(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-13
(45)【発行日】2022-06-21
(54)【発明の名称】金型
(51)【国際特許分類】
B29C 45/33 20060101AFI20220614BHJP
B29C 33/44 20060101ALI20220614BHJP
【FI】
B29C45/33
B29C33/44
(21)【出願番号】P 2018083731
(22)【出願日】2018-04-25
【審査請求日】2021-04-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】日本電産株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142022
【氏名又は名称】鈴木 一晃
(74)【代理人】
【識別番号】100085213
【氏名又は名称】鳥居 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100087538
【氏名又は名称】鳥居 和久
(74)【代理人】
【識別番号】100087572
【氏名又は名称】松川 克明
(74)【代理人】
【識別番号】100105843
【氏名又は名称】神保 泰三
(72)【発明者】
【氏名】藤本 紀
(72)【発明者】
【氏名】武藤 博文
(72)【発明者】
【氏名】田中 陽介
【審査官】関口 貴夫
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-007883(JP,A)
【文献】特開昭62-117717(JP,A)
【文献】米国特許第06276923(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 45/00-45/84
B29C 33/00-33/76
B22D 17/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動型及び固定型を備え、前記可動型及び前記固定型のそれぞれ少なくとも一部によって、製品を成形する製品成形部が構成された金型であって、
外周面上に螺旋状の溝部を有するシャフトと、
前記シャフトを、前記シャフトの軸線を中心として回転可能に支持するシャフト支持部と、
前記シャフト支持部に支持され、前記シャフトの前記溝部内に位置するピンと、
前記シャフトにおける軸線に沿った方向の一方に、前記シャフトと一体で回転可能に接続された入れ子型と、
前記可動型及び前記固定型を型開きする際に、前記シャフト支持部に対し、前記シャフトを、軸線に沿った方向で且つ前記製品成形部から離脱させる方向に移動させるシャフト駆動部と、
を有し、前記製品成形部に対して前記入れ子型が移動可能なスライドユニットを備え、
前記シャフト駆動部は、前記シャフトを、前記可動型及び前記固定型を型開きする際に、前記製品成形部から離れる方向で且つ前記可動型及び前記固定型の型開き方向とは反対方向に移動させる、
金型。
【請求項2】
可動型及び固定型を備え、前記可動型及び前記固定型のそれぞれ少なくとも一部によって、製品を成形する製品成形部が構成された金型であって、
外周面上に螺旋状の溝部を有するシャフトと、
前記シャフトを、前記シャフトの軸線を中心として回転可能に支持するシャフト支持部と、
前記シャフト支持部に支持され、前記シャフトの前記溝部内に位置するピンと、
前記シャフトにおける軸線に沿った方向の一方に、前記シャフトと一体で回転可能に接続された入れ子型と、
前記可動型及び前記固定型を型開きする際に、前記シャフト支持部に対し、前記シャフトを、軸線に沿った方向で且つ前記製品成形部から離脱させる方向に移動させるシャフト駆動部と、
を有し、前記製品成形部に対して前記入れ子型が移動可能なスライドユニットを備え、
前記シャフト駆動部は、
前記可動型及び前記固定型の型開き方向に対して傾斜し且つ前記固定型から前記可動型に向かうほど前記製品成形部から離れる方向に延びるアンギュラピンと、
前記アンギュラピンが貫通する貫通孔を有し、前記シャフトを回転可能に支持しながら、前記可動型及び前記固定型を型開きする際に、前記アンギュラピンに沿って前記製品成形部から離れる方向に移動するスライダと、
を有する、金型。
【請求項3】
請求項1に記載の金型において、
前記シャフト駆動部は、
前記可動型及び前記固定型の型開き方向に対して傾斜し且つ前記固定型から前記可動型に向かうほど前記製品成形部から離れる方向に延びるアンギュラピンと、
前記アンギュラピンが貫通する貫通孔を有し、前記シャフトを回転可能に支持しながら、前記可動型及び前記固定型を型開きする際に、前記アンギュラピンに沿って前記製品成形部から離れる方向に移動するスライダと、
を有する、金型。
【請求項4】
請求項
2または3に記載の金型において、
前記スライダは、前記可動型及び前記固定型を型開きする際に、前記製品成形部から離れる方向で且つ前記可動型及び前記固定型の型開き方向とは反対方向に移動する、金型。
【請求項5】
