(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-13
(45)【発行日】2022-06-21
(54)【発明の名称】暮らしサポートシステム、暮らしサポート方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A61G 12/00 20060101AFI20220614BHJP
G08B 25/04 20060101ALI20220614BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20220614BHJP
【FI】
A61G12/00 Z
G08B25/04 K
H04M11/00 301
(21)【出願番号】P 2017205375
(22)【出願日】2017-10-24
【審査請求日】2020-10-20
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成29年4月25日 MIKAWAYA21株式会社が、MIKAWAYA21株式会社のウェブサイトにて、小暮政直が発明したボタン付きデバイスについて公開した。 平成29年4月25日 MIKAWAYA21株式会社が、株式会社PR TIMESのウェブサイト(PR TIMES)にて、小暮政直が発明したボタン付きデバイスについて別紙の通り公開した。 平成29年5月22日 株式会社朝日新聞出版が、AERA,2017年5月29日号,第56~57頁にて、小暮政直が発明したボタン付きデバイスについて公開した。 平成29年5月29日 MIKAWAYA21株式会社が、株式会社マッシュメディアのウェブサイト(TECHABLE)にて、小暮政直が発明したボタン付きデバイスについて別紙の通り公開した。 平成29年6月1日 花王株式会社が、花王ケミカルだより,第77号,第10~11頁にて、小暮政直が発明したボタン付きデバイスについて別紙の通り公開した。 平成29年6月2日 MIKAWAYA21株式会社が、Facebook,Inc.のウェブサイト(Facebook)にて、小暮政直が発明したボタン付きデバイスについて公開した。 平成29年6月2日 MIKAWAYA21株式会社が、ヤフー株式会社のウェブサイト(YAHOO!映像トピックス)にて、小暮政直が発明したボタン付きデバイスについて公開した。 平成29年6月2日 MIKAWAYA21株式会社が、Twitter,Inc.のウェブサイト(Twitter)にて、小暮政直が発明したボタン付きデバイスについて公開した。 平成29年6月2日 MIKAWAYA21株式会社が、YouTube,LLCのウェブサイト(YouTube)にて、小暮政直が発明したボタン付きデバイスについて公開した。 平成29年6月5日 株式会社宣伝会議が、人間会議,2017年夏号,第170~173頁にて、小暮政直が発明したボタン付きデバイスについて別紙の通り公開した。 平成29年6月27日 株式会社テレビ東京が、平成29年6月27日23時から放送したWBSという番組(別紙)にて、小暮政直が発明したボタン付きデバイスについて公開した。 平成29年8月1日 MIKAWAYA21株式会社が、ASA南成増にて、小暮政直が発明したボタン付きデバイスの試供品を配布した。 平成29年10月16日 MIK
(73)【特許権者】
【識別番号】514001827
【氏名又は名称】MIKAWAYA21株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】小暮 政直
【審査官】杉▲崎▼ 覚
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-207077(JP,A)
【文献】特開2016-072852(JP,A)
【文献】特開2007-274415(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 12/00
G08B 25/04
H04M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバ装置と物理的なボタンを備えたボタン付きデバイスとを備えたシステムであって、
前記ボタン付きデバイスは、
ボタン付きデバイスを識別するためのデバイスコードを記憶する記憶部と、
前記サーバ装置から通知情報を受信する受信部であって、前記通知情報は、応答を要求しているか否かを示す情報を含む、受信部と、
前記受信部で受信した前記通知情報に基づいて、音声又は光を出力する出力部と、
前記ボタンが押下されたとき、前記デバイスコードを含む情報を前記サーバ装置に送信する送信部であって、受信した前記通知情報が応答を要求しているとき、前記出力部での出力に応答して所定の時間内に前記ボタンが押下されると、前記デバイスコードを含む応答情報を送信する応答情報送信部と、前記応答情報送信部が応答を待機していないとき、前記デバイスコードを含むボタン押下情報を送信する押下情報送信部とを含む、送信部と、
を備え、
前記サーバ装置は、
前記通知情報に対する応答を記憶するサーバ記憶部と、
前記ボタン付きデバイスに前記通知情報を送信するサーバ送信部と、
前記ボタン付きデバイスから前記応答情報を受信して、前記応答情報に基づいて前記サーバ記憶部を更新する応答情報受信部と、
前記ボタン付きデバイスから前記ボタン押下情報を受信して、前記デバイスコードで特定されるボタン付きデバイスに送信する音声データを含む通知情報を前記デバイスコードで特定されるボタン付きデバイスに送信する押下情報処理部と
を備えた、システム。
【請求項2】
物理的なボタンを備えたボタン付きデバイスであって、
ボタン付きデバイスを識別するためのデバイスコードを記憶する記憶部と、
サーバ装置から通知情報を受信する受信部であって、前記通知情報は、応答を要求しているか否かを示す情報を含む、受信部と、
前記受信部で受信した前記通知情報に基づいて、音声又は光を出力する出力部と、
前記ボタンが押下されたとき、前記デバイスコードを含む情報を前記サーバ装置に送信する送信部であって、受信した前記通知情報が応答を要求しているとき、前記出力部での出力に応答して所定の時間内に前記ボタンが押下されると、前記デバイスコードを含む応答情報を送信する応答情報送信部と、前記応答情報送信部が応答を待機していないとき、前記デバイスコードを含むボタン押下情報を送信する押下情報送信部とを含む、送信部と、
を備え、
前記サーバ装置は、前記応答情報に基づいて、前記通知情報に対する応答を管理する処理、及び、前記ボタン押下情報に基づいて、前記デバイスコードで特定されるボタン付きデバイスに送信する音声データを含む通知情報を前記デバイスコードで特定されるボタン付きデバイスに送信する、ボタン付きデバイス。
【請求項3】
前記受信部は、前記サーバ装置から音声データを含む前記通知情報を受信し、
前記出力部は、受信した前記音声データを出力する、請求項2に記載のボタン付きデバイス。
【請求項4】
物理的なボタンを備えたボタン付きデバイスと通信を行うように構成されたサーバ装置であって、
通知情報に対する応答を記憶する
第1の記憶部、及び前記ボタン付きデバイスを識別するためのデバイスコードと、当該デバイスコードで特定されるボタン付きデバイスを配置するエリアを特定するために利用可能なエリアコードとを対応付けて記憶する第2の記憶部を含む、サーバ記憶部と、
前記ボタン付きデバイスに前記通知情報を送信するサーバ送信部であって、前記通知情報は、応答を要求しているか否かを示す情報を含む、サーバ送信部と、
前記ボタン付きデバイスから
前記デバイスコードを含む、前記通知情報に対する応答情報を受信して、前記応答情報に基づいて前記
第1の記憶部を更新する応答情報受信部
であって、前記応答情報は、前記物理的なボタンが押下されることに応じて送信される、応答情報受信部と、
前記ボタン付きデバイスから前記デバイスコードを含む、前記通知情報には関係しないボタン押下情報を受信して、前記デバイスコード
に対応付けられた前記エリアコードに対応する音声データを含む通知情報を前記デバイスコードで特定されるボタン付きデバイスに送信する押下情報処理部
であって、前記ボタン押下情報は、前記物理的なボタンが押下されることに応じて送信される、押下情報処理部と
を備えたサーバ装置。
【請求項5】
前記押下情報処理部は、前記ボタン押下情報から得られる前記ボタン付きデバイスのボタンの押下回数に基づいて、異なる処理を実行する、請求項4に記載のサーバ装置。
【請求項6】
前記サーバ記憶部は、通知情報を送信する条件と、当該通知情報を送信する通知先を特定するための情報とを対応付けて記憶する
第3の記憶部をさらに備え、
前記サーバ送信部は、前記
第3の記憶部に基づいて前記通知情報を送信する、請求項4に記載のサーバ装置。
【請求項7】
物理的なボタンを備えたボタン付きデバイスが実行する方法であって、
サーバ装置から通知情報を受信する工程であって、前記通知情報は、応答を要求しているか否かを示す情報を含む、工程と、
受信した前記通知情報に基づいて、音声又は光を出力する工程と、
前記ボタンが押下されたとき、ボタン付きデバイスを識別するためのデバイスコードを含む情報を前記サーバ装置に送信する工程であって、受信した前記通知情報が応答を要求しているとき、前記出力する工程に応答して所定の時間内に前記ボタンが押下されると、前記デバイスコードを含む応答情報を送信し、応答を待機していないとき、前記デバイスコードを含むボタン押下情報を送信する、工程と、
を含み、
前記サーバ装置は、前記応答情報に基づいて、前記通知情報に対する応答を管理する処理、及び、前記ボタン押下情報に基づいて、前記デバイスコードで特定されるボタン付きデバイスに送信する音声データを含む通知情報を前記デバイスコードで特定されるボタン付きデバイスに送信する、方法。
【請求項8】
