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特許7088456コネクタ用ターミナル及びそれを含むコネクタ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-13
(45)【発行日】2022-06-21
(54)【発明の名称】コネクタ用ターミナル及びそれを含むコネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/72 20110101AFI20220614BHJP
   H01R 13/15 20060101ALI20220614BHJP
   H01R 12/75 20110101ALN20220614BHJP
   H01R 12/81 20110101ALN20220614BHJP
【FI】
H01R12/72
H01R13/15 Z
H01R12/75
H01R12/81
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020522969
(86)(22)【出願日】2019-06-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-14
(86)【国際出願番号】 KR2019007045
(87)【国際公開番号】W WO2019245221
(87)【国際公開日】2019-12-26
【審査請求日】2020-04-28
(31)【優先権主張番号】10-2018-0072158
(32)【優先日】2018-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ジュン、サン-ウン
【審査官】井上 信
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-156116(JP,A)
【文献】国際公開第2018/101910(WO,A1)
【文献】特開2013-239345(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0039936(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 12/71 - 12/91
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号伝送ケーブルが連結されるケーブル固定部と、
前記ケーブル固定部から一方向に延びる上部接圧部と、
前記上部接圧部と所定のギャップを置いて前記ケーブル固定部から前記上部接圧部と平行に延びる下部接圧部と、
を備え、
前記上部接圧部は、予め定められた方向に突出する第1ガイド突起部を有し、
前記下部接圧部は、前記第1ガイド突起部と相互対向する方向に突出し、前記第1ガイド突起部と対応する位置に設けられた第2ガイド突起部を有し、
前記上部接圧部及び前記下部接圧部の少なくとも一方は、前記ギャップが増加または減少する方向に弾性的に移動可能に設けられ、
前記第1ガイド突起部及び前記第2ガイド突起部は、突出方向に行くほど幅が徐々に細くなる傾いた側面と、前記側面と交差する扁平な表面とを有する、
コネクタ用ターミナル。
【請求項2】
前記上部接圧部は、
前記下部接圧部と一定のギャップを維持する支持パーツと、
前記支持パーツと弾性部材を介在して連結され、前記支持パーツに対して上下に移動するように設けられた弾性変位パーツと、
を含む、
請求項1に記載のコネクタ用ターミナル。
【請求項3】
前記支持パーツは、前記弾性変位パーツに対向する一面が所定の深さだけ凹んで形成された結合溝を備え、
前記弾性部材は、
前記弾性変位パーツの一面から突設されて前記結合溝に挿入配置されるブロックと、
前記結合溝と前記ブロックの間に介在される少なくとも1つのバネと、
を含む、
請求項に記載のコネクタ用ターミナル。
【請求項4】
信号伝送ケーブルが連結されるケーブル固定部と、
前記ケーブル固定部から一方向に延びる上部接圧部と、
前記上部接圧部と所定のギャップを置いて前記ケーブル固定部から前記上部接圧部と平行に延びる下部接圧部と、
を備え、
前記上部接圧部は、予め定められた方向に突出する第1ガイド突起部を有し、
前記下部接圧部は、前記第1ガイド突起部と相互対向する方向に突出し、前記第1ガイド突起部と対応する位置に設けられた第2ガイド突起部を有し、
前記上部接圧部及び前記下部接圧部の少なくとも一方は、前記ギャップが増加または減少する方向に弾性的に移動可能に設けられ、
