(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-13
(45)【発行日】2022-06-21
(54)【発明の名称】計測データ収集装置、該方法および該システム
(51)【国際特許分類】
G08C 15/00 20060101AFI20220614BHJP
G01D 9/00 20060101ALI20220614BHJP
【FI】
G08C15/00 E
G01D9/00 A
(21)【出願番号】P 2019549919
(86)(22)【出願日】2018-09-11
(86)【国際出願番号】 JP2018033597
(87)【国際公開番号】W WO2019087575
(87)【国際公開日】2019-05-09
【審査請求日】2020-12-23
(31)【優先権主張番号】P 2017212663
(32)【優先日】2017-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067828
【氏名又は名称】小谷 悦司
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100111453
【氏名又は名称】櫻井 智
(72)【発明者】
【氏名】村田 智寛
【審査官】菅藤 政明
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第01/09774(WO,A1)
【文献】特表2008-522785(JP,A)
【文献】特開2001-268424(JP,A)
【文献】特開2000-60829(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08C 15/00-15/12
G01D 9/00- 9/42
G06F 17/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに異なる複数のインターフェース規格それぞれに対応する複数の接続コネクタと、
前記複数の接続コネクタそれぞれに対して設けられ、前記複数の接続コネクタに対応する複数のインターフェース規格で通信する複数のインターフェース部と、
前記複数の接続コネクタのうちから、外部の計測ユニットが接続された接続コネクタを検出する接続検出部と、
計測データを収集する処理を制御するデータ収集制御部とを備え、
前記接続検出部で前記計測ユニットの接続が検出された接続コネクタに対応するインターフェース規格によって決定される複数の動作モードを持ち、
前記データ収集制御部は、前記接続検出部で前記計測ユニットの接続を検出した前記接続コネクタの前記インターフェース部で、前記計測ユニットから計測データを収集
し、
前記複数のインターフェース規格は、1個の第1通信モードで通信する第1インターフェース規格と、2個の前記第1通信モードと前記第1通信モードと異なる第2通信モードで通信する第2インターフェース規格とを含み、
前記複数の接続コネクタは、前記第1および第2インターフェース規格それぞれに対応する第1および第2接続コネクタを含み、
前記複数のインターフェース部は、前記第1および第2接続コネクタそれぞれに対して設けられ、前記第1および第2インターフェース規格それぞれで通信する第1および第2インターフェース部を含み、
前記データ収集制御部は、前記接続検出部で前記第1接続コネクタに前記計測ユニットの接続を検出した場合には、前記第1インターフェース部で前記第1インターフェース規格により前記計測ユニットから計測データを収集し、前記接続検出部で前記第2接続コネクタに前記計測ユニットの接続を検出した場合には、前記第2インターフェース部で前記第2インターフェース規格により前記計測ユニットから計測データを収集し、
前記第1インターフェース規格の接続を検出すると、第1インターフェース規格に対応する動作モードとして、第1インターフェース規格接続モードが設定され、
前記第2インターフェース規格の接続を検出すると、第2インターフェース規格に対応する動作モードとして、第2インターフェース規格接続モードが設定され、
いずれかの動作モードが設定された上で、当該動作モードに対応するインターフェース規格と異なるインターフェース規格を検出した場合、複数種のインターフェース規格が混在して使用されていることを表す警告を出力する警告部をさらに備える、
計測データ収集装置。
【請求項2】
互いに異なる複数のインターフェース規格それぞれに対応する複数の接続コネクタと、
前記複数の接続コネクタそれぞれに対して設けられ、前記複数の接続コネクタに対応する複数のインターフェース規格で通信する複数のインターフェース部と、
前記複数の接続コネクタのうちから、外部の計測ユニットが接続された接続コネクタを検出する接続検出部と、
計測データを収集する処理を制御するデータ収集制御部とを備え、
前記接続検出部で前記計測ユニットの接続が検出された接続コネクタに対応するインターフェース規格によって決定される複数の動作モードを持ち、
前記データ収集制御部は、前記接続検出部で前記計測ユニットの接続を検出した前記接続コネクタの前記インターフェース部で、前記計測ユニットから計測データを収集し、
前記複数のインターフェース規格は、1個の第1通信モードで通信する第1インターフェース規格と、2個の前記第1通信モードと前記第1通信モードと異なる第2通信モードで通信する第2インターフェース規格とを含み、
前記複数の接続コネクタは、前記第1および第2インターフェース規格それぞれに対応する第1および第2接続コネクタを含み、
前記複数のインターフェース部は、前記第1および第2接続コネクタそれぞれに対して設けられ、前記第1および第2インターフェース規格それぞれで通信する第1および第2インターフェース部を含み、
前記データ収集制御部は、前記接続検出部で前記第1接続コネクタに前記計測ユニットの接続を検出した場合には、前記第1インターフェース部で前記第1インターフェース規格により前記計測ユニットから計測データを収集し、前記接続検出部で前記第2接続コネクタに前記計測ユニットの接続を検出した場合には、前記第2インターフェース部で前記第2インターフェース規格により前記計測ユニットから計測データを収集
し、
前記第1インターフェース規格の接続を検出すると、第1インターフェース規格に対応する動作モードとして、第1インターフェース規格接続モードが設定され、
前記第2インターフェース規格の接続を検出すると、第2インターフェース規格に対応する動作モードとして、第2インターフェース規格接続モードが設定され、
いずれかの動作モードが設定された上で、当該動作モードに対応するインターフェース規格と異なるインターフェース規格を検出した場合、通信を前記インターフェース部に停止させる、あるいは、計測データを収集する処理をデータ収集制御部に停止させる停止部をさらに備える、
計測データ収集装置。
【請求項3】
前記動作モードは、前記第1インターフェース規格の接続を検出すると、前記計測ユニットへ計測開始を指示する計測開始信号を出力し、前記計測開始信号に応じて計測した計測データを前記計測ユニットから収集するノーマル測定モードを含む、
請求項
1または請求項2に記載の計測データ収集装置。
【請求項4】
前記動作モードは、前記第2インターフェース規格の接続を検出すると、前記計測ユニットへ計測タイミングを知らせるトリガー信号を出力し、前記トリガー信号に同期した計測タイミングで計測した計測データを前記計測ユニットから収集するトリガー測定モードを含む、
請求項
1または請求項2に記載の計測データ収集装置。
【請求項5】
互いに異なる複数のインターフェース規格それぞれに対応する複数の接続コネクタと、前記複数の接続コネクタそれぞれに対して設けられ、前記複数の接続コネクタに対応する複数のインターフェース規格で通信する複数のインターフェース部とを備え、計測ユニットから計測データを収集する計測データ収集装置の計測データ収集方法であって、
前記複数の接続コネクタのうちから、外部の計測ユニットが接続された接続コネクタを検出する接続検出工程と、
計測データを収集する処理を制御するデータ収集制御工程とを備え、
前記接続検出工程で前記計測ユニットの接続が検出された接続コネクタに対応するインターフェース規格によって決定される複数の動作モードを持ち、
前記データ収集制御工程は、前記接続検出工程で前記計測ユニットの接続を検出した前記接続コネクタの前記インターフェース部で、前記計測ユニットから計測データを収集
し、
前記複数のインターフェース規格は、1個の第1通信モードで通信する第1インターフェース規格と、2個の前記第1通信モードと前記第1通信モードと異なる第2通信モードで通信する第2インターフェース規格とを含み、
前記複数の接続コネクタは、前記第1および第2インターフェース規格それぞれに対応する第1および第2接続コネクタを含み、
前記複数のインターフェース部は、前記第1および第2接続コネクタそれぞれに対して設けられ、前記第1および第2インターフェース規格それぞれで通信する第1および第2インターフェース部を含み、
