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特許7088531支持体付着プリント回路基板及び支持体付着プリント回路基板の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-13
(45)【発行日】2022-06-21
(54)【発明の名称】支持体付着プリント回路基板及び支持体付着プリント回路基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/28 20060101AFI20220614BHJP
   H05K 3/46 20060101ALI20220614BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20220614BHJP
【FI】
H05K3/28 B
H05K3/46 B
H01L23/12 N
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2018024570
(22)【出願日】2018-02-14
(65)【公開番号】P2019087717
(43)【公開日】2019-06-06
【審査請求日】2020-12-11
(31)【優先権主張番号】10-2017-0148943
(32)【優先日】2017-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】キム サン-フン
(72)【発明者】
【氏名】ハン ユン-ギュ
(72)【発明者】
【氏名】コウ ヤン-クック
(72)【発明者】
【氏名】オー ヨン
【審査官】小林 大介
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-056361(JP,A)
【文献】特開2014-157938(JP,A)
【文献】特開2009-239224(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/28
H05K 3/46
H01L 23/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板部と、前記基板部に付着された支持体と、を含み、
前記基板部は、
第1外層導体パターン層と、
前記第1外層導体パターン層上に形成され、前記第1外層導体パターン層の少なくとも一部を露出させる第1開口が形成されている第1ソルダーレジスト層と、を含み、
前記支持体は、
前記第1ソルダーレジスト層上に形成され、前記第1開口と連通する第2開口が形成されているマスクパターン層と、
前記マスクパターン層上に形成され、前記第2開口と連通する第3開口が形成されている支持絶縁層と、を含み、
前記第1開口及び前記第3開口のそれぞれの直径は、下部に行くほど減少し、前記第3開口は、前記支持絶縁層に接触する前記マスクパターン層の一面の少なくとも一部を露出させる、支持体付着プリント回路基板。
【請求項2】
前記マスクパターン層は、
前記第1ソルダーレジスト層と接触する第1金属層と、前記第1金属層上に形成される第2金属層と、を含む請求項に記載の支持体付着プリント回路基板。
【請求項3】
前記第1金属層及び前記第2金属層は、それぞれ銅(Cu)を含む請求項に記載の支持体付着プリント回路基板。
【請求項4】
前記第1金属層は、ニッケル(Ni)またはチタン(Ti)を含む請求項に記載の支持体付着プリント回路基板。
【請求項5】
前記マスクパターン層は、
前記第1金属層と前記第2金属層との間に介在された離型層をさらに含む請求項に記載の支持体付着プリント回路基板。
【請求項6】
前記マスクパターン層は、
前記第1ソルダーレジスト層と接触する離型層と、前記離型層に形成される金属層とを含む請求項に記載の支持体付着プリント回路基板。
【請求項7】
前記基板部は、
前記第1外層導体パターン層の下部に形成される第2外層導体パターン層と、
前記第1外層導体パターン層と前記第2外層導体パターン層との間に形成される層間絶縁層と、をさらに含む請求項1から請求項のいずれか1項に記載の支持体付着プリント回路基板。
【請求項8】
前記第2外層導体パターン層の平坦度は、前記第1外層導体パターン層の平坦度よりも高い請求項に記載の支持体付着プリント回路基板。
【請求項9】
前記第2外層導体パターン層は、
前記層間絶縁層に埋め込まれ、一面が前記層間絶縁層の一面から露出する請求項に記載の支持体付着プリント回路基板。
【請求項10】
前記基板部は、
前記第2外層導体パターン層をカバーするために、前記第2外層導体パターン層に形成される第2ソルダーレジスト層をさらに含む請求項に記載の支持体付着プリント回路基板。
【請求項11】
外層導体パターン層のパッドを露出させる開口が形成されているソルダーレジスト層と、
