(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-13
(45)【発行日】2022-06-21
(54)【発明の名称】貴重品保管管理システム及びそれに用いられる床頭台、貴重品保管管理システムの管理方法、並びにセーフティボックス
(51)【国際特許分類】
E05B 49/00 20060101AFI20220614BHJP
E05B 65/00 20060101ALI20220614BHJP
A61G 12/00 20060101ALI20220614BHJP
【FI】
E05B49/00 L
E05B65/00 E
A61G12/00 Z
(21)【出願番号】P 2018086203
(22)【出願日】2018-04-27
【審査請求日】2020-11-09
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390033846
【氏名又は名称】フジキンソフト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】難波 静男
(72)【発明者】
【氏名】杉林 渡
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 新一
(72)【発明者】
【氏名】西澤 亨昌
(72)【発明者】
【氏名】赤松 直樹
【審査官】鳥井 俊輔
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-044021(JP,A)
【文献】特開昭62-148782(JP,A)
【文献】特開2005-185628(JP,A)
【文献】特開2015-183467(JP,A)
【文献】特開2011-179222(JP,A)
【文献】特開2007-327253(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 49/00-49/04
A61G 9/00-15/12
A61G 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部屋番号が付された病室に入院する患者の貴重品を保管管理する貴重品保管管理システムであって、
各患者に それぞれ装着され患者を識別するための患者管理符号が付された装着具と、
前記病室に配置され電気錠が取り付けられた収納部と、
前記患者管理符号と、当該患者管理符号が付された患者が入院する病室の部屋番号とが対応付けられて記憶される記憶部を有するサーバとを備え、
前記収納部には、前記装着具に付された前記患者管理符号を読取る読取器が取り付けられており、
前記読取器で読取られた情報をもとに、前記読取器のある前記部屋番号及び前記患者管理符号を前記サーバに記憶されている情報と照合し、同じと判断した場合に、前記読取器が取り付けられた前記収納部の前記電気錠を開錠し
、
さらに、前記読取器と前記サーバとの間に配置された端末を備え、
前記端末は、前記読取器からの出力された情報を受信し、受信した前記情報から前記患者管理符号及び前記部屋番号を特定し、前記サーバの記憶部に記憶されている情報と照合して、同じかどうかを判断し、同じであると判断した場合に、開錠コードを前記収納部に送信する
ことを特徴とする貴重品保管管理システム。
【請求項2】
前記装着具は、リストバンドであり、
前記患者管理符号は、バーコードであり、
前記収納部は、セーフティボックスであり、
前記読取器は、バーコードリーダであることを特徴とする請求項1に記載の貴重品保管管理システム。
【請求項3】
バーコードリーダと電気錠を備え、請求項1または2に記載の貴重品保管管理システムを構成することを特徴とする、床頭台。
【請求項4】
各患者にそれぞれ装着され患者を識別するための患者管理符号が付された装着具と、
部屋番号が付された病室に配置され電気錠が取り付けられた収納部と、
前記患者管理符号と当該患者管理符号が付された患者の病室の部屋番号の情報とが対応付けて記憶される記憶部を有するサーバと
、
前記装着具に付された前記患者管理符号を読取る読取器と前記サーバとの間に配置された端末とを備える、
病室に入院する患者の貴重品を保管管理する貴重品保管管理システムの管理方法であって、
前記収納部に接続された読取器によって前記患者管理符号を読取る工程と、
前記端末によって、前記読取器からの出力された情報を受信し、受信した前記情報から前記患者管理符号及び前記部屋番号を特定し、前記患者管理符号と、前記読取器のある前記患者の病室の部屋番号と、前記サーバに記憶されている情報とを照合する工程と、
前記読取器による情報と、前記サーバに記録されている情報とが一致した時、前記読取器が取り付けられた前記収納部の電気錠の開錠キーを送信する工程とを有する
ことを特徴とする貴重品保管管理システムの管理方法。
【請求項5】
部屋番号が付された病室に入院する患者の貴重品を保管管理するセーフティボックスであって、前記セーフティボックスは、
