(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-13
(45)【発行日】2022-06-21
(54)【発明の名称】フィンガネイルプリンタ
(51)【国際特許分類】
A45D 29/18 20060101AFI20220614BHJP
【FI】
A45D29/18
(21)【出願番号】P 2018155228
(22)【出願日】2018-08-22
【審査請求日】2021-06-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000201113
【氏名又は名称】船井電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】安本 淳史
(72)【発明者】
【氏名】谷 俊郎
【審査官】遠藤 邦喜
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-150092(JP,A)
【文献】特開2013-022114(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0019799(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第102886984(CN,A)
【文献】特開2017-213267(JP,A)
【文献】特開2012-135600(JP,A)
【文献】特開2013-192593(JP,A)
【文献】特開2017-176800(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 29/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体と、
指を置くための載置部と、
前記載置部の上方に設けられ、前記載置部との間に指を挿入するための挿入口を構成するとともに指を固定するための位置決め部と、
前記載置部に載置された指の爪に対して印刷を行うプリンタヘッドと、を備え、
前記載置部は、前記挿入口を介して前記装置本体の内部から前記装置本体の外部へと延びる載置台と、前記載置台の側方に突出するように設けられた延出部と、前記載置台を前記位置決め部に対して付勢する付勢部材とを含み、
前記付勢部材の付勢力により指が前記載置台と前記位置決め部との間に固定されるとともに、前記延出部を前記付勢部材の付勢力に抗して下方に押圧することにより、指の抜き差しが可能なように構成されている、フィンガネイルプリンタ。
【請求項2】
前記延出部は、前記延出部の上面に前記挿入口に挿入された指以外の指が載置可能な載置領域を含む、請求項1に記載のフィンガネイルプリンタ。
【請求項3】
前記載置領域は、前記載置台の両側に設けられている、請求項2に記載のフィンガネイルプリンタ。
【請求項4】
前記載置領域は、前記載置台の載置面の側方の長さ以上の側方の長さを有している、請求項2または3に記載のフィンガネイルプリンタ。
【請求項5】
前記延出部は、前記載置台の側方に伸縮可能なように構成されている、請求項1~4のいずれか1項に記載のフィンガネイルプリンタ。
【請求項6】
側方の長さの異なる複数の前記延出部を含むとともに、
各々の前記延出部は、前記載置部に対して脱着可能に構成されている、請求項1~5のいずれか1項に記載のフィンガネイルプリンタ。
【請求項7】
前記延出部を側方に移動させることにより、前記延出部の長さを調整する調整駆動機構をさらに備える、請求項1~6のいずれか1項に記載のフィンガネイルプリンタ。
【請求項8】
前記載置台は、指のサイズに関する情報を検知するためのセンサを含み、
前記調整駆動機構は、前記センサの検知結果に基づいて、前記延出部の長さを調整するように構成されている、請求項7に記載のフィンガネイルプリンタ。
【請求項9】
制御部をさらに備え、
前記載置台は、指のサイズに関する情報を検知するためのセンサを含み、
前記制御部は、前記センサの検知結果に基づいて、前記延出部の長さに関する情報を出力するように構成されている、請求項1~8のいずれか1項に記載のフィンガネイルプリンタ。
【請求項10】
前記センサは、触感センサである、請求項8または9に記載のフィンガネイルプリンタ。
【請求項11】
前記載置部の上方に配置された撮像部と、
前記撮像部で撮像した上面の画像を表示部または外部の端末に出力する制御部と、をさらに備え、
前記撮像部は、指の爪部に加えて前記延出部を撮像し、
