(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-13
(45)【発行日】2022-06-21
(54)【発明の名称】内視鏡的外科用クリップアプライヤ
(51)【国際特許分類】
A61B 17/128 20060101AFI20220614BHJP
【FI】
A61B17/128 100
(21)【出願番号】P 2018019070
(22)【出願日】2018-02-06
【審査請求日】2020-11-16
(32)【優先日】2017-02-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-01-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】ジェイコブ バリル
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン クレストン
(72)【発明者】
【氏名】ジャスティン ウィリアムズ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ザマタロ
【審査官】菊地 康彦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05607436(US,A)
【文献】特開2007-054630(JP,A)
【文献】特開2015-083162(JP,A)
【文献】特開2011-218190(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/128
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡的外科用クリップアプライヤであって、
内視鏡的アセンブリであって、
シャフトアセンブリと、
前記シャフトアセンブリに動作可能に連結し、前記シャフトアセンブリから延びる一対のジョー部材と、
を含む、内視鏡的アセンブリと、
ハンドルアセンブリであって、
前記内視鏡的アセンブリに選択的に接続可能なハウジングと、
前記ハウジングから延びる固定されたハンドルと、
前記固定されたハンドルに枢動可能に接続されたトリガと、
前記ハンドルアセンブリの前記ハウジング内に配置され、前記トリガの作動時に、離間構成と接近構成との間で前記一対のジョー部材を移動させるように、前記トリガ及び前記一対のジョー部材に動作可能に連結された駆動バーと、
前記ハンドルアセンブリの前記ハウジング内に配置されたラチェットアセンブリであって、
前記駆動バーに動作可能に連結された第1のラックであって、複数の第1のラック歯を画定する、第1のラックと、
前記第1のラックから間隙を介して前記駆動バーに動作可能に連結された第2のラックであって、複数の第2のラック歯を画定する、第2のラックと、
前記ハンドルアセンブリの前記ハウジング内に摺動自在に取り付けられた歯止めハウジングであって、前記第1のラックの前記複数の第1のラック歯と選択的に係合可能な第1の歯止めを有し、かつ第1の位置と第2の位置との間で横方向に摺動自在である、歯止めハウジングと、
前記ハンドルアセンブリの
前記ハウジング内に移動可能に取り付けられ、
前記第2のラックの
前記複数の第2のラック歯と選択的に係合可能である、第2の歯止めと、
を含み、
前記歯止めハウジングの前記第1の位置では、前記第1の歯止めは、前記第1の歯止めが前記第1のラックの近位端または遠位端を越えて配置されるまで、前記トリガの移動の方向の逆転を妨げるように、前記第1のラックの前記複数の第1のラック歯と位置合わせされ、
前記歯止めハウジングの前記第2の位置では、前記第1の歯止めは、前記第2の歯止めが前記第2のラックの遠位端を越えて遠位に、または前記第2のラックの近位端を越えて近位に配置された後、前記トリガの移動の方向の逆転を可能にするように、前記第1のラックの前記複数の第1のラック歯との位置合わせから外れる、ラチェットアセンブリと、
を含む、ハンドルアセンブリと、
を含む、内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
【請求項2】
前記第1のラックが、その前記遠位端と前記近位端との間の第1の長さを含み、前記第2のラックが、その前記遠位端と前記近位端との間の第2の長さを含み、前記第2のラックの前記第2の長さが、前記第1のラックの前記第1の長さ未満である、請求項1に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
【請求項3】
前記ラチェットアセンブリは、前記ハンドルアセンブリの前記ハウジング内に少なくとも部分的に支持され、前記歯止めハウジングと動作可能に関連した解除スイッチを含み、前記解除スイッチは、前記歯止めハウジングをその前記第1の位置からその前記第2の位置に移動させるように、選択的に作動可能であり、前記歯止めハウジングの前記第2の位置では、前記歯止めハウジングは、前記第1の歯止めを前記第1のラックの前記複数の第1のラック歯から係脱するように、前記第1のラックに対して横方向に移動される、請求項1に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
【請求項4】
前記第2の歯止めは、
前記第2の歯止めの第1の位置で前記第2のラックの前記複数の第2のラック歯と選択的に係合可能である、請求項3に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
【請求項5】
前記ラチェットアセンブリは、前記第1のラックの前記遠位端に隣接して配置される遠位ウェルを更に含み、前記歯止めハウジングは、前記トリガの非作動位置において前記遠位ウェル内に位置する、請求項3に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
【請求項6】
前記ラチェットアセンブリは、前記第1のラックの前記近位端と前記第2のラックの前記遠位端との間に配置される近位ウェルを更に含み、前記第2の歯止めは、前記トリガの
非作動位置において前記近位ウェル内に位置する、請求項4に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
【請求項7】
前記第1のラックは、前記第2のラックの遠位の位置に配置される、請求項5に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
【請求項8】
前記解除スイッチが作動されるとき、前記第2の歯止めは、前記第2の歯止めが前記近位ウェル内に配置されるまでか、または前記第2の歯止めが前記第2のラックの前記近位端を越えて近位に配置されるまで、
前記第2の歯止めの前記第1の位置において、前記第2のラックの前記複数の第2のラック歯との位置合わせを維持する、請求項
6に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
【請求項9】
前記前記ラチェットアセンブリは、前記第1のラックの前記遠位端に隣接して配置される遠位ウェルを更に含み、前記歯止めハウジングは、前記トリガの前記非作動位置において前記遠位ウェル内に位置し、前記駆動バーは、前記トリガの作動時に長手方向に移動可能であり、前記駆動バーが第1の方向に長手方向に移動し、前記解除スイッチが作動されない場合、前記第1の歯止め及び前記第2の歯止めは、前記第1の歯止めが前記遠位ウェル内に配置され、前記第2の歯止めが前記近位ウェル内に配置されるまでか、または前記第1の歯止めが前記第1のラックの前記近位端に配置され、前記第2の歯止めが前記第2のラックの前記近位端を越えて近位に配置されるまで、
前記第1の方向と反対の第2の
方向での前記駆動バーの長手方向の移動が妨げられるように、前記第1及び前記第2のラックの前記複数の第1のラック歯及び前記複数の第2のラック歯上に各々移動される、請求項8に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
【請求項10】
前記駆動バーは、前記トリガの作動時に長手方向に移動可能であり、前記駆動バーが第1の方向に長手方向に移動し、前記解除スイッチが前記歯止めハウジングを前記第2の位置に移動させるように作動される場合、
前記第1の方向と反対の第2の
方向での前記駆動バーの長手方向の移動は、前記第2の歯止めが前記近位ウェル内に配置されるまでか、または前記第2の歯止めが前記第2のラックの前記近位端を越えて近位に配置されるまで妨げられる、請求項8に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
【請求項11】
前記トリガは、前記非作動位置と、前記トリガが完全に作動された作動位置との間で移動可能であり、前記駆動バーが前記第1の方向に長手方向に移動し、前記解除スイッチが前記歯止めハウジングを前記第2の位置に移動させるように作動される場合、前記第2の歯止めは、前記トリガが
前記非作動位置と前記作動位置との間にある位置に到達するにつれて、前記第2のラックの前記近位端を越えて配置され、前記駆動バーは、前記トリガが前記
非作動位置と前記作動位置との間にある前記位置から
前記非作動位置に到達するにつれて、前記第2の
方向で長手方向に移動可能である、請求項10に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
【請求項12】
前記内視鏡的アセンブリは、前記シャフトアセンブリ内に摺動自在に配置され、前記一対のジョー部材の間に選択的に形成可能な複数の外科用クリップを更に含み、前記歯止めハウジングが
