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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-13
(45)【発行日】2022-06-21
(54)【発明の名称】スロットマシン
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20220614BHJP
【FI】
A63F5/04 651
A63F5/04 602A
A63F5/04 614B
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018054684
(22)【出願日】2018-03-22
(65)【公開番号】P2019165865
(43)【公開日】2019-10-03
【審査請求日】2021-02-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000144153
【氏名又は名称】株式会社三共
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小倉 敏男
(72)【発明者】
【氏名】梶原 涼
【審査官】安藤 達哉
(56)【参考文献】
【文献】特許第6620772(JP,B2)
【文献】特開2018-015414(JP,A)
【文献】特開2019-058288(JP,A)
【文献】特開2017-225693(JP,A)
【文献】特開2014-236867(JP,A)
【文献】特許第6260683(JP,B1)
【文献】特開2019-170604(JP,A)
【文献】パワードラッグ,パチスロ必勝ガイドMAX2004年7月号 ,株式会社白夜書房,2004年07月01日,p.34
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を複数備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数の可変表示部の表示結果の組合せである表示結果組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、
前記複数の可変表示部のそれぞれに表示結果を導出させるために押下操作される複数の導出操作手段と、
前記複数の可変表示部のそれぞれに表示結果を導出させる制御を行う導出制御手段と、
有利状態に制御されていることを点灯によって示唆することが可能な点灯手段と、を備え、
前記複数の導出操作手段は、前記複数の可変表示部のうちの第1可変表示部に表示結果を導出させるために押下操作される第1導出操作手段と、前記複数の可変表示部のうちの第2可変表示部に表示結果を導出させるために押下操作される第2導出操作手段と、前記複数の可変表示部のうちの第3可変表示部に表示結果を導出させるために押下操作される第3導出操作手段とを含み、
前記導出制御手段は、
前記第1可変表示部が変動表示している間に前記第1導出操作手段に対する押下操作を検出したときに、前記第1導出操作手段に対する押下操作が継続されていても、前記第1可変表示部の変動表示を停止することで前記第1可変表示部に表示結果を導出し、
前記第2可変表示部が変動表示している間に前記第2導出操作手段に対する押下操作を検出したときに、前記第2導出操作手段に対する押下操作が継続されていても、前記第2可変表示部の変動表示を停止することで前記第2可変表示部に表示結果を導出し、
前記第3可変表示部が変動表示している間に前記第3導出操作手段に対する押下操作を検出したときに、前記第3導出操作手段に対する押下操作が継続されていても、前記第3可変表示部の変動表示を停止することで前記第3可変表示部に表示結果を導出し、
前記点灯手段は、
点灯状態であるときに、前記第1導出操作手段に対する押下操作が検出されて前記第1可変表示部に表示結果が導出され、かつ、前記第2導出操作手段に対する押下操作が検出されて前記第2可変表示部に表示結果が導出された特定状況において、前記第3導出操作手段に対する押下操作が検出された後、前記第3導出操作手段に対する押下操作が継続されていない一方で、前記第1導出操作手段に対する押下操作が継続されているとき、または前記第2導出操作手段に対する押下操作が継続されているときは点灯状態から消灯状態に切り替わらず、
点灯状態であるときに、前記特定状況において、前記第3導出操作手段に対する押下操作が検出された後、前記第1導出操作手段に対する押下操作、前記第2導出操作手段に対する押下操作、および前記第3導出操作手段に対する押下操作のいずれもが継続されていないときは点灯状態から消灯状態に切り替わって前記有利状態の終了を示唆する、スロットマシン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を複数備え、可変表示部を変動表示した後、可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数の可変表示部の表示結果の組合せである表示結果組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンに関する。
【背景技術】
【0002】
スロットマシンは、一般に、外周部に識別情報としての複数種類の図柄が描かれたリールを有する可変表示部を備えており、規定の賭数が設定された状態でスタートスイッチが操作されることによりリールが回転開始し、ストップスイッチが操作されてリールの回転が停止したときに入賞ライン上に予め定められた図柄組合せ(たとえば、7-7-7、以下、図柄組合せを表示結果の組合せ、または役とも称する)が導出されることにより入賞が発生する。
【0003】
役の種類としては、小役、特別役、再遊技役といった種類がある。ここで、小役に対応する表示結果が入賞ライン上に導出された場合には、小役の種類ごとに定められた数のメダルが払い出される。特別役に対応する表示結果が入賞ライン上に導出された場合には、レギュラーボーナスやビッグボーナスといった遊技者にとって有利な特別遊技状態に遊技状態が移行可能となる。再遊技役に対応する表示結果が入賞ライン上に導出された場合には、賭数の設定に新たなメダルを消費することなく次のゲームを行うことができる。
【0004】
このようなスロットマシンとして、ストップスイッチの操作態様に対応する操作情報を報知不可能な通常区間と、当該操作情報を報知可能な有利区間とのいずれかの状態に制御可能であって、ランプを用いて状態移行を示唆するスロットマシンがあった(たとえば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第6167349号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したスロットマシンにおいては、状態移行を示唆するタイミングや状態移行の示唆の有無などに関して何ら鑑みられておらず、状態移行の示唆に関して改良の余地があった。
【0007】
この発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、状態移行の示唆に関して改良したスロットマシンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1) 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を複数備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数の可変表示部の表示結果の組合せである表示結果組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、
前記複数の可変表示部のそれぞれに表示結果を導出させるために押下操作される複数の導出操作手段と、
前記複数の可変表示部のそれぞれに表示結果を導出させる制御を行う導出制御手段と、
有利状態に制御されていることを点灯によって示唆することが可能な点灯手段と、を備え、
前記複数の導出操作手段は、前記複数の可変表示部のうちの第1可変表示部に表示結果を導出させるために押下操作される第1導出操作手段と、前記複数の可変表示部のうちの第2可変表示部に表示結果を導出させるために押下操作される第2導出操作手段と、前記複数の可変表示部のうちの第3可変表示部に表示結果を導出させるために押下操作される第3導出操作手段とを含み、
前記導出制御手段は、
前記第1可変表示部が変動表示している間に前記第1導出操作手段に対する押下操作を検出したときに、前記第1導出操作手段に対する押下操作が継続されていても、前記第1可変表示部の変動表示を停止することで前記第1可変表示部に表示結果を導出し、
前記第2可変表示部が変動表示している間に前記第2導出操作手段に対する押下操作を検出したときに、前記第2導出操作手段に対する押下操作が継続されていても、前記第2可変表示部の変動表示を停止することで前記第2可変表示部に表示結果を導出し、
前記第3可変表示部が変動表示している間に前記第3導出操作手段に対する押下操作を検出したときに、前記第3導出操作手段に対する押下操作が継続されていても、前記第3可変表示部の変動表示を停止することで前記第3可変表示部に表示結果を導出し、
前記点灯手段は、
点灯状態であるときに、前記第1導出操作手段に対する押下操作が検出されて前記第1可変表示部に表示結果が導出され、かつ、前記第2導出操作手段に対する押下操作が検出されて前記第2可変表示部に表示結果が導出された特定状況において、前記第3導出操作手段に対する押下操作が検出された後、前記第3導出操作手段に対する押下操作が継続されていない一方で、前記第1導出操作手段に対する押下操作が継続されているとき、または前記第2導出操作手段に対する押下操作が継続されているときは点灯状態から消灯状態に切り替わらず、
点灯状態であるときに、前記特定状況において、前記第3導出操作手段に対する押下操作が検出された後、前記第1導出操作手段に対する押下操作、前記第2導出操作手段に対する押下操作、および前記第3導出操作手段に対する押下操作のいずれもが継続されていないときは点灯状態から消灯状態に切り替わって前記有利状態の終了を示唆する。
スロットマシンは、以下のように構成されてもよい。
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を複数備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数の可変表示部の表示結果の組合せである表示結果組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシン(たとえば、スロットマシン1)において、
前記複数の可変表示部のそれぞれに表示結果を導出させるために操作される複数の導出操作手段(たとえば、ストップスイッチ8L,8C,8R)と、
前記複数の導出操作手段とは異なる所定操作手段(たとえば、スタートスイッチ7やMAXBETスイッチ6)と、
状態移行を示唆することが可能な示唆手段(たとえば、遊技補助表示器12の有利区間報知LED12a)とを備え、
前記示唆手段は、前記複数の可変表示部の表示結果組合せを導出させるための前記複数の導出操作手段に対する最後の操作が終了したタイミング(たとえば、第3停止操作に対応するストップスイッチに対する押下が離されたタイミング)において、前記所定操作手段に対する操作がされているとき(たとえば、スタートスイッチ7やMAXBETスイッチ6に対する押下がされているとき、図13のSh8でYESのとき)には状態移行(たとえば、有利区間から通常区間への移行)を示唆しない(たとえば、有利区間報知LED12aが点灯を維持する)一方で、前記所定操作手段に対する操作がされていないとき(たとえば、スタートスイッチ7やMAXBETスイッチ6に対する押下がされていないとき、図13のSh8でNOのとき)には状態移行(たとえば、有利区間から通常区間への移行)を示唆する(たとえば、図10に示すメイン処理においてSa4のリール制御処理が終了した後のSa10やSa11の処理で有利区間報知LED12aが点灯から消灯に切り替わる、図21図26の例)。
【0009】
(2) 上記(1)のスロットマシンにおいて、
前記複数の可変表示部の表示結果組合せを導出させるための前記複数の導出操作手段に対する最後の操作が終了した場合であっても、前記所定操作手段に対する操作がされているときには、次遊技における処理が開始されない(たとえば、図13のSh8でYESのときにはリール制御処理以降のAT状態管理処理やメダル払出処理に進まない)。
【0010】
(3) 上記(1)または(2)のスロットマシンにおいて、
前記複数の可変表示部の表示結果組合せを導出させるための導出処理(たとえば、図13に示すリール制御処理)において、前記複数の可変表示部の表示結果組合せを導出させるための前記複数の導出操作手段に対する最後の操作が終了したと判定された場合(たとえば、Sh7でYES)であっても、前記所定操作手段に対する操作がされていると判定されたとき(たとえば、Sh8でYESのとき)には、当該導出処理が繰り返されることで次工程の処理が実行されない(たとえば、Sh8でYESのときには再びSh7のステップに戻る)。
【0011】
(4) 上記(1)~(3)のいずれかのスロットマシンにおいて、
前記所定操作手段に対する操作がされているか否かに関わらず、前記複数の導出操作手段のそれぞれに対する操作が終了する度に、当該操作に対応する前記可変表示部に表示結果が導出される(たとえば、図13に示すように、Sh2で押下操作されたストップスイッチに対応するリールがSh3で停止する)。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施形態のスロットマシンの正面図である。
図2】リールの図柄配列を示す図である。
図3】スロットマシンの構成を示すブロック図である。
図4】遊技状態の遷移を説明するための図である。
図5】内部抽選対象役について説明するための図である。
図6】遊技補助表示器の構成について説明するための図である。
図7】エラー状態および設定確認状態における遊技補助表示器の表示態様について説明するための図である。
図8】ナビ報知およびナビ演出の実行態様について説明するための図である。
図9】有利区間報知およびナビ報知の実行中にスロットマシンへの電力供給が停止された後、電力供給が再開されたときにおける有利区間報知およびナビ報知の再開順について説明するための図である。
図10】メイン制御部が行うメイン処理の制御内容を示すフロー図である。
図11】メイン制御部が行う遊技開始待ち処理の制御内容を示すフロー図である。
