(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-13
(45)【発行日】2022-06-21
(54)【発明の名称】建設機械及びカメラ取付構造
(51)【国際特許分類】
E02F 9/18 20060101AFI20220614BHJP
E02F 9/26 20060101ALI20220614BHJP
【FI】
E02F9/18
E02F9/26 B
(21)【出願番号】P 2018142765
(22)【出願日】2018-07-30
【審査請求日】2021-04-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000246273
【氏名又は名称】コベルコ建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136250
【氏名又は名称】立石 博臣
(72)【発明者】
【氏名】中原 涼太
(72)【発明者】
【氏名】徳田 歩
【審査官】彦田 克文
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-231726(JP,A)
【文献】特開2008-184789(JP,A)
【文献】特開2014-101191(JP,A)
【文献】特開2009-167747(JP,A)
【文献】特開2003-336293(JP,A)
【文献】特開2005-307560(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/18
E02F 9/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設機械であって、
機械本体と、
前記機械本体の後方に装着され、第1凹部が形成された第1カウンタウェイトと、
前記第1カウンタウェイトの後方に装着され、第2凹部が形成された第2カウンタウェイトと、
前記第1カウンタウェイトに取り付けられるベース板と、
前記ベース板に取り付けられ、カメラを取付け可能なカメラ取付ブラケットと、
を備え、
前記カメラが取り付けられた前記カメラ取付ブラケットは、前記第2カウンタウェイトが装着されない場合には前記カメラが前記第1凹部に配置されるように構成され、前記第2カウンタウェイトが装着される場合には前記カメラが前記第2凹部に配置されるように構成されることを特徴とする建設機械。
【請求項2】
前記カメラが取り付けられた前記カメラ取付ブラケットは、前記ベース板に取り付けられた場合に、前記カメラが前記第1凹部に配置されるように構成された第1カメラ取付ブラケットと、前記カメラが前記第2凹部に配置されるように構成された第2カメラ取付ブラケットとを含み、
前記第2カウンタウェイトが装着されない場合には、前記第1カメラ取付ブラケットが前記ベース板に取り付けられ、
前記第2カウンタウェイトが装着される場合には、前記第2カメラ取付ブラケットが前記ベース板に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の建設機械。
【請求項3】
前記カメラ取付ブラケットは、機械前後方向に長尺な部材によって構成され、第1固定部と、前記第1固定部よりも機械前方に位置する
第2固定部とを有し、
前記カメラが取り付けられた前記カメラ取付ブラケットが前記第1固定部を介して前記ベース板に固定される場合に前記カメラが前記第1凹部に配置され、
前記カメラが取り付けられた前記カメラ取付ブラケットが前記第2固定部を介して前記ベース板に固定される場合に前記カメラが前記第2凹部に配置されることを特徴とする請求項1に記載の建設機械。
【請求項4】
前記ベース板には、前記カメラのハーネスを束ねて保持するハーネス保持部が設けられており、
前記第2カウンタウェイトが装着されない場合には、前記ハーネスは前記ハーネス保持部により束ねて保持され、
前記第2カウンタウェイトが装着される場合には、前記ハーネスの一部は前記第2カウンタウェイトが装着される側に引き出されることを特徴とする請求項1から3のうちいずれかに記載の建設機械。
【請求項5】
機械本体の後方に装着され第1凹部が形成された第1カウンタウェイトと前記第1カウンタウェイトの後方に装着され第2凹部が形成された第2カウンタウェイトとを備える建設機械にカメラを取り付けるためのカメラ取付構造であって、
前記第1カウンタウェイトに取付けられるベース板と、
前記ベース板に取り付けられ、前記カメラを取付け可能なカメラ取付ブラケットと、
を備え、
