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特許7088409モジュール、端子集合体、及びモジュールの製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-13
(45)【発行日】2022-06-21
(54)【発明の名称】モジュール、端子集合体、及びモジュールの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/18 20060101AFI20220614BHJP
   H01L 25/04 20140101ALI20220614BHJP
   H01L 25/065 20060101ALI20220614BHJP
   H01L 25/07 20060101ALI20220614BHJP
【FI】
H01L25/04 Z
H01L25/08 H
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021511195
(86)(22)【出願日】2020-02-17
(86)【国際出願番号】 JP2020006034
(87)【国際公開番号】W WO2020202841
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2021-07-21
(31)【優先権主張番号】P 2019071534
(32)【優先日】2019-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【弁理士】
【氏名又は名称】徳山 英浩
(72)【発明者】
【氏名】岡本 和也
(72)【発明者】
【氏名】芳賀 敬
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼木 昌由
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 和茂
【審査官】井上 和俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-15216(JP,A)
【文献】国際公開第2013/035716(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/139089(US,A1)
【文献】国際公開第2019/138895(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 25/18
H01L 25/065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板と、
前記回路基板の一方側の主面に実装された電子部品と、
前記回路基板の一方側の主面に実装された接続導体と、
前記回路基板の一方側の主面に、前記電子部品と前記接続導体とを被覆するように設けられた封止樹脂と、を備え、
前記接続導体は、前記回路基板の一方側の主面上に立設された板状導体と、前記回路基板の一方側の主面から遠ざかる方向に前記板状導体から延びるとともに互いに隣接する複数の端子部とを有し、
前記複数の端子部の先端部は前記封止樹脂から露出する、モジュール。
【請求項2】
前記回路基板の一方側の主面に近づく方向に前記板状導体から延びるとともに互いに隣接する複数の支持部を有し、
前記複数の支持部は前記回路基板に形成された電極と電気的に接続される、請求項1に記載のモジュール。
【請求項3】
前記複数の支持部が前記電極と接触する合計面積は、前記複数の端子部の先端部が前記封止樹脂から露出する合計面積よりも大きい、請求項2に記載のモジュール。
【請求項4】
第1の板状導体を備える第1の接続導体と、
前記第1の板状導体と対向する第2の板状導体を備える第2の接続導体と、
を備える端子集合体であって、
前記第1の接続導体は、前記第1の板状導体の一方の端部から遠ざかる方向に前記第1の板状導体から延びるとともに互いに隣接する複数の第1の端子部を有し、
前記端子集合体は、前記複数の第1の端子部の先端と前記第2の接続導体とを連結するとともに互いに間隔をあけて配置される複数の連結部を更に有する、端子集合体。
【請求項5】
前記第2の接続導体は、前記第2の板状導体の一方の端部から遠ざかる方向に前記第2の板状導体から延びるとともに互いに隣接する複数の第2の端子部を有し、
前記複数の連結部は、前記複数の第1の端子部の先端部と前記第2の端子部の先端部とを連結するとともに互いに間隔をあけて配置される、請求項4に記載の端子集合体。
【請求項6】
前記第1の板状導体、前記複数の第1の端子部、及び前記複数の連結部を保持する樹脂ブロックをさらに備え、
前記第1の板状導体、前記複数の第1の端子部、及び前記複数の連結部は、前記樹脂ブロックの外周面に沿って設けられている、請求項4又は請求項5に記載の端子集合体。
【請求項7】
第1の板状導体を備える第1の接続導体と、第2の板状導体を備える第2の接続導体と、
前記第1の板状導体の一方の端部から遠ざかる方向で前記第1の板状導体から延びるとともに互いに隣接する複数の第1の端子部と、
前記複数の第1の端子部の先端部と前記第2の接続導体の一方の端部とを連結するとともに互いに間隔をあけて配置される複数の連結部と、を含む端子集合体を準備する工程と、
前記第1の接続導体の他方の端部及び前記第2の接続導体の他方の端部が、回路基板の一方側の主面に接続されるように前記端子集合体を実装するとともに前記回路基板の一方側の主面に電子部品を実装する実装工程と、
前記電子部品及び前記端子集合体を樹脂で封止する樹脂封止工程と、
前記樹脂と前記複数の連結部とを除去することで、前記複数の第1の端子部の先端部が前記樹脂から露出する、封止樹脂除去工程と、を備えるモジュールの製造方法。
【請求項8】
前記端子集合体は、前記複数の連結部を接続する吸着部を更に備え、
