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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-13
(45)【発行日】2022-06-21
(54)【発明の名称】食品原料流通支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20120101AFI20220614BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20220614BHJP
【FI】
G06Q30/06 312
G06Q30/02 470
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018156163
(22)【出願日】2018-08-23
(65)【公開番号】P2020030640
(43)【公開日】2020-02-27
【審査請求日】2020-07-09
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 発行者 信濃毎日新聞社 刊行物 信濃毎日新聞 朝刊 第6面 発行日 平成30年7月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】518109561
【氏名又は名称】ICS-net株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088579
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 茂
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小池 祥悟
(72)【発明者】
【氏名】北澤 真希
(72)【発明者】
【氏名】池 務
【審査官】原 忠
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-036867(JP,A)
【文献】黒澤 康雄,加工食品原材料のトレーサビリティ構築 第1回,月刊自動認識,日本,日本工業出版株式会社,2005年10月02日,第18巻 第12号
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品原料を売却する売却希望者を登録した売却希望者データベースと、売却希望者が売却する食品原料を登録した食品原料データベースと、食品原料を買取る買取希望者を登録した買取希望者データベースと、前記各データベースを管理し、かつ食品原料の流通を支援する流通支援用コンピュータプログラムに基づいて処理を行うサーバコンピュータと、インターネットを介して前記サーバコンピュータにアクセス可能な前記売却希望者側及び前記買取希望者側のクライアントコンピュータとを備える食品原料流通支援システムであって、前記食品原料データベースに、少なくとも、賞味期限及び/又は消費期限,賞味期限及び/又は消費期限の表示方法,保存方法,使用基準の一又は二以上を含み、かつ廃棄対象を含む食品原料の少なくとも管理に係わる管理関連データ,及び前記サーバコンピュータに登録した規格書フォーマットに基づいて作成し、かつ前記サーバコンピュータの管理者により指定された規格基準に適合する規格関連データを含むとともに、少なくとも、各種菌類の定性結果,各種菌類の定量結果,PH値,配合成分,栄養成分の一又は二以上を含む規格書データを、対応する食品原料データに対して紐付け登録した規格書データベースを設け、前記買取希望者のクライアントコンピュータからの選択により、規格書データを閲覧処理可能に構成したことを特徴とする食品原料流通支援システム。
【請求項2】
前記サーバコンピュータは、少なくとも、前記登録した情報に基づいて解析処理を行う解析処理機能,この解析処理の結果に基づいて今後の動向を予測する動向予測処理機能,解析処理の結果及び/又は動向予測処理の結果を前記クライアントコンピュータへ送信する送信処理機能の一又は二以上のレポート処理機能を備えることを特徴とする請求項1記載の食品原料流通支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品原料の流通を支援することにより食品原料の無駄を削減するための食品原料流通支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電子商取引(EC)サイト、即ち、インターネットを利用したネットショップ等による商取引が普及しているが、特に、食料品に関しては、野菜や食肉等の生鮮食料品から加工食品まで性質の異なる様々な商品が存在することから、食料品の性質別に特化したECサイトも提案されている。
【0003】
従来、この種のECサイトに基づく流通システムとしては、特許文献1に開示される生鮮食料品電子取引装置及び特許文献2に開示される生鮮魚介類の流通システムが知られている。
【0004】