前記カメラが取り付けられた前記カメラ取付ブラケットは、前記第2カウンタウェイトが装着されない場合には前記カメラが前記第1凹部に配置されるように構成され、前記第2カウンタウェイトが装着される場合には前記カメラが前記第2凹部に配置されるように構成されることを特徴とするカメラ取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機体後方を撮影するカメラを備える建設機械及びカメラ取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建設機械のカメラ取付構造として、エンジンカバー(14)の後面に凹部を設け、その凹部上方に後方カメラ(17)を設けたものが存在する(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1では、エンジンカバー(14)に後方カメラ(17)が取り付けられている関係上、作業中の衝突等によって後方カメラ(17)が破損する可能性がある。さらに、上記特許文献1では、後方カメラ(17)が比較的高い位置に配置されるため、機体に近い場所を撮影することが困難であった。
【0005】
これに対し、本願の発明者らは、比較的低い位置に配置され、かつ、頑強なカウンタウェイトに凹部を設け、その凹部の中に後方カメラを設置することを想起した。
【0006】
ところが、機種によっては、標準のカウンタウェイトの後部に追加のカウンタウェイトを装着することがある。追加のカウンタウェイトが装着された場合、標準のカウンタウェイトの凹部にカメラが設置されたままでは、当該カメラの十分な画角を確保できないという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、カウンタウェイトにカメラを配置する構成において、標準のカウンタウェイトに追加のカウンタウェイトが装着された場合も当該カメラの十分な画角を確保することが可能な建設機械を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、建設機械であって、機械本体と、前記機械本体の後方に装着され、第1凹部が形成された第1カウンタウェイトと、前記第1カウンタウェイトの後方に装着され、第2凹部が形成された第2カウンタウェイトと、前記第1カウンタウェイトに取り付けられるベース板と、前記ベース板に取り付けられ、カメラを取付け可能なカメラ取付ブラケットと、を備え、前記カメラが取り付けられた前記カメラ取付ブラケットは、前記第2カウンタウェイトが装着されない場合には前記カメラが前記第1凹部に配置されるように構成され、前記第2カウンタウェイトが装着される場合には前記カメラが前記第2凹部に配置されるように構成されることを特徴とする建設機械を提供している。
【0009】
また、前記カメラが取り付けられた前記カメラ取付ブラケットは、前記ベース板に取り付けられた場合に、前記カメラが前記第1凹部に配置されるように構成された第1カメラ取付ブラケットと、前記カメラが前記第2凹部に配置されるように構成された第2カメラ取付ブラケットとを含み、前記第2カウンタウェイトが装着されない場合には、前記第1カメラ取付ブラケットが前記ベース板に取り付けられ、前記第2カウンタウェイトが装着される場合には、前記第2カメラ取付ブラケットが前記ベース板に取り付けられるのが好ましい。
【0010】
また、前記カメラ取付ブラケットは、機械前後方向に長尺な部材によって構成され、第1固定部と、前記第1固定部よりも機械前方に位置する前記第2固定部とを有し、前記カメラが取り付けられた前記カメラ取付ブラケットが前記第1固定部を介して前記ベース板に固定される場合に前記カメラが前記第1凹部に配置され、前記カメラが取り付けられた前記カメラ取付ブラケットが前記第2固定部を介して前記ベース板に固定される場合に前記カメラが前記第2凹部に配置されるのが好ましい。
【0011】
更に、前記ベース板には、前記カメラのハーネスを束ねて保持するハーネス保持部が設けられており、前記第2カウンタウェイトが装着されない場合には、前記ハーネスは前記ハーネス保持部により束ねて保持され、前記第2カウンタウェイトが装着される場合には、前記ハーネスの一部は前記第2カウンタウェイトが装着される側に引き出されるのが好ましい。
【0012】
また、本発明は、機械本体の後方に装着され第1凹部が形成された第1カウンタウェイトと前記第1カウンタウェイトの後方に装着され第2凹部が形成された第2カウンタウェイトとを備える建設機械にカメラを取り付けるためのカメラ取付構造であって、前記第1カウンタウェイトに取付けられるベース板と、前記ベース板に取り付けられ、前記カメラを取付け可能なカメラ取付ブラケットと、を備え、前記カメラが取り付けられた前記カメラ取付ブラケットは、前記第2カウンタウェイトが装着されない場合には前記カメラが前記第1凹部に配置されるように構成され、前記第2カウンタウェイトが装着される場合には前記カメラが前記第2凹部に配置されるように構成されることを特徴とするカメラ取付構造を更に提供している。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、第2カウンタウェイトが装着されない場合にはカメラが第1カウンタウェイトの第1凹部に配置され、第2カウンタウェイトが装着される場合にはカメラが第2カウンタウェイトの第2凹部に配置される。そのため、カウンタウェイトにカメラを配置する構成において、標準のカウンタウェイトに追加のカウンタウェイトが装着された場合も当該カメラの十分な画角を確保することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施形態による油圧ショベル(建設機械)を示す側面図。