前記上部接圧部は、
前記下部接圧部と一定のギャップを維持する支持パーツと、
前記支持パーツと弾性部材を介在して連結され、前記支持パーツに対して上下に移動するように設けられた弾性変位パーツと、
を含み、
前記支持パーツは、前記弾性変位パーツに対向する一面が所定の深さだけ凹んで形成された結合溝を備え、
前記弾性部材は、
前記弾性変位パーツの一面から突設されて前記結合溝に挿入配置されるブロックと、
前記結合溝と前記ブロックの間に介在される少なくとも1つのバネと、
を含む、
コネクタ用ターミナル。
【請求項5】
前記第1ガイド突起部及び前記第2ガイド突起部は、突出方向に行くほど幅が徐々に細くなる傾いた側面と、前記側面と交差する扁平な表面とを有する、
請求項4に記載のコネクタ用ターミナル。
【請求項6】
信号伝送ケーブルが連結されるケーブル固定部と、
前記ケーブル固定部から一方向に延びる上部接圧部と、
前記上部接圧部と所定のギャップを置いて前記ケーブル固定部から前記上部接圧部と平行に延びる下部接圧部と、
を備え、
前記上部接圧部及び前記下部接圧部の少なくとも一方は、前記ギャップが増加または減少する方向に弾性的に移動可能に設けられ、
前記上部接圧部は、
前記下部接圧部と一定のギャップを維持する支持パーツと、
前記支持パーツと弾性部材を介在して連結され、前記支持パーツに対して上下に移動するように設けられた弾性変位パーツと、
を含み、
前記支持パーツは、前記弾性変位パーツに対向する一面が所定の深さだけ凹んで形成された結合溝を有し、
前記弾性部材は、
前記弾性変位パーツの一面から突設されて前記結合溝に挿入配置されるブロックと、
前記結合溝と前記ブロックの間に介在される少なくとも1つのバネと、
を含む、コネクタ用ターミナル。
【請求項7】
前記少なくとも1つのバネは、複数個であって、前記ブロックの上面と下面とに対称的に配置される、請求項3から6のいずれか一項に記載のコネクタ用ターミナル。
【請求項8】
前記バネは、板バネまたはコイルバネのいずれか1つである、請求項からのいずれか一項に記載のコネクタ用ターミナル。
【請求項9】
前記バネは、板バネであり、
前記板バネは、前記ブロックの長手方向に沿って相互に所定の間隔を置いて複数が備えられ、中心部が前記ブロックに固定され、両端部が前記中心部を基準にして所定の幅だけ広がった形態で設けられる、請求項からのいずれか一項に記載のコネクタ用ターミナル。
【請求項10】
前記支持パーツは、前記弾性変位パーツよりも前記下部接圧部との初期ギャップが大きい、請求項からのいずれか一項に記載のコネクタ用ターミナル。
【請求項11】
前記支持パーツと前記下部接圧部とは、前記ギャップを維持しながら前記ケーブル固定部と一体的に形成された、請求項から10のいずれか一項に記載のコネクタ用ターミナル。
【請求項12】
回路基板に直接取り付けられるコネクタであって、
請求項1から11のいずれか一項に記載のコネクタ用ターミナルと、
前記コネクタ用ターミナルを収容し、前記回路基板の端部に取り付け可能に設けられるコネクタハウジングと、
を含み、
前記コネクタハウジングは、
前記回路基板の端部が所定の深さまで嵌め込まれるように前方部が相互に離隔し、後方部は1つの本体を形成するように互いに連結された上板部及び下板部を備え、
前記上板部及び前記下板部の少なくとも一方は、前記回路基板を垂直方向にクランプするように設けられたクランプパーツを備える、コネクタ。
【請求項13】
回路基板に直接取り付けられるコネクタであって、
信号伝送ケーブルが連結されるケーブル固定部と、前記ケーブル固定部から一方向に延びる上部接圧部と、前記上部接圧部と所定のギャップを置いて前記ケーブル固定部から前記上部接圧部と平行に延びる下部接圧部と、を備え、前記上部接圧部は、予め定められた方向に突出する第1ガイド突起部を有し、前記下部接圧部は、前記第1ガイド突起部と相互対向する方向に突出し、前記第1ガイド突起部と対応する位置に設けられた第2ガイド突起部を有し、前記上部接圧部及び前記下部接圧部の少なくとも一方は、前記ギャップが増加または減少する方向に弾性的に移動可能に設けられた、コネクタ用ターミナルと、
前記コネクタ用ターミナルを収容し、前記回路基板の端部に取り付け可能に設けられるコネクタハウジングと、
を含み、
前記コネクタハウジングは、
前記回路基板の端部が所定の深さまで嵌め込まれるように前方部が相互に離隔し、後方部は1つの本体を形成するように互いに連結された上板部及び下板部を備え、
