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特許7088526情報提供システム、プログラム、情報提供方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-13
(45)【発行日】2022-06-21
(54)【発明の名称】情報提供システム、プログラム、情報提供方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/18 20060101AFI20220614BHJP
【FI】
H04N7/18 E
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2017226388
(22)【出願日】2017-11-27
(65)【公開番号】P2019097083
(43)【公開日】2019-06-20
【審査請求日】2020-11-25
(73)【特許権者】
【識別番号】517353644
【氏名又は名称】iPresence合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002446
【氏名又は名称】特許業務法人アイリンク国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】クリストファーズ クリスフランシス
(72)【発明者】
【氏名】太田 崇博
【審査官】秦野 孝一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-133090(JP,A)
【文献】特開2017-170550(JP,A)
【文献】特開2016-173739(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに離れた位置に配置された複数の情報取得装置を制御する制御手段と、
前記複数の情報取得装置が取得した情報である取得情報を通信網を介して通信端末によって受信し取得するユーザの情報、前記複数の情報取得装置が取得した取得情報を前記ユーザが前記通信端末によって取得するための事前の処理を当該情報取得装置に開始させるタイミングである開始タイミング、及び前記複数の情報取得装置それぞれの処理を制御する制御情報が対応付けられて記憶される記憶手段と、を有し、
前複数の情報取得装置は、前記通信端末を介した前記ユーザからの要求に応じて情報を取得し前記取得情報として当該通信端末に送信し、
前記制御手段は、前記開始タイミングで当該開始タイミングに対応付けられた前記制御情報を基に前記複数の情報取得装置を制御し、前記通信端末が一の情報取得装置から取得情報を受信し次いで他の情報取得装置から取得情報を受信するとき、前記一の情報取得装置の状況を基に前記他の情報取得装置を制御する情報提供システム。
【請求項2】
前記情報取得装置は、当該情報取得装置の内部状況及び外部状況の少なくとも何れかを検出する検出手段を有し、
前記制御手段は、前記検出手段の検出結果を基に、当該検出手段を有する情報取得装置を制御する請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項3】
前記制御手段は、前記情報取得装置の制御を開始する前に当該情報取得装置の制御を開始することを周囲に報知する請求項1又は2に記載の情報提供システム。
【請求項4】
前記情報取得装置は、さらに前記制御手段に制御されて当該情報取得装置を移動させる移動手段を有し、
前記制御手段は、前記開始タイミングで当該開始タイミングに対応付けられた前記制御情報を基に前記移動手段を制御して前記情報取得装置を移動させる請求項1乃至の何れか1項に記載の情報提供システム。
【請求項5】
前記開始タイミングは、前記取得情報を前記通信端末が受信可能になる時刻から予め設定されている時間前の時刻である請求項1乃至の何れか1項に記載の情報提供システム。
【請求項6】
通信端末を介したユーザからの要求に応じて情報を取得し当該通信端末に送信する複数の情報取得装置を制御するプログラムであって、
記憶手段が、互いに離れた位置に配置された複数の情報取得装置が取得した情報である取得情報を通信網を介して前記通信端末によって受信し取得するユーザの情報、前記複数の情報取得装置が取得した取得情報を前記ユーザが前記通信端末によって取得するための事前の処理を当該情報取得装置に開始させるタイミングである開始タイミング、及び前記複数の情報取得装置それぞれの処理を制御する制御情報が対応付けられて記憶する記憶ステップと、
御手段が、開始タイミングで当該開始タイミングに対応付けられた前記制御情報を基に前記複数の情報取得装置を制御し、前記通信端末が一の情報取得装置から取得情報を受信し次いで他の情報取得装置から取得情報を受信するとき、前記一の情報取得装置の状況を基に前記他の情報取得装置を制御する制御ステップと、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項7】
通信端末を介したユーザからの要求に応じて情報を取得し当該通信端末に送信する複数の情報取得装置を制御する情報提供方法であって、
互いに離れた位置に配置された複数の情報取得装置が取得した情報である取得情報を通信網を介して前記通信端末によって受信し取得するユーザの情報、前記複数の情報取得装置が取得した取得情報を前記ユーザが前記通信端末によって取得するための事前の処理を当該情報取得装置に開始させるタイミングである開始タイミング、及び前記複数の情報取得装置それぞれの処理を制御する制御情報が対応付けられて記憶する記憶ステップと、
開始タイミングで当該開始タイミングに対応付けられた前記制御情報を基に前記複数の情報取得装置を制御し、前記通信端末が一の情報取得装置から取得情報を受信し次いで他の情報取得装置から取得情報を受信するとき、前記一の情報取得装置の状況を基に前記他の情報取得装置を制御する制御ステップと、
を有する情報提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザに情報を提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ロボットを遠隔操作して移動させながら商品を購入できるシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-99629号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、ユーザからの要求に対して遅滞なく情報を取得し取得情報をユーザの通信端末に送信できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、互いに離れた位置に配置された複数の情報取得装置を制御する制御手段と、前記複数の情報取得装置が取得した情報である取得情報を通信網を介して通信端末によって受信し取得するユーザの情報、前記複数の情報取得装置が取得した取得情報を前記ユーザが前記通信端末によって取得するための事前の処理を当該情報取得装置に開始させるタイミングである開始タイミング、及び前記複数の情報取得装置それぞれの処理を制御する制御情報が対応付けられて記憶される記憶手段と、を有し、前複数の情報取得装置は、前記通信端末を介した前記ユーザからの要求に応じて情報を取得し前記取得情報として送信し、前記制御手段は、前記開始タイミングで当該開始タイミングに対応付けられた前記制御情報を基に前記複数の情報取得装置を制御し、前記通信端末が一の情報取得装置から取得情報を受信し次いで他の情報取得装置から取得情報を受信するとき、前記一の情報取得装置の状況を基に前記他の情報取得装置を制御する情報提供システムである。
【0007】
本発明の第の態様では、前記情報取得装置は、当該情報取得装置の内部状況及び外部状況の少なくとも何れかを検出する検出手段を有し、前記制御手段は、前記検出手段の検出結果を基に、当該検出手段を有する情報取得装置を制御することが好ましい。
【0008】
本発明の第の態様では、前記制御手段は、前記情報取得装置の制御を開始する前に当該情報取得装置の制御を開始することを周囲に報知することが好ましい。
【0009】
本発明の第の態様では、前記情報取得装置は、さらに前記制御手段に制御されて当該情報取得装置を移動させる移動手段を有し、前記制御手段は、前記開始タイミングで当該開始タイミングに対応付けられた前記制御情報を基に前記移動手段を制御して前記情報取得装置を移動させることが好ましい。
【0010】
本発明の第の態様では、前記開始タイミングは、前記取得情報を前記通信端末が受信可能になる時刻から予め設定されている時間前の時刻であることが好ましい。
【0011】