【
図2】追加のカウンタウェイト(第2カウンタウェイト)が装着された油圧ショベルを示す側面図。
【
図3】標準のカウンタウェイト(第1カウンタウェイト)を示す斜視図。
【
図4】追加のカウンタウェイト(第2カウンタウェイト)を示す斜視図。
【
図5】ベース板及び第1カメラ取付ブラケットを斜め上から見た斜視図。
【
図6】ベース板及び第1カメラ取付ブラケットを斜め下から見た斜視図。
【
図8】標準のカウンタウェイトの第1凹部にカメラが配置される様子を示す図。
【
図9】ベース板及び第2カメラ取付ブラケットを斜め上から見た斜視図。
【
図10】ベース板及び第2カメラ取付ブラケットを斜め下から見た斜視図。
【
図11】第2カメラ取付ブラケットとエンジンボンネットとの関係を示す図。
【
図12】追加のカウンタウェイトの第2凹部にカメラが配置される様子を示す図。
【
図14】変形例に係るカメラ取付ブラケットを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<1.実施形態>
本発明の実施形態による建設機械及びカメラ取付構造について
図1乃至
図13に基づき説明する。以下、本発明に係る建設機械の一例として、
図1に示す油圧ショベル1を例示する。
【0016】
図1及び
図2に示されるように、油圧ショベル1は、クローラ式の下部走行体2と上部旋回体3とを備えて構成される。上部旋回体3は、下部走行体2上に搭載されており、下部走行体2に対して鉛直軸まわりに旋回することが可能である。
【0017】
上部旋回体3は、キャブ(運転席)31と、キャブ31の後方に配置される機械本体33とを備えて構成される。
【0018】
図1に示されるように、機械本体33の下部後方には、標準のカウンタウェイトとして第1カウンタウェイト4が装着されている。
【0019】
図3に示されるように、第1カウンタウェイト4には、後方から見た場合に、第1凹部41が中央上部に形成されている。第1凹部41には、後述の後方カメラ9(
図5,6参照)が配置される。また、第1カウンタウェイト4のうち第1凹部41の左側上面には、後述のベース板6(
図5,6参照)を取り付けるためのボルト穴43a,43bが形成されている。
【0020】
図2に示されるように、第1カウンタウェイト4の後側には、追加のカウンタウェイトとして第2カウンタウェイト5が装着されることがある。
【0021】
図4に示されるように、第2カウンタウェイト5には、後方から見た場合に、第2凹部51が中央上部に形成されている。第2凹部51には、後述の後方カメラ9(
図5,6参照)が配置される。第1カウンタウェイト4に第2カウンタウェイト5が取り付けられた場合に、第2カウンタウェイト5の第2凹部51は、第1カウンタウェイト4の第1凹部41と前後方向に関して連続する位置に形成されている。
【0022】
次に、
図5~
図11を参照しながら、後方カメラ9を取り付けるためのカメラ取付ユニット10(10a,10b)について説明する。なお、カメラ取付ユニット10は、本発明に係るカメラ取付構造の一例である。
【0023】
上述したように、油圧ショベル1では、第1カウンタウェイト4のみが機械本体33に取り付けられる態様(以下、「第1態様」という。)、及び、第1カウンタウェイト4に加え第2カウンタウェイト5が更に取り付けられる態様(以下、「第2態様」という。)が想定される。本実施形態では、第1態様及び第2態様の双方において、後方カメラ9の十分な画角を確保することが可能なカメラ取付ユニット10(10a,10b)を例示する。
【0024】
以下では、まず、
図5~
図8に基づいて第1態様に用いられるカメラ取付ユニット10aについて説明し、その後、
図9~
図12に基づいて第2態様に用いられるカメラ取付ユニット10bについて説明する。
【0025】
図5及び
図6に示されるように、カメラ取付ユニット10aは、第1カウンタウェイト4に取付けられるベース板6と、ベース板6に取付けられるカメラ取付ブラケット7とを備えて構成される。
【0026】
図7に示されるように、ベース板6には、2箇所のボルト穴63a,63bが形成されている。ベース板6を第1カウンタウェイト4に取り付ける際(
