(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-13
(45)【発行日】2022-06-21
(54)【発明の名称】画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および、画像形成装置の制御プログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20220614BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20220614BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20220614BHJP
【FI】
H04N1/00 838
G03G21/00 370
G03G21/00 396
B41J29/38
H04N1/00 127Z
(21)【出願番号】P 2018131478
(22)【出願日】2018-07-11
【審査請求日】2021-06-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松原 賢士
【審査官】野口 俊明
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-065483(JP,A)
【文献】特開2008-047123(JP,A)
【文献】特開2007-200102(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
G03G 21/00
B41J 29/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類のコンピュータウィルスの特徴が記録されたウィルス定義ファイルを予め記憶する記憶手段と、
コンピュータウィルスの検出処理の対象のデータと、前記記憶手段に記憶されているウィルス定義ファイルとを比較することにより、前記検出処理を実行する検出手段と、
ウィルス定義ファイルの更新を管理するサーバからの通知に基づいて前記記憶
手段に記憶されているウィルス定義ファイルを更新する更新手段と、
開始が指示されたジョブを開始するときに、前記記憶手段に記憶されているウィルス定義ファイルが更新中である場合、当該ジョブに用いられるデータを対象とした前記検出処理を他の画像形成装置に実行させるか否かを決定する決定手段と、
前記決定手段によって前記検出処理を他の画像形成装置に実行させると決定された場合に、当該検出処理の対象のデータを当該他の画像形成装置に送信する送信手段とを備える、画像形成装置。
【請求項2】
前記決定手段によって前記検出処理を他の画像形成装置に実行させると決定され、かつ、開始が指示されたジョブが前記データを指定の装置に送信するジョブである場合、当該他の画像形成装置により前記検出処理を実行後に当該他の画像形成装置に当該ジョブを実行させる要求手段をさらに備える、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記決定手段によって前記検出処理を他の画像形成装置に実行させると決定され、かつ、開始が指示されたジョブが前記データを印刷するジョブである場合、当該他の画像形成装置によって前記検出処理が実行された当該データを用いて当該ジョブを実行する実行手段をさらに備える、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
開始が指示されたジョブが前記データを印刷するジョブである場合、前記ジョブに用いられるデータを他の画像形成装置に送信し、当該他の画像形成装置に前記検出処理を実行させるのに要する第1の期間と、ウィルス定義ファイルの更新後に自機で前記検出処理を実行するのに要する第2の期間とを比較する比較手段をさらに備え、
前記決定手段は、
前記比較手段によって前記第1の期間の方が短いと判定された場合、前記検出処理を他の画像形成装置に実行させると決定し、
前記比較手段によって前記第2の期間の方が短いと判定された場合、前記検出処理を自機で実行すると決定する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記決定手段は、当該ジョブに用いられるデータを対象とした前記検出処理を実行させる他の画像形成装置を、当該他の画像形成装置に記憶されているウィルス定義ファイルの更新日時に基づいて決定する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
複数の他の画像形成装置に記憶されているウィルス定義ファイルの更新日時を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された更新日時を記憶する更新日時記憶手段とをさらに備え、
前記決定手段は、前記更新日時記憶手段に記憶された更新日時に基づいて、前記検出処理を実行させる他の画像形成装置を決定する、請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
他の画像形成装置に記憶されているウィルス定義ファイルの更新日時が、自機の前記記憶手段に記憶されているウィルス定義ファイルの更新日時よりも古い場合、前記決定手段は、前記検出処理を他の画像形成装置に実行させないと決定し、前記検出手段は、自機のウィルス定義ファイルの更新の終了後に、当該更新後のウィルス定義ファイルを用いて前記データを対象とした前記検出処理を実行し、
自機の前記検出手段によって前記検出処理が終了したデータを用いて当該ジョブを実行する実行手段をさらに備える、請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項8】
制御部と記憶部とを備える画像形成装置の制御方法であって、
前記記憶部は、複数種類のコンピュータウィルスの特徴が記録されたウィルス定義ファイルを予め記憶し、
前記制御部が、
コンピュータウィルスの検出処理の対象のデータと、前記記憶部に記憶されているウィルス定義ファイルとを比較することにより、前記検出処理を実行するステップと、
