(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-13
(45)【発行日】2022-06-21
(54)【発明の名称】パウチ容器ディスペンサー
(51)【国際特許分類】
B65D 77/06 20060101AFI20220614BHJP
【FI】
B65D77/06 H
(21)【出願番号】P 2018092545
(22)【出願日】2018-05-11
【審査請求日】2021-03-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000158781
【氏名又は名称】紀伊産業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】小松 冨士夫
【審査官】宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-274564(JP,A)
【文献】特開2001-294269(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0103101(US,A1)
【文献】実開平06-071483(JP,U)
【文献】特開2008-050058(JP,A)
【文献】特開平09-225356(JP,A)
【文献】特開平11-130133(JP,A)
【文献】特開2001-163357(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0341381(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 67/00-79/02
B65D 83/00
B65D 47/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体、および、前記本体にスライド可能に取り付けられたストッパーを備えたパウチ容器ディスペンサーであって、
前記本体は上面および側面を有し、前記上面には、少なくとも2つの側面および底面を有する凹部が設けられ、前記凹部の底面には、パウチ容器のスパウトが挿入される開口が設けられており、前記凹部の2つの対向する側面は、互いに平行に配置されており、
前記ストッパーは平面視
が略U字状の開口を有し、前記凹部の対向する2つの側面に沿って水平方向にスライド可能に取り付けられており、前記ストッパーの開口の縁に沿って水平方向に切り欠かれた溝が設けられており、
前記ストッパーを前記本体の開口から離れる方向にスライドさせると、前記本体の側面から水平方向に突出し、前記本体の開口に下方から前記パウチ容器のスパウトを挿入できる状態となり、
前記本体の開口に前記パウチ容器のスパウトを挿入した状態で前記ストッパーを前記本体の開口に近づく方向にスライドさせると、前記パウチ容器のスパウトの鍔部が前記ストッパーの溝内へと挿入されることにより、前記パウチ容器が保持され
、
前記パウチ容器のスパウトに設けられた互いに平行な2つの側面が、前記ストッパーの略U字状の開口の縁の互いに平行な直線部分と接触し、前記パウチ容器のスパウトは回転しないように前記ストッパーによって固定されることを特徴とするパウチ容器ディスペンサー。
【請求項2】
前記パウチ容器を保持した状態では、前記ストッパーは、前記凹部内に位置することを特徴とする、請求項1に記載のパウチ容器ディスペンサー。
【請求項3】
前記凹部の2つの対向する側面は、前記本体から上方に突出するリブの側面であり、
前記パウチ容器を保持した状態では、前記ストッパーは、前記凹部、前記本体の上面の凹部以外の部分、および、前記リブを覆っていることを特徴とする、請求項1に記載のパウチ容器ディスペンサー。
【請求項4】
前記凹部の一部は前記本体の側面と繋がって開放されていることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載のパウチ容器ディスペンサー。
【請求項5】
前記本体の底は開口となっていることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載のパウチ容器ディスペンサー。
【請求項6】
前記本体の側面の下端には切り欠きが設けられていることを特徴とする、請求項
5に記載のパウチ容器ディスペンサー。
【請求項7】
前記本体は、上部本体と下部本体とに上下に分割され、前記下部本体は底面を有し、前記上部本体は前記下部本体に対して着脱可能に取り付けられていることを特徴とする、請求項1~
4のいずれか1項に記載のパウチ容器ディスペンサー。
【請求項8】
前記下部本体の底面に、水抜き孔が設けられていることを特徴とする、請求項
7に記載のパウチ容器ディスペンサー。
【請求項9】
前記凹部は前記本体の側面に沿って下方へと延伸されていることを特徴とする、請求項1~
8のいずれか1項に記載のパウチ容器ディスペンサー。
【請求項10】
2つの前記ストッパーが前記本体にスライド可能に取り付けられており、2つの前記ストッパーを互いに近づける方向にスライドさせると、2つの前記略U字状の開口が繋がって1つの開口となり、前記パウチ容器のスパウトは回転しないように2つの前記ストッパーによって固定され、保持されることを特徴とする、請求項1~
9のいずれか1項に記載のパウチ容器ディスペンサー。
【請求項11】
前記ストッパーのスライドを停止する停止部材を設けたことを特徴とする、請求項1~
10のいずれか1項に記載のパウチ容器ディスペンサー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パウチ容器ディスペンサーに関する。
【背景技術】
【0002】
化粧料等の詰め替え用のレフィル容器として、スパウト付きのパウチ容器(特許文献1参照)が用いられている。パウチ容器内に収容された液体等の収容物を使用するためにはパウチ容器から容器への詰め替え作業が必要であるが、詰め替え作業時にパウチを手に持ちながらキャップを開ける動作を行うことから、この際に、収容物がスパウトから溢れでる、あるいは容器の口から零れるといった問題があった。
【0003】
このような問題を解決するために、パウチ容器をホルダーなどを用いて、収容物を詰め替えることなくパウチ容器を使用する方法が用いられている。例えば、特許文献2には、箱体の係止壁部によって収納体(パウチ容器)の口部を挟み込んで固定する容器が記載されている。また、特許文献3には、支持部の係合溝にパウチ容器の首部を嵌合して固定するホルダーが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-8055号公報
【文献】特開平07-223689号公報
【文献】特開2008-285178号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のパウチ容器を固定して使用する容器、ホルダーなどは、パウチ容器のスパウトのキャップの開閉の際に、固定強度が不十分で不安定となる問題が生じている。例えば、パウチ容器の首部を一対の箱体で左右から挟み込んで固定するだけでは、スパウトを回転させる力が作用すると、一対の箱体が開くように力が作用し、十分に固定できない可能性がある。また、ホルダーの場合は、板状の部材を折り曲げた形状であり、ホルダー自体の強度が不足しており、パウチ容器の首部を押えなければキャップの開閉は困難である。さらに、このような従来技術では、繰り返し使用しているとスパウトの固定状態が不十分になるという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は簡単な構造で、パウチ容器を確実に固定し、さらに、固定強度を高めることで繰り返し使用することができるパウチ容器ディスペンサーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のパウチ容器ディスペンサーは、本体、および、前記本体にスライド可能に取り付けられたストッパーを備え、前記本体は上面および側面を有し、前記上面には、少なくとも2つの側面および底面を有する凹部が設けられ、前記凹部の底面には、パウチ容器のスパウトが挿入される開口が設けられており、前記凹部の2つの対向する側面は、互いに平行に配置されており、前記ストッパーは平面視略U字状の開口を有し、前記凹部の対向する2つの側面に沿って水平方向にスライド可能に取り付けられており、前記ストッパーの開口の縁に沿って水平方向に切り欠かれた溝が設けられており、前記ストッパーを前記本体の開口から離れる方向にスライドさせると、前記本体の側面から水平方向に突出し、前記本体の開口に下方から前記パウチ容器のスパウトを挿入できる状態となり、前記本体の開口に前記パウチ容器のスパウトを挿入した状態で前記ストッパーを前記本体の開口に近づく方向にスライドさせると、前記パウチ容器のスパウトの鍔部が前記ストッパーの溝内へと挿入されることにより、前記パウチ容器が保持されることを特徴とする。
