IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日立工機株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-打込機 図1
  • 特許-打込機 図2
  • 特許-打込機 図3
  • 特許-打込機 図4
  • 特許-打込機 図5
  • 特許-打込機 図6
  • 特許-打込機 図7
  • 特許-打込機 図8
  • 特許-打込機 図9
  • 特許-打込機 図10
  • 特許-打込機 図11
  • 特許-打込機 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-13
(45)【発行日】2022-06-21
(54)【発明の名称】打込機
(51)【国際特許分類】
   B25C 1/06 20060101AFI20220614BHJP
【FI】
B25C1/06
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018142657
(22)【出願日】2018-07-30
(65)【公開番号】P2020019074
(43)【公開日】2020-02-06
【審査請求日】2021-03-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000005094
【氏名又は名称】工機ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】特許業務法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】茂 哲仁
(72)【発明者】
【氏名】清原 大樹
(72)【発明者】
【氏名】上野 翔汰
【審査官】奥隅 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-108468(JP,A)
【文献】特開2015-139871(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0144892(US,A1)
【文献】特開2008-279518(JP,A)
【文献】特開平09-269027(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25C 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータと、
前記モータが収容されるハウジングと、
留具を打ち込むドライバブレード、および前記ドライバブレードが取り付けられるプランジャを備える打撃部と、
前記打撃部の前記プランジャ側にある第1端部、および前記第1端部の反対側の第2端部を備え、前記モータの回転力により駆動される付勢部材と、
前記付勢部材の前記第1端部側に設けられる第1支持部と、
前記付勢部材の前記第2端部側に配置される第2支持部と、を有し、
前記プランジャは、前記第1支持部と前記付勢部材との間に配置され、
前記第2支持部と前記付勢部材の前記第2端部との間には、前記付勢部材の前記第2端部側から順に、第1弾性部材および第2弾性部材が配置され
前記第1弾性部材は、前記付勢部材より硬度が低く、かつ、前記第2弾性部材より硬度が高い、打込機。
【請求項2】
モータと、
前記モータが収容されるハウジングと、
留具を打ち込むドライバブレード、および前記ドライバブレードが取り付けられるプランジャを備える打撃部と、
前記打撃部の前記プランジャ側にある第1端部、および前記第1端部の反対側の第2端部を備え、前記モータの回転力により駆動される付勢部材と、
前記付勢部材の前記第2端部側に配置され、前記モータの回転力により、前記プランジャの移動方向とは反対方向に駆動されるカウンタウェイトと、
前記付勢部材の前記第1端部側に設けられる第1支持部と、
前記付勢部材の前記第2端部側に配置される第2支持部と、を有し、
前記プランジャは、前記第1支持部と前記付勢部材との間に配置され、
前記カウンタウェイトは、前記第2支持部と前記付勢部材との間に配置され、
前記カウンタウェイトと前記付勢部材の前記第2端部との間には、前記付勢部材の前記第2端部側から順に、第1弾性部材および第2弾性部材が配置され
前記第1弾性部材は、前記付勢部材より硬度が低く、かつ、前記第2弾性部材より硬度が高い、打込機。
【請求項3】
前記第1弾性部材は、前記付勢部材の前記第2端部に接し、
前記第2弾性部材は、前記第1弾性部材および前記カウンタウェイトに接し、かつ、前記付勢部材とは離間する、請求項2に記載の打込機。
【請求項4】
前記付勢部材の前記第2端部側から前記第1弾性部材および前記第2弾性部材を視た平面視において、
前記第1弾性部材および前記第2弾性部材のそれぞれは、円形またはリング状の平面形状を備え、
前記第2弾性部材の外縁の直径は、前記第1弾性部材の外縁の直径より小さい、請求項1~のいずれか1項に記載の打込機。
【請求項5】
前記プランジャと前記付勢部材の前記第1端部との間には、第3弾性部材が介在する、請求項1~のいずれか1項に記載の打込機。
【請求項6】