各患者にそれぞれ装着され患者を識別するための装着具に付された患者管理符号と当該患者管理符号が付された患者が入院する病室の部屋番号とが対応付けられて記憶される記憶部を有するサーバと、
前記セーフティボックスを施錠する電気錠と、
前記装着具に付された前記患者管理符号を読取る読取器と
、
前記読取器と前記サーバとの間に配置された端末とを備え、
前記端末によって、前記読取器からの出力された情報を受信し、受信した前記情報から前記患者管理符号及び前記部屋番号を特定し、前記読取器のある前記部屋番号及び前記患者管理符号を前記サーバに記憶されている情報と照合し、同じと判断した場合に、前記電気錠の開錠キーを得られる
ことを特徴とする、セーフティボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、病院の入院患者が貴重品を安全に保管管理することができる貴重品保管管理システムに関し、特に床頭台の電気錠付セーフティボックスをサーバの情報をもとに開閉することで、貴重品を容易に保管管理することができる貴重品保管管理システム及びそれに用いられる床頭台、貴重品保管管理システムの管理方法、並びにセーフティボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
見舞い客等の不特定多数の人が出入りする病院では、不審者が病院内を徘徊し、入院患者の貴重品を盗む窃盗事件が多く起きている。そこで、従来、病院の入院患者が貴重品の保管を行なうには、床頭台の引出し内に、スチール製の金庫を設置するか、床頭台の引出しに錠前を取り付けている。これらに使われる錠前は、シリンダー錠、プラスチックカード錠(例えば特許文献1参照)、暗証番号を合わせる方法等が利用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、シリンダー錠やプラスチックカード錠等では、入院患者は病院内を診察や検査等のために移動することが多く、往々にして紛失することがあった。
一方、暗証番号では、入院患者がその暗証番号を忘れることが往々にして起こり、特に高齢者には不向きである。
よって、従来の錠前では、錠前の管理のために、入院患者の心理的負担も大きいという問題点があった。
【0005】
そこで、本発明は、上述した如き課題に鑑みてなされたものであり、入院患者の貴重品の保管管理を容易にして、入院患者の心理的負担を軽減する貴重品保管管理システム及びそれに用いられる床頭台、貴重品保管管理システムの管理方法、並びにセーフティボックスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上のような目的を達成するために、本発明に係る貴重品保管管理システムは、部屋番号が付された病室に入院する患者の貴重品を保管管理する貴重品保管管理システムであって、各患者にそれぞれ装着され患者を識別するための患者管理符号が付された装着具と、前記病室に配置され電気錠が取り付けられた収納部と、前記患者管理符号と、当該患者管理符号が付された患者が入院する病室の部屋番号とが対応付けられて記憶される記憶部を有するサーバとを備え、前記収納部には、前記装着具に付された前記患者管理符号を読取る読取器が取り付けられており、前記読取器で読取られた情報をもとに、前記読取器のある前記部屋番号及び前記患者管理符号を前記サーバに記憶されている情報と照合し、同じと判断した場合に、前記読取器が取り付けられた前記収納部の前記電気錠を開錠することを特徴とする。
【0007】
ここで、「貴重品」とは、金銭(財布等)や高級品(時計、宝飾類)だけでなく、入院患者等が紛失しないように管理が必要であると判断した物品を含む。
このような構成によれば、収納部に電気錠を取り付けて、その電気錠を装着具に付された患者管理符号を鍵として開閉することで、患者の貴重品を保管管理する。その結果、装着具に付された患者管理符号を鍵として利用することから、管理するシリンダー錠やプラスチックカード錠や暗証番号がなくなり、患者に与える負担を軽くすることができる。
【0008】
また、本発明においては、前記読取器と前記サーバとの間に配置された端末を備え、前記端末は、前記読取器からの出力された情報を受信し、受信した前記情報から前記患者管理符号及び前記部屋番号を特定し、前記サーバの記憶部に記憶されている情報と照合して、同じかどうかを判断し、同じであると判断した場合に、開錠コードを前記収納部に送信するようにしてもよい。
また、本発明においては、前記患者が入院する病室が変更になったときには、前記記憶部に、当該患者の患者管理符号と、変更後の病室の部屋番号とが対応付けられて再記録されるようにしてもよい。
このような構成によれば、患者は病室を変更になる場合があるが、その場合にも、電気錠を装着具に付された患者管理符号を鍵として開閉することで、患者の貴重品を保管管理することができる。
【0009】