前記上板部及び前記下板部の少なくとも一方は、前記回路基板を垂直方向にクランプするように設けられたクランプパーツを備え、
前記クランプパーツは、前記上板部に垂直方向に嵌合され、嵌合部分が一方向に傾いた鋸歯パターンで形成される、コネクタ。
【請求項14】
前記コネクタハウジングは、
前記コネクタハウジングの両側面部に備えられる保持リブをさらに含み、
前記保持リブは、縦断面が略「コ」字状であって前記回路基板に嵌め込まれる、請求項12または13に記載のコネクタ。
【請求項15】
前記コネクタハウジングは、
前記回路基板に予め備えられる締結孔に係合するように設けられるラッチ部をさらに含み、
前記上板部は2つに分割され、
前記ラッチ部は、前記締結孔に係合及び係合解除される係止顎を一端に備え、他端を押した場合に一端が上昇するレバータイプであって、前記2つに分割された上板部の間に設けられる、請求項12から14のいずれか一項に記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタ用ターミナル及びそれを含むコネクタに関し、より詳しくは、ダイレクトPCB(Printed Circuit Board)コネクタに使用可能なターミナルであって、PCBの厚さが変わってもPCBを上下方向から保持することができるターミナル及びそれを含むコネクタに関する。
【0002】
本出願は、2018年6月22日出願の韓国特許出願第10-2018-0072158号に基づく優先権を主張し、上記出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
近年、ラップトップパソコン、タブレットパソコン、スマートフォンなどの電子機器を含む二次電池製品の充放電制御部品であるBMS(Battery Management System)の小型化、軽量化に伴って、その回路基板に実装される電子素子の密度が高くなっており、それによってコネクタ装置にも軽薄短小化が求められている。
【0004】
一般に、従来のコネクタは、メスコネクタとオスコネクタとの一対で構成され、メスコネクタにはコンタクトである複数のピンが設けられ、オスコネクタには複数のピンと接触する複数のプラグターミナルが設けられる。オスコネクタは回路基板に表面実装(SMT、Surface Mount Technology)され、メスコネクタはオスコネクタと相補的に締結される。
【0005】
しかし、このようにメスコネクタ及びオスコネクタの両方を使用する場合、相異なる別途のボディ及びコンタクトを相異なる金型を用いて製作し、一方のコネクタは回路基板に表面実装しなければならないため、製造工程が複雑になって製造コストが嵩むという問題がある。
【0006】
このようなオス/メス一対で構成されたコネクタの代案として、特許文献1(KR10-2010-0110023)は、部品数を減らして製造原価を節減でき、印刷回路基板のエッジ領域に締結できるように設けたコネクタを開示している。そして、特許文献2(KR10-1400463)は、嵌合相手の電気コネクタなどを省略することで、電気コネクタの構成を非常に簡単に構成したコネクタを開示している。
【0007】
しかし、従来技術によるダイレクトPCBコネクタは、厚さ公差の大きい印刷回路基板(PCB)に繰り返して取り付けられると、ターミナルの間隔が広がって印刷回路基板に対する接触抵抗及び接触圧が低下するという問題がある。
【0008】
これによるダイレクトPCBコネクタ及びそのターミナルの印刷回路基板に対する接触圧の不足は、振動や衝撃が加えられたとき、印刷回路基板とコネクタまたはターミナルとの間の接触不良を引き起こすため、補完策が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする技術的課題は、ダイレクトPCBコネクタに使用可能なターミナルであって、PCBの厚さが変わってもPCBを上下方向から安定的に保持することで、脱離や接触不良を防止することができるターミナル及びそれを含むコネクタを提供することである。
【0010】
本発明が属する技術分野の通常の知識を持つ者であれば、本発明による実施形態によって上述していない技術的課題を解決できることを以下の説明から明確に理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様によるコネクタ用ターミナルは、信号伝送ケーブルが連結されるケーブル固定部と、ケーブル固定部から一方向に延びる上部接圧部と、上部接圧部と所定のギャップを置いてケーブル固定部から上部接圧部と平行に延びる下部接圧部とを含み、上部接圧部及び下部接圧部の少なくとも一方はギャップが増加または減少する方向に弾性的に移動可能に設けられるコネクタ用ターミナルが提供される。