前記第3弾性部材は、前記第1弾性部材と同一材料から成る、請求項に記載の打込機。
【請求項7】
前記プランジャと前記第3弾性部材との間には、第4弾性部材が介在し、
前記第4弾性部材は、前記第2弾性部材と同一材料から成り、
前記第3弾性部材は、前記付勢部材の前記第1端部に接し、
前記第4弾性部材は、前記第3弾性部材および前記プランジャに接し、かつ、前記付勢部材とは離間する、請求項に記載の打込機。
【請求項8】
前記第2弾性部材の体積は、前記第1弾性部材の体積より大きい、請求項1~のいずれか1項に記載の打込機。
【請求項9】
前記第1弾性部材は、非金属材料から成る、請求項1~のいずれか1項に記載の打込機。
【請求項10】
前記第2弾性部材は、ゴムである、請求項1~のいずれか1項に記載の打込機。
【請求項11】
前記付勢部材は、第1コイルバネと、前記第1コイルバネを内包するように配置される第2コイルバネと、を含み、
前記第1弾性部材および前記第2弾性部材のそれぞれは、前記第1コイルバネおよび前記第2コイルバネの両方と重なる位置に配置される、請求項1~10のいずれか1項に記載の打込機。
【請求項12】
前記第1コイルバネまたは、前記第2コイルバネの断面は、楕円形であることを特徴とする請求項11記載の打込機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、付勢部材および打撃部を備えた打込機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、釘を打ち込む電動式打込機が記載されている。特許文献1に記載された打込機は、モータの回転力によりコイルバネを圧縮し、圧縮されたコイルバネを開放することによって、ブレードを移動させて釘を打ち込む機構を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-125578号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
バネなどの付勢部材に蓄えたエネルギを打撃部に伝えることにより釘やステープルなどの対象物を打ち込む打込機において、打込みのエネルギを蓄える付勢部材には、打込む対象物の長さ以上のストローク、あるいは、対象物をしっかりと打込むエネルギが要求される。例えば、打込機用のコイルバネは、伸縮方向の長さの長い物が用いられ、アスペクト比が大きくなる傾向がある。このため、打込み動作時に、コイルバネの挙動が不安定に成り易い。この場合、対象物を打ち込んだ後、コイルバネの両端の振動により、コイルバネ、または、その受け部材等が損傷する可能性がある。
【0005】
本開示の目的は、打込みのエネルギを蓄える付勢部材の耐久性を向上させる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態の打込機は、モータと、前記モータが収容されるハウジングと、留具を打ち込むドライバブレード、および前記ドライバブレードが取り付けられるプランジャを備える打撃部と、前記打撃部の前記プランジャ側にある第1端部、および前記第1端部の反対側の第2端部を備え、前記モータの回転力により駆動される付勢部材と、前記付勢部材の前記第1端部側に設けられる第1支持部と、前記付勢部材の前記第2端部側に配置される第2支持部と、を有する。前記プランジャは、前記第1支持部と前記付勢部材との間に配置され、前記第2支持部と前記付勢部材の前記第2端部との間には、前記付勢部材の前記第2端部側から順に、第1弾性部材および第2弾性部材が配置されている。
【0007】
他の一実施形態の打込機は、モータと、前記モータが収容されるハウジングと、留具を打ち込むドライバブレード、および前記ドライバブレードが取り付けられるプランジャを備える打撃部と、前記打撃部の前記プランジャ側にある第1端部、および前記第1端部の反対側の第2端部を備え、前記モータの回転力により駆動される付勢部材と、前記付勢部材の前記第2端部側に配置され、前記モータの回転力により、前記プランジャの移動方向とは反対方向に駆動され、前記留め具を打撃する際の反動を抑制するカウンタウェイトと、前記付勢部材の前記第1端部側に設けられる第1支持部と、前記付勢部材の前記第2端部側に配置される第2支持部と、を有する。前記プランジャは、前記第1支持部と前記付勢部材との間に配置され、前記カウンタウェイトは、前記第2支持部と前記付勢部材との間に配置され、前記カウンタウェイトと前記付勢部材の前記第2端部との間には、前記付勢部材の前記第2端部側から順に、第1弾性部材および第2弾性部材が配置されている。
【発明の効果】
【0008】
一実施形態の打込機において、付勢部材の耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】打込機の一実施形態を示す側面断面図である。
図2図1の打込機の打撃部、カウンタウェイトおよび駆動機構部の斜視図である。
図3図1の打込機のコイルバネ周辺の側面断面図である。
図4図1の打込機に設ける打撃部、ウェイトおよび駆動機構の側面図である。
図5】打込機の制御系統を示すブロック図である。
