(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-13
(45)【発行日】2022-06-21
(54)【発明の名称】電子部品の製造方法および電子部品の製造装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/50 20060101AFI20220614BHJP
【FI】
H01L21/50 C
(21)【出願番号】P 2021094100
(22)【出願日】2021-06-04
【審査請求日】2022-02-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】595146127
【氏名又は名称】セキ技研株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100185270
【氏名又は名称】原田 貴史
(72)【発明者】
【氏名】服部 由光
(72)【発明者】
【氏名】金澤 一輝
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 司
【審査官】堀江 義隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-148440(JP,A)
【文献】特開2008-172021(JP,A)
【文献】特開2017-199865(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/50
H01L 21/60
H05K 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に複数列のインサート成形部品が実装されるフープ材を用いた電子部品の製造方法であって、
所定の駆動手段を用いて、前記フープ材を搬送する搬送工程と、
前記搬送工程の途中で、前記フープ材を所定の長さに切断する切断工程と、
前記駆動手段に含まれる回転部であってその外周に形成された突起によって前記フープ材を位置決めする回転部と加工部とを含んで構成される加工手段を用いて、前記切断工程によって切断された前記フープ材について、該フープ材に収容されている所定の電子部品を加工する加工工程と、
を有する、電子部品の製造方法。
【請求項2】
前記加工手段は、前記フープ材の長手方向に対をなして配置される一対の回転部を含んで構成され、
前記切断工程において、
前記フープ材は、前記一対の回転部間の距離以上の長さに切断される、
請求項1に記載の電子部品の製造方法。
【請求項3】
前記フープ材の長手方向に複数の前記加工手段が並んで配置され、
前記切断工程において、
前記フープ材は、前記複数の加工手段が有する夫々の前記一対の回転部のうち、回転部間の距離が最も長い一対の回転部について、該一対の回転部間の距離以上の長さに切断される、
請求項2に記載の電子部品の製造方法。
【請求項4】
長手方向に複数列のインサート成形部品が実装されるフープ材を用いた電子部品の製造装置であって、
前記フープ材を搬送する駆動手段と、
前記駆動手段によって前記フープ材が搬送される途中で、該フープ材を所定の長さに切断する切断手段と、
前記切断手段によって切断された前記フープ材について、該フープ材に収容されている所定の電子部品を加工する加工手段と、
を備える、電子部品の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長手方向に複数列のインサート成形部品が実装されるフープ材を用いた電子部品の製造方法およびその製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体素子やICチップのような電子部品は、その集積度の向上や製造能力の向上によって、小型化が進んでいる。また、従来から、このように小型化が進む電子部品は、インサート成形を用いて連続して大量に製造されることがある。
【0003】
そして、このような小型の電子部品は、柔軟性のあるフープ材に、大量に実装されて取り扱われることが多い。この場合、リールに撒きつけられたフープ材が引き出されることで、該フープ材に実装された電子部品が搬送されることになる。そうすると、フープ材によって所定の位置まで搬送された電子部品を該フープ材から剥離することで、該電子部品を取り出すことができる。ここで、フープ材は柔軟性を有するため、撓みや絡みが問題となることがある。
【0004】
例えば、電子部品が取り出された後のフープ材を回収するとき、回収装置への空フープ材の送り込み量が長くなると、回収装置内で空フープ材の撓みが生じたり、空フープ材同士が絡み合ったりすることがある。そこで、特許文献1には、部品取り出し後の空テープを切断して回収手段に回収する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