図8参照)、2本のボルトBT1,BT2(
図5参照)がそれぞれ2箇所のボルト穴63a,63bに挿通して係合する。
【0027】
また、
図7に示されるように、ベース板6には、4つの裏ナット61a,61b,61c,61dが設けられている。カメラ取付ブラケット7をベース板6に取り付ける際(
図5及び
図6参照)、4本のボルトBT3,BT4,BT5,BT6(
図5参照)は、それぞれ4箇所の裏ナット61a,61b,61c,61dに係合する。
【0028】
また、ベース板6には切欠部65が機械後端側に形成されている。切欠部65には、第1態様においてカメラ取付ブラケット7に取り付けられた後方カメラ9が配置される。
【0029】
また、
図13に示されるように、ベース板6には、後方カメラ9のハーネス90を束ねて保持するハーネス保持部67が設けられている。ハーネス保持部67は、ベース板6の下面から下側に延伸する固定部材671(
図6及び
図10も参照)と、固定部材671に固定されてハーネス90が巻き付けられる巻付部材673とを備えて構成される。
【0030】
第2カウンタウェイト5が装着されず、第1カウンタウェイト4のみが装着される場合には、ハーネス90は、ハーネス保持部67の巻付部材673に巻付けられることにより束ねて保持される。一方、第1カウンタウェイト4に第2カウンタウェイト5が装着される場合には、ハーネス90の一部は、第2カウンタウェイト5が装着される側(機械後方)に引き出される。
【0031】
次に、第1態様におけるカメラ取付ブラケット7について説明する。
図5及び
図6に示されるように、カメラ取付ブラケット7は、接続板71と後板72と側板73とを備えて構成される。
【0032】
接続板71は、4本のボルトBT3,BT4,BT5,BT6によってベース板6の上面に接した状態で接続される。
【0033】
後板72は、接続板71の後端から下側に屈曲して延在する部材である。後板72には、後方カメラ9のレンズが配置される位置に画角を確保するための矩形状の穴が形成されている。
【0034】
側板73は、後方カメラ9の側方に配置される部材である。側板73にはボルト穴が形成されており、当該ボルト穴にボルトが取り付けられることで後方カメラ9が側板73に取り付けられる。
【0035】
また、
図6に示されるように、ベース板6の下面には、他の部材に直接当接するのを防ぐ緩衝材69が設けられる。
【0036】
図8に示されるように、ベース板6が第1カウンタウェイト4に取り付けられ、カメラ取付ユニット10aが第1カウンタウェイト4に取り付けられると、カメラ取付ユニット10aに取り付けられた後方カメラ9が第1カウンタウェイト4の第1凹部41に配置される。そして、第1凹部41はカメラ取付ブラケット7の後板72によって塞がれ、エンジンからの機械音を遮音する。
【0037】
続いて、第2態様におけるカメラ取付ユニット10bについて説明する。第2態様においてもベース板6は第1態様と全く同じものが用いられる。すなわち、ベース板6は、第1態様及び第2態様において共通化されている。
【0038】
他方、共通のベース板6に取り付けられるカメラ取付ブラケット8は、第1態様に係るカメラ取付ブラケット7とは異なるものが用いられる。以下、第1態様と相違する点を中心に説明する。
【0039】
図9及び
図10に示されるように、カメラ取付ブラケット8は、第1態様に係るカメラ取付ブラケット7(
図5及び
図6参照)よりも機械前後方向に長尺な板状の部材で構成される。具体的には、カメラ取付ブラケット8は、接続板81aと、傾斜部810と、延伸板81bと、後板82と、側板83とを備えて構成される。
【0040】
接続板81aは、ベース板6の上面に接した状態で、2本のボルトBT5,BT6によってベース板6の上面に接続される部材である。
【0041】
図11に示されるように、傾斜部810は、カメラ取付ユニット10bの上部に配置されるエンジンボンネット330の下端が当接する位置において、下方に傾斜する部分である。このような傾斜部810が設けられることにより、エンジンボンネット330の開閉をスムーズに行うことが可能である。
【0042】
延伸板81bは、傾斜部810の下端から機械後方(第2カウンタウェイト5が装着される側)に延伸する部材である。
図11に示されるように、延伸板81bは、接続板81aに対して略平行に配置されている。
【0043】
また、延伸板81bの下面には、
図10及び
図11に示されるように、他の部材に直接当接するのを防ぐ緩衝材85が設けられている。
【0044】
後板82は、延伸板81bの後端から下側に屈曲して延在する部材である。後板82には、後方カメラ9のレンズが配置される位置に画角を確保するための矩形状の穴が形成されている。
【0045】