【0008】
前記パウチ容器を保持した状態では、前記ストッパーは、前記凹部内に位置する。
【0009】
または、前記凹部の2つの対向する側面は、前記本体から上方に突出するリブの側面であり、前記パウチ容器を保持した状態では、前記ストッパーは、前記凹部、前記本体の上面の凹部以外の部分、および、前記リブを覆っている。
【0010】
前記凹部の一部は前記本体の側面と繋がって開放されている。
【0011】
前記パウチ容器のスパウトに設けられた互いに平行な2つの側面が、前記ストッパーの略U字状の開口の縁の互いに平行な直線部分と接触し、前記パウチ容器のスパウトは回転しないように前記ストッパーによって固定されている。
【0012】
前記本体の底は開口となっており、前記本体の側面の下端には切り欠きが設けられている。
【0013】
前記本体は、上部本体と下部本体とに上下に分割され、前記下部本体は底面を有し、前記上部本体は前記下部本体に対して着脱可能に取り付けられており、前記下部本体の底面に、水抜き孔が設けられている。
【0014】
前記凹部は前記本体の側面に沿って下方へと延伸されている。
【0015】
2つの前記ストッパーが前記本体にスライド可能に取り付けられており、2つの前記ストッパーを互いに近づける方向にスライドさせると、2つの前記略U字状の開口が繋がって1つの開口となり、前記パウチ容器のスパウトは回転しないように2つの前記ストッパーによって固定され、保持される。
【0016】
前記ストッパーのスライドを停止する停止部材を設ける。
【発明の効果】
【0017】
本発明のパウチ容器ディスペンサーは、本体、および、前記本体にスライド可能に取り付けられたストッパーを備え、前記本体は上面および側面を有し、前記上面には、少なくとも2つの側面および底面を有する凹部が設けられ、前記凹部の底面には、パウチ容器のスパウトが挿入される開口が設けられており、前記凹部の2つの対向する側面は、互いに平行に配置されており、前記ストッパーは平面視略U字状の開口を有し、前記凹部の対向する2つの側面に沿って水平方向にスライド可能に取り付けられており、前記ストッパーの開口の縁に沿って水平方向に切り欠かれた溝が設けられており、前記ストッパーを前記本体の開口から離れる方向にスライドさせると、前記本体の側面から水平方向に突出し、前記本体の開口に下方から前記パウチ容器のスパウトを挿入できる状態となり、前記本体の開口に前記パウチ容器のスパウトを挿入した状態で前記ストッパーを前記本体の開口に近づく方向にスライドさせると、前記パウチ容器のスパウトの鍔部が前記ストッパーの溝内へと挿入されることにより、前記パウチ容器が保持されることにより、パウチ容器のスパウトを固定する前記ストッパーは、前記本体の凹部の2つの側面によって変形が阻止されていることから、前記パウチ容器のスパウトは確実に固定され、かつ、繰り返し使用した場合でも前記ストッパーは変形することなく十分な固定強度を維持することができ、さらに、前記ストッパーによってパウチ容器ディスペンサーの上部の剛性が向上される。
【0018】
前記パウチ容器のスパウトに設けられた互いに平行な2つの側面が、前記ストッパーの略U字状の開口の縁の互いに平行な直線部分と接触し、前記パウチ容器のスパウトは回転しないように前記ストッパーによって固定されていることにより、前記スパウトが空回りするのを防止し、前記パウチ容器のキャップをスムーズに開閉することができるようになる。
【0019】
前記本体の底は開口となっており、前記本体の側面の下端には切り欠きが設けられていることにより、水回りで使用する場合、パウチ容器ディスペンサー内に水が溜まらないことから、清潔な状態を保つことができる。
【0020】
前記本体は、上部本体と下部本体とに上下に分割され、前記下部本体は底面を有し、前記上部本体は前記下部本体に対して着脱可能に取り付けられていることにより、パウチ容器ディスペンサー自体の強度を高くすることができる。
【0021】
2つの前記ストッパーが前記本体にスライド可能に取り付けられており、2つの前記ストッパーを互いに近づける方向にスライドさせると、2つの前記略U字状の開口が繋がって1つの開口となり、前記パウチ容器のスパウトは回転しないように2つの前記ストッパーによって固定され、保持される構造とすることにより、左右対称な形状とすることができるのでデザイン性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の第1の実施形態のパウチ容器ディスペンサーの斜視図であり、パウチ容器が取り付けられた状態を示す。
【
図2】第1の実施形態のパウチ容器ディスペンサーの斜視図であり、パウチ容器を取り付ける前の状態を示す。
【
図3】(a)はストッパーの斜視図であり、(b)はストッパーの平面図である。
【
図5】パウチ容器ディスペンサーのパウチ容器を固定している部分の互いに直交する2つの断面図である。
【
図6】第1の実施形態のパウチ容器ディスペンサーの斜視図であり、本体に下方からパウチ容器を挿入する状態を示す。
【
図7】第1の実施形態のパウチ容器ディスペンサーの斜視図であり、パウチ容器ディスペンサーの開口にパウチ容器のスパウトを挿入した状態を示す。
【
図8】第1の実施形態のパウチ容器ディスペンサーにパウチ容器を固定する手順を示す平面図である。
【
図9】パウチ容器のスパウトとキャップを拡大した斜視図である。
【
図10】本発明の第2の実施形態のパウチ容器ディスペンサーの斜視図であり、パウチ容器が取り付けられた状態を示す。
【
図11】第2の実施形態のパウチ容器ディスペンサーの正面図であり、パウチ容器が取り付けられた状態を示す。
【
図12】第2の実施形態のパウチ容器ディスペンサーの正面図であり、上部本体を開いた状態を示す。
【
図13】第2の実施形態のパウチ容器ディスペンサーの斜視図であり、上部本体を開いた状態を示す。
【
図14】第2の実施形態のパウチ容器ディスペンサーの斜視図であり、上部本体を開いてパウチ容器をセットした状態を示す。
【
図15】第2の実施形態のパウチ容器ディスペンサーの斜視図であり、パウチ容器をセットして上部本体を閉じた状態を示す。
【
図16】第2の実施形態のパウチ容器ディスペンサーの下方からの斜視図である。
【
図17】本発明の第3の実施形態のパウチ容器ディスペンサーの斜視図であり、パウチ容器が取り付けられた状態を示す。
【
図18】第3の実施形態のパウチ容器ディスペンサーの斜視図であり、2つのストッパーを互いに離れる方向にスライドさせた状態を示す。
【
図19】第3の実施形態のパウチ容器ディスペンサーの斜視図であり、2つのストッパーを互いに離れる方向にスライドさせて、パウチ容器をセットした状態を示す。
【
図20】第3の実施形態のパウチ容器ディスペンサーにパウチ容器を取り付ける手順を示す平面図である。
【
図21】本発明の第4の実施形態のパウチ容器ディスペンサーの斜視図であり、パウチ容器が取り付けられた状態を示す。
【
図22】第4の実施形態のパウチ容器ディスペンサーの斜視図であり、パウチ容器を取り付ける前の状態を示す。
【
図23】(a)はストッパーの斜視図であり、(b)はストッパーの底面図である。
【
図25】パウチ容器ディスペンサーのパウチ容器を固定している部分の互いに直交する2つの断面図である。
【
図26】第4の実施形態のパウチ容器ディスペンサーの斜視図であり、パウチ容器ディスペンサーの開口にパウチ容器のスパウトを挿入した状態を示す。
【
図27】本発明の第5の実施形態のパウチ容器ディスペンサーの斜視図であり、パウチ容器が取り付けられた状態を示す。
【
図28】第5の実施形態のパウチ容器ディスペンサーの斜視図であり、パウチ容器を取り付ける前の状態を示す。
【