図6図3に示すカウンタウェイトとコイルバネとの間にある2個の弾性部材をコイルバネの第2端部側から視た平面図である。
図7図3に示すカウンタウェイト周辺の拡大図である。
図8図3に対する変形例である打込機のプランジャ周辺の拡大図である。
図9図3に対する他の変形例である打込機のコイルバネ周辺の側面断面図である。
図10図3に対する他の変形例である打込機のコイルバネ周辺の側面断面図である。
図11図3に示すカウンタウェイト周辺の拡大図である。
図12図3に対する変形例である打込機のプランジャ周辺の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、打込機の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0011】
図1に示す打込機10は、ハウジング11、打撃部12、マガジン13、電動モータ14、変換機構15、制御基板16、電池パック17、およびカウンタウェイト18を有する。打撃部12はハウジング11に設けられている。電動モータ14はハウジング11内に設けられ、変換機構15はハウジング11内に設けられている。制御基板16はハウジング11内に設けられている。カウンタウェイト18はハウジング11内に設けられている。
【0012】
また、マガジン13および電池パック17のそれぞれは、ハウジング11に取り付けられている。電池パック17は、ハウジング11に対して取り付けおよび取り外し可能である。
【0013】
ハウジング11は金属および合成樹脂で構成されており、ハウジング11は、筒形状の本体部19と、本体部19に接続されたハンドル20と、本体部19に接続されたモータケース21と、を有する。装着部22がハンドル20およびモータケース21に接続されている。射出部23が本体部19の外に設けられ、射出部23は本体部19に固定されている。射出部23は、射出路24を有する。射出路24は、留具25をガイドする通路である。ユーザは、ハンドル20を手で握り、射出部23の先端を被打込材W1に押し付けることが可能である。
【0014】
マガジン13は、ハウジング11および射出部23により支持されている。モータケース21は、軸線A1方向でハンドル20とマガジン13との間に配置されている。マガジン13は、複数の留具25を収容する。留具25は釘を含み、留具25の材質は、金属、非鉄金属、鋼を含む。複数の留具25同士は接続要素で互いに接続されている。接続要素は、ワイヤ、接着剤、樹脂の何れでもよい。留具25は棒形状である。マガジン13はフィーダを有する。フィーダは、マガジン13に収容された留具25を射出路24に送る。
【0015】
打撃部12は、本体部19の内外に亘って設けられている。打撃部12は、本体部19内に配置されたプランジャ40と、プランジャ40に固定されたドライバブレード41と、を有する。プランジャ40は、金属製または合成樹脂製である。ドライバブレード41は金属製である。
【0016】
打込機10において、打撃部12が留具25を打ち込むためのエネルギを打撃部12に付与する付勢部材は、コイルバネ35である。コイルバネ35は、本体部19内のフレーム内に収容される。フレームは、トップホルダ(第2支持部)31と、トップホルダ31の反対側にあるボトムホルダ(第1支持部)32と、トップホルダ31およびボトムホルダ32に固定される複数のガイドバー33(図2参照)を含む。また、トップホルダ31およびボトムホルダ32には、ガイドシャフト34が固定される。
【0017】
図1では、トップホルダ31およびボトムホルダ32は、ハウジング11とは別の部材である。ただし、変形例としては、ハウジング11の一部分をトップホルダ31またはボトムホルダ32として用いる場合もある。言い換えれば、ハウジング11の一部分が第1支持部または第2支持部であっても良い。
【0018】
ガイドシャフト34は、本体部19内に設けられている。軸線A1はガイドシャフト34の中心を通る。ガイドシャフト34の材質は、金属、非鉄金属、鋼の何れでもよい。また、トップホルダ31およびボトムホルダ32の材質は、金属、非鉄金属、鋼の何れでもよい。図2に示す例では、トップホルダ31およびボトムホルダ32には、2本のガイドバー33が固定される。2本のガイドバー33は互いに対向するように配置される。2本のガイドバー33のそれぞれは、プレート状であり、かつ、軸線A1と平行に配置されている。
【0019】
プランジャ40は、ガイドシャフト34の外周面を囲むように取り付けられる。プランジャ40は、トップホルダ31とボトムホルダ32との間の空間の一部分において、ガイドシャフト34に沿って、図1に示す軸線A1の方向に移動させることが可能である。ガイドシャフト34は、軸線A1を中心とする円の径方向におけるプランジャ40の位置を規定する。ガイドバー33は、軸線A1を中心とする円の円周方向におけるプランジャ40の位置を規定する。ドライバブレード41はプランジャ40と共に軸線A1に対して平行に作動可能である。ドライバブレード41は、射出路24内で作動可能である。
【0020】
