(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-13
(45)【発行日】2022-06-21
(54)【発明の名称】車両ホイール
(51)【国際特許分類】
B60B 3/02 20060101AFI20220614BHJP
【FI】
B60B3/02
(21)【出願番号】P 2019532711
(86)(22)【出願日】2017-12-13
(86)【国際出願番号】 EP2017082675
(87)【国際公開番号】W WO2018109032
(87)【国際公開日】2018-06-21
【審査請求日】2020-11-24
(31)【優先権主張番号】102016124121.0
(32)【優先日】2016-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】519213171
【氏名又は名称】ジーブイ エンジニアリング ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】ツィベリディス、コンスタンティン
【審査官】村山 禎恒
(56)【参考文献】
【文献】仏国特許出願公開第02886214(FR,A1)
【文献】国際公開第2016/005565(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2014/0054120(US,A1)
【文献】特開2009-126423(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0001467(US,A1)
【文献】米国特許第07661766(US,B2)
【文献】独国特許出願公開第102016003963(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60B 7/00 - 7/20
B60B 3/00 - 3/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハブ部分(38)と、タイヤを受け入れるためのリムベース(36)と、前記ハブ部分(38)と前記リムベース(36)との間に配置された複数の支持部分(40)と、前記複数の支持部分(40)の間に配置された少なくとも1つのインタースペース(42)と、前記インタースペース(42)に関連した少なくとも1つのカバー要素(44)とを有するホイールリム(12)を含む車両ホイールであって、
前記カバー要素(44)は空気圧作動によって第1の位置から第2の位置に移動され得、
前記カバー要素(44)を空気圧で作動させるための作動装置(46)が、車両ホイール(2)のタイヤキャビティ(24)から圧力媒体を受けることができることを特徴とする、車両ホイール。
【請求項2】
圧力媒体チャネル(52)がタイヤキャビティ(24)からカバー要素(44)の作動装置(46)まで延在し
、前記圧力媒体チャネル(52)が少なくとも部分的に、
又は完全に、ホイールリム(12)の材料、
又は支持部分(40)の1つの材料
内に延在する、請求項
1に記載の車両ホイール。
【請求項3】
前記車両ホイールは、加圧された圧力媒体を供給するためのコンプレッサ装置(10)を備える、請求項1
又は請求項2に記載の車両ホイール。
【請求項4】
前記コンプレッサ装置(10)は、少なくとも1つのハブ側圧縮チャンバ(116、240、242)を含む、請求項
3に記載の車両ホイール。
【請求項5】
前記コンプレッサ装置(10)は、コンプレッサ構成要素(118、238)を含み、前記圧力媒体は、前記コンプレッサ構成要素(118、238)の移動、
又は並進移動によって加圧することができる、請求項
4に記載の車両ホイール。
【請求項6】
前記車両ホイールは回転軸(30)を中心に回転可能であるようにホイールキャリア(16)に取り付けることができ、前記コンプレッサ装置(10)は、ホイールキャリア側とホイールハブ側との間の回転運動を、ホイールキャリア側歯車部(126、244)とハブ側歯車部(124、234)との協働によって、コンプレッサ構成要素(118、238)の運動、
又は振動並進運動に変換するように適合された、歯車(120)、
又はカム歯車(122)を備える、請求項
5に記載の車両ホイール。
【請求項7】
前記コンプレッサ装置(10)は、電気的に駆動される、請求項
3~
5のいずれか1項に記載の車両ホイール。
【請求項8】
前記コンプレッサ装置(10)を作動させるための電気エネルギーをホイールキャリア側エネルギー源(3)からコンプレッサ装置(10)に伝達することができるエネルギー伝達装置(6)、
又は非接触エネルギー伝達装置を備える、請求項
7に記載の車両ホイール。
【請求項9】
前記コンプレッサ装置(10)を作動させるための電気エネルギーを供給するハブ側エネルギー源(7、8)を備える、請求項
7または請求項
8に記載の車両ホイール。
【請求項10】
前記ハブ側エネルギー源(7、8)は、ホイールキャリア側とホイールハブ側との間の回転運動を電気エネルギーに変換することができるエネルギー発生器(8)を備える、請求項
9に記載の車両ホイール。
【請求項11】
前記カバー要素(44)は前記カバー要素(44)の第2の位置よりも前記カバー要素(44)の第1の位置で前記インタースペース(42)をさらに覆い、
又は、前記カバー要素(44)が前記カバー要素(44)の第1の位置で前記インタースペース(42)を主に閉鎖する、請求項1~1
0のいずれか1項に記載の車両ホイール。
【請求項12】
前記カバー要素(44)は、1つの位置、
又は第1の位置に付勢されている、請求項1~1
1のいずれか1項に記載の車両ホイール。
【請求項13】
前記カバー要素(44)は、前記支持部分(40)に対する回転運動によって前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動可能である、請求項1~1
2のいずれか1項に記載の車両ホイール。
【請求項14】
前記カバー要素(44)は、前記支持部分(40)に対する回転軸(30)の方向への、
又は単独の並進運動によって、前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動可能である、請求項1~1
3のいずれか1項に記載の車両ホイール。
【請求項15】
前記カバー要素(44)は、前記支持部分(40)に対する傾斜運動により、前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動可能である、請求項1~1
4のいずれか1項に記載の車両ホイール。
【請求項16】
前記車両ホイールは複数のインタースペース(42)を有し、前記複数のインタースペース(42)のそれぞれは、空気作動によって第1の位置から第2の位置に移動することができる関連するカバー要素(44)を有する、請求項1~1
5のいずれか1項に記載の車両ホイール。
【請求項17】
前記カバー要素(44)が、車両ホイール(2)が配置されている車両(1)のブレーキに連結され得る連結装置を有し、連結装置(51)はブレーキの作動に応じて、および/またはブレーキの領域における温度閾値を超えた場合に、前記カバー要素(44)が第1の位置から第2の位置に移動するように、前記カバー要素(44)の作動装置(46)を制御するように構成される、請求項1~1
6のいずれか1項に記載の車両ホイール。
【請求項18】
前記カバー要素(44)は、前記第1の位置と前記第2の位置との間で
、中間位置を介してステップ状に移動することができる、請求項1~1
7のいずれか1項に記載の車両ホイール。
【請求項19】
前記第2の位置の前記カバー要素(44)は前記車両ホイール(2)の回転により、前記車両ホイール(2)の動作中に、前記支持部分(40)に対して空気をブレーキシステムに案内するように配置されていることを特徴とする、請求項1~1
8のいずれか1項に記載の車両ホイール。
【請求項20】
前記車両ホイールは、前記ホイールリム(12)の内部に存在する空気から粉塵粒子を収集するように構成された集塵装置(45)を備える、請求項1~
19のいずれか1項に記載の車両ホイール。
【請求項21】