図29】第5の実施形態のパウチ容器ディスペンサーの斜視図であり、パウチ容器ディスペンサーの開口にパウチ容器のスパウトを挿入した状態を示す。
【
図30】本体の上部および本体から取り外した状態の2つのストッパーの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明のパウチ容器ディスペンサー1を、図を用いて以下に詳細に説明する。
図1,2が本発明の第1の実施形態のパウチ容器ディスペンサー1の斜視図であり、
図5が断面図である。
【0024】
本発明の第1の実施形態のパウチ容器ディスペンサー1は、
図1,2に示すように、本体2、前記本体2にスライド可能に取り付けられたストッパー3を備えており、前記本体2内に収容したパウチ容器4のスパウト42を前記ストッパー3で固定することで、パウチ容器4をそのまま容器の一部として使用することができる。
【0025】
前記本体2は上面および筒状の側面を有し、底の部分は開口となっており、下方に向かって徐々に広がった裾広がりの形状を有している。前記本体2の底の開口から前記パウチ容器4を挿入して前記本体2内に前記パウチ容器4を収容する。前記本体2は上面および側面は一体形成されており、側面の下端には切り欠き7が2箇所設けられている。前記本体2は裾広がりの形状を有することにより、安定性を高めることができる。また、前記本体2の底の部分が開口となっていることにより、水回りで使用する場合に水切りが容易で清潔に保つことができ、さらに、前記本体2の内部が汚れても簡単に洗うことができる。
【0026】
前記本体2の上面には、平面視略矩形の凹部5が設けられている。
図4に示すように、前記凹部5は底面および3つの側面から構成され、3つの側面は略コ字状に配置されており、2つの側面は対向し互いに平行に配置され、平行な2つの側面の一端は残りの1つの側面によって接続され、平行な2つの側面の他端は前記本体2の側面と繋がっていることで、前記凹部5の一部分15は、前記本体2の側面と繋がって開放され、前記本体2の側面に沿って下方へと延伸されており、前記ストッパー3をスライドさせる際に、前記ストッパー3を下方から指で引っ張るためのスペースとなる。
【0027】
前記凹部5の平行な2つの側面には、前記ストッパー3を所定の範囲でスライドさせるために、
図4に示すように、前記本体2内と連通される開口8が設けられている。そして、前記ストッパー3のスライドを停止するために、前記開口8の上部には上方に突出した2つの半円柱状の切り欠き9を設けている。前記凹部5の底面には円形の開口6が設けられており、前記本体2内にパウチ容器4を収容した時に、前記パウチ容器4のスパウト42が前記開口6に挿入されて突出する。前記凹部5の平行な2つの側面を繋ぐ1つの側面は、前記開口6の一部に沿った曲面を有している。
【0028】
前記ストッパー3は、
図3に示すように、平面視略U字状の開口10を有し、前記略U字状の開口10は、水平方向に切り欠かれた溝11が縁に沿って、
図3(b)に破線で示すように、略U字状に設けられている。前記溝11は、前記パウチ容器4のスパウト42の鍔部45が挿入可能な大きさに設定されている。前記ストッパー3の平行な2つの側面には、それぞれ水平方向に突出する凸部12が設けられており、前記凸部12が前記本体2の凹部5の側面の開口8に挿入され、前記開口8内でスライド可能に係合されることにより、前記ストッパー3を、前記本体2に対してスライド可能に取り付けることができる。
【0029】
前記凸12の上面には半円柱状の1つの突起13が設けられている。前記突起13は前記凹部5の平行な2つの側面の開口8にそれぞれ2つずつ設けられた半円柱状の切り欠き9と係合する大きさであり、前記突起13および前記切り欠き9が、前記ストッパー3を所定の位置で停止させるための停止部材となる。前記突起13が係合される2つの半円柱状の切り欠き9のうち1つの切り欠き9は、前記突起13が係合した時に、前記ストッパー3が前記本体2の開口6から離れて前記パウチ容器4が着脱できる状態となる位置に設けられ、もう1つの切り欠き9は、前記ストッパー3によって前記パウチ容器4を固定した状態となる位置に設けられている。これにより、前記ストッパー3を、前記パウチ容器4を固定する位置(
図8(c)の位置)、および、前記パウチ容器4をパウチ容器ディスペンサー1に着脱する位置(
図8(a),(b)の位置)でそれぞれ停止させて固定することができる。そして、前記突起13と前記切り欠き9との係合を解除すると、前記ストッパー3は、前記パウチ容器4を固定する位置(
図8(c)の位置)と、前記パウチ容器4をパウチ容器ディスペンサー1に着脱する位置(
図8(a),(b)の位置)との間でスライド可能となる。
【0030】
前記パウチ容器ディスペンサー1に使用するパウチ容器4について説明する。前記パウチ容器4は、
図6に示すように、袋状のパウチ41にスパウト42を設けた容器であり、前記スパウト42をキャップ43で密閉している一般的なパウチ容器である。前記スパウト42の側面には、
図9に示すように、少なくとも2つの平行な面44が含まれている。これは、前記パウチ容器4内に収容物を充填作業時に前記スパウト42を保持して固定するためなどに用いられる部分である。また、前記スパウト42の側面には少なくとも1つの鍔部45が設けられている。前記パウチ容器ディスペンサー1は、前記パウチ容器4の2つの平行な面44および鍔部45を利用して前記パウチ容器4を固定する。
【0031】
前記ストッパー3が前記パウチ容器4のスパウト42の側面に当接し、より強固に固定するために、前記略U字状の開口10の縁は、
図3に示すように、前記溝11よりも上側の面は、前記スパウト42の2つの平行な面44を含む側面に合わせた形状とし、前記溝11よりも下側の面は、前記スパウト42の鍔部45よりも下の円柱形の側面に合わせた曲面としている。
【0032】
前記パウチ容器4を前記パウチ容器ディスペンサー1に取り付ける方法について説明する。
図2に示すのは、前記パウチ容器4を取り付ける前の前記パウチ容器ディスペンサー1の斜視図である。この時、前記ストッパー3は前記本体2の開口6から離れる方向にスライドさせてあり、前記ストッパー3の突起13は前記本体2の凹部5の側面の開口8の切り欠き9の1つと係合されて固定されている。これにより、前記本体2の凹部5の開口6は開いた状態となっている。
【0033】
このような状態のパウチ容器ディスペンサー1の本体2の底の開口から、
図6に示すように、前記パウチ容器4を前記本体2内へと挿入し、前記パウチ容器4のスパウト42を前記本体2の凹部5の開口6に下方から挿入する。この時、前記パウチ容器4は未使用であり、前記スパウト42は前記キャップ43によって閉じられていることから、前記開口6は前記キャップ43が通過可能な大きさに設定している。
【0034】
図7に示すように、前記キャップ43を閉めた状態の前記パウチ容器4のスパウト42を前記開口6に挿入した後、まずは、前記ストッパー3を押して、前記パウチ容器4の前記本体2の方向に力を加えることにより前記突起13と前記本体2の切り欠き9との係合を解除し、その後、前記ストッパー3を前記スパウト42に向かってスライドさせる。
【0035】
前記ストッパー3を前記本体2の開口6から突出している前記スパウト42に向かってスライドさせると、前記ストッパー3の略U字状の開口10内に水平方向に前記スパウト42の側面が挿入されることになる。この時、前記ストッパー3の溝11内に前記スパウト42の鍔部45が挿入され、前記ストッパー3の略U字状の開口10の縁の互いに平行な直線部分は、前記スパウト42の平行な面44と接するようになる。
【0036】
前記ストッパー3のスライドは、前記ストッパー3の進行方向の前方に位置する面が前記凹部5の側面と接し、前記ストッパー3の突起13が前記本体2のもう1つの切り欠き9に係合されることによって停止される。この時、
図5(a)、(b)に示すように、前記ストッパー3の略U字状の開口10の溝11の半円部分にも前記スパウト42の鍔部45が挿入されている。このようにして、前記ストッパー3による前記パウチ容器4の固定が完了する。
【0037】