ウィルス定義ファイルの更新を管理するサーバからの通知に基づいて前記記憶部に記憶されているウィルス定義ファイルを更新するステップと、
開始が指示されたジョブを開始するときに、前記記憶部に記憶されているウィルス定義ファイルが更新中である場合、当該ジョブに用いられるデータを対象とした前記検出処理を他の画像形成装置に実行させるか否かを決定するステップと、
前記検出処理を他の画像形成装置に実行させると決定された場合に、当該検出処理の対象のデータを当該他の画像形成装置に送信するステップとを含む、画像形成装置の制御方法。
【請求項9】
制御部と記憶部とを備える画像形成装置によって実行される制御プログラムであって、
前記記憶部は、複数種類のコンピュータウィルスの特徴が記録されたウィルス定義ファイルを予め記憶し、
コンピュータウィルスの検出処理の対象のデータと、前記記憶部に記憶されているウィルス定義ファイルとを比較することにより、前記検出処理を実行するステップと、
ウィルス定義ファイルの更新を管理するサーバからの通知に基づいて前記記憶部に記憶されているウィルス定義ファイルを更新するステップと、
開始が指示されたジョブを開始するときに、前記記憶部に記憶されているウィルス定義ファイルが更新中である場合、当該ジョブに用いられるデータを対象とした前記検出処理を他の画像形成装置に実行させるか否かを決定するステップと、
前記検出処理を他の画像形成装置に実行させると決定された場合に、当該検出処理の対象のデータを当該他の画像形成装置に送信するステップとを制御部に実行させる、画像形成装置の制御プログラム。形成装置に実行させると決定された場合に、当該検出処理の対象のデータを当該他の画像形成装置に送信するステップとを制御部に実行させる、画像形成装置の制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および、画像形成装置の制御プログラムに関し、特に、コンピュータウィルスを検出可能な画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および、画像形成装置の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、悪意のある者が、外部ネットワークから、企業の社内ネットワークなどのLAN(Local Area Network)に接続されているPC(Personal Computer)およびモバイル端末のような情報機器に、コンピュータウィルスを含んだデータを送信し、その情報機器をウィルス感染させる問題が発生している。また、企業等の従業者が意図せずに、ウィルス感染した情報機器を、USB(Universal Serial Bus)接続したり、LANへ接続したりしたことが原因で、このUSBおよびLANなどに接続された他の情報機器がウィルス感染する問題も発生している。
【0003】
MFP(Multi-Functional Peripheral)などの画像形成装置は、情報機器の1つである。このような画像形成装置にも、ウィルス対策ソフトウェアを導入されている。そして、画像形成装置が受信する印刷データおよびメールデータ、ならびに、画像形成装置が他の情報機器に送信するスキャンデータ、ならびに、USBメモリ、USB接続された情報機器、および、LAN接続された情報機器から画像形成装置の記憶部に保存されたデータなどの、画像形成装置が扱うデータを対象として、ウィルススキャンが実行されている。これにより、画像形成装置のコンピュータウィルス感染の早期発見および未然防止が行われている。
【0004】
また、画像形成装置の複数の制御モジュールに対してウィルスチェックによって確認されている制御モジュールのみの実行を許可するシステムが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上述したような画像形成装置において、ジョブの実行時にジョブの対象のデータをウィルススキャンする場合に、ウィルス定義ファイルが更新中の場合は、ウィルススキャンがすぐには実行できず、更新が完了するまで待つ必要があった。また、特に時間に余裕が無い場合などには、ウィルス定義ファイルの更新中であっても、ウィルススキャンを早く実行して、ジョブを早く完了させたいとの要望が強かった。
【0007】
この開示は上述の問題を解決するためになされたもので、この開示の目的の1つは、ウィルス定義ファイルの更新中であっても、ジョブに用いられるデータに対するコンピュータウィルスの検出処理を状況によっては早く完了させることが可能な画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および、画像形成装置の制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するために、この開示のある局面によれば、画像形成装置は、複数種類のコンピュータウィルスの特徴が記録されたウィルス定義ファイルを予め記憶する記憶部と、コンピュータウィルスの検出処理の対象のデータと、記憶部に記憶されているウィルス定義ファイルとを比較することにより、検出処理を実行する検出部と、ウィルス定義ファイルの更新を管理するサーバからの通知に基づいて記憶部に記憶されているウィルス定義ファイルを更新する更新部と、開始が指示されたジョブを開始するときに、記憶部に記憶されているウィルス定義ファイルが更新中である場合、当該ジョブに用いられるデータを対象とした検出処理を他の画像形成装置に実行させるか否かを決定する決定部と、決定部によって検出処理を他の画像形成装置に実行させると決定された場合に、当該検出処理の対象のデータを当該他の画像形成装置に送信する送信部とを備える。
【0009】
好ましくは、決定部によって検出処理を他の画像形成装置に実行させると決定され、かつ、開始が指示されたジョブがデータを指定の装置に送信するジョブである場合、当該他の画像形成装置により検出処理を実行後に当該他の画像形成装置に当該ジョブを実行させる要求部をさらに備える。
【0010】
好ましくは、決定部によって検出処理を他の画像形成装置に実行させると決定され、かつ、開始が指示されたジョブがデータを印刷するジョブである場合、当該他の画像形成装置によって検出処理が実行された当該データを用いて当該ジョブを実行する実行部をさらに備える。