前記ソルダーレジスト層上に形成され、前記開口と連通される貫通孔が形成されている支持体と、
前記ソルダーレジスト層と前記支持体との間に介在され、前記開口と前記貫通孔とを互いに連通する貫通パターンが形成され、前記支持体と接触する一面の少なくとも一部が前記貫通孔から露出するマスクパターン層と、
を含む支持体付着プリント回路基板。
【請求項12】
キャリア基板の一面に導体パターン層及び層間絶縁層を形成する段階と、
最外層の前記導体パターン層をカバーするソルダーレジスト層を形成する段階と、
前記ソルダーレジスト層にマスクパターン層を形成する段階と、
前記マスクパターン層及び前記ソルダーレジスト層をカバーする支持絶縁層を形成する段階と、
前記ソルダーレジスト層及び前記支持絶縁層のそれぞれの一部を除去して最外層の前記導体パターン層の一部を露出させる開口部を形成する段階と、
を含み、
前記開口部は、
前記ソルダーレジスト層に形成される第1開口と、前記支持絶縁層に形成され、前記支持絶縁層に接触する前記マスクパターン層の一面の少なくとも一部を露出させる第3開口とを含む、支持体付着プリント回路基板の製造方法。
【請求項13】
前記支持絶縁層を形成する段階の後に、前記キャリア基板を除去する段階をさらに含む請求項12に記載の支持体付着プリント回路基板の製造方法。
【請求項14】
記開口部は、
前記マスクパターン層に形成され、前記第1開口と連通する第2開口を更に含み、前記第2開口と前記第3開口とは連通する、
求項12または請求項13に記載の支持体付着プリント回路基板の製造方法。
【請求項15】
前記開口部を形成する段階において、
前記第1開口は、前記マスクパターン層をマスクとして用いてブラストにより形成され、前記第3開口は、他のマスクパターン層をマスクとしてブラストにより形成される、請求項14に記載の支持体付着プリント回路基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持体付着プリント回路基板(support attached printed circuit board)及び支持体付着プリント回路基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子製品の薄型化及び小型化に伴って、電子製品に用いられるパッケージも薄型化及び小型化されている。例として、モバイル機器の薄型化及び小型化により、モバイル機器に用いられるメモリー等の電子素子をパッケージするプリント回路基板の厚さも薄型化及び小型化されている。
【0003】
プリント回路基板の厚さが薄型化される場合は、パッケージング工程において不良の発生する可能性が増加する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】韓国公開特許第10-2011-0066044号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施例によれば、パッケージ工程の全般において取り扱いが容易であり、パッケージ収率の向上された支持体付着プリント回路基板が提供される。
【0006】
また、本発明の他の実施例によれば、パッケージ工程の前に電気検査が可能である支持体付着プリント回路基板が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の第1実施例に係る支持体付着プリント回路基板を示す図である。
図2】本発明の第2実施例に係る支持体付着プリント回路基板を示す図である。
図3】本発明の第3実施例に係る支持体付着プリント回路基板を示す図である。
図4】本発明の第4実施例に係る支持体付着プリント回路基板を示す図である。
図5】本発明の一実施例に係る支持体付着プリント回路基板の製造方法の一工程を示す図である。
図6図5の工程の次の工程を示す図である。
図7図6の工程の次の工程を示す図である。
図8図7の工程の次の工程を示す図である。
図9図8の工程の次の工程を示す図である。
図10図9の工程の次の工程を示す図である。
図11図10の工程の次の工程を示す図である。
図12図11の工程の次の工程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本願で用いた用語は、ただ特定の実施例を説明するために用いたものであって、本発明を限定するものではない。単数の表現は、文の中で明らかに表現しない限り、複数の表現を含む。
【0009】
本願において、「含む」または「有する」等の用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合せたものの存在を指定するものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合せたものの存在または付加可能性を予め排除するものではないことを理解しなくてはならない。
【0010】