図12】メイン制御部が行う出玉制御処理の制御内容を示すフロー図である。
図13】メイン制御部が行うリール制御処理の制御内容を示すフロー図である。
図14】メイン制御部が行うAT状態管理処理の制御内容を示すフロー図である。
図15】純増枚数カウンタ値の変化例について説明するための図である。
図16】メイン制御部が行うメダル払出処理の制御内容を示すフロー図である。
図17】メイン制御部が行う再遊技作動時処理の制御内容を示すフロー図である。
図18】メイン制御部が行うタイマ割込み処理の制御内容を示すフロー図である。
図19】有利区間報知の開始時における遊技補助表示器などの表示態様の遷移について説明するための図である。
図20】精算処理またはデモ移行における遊技補助表示器などの表示態様の遷移について説明するための図である。
図21】有利区間報知の終了時(小役入賞)における遊技補助表示器などの表示態様の遷移について説明するための図である。
図22】有利区間報知の終了時(小役入賞)における遊技補助表示器などの表示態様の遷移について説明するための図である。
図23】有利区間報知の終了時(取りこぼし)における遊技補助表示器などの表示態様の遷移について説明するための図である。
図24】有利区間報知の終了時(取りこぼし)における遊技補助表示器などの表示態様の遷移について説明するための図である。
図25】有利区間報知の終了時(再遊技入賞)における遊技補助表示器などの表示態様の遷移について説明するための図である。
図26】有利区間報知の終了時(再遊技入賞)における遊技補助表示器などの表示態様の遷移について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係るスロットマシンを実施するための形態を実施例に基づいて、以下に説明する。
【0014】
[スロットマシンの構成について]
本発明が適用された遊技機であるスロットマシンの実施例について図面を用いて説明する。図1は、本実施形態のスロットマシン1の正面図である。本実施形態のスロットマシン1は、図1に示すように、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとから構成されている。スロットマシン1の内部には、互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ同数ずつ配列されたリール2L,2C,2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L,2C,2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が、スロットマシン1の正面の略中央に設けられた透視窓3において各々上中下三段に表示されて遊技者側から見えるように配置されている。図2は、リールの図柄配列を示す図である。図2に示すように、各リールには、各々が識別可能な複数種類の図柄(「赤7」、「青7」、「白7」、「BAR」、「スイカ」、「チェリーa」、「チェリーb」、「ベル」、「リプレイ」、「プラム」)が所定の順序で配列されている。
【0015】
なお、本実施形態では、3つのリールを用いた構成を例示しているが、リールを1つのみ用いた構成、2つのリールを用いた構成、4つ以上のリールを用いた構成としてもよい。また、本実施形態では、リール2L,2C,2Rにより図柄を可変表示させる可変表示部を構成しているが、可変表示部は、リール以外であってもよく、たとえば、外周面に複数の図柄が配置されたベルトを移動させることで図柄を変動表示させることが可能な構成でもよい。また、本実施形態では、物理的なリールにて可変表示部を構成しているが、液晶表示器などの画像表示装置にて可変表示部を構成してもよい。
【0016】
スロットマシン1の正面には、図1に示すように、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数(本実施形態では、3)の賭数のうち最大の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L,2C,2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L,8C,8Rが遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。なお、精算するための精算スイッチ10による操作を「精算操作」ともいう。
【0017】
スロットマシン1の正面には、図1に示すように、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコードや、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様に対応する操作情報(ナビ情報)、有利区間に制御されている旨を示す有利区間表示などが表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、およびリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20を含む遊技用表示部13が設けられている。なお、遊技補助表示器12によって入賞の発生により払い出されたメダル枚数の表示を「払出枚数表示」ともいう。また、1BETLED14、2BETLED15、および3BETLED16によって賭数が設定されている旨の報知を「賭数報知」ともいう。また、スロットマシン1の正面には、画像などを表示可能な液晶表示器51が設けられている。
【0018】
図3は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。図3に示すように、MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21が設けられており、ストップスイッチ8L,8C,8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L,8C,8Rによるリールを停止させる操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L,22C,22Rがそれぞれ設けられている。
【0019】
スロットマシン1の内部には、所定キー操作によりスロットマシン1の外部からのエラー状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、スロットマシン1の内部に設けられた後述のホッパータンク側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入されてホッパータンク側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ(図示略)が設けられている。
【0020】
また、スロットマシン1の内部には、メイン制御部41からの制御信号に応じて前述のリール2L,2C,2Rを駆動させるためのリールユニット34、メイン制御部41からの制御信号に応じてメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーユニット35が設けられている。
【0021】
また、スロットマシン1の内部には、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38が設けられている。
【0022】
図3に示すように、スロットマシン1には、遊技制御基板40および演出制御基板90が設けられており、遊技制御基板40によって遊技の制御が行われ、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出の制御が行われる。
【0023】
遊技制御基板40には、前述のMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L,8C,8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、投入メダルセンサ31、リールユニット34のリールセンサ(図示略)、ホッパーユニット35の払出センサおよび満タンセンサ(図示略)、設定キースイッチ37、およびリセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類などの検出信号が入力されるようになっている。
【0024】
また、遊技制御基板40には、前述のクレジット表示器11、遊技補助表示器12、1~3BETLED14~16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L,22C,22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールユニット34、およびホッパーユニット35が接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載されたメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
【0025】
遊技制御基板40には、メインCPU41a、ROM41b、RAM41c、およびI/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータにより構成された、遊技の制御を行うメイン制御部41が搭載されている。
【0026】
演出制御基板90には、前述の液晶表示器51、音声を出力可能なスピーカ53,54、リール2L,2C,2Rの所定位置を背面側から照射可能なリールLED(図示略)などの演出装置が接続されており、これら演出装置の出力状態は、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により制御可能となっている。サブ制御部91は、メイン制御部41から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御などを行うようになっている。
【0027】
本実施形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わる構成である。詳しくは、内部抽選などの遊技者に対する有利度に影響する抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1~6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
【0028】
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をONする必要がある。設定キースイッチ37をON状態として電源をONすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定値6からさらに操作されたときは、設定値1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がOFFされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAM41cに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
【0029】
なお、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38は、スロットマシン1の内部に設けられ、所定のキー操作により開放可能な前面扉1bを開放しない限り操作不可能とされており、スロットマシン1が設置される遊技店の店員のうち所定のキーを所持する店員のみが操作可能となる。特に、設定キースイッチ37は、さらにキー操作を要することから、遊技店の店員の中でも、設定キースイッチ37の操作を行うためのキーを所持する店員のみが操作可能とされている。また、リセットスイッチ23は、前面扉1bを開放する必要はないが、所定のキーを用いたキー操作を必要とするため、所定のキーを所持する店員のみが操作可能となる。また、リセット/設定スイッチ38は、通常時においてはエラー状態を解除するためのリセットスイッチとしても機能するようになっている。
【0030】
本実施形態のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、先ず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはMAXBETスイッチ6を操作してクレジットを使用して賭数を設定する。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、予め定められた入賞ラインLN(図1参照、本実施形態では、リール2L,2C,2Rの中段に水平方向に並んだ図柄に跨がって設定されている)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。なお、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。また、本実施形態では、1本の入賞ラインのみを適用しているが、複数の入賞ラインを適用してもよい。
【0031】
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L,2C,2Rが回転され、各リール2L,2C,2Rの図柄が連続的に変動される。リール2L,2C,2Rが回転されている状態で、いずれかのストップスイッチ8L,8C,8Rを操作すると、対応するリール2L,2C,2Rに対して停止制御が行われ、当該リールの回転が停止され、当該リールの図柄が透視窓3に表示結果として導出表示される。なお、本実施形態においては、いずれかのストップスイッチ8L,8C,8Rが押下されたときに、当該押下が離されなくとも、押下されたストップスイッチに対応するリールに対して停止制御が行われる。以下では、ストップスイッチに対する押下を「押下操作」とも称し、ストップスイッチに対する押下が離されないことを押下操作の「継続」とも称する。
【0032】
停止制御では、各ストップスイッチについて操作が行われたときから最大停止遅延時間(本実施形態では、190ms(ミリ秒))以内に、操作に対応するリール2L,2C,2Rの回転を停止させる制御が行われる。リール2L,2C,2Rを1分間に80回転させ、80(回転)×21(1リール当たりの図柄コマ数、たとえば、21コマ)=1680コマ分の図柄を変動させるので、予め定められた最大停止遅延時間(190ms)が経過するまでの間では、最大で4コマ分の図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止制御では、ストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分(引込範囲)の図柄から一の図柄を選択して、リール2L、2R、2Rに導出させることが可能である。