前記データ収集制御工程は、前記接続検出工程で前記第1接続コネクタに前記計測ユニットの接続を検出した場合には、前記第1インターフェース部で前記第1インターフェース規格により前記計測ユニットから計測データを収集し、前記接続検出工程で前記第2接続コネクタに前記計測ユニットの接続を検出した場合には、前記第2インターフェース部で前記第2インターフェース規格により前記計測ユニットから計測データを収集し、
前記第1インターフェース規格の接続を検出すると、第1インターフェース規格に対応する動作モードとして、第1インターフェース規格接続モードが設定され、
前記第2インターフェース規格の接続を検出すると、第2インターフェース規格に対応する動作モードとして、第2インターフェース規格接続モードが設定され、
いずれかの動作モードが設定された上で、当該動作モードに対応するインターフェース規格と異なるインターフェース規格を検出した場合、複数種のインターフェース規格が混在して使用されていることを表す警告を出力する警告工程をさらに備える、
計測データ収集方法。
【請求項6】
互いに異なる複数のインターフェース規格それぞれに対応する複数の接続コネクタと、前記複数の接続コネクタそれぞれに対して設けられ、前記複数の接続コネクタに対応する複数のインターフェース規格で通信する複数のインターフェース部とを備え、計測ユニットから計測データを収集する計測データ収集装置の計測データ収集方法であって、
前記複数の接続コネクタのうちから、外部の計測ユニットが接続された接続コネクタを検出する接続検出工程と、
計測データを収集する処理を制御するデータ収集制御工程とを備え、
前記接続検出工程で前記計測ユニットの接続が検出された接続コネクタに対応するインターフェース規格によって決定される複数の動作モードを持ち、
前記データ収集制御工程は、前記接続検出工程で前記計測ユニットの接続を検出した前記接続コネクタの前記インターフェース部で、前記計測ユニットから計測データを収集し、
前記複数のインターフェース規格は、1個の第1通信モードで通信する第1インターフェース規格と、2個の前記第1通信モードと前記第1通信モードと異なる第2通信モードで通信する第2インターフェース規格とを含み、
前記複数の接続コネクタは、前記第1および第2インターフェース規格それぞれに対応する第1および第2接続コネクタを含み、
前記複数のインターフェース部は、前記第1および第2接続コネクタそれぞれに対して設けられ、前記第1および第2インターフェース規格それぞれで通信する第1および第2インターフェース部を含み、
前記データ収集制御工程は、前記接続検出工程で前記第1接続コネクタに前記計測ユニットの接続を検出した場合には、前記第1インターフェース部で前記第1インターフェース規格により前記計測ユニットから計測データを収集し、前記接続検出工程で前記第2接続コネクタに前記計測ユニットの接続を検出した場合には、前記第2インターフェース部で前記第2インターフェース規格により前記計測ユニットから計測データを収集し、
前記第1インターフェース規格の接続を検出すると、第1インターフェース規格に対応する動作モードとして、第1インターフェース規格接続モードが設定され、
前記第2インターフェース規格の接続を検出すると、第2インターフェース規格に対応する動作モードとして、第2インターフェース規格接続モードが設定され、
いずれかの動作モードが設定された上で、当該動作モードに対応するインターフェース規格と異なるインターフェース規格を検出した場合、通信を前記インターフェース部に停止させる、あるいは、計測データを収集する処理をデータ収集制御工程に停止させる停止工程をさらに備える、
計測データ収集方法。
【請求項7】
所定の物理量を計測する計測ユニットと、前記計測ユニットから計測データを収集する計測データ収集装置とを備える計測データ収集システムであって、
前記計測データ収集装置は、請求項1ないし請求項
4のいずれか1項に記載の
計測データ収集装置である、
計測データ収集システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の物理量を計測する計測ユニットから計測データを収集する計測データ収集装置および計測データ収集方法ならびに前記計測データ収集装置を備える計測データ収集システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、所定の物理量を計測する計測ユニットから計測データを収集する装置が知られており、例えば、特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1に開示された計測装置は、センサと1対1の関係で接続され、前記センサから出力されるセンサ出力を取得し外部に出力する回路を少なくとも内蔵した複数の計測モジュールと、前記計測モジュールの其々から出力されたデータを収集する本体部とを備える計測装置であって、前記本体部は、当該計測装置の使用者によって持ち運びが可能であり、内部に複数の前記計測モジュールを着脱可能に収容する筐体と、前記筐体に収容された前記計測モジュールから出力されたデータを収集するデータ収集手段と、収集した前記データを予め設定された出力先装置へ出力する出力手段および前記データを記憶する記憶部の少なくとも一方とを備える。そして、この計測装置は、前記筐体の内部に設置され、前記計測モジュールと着脱可能に接続される複数の接続コネクタを備え、複数の前記接続コネクタは、互いに同一の形状を有し、予め設定された配列方向に沿って配置される。
【0004】
ところで、装置と周辺機器との間でデータを送受信するためのインターフェース規格は、例えば、RS-232C(Recommended Standard 232C、EID-232、Electronic Industries Association-232)、RS-422A、RS-485、USB(Universal Serial Bus)およびIEEE1394等の様々な規格があり、各規格に応じた接続コネクタが知られている。前記特許文献1に開示された計測装置における複数の接続コネクタは、互いに同一形状である。このため、前記特許文献1に開示された計測装置は、1種類の接続コネクタでしか、前記計測モジュールと前記本体部とを接続することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【0006】
本発明は、上述の事情に鑑みて為された発明であり、その目的は、複数種類の接続コネクタに対応できる計測データ収集装置、計測データ収集方法および計測データ収集システムを提供することである。
【0007】
上述した目的を実現するために、本発明の一側面を反映した計測データ収集装置、計測データ収集方法および計測データ収集システムは、互いに異なる複数のインターフェース規格それぞれに対応する複数の接続コネクタと、前記複数の接続コネクタそれぞれに対して設けられ、前記複数の接続コネクタに対応する複数のインターフェース規格で通信する複数のインターフェース部とを備え、前記計測ユニットの接続が検出された接続コネクタに対応するインターフェース規格によって決定される複数の動作モードを持ち、前記計測ユニットの接続を検出した前記接続コネクタの前記インターフェース部で、前記計測ユニットから計測データを収集する。
【0008】
発明の1または複数の実施形態により与えられる利点および特徴は、以下に与えられる詳細な説明および添付図面から十分に理解される。これら詳細な説明及び添付図面は、例としてのみ与えられるものであり本発明の限定の定義として意図されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態における計測データ収集システムの構成を示す外観斜視図である。
【
図2】前記計測データ収集システムの構成を示すブロック図である。
【
図3】前記計測データ収集システムで用いられる計測データ収集装置における計測データ収集装置側制御処理部の構成を示す機能ブロック図である。
【
図4】前記計測データ収集システムで用いられる第1インターフェース規格での接続検出部の構成を示す回路図である。
【
図5】前記計測データ収集システムで用いられる第2インターフェース規格での接続検出部の構成を示す回路図である。
【
図6】前記計測データ収集装置における接続検知処理に関わる動作を示すフローチャートである。
【
図7】前記計測データ収集装置における計測データ収集処理に関わる動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の1または複数の実施形態が説明される。しかしながら、発明の範囲は、開示された実施形態に限定されない。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、適宜、その説明を省略する。本明細書において、総称する場合には添え字を省略した参照符号で示し、個別の構成を指す場合には添え字を付した参照符号で示す。
【0011】