同文献1に記載される生鮮食料品電子取引装置は、インターネット上の仮想市場を展開し、売り手側、買い手側の双方が簡単に生鮮食料品を取引可能にすることを目的としたものであり、具体的には、水産企業等の生鮮食料品の各売手側端末は、バーチャル生鮮食品市場であるサーバに、商品名、数量、希望卸売価格を登録するとともに、他方、買手側端末は、サーバに接続して自身の必要な商品を検索させ、商品名、数量、希望仕入価格を設定し、それをサーバに登録し、自身が売りに出した各商品に注文を確認できるようにするとともに、その際、その一つの商品に注文がある場合には、その注文に対して受注する、保留にする、拒否する、の三つの中から選択可能に表示され、選択内容はサーバに登録され、注文してきた買手側端末に回答されるようにしたものである。
【0005】
また、同文献2に開示される生鮮魚介類の流通システムは、産地から提供される生鮮魚介類を消費者の要望する調理方法で調理して提供することを目的としたものであり、具体的には、消費者に供給する生鮮魚介類情報及び供給元である供給者情報が蓄積された供給者データベースを備えた管理者サーバが、ネットワークを介して接続された消費者側端末からの要求に応じて生鮮魚介類情報を提供し、消費者側端末からの購入要求に基づき生鮮魚介類の受注情報を供給者側端末に送信する生鮮魚介類の流通システムにおいて管理者サーバが、生鮮魚介類の調理者情報が蓄積された調理者データベースを備え、供給者データベースから選択された生鮮魚介類に適した調理者情報を調理者情報データベースから選定する調理者選定手段と、複数の運送者情報を蓄積する運送者データベースと、消費者側端末若しくは調理者側端末が運送者データベースより所定の運送者を選択する運送者選択手段とにより構成されたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2004-204432号公報
【文献】特開2007-018033号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上述した従来の流通システムは、次のような問題点、即ち、解決すべき課題も存在した。
【0008】
第一に、食料品の性質別に特化した流通システムであるとしても、基本的には、商品販売者と一般消費者等の購入者間における通常の商品売買の範疇にすぎない。一方、食料品の場合、食品原料の観点から見た場合、主たる販売先が食品加工会社となるなど、一般消費者への販売を対象としない食品原料,或いは賞味期限等の関係から廃棄対象となる食品原料等も少なくない。このような通常の商品売買の範疇から外れる食品原料の場合、通常の流通システムを利用できないことから、販売しにくい或いは購入しにくい現状があり、結局、利用できる食品原料であるにも拘わらず、自身が利用しないという理由により廃棄されることも多いなど、食品資源の無駄を招く難点があった。
【0009】
第二に、通常の流通システムを利用できない、いわばマイナーな物品については、インターネットを利用し、個人売買形式により取引を行うことも可能であるが、特定の食品加工会社等の要求に応じて納入する食品原料,或いは廃棄対象となる食品原料の場合、食品原料の品質或いは売却希望者又は買取希望者の信頼性の確認は容易でない。結局、食料品の品質に係わる情報などを所有する専門家でない以上、買取希望者又は売却希望者が自己責任の範囲で調査や確認を行なうには限界があり、食品原料の品質、更には売却希望者又は買取希望者の信頼性について十分に確認(確保)できない難点があった。
【0010】
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決した食品原料流通支援システムの提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上述した課題を解決するため、食品原料R(Rは図示せず)を売却する売却希望者Hs…を登録した売却希望者データベースDsと、売却希望者Hs…が売却する食品原料Rを登録した食品原料データベースDmと、食品原料Rを買取る買取希望者Hb…を登録した買取希望者データベースDbと、各データベースDm,Ds,Dbを管理し、かつ食品原料Rの流通を支援する流通支援用コンピュータプログラムPfに基づいて処理を行うサーバコンピュータ2と、インターネットNを介してサーバコンピュータ2にアクセス可能な前記売却希望者Hs…側及び前記買取希望者Hb…側のクライアントコンピュータ3s…及び3b…とを備える食品原料流通支援システム1であって、食品原料データベースDmに、少なくとも、賞味期限及び/又は消費期限,賞味期限及び/又は消費期限の表示方法,保存方法,使用基準の一又は二以上を含み、かつ廃棄対象を含む食品原料Rの少なくとも管理に係わる管理関連データEsc,及びサーバコンピュータ2に登録した規格書フォーマットMに基づいて作成し、かつサーバコンピュータ2の管理者Hcにより指定された規格基準に適合する規格関連データEseを含むとともに、少なくとも、各種菌類の定性結果,各種菌類の定量結果,PH値,配合成分,栄養成分の一又は二以上を含む規格書データEpを、対応する食品原料データEfに対して紐付け登録した規格書データベースDeを設け、買取希望者Hbのクライアントコンピュータ3bからの選択により、規格書データEp…を閲覧処理可能に構成したことを特徴とする。
【0012】
この場合、発明の好適な態様により、サーバコンピュータ2には、少なくとも、登録した情報に基づいて解析処理を行う解析処理機能,この解析処理の結果に基づいて今後の動向を予測する動向予測処理機能,解析処理の結果及び/又は動向予測処理の結果をクライアントコンピュータ3s,3bへ送信するレポート送信機能の一又は二以上のレポート処理機能Frを設けることができる。