カウンタウェイト18は、留具25を打ち込む時にハウジング11が受ける反動を抑制する。カウンタウェイト18の材質は、金属、非鉄金属、鋼、セラミックの何れでもよい。カウンタウェイト18はガイドシャフト34に取り付けられている。カウンタウェイト18は一例として筒形状であり、ピン18Pおよびウェイトアーム部18Aが、カウンタウェイト18に設けられている。カウンタウェイト18はガイドシャフト34に沿って軸線A1方向に移動可能である。ガイドシャフト34は、軸線A1を中心とする円の径方向におけるカウンタウェイト18の位置を規定する。ガイドバー33は、軸線A1を中心とする円の円周方向におけるカウンタウェイト18の位置を規定する。
【0021】
図1に示すトップホルダ31、ボトムホルダ32と、および複数のガイドバー33を含むフレーム内には、コイルバネ35が配置される。コイルバネ35は、軸線A1方向において、プランジャ40とカウンタウェイト18との間に配置されている。コイルバネ35は、一例として金属製の圧縮コイルスプリングを用いることが可能である。コイルバネ35は、軸線A1方向においてプランジャ40側にある第1端部、および第1端部の反対側にある第2端部を備える。コイルバネ35は、軸線A1方向に伸縮可能である。電動モータ14の回転力は、減速機63、変換機構15、プランジャ40、およびカウンタウェイト18を介してコイルバネ35に圧縮力として伝達される。コイルバネ35は、軸線A1方向の圧縮力を受けて弾性エネルギを蓄積する。コイルバネ35は、打撃部12およびカウンタウェイト18を付勢する付勢部材の一例である。そのほかの付勢部材としてしては空気バネ等であっても良い。また、コイルバネ35の材質は、プラスチックであっても良くさらに、断面は円形や楕円形であっても良い。
【0022】
図3に示すように、プランジャ40は、軸線A1方向において、フレームのボトムホルダ32とコイルバネ35との間に配置される。プランジャ40とボトムホルダ32との間には、プランジャバンパ32Bが配置される。また、カウンタウェイト18は、軸線A1方向において、フレームのトップホルダ31とコイルバネ35との間に配置される。カウンタウェイト18とトップホルダ31との間には、ウェイトバンパ31Bが配置される。ウェイトバンパ31Bおよびプランジャバンパ32Bのそれぞれは、例えば合成ゴムから成る弾性部材である。
【0023】
プランジャ40およびカウンタウェイト18のそれぞれは、軸線A1に沿って移動する。コイルバネ35に蓄えられたエネルギが解放されると、プランジャ40は、図3のD1方向に移動(下降)する。また、コイルバネ35に蓄えられたエネルギが解放されると、カウンタウェイト18は、図3のD2方向に移動(上昇)する。
【0024】
プランジャバンパ32Bは、プランジャ40がボトムホルダ32に衝突することを防止する。また、プランジャ40がプランジャバンパ32Bに衝突することによる衝撃力は、プランジャバンパ32Bが弾性変形することにより緩和される。プランジャ40とボトムホルダ32との間にプランジャバンパ32Bが配置されることにより、プランジャ40およびボトムホルダ32の損傷を抑制できる。
【0025】
また、ウェイトバンパ31Bは、カウンタウェイト18がトップホルダ31に衝突することを防止する。カウンタウェイト18がウェイトバンパ31Bに衝突することによる衝撃力は、ウェイトバンパ31Bが弾性変形することにより緩和される。トップホルダ18とカウンタウェイト18との間にウェイトバンパ31Bが設けられていることにより、カウンタウェイト18およびトップホルダ31の損傷を抑制できる。
【0026】
また、コイルバネ35とトップホルダ31との間には、ウェイトバンパ31Bとは別の弾性部材が配置される。フレームのトップホルダ31とコイルバネ35の第2端部との間には、コイルバネ35の第2端部側から順に、弾性部材36および弾性部材37が介在する。
【0027】
図3に示す例では、フレームのトップホルダ31とコイルバネ35の第2端部との間には、カウンタウェイト18が介在する。カウンタウェイト18と、コイルバネ35の第2端部との間には、コイルバネ35の第2端部側から順に、弾性部材36および弾性部材37が介在する。
【0028】
また、図3に示す例では、プランジャ40とコイルバネ35の第1端部との間には、弾性部材38が介在する。弾性部材36、37、および38の材質や構造、および機能については、後述する。
【0029】
図1に示す電池パック17は、装着部22に対して取り付けおよび取り外し可能である。電池パック17は、収容ケース17Cと、収容ケース17C内に収容した複数の電池セルとを有する。電池セルは、充電および放電が可能な二次電池であり、電池セルは、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、リチウムイオンポリマー電池、ニッケルカドミウム電池の何れかを用いることができる。電池パック17は直流電源であり、電池パック17の電力は電動モータ14に供給可能である。
【0030】
