド部20側)の縁と交差する点であり、点b2は、中心点Pcを通る水平線が、フェース面14Aのヒール側の縁と交差する点である。
フェース面14Aの縁は、例えば稜線によって特定され、また、稜線が存在しなくても、曲率半径(1mm間隔毎に測った3点の位置で定まる曲率半径)が、クラウン部16、サイド部20、あるいはソール部18等の面からフェース面14Aに向かって進むとき、面の曲率半径が急激に小さくなる場所を稜線位置とみなすことができる。
【0026】
このようなゴルフクラブヘッド10に対して、図2に示すように、ゴルフクラブヘッドの特性を表示する。図2は、ゴルフクラブヘッドの特性表示の例を示す図である。
ゴルフクラブヘッドの特性の表示を行う際、図示されないコンピュータのメモリに、ペンドラム試験機による試験を行って得られたCT値の測定データをCT値データとして予め記憶しておき、あるいは、ゴルフクラブヘッドを再現した数値計算モデルを用いてコンピュータシミュレーションで小鉄球のフェース面14Aへの衝突を再現して得られたCT値のシミュレーションデータをCT値データとして予め記憶しておく。この場合、コンピュータシミュレーションでは、小鉄球モデルがフェース面14Aを再現したフェース面モデルに衝突して反発する挙動を時々刻々計算し、フェース面モデル及び小鉄球モデルが変形して、小鉄球モデルがフェース面モデルに接触する時間を計算する。
CT値のデータの位置座標は、中心点Pcを基準とする座標系によって定められる。
コンピュータは、オペレータの指示に応じて、コンピュータに接続されたディスプレイに、ゴルフクラブヘッド10とCT値の分布を同時に画面表示する。
【0027】
図2に示すように、ディスプレイの表示画面50は、ゴルフクラブヘッド10のフェース面の各位置における、打撃されたゴルフボールの反発性を示すCT値をレベル分けすることにより、CT値の分布(粗分布)をコンター図52で表示している。コンター図52は、フェース面14Aの輪郭形状に合わせた形状で、表示画面50に表示されたフェース面14Aの領域に重ねて表示されている。CT値の各データのフェース面14A上の位置座標は、中心点Pcを基準とする座標系によって定められているので、表示画面50上のフェース面14Aの中心点Pcを基準として、CT値のデータに基づいてコンター図52が描画される。コンター図52は、カラー表示で表示されることが、CT値の分布を直感的にかつ正確に把握する点から好ましい。
図2に、表示画面50に表示されるコンター図52では、フェース面14Aにおいて、CT値が2つの場所で高くなっている分布を示している。しかも、コンター図52は、フェース面14A全体にわたって表示されているので、表示画面50を見たゴルフクラブを購入しようとする者は、フェース面14全面に対して、CT値の高い領域がどの程度占有するか、直感的かつ容易に判断することができる。
しかし、図2に示す分布では、CT値の最大値付近の分布が正確にわからず、CT値が、許容範囲内にあるか十分に判断することは難しい。
このため、本実施形態では、例えば、コンピュータは、図3に示すように、CT値の分布の中から特徴領域を抽出し、この特徴領域におけるCT値の詳細分布を作成する。図3は、詳細分布54の表示の一例を示す図である。図3に示す詳細分布54は、CT値の等高線図の形態であるが、コンター図52のように、CT値を色でレベル分けする形態であってもよい。この場合、コンター図52に詳細分布54が重ね書きされてもよい。
【0028】
このようなCT値の表示を行うために、コンピュータは、以下の処理を行う。
(1)ゴルフクラブヘッド10のフェース面14Aの各位置で打撃されたゴルフボールの、ゴルフクラブヘッドにおける反発性の指標であるCT値を予め定めたデータ間隔で取得したCT値データを用いて作成されるCT値の粗分布(コンター図52)から、粗分布内の特徴領域A(図3参照)を抽出する。
(2)コンピュータは、特徴領域Aについて、CT値データに比べてデータ間隔が細かい詳細CT値データを取得する。
(3)コンピュータは、詳細CT値データからCT値の詳細分布54(図3参照)を作成する。
この後、コンピュータは、コンター図52(粗分布)と詳細分布54を同じ表示画面50上に表示する。
【0029】
特徴領域Aは、例えば、CT値データ内の最大値の位置及びその周辺領域を含む。周辺領域は、最大値の位置から一定の範囲内の領域である。また、特徴領域Aは、CT値の分布において極大値が複数ある場合、各極大値の位置を含む一定の範囲内の領域であり、複数の領域である。