【0033】
これにより、停止制御では、各リール2L,2C,2Rについて対応するストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されることで回転を停止させる際に、後述する内部抽選にて当選している入賞役を構成する図柄が、ストップスイッチが操作されたときの図柄から4コマ先までの引込範囲内にある場合には、当該図柄を入賞ラインLN上に引き込んで、ストップスイッチが操作されたリールの回転を停止させる一方で、内部抽選にて当選している入賞役を構成する図柄が、当該引込範囲内にない場合には、内部抽選にて当選していない入賞役を構成する図柄が、入賞ラインLN上に停止しないように、いずれの入賞役も構成しない図柄を入賞ラインLN上に引き込んで、ストップスイッチが操作されたリールの回転を停止させるように制御することが可能である。
【0034】
そして全てのリール2L,2C,2Rが停止されることで1ゲームが終了し、入賞ラインLN上に予め定められた入賞役の図柄の組合せが各リール2L,2C,2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施形態では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。また、入賞ラインLN上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L,2C,2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
【0035】
なお、本実施形態では、スタートスイッチ7の操作が有効な状態でスタートスイッチ7の操作が検出されたときにゲームが開始し、全てのリールが停止したときにゲームが終了する。また、ゲームを実行するための1単位の制御(ゲーム制御)は、前回のゲームの終了に伴う全ての制御が完了したときに開始し、当該ゲームの終了に伴う全ての制御が完了したときに終了する。
【0036】
[入賞役について]
本実施形態のスロットマシン1において、入賞となる役(以下、入賞役と呼ぶ)の種類は、遊技状態に応じて定められ、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、ボーナスなどの遊技者にとって有利な遊技状態(特別状態)への移行を伴う特別役と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の当選フラグが設定されている必要がある。内部抽選は、メイン制御部41が、上述の各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L,2C,2Rの表示結果が導出される以前(具体的には、規定数の賭数が設定された状態でスタートスイッチ7の操作が検出された時)に乱数を用いて決定するものである。
【0037】
なお、各役の当選フラグのうち、小役および再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまで有効とされ、許容された役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組合せを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されるようになっている。
【0038】
また、内部抽選では、予め定められた所定の操作態様(たとえば、停止操作順、操作タイミング)で停止操作が行われる場合に他の操作態様で停止操作が行われた場合よりも有利となる小役、再遊技役(以下、ナビ対象役と呼ぶ場合がある。)が当選し得るようになっている。ナビ対象役には、たとえば、予め定められた所定の操作態様で停止操作が行われる場合に他の操作態様で停止操作が行われる場合に停止する停止態様よりも有利な停止態様となる役や、予め定められた所定の操作態様で停止操作が行われる場合に他の操作態様で停止操作が行われる場合よりも有利な停止態様が停止する割合が高い役などを含む。また、有利な停止態様とは、メダルの付与を伴う停止態様だけでなく、有利な遊技状態への移行を伴う停止態様、不利な遊技状態への移行が回避される停止態様なども含む。
【0039】
メイン制御部41は、内部抽選結果に応じて遊技者にとって有利となるストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様を特定可能なナビ情報を遊技補助表示器12の点灯態様により報知するナビ報知を実行可能な報知期間となるアシストタイム(AT)に制御可能である。メイン制御部41は、ATに制御される権利が遊技者に対して付与されることで、ATの制御を開始してATに制御する。そして、ATに制御している場合には、ナビ対象役に当選することにより、ナビ報知を実行して、遊技者にとって有利となるストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様(たとえば、押し順、操作タイミングなど)を遊技補助表示器12を用いて報知するとともに、遊技者にとって有利となる操作態様を特定可能なコマンドをサブ制御部91に対して送信することで、当該操作態様を液晶表示器51などを用いて報知するナビ演出を実行させる。ナビ報知およびナビ演出により報知される操作態様にて、ストップスイッチ8L,8C,8Rを操作することで、内部抽選にて当選したナビ対象役を確実に入賞させることができるようになっている。
【0040】
なお、本実施形態では、メイン制御部41は、メダルの払出枚数やエラーコード、ナビ情報を表示させることが可能な遊技補助表示器12を備え、ナビ報知の制御において遊技補助表示器12を用いてナビ情報を報知する構成であるが、ナビ情報のみを表示させることが可能な専用の表示器を備え、ナビ報知の制御において当該専用の表示器を用いてナビ情報を報知する構成でもよい。
【0041】
[遊技状態について]
図4は、遊技状態の遷移を説明するための図である。本実施形態のメイン制御部41は、図4に示すように、遊技状態として非内部中、内部中、特別状態のいずれかに制御することが可能である。
【0042】
非内部中は、特別役の当選が持ち越されていない状態である。スロットマシン1の工場出荷時やRAM41cにおいて遊技状態に関するデータが記憶される所定領域が初期化された状態で、スロットマシン1が起動された場合に、先ず、非内部中に制御される。非内部中は、特別状態が終了されることで非内部中に制御される。そして、非内部中のゲームにおいて内部抽選にて特別役が当選し、内部中に移行されることで終了される。また、内部抽選にて特別役が当選したゲームにおいて、当該特別役が入賞し、特別状態に移行されることで終了される。
【0043】
なお、上述の設定変更状態に移行した場合に、RAM41cのうち遊技状態に関するデータが記憶される所定領域は初期化されることがなく、設定変更状態の終了後には、当該設定変更状態の開始前の遊技状態が引き継がれる。すなわち設定変更状態の開始前に非内部中に制御されていた場合には、設定変更状態の終了後も引き続き非内部中に制御され、設定変更状態の開始前に内部中に制御されていた場合には、設定変更状態の終了後も引き続き内部中に制御されるようになっている。
【0044】
また、非内部中では、所定期間内のゲームにおいて、遊技者にとって有利となる操作態様でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されることで、当該期間中における1ゲーム当たりのメダルの払出率が100%を超える一方、遊技者にとって有利となる操作態様でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されないことで、当該期間中における1ゲーム当たりのメダルの払出率が100%を超えないようになっている。しかし、後述するように、非内部中では、遊技者にとって有利となる操作態様が報知されないため、1ゲーム当たりのメダルの払出率が100%を超えないようになっている。
【0045】
内部中は、特別役の当選が持ち越されている状態である。非内部中における内部抽選にて特別役が当選することで開始される。そして、持ち越されている特別役が入賞し、特別状態へ移行されることで終了される。
【0046】
内部中では、所定期間内のゲームにおいて、遊技者にとって有利となる操作態様でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されることで、当該期間中における1ゲーム当たりのメダルの払出率が100%を超える一方、遊技者にとって有利となる操作態様でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されないことで、当該期間中における1ゲーム当たりのメダルの払出率が100%を超えないようになっており、遊技者にとって有利となる操作態様が報知される期間では、1ゲーム当たりのメダルの払出率が100%を超える一方で、遊技者にとって有利となる操作態様が報知されない期間では、1ゲーム当たりのメダルの払出率が100%を超えないようになっている。また、内部中では、内部抽選において所定の再遊技役が当選する確率が非内部中と比較して高く設定されており、内部中は、非内部中と比較して有利な状態になっている。
【0047】
特別状態は、特別役の入賞に伴い制御される遊技状態であり、内部抽選にて小役が当選する確率が非内部中と比較して高まる遊技状態である。特別状態は、非内部中および内部中において当選している特別役が入賞することで開始され、所定の終了条件(たとえば、特別状態中のメダルの総払出枚数が所定枚数(たとえば、50枚)を超えること)が成立することで終了する。特別状態の終了後は、非内部中に状態が移行する。
【0048】
特別状態中では、たとえば、内部抽選において、約1/4の確率で8枚のメダルが払い出される所定小役が当選する一方、それよりも高い約3/4の確率で1枚のメダルが払い出される所定小役に当選するようになっている。1ゲームを行うために賭数の設定に用いられるメダルは3枚である一方、特別状態中の1ゲーム当たりのメダルの払出枚数の期待値は、2.75枚であるので、特別状態中のメダルの払出率は100%未満となるようになっている。
【0049】
[遊技区間について]
本実施形態のメイン制御部41は、遊技区間として通常区間および有利区間のいずれかに制御することが可能である。
【0050】
通常区間は、ナビ報知が行われることのない遊技区間であり、有利区間が終了された後、次ゲームが開始されることで開始され、有利区間移行抽選にて有利区間に移行させる旨が決定されることで終了する。通常区間では、内部抽選にて有利区間移行抽選対象役が当選することで、有利区間移行抽選が行われ、当該抽選にて、有利区間に移行させるか否かが決定される。
【0051】
内部抽選にて有利区間移行抽選対象役が当選し得る確率は、スロットマシン1に設定されている設定値によらず、一律の確率であり、当該有利区間移行抽選対象役の当選に基づいて行われる有利区間移行抽選では、予め定められた有利区間移行抽選テーブルに基づいて、スロットマシン1に設定されている設定値に応じて差のある確率で有利区間に移行させるか否かを決定する抽選を行うことが可能である。また、有利区間移行抽選では、制御されている遊技状態(非内部中、内部中)によらず、内部抽選の抽選結果に基づき、一律の確率で、有利区間に移行させる旨が決定され得るようになっている。
【0052】
なお、内部抽選にて有利区間移行抽選対象役が当選し得る確率が、スロットマシン1に設定されている設定値によらず、一律の確率であり、当該有利区間移行抽選対象役の当選に基づいて行われる有利区間移行抽選でも、スロットマシン1に設定されている設定値によらず、一律の確率で有利区間に移行させるか否かを決定する抽選を行う構成でもよい。また、内部抽選にて有利区間移行抽選対象役が当選し得る確率が、スロットマシン1に設定されている設定値に応じて差があり、当該有利区間移行抽選対象役の当選に基づいて行われる有利区間移行抽選では、スロットマシン1に設定されている設定値によらず、一律の確率で有利区間に移行させるか否かを決定する抽選を行う構成でもよい。また、内部抽選にて有利区間移行抽選対象役が当選し得る確率が、スロットマシン1に設定されている設定値に応じて差があり、当該有利区間移行抽選対象役の当選に基づいて行われる有利区間移行抽選でも、スロットマシン1に設定されている設定値に応じて差がある確率で有利区間に移行させるか否かを決定する抽選を行う構成でもよい。
【0053】
有利区間は、ナビ報知が行われることのある遊技区間であり、ナビ報知が実行され得ることで通常区間に比較して有利な遊技区間である。有利区間は、通常区間において有利区間移行抽選にて有利区間に移行させる旨が決定された後、次ゲームが開始されることで開始され、所定の終了条件が成立することで終了される。有利区間では、当該有利区間の開始後、最初にナビ報知が行われ、払出率(払出枚数/賭数)が100%を超え得るゲームの開始時に、後述する有利区間報知LED12aが点灯状態に制御されることで、有利区間に制御されている旨が報知される。なお、有利区間報知LED12aの点灯によって有利区間に制御されている旨を報知することを「有利区間報知」ともいう。また、有利区間では、所定のナビ条件が成立すること(本実施形態では、後述のATに関する制御状態がAT状態に制御されており、かつ内部抽選にてナビ対象役が当選すること)で、ナビ報知が行われ、遊技者にとって有利なストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様が報知される。
【0054】
有利区間の終了条件には、有利区間におけるゲーム数(有利区間ゲーム数)が上限ゲーム数(本実施形態では、1500ゲーム)に到達することで成立する終了条件1、有利区間におけるメダルの純増枚数が規定枚数(本実施形態では、2388(上限枚数2400枚からスロットマシン1での払出枚数の最大値(15)を減算し、かつ賭数の設定に使用される最大枚数(3枚)を加算した値))を超えることで成立する終了条件2、有利区間ゲーム数およびメダルの純増枚数に基づかずに成立し得る終了条件であり、予め定められた任意条件が成立することで成立する終了条件3が含まれ、終了条件1、終了条件2、終了条件3のうち少なくとも一の条件が成立することで有利区間は終了される。
【0055】