そして、本発明においては、前記患者が退院したときには、前記記憶部に記憶されている当該患者の患者管理符号及び部屋番号を削除するようにしてもよい。
このような構成によれば、患者は退院する場合があるが、その場合にも、その患者管理符号及び部屋番号を記憶部から削除することで、次の患者は、装着具に付された患者管理符号を鍵として開閉することで、次の患者の貴重品を保管管理することができる。
【0010】
さらに、本発明においては、前記装着具は、リストバンドであり、前記患者管理符号は、バーコードであり、前記収納部は、セーフティボックスであり、前記読取器は、バーコードリーダであるようにしてもよい。
このような構成によれば、一般的な病院で容易に用いられることができる。
また、本発明に係る床頭台は、上述したような貴重品保管管理システムに用いられることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る貴重品保管管理システムの管理方法は、各患者にそれぞれ装着され患者を識別するための患者管理符号が付された装着具と、前記病室に配置され電気錠が取り付けられた収納部と、前記患者管理符号と当該患者管理符号が付された患者の情報とが対応付けて記憶される記憶部を有するサーバとを備える、病室に入院する患者の貴重品を保管管理する貴重品保管管理システムの管理方法であって、前記収納部に接続された読取器によって前記患者管理符号を読取る工程と、前記読取器で読取られた前記患者管理符号と、前記サーバに記憶されている情報とを照合する工程と、前記読取器による情報と、前記サーバに記録されている情報とが一致した時、前記読取器が取り付けられた前記収納部の電気錠の開錠キーを送信する工程とを有することを特徴とする。
このような構成によれば、貴重品保管管理システムを適切に管理することができる。
【0012】
さらに、本発明に係るセーフティボックスは、部屋番号が付された病室に入院する患者の貴重品を保管管理するセーフティボックスであって、前記セーフティボックスは、各患者にそれぞれ装着され患者を識別するための装着具に付された患者管理符号と当該患者管理符号が付された患者が入院する病室の部屋番号とが対応付けられて記憶される記憶部を有するサーバと、前記セーフティボックスを施錠する電気錠と、前記装着具に付された前記患者管理符号を読取る読取器とを備え、前記読取器で読取られた情報をもとに、前記読取器のある前記部屋番号及び前記患者管理符号を前記サーバに記憶されている情報と照合し、同じと判断した場合に、前記電気錠の開錠キーを得られることを特徴とする。
このような構成によれば、セーフティボックスに電気錠を取り付けて、その電気錠を装着具に付された患者管理符号を鍵として開閉することで、患者の貴重品を保管管理する。その結果、装着具に付された患者管理符号を鍵として利用することから、管理するシリンダー錠やプラスチックカード錠や暗証番号がなくなり、患者に与える負担を軽くすることができる。
【発明の効果】
【0013】
以上のような貴重品保管管理システム、床頭台、貴重品保管管理システムの管理方法、及びセーフティボックスによれば、装着具に付された患者管理符号を鍵として利用することから、管理するシリンダー錠やプラスチックカード錠や暗証番号がなくなり、患者に与える負担を軽くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明に係る貴重品保管管理システムを示すブロック図である。
【
図4】貴重品保管管理システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【
図5】貴重品保管管理システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【
図6】本発明に係る貴重品保管管理システムの変更例を示すブロック図である。
【
図7】本発明に係る貴重品保管管理システムの更なる変更例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施形態について説明する。
【0016】
図1は、本発明に係る貴重品保管管理システムを示すブロック図である。貴重品保管管理システム100は、病院の管理室等に設置されたサーバ10と、ナースステーションや床頭台内等に設置された複数のコンピュータ(端末、シンクラPC)20と、病室に配置される複数の床頭台40と、患者の腕に装着される複数のリストバンド(装着具)30とを備える。
【0017】
病院には、患者が入院する複数の病室と、サーバ10が設置された管理室が設置されている。各病室には、部屋番号が付されており、例えば「101号室」、「102号室」、・・・が付されている。これにより、各病室が識別されるようになっている。
【0018】
図2は、リストバンドの一例を示す斜視図である。リストバンド30は、柔軟性のある薄い合成樹脂によって形成されたバンド部分31と、バンド部分31の表面に付けられたバーコード32とを有する。バーコード32は、患者を管理する際に使用される患者管理符号(患者ID)を含む、文字や数字からなる複数桁の符号であり、各リストバンド30には、それぞれ異なる患者管理符号が付されている。