前記ストッパー3の突起13が前記本体2の切り欠き9と係合されて前記ストッパー3のスライドは停止されていることにより、前記スパウト42の水平方向への移動は阻止されており、前記ストッパー3は停止された状態が保持される。さらに、前記ストッパー3の溝11に前記スパウト42の鍔部45が挿入されていることにより、前記スパウト42の垂直方向への移動は阻止されていることから、前記スパウト42は前記ストッパー3によって前記本体2から外れないように固定された状態となる。そして、前記ストッパー3の略U字状の開口10の縁の互いに平行な直線部分が、前記スパウト42の平行な面44と接していることから、前記ストッパー3によって前記スパウト42の回転は阻止された状態となっている。
【0038】
このようにして、前記ストッパー3により、前記スパウト42は垂直方向および水平方向への移動および回転が阻止されていることから、前記パウチ容器4は前記パウチ容器ディスペンサー1に確実に固定された状態となる。このように前記パウチ容器4を前記パウチ容器ディスペンサー1に固定した後に、前記パウチ容器4のキャップ43を開けることで、前記パウチ容器4内の収容物を使用することが出来るようになる。そのために、本発明のパウチ容器ディスペンサー1は、パウチ容器4を固定するまでキャップ43を開ける必要が無いことから、パウチ容器4から収容物が溢れる、零れるといった問題を解決することができる。
【0039】
そして、前記スパウト42を固定している前記ストッパー3の2つの側面は、
図8(c)に示すように、前記本体2の凹部5の2つの平行な側面と接しており、前記ストッパー3は、略U字状の開口10が開く方向に変形しないように保持されていることから、繰り返し使用した場合でも前記ストッパー3の変形によって前記スパウト42の固定強度が弱まることが無いので、本発明のパウチ容器ディスペンサー1は、長期間、十分な固定強度を維持することができるようになり、耐久性が向上するという効果を奏する。
【0040】
前記パウチ容器4を前記パウチ容器ディスペンサー1に取り付けて使用する際に、前記スパウト42にポンプを取り付けて使用することも可能である。この場合、
図1に示すように、前記パウチ容器4を前記パウチ容器ディスペンサー1に固定した後、キャップ43を取り外してポンプを取り付けることができるので、前記パウチ容器4を取り付ける作業時にキャップ43を閉じた状態を保つことになる。そして、前記パウチ容器ディスペンサー1は、前記ストッパー3によって垂直方向にも強固に固定されており、前記本体2も安定した構造および形状を有していることから、パウチ容器4に取り付けたポンプを使用する場合でも安定して作業することができる。
【0041】
前記パウチ容器4の収容物が無くなり空になり、前記パウチ容器4を前記パウチ容器ディスペンサー1から取り外す場合、初めに、前記凹部5の一部分15に指を入れ、前記ストッパー3の縁に下から指を掛けて前記本体2から離れる方向に力を加えて、前記ストッパー3の突起13と前記本体2の凹部5の側面の開口8の切り欠き9との係合を解除し、その後、前記ストッパー3を前記本体2の開口6から離れる方向にスライドさせる。そして、前記ストッパー3の突起13が前記本体2の凹部5の側面の開口8のもう1つの切り欠き9と係合されると、前記ストッパー3のスライドが停止される。
【0042】
前記ストッパー3のスライドが停止された時には、
図7に示すように、前記ストッパー3は前記パウチ容器4のスパウト42から離れており、前記パウチ容器4の固定は解除されている。このようにして、前記パウチ容器4の前記ストッパー3による固定が解除されると、前記パウチ容器ディスペンサー1を上方へと移動させると、前記パウチ容器4は前記本体2の底の開口から下方に取り出された状態となる。
【0043】
このようなパウチ容器4を前記パウチ容器ディスペンサー1から取り外す動作を行う際にも、前記パウチ容器4のスパウト42にはキャップ43を閉めた状態で行うことが出来るので、前記パウチ容器4に残っている収容物を零すことなく作業することができる。前記スパウト42にポンプを取り付けている場合は、ポンプを取り外し、キャップ43を閉めた状態で行う。
【0044】
前記パウチ容器ディスペンサー1は、前記ストッパー3をスライドさせるという簡単な動作で、確実にパウチ容器4を固定することができる。そして、前記ストッパー3は前記凹部5内に保持されていることで、前記パウチ容器4のキャップ43を開ける際、前記スパウト42を介して前記ストッパー3を回転させる方向に力が作用したとしても、前記凹部5の2つの平行な側面によって回転方向に作用した力が打ち消されるために、前記パウチ容器4を固定する強度を向上させることができ、前記パウチ容器4にポンプを付けて使用する場合でも十分な固定強度を確保し、パウチ容器ディスペンサー1の耐久性を向上させることができる。
【0045】
次に、本発明の第2の実施形態のパウチ容器ディスペンサー1’について図を用いて以下に詳細に説明する。
図10,13~16が本発明の第2の実施形態のパウチ容器ディスペンサー1’の斜視図であり、
図11,12が正面図である。第2の実施形態のパウチ容器ディスペンサー1’は、本体2’を上下に分割した形態であり、ストッパー3については第1の実施形態のパウチ容器ディスペンサーと同じものを用いていることから、本体2’を中心に説明する。また、前記パウチ容器ディスペンサー1’に取り付けるパウチ容器4についても第1の実施形態と同じものを用いることから詳細な説明は省略する。
【0046】
第2の実施形態のパウチ容器ディスペンサー1’は、
図10,11に示すように、本体2’、前記本体2’にスライド可能に取り付けられたストッパー3を備えており、前記本体2’内に収容したパウチ容器4のスパウト42を前記ストッパー3で固定することで、パウチ容器4を詰め替えることなくそのまま使用することができる。
【0047】
前記本体2’は上部本体21と下部本体22とに上下に分割されており、前記上部本体21は前記下部本体22に着脱可能に取り付けられている。前記上部本体21は上面と側面を有し、前記下部本体22は側面と底面とを有する。
図10,11に示すように、前記上部本体21の側面と前記下部本体22の側面がヒンジ23によってヒンジ係合され、前記上部本体21が前記ヒンジ23によって前記下部本体22に対して開閉可能に取り付けられている。そして、前記上部本体21と前記下部本体22は、
図11に示すように、前記ヒンジ23と対向する位置に設けられている固定部材24によって互いに固定される。前記パウチ容器ディスペンサー1’は、このように、底面を有する構造の本体2’を用いることで強度および安定性を高めることができる。
【0048】
前記固定部材24は、
図11に示すように前記上部本体21の側面に下方へと延伸するように設けられたタブと、
図12に示すように前記下部本体22の側面に設けられたフックから構成される。前記上部本体21を前記下部本体22に固定する際には、前記タブに設けられた開口内に前記フックを挿入して引っ掛けるようにして係合させることによって固定する。そして、前記固定部材24による固定を解除する際には、前記タブを引っ張って前記フックから離脱させて係合を解除する。前記固定部材24の構造については限定するものではなく、他の構造を用いることも可能である。
【0049】
前記本体2’は、上面に近い箇所で上部本体21と下部本体22とに上下に分割されているが、分割箇所はこれに限定するものではなく、前記本体2’の上端で分割し、前記上部本体21を蓋のような形状とすることも可能であり、また、前記本体2’の下端で分割し、前記下部本体22を底蓋のような形状とすることも可能である。また、前記上部本体21を前記下部本体22に着脱可能に取り付ける構造は、ヒンジを用いた構造に限定するものではなく、ヒンジを用いないで着脱可能な構造とすることも可能である。
【0050】
前記下部本体22の底面には、
図16に示すように、側面へと繋がる複数のスリット形状の水抜き孔25を設けている。前記パウチ容器ディスペンサー1’を水回りで使用する際に、前記本体2’内に水が入った場合、前記水抜き孔25によって水を排出することができる。前記水抜き孔25の形状はスリットに限定するものではなく、複数の円形または矩形の孔等も可能である。
【0051】