側板83は、後方カメラ9の側方に配置される部材である。側板83には、後方カメラ9を固定するためのボルトのボルト穴が形成されている。当該ボルト穴にボルトが取り付けられることにより、後方カメラ9が側板83に取り付けられる。
【0046】
図9に示されるように、カメラ取付ユニット10bが取り付けられると、後方カメラ9は、第2カウンタウェイト5に形成された第2凹部51に配置される。そして、第2凹部51は、カメラ取付ブラケット8の後板82が配置されることより塞がれ、エンジンからの機械音を遮音する。
【0047】
以上、本実施形態によれば、第2カウンタウェイト5が装着されない場合には後方カメラ9が第1カウンタウェイト4の第1凹部41に配置される。また、第2カウンタウェイト5が装着される場合には後方カメラ9が第2カウンタウェイト5の第2凹部51に配置される。そのため、後方カメラ9をカウンタウェイトに配置する構成において、第1カウンタウェイト4(標準のカウンタウェイト)に第2カウンタウェイト5(追加のカウンタウェイト)が装着された場合も十分な画角を確保することが可能である。
【0048】
また、本実施形態によれば、第1態様及び第2態様においてベース板6が共通化されているため、第2カウンタウェイト5の着脱に伴って、ベース板6を取り外す必要がなく、カメラ取付ブラケット7,8を適宜付け替えればよいため、作業効率が高い。
【0049】
また、本実施形態によれば、機械本体33の下部後方に配置される第1カウンタウェイトに対してカメラ取付ユニット10(10a,10b)が設置される。そのため、カメラ取付ユニット10に取り付けられる後方カメラ9も比較的低い位置に配置され、機械本体33に近い場所を撮影することが可能である。
【0050】
また、本実施形態によれば、第1カウンタウェイト4のみが装着される場合には、ハーネス90は、ハーネス保持部67の巻付部材673に巻付けられることにより束ねて保持される。一方、第2カウンタウェイト5が装着される場合には、ハーネス90の一部は、第2カウンタウェイト5が装着される側(機械後方)に引き出される。よって、第2カウンタウェイトの脱着に応じた後方カメラ9の移動にハーネス90を追従させることが可能である。特に、ハーネス90のうち、巻付部材673から機械本体33のコントローラ(不図示)に延びる側には、固定部材91,93等が各所に設けられている。他方、ハーネス90のうち、巻付部材673から後方カメラ9に接続されるまでの部分は、上述の固定部材91,93等によって固定されることなく、カメラ取付ブラケット8の下面に配索されている。よって、第2カウンタウェイト5の脱着に伴って、固定部材による固定解除等の作業が発生せず、後方カメラ9を設置する際の作業効率が上がる。
【0051】
<2.変形例>
本発明による建設機械及びカメラ取付構造は上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。
【0052】
例えば、上記実施形態では、第1態様及び第2態様においてカメラ取付ブラケット7,8が異なる部材で構成される場合を例示したが、これに限定されない。
図14に示すカメラ取付ブラケット78のように、機械前後方向に長尺な共通部材として構成してもよい。
【0053】
具体的には、カメラ取付ブラケット78には、ボルト穴781hと、ボルト穴781hよりも機械前方に位置するボルト穴782hとが形成されている。
【0054】
カメラ取付ブラケット78がボルト穴781hを介してベース板6に固定される場合には、後方カメラ9が第1カウンタウェイト4の第1凹部41に配置される。一方、カメラ取付ブラケット78がボルト穴782hを介してベース板6に固定される場合には、後方カメラ9が第2カウンタウェイト5の第2凹部51に配置される。
【0055】
かかる変形例によれば、ベース板6に取り付けられるカメラ取付ブラケット78を共通化できるので、コストが低減される。
【産業上の利用可能性】
【0056】
以上のように本発明にかかる建設機械は、後方カメラを備える油圧ショベル等に適している。
【符号の説明】
【0057】
1 油圧ショベル、2 下部走行体、3 上部旋回体、4 第1カウンタウェイト、
5 第2カウンタウェイト、6 ベース板、7,8 カメラ取付ブラケット、
9 後方カメラ、10a,10b カメラ取付ユニット、31 キャブ、33 機械本体、
330 エンジンボンネット、41 第1凹部、43a,43b ボルト穴、
51 第2凹部、61a~1d 裏ナット、63a,63b ボルト穴、65 切欠部、
67 ハーネス保持部、69 緩衝材、71 接続板、72 後板、73 側板、
81a 接続板、81b 延伸板、82 後板、83 側板、85 緩衝材、
90 ハーネス、671 固定部材、673 巻付部材、810 傾斜部、
BT1~BT6 ボルト