前記課題を解決するために、本発明の第の態様では、通信端末を介したユーザからの要求に応じて情報を取得し当該通信端末に送信する複数の情報取得装置を制御するプログラムであって、記憶手段が、互いに離れた位置に配置された複数の情報取得装置が取得した情報である取得情報を通信網を介して前記通信端末によって受信し取得するユーザの情報、前記複数の情報取得装置が取得した取得情報を前記ユーザが前記通信端末によって取得するための事前の処理を当該情報取得装置に開始させるタイミングである開始タイミング、及び前記複数の情報取得装置それぞれの処理を制御する制御情報が対応付けられて記憶する記憶ステップと、制御手段が、開始タイミングで当該開始タイミングに対応付けられた前記制御情報を基に前記複数の情報取得装置を制御し、前記通信端末が一の情報取得装置から取得情報を受信し次いで他の情報取得装置から取得情報を受信するとき、前記一の情報取得装置の状況を基に前記他の情報取得装置を制御する制御ステップと、をコンピュータに実行させるプログラムである。
【0012】
前記課題を解決するために、本発明の第の態様では、通信端末を介したユーザからの要求に応じて情報を取得し当該通信端末に送信する複数の情報取得装置を制御する情報提供方法であって、互いに離れた位置に配置された複数の情報取得装置が取得した情報である取得情報を通信網を介して前記通信端末によって受信し取得するユーザの情報、前記複数の情報取得装置が取得した取得情報を前記ユーザが前記通信端末によって取得するための事前の処理を当該情報取得装置に開始させるタイミングである開始タイミング、及び前記複数の情報取得装置それぞれの処理を制御する制御情報が対応付けられて記憶する記憶ステップと、開始タイミングで当該開始タイミングに対応付けられた前記制御情報を基に前記複数の情報取得装置を制御し、前記通信端末が一の情報取得装置から取得情報を受信し次いで他の情報取得装置から取得情報を受信するとき、前記一の情報取得装置の状況を基に前記他の情報取得装置を制御する制御ステップと、を有する情報提供方法である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の前記第1、の態様によれば、各情報取得装置は、情報の取得に準備が必要な場合でもあっても、ユーザからの要求に対して遅滞なく情報を取得し取得情報をユーザの通信端末に送信できる。
また、本発明の前記第1、6、7の態様によれば、通信端末が一の情報取得装置から取得情報を受信し、次いで他の情報取得装置から取得情報を受信するときには、他の情報取得装置は、直前に制御されていた一の情報取得装置の状況に合致させて情報を取得し取得情報を送信できる。
【0015】
本発明の前記第の態様によれば、制御手段は、情報取得装置の内部状況及び外部状況の少なくとも何れかを基に、当該情報取得装置の準備動作を制御できる。
【0016】
本発明の前記第の態様によれば、情報取得装置の周囲では、情報取得装置が動作することを事前に知ることができる。
【0017】
本発明の前記第の態様によれば、情報取得装置は、準備動作として事前に所望に位置に移動することができる。
【0018】
本発明の前記第の態様によれば、情報取得装置は、予約時刻以降、取得情報を通信端末に遅滞なく送信できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、情報提供システムの構成例を示すブロック図である。
図2図2は、管理サーバの構成例を示すブロック図である。
図3図3は、ロボットの構成例を示すブロック図である。
図4図4は、ロボットの外観の構成の一例を示す図である。
図5図5は、通信端末の構成例を示すブロック図である。
図6図6は、サービス提供の際の管理サーバ、ロボット、及び通信端末で行う処理例を示す図である。
図7図7は、サーバ処理部の構成例を示すブロック図である。
図8図8は、管理サーバの記憶部に記憶されているデータベースの構成例を示すブロック図である。
図9図9は、ユーザ情報データベースの一例を示す図である。
図10図10は、予約情報データベースの一例を示す図である。
図11図11は、予約時刻情報データベースの一例を示す図である。
図12図12は、設定情報データベースの一例を示す図である。
図13図13は、環境情報データベースの一例を示す図である。
図14図14は、ロボット制御履歴情報データベースの一例を示す図である。
図15図15は、終了時制御情報データベースの一例を示す図である。
図16図16は、周辺装置情報データベースの一例を示す図である。
図17図17は、ロボット処理部の構成例を示すブロック図である。
図18図18は、通信端末処理部の構成例を示すブロック図である。
図19図19は、管理サーバが実行するサーバ側設定処理の一例を示すフローチャートである。
図20図20は、ロボットが実行するロボット側設定処理の一例を示すフローチャートである。
図21図21は、管理サーバが実行する環境情報管理処理の一例を示すフローチャートである。
図22図22は、通信端末が実行する通信端末側本制御処理の一例を示すフローチャートである。
図23図23は、本制御中に通信端末のタッチパネル部に表示されるサービス提供画面の一例を示す図である。
図24図24は、管理サーバが実行するサーバ側本制御処理の一例を示すフローチャートである。
図25図25は、ロボットが実行するロボット側本制御処理の一例を示すフローチャートである。
図26図26は、周辺装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図27図27は、サービス提供を受ける場面の一例を示す図である。
図28図28は、ロボットの外観の構成の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、位置情報提供システムを挙げている。
【0021】
(構成)
図1は、情報提供システム1の構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、情報提供システム1は、管理サーバ10、複数のロボット100、複数の通信端末200、及び複数の周辺装置300を有している。通信端末200及びロボット100と、管理サーバ10とは、インターネット回線1000を介して通信可能とされている。通信端末200とロボット100とは、管理サーバ10を介して通信可能とされている。また、各ロボット100は、インターネット回線やWi-Fi等の無線通信網を介して各周辺装置300と通信可能とされている。
【0022】
この情報提供システム1では、ユーザは、通信端末200によって、管理サーバ10を介して遠隔で複数のロボット100の動きを次々に操作し、各ロボット100から画像等を取得しながらサービスの提供を受けることができる。このようなサービスによって、例えば、世界中にある各店舗にロボット100を配置しておくことで、ユーザは、世界中にあるいろいろな店舗に実際に行かなくても、各店舗内をロボット100を管理サーバ10を介して遠隔で制御し移動させ、衣類等の商品をロボット100が撮像した映像によって確認しながら購入することができるようになる。
【0023】
この情報提供システム1において、管理サーバ10は、サービス提供を開始する前に予め各ロボット100を当該サービスの提供に適した状態にセットアップしている。
図2は、管理サーバ10の構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、管理サーバ10は、通信部11、記憶部20、及び処理部(以下、サーバ処理部ともいう。)30を有している。ここで、通信部11は、インターネット回線等を介してロボット100、通信端末200等の他の装置との間で通信を行う。記憶部20は、HDD等であって、各種データや各種プログラムが記憶されている。サーバ処理部30は、管理サーバ10における各種処理を実行する。サーバ処理部30は、例えば、マイクロコンピュータ及びその周辺回路を備え、例えば、CPU、ROM、RAM等によって構成されている。ROMには、1又は2以上のプログラムが格納されている。CPUは、ROMに格納されている1又は2以上のプログラムに従って各種処理を実行する。そして、サーバ処理部30は、必要に応じて、記憶部20に記憶されている各種データや各種プログラムに従って各種処理を実行する。
【0024】
図3は、ロボット100の構成例を示すブロック図である。
図3に示すように、ロボット100は、通信部101、タッチパネル部102、スピーカ105、マイク106、カメラ107、移動部108、GPSセンサ109、対物センサ110、記憶部111、及び処理部(以下、ロボット処理部ともいう。)120を有している。ここで、通信部101は、有線又は無線でインターネット回線等を介して管理サーバ10、周辺装置300等の他の装置との間で通信を行う。タッチパネル部102は、タッチパネル部102における画像表示機能を担う画像表示部103、及びタッチパネル部102における情報入力機能を担う接触検出部104を有している。移動部108は、ロボット100を移動させる機能を有する。GPSセンサ109は、ロボット100の位置を測位する。対物センサ110は、ロボット100の周囲にある物との距離を測定する。記憶部111は、例えば、ROM、RAM等である。ロボット処理部120は、ロボット100における各種処理を実行する。ロボット処理部120は、例えば、マイクロコンピュータ及びその周辺回路を備え、例えば、CPU、ROM、RAM等によって構成されている。ROMには、1又は2以上のプログラムが格納されている。CPUは、ROMに格納されている1又は2以上のプログラムに従って各種処理を実行する。そして、ロボット処理部120は、必要に応じて、記憶部111に記憶されている各種データや各種プログラムに従って各種処理を実行する。