前記歯止めハウジングの前記第1の位置にあるとき、前記第1の歯止めは、前記トリガの作動時に、前記トリガが
前記作動位置に移動され、前記複数の外科用クリップの最遠位の外科用クリップが前記一対のジョー部材の間に完全に形成されるまで、前記トリガがその前記移動の方向を逆転できないように、前記駆動バー上に配置された前記第1のラックと位置合わせされる、請求項11に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
【請求項13】
前記歯止めハウジングが前記第2の位置にあるとき、前記第1の歯止めは、前記複数の外科用クリップの前記最遠位の外科用クリップが前記一対のジョー部材の間に部分的に形成されるように、前記第2の歯止めが前記第2のラックの前記近位端を越えて配置され、前記トリガが前記
非作動位置と前記作動位置との間にある前記位置に移動されるときに、前記トリガがその前記移動の方向を逆転させることができるように、前記駆動バー上に配置された前記第1のラックとの位置合わせから外れる、請求項12に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
【請求項14】
前記歯止めハウジングがその中のチャネルを画定し、前記第1の歯止めは、前記歯止めハウジングの前記チャネル内に位置する、請求項3に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
【請求項15】
前記ラチェットアセンブリは、スイッチピンを含み、前記歯止めハウジングは、前記スイッチピンを位置付けるように構成されたその中の中央スロットを画定し、前記スイッチピンは、前記第1の歯止めを前記歯止めハウジングの前記チャネル内に支持するように、前記歯止めハウジングの前記チャネル及び前記第1の歯止めを通って摺動自在に延びる、請求項14に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
【請求項16】
前記解除スイッチは、第1の後端キャップと第2の後端キャップとを含み、前記ハウジングの第1の側面は、前記解除スイッチの前記第1の後端キャップを摺動自在に受容するように構成された第1のスイッチスロットを含み、前記ハウジングの第2の側面は、前記解除スイッチの前記第2の後端キャップを摺動自在に受容するように構成された第2のスイッチスロットを含む、請求項15に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
【請求項17】
前記解除スイッチの前記第1の後端キャップは、前記歯止めハウジングの第1の側面上にある前記スイッチピンの第1の端部上で支持され、前記解除スイッチの前記第2の後端キャップは、前記歯止めハウジングの第2の反対の側面上にある前記スイッチピンの第2の端部上で支持され、それによって、前記解除スイッチは、前記解除スイッチを作動させるように、前記歯止めハウジングの前記第1及び第2の側面から前記第1及び第2の後端キャップを介して各々アクセス可能となる、請求項16に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
【請求項18】
前記ラチェットアセンブリは、前記ハンドルアセンブリの前記ハウジング内に支持された第1の歯止めばね及び第2の歯止めばねを更に含み、前記第1の歯止めばねは、前記第1の歯止めを、前記第1のラックの前記複数の第1のラック歯との係合へ付勢するように構成され、前記第2の歯止めばねは、前記第2の歯止めを、前記第2のラックの前記複数の第2のラック歯との係合へ付勢するように構成される、請求項3に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
【請求項19】
内視鏡的外科用クリップアプライヤであって、
内視鏡的アセンブリであって、
シャフトアセンブリと、
前記シャフトアセンブリに動作可能に連結し、前記シャフトアセンブリから延びる一対のジョー部材と、
を含む、内視鏡的アセンブリと、
ハンドルアセンブリであって、
前記内視鏡的アセンブリに選択的に接続可能なハウジングと、
前記ハウジングから延びる固定されたハンドルと、
前記固定されたハンドルに枢動可能に接続されたトリガと、
前記ハンドルアセンブリの前記ハウジング内に配置され、前記トリガ及び前記一対のジョー部材に動作可能に連結された駆動バーであって、前記トリガの作動時に、離間構成と接近構成との間で前記一対のジョー部材を移動させるように長手方向に移動可能な、駆動バーと、
前記ハンドルアセンブリの前記ハウジング内に配置されたラチェットアセンブリであって、
前記駆動バーの上部の上に画定された第1のラックであって、その遠位端と近位端との間の第1の長さを含む、第1のラックと、
前記駆動バーの上部の上に画定された第2のラックであって、その遠位端と近位端との間の第2の長さを含み、前記第2のラックの前記第2の長さが、前記第1のラックの前記第1の長さ未満である、第2のラックと、
前記ハンドルアセンブリ内に移動可能に取り付けられ、前記第1のラックと選択的に係合可能な第1の歯止めであって、第1の位置と第2の位置との間で横方向に摺動自在な、第1の歯止めと、
前記ハンドルアセンブリの前記ハウジング内に少なくとも部分的に支持され、前記第1の歯止めと動作可能に関連した解除スイッチであって、前記第1の歯止めをその前記第1の位置からその前記第2の位置に横方向に移動させるように、選択的に作動可能であり、前記第1の歯止めの前記第1の位置では、前記第1の歯止めは、前記駆動バーが前記第1のラックの前記第1の長さと同等の第1の距離を移動するまで、前記トリガの前記移動の方向の逆転を妨げるように、前記第1のラックと位置合わせされ、前記第1の歯止めの前記第2の位置では、前記第1の歯止めは、前記駆動バーが前記第2のラックの前記第2の長さと同等の第2の距離を移動
した後に前記トリガの前記移動の方向の逆転
を可能にするために、前記第1の歯止めを前記第1のラックから係脱するように、前記第1のラックに対して横方向に移動される、解除スイッチと、
を含む、ラチェットアセンブリと、
を含む、ハンドルアセンブリと、
を含む、内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
【請求項20】
前記ラチェットアセンブリは、前記ハンドルアセンブリ内に移動可能に取り付けられ、前記第2のラックと選択的に係合可能な第2の歯止めを含み、前記トリガの移動直後に、前記第2の歯止めが前記第2のラックの前記遠位端を越えて遠位に、または前記第2のラックの前記近位端を越えて近位に配置されるまで、前記トリガの前記移動の方向の逆転が妨げられる、請求項19に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年2月23日出願の米国仮特許出願第62/462,407号の利益及び優先権を主張し、その全体の開示は、本明細書中に参考として組み込まれる。
背景
【0002】
本開示は、概して、外科用クリップアプライヤに関する。具体的には、本開示は、内視鏡的外科用クリップアプライヤに関し、それは、そのラチェットアセンブリに対する解除スイッチを有する。
【背景技術】
【0003】
関連技術の説明
内視鏡的外科用ステープラー及び外科用クリップアプライヤは、多くの低侵襲または内視鏡的外科手術に使用される。典型的に、低侵襲外科手術では、チューブまたはカニューレ装置が、アクセスポートを提供するための入口切開を通って患者の体に伸展される。ポートによって、外科医が、切開から遠く離れた外科手術を行うために、多くの異なる手術器具を、そこを通して挿入することが可能となる。
【0004】
内視鏡的外科用クリップアプライヤは、低侵襲外科手術の間に、単一または複数の外科用クリップを適用することが可能である。外科用クリップの適用は、通常、クリップを血管上で圧迫することに関与する。血管に適用されると、圧迫された外科用クリップは、そこを通る液体の流れを停止させる。血管を通る液体の流れを停止させることは、典型的に、外科用クリップの完全な形成を必要とする。
【0005】
ある内視鏡手術の間、クリップを部分的に形成することが望ましい、及び/または必要な場合がある。例えば、部分的に形成されたクリップは、胆管造影または他の医療処置の間に、組織の周りのカテーテルを固定するために使用され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、臨床医に外科用クリップを部分的に形成する便利な方法を提供する内視鏡的外科用クリップアプライヤの必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、臨床医が、部分的にまたは完全に外科用クリップを形成するかを選択できるようにする内視鏡的外科用クリップアプライヤに関する。
【0008】