前記実装工程は、前記吸着部を吸着して前記端子集合体を回路基板へ実装する吸着工程を更に備え、
前記封止樹脂除去工程は、前記複数の連結部及び前記吸着部を除去することを含む、請求項7に記載のモジュールの製造方法。
【請求項9】
前記端子集合体は、前記第1の板状導体、前記複数の端子部、及び前記複数の連結部を保持する樹脂ブロックを備え、前記第1の板状導体、前記複数の端子部、及び前記複数の連結部は、前記樹脂ブロックの外周面に沿って設けられる、請求項7又は請求項8に記載のモジュールの製造方法。
【請求項10】
前記端子集合体を準備する工程において、前記第2の接続導体は、前記第2の板状導体の一方の端部から遠ざかる方向に前記第2の板状導体から延びるとともに互いに隣接する複数の第2の端子部を有し、
前記複数の連結部は、前記複数の第1の端子部の先端部と前記第2の端子部の先端部とを連結するとともに互いに間隔をあけて配置される、請求項7から請求項9のいずれか1項に記載のモジュールの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モジュール、端子集合体、及びモジュールの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1のように、複数の接続導体が連結部を介して連結された端子集合体を回路基板上に実装し、樹脂封止した後に連結部を除去することにより、低コストかつ短い製造時間で複数の接続導体を備えるモジュールを製造する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】WO2013/035716号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、接続導体が柱状(細板状)のため、回路基板に端子集合体を実装して連結部を除去した後に接続導体が封止樹脂から抜けてしまう恐れがある。
【0005】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、接続導体と封止樹脂の密着性を向上させて、接続導体を封止樹脂から抜けることを抑制したモジュール、端子集合体、及びモジュールの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明のモジュールは、
回路基板と、
回路基板の一方側の主面に実装された電子部品と、
回路基板の一方側の主面に実装された接続導体と、
回路基板の一方側の主面に、電子部品と接続導体とを被覆するように設けられた封止樹脂と、を備え、
接続導体は、回路基板の一方側の主面上に立設された板状導体と、回路基板の一方側の主面から遠ざかる方向に板状導体から延びるとともに互いに隣接する複数の端子部とを有し、
複数の端子部の先端部は封止樹脂から露出する、モジュールを提供する。
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の端子集合体は、
第1の板状導体を備える第1の接続導体と、
第1の板状導体と対向する第2の板状導体を備える第2の接続導体と、
を備える端子集合体であって、
第1の接続導体は、第1の板状導体の一方の端部から遠ざかる方向に第1の板状導体から延びるとともに互いに隣接する複数の第1の端子部を有し、
端子集合体は、複数の第1の端子部の先端部と第2の接続導体とを連結するとともに互いに間隔をあけて配置される複数の連結部を更に有する、端子集合体を提供する。
【0008】
上記課題を解決するため、本発明のモジュールの製造方法は、
第1の板状導体を備える第1の接続導体と、第2の板状導体を備える第2の接続導体と、
第1の板状導体の一方の端部から遠ざかる方向で第1の板状導体から延びるとともに互いに隣接する複数の第1の端子部と、
複数の第1の端子部の先端部と第2の接続導体の一方の端部とを連結するとともに互いに間隔をあけて配置される複数の連結部と、を含む端子集合体を準備する工程と、
第1の接続導体の他方の端部及び第2の接続導体の他方の端部が、回路基板の一方側の主面に接続されるように端子集合体を実装するとともに回路基板の一方側の主面に電子部品を実装する実装工程と、
電子部品及び端子集合体を樹脂で封止する樹脂封止工程と、
樹脂と複数の連結部とを除去することで、複数の第1の端子部の先端部が樹脂から露出する、封止樹脂除去工程と、を備えるモジュールの製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、接続導体と封止樹脂の密着性を向上させて、接続導体が封止樹脂から抜けることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態に係るモジュールの平面図である。
図2図1のモジュールのA-A線に沿った断面図である。
図3図1のモジュールのB-B線に沿った断面図である。
図4】端子集合体を示す斜視図である。
図5図4の端子集合体の展開図である。
図6】樹脂ブロックを備える端子集合体を示す斜視図である。
図7】実施の形態に係るモジュールの製造方法の一例について示す断面図である。
図8図7に続く工程を示す断面図である。
図9図8に続く工程を示す断面図である。
図10図9に続く工程を示す断面図である。
図11図10に続く工程を示す断面図である。
図12図11に続く工程を示す断面図である。
図13図12に続く工程を示す断面図である。
図14図13に続く工程を示す断面図である。
図15】変形例2における端子集合体の展開図である。
図16】回路基板と第1の接続導体の支持部との接続箇所、及び、回路基板と第2の接続導体の第1の支持部との接続箇所を示した図である。
図17】変形例2におけるモジュールの平面図である。
図18】変形例3におけるモジュールの平面図である。
図19】変形例4におけるモジュールの平面図である。
図20】変形例5における端子集合体の展開図である。