【0025】
図4は、ロボット100の外観の構成の一例を示す図である。
図4に示すように、移動部108は、二輪を駆動させてロボット100を移動させる構成になっている。移動部108上に棒形状の支持部112が取り付けてあり、支持部112の上部に、スピーカ105、マイク106、タッチパネル部102、及びカメラ107が設けられている。また、ロボット100は、制御可能な関節構造を持つことで姿勢を変化させることもできる。この場合、ロボット100は、関節構造を複数のセンサによってセンシングすることで、姿勢を把握する。
【0026】
周辺装置300は、室内灯、警告ランプ等の店舗等に設置されている装置である。周辺装置300は、通信機能を有しており、紐付けされているロボット100との間で通信を行う。
通信端末200は、携帯可能な通信端末、タブレット、スマートフォン等の携帯電話、又はパーソナルコンピュータである。以下では、通信端末200が、携帯電話である場合を例に説明する。
【0027】
図5は、通信端末200の構成例を示すブロック図である。
図5に示すように、通信端末200は、移動体通信部201、通信部202、タッチパネル部203、スピーカ206、マイク207、カメラ208、音声出力端子等の外部インターフェース209、記憶部210、及び処理部(以下、通信端末処理部ともいう。)220を有している。ここで、移動体通信部201は、電話通信を行うものとして機能する。通信部202は、有線又は無線でインターネット回線等を介して管理サーバ10等の装置との間で通信を行う。タッチパネル部203は、タッチパネル部203における画像表示機能を担う画像表示部204、及びタッチパネル部203における情報入力機能を担う接触検出部205を有している。記憶部210は、例えば、ROM、RAM等である。通信端末処理部220は、通信端末200における各種処理を実行する。通信端末処理部220は、例えば、マイクロコンピュータ及びその周辺回路を備え、例えば、CPU、ROM、RAM等によって構成されている。ROMには、1又は2以上のプログラムが格納されている。CPUは、ROMに格納されている1又は2以上のプログラムに従って各種処理を実行する。そして、通信端末処理部220は、必要に応じて、記憶部210に記憶されている各種データや各種プログラム210aに従って各種処理を実行する。
【0028】
次に、管理サーバ10、ロボット100、及び通信端末200が行う具体的な処理に関して、各処理の実現する各処理部の構成、データベースの構成、処理手順を説明する。
図6は、サービス提供の際の管理サーバ10、ロボット100、及び通信端末200で行う処理例を示す図である。
【0029】
図6に示すように、管理サーバ10は、ユーザへのサービス提供の開始に先だってロボット100を設定(例えば、初期設定等)する設定処理(以下、サーバ側設定処理ともいう。)を実行し、その処理に対応して、ロボット100は、自己の設定を行う設定処理(以下、ロボット側設定処理ともいう。)を実行する。さらにこのとき、ロボット100は、ロボット側設定処理によって、ロボット100の内部及び外部の環境情報を取得し、取得した環境情報を管理サーバ10に送信する。管理サーバ10では、環境情報管理処理によって、ロボット100からの環境情報を取得し管理する。その後、通信端末200、管理サーバ10、ロボット100が連動し、本制御処理によって、ユーザへのサービスの提供を開始する。
【0030】
図7は、サーバ処理部30の構成例を示すブロック図である。
図7に示すように、サーバ処理部30は、サーバ側設定処理を実行するサーバ側設定処理部31、環境情報管理処理を実行する環境情報管理処理部32、及び管理サーバ10側の本制御処理(以下、サーバ側本制御処理ともいう。)を実行するサーバ側本制御処理部33を有している。管理サーバ10は、これら各処理を実行する際に用いる複数のデータベースも有している。サーバ処理部30は、これら各処理部によって、各処理を一定時間間隔で実行している。
【0031】
図8は、管理サーバ10の記憶部20に記憶されているデータベースの構成例を示すブロック図である。
図8に示すように、記憶部20には、ユーザ情報データベース21、予約情報データベース22、予約時刻情報データベース23、設定情報データベース24、環境情報データベース25、ロボット制御履歴情報データベース26、終了時制御情報データベース27、及び周辺装置情報データベース28が記憶されている。
【0032】
図9は、ユーザ情報データベース21の一例を示す図である。
図9に示すように、ユーザ情報データベース21は、ユーザID、ユーザの氏名、ユーザのメールアドレス、ユーザの連絡先となる電話番号、及びユーザの住所等のユーザに関する各情報を含み、これら情報が対応付けられている。
【0033】
図10は、予約情報データベース22の一例を示す図である。
図10に示すように、予約情報データベース22は、ユーザID、及び予約IDを含み、これら情報が対応付けられている。ここで、予約IDは、ユーザIDのユーザがサービスの提供を受ける予約の識別情報である。
【0034】
図11は、予約時刻情報データベース23の一例を示す図である。
図11に示すように、予約時刻情報データベース23は、予約ID、予約時刻、n分、及び制御対象のロボットIDを含み、これら情報が対応付けられている。ここで、予約時刻は、ユーザが情報提供システム1によってサービスの提供を受ける開始時刻(サービス提供開始時刻)である。例えば、予約時刻は、ユーザによって設定された時刻である。n分は、予約時刻前にサービスの提供をするのに必要なロボット100の事前設定、準備設定をするための時間である。例えば、n分は、予め設定されている時間である。制御対象のロボットIDは、サービス提供の際に使用するロボット100のIDである。1つの予約IDには、少なくとも1つのロボットIDが対応付けられている。サービス提供の際に制御されるロボット100の数は、1つの場合もあれば、複数の場合もある。
【0035】
図12は、設定情報データベース24の一例を示す図である。
図12に示すように、設定情報データベース24は、ロボットID、及び設定用制御情報を含み、これら情報が対応付けられている。ここで、ロボットIDは、ロボット100の識別情報である。設定用制御情報は、ロボットIDのロボット100を制御する情報であって、予約時刻前に当該ロボット100を設定するための制御の情報である。すなわち、設定用制御情報は、サービスの提供が開始される前、すなわち、本制御の実行前に行っておくことが好ましい制御情報であって、例えば、時間を要する等のために変更することが困難な制御の情報である。
【0036】
図13は、環境情報データベース25の一例を示す図である。
図13に示すように、環境情報データベース25は、ロボットID、及び環境情報を含み、これら情報が対応付けられている。ここで、環境情報は、ロボット100の内部及び外部の環境情報である。
【0037】
図14は、ロボット制御履歴情報データベース26の一例を示す図である。
図14に示すように、ロボット制御履歴情報データベース26は、予約ID、及びロボット制御履歴情報(ロボット操作履歴情報)を含み、これら情報が対応付けられている。ここで、ロボット制御履歴情報は、予約IDのサービス開始後の本制御中にユーザによって操作されたロボット100の順序を示す情報である。
【0038】
図15は、終了時制御情報データベース27の一例を示す図である。
図15に示すように、終了時制御情報データベース27は、ロボットID、及び終了時制御情報を含み、これら情報が対応付けられている。ここで、終了時制御情報は、本制御で操作されたロボット100の制御終了時の制御情報である。例えば、終了時制御情報は、ロボット100のカメラ107のオン及びオフの状態を示す情報、スピーカ105のオン及びオフの状態を情報、及びロボット100の姿勢を示す情報である。
【0039】
図16は、周辺装置情報データベース28の一例を示す図である。