前記制御部は、前記撮像部による前記延出部の撮像結果に基づいて前記延出部の長さに関する情報を出力するように構成されている、請求項1~10のいずれか1項に記載のフィンガネイルプリンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、フィンガネイルプリンタに関し、特に、載置台と付勢部材と位置決め部とを備えるフィンガネイルプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、載置台と付勢部材と位置決め部とを備えるフィンガネイルプリンタが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、指先押圧部材(載置部)と弾性手段(付勢部材)と指先拘束部材(位置決め部)とを備えるネイルアートプリント用指先保持機が開示されている。特許文献1では、弾性手段の押圧力によって指先押圧部材と指先拘束部材との間で指先が保持される。また、指先押圧部材を押圧力に対抗して押すことにより指先押圧部材と指先拘束部材との間に隙間が生じ、指を抜くことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載されているようなネイルアートプリント用指先保持機を備えた従来のネイルプリンタでは、弾性手段の押圧力(付勢力)によってネイルプリントを施す指を固定している。そのため、特許文献1には記載されていないが、ネイルプリントを施す指を安定させるために、押圧力の大きい弾性手段が用いられる。しかしながら、指をネイルプリンタから抜くときにネイルプリントを施した指1本だけで指先押圧部材を押圧力に抗して押す必要があり、弾性手段(付勢部材)の押圧力(付勢力)が大きいと力が弱い子供や女性は押圧力に抗して指先押圧部材(載置部)を押すことが難しいという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、子供や力の弱い女性などであっても付勢力に抗して載置部を容易に下方に向かって押圧することが可能なフィンガネイルプリンタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の一の局面によるフィンガネイルプリンタは、装置本体と、指を置くための載置部と、載置部の上方に設けられ、載置部との間に指を挿入するための挿入口を構成するとともに指を固定するための位置決め部と、載置部に載置された指の爪に対して印刷を行うプリンタヘッドと、を備え、載置部は、挿入口を介して装置本体の内部から装置本体の外部へと延びる載置台と、載置台の側方に突出するように設けられた延出部と、載置台を位置決め部に対して付勢する付勢部材とを含み、付勢部材の付勢力により指が載置台と位置決め部との間に固定されるとともに、延出部を付勢部材の付勢力に抗して下方に押圧することにより、指の抜き差しが可能なように構成されている。
【0008】
この発明の一の局面によるフィンガネイルプリンタでは、載置部と位置決め部とを備え、載置部は、載置台と延出部と付勢部材とを含み、付勢部材の付勢力により指が載置台と位置決め部との間に固定されるとともに、延出部を付勢部材の付勢力に抗して下方に向かって押圧することにより、指の抜き差しが可能なように構成されている。このように構成することにより、ユーザは、載置部と位置決め部の間に固定されている指を抜くときに、固定されている指以外の指で延出部を付勢部材の付勢力に抗して下方に押圧することにより指が固定されている状態を解除することができる。その結果、子供や力の弱い女性などであっても、付勢力に抗して載置台を容易に下方に向かって押圧することが可能となる。
【0009】
この発明の一の局面によるフィンガネイルプリンタでは、好ましくは、延出部の上面に、挿入口に挿入された指以外の指が載置可能な載置領域を含む。このように構成すれば、挿入口に挿入された指以外の指を載置領域に載置することができるため、挿入口に挿入された指を載置領域に載置されたそれ以外の指で支えることができる。そのため、挿入口に挿入された指を安定させることができる。
【0010】
この場合、好ましくは、載置領域は、載置台の両側に設けられている。このように構成すれば、挿入口に固定されている指と異なる手の指を用いて延出部を付勢部材の付勢力に抗して押圧する場合に、ユーザが使用しやすい側に設けられた延出部を用いることが可能となる。
【0011】
上記一の局面による載置領域を含む延出部において、好ましくは、載置領域は、載置台の載置面の側方の長さ以上の側方の長さを有している。このように構成すれば、載置台には1本の指を載置するのに対し、載置領域には複数の指を載置することができる。そのため、延出部を複数の指を用いて押圧することが容易となるため、子供や力の弱い女性などであっても延出部を付勢部材の付勢力に抗してより押圧しやすくなる。