【発明の効果】
【0013】
このような構成を有する本発明に係る食品原料流通支援システム1によれば、次のような顕著な効果を奏する。
【0014】
(1) 一般消費者への販売を対象としない食品原料Rや賞味期限等の関係から廃棄対象となる食品原料Rなどであっても、本発明に係る食品原料流通支援システム1を利用することにより、容易に売却可能になるとともに容易に買取可能になるため、無駄になる虞れのある食品原料Rの流通を支援し、食品資源の無駄を招く問題を有効に低減できる。
【0015】
(2) 食品原料データベースDmに、食品原料Rの少なくとも管理に係わる管理関連データEsc…及び規格に係わる規格関連データEse…を含む規格書データEp…を紐付け登録した規格書データベースDeを備え、買取希望者Hbのクライアントコンピュータ3bからの選択により、規格書データEp…を閲覧処理可能に構成したため、食品原料Rの品質及び売買取引に係わる信頼性を十分に確保することができ、売買取引を安全かつ安心して行うことができる。
【0016】
(3) 食品原料Rに、廃棄対象の食品原料Rを含ませたため、本来廃棄されてしまう食料品の有効利用を図ることができ、食品原料流通支援システム1の有効性を確保する観点から最も望ましい形態(態様)により実施できる。
【0017】
(4) サーバコンピュータ2に登録した規格書フォーマットMに基づいて、規格書データEpを作成したため、様々な売買取引において、共通の規格書フォーマットMを利用できる。これにより、バラツキが生じにくく、かつ過不足のない一定水準以上の規格書を確保できる。
【0018】
(5) 規格書データEpは、サーバコンピュータ2の管理者Hcにより指定された規格基準に適合させたため、管理者Hcの管理下に基づく高水準の規格を確保できる。これにより、規格書の信頼性を高めることができ、売却希望者Hs又は買取希望者Hbは安心して売買取引を行うことができる。
【0019】
(6) 管理関連データEscには、少なくとも、賞味期限及び/又は消費期限,賞味期限及び/又は消費期限の表示方法,保存方法,使用基準の一又は二以上を含ませたため、食品原料Rの管理に必要とする一定項目以上の管理関連データEscを確保できる。これにより、管理項目の種類を確保する観点から信頼性の高い規格書データEpを担保することができる。
【0020】
(7) 規格関連データEseには、少なくとも、各種菌類の定性結果,各種菌類の定量結果,PH値,配合成分,栄養成分の一又は二以上を含ませたため、食品原料Rの規格を把握する上で必要となる一定項目以上の規格関連データEseを確保できる。これにより、規格項目の種類を確保する観点から信頼性の高い規格書データEpを担保することができる。
【0021】
(8) 好適な態様により、サーバコンピュータ2に、少なくとも、登録情報に基づいて解析処理を行う解析処理機能,この解析処理の結果に基づいて今後の動向を予測する動向予測処理機能,解析処理の結果及び/又は動向予測処理の結果をクライアントコンピュータ3s,3bへ送信するレポート送信機能の一又は二以上のレポート処理機能Frを設ければ、登録情報に基づいて、食品原料Rの動向、例えば、季節要因による流通動向,食品原料Rの売却分野又は買取分野による流通動向等の現状の動向に係わる情報を確実に収集できるため、売却希望者Hs及び買取希望者Hbは、解析処理や動向予測の結果を参考にすることにより、より的確な売買取引を実現できるなど、更なる発展的な流通支援を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の好適実施形態に係る食品原料流通支援システムの全体のシステム構成を示すブロック系統図、
図2】同食品原料流通支援システムを利用する際の売却希望者,買取希望者及び管理者の関係を示すフローチャート、
図3】同食品原料流通支援システムを利用する際の売却希望者及び買取希望者の登録手順を説明するためのフローチャート、
図4】同食品原料流通支援システムを利用する際の売却希望者が売却する食品原料を登録する際の登録手順を説明するためのフローチャート、
図5】同食品原料流通支援システムにおける売却希望者のマイページに表示される売却希望の食品原料リストの画面図、
図6】同食品原料流通支援システムにおける買取希望者のマイページに表示される規格書の画面図、
図7】同食品原料流通支援システムにおける売却希望者のマイページに表示されるトップページの画面図、
図8】同食品原料流通支援システムにおける買取希望者のマイページに表示される買取希望により選択した食品原料の画面図、
図9】同食品原料流通支援システムを利用する際の買取希望者が買い取る際の買取手順を説明するためのフローチャート、
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、本発明に係る好適実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
【0024】
まず、本実施形態に係る食品原料流通支援システム1の全体のシステム構成について、図1を参照して説明する。
【0025】
図1に示す食品原料流通支援システム1は、インターネットNを利用したものであり、このインターネットNには、食品原料流通支援システム1の管理者により管理されるサーバコンピュータ2,売却希望者Hsにより管理される多数の売却希望者端末となるクライアントコンピュータ3s…,買取希望者Hbにより管理される多数の買取希望者端末となるクライアントコンピュータ3b…がそれぞれ接続される。