【0012】
上部接圧部は、下部接圧部と一定のギャップを維持する支持パーツ、及び支持パーツと弾性部材を介在して連結され、支持パーツに対して上下に移動するように設けられた弾性変位パーツを含み得る。
【0013】
支持パーツと下部接圧部とは、ギャップを維持しながらケーブル固定部と一体的に形成され得る。
【0014】
支持パーツは、弾性変位パーツに対向する一面が所定の深さだけ凹んで形成された結合溝を備え、弾性部材は、弾性変位パーツの一面から突設されて結合溝に挿入配置されるブロック、及び結合溝とブロックとの間に介在される少なくとも1つのバネを含み得る。
【0015】
少なくとも1つのバネは、複数個であって、ブロックの上面と下面とに対称的に配置され得る。
【0016】
バネは、板バネ及びコイルバネのいずれか1つであり得る。
【0017】
バネは、板バネであり、板バネは、ブロックの長手方向に沿って相互に所定の間隔を置いて複数が備えられ、中心部がブロックに固定され、両端部が中心部を基準にして所定の幅だけ広がった形態で設けられ得る。
【0018】
支持パーツは、弾性変位パーツよりも下部接圧部との初期ギャップが大きくなり得る。
【0019】
上部接圧部の弾性変位パーツと下部接圧部とは、相互対向する方向に突出したガイド突起部を備え得る。
【0020】
本発明の他の様態によれば、回路基板に直接取り付けられるコネクタであって、上述したコネクタ用ターミナルと、コネクタ用ターミナルを収容し、回路基板の端部に取り付け可能に設けられるコネクタハウジングとを含み、コネクタハウジングは、回路基板の端部が所定の深さまで嵌め込まれるように前方部が相互に離隔し、後方部は1つのボディを形成するように互いに連結された上板部及び下板部を備え、上板部及び下板部の少なくとも一方は、回路基板を垂直方向にクランプするように設けられたクランプパーツを備えるコネクタが提供される。
【0021】
クランプパーツは、上板部に垂直方向に嵌合されるが、嵌合部分が一方向に傾いた鋸歯パターンで形成され得る。
【0022】
コネクタハウジングは、コネクタハウジングの両側面部に備えられる保持リブをさらに含み、保持リブは、縦断面が略「コ」字状であって回路基板に嵌め込まれ得る。
【0023】
コネクタハウジングは、回路基板に予め備えられる締結孔に係合するように設けられるラッチ部をさらに含み、上板部は2つに分割され、ラッチ部は、締結孔に係合及び係合解除される係止顎を一端に備え、他端を押せば一端が上昇するレバータイプであって、2つに分割された上板部の間に設けられ得る。
【発明の効果】
【0024】
本発明の一態様によれば、ダイレクトPCBコネクタに使用可能なターミナルであって、PCBの厚さが変わってもPCBを上下方向から安定的に保持することで、脱離や接触不良を防止することができるターミナル及びそれを含むコネクタを提供することができる。
【0025】
特に、本発明によるターミナルは、上、下端部が弾性的に上下に移動可能に構成されることで、厚さの相異なるPCB基板だけでなく、FFC(Flexible Flat Cable)やFPCB(Flexible Printed Circuit Board)にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の一実施形態によるコネクタ用ターミナルの斜視図である。
図2図1のコネクタ用ターミナルの側面図である。
図3図1のコネクタ用ターミナルの正面図である。
図4図1のコネクタ用ターミナルの部分分解斜視図である。
図5図1のI-I'に沿った断面図である。
図6】本発明の一実施形態によるコネクタ用ターミナルの作用メカニズムを示した図である。
図7】本発明の一実施形態によるコネクタ用ターミナルの作用メカニズムを示した図である。
図8】本発明の他の実施形態によるコネクタ用ターミナルの作用メカニズムを示した図である。
図9】本発明の他の実施形態によるコネクタ用ターミナルの作用メカニズムを示した図である。
図10】回路基板に取り付けられた本発明の一実施形態によるコネクタを示した斜視図である。
図11図10のII-II'に対応する部分であって、クランプパーツによるロッキング前を示した断面図である。