物理的なボタンを備えたボタン付きデバイスに、
サーバ装置から通知情報を受信する処理であって、前記通知情報は、応答を要求しているか否かを示す情報を含む、処理と、
受信した前記通知情報に基づいて、音声又は光を出力する処理と、
前記ボタンが押下されたとき、ボタン付きデバイスを識別するためのデバイスコードを含む情報を前記サーバ装置に送信する処理であって、受信した前記通知情報が応答を要求しているとき、前記出力する処理に応答して所定の時間内に前記ボタンが押下されると、前記デバイスコードを含む応答情報を送信し、応答を待機していないとき、前記デバイスコードを含むボタン押下情報を送信する、処理と、
を実行させるプログラムであって、
前記サーバ装置は、前記応答情報に基づいて、前記通知情報に対する応答を管理する処理、及び、前記ボタン押下情報に基づいて、前記デバイスコードで特定されるボタン付きデバイスに送信する音声データを含む通知情報を前記デバイスコードで特定されるボタン付きデバイスに送信する、プログラム。
【請求項9】
物理的なボタンを備えたボタン付きデバイスと通信を行うように構成された、サーバ記憶部を備えたサーバ装置が実行する方法であって、
前記サーバ記憶部は、通知情報に対する応答を記憶する第1の記憶部、及び前記ボタン付きデバイスを識別するためのデバイスコードと、当該デバイスコードで特定されるボタン付きデバイスを配置するエリアを特定するために利用可能なエリアコードとを対応付けて記憶する第2の記憶部を含み、
前記ボタン付きデバイスに
前記通知情報を送信する工程であって、前記通知情報は、応答を要求しているか否かを示す情報を含む、工程と、
前記ボタン付きデバイスから
前記デバイスコードを含む、前記通知情報に対する応答情報を受信して、前記応答情報に基づいて前記
第1の記憶部を更新する工程
であって、前記応答情報は、前記物理的なボタンが押下されることに応じて送信される、工程と、
前記ボタン付きデバイスから前記デバイスコードを含む、前記通知情報には関係しない、ボタン押下情報を受信して、前記デバイスコード
に対応付けられた前記エリアコードに対応する音声データを含む通知情報を前記デバイスコードで特定されるボタン付きデバイスに送信する工程
であって、前記ボタン押下情報は、前記物理的なボタンが押下されることに応じて送信される、工程と
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、暮らしをサポートするシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
タブレット、スマートフォン等を含む高機能な情報処理端末が普及している。高機能な情報処理端末は、ユーザに多くの機能を提供することができるが、一部のユーザにとっては、複雑な操作により使用しにくいものとなっている。
【0003】
高齢化や核家族化に伴い、一人暮らしの高齢者が増加しており、高齢者が快適に生活する環境を整えることが重要になっている。一人暮らしの高齢者の中には、高機能な情報処理端末を保有していない人や、高機能な情報処理端末を保有しているにも関わらず、その複雑な操作性に起因して、所望の機能を利用できていない人もいる。
【0004】
一人暮らしの高齢者向けのシステムとしては、高齢者の宅内で発生した異変を受信して、その異変への対応を行うものが知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、あくまでも異変の発生に対応することを目的とするものであり、日々の暮らしをサポートするものではない。一人暮らしの高齢者が知りたい今日の天気、ごみの回収日、地域のイベントに関する情報を得るためには、所望の情報を有する情報処理装置を起動し、複数の入力ボタンを駆使して情報を取得する必要がある。
【0007】
そこで、本発明は、高齢者でも簡単に操作可能なボタン付きデバイスを提供すること、そして、それを用いて、ユーザの毎日の暮らしをサポートするためのシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係るサーバ装置とボタンを備えたボタン付きデバイスとを備えたシステムは、ボタン付きデバイスは、ボタン付きデバイスを識別するためのデバイスコードを記憶する記憶部と、サーバ装置から通知情報を受信する受信部であって、通知情報は、応答を要求しているか否かを示す情報を含む、受信部と、受信部で受信した通知情報に基づいて、音声又は光を出力する出力部と、ボタンが押下されたとき、デバイスコードを含む情報をサーバ装置に送信する送信部と、を備え、サーバ装置は、記通知情報に対する応答を記憶するサーバ記憶部と、ボタン付きデバイスに通知情報を送信するサーバ送信部と、ボタン付きデバイスからデバイスコードを含む情報を受信して、情報に基づいてサーバ記憶部を更新する応答情報受信部と、ボタン付きデバイスからデバイスコードを含む情報を受信して、デバイスコードで特定されるボタン付きデバイスに対する処理を実行する押下情報処理部とを備える。
【0009】
この態様によれば、ボタン付きデバイスは、サーバ装置から受信した通知情報の出力、通知情報に対する応答の送信、及び、サーバ装置への処理要求の送信を行うことができる。サーバ装置からボタン付きデバイスへPUSH型で通知された通知情報が音声又は光として出力されるので、ユーザは自ら操作を行うことなく、例えば暮らしに役立つ情報等を直感的に知ることができる。本システムは、ユーザがボタン付きデバイスに対して同一のユーザ操作を行った結果として、ボタン付きデバイスからデバイスコードを含む情報を送信することにより、サーバ装置に、通知情報に対する応答の管理、及び、ボタン付きデバイスに対する処理の実行を行わせることができる。従って、ユーザは簡単な操作を行うことで、例えば通知情報に対する応答を送信したり、サーバへの処理要求を送信することができる。
【0010】
本発明の他の態様に係るボタンを備えたボタン付きデバイスは、ボタン付きデバイスを識別するためのデバイスコードを記憶する記憶部と、サーバ装置から通知情報を受信する受信部であって、通知情報は、応答を要求しているか否かを示す情報を含む、受信部と、受信部で受信した通知情報に基づいて、音声又は光を出力する出力部と、ボタンが押下されたとき、デバイスコードを含む情報をサーバ装置に送信する送信部と、を備え、サーバ装置は、ボタン付きデバイスから受信した情報に基づいて、通知情報に対する応答を管理する処理、及び、デバイスコードで特定されるボタン付きデバイスに対する処理を実行する。
【0011】
上記ボタン付きデバイスにおいて、受信部は、サーバ装置から音声データを含む通知情報を受信し、出力部は、受信した音声データを出力してもよい。この態様によれば、サーバ装置が有する情報に基づいて選択された音声データを、ボタン付きデバイスにおいて音声として出力することができる。
【0012】
上記ボタン付きデバイスにおいて、送信部は、受信した通知情報が応答を要求しているとき、出力部での出力に応答して所定の時間内にボタンが押下されると、デバイスコードを含む応答情報を送信する応答情報送信部と、応答情報送信部が応答を待機していないとき、デバイスコードを含むボタン押下情報を送信する押下情報送信部とを含んでもよい。この態様によれば、ユーザ操作により、通知情報に対する応答の送信と、サーバへの処理要求の送信とのいずれが実行中であるのかを、ボタン付きデバイス側で判断することができる。
【0013】
本発明の他の態様に係るサーバ装置は、通知情報に対する応答を記憶するサーバ記憶部と、ボタン付きデバイスに通知情報を送信するサーバ送信部であって、通知情報は、応答を要求しているか否かを示す情報を含む、サーバ送信部と、ボタン付きデバイスからボタン付きデバイスを識別するためのデバイスコードを含む情報を受信して、情報に基づいてサーバ記憶部を更新する応答情報受信部と、ボタン付きデバイスからデバイスコードを含む情報を受信して、デバイスコードで特定されるボタン付きデバイスに対する処理を実行する押下情報処理部とを備える。
【0014】
この態様によれば、サーバ装置は、PUSH型の通知をボタン付きデバイスに行い、通知した一部について、その応答情報を管理することができる。さらに、サーバ装置は、ボタン付きデバイスからの情報の受信に応答して、情報を送信したボタン付きデバイスに対する処理を実行することができるので、ボタン付きデバイス側での処理を軽減しながら、特定の機能を提供することができる。
【0015】
上記サーバ装置において、押下情報処理部は、デバイスコードで特定されるボタン付きデバイスに送信する応答音声データを生成して、応答音声データを含む通知情報をボタン付きデバイスに送信してもよい。この態様によれば、サーバ装置は、PUSH型の通知に加えて、PULL型の通知を行うことができる。
【0016】
上記サーバ装置において、押下情報処理部は、情報から得られるボタン付きデバイスのボタンの押下回数に基づいて、異なる処理を実行してもよい。この態様によれば、ボタン付きデバイスのハードウェア資源に変更を加えることなく、サーバ装置は、ボタンの押下回数に応じて、異なる機能を発揮し得る。なお、押下回数は、所定の時間内においてボタンが押下された回数によってカウントしてもよいし、ボタンが押下されてから次に押下されるまでの間隔が一定時間内である一連のボタン押下の回数によってカウントしてもよい。
【0017】
本発明の他の態様に係るボタンを備えたボタン付きデバイスが実行する方法は、サーバ装置から通知情報を受信する工程であって、通知情報は、応答を要求しているか否かを示す情報を含む、工程と、受信した通知情報に基づいて、音声又は光を出力する工程と、ボタンが押下されたとき、ボタン付きデバイスを識別するためのデバイスコードを含む情報をサーバ装置に送信する工程と、を含み、サーバ装置は、ボタン付きデバイスから受信した情報に基づいて、通知情報に対する応答を管理する処理、及び、デバイスコードで特定されるボタン付きデバイスに対する処理を実行する。