【0011】
好ましくは、開始が指示されたジョブがデータを印刷するジョブである場合、ジョブに用いられるデータを他の画像形成装置に送信し、当該他の画像形成装置に検出処理を実行させるのに要する第1の期間と、ウィルス定義ファイルの更新後に自機で検出処理を実行するのに要する第2の期間とを比較する比較部をさらに備える。決定部は、比較部によって第1の期間の方が短いと判定された場合、検出処理を他の画像形成装置に実行させると決定し、比較部によって第2の期間の方が短いと判定された場合、検出処理を自機で実行すると決定する。
【0012】
好ましくは、決定部は、当該ジョブに用いられるデータを対象とした検出処理を実行させる他の画像形成装置を、当該他の画像形成装置に記憶されているウィルス定義ファイルの更新日時に基づいて決定する。
【0013】
さらに好ましくは、複数の他の画像形成装置に記憶されているウィルス定義ファイルの更新日時を取得する取得部と、取得部によって取得された更新日時を記憶する更新日時記憶部とをさらに備える。決定部は、更新日時記憶部に記憶された更新日時に基づいて、検出処理を実行させる他の画像形成装置を決定する。
【0014】
さらに好ましくは、他の画像形成装置に記憶されているウィルス定義ファイルの更新日時が、自機の記憶部に記憶されているウィルス定義ファイルの更新日時よりも古い場合、決定部は、検出処理を他の画像形成装置に実行させないと決定し、検出部は、自機のウィルス定義ファイルの更新の終了後に、当該更新後のウィルス定義ファイルを用いてデータを対象とした検出処理を実行する。自機の検出部によって検出処理が終了したデータを用いて当該ジョブを実行する実行部をさらに備える。
【0015】
この発明の他の局面によれば、制御方法は、制御部と記憶部とを備える画像形成装置の制御方法である。記憶部は、複数種類のコンピュータウィルスの特徴が記録されたウィルス定義ファイルを予め記憶する。制御方法は、制御部が、コンピュータウィルスの検出処理の対象のデータと、記憶部に記憶されているウィルス定義ファイルとを比較することにより、検出処理を実行するステップと、ウィルス定義ファイルの更新を管理するサーバからの通知に基づいて記憶部に記憶されているウィルス定義ファイルを更新するステップと、開始が指示されたジョブを開始するときに、記憶部に記憶されているウィルス定義ファイルが更新中である場合、当該ジョブに用いられるデータを対象とした検出処理を他の画像形成装置に実行させるか否かを決定するステップと、検出処理を他の画像形成装置に実行させると決定された場合に、当該検出処理の対象のデータを当該他の画像形成装置に送信するステップとを含む。
【0016】
この発明のさらに他の局面によれば、制御プログラムは、制御部と記憶部とを備える画像形成装置によって実行される制御プログラムである。記憶部は、複数種類のコンピュータウィルスの特徴が記録されたウィルス定義ファイルを予め記憶する。制御プログラムは、コンピュータウィルスの検出処理の対象のデータと、記憶部に記憶されているウィルス定義ファイルとを比較することにより、検出処理を実行するステップと、ウィルス定義ファイルの更新を管理するサーバからの通知に基づいて記憶部に記憶されているウィルス定義ファイルを更新するステップと、開始が指示されたジョブを開始するときに、記憶部に記憶されているウィルス定義ファイルが更新中である場合、当該ジョブに用いられるデータを対象とした検出処理を他の画像形成装置に実行させるか否かを決定するステップと、検出処理を他の画像形成装置に実行させると決定された場合に、当該検出処理の対象のデータを当該他の画像形成装置に送信するステップとを制御部に実行させる。
【発明の効果】
【0017】
この開示によれば、ウィルス定義ファイルの更新中であっても、ジョブに用いられるデータに対するコンピュータウィルスの検出処理を状況によっては早く完了させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】この発明の実施の形態における情報処理システムの概略を示す図である。
【
図2】この実施の形態におけるMFPの構成を示すブロック図である。
【
図3】この実施の形態におけるPCの構成を示すブロック図である。
【
図4】この実施の形態における管理サーバの構成を示すブロック図である。
【
図5】この実施の形態におけるジョブ実行処理の流れを示すフローチャートである。
【
図6】この実施の形態におけるスキャン/ジョブ代行処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、図面を参照しつつ、情報処理システムの実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、これらの説明は繰り返さない。
【0020】
図1は、この発明の実施の形態における情報処理システム1の概略を示す図である。
図1を参照して、情報処理システム1は、画像形成装置の一例であるMFP100(
図1においては、MFP100A,100B)と、PC200と、管理サーバ300とを含む。
【0021】
管理サーバ300は、MFP100およびPC200等の情報機器に導入されるウィルス対策ソフトウェアのウィルス定義ファイルの更新を管理する。ウィルス対策ソフトウェアは、コンピュータウィルスのスキャンの対象のデータと、ウィルス定義ファイルとを比較することにより、ウィルススキャンを実行する。ウィルス定義ファイルには、様々なコンピュータウィルスの特徴を示す情報が含まれている。ウィルス対策ソフトウェアは、このコンピュータウィルスの特徴が、ウィルススキャンの対象のデータに含まれているか否かを検索して、含まれていれば、当該データがコンピュータウィルスに感染していると判断する。なお、ウィルススキャンの方法は、公知のいずれの方法が用いられるようにしてもよい。
【0022】
