(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-13
(45)【発行日】2022-06-21
(54)【発明の名称】集電舟の検査装置及び集電舟の検査方法
(51)【国際特許分類】
G01M 17/08 20060101AFI20220614BHJP
B60L 5/20 20060101ALI20220614BHJP
【FI】
G01M17/08
B60L5/20 Z
(21)【出願番号】P 2018149406
(22)【出願日】2018-08-08
【審査請求日】2021-07-29
(73)【特許権者】
【識別番号】390021577
【氏名又は名称】東海旅客鉄道株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014775
【氏名又は名称】株式会社工進精工所
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】阿彦 雄一
(72)【発明者】
【氏名】中村 幸太郎
(72)【発明者】
【氏名】北澤 賢一
(72)【発明者】
【氏名】新谷 宙暁
【審査官】山口 剛
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-067710(JP,A)
【文献】特開2008-151775(JP,A)
【文献】特開2010-025677(JP,A)
【文献】特表2002-504997(JP,A)
【文献】特開2012-080640(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 17/08
B60L 5/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に並置された導電性の複数の板片を有する擦り板と、前記擦り板を弾性支持する複数のバネとを含む架線接触部を有する集電舟の検査装置であって、
前記複数の板片の並置方向における複数の点で、前記摺り板の厚み方向における前記架線接触部の剛性を測定する測定部と、
前記測定部の測定結果に基づく前記複数の点における剛性分布の測定データと、予め用意した剛性分布の基準データとの比較によって、前記集電舟の異常を判定する判定部と、
を備える、集電舟の検査装置。
【請求項2】
請求項1に記載の集電舟の検査装置であって、
前記集電舟は、前記複数の板片と前記複数のバネとの間に配置されると共に、厚み方向に撓み変形可能な撓み板をさらに有する、集電舟の検査装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の集電舟の検査装置であって、
前記測定部は、
前記擦り板の厚み方向の変位を測定する変位センサと、
前記擦り板に加わる厚み方向の荷重を測定する荷重センサと、
を有する、集電舟の検査装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の集電舟の検査装置であって、
前記判定部は、前記集電舟に異常があると判定する際、前記比較の結果に基づいて前記集電舟における異常発生部位を判定する、集電舟の検査装置。
【請求項5】
一方向に並置された導電性の複数の板片を有する擦り板と、前記擦り板を弾性支持する複数のバネとを含む架線接触部を有する集電舟の検査方法であって、
前記複数の板片の並置方向における複数の点で、前記摺り板の厚み方向における前記架線接触部の剛性を測定する工程と、
前記測定する工程での測定結果に基づく前記複数の点における剛性分布の測定データと、予め用意した剛性分布の基準データとの比較によって、前記集電舟の異常を判定する工程と、
を備える、集電舟の検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、集電舟の検査装置及び集電舟の検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道車両は、架線から電流を受け取るための集電装置を備える。集電装置は、架線と接触する擦り板を含む集電舟を有する。擦り板は、枕木方向に延伸し、架線の鉄道車両に対する枕木方向の相対位置がずれても架線との接触が維持されるように構成される。
【0003】
高速鉄道車両では、架線への追従性を高めるため、枕木方向に複数の板片を並べることで上下方向に撓むように構成された分割式の擦り板が使用される(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
分割式の擦り板を用いた集電舟における従来の品質管理では、複数の板片の寸法及び位置の検査が行われる。しかしながら、擦り板が外観では設計通りに組み立てられていても、内部の不具合により設計された撓み性能が奏されない場合がある。そのため、架線との接触安定性(つまり集電性能)の品質管理を行うためには、上記検査のみでは不十分である。
【0006】