【0018】
本発明の他の態様に係るプログラムは、ボタンを備えたボタン付きデバイスに、サーバ装置から通知情報を受信する処理であって、通知情報は、応答を要求しているか否かを示す情報を含む、処理と、受信した通知情報に基づいて、音声又は光を出力する処理と、ボタンが押下されたとき、ボタン付きデバイスを識別するためのデバイスコードを含む情報をサーバ装置に送信する処理と、を実行させ、サーバ装置は、ボタン付きデバイスから受信した情報に基づいて、通知情報に対する応答を管理する処理、及び、デバイスコードで特定されるボタン付きデバイスに対する処理を実行する。
【0019】
本発明の他の態様に係るサーバ記憶部を備えたサーバ装置が実行する方法は、ボタン付きデバイスに通知情報を送信する工程であって、通知情報は、応答を要求しているか否かを示す情報を含む、工程と、ボタン付きデバイスからボタン付きデバイスを識別するためのデバイスコードを含む情報を受信して、情報に基づいてサーバ記憶部を更新する工程と、ボタン付きデバイスからデバイスコードを含む情報を受信して、デバイスコードで特定されるボタン付きデバイスに対する処理を実行する工程とを含む。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、高齢者でも簡単に操作可能なボタン付きデバイスを提供すること、そして、それを用いて、ユーザの毎日の暮らしをサポートするためのシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の一実施形態に係る暮らしサポートシステムの構成例を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るサーバ装置の構成図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る管理端末の構成図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係るボタン付きデバイスの構成図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る通知条件DBの内容を例示する図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る服薬履歴DBの内容を例示する図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係るサーバ装置の暮らしサポート処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】本発明の一実施形態に係るボタン付きデバイスの暮らしサポート処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】本発明の一実施形態に係るサーバ装置の暮らしサポート処理の一例を示すフローチャートである。
【
図10】本発明の一実施形態に係るサーバ装置の暮らしサポート処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】本発明の一実施形態におけるボタン付きデバイスを例示する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。さらに、当業者であれば、以下に述べる各要素を均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であり、係る実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0023】
(システム構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る暮らしサポートシステム1の構成例を示す。暮らしサポートシステム1は、サーバ装置10、管理端末20、複数のボタン付きデバイス30(1~N)及び外部システム40を備える。サーバ装置10は、管理端末20、ボタン付きデバイス30及び外部システム40とネットワークNを介して通信を行うよう構成されている。ボタン付きデバイス30は、ネットワークNに接続された基地局を介して無線通信によってネットワークNに接続され、サーバ装置10と通信することができる。
【0024】
サーバ装置10は、管理端末20を介して登録された通知条件に基づいて、指定の日時になると、対象となるボタン付きデバイス30に対して音声データを含む通知情報を送信する。通知情報には、音声データに加えて、当該通知情報に対する応答を要求しているか否かを示す情報が含まれる。サーバ装置10は、ボタン付きデバイス30から通知情報に対する応答情報を受信して、受信した応答情報に基づいてデータベース(DB)を更新する。この構成により、サーバ装置10は、通知情報に対する応答情報を管理することができる。
【0025】
さらに、サーバ装置10は、ボタン付きデバイス30から通知情報には関係しないボタン押下情報を受信すると、受信したボタン押下情報に応じて、ボタン付きデバイス30に応答音声データを含む通知情報を送信する、又は、管理端末20に通知することができる。一実施形態では、応答音声データとして、サーバ装置10は、外部システム40から取得した気象情報をボタン付きデバイス30に送信してもよい。
【0026】
管理端末20は、暮らしサポートシステム1の管理者が使用する情報処理端末である。管理者は、管理端末20を介して、ボタン付きデバイス30に関連付けられるボタン付きデバイス情報、通知条件、通知音声等をサーバ装置10のDBに登録することができる。また、管理者は、DBに保存されている応答に関する情報を、管理者端末20を用いて確認することができる。
【0027】
ボタン付きデバイス30は、例えば、ユーザが過ごす家や福祉施設の居室に配置される情報処理端末である。ユーザとしては高齢者が想定されるが、これに限られない。ボタン付きデバイス30は、端末に固有のデバイスコードが付与されており、1ユーザに対して1つのボタン付きデバイス30が対応付けられる。ボタン付きデバイス30は、サーバ装置10から音声データを含む通知情報を受信すると、受信した音声データに基づいて音声を出力することができる。通知情報には、音声データに加えて、当該通知情報に対する応答を要求しているか否かを示す情報が含まれる。
【0028】
ボタン付きデバイス30の外観の一例を
図1に示す。本実施形態におけるボタン付きデバイス30は、単一のボタンを備えており、ユーザが行う操作はこのボタンを押すことだけであってよい。ユーザがボタンを押すと、ボタン付きデバイス30は、ボタンが押されたときの状況に応じた情報をサーバ装置10に送信する。例えば、応答を要求する通知情報の音声データに応答して所定の時間内にユーザがボタンを押すと、ボタン付きデバイス30は、応答情報をサーバ装置10に送信する。応答情報には、ボタン付きデバイス30のデバイスコード、応答時刻、応答区分が含まれてもよい。また、通知情報には関係しないタイミングでユーザがボタンを押すと、ボタン付きデバイス30は、ボタン押下情報をサーバ装置10に送信する。
【0029】
外部システム40は、気象庁から発信される気象情報を有する。外部システム40は、所定の条件を満たすと気象情報をサーバ装置10に送信するものでもよいし、サーバ装置10からの情報取得要求に応じて気象情報を送信するものであってもよい。
【0030】
図11は、本実施形態におけるボタン付きデバイス30の外観斜視図の一例である。ボタン付きデバイス30は、全体として、大きすぎずかつ小さすぎず、長辺でも20cm程度以内に収まるような、いわゆる手のひらサイズ程度の大きさであり、テーブルの上やベッドサイドに置いても、ユーザが見つけやすい大きさであることが好ましいが、この限りではない。また、ユーザが簡単に持ち運びできる重さであることが好ましいが、ボタン付きデバイス30を固定して用いることは任意である。
【0031】
ボタン付きデバイス30は、筐体38の上部にボタン31が設けられている。ボタン31の形状及び大きさは任意であるが、好ましくは、ボタン付きデバイス30に1つのボタンが設けられ、高齢者であっても視認しやすくかつ押下しやすい形状及び大きさであるとよい。例えば、ボタン上部の押下面の大きさが直径6cm~12cm程度であると、ボタンの視認性が高まり、また、手のひら全体でボタンを押下できるため操作しやすい。また、ボタン31の色を、筐体38とは別の色にすることにより、視認性をより高めてもよい。
【0032】
筐体38の上部には、ボタン31の周囲に沿って、環状の照明部32が設けられている。照明部32は複数のLEDによって構成され、光の照度、点灯パターン、色等によってユーザに状況を伝えることができる。例えば、ユーザからの応答を要求している場合には、赤色の光を点滅させてもよい。また、ボタン付きデバイス30は筐体38の内部にスピーカ(不図示)を備え、サーバ装置10から受信する音声情報に基づいて、任意の音声を出力できるように構成されている。
【0033】
(サーバ装置構成)
図2は、本発明の一実施形態に係るサーバ装置10の構成を示す。なお、
図2では、単一のサーバ装置10を想定し、必要な機能構成だけを示しているが、サーバ装置10を、複数のコンピュータシステムによる多機能の分散システムの一部として構成することもできる。
【0034】
サーバ装置10は、ネットワークNを介して管理端末20、ボタン付きデバイス30及び外部システム40と通信する機能を備えたサーバ装置である。
図2に示すように、サーバ装置10は、入力部11、制御部12、記憶部13及び通信部14を備えている。
【0035】
入力部11は、サーバ装置10に対する各種入力を受信する。
【0036】