本開示の態様によると、内視鏡的外科用クリップアプライヤは、内視鏡的アセンブリ及びハンドルアセンブリを含む。内視鏡的アセンブリは、シャフトアセンブリ、及びシャフトアセンブリに動作可能に連結し、そこから延びる一対のジョー部材を含む。ハンドルアセンブリは、内視鏡的アセンブリに選択的に接続可能なハウジングを含む。固定されたハンドルは、ハウジングから延び、トリガは、固定されたハンドルに枢動可能に接続される。駆動バーは、ハンドルアセンブリのハウジング内に配置され、トリガの作動時に、離間構成と接近構成との間で一対のジョー部材を移動させるように、トリガに、及び一対のジョー部材に動作可能に連結される。ラチェットアセンブリも、ハンドルアセンブリのハウジング内に配置される。ラチェットアセンブリは、駆動バーに動作可能に連結される第1のラックを含む。第1のラックは、複数の第1のラック歯を画定する。第2のラックは、第1のラックから間隙を介して駆動バーに動作可能に連結される。第2のラックは、複数の第2のラック歯を画定する。歯止めハウジングは、ハンドルアセンブリのハウジング内に摺動自在に取り付けられる。歯止めハウジングは、第1のラックの複数の第1のラック歯と選択的に係合可能な第1の歯止めを有する。歯止めハウジングは、第1の位置と第2の位置との間で横方向に摺動自在である。第2の歯止めは、ハンドルアセンブリのハウジング内に移動可能に取り付けられる。第2の歯止めは、第2のラックの複数の第2のラック歯と選択的に係合可能である。歯止めハウジングの第1の位置では、第1の歯止めは、第1の歯止めが、第1のラックの近位端または遠位端を越えて配置されるまで、トリガの移動の方向の逆転を妨げるように、第1のラックの複数の第1のラック歯と位置合わせされる。歯止めハウジングの第2の位置では、第1の歯止めは、第2の歯止めが第2のラックの遠位端を越えて遠位に、または第2のラックの近位端を越えて近位に配置された後、トリガの移動の方向の逆転を可能にするように、第1のラックの複数の第1のラック歯との位置合わせから外れる。
【0009】
実施形態では、第1のラックは、その遠位端と近位端との間にある第1の長さを含み、第2のラックは、その遠位端と近位端との間にある第2の長さを含む。第2のラックの第2の長さは、第1のラックの第1の長さ未満であり得る。
【0010】
ラチェットアセンブリは、ハンドルアセンブリのハウジング内に少なくとも部分的に支持され、歯止めハウジングと動作可能に関連する解除スイッチを含み得る。解除スイッチは、歯止めハウジングを、その第1の位置からその第2の位置に移動させるように選択的に作動可能であり得、歯止めハウジングの第2の位置では、歯止めハウジングは、第1の歯止めを第1のラックの複数の第1のラック歯から係脱するように、第1のラックに対して横方向に移動される。
【0011】
実施形態では、第2の歯止めは、その第1の位置で第2のラックの複数の第2のラック歯と選択的に係合可能である。
【0012】
いくつかの実施形態では、ラチェットアセンブリは、第1のラックの遠位端に隣接して配置される遠位ウェルを更に含み、歯止めハウジングは、トリガの非作動位置において遠位ウェル内に位置する。
【0013】
ラチェットアセンブリは、第1のラックの近位端と第2のラックの遠位端との間に配置される近位ウェルを更に含み得、第2の歯止めは、トリガの非作動位置において近位ウェル内に位置する。
【0014】
実施形態では、第1のラックは、第2のラックの遠位の位置に配置される。
【0015】
解除スイッチが作動されるとき、第2の歯止めは、第2の歯止めが近位ウェル内に配置されるまでか、または第2の歯止めが第2のラックの近位端を越えて近位に配置されるまで、その第1の位置で第2のラックの複数の第2のラック歯との位置合わせを維持し得る。
【0016】
いくつかの実施形態では、駆動バーは、トリガの作動時に、長手方向に移動可能である。駆動バーが第1の方向に長手方向に移動し、解除スイッチが作動されない場合、第1の歯止め及び第2の歯止めは、第1の歯止めが遠位ウェル内に配置され、第1の歯止めが近位ウェル内に配置されるまでか、または第1の歯止めが第1のラックの近位端に配置され、第2の歯止めが第2のラックの近位端を越えて近位に配置されるまで、第2の反対の方向での駆動バーの長手方向の移動が妨げられるように、第1及び第2のラックの複数の第1のラック歯及び複数の第2のラック歯上に各々移動される。駆動バーが第1の方向に長手方向に移動し、解除スイッチが歯止めハウジングを第2の位置に移動させるように作動される場合、第2の反対の方向での駆動バーの長手方向の移動は、第2の歯止めが近位ウェル内に配置されるまでか、または第2の歯止めが第2のラックの近位端を越えて近位に配置されるまで妨げられる。
【0017】
実施形態では、駆動バーが第1の方向に長手方向に移動され、解除スイッチが歯止めハウジングを第2の位置に移動させるように作動される場合、第2の歯止めは、トリガが部分的作動位置に到達するにつれて、第2のラックの近位端を越えて配置され、駆動バーは、トリガが部分的作動位置から完全非作動位置に到達するにつれて、第2の反対の方向で長手方向に移動可能である。
【0018】
内視鏡的アセンブリは、シャフトアセンブリ内に摺動自在に配置され、一対のジョー部材の間に選択的に形成可能な複数の外科用クリップを更に含む。歯止めハウジングが第1の位置にあるとき、第1の歯止めは、トリガの作動時に、トリガが完全駆動位置に移動され、複数の外科用クリップの最遠位の外科用クリップが一対のジョー部材の間に完全に形成されるまで、トリガがその移動の方向を逆転させることができないように、駆動バー上に配置された第1のラックと位置合わせされる。
【0019】
いくつかの実施形態では、歯止めハウジングが第2の位置にあるとき、第1の歯止めは、駆動バー上に配置された第1のラックとの位置合わせから外れ、それによって、第2の歯止めが第2のラックの近位端を越えて配置され、かつトリガが部分的作動位置に移動されるときに、トリガは、その移動の方向を逆転させることができるようになり、それによって、複数の外科用クリップの最遠位の外科用クリップが一対のジョー部材の間に部分的に形成されるようになる。
【0020】
歯止めハウジングは、その中のチャネルを画定し得、第1の歯止めは、歯止めハウジングのチャネル内に位置し得る。
【0021】
実施形態では、ラチェットアセンブリは、スイッチピンを含む。歯止めハウジングは、スイッチピンを位置付けるように構成されたその中の中央スロットを画定し、スイッチピンは、第1の歯止めを歯止めハウジングのチャネル内に支持するように、歯止めハウジングのチャネル及び第1の歯止めを通って摺動自在に延びる。
【0022】
解除スイッチは、第1の後端キャップ及び第2の後端キャップを含み得、ハウジングの第1の側面は、解除スイッチの第1の後端キャップを摺動自在に受容するように構成された第1のスイッチスロットを含み、ハウジングの第2の側面は、解除スイッチの第2の後端キャップを摺動自在に受容するように構成された第2のスイッチスロットを含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、解除スイッチの第1の後端キャップは、歯止めハウジングの第1の側面上にあるスイッチピンの第1の端部上で支持され、解除スイッチの第2の後端キャップは、歯止めハウジングの第2の反対の側面上にあるスイッチピンの第2の端部上で支持され、それによって、解除スイッチは、前記解除スイッチを作動させるように、歯止めハウジングの第1及び第2の側面から第1及び第2の後端キャップを介して各々アクセス可能となる。
【0024】
実施形態では、ラチェットアセンブリは、ハンドルアセンブリのハウジング内に支持された第1の歯止めばね及び第2の歯止めばねを更に含む。第1の歯止めばねは、第1の歯止めを、第1のラックの複数の第1のラック歯との係合へ付勢するように構成され、第2の歯止めばねは、第2の歯止めを、第2のラックの複数の第2のラック歯との係合へ付勢するように構成される。
【0025】
本開示の別の態様によると、内視鏡的外科用クリップアプライヤは、内視鏡的アセンブリ及びハンドルアセンブリを含む。内視鏡的アセンブリは、シャフトアセンブリ、及びシャフトアセンブリに動作可能に連結し、シャフトアセンブリから延びる一対のジョー部材を含む。ハンドルアセンブリは、内視鏡的アセンブリに選択的に接続可能なハウジング、ハウジングから延びる固定されたハンドル、及び固定されたハンドルに枢動可能に接続されたトリガを含む。駆動バーは、ハンドルアセンブリのハウジング内に配置され、トリガ及び一対のジョー部材に動作可能に連結される。駆動バーは、トリガの作動時に、離間構成と接近構成との間で一対のジョー部材を移動させるように長手方向に移動可能である。ラチェットアセンブリは、ハンドルアセンブリのハウジング内に配置される。ラチェットアセンブリは、駆動バーの上部の上に画定された第1のラックを含む。第1のラックは、その遠位端と近位端との間にある第1の長さを含む。第2のラックは、駆動バーの上部の上に画定される。第2のラックは、その遠位端と近位端との間にある第2の長さを含む。第2のラックの第2の長さは、第1のラックの第1の長さ未満である。第1の歯止めは、ハンドルアセンブリ内に移動可能に取り付けられ、第1のラックと選択的に係合可能である。第1の歯止めは、第1の位置と第2の位置との間で横方向に摺動自在である。解除スイッチは、ハンドルアセンブリのハウジング内に少なくとも部分的に支持され、第1の歯止めと動作可能に関連する。解除スイッチは、第1の歯止めを、その第1の位置からその第2の位置に横方向に移動させるように、選択的に作動可能である。第1の歯止めの第1の位置では、第1の歯止めは、駆動バーが第1のラックの第1の長さと同等の第1の距離を移動するまで、トリガの移動の方向の逆転を妨げるように第1のラックと位置合わせされる。第1の歯止めの第2の位置では、第1の歯止めは、駆動バーが第2のラックの第2の長さと同等の第2の距離を移動するまで、トリガの移動の方向の逆転が妨げられるように、第1の歯止めを第1のラックから係脱するように、第1のラックに対して横方向に移動される。
【0026】
実施形態では、ラチェットアセンブリは、ハンドルアセンブリ内に可動に取り付けられ、第2のラックと選択的に係合可能な第2の歯止めを含む。トリガの移動時に、トリガの移動の方向の逆転は、第2の歯止めが第2のラックの遠位端を越えて遠位に、または第2のラックの近位端を越えて近位に配置されるまで、妨げられる。
例えば、本願は以下の項目を提供する。
(項目1)