前記集塵装置(45)は、エアフィルタおよび/または磁気集塵器を備えることを特徴とする、請求項2
0に記載の車
両ホイール。
【請求項22】
前記カバー要素(44)の位置は
、車両(1)の速度および/または車両(1)のブレーキの作動状態に応じて、切換ユニット(58)によって設定することができる、請求項1~2
1のいずれか1項に記載の車両ホイールを有する車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルに係る車両ホイールに関する。すなわち、ハブ部分を有するホイールリムと、タイヤを受け入れるためのリムベースと、ハブ部分とリムベースとの間に配置された複数の支持部分と、支持部分の間に配置された少なくとも1つのインタースペースと、インタースペースに関連した少なくとも1つのカバー要素とを有する車両ホイールである。
【背景技術】
【0002】
現代のホイールリムの設計は、異なる、場合によっては矛盾する要件を受ける。一方ではホイールリムが簡単な製造を可能にするリム輪郭を有するべきであり、他方ではホイールリムが必要なときに、車両ブレーキのブレーキディスクが空気流を介して最適に冷却されることを可能にするために、可能な限り大きな空気流を可能にすることが、中心的な要件である。
【0003】
さらに、車両が静止している間にブレーキディスクの温度が上昇した場合、空気流なしに熱を確実に運び去ることができるようにしなければならない。これは、リム構造を可能な限り「開く」という結果的な要件が存在すること、すなわち、インタースペース(interspace)がリムの可能な限り大きな部分を占めることを意味する。
【0004】
しかし、空気力学的理由から、ホイールリムはしばしばリム開口部とも呼ばれるインタースペースによって引き起こされる空気の乱流をできるだけ防止するために、できるだけ閉じられるべきである。
【0005】
通常の走行運転では、車両のアンダーボディの領域に過剰な圧力がかかり、これにより、空気がホイールリムのインタースペースを通って確実に押し出される。これは、高い空気乱流をもたらす。ホイールリムが閉じたディスクの形態である場合、車両の抗力を決定する要因であるCw値を改善することができる。
【0006】
一方では熱的理由のために、他方では空気力学的理由のために、ほとんど矛盾するこれらの要件を満たすために、可動カバー要素を使用することによって、必要に応じてホイールリムの開口部を開閉することができることが知られている。
【0007】
例えば、遠心力によって開閉駆動されるカバー要素が知られている。したがって、これらのカバー要素は例えば、それらに作用する遠心力の結果として、ある限界速度を超えると開く。
【0008】
しかしながら、このようなシステムは、確実に作動せず、また、カバー要素をある速度以上で開閉することしかできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の目的は確実に作動し、空気力学およびブレーキの冷却の両方の要件を満たす車両ホイールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は本発明によれば、一方では、請求項1に記載の車両ホイールによって達成される。したがって、本発明による車両ホイールは、カバー要素が空気圧作動によって第1の位置から第2の位置に移動され得ることを特徴とする。
【0011】
カバー要素の空気圧作動のための作動装置が、車両ホイールのタイヤキャビティからの圧力媒体によって作動されることができれば有利である。タイヤキャビティは実質的に、カバー要素を作動させるために使用することができる、常に存在するエネルギーリザーバを表す。
【0012】
有利には、圧力媒体通路がタイヤキャビティからカバー要素の作動装置まで延びている。圧力媒体チャネルが少なくとも部分的に、好ましくは完全に、ホイールリムの材料内を、好ましくは少なくとも部分的に、支持部分のうちの1つの材料内を走行することが好ましい。このような接続は頑丈で、スペースを節約し、さらに、圧力媒体チャネルは、したがって、低メンテナンス設計とすることができる。
【0013】
車両ホイールが、加圧された圧力媒体を提供するためのコンプレッサ装置を備える場合、さらに有利である。これにより、必要に応じて、圧力媒体、特に圧縮空気をタイヤキャビティに供給することができる。有利には、コンプレッサ装置が連続的に作動するのではなく、必要に応じてスイッチを入れるか、必要に応じて自動的にスイッチを入れることができる。
【0014】
本発明の意味の範囲内で、本発明による車両ホイールが取り付けられる車両は圧力媒体、特に圧縮空気を圧縮空気発生器から個々の車両ホイールに案内することができるように、車両の個々の車両ホイールに接続される中央圧縮空気発生器を備えることも考えられる。この目的のために、例えば、圧力媒体のための回転フィードスルーを使用することができる。このような回転フィードスルーは、従来技術から知られている。中央圧縮空気発生器によって供給される圧縮空気は、空気圧で作動可能なカバー要素を作動させるために直接使用することができるか、又は必要に応じてタイヤキャビティに圧縮空気を供給することができる。
【0015】
コンプレッサ装置が、少なくとも1つのハブ側圧縮チャンバを備えることが有利である。車両の車輪が回転すると、圧縮チャンバは車輪と共に回転する。したがって、タイヤキャビティに圧力媒体を供給するための回転フィードスルーを設ける必要がない。これにより、圧縮チャンバは、圧力媒体が加圧され得る任意の空間を意味する。
【0016】
本発明の文脈では、ハブ側およびハブ側の構成要素がホイールハブに対して回転方向に固定された態様で配置される構成要素を意味するものと理解されるべきである。したがって、そのような構成要素はホイールキャリアに対するホイールハブの回転時に、ホイールハブと共に回転するように、ホイールハブに直接または間接的に接続される。ホイールキャリアは、車両に固定されている。したがって、ホイールキャリア側およびホイールキャリア側の構成要素は、ホイールキャリアに対して回転可能に固定される。ホイールまたはホイールハブが回転すると、ホイールキャリア側部品、例えば車両の乗員室と、ホイールまたはタイヤと、ホイールハブと、さらなるハブ側部品との間で相対回転運動が起こる。
【0017】
したがって、ホイールキャリア側歯車部は、車両に取り付けられた状態で、ホイールキャリア側部品に完全に回転不能に接続される。このように、車両の走行時には、ホイールキャリア側ギヤ部の一部が回転しない。ハブ側の構成要素のみが、回転軸の周りを回転する。
【0018】
コンプレッサ装置がコンプレッサ構成要素を含み、圧力媒体がコンプレッサ構成要素の運動、好ましくは並進運動によって加圧されることができると有利である。したがって、コンプレッサ装置は、特に効率的に動作することができる。
【0019】
特に有利なのは、圧縮チャンバがピストンチャンバの形態であり、ピストンがピストンチャンバ内に振動並進運動で移動可能に配置され、圧力媒体が振動並進運動によって加圧される圧縮装置の形態である。有利には、ピストンチャンバおよびピストンの両方が車両ホイールが回転するときに、車両ホイールと共回転するように、すなわち、それらがハブ側に配置されるように形成され、配置される。
【0020】
車両ホイールが回転軸の周りに回転可能であるようにホイールキャリアに取り付けることができ、コンプレッサ装置が、ホイールキャリア側のギア部分とハブ側のギア部分との協働によって、ホイールキャリア側とホイールハブ側との間の回転運動を、コンプレッサ構成要素の好ましくは振動並進運動に変換するように適合されたギア、好ましくはカムギアを備える場合に有利である。したがって、コンプレッサ装置は、ホイールキャリア側とホイールハブ側との間の回転相対運動を利用することによって、特に効率的に作動させることができる。
【0021】
これにより、特に、ホイールキャリア側歯車部とハブ側歯車部との協働が切り換え可能である場合に有利である。コンプレッサ装置は、2つの歯車部分を切り換えることによって、事実上、オン/オフに切り換えることができる。2つの歯車部分が協働すると、コンプレッサ装置は作動を開始する。協働が中断されると、コンプレッサ装置は作動を停止する。好ましくは、この切り換え能力がコンプレッサ装置の連結装置を介して達成される。