本開示の一局面は、分割式の擦り板を用いた集電舟に対する適切な品質管理が可能な擦り板の検査装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様は、一方向に並置された導電性の複数の板片を有する擦り板と、擦り板を弾性支持する複数のバネとを含む架線接触部を有する集電舟の検査装置である。集電舟の検査装置は、複数の板片の並置方向における複数の点で、摺り板の厚み方向における架線接触部の剛性を測定する測定部と、測定部の測定結果に基づく複数の点における剛性分布の測定データと、予め用意した剛性分布の基準データとの比較によって、集電舟の異常を判定する判定部と、を備える。
【0008】
このような構成によれば、架線との接触安定性を高めるために求められる剛性分布を集電舟が有するか判定することができる。つまり、集電性能の観点から集電舟の不具合を判定できるので、集電舟の適切な品質管理ができる。
【0009】
本開示の一態様では、集電舟は、複数の板片と複数のバネとの間に配置されると共に、厚み方向に撓み変形可能な撓み板をさらに有してもよい。このような構成によれば、撓み板を備えることで架線に対する追従性が高められた集電舟に対し、撓み板を検査対象に含めた適切な品質管理ができる。
【0010】
本開示の一態様では、測定部は、擦り板の厚み方向の変位を測定する変位センサと、擦り板に加わる厚み方向の荷重を測定する荷重センサと、を有してもよい。このような構成によれば、複数の点における架線接触部の剛性の測定を容易かつ確実に行なうことができる。
【0011】
本開示の一態様では、判定部は、集電舟に異常があると判定する際、比較の結果に基づいて集電舟における異常発生部位を判定してもよい。このような構成によれば、集電舟における不具合の原因の特定が容易になる。
【0012】
本開示の別の態様は、一方向に並置された導電性の複数の板片を有する擦り板と、擦り板を弾性支持する複数のバネとを含む架線接触部を有する集電舟の検査方法である。集電舟の検査方法は、複数の板片の並置方向における複数の点で、摺り板の厚み方向における架線接触部の剛性を測定する工程と、測定する工程での測定結果に基づく複数の点における剛性分布の測定データと、予め用意した剛性分布の基準データとの比較によって、集電舟の異常を判定する工程と、を備える。
【0013】
このような構成によれば、架線との接触安定性を高めるために求められる剛性分布を集電舟が有するか判定することができる。つまり、集電性能の観点から集電舟の不具合を判定できるので、集電舟の適切な品質管理ができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、鉄道車両の集電装置の模式図である。
【
図2】
図2Aは、
図1の集電装置における集電舟の模式的な断面図であり、
図2Bは、
図2Aとは異なる状態における集電舟の模式的な断面図である。
【
図3】
図3は、実施形態における集電舟の検査装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【
図4】
図4は、
図3の集電舟の検査装置における測定部による剛性の測定手順を示す模式図である。
【
図5】
図5Aは、バネに不具合がある場合の剛性分布を例示するグラフであり、
図5Bは、擦り板の配置に不合がある場合の剛性分布を例示するグラフであり、
図5Cは、撓み板に不具合がある場合の剛性分布を例示するグラフである。
【
図6】
図6は、実施形態における集電舟の検査方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
[1.第1実施形態]
[1-1.構成]
<集電装置>
図1に示す鉄道車両の集電装置10は、集電舟11と、ホーン12と、集電アーム13と、基台14とを備える。
【0016】
集電舟11は、架線に接触する架線接触部11Aを有する。ホーン12は、鉄道車両が分岐器を通過するときの進行方向とは異なる方向の架線の割り込みを防止する。集電アーム13は、集電舟11と基台14とを連結している。基台14は、鉄道車両の車体の屋根に取り付けられている。
【0017】
集電舟11は、
図2A,2Bに示すように、架線Lと接触する擦り板21と、擦り板21の下面に配置された撓み板22と、撓み板22の下側に配置された複数のバネ23と、複数のバネ23を支持する舟体24とを有する。集電舟11の架線接触部11Aは、擦り板21、撓み板22及び複数のバネ23によって構成されている。
【0018】
擦り板21は、枕木方向(つまり、車両の走行方向と垂直な方向)に並置された導電性の複数の板片21Aを有する。複数の板片21Aの材質は、例えば、金属、炭素等である。また、複数の板片21Aと舟体24とは、導通部材(図示省略)によって、電気的に接
続されている。
【0019】
本実施形態では、複数の板片21Aは、全て同じ形状である。ただし、複数の板片21Aには、他の板片21Aと形状の異なるものが含まれてもよい。また、複数の板片21Aは、擦り板21が上下方向に撓み変形できるように、枕木方向に離間して配置されている。複数の板片21Aは、後述する1枚の撓み板22の上面に固定されている。
【0020】
撓み板22は、複数の板片21Aと、複数のバネ23との間に配置されている。撓み板22は、枕木方向に延伸し、厚み方向に撓み変形可能な帯状の板材である。撓み板22の上面には、複数の板片21Aが固定されている。また、撓み板22の下面には、複数のバネ23が連結されている。
【0021】