【0026】
サーバコンピュータ2は、図1に示すように、コンピュータ機能を有するコンピュータハードウェアにより構成し、ハードディスク等を用いた情報記憶手段(内部メモリ)4が付属する。この情報記憶手段4は、各種データを書込可能なデータエリア4dとコンピュータプログラムを格納可能なプログラムエリア4pを備える。
【0027】
そして、データエリア4dには、各種データの書込みにより構築されるデータベース、即ち、本実施形態に係る食品原料流通支援システム1を機能させる際に必要となるデータベースDm,Ds,Dbを備える。具体的には、食品原料Rを売却する売却希望者Hs…を登録した売却希望者データベースDs,売却希望者Hs…が売却する食品原料Rを登録した食品原料データベースDm,及び食品原料Rを買取る買取希望者Hb…を登録した買取希望者データベースDbを備える。
【0028】
さらに、食品原料Rの少なくとも管理に係わる管理関連データEsc…及び規格に係わる規格関連データEse…を含む規格書データEp…を、対応する食品原料データEfに対して紐付け登録した規格書データベースDeを備える。この規格書データEp…は、後述するように、買取希望者Hbのクライアントコンピュータ3bからの選択により閲覧処理可能となる。
【0029】
図6に、規格書データEpに基づいて表示される規格書10を示す。この規格書データEpは、サーバコンピュータ2に登録した規格書フォーマットMに基づき、売却希望者Hsのデータ入力により作成することができる。このため、サーバコンピュータ2には、管理者Hcにより作成された規格書フォーマットMが予め用意される。したがって、このような規格書フォーマットMを用いれば、様々な売買取引において、共通の規格書フォーマットMを利用できるため、バラツキが生じにくく、かつ過不足のない一定水準以上の規格書を確保できる利点がある。
【0030】
また、規格書データEpに記載される内容は、サーバコンピュータ2の管理者Hcにより指定された規格基準に適合する必要がある。したがって、後述するように、管理者Hcによる審査の結果、不適合と判断された場合には、規格書データベースDeとして登録されることがなく、結果的に、紐付け先の食品原料データEfも食品原料データベースDmとして登録されないことになる。このように、規格書データEpを、サーバコンピュータ2の管理者Hcにより指定された規格基準に適合させるようにすれば、管理者Hcの管理下に基づく高水準の規格を確保できるため、規格書の信頼性を高めることができる。この結果、売却希望者Hs又は買取希望者Hbは安心して売買取引を行うことができる。
【0031】
この規格書データEp(規格書10)には、図6に示すように、上から、食品原料Rの名称に係わる項目H1,国際認証規格に係わる項目H2,配合される原材料に係わる項目H3,仕様に係わる項目H4,原料規格に係わる項目H5,栄養成分の分析結果に係わる項目H6,商品特徴等の備考欄に係わる項目H7の入力欄が設けられている。したがって、この規格書10(規格書データEp)には、少なくとも、管理関連データEscと規格関連データEseが含まれる。
【0032】
この場合、管理関連データEscには、少なくとも、賞味期限及び/又は消費期限,賞味期限及び/又は消費期限の表示方法,保存方法,使用基準の一又は二以上を含めることができ、規格書10(規格書データEp)における仕様に係わる項目H4が対応する。このように、規格書10(規格書データEp)の中に、これらの管理関連データEscを含ませれば、食品原料Rの管理に必要とする一定項目以上の管理関連データEscを確保できるため、管理項目の種類を確保する観点から信頼性の高い規格書データEpを担保することができる。
【0033】
また、規格関連データEseには、少なくとも、各種菌類の定性結果,各種菌類の定量結果,PH値,配合成分,栄養成分の一又は二以上を含ませることができ、規格書10(規格書データEp)における、配合される原材料に係わる項目H3,原料規格に係わる項目H5,栄養成分の分析結果に係わる項目H6が対応する。この場合、配合される原材料に係わる項目H3には、法律上定められた全ての配合成分に係わる原材料名と、各原材料名の成分値,遺伝子組換えの有無状況,アレルゲン(アレルギー原因の抗原物質)の有無状況等を含めることができる。原料規格に係わる項目H5には、少なくとも、形状や水分量等の一般的な規格項目に加え、各種菌類の定性結果,各種菌類の定量結果,PH値等を含めることができる。栄養成分の分析結果に係わる項目H6には、エネルギー,炭水化物,たんぱく質,塩分等の各種栄養成分を含めることができる。このように、規格書10(規格書データEp)の中に、これらの規格関連データEseを含ませれば、食品原料Rの規格を把握する上で必要となる一定項目以上の規格関連データEseを確保できるため、規格項目の種類を確保する観点から信頼性の高い規格書データEpを担保することができる。
【0034】
