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  • 特許-車両用エンブレム組付構造 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-13
(45)【発行日】2022-06-21
(54)【発明の名称】車両用エンブレム組付構造
(51)【国際特許分類】
   B60R 13/00 20060101AFI20220614BHJP
   B60R 13/04 20060101ALI20220614BHJP
   B60R 19/52 20060101ALI20220614BHJP
   F16B 5/06 20060101ALI20220614BHJP
【FI】
B60R13/00
B60R13/04 Z
B60R19/52 K
F16B5/06 Q
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018117555
(22)【出願日】2018-06-21
(65)【公開番号】P2019217934
(43)【公開日】2019-12-26
【審査請求日】2021-04-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124110
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 大介
(74)【代理人】
【識別番号】100120400
【弁理士】
【氏名又は名称】飛田 高介
(74)【代理人】
【識別番号】110000349
【氏名又は名称】特許業務法人 アクア特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 仁志
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 和雅
【審査官】久保田 信也
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-083720(JP,A)
【文献】実開平04-026849(JP,U)
【文献】実開昭63-046265(JP,U)
【文献】実開平06-024214(JP,U)
【文献】特開2005-271684(JP,A)
【文献】特開2011-073662(JP,A)
【文献】特開2004-306917(JP,A)
【文献】実開昭55-136654(JP,U)
【文献】中国実用新案第204775040(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 13/00
B60R 19/52
B60R 13/04
F16B 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のグリルの一部であるグリル部材と該グリル部材の前側に組み付けられるエンブレム部材とを含む車両用エンブレム組付構造において、
前記エンブレム部材は、
前記グリル部材から下方にはみ出るオーバーハング領域と、
前記オーバーハング領域から後方に突出して前記グリル部材の下方に位置する延長部と、
前記延長部を上下方向に貫通して形成されている貫通孔とを有し、
前記グリル部材は、下方へ突出して前記貫通孔に挿入されるピンを有することを特徴とする車両用エンブレム組付構造。
【請求項2】
前記貫通孔は、挿入された前記ピンに対して前後方向に間隙を有することを特徴とする請求項1に記載の車両用エンブレム組付構造。
【請求項3】
当該車両用エンブレム組付構造はさらに、前記貫通孔と前記ピンとの間隙に嵌め込まれるクリップを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用エンブレム組付構造。
【請求項4】
当該車両用エンブレム組付構造はさらに、前記グリル部材の下方にて車体に組み付けられる前記グリルの他の部分または所定の構造部材を含み、
前記グリルの他の部分または前記構造部材は、前記貫通孔を通った前記ピンが挿し込まれる挿込孔を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の車両用エンブレム組付構造。
【請求項5】
当該車両用エンブレム組付構造はさらに、前記グリル部材の下方にて車体に組み付けられる前記グリルの他の部分または所定の構造部材を含み、
前記エンブレム部材はさらに、前記グリルの他の部分または前記構造部材に挿し込まれるツメを有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の車両用エンブレム組付構造。
【請求項6】
前記エンブレム部材はさらに、前記グリルの他の部分または前記構造部材に挿し込まれるツメを有することを特徴とする請求項4に記載の車両用エンブレム組付構造。
【請求項7】
前記ツメは、前記貫通孔の前側に設けられていることを特徴とする請求項5または6に記載の車両用エンブレム組付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用エンブレム組付構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両の前面は、外観上その車両の顔となる重要な部位であり、バンパやグリル、ライト(例えば特許文献1の図1参照)などの意匠の工夫や、メーカー名や車名を象徴したエンブレムを配置して美的な演出を施すなど、美観を向上させるための様々な配慮がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-306917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的なエンブレム部材は、車幅方向中央のやや上部、特にグリルの前側に組み付けられることが多い。