図12図10のII-II'に対応する部分であって、クランプパーツによるロッキング後を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。
【0028】
したがって、本明細書に記載された実施形態及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0029】
以下、コネクタは、2つまたはそれ以上の電線や信号ケーブルの終端に取り付けて1つの回路(または装置)と他の回路(または装置)とを電気的に結合するために使用する電子部品と定義され得る。そして、コネクタ用ターミナルは、コネクタの内部構成品であって、電線や信号ケーブル一本を回路基板の導電パターン21に電気的に接続するために使用する金属導体と定義され得る。
【0030】
図1は本発明の一実施形態によるコネクタ用ターミナルの斜視図であり、図2図1のコネクタ用ターミナルの側面図であり、図3図1のコネクタ用ターミナルの正面図である。
【0031】
本発明の一実施形態によるコネクタ用ターミナル100は、これら図面に示したように、ケーブル固定部110、上部接圧部120、下部接圧部130を含む。
【0032】
ケーブル固定部110は、電線または信号伝送ケーブルの終端を固定するように設けられる。例えば、伝送ケーブルは、終端の被覆が剥がれた状態でケーブル固定部110に備えられたアーク状のリングに挟まれて押し込まれ得る。他にも伝送ケーブルの終端をケーブル固定部110に固定する方法は、溶接、締り嵌めなど多様であり得る。
【0033】
上部接圧部120及び下部接圧部130は、コネクタ10を回路基板20に取り付けたとき、回路基板20に備えられる導電パターン21に接触する部分である。
【0034】
上部接圧部120及び下部接圧部130は、図2及び図3を参照すれば、所定のギャップがこれらの間に形成されるように上下方向に離隔して配置され、ケーブル固定部110から平行に延びる形態で設けられ得る。また、上部接圧部120及び下部接圧部130の少なくとも一方は、ギャップが増加または減少する方向に弾性的に移動するように設けられ得る。
【0035】
詳しくは後述するが、このような本発明の一実施形態によるコネクタ用ターミナル100によれば、回路基板20を上部接圧部120と下部接圧部130との間に押し込むことができ、このとき、上部接圧部120と下部接圧部130とは回路基板20によってギャップがさらに広がって弾性復元力が作用するようになり、上記復元力によって回路基板20の上面と下面とを接圧する。
【0036】
特に、本発明の一実施形態によるコネクタ用ターミナル100は、上部接圧部120及び/または下部接圧部130が弾性媒体によって独立的に移動できるように設けてターミナルの弾性疲れ(elastic fatigue)現象を緩和することで、長時間または繰り返される使用にも接触圧を安定的に維持することができる。
【0037】
以下、図4図7を参照して、コネクタ用ターミナル100の上部接圧部120及び下部接圧部130の構造及び動作メカニズムをより詳しく説明する。
【0038】
本発明の一実施形態による上部接圧部120は、支持パーツ121及び弾性変位パーツ122を含む。
【0039】
支持パーツ121は、ケーブル固定部110と一体的に形成され、下部接圧部130と一定のギャップ(G+S)を維持しながら弾性変位パーツ122を上下方向に移動可能に支持する役割をする。
【0040】
ここで、一定のギャップ(G+S)は、図3に示したように、少なくとも弾性変位パーツ122と下部接圧部130との間の初期ギャップ(G)よりも大きいギャップを意味する。本実施形態において、支持パーツ121と下部接圧部130との間のギャップは一定に維持されるため、ターミナルに挿入可能な回路基板20の限界厚さはギャップ(G+S)の大きさと同一であると言える。
【0041】
勿論、必要によって、支持パーツ121と下部接圧部130との間のギャップの大きさは、ターミナルの設計を変更することで自在に調節可能である。
【0042】
支持パーツ121は、弾性変位パーツ122と対面し、その対面する一面に所定の深さだけ凹設された結合溝121aを備える。結合溝121aは、弾性変位パーツ122の弾性部材部分を収容できるように、略長方形状の広い面積を有するように設けられ得る。
【0043】
弾性変位パーツ122は、支持パーツ121に弾性部材部分が連結されることで、支持パーツ121に対して上下方向に移動できるように構成される。弾性変位パーツ122を見れば、図4に示したように、下部接圧部130に略対応する形状で設けられ、弾性部材と一体的に形成され得る。