管理サーバ300は、単体のサーバに限定されず、サーバ群であってもよい。また、管理サーバ300は1台のコンピュータで構成されてもよい。管理サーバ300は、ウィルス対策ソフトウェアの販売者側に設置される。MFP100A,100BおよびPC200は、ユーザ側(利用者側)に設置される。MFP100A,100BおよびPC200は、LAN(Local Area Network)やVPN(Virtual Private Network)などの同じプライベートネットワーク900に接続される。MFP100A,100BおよびPC200は、インターネットや公衆回線や公衆無線LANなどのパブリックネットワーク700を介して、管理サーバ300などのサーバ側と接続される。
【0023】
MFP100は、コピー機能、スキャナ機能、プリンタ機能、ファックス機能、電子メール機能、および、通信機能を有し、画像が表された読取対象から画像を画像データとして読取ったり、他のMFPなどの画像処理装置やコンピュータなどの他の装置から通信ネットワーク回線や電話回線などの通信回線を経由して画像データを受信したり、通信回線を経由して他の装置に画像データを送信したり、画像データに基づき画像を印刷したりする。画像とは、文書、線図、図面、イラスト、絵画および写真などである。画像データは、画像をデータとして表現したものであって、テキストデータもしくは文書データ、または、ベクトル形式もしくはビットマップ形式の画像データである。
【0024】
図2は、この実施の形態におけるMFP100の構成を示すブロック図である。
図2を参照して、MFP100は、MFP100の全体を制御するための制御部110と、所定の情報を記憶するための記憶部120と、MFP100を操作するための操作部130と、MFP100の所定の情報を表示するための表示部140と、外部の装置とプライベートネットワーク900やパブリックネットワーク700を介して通信するための通信部160と、所定の画像を読込むためのスキャナ部170と、所定の画像を印刷するためのプリンタ部180とを含む。
【0025】
記憶部120は、制御部110でプログラムを実行するために必要な作業領域として用いられるRAM(Random Access Memory)と、制御部110で実行するためのプログラムを記憶するためのROM(Read Only Memory)とを含む。また、RAMには、所定の処理を実行するためのプログラムおよびデータが、操作部130、通信部160またはスキャナ部170から読込まれて記憶される。さらに、RAMの記憶領域を補助するための補助記憶装置として、ハードディスクドライブまたはメモリカードが用いられてもよい。
【0026】
操作部130は、MFP100に所定の機能を実行させるための複数の操作ボタン、および、表示部140のディスプレイに構成されるタッチパネルを含む。操作部130の操作ボタンおよびタッチパネルが操作されることによってMFP100に入力された操作内容を示す操作信号は、制御部110に受け渡される。
【0027】
表示部140は、ディスプレイにタッチパネルが構成された液晶表示装置(以下「LCD」(Liquid Crystal Display)という)を含む。表示部140のLCDは、制御部110から受けた画像であって、MFP100の状態およびタッチパネルの操作ボタンを示す画像を表示する。なお、表示部140は、LCDに替えて、EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、プラズマディスプレイ、SED(Surface-conduction Electron-emitter Display)など他のFPD(Flat Panel Display)を含むようにしてもよい。
【0028】
通信部160は、外部の装置、たとえば、PC200および管理サーバ300などとの間でプライベートネットワーク900やパブリックネットワーク700を介して、予め定められたプロトコルで、データを送受信する。通信部160は、制御部110から受けたデータを外部に送信したり、外部から受信したデータを制御部110に受け渡したりする。
【0029】
スキャナ部170は、紙またはその他の物から、それらの表面の視覚可能な情報を、光学的に読取って、読取った画像を画像データに変換し、その画像データを制御部110に受け渡す。
【0030】
プリンタ部180は、制御部110から受けた画像データを画像に変換し、その画像を印刷用紙に印刷する。印刷用紙には、普通紙、写真用紙およびOHP(Overhead projector)フィルムなどが含まれる。
【0031】
制御部110は、MPU(Micro Processing Unit)およびその補助回路からなる。制御部110は、記憶部120、操作部130、表示部140、通信部160、スキャナ部170およびプリンタ部180を制御し、記憶部120に記憶されたプログラムおよびデータにしたがって所定の処理を実行し、操作部130、通信部160またはスキャナ部170から入力されたデータを処理し、処理されたデータを、記憶部120に記憶させたり、表示部140に表示させたり、通信部160から出力させたり、プリンタ部180で印刷させたりする。
【0032】
MFP100のコピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能および通信機能は、それぞれ、制御部110、記憶部120、操作部130、表示部140、通信部160、スキャナ部170およびプリンタ部180のMFP100の各部が協調することによって実現される。
【0033】
図3は、この実施の形態におけるPC200の構成を示すブロック図である。
図3を参照して、PC200は、PC200の全体を制御するための制御部210と、所定の情報を記憶するための記憶部220と、PC200を操作するための操作部230と、PC200から所定の情報を表示したり音声出力したりするための出力部240と、外部の装置とプライベートネットワーク900やパブリックネットワーク700を介して通信するための通信部270と、記憶部220を補助して所定の情報を記憶するための外部記憶装置250とを含む。
【0034】
記憶部220および通信部270は、それぞれ、
図2で説明したMFP100の記憶部120および通信部160と同様である。
【0035】