実施形態における計測データ収集システムは、所定の物理量を計測する計測ユニットと、前記計測ユニットから計測データを収集する計測データ収集装置とを備える。前記計測データ収集装置は、互いに異なる複数のインターフェース規格それぞれに対応する複数の接続コネクタと、前記複数の接続コネクタそれぞれに対して設けられ、前記複数の接続コネクタに対応する複数のインターフェース規格で通信する複数のインターフェース部と、前記複数の接続コネクタのうちから、外部の計測ユニットが接続された接続コネクタを検出する接続検出部と、計測データを収集する処理を制御するデータ収集制御部とを備え、前記接続検出部で前記計測ユニットの接続が検出された接続コネクタに対応するインターフェース規格によって決定される複数の動作モードを持ち、前記データ収集制御部は、前記接続検出部で前記計測ユニットの接続を検出した前記接続コネクタの前記インターフェース部で、前記計測ユニットから計測データを収集する。計測ユニットは、例えば、温度計、雨量計およびガス検知計等の、計測すべき所望の物理量に応じた適宜な計測計であって良く、ここでは、一例として、例えば色彩計や色彩輝度計等の測色計を例に挙げて、以下、計測データ収集システム、計測データ収集装置およびこれに実装された計測データ収集方法について、より具体的に説明する。
【0012】
(構成)
図1は、実施形態における計測データ収集システムの構成を示す外観斜視図である。
図2は、前記計測データ収集システムの構成を示すブロック図である。
図3は、前記計測データ収集システムで用いられる計測データ収集装置における計測データ収集装置側制御処理部の構成を示す機能ブロック図である。
図4は、前記計測データ収集システムで用いられる第1インターフェース規格での接続検出部の構成を示す回路図である。
図5は、前記計測データ収集システムで用いられる第2インターフェース規格での接続検出部の構成を示す回路図である。
図4Aおよび
図5Aは、接続前の状態を示し、
図4Bおよび
図5Bは、接続後の状態を示す。
【0013】
実施形態における計測データ収集システムSYは、例えば、
図1および
図2に示すように、1または複数の計測ユニットS(S-1~S-3)と、計測データ収集装置Aとを備える。
図1に示す例では、3個の第1ないし第3計測ユニットS-1~S-3が後述の第21接続コネクタ11b-1、11b-2、11b-3で計測データ収集装置Aに接続されている。
【0014】
計測ユニットSは、予め設定された所定の物理量を計測する装置であり、ここでは、上述したように、例えば、3刺激値で色を計測する測色計Sである。この測色計Sは、例えば、
図2に示すように、受光光学系20と、光束分割導光部材21と、受光部22と、増幅部23と、アナログデジタル変換部(AD変換部)24と、データメモリ部25と、データ処理部26と、計測ユニット側制御処理部(S制御処理部)27と、第12インターフェース部(第12IF部)28aと、第22インターフェース部(第22IF部)28bと、第12接続コネクタ29aと、第22接続コネクタ29bとを備える。
【0015】
受光光学系20は、計測対象(被計測物)の光像を、受光部22の結像面に結像するための光学系であり、例えば対物レンズ等の1または複数の光学素子を備えて構成される。
【0016】
光束分割導光部材21は、入射光を導光しつつ複数に分岐して射出する光学素子である。本実施形態では、3刺激値で色を測定するため、入射光を導光しつつ3個に分岐する。光束分割導光部材21は、例えば、複数のハーフミラーを備えて構成されて良いが、本実施形態では、複数の光ファイバー素線を束ねたバンドルファイバーであり、入射側で1つに束ねられた複数の光ファイバー素線が射出側で3つに分割されて束ねられている。
【0017】
受光部22は、増幅部23およびS制御処理部27に接続され、S制御処理部27の制御に従って、光エネルギーを電気エネルギーに光電変換する回路である。本実施形態では、3刺激値で色を測定するため、受光部22は、標準観測者の分光感度特性を有する3個の受光素子(受光回路)を備えて構成される。
【0018】
このような構成では、計測対象の光像は、受光光学系20を介して光束分割導光部材21に入射され、光束分割導光部材21で3個に分岐された3個の光像それぞれは、前記受光部22における3個の受光素子それぞれで受光され、光電変換される。この光電変換によって生成された3個の光像それぞれによる3個の電気信号それぞれは、増幅部23へ出力される。
【0019】
増幅部23は、AD変換部24およびS制御処理部27に接続され、S制御処理部27の制御に従って、受光部22の出力を所定の増幅率で増幅する回路である。本実施形態では、増幅部23は、受光部22における前記3個の受光素子それぞれに対して設けられた3個の増幅器(増幅回路)を備えて構成される。受光部22から増幅部23に入力された3個の電気信号それぞれは、増幅部23における3個の増幅器それぞれで増幅され、AD変換部24へ出力される。
【0020】
AD変換部24は、データメモリ部25およびS制御処理部27に接続され、S制御処理部27の制御に従って、アナログ信号をデジタル信号に変換する回路である。本実施形態では、AD変換部24は、増幅部23における前記3個の増幅器それぞれに対して設けられた3個のAD変換器(AD変換回路)を備えて構成される。増幅部23からAD変換部24に入力された3個の電気信号それぞれは、AD変換部24における3個のAD変換器それぞれでアナログ信号からデジタル信号へ変換され、データメモリ部25へ出力される。
【0021】
データメモリ部25は、データ処理部26およびS制御処理部27に接続され、S制御処理部27の制御に従って、AD変換部24から入力された3個のデジタルの電気信号を一時的に記憶する回路である。データメモリ部25は、例えばレジスタあるいはRAM(Random Access Memory)等を備えて構成される。データメモリ部25は、一時記憶した、AD変換部24から入力された3個のデジタルの電気信号をデータ処理部26へ出力する。
【0022】
データ処理部26は、第12IF部28a、第22IF部28bおよび制御処理部27に接続され、S制御処理部27の制御に従って、データメモリ部25から入力された3個のデジタルの電気信号(すなわち、受光部22で測定された計測対象の光像の光強度を表すデータ)に基づいて、3刺激値(X、Y、Z)、CIEで規定されたxyY(色度座標値、輝度値)およびT△uvY(相関色温度、黒体軌跡からの色差値、輝度値)等の色を演算して計測データを求める回路である。データ処理部26は、例えば、DSP(Digital Signal Processor)およびその周辺回路、あるいは、CPU(Central Processing Unit)およびその周辺回路等を備えて構成される。
【0023】
第12IF部28aは、第12接続コネクタ29aおよびS制御処理部27に接続され、S制御処理部27の制御に従って、外部の装置との間で第12接続コネクタ29aを介して第1インターフェース規格で通信する回路である。第12接続コネクタ29aは、前記第1インターフェース規格に対応するコネクタである。
【0024】
第22IF部28bは、第22接続コネクタ29bおよびS制御処理部27に接続され、S制御処理部27の制御に従って、外部の装置との間で第22接続コネクタ29bを介して前記第1インターフェース規格とは異なる第2インタフェース規格で通信する回路である。第22接続コネクタ29bは、前記第2インターフェース規格に対応するコネクタである。
【0025】
本実施形態では、比較的簡単に接続でき、比較的高速にシリアル通信できる観点から、前記第1インターフェース規格は、USB規格である。第12IF部28aは、USBボードであり、第12接続コネクタ29aは、USBコネクタである。比較的安定して接続でき、シリアル通信とトリガー通信ができる観点から、前記第2インターフェース規格は、RS-232C規格である。第22IF部28bは、RS232Cボードであり、第22接続コネクタ29bは、Dサブ9ピンコネクタやDサブ25ピンコネクタ等であって良いが、本実施形態ではミニDIN8ピンコネクタである。
【0026】
S制御処理部27は、計測データを生成するために、計測ユニットSの各部23~26、28a、28bを当該各部23~26、28a、28bの機能に応じてそれぞれ制御し、計測ユニットSの全体制御を司るものである。S制御処理部27は、後述のように、計測データ収集装置Aからノーマル測定モードの計測開始信号を受信すると、計測対象を計測する。S制御処理部27は、後述のように、計測データ収集装置Aからトリガー測定モードを指示されると、計測データ収集装置Aから受け付けたトリガー信号に応じて計測対象を計測する。S制御処理部27は、例えばCPU、メモリおよび周辺回路を備えたマイクロコンピュータを備えて構成される。
【0027】