図16に示すように、周辺装置情報データベース28は、周辺装置情報として、周辺装置ID、ロボットID、ロケーション情報、及び周辺装置制御情報を含み、これら情報が対応付けられている。ここで、周辺装置IDは、周辺装置300の識別情報である。ロケーション情報は、周辺装置300が設置されている位置を示す情報である。周辺装置制御情報は、周辺装置300を制御するための情報である。例えば、周辺装置制御情報は、周辺装置300が室内灯であれば、その室内灯のオン及びオフを制御する情報であり、周辺装置300が警告ランプであれば、その警告ランプのオン及びオフを制御する情報である。また、周辺装置IDに対応付けられている周辺装置300は、複数であっても良い。すなわち、周辺装置IDに対応付けられているロボットIDのロボット100に複数の周辺装置300が対応付けられていても良い。
【0040】
図17は、ロボット処理部120の構成例を示すブロック図である。
図17に示すように、ロボット処理部120は、ロボット側設定処理を実行するロボット側設定処理部121、及びロボット100側の本制御処理(以下、ロボット側本制御処理ともいう。)を実行するロボット側本制御処理部122を有している。ロボット処理部120は、これら各処理部によって、各処理を一定時間間隔で実行する。
【0041】
図18は、通信端末処理部220の構成例を示すブロック図である。
図18に示すように、通信端末処理部220は、通信端末200側の本制御処理(以下、通信端末側本制御処理ともいう。)を実行する通信端末側本制御処理部221を有している。通信端末処理部220は、これら各処理部によって、各処理を一定時間間隔で実行する。
【0042】
管理サーバ10、ロボット100、及び通信端末200の各処理は具体的には次のようになる。ここで、管理サーバ10、ロボット100、及び通信端末200の一連の流れに沿って各処理を説明する。
【0043】
図19は、管理サーバ10が実行するサーバ側設定処理の一例を示すフローチャートである。
図19に示すように、先ずステップS1の処理として、サーバ側設定処理部31は、予約時刻情報データベース23から予約時刻、予約時刻に対応付けられているn分の情報を取得する。
【0044】
続くステップS2の処理として、サーバ側設定処理部31は、ステップS1の処理で取得した情報を基に、現在時刻が予約時刻からn分前の時刻になった(予約時刻-n分<現在時刻<予約時刻)か否かを判定する。サーバ側設定処理部31は、現在時刻が予約時刻からn分前の時刻になったと判定すると、ステップS3の処理に進む。一方、サーバ側設定処理部31は、現在時刻が予約時刻からn分前の時刻になっていないと判定すると、ステップS1の処理に戻る。
【0045】
ステップS3の処理として、サーバ側設定処理部31は、予約時刻情報データベース23を参照して、ステップS2の処理での判定対象の予約時刻に対応付けられているロボットIDを取得する。このとき、サーバ側設定処理部31は、予約時刻に対応付けられているロボットIDが複数ある場合には、それら複数のロボットIDを取得する。
【0046】
続くステップS4の処理として、サーバ側設定処理部31は、設定情報データベース24を参照して、ステップS3の処理で取得したロボットIDに対応する設定用制御情報を取得する。このとき、サーバ側設定処理部31は、ステップS3の処理で取得したロボットIDが複数ある場合には、その複数のロボットIDそれぞれの設定用制御情報を取得する。
【0047】
続くステップS5の処理として、サーバ側設定処理部31は、ステップS4の処理で取得した設定用制御情報を設定情報として、対応するロボットIDのロボット100に送信する。このとき、サーバ側設定処理部31は、ステップS4の処理で取得した設定用制御情報が複数ある場合には、各設定用制御情報を、対応する各ロボットIDのロボット100に送信する。
【0048】
続くステップS6の処理として、サーバ側設定処理部31は、全ての予約IDについて当該サーバ側設定処理を行ったか否かを判定する。すなわち、サーバ側設定処理部31は、ステップS1の処理において全ての予約IDについて予約時刻情報データベース23から予約時刻等の情報を取得し、ステップS2の判定を行ったか否かを判定する。サーバ側設定処理部31は、ステップS1の処理において全ての予約IDについて予約時刻情報データベース23から予約時刻を取得していれば、全ての予約IDについて当該設定処理を行ったと判定する。サーバ側設定処理部31は、全ての予約IDについて当該設定処理を行ったと判定すると、当該設定処理を終了する。一方、全ての予約IDについて当該設定処理を行っていないと判定すると、ステップS1の処理に戻る。
【0049】
以上のようなサーバ側設定処理によって、サーバ側設定処理部31は、現在時刻が予約時刻からn分前の時刻になると、予約時刻に対応付けられているロボットIDの設定用制御情報を設定情報として、対応するロボットIDのロボット100に送信する。このとき、サーバ側設定処理部31は、予約時刻(予約ID)に複数のロボットIDが対応付けられていれば、それら各ロボットIDのロボット100に、各ロボット100に対応付けられている設定用制御情報を設定情報として送信する。
【0050】
図20は、ロボット100が実行するロボット側設定処理の一例を示すフローチャートである。
図20に示すように、先ずステップS21の処理として、ロボット側設定処理部121は、管理サーバ10からの設定情報を受信したか否かを判定する。ロボット側設定処理部121は、管理サーバ10からの設定情報を受信したときに、ステップS22の処理に進む。
【0051】
ステップS22の処理として、ロボット側設定処理部121は、受信した設定情報に含まれている設定用制御情報を基に、予約時刻前の設定処理のための制御を行う。具体的には、ロボット側設定処理部121は、設定用制御情報を基に、移動部108の動作を制御して、ロボット100をサービス提供の開始位置(待機位置)となる予め設定されている所定位置に移動させる。また、ロボット側設定処理部121は、設定用制御情報を基に、カメラ107の画像サイズを設定する。
【0052】
続くステップS23の処理として、ロボット側設定処理部121は、環境情報を取得する。ここで、環境情報は、ロボット100の現在の状態等の内部環境(内部状況)や、ロボット100の周囲の外部環境(外部状況)の情報である。例えば、ロボット側設定処理部121は、内部環境の情報として、GPSセンサ109によって取得したロボット100の位置情報等を取得し、外部環境の情報として、カメラ107が撮像したロボット100周囲の撮像データ、対物センサ110によって取得したロボット100の周囲にある障害物との距離データ等を取得する。
【0053】
続くステップS24の処理として、ロボット側設定処理部121は、ステップS23の処理で取得した環境情報を管理サーバ10に送信する。このとき、ロボット側設定処理部121は、自己のロボットIDを付加した環境情報を管理サーバ10に送信する。
以上のようなロボット側設定処理によって、ロボット側設定処理部121は、管理サーバ10からの設定情報を受信すると、設定情報に含まれている設定用制御情報を基に、予約時刻前の設定処理の制御を行う。その後、ロボット側設定処理部121は、環境情報を取得し、取得した環境情報を管理サーバ10に送信する。
【0054】
また、サーバ側設定処理によって複数のロボット100に設定情報が送信されていれば、各ロボット100は、ロボット側設定処理をそれぞれ実行し、予約時刻前の設定処理のための制御を行うとともに、環境情報を取得し管理サーバ10に送信する。
【0055】
図21は、管理サーバ10が実行する環境情報管理処理の一例を示すフローチャートである。
図21に示すように、先ずステップS41の処理として、環境情報管理処理部32は、ロボット100からの環境情報を受信したか否かを判定する。環境情報管理処理部32は、ロボット100からの環境情報を受信したと判定したときに、ステップS42の処理に進む。
【0056】
ステップS42の処理として、環境情報管理処理部32は、ステップS41の処理で受信した環境情報と、当該環境情報に含まれているロボットIDとを対応付けて、環境情報データベース25に記憶する。
以上のような環境情報管理処理によって、環境情報管理処理部32は、ロボット100からの環境情報を受信すると、受信した環境情報と当該環境情報を送信してきたロボット100のロボットIDとを対応づけて、記憶部20の環境情報データベース25に記憶する。
【0057】
また、複数のロボット100からの設定情報を受信すると、環境情報管理処理部32は、受信した各環境情報と当該環境情報を送信してきた各ロボット100のロボットIDとを対応づけて、環境情報データベース25に記憶する。
【0058】
図22は、通信端末200が実行する通信端末側本制御処理の一例を示すフローチャートである。
図22に示すように、先ずステップS61の処理として、通信端末側本制御処理部221は、サービス提供を開始したか否かを判定する。例えば、通信端末側本制御処理部221は、サービス提供を受ける予約をしたユーザが、通信端末200側にてタッチパネル部203に表示したサービス提供画面にてログインすると、サービス提供を開始したと判定する。通信端末側本制御処理部221は、サービス提供を開始したと判定したときに、ステップS62の処理に進む。