【0022】
コンプレッサ装置がコンプレッサ構成要素が半径方向に振動並進運動を実行するように構成され、配置されるように構成され、振動並進運動がコンプレッサ装置が動作しているときに行われる場合、有利である。これにより、特に大量の圧力媒体を短時間で加圧することができる。したがって、圧縮チャンバがコンプレッサ構成要素から半径方向外側に配置されることが特に好ましい。
【0023】
あるいは、コンプレッサ装置がコンプレッサ装置が作動しているときに、コンプレッサ構成要素が軸方向に振動並進運動を行うように、すなわち、コンプレッサ構成要素が車両ホイールの回転軸の方向に移動するように構成され、配置されるように構成することができる。したがって、コンプレッサ装置は、特にコンパクトで、スペースを節約する形態とすることができる。コンプレッサ構成要素が環状ピストンの形態であり、圧縮チャンバが環状ピストンチャンバの形態である場合、特に好ましい。ダブルピストンポンプのようなコンプレッサ装置の形態も有利である。したがって、この実施形態では、コンプレッサ構成要素が前進運動および後退運動の両方で、振動並進運動で圧力媒体を圧縮する。この目的のために、コンプレッサ構成要素に対して互いに対向して配置された少なくとも2つの圧縮チャンバが、コンプレッサ構成内に設けられる。
【0024】
また、コンプレッサ装置が電気的に駆動されると有利である。したがって、コンプレッサ装置は、車両ホイール内に柔軟に配置することができる。しかしながら、好ましくは、コンプレッサ装置がそれが電気的に駆動される場合、ホイールハブレシーバの領域に、好ましくはホイールハブレシーバに配置される。
【0025】
また、車両ホイールが、エネルギー伝達装置、好ましくは非接触エネルギー伝達装置を備え、これを介して、コンプレッサ装置を作動させるための電気エネルギーをホイールキャリア側エネルギー源からコンプレッサ装置に伝達することができると有利である。したがって、例えば、車両の中央メインバッテリは、コンプレッサ装置を作動させるために使用することができる。
【0026】
また、車両ホイールが、コンプレッサ装置を作動させるための電気エネルギを供給するハブ側エネルギ源を備えていると有利である。すなわち、車両ホイールと共に回転するエネルギー源が設けられる場合である。
【0027】
ハブ側エネルギー源が、ホイールキャリア側とホイールハブ側との間の回転運動を電気エネルギーに変換することができる発電機を備える場合に有利である。したがって、必要であれば、常に電気エネルギーを供給することができる。
【0028】
カバー要素が、カバー要素の第1の位置において、カバー要素の第2の位置よりもさらにインタースペースを覆うと有利である。カバー要素が、第1の位置においてインタースペースを完全に覆うか、または閉鎖する場合、特に好ましい。
【0029】
カバー要素が1つの位置、好ましくは第1の位置に付勢されると有利である。好ましくは、カバー要素がこのようにして、第2の位置よりもインタースペースを覆う位置に付勢される。好ましくは、カバー要素がインタースペースを完全に覆う位置に付勢される。必要に応じて、カバー要素を空気圧で作動させることができ、それによって、インタースペースが解放または開放され、それによって、必要に応じてブレーキを冷却することができる。
【0030】
あるいは、カバー要素を第2の位置に付勢することもでき、この場合、インタースペースは完全には覆われない。カバー要素がそのように付勢されている場合、カバー要素は空気圧で作動され、圧力を受けたときにのみ、インタースペースをさらにまたは有利には完全に覆う第1の位置に移動される。
【0031】
カバー要素が、支持部分に対する回転運動によって、第1の位置と第2の位置との間で移動可能であると有利である。特に、複数のカバー要素およびインタースペースが車両ホイール上に存在する場合、この実施形態では、複数のカバー要素を備えるカバー装置を設けることができ、それによって、カバー要素を一緒に移動させることができる。
【0032】
車両ホイールが複数のカバー要素を含み、これらのカバー要素が一緒に回転軸の周りに回転可能であるように一緒に接続されていると有利である。
【0033】
一般に、本発明による車両ホイールがそれぞれが関連するカバー要素を有する複数のインタースペースを有する場合、有利であり、カバー要素が、それらが同時に空気圧で作動可能であるように互いに連結される場合、特に好ましい。しかしながら、別法として、個々のカバー要素は個々に、かつ互いに独立して、空気圧で作動可能であってもよい。
【0034】
カバー要素が並進運動によって、好ましくは回転軸の方向に、支持部分に対して、第1の位置と第2の位置との間で移動可能である場合、有利である。したがって、カバー要素の移動は、特に単純な方法で空気圧で行うことができる。
【0035】
カバー要素が、支持部分に対する傾斜運動によって、第1の位置と第2の位置との間で移動可能であると有利である。したがって、とりわけ、カバー要素の位置決めを実施することが可能であり、カバー要素内で、カバー要素は、第2の位置でブレーキに空気を案内する。
【0036】
車両ホイールが複数のインタースペースを有し、各インタースペースが、空気圧作動によって第1の位置から第2の位置に移動することができる関連するカバー要素を有する場合、有利である。
【0037】
車両ホイールが、車両ホイールが配置される車両のブレーキにカバー要素を連結することができる連結装置を有する場合、連結装置はカバー要素がブレーキの動作に依存して第1の位置から第2の位置に移されるように、かつ/またはブレーキの領域内の温度閾値を超える場合に、カバー要素の作動装置を制御するように構成されることが有利である。したがって、カバー要素は、事実上オンデマンドで作動または開閉することができる。
【0038】
カバー要素が第1の位置と第2の位置との間で、好ましくは階段状に、中間位置を介して移動され得ることが有利である。
【0039】
第2の位置にあるカバー要素が、車両ホイールの回転による車両ホイールの作動中に空気をブレーキシステムに案内するように支持要素に対して配置されていると有利である。
【0040】
車両ホイールが、ホイールリムの内部に存在する空気から塵埃粒子を収集するように構成された塵埃収集装置を備える場合、有利である。カバー要素が閉じられると、形成されたブレーキダストはホイールリムの背後の領域で循環し、ダスト収集装置を介して収集することができる。これにより、微粒子の放出を大幅に低減することができる。
【0041】
集塵装置が空気フィルタおよび/または磁気集塵器を含む場合、有利である。このようにして、形成された微細なダストまたはブレーキダストを、特に効率的に濾過することができる。
【0042】
また、本発明は上述の実施形態の1つ以上による車両ホイールを有する車両を提供し、カバー要素の位置は、好ましくは車両の速度に応じて、制御装置によって設定することができる。
【0043】
しかし、本発明はまた、ハブ部分と、タイヤを受け入れるためのリムベースと、ハブ部分とリムベースとの間に配置された複数の支持部分と、支持部分の間に配置された少なくとも1つのインタースペースと、インタースペースに関連付けられた少なくとも1つのカバー要素とを有する、今説明した実施形態のうちの1つまたは複数による車両ホイールを提供し、カバー要素は空気圧作動による代わりに、電気的または磁気的作動によって第1の位置から第2の位置に移動することができる。
【0044】
コンプレッサ装置の有利な形態及び詳細は、以下に詳細に説明される。
【0045】
有利には、コンプレッサ装置がハブ側歯車部をホイールキャリア側歯車部と協働させることができる連結装置を備えるような形態である。したがって、コンプレッサ装置の動作は、状況に応じて開始または停止することができる。したがって、充填されるべきタイヤキャビティ内の圧力が所望の圧力以下に低下した場合にのみ、コンプレッサ装置を作動させることが可能である。次に、コンプレッサ装置は所望の圧力に達するまで作動させることができ、その後、スイッチを切るか、または切り離すことができる。
【0046】