外部記憶装置250は、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスクドライブ、MO(Magneto-Optical disk)ドライブ、CD(Compact Disc)ドライブ、DVD(Digital Versatile Disk)ドライブ、または、メモリカードリーダライタなどの記憶装置で構成される。外部記憶装置250は、制御部210から受けた所定のデータまたはプログラムを、記録媒体290に磁気的、光学的、または電気的に記録したり、記録媒体290から読出して制御部210に受け渡したりする。記録媒体290としては、ハードディスク,フレキシブルディスクなどの磁気ディスク、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory),CD-R(Compact Disk Recordable),CD-RW(Compact Disk ReWritable),DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory),DVD-R(Digital Versatile Disk Recordable),DVD-RW(Digital Versatile Disk Rerecordable Disc),DVD-RAM(Digital Versatile Disk Random Access Memory),DVD+R,DVD+RW(Digital Versatile Disk ReWritable)などの光ディスク、MO(Magneto-Optical disk)などの光磁気ディスク、メモリカード、または、USB(Universal Serial Bus)メモリなどがある。
【0036】
操作部230は、各種データなどの数字やアルファベットやその他の文字などを入力するためのキーボードおよびマウスを含む。なお、操作部230は、他の操作のための部分を含むようにしてもよい。操作部230がユーザによって操作されることによって、操作部230から制御部210に操作に応じた操作信号が送信される。制御部210は、操作部230からの操作信号に応じてPC200の各部を制御する。
【0037】
出力部240は、ディスプレイおよびスピーカを含む。出力部240は、制御部210によって制御されて、通信部270で受信された情報が制御部210で変換された映像信号および音声信号を、それぞれ、映像としてディスプレイに表示させ、音声としてスピーカから出力させる。
【0038】
制御部210は、MPUおよびその補助回路からなり、記憶部220、操作部230、出力部240、外部記憶装置250、および、通信部270を制御し、記憶部220および外部記憶装置250に記憶されたプログラムまたはデータに従って所定の処理を実行し、操作部230および通信部270から入力されたデータを処理し、処理したデータを、記憶部220および外部記憶装置250に記憶させたり、出力部240および通信部270に出力したりする。
【0039】
図4は、この実施の形態における管理サーバ300の構成を示すブロック図である。
図4を参照して、管理サーバ300は、管理サーバ300の全体を制御するための制御部310と、所定の情報を記憶するための記憶部320と、記憶部320を補助して所定の情報を記憶するための外部記憶装置350と、外部の装置とパブリックネットワーク700などを介して通信するための通信部360とを含む。
【0040】
制御部310、記憶部320、外部記憶装置350、記録媒体351および通信部360は、それぞれ、
図3で説明したPC200の制御部210、記憶部220、外部記憶装置250、記録媒体290および通信部270と同様であるので、重複する説明は繰返さない。
【0041】
なお、この実施の形態においては、管理サーバ300は、操作部および表示部を含まず、外部の装置の操作部からの操作によって操作され、外部の装置の表示部に情報を出力するが、これに限定されず、操作部および表示部の構成を含むこととしてもよい。操作部は、キーボードおよびマウスを含み、操作部のキーボードおよびマウスが操作されることによって管理サーバ300に入力された操作内容を示す操作信号は、制御部310に受け渡される。表示部は、LCDを含み、LCDは、制御部310から受けた画像データに対応する画像を表示する。
【0042】
図5は、この実施の形態におけるジョブ実行処理の流れを示すフローチャートである。
図5を参照して、このジョブ実行処理は、MFP100のメイン処理から呼出されて実行されるサブルーチンの1つである。MFP100Aの制御部110は、プリントジョブ、コピージョブ、スキャンジョブ、ファクシミリジョブ、電子メールジョブ、および、通信ジョブなどのジョブを実行する指示が操作部130、または、PC200等の外部の装置から受付けられたか否かを判断する(ステップS111)。受付けられていない(ステップS111でNO)と判断した場合、制御部110は、実行する処理をこの処理の呼出元に戻す。
【0043】
ジョブを実行する指示が受付けられた(ステップS111でYES)と判断した場合、制御部110は、ウィルス定義ファイルの更新中であるか否かを判断する(ステップS112)。本実施の形態におけるMFP100には、ジョブで用いるデータをウィルススキャンするウィルス対策ソフトウェアが導入されており、ウィルス対策ソフトウェアにより用いられるウィルス定義ファイルが記憶部120に記憶されている。MFP100の制御部110は、ジョブに用いられるデータをウィルススキャンの対象として、当該データと、記憶部120に記憶されているウィルス定義ファイルとを比較することにより、ウィルススキャンを実行する。新種のコンピュータウィルスに対応するためにウィルス定義ファイルが管理サーバ300において更新されると、管理サーバ300からウィルス対策ソフトウェアが導入されているMFP100などの情報機器に対して、ウィルス定義ファイルが更新された旨が通知される。これに応じて、MFP100の制御部110は、更新されたウィルス定義ファイルを管理サーバ300から取得し、記憶部120に記憶されているウィルス定義ファイルを更新する。
【0044】