内視鏡的外科用クリップアプライヤであって、
内視鏡的アセンブリであって、
シャフトアセンブリと、
上記シャフトアセンブリに動作可能に連結し、上記シャフトアセンブリから延びる一対のジョー部材と、
を含む、内視鏡的アセンブリと、
ハンドルアセンブリであって、
上記内視鏡的アセンブリに選択的に接続可能なハウジングと、
上記ハウジングから延びる固定されたハンドルと、
上記固定されたハンドルに枢動可能に接続されたトリガと、
上記ハンドルアセンブリの上記ハウジング内に配置され、上記トリガの作動時に、離間構成と接近構成との間で上記一対のジョー部材を移動させるように、上記トリガ及び上記一対のジョー部材に動作可能に連結された駆動バーと、
上記ハンドルアセンブリの上記ハウジング内に配置されたラチェットアセンブリであって、
上記駆動バーに動作可能に連結された第1のラックであって、複数の第1のラック歯を画定する、第1のラックと、
上記第1のラックから間隙を介して上記駆動バーに動作可能に連結された第2のラックであって、複数の第2のラック歯を画定する、第2のラックと、
上記ハンドルアセンブリの上記ハウジング内に摺動自在に取り付けられた歯止めハウジングであって、上記第1のラックの上記複数の第1のラック歯と選択的に係合可能な第1の歯止めを有し、かつ第1の位置と第2の位置との間で横方向に摺動自在である、歯止めハウジングと、
ハンドルアセンブリのハウジング内に移動可能に取り付けられ、第2のラックの複数の第2のラック歯と選択的に係合可能である、第2の歯止めと、
を含み、
上記歯止めハウジングの上記第1の位置では、上記第1の歯止めは、上記第1の歯止めが上記第1のラックの近位端または遠位端を越えて配置されるまで、上記トリガの移動の方向の逆転を妨げるように、上記第1のラックの上記複数の第1のラック歯と位置合わせされ、
上記歯止めハウジングの上記第2の位置では、上記第1の歯止めは、上記第2の歯止めが上記第2のラックの遠位端を越えて遠位に、または上記第2のラックの近位端を越えて近位に配置された後、上記トリガの移動の方向の逆転を可能にするように、上記第1のラックの上記複数の第1のラック歯との位置合わせから外れる、ラチェットアセンブリと、
を含む、ハンドルアセンブリと、
を含む、内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
(項目2)
上記第1のラックが、その上記遠位端と上記近位端との間の第1の長さを含み、上記第2のラックが、その上記遠位端と上記近位端との間の第2の長さを含み、上記第2のラックの上記第2の長さが、上記第1のラックの上記第1の長さ未満である、上記項目に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
(項目3)
上記ラチェットアセンブリは、上記ハンドルアセンブリの上記ハウジング内に少なくとも部分的に支持され、上記歯止めハウジングと動作可能に関連した解除スイッチを含み、上記解除スイッチは、上記歯止めハウジングをその上記第1の位置からその上記第2の位置に移動させるように、選択的に作動可能であり、上記歯止めハウジングの上記第2の位置では、上記歯止めハウジングは、上記第1の歯止めを上記第1のラックの上記複数の第1のラック歯から係脱するように、上記第1のラックに対して横方向に移動される、上記項目のいずれか一項に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
(項目4)
上記第2の歯止めは、その第1の位置で上記第2のラックの上記複数の第2のラック歯と選択的に係合可能である、上記項目のいずれか一項に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
(項目5)
上記ラチェットアセンブリは、上記第1のラックの上記遠位端に隣接して配置される遠位ウェルを更に含み、上記歯止めハウジングは、上記トリガの非作動位置において上記遠位ウェル内に位置する、上記項目のいずれか一項に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
(項目6)
上記ラチェットアセンブリは、上記第1のラックの上記近位端と上記第2のラックの上記遠位端との間に配置される近位ウェルを更に含み、上記第2の歯止めは、上記トリガの上記非作動位置において上記近位ウェル内に位置する、上記項目のいずれか一項に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
(項目7)
上記第1のラックは、上記第2のラックの遠位の位置に配置される、上記項目のいずれか一項に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
(項目8)
上記解除スイッチが作動されるとき、上記第2の歯止めは、上記第2の歯止めが上記近位ウェル内に配置されるまでか、または上記第2の歯止めが上記第2のラックの上記近位端を越えて近位に配置されるまで、その上記第1の位置において、上記第2のラックの上記複数の第2のラック歯との位置合わせを維持する、上記項目のいずれか一項に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
(項目9)
上記駆動バーは、上記トリガの作動時に長手方向に移動可能であり、上記駆動バーが第1の方向に長手方向に移動し、上記解除スイッチが作動されない場合、上記第1の歯止め及び上記第2の歯止めは、上記第1の歯止めが上記遠位ウェル内に配置され、上記第2の歯止めが上記近位ウェル内に配置されるまでか、または上記第1の歯止めが上記第1のラックの上記近位端に配置され、上記第2の歯止めが上記第2のラックの上記近位端を越えて近位に配置されるまで、第2の反対の方向での上記駆動バーの長手方向の移動が妨げられるように、上記第1及び上記第2のラックの上記複数の第1のラック歯及び上記複数の第2のラック歯上に各々移動される、上記項目のいずれか一項に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
(項目10)
上記駆動バーは、上記トリガの作動時に長手方向に移動可能であり、上記駆動バーが第1の方向に長手方向に移動し、上記解除スイッチが上記歯止めハウジングを上記第2の位置に移動させるように作動される場合、第2の反対の方向での上記駆動バーの長手方向の移動は、上記第2の歯止めが上記近位ウェル内に配置されるまでか、または上記第2の歯止めが上記第2のラックの上記近位端を越えて近位に配置されるまで妨げられる、上記項目のいずれか一項に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
(項目11)
上記駆動バーが上記第1の方向に長手方向に移動し、上記解除スイッチが上記歯止めハウジングを上記第2の位置に移動させるように作動される場合、上記第2の歯止めは、上記トリガが部分的作動位置に到達するにつれて、上記第2のラックの上記近位端を越えて配置され、上記駆動バーは、上記トリガが上記部分的作動位置から完全非作動位置に到達するにつれて、上記第2の反対の方向で長手方向に移動可能である、上記項目のいずれか一項に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
(項目12)
上記内視鏡的アセンブリは、上記シャフトアセンブリ内に摺動自在に配置され、上記一対のジョー部材の間に選択的に形成可能な複数の外科用クリップを更に含み、上記歯止めハウジングが上記第1の位置にあるとき、上記第1の歯止めは、上記トリガの作動時に、上記トリガが完全駆動位置に移動され、上記複数の外科用クリップの最遠位の外科用クリップが上記一対のジョー部材の間に完全に形成されるまで、上記トリガがその上記移動の方向を逆転できないように、上記駆動バー上に配置された上記第1のラックと位置合わせされる、上記項目のいずれか一項に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
(項目13)
上記歯止めハウジングが上記第2の位置にあるとき、上記第1の歯止めは、上記複数の外科用クリップの上記最遠位の外科用クリップが上記一対のジョー部材の間に部分的に形成されるように、上記第2の歯止めが上記第2のラックの上記近位端を越えて配置され、上記トリガが上記部分的作動位置に移動されるときに、上記トリガがその上記移動の方向を逆転させることができるように、上記駆動バー上に配置された上記第1のラックとの位置合わせから外れる、上記項目のいずれか一項に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
(項目14)
上記歯止めハウジングがその中のチャネルを画定し、上記第1の歯止めは、上記歯止めハウジングの上記チャネル内に位置する、上記項目のいずれか一項に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
(項目15)
上記ラチェットアセンブリは、スイッチピンを含み、上記歯止めハウジングは、上記スイッチピンを位置付けるように構成されたその中の中央スロットを画定し、上記スイッチピンは、上記第1の歯止めを上記歯止めハウジングの上記チャネル内に支持するように、上記歯止めハウジングの上記チャネル及び上記第1の歯止めを通って摺動自在に延びる、上記項目のいずれか一項に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
(項目16)