コンプレッサ装置の連結装置が空気圧、磁気、電気または電気機械的に作動可能である場合、特に好ましくは空気圧または電気または電気機械的に、遮断位置から解放位置に移動することができるハブ側連結要素を含み、連結要素が解放位置にあるとき、ハブ側歯車部分がホイールキャリア側歯車部分と協働し、連結要素が遮断位置にあるとき、ハブ側歯車部分がホイールキャリア側歯車部分と協働することが防止されることが特に好ましい。したがって、ハブ側とホイールキャリア側の歯車部品との間の協働を、連結要素を介して効率的に切り換えることができる。
【0047】
コンプレッサ装置のハブ側連結要素が、特にばねを介してブロック位置に付勢されていると特に有利である。したがって、基本状態では、ハブ側歯車部品とホイールキャリア側歯車部品との協働が抑制される。このため、通常運転時に不要なエネルギーを消費することがない。必要な場合にのみ、ハブ側歯車部分は、連結装置又は連結要素を介してホイールキャリア側歯車部分と協働させることができる。
【0048】
コンプレッサ装置のハブ側歯車部分が、ホイールキャリア側歯車部分と協働する位置に付勢されていると有利である。したがって、コンプレッサ装置の連結装置への制御パルスは十分であり、ハブ側歯車部は、ホイールキャリア側歯車部と協働する。
【0049】
コンプレッサ装置のハブ側連結要素がそれがブロック位置に移動するときに、ハブ側歯車部分を、ホイールキャリア側歯車部分の位置とは無関係に、ホイールキャリア側歯車部分と接触しない位置に押すような形態である場合に有利である。これにより、ハブ側歯車部の不必要な摩耗が防止される。さらに、このようなコンプレッサ装置はハブ側歯車部分とホイールキャリア側歯車部分との間に接触が生じないので、フリーホイール作動状態、すなわち、係合解除状態において騒音がない。
【0050】
さらに、ハブ側連結要素のブロック部分がハブ側連結要素の解放部分に徐々に合流し、解放部分がコンプレッサ構成要素の並進運動の方向に見たときに、ブロック部分に対してオフセットして配置される場合、本発明の意味の範囲内である。このようにして、解放位置からブロック位置への連結要素の円滑な移動が可能になる。特に、この実施形態と連結要素のばね付勢との組み合わせは、特定の利点を提供する。圧力媒体を介した圧力の印加によって、連結要素が解放位置にもたらされないか、または解放位置に保持されない場合、連結要素は、自動的かつ円滑に遮断位置に摺動する。このような位置間の漸進的な移動は、コンプレッサ装置の低騒音動作又はスイッチングをもたらす。その結果、コンプレッサ装置の摩耗も最小限に抑えることができる。
【0051】
また、コンプレッサ装置の連結装置がタイヤキャビティからの圧力媒体によって圧力ラインを介して作動可能である場合、特に、コンプレッサ装置の連結要素は、タイヤキャビティからの圧力媒体によって、遮断位置から解放位置に移動することができることが有利である。タイヤキャビティからの圧力媒体による連結装置の作動は、作動のための外部エネルギー供給が不要であるので、コンプレッサ装置の連結装置を作動させるための有利な可能性である。
【0052】
コンプレッサ装置の連結装置とタイヤキャビティとの間に連結弁が流体的に設けられ、この連結弁において、タイヤキャビティからの圧力媒体が存在し、タイヤ圧力閾値が満たされない場合に開放し、これにより、連結装置がタイヤキャビティからの圧力媒体によって作動され、ハブ側歯車部がホイールキャリア側歯車部と協働することが特に有利である。したがって、外部電源なしで、タイヤキャビティ内の圧力がタイヤ圧力閾値を下回るとすぐに、タイヤにさらなる圧力媒体が自動的に供給されるので、タイヤキャビティに圧力媒体および十分な圧力が供給されることを確実にすることが可能である。したがって、別個の制御機構が不要である。コンプレッサ装置は、安価な構造で、効率的で、メンテナンスが少なく、信頼性のある方法で作動することができる。
【0053】
また、連結弁が好ましくはタイヤ圧力閾値を超えるタイヤ圧力所望値を超えたときに閉じるように構成され、それによって連結装置への圧力媒体の適用が中断され、好ましくは連結弁またはリリーフ弁がタイヤ圧力所望値を超えたときに空気が連結装置から除去されるように構成されると有利である。このようにして、コンプレッサ装置の動作はタイヤ圧力の所望の値に達したときに、事実上自動的に、かつ直ちに停止される。この実施形態と、ハブ側歯車部がホイールキャリア側歯車部と協働する位置に付勢される実施形態との組み合わせは、コンプレッサ装置が到達されるタイヤキャビティ内の特定の圧力値に特に迅速に反応するので、特定の利点を提供する。したがって、最後に説明した実施形態では、連結要素が解放位置に移動するとき、または一般にハブ側歯車部分が解放されるとき、その歯車部分がホイールキャリア側歯車部分と協働する位置に移動することが常に保証される。したがって、本発明によるコンプレッサ装置を使用することによって、ある程度の緊急運転特性も得られる。
【0054】
好ましくはデータ交換がカバー要素のコントローラと、車両のブレーキと、タイヤキャビティの圧力制御との間で行われ、タイヤキャビティの圧力制御は好ましくは本出願に記載されたコンプレッサ構成を介して達成される。
【0055】
有利には、カバー要素が車両が静止しているときに自動的に閉じる。
【0056】
有利な実施形態では、カバー要素が例えば、カバー要素が回転することにつれてカバー要素の表面をかき取る清掃装置によって自己清掃される。
【0057】
一般に、カバー要素の作動は自動化された方法で、すなわち、要求に応じて、または車両の運転者によって与えられる制御信号を介して行うことができる。
【0058】
カバー要素を閉じた状態で駆動することの利点は、本発明による車両ホイールを有する車両のブレーキシステムが汚染されにくく、また液体、例えば雨水にさらされにくいことである。特に、本発明による車両ホイールを装備した車両のブレーキディスクのスコアリングが低減される。
【0059】
本発明による車両ホイールの作動装置は、2つのタイプのアクチュエータを有することができる。第1のタイプのアクチュエータは圧力媒体が加えられたときにカバー要素を開くことにつながり、第2のタイプのアクチュエータは、圧力媒体が加えられたときにカバー要素を閉じることにつながる。
【0060】
異なるタイプのアクチュエータのこのような提供は、本出願に記載された全てのタイプの車両ホイールと組み合わせることができる。そのために、例えば、中央スイッチングユニットは制御されるべき、または圧力媒体にさらされるべきアクチュエータのタイプに応じて、異なる圧力媒体ラインに圧力媒体を加えることができる。
【0061】
本発明のさらなる特徴、可能な用途、および利点は、図面を参照して説明される本発明の例示的な実施形態の以下の説明から明らかになるのであろう。図面において、:
【図面の簡単な説明】
【0062】
【
図1】本発明による4つの車輪を有する車両の概略図である。
【
図2】コンプレッサ装置の設置位置を詳細に示す図である。
【
図3】コンプレッサ装置の別の設置位置を詳細に示す図である。
【
図4】第1の実施形態の本発明による車両ホイールを示す図である。
【
図5】第1の実施形態の本発明による車両ホイールを示す図である。
【
図6】第1の実施形態の本発明による車両ホイールを示す図である。
【
図7】第1の実施形態の本発明による車両ホイールを示す図である。
【
図8】第1の実施形態の本発明による車両ホイールを示す図である。
【
図9】第1の実施形態の本発明による車両ホイールを示す図である。
【
図10】第1の実施形態の本発明による車両ホイールを示す図である。
【
図11】コンプレッサ装置の更なる実施形態の本発明による車両ホイールを示す図である。
【
図12】コンプレッサ装置の更なる実施形態の本発明による車両ホイールを示す図である。
【
図13】コンプレッサ装置の更なる実施形態の本発明による車両ホイールを示す図である。
【
図14】コンプレッサ装置の更なる実施形態の本発明による車両ホイールを示す図である。
【
図15】コンプレッサ装置の更なる実施形態の本発明による車両ホイールを示す図である。
【
図16】コンプレッサ装置の更なる実施形態の本発明による車両ホイールを示す図である。
【
図17】コンプレッサ装置の更なる実施形態の本発明による車両ホイールを示す図である。
【