【0019】
このようなリストバンド30は、入院当初にナース等から患者に手渡され、患者が入院している間、常時、患者の腕に嵌められる。例えば、患者に対して入院される病室(部屋番号)が決まると、その患者に患者管理符号が割り当てられ、その患者管理符号を含むバーコード32がリストバンド30の表面にナースステーション等で印字される。そして、そのリストバンド30がその患者の腕に嵌められる。これにより、各患者が患者管理符号によって識別され、各患者の電子カルテ等が管理される。
一方、本発明では、リストバンド30が患者の腕に嵌められると、患者管理符号と患者が入院する部屋番号とが対応付けられて(紐付けされて)サーバ10の記憶部11に記憶される。例えば、「患者管理符号A」と部屋番号「101号室」とが対応付けられてサーバ10の記憶部11に記憶される。
【0020】
また、リストバンド30が患者の腕に嵌められた後、患者が病室を変更することがあるが、この場合には、患者管理符号と変更された部屋番号とが対応付けられてサーバ10の記憶部11に再度記憶される。例えば、「患者管理符号A」の患者が病室を「101号室」から「102号室」に変更することになった場合には、「患者管理符号A」と部屋番号「102号室」とが対応付けられてサーバ10の記憶部11に記憶される。このとき、サーバ10では、患者管理符号と変更される前の部屋番号とが対応付けられた情報はサーバ10の記憶部11から削除されるようになっている。例えば、「患者管理符号A」と部屋番号「101号室」とが対応付けられた情報はサーバ10の記憶部11から削除される。
【0021】
さらに、患者が退院することがあるが、この場合には、患者管理符号と退院情報とが対応付けられて、サーバ10では、患者管理符号と部屋番号とが対応付けられた情報は削除されるようになっている。例えば、「患者管理符号A」の患者が退院することになった場合には、「患者管理符号A」と部屋番号「101号室」とが対応付けられた情報はサーバ10の記憶部11から削除される。
【0022】
図3は、床頭台の一例を示す斜視図である。床頭台40は、例えば、幅が400mm~500mm、奥行きが500mm~600mm、高さが1200mm~1500mm程度の収納家具である。なお、これら寸法は一例であり、使用等に支障が無ければ、より大きなサイズ(高さ1800mm以上や、幅600mm以上等)であっても問題は無く、逆に床頭台の設置場所が狭い場合は、小さなサイズ(高さ1200mm以下や幅400mm以下)であっても良い。
【0023】
床頭台40は、例えば、病室のベッドの近傍に配置され、1人の患者に1台の床頭台40が使用されるものであり、その納品時に所定の病室に配置されることになる。例えば、納品された床頭台40に対して配置される病室(部屋番号)が決まると、その床頭台40と部屋番号とが対応付けられて記憶部11に記憶される。
【0024】
また、患者が病室を変更することがあるが、この場合には、患者とともに床頭台40も、変更された病室に移動させ、その床頭台40と変更された部屋番号とが対応付けられて、サーバ10の記憶部11に記憶される。このとき、サーバ10では、その床頭台40と変更される前の部屋番号とが対応付けられた情報は削除されるようになっている。
【0025】
さらに、患者が退院することがあるが、この場合には、その床頭台40と退院情報とが対応付けられて、サーバ10では、その床頭台40と部屋番号とが対応付けられた情報は削除されるようになっている。
【0026】
床頭台40は、スライド移動可能な3つの引出し41と、出し入れ可能なスライドテーブル42と、固定テーブル43と、天井板44とを有する。下段の引出し41の中には冷蔵庫が格納されている。中段の引出し41は開閉が自由であり、その中に患者の任意の物を収納できる。上段の引出し41の中には、患者の貴重品を収納するためのセーフティボックス(収納部)50が格納されている。なお、これらの構成から成る床頭台は一例であり、使用者(患者)や使用環境等によってさまざま仕様の床頭台を用いる事が出来る。
【0027】
セーフティボックス50には、内部に患者の貴重品が収納されるようになっており、引出し移動不可能状態にするロック状態(閉状態)とするための電気錠51が取り付けられている。そして、セーフティボックス50の外部には、リストバンド30に付されたバーコード32を読取るバーコードリーダ(読取器)52が取り付けられている。
なお、セーフティボックス50は、サーバ10と、電気錠51と、読取器52とを備え、読取器52で読取られた情報をもとに、読取器52のある部屋番号及び患者管理符号をサーバ10に記憶されている情報と照合し、同じと判断した場合に、電気錠51の開錠キーを得られるように構成しても良い。
【0028】