制御部12は、CPUやMPU等の演算処理部121及びRAM等のメモリ122を備えている。演算処理部121は、各種入力に基づき、記憶部13に記憶されているプログラムを実行することで、各種機能部を動作させるものである。このプログラムは、CD-ROM等の記録媒体に記憶され、若しくはネットワークNを介して配布され、コンピュータにインストールされるものであってもよい。メモリ122は、サーバ装置用プログラムにおいて処理の実行中、演算等に必要な各種データを、一時的に記憶するためのものである。
【0037】
記憶部13は、ハードディスク等の記憶装置によって構成され、制御部12における処理の実行に必要な各種プログラムや、各種プログラムの実行に必要なデータ等を記録しておくものである。本実施形態では、記憶部13は、気象情報DB131、グループDB132、種類DB133、デバイスDB134、通知音声DB135、通知条件DB136、服薬履歴DB137、押下履歴DB138、及び災害履歴DB139を有していることが望ましい。
【0038】
気象情報DB131には、エリア毎の気象情報が保存されている。一実施形態では、気象情報DB131には、エリアコード、天気、気温等が登録されていることが望ましい。エリアコードは、後述するデバイスDB134のエリアコードと同一の、エリアを特定するために利用可能なコードである。天気には、雪、雨、曇り、晴れ等を示す情報が保存される。気温には、最高気温、最低気温、又は予測気温等、気温を示す情報が保存される。
【0039】
グループDB132には、ボタン付きデバイス30を管理するグループの情報が保存されている。一実施形態では、グループDB132には、グループコード、グループ名等が登録されていることが望ましい。グループコードは、後述する通知条件DB136の通知先として指定することも可能であり、このようにすることで、サーバ装置10は、特定のグループに所属する複数のボタン付きデバイス30に対して通知条件を設定することができる。
【0040】
種類DB133には、音声データを管理する種類の情報が保存されている。一実施形態では、種類DB133には、種類コード、種類名等が登録されていることが望ましい。種類コードは、後述する通知条件DB136の通知音声コードとして指定することも可能であり、このようにすることで、サーバ装置10は、同一の種類コードに属する複数の音声データの中から任意の音声データを選択して、ボタン付きデバイス30に送信することができる。例えば、暮らしの情報に関する音声データであることを示す種類コード「SUPPORTINFO」、種類名「暮らしの情報」のレコードを作成し、通知条件の通知音声コードとして指定することで、暮らしの情報に関する音声データの中からランダムに選択した音声データをボタン付きデバイス30に送信することができる。
【0041】
デバイスDB134には、サーバ装置10が管理するボタン付きデバイス30の情報が保存されている。一実施形態では、デバイスDB134には、ユーザコード、ユーザ名、エリアコード、エリア名、デバイスコード、グループコード、メールアドレス等が登録されていることが望ましい。ユーザコードは、ボタン付きデバイス30を利用するユーザを一意に識別可能なコードである。エリアコードは、ボタン付きデバイス30を配置するエリアを特定するために利用可能なコードである。エリアコードは、後述する音声データに応じて、市区町村等、任意の適切な粒度で設定することができる。デバイスコードは、ボタン付きデバイス30を一意に識別可能なコードである。グループコードは、グループDB132に保存された1又は複数のグループコードを設定してもよいし、グループコードを設定しなくてもよい。メールアドレスは、ボタン付きデバイス30からサーバ装置10に、対応すべきボタン押下情報が送信された場合に、その旨を通知するメールアドレスが設定される。
【0042】
通知音声DB135には、サーバ装置10からボタン付きデバイス30に送信する音声データが保存されている。一実施形態では、通知音声DB135には、音声コード、種類コード、音声データ等が登録されていることが望ましい。音声コードは、音声データを一意に識別可能なコードである。種類コードは、音声データが属する種類を示す、種類DB133の種類コードである。音声データは、ボタン付きデバイス30に送信される音声データである。音声データには、例えば、「おはようございます。新聞社Xです。今日はM月D日です。本日の紙面をご覧ください!」「お薬の時間になりました。確認したら、ボタンを1回押してください。」、「今日は、Y曜日。燃やすごみの日です。」、「今日は選挙の日です。」「今日は新聞休刊日です。」、「今日のお天気はWです。お散歩に出かけてみませんか?」等、暮らしに役立つ任意の情報を設定することができる。通知音声DB135で管理される音声のファイル形式は、特に限定されないが、例えば、WAV形式、mp3形式又はテキスト形式等である。前述したように、通知したい音声データに応じて、デバイスDB134のエリアコードには、例えば、ごみの日を特定可能な粒度で、選挙の日を特定可能な粒度で、新聞休刊日を特定可能な粒度でエリアコードを設定する。
【0043】
通知条件DB136には、サーバ装置10がボタン付きデバイス30に通知情報を送信する条件が保存されている。一実施形態では、
図5に示されるように、通知条件DB136には、通知日、通知期間、通知周期、通知時刻、通知先、通知音声コード等が登録されていることが望ましい。通知日には、通知情報を送信する特定の日が設定される。例えば、通知日に、2017年9月10日と設定することができる。通知期間には、通知情報を送信する特定の期間が設定される。例えば、2017年9月10日から2017年9月15日と設定することができる。通知周期には、通知情報を送信する周期が設定される。例えば、通知周期に、毎日、毎週月曜日、毎月1日と設定することができる。通知時刻には、通知情報を送信する時刻が設定される。通知先には、通知先のボタン付きデバイス30を特定するデバイスコード又はグループコードが設定される。一実施形態では、通知先に、デバイスDB134に登録されたすべてのボタン付きデバイス30を示すコードを設定してもよい。通知音声コードには、通知先のボタン付きデバイス30に送信される音声データを特定する音声コード又は種類コードが設定される。
【0044】
服薬履歴DB137には、服薬の通知情報に対する応答情報が保存されている。一実施形態では、
図6に示されるように、服薬履歴DB137には、服薬日、ユーザコード、ユーザ名、朝応答、昼応答、夕応答、就寝前応答等が登録されていることが望ましい。サーバ装置10がボタン付きデバイス30から服薬の応答情報を受信すると、応答情報に含まれる応答時刻に基づいて、朝応答、昼応答、夕応答、就寝前応答のいずれかに応答時刻が保存される。例えば、6時から11時を朝、11時から18時を昼、18時から21時を夕、21時以降を就寝前と設定した場合、10時15分の応答時刻を含む応答情報を受信すると、朝応答に10時15分と保存される。
【0045】
押下履歴DB138には、通知情報に関係しないボタン押下情報が保存されている。一実施形態では、押下履歴DB138には、押下日時、ユーザコード、ユーザ名、対応状況、押下状況等が登録されていることが望ましい。一実施形態では、ボタン付きデバイス30から受信されるボタン押下情報には、デバイスコード、押下日時、押下回数が含まれ、受信したボタン押下情報に基づいて、押下日時、ユーザコード、ユーザ名がそれぞれ保存される。対応状況には、対応又は未対応を示す情報が保存される。押下状況には、通常又は連打を示す情報が保存される。
【0046】
災害履歴DB139には、災害の通知情報に対する応答情報が保存されている。一実施形態では、災害履歴DB139には、発令日時、ユーザコード、ユーザ名、応答等が登録されていることが望ましい。発令日時は、外部システム40から受信した災害注意情報の発令日時が設定される。サーバ装置10がボタン付きデバイス30から災害の応答情報を受信すると、応答情報に含まれる応答時刻に基づいて、応答に応答時刻が保存される。
【0047】
通信部14は、サーバ装置10をネットワークNに接続するように構成される。例えば、通信部14は、LANカード、アナログモデム、ISDNモデム等、及びこれらをシステムバス等の伝送路を介して処理部と接続するためのインタフェースから実現することができる。
【0048】
さらに
図2に示すように、演算処理部121は、機能部として、マスタ情報管理部123、気象情報管理部124、応答履歴管理部125、判定部126、通知部127、応答情報受信部128、押下情報処理部129及びメッセージ部130とを備えている。
【0049】
マスタ情報管理部123は、グループDB132、種類DB133、デバイスDB134、通知音声DB135、通知条件DB136のレコードを管理する。一実施形態では、マスタ情報管理部123は、管理端末20から所定のDBに関する登録要求、更新要求、又は取得要求を受信して、受信した各要求に応じた登録処理、更新処理、又は取得処理を実行する。
【0050】
気象情報管理部124は、気象情報DB131のレコードを管理する。一実施形態では、気象情報管理部124は、毎日0時00分に、外部システム40から気象情報を取得して気象情報DB131のレコードを更新する。気象情報管理部124は、1日1回、所定のタイミングで気象情報DB131を更新してもよいし、1日数回、所定のタイミングで気象情報DB131を更新してもよい。
【0051】
応答履歴管理部125は、通知条件DB136に保存された通知条件に基づいて、応答履歴を保存するDBにレコードを作成する。一実施形態では、応答履歴管理部125は、通知条件DB136に保存された服薬に関する通知条件に基づいて、服薬履歴DB137に服薬レコードを作成する。例えば、応答履歴管理部125は、毎日0時00分に、通知音声コードに基づいて、当該日にボタン付きデバイス30に送信すべき服薬に関する通知条件を通知条件DB136から取得して、通知条件の通知先で特定されるボタン付きデバイス30毎に服薬レコードを作成する。