図1に示す制御基板16は、装着部22内に設けられており、図6に示すコントローラ45およびインバータ回路46が、制御基板16に設けられている。コントローラ45は、入力ポート、出力ポート、演算処理部および記憶部を有するマイクロコンピュータである。インバータ回路46は、複数のスイッチング素子を有し、複数のスイッチング素子は、それぞれオンおよびオフが可能である。コントローラ45は、インバータ回路46を制御する信号を出力する。電池パック17と電動モータ14との間に電気回路が形成されている。インバータ回路46は電気回路の一部であり、かつ、電気回路を接続および遮断する。
【0031】
図1のように、トリガ47およびトリガスイッチ48がハンドル20に設けられており、ユーザがトリガ47に操作力を加えるとトリガスイッチ48がオンする。ユーザがトリガ47に加えた操作力を解除すると、トリガスイッチ48がオフする。図5に示す位置検出センサ49が、ハウジング11内に設けられている。位置検出センサ49は、例えば、電動モータ14の回転角度に基づいて、軸線A1方向におけるプランジャ40およびカウンタウェイト18の位置を推定して信号を出力する。コントローラ45は、トリガスイッチ48の信号、位置検出センサ49の信号を受信し、かつ、インバータ回路46を制御する信号を出力する。
【0032】
電動モータ14は、ロータ60およびステータ61を有し、モータ軸62がロータ60に取り付けられている。電動モータ14は、電池パック17から電力が供給されるとモータ軸62が回転する。減速機63がモータケース21内に配置されている。減速機63は、複数組の遊星歯車機構、入力要素および出力要素を有する。入力要素はモータ軸62に接続されている。電動モータ14および減速機63は、軸線B1を中心として同心状に配置されている。
【0033】
変換機構15は、減速機63の出力要素の回転力を打撃部12の作動力およびカウンタウェイト18の作動力に変換する。図2に示すように、変換機構15は、第1ギヤ50、第2ギヤ51および第3ギヤ52を有する。第1ギヤ50、第2ギヤ51および第3ギヤ52の材質は、金属、非鉄金属、鋼の何れでもよい。第1ギヤ50、第2ギヤ51および第3ギヤ52のそれぞれは、減速機63(図1参照)の出力要素を支持するホルダを介して、回転可能に支持されている。第1ギヤ50は図1の軸線B1を中心として回転可能である。また、第2ギヤ51および第3ギヤ52のそれぞれは、図1の軸線B1に平行な軸線を中心として回転可能である。第1ギヤ50の外径と第2ギヤ51の外径と第3ギヤ52の外径とは同一である。第2ギヤ51は、第1ギヤ50および第3ギヤ52に噛み合っている。
【0034】
また、図2に示すように、ラッチ55がガイドバー33に取り付けられている。ラッチ55はガイドバー33に対して支持軸56を中心として回動可能である。ラッチ55は、アーム57およびフック58を有する。アーム57およびフック58は、ラッチ55の長手方向で支持軸56を隔てて配置されている。フック58は、カウンタウェイト18のピン18Pに接触および離反可能である。詳しくは、フック58はピン18Pに係合および解放可能である。
【0035】
<打込機の動作>
次に、打込機10の動作について説明する。図1に示す打込機10の場合、電動モータ14の回転力が減速機63、変換機構15を介して付勢部材であるコイルバネ35に伝達され、コイルバネ35は、電動モータ14の回転力により駆動される。
【0036】
コントローラ45(図5参照)は、トリガスイッチ48のオフを検出していると、電動モータ14に電力が供給されず、モータ軸62は停止している。電動モータ14が停止していると、図3のように、プランジャ40はプランジャバンパ32Bに接触した位置、つまり、下死点で停止している。また、カウンタウェイト18はコイルバネ35の弾性力で付勢され、ウェイトバンパ31Bに接触した位置、つまり、上死点で停止している。
【0037】
ユーザが射出部23の先端を被打込材W1に押し付け、かつ、コントローラ45がトリガスイッチ48のオンを検出すると、コントローラ45は電動モータ14に電力を供給する。電池パック17の電力が電動モータ14に供給されてモータ軸62が正回転すると、モータ軸62の回転力が減速機63を介して第1ギヤ50(図2参照)に伝達される。図2において、第1ギヤ50が反時計回りに回転すると、第2ギヤ51(図2参照)は時計回りに回転し、第3ギヤ52(図2参照)は反時計回りに回転する。
【0038】
図4に示す第1ギヤ50が反時計回りに回転し、第1ギヤ50のカムローラ50Cがプランジャ40の第1アーム部40Aに係合すると、プランジャ40は、コイルバネ35の付勢力に抗して図3に示す第2方向D2に移動(上昇)する。
【0039】
また、図4に示す第3ギヤ52が反時計回りに回転し、第3ギヤ52のカムローラ52Cがカウンタウェイト18のウェイトアーム部18Aに係合すると、カウンタウェイト18は第1方向D1に移動(降下)する。
【0040】
また、第1ギヤ50および第2ギヤ51の回転中、カムローラ50Cが第1アーム部40Aに係合している際に、1個のカムローラ51Cがプランジャ40の第2アーム部A2に係合する。その後、カムローラ50Cが第1アーム部40Aから解放される。また、1個のカムローラ51Cが第2アーム部40A2に係合している際に、他のカムローラ51Cが第2アーム部40A2に係合する。次いで、先に第2アーム部40A2に係合していたカムローラ51Cが、第2アーム部40A2から解放される。