小型電子部品のうち、例えば、5G通信用の電子コネクタは、その周囲が金属部品によって覆われている。このような小型電子部品を搬送するとき、仮に、スプロケットのような回転体に直接接触させて搬送しようとすると、該電子部品を傷付けてしまう虞がある。一方、このような小型電子部品を回転テーブルによって搬送するときには、該電子部品を傷付けてしまう事態は抑制されるものの、設備が大型化・高コスト化する傾向にあり、また、その調整に手間を要する傾向にある。そこで、このような小型電子部品を、柔軟性のあるフープ材にインサート成形により実装することが考えられる。これによれば、フープ材をスプロケットのような回転体に直接接触させて搬送することで、該フープ材に実装された電子部品を搬送することができるため、該電子部品を傷付けてしまう事態を抑制しつつ比較的簡単に搬送することができる。
【0007】
ここで、リール等に撒きつけられたフープ材を引き出して部品を搬送する方法では、フープ材の撓みや絡みが問題となることがある。特許文献1に記載の技術によれば、部品取り出し後の空テープが切断されることで、テープの撓みや絡みが抑制される。しかしながら、この技術は、部品が取り出された後の空テープを回収するときに、該テープに撓みや絡みが生じることを抑制するためのものである。
【0008】
これに対して、柔軟性のあるフープ材にインサート成形により実装された電子部品を加工する電子部品の製造方法では、所定の加工手段を用いて電子部品に加工を行うために該電子部品が実装されたフープ材を搬送する工程において、該フープ材に部分的に撓みや過度の張りが生じてしまうことがある。ここで、フープ材に実装された小型の電子部品に対しては、精密な加工が要求されることが多い。したがって、仮に、このような加工の前にフープ材に撓みや過度の張りが生じてしまっていると、加工不良が生じてしまう虞がある。そこで、従来まで、上記の電子部品の製造方法においては、フープ材の搬送の中間行程で該フープ材に長手方向の余裕代をもたせる機構が設けられ、この余裕代を用いてフープ材(フープ材に実装された電子部品)が上記の加工手段に位置決めされていた。これによれば、仮に、フープ材が過度に張ってしまう状況が生じたとしても、上記の余裕代を用いて位置決めを行うことができる。しかしながら、このような位置決め方法では、加工の都度、フープ材の搬送を一旦停止して作業者がフープ材(フープ材に実装された電子部品)を加工手段に位置決めする必要があり、作業者の工数が増大するだけでなく、電子部品の製造の高速化が妨げられていた。また、フープ材に長手方向の余裕代をもたせることで、製造設備が大型化する傾向にあった。
【0009】
本開示の目的は、小型電子部品の製造について、品質を維持しながら生産性を高めることができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の電子部品の製造方法は、長手方向に複数列のインサート成形部品が実装されるフープ材を用いた電子部品の製造方法である。そして、この電子部品の製造方法は、所定の駆動手段を用いて、前記フープ材を搬送する搬送工程と、前記搬送工程の途中で、前記フープ材を所定の長さに切断する切断工程と、前記駆動手段に含まれる回転部であってその外周に形成された突起によって前記フープ材を位置決めする回転部と加工部とを含んで構成される加工手段を用いて、前記切断工程によって切断された前記フープ材について、該フープ材に収容されている所定の電子部品を加工する加工工程と、を有する。
【0011】
上記の製造方法によると、搬送工程の途中でフープ材が所定の長さに切断される。そのため、柔軟性とその長さにより撓みや張りが生じ易いフープ材であっても、切断されたフープ材では、これらが抑制される。そうすると、従来までの電子部品の製造方法のように、フープ材に長手方向の余裕代をもたせ、該余裕代を位置決めに用いる必要がなくなる。これによれば、製造設備の大型化を抑制することができる。そして、このように切断されたフープ材は、上記の回転部によって比較的簡単に位置決めされ得る。詳しくは、フープ材には長手方向に所定のピッチで複数の孔が形成されていて、該複数の孔が上記の回転部の突起と係合することで、該フープ材が加工手段に位置決めされることになるが、上述したようにして切断されたフープ材では撓みや張りが抑制されるため、該切断されたフープ材が上記の駆動手段によって搬送される過程で位置決めされ得る。そうすると、作業者は、フープ材(フープ材に実装された電子部品)を加工手段に位置決めするために該フープ材の搬送を一旦停止する必要がなくなる。