また、明細書の全般において、「上に」とは、対象部分の上または下に位置することを意味し、必ずしも重力方向を基準にして上側に位置することを意味するものではない。
【0011】
また、「結合」とは、各構成要素の間の接触関係において、各構成要素の間に物理的に直接接触する場合のみを意味するものではなく、他の構成が各構成要素の間に介在され、その他の構成に構成要素がそれぞれ接触している場合まで包括する概念として使用する。
【0012】
図面に示された各構成の大きさ及び厚さは、説明の便宜上任意に示したものであり、本発明が必ずしもそれらに限定されることはない。
【0013】
以下、本発明に係る支持体付着プリント回路基板及び支持体付着プリント回路基板の製造方法の実施例を添付図面を参照して詳細に説明し、添付図面を参照して説明するに当たって、同一または対応する構成要素には同一の図面符号を付し、これに対する重複説明を省略する。
【0014】
<支持体付着プリント回路基板>
【0015】
(第1実施例)
【0016】
図1は、本発明の第1実施例に係る支持体付着プリント回路基板を示す図である。
【0017】
図1を参照すると、本発明の第1実施例に係る支持体付着プリント回路基板1000は、基板部100と、支持体200とを含む。
【0018】
基板部100は、第1外層導体パターン層11と、第1ソルダーレジスト層21とを含み、第2外層導体パターン層12、層間絶縁層30及び第2ソルダーレジスト層22をさらに含むことができる。
【0019】
支持体200は、マスクパターン層210と、支持絶縁層220とを含む。
【0020】
基板部100は、通常のパッケージ用プリント回路基板であることができる。基板部100は、コアレス工法により製造されたプリント回路基板であってもよいが、これに限定されない。
【0021】
第1外層導体パターン層11は、ビアパッド、信号パターン、パワーパターン、グラウンドパターン及びソルダーパッドのうちの少なくとも1つを含む。
【0022】
第1外層導体パターン層11は、電気的特性に優れた銅(Cu)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、金(Au)、白金(Pt)等で形成できる。
【0023】
第1ソルダーレジスト層21は、第1外層導体パターン層11上に形成され、第1ソルダーレジスト層21には、第1外層導体パターン層11の少なくとも一部を露出させる第1開口310が形成される。
【0024】
第1ソルダーレジスト層21は、ソルダーレジストフィルムを積層することにより形成できる。
【0025】
第1ソルダーレジスト層21は、感光性のソルダーレジストフィルムで形成できるが、これに限定されない。すなわち、本発明において第1開口310は、通常の場合とは異なって、フォトリソグラフィ工程により形成されるものではないので、第1ソルダーレジスト層21は、感光性絶縁物質を含まなくてもよい。例として、第1ソルダーレジスト層21は、無機フィラーが熱硬化性絶縁樹脂に分散された熱硬化性ソルダーレジストフィルムで形成されることもできる。第1開口310の形成方法については、後述する。
【0026】
第1開口310は、第1外層導体パターン層11のソルダーパッドの少なくとも一部を露出させる。図1等には、ソルダーパッドの形態がSMD(Solder Mask Defined)タイプに示されているが、ソルダーパッドは、NSMD(Non Solder Mask Defined)タイプに形成されることもできる。すなわち、第1開口310は、第1外層導体パターン層11のいずれか1つのソルダーパッドのすべてを露出させる形態に形成されることもできる。
【0027】
第1開口310の直径は、下部に行くほど減少することができる。すなわち、第1開口310の直径は、基板部100の外側から基板部100の厚さ方向の中心を向く方向に沿って減少することができる。
【0028】
後述する支持体200が基板部100から分離されると、第1外層導体パターン層11のソルダーパッド上にソルダーが形成されるように、第1開口310内にソルダーを形成できる。
【0029】
支持体200は、基板部100に付着される。支持体200は、マスクパターン層210及び支持絶縁層220を含む。支持体200は、本実施例に係る支持体付着プリント回路基板1000の基板部100にメモリー等の電子部品がパッケージングされた後に、基板部100から除去される。
【0030】
マスクパターン層210は、第1ソルダーレジスト層21上に形成され、マスクパターン層210には、第1開口310と連通する第2開口320が形成される。第2開口320は、マスクパターン層210を貫通する。
【0031】
マスクパターン層210は、第1ソルダーレジスト層21に第1開口310を形成するに当たって、マスクとして機能する。すなわち、マスクパターン層210のパターニングの形態が第1ソルダーレジスト層21に転写される。つまり、第1開口310と第2開口320の数は、互いに同一であり、第1開口310と第2開口320とは互いに連通する。