ウィルス定義ファイルの更新中である(ステップS112でYES)と判断した場合、制御部110は、ジョブを実行する指示が操作部130のタッチパネルなどの自機から受付けられたか、PC200などの外部の装置から受付けられたかを判断する(ステップS113)。
【0045】
タッチパネルなどの自機から受付けられたと判断した場合、制御部110は、ウィルス定義ファイルの更新を待つか否かを選択するための画面を、タッチパネルの表示部140に表示する(ステップS114)。
【0046】
PC200などの外部の装置から受付けられたと判断した場合、制御部110は、ウィルス定義ファイルの更新を待つか否かを選択するための画面を、当該装置の表示部(たとえば、PC200の出力部240のディスプレイ)に表示させるための信号を、当該外部の装置に送信する(ステップS115)。
【0047】
ステップS114およびステップS115の後、制御部110は、更新を待つ旨の選択が受付けられたか否かを判断する(ステップS121)。更新を待つ旨の選択が受付けられた(ステップS121でYES)と判断した場合、制御部110は、ウィルス定義ファイルの更新が完了したか否かを判断する(ステップS122)。更新が完了していない(ステップS122でNO)と判断した場合、制御部110は、ステップS122の処理を繰返す。
【0048】
一方、更新が完了した(ステップS122でYES)と判断した場合、および、ウィルス定義ファイルの更新中でない(ステップS112でNO)と判断した場合、制御部110は、ウィルススキャンの対象のデータをウィルススキャンする(ステップS123)。
【0049】
制御部110は、ウィルススキャンの結果、コンピュータウィルスが無いか否かを判断する(ステップS124)。コンピュータウィルスが無い(ステップS124でYES))と判断した場合、制御部110は、ウィルススキャンの対象のデータを用いて指定されたジョブを実行する(ステップS125)。その後、制御部110は、実行する処理をこの処理の呼出元に戻す。
【0050】
コンピュータウィルスが有る(ステップS124でNO)と判断した場合、制御部110は、ジョブを実行する指示が自機から受付けられた場合は、コンピュータウィルスを検出した旨を、自機のタッチパネルの表示部140に表示する一方、ジョブを実行する指示が外部の装置から受付けられた場合は、コンピュータウィルスを検出した旨を当該外部の装置の表示部に表示させるための信号を、当該外部の装置に送信する(ステップS126)。その後、制御部110は、実行する処理をこの処理の呼出元に戻す。
【0051】
更新を待たない旨の選択が受付けられた(ステップS121でNO)と判断した場合、制御部110は、他機のウィルス定義ファイルの直近(たとえば、2,3日以内)の更新日時が記憶部120に記憶されているか否かを判断する(ステップS131)。本実施の形態のMFP100の制御部110は、定期的に(たとえば、24時間周期で)、同じプライベートネットワーク900に接続された他機からウィルス定義ファイルの更新日時の情報を取得して、記憶部120に記憶させている。
【0052】
MFP100が導入された直後で他機のウィルス定義ファイルの更新日時が記憶部120に記憶されていない、または、所定期間(たとえば、2,3日間)以上、他機からウィルス定義ファイルの更新日時が取得されていない(ステップS131でNO)と判断した場合、制御部110は、他機からウィルス定義ファイルの更新日時を取得して記憶部120に記憶させる(ステップS132)。
【0053】
他機のウィルス定義ファイルの直近の更新日時が記憶されている(ステップS131でYES)と判断した場合、および、ステップS132の後、制御部110は、記憶部120に記憶された他機のウィルス定義ファイルの更新日時のうちで自機より新しい更新日時が有るか否かを判断する(ステップS133)。自機より新しい更新日時が無い(ステップS133でNO)と判断した場合、制御部110は、前述したステップS122以降の処理を実行する。
【0054】
一方、自機より新しい更新日時が有る(ステップS133でYES)と判断した場合、実行することを指示されたジョブが、自機での用紙の出力を伴うジョブ(たとえば、プリントジョブ、および、コピージョブ)であるか否かを判断する(ステップS134)。
【0055】
自機での用紙の出力を伴うジョブである(ステップS134でYES)と判断した場合、制御部110は、他機でウィルススキャンを実行した後に自機でジョブを実行するよりも、ウィルス定義ファイルの更新が終了した後に自機でウィルススキャンおよびジョブを実行する方が早いか否かを判断する(ステップS135)。具体的には、ウィルススキャンを他機に依頼するのに要する期間と、他機でウィルススキャンを実行する期間と、他機からウィルススキャンの結果を受信する期間とを合計した、他機でウィルススキャンをする場合の合計期間と、自機でのウィルス定義ファイルの更新の残り期間と、自機でウィルススキャンを実行する期間とを合計した、自機でウィルススキャンをする場合の合計期間とを比較して、自機でウィルススキャンをする場合の合計期間の方が短いか否かを判断する。
【0056】
自機でウィルススキャンする方が早い(ステップS135でYES)と判断した場合、制御部110は、前述したステップS122以降の処理を実行する。
【0057】
一方、自機でウィルススキャンする方が早くない(ステップS135でNO)と判断した場合、制御部110は、ウィルス定義ファイルの更新日時が最新の他機に、ウィルススキャンの対象のデータのウィルススキャンの実行を依頼するために、当該データを送信する(ステップS136)。
【0058】
そして、制御部110は、当該他機からウィルススキャンの結果を受信したか否かを判断する(ステップS137)。受信していない(ステップS137でNO)と判断した場合、制御部110は、ステップS137の処理を繰返す。
【0059】
一方、ウィルススキャンの結果を受信した(ステップS137でYES)と判断した場合、制御部110は、前述したステップS124以降の処理を実行する。
【0060】