請求項2から4のいずれか一つに記載の金型において、
前記アンギュラピンの前記固定型側を支持するアンギュラピン固定部をさらに備え、
前記アンギュラピン固定部及び前記スライダは、それぞれ、前記製品成形部で前記製品を成形する際に前記シャフトに対して軸線に沿った方向に入力される力を受ける荷重受け面を有する、金型。
【請求項6】
請求項
2から5のいずれか一つに記載の金型において、
前記シャフト支持部に接続され、前記スライダを移動可能に支持するガイド部を有し、
前記スライダは、前記可動型及び前記固定型を型開きする際に、前記アンギュラピン及び前記ガイド部に沿って移動する、金型。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一つに記載の金型において、
前記ピンを一対有し、
前記シャフトは、径方向の反対側に、前記溝部を一対有し、
前記一対のピンは、前記一対の溝部内に位置する、金型。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一つに記載の金型において、
前記スライドユニットを複数有し、
前記複数のスライドユニットは、前記製品成形部に対して放射状に位置する、金型。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一つに記載の金型において、
前記製品は、ファンの羽根形状を有する、金型。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一つに記載の金型において、
前記製品は、樹脂製であり、
樹脂の射出成形用金型である、金型。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金型に関する。
【背景技術】
【0002】
複雑な形状の成形品を成形するための金型として、入れ子型を有する金型が知られている。前記入れ子型を用いることにより、可動型及び固定型によって成形できない立体的な形状の成形品も成形することができる。このように入れ子型を用いて成形する成形品として、例えば、ファン等に用いられるインペラなどが挙げられる。
【0003】
入れ子型を用いてインペラを成形する金型として、例えば特許文献1に開示される羽根状回転体の成形型が知られている。この成形型では、相対向して接近または離間する一方の型と他方の型との間に、各々の羽根の形状に対応する複数の分割型が配置される。また、前記成形型は、各分割型を放射方向に移動させる駆動手段と、この駆動手段と協調して前記各分割型を羽根の捩れに合わせて回転させる回転手段とを備える。
【0004】
なお、前記特許文献1の成形型では、固定型と、前記分割型に連結されたロッドの端部に位置する鍔部との間に、前記分割型を型外方向へ移動させるように反発力を付与する前記駆動手段としてのコイルスプリングが装着される。
【0005】
また、前記成形型は、前記ロッドの中間部分に、前記固定型に位置する係合ピンとともに前記回転手段を構成する溝を有する。前記溝は、前記成形型の中心方向に向かって右回りの螺旋状である。前記溝には、前記係合ピンが摺動自在に係合する。
【0006】
さらに、前記可動型には、前記固定型、前記可動型及び前記分割型によってキャビティを形成している際に前記分割型の位置規制をするストッパが固定される。
【0007】
以上の構成により、前記成形型では、前記固定型に対して前記可動型を上昇させた際に、前記各分割型は、前記コイルスプリングの反発力で型外方向に移動する。このとき、前記係合ピンと前記溝とが係合しているため、前記各分割型の型外方向への移動に伴って、前記各分割型は羽根の捩れ方向に回転する。
【0008】
これにより、前記成形型によって、捩れ形状を有する羽根を備えたインペラを成形することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、金型によって成形品を成形する場合、一般的に、成形品の成形時の金型温度は高温である。そのため、このような高温環境下で、上述の特許文献1のように分割型の駆動手段としてコイルスプリングを用いた場合、前記コイルスプリングの変形等によって、前記分割型が正常に駆動しない可能性がある。
【0011】
また、前記特許文献1のように可動型の移動に伴ってコイルスプリングによって分割型を移動させる構成の場合、前記分割型は、前記可動型の移動によってストッパによる規制が外れた際に、移動を開始する。そのため、前記可動型が移動する際に、前記分割型が前記可動型のストッパ以外の部分と接触する可能性がある。
【0012】