【0032】
マスクパターン層210は、第1ソルダーレジスト層21と接触する第1金属層211と、第1金属層211上に形成される第2金属層212とを含む。第1金属層211及び第2金属層212のそれぞれは、銅を含むことができる。例として、第1金属層211及び第2金属層212のそれぞれは、銅箔で形成できる。
【0033】
第1金属層211及び第2金属層212は、互いに厚さが異なってもよいが、これに限定されない。第1金属層211及び第2金属層212は、相互間の界面で分離が容易に生じるように、それぞれの低粗度面(Shiny surface)が互いに接触できるが、これに限定されない。
【0034】
本実施例の場合は、第1金属層211と第2金属層212との間の界面で分離が生じることにより、支持体200を基板部100から除去できる。
【0035】
ここで、第1金属層211は、ニッケル(Ni)またはチタン(Ti)を含むことができる。例として、第1金属層211をニッケル箔(Nickel Foil)で形成し、第2金属層212を銅箔(Copper Foil)で形成できる。この場合、第1外層導体パターン層11と第1金属層211とは互いに異なる金属物質を含むので、支持体200の除去の後に、第1ソルダーレジスト層21に残存する第1金属層211をエッチングにより除去するとき、第1外層導体パターン層11は影響を受けない。
【0036】
支持絶縁層220はマスクパターン層210上に形成されており、支持絶縁層220には第2開口320と連通する第3開口330が形成される。第3開口330は支持絶縁層220を貫通する。
【0037】
支持絶縁層220は、基板部100を支持する。これにより、本実施例に係る支持体付着プリント回路基板1000をパッケージ工程の間に容易に取り扱うことができる。また、支持絶縁層220は、パッケージ工程の間に、外部から衝撃が加えられても基板部100の変形を防止できる。
【0038】
支持絶縁層220は、エポキシ樹脂等の電気絶縁性樹脂を含むことができる。また、支持絶縁層220は、電気絶縁性樹脂に含有された補強材を含むことができる。補強材としては、ガラスクローズ、グラスファイバー、無機フィラー及び有機フィラーのうちの少なくともいずれか1つを用いることができる。補強材は、支持絶縁層220の剛性を補強し、熱膨脹係数を低くすることができる。
【0039】
第3開口330は、第2開口320と連通する。第1開口310、第2開口320及び第3開口330は、互いに連通して一つの開口部300を形成する。開口部300により、第1外層導体パターン層11の少なくとも一部が外部に露出される。
【0040】
第3開口330は、ブラスト工程により第2開口320と連通する。すなわち、研磨粒子が支持絶縁層220に第3開口330を形成し、既に形成されている第2開口320を通過して第1ソルダーレジスト層21に第1開口310を形成する。
【0041】
支持絶縁層220に第3開口330をブラスト工程により形成するに当たって、マスクとして機能するレジストパターン層230を支持絶縁層220上に形成することができる。レジストパターン層230には、レジストパターン層230を貫通して第3開口330と連通する第4開口340が形成される。
【0042】
第3開口330は、支持絶縁層220と接触するマスクパターン層210の一面の少なくとも一部を露出させることができる。ブラスト工程において、金属材を含むマスクパターン層210と、有機材を含む支持絶縁層220とは、エッチングの速度が異なり得る。したがって、マスクパターン層210の一面は、第3開口330から露出することができる。
【0043】
第3開口330の直径は、下部に行くほど減少することができる。すなわち、第3開口330の直径は、基板部100の外側から基板部100の厚さ方向の中心を向く方向に沿って減少することができる。
【0044】
本実施例によれば、基板部100の第1外層導体パターン層11の少なくとも一部が、第1開口310、第2開口320、第3開口330及び第4開口340により外部に露出される。よって、支持体200は、基板部100を支持しながらも、基板部100に対する電気検査を可能とする。
【0045】
第2外層導体パターン層12は、第1外層導体パターン層11の下部に形成される。第2外層導体パターン層12は、第1外層導体パターン層11とともに基板部100の最外層導体パターン層を構成する。
【0046】
第2外層導体パターン層12は、ビアパッド、信号パターン、パワーパターン、グラウンドパターン及びソルダーパッドのうちの少なくとも1つを含む。
【0047】
第2外層導体パターン層12は、電気的特性に優れた銅(Cu)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、金(Au)、白金(Pt)等で形成できる。