これによれば、フープ材を用いて電子部品を製造することで電子部品の製造品質を維持しながら、フープ材を切断して搬送と加工を行うことで電子部品の製造の高速化を図ることができる。なお、このような電子部品の製造方法では、前記加工手段が、前記フープ材の長手方向に対をなして配置される一対の回転部を含んで構成され、前記切断工程において、前記フープ材は、前記一対の回転部間の距離以上の長さに切断されてもよい。これによれば、切断されたフープ材の長手方向の前後が一対の回転部と接触することになるため、該回転部の回転によって該切断されたフープ材を確実に搬送できるたけでなく、該回転部の突起によって該切断されたフープ材を確実に位置決めすることができる。そうすると、電子部品の製造品質を好適に維持しながら、電子部品の製造の高速化を好適に図ることができる。
【0012】
また、本開示は、電子部品の製造装置の側面から捉えることもできる。すなわち、本開示の電子部品の製造装置は、長手方向に複数列のインサート成形部品が実装されるフープ材を用いた電子部品の製造装置であって、前記フープ材を搬送する駆動手段と、前記駆動手段によって前記フープ材が搬送される途中で、該フープ材を所定の長さに切断する切断手段と、前記切断手段によって切断された前記フープ材について、該フープ材に収容されている所定の電子部品を加工する加工手段と、を備える。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、小型電子部品の製造について、品質を維持しながら生産性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】第1実施形態における電子部品の製造装置の概略構成を示す図である。
【
図2】第1実施形態における、長手方向に複数列の電子部品が実装されたフープ材を例示する図である。
【
図3】第1実施形態における電子部品の製造方法の流れを例示する図である。
【
図4】切断されたフープ材が位置決めされて加工される態様を説明するための図である。
【
図5】第2実施形態における電子部品の製造装置の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面に基づいて、本開示の実施の形態を説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本開示は実施形態の構成に限定されない。
【0016】
<第1実施形態>
本開示の電子部品の製造方法は、長手方向に複数列のインサート成形部品が実装されるフープ材を用いた電子部品の製造方法である。そして、この製造方法は、フープ材を搬送する搬送工程と、フープ材を所定の長さに切断する切断工程と、切断されたフープ材について、該フープ材に収容されている電子部品を加工する加工工程と、を有する。
【0017】
ここで、
図1は、上記の製造方法で用いられる電子部品の製造装置の概略構成を示す図である。本実施形態に係る電子部品の製造装置1は、長手方向に複数列のインサート成形部品が実装されるフープ材を用いた電子部品の製造装置であって、フープ材を搬送する駆動手段10と、フープ材を所定の長さに切断する切断手段20と、切断されたフープ材について、該フープ材に収容されている電子部品を加工する加工手段30と、を備える。
【0018】
駆動手段10は、フープ部11を含んで構成される。フープ部11は、リール12にフープ材100をロール状に巻いたものであり、回動可能に支持されたリール12からフープ材100を順次繰り出すことができる。ここで、フープ材100は、例えば、厚さ50~100μmの銅合金等により形成された帯状のフレームからなるが、その詳細は後述する。また、駆動手段10には、後述するスプロケット32(本開示の回転部)が含まれる。
【0019】
切断手段20は、フープ部11から繰り出されたフープ材100を切断する切断部21を有する。この切断手段20によって、フープ材100が所定の長さに切断される。なお、このようにして切断されるフープ材100の長さについては、後述する。
【0020】
加工手段30は、フープ材100に収容されている電子部品2をプレス加工する加工部31と、フープ材100を搬送するとともに加工部31によるプレス加工時にフープ材100を位置決めするスプロケット32(本開示の回転部)と、を含んで構成される。ここで、本実施形態では、
図1に示すように、スプロケット32がフープ材100の長手方向に対をなして配置される。なお、上記の電子部品2とは、5G通信用の電子コネクタや、ICチップ、メモリ素子などの各種電子部品であって、例えば、ワイヤボンディングやチップボンディング等により予め製造されたICチップが、フープ材100に実装されている。
【0021】
ここで、
図2は、本実施形態における、長手方向に複数列の電子部品2が実装されたフープ材100を例示する図である。