本発明の目的は、可動型が移動する際に分割型である入れ子型が前記可動型に接触することなく、前記可動型の移動に応じて前記入れ子型を安定して移動可能な金型を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一実施形態に係る金型は、可動型及び固定型を備え、前記可動型及び前記固定型のそれぞれ少なくとも一部によって、製品を成形する製品成形部が構成された金型である。この金型は、外周面上に螺旋状の溝部を有するシャフトと、前記シャフトを、前記シャフトの軸線を中心として回転可能に支持するシャフト支持部と、前記シャフト支持部に支持され、前記シャフトの前記溝部内に位置するピンと、前記シャフトの軸線に沿った方向の一方に、前記シャフトと一体で回転可能に接続された入れ子型と、前記可動型及び前記固定型を型開きする際に、前記シャフト支持部に対し、前記シャフトを、軸線に沿った方向で且つ前記製品成形部から離脱させる方向に移動させるシャフト駆動部と、を有し、前記製品成形部に対して前記入れ子型が移動可能なスライドユニットを備える。
【発明の効果】
【0014】
本発明の一実施形態に係る金型によれば、可動型が移動する際に入れ子型が前記可動型に接触することなく、前記可動型の移動に応じて前記入れ子型を安定して移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、実施形態に係る射出成形用金型の概略構成を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、入れ子型ユニットの概略構成を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、可動型及び固定型を型開きした際の入れ子型ユニットの動作を示す斜視図である。
【
図7】
図7は、射出成形用金型で成形される樹脂成形品の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。なお、図中の同一または相当部分については同一の符号を付してその説明は繰り返さない。また、各図中の構成部材の寸法は、実際の構成部材の寸法及び各構成部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
【0017】
なお、以下の説明において、射出成形装置1を設置した状態の重力方向を「上下方向」といい、射出成形装置1の重力方向に対して直交する水平方向を「横方向」という。
【0018】
(射出成形装置)
図1は、本発明の実施形態に係る射出成形装置1の構成を模式的に示す図である。射出成形装置1は、図示しない射出プランジャ装置から溶融金属が射出される射出成形用金型10(金型)を有する。なお、前記射出プランジャ装置の構成は従来の構成と同様であるため、前記射出プランジャ装置の構成に関する説明は省略する。
【0019】
本実施形態では、射出成形装置1は、3次元の曲面を有する樹脂製の樹脂成形品Mを成形するために用いられる。
図7は、樹脂成形品Mの一例を示す斜視図である。この
図7では、入れ子型21を一点鎖線で示す。
【0020】
図7に示すように、樹脂成形品Mは、例えば、羽根形状を有し、ファン等に用いられるインペラである。樹脂成形品Mは、3次元の曲面M1を複数有する。これらの曲面M1は、射出成形用金型10の後述する入れ子型21によって形成される。樹脂成形品Mを成形した後に入れ子型21を樹脂成形品Mから離脱させる際には、
図7に実線矢印で示すように、樹脂成形品Mに対して入れ子型21を回転させながら移動させる必要がある。
【0021】
なお、
図7では、入れ子型21を一つのみ図示しているが、樹脂成形品Mの複数の曲面M1を形成するためには、複数の入れ子型21が用いられる。
【0022】
射出成形用金型10は、図示しない可動盤に固定された可動型11と、図示しない固定盤に固定された固定型12と、複数の入れ子型ユニット20とを有する。可動盤は、射出成形装置1において上下方向に移動可能である。固定盤は、射出成形装置1の図示しないフレーム等に固定される。
【0023】
よって、可動盤が固定盤から離れる方向に移動することにより、射出成形用金型10の可動型11は固定型12に対して離れる方向に移動する。可動型11が固定型12から離れる方向が、型開き方向である。一方、可動盤が固定盤に近づく方向に移動することにより、射出成形用金型10の可動型11は固定型12に対して近づく方向に移動する。
【0024】
可動型11及び固定型12は、それぞれ、対向する面に金型合わせ面11a,12aを有する。これらの金型合わせ面11a,12aは、樹脂成形品Mを成形する製品成形部13を構成する。
【0025】
複数の入れ子型ユニット20は、それぞれ、入れ子型21を有する。複数の入れ子型21は、可動型11及び固定型12とともに、射出成形品Mを成形するための図示しないキャビティを構成する。すなわち、複数の入れ子型21は、可動型11の金型合わせ面11aと固定型12の金型合わせ面12aとの間に位置し、射出成形品Mの3次元の曲面M1を形成する。
【0026】
複数の入れ子型ユニット20は、後述する可動部30が可動盤に固定され、且つ、後述する固定部40が固定盤に固定される。すなわち、複数の入れ子型ユニット20は、可動盤に固定される部分と、固定盤に固定される部分とを有する。これにより、複数の入れ子型ユニット20のうち可動盤に固定された部分は、可動盤の上下方向の移動に応じて、固定盤に固定された部分に対して上下方向に移動する。
【0027】