上記解除スイッチは、第1の後端キャップと第2の後端キャップとを含み、上記ハウジングの第1の側面は、上記解除スイッチの上記第1の後端キャップを摺動自在に受容するように構成された第1のスイッチスロットを含み、上記ハウジングの第2の側面は、上記解除スイッチの上記第2の後端キャップを摺動自在に受容するように構成された第2のスイッチスロットを含む、上記項目のいずれか一項に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
(項目17)
上記解除スイッチの上記第1の後端キャップは、上記歯止めハウジングの第1の側面上にある上記スイッチピンの第1の端部上で支持され、上記解除スイッチの上記第2の後端キャップは、上記歯止めハウジングの第2の反対の側面上にある上記スイッチピンの第2の端部上で支持され、それによって、上記解除スイッチは、上記解除スイッチを作動させるように、上記歯止めハウジングの上記第1及び第2の側面から上記第1及び第2の後端キャップを介して各々アクセス可能となる、上記項目のいずれか一項に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
(項目18)
上記ラチェットアセンブリは、上記ハンドルアセンブリの上記ハウジング内に支持された第1の歯止めばね及び第2の歯止めばねを更に含み、上記第1の歯止めばねは、上記第1の歯止めを、上記第1のラックの上記複数の第1のラック歯との係合へ付勢するように構成され、上記第2の歯止めばねは、上記第2の歯止めを、上記第2のラックの上記複数の第2のラック歯との係合へ付勢するように構成される、上記項目のいずれか一項に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
(項目19)
内視鏡的外科用クリップアプライヤであって、
内視鏡的アセンブリであって、
シャフトアセンブリと、
上記シャフトアセンブリに動作可能に連結し、上記シャフトアセンブリから延びる一対のジョー部材と、
を含む、内視鏡的アセンブリと、
ハンドルアセンブリであって、
上記内視鏡的アセンブリに選択的に接続可能なハウジングと、
上記ハウジングから延びる固定されたハンドルと、
上記固定されたハンドルに枢動可能に接続されたトリガと、
上記ハンドルアセンブリの上記ハウジング内に配置され、上記トリガ及び上記一対のジョー部材に動作可能に連結された駆動バーであって、上記トリガの作動時に、離間構成と接近構成との間で上記一対のジョー部材を移動させるように長手方向に移動可能な、駆動バーと、
上記ハンドルアセンブリの上記ハウジング内に配置されたラチェットアセンブリであって、
上記駆動バーの上部の上に画定された第1のラックであって、その遠位端と近位端との間の第1の長さを含む、第1のラックと、
上記駆動バーの上部の上に画定された第2のラックであって、その遠位端と近位端との間の第2の長さを含み、上記第2のラックの上記第2の長さが、上記第1のラックの上記第1の長さ未満である、第2のラックと、
上記ハンドルアセンブリ内に移動可能に取り付けられ、上記第1のラックと選択的に係合可能な第1の歯止めであって、第1の位置と第2の位置との間で横方向に摺動自在な、第1の歯止めと、
上記ハンドルアセンブリの上記ハウジング内に少なくとも部分的に支持され、上記第1の歯止めと動作可能に関連した解除スイッチであって、上記第1の歯止めをその上記第1の位置からその上記第2の位置に横方向に移動させるように、選択的に作動可能であり、上記第1の歯止めの上記第1の位置では、上記第1の歯止めは、上記駆動バーが上記第1のラックの上記第1の長さと同等の第1の距離を移動するまで、上記トリガの上記移動の方向の逆転を妨げるように、上記第1のラックと位置合わせされ、上記第1の歯止めの上記第2の位置では、上記第1の歯止めは、上記駆動バーが上記第2のラックの上記第2の長さと同等の第2の距離を移動するまで、上記トリガの上記移動の方向の逆転が妨げられるように、上記第1の歯止めを上記第1のラックから係脱するように、上記第1のラックに対して横方向に移動される、解除スイッチと、
を含む、ラチェットアセンブリと、
を含む、ハンドルアセンブリと、
を含む、内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
(項目20)
上記ラチェットアセンブリは、上記ハンドルアセンブリ内に移動可能に取り付けられ、上記第2のラックと選択的に係合可能な第2の歯止めを含み、上記トリガの移動直後に、上記第2の歯止めが上記第2のラックの上記遠位端を越えて遠位に、または上記第2のラックの上記近位端を越えて近位に配置されるまで、上記トリガの上記移動の方向の逆転が妨げられる、上記項目に記載の内視鏡的外科用クリップアプライヤ。
(摘要)
内視鏡的外科用クリップアプライヤは、内視鏡的アセンブリ及びハンドルアセンブリを含む。ハンドルアセンブリは、ハウジング、トリガ、駆動バー、及びラチェットアセンブリを含む。ラチェットアセンブリは、第1のラック、第2のラック、第1のラックと係合可能な歯止めハウジング、及び第2のラックと係合可能な第2の歯止めを含む。第1の位置では、歯止めハウジングは、歯止めハウジングが第1のラックの近位端または遠位端を越えて配置されるまで、トリガの移動の方向の逆転を妨げるように、第1のラックと位置合わせされる。第2の位置では、歯止めハウジングは、第2の歯止めが第2のラックの遠位端を越えて遠位に、または第2のラックの近位端を越えて近位に配置された後、トリガの移動の逆転を可能にするように、第1のラックとの位置合わせから外れる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
内視鏡的外科用クリップアプライヤの特定の実施形態は、以下の図を参照して本明細書において説明される。
【0028】
【
図1】内視鏡的アセンブリ及びハンドルアセンブリを含む、本開示による内視鏡的外科用クリップアプライヤの透視図。
【
図2A】
図1のハンドルアセンブリの、部品が別々の状態である透視図。
【
図2B】少なくともハウジングの半分がそこから取り除かれた状態の
図1のハンドルアセンブリの側面図であり、そのラチェット機構を示す。
【
図3A】少なくとも上部のハウジング部分がそこから取り除かれたか、または切り取られた状態の
図1のハンドルアセンブリの透視図であり、そのラチェットアセンブリを示す。
【
図3C】
図1のハンドルアセンブリのラチェットアセンブリの歯止めを含む歯止めハウジングを示す拡大透視図である。
【
図4A】
図1の4A~4Aを通って取られた断面平面図であり、第1の位置でのラチェットアセンブリを示す。
【
図4B】
図1の4A~4Aを通って取られた断面平面図であり、第2の位置でのラチェットアセンブリを示す。
【
図5A】
図2Aのハンドルアセンブリの側面図であり、ラチェットアセンブリの第1の構成における
図2Bのラチェットアセンブリを説明する。
【
図5B】
図2Aのハンドルアセンブリの側面図であり、ラチェットアセンブリの第2の構成における
図2Bのラチェットアセンブリを説明する。
【
図6】部品が別々である、
図1の内視鏡的アセンブリの透視図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本開示によると、内視鏡的外科用クリップアプライヤは、第1の歯止めを有する歯止めハウジングと動作可能に関連する、第1の長さを伴う、第1のラックを有するラチェットアセンブリを含む。第1のラックの第1の長さ未満の第2の長さを伴う第2のラックは、第2の歯止めと動作可能に関連する。解除スイッチは、歯止めハウジング及び第1の歯止めと動作可能に関連する。実施形態では、トリガの作動時に、第1及び第2の歯止めは、第1及び第2の歯止めが第1及び第2のラックの各々の隙間内に配置されるまで、トリガの移動の方向の解除及び逆転を妨げるように、第1及び第2のラックの複数の第1及び第2のラック歯に係合するように構成される。実施形態では、解除スイッチは、第2の歯止めが第2のラックの第2のより少ない長さを横断した後に、トリガの移動の方向が早く逆転し得るように、第1の歯止めを、第1のラックの複数の第1のラック歯との位置合わせから外すように選択可能に作動可能である。解除スイッチは、例えば、胆管造影または他の医療処置の間に組織の周囲にカテーテルを固定するために、必要に応じて、クリップを部分的に形成するために有用であり得る。
【0030】
本開示によると、内視鏡的外科用クリップアプライヤの実施形態は、ここで、同様の参照番号が同様または同一の構造要素を特定する作図を参照して詳述される。図に示され、以下の説明を通して説明される通り、従来通りに、手術器具上の相対的な位置を参照するとき、用語「近位」は、使用者により近い、装置の端部を指し、用語「遠位」は、使用者から遠い、装置の端部を指す。
【0031】
ここで
図1~6を参照すると、本開示の実施形態による内視鏡的外科用クリップアプライヤは、概して、10と指定される。外科用クリップアプライヤ10は、概して、ハンドルアセンブリ100及びハンドルアセンブリ100から遠位に延びる内視鏡的アセンブリ200を含む。概して、内視鏡的アセンブリ200は、ハブアセンブリ210、ハブアセンブリ210から延びるシャフトアセンブリ220、及びシャフトアセンブリ220の遠位端に枢動可能に接続された一対のジャー250を含む。任意で、少なくとも1つの使い捨て外科用クリップカートリッジアセンブリ(図示せず)が、内視鏡的アセンブリ200のシャフトアセンブリ220に選択的に搭載可能であってもよい。
【0032】
ここで
図1~2Bを参照すると、外科用クリップアプライヤ10のハンドルアセンブリ100は、第1または右側半分102a及び第2または左側半分102bを有するハウジング102を含む。ハンドルアセンブリ100のハウジング102は、内視鏡的アセンブリ200のハブアセンブリ210を支持するためのノーズ102c、及び固定されたハンドル102dを更に含むか、または画定する。