【0044】
弾性部材は、弾性変位パーツ122の一面から突設されて支持パーツ121の結合溝121aに挿入配置されるブロック124、及び結合溝121aとブロック124との間に介在される少なくとも1つのバネ125を含む。少なくとも1つのバネ125としては、板バネ125が採用され得る。
【0045】
板バネ125は、ブロック124の長手方向に沿って相互に所定の間隔を置いて複数が備えられ、ブロック124の上面と下面とに対称的に配置される。また、板バネ125は、中心部がブロック124に固定され、両端部が中心部を基準にして所定の幅だけ広がった形態を有する。このようなブロック124の上面と下面とに配置された板バネ125の両端部は、図5のように、結合溝121aの内側の上面と下面とに当接し得る。
【0046】
支持パーツ121に組み立てられた弾性変位パーツ122は、垂直方向に外力が加えられたとき、支持パーツ121を基準にして下部接圧部130とのギャップが増加するか又は減少する方向に移動することができる。
【0047】
上部接圧部120の弾性変位パーツ122と下部接圧部130とは、相互対向する方向に突出したガイド突起部Pをさらに備え得る。ガイド突起部Pは、突出方向に行くほど幅が徐々に細くなってから一定に維持され得る。ガイド突起部Pは、例えば、傾いた側面、及び側面と交差する扁平な表面を有するように形成され得る。
【0048】
このようなガイド突起部Pは、回路基板20を挿入するとき、弾性変位パーツ122が回路基板20の前端によって押されて容易に広がるようにする。また、ガイド突起部Pの位置を回路基板20の導電パターン21が位置した部分に対応する位置に形成することで、コネクタとコネクタ用ターミナルの接触圧をさらに高めることができる。
【0049】
本実施形態では、下部接圧部130を移動性なくケーブル固定部110と一体的に形成したが、上部接圧部120と同様の構成で弾性的に移動するように構成してもよい。
【0050】
以下、図6及び図7を参照して、本実施形態によるコネクタ用ターミナル100の作用メカニズムを簡単に説明する。
【0051】
図6のように、ターミナルの下部接圧部130と上部接圧部120のうち支持パーツ121とは、一定のギャップを維持しながら常に固定されており、弾性変位パーツ122は下部接圧部130との初期ギャップが支持パーツ121よりも狭い状態であり、外力が上部接圧部120のうち弾性変位パーツ122に作用する場合、上下方向に移動することができる。
【0052】
このような上部接圧部120と下部接圧部130との間に回路基板20を押し込むと、ガイド突起部Pによって弾性変位パーツ122が、図7のように、押し上げられる。
【0053】
この場合、ブロック124の下面に位置した板バネ125は結合溝121a内側の下面から離れ、ブロック124の上部に位置した板バネ125は両端部がさらに広がった状態で結合溝121a内側の上面に当接する。このときの板バネ125の弾性復元力が、弾性変位パーツ122が回路基板20を保持する力として作用するようになる。
【0054】
例えば、図3に示した弾性変位パーツ122と下部接圧部130との間のギャップ(G)が0.2tであって、支持パーツ121と下部接圧部130との間のギャップ(G+S)が1.6tになるように本発明の一実施形態によるターミナルを設計したと仮定すれば、ターミナルは厚さが0.2t~1.6t範囲に属する印刷回路基板だけでなく、FFC、バスバーにも適用可能である。
【0055】
一方、本実施形態では、弾性変位パーツ122が回路基板20を保持する実質的な核心構成として板バネ125を採用したが、本発明の権利範囲が板バネ125のみに限定されることはない。例えば、板バネ125は、図8及び図9に示したように、コイルバネ125に代替されてもよい。本発明の他の実施形態によるコイルバネ125の場合、板バネ125に比べて製作が容易であって、耐久性や組立性の面でより有利であり得る。
【0056】
図10は回路基板20に取り付けられた本発明の一実施形態によるコネクタ10を示した斜視図であり、図11及び図12図10のII-II'に対応する部分であって、クランプパーツ212によるロッキング前後を示した断面図である。
【0057】
以下、図10図12を参照して、本発明の一実施形態によるコネクタ10を説明する。
【0058】
本発明の一実施形態によるコネクタ10は、上述したコネクタ用ターミナル100と、コネクタ用ターミナル100を内部に収容し、回路基板20の端に取り付け可能に設けられるコネクタハウジング200を含む。