この場合、グリルを形成している部材(グリル部材)を車体から外した状態において、エンブレム部材は、グリル部材から一部がはみ出した構造になっていることがある。このような構造では、エンブレム部材の一部がグリル部材から浮いた状態になるため、エンブレム部材の設置剛性を確保し難く、エンブレム部材の設置が不安定になるおそれがある。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑み、エンブレム部材をグリル部材に安定して組付可能な車両用エンブレム組付構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明にかかる車両用エンブレム組付構造の代表的な構成は、車両のグリルの一部であるグリル部材とグリル部材の前側に組み付けられるエンブレム部材とを含む車両用エンブレム組付構造において、エンブレム部材は、グリル部材から下方にはみ出るオーバーハング領域と、オーバーハング領域から後方に突出してグリル部材の下方に位置する延長部と、延長部を上下方向に貫通して形成されている貫通孔とを有し、グリル部材は、下方へ突出して貫通孔に挿入されるピンを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、エンブレム部材をグリル部材に安定して組付可能な車両用エンブレム組付構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施例にかかる車両用エンブレム組付構造の概要を示した図である。
図2図1(b)の組付構造の構成の詳細を示した図である。
図3図2(a)の組付構造を上方から見た斜視図である。
図4図2(b)のピンの周囲の拡大図である。
図5図2(b)のエンブレムベースのアッパグリルへの組付作業の流れを示した図である。
図6図2(b)のアッパグリルをロアグリルに組み付ける様子を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一実施の形態に係る車両用エンブレム組付構造は、車両のグリルの一部であるグリル部材とグリル部材の前側に組み付けられるエンブレム部材とを含む車両用エンブレム組付構造において、エンブレム部材は、グリル部材から下方にはみ出るオーバーハング領域と、オーバーハング領域から後方に突出してグリル部材の下方に位置する延長部と、延長部を上下方向に貫通して形成されている貫通孔とを有し、グリル部材は、下方へ突出して貫通孔に挿入されるピンを有することを特徴とする。
【0010】
上記構成によれば、エンブレム部材をグリル部材に効率よく組み付けることができる。特に、エンブレム部材の下部(オーバーハング領域)がグリル部材からはみ出る構成であっても、エンブレム部材の姿勢が安定し、エンブレム部材の位置ずれを防ぐことが可能になる。
【0011】
上記の貫通孔は、挿入されたピンに対して前後方向に間隙を有するとよい。言い換えると、貫通孔の前後方向の寸法は、ピンの前後方向の太さに対して間隙を生じさせる程度に大きな寸法であるとよい。この構成によって、エンブレム部材をグリル部材に組み付ける際に、貫通孔にピンを挿し込んだ状態でもエンブレム部材をある程度に動かすことが可能になり、エンブレム部材の組付作業を効率よく行うことが可能になる。
【0012】
当該車両用エンブレム組付構造はさらに、貫通孔とピンとの間隙に嵌め込まれるクリップを含んでもよい。このクリップが貫通孔とピンとの間隙を埋めることで、エンブレム部材の姿勢を安定させることができる。
【0013】
当該車両用エンブレム組付構造はさらに、グリル部材の下方にて車体に組み付けられるグリルの他の部分または所定の構造部材を含み、グリルの他の部分または構造部材は、貫通孔を通ったピンが挿し込まれる挿込孔を有してもよい。
【0014】
上記構成によって、グリル部材をグリルの他の部分や所定の構造部材に対して位置決めすることが可能になり、グリル部材を車体に効率よく組み付けることが可能になる。なお、所定の構造部材の例としては、フロントバンパなどを挙げることができる。
【0015】
当該車両用エンブレム組付構造はさらに、グリル部材の下方にて車体に組み付けられるグリルの他の部分または所定の構造部材を含み、エンブレム部材はさらに、グリルの他の部分または構造部材に挿し込まれるツメを有してもよい。
【0016】
上記構成によって、エンブレム部材をグリルの他の部分や所定の構造部材に対して位置決めすることが可能になり、エンブレム部材の姿勢をより安定させることができる。
【0017】
上記のエンブレム部材はさらに、上記のグリルの他の部分または構造部材に挿し込まれるツメを有してもよい。このツメによって、上述したようにエンブレム部材をグリルの他の部分や所定の構造部材に対して位置決めすることが可能になり、エンブレム部材の姿勢をより安定させることができる。
【0018】
上記のツメは、貫通孔の前側に設けられているとよい。貫通孔とピンとが嵌合した箇所は剛性が高いため、その前側にツメも配置することで、エンブレム部材と構造部材とをより高い剛性で接続することができる。
【実施例
【0019】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施例について詳細に説明する。かかる実施例に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0020】