計測データ収集装置Aは、計測ユニットSから計測データを収集する装置である。本実施形態では、計測データ収集装置Aは、当該計測データ収集装置Aに接続された計測ユニットSを制御(管理)し、計測ユニットSを用いて計測する際に、ユーザ(オペレータ)から測定モードの指示や計測開始の指示や収集開始の指示等を受け付け、計測データや警告を表示する等のマンマシンインターフェースとしても機能する。この計測データ収集装置Aは、例えば、
図1ないし
図3に示すように、1または複数の第11接続コネクタ11a(11a-1~11a-10)と、1または複数の第12接続コネクタ11b(11b-1~11b-10)と、1または複数の第11インターフェース部(第11IF部)12a(12a-1~12a-10)と、1または複数の第21インターフェース部(第21IF部)12b(12b-1~12b-10)と、表示部13と、操作部14と、計測データ収集装置側制御処理部(D制御処理部)15と、電源部16と、
図1ないし
図3に不図示の第1および第2接続検出部17a、17b(
図4、
図5参照)と、筐体HSとを備える。
【0028】
筐体HSは、第11接続コネクタ11a、第12接続コネクタ11b、第11IF部12a、第21IF部12b、表示部13、操作部14、D制御処理部15、電源部16、第1接続検出部31aおよび第2接続検出部31bを収容する箱形の部材である。
【0029】
第11および第21接続コネクタ11a、11bは、互いに異なる複数のインターフェース規格それぞれに対応する複数の接続コネクタの一例であり、本実施形態では、互いに異なる2個の第1および第2インターフェース規格それぞれに対応するように設けられている。第11および第21IF部12a、12bは、前記複数の接続コネクタそれぞれに対して設けられ、前記複数の接続コネクタに対応する複数のインターフェース規格で通信する複数のインターフェース部の一例であり、本実施形態では、第11および第21接続コネクタ11a、11bそれぞれに対して設けられている。第1および第2接続検出部17a、17bは、前記複数の接続コネクタのうちから、外部の計測ユニットが接続された接続コネクタを検出する接続検出部の一例であり、本実施形態では、第11および第21接続コネクタ11a、11bそれぞれに対して設けられる。
【0030】
第11IF部12aは、第11接続コネクタ11aおよびD制御処理部15に接続され、D制御処理部15の制御に従って、外部の装置との間で第11接続コネクタ11aを介して、第11接続コネクタ11aに対応するインターフェース規格、すなわち、本実施形態では第1インターフェース規格で通信する回路である。第21IF部12bは、第21接続コネクタ11bおよびD制御処理部15に接続され、D制御処理部15の制御に従って、外部の装置との間で第21接続コネクタ11bを介して、第21接続コネクタ11bに対応するインターフェース規格、すなわち、本実施形態では第2インターフェース規格で通信する回路である。前記第1インターフェース規格は、1個の第1通信モードで通信し、前記第2インターフェース規格は、2個の前記第1通信モードと前記第1通信モードと異なる第2通信モードで通信する。本実施形態における計測データ収集装置Aは、第1および接続検出部17a、17bで計測ユニットSの接続が検出された第11および第21接続コネクタ11a、11bに対応するインターフェース規格によって決定される複数の動作モードを持つ。前記動作モードは、より具体的には、前記第1インターフェース規格の接続を検出すると、計測ユニットSへ計測開始を指示する計測開始信号を出力し、前記計測開始信号に応じて計測した計測データを前記計測ユニットSから収集するノーマル測定モードを含む。前記動作モードは、前記第2インターフェース規格の接続を検出すると、計測ユニットSへ計測タイミングを知らせるトリガー信号を出力し、前記トリガー信号に同期した計測タイミングで計測した計測データを前記計測ユニットSから収集するトリガー測定モードを含む。前記第1インターフェース規格は、上述したように、本実施形態では、USB規格であり、第11IF部12aは、USBボードであり、第11接続コネクタ11aは、USBコネクタである。USB規格は、シリアル通信で前記ノーマル測定モード(第1通信モードの一例)を実現できる。前記第2インターフェース規格は、上述したように、本実施形態では、RS-232C規格であり、第21IF部12bは、RS232Cボードであり、第21接続コネクタ11bは、Dサブ9ピンコネクタやDサブ25ピンコネクタ等であって良いが、本実施形態ではミニDIN8ピンコネクタである。RS-232C規格は、シリアル通信で前記ノーマル測定モードおよび前記トリガー測定モード(第2通信モードの一例)それぞれを実現できる。前記第1および第2インターフェース規格は、これらに限定されるものではなく、例えば、RS-422A、RS-485およびIEEE1394等の他の規格であっても良い。
【0031】
そして、前記動作モードは、前記第1インターフェース規格の接続を検出すると、第1インターフェース規格に対応する動作モードとして、第1インターフェース規格接続モードを含む。前記動作モードは、前記第2インターフェース規格の接続を検出すると、第2インターフェース規格に対応する動作モードとして、第2インターフェース規格接続モードを含む。
【0032】
第1接続検出部17aは、第11接続コネクタ11aに対して設けられ、当該第11接続コネクタ11aに計測ユニットSが接続されたか否かを検出する回路である。第1接続検出部17aは、第11接続コネクタ11aおよびD制御処理部15に接続され、検出結果を表す第1検知信号をD制御処理部15へ出力する。本実施形態では、第1インターフェース規格がUSB規格であるので、USB規格における接続検知の仕組みが流用される。より具体的には、第1接続検出部17aは、
図4に示すように、第11接続コネクタ11aとしてのUSBコネクタ11aにおける差動対(D-)のNo.2ピンとグランド(接地、アース)との間に接続された第1プルダウン抵抗素子R1aと、差動対(D+)のNo.3ピンとグランドとの間に接続された第2プルダウン抵抗素子R2aとを備え、差動対(D-)のNo.2ピンと差動対(D+)のNo.3ピンとの間の電圧が前記第1検知信号としてD制御処理部15へ出力される。そして、これに対応して計測ユニットSは、第12接続コネクタ29aとしてのUSBコネクタ29aにおける差動対(D+)のNo.3ピンと電源Vccとの間に接続された第3プルアップ抵抗素子R3aを備える。このような構成では、
図4Aに示すように、計測データ収集装置Aの第11接続コネクタ(USBコネクタ)11aに、計測ユニットSの第12接続コネクタ(USBコネクタ)29aが接続されていない場合では、差動対(D-)のNo.2ピンおよび差動対(D+)のNo.3ピンそれぞれが第1および第2プルダウン抵抗素子R1a、R2aを介して接地されるため、前記第1検知信号は、Low(ロー)となる。一方、
図4Bに示すように、計測データ収集装置Aの第11接続コネクタ(USBコネクタ)11aに、計測ユニットSの第12接続コネクタ(USBコネクタ)29aがケーブル(USBケーブル)を介して接続されている場合では、差動対(D+)のNo.3ピンが第3プルアップ抵抗素子R3aを介して電源Vccに接続されるため、前記第1検知信号は、Hi(ハイ)となる。
【0033】
第2接続検出部17bは、第12接続コネクタ11bに対して設けられ、当該第12接続コネクタ11bに計測ユニットSが接続されたか否かを検出する回路である。第2接続検出部17bは、第12接続コネクタ11bおよびD制御処理部15に接続され、検出結果を表す第2検知信号をD制御処理部15へ出力する。本実施形態では、第2インターフェース規格がRS-232C規格であるので、RS-232C規格における接続検知の仕組みが流用される。より具体的には、第2接続検出部17bは、本実施形態では、
図5に示すように、第12接続コネクタ11bとしてのミニDIN8ピンコネクタにおけるNo.8ピンと電源Vccとの間に接続された第1プルアップ抵抗素子R1bを備え、前記No.8ピンの電圧が前記第2検知信号としてD制御処理部15へ出力される。そして、これに対応して計測ユニットSは、第22接続コネクタ29bとしてのミニDIN8ピンコネクタにおけるNo.8ピンとグランドとの間に接続された第2プルダウン抵抗素子R2bを備える。このような構成では、
図5Aに示すように、計測データ収集装置Aの第21接続コネクタ(ミニDIN8ピンコネクタ)11bに、計測ユニットSの第22接続コネクタ(ミニDIN8ピンコネクタ)29bが接続されていない場合では、前記No.8ピンは、第1プルアップ抵抗素子R1bを介して電源Vccに接続されるため、前記第2検知信号は、Hiとなる。一方、
図5Bに示すように、計測データ収集装置Aの第21接続コネクタ(ミニDIN8ピンコネクタ)11bに、計測ユニットSの第22接続コネクタ(ミニDIN8ピンコネクタ)29bがケーブルを介して接続されている場合では、前記No.8ピンが第2プルダウン抵抗素子R2bを介して接地されるため、前記第2検知信号は、Lowとなる。
【0034】