【0012】
上記一の局面によるフィンガネイルプリンタにおいて、好ましくは、延出部は、載置台の側方に伸縮可能なように構成されている。このように構成すれば、延出部を側方に伸縮させることにより、延出部をユーザの指の大きさに応じた長さに調整することができる。
【0013】
上記一の局面によるフィンガネイルプリンタにおいて、好ましくは、側方の長さの異なる複数の延出部を含むとともに、各々の延出部は、載置台に対して脱着可能に構成されている。このように構成すれば、ユーザの指の大きさに応じた長さの延出部を選択することができる。
【0014】
上記一の局面によるフィンガネイルプリンタにおいて、好ましくは、延出部を側方に移動させることにより、延出部の長さを調整する調整駆動機構をさらに備える。このように構成すれば、調整駆動機構により延出部の長さが自動的に調整されるため、ユーザが延出部の長さを調整する必要がない。
【0015】
この場合、載置台は、指のサイズに関する情報を検知するためのセンサを含み、調整駆動機構は、センサの検知結果に基づいて、延出部の長さを調整するように構成されている。このように構成すれば、センサが検知した指のサイズに関する情報に基づいて調整駆動機構が延出部の長さが自動的に調整されるので、延出部を、ユーザの指の大きさに応じた長さに自動的に調整することができる。
【0016】
上記一の局面によるフィンガネイルプリンタにおいて、好ましくは、制御部をさらに備え、載置台は、指のサイズに関する情報を検知するためのセンサを含み、制御部は、センサの検知結果に基づいて、延出部の長さに関する情報を出力するように構成されている。このように構成すれば、センサが検知した指のサイズに関する情報に基づいて最適な延出部の長さの情報が出力されるため、延出部をユーザの指のサイズに応じて最適な長さに調整することができる。
【0017】
この場合、好ましくは、センサは、触感センサである。このように構成すれば、圧力などを検知することにより、載置台に載置された指のサイズに関する情報を正確に取得することができる。
【0018】
上記一の局面によるフィンガネイルプリンタにおいて、好ましくは、載置部の上方に配置された撮像部と、撮像部で撮像した上面の画像を表示部または外部の端末に出力する制御部と、をさらに備え、撮像部は、指の爪部に加えて延出部を撮像し、制御部は、撮像部による延出部の撮像結果に基づいて延出部の長さに関する情報を出力するように構成されている。このように構成すれば、表示部または外部の端末に延出部の長さに関する情報が表示されるため、ユーザは表示された情報をもとに最適な延出部の長さに調整することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、子供や力の弱い女性などであっても付勢力に抗して載置台を容易に下方に向かって押圧することが可能なフィンガネイルプリンタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の第1~第5実施形態によるフィンガネイルプリンタの全体を模式的に示した斜視図である。
【
図2】本発明の第1実施形態によるフィンガネイルプリンタの内部の斜視図である。
【
図3】本発明の第1実施形態による載置部と位置決め部との間隔が大きい状態を示す部分断面図である。
【
図4】本発明の第1実施形態による載置部を示す図である。
【
図5】本発明の第1実施形態による載置部と位置決め部との間隔が小さい状態を示す部分断面図である。
【
図6】本発明の第2実施形態による延出部を示す図である。
【
図7】本発明の第2実施形態による長さの異なる複数の延出部を示す図である。
【
図8】本発明の第3実施形態による駆動調整機構を示すである。
【
図9】本発明の第3実施形態または第4実施形態による載置部を示す図である。
【
図10】本発明の第4実施形態によるフィンガネイルプリンタのブロック図である。
【
図11】本発明の第5実施形態によるフィンガネイルプリンタのブロック図である。
【
図12】本発明の第5実施形態による表示部の表示の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
[第1実施形態]
図1~
図5を参照して、本発明の第1実施形態によるフィンガネイルプリンタ100の構成について説明する。
【0023】
本発明の第1実施形態によるフィンガネイルプリンタ100は、
図1および
図2に示すように装置本体1、載置部2、位置決め部3およびプリンタヘッド4(
図2参照)を備えている。
【0024】
フィンガネイルプリンタ100は、載置部2に載置された指の爪に対して模様等を印刷する装置である。印刷する模様は、たとえば、装置本体1の内部に記憶されている模様であってもよく、装置本体1に接続された外部機器から読み込んだ模様であってもよい。