複数の入れ子型ユニット20は、可動型11及び固定型12を囲んで位置する。詳しくは、複数の入れ子型ユニット20は、可動型11の移動方向から見て、可動型11及び固定型12に対して放射状に位置する。複数の入れ子型ユニット20は、周方向に等間隔で位置する。本実施形態では、射出成形用金型10は、7つの入れ子型ユニット20を有する。
【0028】
(入れ子型ユニット)
複数の入れ子型ユニット20は、同じ構成を有する。そのため、以下では、一つの入れ子型ユニット20について説明する。
図2は、入れ子型ユニット20の構成を示す斜視図である。
図3は、
図2におけるIII-III線断面図である。
図4は、
図2におけるIV-IV線断面図である。
【0029】
図2及び
図4に示すように、入れ子型ユニット20(スライドユニット)は、入れ子型21と、可動部30と、固定部40と、スライド部50とを有する。入れ子型21は、可動部30、固定部40及びスライド部50によって、可動型11及び固定型12の製品成形部13に対して、離れる方向に移動及び回転する。すなわち、入れ子型ユニット20は、製品成形部13によって樹脂成形品Mを成形した後、入れ子型21を3次元で移動させることにより、入れ子型21を樹脂成形品Mから離脱させることができる。
【0030】
可動部30は、図示しない可動盤に固定される。固定部40は、図示しない固定盤に固定される。スライド部50は、可動部30と固定部40との間に、可動部30上を移動可能に位置する。入れ子型21は、スライド部50に接続される。これにより、スライド部50の動きに応じて、入れ子型21は移動する。
【0031】
以下で、可動部30、固定部40及びスライド部50の詳しい構成を説明する。
【0032】
可動部30は、支持台31と、一対のスライドレール32と、シャフト支持部33とを有する。
【0033】
支持台31は、図示しない可動盤に固定される。支持台31は、上下方向に貫通する可動側貫通孔31aを有する直方体状の部材である。可動側貫通孔31aは、固定部40の後述するアンギュラピン42の径よりも大きい径を有する。
【0034】
支持台31の上下方向の寸法は、可動型11に向かうほど小さい。すなわち、支持台31の上面は、可動型11に向かって下方に傾斜する。支持台31の上面は、スライダ移動面31bと、一対のスライドレール設置面31cとを有する。スライダ移動面31b及び一対のスライドレール設置面31cは、それぞれ、可動型11に向かって下方に傾斜する。
【0035】
図3に示すように、スライダ移動面31bは、支持台31の上面のうち傾斜方向に直交する方向の中央部に位置する。一対のスライドレール設置面31cは、支持台31の上面のうち傾斜方向に直交する方向の両端部に位置する。すなわち、スライダ移動面31bは、支持台31の上面において、一対のスライドレール設置面31cの間に位置する。一対のスライドレール設置面31cは、スライダ移動面31bよりも、スライダ移動面31bの法線方向上方に位置する。
【0036】
スライダ移動面31b上を、スライド部50の後述するスライダ51が移動する。一対のスライドレール設置面31c上には、一対のスライドレール32が固定される。スライダ51は、一対のスライドレール32の間に位置する。
【0037】
一対のスライドレール32は、一方向に長い角柱状の部材である。一対のスライドレール32は、支持台31の一対のスライドレール設置面31c上に、傾斜に沿って互いに平行に延びる。各スライドレール32は、一部がスライダ移動面31bの法線方向上方に突出した状態で、各スライドレール設置面31cに固定される。スライダ51の後述するフランジ部51dは、各スライドレール32とスライダ移動面31bとの間に位置する。これにより、スライダ51が、スライダ移動面31bに対して法線方向上方に離れることを防止できる。よって、一対のスライドレール32は、スライダ51を移動可能に支持するガイド部として機能する。
【0038】
図2及び
図4に示すように、シャフト支持部33は、柱状の部材である。シャフト支持部33は、支持台31の可動型11側の側面に固定される。シャフト支持部33は、スライド部50のシャフト52が貫通するシャフト貫通孔33aを有する。シャフト貫通孔33aは、支持台31のスライダ移動面31bに対して平行な方向に、シャフト支持部33を貫通する。すなわち、シャフト貫通孔33aは、支持台31側から可動型11に向かって斜め下方に延びる。
【0039】
図3に示すように、シャフト支持部33は、内部に、シャフト貫通孔33a内に向かって突出する一対のピン34を有する。一対のピン34は、シャフト貫通孔33aを貫通するシャフト52の横方向両側に位置する。すなわち、シャフト貫通孔33a内のシャフト52は、一対のピン34の間に位置する。一対のピン34の基端部は、シャフト支持部33によって支持される。一対のピン34の先端部は、それぞれ、シャフト52の後述する螺旋溝52a内に位置する。これにより、シャフト52とシャフト支持部33とが相対移動した場合、シャフト52は、螺旋溝52a内に一対のピン34が位置付けられた状態で、軸線Pを中心として回転する。
【0040】
図2から