詳細CT値データは、予めコンピュータのメモリに記憶されていてもよいが、CT値の計測に比べてデータ間隔を細かくして特徴領域AにおけるCT値の再計測を行って取得してもよい。また、CT値データが、ゴルフクラブヘッドを再現した数値計算モデルを用いてコンピュータシミュレーションで小鉄球のフェース面14Aへの衝突を再現して得られたCT値のシミュレーションデータである場合、詳細CT値データは、CT値データの取得と同じように、ゴルフクラブヘッドを再現した数値計算モデルを用いてコンピュータシミュレーションで小鉄球のフェース面14Aへの衝突を再現して得られたCT値のシミュレーションデータを取得してもよい。
なお、当初のCT値データを取得する時点から、細かいデータ間隔でフェース面14A全体の各位置におけるCT値を取得することは不必要な位置のCT値データも取得することを含むので、処理時間のロスであり、無駄な作業が多い。
【0030】
図4(a),(b)は、CT値のデータを用いてコンター図52(粗分布)を作成する方法を説明する図である。
図4(a)に示すように、フェース面14Aの各位置における、コンター図52(粗分布)を作成するためのCT値のデータが示されている。コンピュータは、このCT値データに対して、図4(b)に示すように、補間処理を行って、滑らかな分布を形成する。これにより、図2に示すようなコンター図52を作成することができる。
【0031】
コンピュータは、例えば、取得したCT値のデータを、最小二乗回帰によりCT値のデータの回帰式を算出し、算出した回帰式を用いてコンター図52を作成する。回帰式の算出は、例えば、3次曲面を定める3次曲面関数(C・X+C・Y+C・X・Y+C・X・Y+C・X+C・Y+C・X・Y+C・X+C・Y+C)の各係数(C~C)を最小二乗回帰によって決定することにより行われる。これにより、フェース面14Aの輪郭形状の縁近傍までのCT値のデータを得ることがきる。この後、回帰式で算出されたCT値のデータを用いて、バイリニア補間の処理でCT値の間のデータを補間する。なお、補間は、バイニリア補間に限定されず、公知の補間を用いることができる。例えば、バイキュビック補間を用いることができる。
【0032】
さらに、上述したように、CT値の最大値あるいは極大値の位置Bを含む特徴領域Aをコンピュータは抽出する。図4(a)に示す例では、CT値の最大値である247の位置Bを含む一定の範囲の領域が特徴領域Aとして抽出される。なお、図4(a)中、CT値=237を示す位置が、中心点Pcである。一定の範囲は、例えば、位置Bを中心として、予め定めた距離を半径とする円内の範囲であり、あるいは、最大値に対して例えば5%以下低下したCT値を有する範囲である。
【0033】
図5は、詳細CT値データと、コンター図52(粗分布)を作成するために当初取得したCT値データ(以降、詳細CT値データと区別するために、当初のCT値データともいう)の関係の一例を示す図である。図5に示すように、当初のCT値データの取得位置を囲う各矩形領域を分割した細かい分割領域におけるCT値データが詳細CT値データとして取得される。図5に示す例では、各矩形領域が4分割されて詳細CT値データが取得される。
【0034】
コンピュータは、取得した詳細CT値データを、詳細分布54を作成するために、最小二乗回帰により詳細CT値データの回帰式を算出し、算出した回帰式を用いて詳細分布54を作成する。回帰式の算出は、例えば、上述したように3次曲面を定める3次曲面関数、あるいは3次より高次の曲面関数の各係数を最小二乗回帰によって決定することにより行われる。この場合、特徴領域Aにおける回帰式で算出される値が詳細CT値データ内の最大値を超えないように、最小二乗回帰により詳細CT値データの回帰式を算出することが好ましい。回帰式の値が詳細CT値データの最大値よりも高くなることは、CT値の許容範囲の上限以下としつつ、CT値を可能な限り高くしたゴルフクラブヘッドにおいて、正確な特性表示ができなくなるので好ましくない。
図6は、図2に示すCT値のデータと異なるデータに対して回帰式の一例として2次曲面関数を用いた最小二乗回帰の結果の一例を示す図である。図6では、詳細CT値データのうち、任意のCT値が回帰式で表された2次曲面上に精度よくプロットされている。
【0035】
このように、コンピュータは、コンター図52(粗分布)と詳細分布54を同じ表示画面50上に表示するので、ゴルフクラブを購入しようとする者は、ゴルフクラブのCT値が、許容範囲に入っているか否かを判断しつつ、コンター図52を参照しながら、フェース面14A全体に対して高CT値の領域がどの程度あるか、判断することができる。また、図3に示すように、詳細分布54は、CT値の最大値となる位置を含む特徴領域Aを詳細に拡大して表示する。図3に示す詳細部分54では、CT値の分布に2つのピークが存在し、その2つのピーク56A,56Bのいずれも許容範囲内にあるかを、知ることができる。また、詳細分布54では、コンター図52において最大値をなす部分が、2つのCT値のピーク及びそのピーク間の鞍部がならされて1つのピークを構成しているのか、急峻な1つのピークであるのか、ピークの形態等を知ることができる。コンター図52において最大値をなす部分が、急峻な1つのピークで構成されている場合、急峻なピーク周辺のCT値は低いため、ゴルフボールの打撃位置がばらつくことを考慮すると、安定した飛距離を確保する点では好ましくない。このように、ゴルフクラブを購入しようとする者は、表示される詳細分布54を活用することができる。