そして、計測データ収集装置Aは、1個の計測ユニットSのみを接続可能とするために、1個の第11接続コネクタ11aと1個の第21接続コネクタ11bとを備えて構成されて良いが、本実施形態では、計測データ収集装置Aは、複数の計測ユニットSを同時に接続可能とするために、1個の第11接続コネクタ11aと1個の第21接続コネクタ11bとを1個のセットとした場合に、複数のセットを備えて構成される。
図1に示す例では、計測データ収集装置Aは、10セットを備えており、第11接続コネクタ11aは、10個の第11-1ないし第11-10接続コネクタ11a-1~11a-10を備え、第11接続コネクタ11aは、これら10個の第11-1ないし第11-10接続コネクタ11a-1~11a-10それぞれと組(セット)となる10個の第21-1ないし第21-10接続コネクタ11b-1~11b-10を備えている。なお、
図2には、作図の都合上、第11-1接続コネクタ11a-1のみが図示され、第11-2ないし第11-10接続コネクタ11a-2~11a-10の図示が省略され、第21-1接続コネクタ11b-1のみが図示され、第21-2ないし第21-10接続コネクタ11b-2~11b-10の図示が省略されている。これら第11-1ないし第11-10接続コネクタ11a-1~11a-10は、
図1に示すように、筐体HSの側面に各接続端部(接続面、接続口)が外部に臨むように一列に配設されている。第21-1ないし第21-10接続コネクタ11b-1~11b-10は、組(セット)となる第11-1ないし第11-10接続コネクタ11a-1~11a-10に隣接するように、
図1に示す例では互いに組となる第11接続コネクタ11aと第21接続コネクタ11bとが上下に並ぶように、そして、筐体HSの前記側面に各接続端部(接続面、接続口)が外部に臨むように配設されている。
【0035】
第11IF部12aは、これら10個の第11-1ないし第11-10接続コネクタ11a-1~11a-10に応じて10個の第11-1ないし第11-10IF部12a-1~12a-10を備える。なお、第11IF部12aは、本実施形態では、USB規格に準拠した通信ボードであるので、USBハブを用いることにより複数の接続コネクタ11aに対し1個の第11IF部12aが設けられて良い。第21IF部12bは、これら10個の第21-1ないし第21-10接続コネクタ11b-1~11b-10に応じて10個の第21-1ないし第21-10IF部12b-1~12b-10を備える。
【0036】
第1接続検出部17aは、これら10個の第11-1ないし第11-10接続コネクタ11a-1~11a-10に応じて10個の第1-1ないし第1-10接続検出部17a-1~17a-10を備える(不図示)。第2接続検出部17bは、これら10個の第21-1ないし第21-10接続コネクタ11b-1~11b-10に応じて10個の第2-1ないし第2-10接続検出部17b-1~17b-10を備える(不図示)。
【0037】
このように複数の計測ユニットSを接続可能に構成された計測データ収集装置Aは、複数の計測ユニットSを用いて各計測データを収集する場合に前記複数の計測ユニットSを個々にマニュアル操作する必要が無く、これら接続された複数の計測ユニットSを制御(管理)し、前記複数の計測ユニットSを用いて各計測データを収集できるので、より好ましい。
【0038】
操作部14は、D制御処理部15に接続され、例えば、ユーザ(オペレータ)から測定モードの指示や計測開始の指示やデータ収集開始の指示等の各種指示、および、例えば、計測対象の名称や計測条件等の前記計測データを収集する上で必要な各種データを計測データ収集装置Aに入力する装置であり、例えば、所定の機能を割り付けられた複数の入力スイッチ等である。表示部13は、D制御処理部15に接続され、D制御処理部15の制御に従って、操作部14から入力された前記各種指示や前記各種データ、および、計測ユニットSから収集した計測データを表示する装置であり、例えばCRTディスプレイ、LCD(液晶表示装置)および有機ELディスプレイ等の表示装置である。本実施形態では、
図1に示すように、表示部13は、その表示面が筐体HSの上面で外部に臨むように配設され、操作部14は、その操作面が表示部13における前記表示面の一方側部であって筐体HSの上面で外部に臨むように配設される。
【0039】
電源部16は、計測データ収集装置Aにおける電力の必要な各部に接続され、外部の商用電源あるいは内蔵電池から、接続先の各部に適合した電圧値で生成した電力を前記各部に供給する回路である。
【0040】
D制御処理部15は、計測データ収集装置Aの各部12a、12b、13、14を当該各部12a、12b、13、14の機能に応じてそれぞれ制御し、計測ユニットSから計測データを収集し、当該計測データ収集装置Aに接続された計測ユニットSを制御(管理)するための回路である。D制御処理部15は、例えばCPU、メモリおよび周辺回路を備えたマイクロコンピュータを備えて構成される。D制御処理部15は、そのプログラムが実行されることによって、制御部151と、データ収集制御部152と、警告部153と、停止部154とを機能的に備える。
【0041】
制御部151は、計測データ収集装置Aの各部12a、12b、13、14を当該各部12a、12b、13、14の機能に応じてそれぞれ制御し、計測データ収集装置A全体の制御を司るものである。
【0042】
データ収集制御部152は、計測データを収集する処理を制御するものである。より具体的には、本実施形態では、データ収集制御部152は、第1および第2接続検出部17a、17bで計測ユニットSの接続を検出した第11および第21接続コネクタ11a、11bの第11および第21IF部12a、12bで、前記計測ユニットSから計測データを収集する。より詳しくは、データ収集制御部152は、第1および第2接続検出部17a、17bで第11接続コネクタ11aに計測ユニットSの接続を検出した場合には、第11IF部12aで前記第1インターフェース規格(本実施形態ではUSB規格)により前記計測ユニットSから計測データを収集し、第1および第2接続検出部17a、17bで第21接続コネクタ11bに計測ユニットSの接続を検出した場合には、第21IF部12bで前記第2インターフェース規格(本実施形態ではRS-232C規格)により前記計測ユニットSから計測データを収集する。本実施形態では、データ収集制御部152は、第1および第2接続検出部17a、17bで第11接続コネクタ11aに計測ユニットSの接続を検出した場合には、ノーマル測定モードで前記計測ユニットSから計測データを収集する。本実施形態では、データ収集制御部152は、第1および第2接続検出部17a、17bで第21接続コネクタ11bに計測ユニットSの接続を検出した場合には、ノーマル測定モードまたはトリガー測定モードで前記計測ユニットSから計測データを収集する。すなわち、第1および第2接続検出部17a、17bで第21接続コネクタ11bに計測ユニットSの接続を検出した場合であって、操作部14で測定モードとしてノーマル測定モードの指示を受け付けている場合では、データ収集制御部152は、ノーマル測定モードで前記計測ユニットSから計測データを収集し、一方、第1および第2接続検出部17a、17bで第21接続コネクタ11bに計測ユニットSの接続を検出した場合であって、操作部14で測定モードとしてトリガー測定モードの指示を受け付けている場合では、データ収集制御部152は、トリガー測定モードで前記計測ユニットSから計測データを収集する。
【0043】
警告部153は、前記第1インターフェース規格の接続を検出すると、第1インターフェース規格に対応する動作モードとして、第1インターフェース規格接続モードが設定され(一例では後述の第1検知信号がHi)、前記第2インターフェース規格の接続を検出すると、第2インターフェース規格に対応する動作モードとして、第2インターフェース規格接続モードが設定され(一例では後述の第2検知信号がLow)、いずれかの動作モードが設定された上で、当該動作モードに対応するインターフェース規格と異なるインターフェース規格を検出した場合、複数種のインターフェース規格が混在して使用されていることを表す警告を出力するものである。より具体的には、本実施形態では、10個のセットのうちの或るセットにおける第11接続コネクタ11aに或る計測ユニットSが接続され、前記10個のセットのうちの少なくとも1個のセットにおける第21接続コネクタ11bに、他の計測ユニットSが接続されている場合に、警告部153は、複数種のインターフェース規格が混在して使用されていることを表す警告メッセージを表示部13に表示する。前記警告メッセージは、例えば、「インターフェース規格が統一されて各計測ユニットが接続されていません」等である。
【0044】