【0041】
また、カウンタウェイト18がさらに第2方向D2に移動して、ピン18Pとラッチ55とが接触すると、ラッチ55は反時計回りに作動(支持軸56を中心に回転)する。また、プランジャ40が第1方向D1に移動して、プランジャ40の接触部40Cがラッチ55のアーム57に接触すると、ラッチ55は更に反時計回りに作動(支持軸56を中心に回転)し、フック58がピン18Pに係合する。
【0042】
第3ギヤ52がさらに回転して、カムローラ52Cがウェイトアーム部18Aから解放される。この時、プランジャ40の接触部40Cがアーム57に接触しているため、ラッチ55は停止している。
【0043】
プランジャ40がさらに上昇し、上死点に到達すると、2個のカムローラ51Cが共に第2アーム部40A2から解放され、プランジャ40はコイルバネ35の付勢力で下降する。プランジャ40が下降を開始しても、接触部40Cがアーム57に接触していると、ラッチ55は停止している。このため、フック58がピン18Pに係合した状態に保持され、カウンタウェイト18は停止している。
【0044】
プランジャ40が更に下降して、接触部40Cがアーム57から離反すると、図示されていないバネによって、ラッチ55は時計回りに作動する。すると、フック58がピン18Pから解放され、カウンタウェイト18はコイルバネ35の付勢力で上昇を開始する。
アーム57の長さを調整することで、カウンタウェイト18の動き出すタイミングを調整することができる。
【0045】
プランジャ40が下降、つまり、打撃部12が下降すると、図1に示すドライバブレード41は射出路24に位置する留具25を打撃する。留具25は被打込材W1に打ち込まれる。ドライバブレード41が留具25を打撃した後、図3に示すようにプランジャ40がプランジャバンパ32Bに衝突する。プランジャバンパ32Bは打撃部12の運動エネルギの一部を吸収する。また、カウンタウェイト18はウェイトバンパ31Bに衝突する。ウェイトバンパ31Bはウェイトの運動エネルギの一部を吸収する。
【0046】
打撃部12が図3に示す第1方向D1に作動して留具25を打撃する際、カウンタウェイト18は第1方向D1とは逆の第2方向D2に作動する。このため、打撃部12が留具25を打撃する際の反動を低減可能である。プランジャ40が上死点から下死点に向けて作動を開始する第1タイミングと、カウンタウェイト18が下死点から上死点に向けて作動を開始する第2タイミングとの関係を安定させると、反動を低減し易くなる。
【0047】
<サージング現象について>
ところで、コイルバネ35のエネルギが大きくなると、図1に示す打撃部12が留具25を打撃した時のコイルバネ35の端部の速度は高速になるので、打撃時の反動により、コイルバネ35の端部の挙動が不安定になる。このため、打撃部12が留具25を打撃した後、コイルバネ35の端部が弾性部材36から離れ、その後、弾性部材36と衝突する、サージング現象が繰り返し発生する。このサージング現象による衝突時の衝撃力は、留具25を打撃する打撃力に比例して大きくなる。
【0048】
このサージング現象によりコイルバネ35とカウンタウェイト18とが直接的に衝突すると、コイルバネ35が損傷する。また、コイルバネ35がカウンタウェイト18に繰り返し衝突することにより、コイルバネ35の特性が低下し易くなる。この場合、付勢部材としてのコイルバネ35の寿命が短くなる。
【0049】
そこで、コイルバネ35とカウンタウェイト18とが直接的に衝突することを防止するため、コイルバネ35とカウンタウェイト18との間に別の部材を介在させることについて検討した。まず、サージング現象によるコイルバネ35の損傷を抑制するためには、コイルバネ35に衝突されたときに、その衝撃力を緩和する部材を介在させることが好ましい。
【0050】
衝撃力の緩和特性を向上させる観点からは、コイルバネ35とカウンタウェイト18との間に配置される部材は、ウェイトバンパ31Bのように柔らかく、弾性変形し易い材料から成ることが好ましい。図3に示す例では、弾性部材37は、コイルバネ35の構成材料よりも柔らかい材料から成る。弾性部材37は、例えば、ブチルゴム、ニトリルゴム、あるいはクロロプレンゴムなどのゴムである。
【0051】
弾性部材37のように、優れた緩和特性を備えた部材が、コイルバネ35とカウンタウェイト18との間に配置されていれば、コイルバネ35の損傷を抑制できる。ただし、コイルバネ35と弾性部材37とが直接的に接触する場合、サージング現象により弾性部材37がダメージを受け、緩和特性が低下する。
【0052】
そこで、図3に示す例では、弾性部材37とコイルバネ35の第2端部との間に弾性部材36が配置される。弾性部材36は、コイルバネ35の第2端部に接する。また、弾性部材37は、弾性部材36およびカウンタウェイト18に接し、かつ、コイルバネ35とは離間する。この場合、弾性部材37は、コイルバネ35と接触しないので、サージング現象による弾性部材37の損傷を抑制できる。
【0053】