また、自機での用紙の出力を伴わないジョブ(たとえば、スキャンジョブ、ファクシミリジョブ、電子メールジョブ、および、通信ジョブ)である(ステップS134でNO)と判断した場合、制御部110は、ウィルス定義ファイルの更新日時が最新の他機に、ウィルススキャンの対象のデータのウィルススキャンの実行、および、実行を指示されたジョブの代行を依頼するために、当該データを送信する(ステップS138)。具体的には、ファクシミリジョブ、電子メールジョブ、および、通信ジョブの場合、送信するデータ(たとえば、スキャナ部170で原稿から読取られたデータ、記憶部120に記憶されたデータ、通信部160から入力されたデータ、記録媒体から入力されたデータ)、および、送信先を示す情報(たとえば、操作部130から入力されたり、記憶部120に記憶されたものから選択されたり、通信部160から入力されたりした、電話番号、メールアドレス、IPアドレス)を送信する。スキャンジョブの場合、スキャナ部170で原稿から読取られたデータ、および、送信先を示す情報(たとえば、操作部130から入力されたり、記憶部120に記憶されたものから選択されたり、通信部160から入力されたりした、メールアドレス、IPアドレス)を送信する。
【0061】
そして、制御部110は、当該他機から、ジョブの実行が正常に完了した旨、ジョブの実行が正常に完了しなかった旨、または、対象データにコンピュータウィルスが検出された旨等の情報を受信し、当該情報で示される内容を表示する。その後、制御部110は、実行する処理をこの処理の呼出元に戻す。
【0062】
図6は、この実施の形態におけるスキャン/ジョブ代行処理の流れを示すフローチャートである。
図6を参照して、このスキャン/ジョブ代行処理は、MFP100のメイン処理から呼出されて実行されるサブルーチンの1つである。MFP100Bの制御部110は、ウィルススキャンの実行の依頼をするためのウィルススキャンの対象のデータの送信が、他機からあったか否かを判断する(ステップS151)。
【0063】
他機からウィルススキャンの依頼があった(ステップS151でYES)と判断した場合、制御部110は、受信したデータをウィルススキャンし(ステップS152)、ウィルススキャンの結果を依頼元の他機に送信する(ステップS153)。
【0064】
他機からウィルススキャンの依頼がない(ステップS151でNO)と判断した場合、および、ステップS153の後、制御部110は、ウィルススキャンおよび指定ジョブの実行を依頼するための対象のデータの送信が、他機からあったか否かを判断する(ステップS154)。
【0065】
他機からウィルススキャンおよびジョブの依頼があった(ステップS154でYES)と判断した場合、制御部110は、受信したデータをウィルススキャンし(ステップS155)、コンピュータウィルスが無いか否かを判断する(ステップS156)。
【0066】
コンピュータウィルスが無い(ステップS156でYES)と判断した場合、制御部110は、受信したデータを用いて、指定されたジョブを実行し(ステップS157)、実行結果を依頼元の他機に送信する(ステップS158)。実行結果としては、たとえば、ジョブが正常に完了した旨、または、ジョブが正常に完了しなかった旨が送信される。その後、制御部110は、実行する処理をこの処理の呼出元に戻す。
【0067】
コンピュータウィルスが有る(ステップS156でNO)と判断した場合、制御部110は、対象データにコンピュータウィルスが検出された旨のスキャン結果を依頼元の他機に送信する(ステップS159)。その後、制御部110は、実行する処理をこの処理の呼出元に戻す。
【0068】
[変形例]
(1) 前述した実施の形態においては、画像形成装置がMFP100であることとした。しかし、これに限定されず、画像形成装置は、複写機であってもよいし、ファクシミリであってもよいし、プリンタであってもよい。
【0069】
(2) 前述した実施の形態においては、
図5のステップS133で示したように、ウィルス定義ファイルがより新しいか否かを判断するために、ウィルス定義ファイルの更新日時の情報を用いるようにした。しかし、これに限定されず、ウィルス定義ファイルのバージョン情報を用いるようにしてもよい。
【0070】
(3) 前述した実施の形態においては、MFP100は、最新のウィルス定義ファイルを管理サーバ300から直接的に取得するようにした。しかし、これに限定されず、MFP100が接続されているプライベートネットワーク900に更新用サーバを設けておき、一旦、更新用サーバにウィルス定義ファイルを記憶させておき、MFP100は、この更新用サーバから最新のウィルス定義ファイルを取得するようにしてもよい。
【0071】
(4) 前述した実施の形態においては、
図5および
図6のフローチャートで示したようなソフトウェアがMFP100の制御部110で実行されることで、複数の所定の機能が制御部110によって実現されるようにした。しかし、これに限定されず、これらの所定の機能のうちの少なくとも一部が、制御部110の内部でハードウェア回路で実現されるようにしてもよい。
【0072】
(5) 前述した実施の形態においては、MFP100のような画像形成装置として発明を説明した。しかし、これに限定されず、MFP100のような画像形成装置で実行される
図5および
図6で示したような制御方法として発明を捉えてもよいし、MFP100のような画像形成装置に
図5および
図6で示したような処理を実行させる制御プログラムとして発明を捉えてもよい。
【0073】
また、当該プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体として発明を捉えることができる。この記録媒体は、磁気テープ、フレキシブルディスク,ハードディスクなどの磁気ディスク、CD-ROM,CD-R,CD-RW,DVD-ROM,DVD-R,DVD-RW,DVD-RAM,DVD+R,DVD+RWなどの光ディスク、MOなどの光磁気ディスク、メモリカード、または、USBメモリなどの固定的にプログラムを担持する媒体であってもよいし、ASP(Application Service Provider)などのサーバから通信ネットワークを介してプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する媒体であってもよい。