【0048】
パッケージ工程において、第2外層導体パターン層12にはメモリーまたはAP(Application Processor)等の電子部品が配置されることができる。第2外層導体パターン層12と電子部品とは、ワイヤーボンディングまたはフリップチップボンディングにより結合できる。
【0049】
第2外層導体パターン層12は、第1外層導体パターン層11に比べて、より微細な線幅及び微細なピッチで形成できる。
【0050】
層間絶縁層30は、第1外層導体パターン層11と第2外層導体パターン層12との間に形成される。
【0051】
層間絶縁層30は、エポキシ樹脂等の電気絶縁性樹脂を含むことができる。層間絶縁層30は、感光性絶縁樹脂を含む感光性絶縁層であってもよい。
【0052】
層間絶縁層30は、電気絶縁性樹脂に含有された補強材を含むことができる。補強材としては、ガラスクローズ、グラスファイバー、無機フィラー及び有機フィラーのうちの少なくともいずれか1つを用いることができる。
【0053】
層間絶縁層30は、複数形成することができる。層間絶縁層30が複数に形成される場合は、隣接する層間絶縁層30間には、内層導体パターン層40を形成できる。基板部100に形成されている層間絶縁層30の数に応じて内層導体パターン層40を単数または複数に形成できる。
【0054】
内層導体パターン層40は、ビアパッド、信号パターン、パワーパターン及びグラウンドパターンのうちの少なくとも1つを含む。内層導体パターン層40は、電気的特性に優れた銅(Cu)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、金(Au)、白金(Pt)等で形成できる。
【0055】
第2ソルダーレジスト層22は、第2外層導体パターン層12をカバーするために、第2外層導体パターン層12に形成される。
【0056】
第2ソルダーレジスト層22には、第2外層導体パターン層12の少なくとも一部を露出させる開口Oを形成できる。
【0057】
図1等には、ソルダーパッドの形態をSMD(Solder Mask Defined)タイプに示したが、ソルダーパッドは、NSMD(Non Solder Mask Defined)タイプに形成されることもできる。すなわち、開口Oは、第2外層導体パターン層12のいずれか1つのソルダーパッドのすべてを露出する形態に形成されることもできる。
【0058】
図1に付した図面符号V1は、第1外層導体パターン層11と内層導体パターン層40との層間を接続するためのビアであり、図面符号V2は、第2外層導体パターン層12と内層導体パターン層40との層間を接続するためのビアである。
【0059】
このようにすることで、本実施例に係る支持体付着プリント回路基板1000は、パッケージ工程の間に、支持体200により基板部100を支持することができる。よって、基板部100をより容易に取り扱うことができる。また、パッケージ工程の間に、基板部100の変形を防止することができる。また、第1開口310、第2開口320、第3開口330及び第4開口340により基板部100の第1外層導体パターン層11が露出するので、パッケージ工程の前に基板部100の不良の可否を電気的に検査することができる。
【0060】
(第2実施例)
【0061】
図2は、本発明の第2実施例に係る支持体付着プリント回路基板を示す図である。
【0062】
本実施例に係る支持体付着プリント回路基板2000の場合、本発明の第1実施例に係る支持体付着プリント回路基板1000に比べて、第2外層導体パターン層12が異なり、以下ではこれを中心に説明する。
【0063】
第2外層導体パターン層12は、層間絶縁層30に埋め込まれ、一面が層間絶縁層30の一面に露出することができる。すなわち、図2に基づいて、第2外層導体パターン層12は、最外層に形成された層間絶縁層30に埋め込まれ、下面が最外層の層間絶縁層30の下面から露出することができる。
【0064】
このとき、第2外層導体パターン層12の一面には、溝が形成され得る。
【0065】
また、第2外層導体パターン層12の平坦度は、第1外層導体パターン層11の平坦度よりも高くすることができる。ここで、平坦度とは、図2に基づいて、第2外層導体パターン層12の下面間の高さの散布が第1外層導体パターン層11の上面間の高さの散布よりも低いという意味に解釈できる。
【0066】
上述した本実施例の支持体付着プリント回路基板の特徴は、キャリア基板(図5のC参照)を用いて基板部100を製造することにある。
【0067】