図18】さらなる実施形態の本発明による車両ホイールを示す図である。
【
図19】さらなる実施形態の本発明による車両ホイールを示す図である。
【
図20】さらなる実施形態の本発明による車両ホイールを示す図である。
【
図21】さらなる実施形態の本発明による車両ホイールを示す図である。
【
図22】さらなる実施形態の本発明による車両ホイールを示す図である。
【
図23】さらなる実施形態の本発明による車両ホイールを示す図である。
【
図24】さらなる実施形態の本発明による車両ホイールを示す図である。
【
図25】さらなる実施形態の本発明による車両ホイールを示す図である。
【
図26】さらなる実施形態の本発明による車両ホイールを示す図である。
【
図27】さらなる実施形態の本発明による車両ホイールを示す図である。
【
図28】さらなる実施形態の本発明による車両ホイールを示す図である。
【
図29】さらなる実施形態の本発明による車両ホイールを示す図である。
【
図30】さらなる実施形態の本発明による車両ホイールを示す図である。
【
図31】さらなる実施形態の本発明による車両ホイールを示す図である。
【
図32】さらなる実施形態の本発明による車両ホイールを示す図である。
【
図33】さらなる実施形態の本発明による車両ホイールを示す図である。
【
図34】さらなる実施形態の本発明による車両ホイールを示す図である。
【
図35】さらなる実施形態の本発明による車両ホイールを示す図である。
【
図36】さらなる実施形態の本発明による車両ホイールを示す図である。
【
図37】さらなる実施形態の本発明による車両ホイールを示す図である。
【
図38】さらなる実施形態の本発明による車両ホイールを示す図である。
【
図39】さらなる実施形態の本発明による車両ホイールを示す図である。
【
図40】さらなる実施形態の本発明による車両ホイールを示す図である。
【
図41】半径方向に移動可能なコンプレッサ構成要素を備えたコンプレッサ装置を示す図である。
【
図42】半径方向に移動可能なコンプレッサ構成要素を備えたコンプレッサ装置を示す図である。
【
図43】半径方向に移動可能なコンプレッサ構成要素を備えたコンプレッサ装置を示す図である。
【
図44】半径方向に移動可能なコンプレッサ構成要素を備えた別のコンプレッサ装置を示す図である。
【
図45】軸方向に移動可能なコンプレッサ構成要素を備えたコンプレッサ装置を示す図である。
【
図46】軸方向に移動可能なコンプレッサ構成要素を備えたコンプレッサ装置を示す図である。
【
図47】軸方向に移動可能なコンプレッサ構成要素を備えたコンプレッサ装置を示す図である。
【
図48】軸方向に移動可能なコンプレッサ構成要素を備えたコンプレッサ装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0063】
以下の図面において、対応する構成要素および要素は、同じ参照番号を有する。明確にするために、全ての参照番号が全ての図に示されているわけではない。
【0064】
図1は、本発明による車両1を概略的に示す。この場合、車両は2a~2dで示される4つの車輪2を有し、本発明は、4輪車両1に限定されない。車両ホイール2については、以下でより詳細に説明する。各車両ホイール2は、
図1に概略的に示す関連するコンプレッサ装置10を有する。
【0065】
第1の車両ホイール2aの場合、コンプレッサ装置10は、半径方向に移動可能なコンプレッサ構成要素を有する機械的に駆動されるコンプレッサ装置10の形態である。
【0066】
別の車両ホイール2bの場合、コンプレッサ装置10は、軸方向に移動可能なコンプレッサ構成要素を備えた機械的に駆動されるコンプレッサ装置10の形態である。
【0067】
別の車両ホイール2cの場合、コンプレッサ装置10は、電気的に駆動されるコンプレッサ装置10の形態である。コンプレッサ装置10を作動させるための電気エネルギは車輪キャリア側からハブ側に、車両の主バッテリ3によって、好ましくは非接触の、好ましくは誘導性の、記号的に示された伝達装置6を介して伝達される。伝達装置6は、摺動接点によって形成することもできる。
【0068】
別の車輪2dの場合、コンプレッサ装置10を作動させるための電気エネルギは、エネルギ源を介してハブ側に直接供給される。エネルギー源は、エネルギー貯蔵器7、例えばアキュムレータ、またはエネルギー発生器8、好ましくは発電機とすることができる。エネルギ発生器8は、ホイールキャリア側とハブ側との間の回転相対運動を利用して動力を発生する。エネルギー貯蔵器7とエネルギー発生器8との組み合わせも有利である。
【0069】
図2は、上述のホイール2a及び2bに配置された機械的に駆動されるコンプレッサ装置10の設置位置を概略的に示している。コンプレッサ装置10自体は、
図2では斜線領域によって概略的にのみ示されている。
【0070】
ホイールリムは、参照番号12を有する。同様に、ブレーキディスク14、ホイールキャリア16、ホイールハブ18及びホイールベアリング20が示されている。
【0071】
第1の圧力媒体ライン22は、コンプレッサ装置10からタイヤキャビティ24まで延びている。タイヤ自体は
図1には示されていないが、
図1に示されている実施形態では第1の圧力媒体ライン22はホイールリム12の材料を通って延びている。
【0072】
ホイールハブ受け26の領域において、ホイールリム12は、シーラントを供給するための、概略的に示される接続部28を有する。接続28は任意である。
【0073】
回転軸は参照番号30を有し、半径方向は参照番号32を有する。車両の動作中、ハブ側、したがってハブ側構成要素はホイールキャリア側に対して、すなわち、例えば、ホイールキャリアに対して、または車両の客室に対してなど、ホイールキャリア側構成要素に対して、回転軸30を中心に回転する。
【0074】
図3は上述の車輪2cおよび2dに配置された電動コンプレッサ装置10の設置位置を、
図2の表現と同様の表現で示しており、電動コンプレッサ装置10は、車輪ハブ受け26の領域、好ましくは車輪ハブ受け26に配置されている。
【0075】
図4は、本発明による車両ホイールの第1の実施形態を、ホイールキャリアの側面から見た側面図で詳細に示す。車両ホイール2のホイールリム12は、タイヤなしで示されている。ホイールリム12は、半径方向外側に配置されたリムベース36と、半径方向内側に配置されたハブ部分38とを含む。
【0076】
複数のスポーク状支持部40が半径方向に延びている。スポーク状の支持部分40は、ハブ部分38からリムベース36まで延びている。
【0077】
支持部分40は、それぞれ、インタースペース42を介して互いにインタースペースを置いて配置されている。各インタースペース42は、関連するカバー要素44を有する。
【0078】
図1の表示では、カバー要素44は第1の位置で示されている。この場合、車両ホイールは、この第1の位置において、カバー要素44がインタースペース42を完全に閉じるようにインタースペース42を覆うように構成される。しかし、この完全な被覆は必須ではない。
【0079】
ホイールリム12の内部には、象徴的に示された集塵装置45が配置されている。集塵装置45は、ホイールリム12の内部47の空気中に存在する塵埃を磁気的に又はエアフィルタを介して集塵することができる。
【0080】
ホイールリムは、作動装置46を含む。作動装置46は、環状作動要素48を備えている。
【0081】
環状作動要素48は円周方向に分配された複数のアクチュエータ50に接続され、これらのアクチュエータは同様に作動装置46の一部を形成する。アクチュエータ50は、連結装置51を介して車両1のブレーキに連結することができる。したがって、アクチュエータ50の作動は車両1の特定の運転状態に、または車両1のブレーキの作動状態にも連結することができる。これに代えて、またはこれに加えて、連結装置51は、車両1の運転者のための操作ユニットに連結または接続することができる。
【0082】
このような連結装置51は本出願に記載された車両ホイール2の実施形態の各々と組み合わせることができるが、必須ではない。アクチュエータ50は、それぞれ圧力媒体ライン52を介してタイヤキャビティ24に接続されている。
【0083】
図4~