図4に示すように、スライド部50は、スライダ51と、シャフト52とを有する。
【0041】
スライダ51は、可動部30の支持台31のスライダ移動面31b上に移動可能に位置する。
図3に示すように、スライダ51は、移動方向に直交し且つスライダ移動面31bに対して平行な方向の両側に、それぞれ、フランジ部51dを有する。各フランジ部51dは、スライダ51の移動方向に延びる。各フランジ部51dは、スライダ移動面31bとスライドレール32との間に位置する。これにより、スライダ51が、スライダ移動面31bに対して上方に移動することを規制できる。
【0042】
図4に示すように、スライダ51は、固定部40の後述するアンギュラピン42が貫通するスライダ貫通孔51a(貫通孔)を有する。スライダ貫通孔51aは、上下方向に延び且つ下方に向かうほど可動型11から離れる方向に向かって斜めに延びる。
【0043】
また、スライダ51は、上側で且つ可動型11側に、上方に突出するスライダ突出部51bを有する。スライダ突出部51bは、シャフト52の基端側を回転可能に支持する。詳しくは、スライダ突出部51bには、シャフト52の基端側を回転可能に支持するシャフト押さえ部材53が固定される。なお、スライダ貫通孔51aは、スライダ突出部51bを貫通しない。
【0044】
スライダ51と固定部40とが接触した状態で、スライダ突出部51bは、固定部40に接触する。詳しくは、スライダ突出部51bは、固定部40に対し、後述する固定側突出部41b以外の部分に接触する。このとき、スライダ突出部51bにおける可動型11とは反対側の面は、固定部40の後述する固定側支持部41の固定側突出部41bと接触する。これにより、射出成形品Mの成形時にシャフト52に対して軸線Pに沿った方向に加わる力は、スライダ51のスライダ突出部51bを介して固定側支持部41によって受け止められる。すなわち、スライダ突出部51b及び固定側支持部41の固定側突出部41bにおいて接触する面が、それぞれ荷重受け面51c,41cである。
【0045】
シャフト52は、スライダ51のスライダ突出部51bから可動型11に向かって斜め下方に延びる。すなわち、既述のように、シャフト52の基端側は、スライダ51のスライダ突出部51bに回転可能に支持される。シャフト52の軸線Pに沿った方向の一方に、ボルト54によって、入れ子型21が固定される。これにより、入れ子型21は、シャフト52が回転した場合にシャフト52と一緒に回転し、シャフト52が軸線Pに沿った方向に移動した場合にシャフト52と一緒に移動する。
【0046】
図2及び
図3に示すように、シャフト52は、外周面上に一対の螺旋溝52a(溝部)を有する。一対の螺旋溝52aは、シャフト52の外周面上で、軸線Pに沿った方向に螺旋状に延びる。一対の螺旋溝52aは、シャフト52を軸線Pに直交する断面で見て、シャフト52の外周面上に、軸線Pに対して径方向の反対側に位置する。すなわち、前記断面で見て、軸線Pは、一対の螺旋溝52aの間に位置する。以上の構成により、本実施形態の一対の螺旋溝52aは、シャフト52の外周面上で、軸線Pに沿った方向に、軸線Pを挟んで平行且つ螺旋状に延びる。
【0047】
固定部40は、固定側支持部41(アンギュラピン固定部)と、アンギュラピン42とを有する。
【0048】
固定側支持部41は、固定盤に固定される。固定側支持部41は、アンギュラピン42が貫通する固定側貫通孔41aを有する。固定側貫通孔41aは、上下方向に延び且つ下方に向かうほど可動型11から離れる方向に向かって斜めに延びる。
【0049】
図4に示すように、固定側支持部41は、下側で且つ可動型11とは反対側に、下方に突出する固定側突出部41bを有する。固定側貫通孔41aは、固定側突出部41bを貫通する。固定部40とスライダ51とが接触した状態で、固定側突出部41bは、スライダ51に対し、スライダ突出部51b以外の部分に接触する。このとき、固定側突出部41bの可動型11側の面は、スライダ突出部51bにおける可動型11とは反対側の面と接触する。これらの接触面が、それぞれ、既述の荷重受け面41c,51cである。
【0050】
なお、荷重受け面41c,51cは、射出成形用金型10の製品成形部13で樹脂成形品Mを成形する際に、射出された樹脂等によって、入れ子型21を介して軸線Pに沿った方向にシャフト52に入力される力を受ける。これにより、射出成形用金型10の製品成形部13で樹脂成形品Mを成形する際に、スライダ51の移動を防止できる。よって、射出成形用金型10の製品成形部13で樹脂成形品Mを成形する際に、入れ子型21の位置を製品成形部13に対して精度良く位置決めすることができる。したがって、射出成形用金型10によって、樹脂成形品Mを寸法精度良く成形することができる。
【0051】
アンギュラピン42は、固定側支持部41の固定側貫通孔41a内に挿入された状態で、固定側支持部41に固定される。アンギュラピン42は、上下方向に延び且つ下方に向かうほど可動型11から離れる方向に傾いて位置する。すなわち、アンギュラピン42は、可動型11及び固定型12の型開き方向に対して傾斜し且つ固定型12から可動型11に向かうほど製品成形部13から離れる方向に延びる。