すなわち、キャリア基板の一面に、層間絶縁層30ではなく第2外層導体パターン層12が先に形成されることにより、キャリア基板が除去された場合、第2外層導体パターン層12の一面が最外層の層間絶縁層30の一面から露出する。また、キャリア基板の除去時にキャリア基板の極薄銅箔が基板部に残存することになるが、極薄銅箔をエッチングにより除去するとき、第2外層導体パターン層12の一部がともに除去されて、第2外層導体パターン層12の一面に溝が形成され得る。また、製造工程上、第2外層導体パターン層12が先に形成された後に第1外層導体パターン層11が形成されるので、第2外層導体パターン層12の平坦度が、工程誤差等の変数の累積した第1外層導体パターン層11の平坦度よりも高くすることができる。
【0068】
(第3実施例)
【0069】
図3は、本発明の第3実施例に係る支持体付着プリント回路基板を示す図である。
【0070】
本実施例に係る支持体付着プリント回路基板3000の場合、本発明の第1実施例に係る支持体付着プリント回路基板1000に比べて、マスクパターン層210が異なり、以下ではこれを中心に説明する。
【0071】
本実施例に適用するマスクパターン層210は、第1金属層211と第2金属層212との間に介在されている離型層213をさらに含む。
【0072】
離型層213は、支持体200を基板部100から除去する過程において、分離を容易にするために粘着性のない物質で形成することができる。すなわち、本実施例に係る支持体付着プリント回路基板3000の場合、第1実施例に係る支持体付着プリント回路基板1000とは異なって、第1金属層211と離型層213との間の界面で分離が生じる。
【0073】
離型層213には、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂を用いることができる。
【0074】
(第4実施例)
【0075】
図4は、本発明の第4実施例に係る支持体付着プリント回路基板を示す図である。
【0076】
本実施例に係る支持体付着プリント回路基板4000の場合、本発明の第1実施例に係る支持体付着プリント回路基板1000に比べて、マスクパターン層210が異なり、以下ではこれを中心に説明する。
【0077】
マスクパターン層210は、第1ソルダーレジスト層21と接触する離型層213と、離型層213に形成される金属層214とを含む。
【0078】
したがって、本実施例の場合、支持体200と基板部100とを分離するに当たり、第1ソルダーレジスト層21と離型層213との間の界面で分離が生じ得る。
【0079】
つまり、第1実施例とは異なって、本実施例の場合は、支持体200分離後に基板部100に残存する支持体200の一部構成を除去する工程が不要となる。
【0080】
本実施例に適用される離型層213及び金属層214については、第1から第3実施例での離型層213、第1金属層211及び第2金属層212に関する説明をそのまま適用できる。
【0081】
<支持体付着プリント回路基板の製造方法>
【0082】
図5から図12は、本発明の一実施例に係る支持体付着プリント回路基板の製造方法を順次に示す図である。
【0083】
本発明の一実施例に係る支持体付着プリント回路基板の製造方法は、キャリア基板の一面に導体パターン層と層間絶縁層とを形成する段階と、最外層の導体パターン層をカバーするソルダーレジスト層を形成する段階と、ソルダーレジスト層にマスクパターン層を形成する段階と、マスクパターン層及びソルダーレジスト層をカバーする支持絶縁層を形成する段階と、ソルダーレジスト層及び支持絶縁層のそれぞれの一部を除去して最外層の導体パターン層の一部を露出する開口部を形成する段階と、を含み、キャリア基板を除去する段階をさらに含むことができる。
【0084】
図5を参考すると、キャリア基板の一面に第1層間絶縁層及び第1導体パターン層を順次形成する。
【0085】
キャリア基板Cは、コアレス工法を行うために使用される通常の副資材であることができる。すなわち、キャリア基板Cは、支持コアSと、支持コアSの両面に形成されたキャリア金属箔CF1と、キャリア金属箔CF1に形成された極薄金属箔CF2と、を含むことができる。
【0086】
第1層間絶縁層30は、キャリア基板Cに感光性絶縁フィルムを積層することで形成できる。または、第1層間絶縁層30は、キャリア基板CにABF(Ajinomoto Buildup Film)等のビルドアップ絶縁フィルムを積層することで形成できる。本段階において、第1層間絶縁層30が感光性絶縁フィルムで形成された場合、後述する第1導体パターン層と第3導体パターン層とを層間接続するビアを形成するために必要なビアホールの形成工程は、フォトリソグラフィ工程により行われることができる。
【0087】
第1導体パターン層40は、キャリア基板Cに積層された第1層間絶縁層30の一面上に形成される。第1導体パターン層40は、SAP(Semi Additive Process)、MSAP(Modified Semi Additive Process)またはサブトラックティブ法のうちのいずれか1つの方法により形成できる。
【0088】