また、有利区間では、ATの制御を行う状態(後述のAT状態)に制御するか否かを決定するAT抽選を行うことが可能であり、AT抽選を行うAT抽選対象役が内部抽選にて当選することで、AT抽選を行う。当該AT抽選に当選することで、その後ATの制御が行われるAT状態に移行されて、内部抽選にてナビ対象役が当選したときに、ナビ報知が行われて遊技者にとって有利となるストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様が報知されるようになっており、有利区間は、通常区間に比較して遊技者にとって有利な遊技区間となる。
【0056】
なお、本実施形態では、遊技区間が通常区間に制御されているときに、内部抽選にて有利区間移行抽選対象役が当選することで、有利区間移行抽選を行い、当該有利区間移行抽選にて当選することで、遊技区間を有利区間へ移行させる構成であるが、遊技区間が通常区間に制御されているときに、予め定められた有利区間移行役が当選することで、遊技区間を有利区間へ移行させる構成でもよい。
【0057】
[非BET状態について]
本実施形態においては、前回のゲームが終了した後、遊技者によって賭数が設定されない状態(以下、「非BET状態」という)がある。より具体的には、後述する遊技終了時設定処理の実行によって1ゲームが終了した後、後述する遊技開始待ち処理において賭数が設定されるまでの間で非BET状態となる。仮に前回のゲームでリプレイ入賞が発生したときには、遊技開始待ち処理のメダル投入実行処理(Sb3)において自動で賭数が設定されるため、この場合、非BET状態にはならないか、あるいは自動で賭数が設定されるまでの極短い期間において非BET状態になる。非BET状態は、MAXBETスイッチ6の操作またはメダル投入部4へのメダル投入が遊技者によって行われて再び賭数が設定されるまで継続する。
【0058】
[デモ演出]
スロットマシン1においては、サブ制御部91によってデモ演出(デモンストレーション演出)が実行されることがある。デモ演出では、たとえば、液晶表示器51にスロットマシン1の演出で登場するキャラクタやストーリーの内容、実行される演出を説明する映像などが流れる。
【0059】
本実施の形態においては、遊技者によって精算操作が行われると、デモ演出が実行される。また、前回のゲームが終了してから次のゲームが開始するまでの非BET状態において経過した期間が所定期間(たとえば、30秒間)に達したときにデモ演出が実行される。なお、デモ演出が実行されるまでの所定期間を「デモ移行期間」ともいう。
【0060】
デモ演出は、MAXBETスイッチ6の操作またはメダル投入部4へのメダル投入が遊技者によって行われて再び賭数が設定されると、解除される。
【0061】
[内部抽選の抽選対象役について]
メイン制御部41が行う内部抽選において抽選対象となる内部抽選対象役について、図5に基づいて説明する。図5は、内部抽選対象役について説明するための図である。
【0062】
内部抽選対象役には、複数の内部抽選対象役が含まれる。各内部抽選対象役には、1または複数の入賞役が含まれ、内部抽選にて一の内部抽選対象役が当選したときには、当該内部抽選対象役に含まれる入賞役が同時に当選したこととなる。
【0063】
図5に示すように、内部抽選対象役には、特別役、押し順小役1、押し順小役2、押し順小役3、押し順小役4、押し順小役5、押し順小役6(以下、押し順小役1~6をまとめて押し順小役と呼ぶ場合がある)、特定小役1、特定小役2、再遊技役1、再遊技役2が含まれる。
【0064】
特別役は、入賞により上述の特別状態への移行を伴う役である。特別役は、遊技状態が非内部中に制御されているときには、内部抽選の対象となる一方で、遊技状態が内部中に制御されているときには、内部抽選の対象とならない。
【0065】
押し順小役1~6は、各押し順小役に割り当てられた所定の操作態様(本実施形態では、操作順)でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されることで、賭数よりも多い枚数のメダルが払い出される入賞役が入賞する一方で、対応する操作態様以外の操作態様でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されることで、賭数以下の枚数のメダルが払い出される入賞役が入賞するか、あるいはいずれの入賞役も入賞しない役である。このため、押し順小役1~6の当選時には、当選した役の種類に応じた操作態様でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されたか否かによって払い出されるメダル枚数の期待値を変えることができる。
【0066】
押し順小役1~6が当選したときに、賭数よりも多い枚数のメダルが払い出される入賞役を入賞させることが可能な操作態様すなわち遊技者にとって有利となる操作態様は、押し順小役1では、左リール2Lを1番目に停止させ、中リール2Cを2番目に停止させ、右リール2Rを3番目に停止させる操作順での操作(以下、左中右停止操作と呼ぶ場合がある)であり、押し順小役2では、左リール2Lを1番目に停止させ、右リール2Rを2番目に停止させ、中リール2Cを3番目に停止させる操作順での操作(以下、左右中停止操作と呼ぶ場合がある)であり、押し順小役3では、中リール2Cを1番目に停止させ、左リール2Lを2番目に停止させ、右リール2Rを3番目に停止させる操作順での操作(以下、中左右停止操作と呼ぶ場合がある)であり、押し順小役4では、中リール2Cを1番目に停止させ、右リール2Rを2番目に停止させ、左リール2Lを3番目に停止させる操作順での操作(以下、中右左停止操作と呼ぶ場合がある)であり、押し順小役5では、右リール2Rを1番目に停止させ、左リール2Lを2番目に停止させ、中リール2Cを3番目に停止させる操作順での操作(以下、右左中停止操作と呼ぶ場合がある)であり、押し順小役6では、右リール2Rを1番目に停止させ、中リール2Cを2番目に停止させ、左リール2Lを3番目に停止させる操作順での操作(以下、右中左停止操作と呼ぶ場合がある)である。
【0067】
押し順小役1~6は、遊技状態が非内部中に制御されているときにも、内部中に制御されているときにも、内部抽選の対象となり、いずれの遊技状態に制御されているときにも内部抽選にて同一の確率で当選するようになっている。
【0068】
特定小役1および特定小役2は、他の内部抽選対象役と比較して内部抽選にて当選する確率が低い役である。また、特定小役1は、特定小役2と比較して内部抽選にて当選する確率が高い役である。特定小役1および特定小役2は、遊技状態が非内部中に制御されているときにも、内部中に制御されているときにも、内部抽選の対象となり、いずれの遊技状態に制御されているときにも内部抽選にて同一の確率で当選するようになっている。
【0069】
再遊技役1は、入賞役として再遊技役が含まれる役であり、遊技状態が非内部中に制御されているときにも、内部中に制御されているときにも、内部抽選の対象となり、いずれの遊技状態に制御されているときにも内部抽選にて同一の確率で当選するようになっている。
【0070】
再遊技役2は、入賞役として再遊技役が含まれる役であり、遊技状態が非内部中に制御されているときにも、内部中に制御されているときにも、内部抽選の対象となり、遊技状態が内部中に制御されているときに内部抽選にて当選する確率が、非内部中に制御されているときに比較して高くなるようになっている。内部中では、内部抽選において再遊技役2が当選する確率が非内部中に比較して高くなることで、内部中は、非内部中に比較して有利な状態となる。
【0071】
内部抽選では、内部抽選対象役のうちの特別役、押し順小役1~6、再遊技役1、再遊技役2は、スロットマシン1において設定されている設定値に応じて差がない確率、すなわち設定されている設定値に関わらず一律の確率で当選するようになっている一方で、内部抽選対象役のうちの特定小役1および特定小役2は、設定されている設定値に応じて差のある確率で当選するようになっている。
【0072】
いずれの設定値が設定されている状況でも、内部抽選にて当選した有利区間移行抽選対象役(本実施形態では、押し順小役1~6、特定小役1、特定小役2)が同一の役であるときには、一律の確率で、有利区間に移行させる旨が決定されるように有利区間移行抽選が行われるようになっている。
【0073】
また、有利区間移行抽選対象役は、遊技状態が非内部、内部中のいずれの遊技状態に制御されているときにも内部抽選にて同一の確率で当選するようになっており、遊技状態が非内部中、内部中のいずれに制御されているときにも内部抽選の当選確率が変化しない役を契機に有利区間移行抽選が行われるようになっている。
【0074】
内部抽選対象役のうち押し順小役1~6、特定小役1、特定小役2、再遊技役1は、ATに制御するか否かを決定するAT抽選が行われ得るAT抽選対象役である。遊技区間が有利区間に制御されているときに、内部抽選にて押し順小役1~6、特定小役1、特定小役2、再遊技役1のいずれかが当選することで、AT抽選が行われる。有利区間に関する抽選であるAT抽選では、スロットマシン1においていずれの設定値が設定されている状況でも、内部抽選にて当選したAT抽選対象役が同一の役であるときには、一律の確率で、ATに制御する旨の決定がされるように抽選が行われるようになっている。
【0075】
また、内部抽選にて特定小役1または特定小役2が当選したことを契機として行われるAT抽選では、押し順小役1~6、再遊技役1のいずれかが当選したことを契機とするときと比較して高い確率で、ATに制御する旨の決定がされるようになっている。また、特定小役1が当選したことを契機として行われるAT抽選では、特定小役2が当選したことを契機とするときと比較して高い確率で、ATに制御する旨の決定がされるようになっている。
【0076】
なお、内部抽選にて有利区間移行抽選対象役が当選する確率は、スロットマシン1に設定されている設定値によらず、一律の確率であり、当該有利区間移行抽選対象役の当選を契機に行われる有利区間移行抽選では、設定値に応じて差のある確率で抽選を行うことで、有利区間に移行する旨を、設定値に応じて差のある確率で決定する構成としてもよい。また、内部抽選にてAT抽選対象役が当選する確率は、スロットマシン1に設定されている設定値によらず、一律の確率であり、当該AT抽選対象役の当選を契機に行われるAT抽選では、設定値に応じて差のある確率で抽選を行うことで、ATに制御する旨を、設定値に応じて差のある確率で決定する構成でもよい。また、内部抽選にてAT抽選対象役が当選する確率が、スロットマシン1に設定されている設定値に応じて差がある確率であり、当該AT抽選対象役の当選を契機に行われるAT抽選では、設定値に応じて差のある確率で抽選を行うことで、ATに制御する旨を、設定値に応じて差のある確率で決定する構成でもよい。
【0077】
また、本実施形態では、内部抽選にて当選した役が、スロットマシン1に設定されている設定値に応じて内部抽選にて当選する確率に差がある役(以下、設定差あり役と呼ぶ場合がある)であるか、差のない役(以下、設定差なし役と呼ぶ場合がある)であるかに関わらず、当該役の当選を契機として有利区間移行抽選やAT抽選を行う構成であるが、内部抽選にて当選した役が設定差あり役であることを契機として有利区間移行抽選やAT抽選を行う一方、設定差なし役であることを契機として有利区間移行抽選やAT抽選を行わない構成でもよいし、有利区間移行抽選やAT抽選の一方を、内部抽選での設定差あり役の当選を契機として行い、有利区間移行抽選やAT抽選の他方を、内部抽選での設定差なし役の当選を契機として行う構成でもよい。
【0078】
[遊技補助表示器の表示態様について]
メイン制御部41が備える遊技補助表示器12の構成および表示態様について、図6図8に基づいて説明する。
【0079】
図6は、遊技補助表示器12の構成について説明するための図である。図6(a)に示すように、遊技補助表示器12は、第1~第8セグメントをそれぞれ点灯/消灯可能な2つの表示器12L,12Rからなり、それぞれのセグメントを点灯させることが可能な表示器である。各表示器12L,12Rの所定セグメントを点灯態様に制御することで、所定の数字(「0」~「9」)や記号(たとえば、「-」「.」など)、英字(たとえば、「E」など)を1桁または2桁で表示することにより、メダルの払出枚数(図示略)や、有利区間に制御されている旨(図6(b)参照)、発生しているエラーの種類を特定可能なエラーコード(図7(a)参照)、ナビ報知により報知するナビ情報としてナビ番号(図8参照)などを示す表示を行うことが可能である。
【0080】
図6(b)に示すように、メイン制御部41は、遊技区間を有利区間に制御しており、所定の報知開始条件が成立するとき(たとえば、有利区間の開始後、最初にナビ報知が行われ、払出率(払出枚数/賭数)が100%を超え得るゲームの開始時)から、所定の報知終了条件が成立するとき(たとえば、有利区間が終了するとき)までの報知期間にわたり、遊技補助表示器12の右側表示器12Rの第8セグメント(以下、有利区間報知LED12aと呼ぶ場合がある)を点灯状態に制御することで、遊技区間を有利区間に制御している旨を報知する有利区間報知を行うことが可能である。
【0081】
有利区間報知LED12aは、遊技補助表示器12における右側表示器12Rの領域内の右下端部に設けられた、見た目上はドット(点)の形をしており、右側表示器12Rにおいて払出枚数表示が行われる領域(第1~第7セグメントの集まり)よりも小さい。このため、遊技している遊技者に対しては、有利区間報知が行われるか否かについて、注意深く有利区間報知LED12aの点灯に注目させながら遊技させることで、有利区間報知LED12aが点灯したときには喜びを享受させることができる。また、遊技場を徘徊している遊技者に対しては、有利区間報知LED12aが点灯しているスロットマシンを探すといった楽しみを享受させることができる。
【0082】
また、メイン制御部41は、有利区間報知を行う報知期間中において、有利区間報知LED12aを消灯させず、継続的に点灯状態に制御するようになっており、当該報知期間中においてメダル払出枚数やエラーコード、ナビ番号などを遊技補助表示器12に表示させるときは、これらの表示を行うための各表示器12L,12Rの該当セグメントとともに有利区間報知LED12aを点灯状態に制御する。
【0083】
図7は、エラー状態および設定確認状態における遊技補助表示器12の表示態様について説明するための図である。図7(a)に示すように、メイン制御部41は、スロットマシン1においてエラーの発生が検出されることで、遊技の進行を不能化するエラー状態に制御することが可能である。メイン制御部41は、遊技区間を有利区間に制御しており、有利区間報知LED12aを点灯状態に制御しているときに、エラーの発生が検出されたことに基づいてエラー状態に制御する場合には、エラー状態中においても有利区間報知LED12aを点灯状態に継続的に制御しつつ、遊技補助表示器12の他のセグメントを用いて発生しているエラーの種類を特定可能なエラーコードを表示するように制御する。そして、エラー状態が所定操作により解除されることでエラー状態を終了させるとともに、エラーコードの表示を終了させるように制御する。エラー状態を終了させた後においても、エラー状態の制御前に引き続き、所定の報知終了条件が成立するときまで、有利区間報知LED12aを点灯状態に継続的に制御する。