一方、食品原料Rには、食品原料流通支援システム1の有効性を高める観点から廃棄対象となっている食品原料Rを含めることが望ましい。廃棄対象の食品原料Rとは、例えば、新商品開発のために購入した食品原料Rの一部が余った場合、販売数の見込み違いにより本来の生産数に達することなく余りが生じた場合など、様々な要因が想定される。また、食品原料Rを使い切る前に、賞味期限に達した場合なども有効利用が可能である。食品原料Rは、使用する分野により、必ずしも賞味期限に左右されない分野も存在する。例えば、家畜の飼料やペットの餌などの生産では、賞味期限よりも低価格を望む買取希望者Hbも存在する。このように、食品原料Rとして、特に、廃棄対象の食品原料Rを含ませれば、本来廃棄されてしまう食料品の有効利用を図れるため、食品原料流通支援システム1の有効性を確保する観点から最も望ましい形態(態様)により実施できる利点がある。
【0035】
他方、プログラムエリア4pには、コンピュータ機能を実現する基本プログラムをはじめ、本実施形態に係る食品原料流通支援システム1を機能させるアプリケーションソフトウェアによる流通支援用コンピュータプログラムPfをインストールする。これにより、サーバコンピュータ2は、図1に示す、少なくとも、食品原料Rを売却する売却希望者Hs…の登録及び食品原料R(規格書データEp…を含む食品原料データEf)などの登録を行う売却側登録機能Fs、食品原料Rを買取る買取希望者Hb…などの登録を行う買取側登録機能Fb、後述するレポート処理機能Fr及びコンシェルジュ機能Fcを含む各種機能を実現できる。
【0036】
これにより、少なくとも、買取希望者Hbのクライアントコンピュータ3bからサーバコンピュータ2がアクセスされ、食品原料データベースDmから検索情報に基づく食品原料Rが選択されたなら、この食品原料Rを売却する売却希望者Hsのクライアントコンピュータ3sに、買取希望者Hbの買取希望に基づく送信処理を行うことができる。即ち、サーバコンピュータ2は、各データベースDm,Ds,Dbを管理し、かつ流通支援用コンピュータプログラムPfに基づいて、食品原料Rの売買に係わる流通を支援する処理を行うことができる。
【0037】
次に、本実施形態に係る食品原料流通支援システム1における売却希望者Hs,管理者Hc,及び買取希望者Hbの三者関係の概要について、図2に示す売買取引の時系列フローチャートに従って説明する。
【0038】
なお、売却希望者Hs及び買取希望者Hbが食品原料流通支援システム1を利用するに際しては、後に詳述するように、予め会員登録を行う。今、野菜等の食品原料Rを売却したい売却希望者Hsが食品原料流通支援システム1を利用する場合を想定する。この場合、売却希望者Hs(クライアントコンピュータ3s)は、食品原料Rに係わる情報を管理者Hc(サーバコンピュータ2)に送信する(ステップSA1)。管理者Hcは食品原料Rに係わる情報を受信したなら食品原料データベースDmとして登録する(ステップSA2,SA3)。
【0039】
一方、食品原料Rを買取りたい買取希望者Hbが食品原料流通支援システム1を利用する場合を想定する。この場合、買取希望者Hb(クライアントコンピュータ3b)は、サーバコンピュータ2(管理者Hc)にアクセスし、食品原料データベースDmから買取希望の食品原料Rを検索する(ステップSA4)。この結果、買取希望の食品原料Rを見つけた場合には、その食品原料Rに係わる売却希望者Hsに、買取希望に基づく送信を行う(ステップSA5)。この際、必要に応じて、食品原料Rのサンプル品の要求や見積書の要求等、必要な確認を行うためのリクエストを含めることができる(ステップSA51,SA52)。他方、売却希望者Hsは、買取希望者Hbからの送信を受信したなら、在庫確認等を行い、注文受諾の返信を行う(ステップSA6)。この際、買取希望者Hbからのリクエストに応じて、サンプル品の発送や見積書の送信などの対応処理を行う(ステップSA61,SA62)。
【0040】
そして、買取希望者Hbが必要な確認等を行い、最終的に買取りを決定した場合には、その旨の返信を行う(ステップSA7)。売却希望者Hsは買取希望者Hbからの返信を受領したなら最終的な受諾を行う(ステップSA8)。これにより、売却希望者Hsと買取希望者Hb間の売買取引が成立する(ステップSA9)。この後、買取希望者Hbは、必要な支払い処理を行うとともに、売却希望者Hsは、対応する食品原料Rの発送処理を行う(ステップSA10,SA11)。以上により、一連の売買取引が終了する。
【0041】
また、サーバコンピュータ2には、レポート処理機能Fr、更にはコンシェルジュ機能Fcを備えている。
【0042】
サーバコンピュータ2(管理者Hc)は、上述した買取希望者Hbと売却希望者Hsの取引状況、食品原料Rの登録状況等を継続的に監視(把握)することができる。したがって、サーバコンピュータ2には、少なくとも、登録情報に基づいて解析処理を行う解析処理機能,この解析処理の結果に基づいて今後の動向を予測する動向予測処理機能,解析処理の結果及び/又は動向予測処理の結果をクライアントコンピュータ3s,3bへ送信するレポート送信機能の一又は二以上のレポート処理機能Frを備えており、売却希望者Hs及び買取希望者Hbは、解析処理や動向予測の結果を参考にできる(ステップSA12,SA13,SA14)。
【0043】
このようなレポート処理機能Frを設ければ、登録情報に基づいて、食品原料Rの動向、例えば、季節要因による流通動向,食品原料Rの売却分野又は買取分野による流通動向等の現状の動向に係わる情報を確実に収集できるため、売却希望者Hs及び買取希望者Hbは、解析処理や動向予測の結果を参考にすることにより、より的確な売買取引を実現できる。この結果、更なる発展的な流通支援を行うことができる。