第1導体パターン層40がSAP法により形成された場合、本段階において第1導体パターン層40は、第1層間絶縁層30に形成された無電解めっき層と、無電解めっき層に形成された電解めっき層とを含む構造に形成されることができる。第1導体パターン層40がMSAP法により形成された場合、本段階において第1導体パターン層40は、第1層間絶縁層30に形成された金属箔と、金属箔上に形成された電解めっき層とを含む構造に形成されることができる。
【0089】
第1導体パターン層40及び第1層間絶縁層30は、それぞれ上述した本発明の第1実施例に係る支持体付着プリント回路基板1000の内層導体パターン層40及び最外層層間絶縁層30に該当する。
【0090】
次に、図6を参考すると、第2層間絶縁層及び第2導体パターン層を順次形成する。
【0091】
第2層間絶縁層30は、感光性絶縁フィルムを積層して形成することができる。または、第2層間絶縁層30は、ABF(Ajinomoto Buildup Film)等のビルドアップ絶縁フィルムを積層して形成することができる。
【0092】
第2導体パターン層11は、第2層間絶縁層30の一面に形成される。第2導体パターン層11は、SAP(Semi Additive Process)、MSAP(Modified Semi Additive Process)またはサブトラックティブ法のうちのいずれか1つの方法により形成できる。
【0093】
第2導体パターン層11がSAP法により形成された場合、第2導体パターン層11は、第2層間絶縁層30に形成された無電解めっき層と、無電解めっき層に形成された電解めっき層とを含む構造に形成されることができる。
【0094】
第2導体パターン層11がMSAP法により形成された場合、第2導体パターン層11は、第2層間絶縁層30に形成された金属箔と、金属箔に形成された無電解めっき層と、無電解めっき層に形成された電解めっき層とを含む構造に形成されることができる。
【0095】
一方、第2導体パターン層11を形成する段階において、第1導体パターン層40と第2導体パターン層11とを層間接続する第1ビアV1が、第2導体パターン層11とともに形成されることができる。
【0096】
第1ビアV1は、第2層間絶縁層30にレーザードリルにより第1ビアホールを形成し、第1ビアホール内に無電解めっき層及び電解めっき層を順次形成することにより形成できる。第2層間絶縁層30が感光性物質を含む場合は、第1ビアホールは、フォトリソグラフィ工程により形成できる。
【0097】
第2導体パターン層11及び第2層間絶縁層30は、それぞれ上述した本発明の第1実施例に係る支持体付着プリント回路基板1000の第1外層導体パターン層11及び最外層層間絶縁層30に該当する。
【0098】
次に、図7を参考すると、第2導体パターン層をカバーするために、第1ソルダーレジスト層を形成する。
【0099】
第1ソルダーレジスト層21は、ソルダーレジストフィルムを第2層間絶縁層30に積層することにより形成できる。第1ソルダーレジスト層21は感光性物質を含むことができるが、これに限定されない。
【0100】
次に、図8を参考すると、第1ソルダーレジスト層にマスクパターン層を形成する。
【0101】
マスクパターン層210は、第1ソルダーレジスト層21にマスクパターン層の形成用の資材210'を積層した後に、マスクパターン層の形成用の資材210'を貫通する第2開口320を形成することにより形成できる。
【0102】
マスクパターン層の形成用の資材210'は、本発明の第1実施例に係る支持体付着プリント回路基板1000において説明した第1金属層211及び第2金属層212を含む構造であることができる。この場合、第1金属層211が第1ソルダーレジスト層21に接するようにマスクパターン層の形成用の資材210'を積層する。または、マスクパターン層の形成用の資材210'は、本発明の第3実施例に係る支持体付着プリント回路基板3000において説明した第1金属層211、第2金属層212、及び離型層213を含む構造であることができる。この場合、第1金属層211が第1ソルダーレジスト層21に接するようにマスクパターン層の形成用の資材210'を積層する。または、マスクパターン層の形成用の資材210'は、本発明の第4実施例に係る支持体付着プリント回路基板4000において説明した離型層213及び金属層214を含む構造であることができる。この場合、離型層213が第1ソルダーレジスト層21に接するようにマスクパターン層の形成用の資材210'を積層する。
【0103】
マスクパターン層210に形成された第2開口320は、マスクパターン層の形成用の資材210'にドライフィルム等を積層した後に、フォトリソグラフィ工程を経てエッチングレジストパターンを形成し、エッチングレジストパターンに形成されたオープニングを介してエッチング液をマスクパターン層の形成用の資材210'に接触させることにより形成できる。
【0104】