【0036】
なお、図5に示すように、詳細CT値データの一部のデータのフェース面14A上の位置およびその位置におけるCT値は、当初のCT値データの一つのデータにおける、フェース面14A上の位置及びその位置におけるCT値と同じであることが好ましい。このとき、特徴領域A内の当初のCT値データすべてのフェース面14A上の位置及びその位置におけるCT値は、詳細CT値データに含まれることが好ましい。これにより、詳細分布54とコンター図52において同じ位置におけるCT値の食い違いがなく、安定した特性表示ができる。
【0037】
コンピュータが、CT値の詳細分布54を表示画面50に表示する際、図3とは異なり、CT値のレベルに応じて色分けされた詳細コンター図を詳細分布54として、コンター図(粗分布)52の対応する領域上に重なるように表示してもよい。この場合、コンピュータが詳細分布54を作成するとき、回帰式は、詳細分布54がコンター図52(粗分布)と接続する外縁で、詳細分布54がコンター図52に滑らかに接続される拘束条件の下に算出される、ことが好ましい。このように回帰式を制限することにより、詳細分布54をコンター図52に重ねて生じたときにアーチファクトの発生を防止することができる。
【0038】
また、一実施形態によれば、詳細CT値データのデータ間隔は、当初のCT値データのデータ間隔の50%以下であることが、詳細分布54を形成して、細かな特性表示をする点で好ましい。
【0039】
一実施形態によれば、コンター図52には、図示されないが、CT値の分布の最大値が、最大値となる位置に最大値の位置を指し示すマークとともに設けられることが好ましい。CT値は、上述したように許容範囲が設定され、例えば、インパクトエリアでは、257を上限とする。このため、CT値の制限を満足するか否かを容易に判断することができる。
【0040】
なお、フェース面14Aのうち、フェース面14Aの中心点Pcを中心として、ゴルフクラブヘッド10のトウ-ヒール方向に一定の範囲で区画されたインパクトエリアが定められている。このインパクトエリア内のCT値のうち、フェース面14Aに設定された許容範囲内であって、予め設定した下限値以上である領域が、インパクトエリアに占める面積占有比率の情報を表示画面50に表示することが好ましい。
【0041】
インパクトエリアは、中心点Pcを中心、具体的には、基準状態のフェース面14Aの中心点Pcを通る垂線を中心とした、ヒール-トウ方向に広がった一定の幅の範囲である。一定の幅は、例えば、42.67mmである。このインパクトエリアは、ゴルフボールが最も打撃される位置である。このインパクトエリアにおいてCT値が許容範囲内(例えば257以下)にあるように、CT値は制限されている。したがって、インパクトエリアの全ての位置におけるCT値が、この許容範囲にあるかを確認することができる他、CT値が可能な限り高いことを確認することができる。例えば、CT値が最大値となるピークがブロードか急峻かよりも、CT値の最大値が許容範囲上限に可能な限り近いことを優先する上級者やプロゴルファと、CT値の最大値のレベルよりも、CT値が最大値となるピークがブロードであることを優先する初級者とでは、上記面積占有比率及び上記面積占有率を定める下限値が異なる。
このため、一実施形態では、下限値は、コンピュータに入力される入力値であり、面積占有比率は入力値に応じて変更して表示画面50に表示されることが好ましい。上述の上級者やプロゴルファは、優先的にCT値の最大値に注目しながら、下限値が可能な限り高く、そのときの面積占有比率もついでに考慮し、初級者は、下限値を上級者やプロゴルファに比べて比較的低く設定して、優先的に面積占有比率の大きさを注目しながら、CT値の最大値も考慮する。
【0042】
また、インパクトエリアにおける所定の数値範囲のCT値を有する領域の面積占有率を表示する場合の他に、フェース面14A全体における所定の数値範囲のCT値を有する領域の面積占有率を表示することも好ましい。
【0043】
上述した実施形態では、いずれも特性としてCT値を用いたが、特性は、ゴルフクラブヘッドのフェース部14のフェース部材の厚さであってもよい。CT値を高くするためには、フェース部材の厚さを部分的に薄くすることが多いが、フェース部材の厚さを部分的に変化させると、厚さが変化する部分では、変形によって歪や応力が大きくなり易い。このため、この部分には、ゴルフボールの打撃による疲労蓄積により亀裂が入り易くなり、耐久性の点で好ましくない場合もある。このため、フェース部材の厚さの分布もゴルフクラブの特性として表示することが好ましい。