【0025】
図1および
図2に示すように装置本体1は、載置部2と位置決め部3とを有している。載置部2と位置決め部3との間には、指を挿入するための挿入口5が形成されている。ここで、挿入口5に指を挿入する方向をY1方向とし、挿入口5から指を抜く方向をY2方向とし、Y1方向およびY2方向を合わせてY方向とする。また、Y方向に水平面内で直交する方向をX方向とし、X方向およびY方向に直交する方向をZ方向とする。
【0026】
図3および
図4に示すように、載置部2は、挿入口5を介して装置本体1の内部(Y1側)から装置本体1の外部(Y2側)へと延びる(Y2方向に延びる)載置台2aと、載置台2aの側方に突出するように設けられた延出部2bと、載置台2aを位置決め部3に対して付勢する付勢部材2cとを含む。
【0027】
図4に示すように、載置台2aは、Y方向に延びる載置面2dを有する。載置面2dのX方向の長さは、特に限定されないが、指の幅が人によって異なることと、親指および小指では幅が異なることを考慮し、長さを決定する。載置面2dは、挿入口5に挿入された指(以下、印刷対象の指とも記載する)を固定し易くするために、たとえば指の下面の形状に沿うように凹状に形成される。ここで、指の上面とは、爪のある側(指の甲側)の面を意味し、指の下面とは上面とは反対の面を意味する。
【0028】
載置台2aは、Z方向に移動することができるが、X方向およびY方向には移動されないように構成されている。また、第1実施形態に置いて、フィンガネイルプリンタ100は、載置台2aと延出部2bとが連動してZ方向に移動するように構成されている。
【0029】
図4に示すように、延出部2bは、装置本体1の外部に設けられており、載置台2aの外側(Y2側)端部からX方向に突出するように設けられている。延出部2bは、上面(Z1側の面)に挿入口5に挿入された指以外の指を載置するための載置領域2eを有している。また、延出部2bは、載置台2aの両側(X1側およびX2側)に載置領域2eを有している。
図4では、載置領域2eを平坦面で表しているが、載置面2dのように凹状に形成されていてもよい。
【0030】
載置領域2eは、載置台2aの載置面2dのX方向の長さ以上のX方向の長さを有する。なお、両側に設けられた載置領域2eの長さは、X1側とX2側とで異なっていてもよく、同じであってもよい。
【0031】
載置領域2eは、ユーザが爪に模様を印刷されているときに印刷対象の指以外の指を置くために用いられる。ユーザは、載置領域2eに印刷対象以外の指を複数本載置することにより印刷対象の指を安定させやすくなる。なお、載置領域2eを設けた場合であっても、ユーザは延出部2bの下面に印刷対象の指以外の指を接し、延出部2bを印刷対象の指とその他の指とで挟むことにより、印刷対象の指を安定させてもよい。
【0032】
載置領域2eは、延出部2bを押圧するときにも用いられる。ユーザは、載置領域2eに載置された印刷対象の指と同じ手の指を用いてもよく、もう一方の手で押してもよい。たとえば、右手の人差し指の爪に模様を印刷している場合は、X2側の載置領域2eに中指および薬指を載置し、中指および薬指で延出部2bを押圧してもよく、X1側に突出した延出部2bを左手で押圧してもよい。
【0033】
図3に示すような付勢部材2cが縮んでいる状態を維持するために、ストッパを設けてもよい。ストッパを設けることにより、ストッパを設けた位置から上方に載置台2aが移動することを制限することができる。この場合、ユーザは載置台2aまたは延出部2bを下方に押圧することによりストッパが解除されるように構成されている。ストッパは、載置台2aの背面側(Y2方向側)に取り付けられたカムと、装置本体1の内部に設けられたカムが嵌合する突起部とからなる。この場合、載置台2aを下方(Z2方向側)に押圧することによりカムが回転し、突起部にカムが嵌合したときに載置台2aが固定され、付勢部材2cが縮んだ状態で維持される。
【0034】
図5に示すように載置台2aと位置決め部3との間隔が小さい状態のときに、ユーザは載置台2aを下方(Z2方向)に押圧し移動させることにより、付勢部材2cの付勢力に抗して、載置台2aは下方に移動させる。その結果、
図3に示すように、載置台2aと位置決め部3との間の挿入口5のZ方向の間隔が大きくなり、指を抜き差しすることができる。付勢力はZ1方向に押し上げる力であり、付勢力によって載置台2aが位置決め部3の方向へ押し上げられることにより、載置台2aに載置されたユーザの指が位置決め部3の方向に押され、指が固定される。
【0035】