第2開口320は、第1ソルダーレジスト層21に第1開口310の形成される位置に対応するように、マスクパターン層210に形成される。
【0105】
マスクパターン層の形成用の資材210'は、第1ソルダーレジスト層21の積層と同時にキャリア基板Cに積層されることができ、第1ソルダーレジスト層21がキャリア基板Cに先に積層された後に、第1ソルダーレジスト層21に積層されることもできる。
【0106】
次に、図9を参考すると、マスクパターン層をカバーするために、マスクパターン層及び第1ソルダーレジスト層に支持絶縁層を積層する。
【0107】
このとき、支持絶縁層220とともにレジストパターン層の形成用の資材230'を積層することができる。または、支持絶縁層220の積層の後に、レジストパターン層の形成用の資材230'を積層することもできる。
【0108】
次に図10を参考すると、第1層間絶縁層からキャリア基板を除去し、第1層間絶縁層に第3導体パターン層を形成する。
【0109】
キャリア基板Cは、キャリア金属箔CF1と極薄金属箔CF2との間の界面で分離が生じ、第1層間絶縁層30から除去できる。
【0110】
以後に、第1層間絶縁層30に残存する極薄金属箔CF2をフラッシュエッチングまたはハーフエッチングにより除去する。このとき、極薄金属箔CF2及び第1導体パターン層40が同一の導電性物質を含む場合、本段階において、第1導体パターン層40の一部が極薄金属箔CF2とともに除去され得る。これにより、第1層間絶縁層30の一面から露出する第1導体パターン層40の一面には、溝が形成され得る。
【0111】
以後に、第1層間絶縁層30の一面に第3導体パターン層12を形成する。第3導体パターン層12は、SAP(Semi Additive Process)、MSAP(Modified Semi Additive Process)またはサブトラックティブ法のうちのいずれか1つの方法により形成できる。
【0112】
以後に、第3導体パターン層12の少なくとも一部を露出する第2ソルダーレジスト層22を、第1層間絶縁層30の一面に積層する。
【0113】
第3導体パターン層12は、上述した本発明の第1実施例に係る支持体付着プリント回路基板1000の第2外層導体パターン層12に該当する。
【0114】
次に、図11を参考すると、レジストパターン層の形成用の資材をパターニングし、支持絶縁層の一部を露出させる。すなわち、レジストパターン層230には、第4開口340がパターニングされる。
【0115】
第4開口340は、第1開口310、第2開口320及び第3開口330との整合性を考慮して、第1開口310、第2開口320及び第3開口330よりも大きく形成することが好ましい。
【0116】
次に、図12を参考すると、レジストパターン層及びマスクパターン層をマスクとして、支持絶縁層及び第1ソルダーレジスト層にそれぞれ第3開口及び第1開口を形成する。
【0117】
本段階は、ブラスト工程により行われることができる。すなわち、研磨粒子が支持絶縁層220を研磨して支持絶縁層220に第3開口330を形成するが、このとき、レジストパターン層230がマスクとして機能する。また、研磨粒子は、第4開口340、第3開口330及び第2開口320により露出した第1ソルダーレジスト層21を研磨して第1ソルダーレジスト層21に第1開口310を形成するが、このとき、マスクパターン層210がマスクとして機能する。
【0118】
一方、上述とは異なって、第3開口330及び第1開口310は、レーザードリリングにより形成することもできる。
【0119】
以上、本発明の一実施例について説明したが、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば特許請求の範囲に記載した本発明の思想から逸脱しない範囲内で、構成要素の付加、変更または削除等により本発明を多様に修正及び変更することができ、これも本発明の権利範囲内に含まれるものといえよう。
【符号の説明】
【0120】
11 第1外層導体パターン層
12 第2外層導体パターン層
21 第1ソルダーレジスト層
22 第2ソルダーレジスト層
30 層間絶縁層
40 内層導体パターン層
100 基板部
200 支持体
210 マスクパターン層
210' マスクパターン層の形成用の資材
211 第1金属層
212 第2金属層
213 離型層
214 金属層
220 支持絶縁層
230 レジストパターン層
230' レジストパターン層の形成用の資材
300 開口部
310 第1開口
320 第2開口
330 第3開口
340 第4開口
C キャリア基板
CF1 キャリア金属箔
CF2 極薄金属箔
V1、V2 ビア
O 開口
1000、2000、3000、4000 支持体付着プリント回路基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12