【0059】
コネクタハウジング200は、コネクタ用ターミナル100の収容空間を形成する上板部210及び下板部220、そして回路基板20に対するロッキング手段を形成するラッチ部230及び保持リブ240を含む。
【0060】
上板部210及び下板部220は、コネクタハウジング200の本体を形成する部分であると言える。
【0061】
上板部210と下板部220とは、回路基板20が所定の深さまで嵌め込まれるように前方部が所定の間隔で広がった形態で離隔し、後方部は1つのボディをなして互いに連結されている。また、上板部210及び下板部220の後方部には、コネクタ用ターミナル100を個別的に挿入可能な挿入孔が設けられている。
【0062】
コネクタ用ターミナル100は、挿入孔を通ってコネクタハウジング200の背後からコネクタハウジング200の前方部まで挿入され得る。このとき、コネクタ用ターミナル100のケーブル固定部110は、挿入孔内に嵌められてコネクタハウジングの後方部に配置され、上部接圧部120及び下部接圧部130はコネクタハウジングの前方部に配置され得る。
【0063】
便宜上詳しくは図示していないが、コネクタ用ターミナル100は、図10のY軸方向でコネクタハウジング200内に備えられる個別溝内にそれぞれ部分的に引き込まれるように配置されることで、コネクタ用ターミナル100同士の沿面距離を一定に維持して短絡を防止することができる。
【0064】
ラッチ部230は、回路基板に予め備えられる締結孔22に係合するように設けられ、コネクタ10が回路基板20から逆方向(-X軸方向)に取り外されないように保持する役割をする。
【0065】
ラッチ部230は、一端に締結孔22に係合及び係合解除される係止顎を備え、他端を押せば一端が上昇する形態のレバーが採用され得、図10のように2つに分割された上板部210の間に設けられ得る。
【0066】
また、保持リブ240は、縦断面が略「コ」字状であって、コネクタハウジング200の両側面部に備えられ得る。保持リブ240は、回路基板20を上下方向から保持する役割を果たすことができる。
【0067】
また、コネクタハウジング200は、上板部210及び下板部220の少なくとも一方に、回路基板20を垂直方向にクランプするように設けられるクランプパーツ212がさらに備えられ得る。
【0068】
図10図12を参照すれば、本実施形態によるクランプパーツ212は、上板部210の前方部を上方から下方に覆う板状のカバー型で設けられ得る。
【0069】
例えば、上板部210の前方部は、クランプパーツ212、及びクランプパーツ212が嵌合されるように切り取られたクランプ組立部を含み得る。
【0070】
特に、クランプパーツ212は、上板部210、すなわちクランプ組立部と嵌合される部分に鋸歯パターン213を有する。鋸歯パターン213は、一方向に傾斜する鋸歯パターン213である。このような鋸歯パターン213を有するクランプパーツ212は、クランプ組立部に-Z軸方向に嵌め込むことは容易であるが、逆方向である+Z軸方向に持ち上げることは非常に困難である。
【0071】
したがって、図11のように、コネクタハウジング200の上板部210と下板部220との間隔よりも厚さが薄い回路基板20を本実施形態によるコネクタ10に挿入しても、図12のようにクランプパーツ212を-Z軸方向に押して、コネクタハウジング200の上板部210及び下板部220を回路基板20の上面及び下面に接圧させることができる。したがって、本発明の一実施形態によるコネクタ10は、公差などの理由で厚さが異なる回路基板20にも十分使用することができる。
【0072】
以上のように、本発明の望ましい実施形態について図示して説明したが、本発明が上述した特定の望ましい実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲で請求する本発明の要旨から逸脱することなく、本発明が属する技術分野で通常の知識を持つ者であれば誰でも多様な変形実施が可能であることは勿論、そのような変更も請求範囲の記載の範囲内であることは言うまでもない。
【0073】
一方、本明細書において、上、下、左、右などのように方向を表す用語が使われたが、このような用語は説明の便宜上使用されたものであって、観測者の位置や対象になる物の位置などによって変わり得ることは本発明の当業者にとって自明である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12