前記本体2’の上部本体21の上面には、第1の実施形態と同様に、平面視略矩形の凹部5が設けられており、前記凹部5は底面および3つの側面から構成され、3つの側面は略コ字状に配置されている。そして、前記凹部5の一部分15は、前記本体2’の上部本体21の側面に沿って下方へと延伸されており、前記ストッパー3をスライドさせる際に、前記ストッパー3を下方から指で引っ張るためのスペースとなる。前記ストッパー3および前記ストッパー3を前記凹部5にスライド可能に取り付ける構造は、第1の実施形態と同様であることから詳細な説明は省略する。
【0052】
次に、パウチ容器4を第2の実施形態のパウチ容器ディスペンサー1’に取り付ける方法について説明する。パウチ容器4をパウチ容器ディスペンサー1’に取り付けるために、初めに、前記ストッパー3を前記本体2’の開口6から離れる方向にスライドさせておくが、この時、前記ストッパー3の突起13は前記本体2’の上部本体21の凹部5の側面の開口8の切り欠き9の1つと係合されて前記ストッパー3は停止されている。これにより、前記本体2’の上部本体21の凹部5の開口6は開いた状態となっている。
【0053】
そして、前記上部本体21と前記下部本体22の固定部材24による固定を解除し、
図12,13に示すように、前記上部本体21をひっくり返すように移動させると、前記本体2’は、前記下部本体22の開口が開いた状態となる。このような状態になったら、前記パウチ容器4を前記下部本体22内に上から入れる。
図14に示すように、前記パウチ容器4を前記下部本体22にセットしたら、前記上部本体21を移動させて、前記下部本体22に固定する。
【0054】
この時、前記上部本体21の開口6は開いていることから、前記上部本体21の移動によって前記パウチ容器4のスパウト42は、
図15に示すように、前記上部本体21の開口6へと挿入される。前記上部本体21を前記固定部材24(図示せず)によって前記下部本体22に固定すると、前記パウチ容器4のスパウト42は前記本体21の開口6から上方に突出した状態となる。この時、前記パウチ容器4のスパウト42は前記キャップ43によって閉じられた状態のまま、前記開口6に挿入される。
【0055】
図15に示すように、前記上部本体21を前記下部本体22に固定した後、前記ストッパー3を前記本体2’に向かって押すように力を加えることにより、前記突起13と前記本体2’の切り欠き9との係合を解除し、その後、前記ストッパー3をスライドさせる。前記ストッパー3を前記スパウト42に向かってスライドさせると、前記ストッパー3の溝11内に前記スパウト42の鍔部45が挿入され、前記ストッパー3の略U字状の開口10の縁の互いに平行な直線部分は、前記スパウト42の平行な面44と接するようになる。
【0056】
前記ストッパー3のスライドは、前記ストッパー3の進行方向の前方に位置する面が、前記凹部5の側面と接し、前記ストッパー3の突起13が前記本体2’のもう1つの切り欠き9に係合されることによって停止される。この時、前記ストッパー3の略U字状の開口10の溝11の半円部分にも前記スパウト42の鍔部45が挿入されている。このようにして、
図10,11に示すように、前記ストッパー3による前記パウチ容器4の固定が完了し、前記パウチ容器4は前記パウチ容器ディスペンサー1’に取付られて使用できる状態となる。
【0057】
次に、前記パウチ容器4を前記パウチ容器ディスペンサー1’から取り外す方法について説明する。前記ストッパー3による前記パウチ4の固定を解除する方法は第1の実施形態と同様であり、前記ストッパー3の突起13と前記本体2’の凹部5の側面の開口8の切り欠き9との係合を解除して、前記ストッパー3を前記パウチ容器4のスパウト42から離れる方向にスライドさせると、
図15に示すように、前記パウチ容器4の固定は解除される。
【0058】
その後、前記上部本体21と前記下部本体22の固定部材24による固定を解除し、前記上部本体21をひっくり返すように移動させると、前記パウチ容器4のスパウト42から、前記上部本体21は離れ、
図14に示すように、前記パウチ容器4の上方は開放されることから、前記下部本体22から前記パウチ容器4を取り出すことができる。
【0059】
このようなパウチ容器4を前記パウチ容器ディスペンサー1’から取り外す動作を、前記パウチ容器4のスパウト42にキャップ43を閉めらた状態で行うことができるので、前記パウチ容器4に残っている収容物が零れることなく作業することができる。
【0060】
次に、本発明の第3の実施形態のパウチ容器ディスペンサー1’’について図を用いて以下に詳細に説明する。
図17~19が本発明の第3の実施形態のパウチ容器ディスペンサー1’’の斜視図であり、
図20が平面図である。前記パウチ容器ディスペンサー1’’に取り付けるパウチ容器4については第1,2の実施形態と同じものを用いることから詳細な説明は省略する。
【0061】
第3の実施形態のパウチ容器ディスペンサー1’’は、
図17~20に示すように、本体2’’、前記本体2’’にスライド可能に取り付けられた2つのストッパー3’を備えており、前記本体2’’内に収容したパウチ容器4のスパウト42を2つの前記ストッパー3’で挟んで固定することで、パウチ容器4をそのまま使用することができる。
【0062】
前記本体2’’は上面および多角柱状側面を有し、底の部分は開口となっており、下方に向かって徐々に広がった形状を有しており、底の開口から前記パウチ容器4を挿入して収容する。前記本体2’’は上面および側面は一体形成されており、側面の下端には切り欠き7’が2箇所に対向するように設けられている。
【0063】
前記本体2’’の上面には、平面視略矩形の凹部5’が設けられており、前記凹部5’は底面および対向する2つの側面から構成され、前記凹部5’の2つの側面は互いに平行に配置されており、前記本体2’’の対向する側面とそれぞれ繋がっており開放されている。これにより、前記凹部5’は、前記本体2’’の上面を横断する溝のような構造となっている。
【0064】
前記凹部5’の平行な2つの側面には、2つの前記ストッパー3’を所定の範囲でスライドさせるために、前記本体2’’内と連通される開口8’が2つずつ設けられている。そして、前記ストッパー3’のスライドを停止するために、前記開口8’には、それぞれ上部に上方に突出した2つの半円柱状の切り欠き9’を設けている。前記凹部5’の底面には円形の開口6’が設けられており、前記本体2’’内にパウチ容器4を収容した時に、
図19に示すように、前記パウチ容器4のスパウト42が前記開口6’に挿入されて突出する。
【0065】
2つの前記ストッパー3’は、
図18に示すように、それぞれ平面視略U字状の開口10’を有し、前記凹部5’内において略U字状の開口10’が対向するように配置されている。そして、2つの前記ストッパー3’は互いに近づく方向および互いに離れる方向にスライド可能に前記凹部5’内に配置されている。2つの前記ストッパー3’は互いに近づく方向にスライドすると、2つの前記略U字状の開口10’が繋がって1つの開口を形成する。
【0066】
前記ストッパー3’の略U字状の開口10’は、水平方向に切り欠かれた溝11’が縁に沿って、
図20(a),(b)に破線で示すように、略U字状に設けられている。前記溝11’には、前記パウチ容器4のスパウト42の鍔部45がそれぞれ挿入され、最終的には2つの前記溝11’に前記スパウト42の鍔部45はほぼ全てが挿入された状態となる。前記ストッパー3’の平行な2つの側面には、それぞれ水平方向に突出する凸部12’が設けられており、前記凸部12’が前記本体2’’の凹部5’の側面の開口8’に挿入され、前記開口8’内でスライド可能に係合されることにより、2つの前記ストッパー3’を、それぞれ前記本体2’’に対してスライド可能に取り付けることができる。
【0067】
前記凸12’の上面には1つの突起13’が設けられており、前記突起13’は前記凹部5’の平行な2つの側面の開口8’にそれぞれ2つずつ設けられた半円柱状の切り欠き9’と係合する。前記突起13’が係合される2つの半円柱状の切り欠き9’のうち1つの切り欠き9は、前記突起13’が係合した時に、2つの前記ストッパー3’が前記本体2’’の開口6’から離れ、2つの前記ストッパー3’が互いに離れた状態となる位置に設けられ、もう1つの切り欠き9’は、2つの前記ストッパー3’が互いに近づいて接触し、前記パウチ容器4を固定する状態となる位置に設けられている。
【0068】
これにより、前記ストッパー3’を、前記パウチ容器4を固定する位置(
図20(c)の位置)、および、前記パウチ容器4をパウチ容器ディスペンサー1’’に着脱する位置(