【0059】
ここで、通信端末側本制御処理部221は、現在時刻が予約時刻になっていることも、ステップ62に進む要件にすることもできる。すなわち、通信端末側本制御処理部221は、現在時刻が予約時刻になっており、かつサービス提供を開始したと判定したときに、ステップS62の処理に進む。
【0060】
ステップS62の処理として、通信端末側本制御処理部221は、登録対象の環境情報があるか否かを判定する。例えば、通信端末側本制御処理部221は、管理サーバ10にアクセスして、登録しておく必要がある環境情報があるか否かを確認する。
または、通信端末側本制御処理部221は、管理サーバ10からの環境情報を受信したか否かを判定する。この場合、例えば、管理サーバ10側では、環境情報管理処理部32は、先ず、ステップS42の処理で環境情報データベース25に記憶した環境情報の送信先のユーザを特定する。具体的には、環境情報管理処理部32は、予約情報データベース22を参照して、当該環境情報の取得の元となった予約IDに対応するユーザIDからユーザを特定する。そして、環境情報管理処理部32は、その特定したユーザの通信端末200に、ステップS42の処理で環境情報データベース25に記憶した環境情報を送信する。そして、通信端末側本制御処理部221は、管理サーバ10からの環境情報を受信すると、登録対象の環境情報があると判定する。
【0061】
通信端末側本制御処理部221は、登録する環境情報があると判定すると、ステップS63の処理に進む。一方、通信端末側本制御処理部221は、登録する環境情報がないと判定すると、ステップS63の処理をスキップしてステップS64の処理に進む。
ステップS63の処理として、通信端末側本制御処理部221は、登録する環境情報(例えば、管理サーバ10から取得した環境情報又は管理サーバ10から送信されてきた環境情報)を記憶部210に記憶する。そして、通信端末側本制御処理部221は、ステップS63の処理に進む。
【0062】
ステップS64の処理として、通信端末側本制御処理部221は、サービスの提供を受けるためのロボット100の操作をユーザが開始したか否かを判定する。例えば、通信端末側本制御処理部221は、通信端末200側にてタッチパネル部203に表示したサービス提供画面にてユーザによってロボット100が選択されると、サービスの提供を受けるためのロボット100の操作をユーザが開始したと判定する。通信端末側本制御処理部221は、サービスの提供を受けるためのロボット100の操作をユーザが開始したと判定すると、ステップS65の処理に進む。
【0063】
例えば、このとき、通信端末側本制御処理部221は、ロボット100を実際に制御開始できるまでに時間を要する場合、実際にロボット100を動作するまで時間がかかる旨の表示をタッチパネル部203に表示する。
ステップS65の処理として、通信端末側本制御処理部221は、ロボット操作開始通知を管理サーバ10に送信する。このとき、通信端末側本制御処理部221は、ステップS64の処理にて判定した操作対象のロボット100のロボットID、又は後述のステップS68の処理にて判定した操作対象のロボット100のロボットIDをロボット操作開始通知に含める。
【0064】
続くステップS66の処理として、通信端末側本制御処理部221は、管理サーバ10からの待機終了通知を受信したか否かを判定する。通信端末側本制御処理部221は、管理サーバ10からの待機終了通知を受信したと判定したときに、ステップS67の処理に進む。
ステップS67の処理として、通信端末側本制御処理部221は、本制御を行う。
【0065】
ここで、本制御は、予約時刻以降に行われる処理のための制御であり、通信端末200(具体的には通信端末側本制御処理部221)、管理サーバ10(具体的にはサーバ側本制御処理部33)、ロボット100(具体的にはロボット側本制御処理部122)が、通信によりそれぞれの間で情報のやりとりをして連動し、ユーザへのサービスの提供を行う際の制御になる。
【0066】
これにより、例えば、管理サーバ10は、開始したサービスの提供の流れに応じて、通信端末200やロボット100との情報のやりとりによって、通信端末200やロボット100を制御する。これに対応して、通信端末200側では、開始したサービスの提供の流れに応じた管理サーバ10との情報のやりとりによって、管理サーバ10を介してロボット100を制御したり、タッチパネル部203、スピーカ206、マイク207、及びカメラ208等が制御されたりする。また、ロボット100側では、開始したサービスの提供の流れに応じた管理サーバ10との情報のやりとりによって、タッチパネル部102、スピーカ105、マイク106、カメラ107、及び移動部108等が制御される。
【0067】
例えば、通信端末200のタッチパネル部203に表示したロボット100を操作するための操作部をユーザが操作したとき、通信端末200は、その操作情報を管理サーバ10に送信し、管理サーバ10は、その操作情報を基にロボット100を制御する。ロボット100は、その制御によって移動したり姿勢を変えたりしながら、カメラ107等によって情報を取得し、取得した撮像画像等の情報を管理サーバ10を介して通信端末200に送信する。また、通信端末200のタッチパネル部203に表示した商品を購入する操作をユーザが行ったとき、通信端末200は、その操作情報を管理サーバ10に送信し、管理サーバ10は、その操作情報を基に商品の購入処理を進める。
【0068】
また、通信端末側本制御処理部221は、環境情報を基に、本制御を行うこともできる。例えば、通信端末側本制御処理部221は、本制御においてユーザが複数のロボット100から一のロボット100を選ぶための情報として環境情報を利用する。具体的には、通信端末側本制御処理部221は、タッチパネル部203に表示したサービス提供画面に複数のロボット100の外観画像、例えばロボットのアイコンを表示し、環境情報に含まれている各ロボット100の周囲の撮像画像、ロボット100の周囲にある障害物との距離、ロボット100の位置等を各ロボットの外観画像に対応付けて表示する。これによって、ユーザは、それら表示された情報を基に、サービスの提供を受ける際に使用するロボット100を選択することができる。
【0069】
図23は、本制御中に通信端末200のタッチパネル部203に表示されるサービス提供画面500の一例を示す図である。
図23に示すように、サービス提供画面500には、ロボット100がカメラ107によって撮像した画像501、ロボット100を操作するための操作部502等が表示される。
【0070】
図22を用いた説明に戻り、続くステップS68の処理として、通信端末側本制御処理部221は、ユーザが他のロボット100の操作を開始したか否かを判定する。例えば、通信端末側本制御処理部221は、通信端末200のタッチパネル部203に表示したサービス提供画面にて他のロボット100の外観画像が選択されると、当該他のロボット100の操作を開始したと判定する。通信端末側本制御処理部221は、他のロボット100の操作を開始したと判定すると、ステップS65から再び処理を開始する。これにより、例えば、通信端末側本制御処理部221は、他のロボット100の操作を開始したと判定すると、ステップS65の処理では、操作開始されたロボット100のロボットIDを含めてロボット操作開始通知を管理サーバ10に送信する。一方、通信端末側本制御処理部221は、他のロボット100の操作を開始していないと判定すると、ステップS69の処理に進む。
【0071】
ステップS69の処理として、通信端末側本制御処理部221は、本制御が終了したか否かを判定する。例えば、通信端末側本制御処理部221は、通信端末200のタッチパネル部203に表示したサービス提供画面にてサービス提供を終了させる終了ボタンがユーザによって押されると、又はサービス提供画面からログアウトされると、本制御が終了したと判定する。通信端末側本制御処理部221は、本制御が終了したと判定すると、当該通信端末側本制御処理を終了させる。一方、通信端末側本制御処理部221は、本制御が終了していないと判定すると、ステップS67の処理に戻り、本制御を引き続き行う。
【0072】
以上のような通信端末側本制御処理によって、通信端末側本制御処理部221は、サービスの提供が開始されると、登録する環境情報があるときには、記憶部210に記憶する。そして、通信端末側本制御処理部221は、サービスの提供を受けるためのロボット100の操作をユーザが開始すると、当該ロボット100のロボットIDを含めたロボット操作開始通知を管理サーバ10に送信する。その後、通信端末側本制御処理部221は、管理サーバ10からの待機終了通知を受信するのを待って、本制御を行う。そして、通信端末側本制御処理部221は、本制御中、ユーザが他のロボット100の操作を開始すると、当該ロボット100のロボットIDを含めたロボット操作開始通知を管理サーバ10に送信する。
【0073】