【0044】
このため、一実施形態では、コンピュータは、CT値と同様に、フェース部材の厚さデータを用いて以下の処理を行う。
(1)コンピュータは、予め定めたデータ間隔で取得された厚さデータを用いて作成されるフェース部材の厚さの粗分布から、粗分布内の特徴領域を抽出する。
(2)コンピュータは、抽出した特徴領域について、厚さデータに比べてデータ間隔が細かい詳細厚さデータを取得する。
(3)コンピュータは、詳細厚さデータを用いて厚さの詳細分布を作成する。
この後、コンピュータは、作成した粗分布と詳細分布を同じ表示画面50上に表示する。
【0045】
図7は、フェース部材の厚さの粗分布の一例を示す図である。図7に示す例では、中心点Pcの近くで最大厚さになっている。この部分から,トウーヒール方向に穏やかに厚さが変化している。
このような厚さデータは、X線CTスキャンにより、フェース部材のCTスキャン画像を得ることができるので、フェース面14Aの各位置の厚さを測定することができる。詳細厚さデータは、例えばCTスキャン画像から細かなデータ間隔で厚さの測定を再度行うことで得られる。
最初に厚さデータの取得のときから、細かいデータ間隔でフェース面14A全体の厚さを測定することは不必要な位置の厚さデータも取得するので、処理時間のロスであり、無駄な作業が多い。
以降、厚さの粗分布を作成するために用いる厚さデータを、その後に取得する詳細厚さデータと区別するために、当初の厚さデータという。
【0046】
なお、詳細厚さデータの一部のデータのフェース面14A上の位置及びその位置における厚さは、特徴領域における当初の厚さデータの一つのデータにおける、フェース面14A上の位置及びその位置における厚さと同じであることが好ましい。このとき、特徴領域における当初の厚さデータすべてのフェース面14A上の位置及びその位置における厚さは、詳細厚さデータに含まれることが好ましい。これにより、厚さの詳細分布と厚さの粗分布において、同じ位置における厚さの食い違いがなく、安定した特性表示ができる。
【0047】
また、厚さの粗分布における特徴領域は、厚さの変化勾配が所定以上の変化位置とその変化位置の周辺領域を含むことが好ましい。この領域が、他の領域に比べてフェース部材にクラックが入り易くなることから、耐久性の点から、この領域の詳細な変化勾配を知ることは重要である。
【0048】
また、コンピュータは、CT値の詳細分布の作成と同じように、取得した詳細厚さデータを、詳細分布を作成するために、最小二乗回帰により詳細厚さデータの回帰式を算出し、算出した回帰式を用いて詳細分布を作成する。回帰式の算出は、例えば、3次曲面を定める3次曲面関数、あるいは3次より高次の曲面関数の各係数を最小二乗回帰によって決定することにより行われる。この場合、回帰式で算出される値が特徴領域における詳細厚さデータ内の最大値を超えないように、あるいは特徴領域における詳細厚さデータ内の最小値未満にならないように、最小二乗回帰により詳細厚さデータの回帰式を算出することが好ましい。回帰式によって詳細厚さデータの最大値よりも高くなる、あるいは最小値未満になることは、正確な特性表示の点で好ましくない。
【0049】
また、コンピュータが、厚さの詳細分布を表示画面50に表示する際、厚さの粗分布と同様に、厚さのレベルに応じて色分けされた詳細分布を、粗分布の対応する領域上に重なるように表示する場合、コンピュータが詳細分布を作成するとき、回帰式は、詳細分布が粗分布と接続する外縁で、詳細分布が粗分布に滑らかに接続される拘束条件の下に算出される、ことが好ましい。このように回帰式を制限することにより、詳細分布を粗分布に重ねて生じたときにアーチファクトの発生を防止することができる。
【0050】
また、詳細厚さデータのデータ間隔は、粗分布の作成に用いる厚さデータのデータ間隔の50%以下であることが、詳細分布を形成して、細かな特性表示をする点で好ましい。
【0051】
以上、本発明のゴルフクラブヘッドの特性算出方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更してもよいのはもちろんである。
【符号の説明】
【0052】
10 ゴルフクラブヘッド
12 ヘッド本体
14 フェース部
14A フェース面
16 クラウン部
18 ソール部
20 サイド部
22 トウ
24 ヒール
30 ホーゼル
52 コンター図
54 詳細分布
56A,56B ピーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7