【0033】
ハンドルアセンブリ100のハウジング102は、適切なポリマー、プラスチック、または熱可塑性プラスチック材料から形成され得る。ハンドルアセンブリ100のハウジング102は、ステンレス鋼等から製造され得ることが更に考えられる。
【0034】
ハンドルアセンブリ100は、ハウジング102の右側半分102aと左側半分102bとの間に旋回可能に支持されたトリガ104を含む。トリガ104は、トリガ104及び固定されたハンドル102dが近づくように、第1の方向で旋回可能に可動であり、トリガ104及び固定されたハンドル102dが離れるように、第2の反対の方向に旋回可能に可動である。
【0035】
駆動バー106は、ハンドルアセンブリ100のハウジング102内に支持される。駆動バー106は、遠位端部106a及び近位端部106bを有する実質的に平坦な部材であり得る。駆動バー106の遠位端部106aは、内視鏡的アセンブリ200の特徴と一致するように提供されるフック部材114を含む。駆動バー106は、トリガ104の作動時に、一対のジャー250を離間構成と接近構成との間で移動させるように、トリガ104、及び内視鏡的アセンブリ200の一対のジャー250に動作可能に連結される。具体的に、ハンドルアセンブリ100は、トリガ104及び駆動バー106に連結するように構成されたV字形リンク108を含む。V字形リンク108は、テール108aを有する第1の端部と、間に間隔108dを画定するように相隔たる第1及び第2のアーム108b、108cを有する第2の端部とを含む。V字形リンク108のテール108aは、トリガスロット104aを通ってトリガ104に旋回可能に接続される。具体的に、V字形リンク108のテール108aは、トリガスロット104a内に画定されるピン(特に図示せず)を旋回可能に位置付けるために構成された開口108fを含む。第1のアーム108bと第2のアーム108cとの間の間隔108dは、駆動バー106を受容するように構成される。V字形リンク108の第1及び第2のアーム108b、108c、ならびに駆動バー106は、V字形リンク108及び駆動バー106を旋回可能に接続するために駆動バーのピン110を位置付けるように構成された対応する開口部108e、106cを各々含む。V字形リンク108は、以下で詳述される通り、トリガ104の旋回動作を駆動バー106の長手方向の移動に変換するように構成される。
【0036】
駆動バー106は、搭載する1つ以上の駆動構造を移動させ、完全に、または部分的にクリップ(図示せず)を形成するために一対のジャー250を作動させ、その後、次のクリップ適用のために最初の位置にリセットするように構成される。これを得るために、付勢部材、例えば、第1の復帰ばね112が、遠位端部106aに隣接する駆動バー106を囲うように配置され、それによって、トリガ104が作動され、かつV字形リンク108が長手方向または遠位の様式で駆動バー106を前進させた後、駆動バー106及びトリガ104を、次のクリップ適用のために、その元の位置に戻すように、第1の復帰ばね112が提供されるようになる。
【0037】
引き続き
図2A及び2Bを参照すると、外科用クリップアプライヤ10は、ハンドルアセンブリ100のハウジング102内に配置されたラチェットアセンブリ300を含む。ラチェットアセンブリ300は、概して、第1のラック310、第1のラック310と動作可能に関連する第1の歯止め330を有する歯止めハウジング320、ハンドルアセンブリ100のハウジング102内に少なくとも部分的に支持され、歯止めハウジング320、次に第1の歯止め330と動作可能に関連した解除スイッチ340、第2のラック350、及び第2のラック350に動作可能に関連する第2の歯止め360を含む。
【0038】
図2Bで示される通り、第1及び第2のラック310、350は、駆動バー106の上面106dによって支持されるか、またはその上に提供される。第1のラック310は、遠位端310a及び近位端310bを含む。第1のラック310は、その遠位端310aと近位端310bとの間で直列に複数の第1のラック歯312を画定する。同様に、第2のラック350は、遠位端350a及び近位端350bを含む。第2のラック350は、その遠位端350aと近位端350bとの間で直列に複数の第2のラック歯352を画定する。
【0039】
駆動バー106の上面106dはまた、第1のラック310の遠位端310aに隣接して位置する遠位隙間またはウェル314a、及び第1のラック310の近位端310bと第2のラック350の遠位端350aとの間に位置する近位隙間またはウェル314bを含む。
図2Bに示され、以下で更に詳述される通り、ラチェットアセンブリ300が初期及び/またはリセット位置にあるとき、遠位ウェル314aは、第1の歯止め330を受容するように構成され、近位ウェル314bは、第2の歯止め360を受容するように構成される。
【0040】
引き続き
図2A及び2Bを参照し、更に
図3A~3Cを参照すると、歯止めハウジング320は、ハウジング102の右側半分102aと左側半分102bとの間にあるハンドルアセンブリ100内に摺動自在に取り付けられる。具体的に、ラチェットアセンブリ300は、遠位支持ピン302a及び近位支持ピン302bを含み、歯止めハウジング320は、遠位支持ピン302a及び近位支持ピン302bを各々位置付けるように構成された遠位支持スロット322a及び近位支持スロット322bを含む。遠位支持ピン302a及び近位支持ピン302bは、歯止めハウジング320をハンドルアセンブリ100のハウジング102内に摺動自在に取り付けるように、ハウジング102の複数の対応するスロット103a上に取り付けられる。実施形態では、
図3Cに最も良く示される通り、歯止めハウジング320は、ハウジング102の右側半分102aまたは左側半分102bの少なくとも1つから延びる、第1の誘導特徴103b及び第2の誘導特徴103cを各々位置付けるために構成された第1の誘導チャネル323a及び第2の誘導チャネル323bを更に含む。第1及び第2の誘導特徴103b、103cは、遠位及び近位支持ピン302a、302bを各々位置付けるために、歯止めハウジング320の遠位及び近位支持スロット322a、322bを、ハウジング102の複数の対応するスロット103aと並べるように提供されることが考えられる。
【0041】
図3Cに示される通り、歯止めハウジング320は、第1の歯止め330をその中に位置付けるように構成されたチャネルまたは凹所324を更に画定する。第1の歯止め330は、第1の歯止め330が第1のラック310と実質的に作動係合/位置合わせされる位置でスイッチピン332(
図2Aを参照されたい)によって歯止めハウジング320に旋回可能に接続される。スイッチピン332は、歯止めハウジング320において画定された中央スロット326及び第1の歯止め330において画定された対応するスロット334を通って延びる。ラチェットアセンブリ300は、歯止めハウジング320内に配置され、かつ第1の歯止め330を、第1のラック310(
図5Aを参照されたい)と作動係合または位置合わせさせるように垂直に付勢するように構成された第1の歯止めばね336を更に含む。具体的に、第1の歯止めばね336は、遠位支持ピン302a(
図2Aを参照されたい)に掛かるように構成された遠位フック336a及び近位支持ピン302b(
図2Aを参照されたい)に掛かるように構成された近位フック336bを含む。第1の歯止めばね336は、第1の歯止め330の第1の歯止め歯338を、複数の第1のラック歯312(
図5Aを参照されたい)との位置合わせまたは係合に維持し、第1の歯止め330を回転した、または傾いた配置に維持するように構成された様式で配置されることが考えられる。
【0042】
手短に
図2A及び2Bに戻ると、第2の歯止め360は、第2の歯止め360が第2のラック350と実質的に作動係合/位置合わせされる位置で、第2の歯止めピン362によってハウジング102の右側半分102aと左側半分102bの間にあるハンドルアセンブリ100内に旋回可能に取り付けられる。第2の歯止めピン362は、第2の歯止め360に画定されたスロット364を通って延びる。ラチェットアセンブリ300は、第2の歯止め360を、第2のラック350と作動係合/位置合わせさせるように垂直に付勢するように構成された第2の歯止めばね366を更に含む。第2の歯止めばね366は、ハウジング102の一対の支持ピン116a、116bに各々掛かるように構成された遠位フック366a及び近位フック366bを含む。第2の歯止めばね366は、第2の歯止め360の第2の歯止め歯368を、複数の第2のラック歯352(
図5Aを参照されたい)との位置合わせまたは係合に維持し、第2の歯止め360を回転した、または傾いた配置に維持するように構成された様式で配置されることが考えられる。
【0043】
図4A及び4Bを参照すると、ラチェットアセンブリ300は、ハンドルアセンブリ100のハウジング102内に少なくとも部分的に支持された解除スイッチ340を更に含む。上述の通り、解除スイッチ340は、歯止めハウジング320と動作可能に関連し、歯止めハウジング320、次に第1の歯止め330を、選択的に第1のラック310の複数の第1のラック歯312との位置合わせさせるか、またはそれから外すように動作可能である。
【0044】