図5に示すように、位置決め部3は、載置部2の上方(Z1方向)に設けられる。上記のとおり、位置決め部3と載置部2との間において挿入口5が形成される。そのため、位置決め部3の形状は、たとえば、指の上面に沿うように凸状の円弧形状にする。
【0036】
図5に示すように、プリンタヘッド4は、載置台2aに載置された指の爪に対してインクを吐出するノズル4aを有する。プリンタヘッド4は、たとえば、水平方向移動機構によってX方向とY方向とに移動しながら模様を印刷する。また、プリンタヘッド4は、ノズル4aからインクを吐出し、爪に模様を印刷する。インクは、たとえば、赤、青、緑の3色を適宜組み合わせてノズル4aから吐出される。インクは、たとえば、水性インクを用いることにより指にインクが付着した場合にインクを落としやすくできる。
【0037】
プリンタヘッド4は、水平方向移動機構を用いて、爪に模様を印刷するときに載置台2aに対向する位置に移動し、それ以外のときは、指を挿入するときにプリンタヘッド4に指があたらないように待機場所に移動する。
【0038】
図5に示すように、フィンガネイルプリンタ100は、さらに撮像部6を備える。撮像部6は、載置部2の上方(Z1方向側)に設けられることにより、載置部2に載置された指の上面の画像を撮像するように構成されている。このとき、載置台2aの側面に鏡を設け、鏡像を撮像することにより指の側面も合わせて撮像してもよい。
【0039】
次に、第1実施形態における、フィンガネイルプリンタ100の使用方法について以下説明する。
【0040】
ユーザは、
図5に示す状態の載置台2aを下方(Z2方向)に押圧しながら挿入口5に指を挿入する。ユーザが、載置台2aを下方へと押圧する力を弱めることにより付勢部材2cが伸び、載置台2aに付勢力が働くことにより指が固定される。このとき、フィンガネイルプリンタ100は、撮像部6を用いた載置台2aに載置された指を撮像し、外部の端末等に表示する。ユーザは、表示された指の画面をもとに載置台2aに載置した指の位置を調整する。
【0041】
次に、ユーザは爪に印刷したい模様を選択する。模様の選択は、たとえば、フィンガネイルプリンタ100に接続された端末に模様が表示され、ユーザが模様を選択することで行われる。
【0042】
模様が選択されると、プリンタヘッド4が稼働し、ユーザの爪に模様が印刷される。プリンタヘッド4によって爪への模様の印刷が終了すると、ユーザは載置台2aまたは延出部2bを下方に押圧する。それにより、
図3に示すように、付勢部材2cが縮み、載置台2aと位置決め部3との間に隙間ができることにより指が固定されている状態を解除できる。以上で、ネイルプリントが終了する。
【0043】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0044】
第1実施形態では、上記のように、フィンガネイルプリンタ100は、載置部2と位置決め部3とを備え、載置部2は、載置台2aと延出部2bと付勢部材2cとを含み、付勢部材2cの付勢力により指が載置台2aと位置決め部3との間に固定されるとともに、延出部2bを付勢部材2cの付勢力に抗して下方に向かって押圧することにより、指の抜き差しが可能なように構成されている。このようにすることにより、ユーザは、載置部2と位置決め部3の間に固定されている指を抜くときに、固定されている指以外の指で延出部2bを付勢部材2cの付勢力に抗して下方に押圧することにより指が固定されている状態を解除することができる。その結果、子供や力の弱い女性などであっても、付勢力に抗して載置台2aを容易に下方に向かって押圧することが可能となる。
【0045】
また、第1実施形態では、上記のように、延出部2bの上面に、挿入口5に挿入された指以外の指が載置可能な載置領域2eを含む。このようにすれば、挿入口5に挿入された指以外の指を載置領域2eに載置することができるため、挿入口5に挿入された指を載置領域2eに載置されたそれ以外の指で支えることができる。そのため、挿入口5に挿入された指を安定させることができる。
【0046】
また、第1実施形態では、上記のように、載置領域2eは、載置台2aの両側に設けられている。このようにすれば、挿入口5に固定されている指と異なる手の指を用いて延出部2bを付勢部材2cの付勢力に抗して押圧する場合に、ユーザが使用しやすい側に設けられた延出部2bを用いることが可能となる。その結果、ユーザが延出部2bを押圧するときに、腕が交差することを抑制することができるため、延出部2bを押圧しやすくできる。
【0047】