図8は第1の位置のそれぞれの場合におけるカバー要素44を示しており、この実施形態では、それらはインタースペース42を完全に閉じる。
図7、
図8および
図10は、それぞれ、
図4の線A-Aに沿って切断された車両ホイール2を示す。
【0084】
図9および
図10では、
図4~
図8の車両ホイール2がカバー要素44が第2の位置にある状態で示されている。
【0085】
この第2の位置では、カバー要素44が第1の位置よりも小さいインタースペース42を覆う。より正確には、図示の実施形態のカバー要素が回転軸30に沿って見て、車両ホイール2のホイールキャリア側54から外側56に向かって変位している。
図9は
図5の表示と同様の斜視図を示し、
図10は、
図7の表示と同様の切り欠き図を示す。
【0086】
上述したように、カバー要素44の変位は、空気圧作動によって行われる。この空気圧作動は、アクチュエータ50を介して行われる。
【0087】
アクチュエータ50は、それぞれ、圧力媒体を加えることによって環状作動要素48を移動させることができるスイッチングユニット58を備える。加圧された圧力媒体は、タイヤキャビティ24から来る。
【0088】
切換ユニット58は、カバー要素44が環状作動要素48を介して、第1の位置から第2の位置へ、および第2の位置から第1の位置へ、空気圧作動によって戻されることができるように構成されている。カバー要素44の移動方向を切り換えると、空気圧作動が切り換えユニット58を介して達成される。
【0089】
アクチュエータの作動、ひいてはカバー要素44自体の空気圧作動も、スイッチングユニット58を介して制御される。
【0090】
この目的のために、切換ユニット58はブレーキディスク14を含むブレーキに、すなわち、ブレーキの作動時に、カバー要素44を第2の位置(
図9および
図10)に移動させるように、連結することができる。また、ブレーキディスク14の温度が特定の値を超えたときに、切換ユニット58の切換動作によって、カバー要素44が第2の位置(
図9および
図10)に移動されることも考えられる。
【0091】
図11~
図17は、本発明による車両ホイール2の代替実施形態を示す。
図11~
図14は、第1の位置にあるカバー要素44を示している。この第1の位置では、インタースペース42がカバー要素44によって完全に閉鎖されている。
図15~
図17において、この実施形態の車両ホイール2は、カバー要素44が第2の位置にある状態で示されている。この第2の位置において、カバー要素44は軸方向に、すなわち回転軸30の方向に、車両ホイール2のホイールキャリア側54に向かって変位される。したがって、インタースペース42はそれぞれ開いている。
【0092】
したがって、
図11~
図17に示す車両ホイール2の実施形態は
図4~
図10に示す実施形態とは開放時の、すなわち第1の位置から第2の位置への移動時のカバー要素44の移動が同様に回転軸30に沿って行われるが、反対方向に行われるという点で異なる。
【0093】
図18~25は、さらなる実施形態の車両ホイール2を示す。
図18~
図21において、車両ホイールのカバー要素44は、それぞれ第2の位置に示されている。
図22~25において、カバー要素44は、それぞれ第1の位置に示されている。第1の位置では、本実施形態におけるカバー要素44がインタースペース42を完全に閉鎖する。
【0094】
第2の位置では、カバー要素44が支持部分40に対して傾けられ、それによって、インタースペース42が開かれる。カバー要素44は、車両ホイール2が参照番号60で示される回転方向に回転すると、空気がカバー要素44を通って車両ホイール2のホイールキャリア側54に導かれるように傾けられる。
【0095】
カバー要素44は設置方向または車両の進行方向とは無関係に、異なる方向に開いているか、または傾いており、これは、例えば、
図18に明確に見ることができ、互いに直径方向に対向して配置されたカバー要素44は円周方向に見たときに、反対方向に開いている。
【0096】
図26~31は、さらなる実施形態の車両ホイール2を示す。
図26~
図29において、車両ホイール2のカバー要素44は、それぞれ第2の位置に示されている。
図30~
図31において、カバー要素44はそれぞれ、第1の位置に示されており、その中で、それらは、インタースペース42を完全に閉じる。
【0097】
第2の位置では、カバー要素44が支持部分40に対して傾けられ、それによって、インタースペース42が開かれる。カバー要素44は、その半径方向内側端部で傾斜可能に取り付けられている。しかしながら、このタイプの傾斜可能な取付けは必須ではなく、
図18~25の実施形態では例えば、傾斜軸は大部分が半径方向32に延びている。カバー要素を傾斜させることによって第1の位置から第2の位置に移動させることができる場合、傾斜軸は例えば、半径方向32に延びるか、カバー要素44上で半径方向外側に配置されるか、またはカバー要素44上で半径方向内側に配置されることができる。
【0098】
アクチュエータ50は
図26~31に示すように、プランジャ62と共に構成することができる。これにより、各リフトアクチュエータ50のプランジャ62は半径方向32に伸縮自在であり、その半径方向外側端部がカバー要素44の接触部分64上に載ることができる。このような構成のカバー要素44のプランジャ62が半径方向外側に空気圧で動かされる場合、すなわち、作動装置46を空気圧で作動させる場合、プランジャ62はカバー要素44の傾斜した接触部分64上に載り、その半径方向外側に向いた動きによってカバー要素44を傾斜させる。
【0099】
図32~40は、さらなる実施形態の車両ホイール2を示す。
図32、
図33および
図34~
図36において、車両ホイール2のカバー要素44はそれぞれ、第1の位置に示されており、この場合、それらは、インタースペース42を完全に閉じる。
図37~
図40ではカバー要素44がそれぞれ第2の位置に示されており、その場合、それらはインタースペース42を完全に閉じない。
【0100】
図32~
図40の実施形態のカバー要素44は、支持部分40に対する回転運動によって、第1の位置と第2の位置との間、または第2の位置と第1の位置との間で移動可能である。
【0101】
カバー要素44は、ディスク状要素66の形態であってもよい。このようなディスク状要素66は
図34に示されており、このディスク状要素66は、スロット状開口68を有する。スロット状の開口68は、ホイールリム12に固定的に接続されたアクチュエータ50に対するディスク状要素66又はカバー要素44の回転運動を可能にする働きをする。アクチュエータ50は、プランジャ62を介して、ディスク状要素66に固定的に接続されたリンク装置72に接続される。
【0102】
アクチュエータ50は、コンプレッサ装置10に接続することができる。アクチュエータ50とコンプレッサ装置との間のこのような接続は、
図35、
図36、
図39及び
図40に象徴的に示されている。コンプレッサ装置10を介してアクチュエータに圧力媒体を加えることができる。したがって、カバー要素44は、空気圧で作動させることができる。
【0103】
コンプレッサ装置は、ハブ側に配置されることが好ましい。しかしながら、回転フィードスルーを有する対応する圧力媒体ラインを介してアクチュエータ50を、圧力媒体を供給するための車両側コンプレッサ装置に接続することも考えられる。
【0104】
図41~
図43は、機械式コンプレッサ装置10の第1の実施形態を詳細に示している。コンプレッサ装置10は、第1のハウジング部分112と第2のハウジング部分114とを備えている。
【0105】
図42において、
図41のコンプレッサ装置10は、線G-Gに沿って切断されて示されている。この場合のコンプレッサ装置10は、合計4つのハブ側圧縮チャンバ116を備え、そのうちの2つだけが参照番号を有する。
【0106】
圧縮チャンバ116の各々は関連するハブ側コンプレッサ構成要素118を有し、同様に、そのうちの2つだけが参照番号を有する。コンプレッサ装置10は複数の歯車120を備え、歯車120は圧縮チャンバ116の各々と関連している。歯車120は、この場合、それぞれカム歯車122の形態である。
【0107】