停止部154は、前記第1インターフェース規格の接続を検出すると、第1インターフェース規格に対応する動作モードとして、第1インターフェース規格接続モードが設定され、前記第2インターフェース規格の接続を検出すると、第2インターフェース規格に対応する動作モードとして、第2インターフェース規格接続モードが設定され、いずれかの動作モードが設定された上で、当該動作モードに対応するインターフェース規格と異なるインターフェース規格を検出した場合、通信を前記インターフェース部に停止させるものである。あるいは、停止部154は、前記第1インターフェース規格の接続を検出すると、第1インターフェース規格に対応する動作モードとして、第1インターフェース規格接続モードが設定され、前記第2インターフェース規格の接続を検出すると、第2インターフェース規格に対応する動作モードとして、第2インターフェース規格接続モードが設定され、いずれかの動作モードが設定された上で、当該動作モードに対応するインターフェース規格と異なるインターフェース規格を検出した場合、計測データを収集する処理をデータ収集制御部152に停止させるものであっても良い。
【0045】
(動作)
次に、本実施形態の動作について説明する。
図6は、前記計測データ収集装置における接続検知処理に関わる動作を示すフローチャートである。
図7は、前記計測データ収集装置における計測データ収集処理に関わる動作を示すフローチャートである。
【0046】
このような構成の計測データ収集装置Aは、その電源が投入されると、必要な各部の初期化を実行し、その稼働を始める。そのプログラムの実行によって、D制御処理部15には、制御部151、データ収集制御部152、警告部153および停止部154が機能的に構成される。
【0047】
(接続検知処理)
計測ユニットSの接続を検知する接続検知処理では、予め設定された時間間隔で次の各処理が繰り返し実行される。あるいは、第1および第2接続検出部17a、17bにおける第1および第2検知信号の少なくともいずれかに変化があった場合に、次の各処理が実行されても良い。
【0048】
図6において、計測データ収集装置Aは、D制御処理部15によって、まず、第1および第2接続検出部17a、17bそれぞれから第1および第2検知信号を取得する(S11)。本実施形態では、10個の第1-1ないし第1-10接続検出部17a-1~17a-10それぞれから10個の第1-1ないし第1-10検知信号が取得され、10個の第2-1ないし第2-10接続検出部17b-1~17b-10それぞれから10個の第2-1ないし第2-10検知信号が取得される。
【0049】
続いて、計測データ収集装置Aは、D制御処理部15によって、処理S11で取得した第1および第2接続検出部17a、17bそれぞれの第1および第2検知信号に基づいて、10個のセットにおいて、第1および第2接続コネクタ11a、11bに複数の計測ユニットSが混在して接続されているか否かを判定する(S12)。
【0050】
この判定の結果、第1検知信号が計測ユニットSの接続を表す信号である場合(本実施形態では第1-1ないし第1-10検知信号の全部または一部がHiである場合)であって、かつ、第2検知信号が計測ユニットSの非接続を表す信号である場合(本実施形態では第2-1ないし第2-10検知信号全部がHiである場合)には、第11接続コネクタ11aのみに1または複数の計測ユニットSが接続されており、混在していないと判定され(No)、前記判定の結果、第2検知信号が計測ユニットSの接続を表す信号である場合(本実施形態では第2-1ないし第2-10検知信号の全部または一部がLowである場合)であって、かつ、第1検知信号が計測ユニットSの非接続を表す信号である場合(本実施形態では第1-1ないし第1-10検知信号全部がLowである場合)には、第21接続コネクタ11bのみに1または複数の計測ユニットSが接続されており、混在していないと判定され(No)、前記判定の結果、第1検知信号が計測ユニットSの非接続を表す信号である場合(本実施形態では第1-1ないし第1-10検知信号の全部がLowである場合)であって、かつ、第2検知信号が計測ユニットSの非接続を表す信号である場合(本実施形態では第2-1ないし第2-10検知信号全部がHiである場合)には、第11および第21接続コネクタ11a、11bのいずれにも計測ユニットSが接続されておらず、混在していないと判定され(No)、これらの場合(No)では、計測データ収集装置Aは、D制御処理部15によって、今回の本処理を終了する。
【0051】
一方、前記判定の結果、第1検知信号が計測ユニットSの接続を表す信号である場合(本実施形態では第1-1ないし第1-10検知信号の全部または一部がHiである場合)であって、かつ、第2検知信号が計測ユニットSの接続を表す信号である場合(本実施形態では第2-1ないし第2-10検知信号の全部または一部がLowである場合)には、第1および第2接続コネクタ11a、11bのいずれにも複数の計測ユニットSが混在して接続されていると判定され(Yes)、計測データ収集装置Aは、D制御処理部15の警告部153によって、次に、処理S13を実行し、続いて、D制御処理部15の停止部154によって、処理S14を実行し、その後に、今回の本処理を終了する。
【0052】
この処理S13では、警告部153は、複数種のインターフェース規格が混在して使用されていることを表す警告を出力する。これによって、本実施形態では、例えば、表示部13の表示面には、「インターフェース規格が統一されて各計測ユニットが接続されていません」等の警告メッセージが表示される。
【0053】
前記処理S14では、停止部154は、通信を第11および第21インターフェース部12a、12bに停止させる。より具体的には、例えば、操作部14でユーザから計測開始の指示を受け付けても、第11および第21インターフェース部12a、12bは、計測データの通信を実施しない。なお、上述のように、前記処理S14では、停止部154は、計測データを収集する処理をデータ収集制御部152に停止させても良い。この場合では、より具体的には、操作部14でユーザから計測開始の指示を受け付けても、データ収集制御部152は、計測データを収集する処理を実施しない。接続の混在が解消されると、測定は可能となる。
【0054】
本実施形態では、計測データ収集装置Aは、計測ユニットSの接続を検知する接続検知処理に関し、このように動作している。このため、本実施形態における計測データ収集装置Aは、第11および第21接続コネクタ11a、11bに対し表1に示す各インターフェース規格(第11および第21IF部12a、12b)の使用が可能となっている。
【0055】
【0056】
(計測データ収集処理)
計測ユニットSから計測データを収集する計測データ収集処理では、まず、ユーザ(オペレータ)は、1または複数の計測ユニットSを、USB規格を用いる場合には第11接続コネクタ11aに、あるいは、RS-232C規格を用いる場合には第21接続コネクタ11bに、接続する。複数の計測ユニットSを接続する場合には、ユーザは、USB規格とRS-232C規格とが混在しないように複数の計測ユニットSを計測データ収集装置Aに接続する。前記規格が混在して前記複数の計測ユニットSが接続されると、
図6を用いて説明した上述の動作によって表示部13から警告メッセージが表示される。ここで、ノーマル測定モードを用いる場合には、USB規格およびRS-232C規格のいずれも利用することができるが、トリガー測定モードを用いる場合には、ユーザは、複数の計測ユニットSをRS-232C規格を用いるべく、第21接続コネクタ11bに複数の計測ユニットSを接続する。
【0057】
続いて、ユーザは、ノーマル測定モードおよびトリガー測定モードのうちのいずれかを操作部14から入力する。なお、第11接続コネクタ11aのみに計測ユニットSが接続される場合には、この測定モードの指示を入力するこの処理は、省略でき、自動的にノーマル測定モードが設定されて良い。また、第11接続コネクタ11aのみに計測ユニットSが接続される場合であって、トリガー測定モードの入力を操作部14で受け付けた場合には、トリガー測定モードを設定(選択)できないことを表す第2警告メッセージを表示部13に表示するように、計測データ収集装置Aが構成されても良い。また、第21接続コネクタ11bのみに計測ユニットSが接続される場合に、この測定モードの指示を入力するこの処理が省略され、自動的にトリガー測定モードが設定されても良い。
【0058】
そして、ユーザは、計測開始の指示を操作部14から入力する。
図7において、計測データ収集装置Aは、D制御処理部15によって、計測開始の指示を操作部14で受け付けると(S21)、停止部154によってデータ収集が停止されているか否かを判定する(S22)。この判定の結果、データ収集が停止されている場合(Yes)には、D制御処理部15は、本処理を終了する。なお、この場合において、D制御処理部15は、例えば、「データ収集の準備が完了していません。周辺機器をご確認下さい。」等のメッセージを表示部13に表示してから、本処理を終了しても良い。一方、前記判定の結果、データ収集が停止されていない場合(No)には、D制御処理部15は、次に、処理S23を実行する。
【0059】