図21】変形例6におけるモジュールの製造方法で製造されたモジュールを示す断面図である。
図22図21に示すモジュールの製造方法の一例について示す断面図である。
図23図22に続く工程を示す断面図である。
図24図24に続く工程を示す断面図である。
図25】接続導体の変形例7を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の第1態様によれば、
回路基板と、
回路基板の一方側の主面に実装された電子部品と、
回路基板の一方側の主面に実装された接続導体と、
回路基板の一方側の主面に、電子部品と接続導体とを被覆するように設けられた封止樹脂と、を備え、
接続導体は、回路基板の一方側の主面上に立設された板状導体と、回路基板の一方側の主面から遠ざかる方向に板状導体から延びるとともに互いに隣接する複数の端子部とを有し、
複数の端子部の先端部は封止樹脂から露出する、モジュールを提供する。
【0012】
このような構成によれば、板状導体に複数の端子部を設け、互いに隣接する端子部間に封止樹脂が入り込むことで、接続導体と封止樹脂との密着性が向上して、接続導体が封止樹脂から抜けることを抑制することができる。
【0013】
本発明の第2態様によれば、回路基板の一方側の主面に近づく方向に板状導体から延びるとともに互いに隣接する複数の支持部を有し、複数の支持部は回路基板に形成された電極と電気的に接続される、第1態様に記載のモジュールを提供する。このような構成によれば、封止樹脂の充填時に互いに隣接する支持部間に封止樹脂が入り込むことで、接続導体と封止樹脂との密着性が向上して、接続導体が封止樹脂から抜けることを抑制することができる。
【0014】
本発明の第3態様によれば、複数の支持部が電極と接触する合計面積は、複数の端子部の先端部が封止樹脂から露出する合計面積よりも大きい、第2態様に記載のモジュールを提供する。このような構成によれば、支持部が電極と接触する面積が増えるので接続導体と回路基板の電極との密着性が向上するため、接続導体が封止樹脂から抜けにくくなる。
【0015】
本発明の第4態様によれば、
第1の板状導体を備える第1の接続導体と、
第1の板状導体と対向する第2の板状導体を備える第2の接続導体と、
を備える端子集合体であって、
第1の接続導体は、第1の板状導体の一方の端部から遠ざかる方向に第1の板状導体から延びるとともに互いに隣接する複数の第1の端子部を有し、
端子集合体は、複数の第1の端子部の先端部と第2の接続導体とを連結するとともに互いに間隔をあけて配置される複数の連結部を更に有する、端子集合体を提供する。
【0016】
このような構成によれば、第1の板状導体に複数の第1の端子部を設け、互いに間隔をあけて配置される第1の端子部間に封止樹脂が入り込むことで、第1の接続導体と封止樹脂との密着性が向上して、第1の接続導体が封止樹脂から抜けることを抑制することができる。
【0017】
本発明の第5態様によれば、第2の接続導体は、第2の板状導体の一方の端部から遠ざかる方向に第2の板状導体から延びるとともに互いに隣接する複数の第2の端子部を有し、複数の連結部は、複数の第1の端子部の先端部と第2の端子部の先端部とを連結するとともに互いに間隔をあけて配置される、第4態様に記載の端子集合体を提供する。このような構成によれば、互いに隣接する第1の端子部間及び互いに隣接する第2の端子部間に封止樹脂が入り込みやすくなる。そのため、第1の接続導体と封止樹脂との密着性及び第2の接続導体と封止樹脂との密着性が向上して、第1の接続導体及び第2の接続導体が封止樹脂から抜けることを抑制することができる。
【0018】
本発明の第6態様によれば、第1の板状導体、複数の第1の端子部、及び複数の連結部を保持する樹脂ブロックをさらに備え、第1の板状導体、複数の第1の端子部、及び複数の連結部は、樹脂ブロックの外周面に沿って設けられている、第4態様に記載の端子集合体を提供する。このような構成によれば、研磨などで複数の連結部を除去した際に、第1の板状導体及び複数の第1の端子部は樹脂ブロックで保持されているため、第1の板状導体と複数の第1の端子部とを単体で扱うよりも、回路基板への実装性を向上することができる。
【0019】
本発明の第7態様によれば、
第1の板状導体を備える第1の接続導体と、第2の板状導体を備える第2の接続導体と、第1の板状導体の一方の端部から遠ざかる方向で第1の板状導体から延びるとともに互いに隣接する複数の第1の端子部と、複数の第1の端子部の先端部と第2の接続導体の一方の端部とを連結するとともに互いに間隔をあけて配置される複数の連結部と、を含む端子集合体を準備する工程と、
第1の接続導体の他方の端部及び第2の接続導体の他方の端部が、回路基板の一方側の主面に接続されるように端子集合体を実装するとともに回路基板の一方側の主面に電子部品を実装する実装工程と、
電子部品及び端子集合体を樹脂で封止する樹脂封止工程と、
樹脂と複数の連結部を除去することで、複数の第1の端子部の先端部が樹脂から露出する、封止樹脂除去工程と、を備えるモジュールの製造方法を提供する。
【0020】
このような製造方法によれば、第1の板状導体に複数の第1の端子部を設け、互いに隣接する第1の端子部間に樹脂が入り込むことで、第1の接続導体と樹脂との密着性が向上して、第1の接続導体が樹脂から抜けることを抑制することができる。
【0021】
本発明の第8態様によれば、端子集合体は、複数の連結部を接続する吸着部を更に備え、実装工程は、吸着部を吸着して端子集合体を回路基板へ実装する吸着工程を更に備え、封止樹脂除去工程は複数の連結部及び吸着部を除去することを含む、第7態様に記載のモジュールの製造方法を提供する。このような製造方法によれば、吸着部を吸着して端子集合体を回路基板に実装するため、より安定して端子集合体を回路基板へ実装させることができる。
【0022】