図2に示すように、フープ材100には、長手方向に延在するフレーム110に対して、ダムバー120を介して電子部品2が実装される。これによれば、フープ材100が搬送されることで電子部品2が搬送されることになるため、電子部品2を比較的簡単に搬送することができる。そうすると、電子部品2の加工ラインにおいて、その生産性が高められるとともに、加工後にダムバー120を切断することで加工済の電子部品2を比較的簡単に取り出すことができる。そして、フープ材100のフレーム110には、長手方向に沿った一定間隔おきに送り孔111が形成される。なお、後述するように、この送り孔111がスプロケット32と係合することで、スプロケット32によるフープ材100の搬送と位置決めとが可能になる。
【0022】
次に、このような製造装置1を用いた電子部品の製造方法について、
図3に基づいて詳しく説明する。
図3は、本実施形態における電子部品の製造方法の流れを例示する図である。
図3では、本実施形態における製造装置1を用いて実行される製造工程を説明する。
【0023】
本実施形態では、先ず、フープ部11のリール12からフープ材100が繰り出されることで、該フープ材が搬送される(S101の搬送工程)。なお、フープ材100は、リール12から順次繰り出されることで、継続して搬送されることになる。つまり、後述するS102~S104の工程は、この搬送工程の途中で行われる処理と捉えることができる。
【0024】
そして、このようにして搬送されるフープ材100は、その搬送工程の途中で、所定の長さに切断される(S102の切断工程)。ここで、仮に、フープ材100が切断されずに加工手段30に搬送される従来技術によれば、該フープ材100に部分的に撓みや過度の張りが生じてしまうことがある。
【0025】
これに対して、本開示によれば、S102の切断工程において、フープ材100の搬送工程の途中で加工手段30に搬送される前に該フープ材100が切断されることで、加工手段30に搬送されるフープ材100に撓みや過度の張りが生じてしまう事態が可及的に抑制される。
【0026】
なお、本実施形態では、S102の切断工程において、フープ材100が一対のスプロケット32間の距離(これは、後述する
図4における距離x1によって表される。)以上の長さに切断される。ここで、製造装置1には、例えば、所定の定位置を通過するフープ材100の送り孔111の数を計測するセンサと、切断手段20の作動を制御する処理装置と、が設けられる。そうすると、上記の処理装置は、センサによって計測された送り孔111の数と、予め定められた送り孔111間の距離と、に基づいて、フープ材100の長さが予め定められた一対のスプロケット32間の距離以上になるように、切断手段20の作動を制御してフープ材100を切断することができる。
【0027】
次に、S102の切断工程によって切断されたフープ材100が、スプロケット32によって位置決めされる(S103の位置決め工程)。そして、このように位置決めされたフープ材100について、該フープ材100に収容されている電子部品2が加工される(S104の加工工程)。これについて、
図4に基づいて以下に説明する。
【0028】
図4は、切断されたフープ材100が位置決めされて加工される態様を説明するための図である。本実施形態では、加工手段30は、フープ材100の長手方向に対をなして配置される一対のスプロケット32を含んで構成される。そして、上述したように、切断工程において、フープ材100は、スプロケット32間の距離x1以上の長さL1に切断されている。
【0029】
このような加工手段30においては、長さL1に切断されたフープ材100の長手方向の前後が、一対のスプロケット32によって位置決めされる。詳しくは、上記のフープ材100の前後の送り孔111が、上記のスプロケット32に形成された夫々の歯321と係合することで、該フープ材100が加工手段30に位置決めされることになる。
【0030】
そして、上述したようにして切断されたフープ材100では撓みや張りが抑制されるため、該切断されたフープ材100が上記の駆動手段10によって搬送される過程で位置決めされ得る。そうすると、作業者は、フープ材100(フープ材100に実装された電子部品2)を加工手段30に位置決めするために該フープ材100の搬送を一旦停止する必要がなくなる。つまり、継続して搬送されるフープ材100に収容されている電子部品2に対して、加工部31によって連続してプレス加工することができる。これによれば、フープ材100を用い且つ該フープ材100を位置決めして電子部品2を製造することで電子部品の製造品質を維持しながら、フープ材100を切断して搬送と加工を行うことで電子部品の製造の高速化を図ることができる。
【0031】