【0044】
さらに、管理者Hcは、買取希望者Hbと売却希望者Hsの取引状況、食品原料Rの登録状況等を継続的に監視(把握)することができるため、売却希望者Hs及び買取希望者Hbの要求に応じ、コンシェルジュ機能Fcにより、食品原料Rの活用方法等を含む様々なアドバイスやコンサルティングを行うことができる(ステップSA15,SA16,SA17)。
【0045】
したがって、このような食品原料流通支援システム1によれば、一般消費者への販売を対象としない食品原料Rや賞味期限等の関係から廃棄対象となる食品原料Rなどであっても、本発明に係る食品原料流通支援システム1を利用することにより、容易に売却可能になるとともに容易に買取可能になるため、無駄になる虞れのある食品原料Rの流通を支援し、食品資源の無駄を招く問題を有効に低減できる。
【0046】
また、食品原料データベースDmに、食品原料Rの少なくとも管理に係わる管理関連データEsc…及び規格に係わる規格関連データEse…を含む規格書データEp…を紐付け登録した規格書データベースDeを備え、買取希望者Hbのクライアントコンピュータ3bからの選択により、規格書データEp…を閲覧処理可能に構成したため、食品原料Rの品質及び売買取引に係わる信頼性を十分に確保することができ、売買取引を安全かつ安心して行うことができる。
【0047】
次に、本実施形態に係る食品原料流通支援システム1を利用する際における売却希望者Hs及び買取希望者Hbの登録方法(登録手順)について、図3に示すフローチャートを参照して説明する。
【0048】
まず、登録を希望する者は、クライアントコンピュータ3s,3bからサーバコンピュータ2にアクセスし、食品原料流通支援システム1に従って設けられたWebサイト(ホームページ)画面をクライアントコンピュータ3s,3bのディスプレイ(Vd)に表示する(ステップS1)。
【0049】
この際、登録を希望する者が売却希望者Hsの場合には、ディスプレイ(Vd)に表示された登録画面(図示を省略)に基づいて「売却」タブを選択し、売却希望者登録フォーム(図示を省略)に切換えることにより、氏名(会社名),住所,業種等の必要な情報を入力するとともに、必要な全ての情報の入力が終了したなら確認キーをONにして送信する(ステップS2,S3)。
【0050】
一方、管理者Hc(サーバコンピュータ2)は、受信した売却希望者Hsの情報を審査し、管理者Hc側で設定した一定の登録基準に適合するか否かを判断する(ステップS4)。なお、登録基準は、売却希望者Hsが一定の信頼性を有するか否かなどの一般的な基準に加え、管理者Hc側で設定した個別の基準が含まれる。特に、本実施形態の場合、登録基準として、売却希望者Hs又は買取希望者Hbの一方にのみに制限するとともに、一業種一社制を採用している。この理由は、買取希望者Hbは、売却希望者Hsの規格書データEpを閲覧できるため、競合他社に対する商品開発動向等の情報漏れを回避するためである。個別の登録基準を一例として示したが、このような登録基準は、管理者Hc側で任意に設定することができる。
【0051】
そして、管理者Hcが適合すると判断した場合には、売却希望者Hsとして受信した情報と共に登録する(ステップS5,S6)。即ち、サーバコンピュータ2では、売却希望者Hsデータとして、売却希望者データベースDsに追加登録するとともに、売却希望者Hsのマイページを作成する(ステップS7)。他方、管理者Hcが不適合と判断した場合には不適合の理由を通知する。これにより、売却希望者Hsは、必要な修正を行うことができる。なお、最終的に登録基準を満たさない場合であっても買取希望者Hbとしての登録可能性があるため、買取希望者Hbとしての登録を希望する場合には、後述する買取希望者Hbとしての登録ステップを行うことができる(ステップS5,S2,S11)。一方、登録処理が終了した後、売却したい食品原料Rがある場合には、後述する図4に示すフローチャートに従って売却する食品原料Rの登録処理、更には、この後における売買処理を行うことができる(ステップS8,S9,S10)。
【0052】
他方、登録を希望する者が買取希望者Hbの場合には、ディスプレイ(Vd)に表示された登録画面(図示を省略)に基づいて「買取」タブを選択し、買取希望者登録フォーム(図示を省略)に切換えることにより、氏名(会社名),住所,業種等の必要な情報を入力するとともに、必要な全ての情報の入力が終了したなら確認キーをONにして送信する(ステップS11,S12)。
【0053】
一方、管理者Hc(サーバコンピュータ2)は、受信した買取希望者Hbの情報を審査し、管理者Hc側で設定した一定の登録基準に適合するか否かを判断する(ステップS13)。なお、登録基準は、上述した売却希望者Hsと基本的には同じとなる。この結果、管理者Hcが適合すると判断した場合には、買取希望者Hbとして受信した情報と共に登録する(ステップS14,S15)。即ち、サーバコンピュータ2では、買取希望者Hbデータとして、買取希望者データベースDbに追加登録するとともに、買取希望者Hbのマイページを作成する(ステップS16)。他方、管理者Hcが不適合と判断した場合には不適合の理由を通知する。これにより、買取希望者Hbは、必要な修正を行うことができる。なお、最終的に登録基準を満たさない場合であっても、上述した売却希望者Hsの場合と同様に、売却希望者Hsとしての登録可能性があるため、売却希望者Hsとしての登録を希望する場合には、売却希望者Hsとしての登録ステップを行うことができる(ステップS14,S2)。一方、登録処理が終了した後、買取りたい食品原料Rを検索する場合には、後述する図9に示すフローチャートに従って検索処理を行うとともに、この後における売買処理を行うことができる(ステップS17,S18,S19)。