【0052】
アンギュラピン42は、スライダ51のスライダ貫通孔51aを貫通する。アンギュラピン42の下端部は、支持台の可動側貫通孔31a内に位置する。
【0053】
(入れ子型ユニットの動作)
次に、上述の構成を有する入れ子型ユニット20の動作について説明する。
図5は、入れ子型ユニット20の可動部30が固定部40に対して離間した状態を示す斜視図である。
図6は、
図5におけるVI-VI線断面図である。
【0054】
図5及び
図6に示すように、可動盤が固定盤に対して上下方向に離間して、可動盤に固定された可動部30が固定盤に固定された固定部40に対して上下方向に離間すると、アンギュラピン42も、可動部30及びスライド部50に対して上下方向に離間する。
図5及び
図6において、可動部30の移動方向を白抜き矢印で示す。
【0055】
既述のように、アンギュラピン42は、下方に向かって可動型11から離れる方向に傾いて延びる。そのため、アンギュラピン42が可動部30及びスライド部50に対して上下方向に離間すると、アンギュラピン42がスライダ貫通孔51aを貫通するスライダ51は、アンギュラピン42によって、可動型11及び固定型12の製品成形部13から離れる方向に押される。すなわち、スライダ51は、可動型11及び固定型12を型開きする際に、アンギュラピン42に沿って製品成形部13から離れる方向に移動する。これにより、スライダ51は、可動部30における支持台31のスライダ移動面31b上を、製品成形部13から離れる方向に移動する。
図5及び
図6に、スライダ51の移動方向を、斜線付き矢印で示す。
【0056】
また、スライダ51は、スライダ移動面31b上を移動する際に、支持台31の一対のスライドレール32に沿って移動する。
【0057】
よって、スライダ51は、可動型11及び固定型12を型開きする際に、アンギュラピン42及び一対のスライドレール32に沿って移動する。これにより、可動型11及び固定型12の型開きによって、スライダ移動面31b上でスライダ51をより確実に移動させることができる。
【0058】
なお、支持台31のスライダ移動面31bは、可動型11に向かって下方に傾斜している。そのため、上述のようにスライダ51がスライダ移動面31b上を製品成形部13から離れる方向に移動することにより、可動型11及び固定型12を型開きする際に、スライダ51は、可動型11が固定型12に対して移動する方向とは反対方向、すなわち可動型11及び固定型12の型開き方向とは反対方向に、移動する。
【0059】
上述のようにアンギュラピン42が移動した場合、アンギュラピン42の下端部は、支持台31の可動側貫通孔31a内を移動する。可動側貫通孔31aは、アンギュラピン42の径よりも大きな径を有する。よって、アンギュラピン42の下端部が、可動側貫通孔31aの表面に接触することを防止できる。
【0060】
上述のように、スライダ51が支持台31のスライダ移動面31b上を製品成形部13から離れる方向に移動することにより、スライダ51に支持されたシャフト52も、前記方向に移動する。すなわち、シャフト52は、可動型11及び固定型12を型開きする際に、シャフト支持部33に対して製品成形部13から離れる方向で且つ前記型開き方向とは反対方向に移動する。
【0061】
以上より、可動部30の支持台31及び一対のスライドレール32、固定部40のアンギュラピン42、及び、スライド部50のスライダ51が、シャフト52を移動させるシャフト駆動部22を構成する。すなわち、入れ子型ユニット20は、シャフト駆動部22を備える。このシャフト駆動部22は、シャフト52を、軸線Pに沿った方向で且つ製品成形部13から離脱させる方向に移動させる。入れ子型21は、シャフト52の軸線Pに沿った方向の一方に、シャフト52と一体で回転可能に接続される。これにより、入れ子型21は、シャフト駆動部22によって、シャフト52と一緒に移動する。
【0062】
シャフト52の外表面の螺旋溝52a内には、シャフト支持部33によって支持されたピン34が位置する。そのため、上述のようにシャフト52が移動すると、シャフト52は、螺旋溝52a内にピン34を位置付けながら、螺旋溝52aに沿って、軸線Pを中心として回転する。
【0063】
これにより、可動型11が固定型12から離間する際に、シャフト52は、可動型11から離間する方向に移動しながら軸線Pを中心として回転する。よって、シャフト52の軸線Pに沿った方向の一方に接続された入れ子型21も、可動型11が固定型12から離間する際に、可動型11から離間する方向に移動しながら軸線Pを中心として回転する。
図5及び
図6に、入れ子型21の回転方向を実線矢印で示す。
【0064】
したがって、射出成形装置1によって、インペラ等の複雑な3次元の曲面M1を有する樹脂成形品Mを成形する際に、入れ子型21を、入れ子型ユニット20の駆動によって樹脂成形品Mから取り出すことができる。
【0065】