本発明の第9態様によれば、端子集合体は、第1の板状導体、複数の第1の端子部、及び複数の連結部を保持する樹脂ブロックを備え、第1の板状導体、複数の第1の端子部、及び複数の連結部は、樹脂ブロックの外周面に沿って設けられる、第7態様又は第8態様に記載のモジュールの製造方法を提供する。このような製造方法によれば、研磨などで複数の連結部を除去した際に、第1の板状導体及び複数の第1の端子部は樹脂ブロックで保持されているため、第1の板状導体と複数の第1の端子部とを単体で扱うよりも、回路基板への実装性を向上することができる。
【0023】
本発明の第10態様によれば、端子集合体を準備する工程において、第2の接続導体は、第2の板状導体の一方の端部から遠ざかる方向に第2の板状導体から延びるとともに互いに隣接する複数の第2の端子部を有し、複数の連結部は、複数の第1の端子部の先端部と第2の端子部の先端部とを連結するとともに互いに間隔をあけて配置される、第7態様から第9態様のいずれか1つの態様に記載のモジュールの製造方法を提供する。このような製造方法によれば、互いに隣接する第1の端子部間及び互いに隣接する第2の端子部間に封止樹脂が入り込みやすくなる。そのため、第1の接続導体と封止樹脂との密着性及び第2の接続導体と封止樹脂との密着性が向上して、第1の接続導体及び第2の接続導体が封止樹脂から抜けることを抑制することができる。
【0024】
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0025】
(第1実施形態)
<モジュール1>
本発明の実施の形態に係るモジュール1について、図1図2、及び図3を参照して説明する。図1は、実施の形態に係るモジュール1の平面図、図2は、図1のモジュール1のA-A線に沿った断面図、図3は、図1のモジュール1のB-B線に沿った断面図である。
【0026】
図1図2、及び図3に示すように、モジュール1は、回路基板2と、回路基板2に実装される電子部品3と、回路基板2に実装される接続導体4と、電子部品3及び接続導体4を封止する封止樹脂5と、を備える。モジュール1は、例えば、通信携帯端末のマザー基板などに実装され、より具体的には、Bluetooth(登録商標)モジュール及び無線LANモジュールなどの各種通信モジュール、アンテナスイッチモジュール、電源モジュールなどの高周波回路モジュールとして用いられる。
【0027】
回路基板2は、例えば、低温同時焼成セラミックスやガラスエポキシ樹脂等の絶縁性材料から構成される。回路基板2の主面又は内部には、グランド電極(図示省略)、配線電極(図示省略)、及びビア導体(図示省略)等が形成されている。本実施の形態は、回路基板2の一方側の主面(以下、表面と呼ぶ)S1に複数の電子部品3、接続導体4が実装され、回路基板2の他方側の主面(以下、裏面と呼ぶ)S2に複数の電極7が形成されている。また、回路基板2の表面S1には、電子部品3と接続導体4とを被覆するように封止樹脂5が設けられている。なお、回路基板2の各グランド電極及び各配線電極については、CuやAg、Al等の金属を含有する導電性ペーストをスクリーン印刷するなどしてそれぞれ形成することができる。また、各ビア導体については、レーザー等を用いてビアホールを形成した後、周知の方法により形成することができる。
【0028】
電子部品3は、例えば、インダクタ素子、コンデンサ、IC、パワーアンプ等の電子部品である。本実施の形態では、各電子部品3は、回路基板2の表面S1に形成された複数の電極6のいずれかに対して半田などの導電性接合材8を介して電気的に接続されている。
【0029】
接続導体4は、例えば、電子部品3に対する外部からの電波を遮断するための目的や、回路基板2と外部のマザー基板など(図示省略)とを接続するための目的に用いられる。接続導体4は、例えば、SUS(Steel Use Stainless)や銅などの金属から形成される。図3に示すように、接続導体4は、断面が略矩形状の板状導体4aを備える。接続導体4は、板状導体4aの短手方向における一方の端部E1において回路基板2の表面S1から遠ざかる方向に延びる複数の端子部4bを備える。また、複数の端子部4bは板状導体4aの長手方向に互いに間隔をあけて設けられる。本実施の形態では、接続導体4は、板状導体4aの短手方向における他方の端部端E2において回路基板2の表面S1に近づく方向に延びる複数の支持部4cを備える。また、複数の支持部4cは板状導体4aの長手方向に互いに間隔をあけて設けられる。なお、支持部4cと回路基板2の表面S1の電極6とは、例えば、半田などの導電性接合材8を介して電気的に接続している。
【0030】
なお、本実施の形態では接続導体4は、複数の支持部4cを設けているが、支持部4cを設けていない構造でもよく、板状導体4aと回路基板2の表面S1の電極6とが面接触により電気的に接続されていてもよい。
【0031】
図2及び図3に示すように、板状導体4aは回路基板2の表面S1上に立設して配置される。板状導体4aは、例えば、矩形の板状に構成される。本実施の形態において板状導体4aの断面は、略矩形状である。また、板状導体4aは、回路基板2の表面S1から遠ざかる方向に延びる複数の端子部4bを備える。言い換えると、板状導体4aにおいて、回路基板2の表面S1から遠ざかる方向に延びる凸部を端子部4bという。また、板状導体4aの長手方向における複数の端子部4bの間に設けられた凹みを凹み部4dという。さらに、複数の端子部4bは、板状導体4aの長手方向において互いに隣接して配置される。なお、本実施の形態では、板状導体4aと複数の端子部4bが一体的に形成されているが、個別に板状導体4aと複数の端子部4bとを形成して、半田などの導電性接着剤を用いて各々を接合してもよい。なお、図3に示すように、板状導体4aの長手方向において、互いに隣接するように複数の端子部4bが板状導体4aに設けられている。
【0032】