図20(a),(b)の位置)で固定することができる。そして、前記突起13’と前記切り欠き9’との係合を解除すると、前記ストッパー3’は、前記パウチ容器4を固定する位置(
図20(c)の位置)と、前記パウチ容器4をパウチ容器ディスペンサー1’’に着脱する位置(
図20(a),(b)の位置)との間でスライド可能となる。
【0069】
図17に示すように、2つの前記ストッパー3’の表面には窪み14が設けられている。前記窪み14は前記ストッパー3’をスライドさせる際に、指先を入れてスライドし易くするためのものであり、平面視円形で湾曲面からなる形状を有している。前記窪み14の代わりに突起を設けることも可能である。
【0070】
前記パウチ容器4を第3の実施形態のパウチ容器ディスペンサー1’’に取り付ける方法について説明する。
図18,20(a)に示すのは、前記パウチ容器4を取り付ける前の前記パウチ容器ディスペンサー1’’の斜視図である。この時、2つの前記ストッパー3’は互いに離れるようにスライドさせてあり、前記ストッパー3’の突起13’は前記本体2’’の凹部5’の側面の開口8’の切り欠き9’の1つと係合されて固定されている。この時、前記本体2’’の凹部5’の開口6’は開いた状態となっている。
【0071】
このような状態のパウチ容器ディスペンサー1’’の本体2’’の底の開口から、前記パウチ容器4を挿入し、前記パウチ容器4のスパウト42を前記本体2’’の凹部5’の開口6’に下方から挿入する。この時、前記スパウト42は前記キャップ43によって閉じられた状態であることから、前記パウチ容器4の収容物が零れることなく安全に作業することができる。
【0072】
図19,20(b)に示すように、前記パウチ容器4のスパウト42を前記開口6’に挿入した後、2つの前記ストッパー3’を互いに近づく方向に押すことにより、前記突起13’と前記本体2’’の切り欠き9’との係合を解除し、2つの前記ストッパー3’を互いに近づけるようにスライドさせる。
【0073】
2つの前記ストッパー3’を互いに近づく方向にスライドさせると、2つの前記ストッパー3’は前記スパウト42を両側から挟みこむような状態となるが、この時、2つの前記ストッパー3’の溝11’内に前記スパウト42の鍔部45が水平方向に挿入され、前記ストッパー3’の略U字状の開口10’の縁の互いに平行な直線部分は、前記スパウト42の平行な面44と接するようになる。
【0074】
2つの前記ストッパー3’のスライドは、2つの前記ストッパー3’が互いに接触し、前記ストッパー3’の突起13’は前記本体2’’のもう1つの切り欠き9’に係合されることによって停止される。この時、2つの前記ストッパー3’の略U字状の開口10’は繋がって1つの開口を形成し、1つの開口内に前記スパウト42が位置することになる。そして、2つの前記ストッパー3’の略U字状の開口10’の溝11’内に、前記スパウト42の鍔部45のほぼ全周が挿入されている。このようにして、
図17,20(c)に示すような状態となり、2つの前記ストッパー3’による前記パウチ容器4の固定が完了する。
【0075】
この時、2つの前記ストッパー3’の突起13’が前記本体2’’の切り欠き9’と係合することで、2つの前記ストッパー3’のスライドは停止されていることにより、前記スパウト42の水平方向への移動は阻止されている。そして、2つの前記ストッパー3’の溝11’に前記スパウト42の鍔部45が挿入されていることにより、前記スパウト42の垂直方向への移動は阻止されており、前記スパウト42は2つの前記ストッパー3’によって前記本体2’’に固定された状態となる。そして、前記ストッパー3’の略U字状の開口10’の縁の互いに平行な直線部分が、前記スパウト42の平行な面44と接していることから、2つの前記ストッパー3’によって前記スパウト42の回転は阻止された状態となっている。このようにして、前記パウチ容器4の取り付けが完了した後、前記パウチ容器4のキャップ43を開けると、前記パウチ容器4内の収容物を使用することが出来るようになる。
【0076】
第3の実施形態のパウチ容器ディスペンサー1’’は、2つの前記ストッパー3’によって、前記スパウト42の垂直方向および水平方向への移動、および、回転を阻止することで、前記パウチ容器4を前記パウチ容器ディスペンサー1’’に確実に固定することができる。
【0077】
このように、第3の実施形態のパウチ容器ディスペンサー1’’も、パウチ容器4を固定するまでキャップ43を開ける必要が無いことから、従来のような収容物が溢れる、零れるといった問題を解決することができる。
【0078】
そして、前記スパウト42を固定している2つの前記ストッパー3’の2つの側面は、前記本体2’’の凹部5’の2つの平行な側面と接しており、2つの前記ストッパー3’は、略U字状の開口10が開く方向への変形が阻止されていることから、2つの前記ストッパー3’による前記スパウト42の固定強度が弱まることが無く、長期間、十分な固定強度を維持することができるようになるので、耐久性が向上するという効果を奏する。
【0079】
さらに、第3の実施形態のパウチ容器ディスペンサー1’’は、2つの前記ストッパー3’を前記本体2’’に対称に配置することができるので、デザイン性を高めることができる。
【0080】
次に、前記パウチ容器4を前記パウチ容器ディスペンサー1’’から取り外す方法について説明する。2つの前記ストッパー3’による前記パウチ4の固定を解除するために、まずは、前記窪み14を利用して2つの前記ストッパー3’に互いに離れる方向に力を加えて、2つの前記ストッパー3’の突起13’と前記本体2’’の凹部5’の側面の開口8’の切り欠き9’との係合を解除し、その後、2つの前記ストッパー3’をさらに離れる方向へとスライドさせると、2つの前記ストッパー3’は前記パウチ容器4のスパウト42から離れ、前記パウチ容器4の固定は解除される。
【0081】
その後、2つの前記ストッパー3’の突起13’が前記本体2’’の凹部5’の側面の開口8’のもう1つの切り欠き9’とそれぞれ係合されると、2つの前記ストッパー3’のスライドが停止される。2つの前記ストッパー3’のスライドが停止された時には、
図19,20(b)に示すように、2つの前記ストッパー3’は前記パウチ容器4のスパウト42から離れており、前記パウチ容器4の固定は解除されている。このようにして、前記パウチ容器4の2つの前記ストッパー3’による固定が解除されると、前記本体2’’を上に持ち上げると、前記パウチ容器4は前記本体2’’の底の開口から取り出すことができる。
【0082】
このようにパウチ容器4を前記パウチ容器ディスペンサー1’’から取り外す動作を行う際にも、前記パウチ容器4のスパウト42にはキャップ43を閉めた状態で行うことが出来るので、前記パウチ容器4に残っている収容物を零すことなく作業することができる。
【0083】
さらに、第4の実施形態のパウチ容器ディスペンサー101について図を用いて以下に詳細に説明する。
図21,22,26が本発明の第4の実施形態のパウチ容器ディスペンサー101の斜視図であり、
図25が断面図である。第4の実施形態のパウチ容器ディスペンサー101は、本体102、および、前記本体102にスライド可能に取り付けられたストッパー103を備えており、前記本体102内に収容したパウチ容器4のスパウト42を前記ストッパー103で固定することで、パウチ容器4をそのまま容器の一部として使用することができる。前記パウチ容器4については第1~3の実施形態と同じものを用いることから詳細な説明は省略する。
【0084】
前記本体102の全体の形状は、第1の実施形態の本体2と類似の形状を有しており、
図21,22に示すように、下方に向かって徐々に広がった裾広がりの筒状の形状を有し、底の部分は開口となっている。そして、前記本体102の側面の下端には切り欠き107が対向するように2箇所設けられている。
【0085】
図24に示すように、前記本体102の上面には段差が設けられ、低い方の面の上に、互いに平行な2つのリブ108、および、平面視略矩形の凹部105が設けられている。前記凹部105は、底面および3つの側面から構成されているが、3つの側面のうち2つの側面は、2つの前記リブ108の側面であり、残りの1つの側面は、段差による側面である。
【0086】
前記リブ108は、