【0054】
次に、売却希望者Hsが食品原料Rを登録する際の手順について、図5図7を参照しつつ図4に示すフローチャートに従って説明する。
【0055】
まず、売却希望者Hsは、クライアントコンピュータ3sからサーバコンピュータ2にアクセスし、Webサイト画面をクライアントコンピュータ3sのディスプレイ(Vd)に表示し、ID,キーワード等を入力してログインする(ステップS21)。これにより、食品原料登録画面(図示を省略)が表示される(ステップS22)。この食品原料登録画面では、最初に、食品原料Rに係わる基本的な情報を入力する(ステップS23)。
【0056】
図5にはディスプレイ(Vd)に表示されるマイページの管理画面V11を示す。図5に示す管理画面V11には、上段に公開中の食品原料Rを表示する食品原料表示部11a,11bを有する公開中表示欄11を配し、中段に商談中の食品原料Rを表示する食品原料表示部12a,12bを有する商談中表示欄12を配し、下段に掲載の終了した食品原料Rを表示する食品原料表示部13a,13bを有する掲載終了表示欄13を配する。したがって、食品原料登録画面では、図5に示す管理画面V11の食品原料表示部11a…に表示される各食品原料R…に係わる情報を入力することができる。例示の場合、写真(添付),セールスポイント,産地,品名,賞味期限,商品形態,発送元,価格帯に係わる情報が入力可能である。
【0057】
さらに、食品原料Rの登録に際しては、食品原料登録画面の入力に加え、前述した図6に示す規格書データEpを作成して添付する(ステップS24)。この場合、サーバコンピュータ2には、図6に示す規格書フォーマットMが用意されているため、この規格書フォーマットMをダウンロードし、前述した必要事項の入力を行う。そして、必要事項の入力が終了したなら、食品原料登録画面で入力した食品原料データEfに、規格書データEpを添付するとともに、その他の事項、例えば、コメントやリクエスト等があれば、追加入力し、これにより、登録に伴う売却希望者Hs側の準備を終了する(ステップS25,S26)。
【0058】
そして、確認キーをONにしてサーバコンピュータ2に送信する(ステップS27)。サーバコンピュータ2(管理者Hc)は受信した食品原料Rに係わる情報、即ち、食品原料データEf及び規格書データEpの内容を確認(審査)する(ステップS28)。これにより、登録基準に適合している場合には、食品原料データEfとして、食品原料データベースDmに追加登録する(ステップS29,S30)。また、売却希望者Hsのマイページに登録を行う(ステップS31)。この場合、マイページには、図5に示す管理画面V11の上段における公開中表示欄11の最初の食品原料表示部11aに表示される。このように、公開中表示欄11には新しく登録され順番に表示される。中段における商談中表示欄12及び下段における掲載終了表示欄13の場合も同様である。したがって、売却希望者Hsは、マイページに表示される管理画面V11を確認して売買取引に係わる必要な管理を行うことができる。なお、図5中、15は登録されている情報を変更する際に使用する情報変更申請キーを示す。これにより、登録中の食品原料Rについて、情報の変更が生じた場合には、情報変更申請キー15をONすれば、メール機能により管理者Hc側に変更の申請を行うことができる。
【0059】
これに対して、管理者Hcが不適合と判断した場合には不適合理由を通知する。これにより、売却希望者Hsは必要な修正を行うことができる。なお、最終的に不適合と判断された場合であって、他に売却したい食品原料Rがある場合には、同様の登録手順に沿った処理を行う(ステップS29,S32,S22)。そして、必要な登録処理が終了すれば、ログオフする(ステップS33)。
【0060】
図7には、マイページのトップページに表示される問い合わせ表示画面V21の一例を示す。この問い合わせ表示画面V21には、問い合わせ履歴表示部25が表示され、届いた順番に上から問い合わせ履歴が表示されるとともに、未読の問い合わせがある場合には、アンダーライン26及び色分け等により差別化表示される。また、問い合わせ履歴表示部25の上側には、新規問い合わせに対応した、「お知らせが届いています」のメッセージ27が表示される。
【0061】
次に、買取希望者Hbが買取りを行う際の手順について、図8を参照しつつ図9に示すフローチャートに従って説明する。
【0062】
まず、買取希望者Hbは、クライアントコンピュータ3bからサーバコンピュータ2にアクセスし、Webサイト画面をクライアントコンピュータ3bのディスプレイ(Vd)に表示し、ID,キーワード等を入力してログインする(ステップS41)。これにより、食品原料検索画面(図示を省略)が表示されため、買取りを希望する食品原料Rの検索を行うことができる(ステップS42)。
【0063】