図24は、管理サーバ10が実行するサーバ側本制御処理の一例を示すフローチャートである。
図24に示すように、先ずステップS91の処理として、サーバ側本制御処理部33は、通信端末200からのロボット操作開始通知を受信したか否かを判定する。サーバ側本制御処理部33は、通信端末200からのロボット操作開始通知を受信したと判定すると、ステップS92の処理に進む。
【0074】
ステップS92の処理として、サーバ側本制御処理部33は、終了時制御情報データベース27を参照して、直前まで操作されていたロボット100の制御終了時の制御情報(終了時制御情報)を取得する。具体的には、サーバ側本制御処理部33は、ロボット制御履歴情報データベース26を参照して、ステップS91の処理で受信したロボット操作開始通知に含まれるロボットIDのロボット100の直前に操作されていたロボット100のロボットIDを特定する。そして、サーバ側本制御処理部33は、終了時制御情報データベース27を参照して、その特定したロボットIDに対応付けられている終了時制御情報を取得する。
【0075】
なお、サービス開始直後は、直前まで操作されていたロボットは存在しないため、サーバ側本制御処理部33は、ステップS92の処理では、終了時制御情報は取得しないことになる。
続くステップS93の処理として、サーバ側本制御処理部33は、周辺装置情報データベース28を参照して、ステップS91の処理で受信したロボット操作開始通知に含まれるロボットIDに対応付けられている周辺装置ID及び周辺装置制御情報を取得する。
【0076】
続くステップS94の処理として、サーバ側本制御処理部33は、ステップS92の処理で取得した終了時制御情報、及びステップS93の処理で取得した周辺装置ID及び周辺装置制御情報を含めた準備処理用情報をロボット100に送信する。このとき、サーバ側本制御処理部33は、ステップS91で受信したロボット操作開始通知に含まれているロボットIDのロボット100に準備処理用情報を送信する。
【0077】
続くステップS95の処理として、サーバ側本制御処理部33は、ロボット100からの待機終了通知を受信したか否かを判定する。サーバ側本制御処理部33は、ロボット100からの待機終了通知を受信したと判定したときに、ステップS96の処理に進む。
ステップS96の処理として、サーバ側本制御処理部33は、待機終了通知を通信端末200に送信する。
【0078】
続くステップS97の処理として、サーバ側本制御処理部33は、通信端末200及びロボット100と連動して、先に説明したような内容の本制御を行う。
続くステップS98の処理として、サーバ側本制御処理部33は、新たにロボット操作開始通知を受信したか否かを判定する。サーバ側本制御処理部33は、新たにロボット操作開始通知を受信したと判定すると、ステップS100の処理に進む。一方、サーバ側本制御処理部33は、新たにロボット操作開始通知を受信していないと判定すると、ステップS99の処理に進む。
【0079】
ステップS99の処理として、サーバ側本制御処理部33は、本制御が終了したか否かを判定する。サーバ側本制御処理部33は、本制御が終了したと判定すると、当該サーバ側本制御処理を終了する。一方、サーバ側本制御処理部33は、本制御が終了していないと判定すると、ステップS97の処理に戻り、本制御を引き続き行う。
【0080】
ステップS100の処理として、サーバ側本制御処理部33は、本制御中のロボット100(現在操作中のロボット100)に操作終了通知を送信する。
続くステップS101の処理として、サーバ側本制御処理部33は、現在操作中のロボット100の制御情報を取得する。例えば、現在制御中のロボット100の制御情報は、ロボット100のカメラ107のオン及びオフの状態を示す情報、スピーカ105のオン及びオフの状態を情報、及びロボット100の姿勢を示す情報等である。
【0081】
続くステップS102の処理として、サーバ側本制御処理部33は、ステップS101の処理で取得した制御情報を終了時制御情報とし、当該制御情報を取得したロボット100のロボットIDを対応付けて終了時制御情報データベース27に記憶する。そして、サーバ側本制御処理部33は、ステップS92の処理から再び実行する。これにより、例えば、サーバ側本制御処理部33は、再び実行するステップS92の処理では、ステップS102の処理で終了時制御情報データベース27に記憶した終了時制御情報を先ず取得することになる。
【0082】
以上のようなサーバ側本制御処理によって、サーバ側本制御処理部33は、通信端末200からのロボット操作開始通知を受信すると、終了時制御情報及び周辺装置制御情報を含んだ準備処理用情報を、そのロボット操作開始通知に含まれるロボットIDのロボット100に送信する。その後、サーバ側本制御処理部33は、ロボット100からの待機終了通知を受信すると、その待機終了通知を通信端末200に送信し、本制御を行う。
【0083】
その後、サーバ側本制御処理部33は、本制御中に通信端末200から新たにロボット操作開始通知を受信すると、本制御中のロボット100(現在操作中のロボット100)に操作終了通知を送信するとともに、現在制御中のロボット100の制御情報を終了時制御情報として終了時制御情報データベース27に記憶する。その後、サーバ側本制御処理部33は、同様な処理を繰り返す。すなわち、サーバ側本制御処理部33は、終了時制御情報及び周辺装置制御情報を含んだ準備処理用情報を、新たに受信したロボット操作開始通知に含まれるロボットIDのロボット100に送信する。その後、サーバ側本制御処理部33は、ロボット100からの待機終了通知を受信すると、待機終了通知を通信端末200に送信し、本制御を引き続き行う。
【0084】
図25は、ロボット100が実行するロボット側本制御処理の一例を示すフローチャートである。
図25に示すように、先ずステップS121の処理として、ロボット側本制御処理部122は、管理サーバ10からの準備処理用情報を受信したか否かを判定する。ロボット側本制御処理部122は、管理サーバ10からの準備処理用情報を受信したと判定したときに、ステップS122の処理に進む。
【0085】
ステップS122の処理として、ロボット側本制御処理部122は、準備処理用情報に含まれている終了時制御情報を基に、ロボット100を制御する。これにより、ロボット側本制御処理部122は、準備処理として、終了時制御情報を基に、自己のロボット100の制御状態を、直前までユーザに操作されていたロボット100の制御状態と同じにする。例えば、ロボット側本制御処理部122は、終了時制御情報を基に、直前までユーザに操作されていた他のロボット100の制御状態と同じなるように、自己のロボット100のカメラ107をオン又はオフにしたり、スピーカ105をオン又はオフにしたり、所定の姿勢にしたりする。
【0086】
続くステップS123の処理として、ロボット側本制御処理部122は、準備処理用情報に含まれている周辺装置制御情報を、当該周辺装置制御情報に対応付けられている周辺装置IDの周辺装置300に送信する。
続くステップS124の処理として、ロボット側本制御処理部122は、周辺装置300からの制御終了通知を受信したか否かを判定する。すなわち、ロボット側本制御処理部122は、周辺装置300が周辺装置制御情報に基づく制御を終了したか否かを判定する。ロボット側本制御処理部122は、周辺装置300からの制御終了通知を受信したと判定したときに、ステップS125の処理に進む。
【0087】
ステップS125の処理として、ロボット側本制御処理部122は、管理サーバ10に待機終了通知を送信する。
続くステップS126の処理として、ロボット側本制御処理部122は、管理サーバ10及び通信端末200と連動して、先に説明したような内容の本制御を行う。
【0088】
続くステップS127の処理として、ロボット側本制御処理部122は、本制御が終了したか否かを判定する。具体的には、ロボット側本制御処理部122は、管理サーバ10からの操作終了通知を受信すると、本制御が終了したと判定する。ロボット側本制御処理部122は、本制御が終了したと判定すると、当該ロボット側本制御処理を終了させる。一方、ロボット側本制御処理部122は、本制御が終了していないと判定すると、ステップS126の処理に戻り、本制御を引き続き行う。
【0089】
以上のようなロボット側本制御処理によって、ロボット側本制御処理部122は、管理サーバ10からの準備処理用情報を受信すると、準備処理として、準備処理用情報に含まれている終了時制御情報を基にロボット100を制御する。さらに、ロボット側本制御処理部122は、準備処理用情報に含まれている周辺装置制御情報を周辺装置300に送信する。すなわち、ロボット側本制御処理部122は、準備処理として、周辺装置制御情報を基に周辺装置300に制御する。
【0090】
そして、ロボット側本制御処理部122は、周辺装置300の制御が終了すると、待機終了通知を管理サーバ10に送信する。その後、ロボット側本制御処理部122は、本制御を行う。