この処理S23において、計測データ収集装置Aは、D制御処理部15のデータ収集制御部152によって、動作モードを判定する。この判定の結果、動作モードがノーマル測定モードである場合(ノーマル測定モード)には、データ収集制御部152は、次に、処理S24および処理S25の各処理を順次に実行した後に、本処理を終了する。一方、前記判定の結果、動作モードがトリガー測定モードである場合(トリガー測定モード)には、データ収集制御部152は、次に、処理S26および処理S27の各処理を順次に実行した後に、本処理を終了する。
【0060】
この処理S24では、データ収集制御部152は、第1および第2接続検出部17a、17bで計測ユニットSの接続を検出した第11および第21接続コネクタ11a、11bの第11および第21IF部12a、12bで計測開始の指示を計測ユニットSへ出力(送信)する。より具体的には、データ収集制御部152は、第1および第2接続検出部17a、17bで第11接続コネクタ11aに計測ユニットSの接続を検出した場合には、第11IF部12aで前記第1インターフェース規格(本実施形態ではUSB規格)により計測開始の指示を計測ユニットSへ出力する。USB規格のデータ通信では、本実施形態では、例えば、NRZI(Non Return to Zero Inversion)方式で信号「0」と信号「1」とが表現されており、送信側では、差動対(D-)のNo.2ピンと差動対(D+)のNo.3ピンとの間の電位を反転することで、信号「0」が生成され、前記電位を保持すること(反転しないこと)で、信号「1」が生成され、受信側では、差動対(D-)のNo.2ピンと差動対(D+)のNo.3ピンとの間の電位が反転すると、これは、信号「0」を意味し、前記電位が保持されると(反転しないと)、これは、信号「1」を意味する。あるいは、データ収集制御部152は、第1および第2接続検出部17a、17bで第21接続コネクタ11bに計測ユニットSの接続を検出した場合には、第11IF部12bで前記第2インターフェース規格(本実施形態ではRS-232C規格)により計測開始の指示を計測ユニットSへ出力する。RS-232C規格のデータ通信において、本実施形態のミニDIN8ピンコネクタでは、No.4ピンがRxD(Receive Data、受信データ)として用いられ、No.6ピンがRTS(Request to Send、送信要求)として用いられ、No.7ピンがTxD(Transmit Data、送信データ)として用いられ、No.8ピンがCTS(Clear to Send、送信許可)として用いられている。
【0061】
この計測開始の指示を受け付けると、計測ユニットSは、計測対象を計測し、この計測によって得られた計測データを計測データ収集装置Aへ出力(送信)する。例えば、3個の第1ないし第3計測ユニットS-1~S-3が計測データ収集装置Aに接続されている場合には、第1計測ユニットS-1は、前記計測開始の指示を受け付けると、当該第1計測ユニットS-1の適宜なタイミングで計測対象を計測してその計測データを計測データ収集装置Aへ出力し、第2計測ユニットS-2は、前記計測開始の指示を受け付けると、当該第2計測ユニットS-2の適宜なタイミングで計測対象を計測してその計測データを計測データ収集装置Aへ出力し、そして、第3計測ユニットS-3は、前記計測開始の指示を受け付けると、当該第3計測ユニットS-3の適宜なタイミングで計測対象を計測してその計測データを計測データ収集装置Aへ出力する。
【0062】
前記処理S24に続く処理S25では、この計測ユニットSから出力(送信)された計測データを、計測データ収集装置Aは、D制御処理部15のデータ収集制御部152によって、取得し、記憶し、本処理を終了する。なお、計測データ収集装置Aは、前記取得した計測データを表示部13に表示するなど、適宜な処理を実行した後に、本処理を終了しても良い。
【0063】
一方、前記処理S26では、データ収集制御部152は、第2接続検出部17bで計測ユニットSの接続を検出した第21接続コネクタ11bの第21IF部12bでトリガー信号を計測ユニットSへ出力(送信)する。RS-232C規格のデータ通信において、本実施形態のミニDIN8ピンコネクタでは、No.1ピンがTrigger INとして用いられ、No.2ピンがTrigger OUTとして用いられている。
【0064】
このトリガー信号を受け付けると、計測ユニットSは、このトリガー信号に同期した計測タイミングで計測対象を計測し、この計測によって得られた計測データを計測データ収集装置Aへ出力(送信)する。例えば、3個の第1ないし第3計測ユニットS-1~S-3が計測データ収集装置Aに接続されている場合には、第1ないし第3計測ユニットS-1~S-3は、前記トリガー信号を受け付けると、前記トリガー信号によって互いに同期した計測タイミングで計測対象をそれぞれ計測する。そして、第1計測ユニットS-1は、その計測データを計測データ収集装置Aへ出力し、第2計測ユニットS-2は、その計測データを計測データ収集装置Aへ出力し、そして、第3計測ユニットS-3は、その計測データを計測データ収集装置Aへ出力する。
【0065】
前記処理S26に続く処理S27では、この計測ユニットSから出力(送信)された計測データを、計測データ収集装置Aは、D制御処理部15のデータ収集制御部152によって、取得し、記憶し、本処理を終了する。なお、計測データ収集装置Aは、前記取得した計測データを表示部13に表示するなど、適宜な処理を実行した後に、本処理を終了しても良い。
【0066】
本実施形態では、計測データ収集装置Aは、計測ユニットSから計測データを収集する計測データ収集処理に関し、このように動作している。このため、本実施形態における計測データ収集装置Aは、第11および第21接続コネクタ11a、11bに対し表2に示す各動作モード(ノーマル測定モード、トリガー測定モード)の使用が可能となっている。
【0067】
【0068】
以上説明したように、本実施形態における計測データ収集システムSY、計測データ収集装置Aおよびこれに実装された計測データ収集方法は、互いに異なる複数のインターフェース規格それぞれに対応する複数の接続コネクタおよびインターフェース部(上述の例では2種類の第11および第21接続コネクタ11a、11bならびに第11および第21IF部12a、12b)を備え、外部の計測ユニットSが接続された接続コネクタおよびインターフェース部におけるインターフェースの規格で前記計測ユニットSから計測データを収集する。したがって、上記計測データ収集システムSY、計測データ収集装置Aおよび計測データ収集方法は、複数種類の接続コネクタに対応でき、自動的に適切なインターフェース規格で計測ユニットSから計測データを収集できる。このため、インターフェースに関わるユーザビリティが向上できる。
【0069】
上記計測データ収集システムSY、計測データ収集装置Aおよび計測データ収集方法は、2種類の第11および第21接続コネクタ11a、11bならびに第11および第21IF部12a、12bを備えるので、2種類の第1および第2インターフェース規格に対応できる。
【0070】
上記計測データ収集システムSY、計測データ収集装置Aおよび計測データ収集方法は、ノーマル測定モードを備えるのでノーマル測定モードで計測データを収集でき、トリガー測定モードを備えるのでトリガー測定モードでも計測データを収集できる。特に、トリガー測定モードでは、上記計測データ収集システムSY、計測データ収集装置Aおよび計測データ収集方法は、例えば、計測ユニットSで計測される計測対象(被計測物)に対し、例えば過渡応答等の、特定のタイミングでの計測データを収集できる。また例えば、前記複数のセットにおける全部または一部で複数の計測ユニットSが接続されている場合に、上記計測データ収集システムSY、計測データ収集装置Aおよび計測データ収集方法は、これら複数の計測ユニットSに対し同一タイミングでの各計測データ(各計測タイミングが互いに同期した各計測データ)を収集できる。
【0071】
上記計測データ収集システムSY、計測データ収集装置Aおよび計測データ収集方法は、警告部153をさらに備えるので、複数種のインターフェース規格が混在して計測データ収集装置Aに接続されていることをユーザに知らせることができる。
【0072】
上記計測データ収集システムSY、計測データ収集装置Aおよび計測データ収集方法は、停止部154をさらに備えるので、複数種のインターフェース規格が混在して計測データ収集装置Aに接続されている場合に、誤接続による障害を回避できる。
【0073】
なお、上述の実施形態では、計測ユニットSは、USB規格およびRS-232C規格の2種類の第12および第22接続コネクタ29a、29bならびに第12および第22IF部28a、28bを備えたが、1種類の接続コネクタおよびこれに応じたIF部を備えて構成されて良く、あるいは、3種類以上の接続コネクタおよびこれに応じたIF部を備えて構成されて良い。
【0074】
また、上述の実施形態では、計測データ収集装置Aは、1セットにUSB規格およびRS-232C規格の2種類の第11および第21接続コネクタ11a、11bならびに第11および第21IF部12a、12bを備えたが、1セットに3種類以上の接続コネクタおよびこれに応じたIF部を備えて構成されて良い。