歯車120は、それぞれハブ側歯車部124を有する。ハブ側歯車部124は、プランジャ出力部125によってそれぞれ形成されている。コンプレッサ構成要素118は、プランジャ出力125またはハブ側歯車部品124を備えた1つの部品に形成される。歯車120のハブ側歯車部124は、それぞれ、コンプレッサ装置10のホイールキャリア側歯車部126と協働することができる。
【0108】
図42に見られるように、コンプレッサ装置10は、ハブ側歯車部分124の各々と協働することができる単一のホイールキャリア側歯車部分126のみを有する。ホイールキャリア側歯車部126は、外側カム輪郭130を有するディスクカム128の形態である。
【0109】
図42では、コンプレッサ装置10はフリーホイール作動状態FLで示されている。フリーホイール作動状態FLでは、ハブ側歯車部124がホイールキャリア側歯車部126と協働しない。
【0110】
フリーホイール作動状態FLでは、ハブ側歯車部品124が
図42に示すように、その向きとは無関係に、ホイールキャリア側歯車部品126と接触することができない位置にあることが有利である。これは、ハブ側歯車部品124の各々に関連する連結装置136によって達成される。連結装置136は、各々、連結要素138を含む。
図2に示すフリーホイール作動状態では、連結要素138はそれぞれブロック位置140にある。連結要素138のブロック位置140では、ハブ側歯車部分124がそれぞれ、ホイールキャリア側歯車部分126と協働すること、およびこの場合にも接触することが防止される。
【0111】
ブロック位置140では、各連結要素138の阻止部分142が各ハブ側歯車部分124の停止部分144に載っている。この場合、停止部144は、ハブ側歯車部124と一体に形成されたコンプレッサ部品118上に形成されている。
【0112】
この場合、連結要素138はピンの形態であり、各々は、阻止部分142に加えて、解放部分146および移行部分148も備える。
【0113】
遮断部分142は第1の直径を有する円筒形であり、解放部分146は、第2の直径を有する円筒形である。ブロック部分142から解放部分146への移行部分148は、円錐台形状を有する。
【0114】
解放部分146は、阻止部分142に対して半径方向134の方向にオフセットして配置されている。連結要素138のうちの1つが解放位置からブロック位置140に移動すると、それは、関連するハブ側歯車部124を、ホイールキャリア側歯車部126と接触できない位置に押し込む。
【0115】
連結要素138は、それぞれ、ばね149を介してブロック位置に付勢されている。連結要素138はそれぞれ、圧力媒体チャネル156を介して圧力媒体を加えることによって解放位置に移動させることができる。
【0116】
圧力媒体チャネル156を介した圧力媒体の印加が中断されるとすぐに、連結要素138は、ばね付勢されているので、ブロック位置に戻る。
【0117】
これにより、ハブ側歯車部品124またはコンプレッサ部品118は半径方向外側に、すなわち、半径方向内側に位置するホイールキャリア側歯車部品126から持ち上げられる位置に押される。コンプレッサ装置10は、フリーホイール位置FLにある。このハブ側歯車部分124の半径方向外側への押圧は円錐状に延びる移行部分148によって可能になり、解放位置からブロック位置への移行は、円滑かつ徐々に行われる。
【0118】
ハブ側歯車部品124はこの場合、ばねを介して同様に付勢されるので、連結要素138を付勢するためのばね149はハブ側歯車部品124を付勢するためのばねよりも強くなければならない。この付勢は円錐形移行部分148と共に、ハブ側歯車部品124が持ち上げられた位置(
図42)に押されることを可能にする。
【0119】
図44は、機械式コンプレッサ装置10の別の実施形態を示す。
図41~
図43の実施形態と同様に、コンプレッサ構成要素118は、半径方向に振動並進運動を行うように構成される。この図は、
図42および
図43と同様の断面図である。
【0120】
これにより、ハブ側歯車部124は、ローラプランジャ400の形態である。ホイールキャリア側歯車部126に面する端部には、自己潤滑ローラ410がそれぞれ設けられている。
【0121】
フラッタ弁440は、コンプレッサ構成要素18の各々に配置される。ダブルシール450はコンプレッサ構成要素118にも配置され、それぞれがコンプレッサ構成要素118の潤滑油リザーバ460を区切るとともに、コンプレッサ構成要素118に対して圧縮チャンバ116をシールする。
【0122】
コンプレッサ装置10は例えば、制御装置、フィルタ、連結バルブ、又はリリーフバルブを受け入れるのに役立つ領域420も備える。直前に述べた構成要素は、
図48および49に関連して以下でより詳細に説明する。さらに、エネルギー源430をそこに配置することもでき、これは、例えば、アキュムレータまたは圧力リザーバの形態であってもよい。
【0123】
コンプレッサ装置10のハブ側部分470は形状がほぼ環状であり、この場合、ホイールキャリア側歯車部分126を除いて、
図44に示すコンプレッサ装置10のすべての部分を含む。
【0124】
図45~
図47は、機械式コンプレッサ装置10の更なる可能な形態を示している。
図46では、コンプレッサ装置10が線H-Hに沿って切断されて示されている。
【0125】
コンプレッサ装置は、第1のハブ側ハウジング部分230と第2のハブ側ハウジング部分232とを含む。
【0126】
ハブ側歯車部品は、参照番号234を有する。コンプレッサ装置10のハブ側歯車部分234のうちの2つを
図3に見ることができる。
【0127】
ハブ側歯車部品234には、コンプレッサ部品238を構成する環状ピストン236が接続されている。環状ピストン236の形態のコンプレッサ構成要素238は、第1の圧縮チャンバ240と第2の圧縮チャンバ242とを画定する。
【0128】
図3及び
図4に示す動作状態では、ハブ側歯車要素234がホイールキャリア側歯車部244と協働できるように係合している。ハブ側歯車要素234はホイールキャリア側歯車部分244と共にカム歯車245を形成し、ハブ側歯車要素234はプランジャ出力を形成する。
【0129】
ハブ側歯車部分234はそれぞれ、第1の作動可能な接触要素246および第2の固定接触要素248を有する。
【0130】
ハブ側歯車部分234の接触要素246、248はホイールキャリア側歯車部分244の円筒形バレルカム250と接触しており、これにより、ハブ側歯車部分234は、ホイールキャリア側歯車部分244と協働する。
【0131】
既に上述したように、第1の接触要素246は作動可能である。これは、
図47に明確に見ることができ、第1の接触要素はそれに関連する圧力チャンバ252と共に、連結装置254を表す。
【0132】
連結装置254を作動させることにより、ハブ側歯車部234をホイールキャリア側歯車部244と協働させることができる。連結装置254の作動を中断することによって、ハブ側歯車部234とホイールキャリア側歯車部244との協働を防止することができる。
【0133】
図46及び
図47の各々において、連結装置254は、作動状態又は連結状態で示されている。したがって、コンプレッサ装置10は作動状態にある。
【0134】
図48では、連結装置254が非作動状態または非連結状態で示されている。したがって、コンプレッサ装置10はフリーホイール作動状態にある。
【0135】
このフリーホイール作動状態では、第1の作動可能な接触要素246がホイールキャリア側歯車部分244の円筒形バレルカム250と接触していない。したがって、ハブ側歯車部234は、ホイールキャリア側歯車部244と協働することが防止される。
【0136】
コンプレッサ装置10を
図48に示すフリーホイール作動状態から作動作動状態に移行させるために、圧力媒体が圧力チャンバ252に加えられる。
【0137】
第1の作動可能な接触要素246はピストンの形態であり、圧力媒体の適用の結果として、円筒状バレルディスク250の方向に移動し、それと接触する。この状態を
図46および
図47に示す。
【0138】