回路基板2の表面S1の電極6は、例えば、グランド電位と接続される。また、本実施の形態では、図1に示すように、複数の接続導体4が複数の電子部品3を囲むように配置される。このように配置されることで、複数の接続導体4が複数の電子部品3の電磁気的な干渉を抑制することができる。例えば、複数の接続導体4によって電子部品3が外部からのノイズの影響を受けにくくなる。また、電子部品3から発せられるノイズが外部へ漏れ出るのを抑制することができる。なお、図1では、複数の接続導体4は間隔をあけて配置されているが、複数の接続導体4の間隔はなくてもよい。図1に示すように、複数の接続導体4は、複数の電子部品3を多重に囲うように配置されていてもよい。このような構成によれば、複数の接続導体4によって電子部品3が外部からのノイズの影響をより受けにくくなる。
【0033】
封止樹脂5は、電子部品3や接続導体4を外部からの物理的衝撃などから保護するために形成される。本実施の形態では、図3に示すように、封止樹脂5は、回路基板2と電子部品3の接続部分、回路基板2と接続導体4の接続部分、電子部品3や接続導体4自体を被覆するように回路基板2の表面S1に設けられる。
【0034】
本実施の形態では、接続導体4において、互いに隣接する端子部4b間に封止樹脂5が入り込んでいる。言い換えれば、封止樹脂5は、端子部4b間に設けられる凹み部4dに入り込んでいる。このような構成によれば、接続導体4において凹み部4dに入り込んだ封止樹脂5があることにより、接続導体4の複数の端子部4bの先端部が露出していたとしても、封止樹脂5から接続導体4を抜けにくくすることができる。
【0035】
本実施の形態のモジュール1によれば、接続導体4は、回路基板2の一方側の主面S1上に立設された板状導体4aと、回路基板2の一方側の主面S1から遠ざかる方向に板状導体4aから延びるとともに互いに隣接する複数の端子部4bとを備える。このような構成によれば、板状導体4aに複数の端子部4bを設け、互いに隣接する端子部4b間に封止樹脂5が入り込むことで、接続導体4と封止樹脂5との密着性が向上して、接続導体4が封止樹脂5から抜けることを抑制することができる。
【0036】
本実施の形態のモジュール1によれば、回路基板2の一方側の主面S1に近づく方向に板状導体4aから延びるとともに互いに隣接する複数の支持部4cを有し、複数の支持部4cは回路基板2に形成された電極6と電気的に接続される。このような構成によれば、封止樹脂5の充填時に互いに隣接する支持部4c間に封止樹脂5が入り込むことで、接続導体4と封止樹脂5との密着性が向上して、接続導体4が封止樹脂5から抜けることを抑制することができる。
【0037】
<端子集合体10>
次に、接続導体4を形成する製造方法について説明する。本実施の形態において端子集合体10は複数の接続導体4を備えた構成である。図4図5、及び図6を用いて端子集合体10についてより具体的に説明する。図4は、端子集合体10を示す斜視図である。図5は、図4の端子集合体10の展開図である。図6は、樹脂ブロック20を備える端子集合体10を示す斜視図である。なお、図4及び図6に示した端子集合体10の厚みの記載は図中から省略する。
【0038】
端子集合体10は、連結部34を介して第1の接続導体14と第2の接続導体24とを連結した構造を有している。本実施の形態では、第1の接続導体14は、第1の板状導体14aと、複数の第1の端子部14bと、複数の第1の支持部14cとを備える。また、第2の接続導体24は、第2の板状導体24aと、複数の第2の端子部24bと、複数の第2の支持部24cとを備える。端子集合体10は、例えば、パンチング加工やエッチング加工によって一枚の導電板の一部を除去し、2つの接続導体4を備えた端子集合体10を形成する。その後、曲げ加工によって、図4に示すように曲げられた端子集合体10を形成する。
【0039】
図4に示すように、端子集合体10において第1の接続導体14と第2の接続導体24とは互いに対向するように配置される。連結部34は、複数の第1の端子部14bの先端部(図4では、上端部)と、複数の第2の端子部24bの先端部(図4では、上端部)とを連結するように設けられる。本実施の形態では、図4及び図5に示すように、第1の接続導体14は4つの第1の端子部14bを備え、第2の接続導体24は4つの第2の端子部24bを備える。また、本実施の形態において、端子集合体10は4つの連結部34を備える。
【0040】
また、本実施の形態の端子集合体10によれば、図4に示すように、複数の第1の支持部14cの先端部は、第1の板状導体14aの主面から交差(例えば、直交)する方向であって、第1の板状導体14aから離れる方向に曲げられている。同様に複数の第2の支持部24cの先端部は、第2の板状導体24aの主面から交差(例えば、直交)する方向であって、第2の板状導体24aから離れる方向に曲げられている。
【0041】
また、本実施の形態において、図6に示すように、端子集合体10は、第1の板状導体14aと複数の第1の端子部14bと複数の連結部34とを保持する樹脂ブロック20を備える。例えば、樹脂ブロック20は直方体形状の樹脂から構成される。また、第1の板状導体14a、複数の第1の端子部14b、及び複数の連結部34は、樹脂ブロック20の外周面に沿って設けられている。このような構成によれば、第1の接続導体14の一方側の端部に応力がかかりにくくなり、第1の接続導体14と複数の第1の端子部14bが破断しにくくなる。なお、第1の板状導体14a、複数の第1の端子部14b、及び複数の連結部34は、樹脂ブロック20の外側で樹脂ブロック20の外周面に沿って設けられていてもよく、樹脂ブロック20の内側で樹脂ブロック20の外周面に沿って設けられていてもよい。
【0042】