【0052】
判定部126は、サーバ装置10の現在日時と通知条件DB136とに基づいて、ボタン付きデバイス30に送信すべき通知情報があるか否かを判定する。一実施形態では、判定部126は、外部システム40から災害注意情報を受信して、受信した災害注意情報に基づいて、ボタン付きデバイス30に送信すべき通知情報があるか否かを判定してもよい。
【0053】
通知部127は、送信すべき通知情報がある場合、通知条件DB136の通知先に基づいて、通知情報を送信するボタン付きデバイス30を特定する。一実施形態では、通知部127は、災害注意情報に基づいて、通知情報を送信するボタン付きデバイス30を特定してもよい。さらに、通知部127は、特定したボタン付きデバイス30の応答履歴を保存するレコードを災害履歴DB139に作成してもよい。
【0054】
次に、通知部127は、通知条件DB136の通知音声コードと通知音声DB135とに基づいて、送信する音声データを特定する。一実施形態では、通知音声コードに種類コードが設定されている場合、通知部127は、種類コードに属する複数の音声データの中から任意の音声データを選択してもよい。選択した音声データに変換すべき変数、例えば月を示すM、日付を示すD、曜日を示すY、天気を示すW等が含まれる場合、通知部127は、現在日時及び/又は気象情報DB131に基づいて変数を実データに変換する。
【0055】
続いて、通知部127は、通知条件に基づいて、通知情報に対する応答を要求するか否かを判定する。応答を要求する場合、通知部127は、通知情報において応答を要求していることを示す情報を設定して、特定したボタン付きデバイス30に対して、通知情報を送信する。一実施形態では、通知部127は、通知条件の通知音声コードに基づいて、音声データが服薬に関する場合、通知情報において応答を要求していることを示す情報を設定して、通知情報を送信する。
【0056】
一方、応答を要求しない場合、通知部127は、通知情報において応答を要求していることを示す情報を設定することなく、特定したボタン付きデバイス30に対して、音声データを含む通知情報を送信する。
【0057】
応答情報受信部128は、ボタン付きデバイス30から通知情報に対する応答情報を受信して、受信した応答情報を記憶部13に保存する。一実施形態では、応答情報には、デバイスコード、応答時刻、応答区分が含まれる。一実施形態では、服薬の通知情報に対する応答情報を管理するものとし、応答情報受信部128は、服薬の応答情報に基づいて服薬履歴DB137に応答時刻を保存する。他の実施形態では、災害の通知情報に対する応答情報を管理するものとし、応答情報受信部128は、受信した災害の応答情報に基づいて災害履歴DB139に応答時刻を保存してもよい。
【0058】
押下情報処理部129は、ボタン付きデバイス30から、通知情報に関係しないボタン押下情報を受信して、受信したボタン押下情報に基づく処理を実行する。一実施形態では、ボタン押下情報には、デバイスコード、押下日時、押下回数が含まれる。一実施形態では、押下回数が1回である場合、押下情報処理部129は、ボタン押下情報のデバイスコードで特定されるボタン付きデバイス30に送信する応答音声データを生成して、応答音声データを含む通知情報をボタン付きデバイス30に送信する。押下情報処理部129は、ボタン付きデバイス30のエリアコードに対応する気象情報に関する応答音声データを生成して送信してもよい。
【0059】
一実施形態では、押下回数が2回以上である場合、押下情報処理部129は、ボタン押下情報に基づいて押下履歴DB138にボタン押下レコードを登録する。一実施形態では、押下情報処理部129は、ボタン押下レコードの登録に際し、押下回数が2回又は3回である場合は押下履歴DB138の押下状況に通常を示す情報を保存し、押下回数が4回以上である場合は押下状況に連打を示す情報を保存してもよい。
【0060】
さらに、押下情報処理部129は、ボタン押下情報に含まれるデバイスコードで特定されるボタン付きデバイス30に関連付けられたメールアドレスをデバイスDB134から取得して、対応すべきボタン押下情報が当該ボタン付きデバイス30から送信されたことをメールアドレスに送信してもよい。
【0061】
メッセージ部130は、後述のクライアント端末50からメッセージ情報を受信して、デバイスDB134に基づいて、ボタン付きデバイス30に通知情報を送信する。一実施形態では、メッセージ情報には、宛先コード、送信元コード、コンテンツデータ等が含まれる。コンテンツデータは、テキストデータ、画像データ等、サーバ装置10で取扱い可能な任意のデータとすることができる。一実施形態では、メッセージ部130は、コンテンツデータに基づいて音声データを特定することができる。
【0062】
さらに、メッセージ部130は、応答情報受信部128又は押下情報処理部129がボタン付きデバイス30から情報を受信することに応答して、デバイスDB134に基づいて、所定のクライアント端末50にメッセージを送信してもよい。
【0063】
(管理端末構成)
図3は、本発明の一実施形態に係る管理端末20の構成を示す。管理端末20は、ネットワークNを介してサーバ装置10と通信する機能を備えた情報処理端末である。具体的には、PC、PDA、タブレット、携帯電話やスマートフォン等が挙げられるが、これに限られない。管理端末20は、ユーザからの操作を受け付けるキーボードやマウス等の入力部21、ディスプレイ等の表示部22、CPU及びメモリを含む制御部23、記憶部24、ネットワークNと接続するための通信部25等を備えている。制御部23は、記憶部24に記憶されているプログラムがRAMに読み出され、CPUによって実行されることで、データ制御要求部231及びデータ取得要求部232として機能する。
【0064】
データ制御要求部231は、管理者のユーザ入力に応じて、サーバ装置10の所定のDBに関する登録要求、又は更新要求を送信することができる。データ取得要求部232は、管理者のユーザ入力に応じて、サーバ装置10の所定のDBに関する取得要求を送信することができる。
【0065】
(ボタン付きデバイス構成)
図4は、本発明の一実施形態に係るボタン付きデバイス30の構成を示す。ボタン付きデバイス30は、ネットワークNに接続された基地局を介して無線通信によってネットワークNに接続され、サーバ装置10と通信する機能を備えた情報処理端末である。ボタン付きデバイス30は、ボタン31、例えばLED等の照明部32、例えばスピーカ等の音声出力部33、CPU及びメモリを含む制御部34、記憶部35、ネットワークNと接続するための通信部36等を備えている。制御部34は、記憶部35に記憶されているプログラムがRAMに読み出され、CPUによって実行されることで、通知情報受信部341、応答情報送信部342及び押下情報送信部343として機能する。
【0066】
通知情報受信部341は、サーバ装置10から音声データを含む通知情報を受信して、音声出力部33を介して音声データを出力する。
【0067】
応答情報送信部342は受信した通知情報が応答を要求しているか否かを判定し、応答を要求している場合、応答を待機して、音声データに応答して所定の時間内にボタン31が押されたか否かを判定する。音声データに応答して所定の時間内にボタン31が押された場合、応答情報送信部342は、応答情報をサーバ装置10に送信する。所定の時間が経過すると、また、応答情報をサーバ装置10に送信すると、応答情報送信部342は、応答の待機を終了する。一実施形態では、応答情報には、デバイスコード、応答時刻、応答区分が含まれる。
【0068】
押下情報送信部343は、ボタン31が押下されると、ボタン押下情報をサーバ装置10に送信する。一実施形態では、ボタン押下情報には、デバイスコード、押下日時、押下回数が含まれる。押下情報送信部343は、例えば1秒等、所定の時間内で押下される回数をカウントし、当該カウントを押下回数としてボタン押下情報を生成し、ボタン押下情報を送信してもよい。なお、応答情報送信部342が応答を待機している場合は、押下情報送信部343は、ボタン押下情報を送信することなく処理を終了する。
【0069】
(外部システム構成)
外部システム40は、ネットワークNを介してサーバ装置10と通信する機能を備えた情報処理装置である。
図1では、単一のシステムとして図示されているが、気象庁から発信される気象情報を提供する複数のシステムであってもよい。
【0070】
(第1実施形態)
図7及び
図8を参照して、本発明の一実施形態に係る暮らしサポート処理の一例を示す。第1実施形態では、暮らしサポートサービスを提供する新聞社Xのサーバ装置10が、新聞社Xの暮らしサポートサービスを利用するユーザのボタン付きデバイス30に通知情報を送信する例について説明する。
【0071】
新聞社Xの管理者は、管理端末20を介して、グループDB132、種類DB133、デバイスDB134、通知音声DB135、及び
図5に示される通知条件DB136の登録を済ませているものとする。
【0072】
また、気象情報DB131については、サーバ装置10の気象情報管理部124が、所定のタイミングで外部システム40から気象情報を取得して、本サポート処理が行われる日のレコードが作成されているものとする。
【0073】
(サーバ装置10の処理)
図7は、本発明の一実施形態に係るサーバ装置の暮らしサポート処理の一例を示すフローチャートである。サーバ装置10の判定部126は、現在日時と通知条件DB136とに基づいて、ボタン付きデバイス30に送信すべき通知情報があるか否かを判定する(S701)。送信すべき通知情報がある場合(S701:Yes)、サーバ装置10の通知部127は、通知条件DB136の通知先に基づいて、通知先のボタン付きデバイス30を特定する(S702)。