【0091】
図26は、周辺装置300が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図26に示すように、先ずステップS141の処理として、周辺装置300の処理部301は、周辺装置制御情報を受信したか否かを判定する。処理部301は、周辺装置制御情報を受信したと判定したときに、ステップS142の処理に進む。
【0092】
ステップS142の処理として、処理部301は、ステップS141の処理で受信した周辺装置制御情報を基に、自己を制御する。例えば、自己の周辺装置300が室内灯であれば、処理部301は、オンする制御を行う。また、自己の周辺装置300が警告ランプであれば、処理部301は、オンする制御を行う。
【0093】
ステップS143の処理として、処理部301は、制御を終了したか否かを判定する。処理部301は、制御を終了したと判定すると、ステップS144の処理に進む。一方、処理部301は、制御を終了していないと判定すると、ステップS142の処理に戻る。
ステップS144の処理として、処理部301は、管理サーバ10に制御終了通知を送信する。
【0094】
(動作、作用等)
次に、本実施形態における情報提供システム1の動作、作用等を説明する。
先ず、管理サーバ10では、サーバ側設定処理部31は、現在時刻が予約時刻からn分前の時刻になると、予約時刻に対応付けられているロボットIDの設定用制御情報を設定情報として、対応するロボットIDのロボット100に送信する。このとき、サーバ側設定処理部31は、予約時刻に複数のロボットIDが対応付けられていれば、それら各ロボットIDのロボット100に、各ロボット100に対応付けられている設定用制御情報を設定情報として送信する。
【0095】
ロボット100側では、ロボット側設定処理部121は、管理サーバ10からの設定情報を受信すると、設定情報に含まれている設定用制御情報を基に、予約時刻前の設定処理の制御を行う。言い換えると、サーバ側設定処理部31は、ロボット100を制御するための設定情報をロボット100に送信して、ロボット側設定処理部121を介してロボット100を制御する。その後、ロボット側設定処理部121は、環境情報を取得し、取得した環境情報を管理サーバ10に送信する。
【0096】
管理サーバ10側では、環境情報管理処理部32は、ロボット100からの環境情報を受信すると、受信した環境情報と当該環境情報を送信してきたロボット100のロボットIDとを対応づけて、環境情報データベース25に記憶する。このとき、複数のロボット100からの設定情報を受信すると、環境情報管理処理部32は、受信した各環境情報と当該環境情報を送信してきた各ロボット100のロボットIDとを対応づけて、環境情報データベース25に記憶する。
【0097】
そして、通信端末200、管理サーバ10、及びロボット100が連動し、サービス提供のための本制御を開始して、ユーザへのサービス提供を開始する。
サービスの提供を開始すると、通信端末200では、通信端末側本制御処理部221は、登録する環境情報があるときには、当該環境情報を環境情報データベース25に記憶する。そして、通信端末側本制御処理部221は、サービスの提供を受けるためにロボット100の操作をユーザが開始すると、管理サーバ10にロボット操作開始通知を送信する。
【0098】
管理サーバ10側では、サーバ側本制御処理部33は、通信端末200からのロボット操作開始通知を受信すると、終了時制御情報及び周辺装置制御情報を含んだ準備処理用情報をそのロボット操作開始通知に含まれるロボットIDのロボット100に送信する。
ロボット100側では、ロボット側本制御処理部122は、管理サーバ10からの準備処理用情報を受信すると、準備処理として、準備処理用情報に含まれている終了時制御情報を基に当該ロボット100を制御する。さらに、ロボット側本制御処理部122は、準備処理として、周辺装置制御情報を基に周辺装置300に制御する。言い換えると、管理サーバ10(サーバ側本制御処理部33)は、ロボット100、周辺装置300を制御するための準備処理用情報をロボット100に送信して、ロボット側本制御処理部122を介してロボット100及び当該ロボット100の周辺にある周辺装置300を制御する。
【0099】
そして、ロボット側本制御処理部122は、周辺装置300の制御が終了すると、管理サーバ10に待機終了通知を送信する。その後、ロボット側本制御処理部122は、本制御を開始する。
管理サーバ10側では、サーバ側本制御処理部33は、ロボット100からの待機終了通知を受信すると、待機終了通知を通信端末200に送信するとともに、本制御を開始する。また、通信端末200側でも、通信端末側本制御処理部221は、管理サーバ10からの待機終了通知を受信すると、本制御を開始する。
【0100】
本制御では、通信端末200のタッチパネル部203に表示したロボット100を操作するための操作部をユーザが操作したとき、通信端末200は、その操作情報を管理サーバ10に送信し、管理サーバ10は、その操作情報を基にロボット100を制御する。ロボット100は、その制御によって移動したり姿勢を変えたりしながら、カメラ107等によって情報として取得し、取得した撮像画像等の情報を管理サーバ10を介して通信端末200に送信する。そして、通信端末200のタッチパネル部203に表示した商品を購入する操作をユーザがしたとき、通信端末200は、その操作情報を管理サーバ10に送信し、管理サーバ10は、その操作情報を基に商品の購入処理を進める。
【0101】
一方、通信端末200、管理サーバ10、及びロボット100が連動して行っている本制御中、通信端末200では、通信端末側本制御処理部221は、ユーザが他のロボット100の操作を開始すると、管理サーバ10にロボット操作開始通知を送信する。管理サーバ10では、サーバ側本制御処理部33は、本制御中に通信端末200から新たにロボット操作開始通知を受信すると、本制御中のロボット100(現在操作中のロボット100)に操作終了通知を送信するとともに、現在制御中のロボット100の制御情報を終了時制御情報として終了時制御情報データベース27に記憶する。その後、サーバ側本制御処理部33は、当該終了時制御情報及び周辺装置制御情報を含んだ準備処理用情報を、新たに受信したロボット操作開始通知に含まれるロボットIDのロボット100(新たに操作開始されたロボット100)に送信する。
【0102】
新たに操作開始されたロボット100側では、ロボット側本制御処理部122は、管理サーバ10からの準備処理用情報を受信すると、準備処理として、準備処理用情報に含まれている終了時制御情報を基に当該ロボット100を制御する。すなわち、管理サーバ10側からみると、サーバ側本制御処理部33が、直前まで制御していたロボット100の状況を基に、今回のロボット100を制御していることになる。
【0103】
さらに、ロボット側本制御処理部122は、準備処理として、周辺装置制御情報を基に周辺装置300に制御する。そして、ロボット側本制御処理部122は、周辺装置300の制御が終了すると、管理サーバ10に待機終了通知を送信する。その後、ロボット側本制御処理部122は、本制御を開始する。
【0104】
これにより、管理サーバ10側でも、サーバ側本制御処理部33は、ロボット100からの待機終了通知を受信すると、待機終了通知を通信端末200に送信するとともに、新たに操作開始されたロボット100を利用した本制御を引き続き行う。また、通信端末200側でも、通信端末側本制御処理部221は、管理サーバ10からの待機終了通知を受信すると、新たに操作開始されたロボット100を利用した本制御を引き続き行う。
【0105】
図27は、サービス提供を受ける場面の一例を示す図である。
図27に示すように、自宅にいるユーザは、携帯電話やパーソナルコンピュータ等の通信端末200を操作し、管理サーバ10を介して遠隔操作によって店舗A内に配置されているロボット100の移動を操作し、店舗A内でロボット100を移動させながら店員の説明を聞きつつ、買い物をすることができる。
【0106】
その後、自宅にいるユーザは、通信端末200を操作して他の店舗Bに配置されているロボット100を選択することで、管理サーバ10を介して遠隔操作によって店舗B内に配置されているロボット100の移動を操作し、店舗B内でロボット100を移動させながら店員の説明を聞きつつ、買い物をすることができる。
【0107】
その後、自宅にいるユーザは、通信端末200を操作して他の店舗Cに配置されているロボット100を選択することで、管理サーバ10を介して遠隔操作によって店舗C内に配置されているロボット100の移動を操作し、店舗C内でロボット100を移動させながら店員の説明を聞きつつ、買い物をすることができる。
【0108】
(本実施形態における効果)