本実施形態の射出成形用金型10は、外周面上に螺旋溝52aを有するシャフト52と、シャフト52を、シャフト52の軸線Pを中心として回転可能に支持するシャフト支持部33と、シャフト支持部33に支持され、シャフト52の螺旋溝52a内に位置するピン34と、シャフト52の軸線Pに沿った方向の一方に、シャフト52と一体で回転可能に接続された入れ子型21と、可動型11及び固定型12を型開きする際に、シャフト支持部33に対し、シャフト52を、軸線Pに沿った方向で且つ製品成形部13から離脱させる方向に移動させるシャフト駆動部22と、を有し、製品成形部13に対して入れ子型21が移動可能な入れ子型ユニット20を備える。
【0066】
シャフト駆動部22によってシャフト52をシャフト支持部33に対して軸線Pに沿った方向に移動させることにより、シャフト52の外周面上に位置する螺旋溝52aは、シャフト支持部33に支持されたピン34に対して移動する。これにより、シャフト52は、シャフト支持部33に対して回転する。
【0067】
したがって、可動型11及び固定型12を型開きする際に、シャフト駆動部22が、シャフト支持部33に対し、シャフト52を、軸線Pに沿った方向で且つ製品成形部13から離脱させる方向に移動させることにより、シャフト52は、軸線Pを中心として回転しながら軸線Pに沿った方向に製品成形部13から離脱する。これにより、シャフト52の軸線Pに沿った方向の一方にシャフト52と一体で回転可能に接続された入れ子型21も、回転しながら軸線Pに沿った方向に製品成形部13から離脱する。
【0068】
以上より、本実施形態の入れ子型ユニット20は、固定盤に対して可動盤が離間した際に、入れ子型21を3次元で移動させることができる。これにより、可動盤に固定された可動型11の移動に応じて入れ子型21を移動させることができる。したがって、例えば、射出成形用金型10によって成形される樹脂成形品Mが3次元にねじれた形状を有する場合でも、前記樹脂成形品Mを射出成形用金型10から取り出すことができる。
【0069】
しかも、本実施形態の入れ子型ユニット20は、入れ子型を移動させる際に従来の構成のようなコイルスプリングを用いない。よって、可動型11の移動に応じて入れ子型21を移動させた場合に、入れ子型21が可動型11に接触することを防止できる。また、高温状態になる射出成形用金型10において、入れ子型21を安定して移動させることができる。
【0070】
以上のように、本実施形態の入れ子型ユニット20を備えた射出成形用金型10によって、可動型11が移動する際に入れ子型21が可動型11に接触することなく、可動型11の移動に応じて入れ子型21を安定して移動可能な金型が得られる。
【0071】
シャフト駆動部22は、シャフト52を、可動型11及び固定型12を型開きする際に、製品成形部13から離れる方向で且つ可動型11及び固定型12の型開き方向とは反対方向に移動させる。
【0072】
これにより、入れ子型21を、樹脂成形品Mに対して型開き方向に斜めに引き抜くことができる。よって、複雑な形状を有する樹脂成形品Mを射出成形用金型10によって成形した場合でも、樹脂成形品Mを射出成形用金型10から取り出すことができる。
【0073】
シャフト駆動部22は、可動型11及び固定型12の型開き方向に対して傾斜し且つ固定型12から可動型11に向かうほど製品成形部13から離れる方向に延びるアンギュラピン42と、アンギュラピン42が貫通するスライダ貫通孔51aを有し、シャフト52を回転可能に支持しながら、可動型11及び固定型12を型開きする際にアンギュラピン42に沿って製品成形部13から離れる方向に移動するスライダ51と、を有する。
【0074】
これにより、可動型11及び固定型12を型開きする際に、シャフト支持部33に対し、シャフト52を、軸線Pに沿った方向で且つ製品成形部13から離脱させる方向に移動させるシャフト駆動部22の構成を実現することができる。
【0075】
スライダ51は、可動型11及び固定型12を型開きする際に、製品成形部13から離れる方向で且つ可動型11及び固定型12の型開き方向とは反対方向に移動する。
【0076】
これにより、シャフト52を、可動型11及び固定型12を型開きする際に、製品成形部13から離れる方向で且つ可動型11及び固定型12の型開き方向とは反対方向に移動させるシャフト駆動部22の構成を実現することができる。
【0077】
射出成形用金型10は、アンギュラピン42の固定型12側を支持する固定側支持部41をさらに備える。固定側支持部41及びスライダ51は、それぞれ、製品成形部13で樹脂成形品Mを成形する際にシャフト52に対して軸線Pに沿った方向に入力される力を受ける荷重受け面41c,51cを有する。
【0078】
これにより、射出成形用金型10の製品成形部13で樹脂成形品Mを成形する際に、スライダ51が力を受けて移動するのを防止できる。しかも、固定側支持部41に対してスライダ51の位置を決めることができるため、シャフト52の軸線Pに沿った方向の一方に接続された入れ子型21を、製品成形部13に対して位置決めすることができる。よって、射出成形用金型10によって、樹脂成形品Mを寸法精度良く成形することができる。
【0079】