本実施の形態の端子集合体10によれば、第1の接続導体14は、第1の板状導体14aの一方の端部から遠ざかる方向に第1の板状導体14aから延びるとともに互いに隣接する複数の第1の端子部14bを有する。このような構成によれば、第1の板状導体14aに複数の第1の端子部14bを設け、互いに隣接する第1の端子部14b間に封止樹脂5が入り込むことで、第1の接続導体14と封止樹脂5との密着性が向上して、第1の接続導体14が封止樹脂5から抜けることを抑制することができる。なお、図4及び図5に示すように、第1の板状導体14aの長手方向において、互いに隣接するように複数の第1の端子部14bが第1の板状導体14aに設けられている。
【0043】
本実施の形態の端子集合体10によれば、第1の板状導体14a、複数の第1の端子部14b、及び複数の連結部34を保持する樹脂ブロック20をさらに備え、第1の板状導体14a、複数の第1の端子部14b、及び複数の連結部34は、樹脂ブロック20の外周面に沿って設けられている。このような構成によれば、研磨などで複数の連結部34を除去した際に、第1の板状導体14a及び複数の第1の端子部14bは樹脂ブロック20で保持されているため、第1の板状導体14aと複数の第1の端子部14bとを単体で扱うよりも、回路基板2への実装性を向上することができる。
【0044】
本実施の形態の端子集合体10によれば、第2の接続導体24は、第2の板状導体24aの一方の端部から遠ざかる方向に第2の板状導体24aから延びるとともに互いに隣接する複数の第2の端子部24bを有する。また、複数の連結部34は、複数の第1の端子部14bの先端部と第2の端子部24bの先端部とを連結するとともに互いに間隔をあけて配置される。このような構成によれば、互いに隣接する第1の端子部14b間及び互いに隣接する第2の端子部24b間に封止樹脂5が入り込みやすくなる。そのため、第1の接続導体14と封止樹脂5との密着性及び第2の接続導体24と封止樹脂5との密着性が向上して、第1の接続導体14及び第2の接続導体24が封止樹脂5から抜けることを抑制することができる。
【0045】
<製造方法>
次に、端子集合体10を用いてモジュール1を製造する方法を、図7から図14を参照して説明する。図7から図14は、両面(表面S1、裏面S2)に電子部品3及び接続導体4が実装されたモジュール1の製造方法の一例について示す断面図である。なお、図7から図14については回路基板2の表面の電極及び裏面の電極は図示を省略している。
【0046】
まず、図7に示すように、回路基板2を準備する。
【0047】
(実装工程)
次いで、図8に示すように、回路基板2の表面S1に電子部品3及び端子集合体10を実装する。本実施の形態においては複数の電子部品3及び複数の端子集合体10が、回路基板2の表面S1の電極6(図示省略)に対して半田などの導電性接合材8を介して電気的に接続される。なお、電子部品3及び端子集合体10の回路基板2への実装には周知の表面実装技術を用いて実装することができる。例えば、回路基板2の表面S1に形成された電極6のうち、所望の電極6上に半田を塗布する。その後、半田が塗布された電極6のうち対応する電極6上に各電子部品3及び各端子集合体10を実装し、リフロー処理を行う。
【0048】
(樹脂封止工程)
次いで、図9に示すように、回路基板2の表面S1に実装された各電子部品3及び各端子集合体10を被覆するように封止樹脂5を形成する。封止樹脂5は、例えば、トランスファーモールド方式やコンプレッションモールド方式など各種のモールド方式を用いて形成することができる。
【0049】
(封止樹脂除去工程)
次いで、図10に示すように、封止樹脂5の表面及び各端子集合体10の連結部34(図4参照)を除去する。例えば、連結部34の除去は、周知の研磨又は研削の技術により行うことができる。連結部34を除去することで、端子集合体10から第1の接続導体14と第2の接続導体24とを回路基板2の表面S1上に立設させることができる。なお、連結部34を除去する際に、第1の接続導体14の第1の端子部14bの一部も除去することによって、第1の端子部14bの先端部を封止樹脂5から露出させてもよい。このような製造方法によって、封止樹脂5の表面と接続導体4の第1の端子部14bの先端部とを同一の平面に形成することができる。
【0050】
次いで、図11に示すように、回路基板2の裏面S2も回路基板2の表面S1と同様の製造方法で、電子部品3及び端子集合体10を実装する。本実施の形態においては複数の電子部品3及び複数の端子集合体10は、回路基板2の裏面S2の電極7(図示省略)と半田などの導電性接合材8を介して電気的に接続される。なお、電子部品3及び端子集合体10の回路基板2への実装には周知の表面実装技術を用いて実装することができる。例えば、回路基板2の裏面S2に形成された電極7のうち、所望の電極7上に半田を塗布する。その後、半田が塗布された電極7のうち対応する電極7上に各電子部品3及び各端子集合体10を実装し、リフロー処理を行う。
【0051】
次いで、図12に示すように、回路基板2の裏面S2に実装された各電子部品3及び各端子集合体10を被覆するように封止樹脂5を形成する。封止樹脂5は、例えば、トランスファーモールド方式やコンプレッションモールド方式など各種のモールド方式を用いて形成することができる。
【0052】
次いで、図13に示すように、封止樹脂5の裏面S2及び各端子集合体10の連結部34を除去する。例えば、連結部34の除去は、周知の研磨は研削の技術により行うことができる。連結部34を除去することで、端子集合体10から第1の接続導体14と第2の接続導体24とを回路基板2の裏面S2上に立設させることができる。なお、連結部34を除去する際に、第1の接続導体14の第1の端子部14bの一部も除去することによって、第1の端子部14bの先端部を封止樹脂5から露出させてもよい。
【0053】