【0084】
これに対して、サブ制御部91は、メイン制御部41側がエラー状態や設定確認状態に制御されていない通常状態であるときには、遊技区間やATに関する制御状態に応じた演出画像、たとえば、ATに関する制御状態が非AT状態である場合には、当該非AT状態において主に表示させる通常演出画面(本実施形態では、キャラクタが街中を散策している様子を示す画像)を液晶表示器51に表示させて、遊技の進行に応じた演出を行う。一方、メイン制御部41側にてエラーの発生が検出されてエラー状態に制御されている期間では、メイン制御部41側にて有利区間に制御されている旨を示唆せず、メイン制御部41側にてエラー状態に制御される契機となったエラーの種類を特定可能なエラーコードや当該エラーに関する情報(たとえば、解除方法など)を示すエラー画面(本実施形態では、キャラクタの画像とエラーコードを示す文字画像)を液晶表示器51に表示させて、エラー状態に制御されている旨を示唆するように制御する。
【0085】
このように、メイン制御部41は、有利区間に制御しており有利区間報知LED12aを点灯状態に制御しているときに、遊技の進行を不能化するエラー状態に移行させた場合には、遊技補助表示器12に当該エラー状態を特定可能なエラーコードを表示させるとともに、有利区間報知LED12aを点灯状態に維持するように制御するので、遊技補助表示器12の表示内容に基づいて、エラー状態に制御されている旨および有利区間に制御されている旨を遊技者に認識させることができる。また、当該エラー状態に移行される前の遊技機の状態を遊技者に認識させることができる。
【0086】
また、メイン制御部41は、有利区間に制御しており有利区間報知LED12aを点灯状態に制御しているときに、エラー状態に移行させた場合には、遊技補助表示器12にエラーコードを表示させるとともに、有利区間報知LED12aを点灯状態に維持するように制御する一方、サブ制御部91は、メイン制御部41側にて有利区間に制御されている旨は示唆せず、エラーコードや当該エラーに関する情報(たとえば、解除方法など)を液晶表示器51などを用いて示唆するように制御するので、メイン制御部41側にて遊技の進行が不能化されている状態で、液晶表示器51などによる演出内容に基づいて、ゲームを行うことが可能な有利区間に制御されていると誤認させてしまうことを防止できる。
【0087】
図7(b)に示すように、メイン制御部41は、ゲームが行われていない状態で、所定キー操作による設定キースイッチ37をON状態とする操作が検出されることで、設定確認状態に移行させて、遊技の進行を不能化するとともに、設定値表示器24にスロットマシン1において現在設定されている設定値を表示させるように制御し、その後、所定キー操作による設定キースイッチ37をOFF状態とする操作が検出されることで、設定確認状態を終了させることが可能である。メイン制御部41は、遊技区間を有利区間に制御しており、有利区間報知LED12aを点灯状態に制御しているときに、設定確認状態に移行させる場合には、設定確認状態中においても有利区間報知LED12aを点灯状態に継続的に制御しつつ、設定値表示器24(図示略)に設定値を表示するように制御する。そして、設定確認状態を終了させた後においても、設定確認状態への移行前に引き続き、所定の報知終了条件が成立するときまで、有利区間報知LED12aを点灯状態に継続的に制御する。
【0088】
これに対して、サブ制御部91は、サブ制御部91は、メイン制御部41側が設定確認状態や上述のエラー状態に制御されていない通常状態であるときには、通常演出画面(本実施形態では、キャラクタが街中を散策している様子を示す画像)を液晶表示器51に表示させて、遊技の進行に応じた演出を行う。一方、メイン制御部41により設定確認状態に制御されている期間では、メイン制御部41側にて有利区間に制御されている旨を示唆せず、メイン制御部41側にて設定確認状態に制御されている旨を示す設定確認状態中画面(本実施形態では、キャラクタの画像と設定確認状態である旨を示す文字画像)を液晶表示器51に表示させて、設定確認状態に制御されている旨を示唆するように制御する。
【0089】
このように、メイン制御部41は、有利区間に制御しており有利区間報知LED12aを点灯状態に制御しているときに、遊技の進行を不能化して、設定値表示器24に現在設定されている設定値を表示させる設定確認状態に移行させた場合には、有利区間報知LED12aを点灯状態に維持するように制御するので、遊技補助表示器12の表示内容に基づいて、有利区間に制御されている旨を遊技者に認識させることができる。また、当該設定確認状態に移行される前の遊技機の状態を遊技者に認識させることができる。
【0090】
また、メイン制御部41は、有利区間に制御しており有利区間報知LED12aを点灯状態に制御しているときに、設定確認状態に移行させた場合には、設定値表示器24(図示略)に設定値を表示させるとともに、有利区間報知LED12aを点灯状態に維持するように制御する一方、サブ制御部91は、メイン制御部41側にて有利区間に制御されている旨は示唆せず、設定確認状態である旨を液晶表示器51などを用いて示唆するように制御するので、メイン制御部41側にて遊技の進行が不能化されている状態で、液晶表示器51などによる演出内容に基づいて、ゲームを行うことが可能な有利区間に制御されていると誤認させてしまうことを防止できる。
【0091】
[ナビ報知およびナビ演出について]
メイン制御部41が遊技補助表示器12を用いて行うナビ報知、およびサブ制御部91が液晶表示器51を用いて行うナビ演出について、図8および図9に基づいて説明する。
【0092】
メイン制御部41は、ATの制御を行っており、内部抽選にてナビ対象役が当選した場合に、ナビ報知を実行し、遊技者にとって有利となるストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様(本実施形態では、操作順、以下、正解押し順と呼ぶ場合がある。)を特定可能なナビ番号を遊技補助表示器12に表示させて、当該遊技者にとって有利となる操作態様を報知することが可能である。
【0093】
図8は、ナビ報知およびナビ演出の実行態様について説明するための図である。図8に示すように、ナビ報知には、左中右ナビ、左右中ナビ、中左右ナビ、中右左ナビ、右左中ナビ、右中左ナビが含まれる。左中右ナビでは、遊技補助表示器12にナビ番号「1-」を表示することで、遊技者にとって有利となる操作態様が左中右停止操作である旨を報知する。左右中ナビでは、遊技補助表示器12にナビ番号「2-」を表示して、遊技者にとって有利となる操作態様が左右中停止操作である旨を報知する。中左右ナビでは、遊技補助表示器12にナビ番号「3-」を表示して、遊技者にとって有利となる操作態様が中左右停止操作である旨を報知する。中右左ナビでは、遊技補助表示器12にナビ番号「4-」を表示して、遊技者にとって有利となる操作態様が中右左停止操作である旨を報知する。右左中ナビでは、遊技補助表示器12にナビ番号「5-」を表示して、遊技者にとって有利となる操作態様が右左中停止操作である旨を報知する。右中左ナビでは、遊技補助表示器12にナビ番号「6-」を表示して、遊技者にとって有利となる操作態様が右中左停止操作である旨を報知する。
【0094】
また、メイン制御部41は、上述のように有利区間報知LED12aにより有利区間に制御している旨を報知する有利区間報知を開始させた後は、当該有利区間報知LED12aを継続して点灯状態に制御するようになっており、当該有利区間報知の実行中にナビ報知を行う場合には、有利区間報知LED12aを点灯状態に継続的に制御しつつ、ナビ報知により報知するナビ番号を遊技補助表示器12に表示させるように制御する。
【0095】
なお、本実施形態では、ナビ報知では、遊技者にとって有利となるストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様として、操作順(正解押し順)を報知する構成であるが、ナビ報知により、遊技者にとって有利となるストップスイッチ8L,8C,8Rの操作タイミングを示唆する構成でもよいし、遊技者にとって有利となるストップスイッチ8L,8C,8Rの操作順と操作タイミングの組合せを示唆する構成でもよい。たとえば、遊技者にとって有利となるストップスイッチの操作態様が所定リールに対する所定の操作タイミングである場合には、液晶表示器51において、当該所定の操作タイミングに対応する図柄の画像などを所定リールに対応する位置に表示させることで、当該操作態様を示唆することが可能である。
【0096】
メイン制御部41は、ナビ報知を行う際に、当該ナビ報知により報知するストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様を特定可能なコマンドをサブ制御部91に対して送信する。これに対して、サブ制御部91は、コマンドに基づいて特定されるストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様を示唆するナビ画像を液晶表示器51に表示させるナビ演出を行うことが可能である。ナビ画像では、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作順を示唆する数字画像「1」~「3」や、所定図柄がリールに表示されているタイミングで停止操作を行う旨を示唆する図柄画像を、リール2L,2C,2Rに対応させて表示させる。
【0097】
図8に示すように、ナビ演出では、たとえば、ナビ報知により左中停止操作が報知される場合には、左中停止操作を示唆するナビ画像(本実施形態では、左リール2Lに対応する位置に「1」の数字画像、中リール2Cに対応する位置に「2」、右リール2Rに対応する位置に「3」をそれぞれ表示させる「123」の数字画像)を液晶表示器51に表示させる。また、ナビ報知により左右停止操作が報知される場合、中左停止操作が報知される場合、中右停止操作が報知される場合、右左停止操作が報知される場合、右中停止操作が報知される場合には、それぞれナビ報知により報知される操作態様に対応するナビ画像を液晶表示器51に表示させて、該当する操作態様を示唆するように制御する。
【0098】
本実施形態のメイン制御部41は、AC100Vの電力供給が停止される場合には、タイマ割込み処理において電断処理(図示略)を実行して、電断前のメイン制御部41のレジスタやRAM41cの所定領域に設定されているデータを、バックアップ電源によりバックアップされているRAM41cの記憶領域に退避して、バックアップ電源が供給されることで当該データを保持させるようになっているため、スロットマシン1への電力供給が再開された際に、電断前の制御状態に復帰させることが可能である。特に、電断前の制御状態において、ナビ報知を行っていたか否かや、ナビ報知を行っていた場合にナビ報知の内容、有利区間に制御されていたか否か、停止操作が有効であったか否かを特定できるようになっている。
【0099】
また、サブ制御部91は、AC100Vの電力供給が停止される場合には、メイン制御部41と同様に電断処理を実行することで、電力供給が停止される前における各演出装置の制御状態をバックアップ電源によりバックアップされている記憶手段に保持させるように制御し、スロットマシン1への電力供給が再開された際に、各演出装置を電断前の制御状態に復帰させることが可能となる。特に、電力供給が停止される前の制御状態において、液晶表示器51においてナビ演出を行っていたか否か、ナビ演出を行っていた場合にナビ演出の内容を特定できるようになっている。
【0100】
図9は、有利区間報知およびナビ報知の実行中にスロットマシン1への電力供給が停止された後、電力供給が再開されたときにおける有利区間報知およびナビ報知の再開順について説明するための図である。図9(a)に示すように、メイン制御部41により有利区間に制御されており、かつATの制御が行われており、内部抽選にてナビ対象役が当選したときには、有利区間報知LED12aが点灯状態に制御されるとともに、ナビ報知が行われてナビ番号が遊技補助表示器12に表示される。また、ゲームの開始後、少なくとも1つのリールが回転制御されている場合には、該当するリールの停止有効LEDが点灯状態に制御される。また、この際、サブ制御部91側では、ナビ演出が行われ、ナビ報知により報知される操作態様を示唆するナビ画像が液晶表示器51に表示される。
【0101】
この状態で、スロットマシン1への電力供給が停止されて電断が発生した場合には、図9(b)に示すように、有利区間報知LED12a、遊技補助表示器12、停止有効LED22L,22C,22R、液晶表示器51は、すべて消灯状態となるとともに、リール2L,2C,2Rはすべて停止することとなる。
【0102】
その後、図9(c)に示すように、メイン制御部41は、スロットマシン1への電力供給が再開されて、再起動したときに、先ず、スロットマシン1への電力供給が停止される前に回転制御していたリールの回転制御を再開させるとともに(図示略)、遊技補助表示器12の出力バッファを電力供給が停止される前の状態に復帰させた後、タイマ割込み処理を行うことで、遊技補助表示器12におけるナビ報知によるストップスイッチの操作態様の表示および有利区間報知LED12aの点灯制御を同時に再開させて、ナビ報知および有利区間報知を再開させる。
【0103】
次に、図9(d)に示すように、メイン制御部41は、回転制御を再開させたすべてのリールが定速回転となることで、回転制御を行っているリールに対応するストップスイッチの停止有効LEDの点灯制御を再開させる。
【0104】
その後、図9(e)に示すように、メイン制御部41にてリールの回転制御、ナビ報知、有利区間報知、停止有効LEDの点灯制御が再開され、メイン制御部41側での電断からの復帰処理が終了されたことが特定されることで、サブ制御部91は、ナビ演出の制御を再開させて、液晶表示器51においてナビ報知により報知されている操作態様を示唆するナビ画像の表示を再開させる。
【0105】
これにより、有利区間報知LED12a、遊技補助表示器12、停止有効LED、リール、液晶表示器51の制御状態が、スロットマシン1への電力供給が停止される前の状態に復帰されることとなる。