【0075】
本明細書は、上記のように様々な態様の技術を開示しているが、そのうち主な技術を以下に纏める。
【0076】
一態様にかかる計測データ収集装置は、互いに異なる複数のインターフェース規格それぞれに対応する複数の接続コネクタと、前記複数の接続コネクタそれぞれに対して設けられ、前記複数の接続コネクタに対応する複数のインターフェース規格で通信する複数のインターフェース部と、前記複数の接続コネクタのうちから、外部の計測ユニットが接続された接続コネクタを検出する接続検出部と、計測データを収集する処理を制御するデータ収集制御部とを備え、前記接続検出部で前記計測ユニットの接続が検出された接続コネクタに対応するインターフェース規格によって決定される複数の動作モードを持ち、前記データ収集制御部は、前記接続検出部で前記計測ユニットの接続を検出した前記接続コネクタの前記インターフェース部で、前記計測ユニットから計測データを収集する。
【0077】
このような計測データ収集装置は、互いに異なる複数のインターフェース規格それぞれに対応する複数の接続コネクタおよびインターフェース部を備え、外部の計測ユニットが接続された接続コネクタおよびインターフェース部におけるインターフェースの規格で前記計測ユニットから計測データを収集する。したがって、上記計測データ収集装置は、複数種類の接続コネクタに対応できる。
【0078】
他の一態様では、上述の計測データ収集装置において、前記複数のインターフェース規格は、1個の第1通信モードで通信する第1インターフェース規格と、2個の前記第1通信モードと前記第1通信モードと異なる第2通信モードで通信する第2インターフェース規格とを含み、前記複数の接続コネクタは、前記第1および第2インターフェース規格それぞれに対応する第1および第2接続コネクタを含み、前記複数のインターフェース部は、前記第1および第2接続コネクタそれぞれに対して設けられ、前記第1および第2インターフェース規格それぞれで通信する第1および第2インターフェース部を含み、前記データ収集制御部は、前記接続検出部で前記第1接続コネクタに前記計測ユニットの接続を検出した場合には、前記第1インターフェース部で前記第1インターフェース規格により前記計測ユニットから計測データを収集し、前記接続検出部で前記第2接続コネクタに前記計測ユニットの接続を検出した場合には、前記第2インターフェース部で前記第2インターフェース規格により前記計測ユニットから計測データを収集する。好ましくは、上述の計測データ収集装置において、比較的簡単に接続でき、比較的高速にシリアル通信できる観点から、前記第1インターフェース規格は、USB規格である。好ましくは、上述の計測データ収集装置において、比較的安定して接続でき、シリアル通信とトリガー通信とができる観点から、前記第2インターフェース規格は、RS-232C規格である。
【0079】
このような計測データ収集装置は、2種類の第1および第2インターフェース規格に対応できる。
【0080】
他の一態様では、上述の計測データ収集装置において、前記動作モードは、前記第1インターフェース規格の接続を検出すると、前記計測ユニットへ計測開始を指示する計測開始信号を出力し、前記計測開始信号に応じて計測した計測データを前記計測ユニットから収集するノーマル測定モードを含む。
【0081】
これによればノーマル測定モードで前記計測ユニットから計測データを収集する計測データ収集装置が提供できる。
【0082】
他の一態様では、上述の計測データ収集装置において、前記動作モードは、前記第2インターフェース規格の接続を検出すると、前記計測ユニットへ計測タイミングを知らせるトリガー信号を出力し、前記トリガー信号に同期した計測タイミングで計測した計測データを前記計測ユニットから収集するトリガー測定モードを含む。
【0083】
このような計測データ収集装置は、トリガー測定モードを備えるので、トリガー信号に同期した計測タイミングで計測した計測データを前記計測ユニットから収集できる。このため、上記計測データ収集装置は、例えば、計測ユニットで計測される計測対象(被計測物)に対し、例えば過渡応答等の、特定のタイミングでの計測データを収集できる。また例えば、前記複数の接続コネクタを1個のセットとして前記計測データ収集装置が複数のセットを備えて構成される場合であって前記複数のセットにおける全部または一部で複数の計測ユニットが接続されている場合に、上記計測データ収集装置は、これら複数の計測ユニットに対し同一タイミングでの各計測データ(各計測タイミングが互いに同期した各計測データ)を収集できる。
【0084】
他の一態様では、これら上述の計測データ収集装置において、前記第1インターフェース規格の接続を検出すると、第1インターフェース規格に対応する動作モードとして、第1インターフェース規格接続モードが設定され、前記第2インターフェース規格の接続を検出すると、第2インターフェース規格に対応する動作モードとして、第2インターフェース規格接続モードが設定され、いずれかの動作モードが設定された上で、当該動作モードに対応するインターフェース規格と異なるインターフェース規格を検出した場合、複数種のインターフェース規格が混在して使用されていることを表す警告を出力する警告部をさらに備える。
【0085】
このような計測データ収集装置は、前記警告を出力する警告部をさらに備えるので、複数種のインターフェース規格が混在して計測データ収集装置に接続されていることをユーザに知らせることができる。
【0086】
他の一態様では、これら上述の計測データ収集装置において、前記第1インターフェース規格の接続を検出すると、第1インターフェース規格に対応する動作モードとして、第1インターフェース規格接続モードが設定され、前記第2インターフェース規格の接続を検出すると、第2インターフェース規格に対応する動作モードとして、第2インターフェース規格接続モードが設定され、いずれかの動作モードが設定された上で、当該動作モードに対応するインターフェース規格と異なるインターフェース規格を検出した場合、通信を前記インターフェース部に停止させる、あるいは、計測データを収集する処理をデータ収集制御部に停止させる停止部をさらに備える。
【0087】
このような計測データ収集装置は、前記停止部をさらに備えるので、複数種のインターフェース規格が混在して計測データ収集装置に接続されている場合に、誤接続による障害を回避できる。
【0088】
他の一態様にかかる計測データ収集方法は、互いに異なる複数のインターフェース規格それぞれに対応する複数の接続コネクタと、前記複数の接続コネクタそれぞれに対して設けられ、前記複数の接続コネクタに対応する複数のインターフェース規格で通信する複数のインターフェース部とを備え、計測ユニットから計測データを収集する計測データ収集装置の計測データ収集方法であって、前記複数の接続コネクタのうちから、外部の計測ユニットが接続された接続コネクタを検出する接続検出工程と、計測データを収集する処理を制御するデータ収集制御工程とを備え、前記接続検出工程で前記計測ユニットの接続が検出された接続コネクタに対応するインターフェース規格によって決定される複数の動作モードを持ち、前記データ収集制御工程は、前記接続検出工程で前記計測ユニットの接続を検出した前記接続コネクタの前記インターフェース部で、前記計測ユニットから計測データを収集する。
【0089】
このような計測データ収集方法は、互いに異なる複数のインターフェース規格それぞれに対応する複数の接続コネクタおよびインターフェース部を備え、外部の計測ユニットが接続された接続コネクタおよびインターフェース部におけるインターフェースの規格で前記計測ユニットから計測データを収集する。したがって、上記計測データ収集方法は、複数種類の接続コネクタに対応できる。
【0090】
他の一態様にかかる計測データ収集システムは、所定の物理量を計測する計測ユニットと、前記計測ユニットから計測データを収集する計測データ収集装置とを備える計測データ収集システムであって、前記計測データ収集装置は、これら上述のいずれかの計測データ収集装置である。
【0091】
このような計測データ収集システムは、上述のいずれかの計測データ収集装置を備えるので、複数種類の接続コネクタに対応できる。
【0092】
この出願は、2017年11月2日に出願された日本国特許出願特願2017-212663を基礎とするものであり、その内容は、本願に含まれるものである。
【0093】
本発明の実施形態が詳細に図示され、かつ、説明されたが、それは単なる図例及び実例であって限定ではない。本発明の範囲は、添付されたクレームの文言によって解釈されるべきである。
【0094】
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明によれば、所定の物理量を計測する計測ユニットから計測データを収集する計測データ収集装置および計測データ収集方法ならびに前記計測データ収集装置を備える計測データ収集システムが提供できる。