また、第1実施形態では、上記のように、載置領域2eは、載置台2aの載置面2dの側方の長さ以上の側方の長さを有している。このようにすれば、載置台2aには1本の指を載置するのに対し、載置領域2eには複数の指を載置することができる。そのため、延出部2bを複数の指を用いて押圧することが容易となるため、子供や力の弱い女性などであっても延出部2bを付勢部材2cの付勢力に抗してより押圧しやすくなる。
【0048】
[第2実施形態]
次に、
図1、
図6および
図7を参照して、第2実施形態について説明する。この第2実施形態のフィンガネイルプリンタ200では、第1実施形態のフィンガネイルプリンタ100の構成に加えて、延出部22bが伸縮可能に構成されている。なお、第1実施形態のフィンガネイルプリンタ100と同様の部分は同じ番号を付し、説明を省略する。
【0049】
たとえば、
図6に示すように、延出部22bは載置台2aの側方(X方向)において伸縮可能に設けられている。これによりユーザは、印刷対象の指以外を延出部22bの載置領域2eに載置する場合に、自分の指の幅の大きさに応じた長さに延出部22bを調整することができる。また、載置台2aに載置する指によって両側の延出部22bの長さを調整することもできる。たとえば、印刷対象の指が薬指の場合に、小指側の延出部22bは短く、中指側の延出部22bは中指と人差し指とを置くために長く設ける。
【0050】
また、
図7の例では、第2実施形態におけるフィンガネイルプリンタ200は、X方向の長さの異なる複数の延出部22bを有する。側方(X方向)の長さの異なる複数の延出部22bは、それぞれ載置台2aに対して脱着可能である。たとえば、延出部22bにねじ部を設けるとともに載置台2aの側方にねじ穴を設けることでねじ止めを行ってもよい。ユーザは、方向の長さの異なる複数の延出部22bを用意することで延出部22bの長さを調整することができる。
【0051】
第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0052】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0053】
第2実施形態では、上記のように、延出部22bは、載置台2aの側方に伸縮可能なように構成されている。このようにすれば、延出部22bを側方に伸縮させることにより、延出部22bをユーザの指の大きさに応じた長さに調整することができる。
【0054】
第2実施形態では、上記のように、側方の長さの異なる複数の延出部22bを含むとともに、各々の延出部22bは、載置台2aに対して脱着可能に構成されている。このようにすれば、ユーザの指の大きさに応じた長さの延出部22bを選択することができる。
【0055】
第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0056】
[第3実施形態]
次に、
図1、
図8および
図9を参照して、第3実施形態について説明する。この第3実施形態のフィンガネイルプリンタ300では、調整駆動機構7およびセンサ8を備えている。なお、第1実施形態と同様の部分は同じ番号を付し、説明を省略する。
【0057】
図8に示すように、第2実施形態のフィンガネイルプリンタ200と異なり第3実施形態のフィンガネイルプリンタ300は、調整駆動機構7を有する。調整駆動機構7は、延出部32bを側方(X方向)に移動させることにより延出部32bの長さを調整する。調整駆動機構7は、モータを有する。たとえば、調整駆動機構7は、ラックアンドピニオン機構で構成されており、モータによってピニオンが回転する。
【0058】
図9に示すように、載置台2aにセンサ8が設けられている。センサ8は、シート状の触感センサである。センサ8は載置台2aに載置されている指の圧力を検知し、指のサイズ(大きさ、長さ)を検知する。なお、
図9ではセンサ8を誇張して記載しているが、様々なサイズの指に対応することが可能であれば、センサ8の形状および大きさ(Y方向およびX方向の長さ)は特に限定されない。
【0059】
調整駆動機構7は、センサ8の検知結果に基づいて、延出部32bの長さを調整するように構成されている。たとえば、センサ8によって載置台2aに小指が載置されていると検知した場合に、フィンガネイルプリンタ300は、印刷対象の指を安定させるために、薬指および中指を載置できるように調整駆動機構7を用いて延出部32bの長さを長くする。
【0060】
第3実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0061】
(第3実施形態の効果)
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0062】