具体的に、解除スイッチ340は、スイッチピン332の第1の端部332a上に摺動自在に支持された第1の後端キャップ342a、及びスイッチピン332の第2の端部332b上に摺動自在に支持された第2の後端キャップ342bを含む。第1の後端キャップ342aは、第1の延長部343aを有し、実質的に「T」形状の外形を画定する。第1の後端キャップ342aは、スイッチピン332の第1の端部332aを摺動自在に受容する大きさであり、そのように構成された第1のチャネルまたは穴345aをその中に画定する。同様に、第2の後端キャップ342bは、第2の延長部343bを有し、実質的に「T」形状の外形を画定する。第2の後端キャップ342bは、スイッチピン332の第2の端部332bを摺動自在に受容する大きさであり、そのように構成された第2のチャネルまたは穴345bをその中に画定する。
【0045】
実施形態では、第1及び第2の後端キャップ342a、342bは、円筒形状であり、各々、第1の直径「D1」を含む。同様に、実施形態では、第1及び第2の延長部343a、343bは、円筒形状であり、各々、第1の直径「D1」未満である第2の直径「D2」を含む。代替的に、第1及び第2の後端キャップ342a、342b及び第1及び第2の延長部343a、343bは、各々、その意図された目的のために必要に応じて様々な形状及び大きさを含み得る。
【0046】
ハウジング102の右側半分102aは、第1の後端キャップ342aを摺動自在に受容する大きさであり、そのように構成された第1のスイッチスロットまたは穴105を含み、ハウジング102の左側半分102bは、第2の後端キャップ342bを摺動自在に受容する大きさであり、そのように構成された第2のスイッチスロットまたは穴107を含む。第1及び第2の後端キャップ342a、342bが、第1及び第2のスイッチスロット105、107内に各々受容されると、第1及び第2の延長部343a、343bは、歯止めハウジング320の第1の側面328a及び第2の側面328bに各々接触するように提供される。
【0047】
実施形態では、第1及び第2のスイッチスロット105、107は、各々、第1の部分105a、107aを含み、それは、第1及び第2の後端キャップ342a、342bの第1の直径「D1」よりわずかに大きい第3の直径「D3」を画定し、それは、その間の顕著な緩みまたは隙間を持たずに、第1及び第2の後端キャップ342a、342bの、各々の第1及び第2のスイッチスロット105、107の第1の部分105a、107aへの摺動自在な挿入を可能にするためである。第1及び第2のスイッチスロット105、107は、内壁105b、107bを各々更に含む。スロット105、107の内壁105b、107bは、各々、第1及び第2の後端キャップ342a、342bの、第1の部分105a、107aの各々を越える摺動自在な挿入を防止するために提供される。スロット105、107の内壁105b、107bは、各々、第1の部分105a、107aの第3の直径「D3」未満である第4の直径「D4」を各々画定する開口105c、107cを各々画定する。各開口105c、107cの第4の直径「D4」は、第1及び第2の延長部343a、343bの第2の直径「D2」よりわずかに大きく、それは、その間の顕著な緩みまたは隙間を持たずに、第1及び第2の延長部343a、343bの、開口105c、107cへの摺動自在な挿入を可能にするためである。
【0048】
第1及び第2の後端キャップ342a、342bは、各々、第1及び第2のスイッチスロット105、107から突出し、解除スイッチ340を作動させるために、使用者の指によって作動され得る。第1及び第2のスイッチスロット105、107の第1の部分105a、107aは、第1及び第2の後端キャップ342a、342bが、各々、解除スイッチ340を作動させるためにそこを通過して移動することができるように、十分な通路を各々提供することが考えられる。
【0049】
実施形態では、ハンドルアセンブリ100のハウジング102は、解除スイッチ340の不注意な作動を抑制するために、第1及び第2の後端キャップ342a、342bを囲う保護壁(特に図示せず)と共に提供され得る。いくつかの実施形態では、第1及び第2の後端キャップ342a、342bは、また、解除スイッチ340の不注意な作動を抑制するために、ハンドルアセンブリ100のハウジング102の外面と一体になり得る。
【0050】
解除スイッチ340は、第1または第2の後端キャップ342a、342bの作動時に、第1の歯止め330が第1のラック310の複数の第1のラック歯312と作動係合/位置合わせされているか、またはそのようにされる第1の位置(
図4Aを参照されたい)と、第1の歯止め330が第1のラック310の複数の第1のラック歯312と作動係合/位置合わせから外れているか、またはそのようにされる第2の位置(
図4Bを参照されたい)との間で可動である。
【0051】
解除スイッチ340、次にラチェットアセンブリ300は、第1の歯止め330が複数の第1のラック歯312と係合される/位置合わせされる第1の位置に戻ることが考えられる。その目的で、解除スイッチ340は、歯止めハウジング320の第1の側面328aと第1のスイッチスロット105の内壁105bとの間で延びる、第1の後端キャップ343aの第1の延長部343a上に支持された第1の付勢部材344を含み、歯止めハウジング320の第2の側面328bと第2のスイッチスロット107の内壁107bとの間で延びる、第2の後端キャップ342bの第2の延長部343b上に支持された第2の付勢部材346を含む。第1の付勢部材344は、第1の付勢力「BF1」を含み、第2の後端キャップ342bを第2のスイッチスロット107の内壁107bから離すように付勢または促すために提供される。同様に、第2の付勢部材346は、第2の付勢力「BF2」を含み、第1の後端キャップ342aを第1のスイッチスロット105の内壁105bから離すように付勢または促すために提供される。共に、第1及び第2の付勢部材344、346は、歯止めハウジング320が第1のラック310(
図4Aを参照されたい)に対して中心にあり、第1の歯止め330が、駆動バー106の長手方向の移動を制限するように第1のラック310と係合可能であるように、歯止めハウジング320を第1の位置に維持するように連携する。
【0052】
上述の通り、解除スイッチ340は、第1または第2の後端キャップ342a、342bの作動時に、第1の位置から第2の位置に作動可能である。したがって、説明の目的で、解除スイッチ340、概してラチェットアセンブリ300の使用が、第1の後端キャップ342aの作動を参照して詳述される。
【0053】
図2Bを簡単に参照すると、最初及び/またはリセット位置では、第1の歯止め330は、遠位ウェル314a内に配置され、第2の歯止め360は、近位ウェル314b内に配置される。
【0054】
引き続き
図2Bを参照し、更に
図5Aを参照すると、ラチェットアセンブリ300の正常な作動が開示される。使用時、トリガ104が作動されるにつれて、完全非作動位置から、第1及び第2のラック310、350の複数の第1及び第2のラック歯312、352は、各々、第1及び第2の歯止め330、360の第1の歯止め歯338及び第2の歯止め歯368と各々、位置合わせ、または係合される(
図5Aを参照されたい)。第1の位置では、第1の歯止めばね336(
図3Cを参照されたい)が、第1のラック310との作動係合/位置合わせに第1の歯止め330を垂直に付勢し、第2の歯止めばね366が、第2のラック350との作動係合/位置合わせに第2の歯止め360を垂直に付勢することが考えられる。
【0055】
第1のラック310は、第1の長さ「L1」(
図5Aを参照されたい)を有し、それは、トリガ104が完全駆動位置に到達する際に、第1のラック310が一対のジャー250(
図1を参照されたい)に対して遠位方向に移動するにつれて、第1の歯止め330が第1のラック310上を逆行する(遠位ウェル314aから、
図2Bを参照されたい)ことを可能にし、トリガ104が完全非作動位置に到達する際に、第1のラック310が一対のジャー250に対して近位方向に移動すると、第1の歯止め330が第1のラック310上を前進して戻る(第1のラック310の近位端310bから、特に図示せず)ことを可能にする。第1のラック310の第1の長さ「L1」は、トリガ104、駆動バー106、またはハンドルアセンブリ100(
図1を参照されたい)の完全ストローク長を画定し、そこで、クリップが完全に形成され、外科用クリップアプライヤ10から発射されている。トリガ104の完全ストローク長の間、ラチェットアセンブリ300の正常作動において、駆動バー106が、第1のラック310のおよそ第1の長さ「L1」と同等な、歯止めハウジング320に対する第1の距離を移動されることが考えられる。
【0056】
第2のラック350は、第1のラック310の第1の長さ「L1」未満である第2の長さ「L2」(
図5Aを参照されたい)を有する。第2の長さ「L2」は、トリガ104が部分的作動位置に到達する際に、第2のラック350が一対のジャー250(
図1を参照されたい)に対して遠位方向に移動するにつれて、第2の歯止め360が第2のラック350上を逆行する(近位ウェル314bから、
図2Bを参照されたい)ことを可能にし、トリガ104が完全非作動位置に到達する際に、第2のラック320が一対のジャー250に対して近位方向に移動すると、第2の歯止め360が第2のラック350上を前進して戻る(第2のラック350の近位端350bの近位である位置から、
図2Bを参照されたい)ことを可能にする。第2のラック350の第2の長さ「L2」は、トリガ104、駆動バー106、またはハンドルアセンブリ100(