図1は、本発明の実施例にかかる車両用エンブレム組付構造(以下、組付構造100)の概要を示した図である。図1(a)は、車両の前面を示している。以下、図1その他の本願のすべての図面において、車両前後方向をそれぞれ矢印F(Forward)、B(Backward)、車幅方向の左右をそれぞれ矢印L(Leftward)、R(Rightward)、車両上下方向をそれぞれ矢印U(Upward)、D(Downward)で例示する。
【0021】
車両の前面では、車幅方向にわたってフロントバンパ106が設けられ、フロントバンパ106の上方の車幅方向中央にラジエータグリル104が設けられている。ラジエータグリル104は、上側のアッパグリル104aと、下側のロアグリル104bで形成されている。当該組付構造100は、エンブレム部材102を、ラジエータグリル104の一部を形成するグリル部材であるアッパグリル104aに対して、安定して組み付けることを主な目的としている。エンブレム部材102は、ラジエータグリル104の中央のやや上側において、アッパグリル104aの前側に組み付けられている。
【0022】
図1(b)は、図1(a)のアッパグリル104aを車体から外して示した図である。エンブレム部材102は、メーカー名や車名を模ったエンブレム102aと、エンブレム102aの座面となるエンブレムベース102bとを含んで構成されている。アッパグリル104aに組み付けられたエンブレムベース102bの一部は、エンブレム102aのレイアウトの都合上、アッパグリル104aの下縁108よりも下方にはみ出た構成になっている。このはみ出た領域を、本願ではオーバーハング領域E1と称呼する。当該組付構造100では、エンブレムベース102bにオーバーハング領域E1を設定しつつも、エンブレムベース102bのアッパグリル104aへの組付けが不安定にならないよう、独自の要素を設けている。
【0023】
図2は、図1(b)の組付構造100の構成の詳細を示した図である。図2(a)は、エンブレムベース102bのオーバーハング領域E1を、車両後方の車幅方向左側下方から見た斜視図である。オーバーハング領域E1には、車両後側に延長部110が設けられている。延長部110は、オーバーハング領域E1から車両後方へ帯状に突出している。延長部110は、上下方向に貫通した貫通孔112(図2(b)参照)が設けられていて、貫通孔112を利用してアッパグリル104aのピン114に接続される。
【0024】
図2(b)は、図1(b)の組付構造100のA-A断面図である。延長部110は、オーバーハング領域E1から、アッパグリル104aの下方に位置する程度に後方へ突出している。ピン114は、アッパグリル104aの下部のやや車両後方側から下方へ突出していて、貫通孔112に上方から挿入される。
【0025】
当該組付構造100は、貫通孔112に下方から嵌め込まれるクリップ116も備えている。図2(a)に示したように、クリップ116は、四角形の外観をしていて、中央に孔118を有している。クリップ116は、延長部110の下方側、すなわち貫通孔112(図2(b)参照)に挿入されたピン114の先端側から、孔118にピン114を通すようにして、貫通孔112とピン114との間隙に嵌め込まれる。
【0026】
図3は、図2(a)の組付構造を上方から見た斜視図である。図3(a)は、貫通孔112にクリップ116が嵌っている様子を示している。クリップ116には、複数のツメ120およびリブ122が設けられている。ツメ120は、下方から貫通孔112を通って、貫通孔112の上縁に引っ掛かる構成になっている。リブ122は、ピン114に干渉し、その動きを規制する。
【0027】
図3(b)は、図3(a)のクリップ116を貫通孔112から外した様子を示している。上述したように、クリップ116は中央に孔118(図2(a)参照)を有する四角形の外観をしていて、ツメ120およびリブ122は孔118の周囲に設けられている。このクリップ116をピン114の先端側から貫通孔112に嵌めることによって、貫通孔112とピン114との間隙は埋まるため、エンブレム部材102のアッパグリル104aへの組付姿勢が安定する。
【0028】
図4は、図2(b)のピン114の周囲の拡大図である。貫通孔112は、クリップ116が使用可能になっていることから分かるように、挿入されたピン114の周囲、特にピン114の前後方向に対して、間隙S1、S2が生じる構成となっている。言い換えると、貫通孔112の前後方向の寸法W1は、ピン114の前後方向の太さW2に比べて、間隙S1、S2を生じる程度に大きな寸法に設定されている。この構成によって、エンブレムベース102bをアッパグリル104aに組み付ける際に、貫通孔112にピン114を挿し込んだ状態でもエンブレムベース102bをある程度に動かすことが可能になっている。これは、エンブレムベース102bの組付作業を効率よく行うための構成である。
【0029】
エンブレムベース102bの組付作業の説明に先立って、エンブレムベース102bの構成についていまいちど説明する。図2(b)に示したように、アッパグリル104aの意匠面124は車両前方に凸状に突出した形状になっていて、エンブレムベース102bの裏側は意匠面124に合わせて車両前方に凹状に窪んだ形状(凹部126)になっている。延長部110は、凹部126の下方にて、アッパグリル104aの下方に位置するように延びている。
【0030】
図5は、図2(b)のエンブレムベース102bのアッパグリル104aへの組付作業の流れを示した図である。エンブレムベース102bをアッパグリル104aに組み付けるためには、延長部110にピン114を挿入させ、凹部126を意匠面124に嵌め込む必要がある。まず、図5(a)に示すように、エンブレムベース102bは、車両前方へ傾けた姿勢にして、延長部110の貫通孔112にピン114を通す。
【0031】