(1)各ロボット100は、予約時刻以降から開始される情報を取得する処理に準備が必要な場合でもあっても、予約時刻前に事前に設定されるため、予約時刻から直ぐに通信端末200を介したユーザからの要求に対して処理できるので、通信端末200を介したユーザの要求に対して遅滞なく情報を取得し取得情報を当該通信端末200に送信できる。
【0109】
(2)通信端末200が一のロボット100から情報を受信し、次いで他のロボット100から情報を受信するときには、他のロボット100は、直前に制御されていた前記一のロボット100の状況を示す終了時制御情報を基に制御されることで、直前に制御されていた前記一のロボット100の状況に合致させて情報を取得し情報を送信できる。
【0110】
(3)サービス開始前にロボット100の周辺装置300を制御し警告等を報知することで、ロボット100の周囲では、ロボット100が動作することを事前に知ることができる。
(4)ロボット100は、設定処理や準備処理によって事前に所望の位置に移動することができる。これにより、ロボット100は、通信端末200を介したユーザの要求に対して遅滞なく情報を取得し取得情報を当該通信端末200に送信できる。
【0111】
(5)ロボット100は、予約時刻以降、取得情報を通信端末200に遅滞なく送信できる。
なお、前記の実施形態の説明において、ロボット100は、例えば、情報取得装置を構成する。また、サーバ側本制御処理部33は、例えば、制御手段を構成する。また、通信端末200は、例えば、出力端末を構成する。また、カメラ107、GPSセンサ109、及び対物センサ110は、例えば、検出手段を構成する。また、ロボット100の設定用制御情報によって制御された処理は、例えば、ユーザが通信端末によって取得するための事前の処理を構成する。また、カメラ107は、例えば、撮像手段を構成する。また、予約時刻は、例えば、画像データを通信端末が受信可能になる時刻を構成する。
【0112】
(本実施形態の変形例等)
前記の実施形態の他の例として、ロボット100を移動しない固定型にすることもできる。
図28は、ロボット100の外観の構成の他の例を示す図である。図28に示すように、ロボット100は、移動部を有することなく、設置部401上に、スピーカ、マイク、カメラ、及びタッチパネル部を有する入出力部402が設けられている。
【0113】
また、前記の実施形態の他の例として、情報取得装置をロボット100でなくカメラだけとすることもできる。
また、前記の実施形態の他の例として、管理サーバ10は、ロボット100を制御する際に、当該ロボット100から得た環境情報を基に、ロボット100の移動動作等を制御することもできる。
【0114】
これにより、管理サーバ10は、ロボット100の内部環境や外部環境に対応させて当該ロボット100の移動動作等させることができる。
また、前記の実施形態の他の例として、環境情報は、内部環境及び外部環境の何れかを含むようにすれば良い。
【0115】
また、前記の実施形態の他の例として、ロボット側設定処理部121は、予約時刻前の設定をするための制御を行う前に、当該制御を開始することを周囲に報知することもできる。この場合、ロボット側設定処理部121は、周辺装置300を制御して、ロボット100の制御を開始することを周囲に報知する。これにより、ロボット100の周囲では、ロボット100が動作することを事前に知ることができる。
【0116】
また、前記の実施形態の他の例として、ロボット100自体に予め設定されている報知動作をさせることで、ロボット100自体が周囲に自己がサービス提供のための制御を開始すること周囲に報知させることができる。この場合、ロボット100は、スピーカ105からの音声により、又はタッチパネル部102の表示によってその旨を報知する。
【0117】
また、前記の実施形態の他の例として、管理サーバ10は、通信端末200でのロボット100の操作内容(当該操作に基づく制御情報)をロボット100にダイレクトに送信することもでき、通信端末200でのロボット100の操作内容(当該操作に基づく制御情報)に変更を加えて、当該ロボット100に送信することもできる。
【0118】
これによって、管理サーバ10は、通信端末200でのロボット100の操作内容(当該操作に基づく制御情報)に、自己がリアルタイムで管理しているロボット100の状態も加味して、当該ロボット100を制御できる。
また、前記の実施形態の他の例として、前記ステップS93の処理において、サーバ側本制御処理部33は、周辺装置を検索する際に、環境情報で取得したロボット100の位置情報及び周辺装置のロケーション情報を基に、周辺装置を検索することもできる。そして、サーバ側本制御処理部33は、周辺装置情報データベース28を参照して、検索して特定した周辺装置の周辺装置ID及び周辺装置制御情報を取得する。
また、前記の実施形態の他の例として、終了時制御情報に周辺装置の制御情報を含めることができる。この場合、前記ステップS101の処理において、サーバ側本制御処理部33は、現在操作中のロボット100が制御する周辺装置の制御中の制御情報も取得する。例えば、周辺装置の制御中の制御情報は、室内灯であればオン及びオフの状態を示す情報である。以上のような処理によって、前記ステップS94においてロボット100に送信される準備処理用情報の終了時制御情報には、当該周辺装置の制御中の制御情報も含まれることになる。すなわち、終了時制御情報には、ロボット100の制御を終了した時の当該ロボット100が制御していた周辺装置の制御状態が含まれる。
【0119】
さらにこのように、終了時制御情報に周辺装置の制御情報も含めた場合、前記ステップS123の処理において、ロボット側本制御処理部122は、終了時制御情報に含まれていた周辺装置の制御情報及び元々の周辺装置制御情報(周辺装置情報データベース28を参照して取得した周辺装置制御情報)の何れか一方を選択して、当該周辺装置制御情報に対応付けられている周辺装置IDの周辺装置300に送信することもできる。
【0120】
また、前記の実施形態の他の例として、情報提供システム1は、管理サーバ10を有することなく、通信端末200と各ロボット100とが通信を介したやりとりで、通信端末200により各ロボット100を遠隔操作することもできる。この場合、通信端末200が前述の管理サーバ10の機能を有することになる。
また、前記の実施形態では、通信端末を介したユーザからの要求に応じて情報を取得し当該通信端末に送信する複数の情報取得装置を制御するプログラムであって、記憶手段が、互いに離れた位置に配置された複数の情報取得装置が取得した情報である取得情報を通信網を介して前記通信端末によって受信し取得するユーザの情報、前記複数の情報取得装置が取得した取得情報を前記ユーザが前記通信端末によって取得するための事前の処理を当該情報取得装置に開始させるタイミングである開始タイミング、及び前記複数の情報取得装置それぞれの処理を制御する制御情報が対応付けられて記憶する記憶ステップと、前記制御手段が、開始タイミングで当該開始タイミングに対応付けられた前記制御情報を基に前記複数の情報取得装置を制御する制御ステップと、をコンピュータに実行させるプログラムを実現している。
また、前記の実施形態では、通信端末を介したユーザからの要求に応じて情報を取得し当該通信端末に送信する複数の情報取得装置を制御する情報提供方法であって、互いに離れた位置に配置された複数の情報取得装置が取得した情報である取得情報を通信網を介して前記通信端末によって受信し取得するユーザの情報、前記複数の情報取得装置が取得した取得情報を前記ユーザが前記通信端末によって取得するための事前の処理を当該情報取得装置に開始させるタイミングである開始タイミング、及び前記複数の情報取得装置それぞれの処理を制御する制御情報が対応付けられて記憶する記憶ステップと、開始タイミングで当該開始タイミングに対応付けられた前記制御情報を基に前記複数の情報取得装置を制御する制御ステップと、を有する情報提供方法を実現している。
【0121】
また、本発明の実施形態を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正及び等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
【符号の説明】
【0122】
1 情報提供システム、10 管理サーバ、20 記憶部、21 ユーザ情報データベース、22 予約情報データベース、23 予約時刻情報データベース、24 設定情報データベース、25 環境情報データベース、26 ロボット制御履歴情報データベース、27 終了時制御情報データベース、28 周辺装置情報データベース、30 サーバ処理部、31 サーバ側設定処理部、32 環境情報管理処理部、33 サーバ側本制御処理部、100 ロボット、107 カメラ、108 移動部、109 GPSセンサ、110 対物センサ、200 通信端末、300 周辺装置
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