弾性部材36は、コイルバネ35と接触するので、弾性部材37よりも高い耐衝撃特性が要求される。また、弾性部材36とカウンタウェイト18との間には、弾性部材37が配置されるので、弾性部材36自身には、高い衝撃緩和特性は要求されず、弾性部材37に衝撃を伝達する特性があれば足りる。ただし、コイルバネ35と弾性部材36との間で、サージング現象が発生する。したがって、弾性部材36は、コイルバネ35の損傷を抑制できる程度の弾力性を備えている必要がある。
【0054】
弾性部材36は、弾性部材37とは異なる材料から成る。弾性部材36の材料は、コイルバネ35の構成材料より硬度が低く、かつ、弾性部材37の構成材料より硬度が高い。弾性部材36は、例えばエラストマ、ウレタンゴムなどから成る。また、スプリングワッシャなど、構造的に弾力性を備える部材であれば、弾性部材36が金属材料から成る場合もある。ただし、コイルバネ35は金属から成るので、サージング現象において金属部材同士が衝突すると、損傷し易い。したがって、弾性部材36は、非金属材料から成ることが好ましい。
【0055】
また、弾性部材37の体積は、弾性部材36の体積より大きい。弾性部材37の衝撃緩和特性は、弾性部材37の体積に比例して向上する。一方、弾性部材36は、上記したように、弾性部材37に衝撃を伝達することができれば良いので、体積は小さくても良い。したがって、弾性部材37の体積が弾性部材36の体積より大きい場合、サージング現象による衝撃を緩和する性能を向上させることができる。
【0056】
また、図6に示すように、コイルバネ35(図3参照)の第2端部側から弾性部材36および弾性部材37を視た平面視において、弾性部材36および弾性部材37のそれぞれは、円形またはリング状の平面形状を備える。弾性部材37の外縁の直径DM2は、弾性部材36の外縁の直径DM1より小さい。
【0057】
この場合、図7に示すように、弾性部材37の外縁と、カウンタウェイト18の壁面(詳しくは、弾性部材37の外側面と対向する壁面)との間の空間37Sの体積を大きくすることができる。弾性部材37が弾性変形するためには、弾性部材37の周囲の空間の体積が大きい方が好ましい。図6および図7に示す例の場合、弾性部材37の外縁DM2の長さを短くすることにより、空間37Sの体積が広くなる。この結果、サージング現象の発生時に、弾性部材37を弾性変形させ易くできるので、衝撃力の緩和特性を向上させることができる。
【0058】
また、図3に示すように、プランジャ40とコイルバネ35の第1端部との間には、弾性部材38が介在する。弾性部材38は、例えば弾性部材36と同じ材料から成る。上記では、コイルバネ35の第2端部とカウンタウェイト18との間でのサージング現象について説明した。コイルバネ35のエネルギを強化すると、コイルバネ35の第1端部とプランジャ40との間でもサージング現象が発生する頻度が高くなる。特に、打込機10のように、コイルバネ35の第2端部側にカウンタウェイト18が配置される場合、図1に示す打撃部12が留具25を打撃する際に、カウンタウェイト18は、プランジャ40の移動方向の反対方向に移動する。このため、プランジャ40とコイルバネ35の第1端部とが打撃後に離れやすくなり、サージング現象が特に発生し易い。
【0059】
そこで、図3に示す例では、プランジャ40とコイルバネ35の第1端部との間に、弾性部材38が配置されている。この場合、プランジャ40とコイルバネ35の第1端部との間でサージング現象が発生したとしても、コイルバネ35の第1端部は、弾性部材38に衝突し、プランジャ40には直接的には衝突しない。したがって、コイルバネ35の第1端部側の損傷を抑制できる。
【0060】
また、弾性部材38は、弾性部材36と同じ材料から成る。すなわち、弾性部材38の材料は、コイルバネ35の構成材料より硬度が低く、かつ、弾性部材37の構成材料より硬度が高い。このため、弾性部材38とコイルバネ35の第1端部とが繰り返し衝突したとしても、弾性部材38の損傷を抑制できる。ところで、弾性部材38は弾性部材37より硬いので、コイルバネ35が衝突することによる衝撃を緩和する特性は相対的に低い。しかし、プランジャ40とコイルバネ35との間に、コイルバネ35と接触する弾性部材が配置されていない場合と比較すれば、サージング現象によるコイルバネ35の損傷を低減できる。
【0061】
<変形例1>
図8に示す打込機10Aのように、弾性変形し易い弾性部材39をさらに追加することが好ましい。図8に示す変形例では、プランジャ40と弾性部材38との間には、弾性部材39が介在する。弾性部材39は、図3に示す弾性部材37と同一材料から成る。
【0062】
弾性部材38は、コイルバネ35の第1端部に接する。また、弾性部材39は、弾性部材38およびプランジャ40に接し、かつ、コイルバネ35とは離間する。この場合、弾性部材39は、コイルバネ35と接触しないので、サージング現象による弾性部材39の損傷を抑制できる。よって、コイルバネ35のエネルギー(反発力)を大きくした場合であっても、有効である。
【0063】
<変形例2>