第1の作動可能な接触要素246は圧力媒体が圧力チャンバ252に加えられていないときにコンプレッサ装置10をフリーホイール作動状態に移行させるように、圧力ばね256を介して付勢されている。したがって、連結装置254は、非作動位置に付勢される。
【0139】
車両が動いているとき、ハブ側歯車部234に対するホイールキャリア側歯車部244の回転軸229周りの回転相対運動が生じる。
【0140】
これは、
図47の参照番号260で曲げられた矢印によって示されている。
【0141】
コンプレッサ装置10の作動状態では環状ピストン236、またはそれによって形成されたコンプレッサ構成要素238はホイールキャリア側歯車部244とハブキャリア側歯車部234との協働によって、回転軸229に沿って上下に移動し、これは参照番号262で双頭矢印で示されている。環状ピストン236の振動並進運動の結果として、圧力媒体は、各上下運動で環状圧縮チャンバ240及び242から供給される。
【0142】
コンプレッサ装置10の制御は、
図49を参照して概略的に説明される。
【0143】
圧力チャンバ252の入口266はそれぞれ、連結弁を形成する弁270を介して圧力媒体ライン222の部分268を介してタイヤキャビティ24に接続されている。連結弁270は、タイヤ内の圧力が圧力閾値を下回ったときに開くように構成されている。
【0144】
次に、タイヤキャビティ24からの圧力媒体が圧力チャンバ252に加えられる。次いで、第1の作動可能な接点要素246は、円筒形バレルカム250の方向にスプリング256のバイアスに対して移動され、それと接触する。
【0145】
したがって、コンプレッサ構成要素238または環状ピストン236の振動並進運動は、ホイールキャリア側歯車部分244とハブ側歯車部分234との間の回転相対運動と、2つの歯車部分の協働とによって生成される。コンプレッサ構成要素238の振動並進運動は、圧縮チャンバ240および242の容積を交互に減少させ、それによって圧力媒体がこれらの室からタイヤキャビティ24に運ばれる。
【0146】
圧力チャンバ240及び242は、チェックバルブ272を介してタイヤキャビティ24に接続されている。逆止弁272は、タイヤキャビティ24に向かって開いている。
【0147】
タイヤキャビティ24内の圧力媒体の圧力が所望の値に達するか又はそれを超えると、連結バルブ270が閉じ、連結バルブ270と圧力チャンバ252との間のライン部分268からリリーフバルブ274を介して空気が除去される。作動可能な接触要素246はその付勢のために、円筒形バレルカム250から離れて
図48に示す位置に移動する。
【0148】
コンプレッサ装置10と更なる構成要素との接続を以下に説明し(
図49)、コンプレッサ装置10の全体的な制御も説明する(
図50)。これらの説明は、コンプレッサ装置10の任意のタイプの設計と組み合わせることができる。
【0149】
図49に示すように、コンプレッサ装置10は一般に、フィルタ1200及び制御装置1210に接続することができる。フィルタ1200は、好ましくはコンプレッサ装置10の圧力媒体入口又は空気入口の前に流体的に配置されるように配置される。
【0150】
測定接続1220を介して、制御装置1210は、フィルタ1200がブロックされているかどうかを検出することができる。制御装置1210がフィルタ1200が閉塞されていることを検出した場合、フィルタは、圧力媒体、すなわち空気を逆流方向に加えることによって清掃することができる。コンプレッサ装置10の通常の作動モードでは、空気がフィルタ1200を介してコンプレッサ装置10の方向に運ばれ、そこからタイヤキャビティ24に運ばれる。清掃作業では、圧力媒体または空気のいずれかがタイヤキャビティ24から排出され、フィルタ1200を通って逆流方向に搬送されるか、またはコンプレッサ装置10が作動し始め、圧力媒体をタイヤキャビティ24の代わりにフィルタ1200に逆流方向に搬送する。この目的のために、コンプレッサ構成10は、同じ方法でクリーニングすることができる別のエアフィルタ1240を有する追加の入口1230を介して圧力媒体を吸引する。
【0151】
有利には制御装置1210がタイヤキャビティ24内の圧力媒体の圧力、温度及び/又は水分を測定及び/又は表示する働きをすることができ、これらの機能は制御装置1210の更なる機能とは無関係である。
【0152】
図50は、連結装置1136の制御の変形例の一例を示す。しかしながら、連結装置1136の作動は、電気的、電磁的又は電磁的に行うこともできる。この目的のために、車両1の主バッテリ3から、またはそこに設けられた発電機から、または別のエネルギー源からの電気エネルギーを、摺動接点を介してハブ側に案内することができる。
【0153】
しかし、ハブ側に発電機を配置することも考えられ、この発電機は、ハブ側とホイールキャリア側との間の回転相対運動から電気エネルギーを得る。ハブ側、特にホイールリム12のスポークにアキュムレータを配置することも考えられる。
【0154】
コンプレッサ装置10、特にその連結装置1136は、連結圧力媒体ライン1300を介してタイヤキャビティ24に接続されている。連結圧力媒体ライン1300には、連結バルブ1310が配置されている。また、連結圧力媒体ライン1300には、リリーフ弁1320が設けられている。コンプレッサ装置10の圧縮チャンバ1116は、搬送のために設けられた圧力媒体ライン1330を介してタイヤキャビティ24に接続されている。
【0155】
連結バルブ1310において、タイヤキャビティ24の圧力媒体は、タイヤ内に存在する圧力よりも低い。圧力がタイヤ圧力閾値を下回ると、連結バルブ1310が開き、それによって連結装置1136がタイヤキャビティ24からの圧力媒体によって作動され、ハブ側ギア部124、234がホイールキャリア側ギア部126、244と協働する。
【0156】
車両1が移動している場合、ハブ側とホイールキャリア側との間で回転相対運動が生じ、圧力媒体は、搬送のために設けられた圧力媒体ライン1330を介して、圧縮チャンバ1116からタイヤキャビティ24に搬送される。
【0157】
連結圧力媒体ライン1300と、搬送のために設けられた圧力媒体ライン1330とは、単一のラインとして一緒に形成することもできる。
【0158】
好ましくはタイヤ圧力閾値を超えるタイヤ圧力所望値を超えると、連結弁1310が閉じ、それによって連結装置1136への圧力媒体の適用が中断される。好ましくは、空気がタイヤ圧力所望値を超えたときに、連結弁1310又は逃がし弁1320を介して連結装置1136から除去される。このようにして、タイヤキャビティ24内の圧力媒体の所望値に達するとすぐに、コンプレッサ装置10が作動を停止することが保証される。
【0159】
連結装置1136のこの動作モードは、本出願のコンプレッサ装置10のこれらの実施形態の全ての実施形態及び個々の態様と組み合わせることができる。
【0160】
図51は、カバー要素44を作動させるための圧力媒体を提供する可能性を示す。タイヤキャビティは、弁80を介して圧力媒体で充填することができる。弁80から、分岐82がアクチュエータ50に通じている。別の分岐84がタイヤキャビティ24に通じている。圧力媒体源が弁80に接続されている場合には、タイヤキャビティ24が別の分岐路84を介して圧力媒体で充填することができる。圧力媒体はタイヤキャビティ内を支配する圧力でブランチ82内に存在し、切換ユニット58を介して切換可能である。
【0161】
弁80は、カバー要素44が開閉するように圧力媒体を切り替えることができる制御ユニット86を備えることもできる。
【0162】
図52に示すように、本発明による車両ホイール2の作動装置46は、2つのタイプのアクチュエータ50a、50bを有することができる。第1のタイプのアクチュエータ50aは圧力媒体が加えられたときにカバー要素44を開くことにつながり、第2のタイプのアクチュエータ50bは、圧力媒体が加えられたときにカバー要素44を閉じることにつながる。
【0163】
このように異なるタイプ(50a、50b)のアクチュエータ50を設けることは、本出願に記載された全てのタイプの車両ホイールと組み合わせることができる。この目的のために、例えば、中央スイッチングユニットは、どのタイプのアクチュエータが制御されるべきかに応じて、異なる圧力媒体ラインに圧力媒体を加えることができる。