電気錠51は、ロック状態(閉状態)であるときには、引出し移動不可能状態にする一方、非ロック状態(開状態)であるときには、引出し移動可能状態、すなわち貴重品が出し入れできる状態にする。このような電気錠51におけるロック状態(閉状態)から非ロック状態(開状態)への切替えは、サーバ10からの信号(開錠コード)を電気錠51が受信することで実行されることになる。
なお、電気錠51は、自動ロック装置であり、引き出された上段の引出し41が閉められると、自動的にロック状態(閉状態)となる(自動ロック機能)。また、所定時間(例えば1分間)以上、非ロック状態(開状態)が続くとブザーが鳴る、閉め忘れ防止ブザー機能を備えていてもよい。
【0029】
バーコードリーダ(読取器)52は、読取ボタン52aを有し、読取ボタン52aが押圧されると、リストバンド30に付されたバーコード32を読取るものである。このようなバーコードリーダ(読取器)52は、周知のバーコードリーダ、例えば光学方式のバーコードリーダによって構成されている。
そして、バーコードリーダ(読取器)52は、読み取ったバーコード32の情報(患者管理符号)を、コンピュータ20に出力するようになっている。
【0030】
サーバ10は、コンピュータ20から入力された情報等を記憶する記憶部11と、プログラムを所定のタイミングで読み出して実行する制御部12とを備え、コンピュータ20は、プログラムを所定のタイミングで読み出して実行する制御部21を備える。
【0031】
制御部21は、バーコードリーダ(読取器)52から情報を受信するバーコードリーダ制御部21aを有する。
【0032】
バーコードリーダ制御部21aは、バーコードリーダ(読取器)52から情報を受信する制御を行うものである。例えば、患者管理符号Aの患者が、101号室に配置された床頭台40のバーコードリーダ(読取器)52に、リストバンド30のバーコード32を読み取らせたときには、「101号室」に配置された床頭台40のバーコードリーダ(読取器)52から情報(「患者管理符号A」)がバーコードリーダ制御部21aに出力され、バーコードリーダ制御部21aは、「101号室」に配置された床頭台40のバーコードリーダ(読取器)52から情報(「患者管理符号A」)を受信し、「患者管理符号A」と、「患者管理符号A」を出力したバーコードリーダ(読取器)52の部屋番号「101号室」の情報をコンピュータ20に送信する。
【0033】
制御部12は、バーコードリーダ(読取器)52から受信した情報と記憶部11に記憶された情報とに基づいて処理する処理部12bと、電気錠51に信号(開錠コード)を出力する電気錠制御部12cとを有する。
処理部12bは、バーコードリーダ(読取器)52から受信した情報とサーバ10の記憶部11に記憶された情報とに基づいて処理する制御を行うものである。例えば、バーコードリーダ制御部21aが「患者管理符号A」及び部屋番号「101号室」を受信した際には、サーバ10の処理部12bに出力する。サーバ10の処理部12bは、記憶部11に記憶された情報が、「患者管理符号A」と部屋番号「101号室」とが対応している情報であったときには、一致していると判断する。一方、記憶部11に記憶された情報が、「患者管理符号B」と部屋番号「101号室」とが対応している情報であったときには、一致していないと判断する。
【0034】
電気錠制御部12cは、電気錠51に信号を出力する制御を行うものである。例えば、処理部12bによって一致していると判断されたときには、電気錠51にロック状態(閉状態)から非ロック状態(開状態)へ切替える旨の信号(開錠コード)を出力する。一方、処理部12bによって一致していないと判断されたときには、電気錠51に信号を出力しない。
ここで、複数の床頭台40のセーフティボックス50を管理するコンピュータ20及びサーバ10について説明する。
図4及び
図5は、貴重品保管管理システムの動作の一例を示すフローチャートである。ただし、ここで記載する動作は一例を挙げているにすぎず、他の方法を用いる事もできるのはもちろんである。
まず、バーコードリーダ(読取器)52は、読取ボタン52aが押圧されたか否かを判断する(ステップS101)。読取ボタン52aが押圧されていないと判断したときには、ステップS101の処理を繰り返す。一方、読取ボタン52aが押圧されたと判断したときには、バーコードリーダ(読取器)52は、リストバンド30に付されたバーコード32を20秒以内に読取ったか否かを判断する(ステップS102)。バーコード32を20秒以内に読取っていないと判断したときには、ステップS101の処理に戻る。なお、読み取ったかどうかの判断を行う時間は、20秒である必要は無く、読取器に接触したまま読取ボタン52aを押す場合は、1秒以内でも可能であり、様々な処理や動作等を行うことから、5秒程度に設定しても良い。