射出成形用金型10は、シャフト支持部33に接続され、スライダ51を移動可能に支持するスライドレール32を有する。スライダ51は、可動型11及び固定型12を型開きする際に、アンギュラピン42及びスライドレール32に沿って移動する。
【0080】
これにより、可動型11及び固定型12を型開きする際に、スライダ51をより確実に移動させることができる。
【0081】
射出成形用金型10は、ピン34を一対有する。シャフト52は、径方向の反対側に、螺旋溝52aを一対有する。一対のピン34は、一対の螺旋溝52a内に位置する。
【0082】
これにより、シャフト52を軸線Pに沿った方向に移動させた際に、シャフト52を一対のピン34によって、より確実に回転させることができる。
【0083】
射出成形用金型10は、入れ子型ユニット20を複数有する。複数の入れ子型ユニット20は、製品成形部13に対して放射状に位置する。
【0084】
これにより、樹脂成形品Mが、3次元にねじれた形状を有する部分を放射状に複数備えた場合でも、それらの部分を同時に成形して射出成形用金型10から取り出すことができる。よって、樹脂成形品Mの生産性を向上することができる。
【0085】
樹脂成形品Mは、ファンの羽根形状を有する。ファンの羽根形状は、3次元にねじれた曲面を有する形状である。このような形状を有する樹脂成形品Mであっても、本実施形態の構成を有する射出成形用金型10を用いて成形することにより、樹脂成形品Mを射出成形用金型10から取り出すことができる。
【0086】
(その他の実施形態)
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【0087】
前記実施形態では、シャフト駆動部22は、可動型11及び固定型12の型開きの際に、アンギュラピン42によって、スライダ51をスライダ移動面31b上で移動させる。これにより、シャフト駆動部22は、可動型11及び固定型12の型開きの際に、シャフト52を、シャフト支持部33に対し、軸線Pに沿った方向で且つ製品成形部13から離脱させる方向に移動させる。しかしながら、シャフトを上述のように移動可能な構成であれば、シャフト駆動部の構成は、他の構成であってもよい。
【0088】
前記実施形態では、入れ子型ユニット20は、シャフト52の一対の螺旋溝52a内に位置する一対のピン34を有する。しかしながら、入れ子型ユニットは、1つまたは3つ以上のピンを有してもよい。シャフトは、ピンの数と同じ数の螺旋溝を有してもよいし、ピンの数よりも多い螺旋溝を有してもよい。
【0089】
前記実施形態では、支持台31、スライドレール32及びシャフト支持部33は、それぞれ、別部材である。しかしながら、支持台、スライドレール及びシャフト支持部のうち2つを単一の部材によって構成してもよい。支持台、スライドレール及びシャフト支持部を単一の部材によって構成してもよい。
【0090】
前記実施形態では、射出成形用金型10で成形する樹脂成形品Mは、ファンのインペラである。しかしながら、樹脂成形品は、3次元の曲面を有する形状であれば、他の形状を有する製品であってもよい。
【0091】
前記実施形態では、射出成形用金型10は、7つの入れ子型ユニット20を有する。しかしながら、射出成形用金型10は、6つ以下の入れ子型ユニットを有してもよいし、8つ以上の入れ子型ユニットを有してもよい。また、射出成形用金型は、樹脂成形品の形状に応じて、1つまたは複数の入れ子型ユニットを有してもよい。
【0092】
前記実施形態では、射出成形用金型10が、入れ子型ユニット20を有する。しかしながら、入れ子型を用いて成形する金型であれば、鋳造用金型などの他の用途の金型に、本発明の構成を適用してもよい。
【0093】
前記実施形態では、可動型11は、固定型12に対して上下方向に移動する。すなわち、射出成形用金型10は、上下方向に型開き及び型締めする。しかしながら、射出成形用金型は、横方向などの他の方向に型開き及び型締めしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明は、可動型、固定型及び入れ子型を備え、前記入れ子型によって3次元の曲面を有する製品を成形する金型に利用可能である。
【符号の説明】
【0095】
1 射出成形装置
10 射出成形用金型(金型)
11 可動型
12 固定型
13 製品成形部
20 入れ子型ユニット(スライドユニット)
21 入れ子型
22 シャフト駆動部
30 可動部
31 支持台
31a 可動側貫通孔
31b スライダ移動面
31c スライドレール設置面
32 スライドレール(ガイド部)
33 シャフト支持部
33a シャフト貫通孔
34 ピン
40 固定部
41 固定側支持部(アンギュラピン固定部)
41a 固定側貫通孔
41b 固定側突出部
41c 荷重受け面
42 アンギュラピン
50 スライド部
51 スライダ
51a スライダ貫通孔(貫通孔)
51b スライダ突出部
51c 荷重受け面
51d フランジ部
52 シャフト
52a 螺旋溝(溝部)
53 シャフト押さえ部材
54 ボルト
P 軸線
M 樹脂成形品