次いで、図14に示すように、回路基板2の裏面S2に形成された封止樹脂5の表面及び回路基板2の表面S1に形成した封止樹脂5の側面にシールド導体30を形成する。シールド導体30によって、電子部品3が外部からのノイズの影響を受けにくくなる。また、電子部品3から発せられるノイズが外部へ漏れ出るのを抑制することができる。シールド導体30は、スパッタリングやペースト塗布などの方法により封止樹脂5の表面に形成することができる。シールド導体30は、導電性を有する材料であればよく、例えば、Cu、Au、Ag、SUSなどの金属を用いることができる。シールド導体30は、露出した第1の端子部14bと電気的に接続される。その後、回路基板2の裏面に形成された第1の接続導体14の第1の端子部14bに半田などの導電性接合材8を塗布する。その後、マザー基板などの電極と第1の接続導体14の第1の端子部14bとを導電性接合材8を介して電気的に接続する。
【0054】
本実施の形態のモジュール1の製造方法によれば、第1の板状導体14aの一方の端部E1から遠ざかる方向で第1の板状導体14aから延びるとともに互いに隣接する複数の第1の端子部14bを含む端子集合体10を準備する工程を有する。このような製造方法によれば、第1の板状導体14aに複数の第1の端子部を設け、互いに隣接する第1の端子部間に樹脂が入り込むことで、第1の接続導体14と樹脂との密着性が向上して、第1の接続導体14が樹脂から抜けることを抑制することができる。
【0055】
本実施の形態のモジュール1の製造方法によれば、端子集合体10は、第1の板状導体14a、複数の第1の端子部14b、及び複数の連結部34を保持する樹脂ブロック20を備え、第1の板状導体14a、複数の第1の端子部14b、及び複数の連結部34は、樹脂ブロック20の外周面に沿って設けられる。このような製造方法によれば、研磨などで複数の連結部34を除去した際に、第1の板状導体14a及び複数の第1の端子部14bは樹脂ブロック20で保持されているため、第1の板状導体14aと複数の第1の端子部14bとを単体で扱うよりも、回路基板2への実装性を向上することができる。
【0056】
本実施の形態のモジュール1の製造方法によれば、端子集合体10を準備する工程において、第2の接続導体24は、第2の板状導体24aの一方の端部から遠ざかる方向に第2の板状導体24aから延びるとともに互いに隣接する複数の第2の端子部24bを有する。また、複数の連結部34は、複数の第1の端子部14bの先端部と第2の端子部24bの先端部とを連結するとともに互いに間隔をあけて配置される。このような製造方法によれば、互いに隣接する第1の端子部14b間及び互いに隣接する第2の端子部24b間に封止樹脂5が入り込みやすくなる。そのため、第1の接続導体14と封止樹脂5との密着性及び第2の接続導体24と封止樹脂5との密着性が向上して、第1の接続導体14及び第2の接続導体24が封止樹脂5から抜けることを抑制することができる。
【0057】
<変形例1>
次に図15図16を用いて端子集合体の変形例について説明する。図15は、変形例2における端子集合体100の展開図である。図16は、回路基板2と第1の接続導体114の第1の支持部114cとの接続箇所、及び、回路基板2と第2の接続導体124の第2の支持部124cとの接続箇所を示した図である。図15に記載の点線は連結部において除去する部分である。端子集合体100を回路基板2に実装したのち、連結部134を除去することによって、第1の接続導体114及び第2の接続導体124を形成することができる。図16で示すように、端子集合体100は、複数の第1の支持部114cの間隔は、複数の第2の支持部124cの間隔よりも広い構造となっている。このような構成によれば、図16に示すように、複数の第1の支持部114cの間に電子部品3(図1参照)や回路基板2に配線パターン(図示省略)を形成するエリアを確保しやすくなる。
【0058】
<変形例2>
次に、図17を用いてモジュール1の変形例について説明する。図17は変形例2におけるモジュール1の平面図である。図示の便宜上、図17において、接続導体4は一本の太線で記載されている。変形例2において、接続導体4は、モジュール1を平面視した際に、回路基板2の表面S1(図14参照)に形成された電極6のうち、最も外側に形成された電極6と接続される。このような構成によれば、回路基板2において最も外側の電極6に接続導体4を配置されるので、電子部品3を実装するためのエリアをより広く確保することができる。また、接続導体4の線膨張係数が回路基板2を構成する絶縁性材料の線膨張係数よりも小さい場合、回路基板2において最も外側に形成された電極6と接続導体4は接続されるため、接続導体4が回路基板2の反りを抑制することができ、回路基板2が反りにくくなる。なお、接続導体4を回路基板2において、一方向に配置するだけでなく、異なる方向に配置するとより回路基板2が反りにくくなる。
【0059】
<変形例3>
次に、図18を用いてモジュール1の変形例を説明する。図18は変形例3におけるモジュール1の平面図である。図示の便宜上、図18において、接続導体4は一本の太線で記載されている。変形例3において、接続導体4は、モジュール1を平面視した際に、電子部品3を囲むように配置されている。また、接続導体4の熱伝導率は、封止樹脂(図1参照)よりも高いことが好ましい。このような構成によれば、特に発熱する電子部品(例えば、IC部品)の周囲を囲うように配置することで、より放熱性を向上させることができる。なお、接続導体4は、電子部品3の周囲を隙間なく囲っている必要はなく、部分的に隙間を有していてもよい
【0060】
<変形例4>
次に図19を用いて、モジュール1の変形例について説明する。図19は変形例4におけるモジュール1の平面図である。図19に示すモジュール1は、少なくとも回路基板2の表面S1(図14参照)に電子部品3、回路基板2の裏面S2(図14参照)に接続導体4を実装した回路基板を備える。モジュール1を裏面S2側から平面視した際、図19のように、回路基板2の表面S1に実装された電子部品3と回路基板2の裏面S2に実装された接続導体4とは、少なくとも一部が重なる位置に配置される。このような構成によれば、回路基板2の表面S1に実装した電子部品3から発生する熱を、回路基板2を介して回路基板2の裏面S2に実装した接続導体4に伝導させて放熱しやすくすることができる。