【0106】
このように、有利区間においてナビ報知およびナビ演出を行っているときに、スロットマシン1への電力供給が停止され、その後、電力供給が再開されることで、ナビ報知およびナビ演出の制御状態を電力供給が停止される前の状態に復帰させるときには、メイン制御部41は、有利区間報知LED12aの点灯および遊技補助表示器12のナビ報知の表示を同時に再開させるように制御する。これにより、有利区間報知LED12aによる有利区間報知が再開される前に、遊技補助表示器12によるナビ報知が再開されてしまい、有利区間報知により有利区間である旨が報知されていないにも関わらず、ナビ報知が再開されてしまうことを防止できる。
【0107】
なお、本実施形態では、有利区間においてナビ報知およびナビ演出の制御状態を電力供給が停止される前の状態に復帰させるときには、有利区間報知LED12aの点灯および遊技補助表示器12のナビ報知の表示を同時に再開させる構成であるが、有利区間報知LED12aの点灯を再開させた後、遊技補助表示器12のナビ報知の表示を再開させる構成でもよく、このような構成でも、有利区間報知LED12aによる有利区間報知が再開される前に、遊技補助表示器12によるナビ報知が再開されてしまうことを防止できる。
【0108】
メイン制御部41が行う各種処理の制御内容について、図10図18に基づいて説明する。
【0109】
[メイン処理について]
メイン制御部41は、スロットマシン1への電力供給が開始されることで起動し、ROM41bに格納されているプログラムに従って各種処理を実行する。起動した後は、先ず、起動時設定処理を実行して、メイン制御部41が備える内部レジスタやRAM41cの所定領域、所定の出力ポートなどを初期化した後、メイン処理を実行する。メイン処理は、一単位の遊技ごとに繰り返し実行される処理であり、メイン処理の一周期が遊技の一単位に相当する。
【0110】
以下、メイン制御部41が行うメイン処理の制御内容について、図10に基づいて説明する。図10は、メイン制御部が行うメイン処理の制御内容を示すフロー図である。
【0111】
図10に示すように、メイン処理では、先ず、遊技が開始されるまで待機する遊技開始待ち処理(Sa1)を実行する。その後、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始されることに伴って内部抽選を行う内部抽選処理を実行する(Sa2)。
【0112】
内部抽選処理では、Sa1のステップにおいてスタートスイッチ7が操作されたときにラッチされた内部抽選用の乱数値に基づいて、内部抽選の抽選対象となる各抽選対象役への入賞を許容するか(すなわち、所定の表示結果の導出を許容するか否か)どうかを決定する処理を行う。そして、いずれの抽選対象役(ハズレを含む)が当選したかを特定可能な当選番号をRAM41cの所定領域に設定する。各抽選対象役には、予め役番号が割り当てられており、内部抽選にて、いずれかの抽選対象役が当選した場合には、当選した抽選対象役の役番号が当選番号として設定され、いずれの抽選対象役も当選したかった場合、すなわちハズレの場合には、当選番号として0が設定されるようになっている。
【0113】
そして、Sa2のステップにおいて内部抽選処理を実行した後は、遊技区間に関する処理を行う出玉制御処理を実行する(Sa3)。その後、リール2L,2C,2Rを回転および停止させる制御を行うリール制御処理を実行する(Sa4)。
【0114】
そして、Sa4のステップにおいてリール制御処理を実行した後は、有利区間の終了に関する処理を行う後述のAT状態管理処理を実行する(Sa5)。その後、ゲームの結果としてリール2L,2C,2Rに停止した図柄組合せに応じてメダルの払い出しに関する処理を行う後述のメダル払出処理を実行する(Sa6)。その後、再遊技役が入賞した場合に再遊技を付与する処理を行う再遊技作動時処理を実行する(Sa7)。
【0115】
Sa7のステップにおいて再遊技作動時処理を実行した後は、Sa3のステップにおける出玉制御処理により有利区間報知フラグが設定され得るRAM41cの所定領域を参照して(Sa8)、有利区間報知フラグが設定されているか否かを判定する(Sa9)。
【0116】
Sa9のステップにおいて有利区間報知フラグが設定されていないと判定した場合には、有利区間報知LED12aの点灯態様を消灯状態に制御するための状態制御用データ(消灯)を所定レジスタ(たとえば、メインCPU41aのアキュムレータレジスタなど)に読み込み(Sa10)、当該所定レジスタの状態制御用データ(消灯)を、RAM41cの所定領域に出力ポートごとに設けられている出力バッファのうち遊技補助表示器12の右側表示器12Rにおける第8セグメントに対して制御信号を出力する出力ポートに対応する出力バッファ(以下、有利区間報知LED用出力バッファと呼ぶ場合がある)に設定する(Sa11)。そして、タイマ割込み処理が1回行われるまで待機する割込み1回待ち処理を行って(Sa12)、タイマ割込み処理において実行される後述のLEDダイナミック表示処理により、遊技補助表示器12の右側表示器12Rにおける第8セグメントすなわち有利区間報知LED12aを消灯状態に制御した後、Sa13のステップに進む。一方、Sa9のステップにおいて有利区間報知フラグが設定されていると判定した場合には、Sa10~Sa12のステップの各処理を行わずに、Sa13のステップに進む。
【0117】
Sa12のステップにおいて割込み1回待ち処理を行った場合、またはSa9のステップにおいて有利区間報知フラグが設定されていると判定した場合には、ゲームの終了に伴いRAM41cの所定領域を初期化するための設定を行う遊技終了時設定処理を実行する(Sa13)。遊技終了時設定処理では、当該ゲームにのみ用いられるデータ(たとえば、内部抽選での一般役の当選結果を示すデータなど)が記憶されるRAM41cの所定領域を初期化対象として設定する。また、当該ゲームにおいて特別役が入賞して特別状態の制御が開始された場合や、当該特別状態の制御が終了された場合には、特別状態に関するデータ(たとえば、特別状態の種類を示すデータや特別状態中でのメダル払出枚数を計数するためのデータなど)が記憶されるRAM41cの所定領域を初期化対象として設定する。初期化対象として設定されたRAM41cの所定領域は、前述の遊技開始待ち処理により次回ゲームの開始時に初期化されることとなる。
【0118】
Sa13のステップにて遊技終了時設定処理を実行した後は、Sa1のステップに戻り、Sa1~Sa13のステップを繰り返し行う。メイン処理が一巡することで、一単位の遊技の制御に関する処理が終了することとなり、一単位の遊技ごとにメイン処理が繰り返し実行されることとなる。
【0119】
なお、メイン処理では、ゲームの進行に応じて所定のコマンドを生成してコマンドキューに設定し、サブ制御部91に対して当該コマンドを送信する処理を適宜実行するようになっている。
【0120】
また、本実施形態のメイン処理では、有利区間報知フラグがRAM41cの所定領域に設定されていない場合には、有利区間報知フラグが設定されていないゲームの終了ごとに、有利区間報知LED用出力バッファに状態制御用データ(消灯)を設定する処理を行う構成であるが、有利区間報知フラグが設定されておらず、かつ、有利区間報知LED12aが点灯状態である場合に、有利区間報知LED用出力バッファに状態制御用データ(消灯)を設定する構成でもよい。このような構成では、有利区間報知フラグが設定されておらず、かつ、有利区間報知LED12aが点灯状態である場合にのみ、有利区間報知LED用出力バッファに状態制御用データ(消灯)を設定して、有利区間報知LED12aを消灯させる処理を行わせることができ、処理負担を軽減できる。
【0121】
このように、メイン処理では、有利区間報知フラグがRAM41cの所定領域に設定されている場合には、有利区間報知LED12a(遊技補助表示器12の右側表示器12Rの第8セグメント)の出力バッファに状態制御用データ(点灯)を設定し、当該有利区間報知LED12aの点灯態様を点灯状態に制御する一方で、有利区間報知フラグが設定されていない場合には、有利区間報知LED12aの出力バッファに状態制御用データ(消灯)を設定し、当該有利区間報知LED12aの点灯態様を消灯状態に制御することで、有利区間の開始後、最初にナビ報知が行われ、払出率(払出枚数/賭数)が100%を超え得るゲームの開始時から有利区間が終了されるゲームの終了時までの期間にわたり、有利区間報知LED12aを点灯状態に制御して、有利区間に制御されている旨を報知するようになっている。
【0122】
また、メイン処理では、遊技開始待ち処理、リール制御処理を含む所定処理を実行した後、有利区間報知フラグが設定されていない場合には、有利区間報知LED12aの出力バッファに状態制御用データ(消灯)を設定して、当該有利区間報知LED12aの点灯態様を消灯状態に制御する。リール制御処理は、第3停止操作が終了されること(第3停止操作に係るストップスイッチに対する押下が離されること)で終了されるようになっており、第3停止操作が終了された以降に、有利区間報知LED12aが消灯状態に制御さされる。そして、有利区間報知LED12aが消灯状態に制御された後に、遊技終了時設定処理を実行して、最初のステップの遊技開始待ち処理に戻ることで、メイン処理が一巡する。すなわち、メイン処理では、当該ゲームにおける第3停止操作が終了された後から、次回ゲームの遊技開始待ち処理が開始されるまでの期間内において、有利区間報知LED12aの点灯態様を消灯状態に切り替える制御が行われ得るようになっている。
【0123】
また、メイン処理では、内部抽選処理を行った後、リール制御処理を行う間に、出玉制御処理を行って、有利区間に制御されており、所定の報知開始条件が成立することで、有利区間報知LED用出力バッファに状態制御用データ(点灯)を設定して、有利区間報知LED12aを点灯状態に制御するので、所定の報知開始条件が成立するゲームの開始時であって、当該ゲームを開始させるためのスタートスイッチ7が操作された後から、リールを停止させるためのストップスイッチ8L,8C,8Rの操作が有効となる前までに、有利区間報知LED12aの点灯を開始させて、当該有利区間報知LED12aにより有利区間に制御している旨を報知するようになっている。
【0124】
また、メイン処理では、リール制御処理や再遊技作動時処理を行った後、有利区間報知フラグがRAM41cの所定領域に設定されているか否かを判定して、有利区間報知フラグが設定されていない場合に、有利区間報知LED用出力バッファに状態制御用データ(消灯)を設定して、有利区間報知LED12aを消灯させるので、有利区間を終了する際には、有利区間の終了条件(終了条件1、終了条件2、終了条件3のうち少なくとも一の終了条件)が成立したゲームの終了時に、有利区間報知LED12aを消灯させて、有利区間が終了した旨を報知するようになっている。
【0125】
[遊技開始待ち処理について]
メイン制御部41が行う遊技開始待ち処理の制御内容について、図11に基づいて説明する。図11は、メイン制御部が行う遊技開始待ち処理の制御内容を示すフロー図である。
【0126】
図11に示すように、遊技開始待ち処理では、先ず、RAM41cの所定領域に設定されている再遊技用メダルカウンタの値を所定レジスタに読み込み、当該再遊技用メダルカウンタを初期化して0に設定する(Sb1)。なお、再遊技用メダルカウンタには、前回のゲームに係るメイン処理における再遊技作動時処理により、前回のゲームにおいて再遊技役が入賞して再遊技が付与された場合に、新たなゲームを行うために必要な規定数の賭数に相当する数値(本実施形態では、3)が設定されている。一方で、前回のゲームにおいて再遊技が付与されなかった場合には、当該Sb1のステップにおいて初期化された際の値(0)が維持されている。
【0127】
そして、Sb1のステップにおいて所定レジスタに読み込んだ値に基づき再遊技用メダルカウンタの値が0より大きいか否かを判定する(Sb2)。そして、Sb2のステップにおいて再遊技用メダルカウンタの値が0より大きいと判定した場合、すなわち前回のゲームにおいて再遊技が付与されている場合には、メダル投入実行処理を行う(Sb3)。
【0128】
メダル投入実行処理では、Sb1のステップにおいて所定レジスタに読み込まれた再遊技用メダルカウンタの値分を賭数に設定するとともに、1~3BETLED14~16を点灯状態に設定し、規定数(本実施形態では、3)の賭数が設定されている旨を報知するように制御する。賭数を設定する際には、Sb1のステップにおいて再遊技用メダルカウンタの値が読み込まれた所定レジスタの値を1減算し、賭数を1加算するとともに、加算後の賭数に対応する1~3BETLED14~16を点灯状態に設定した後、タイマ割込み処理のLEDダイナミック表示処理により該当する1~3BETLED14~16を点灯状態に制御させる処理を、再遊技用メダルカウンタの値が0となるまで繰り返し行い、再遊技用メダルカウンタの値が0となることで、賭数を設定する処理を終了するようになっており、賭数が1加算されるごとに、1~3BETLED14~16が点灯状態に順次制御されるようになっている。なお、再遊技用メダルカウンタの値分を一度に賭数に加算して、1~3BETLED14~16を全て点灯状態に設定し、LEDダイナミック表示処理により1~3BETLED14~16を点灯状態に制御させることで、1回のタイマ割込み処理にて、1~3BETLED14~16の全てを同時に点灯状態に制御する構成としてもよい。メダル投入実行処理において自動で賭数が設定されると、賭数が設定済みである旨を示す賭数設定済フラグをRAM41cの所定領域に設定する。
【0129】
Sb3のステップにおいてメダル投入実行処理を行った後は、メダル手入れ許可設定処理を行う(Sb4)。また、Sb2のステップにおいて再遊技用メダルカウンタの値が0より大きくないと判定した場合、すなわち前回のゲームにおいて再遊技が付与されていない場合には、Sb3のステップの処理を実行せずに、Sb4のステップに進み、メダル手入れ許可設定処理を行う。
【0130】
メダル手入れ許可設定処理では、RAM41cの所定領域に設定されているクレジットの値を参照し、当該クレジットの値が最大値(本実施形態では、50)に達しておらずクレジットに空きがある場合、および設定されている賭数の値を参照し、当該賭数の値が規定数(本実施形態では、3)に到達しておらず賭数に空きがある場合に、メダル投入部4からのメダルの投入を許可する旨を示すメダル手入れ許可フラグをRAM41cの所定領域に設定する。なお、本実施形態では、メダル手入れ許可設定処理において、再遊技が付与されているか否かに関わらず、クレジットに空きがある場合には、メダル手入れ許可フラグを設定する構成であるが、再遊技が付与されている場合には、クレジットに空きがある場合でも、メダル手入れ許可フラグを設定せず、賭数に空きある場合や、クレジットに空きがあり、かつ再遊技が付与されていない場合に、メダル手入れ許可フラグを設定する構成としてもよい。