【0074】
(6) 実施の形態および各変形例において説明された技術は、可能な限り、単独でも、組合わせても、実施することが意図される。
【0075】
[効果]
(1)
図2、
図5のステップS112で説明したように、MFP100は、制御部110と、複数種類のコンピュータウィルスの特徴が記録されたウィルス定義ファイルを予め記憶する記憶部120を備える。
図5のステップS112で説明したように、制御部110は、ウィルススキャンの対象のデータと、記憶部120に記憶されているウィルス定義ファイルとを比較することにより、ウィルススキャンを実行し、ウィルス定義ファイルの更新を管理するサーバからの通知に基づいて記憶部120に記憶されているウィルス定義ファイルを更新する。
【0076】
図5のステップS112,ステップS131~ステップS135で説明したように、MFP100Aの制御部110は、開始が指示されたジョブを開始するときに、記憶部に記憶されているウィルス定義ファイルが更新中である場合、当該ジョブに用いられるデータを対象としたウィルススキャンを他の画像形成装置に実行させるか否かを決定する。
図5のステップS136,ステップS138で示したように、MFP100Aの制御部110は、ウィルススキャンを他のMFP100Bに実行させると決定された場合に、当該ウィルススキャンの対象のデータを当該他のMFP100Bに送信する。
【0077】
これにより、ウィルス定義ファイルの更新中であっても、ジョブに用いられるデータに対するウィルススキャンを状況によっては早く完了させることができる。すなわち、更新を待つよりも他のMFP100Bで当該データのウィルススキャンを実行した方がウィルススキャンが早く完了する場合に、他のMFP100Bでウィルススキャンに当該データを送信することで、ウィルススキャンを早く完了させることができる。
【0078】
(2)
図5のステップS131~ステップS134,ステップS138で説明したように、MFP100Aの制御部110は、ウィルススキャンを他のMFP100Bに実行させると決定され、かつ、開始が指示されたジョブがデータを指定の装置に送信するジョブである場合、当該他のMFP100Bによりウィルススキャンを実行後に当該他のMFP100Bに当該ジョブを実行させる。
【0079】
これにより、ウィルス定義ファイルの更新中であっても、状況によってはジョブを早く完了させることができる。
【0080】
(3)
図5のステップS131~ステップS137,ステップS124,ステップS125で説明したように、MFP100Aの制御部110は、ウィルススキャンを他のMFP100Bに実行させると決定され、かつ、開始が指示されたジョブがデータを印刷するジョブである場合、当該他のMFP100Bによってウィルススキャンが実行された当該データを用いて当該ジョブを実行する。
【0081】
これにより、印刷された用紙がどのMFPで出力されたか分からなくなるようなことを防止することができる。
【0082】
(4)
図5のステップS134,ステップS135で説明したように、MFP100Aの制御部110は、開始が指示されたジョブがデータを印刷するジョブである場合、ジョブに用いられるデータを他のMFP100Bに送信し、当該他のMFP100Bにウィルススキャンを実行させるのに要する第1の期間と、ウィルス定義ファイルの更新後に自機でウィルススキャンを実行するのに要する第2の期間とを比較し、第1の期間の方が短いと判定された場合、ウィルススキャンを他のMFP100Bに実行させると決定し、第2の期間の方が短いと判定された場合、ウィルススキャンを自機で実行すると決定する。
【0083】
これにより、ウィルス定義ファイルの更新中であっても、状況によってはジョブを早く完了させることができる。
【0084】
(5)
図5のステップS131~ステップS133で説明したように、MFP100Aの制御部110は、当該ジョブに用いられるデータを対象としたウィルススキャンを実行させる他のMFP100Bを、当該他のMFP100Bに記憶されているウィルス定義ファイルの更新日時に基づいて決定する。
【0085】
これにより、ウィルススキャンを実行させる他のMFP100Bを的確に決定することができる。
【0086】
(6)
図5のステップS131~ステップS133で説明したように、MFP100Aの制御部110は、複数の他のMFP100Bに記憶されているウィルス定義ファイルの更新日時を取得し、取得された更新日時を記憶部120に記憶させ、記憶部120に記憶された更新日時に基づいて、ウィルススキャンを実行させる他のMFP100Bを決定する。
【0087】
これにより、ウィルススキャンを実行させる他のMFP100Bを、より的確に決定することができる。
【0088】
(7)
図5のステップS131~ステップS133,ステップS122~ステップS125で説明したように、MFP100Aの制御部110は、他のMFP100Bに記憶されているウィルス定義ファイルの更新日時が、自機の記憶部120に記憶されているウィルス定義ファイルの更新日時よりも古い場合、ウィルススキャンを他のMFP100Bに実行させないと決定し、自機のウィルス定義ファイルの更新の終了後に、当該更新後のウィルス定義ファイルを用いてデータを対象としたウィルススキャンを実行し、ウィルススキャンが終了したデータを用いて当該ジョブを実行する。
【0089】
これにより、更新日時が古い他機のウィルス定義ファイルよりも、安全性の高い更新日時が新しい自機のウィルス定義ファイルを用いてウィルススキャンを実行することができる。
【0090】
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0091】
1 情報処理システム、100,100A,100B MFP、110,210,310 制御部、120,220,320 記憶部、130,230 操作部、140 表示部、160,270,360 通信部、170 スキャナ部、180 プリンタ部、200 PC、240 出力部、250,350 外部記憶装置、290,351 記録媒体、300 管理サーバ、700 パブリックネットワーク、900 プライベートネットワーク。