第3実施形態では、上記のように、延出部32bを側方に移動させることにより、延出部32bの長さを調整する調整駆動機構7をさらに備える。このようにすれば、調整駆動機構7により延出部32bの長さが自動的に調整されるため、ユーザが延出部32bの長さを調整する必要がない。
【0063】
第3実施形態では、載置台2aは、指のサイズに関する情報を検知するためのセンサ8を含み、調整駆動機構7は、センサ8の検知結果に基づいて、延出部32bの長さを調整するように構成されている。このようにすれば、センサ8が検知した指のサイズに関する情報に基づいて調整駆動機構7が延出部32bの長さが自動的に調整されるので、延出部32bをユーザの指の大きさに応じた長さに自動的に調整することができる。
【0064】
第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0065】
[第4実施形態]
次に、
図1、
図9および
図10を参照して、第4実施形態について説明する。この第4実施形態のフィンガネイルプリンタ400では、第1実施形態の構成に加え、センサ8と、制御部9を備えている。なお、第1実施形態と同様の部分は同じ番号を付し、説明を省略する。
【0066】
図9に示すように、載置台2aにセンサ8が設けられている。センサ8は、触感センサである。センサ8は載置台2aに載置されている指の圧力を検知し、指のサイズ(大きさ、長さ)を検知する。なお、
図9ではセンサ8を誇張して記載しているが、様々なサイズの指に対応することが可能であれば、センサ8の形状および大きさ(Y方向およびX方向の長さ)は特に限定されない。
【0067】
図10に示すように、フィンガネイルプリンタ400は、制御部9を備える。制御部9は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)である。
【0068】
制御部9は、センサ8の検知結果に基づいて、延出部32bの長さに関する情報を出力するように構成されている。制御部9は、たとえば、センサ8が印刷対象の指が小指であると検知した場合は、印刷対象の指を安定させるために薬指および中指を載置できるように延出部32bの長さを長くするように情報を出力する。また、制御部9は、たとえば、印刷対象の指が小指である場合は、両側の延出部32bではなく片側の延出部32bの長さを長くするようにといった内容の情報を出力する。出力先は、たとえば、ユーザが有している外部の端末である。ユーザは、出力された情報をもとに延出部32bの長さを調整する。
【0069】
第4実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0070】
(第4実施形態の効果)
第4実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0071】
第4実施形態では、上記の通り、制御部9をさらに備え、載置台2aは、指のサイズに関する情報を検知するためのセンサ8を含み、制御部9は、センサ8の検知結果に基づいて、延出部32bの長さに関する情報を出力するように構成されている。このようにすれば、センサ8が検知した指のサイズに関する情報に基づいて最適な延出部32bの長さの情報が出力されるため、延出部32bをユーザの指のサイズに応じて最適な長さに調整することができる。
【0072】
第4実施形態では、上記の通り、センサ8は、触感センサである。このように構成すれば、圧力などを検知することにより、載置台2aに載置された指のサイズに関する情報を正確に取得することができる。
【0073】
第4実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0074】
[第5実施形態]
次に、
図1および
図11を参照して、第5実施形態について説明する。この第5実施形態のフィンガネイルプリンタ500では、第1実施形態の構成に加えて、制御部9をさらに備えている。なお、第1実施形態と同様の部分は同じ番号を付し、説明を省略する。
【0075】
撮像部6は、載置部2に載置された指の上面の画像を撮像するように構成されている。また、撮像部6は、移動することにより画角が変わり延出部2bを撮像することができる。
【0076】
制御部9は、撮像部6で撮像された画像を表示部10または外部の端末11に表示する制御を行う。
図12に示すように、撮像部6で撮像された画像は、表示部10または外部の端末11に出力される。たとえば、表示部10は、装置本体1が有するモニタまたは装置本体1に接続されたモニタであってもよく、外部の端末11は、ユーザが所有しているスマートフォンの画面、携帯電話の画面、またはパソコンの画面であってもよい。また、表示部10および外部の端末11は爪に印刷する模様を選択するための表示がされてもよい。