【0131】
Sb4のステップにおいてメダル手入れ許可設定処理を行った後は、割込み1回待ち処理を行う(Sb5)。割込み1回待ち処理を行うことで、タイマ割込み処理が行われて各種スイッチ類の検出状態やLEDの点灯状態、各種タイマなどが更新されることとなり、これらの各種スイッチ類の検出状態が更新された状態で、その後の処理(たとえば、後述のメダル検出処理や操作入力受付処理など)を行わせることができる。Sb5の割込み1回待ち処理は、スタートスイッチ7が操作された後に内部抽選用の乱数値を取得する後述のSb13の処理が実行されるまで、一定時間間隔(たとえば、約0.56ミリ秒)ごとに繰り返し実行される。
【0132】
Sb5のステップにて割込み1回待ち処理を行ってタイマ割込みが1回行われた後は、非BET状態であるか否かを判定する(Sb101)。このとき、RAM41cの所定領域に賭数設定済フラグが設定されていない場合には非BET状態であると判定する一方、賭数設定済フラグが設定されている場合には非BET状態でないと判定する。非BET状態であると判定した場合、非BET状態においてデモ移行期間が経過したか否かを判定する(Sb102)。デモ移行期間が経過したか否かは、割込み1回待ち処理が繰り返されるたびに約0.56ミリ秒ずつ加算されるタイマを用いて判定される。たとえば、デモ移行期間が30秒間である場合、割込み1回待ち処理を53572回以上実行されたときに、非BET状態においてデモ移行期間が経過したと判断される。
【0133】
非BET状態においてデモ移行期間が経過したと判定した場合、デモ演出を実行させるためのデモコマンドをサブ制御部91に対して送信する(Sb103)。一方、サブ制御部91は、デモコマンドを受信することでデモ演出を実行する。Sb103のステップの後、遊技補助表示器12の払出枚数表示をクリアする(Sb104)。なお、このとき、有利区間報知LED12aが点灯している場合には、当該点灯は維持される。Sb104のステップの後、再びSb5のステップに戻り、割込み1回待ち処理を実行する。
【0134】
一方、非BET状態でない場合、前述のメダル手入れ許可設定処理によりメダル手入れ許可フラグが設定され得るRAM41cの所定領域を参照して、メダル手入れ許可フラグが設定されているか否かを判定する(Sb6)。
【0135】
Sb6のステップにおいてメダル手入れ許可フラグが設定されていると判定した場合には、流路切替ソレノイド30をON状態(通電状態)に設定する(Sb7)。流路切替ソレノイド30をON状態に設定することで、メダル投入部4から投入されたメダルの流路をホッパータンク側に切り替えて、当該メダルをスロットマシン1の内部に取り込むように制御する。また、投入要求LED17の点灯態様を点灯状態に設定し(Sb8)、メダルの投入が可能な状態である旨を報知するように制御する。なお、投入要求LED17の点灯態様を点灯状態に設定した後、タイマ割込み処理が実行され、LEDダイナミック表示処理が行われることで、当該投入要求LED17が点灯状態に制御される。
【0136】
そして、Sb8のステップにおいて投入要求LED17を点灯状態に設定した後は、メダル検出処理を行う(Sb9)。また、Sb6のステップにおいてメダル手入れ許可フラグが設定されていないと判定した場合には、Sb7のステップおよびSb8のステップの各処理を実行せずに、Sb9のステップに進み、メダル検出処理を行う。
【0137】
メダル検出処理では、投入メダルセンサ31の出力信号(以下、メダル投入信号と呼ぶ場合がある)やメダル投入信号の遷移に異常がないか否を判定し、異常がないと判定した場合に、メダル投入信号の遷移に基づいてメダルの投入状況を判定する。そして、正常なメダルの投入が検出された場合には、賭数の設定やクレジットにメダルを受け付ける処理を行う。このとき、規定の賭数が設定された場合には、賭数設定済フラグをRAM41cの所定領域に設定する。一方、異常なメダルの投入が検出された場合には、ゲームの進行を不能化するエラー状態に制御するエラー処理を行う。エラー状態は、リセットスイッチ23またはリセット/設定スイッチ38が操作されることで解除される。なお、エラー状態が解除されたときに、当該エラー状態に制御された原因となった異常(たとえば、投入メダルセンサ31の検出範囲内でのメダルの詰まりなど)が解消されてない場合には、再びエラー状態に制御されることとなる。
【0138】
Sb9のステップにおいてメダル検出処理を行った後は、各種スイッチの操作を受け付ける有効化して、操作が有効化されているスイッチの操作が行われることで、当該スイッチによる操作を受け付ける操作入力受付処理を行う(Sb10)。
【0139】
操作入力受付処理では、メダル投入信号の遷移に基づいてメダルが通過中でないときに、RAM41cの所定領域に設定されているクレジットが、1以上である場合には、MAXBETスイッチ6による操作の受け付けを有効化する。また、メダル投入信号の遷移に基づいてメダルが通過中でないときに、賭数設定済フラグがRAM41cの所定領域に設定されている場合には、スタートスイッチ7による操作の受け付けを有効化する。また、メダル投入信号の遷移に基づいてメダルが通過中でない場合に、精算スイッチ10および設定キースイッチ37による操作の受け付けを有効化する。
【0140】
また、操作入力受付処理では、スタートスイッチ7による操作が有効な状態で、スタートスイッチ7の操作が検出された場合には、スタートスイッチ7が操作された旨を示すスタートフラグを所定レジスタに設定した後、流路切替ソレノイド30をOFF状態(非通電状態)に設定することで、メダル投入部4から投入されたメダルの流路をメダル払出口9側に切り替えて、投入されたメダルを遊技者に返却するように制御する。また、設定キースイッチ37による操作が有効な状態で、設定キースイッチ37による操作が検出された場合には、設定値表示器24に設定値を表示させる設定値表示処理を行う。また、MAXBETスイッチ6による操作が有効な状態で、MAXBETスイッチ6による操作が検出された場合には、クレジットに基づいて可能な範囲で規定数までのメダル枚数を賭数に設定し、賭数に設定した分のメダル枚数をクレジットから減算する処理を行う。操作が検出されたスイッチ類に応じた処理を行った後、操作入力受付処理を終了させる。
【0141】
Sb10のステップにおいて操作入力受付処理を行った後は、精算スイッチ10による有効な操作が検出されたか否かを判定する(Sb110)。精算スイッチ10による有効な操作が検出された場合には、クレジットに記憶されている分のメダルを遊技者に返却(精算)する精算処理を行う(Sb111)。そして、遊技補助表示器12の払出枚数表示および賭数報知をクリアする(Sb112)。なお、このとき、有利区間報知LED12aが点灯している場合には、当該点灯は維持される。Sb112のステップの後、再びSb5のステップに戻り、割込み1回待ち処理を実行する。
【0142】
一方、精算スイッチ10による有効な操作が検出されていない場合、スタートフラグに基づいてスタートスイッチ7による有効な操作が検出されたか否かを判定する(Sb11)。所定レジスタにスタートフラグが設定されておらず、スタートスイッチ7による有効な操作が検出されなかったと判定した場合は、Sb12のステップに進み、スタート有効LED18の点灯態様を制御するスタート有効LED表示処理を行う(Sb12)。
【0143】
スタート有効LED表示処理では、Sb10のステップの操作入力受付処理によりスタートスイッチ7による操作が有効に設定されている状態において、リセットスイッチ23以外のスイッチ類の操作が検出されない場合に、スタート有効LED18を点灯状態に設定する一方で、スタートスイッチ7による操作が有効に設定されている状態において、リセットスイッチ23以外のスイッチ類の操作が検出される場合、およびスタートスイッチ7による操作が有効に設定されていない場合に、スタート有効LED18を消灯状態に設定する。これにより、スタートスイッチ7による操作が有効な状態であり、かつ、リセットスイッチ23以外のスイッチ類が操作されていない状態である場合に、スタート有効LED18を点灯状態に制御することで、スタートスイッチ7による操作が有効である旨を報知する。また、スタートスイッチ7による操作が有効な状態であるが、リセットスイッチ23以外のスイッチ類が操作されている状態である場合や、スタートスイッチ7による操作が有効に設定されていない場合に、スタート有効LED18を消灯状態に制御することで、スタートスイッチ7による操作が無効である旨を報知する。
【0144】
Sb12のステップにおいてスタート有効LED表示処理を行った後は、Sb5のステップに戻り、Sb11のステップにおいてスタートスイッチ7による有効な操作が検出されたと判定するまで、Sb5以降のステップの各処理を繰り返し行う。Sb12のステップにおいてスタート有効LED表示処理を行った後に、Sb5のステップにおいて割込み1回待ち処理が行われることで、スタート有効LED18は、スタート有効LED表示処理により設定された点灯態様に制御されることとなる。
【0145】
Sb11のステップにおいて、所定レジスタにスタートフラグが設定されており、スタートスイッチ7による有効な操作が検出されたと判定した場合は、内部抽選用の乱数値を乱数回路42から取得して、RAM41cの所定領域に設定する(Sb13)。その後、スタート有効LED18および投入要求LED17を消灯状態に設定し(Sb14、Sb15)、メダル手入れ許可フラグをRAM41cの所定領域からクリアし(Sb16)、遊技補助表示器12における払出枚数の表示をクリアするように制御して(Sb17)、遊技開始待ち処理を終了させ、メイン処理に戻る。
【0146】
その後、メイン処理では、Sb13のステップにおいて取得された内部抽選用乱数値を用いて内部抽選を行う内部抽選処理や、スタートスイッチ7の操作が検出されたことに応じてリール2L,2C,2Rの回転を開始させ、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作が検出されることに応じて該当するリールを停止させるリール制御処理などが行われることで、1ゲームが開始することとなる。
【0147】
このように、遊技開始待ち処理では、再遊技が付与されている場合に、メダル投入実行処理を実行して、再遊技を行うための賭数を設定して、1~3BETLED14~16を点灯状態に順次制御する。
【0148】
また、遊技開始待ち処理では、メダル手入れ許可フラグが設定されており、クレジットまたは賭数の少なくとも一方に空きがあってメダルを投入可能である場合に、メダル投入部4から投入されたメダルの流路をホッパータンク側に切り替えるように流路切替ソレノイド30をON状態に制御し、投入要求LED17の点灯態様を点灯状態に制御する。
【0149】
また、遊技開始待ち処理では、スタート有効LED表示処理を行うことで、スタートスイッチ7による操作が有効な状態であり、かつ、リセットスイッチ23以外のスイッチ類が操作されていない状態である場合に、スタート有効LED18を点灯状態に制御する一方で、スタートスイッチ7による操作が有効な状態であるが、リセットスイッチ23以外のスイッチ類が操作されている状態である場合や、スタートスイッチ7による操作が有効に設定されていない場合に、スタート有効LED18を消灯状態に制御する。
【0150】
また、遊技開始待ち処理では、操作入力受付処理によりスタートスイッチ7の有効な操作が検出されることで、投入要求LED17、スタート有効LED18を消灯状態に設定し、遊技補助表示器12の払出枚数表示をクリアするように設定することで、その後、タイマ割込み処理が行われることで、投入要求LED17、スタート有効LED18が消灯状態に制御され、遊技補助表示器12における払出枚数表示が消去されることとなる。
【0151】
また、遊技開始待ち処理では、メダル投入実行処理(Sb3)を行った後に、投入要求LED17の点灯状態を設定する処理(Sb8)を行うことが可能であるので、再遊技が付与されている場合には、再遊技の付与に伴い賭数が設定されて、1~3BETLED14~16が点灯状態に順次制御された後に、投入要求LED17が点灯状態に制御されるようになっている。
【0152】
また、遊技開始待ち処理では、割込み1回待ち処理(Sb5)を行った後の一連の処理(Sb6~Sb12)において、投入要求LED17の点灯状態を設定する処理(Sb8)を行い、さらにスタート有効LED表示処理(Sb12)を行うことが可能であるので、これら投入要求LED17の点灯状態を設定する処理(Sb8)およびスタート有効LED表示処理(Sb12)が行われた後のタイマ割込み処理により、投入要求LED17およびスタート有効LED18が同時に点灯状態に制御され得るようになっている。
【0153】
また、遊技開始待ち処理では、デモ移行期間が経過した後に払出枚数表示をクリアする処理(Sb104)を行う一方で、有利区間報知LED12aが点灯している場合には、当該点灯が維持される。
【0154】
また、遊技開始待ち処理では、精算処理が行われた後に払出枚数表示および賭数報知をクリアする処理(Sb112)を行う一方で、有利区間報知LED12aが点灯している場合には、当該点灯が維持される。
【0155】
[出玉制御処理について]
メイン制御部41が行う出玉制御処理の制御内容について、図12に基づいて説明する。
【0156】
図12に示すように、出玉制御処理では、先ず、RAM41cの所定領域を参照して、現在制御されている遊技区間を特定可能な区間情報を取得する(Sc1)。区間情報は、初期値では、現在制御されている遊技区間が通常区間である旨を示す値となっており、当該出玉制御処理や後述のAT状態管理処理の該当する処理により、有利区間を示す値に更新され得るようになっている。
【0157】
そして、Sc1のステップにて取得した区間情報に基づいて現在制御されている遊技区間が有利区間であるか否かを判定する(Sc2)。Sc2のステップにおいて現在制御されている遊技区間が有利区間でないと判定した場合は、RAM41cの所定領域を参照して、内部抽選にていずれの内部抽選対象役(ハズレを含む)が当選したかを特定可能な当選番号を取得し(Sc3)、有利区間へ移行させるか否かを決定する有利区間移行抽選を行う有利区間移行抽選対象役が当選したか否かを判定する(Sc4)。内部抽選にて抽選対象となる各内部抽選対象役には、予め役番号が割り当てられており、内部抽選対象役のうちの有利区間移行抽選対象役には、所定範囲内の役番号が予め割り当てられている。当選番号に基づいて特定される内部抽選対象役の役番号が所定範囲内の値であるか否かに基づいて、有利区間移行抽選対象役が当選したか否かを判定することが可能となっている。