図25(a)に示すように逆L字状の断面形状を有し、前記本体102の上面には、
図24に示すように、前記リブ108に沿って貫通孔115が設けられている。そして、前記ストッパー103のスライドを停止するための4つの半円柱状の突起109が、
図24に示すように、前記本体102の上面に、前記貫通孔115に沿って2つずつ設けられている。そして、前記凹部105の底面には、
図24に示すように、前記パウチ容器4のスパウト42が挿入される、円形の開口106が設けられている。
【0087】
前記ストッパー103は、
図21,22,25に示すように、前記本体102の上面の段差の低い方の面全体を覆う大きさおよび形状を有しており、前記パウチ容器4を固定した状態では、前記凹部105、前記本体102の上面の低い方の面、および、2つの前記リブ108を覆っており、前記ストッパー103の上面が、前記本体102の高い方の面と同じ高さであることから、前記前記本体102の上面の段差が解消され、平坦な状態となる。そして、前記ストッパー103は、平面視略U字状の開口110を有し、前記略U字状の開口110の縁には、水平方向に切り欠かれた溝111が、
図23(b)に破線で示すように、略U字状に設けられている。
【0088】
さらに、前記ストッパー103の底面には、
図23(b)に示すように、前記略U字状の開口110を挟むように、互いに平行な2つの溝112が設けられている。前記溝112の断面は略コ字状であり、前記本体102のリブ108が水平方向に挿入される大きさを有している。これにより、前記溝112および前記リブ108は互いに水平方向にスライド可能となり、前記ストッパー103は前記本体102にスライド可能に取り付けられる。
【0089】
前記ストッパー103の溝112を形成する側壁116の下端には、1つの半円柱状の窪み113が設けられている。前記ストッパー103の窪み113に、前記本体102の突起109が挿入されて係合することによって、前記ストッパー103を、前記パウチ容器4を固定する位置(
図21の位置)、および、前記パウチ容器4をパウチ容器ディスペンサー101に着脱する位置(
図22,26の位置)でそれぞれ停止させて固定することができる。このように、前記窪み113および前記突起109がストッパー103を所定の位置で停止させるための停止部材として機能する。そして、前記突起109と前記窪み113との係合を解除すると、前記ストッパー103は、前記パウチ容器4を固定する位置と、前記パウチ容器4をパウチ容器ディスペンサー101に着脱する位置との間でスライド可能となる。
【0090】
前記ストッパー103の側面の2箇所に複数の凹凸からなる滑り止め114が設けられており、前記滑り止め114を指で持って前記ストッパー103をスライドさせることで、前記ストッパー103の固定の解除、および、スライド操作を容易に行うことができる。前記滑り止め114の代わりに指先を入れる窪み等を側面に設けることも可能であり、他の形態を用いることも可能である。
【0091】
前記パウチ容器4を前記パウチ容器ディスペンサー101に取り付けて固定する方法について説明する。
図22に示すように、前記パウチ容器4を取り付ける前の前記パウチ容器ディスペンサー101は、前記ストッパー103が前記本体102の開口106から離れる方向にスライドさせてあり、前記ストッパー103の窪み113は前記本体102の突起109の1つと係合されて固定されている。これにより、前記本体102の凹部105の開口106は開いた状態で、前記ストッパー103が固定されている。
【0092】
このような状態のパウチ容器ディスペンサー101の本体102の底の開口から、前記パウチ容器4を前記本体102内へと挿入して、前記パウチ容器4のスパウト42を前記本体102の凹部105の開口106から突出させると、
図26の状態となる。その後、前記滑り止め114を利用して前記ストッパー103を押して前記窪み113と前記本体102の突起109との係合を解除し、その後、前記ストッパー103を前記スパウト42に向かってスライドさせると、前記窪み113に、前記本体102のもう1つの突起109が挿入されて係合され、前記ストッパー103のスライドが停止され、固定される。
【0093】
このような前記ストッパー103のスライドによって、
図25(a)に示すように、前記ストッパー103の溝111内に前記スパウト42の鍔部45が挿入され、前記ストッパー103の略U字状の開口110の縁の互いに平行な直線部分が、前記スパウト42の平行な面44と接する状態となる。この時、
図25(b)に示すように、前記ストッパー103の略U字状の開口110の溝111の半円部分にも前記スパウト42の鍔部45が挿入されており、前記ストッパー103によって、前記パウチ容器4が保持され固定された状態となる。
【0094】
前記ストッパー103の窪み113と前記本体102の突起109との係合によって、前記ストッパー103のスライドは停止されていることから、前記スパウト42の水平方向への移動は阻止されており、前記ストッパー103が停止された状態が保持される。そして、前記ストッパー103の溝111に前記スパウト42の鍔部45が挿入されることにより、前記スパウト42の垂直方向への移動は阻止されて、前記スパウト42は前記ストッパー103によって前記本体102から外れないように固定された状態となる。さらに、前記ストッパー103の略U字状の開口110の縁の互いに平行な直線部分が前記スパウト42の平行な面44と接し、前記ストッパー103の略U字状の開口110の周囲が、前記本体102の2つのリブ108によって挟まれて回転できない状態となっていることから、前記ストッパー103によって前記スパウト42の回転は阻止されており、前記キャップ43を開閉する際にも安定した状態を保持することができる。
【0095】
このようにして、前記ストッパー103により、前記スパウト42は垂直方向および水平方向への移動および回転が阻止され、前記パウチ容器4は前記パウチ容器ディスペンサー101に確実に固定された状態を維持することができ、安定した状態で、前記パウチ容器4内の収容物を使用することが出来るようになる。
【0096】
次に、本発明の第5の実施形態の101’について図を用いて以下に詳細に説明する。
図27~30が本発明の第5の実施形態のパウチ容器ディスペンサー101’の斜視図である。前記パウチ容器ディスペンサー101’に取り付けるパウチ容器4については第1~4の実施形態と同じものを用いることから詳細な説明は省略する。
【0097】
第5の実施形態のパウチ容器ディスペンサー101’は、第3の実施形態と同様に2つのストッパー103’を用いた形態であり、
図27~30に示すように、本体102’、および、前記本体102’にスライド可能に取り付けられた2つのストッパー3’を備えており、前記本体102’内に収容したパウチ容器4のスパウト42を2つの前記ストッパー103’で挟んで固定することで、パウチ容器4をそのまま使用することができる。
【0098】
前記本体102’は、第3の実施形態の本体2’’と類似の形状を有しており、
図27~30に示すように、一体形成された上面および多角柱状側面からなり、底の部分は開口となっており、側面の下端には切り欠き107’が2箇所に対向するように設けられている。前記本体102’の上面には、
図30に示すように、互いに平行な2つのリブ108’、および、平面視略矩形の凹部105’が設けられている。前記凹部105’は対向する2つの側面から構成されているが、2つの側面は2つの前記リブ108’の側面であり、2つの前記リブ108’の間が前記凹部105’となる。
【0099】
前記リブ108’は、
図30に示すように逆L字状の断面形状を有し、前記本体102’の上面には、
図30に示すように、前記リブ108’に沿って貫通孔115’が設けられている。そして、前記ストッパー103’のスライドを停止するための8つの半円柱状の窪み109’が、
図30に示すように、前記本体102’の上面に、前記貫通孔115’に沿って4つずつ設けられている。そして、前記凹部105’の底面の中心には、
図28,30に示すように、前記パウチ容器4のスパウト42が挿入される、円形の開口106’が設けられている。
【0100】
2つの前記ストッパー103’は、