図1を参照されたい)の部分的ストローク長を画定し、そこで、クリップが部分的に形成されるか、または外科用クリップアプライヤ10から発射されるに十分形成され、クリップの、一対のジャー250へ不注意に二重搭載することなく、一対のジャー250に搭載された新しいクリップ。
【0057】
ラチェットアセンブリ300の正常作動において、第1及び第2の歯止め330、360ならびに各々の第1及び第2のラック310、350は、トリガ104、駆動バー106、またはハンドルアセンブリ100のストローク長が、外科用クリップアプライヤ10から発射される完全に形成されたクリップを得るために、第1のラック310のより大きい第1の長さ「L1」によって決定されるように、連携することが考えられる。
【0058】
ここで
図4A~5Bを参照すると、ラチェットアセンブリ300の部分的な作動が開示される。ラチェットアセンブリ300の部分的な作動によって、胆管造影処置等を行うとき、使用者が部分的に形成されたクリップを外科用クリップアプライヤ10から発射させることを可能になり得ると考えられる。また、ラチェットアセンブリ300の部分的な作動によって、クリップが不適切な位置に不注意に位置付けられるか、またはクリップが障害物上に位置付けられる場合、使用者が外科用クリップアプライヤ10からのクリップの発射を中断することを可能になり得ると考えられる。
【0059】
図5Aを参照すると、使用時、第1及び第2のラック310、350の複数の第1及び第2のラック歯312、352が、各々、第1及び第2の歯止め330、360の第1の歯止め歯338及び第2の歯止め歯368との位置合わせまたは係合のために第1の位置に移動されるように、トリガ104が作動された後(
図5Aを参照されたい)、解除スイッチ340は、第1の後端キャップ342aを、歯止めハウジング320の第1の側面328aに側面に沿って移動させるか、または押圧することによって第2の位置へ作動され得、それによって、第1の後端キャップ343aの第1の延長部343aは、歯止めハウジング320を第2の付勢部材346に横方向に移動させ、第1の歯止め330を第1のラック310の複数の第1のラック歯312との作動係合/位置合わせから外すために、歯止めハウジング320の第1の側面328aに係合するようになる。第2の付勢部材346への歯止めハウジング320の横断移動が、歯止めハウジング320の第2の側面328bと第2のスイッチスロット107の内壁107bとの間で第2の付勢部材346を圧縮する。このような方法で、第1の歯止め330は、第2の位置へ横方向に移動され、第1のラック310の複数の第1のラック歯312との位置合わせまたは係合から外れる。
【0060】
第2の位置では、第1の歯止め330が複数の第1のラック歯312との作動係合/位置合わせ外れるように横方向に移動され、第1のラック310の側面に隣接するとき、第1の歯止めばね336及び第2の付勢部材346の組み合わされた付勢は、第1の歯止め330に作用し、それによって、更に詳述される通り、第1の歯止め330が近位ウェル314b(特に図示せず)内に位置するように第1のラック310が遠位に移動されるまでか、または第1の歯止め330が遠位ウェル314a(
図2Bを参照されたい)内に位置するように第1のラック310が近位に移動されるまで、第1の歯止め330が第1のラック310(
図4Bを参照されたい)の側面に対して詰め込まれるか、または保持され、複数の第1のラック歯312から係脱されるようになる。
【0061】
図4Bに示される通り、解除スイッチ340は、第1の歯止め330を第2の位置に移動させるように作動されるが、
図5Bの第2の歯止め360の第2の位置に示される通り、第2の歯止め360は、第2の歯止め360が、第2のラック350を通過させるために第2のラック350の近位端350bの近位にある位置に移動されるまで、第1の位置に留まる(
図5Aを参照されたい)。第1の歯止め330が第1のラック310との位置合わせまたは係合から外れた状態で(
図4Bを参照されたい)、トリガ104、駆動バー106、またはハンドルアセンブリ100のストローク長が、第2のラック320のより少ない第2の長さ「L2」(第1のラック310の第1の長さ「L1」に対する)によって決定される。より少ない第2の長さ「L2」の間、第2の歯止め360と第2のラック350との間の係合/位置合わせは、ストロークの特定の部分の間、例えば、新しいクリップが、クリップの、一対のジャー250への不注意な二重搭載を伴わずに一対のジャー250に搭載され得るように、一対のジャー250に搭載されたクリップが、外科用クリップアプライヤ10から発射されるように十分に部分的に形成されるまで、トリガ104の不注意な復帰を防止する。ラチェットアセンブリ300の部分的作動におけるトリガ104の部分的ストローク長の間、駆動バー106は、第2のラック350のおよそ第2の長さ「L2」と同等の、第2の歯止め360に対する第2の距離を移動されることが考えられる。
【0062】
復帰ストロークの間、第2の歯止め360が、ラチェットアセンブリ300の部分的作動を完了するように、第2のラック350上に前進して戻り、近位ウェル314b内に配置されると(
図2Bを参照されたい)、トリガ104は、完全非作動位置に(その部分的作動位置から)戻され得る。トリガ104が完全非作動位置に移動される際に、新しいクリップが一対のジャー250へ搭載されることが考えられる。
【0063】
第2の歯止め360が近位ウェル314bに配置されると、第1の歯止め330は、遠位ウェル314aの方へ移動する。具体的に、第2の付勢部材346は、第1のラック310の更なる長手方向の移動時に、第1の歯止め330が第1のラック310の複数の第1のラック歯312と係合可能であるように第1の歯止め330が第1のラック310に対して中心にある第1の位置に向かって歯止めハウジング320を横方向に後退させるように第2の付勢力「BF2」が歯止めハウジング320に作用するように、拡張する(第1のラック310の側面によって妨げられずに)ことが許され、それによって、ラチェットアセンブリ300の操作性を有効にするか、または再度有効にする。
【0064】
本開示の図は、第1及び第2のラック310、350が駆動バー106上で長手方向に並行に並び、解除スイッチ340が第1の歯止め330と選択的に係合可能である構成を示すが、第1及び第2のラック310、350は、第1及び第2のラック310、350が逆行する、積み重ねられる、並べられるか、またはそれらの組み合わせである構成を含み得ることが考えられる。更に、解除スイッチ340は、第2の歯止め360と選択的に係合可能であり得ることが考えられる。加えて、解除スイッチ340を作動することは、可聴性及び/または触知性フィードバックを使用者に発し得ることが考えられる。
【0065】
上述及び
図6に示される通り、外科用クリップアプライヤ10は、ハブアセンブリ210、シャフトアセンブリ220、及び一対のジャー250を有する内視鏡的アセンブリ200を含む。ハブアセンブリ210は、ハンドルアセンブリ100のハウジング102のノーズ102c(
図2Aを参照されたい)上に回転可能に取り付けられ、シャフトアセンブリ220の長手方向の重心軸に対して、シャフトアセンブリ220及びその上の一対のジャー250の360℃の回転を提供するように、シャフトアセンブリ220の近位端部に接続される。ハブアセンブリ210は、臨床医の指を使用して簡単に回転されるように、適切な構成を有する。
【0066】
内視鏡的アセンブリ200は、トリガ104の作動時に一対のジャー250を離間構成と接近構成との間で移動させるように、駆動バー106を駆動機構400に動作可能に接続するための心棒リンク260を含む。具体的に、駆動バー106のフック部材114(
図2Bを参照されたい)は、心棒リンク260の第1の端部260aに連結され、駆動機構400の心棒270は、心棒リンク260の第2の端部260bに連結される。したがって、このような方法で、遠位及び近位方向への駆動バー106の平行移動は、各々、心棒270を前進させ、後退させることができる。
【0067】
駆動機構400は、クリップチャネル部材280の上に並行に並んだ様式で示される多数の外科用クリップ290を保持するための細長いクリップチャネル部材280を更に含む。クリップ従動子282及びクリップ従動子ばね284は、外科用クリップ290を細長いクリップチャネル部材280を通って遠位に促すように提供される。チャネルカバー286は、細長いクリップチャネル部材280を覆い、クリップ従動子282及びクリップ従動子ばね284、ならびに外科用クリップ290を保持し、細長いクリップチャネル部材280を通って遠位に誘導するように提供される。
【0068】
駆動機構400はまた、外科用クリップ290を一対のジャー250の間に供給するための供給棒410を有する。駆動機構400はまた、充填要素420及びくさび状プレート430を含む。
【0069】
内視鏡的アセンブリ200の構造及び操作のより詳細な説明に関しては、米国特許第7,637,917号が参照され得、その全体の内容は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0070】
前述の説明は、本開示を単に反映したものであることが理解されるべきである。様々な代替手段及び修正が本開示から逸脱することなく当業者によって考案されることができる。したがって、本開示は、全てのそのような代替普段、修正、及び変化を含むことを目的としている。添付された作図を参照して説明された実施形態は、本開示のある例を証明するためのみに提示される。上述及び/または添付の特許請求の範囲で説明される要素、ステップ、方法、及び技術とは非現実的に異なる他の要素、ステップ、方法、及び技術も、本開示の範囲内にあることを目的としている。