撓み板22が複数の板片21Aと舟体24との導通部材として用いられる場合は、撓み板22の材質としては、例えば、金属、炭素等の導電性のものが選択される。ただし、撓み板22に導電性が必要とされない場合は、撓み板22の材質はこれらに限定されない。
【0022】
複数のバネ23は、擦り板21及び撓み板22を弾性支持している。複数のバネ23は、伸縮方向(つまり軸方向)が上下方向となる向きに配置されている。複数のバネ23は、撓み板22の下面と、舟体24の底面とに連結されている。
【0023】
また、複数のバネ23は、枕木方向に互いに離間して配置されている。本実施形態では、複数のバネ23は、複数の板片21Aのうち一部の板片21Aの下方に1つずつ取り付けられている。ただし、全ての板片21Aの下方にバネ23が1つずつ取り付けられてもよいし、1つの板片21Aの下方に複数のバネ23が取り付けられてもよい。また、各バネ23の弾性力(つまりバネ定数)は、集電舟11の枕木方向における剛性分布の設計に基づき、適宜決定される。
【0024】
図2A,2Bは、集電舟11における架線接触部11Aの変形の例を示している。
図2Aに示すように架線Lが枕木方向の中心にあるときは、擦り板21及び撓み板22は中央が凹むように撓む。一方、
図2Bに示すように架線Lが枕木方向の左端に寄ったときは、擦り板21及び撓み板22の左側が凹む。このように、架線Lの位置によって架線接触部11Aの撓み位置は変化する。
【0025】
舟体24は、擦り板21、撓み板22及び複数のバネ23(つまり架線接触部11A)を保持している。舟体24は、上面が開口しており、この開口に擦り板21が配置されている。また、舟体24は、集電アーム13と接続されている。
【0026】
<集電舟の検査装置>
図3に示す集電舟の検査装置(以下、単に「検査装置」ともいう。)1は、測定部2と、データ処理部3と、判定部4と、表示部5とを備える。データ処理部3、判定部4及び表示部5は、例えば入出力部を備えるコンピュータにより構成される。
【0027】
(測定部)
測定部2は、複数の板片21Aの並置方向(つまり枕木方向)における複数の点で、摺り板21の厚み方向における架線接触部11Aの剛性を測定する。
【0028】
具体的には、測定部2は、測定アーム2Aと、変位センサ2Bと、荷重センサ2Cと、位置センサ2Dとを有する。
測定アーム2Aは、枕木方向及上下方向に移動可能に構成され、
図4に示すように、擦り板21における枕木方向の任意の位置に上下方向の荷重を加える。
【0029】
変位センサ2Bは、測定アーム2Aに設けられており、荷重を加えた際の擦り板21の厚み方向(つまり上下方向)の変位を測定する。荷重センサ2Cは、測定アーム2Aに設けられており、測定アーム2Aによって擦り板21に加わる厚み方向の荷重(つまり反力)を測定する。位置センサ2Dは、測定アーム2Aの現在の枕木方向における位置を検出する。
【0030】
(データ処理部)
データ処理部3は、測定部2の計測結果に基づき、測定した複数の点における剛性分布の測定データを作成する。
【0031】
具体的には、データ処理部3は、位置センサ2Dが検出した位置ごとに、荷重センサ2Cが測定した荷重を変位センサ2Bの測定値に基づく上下方向の変位量で除した剛性パラメータを算出する。
【0032】
(判定部)
判定部4は、データ処理部3が作成した剛性分布の測定データと、予め用意した剛性分布の基準データとの比較によって、集電舟11の異常を判定する。
【0033】
基準データとしては、良品を実際に検査して得た剛性分布のデータ、解析によって得た理想の剛性分布を示すデータ等が使用できる。基準データは、検査の前に予め作成され、検査装置1の記憶部(図示省略)に記憶されている。
【0034】
判定部4は、例えば、測定データと基準データとにおける剛性の差異が閾値を超える測定点が存在する場合、各測定点での剛性の差異の和が閾値を超える場合などに異常があると判定する。
【0035】
また、判定部4は、集電舟11に異常があると判定する際、測定データの特徴(つまり、測定データと基準データとの比較の結果)に基づいて、集電舟11における異常発生部位を判定する。異常発生部位とは、異常が発生している部品、又はその部品において異常が発生している領域を意味する。
図5A,5B,5Cに示すグラフは、異常発生部位が異なる測定データの例である。
【0036】
図5Aでは、枕木方向Xにおいて、測定データD1の剛性Rが全体的に基準データD0よりも下回っており、一部の領域では測定データD1の剛性Rは大きく減少している。また、測定データD1の枕木方向Xに対する剛性Rの変化は緩やかである。
【0037】
このような場合は、1つのバネ23の不具合(例えば、誤ったバネの取付によるバネ定数の異常)が想定される。バネ23の弾性力が小さくなると、このバネ23を中心としてなだらかに剛性が低下するためである。なお、バネ23に不具合がある場合、一般には局部的に急峻な剛性の変化が起きるが、本実施形態では集電舟11が撓み板22を有しているため、撓み板22の変形によって剛性の変化の一部が吸収される。
【0038】
図5Bでは、枕木方向Xの一部の領域において、測定データD1の剛性Rが基準データD0よりも局所的に大きく上回っている。一方、この領域以外では、測定データD1は基準データD0にほぼ一致している。