一方、バーコード32を20秒以内に読取ったと判断したときには、バーコードリーダ(読取器)52は、読取ったバーコード32の情報(患者管理符号)を、バーコードリーダ制御部21aに出力する(ステップS103)。例えば、患者管理符号Aの患者が、101号室に配置された床頭台40のバーコードリーダ(読取器)52に、リストバンド30のバーコード32を読取らせたときには、「101号室」に配置された床頭台40のバーコードリーダ(読取器)52から情報(「患者管理符号A」)がバーコードリーダ制御部21aに出力される。
次に、バーコードリーダ制御部21aは、バーコードリーダ(読取器)52から情報を受信する(ステップS104)。例えばバーコードリーダ制御部21aは、「101号室」に配置された床頭台40のバーコードリーダ(読取器)52から情報(「患者管理符号A」)を受信し、すなわち「患者管理符号A」と、「患者管理符号A」を出力したバーコードリーダ(読取器)52の部屋番号「101号室」とを対応付けて受信する。
次に、サーバ10は、バーコードリーダ制御部21aから情報を受信する(ステップS105)。
次に、処理部12bは、バーコードリーダ(読取器)52から受信した情報と、サーバ10の記憶部11に記憶された情報とが一致しているか否かを判断する(ステップS106)。不一致であると判断したときには、バーコードリーダ(読取器)52にエラー信号を出力する(ステップS107)。
一方、一致であると判断したときには、電気錠51に信号(開錠コード)を出力する(ステップS108)。
次に、電気錠51は、ロック状態(閉状態)から非ロック状態(開状態)へ切替える(ステップS109)。
次に、セーフティボックス50は、20秒以内に開けられたか否かを判断する(ステップS110)。20秒以内に開けられたときには、その後、1分以内に閉じられたか否かを判断する(ステップS111)。
1分以内に閉じられなかったときには、電気錠51は、警告音を鳴らす(ステップS112)。
一方、ステップS110の処理において、20秒以内に開けられなかったときや、ステップS111の処理において、1分以内に閉じられたときには、電気錠51は、ロック状態(閉状態)にした後(ステップS113)、ステップS101の処理に戻る。
【0035】
以上のような貴重品保管管理システム100によれば、リストバンド30に付された患者管理符号を鍵として利用することから、管理するシリンダー錠やプラスチックカード錠や暗証番号がなくなり、患者に与える負担を軽くすることができる。
【0036】
<他の実施形態>
(1)上述した実施形態では、装着具としてリストバンド30を例に示したが、リストバンドに限らず、携帯可能な記憶手段であればよい。例えば、首から紐で吊り下げるカード、指輪、腕輪、足首輪、ブローチ、ストラップ付のRFIDタグ等でも構わない。すなわち、患者管理符号が記憶された記憶手段で、且つ、常に容易に携帯可能な構成を有するものが好ましい。
【0037】
(2)上述した実施形態では、1つの病室に1台の床頭台40が配置される場合について述べたが、これに限定されるものではなく、1つの病室に4台の床頭台40が配置されるように構成してもよい。この場合には、例えば「101号室-1」、「101号室-2」、・・・と付すことにより、識別されるようにすればよい。
【0038】
(3)上述した実施形態では、一致していないと判定したときには、電気錠51にエラー信号を出力するような構成としたが、警報等を鳴らす信号を出力するように構成してもよい。もしくは、他の患者のバーコードを読み取らせた場合、反応しないような構成にしてもよい。また、警告音を鳴らすとともに、読取器にある読取ボタンやLEDランプ(図示無し)などを点灯、点滅して知らせるようにしても良い。警告音の大きさやLEDランプの明るさ等は、状況等によって変更しても良い。
(4)上述した実施形態では、バーコードリーダ(読取器)52からサーバ10に直接情報が送信されないような構成としたが、変更例として、バーコードリーダ(読取器)52からサーバ10に直接情報が送信されるように構成してもよい。
図6は、本発明に係る貴重品保管管理システムの変更例を示すブロック図である。
(5)上述した実施形態では、サーバ10が処理部12bと電気錠制御部12cとを有するような構成としたが、更なる変更例として、コンピュータ20が処理部12bと電気錠制御部12cとを有するように構成してもよい。
図7は、本発明に係る貴重品保管管理システムの更なる変更例を示すブロック図である。すなわち、コンピュータ20が電気錠51に信号を出力してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、床頭台の電気錠付セーフティボックスをサーバの情報をもとに開閉することで、貴重品を容易に保管管理することができる貴重品保管管理システム及びそれに用いられる床頭台、貴重品保管管理システムの管理方法、並びにセーフティボックスを提供することができる。
【符号の説明】
【0040】
10 サーバ
30 リストバンド(装着具)
50 セーフティボックス(収納部)
52 バーコードリーダ(読取器)
100 貴重品保管管理システム