【0077】
制御部9は、延出部2bの長さに関する情報を出力する制御を行う。制御部9は、撮像部6で撮像された延出部2bの長さと指の上面の画像から延出部2bの長さに関する情報を表示部10に表示する。たとえば、載置台2aに小指が載置されている場合に、印刷対象の指を安定させるために薬指および中指を載置できるように延出部2bの長さを長くするように情報を表示する。その結果、ユーザは、表示された情報をもとに延出部2bの長さを調整する。
【0078】
第5実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0079】
(第5実施形態の効果)
第5実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0080】
第5実施形態では、上記の通り、載置部2の上方に配置された撮像部6と、撮像部6で撮像した上面の画像を表示部10または外部の端末11に出力する制御部9と、をさらに備え、撮像部6は、指の爪部に加えて延出部2bを撮像し、制御部9は、撮像部6による延出部2bの撮像結果に基づいて延出部2bの長さに関する情報を出力するように構成されている。このようにすれば、表示部10または外部の端末11に延出部2bの長さに関する情報が表示されるため、ユーザは表示された情報を元に最適な延出部2bの長さになるように延出部2bを調整することができる。
【0081】
第5実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0082】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0083】
たとえば、上記第1実施形態では、載置領域は、載置台の載置面の側方(X方向)の長さ以上の側方(X方向)の長さを有する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、載置領域は、載置台の載置面の側方(X方向)の長さよりも短い側方(X方向)の長さを有していてもよい。
【0084】
また、上記第1実施形態では、延出部を載置台の両側に設ける例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、延出部を片側だけに設けてもよい。
【0085】
また、上記第2実施形態では、複数の延出部を載置台の側方にねじでとめる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、たとえば、延出部にピンを設け、載置台に挿入することにより、ピン先が広がり固定されてもよい。
【0086】
また、上記第3実施形態および第4実施形態では、センサが触感センサである例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、指のサイズに関する情報を検知できれば、いかなるセンサを用いてもよい。
【0087】
また、上記第3実施形態および第4実施形態では、センサによって指のサイズに関する情報を検知する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部は、撮像部において撮像した指の画像から指のサイズに関する情報を検出してもよい。
【0088】
また、上記第3実施形態では、調整駆動部がラックアンドピニオン機構で構成される例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ベルトアンドプーリー機構で構成されていてもよい。
【0089】
また、上記第4実施形態では、センサで検知した検知結果に基づいて延出部の長さに関する情報を出力したが、本発明はこれに限られない。本発明では、センサの検知結果をもとに、他の用途に用いてもよい。たとえば、印刷対象の指が大人の指か子供の指かを検知し、制御部は選択する模様の種類の表示順位を変更するように設計してもよい。
【0090】
また、上記第5実施形態では、撮像部が指の上面の画像と延出部の画像とを撮像する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、撮像部を複数設けることにより、指の上面と延出部を撮像してもよい。
【符号の説明】
【0091】
1 装置本体
2 載置部
2a 載置台
2b、22b、32b 延出部
2c 付勢部材
2d 載置面
2e 載置領域
3 位置決め部
4 プリンタヘッド
5 挿入口
6 撮像部
7 調整駆動機構
8 センサ
9 制御部
10 表示部
11 端末
100、200、300、400、500 フィンガネイルプリンタ