また、スプロケット32間の距離x1以上の長さL1に切断されたフープ材100では、その長手方向の前後が一対のスプロケット32と接触することになるため、該スプロケット32の回転によって該切断されたフープ材100を確実に搬送できるたけでなく、該スプロケット32の歯321によって該切断されたフープ材100を確実に位置決めすることができる。そうすると、電子部品の製造品質を好適に維持しながら、電子部品の製造の高速化を好適に図ることができる。
【0032】
そして、上記のようにして、フープ材100に収容された状態で加工された電子部品2は、該フープ材100のダムバー120が切断されることで取り出される。また、電子部品2が取り出された空のフープ材100は、所定の回収装置によって回収される。
【0033】
以上に述べた電子部品の製造方法によれば、小型電子部品の製造について、品質を維持しながら生産性を高めることができる。
【0034】
<第2実施形態>
第2実施形態に係る電子部品の製造方法について、
図5に基づいて説明する。
図5は、第2実施形態における電子部品の製造装置の概略構成を示す図である。本実施形態に係る電子部品の製造装置1は、上述した第1実施形態と同様に、駆動手段10と、切断手段20と、加工手段30と、を備える。
【0035】
ここで、本実施形態に係る電子部品の製造装置1では、
図5に示すように、フープ材100の長手方向に複数の加工手段30が並んで配置される。そして、上流側(フープ部11側)に配置された加工手段30に含まれる一対のスプロケット32間の距離x1と、下流側に配置された加工手段30に含まれる一対のスプロケット32間の距離x2と、を比較すると、距離x2が距離x1よりも長くなっている。
【0036】
この場合、上記の
図3に示したS102の切断工程において、フープ材100が、下流側に配置された加工手段30に含まれる一対のスプロケット32間の距離x2以上の長さに切断される。つまり、フープ材100は、複数の加工手段30が有する夫々の一対のスプロケット32のうち、スプロケット32間の距離が最も長い一対のスプロケット32について、該一対のスプロケット32間の距離以上の長さに切断される。ここで、製造装置1には、例えば、所定の定位置を通過するフープ材100の送り孔111の数を計測するセンサと、切断手段20の作動を制御する処理装置と、が設けられる。そうすると、上記の処理装置は、センサによって計測された送り孔111の数と、予め定められた送り孔111間の距離と、に基づいて、フープ材100の長さが予め定められたスプロケット32間の距離が最も長い一対のスプロケット32間の距離以上になるように、切断手段20の作動を制御してフープ材100を切断することができる。
【0037】
これによれば、複数の加工手段30が配置されたとしても、フープ材100の長手方向の前後が、複数の加工手段30が有する夫々の一対のスプロケット32と確実に接触することになるため、該スプロケット32の回転によって該切断されたフープ材100を確実に搬送できるたけでなく、該スプロケット32の歯321によって該切断されたフープ材100を確実に位置決めすることができる。そうすると、電子部品の製造品質を好適に維持しながら、電子部品の製造の高速化を好適に図ることができる。
【0038】
<その他の変形例>
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施しうる。上記の実施形態では、フープ材に実装された電子部品が加工される例について説明したが、これに限定する意図はなく、本開示の製造方法は、例えば、フープ材にインサート成形された任意の部品に対する加工に適用されてもよい。
【符号の説明】
【0039】
1・・・・・電子部品の製造装置
2・・・・・電子部品
10・・・・駆動手段
20・・・・切断手段
30・・・・加工手段
32・・・・スプロケット
100・・・フープ材
111・・・送り孔
S101・・搬送工程
S102・・切断工程
S103・・位置決め工程
S104・・加工工程
【要約】
【課題】小型電子部品の製造について、品質を維持しながら生産性を高めることができる技術を提供する。
【解決手段】本開示の電子部品の製造方法は、長手方向に複数列のインサート成形部品が実装されるフープ材を用いた電子部品の製造方法である。そして、この電子部品の製造方法は、所定の駆動手段を用いてフープ材を搬送する搬送工程と、搬送工程の途中でフープ材を所定の長さに切断する切断工程と、駆動手段に含まれる回転部であってその外周に形成された突起によってフープ材を位置決めする回転部と加工部とを含んで構成される加工手段を用いて、切断工程によって切断されたフープ材について、該フープ材に収容されている所定の電子部品を加工する加工工程と、を有する。
【選択図】
図3