【0074】
第1実施形態では、現在日時2017年9月10日8時00分と通知条件コード1の通知条件に基づいて、通知部127は、送信すべき通知情報があると判定し、通知条件DB136の通知先「ALL」に基づいて、デバイスDB134に登録されたすべてのボタン付きデバイス30を、通知先のボタン付きデバイス30として特定する。
【0075】
次に、通知部127は、通知条件DB136の通知音声コードと通知音声DB135とに基づいて、送信する音声データを特定する(S703)。一実施形態では、通知音声コードに種類コードが設定されている場合、通知部127は、種類コードに属する複数の音声データの中から任意の音声データを選択してもよい。第1実施形態では、通知部127は、通知音声コード「MORNING」と通知音声DB135とに基づいて、「おはようございます。新聞社Xです。今日はM月D日です。本日の紙面をご覧ください!」を送信する音声データとして特定する。
【0076】
さらに、通知部127は、選択した音声データに変換すべき変数が含まれるか否かを判定する(S704)。変数が含まれる場合(S704:Yes)、通知部127は、現在日時及び/又は気象情報DB131に基づいて変数を実データに変換する(S705)。第1実施形態では、通知部127は、特定した音声データに変数が含まれると判定し、現在日時に基づいて、音声データに含まれる変数Mを9に、変数Dを10にそれぞれ変換する。
【0077】
続いて、通知部127は、通知条件に基づいて、通知情報に対する応答を要求するか否かを判定する(S706)。応答を要求する場合(S706:Yes)、通知部127は、通知情報において応答を要求していることを示す情報を設定して(S707)、特定したボタン付きデバイス30に対して、通知情報を送信する(S708)。
【0078】
一方、応答を要求しない場合(S706:No)、通知部127は、通知情報において応答を要求していることを示す情報を設定することなく、特定したボタン付きデバイス30に対して、音声データを含む通知情報を送信する(S708)。
【0079】
第1実施形態では、通知部127は、通知音声コード「MORNING」に基づいて、応答を要求しないと判定し、S702で特定した登録済みのすべてのボタン付きデバイス30に対して、音声データ「おはようございます。新聞社Xです。今日は9月10日です。本日の紙面をご覧ください!」を含む通知情報を送信する。
【0080】
(ボタン付きデバイス30の処理)
図8は、本発明の一実施形態に係るボタン付きデバイスの暮らしサポート処理の一例を示すフローチャートである。
図7のS708においてサーバ装置10からボタン付きデバイス30に通知情報が送信されると、
図8の処理が開始される。
【0081】
ボタン付きデバイス30の通知情報受信部341は、サーバ装置10から音声データを含む通知情報を受信すると(S801)、音声出力部33を介して音声データを出力する(S802)。第1実施形態では、ボタン付きデバイス30の通知情報受信部341は、サーバ装置10から通知情報を受信して、音声出力部33を介して、受信した音声データ「おはようございます。新聞社Xです。今日は9月10日です。本日の紙面をご覧ください!」を出力する。
【0082】
次に、応答情報送信部342は受信した通知情報が応答を要求しているか否かを判定する(S803)。応答を要求している場合(S803:Yes)、応答を待機して、音声データに応答して所定の時間内にボタン31が押されたか否かを判定する(S804)。応答を要求していない場合(S803:No)、ボタン付きデバイス30は処理を終了する。
【0083】
第1実施形態では、応答情報送信部342により、応答を要求していないと判定され、ボタン付きデバイス30は処理を終了する。
【0084】
以上、第1実施形態によれば、サーバ装置10からボタン付きデバイス30へPUSH型で通知された音声データが音声として出力されるので、ユーザは自ら操作を行うことなく、例えば暮らしに役立つ情報等を知ることができる。
【0085】
(第2実施形態)
図7及び
図8を参照して、本発明の一実施形態に係る暮らしサポート処理の一例を示す。第2実施形態では、新聞社Xのサーバ装置10が、ボタン付きデバイス30に応答を要求する通知情報を送信する例について説明する。
【0086】
第1実施形態と同様に、新聞社Xの管理者は、管理端末20を介して、グループDB132、種類DB133、デバイスDB134、通知音声DB135、及び
図5に示される通知条件DB136の登録を済ませているものとする。ここで、デバイスDB134には、ユーザコード「USER1」とデバイスコード「DEVICE1」とを対応付けるデバイスレコード、ユーザコード「USER3」とデバイスコード「DEVICE3」とを対応付けるデバイスレコードが登録されているものとする。
【0087】
また、服薬履歴DB137については、サーバ装置10の応答履歴管理部125が、所定のタイミングで、通知条件DB136に保存された通知条件に基づいて、本サポート処理が行われる日のレコードを作成しているものとする。第2実施形態では、応答履歴管理部125は、2017年9月12日0時00分に、通知条件DB136に保存された服薬に関する通知条件(通知条件コード:5、6、8~10)に基づいて服薬レコードを作成して、服薬履歴DB137は
図6(A)に示される状態であるものとする。
【0088】
(サーバ装置10の処理)
第1実施形態と同様に、
図7を参照しながら、サーバ装置10が通知情報を送信するまでの処理について説明する。
【0089】
第2実施形態では、現在日時2017年9月12日8時30分と通知条件コード5及び通知条件コード8の通知条件に基づいて、判定部126は、送信すべき通知情報があると判定し(S701)、通知部127は、デバイスコード「DEVICE1」及び「DEVICE3」で特定されるボタン付きデバイス30を、通知先のボタン付きデバイス30として特定する(S702)。
【0090】
次に、第2実施形態では、通知部127は、通知音声コード「DRUG」と通知音声DB135とに基づいて、「お薬の時間になりました。確認したら、ボタンを1回押してください。」を送信する音声データとして特定する(S703)。
図7のS704及びS705については、第1実施形態と同様であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0091】
S706において、第2実施形態では、通知部127は、通知音声コード「DRUG」に基づいて、応答を要求すると判定し、通知情報において応答を要求していることを示す情報を設定して(S707)、特定したボタン付きデバイス30に対して、通知情報を送信する(S708)。具体的には、通知部127は、応答を要求していることを示す情報「DRUG」を設定して、デバイスコード「DEVICE1」及び「DEVICE3」で特定されるボタン付きデバイス30に通知情報を送信する。
【0092】
(ボタン付きデバイス30の処理)
次に、
図8を参照しながら、USER1のボタン付きデバイス30が応答情報を送信するまでの処理について説明する。
【0093】
第2実施形態では、ボタン付きデバイス30の通知情報受信部341は、サーバ装置10から服薬に関する通知情報を受信して(S801)、音声出力部33を介して、受信した音声データ「お薬の時間になりました。確認したら、ボタンを1回押してください。」を出力する(S802)。なお、ボタン付きデバイス30は、音声データを出力する際に、照明部32を例えば青色で点灯させることにより、応答を要求する情報が通知されていることを示してもよい。
【0094】
次に、応答情報送信部342は受信した通知情報が応答を要求しているか否かを判定する(S803)。第2実施形態では、応答情報送信部342により、応答を要求していると判定され、応答情報送信部342は、応答を待機して、音声データに応答して所定の時間内にボタン31が押されたか否かを判定する(S804)。
【0095】
ボタン31が押されない場合(S804:No)、ボタン付きデバイス30は処理を終了する。一方、音声データに応答して所定の時間内にボタン31が押された場合(S804:Yes)、応答情報送信部342は、応答情報をサーバ装置10に送信する(S805)。第2実施形態では、所定の時間内にUSER1がボタン31を押すことによりS805に進み、応答情報送信部342が応答情報をサーバ装置10に送信する。第2実施形態では、デバイスコード「DEVICE1」、応答時刻「2017年9月12日8時30分」、応答区分「DRUG」を含む応答情報がサーバ装置10に送信される。
【0096】
(サーバ装置10の処理)
図8のS805においてボタン付きデバイス30からサーバ装置10に応答情報が送信されると、以下の処理が開始される。
【0097】
サーバ装置128の応答情報受信部128は、ボタン付きデバイス30から通知情報に対する応答情報を受信して、受信した応答情報を記憶部13に保存する。第2実施形態では、デバイスコード「DEVICE1」、応答時刻「2017年9月12日8時30分」、応答区分「DRUG」を含む応答情報を受信して、応答情報受信部128は、
図6(B)に示されるように、DEVICE1に対応付けられているUSER1の2017年9月12日の服薬レコードの朝応答を更新する。
【0098】
(管理端末20の処理)
管理端末20のデータ取得要求部232は、入力部21を介する管理者のユーザ入力に応じて、サーバ装置10の服薬履歴DB137に関する取得要求を送信することができる。取得要求に対する応答として服薬履歴情報をサーバ装置10から受信すると、管理端末20は、表示部22を介して管理者に服薬履歴情報を提示することができる。