【0061】
<変形例5>
次に図20を用いて、端子集合体10の変形例について説明する。図20は変形例5における端子集合体200の展開図である。図20に示す端子集合体200は、複数の連結部234を接続する吸着部240を備える点で図5に示す端子集合体10と異なる。このような構成によれば、実装機(図示省略)が端子集合体200を吸着する際に、連結部234が実装機で吸着するための吸着面積を有していなくても、吸着部240により吸着面積を増やすことができる。その結果、実装機が吸着部240を吸着することで、安定的に端子集合体200を回路基板2へ実装しやすくなる。
【0062】
<変形例6>
次に、図21図22図23、及び図24を用いて、モジュール50の製造方法の変形例について説明する。図21は変形例6におけるモジュールの製造方法で製造されたモジュール50を示す断面図である。図22図23、及び図24は、モジュール50の製造方法の一例について示す断面図である。
【0063】
まず、図21に示す変形例6により製造されたモジュール50について説明する。モジュール50は、回路基板2の表面S1に接続導体4、電子部品3を備え、回路基板2の裏面S2に電子部品3を備える。変形例6は、モジュール50において板状導体4aの側面とシールド導体31が接続している点で、図14に示すモジュール1と形態が異なる。板状導体4aとシールド導体31の接触面積は、封止樹脂5から露出した端子部4bにおける先端部の面積よりも大きい。このような構成によれば、図14に示すシールド導体31と接続導体4における端子部4bとが接続した場合よりも、図21に示すシールド導体31と接続導体4における板状導体4aが接続した場合の方が、グランド電位の安定性をより向上させることができる。また、板状導体4aとシールド導体31が接続しているため、接続導体4が封止樹脂5からより抜けにくくなる。
【0064】
図22に示すように、回路基板2の表面S1に封止樹脂5で封止された接続導体4と電子部品3とを実装し、回路基板2の裏面S2に封止樹脂5で封止された電子部品3を実装した親基板50Aを準備する。親基板50Aは後述する複数のモジュール50を有する。次いで、図23に示すように、接続導体4の板状導体4aを二つに分割するように親基板50Aを回路基板2の厚さ方向に切断する。次いで、図24に示すように、2つに分割されたモジュール51の表面及び露出した接続導体4をスパッタ装置や真空蒸着装置を用いて、導電性のシールド導体31を形成する。このような製造方法によれば、親基板50Aの切断と同時に接続導体4を露出させることができるので、簡易な製造方法でシールド導体31と接続導体4とを電気的に接続することができる。
【0065】
<変形例7>
次に、図25を用いて接続導体4の変形例について説明する。図25は、接続導体4の変形例7を示す断面図である。図25に示すように、変形例7における接続導体40は、板状導体40aにおいて回路基板2の一方の主面から遠ざかる方向に延びる複数の端子部40bと、板状導体40aにおいて回路基板2の一方の主面に近づけ方向に延びる複数の支持部40cとを備える。支持部40cの先端と回路基板2の電極6は、例えば、半田などの導電性接合材8を介して電気的に接続されていてもよく、回路基板2の電極6と支持部40cの先端が直接接触することにより電気的に接続される構成でもよい。変形例7において、回路基板2の電極6と複数の支持部40cとが接触する合計面積は複数の端子部40bの先端部が封止樹脂5から露出する合計面積よりも大きい構成となっている。このような構成によれば、支持部40cが電極6と接触する面積が増えるので接続導体40と回路基板2の電極6との密着性が向上する。そのため、接続導体40が封止樹脂5から抜けにくくなる。また、図25に示すように、板状導体40aの長手方向における複数の端子部40bの間隔は、板状導体40aの長手方向における複数の支持部40cの間隔よりも広い構成となっている。
【0066】
本開示は、添付図面を参照しながら好ましい実施の形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した特許請求の範囲による本開示の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。また、各実施の形態における要素の組合せや順序の変化は、本開示の範囲および思想を逸脱することなく実現し得るものである。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、通信携帯端末のマザー基板などに実装されるモジュール及び端子集合体、また、通信携帯端末のマザー基板などに実装されるモジュールの製造方法であれば適用可能である。
【符号の説明】
【0068】
1、50 モジュール
2 回路基板
3 電子部品
4、40 接続導体
4a、40a 板状導体
4b、40b 端子部
4c、40c 支持部
5 封止樹脂
6 回路基板2の表面に形成された電極
7 回路基板2の裏面に形成された電極
8 導電性接合材
10、100、200 端子集合体
14、114、214 第1の接続導体
14a、114a、214a 第1の板状導体
14b、114b、214b 第1の端子部
14c、114c、214c 第1の支持部
20 樹脂ブロック
24、124、224 第2の接続導体
24a、124a、224a 第2の板状導体
24b、124b、224b 第2の端子部
24c、124c、224c 第2の支持部
30、31 シールド導体
34、134、234 連結部
50A 親基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25