この結果、希望する食品原料Rが検索されれば、当該食品原料Rを選択する(ステップS43,S44)。これにより、図8に示す当該食品原料Rの詳細表示画面V31が表示される(ステップS45)。この場合、詳細表示画面V31は、食品原料詳細表示部35が表示され、この食品原料詳細表示部35に、前述した食品原料表示部11a…に表示される内容と同じ食品原料データEfを含むとともに、さらに、追加表示部35sにより、公開後に発生した評価等の追加情報が表示される。
【0064】
また、詳細表示画面V31には、この食品原料Rのより詳細な限定情報となる規格書データEpを閲覧するためのログイン入力部36が設けられており、このログイン入力部36に、ID等の必要な認証情報を入力することにより、図6に示した規格書10を表示させることができる(ステップS46)。規格書10は、仮想線で示す位置10sに表示される。なお、37は、問い合わせキーを示し、この問い合わせキー37をONすることにより、問い合わせ画面が表示されるため、サンプル品の要求や見積書の要求、更には質問等の各種問い合わせを行うことができる。
【0065】
これにより、買取希望者Hbが詳細表示画面V31における食品原料データEf(追加表示部35sの表示情報を含む)及び規格書10の内容、更には、サンプル品や見積書の内容を確認し、最終的に買取りの決定を行えば、売却希望者Hsに対して、買取りを決定した旨を送信する(ステップS47,S48)。そして、売却希望者Hs側からの在庫状況や準備状況等の返信を確認したり、買取希望者Hb側のリクエストを送信することにより、必要な取引処理を行う(ステップS49)。
【0066】
この結果、最終的に、買取希望者Hbと売却希望者Hsが合意すれば、売買取引が成立する(ステップS50,S51)。そして、これに基づき、買取希望者Hbは支払いや発送時期のリクエストなどの必要な後処理を行う(ステップS52,S53)。なお、以上の処理が終了し、又は最終的に売買取引が不成立の場合であって、他の買取り希望があれば、買取希望者Hbは、追加の商品原料Rの検索を行うことにより、買取希望者Hb側の処理を同様に行うことができる(ステップS50,S53,S54,S42)。これらの処理が最終的に終了すれば、ログオフにより食品原料流通支援システム1の利用を終了させる(ステップS55)。
【0067】
よって、このような本実施形態に係る食品原料流通支援システム1によれば、特に、食品原料データベースDmに、食品原料Rの少なくとも管理に係わる管理関連データEsc…及び規格に係わる規格関連データEse…を含む規格書データEp…を紐付け登録し、買取希望者Hbのクライアントコンピュータ3bからの選択により閲覧処理可能に構成したため、食品加工会社等への販売を対象とするなど、一般消費者への販売を対象としない食品原料R、或いは賞味期限等の関係から廃棄対象となる食品原料Rであっても、容易に売却可能になるとともに、容易に買取可能になるため、利用できる食品原料Rであるにも拘わらず、自身が利用しないという理由により廃棄され、資源の無駄を招く問題を低減することができる。しかも、食品原料データベースDmに、食品原料Rの少なくとも管理に係わる管理関連データEsc…及び規格に係わる規格関連データEse…を含む規格書データEp…を紐付け登録し、買取希望者Hbのクライアントコンピュータ3bからの選択により閲覧処理可能に構成したため、いわば食品原料Rについての知識等がない場合であっても、食品原料Rの品質確認、更には売却希望者Hs又は買取希望者Hbの信頼性確認に関して十分に確保できるため、品質の高い食品原料Rに係わる取引を、安全にかつ安心して行うことができる。
【0068】
以上、好適実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,手法等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。
【0069】
例えば、食品原料Rには、廃棄対象の食品原料Rを含ませることが望ましいが、販売や利用に供されない余剰品などを含む他の食品原料Rを排除するものではない。したがって、食品原料Rには、これ以上利用されることのない食品以外であれば、各種食品を適用可能である。一方、サーバコンピュータ2に、登録情報に基づいて解析処理を行う解析処理機能,この解析処理の結果に基づいて今後の動向を予測する動向予測処理機能,解析処理の結果及び/又は動向予測処理の結果をクライアントコンピュータ3s,3bへ送信するレポート送信機能の一又は二以上のレポート処理機能Frを設けた場合を示したが、レポート処理機能Frを設けるか否かは任意である。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、各種食品原料の流通を支援する食品原料流通支援システムとして利用することができる。
【符号の説明】
【0071】
1:食品原料流通支援システム,2:サーバコンピュータ,3s…:クライアントコンピュータ,3b…:クライアントコンピュータ,Fr:レポート処理機能,Hs…:売却希望者,Hb…:買取希望者,Hc:管理者,Ds:売却希望者データベース,Dm:食品原料データベース,Db:買取希望者データベース,Pf:流通支援用コンピュータプログラム,N:インターネット,Esc…:管理関連データ,Ese…:規格関連データ,Ep…:規格書データ,M:規格書フォーマット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9