図27に示すように、互いに当接した時に、前記本体102’の上面全体を覆う大きさおよび形状を有しており、前記パウチ容器4を固定した状態では、前記本体102’の上面が完全に隠された状態となる。前記ストッパー103’はそれぞれ平面視略U字状の開口110’を有し、前記本体102’の上面に略U字状の開口110’が対向するように配置されている。そして、2つの前記ストッパー103’は互いに近づく方向および互いに離れる方向にスライド可能に前記本体102’の上面に取り付けられている。2つの前記ストッパー103’が互いに近づく方向にスライドすると、2つの前記略U字状の開口110’が繋がって1つの開口を形成する。
【0101】
前記略U字状の開口110’の縁には、水平方向に切り欠かれた溝111’が、略U字状に設けられており、前記溝111’には、前記パウチ容器4のスパウト42の鍔部45がそれぞれ挿入され、最終的には2つの前記溝111’に前記スパウト42の鍔部45はほぼ全てが挿入された状態となる。
【0102】
そして、前記ストッパー103’の底面(
図30の左側参照)には、前記略U字状の開口110’を挟むように、互いに平行な2つの溝112’が設けられている。前記溝112’の断面は略コ字状であり、前記本体102’のリブ108’が水平方向に挿入される大きさを有している。これにより、前記溝112’および前記リブ108’は互いに水平方向にスライド可能となり、2つの前記ストッパー103’は前記本体102’にそれぞれスライド可能に取り付けられる。
【0103】
前記ストッパー103’の2つの前記溝112’を形成する側壁116’の下端には、
図30に示すように、1つの半円柱状の突起113’がそれぞれ設けられている。前記ストッパー103’の突起113’が、前記本体102’の窪み109’に挿入されて係合することによって、前記ストッパー103’を、2つの前記ストッパー103’が互いに近づいて接触し、前記パウチ容器4を固定する位置(
図27の位置)、および、2つの前記ストッパー103’が互いに離れて前記パウチ容器4をパウチ容器ディスペンサー101’に着脱する位置(
図28,29の位置)でそれぞれ停止させて固定することができる。このように、前記突起113’および前記窪み109’がストッパー103’を所定の位置で停止させるための停止部材として機能する。そして、前記窪み109’と前記突起113’との係合を解除すると、前記ストッパー103’は、前記パウチ容器4を固定する位置と、前記パウチ容器4をパウチ容器ディスペンサー101’に着脱する位置との間でスライド可能となる。
【0104】
前記ストッパー103’はそれぞれ、表面には窪み114’が設けられており、前記窪み114’を利用することにより前記ストッパー103’の固定の解除、および、スライド操作を容易に行うことができる。前記窪み114’を前記ストッパー103’の側面に設けることも可能であり、その他にも、突起、滑り止めを用いる等、様々な形態が可能である。
【0105】
前記パウチ容器4を前記パウチ容器ディスペンサー101’に取り付けて固定する方法について説明する。
図28に示すように、前記パウチ容器4を取り付ける前の前記パウチ容器ディスペンサー101’は、2つの前記ストッパー103’が互いに離れるようにスライドさせてあり、2つの前記ストッパー103’の突起113’は、前記本体102’の上面の両端側に位置する窪み109’とそれぞれ係合されて固定されている。これにより、前記本体102’の凹部105’の開口106’は開いた状態で、前記ストッパー103’が固定されている。
【0106】
このような状態のパウチ容器ディスペンサー101’の本体102’の底の開口から、前記パウチ容器4を前記本体102’内へと挿入して、前記パウチ容器4のスパウト42を前記本体102’の凹部105’の開口106’から突出させると、
図29の状態となる。その後、前記窪み114’を利用して2つの前記ストッパー103’を互いに近づく方向に押して前記突起113’と前記本体102’の窪み109’との係合を解除し、その後、2つの前記ストッパー103’を互いに近づく方向にスライドさせると、前記突起113’が、前記本体102’の上面の中央側に位置する窪み109’に挿入されて係合され、2つの前記ストッパー103’のスライドが停止される。
【0107】
この時、2つの前記ストッパー103’は互いに接触しており、2つの前記ストッパー103’の略U字状の開口110’は繋がって1つの開口を形成し、1つの開口内に前記スパウト42が位置することになる。そして、2つの前記ストッパー103’の略U字状の開口110’の溝111’内に、前記スパウト42の鍔部45のほぼ全周が挿入されている。このようにして、
図27に示すような状態となり、2つの前記ストッパー103’による前記パウチ容器4の固定が完了する。
【0108】
このような2つの前記ストッパー103’のスライドによって、2つの前記ストッパー103’が前記スパウト42を両側から挟みこむような状態となり、2つの前記ストッパー103’の溝111’内に前記スパウト42の鍔部45が水平方向に挿入され、2つの前記ストッパー103’の略U字状の開口110’の縁の互いに平行な直線部分は、前記スパウト42の平行な面44と接する状態となる。この時、2つの前記ストッパー103’の略U字状の開口110’の溝111’の半円部分にも前記スパウト42の鍔部45が挿入されており、前記ストッパー103’によって、前記パウチ容器4が固定された状態となる。
【0109】
前記ストッパー103’の突起113’と前記本体102’の窪み109’との係合によって、2つの前記ストッパー103’のスライドは停止されていることから、前記スパウト42の水平方向への移動は阻止されており、2つの前記ストッパー103’が停止された状態が保持される。そして、2つの前記ストッパー103’の溝111’に前記スパウト42の鍔部45が挿入されることにより、前記スパウト42の垂直方向への移動は阻止されて、前記スパウト42は2つの前記ストッパー103’によって前記本体102’から外れないように固定された状態となる。
【0110】
そして、2つの前記ストッパー103’の略U字状の開口110’の縁の互いに平行な直線部分が前記スパウト42の平行な面44と接し、2つの前記ストッパー103’の略U字状の開口110’の周囲が、前記本体102’の2つのリブ108’によって挟まれて水平方向に固定された状態となっていることから、2つの前記ストッパー103’によって前記スパウト42の回転は阻止されており、前記キャップ43を開閉する際にも安定した状態を保持することができる。
【0111】
このようにして、2つの前記ストッパー103’により、前記スパウト42は垂直方向および水平方向への移動および回転が阻止され、前記パウチ容器4は前記パウチ容器ディスペンサー101’に確実に固定された状態とすることができ、安定した状態で、前記パウチ容器4内の収容物を使用することが出来るようになる。
【0112】
第5の実施形態のパウチ容器ディスペンサー101’は、2つのストッパー103’によって容器本体102’の上面全体を覆い隠すことから、よりシンプルな外観を提供することができる。
【0113】
本発明のパウチ容器ディスペンサーは、パウチ容器4をそのまま使用できるだけでなく、パウチ容器4を着脱する際も、キャップ43を閉めた状態で安全に作業することができるようになり、また、ストッパーを本体の上面に重ねることで、パウチ容器ディスペンサーの上部の剛性を高めることもできる。
【符号の説明】
【0114】
1,1’,1’’,101,101’ パウチ容器ディスペンサー
2,2’,2’’,102,102’ 本体
3,3’,103,103’ ストッパー
4 パウチ容器
5,5’,105,105’ 凹部
6,6’,106,106’ 開口
7,7’,107,107’ 切り欠き
8,8’ 開口
9,9’ 切り欠き
10,10’,110,110’ 略U字状の開口
11,11’,111,111’ 溝
12,12’ 凸部
13,13’ 突起
14 窪み
15 凹部の一部分
21 上部本体
22 下部本体
23 ヒンジ
24 固定部材
41 パウチ
42 スパウト
43 キャップ
44 平行な面
45 鍔部
108,108’ リブ
109 突起
109’ 窪み
112,112’ 溝
113 窪み
113’ 突起
114 滑り止め
114’ 窪み
115,115’ 貫通孔
116,116’ 側壁