【0099】
以上、第2実施形態によれば、サーバ装置10は、通知条件に基づいてPUSH型の通知をボタン付きデバイス30に行い、通知した一部について、その応答情報を管理することができる。サーバ装置10からの全ての通知ではなく、一部の通知に対する応答情報を適切に管理することにより、記憶部13の使用量を抑えながら、応答情報に応じて、さらなる通知等を行うことも可能となる。ユーザは、出力された音声データに応じてボタンを押すのみなので、操作に起因するユーザへの負担を極めて少なくすることができる。
【0100】
(第3実施形態)
図9を参照して、本発明の一実施形態に係る暮らしサポート処理の一例を示す。第3実施形態では、ボタン付きデバイス30がサーバ装置10にボタン押下情報を送信する例について説明する。
【0101】
第1実施形態と同様に、管理者は、管理端末20を介して、サーバ装置10の記憶部13の登録を済ませているものとする。ここで、デバイスDB134には、ユーザコード「USER1」とデバイスコード「DEVICE1」とを対応付けるデバイスレコードが登録されているものとする。また、デバイスコード「DEVICE1」で特定されるデバイスレコードの「エリアコード」、「エリア名」には、それぞれ「AREA1」、「港区」が設定されているものとする。
【0102】
また、気象情報DB131についても、第1実施形態と同様に、サーバ装置10の気象情報管理部124が、所定のタイミングで外部システム40から気象情報を取得して、本サポート処理が行われる日のレコードが作成されているものとする。
【0103】
(ボタン付きデバイス30の処理)
ボタン付きデバイス30の押下情報送信部343は、ボタン31が押下されると、応答情報送信部342が応答を待機しているか否かを判定する。待機している場合、押下情報送信部343は、処理を終了する。
【0104】
一方、応答情報送信部342が応答を待機していない場合、押下情報送信部343は、ボタン押下情報をサーバ装置10に送信する。第3実施形態では、押下情報送信部343により、応答情報送信部342は待機していないと判定され、押下情報送信部343は、デバイスコード「DEVICE1」、押下日時「2017年9月10日11時11分」、押下回数「1」を含むボタン押下情報をサーバ装置10に送信する。
【0105】
押下回数「5」を含むボタン押下情報をサーバ装置10に送信する他の実施形態では、ボタン付きデバイス30は、照明部32を例えば緑色で点灯させることにより、対応を要求するボタン押下情報がサーバ装置10に送信されていることを示してもよい。
【0106】
(サーバ装置10の処理)
図9は、本発明の一実施形態に係るサーバ装置の暮らしサポート処理の一例を示すフローチャートである。ボタン付きデバイス30からサーバ装置10にボタン押下情報が送信されると、
図9の処理が開始される。
【0107】
押下情報処理部129は、ボタン付きデバイス30からボタン押下情報を受信して(S901)、受信したボタン押下情報に基づく処理を決定する。第3実施形態では、ボタン押下情報には、デバイスコード、押下日時、押下回数が含まれ、押下情報処理部129は、押下回数を判定する(S902)。
【0108】
押下回数が1回である場合、押下情報処理部129は、ボタン押下情報のデバイスコードで特定されるボタン付きデバイス30に送信する応答音声データを生成して(S903)、生成した応答音声データを含む通知情報をボタン付きデバイス30に送信する(S904)。第3実施形態では、押下情報処理部129は、デバイスコード「DEVICE1」で特定されるボタン付きデバイス30のエリアコード「AREA1」に対応する気象情報に関する応答音声データを生成して、応答音声データを含む通信情報をボタン付きデバイス30に送信する。サーバ装置10からボタン付きデバイス30に通知情報が送信されると、
図8の処理が開始され、第1実施形態と同様、通知情報を受信したボタン付きデバイス30では、応答音声データが出力される。
【0109】
押下回数が2回以上である場合、押下情報処理部129は、ボタン押下情報に基づいて押下履歴DB138にボタン押下レコードを登録する(S905)。一実施形態では、押下情報処理部129は、ボタン押下レコードの登録に際し、押下回数が2回又は3回である場合は押下履歴DB138の押下状況に通常を示す情報を保存し、押下回数が4回以上である場合は押下状況に連打を示す情報を保存してもよい。
【0110】
さらに、押下情報処理部129は、ボタン押下情報に含まれるデバイスコードで特定されるボタン付きデバイス30に関連付けられたメールアドレスをデバイスDB134から取得して、対応すべきボタン押下情報が当該ボタン付きデバイス30から送信されたことをメールアドレスに送信する(S906)。
【0111】
以上、第3実施形態によれば、サーバ装置10は、PULL型の通知を行うことができる。ユーザは、ボタンを押すのみで、所望の情報を取得することができる。また、ボタン押下情報に押下回数を含めることにより、ボタン付きデバイス30のハードウェア資源に変更を加えることなく、サーバ装置10は、ボタンの押下回数に応じて、異なる機能を発揮し得る。さらに、ボタン付きデバイス30は、通知情報に対する応答情報と区別してボタン押下情報を送信することができるので、限られたハードウェア資源、限られたユーザ入力で、サーバ装置10に対して異なる処理要求を送信し得る。
【0112】
(第4実施形態)
図10を参照して、本発明の一実施形態に係る暮らしサポート処理の一例を示す。第2実施形態では、サーバ装置10が、ボタン付きデバイス30に応答を要求する通知情報を送信する例として、事前に設定された通知条件に従って通知情報を送信する例について説明した。第4実施形態では、サーバ装置10が、ボタン付きデバイス30に応答を要求する通知情報を送信する例として、外部システム40から取得した情報に従って通知情報を送信する例について説明する。
【0113】
第2実施形態と同様に、管理者は、管理端末20を介して、サーバ装置10の記憶部13の登録を済ませているものとする。ここで、デバイスDB134には、ユーザコード「USER1」とデバイスコード「DEVICE1」とを対応付けるデバイスレコード、ユーザコード「USER2」とデバイスコード「DEVICE2」とを対応付けるデバイスレコードが登録されているものとする。また、デバイスコード「DEVICE1」で特定されるデバイスレコードの「エリアコード」、「エリア名」には、それぞれ「AREA1」、「港区」が設定され、デバイスコード「DEVICE2」で特定されるデバイスレコードの「エリアコード」、「エリア名」には、それぞれ「AREA2」、「中央区」が設定されているものとする。
【0114】
(サーバ装置10の処理)
図10を参照しながら、サーバ装置10が通知情報を送信するまでの処理について説明する。
【0115】
第4実施形態では、外部システム40は、気象庁から災害注意報が発信されると、災害注意情報をサーバ装置10に送信する。災害注意情報には、発令日時、注意エリアコード、注意エリア名、注意情報等が含まれる。
【0116】
判定部126は、外部システム40から災害注意情報を受信すると(S1001)、受信した災害注意情報に基づいて、ボタン付きデバイス30に送信すべき通知情報があるか否かを判定する(S1002)。送信すべき通知情報がある場合(S1002:Yes)、災害注意情報に基づいて、通知部127は、通知先のボタン付きデバイス30を特定する(S1003)。第4実施形態では、外部システム40から、注意エリアコード「AREA1」、注意エリア名「港区」、注意情報「熱中症」を含む災害注意情報を受信して、通知部127は、注意エリアコードに基づいて、デバイスDB134から、デバイスコード「DEVICE1」で特定されるボタン付きデバイス30を特定する。
【0117】
その後、通知部127は、特定したボタン付きデバイス30の応答履歴を保存するレコードを災害履歴DB139に作成する(S1004)。第4実施形態では、デバイスコード「DEVICE1」に対応付けられているユーザコード「USER1」用の災害レコードを作成する。
【0118】
次に、通知部127は、注意情報「熱中症」と通知音声DB135とに基づいて、「WARNINGが発令されています。確認したら、ボタンを1回押してください。」を送信する音声データとして特定する(S1005)。
【0119】
通知部127は、選択した音声データに変換すべき変数が含まれるか否かを判定し(S1006)、変数が含まれる場合(S1006:Yes)、通知部127は、変数を実データに変換する(S1007)。第4実施形態では、通知部127は、特定した音声データに変数が含まれると判定し、音声データに含まれる変数WARNINGを熱中症に変換する。
【0120】
最後に、通知部127は、通知情報において応答を要求していることを示す情報「WARNING」を設定して(S1008)、特定したボタン付きデバイス30に対して、音声データを含む通知情報を送信する(S1009)。
【0121】
(ボタン付きデバイス30の処理)
USER1のボタン付きデバイス30が応答情報を送信するについては、第2実施形態と同様であるので、ここでは詳細な説明は省略する。なお、ボタン付きデバイス30は、S802において音声出力部33を介して音声データを出力する際に、照明部32を例えば赤色で点滅させることにより、重要性の高い情報が通知されていることを示してもよい。
【0122】
(サーバ装置10の処理)
図8のS805においてボタン付きデバイス30からサーバ装置10に応答情報が送信されると、以下の処理が開始される。
【0123】