図示は省略するが、図1に示す打込機10に対する別の変形例として、図3に示す弾性部材36および弾性部材37が設けられ、かつ、弾性部材38は設けられていない変形例がある。この場合、コイルバネ35とカウンタウェイト18との間でのサージング現象に伴うコイルバネ35の損傷は抑制できる。一方、コイルバネ35の第1端部は、プランジャ40に接触するので、プランジャ40とコイルバネ35との間でサージング現象が生じた場合には、コイルバネ35が損傷する可能性がある。
【0064】
弾性部材36および弾性部材37の材料や構造については、既に説明した打込機10の場合と同様なので、重複する説明は省略する。
【0065】
<変形例3>
上記した技術は、図9に示すように、カウンタウェイト18(図3参照)を有さない打込機10Bにも適用可能である。打込機10Bの場合、フレームのトップホルダ31とコイルバネ35の第2端部との間には、コイルバネ35の第2端部側から順に、弾性部材36および弾性部材37が介在する。弾性部材36は、コイルバネ35の第2端部に接する。弾性部材37は、弾性部材36およびトップホルダ31に接し、かつ、コイルバネ35と離間する。
【0066】
サージング現象は、図3に示すカウンタウェイト18が無い場合でも、図9に示すトップホルダ31とコイルバネ35との間で発生する。打込機10Bの場合、コイルバネ35とトップホルダ31との間に、弾性部材36および弾性部材37が配置されているので、サージング現象による衝撃を緩和することが出来、かつ、弾性部材37の耐久性を向上させることができる。
【0067】
打込機10Bの場合、電動モータ14(図1参照)の回転力によりプランジャ40のみが差動する。したがって、図4に示す第1ギヤ50、第2ギヤ51、および第3ギヤ52のうち、カウンタウェイト18を差動させる第3ギヤ52は、打込機10Bの場合には不要である。
【0068】
弾性部材36および弾性部材37の材料や構造、あるいは、プランジャ40とコイルバネ35との間の構造については、既に説明した打込機10の場合と同様なので、重複する説明は省略する。また、本変形例と、上記した変形例1、あるいは変形例2で説明した技術とを組み合わせて適用することができる。
【0069】
<変形例4>
上記した技術は、図10に示すように、トップホルダ31とボトムホルダ32との間に、複数のコイルバネ35A,35Bが配置される打込機10Cにも適用可能である。
【0070】
打込機10Cの付勢部材は、コイルバネ35Aと、コイルバネ35Aを内包するように配置されるコイルバネ35Bと、を含む。図11に示すように、弾性部材36および弾性部材37のそれぞれは、第1コイルバネ35Aおよび第2コイルバネ35Bの両方と重なる位置に配置される。
【0071】
付勢部材として複数のコイルバネ35A,35Bを用いる打込機10Cの場合、付勢部材のエネルギが更に大きくなるため、打撃部12(図1参照)を打撃する際のプランジャの速度が速くなる。このため、コイルバネ35A、35Bの端部は打撃時に激しく動き、挙動が安定しない。この結果、サージング現象が発生し易い。
【0072】
図11に示すように、弾性部材36および弾性部材37のそれぞれは、第1コイルバネ35Aおよび第2コイルバネ35Bの両方と重なる位置に配置されるので、サージングによるコイルバネ35Aおよびコイルバネ35Bの損傷をそれぞれ抑制できる。
【0073】
また、図12に示すように、コイルバネ35Aおよびコイルバネ35Bのそれぞれの第1端部と、プランジャ40との間には、弾性部材38および弾性部材39が配置される。弾性部材38および弾性部材39のそれぞれは、第1コイルバネ35Aおよび第2コイルバネ35Bの両方と重なる位置に配置される。
【0074】
上記したように、複数のコイルバネ35A,35Bを用いる打込機10Cの場合、付勢部材のエネルギが更に大きくなるため、プランジャ40とコイルバネ35A,35Bの第1端部との間に、弾性部材38および弾性部材39を介在させることで、衝撃の緩和特性を向上させることが好ましい。
【0075】
また、変形例としてはコイルバネ35Aおよびコイルバネ35Bのそれぞれの第1端部と、プランジャ40との間に弾性部材39を介在させず、弾性部材38のみを介在させる場合もある。この場合、打込機10Cと比較すると、衝撃を緩和する特性は低くなる。ただし、コイルバネ35Aおよびコイルバネ35Bのそれぞれの第1端部と、プランジャ40との間に弾性部材が配置されない場合と比較すると、衝撃を緩和することができる。
【0076】
また、図10図12に示すように、コイルバネ35Aの捲き方向と、コイルバネ35Bの捲き方向とは互いに反対向きになっている。例えば、コイルバネ35Aが時計回りに捲かれている場合、コイルバネ35Bは反時計周りに捲かれている。この場合、コイルバネ35Aとコイルバネ35Bとが打撃時の衝撃で激しく動いた時に、互いに絡まることを抑制できる。
【0077】
上記した相違点を除き、打込機10Cの詳細構造は、既に説明した打込機10、10A、あるいは10Bと同様なので、重複する説明は省略する。
【符号の説明】
【0078】
10…打込機、12…打撃部、18…カウンタウェイト、31…トップホルダ、32…ボトムホルダ、35、35A,35B…コイルバネ、40…プランジャ、36、37、38、39…弾性部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12