次に、図5(b)に示すように、貫通孔112にピン114を挿入させたまま、ピン114を支点にしてエンブレムベース102bの全体を立ち上げる様に回転させる。このときの回転させる動作は、図4を参照して説明したように、貫通孔112のうちピン114の前後方向に間隙S1、S2を確保していることで実現される。すなわち、貫通孔112に確保した間隙S1、S2はいわゆる動き代として機能し、これによってエンブレムベース102bのアッパグリル104aへの組付作業が効率よく実施可能になっている。
【0032】
図5(c)に示すように、エンブレムベース102bは、例えば凹部126に使用される接着部材(例えば両面テープ128)や、凹部126の上方の固定部130に使用されるスクリュ132なども利用して、アッパグリル104aに組み付けられる。そして、前述したクリップ116(図2(b)参照)の使用によって、アッパグリル104aへの組付後におけるエンブレムベース102bの動きは規制される。
【0033】
これら説明したように、当該組付構造100では、エンブレムベース102bの延長部110と、アッパグリル104aのピン114、さらにはクリップ116などを利用することで、エンブレムベース102bをアッパグリル104aに効率よく組み付けることが可能になっている。したがって、エンブレムベース102bにオーバーハング領域E1(図2(b)参照)が設けられていても、エンブレムベース102bをアッパグリル104aに安定した姿勢で組み付け、エンブレムベース102bの位置ずれを防ぐことが可能になっている。
【0034】
特に、当該組付構造100であれば、車体への組付前において、アッパグリル104aに対するエンブレムベース102bの姿勢を固定し、両部材を一体化させることができるため、その後のアッパグリル104aの取扱いにおいて、エンブレムベース102bの位置ずれ等を心配する必要が無くなり、両部材の車体への組付作業の容易化に資することができる。
【0035】
図6は、図2(b)のアッパグリル104aをロアグリル104bに組み付ける様子を示した図である。図6(a)は、アッパグリル104aがロアグリル104bから分離している状態を示している。ロアグリル104bは、ラジエータグリル104を形成している他の部分であり、アッパグリル104aの下方にて車体134に組み付けられている。当該組付構造100では、アッパグリル104aのロアグリル104bに対する位置決めも行うことが可能になっている。
【0036】
ロアグリル104bは、上部に挿入孔136を有している。挿入孔136は、延長部110の貫通孔112を通ったピン114の先端側が挿し込まれる部位である。図6(b)は、アッパグリル104aをロアグリル104bに組み付けた状態を示している。挿入孔136は、ピン114が挿入可能になっていることで、アッパグリル104aのロアグリル104bへの位置決めを可能にする。この構成によって、アッパグリル104aとエンブレムベース102b、およびロアグリル104bは連結され、互いに車体134に精度よく組み付けることができる。
【0037】
エンブレムベース102bはさらに、ロアグリル104bに挿し込まれるツメ138を有している。ツメ138は、貫通孔112の前側であって、延長部110の根本部分の下側から下方に突出している。ツメ138は、ロアグリル104bの上部のうち、挿入孔136の前側付近の窪み140(図6(a)参照)に嵌め込まれる。特に、ツメ138は、貫通孔112の前側の近傍に設けられているが、貫通孔112とピン114とが嵌合した箇所は剛性が高いため、その前側近傍に設けられたツメ138もたわみ等を起こし難い。したがって、ツメ138は高い剛性でロアグリル104bに嵌合することが可能になっている。
【0038】
エンブレムベース102bのオーバーハング領域E1は、ロアグリル104bの前側に位置しているが、ロアグリル104bは車体134に組み付けられていて、ロアグリル104bの後方側は作業スペースが確保し難い。そのため、オーバーハング領域E1は、ロアグリル104bに対するスクリュ等による締結固定が行えない場合がある。このような場合において、上述したピン114と挿入孔136、およびツメ138は、エンブレムベース102bをロアグリル104bに位置決めするにあたって、有効に機能することができる。
【0039】
なお、アッパグリル104aの下方にて車体134に組み付けられる所定の構造部材としては、フロントバンパ106(図1(b)参照)なども存在する。上述したピン114およびツメ138は、アッパグリル104aおよびエンブレムベース102bのフロントバンパ106との組付けにも応用することが可能である。アッパグリル104aとエンブレムベース102bが、ロアグリル104bやフロントバンパ106等と共に車体に精度よく組み付けられることで、車両の前面の美観をより向上させることが可能になる。
【0040】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、車両用エンブレム組付構造に利用することができる。
【符号の説明】
【0042】
E1…オーバーハング領域、S1、S2…間隙、W1…貫通孔の寸法、W2…ピンの太さ、100…組付構造、102…エンブレム部材、102a…エンブレム、102b…エンブレムベース、104…ラジエータグリル、104a…アッパグリル、104b…ロアグリル、106…フロントバンパ、108…アッパグリルの下縁、110…延長部、112…貫通孔、114…ピン、116…クリップ、118…孔、120…クリップのツメ、122…リブ、124…意匠面、126…凹部、128…両面テープ、130…固定部、132…スクリュ、134…車体、136…挿入孔、138…エンブレムベースのツメ
図1
図2
図3
図4
図5
図6