【0039】
このような場合は、隣接する板片21Aの間隔の不具合が想定される。隣接する板片21Aの間隔がないと、これらの板片21Aが一つの剛体として振る舞うため、剛性が非常に大きくなるためである。
【0040】
図5Cでは、枕木方向Xの一部の領域において、第1測定データD1の剛性Rが基準データD0よりも局所的に小さくなっている。また、第1測定データD1の剛性Rが基準データD0よりも小さい領域は左右に広がっているが、第1測定データD1における剛性Rの変化は比較的滑らかである。
【0041】
また、
図5Cでは、枕木方向Xの一部の領域において、第2測定データD2の剛性Rが基準データD0よりも局所的に小さくなり、ゼロに近づいている。第2測定データD2の剛性Rが基準データD0よりも小さい領域は、第1測定データD1よりも狭い。また、第2測定データD2における剛性Rの変化は、第1測定データD1よりも急激である。
【0042】
第1測定データD1及び第2測定データD2の場合では、それぞれ、撓み板22の局所的な不具合が想定される。第1測定データD1では、撓み板22に塑性変形が発生したものと想定される。撓み板22が塑性変形すると、変形地点の周囲の剛性が低下するためである。
【0043】
一方、第2測定データD2では、撓み板22に破断が発生したものと想定される。撓み板22が破断すると、隣接する板片21Aの枕木方向Xにおける連結がなくなり、剛性の変化が急激となると共に、破断地点では枕木方向Xにおける拘束がなくなり、剛性がほぼゼロになるためである。
【0044】
判定部4は、上述したような実例に基づき、測定データの基準データに対する剛性の差異の傾向と、異常発生部位とを対応させたテーブルを予め備えておくことで、測定データと基準データとの比較結果から異常を判定することができる。
【0045】
(表示部)
表示部5は、判定部4による判定結果を表示する。判定結果は、例えば、異常の有無、異常発生部位、異常の種類等を含む。
【0046】
[1-2.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1a)判定部4によって、架線との接触安定性を高めるために求められる剛性分布を集電舟11が有するか判定することができる。つまり、集電性能の観点から集電舟11の不具合を判定できるので、集電舟11の適切な品質管理ができる。
【0047】
(1b)測定アーム2Aに設けられた変位センサ2Bと荷重センサ2Cとを用いることで、複数の点における架線接触部11Aの剛性の測定を、容易かつ確実に行なうことができる。
【0048】
(1c)判定部4が測定データと基準データとの比較の結果に基づいて集電舟11における異常発生部位を判定することで、集電舟11における不具合の原因の特定が容易になる。
【0049】
[2.第2実施形態]
[2-1.構成]
図6に示す集電舟の検査方法は、
図3の集電舟の検査装置1を用いて、
図1の集電舟11を検査する方法である。集電舟の検査方法は、測定工程S10と、判定工程S20とを備える。
【0050】
測定工程S10では、複数の板片21Aの並置方向における複数の点で、摺り板21の
厚み方向における架線接触部11Aの剛性を測定する。
【0051】
判定工程S20では、測定工程S10での測定結果に基づく複数の点における剛性分布の測定データと、予め用意した剛性分布の基準データとの比較によって、集電舟11の異常を判定する。
【0052】
なお、当該集電舟の検査方法は、必ずしも
図3の集電舟の検査装置1を用いて行われる必要はない。つまり、測定工程S10又は判定工程S20のいずれか、又は両方が手動で実行されてもよい。
【0053】
[2-2.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(2a)集電性能の観点から集電舟11の不具合を判定できるので、集電舟11の適切な品質管理ができる。
【0054】
[3.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
【0055】
(3a)上記実施形態の集電舟の検査装置1が対象とする集電舟は、必ずしも撓み板を有しなくてもよい。つまり、本開示は、撓み板を有しない集電舟に対しても適用可能である。
【0056】
(3b)上記実施形態の集電舟の検査装置1において、測定部2は、架線接触部11Aの剛性を測定する手段として、変位センサ2B及び荷重センサ2C以外の機器を用いてもよい。
【0057】
(3c)上記実施形態の集電舟の検査装置1において、判定部4は、必ずしも集電舟11における異常発生部位を判定しなくてもよい。つまり、判定部4は、集電舟11における異常の有無のみを判定してもよい。
【0058】
(3d)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
【符号の説明】
【0059】
1…集電舟の検査装置、2…測定部、2A…測定アーム、2B…変位センサ、
2C…荷重センサ、2D…位置センサ、3…データ処理部、4…判定部、5…表示部、
10…集電装置、11…集電舟、11A…架線接触部、12…ホーン、
13…集電アーム、14…基台、21…擦り板、21A…板片、22…撓み板、
23…バネ、24…舟体。