サーバ装置128の応答情報受信部128は、ボタン付きデバイス30から通知情報に対する応答情報を受信して、受信した応答情報を記憶部13に保存する。第4実施形態では、デバイスコード「DEVICE1」、応答時刻「2017年9月12日13時35分」、応答区分「WARNING」を含む応答情報を受信して、応答情報受信部128は、災害履歴DB139の「USER1」用の災害レコードを更新する。
【0124】
(管理端末20の処理)
管理端末20のデータ取得要求部232は、入力部21を介する管理者のユーザ入力に応じて、サーバ装置10の災害履歴DB139に関する取得要求を送信することができる。取得要求に対する応答として災害履歴情報をサーバ装置10から受信すると、管理端末20は、表示部22を介して管理者に災害履歴情報を提示することができる。
【0125】
以上、第4実施形態によれば、サーバ装置10は、事前に設定された通知条件に代えて、外部システム40から取得した情報に従って、ボタン付きデバイス30に応答を要求する通知情報を送信することができる。応答情報に応答区分を含めることにより、サーバ装置10は、異なる複数の通知情報に対する応答情報を管理することができる。
【0126】
上記した実施形態では、熱中症に関する音声データを含む通知情報をボタン付きデバイス30に送信する例を用いて説明したが、熱中症に限定されることなく、大雨、大雪、暴風、洪水、地震、津波等に関する音声データを含む通知情報をボタン付きデバイス30に送信し得ることは、当業者には理解される。
【0127】
(第5実施形態)
第1実施形態では、サーバ装置10の判定部126が、現在日時と通知条件DB136とに基づいて、ボタン付きデバイス30に通知情報を送信する例について説明した。第5実施形態では、サーバ装置10が、ボタン付きデバイス30に通知情報を送信する例として、クライアント端末50(図示せず)から送信された情報に従って通知情報を送信する例について説明する。第5実施形態では、デバイスDB134は、ボタン付きデバイス30に関連付けられたクライアント端末50を一意に識別可能なクライアント端末コードを列挙するクライアント端末リストをさらに含むことが望ましい。
【0128】
クライアント端末50は、ネットワークNを介してサーバ装置10と通信する機能を備えた情報処理端末である。具体的には、PC、PDA、タブレット、携帯電話やスマートフォン等が挙げられるが、これに限られない。
【0129】
第1実施形態と同様に、管理者は、管理端末20を介して、サーバ装置10の記憶部13の登録を済ませているものとする。ここで、デバイスDB134には、ユーザコード「USER1」とデバイスコード「DEVICE1」とを対応付けるデバイスレコードが登録されているものとする。また、デバイスコード「DEVICE1」で特定されるデバイスレコードのクライアント端末リストには、「DEVICE1」で特定されるボタン付きデバイス30を利用するユーザ1の家族が所有するクライアント端末50を一意に識別可能な「CLIENT1」が含まれるものとする。
【0130】
(サーバ装置10の処理)
第5実施形態では、クライアント端末50は、クライアント端末50にインストールされたメッセージアプリを介して、メッセージ情報をサーバ装置10に送信する。本実施形態では、メッセージ情報には、宛先コード、送信元コード、コンテンツデータ等が含まれる。コンテンツデータは、テキストデータ、画像データ等、サーバ装置10で取扱い可能な任意のデータとすることができる。
【0131】
メッセージ部130は、クライアント端末50からメッセージ情報を受信すると(S1)、デバイスDB134を参照して、メッセージ情報に含まれる宛先コードと一致するデバイスコードで特定されるデバイスレコードのクライアント端末リストに、送信元コードが含まれるか否かを判定する(S2)。送信元コードがクライアント端末リストに含まれる場合(S2:Yes)、メッセージ部130は、宛先コードと一致するデバイスコードのボタン付きデバイス30を通知先として特定する(S3)。第5実施形態では、クライアント端末50から、宛先コード「DEVAICE1」、送信元コード「CLIENT1」、コンテンツデータ「画像1」を含むメッセージ情報を受信して、メッセージ部130は、デバイスコード「DEVICE1」で特定されるボタン付きデバイス30を通知先として特定する。
【0132】
次に、メッセージ部130は、コンテンツデータに基づいて音声データを特定する(S4)。第5実施形態では、コンテンツデータ「画像1」に基づいて、「おはよう。」を音声データとして特定する。
【0133】
最後に、メッセージ部130は、S3で特定したボタン付きデバイス30に対して、S4で特定した音声データを含む通知情報を送信する(S5)。
【0134】
以上、第5実施形態によれば、サーバ装置10は、事前に設定された通知条件に代えて、クライアント端末50から送信された情報に従って、ボタン付きデバイス30に通知情報を送信することができる。
【0135】
上記した第5実施形態では、クライアント端末50から送信された情報に従って、サーバ装置10がボタン付きデバイス30に通知情報を送信する例について説明したが、追加の実施形態では、ボタン付きデバイス30に対する操作情報に基づいて、サーバ装置10がクライアント端末50にメッセージを送信してもよい。本実施形態では、メッセージ部130は、応答情報受信部128又は押下情報処理部129がボタン付きデバイス30から情報を受信することに応答して、デバイスDB134に基づいて、応答情報又はボタン押下情報に含まれるデバイスコードのクライアント端末リストに含まれるクライアント端末50にメッセージを送信することができる。
【0136】
(別の実施形態)
これまでの実施形態では、サーバ装置10が、通知音声DB135に保存された音声データを含む通知情報をボタン付きデバイス30に送信する例について説明した。別の実施形態では、ボタン付きデバイス30の記憶部35に通知音声DB351を備えてもよい。本実施形態でも、第1実施形態と同様に、暮らしサポートサービスを提供する新聞社Xのサーバ装置10は、
図7に示される暮らしサポート処理を実行して、新聞社Xの暮らしサポートサービスを利用するユーザのボタン付きデバイス30に通知情報を送信することができる。
【0137】
ただし、本実施形態では、サーバ装置10側ではS703からS705の処理を行わずに、ボタン付きデバイス30側で音声データの特定、特定した音声データに含まれる変数に関する処理を行う。また、S708では、サーバ装置10は、音声データを含む通知情報に代えて、通知音声コードを含む通知情報を送信する。
【0138】
本実施形態では、マスタ情報管理部123は、管理端末20から音声データの登録要求を受信して、受信した登録要求に応じた転送処理をさらに実行することができる。一実施形態では、新聞社Xの管理者は、管理端末20を介して、転送先のボタン付きデバイス30の指定を含む登録要求をサーバ装置10に送信することができる。転送先のボタン付きデバイス30は、デバイスDB134のデバイスコードやグループコード等を用いて、個別に又はグループ毎に指定してもよいし、すべてのボタン付きデバイス30を表す「ALL」を用いて指定してもよい。
【0139】
さらに、暮らしサポートサービスを提供する複数の事業者が存在し、これら複数の事業者に対して暮らしサポートシステム1を提供する管轄会社が存在する実施形態も考えられる。本実施形態では、デバイスDB134は、ボタン付きデバイス30を管理する事業者を一意に識別可能な事業者コードをさらに含むことが望ましい。このような構成とすることで、暮らしサポートシステム1は、新聞社Xの管理者が、当該新聞社Xが管理するボタン付きデバイス30に対してのみ音声データを登録可能なように制御することができる。
【0140】
さらにまた、管轄会社Zの管理者が、管理端末20を介して、転送先のボタン付きデバイス30の指定を含む登録要求をサーバ装置10に送信することもできる。転送先のボタン付きデバイス30は、デバイスDB134の事業者コードを用いて事業者毎に指定してもよいし、すべての事業者を表す「ALLPROVIDER」を用いて、すべての事業者が管理するすべてのボタン付きデバイス30を指定してもよい。
【0141】
なお、上記した実施形態では、ボタン付きデバイス30が、通知情報が応答を要求しているか否かを判定し、通知情報に対する応答情報とボタン押下情報とを区別してサーバ装置10に送信する例について説明した。代替の実施形態では、ボタン付きデバイス30側では、ボタン31の押下に応じてデバイスコードをサーバ装置10に送信するものとし、サーバ装置10側で、通知条件DB136等に基づいて、通知情報に対する応答のためにボタン31が押下されたのか、又はPULL型の通知を要求するためにボタン31が押下されたのかを判定してもよい。
【符号の説明】
【0142】
1…暮らしサポートシステム、10…サーバ装置、11…入力部、12…制御部、121…演算処理部、122…メモリ、123…マスタ情報管理部、124…気象情報管理部、125…応答履歴管理部、126…判定部、127…通知部(サーバ送信部)、128…応答情報受信部、129…押下情報処理部、130…メッセージ部、13…記憶部(サーバ記憶部)、131…気象情報DB、132…グループDB、133…種類DB、134…デバイスDB、135…通知音声DB、136…通知条件DB、137…服薬履歴DB、138…押下履歴DB、139…災害履歴DB、14…通信部、20…管理端末、21…入力部、22…表示部、23…制御部、231…データ制御要求部、232…データ取得要求部、24…記憶部、25…通信部、30…ボタン付きデバイス、31…ボタン、32…照明部(出力部)、33…音声出力部(出力部)、34…制御部、341…通知情報受信部(受信部)、342…応答情報送信部(送信部)、343…押下情報送信部(送信部)、35…記憶部、36…通信部、40…外部システム、50…クライアント端末、N…ネットワーク