【0158】
そして、Sc4のステップにおいて有利区間移行抽選対象役が当選したと判定した場合には、有利区間移行抽選を行う有利区間移行抽選処理を実行する(Sc5)。その後、有利区間移行抽選に当選して有利区間へ移行させる旨が決定されたか否かを判定する(Sc6)。Sc6のステップにおいて有利区間移行抽選に当選したと判定した場合には、区間情報の更新用データ(有利区間)を所定レジスタに取得し(Sc7)、当該所定レジスタに取得されている更新用データ(有利区間)を用いて、有利区間を示す値に区間情報を更新する(Sc8)。これにより、当該ゲームにおいて更新された区間情報(有利区間を示す値)に基づいて、当該ゲームの次ゲームから有利区間が開始され、該次ゲームを有利区間の1ゲーム目として後述の有利区間ゲーム数カウンタにより有利区間のゲーム数の計数が行われる。
【0159】
そして、有利区間移行抽選に当選したことに伴い開始される有利区間に関する設定を行う有利区間開始時設定処理を行う(Sc9)。有利区間開始時設定処理では、当選している有利区間移行抽選対象役の種類に応じて開始される有利区間の終了条件(任意終了条件など)を初期設定する処理や、有利区間中において行われるAT抽選に用いられる抽選テーブルを設定する処理、有利区間中において用いられる各種カウンタを設定する処理などを行う。
【0160】
そして、Sc9のステップにおいて有利区間開始時設定処理を行った後は、出玉制御処理を終了させてメイン処理に戻る。また、Sc4のステップにおいて、当選番号に基づいて有利区間移行抽選対象役が当選していないと判定した場合、Sc6のステップにおいて有利区間移行抽選に当選していないと判定した場合には、Sc5~Sc9のステップの各処理を行わずに、出玉制御処理を終了させてメイン処理に戻る。
【0161】
一方、Sc2のステップにおいて現在制御されている遊技区間が有利区間であると判定した場合は、連続して有利区間に制御されているゲーム数(以下、有利区間ゲーム数と呼ぶ場合がある)を計数するためにRAM41cの所定領域に設けられている有利区間ゲーム数カウンタに1加算した後(Sc10)、RAM41cの所定領域に設定されている出玉状態情報(現在制御されているATに関する制御状態を特定可能な情報)に基づいて、現在制御されている出玉状態(ATに関する制御状態)を所定レジスタに取得し(Sc11)、現在制御されている出玉状態に関連する処理を実行する出玉状態関連処理を行う(Sc12)。
【0162】
出玉状態関連処理では、当該処理の開始時に所定レジスタに取得されている出玉状態、すなわち現在制御されている出玉状態に関連する処理を行う。本実施形態のメイン制御部41は、出玉状態(ATに関する制御状態)として非AT状態、前兆状態およびAT状態に制御可能であり、出玉状態関連処理では、所定の移行条件が成立することで、現在の制御状態を終了させて、成立した移行条件に応じた制御状態に移行させるように制御する。また、上述した有利区間の任意終了条件(第3終了条件)が成立したときに、当該任意終了条件が成立した旨を示す任意終了条件成立フラグをRAM41cの所定領域に設定して、有利区間を終了させるように制御する。
【0163】
また、出玉状態関連処理では、後述するように、遊技区間が有利区間に制御されており、上述の有利区間報知を開始させる有利区間報知開始条件が成立したとき(本実施形態では、有利区間に移行された後、最初にAT状態に制御され、当該AT状態において、最初に内部抽選にてナビ対象役が当選してATの制御によりナビ報知が行われるゲーム、すなわち有利区間の開始後、最初にナビ報知が行われ、払出率(払出枚数/賭数)が100%を超え得るゲームの開始時)に、有利区間報知を開始させる旨を示す有利区間報知フラグをRAM41cの所定領域に設定して、有利区間報知LED12aによる有利区間報知の制御を開始させるように制御する。
【0164】
Sc12のステップにおいて出玉状態関連処理を行った後は、当該出玉状態関連処理により任意終了条件成立フラグが設定され得るRAM41cの所定領域を参照して、任意終了条件成立フラグが設定されているか否かに基づいて任意終了条件が成立したか否かを判定する(Sc13)。任意終了条件成立フラグが設定されており、任意終了条件が成立したと判定した場合には、有利区間終了フラグ設定処理を行って(Sc14)、有利区間を終了させる旨を示す有利区間終了フラグをRAM41cの所定領域に設定する。
【0165】
そして、Sc14のステップにおいて有利区間終了フラグ設定処理を行った後は、出玉状態関連処理により有利区間報知フラグが設定され得るRAM41cの所定領域を参照して、有利区間報知フラグが設定されているか否かを判定する(Sc15)。また、Sc13のステップにおいて、RAM41cの所定領域に任意終了条件成立フラグが設定されていないと判定した場合には、Sc14のステップの処理を行わず、Sc15のステップの処理へ進み、有利区間報知フラグが設定されているか否かを判定する(Sc15)。
【0166】
そして、Sc15のステップにおいて、有利区間報知フラグが設定されていると判定した場合には、有利区間報知LED12aの表示態様を点灯状態に制御するための状態制御用データ(点灯)を所定レジスタに読み込み(Sc16)、当該所定レジスタの状態制御用データ(点灯)を有利区間報知LED用出力バッファに設定した後(Sc17)、割込み1回待ち処理を行って(Sc18)、タイマ割込み処理において実行される後述のLEDダイナミック表示処理により、遊技補助表示器12の右側表示器12Rにおける第8セグメントすなわち有利区間報知LED12aの表示態様を点灯状態に制御する。その後、ナビ報知の設定を実行する指示設定処理を行う(Sc19)。一方、Sc15のステップにおいて、有利区間報知フラグが設定されていないと判定した場合には、Sc16~Sc18のステップにおける各処理を行わず、Sc19のステップへ進み指示設定処理を行う(Sc19)。
【0167】
指示設定処理では、ATに関する制御状態(出玉状態)がAT状態に制御されており、かつ内部抽選にてナビ対象役が当選したことが特定される場合に、当該ナビ対象役に応じたナビ報知を実行して、当該ナビ対象役に応じて遊技者にとって有利となるストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様(たとえば、押し順、操作タイミングなど)を遊技補助表示器12を用いて報知するとともに、当該操作態様を特定可能なコマンドをサブ制御部91に対して送信するように制御する。一方、ATに関する制御状態がAT状態に制御されていない場合には、内部抽選にてナビ対象役が当選していてもナビ報知を実行せず、遊技者にとって有利となるストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様を特定可能なコマンドをサブ制御部91に対して送信しないように制御する。
【0168】
そして、Sc19のステップにおいて指示設定処理を行った後は、当該出玉制御処理を終了させてメイン処理に戻る。
【0169】
このように、出玉制御処理では、有利区間に制御されており、所定の有利区間報知開始条件が成立することで、有利区間報知LED用出力バッファに状態制御用データ(点灯)を設定して、有利区間報知LED12aの表示態様を点灯状態に制御するので、有利区間報知開始条件が成立するゲームの開始時に、有利区間報知LED12aの点灯を開始させて、当該有利区間報知LED12aにより有利区間に制御されている旨を報知することができる。
【0170】
また、出玉制御処理では、遊技区間を有利区間に制御しているときには、1ゲームごとに有利区間ゲーム数カウンタに必ず1加算して、有利区間中に行われたゲーム数を計数する。これにより、後述のAT状態管理処理において、当該有利区間ゲーム数カウンタに基づいて、有利区間中に行われたゲーム数が上限ゲーム数(本実施形態では、1500ゲーム)に到達したと判定された場合に、有利区間を終了させるように制御されることとなるので、有利区間が上限ゲーム数を超えることがなく、長期的なメダルの払出率が過大になってしまうことを防止できる。
【0171】
なお、本実施形態の出玉制御処理では、有利区間報知開始条件が成立したとき、すなわち有利区間の開始後、最初にナビ報知が行われ、払出率(払出枚数/賭数)が100%を超え得るゲームの開始時に、有利区間報知LED12aによる有利区間報知を開始させるように制御する構成であるが、有利区間報知は、遊技区間が通常区間から有利区間に移行された後から、最初にナビ報知が行われて払出率(払出枚数/賭数)が100%を超え得るゲームまでの期間における所定タイミングで開始される構成でもよく、たとえば、遊技区間が通常区間から有利区間に移行された次ゲームの開始時に有利区間報知が開始される構成や、遊技区間が通常区間から有利区間に移行された後、予め定められた所定数のゲームが行われることで有利区間報知が開始される構成、遊技区間が通常区間から有利区間に移行された後、予め定められた所定の図柄組合せがリール2L,2C,2Rに停止することで有利区間報知が開始される構成などでもよい。
【0172】
また、本実施形態の出玉制御処理では、有利区間報知は、有利区間の開始後、最初にナビ報知が行われ、払出率(払出枚数/賭数)が100%を超え得るゲームの開始時に開始され、有利区間の終了とともに終了される構成であるが、有利区間報知は、有利区間の開始後から当該有利区間が終了されるまでの期間において、所定の終了条件が成立すること(たとえば、AT状態が終了されることなど)で一旦終了され得る構成でもよい。
【0173】
また、本実施形態の出玉制御処理では、有利区間の任意終了条件(第3終了条件)が成立したときに、有利区間を終了させる構成であり、任意終了条件として、所定期間が経過することを適用する構成であるが、任意終了条件として、たとえば、AT状態が終了されること、AT状態に制御されることなく有利区間におけるゲーム数が規定ゲーム数に到達すること、所定役が当選すること、所定役の当選回数が規定回数に到達すること、所定役または所定出目が停止すること、所定役または所定出目の停止回数が規定回数に到達すること、および有利区間の終了抽選に当選すること、あるいはこれらの組合せなどを適用する構成でもよい。
【0174】
[リール制御処理について]
メイン制御部41が行うリール制御処理の制御内容について、図13に基づいて説明する。図13は、メイン制御部41が行うリール制御処理の制御内容を示すフロー図である。
【0175】
図13に示すように、リール制御処理では、先ず、ゲームを開始させるためにスタートスイッチ7が操作されたことに伴い、全てのリール2L,2C,2Rを所定の回転速度で回転させる回転開始処理を行う(Sh1)。なお、回転開始処理を行った後、全てのリールが定速回転となることで、左・中・右停止有効LED22L,22C,22Rを点灯状態に制御する。その後、いずれかのストップスイッチが押下操作されたか否かを判定する(Sh2)。いずれのストップスイッチも押下操作されていない場合には、Sh2のステップに戻る。
【0176】
一方、いずれかのストップスイッチが押下操作された場合には、操作されたストップスイッチに対応するリールを停止させる停止制御を行う(Sh3)。なお、リールの停止制御は、ストップスイッチが押下操作されることを契機に行われるものであるため、ストップスイッチに対する押下が離されずに押下操作が継続されている場合であっても、停止制御が行われる。また、回転中のリールについてストップスイッチが操作されることで、該当するストップスイッチの停止有効LEDを消灯状態に制御する。
【0177】
Sh3のステップの後、全てのリールの停止制御を実行したか否かを判定する。全てのリールの停止制御を実行していない場合には、Sh2のステップに戻る。一方、全てのリールの停止制御を実行している場合には、入賞ラインLN上に入賞役を構成する図柄の組合せが各リール2L,2C,2Rの表示結果として停止して入賞が発生したか否かを判定する(Sh5)。そして、入賞が発生している場合には、入賞が発生した入賞役を特定可能な入賞フラグをRAM41cの所定領域に設定する(Sh6)。一方、入賞が発生していない場合には、Sh6のステップをスキップする。
【0178】
次に、全てのストップスイッチ8L,8C,8Rに対する押下が離されたか否かを判定する(Sh7)。全てのストップスイッチ8L,8C,8Rに対する押下が離されていない場合、すなわちいずれかのストップスイッチに対する押下操作が継続されている場合、Sh7のステップの処理を繰り返す。
【0179】
一方、全てのストップスイッチ8L,8C,8Rに対する押下が離された場合、他の操作手段(たとえば、スタートスイッチ7やMAXBETスイッチ6)に対する押下がされているか否かを判定する(Sh6)。他の操作手段に対する押下がされている場合には、再びSh7のステップの処理を繰り返す。具体的には、ストップスイッチに対する最後の操作(第3停止操作)が行われる前から他の操作手段に対して押下されており、ストップスイッチに対する押下が離された時点で未だ他の操作手段に対する押下が継続している場合には、再びSh7のステップの処理を繰り返す。あるいは、ストップスイッチに対する最後の操作(第3停止操作)がされた後(押下の後)に他の操作手段に対して押下され、ストップスイッチに対する押下が離された時点で未だ他の操作手段に対する押下が継続している場合には、再びSh7のステップの処理を繰り返す。あるいは、ストップスイッチに対する押下が離される前では他の操作手段に対して押下されていないが、ストップスイッチに対する押下が離されたと同時に他の操作手段に対する押下がされた場合には、再びSh7のステップの処理を繰り返す。一方、他の操作手段に対する押下がされていない場合には、当該リール制御処理を終了させてメイン処理に戻る。
【0180】
このように、リール制御処理では、全てのストップスイッチ8L,8C,8Rに対する押下が離されている場合において、他の操作手段に対する押下がされているときには、リール制御処理内におけるSh7およびSh8のステップの処理が繰り返し実行される。このため、リール制御処理が終了せずに次工程の処理(たとえば、AT状態管理処理以降の処理)が実行されないため、有利区間報知LED12aが点灯している場合にSa10およびSa11のステップで有利区間報知LED12aが消灯することがない。
【0181】
また、リール制御処理では、全てのストップスイッチ8L,8C,8Rに対する押下が離されている場合において、他の操作手段に対する押下がされているときには、リール制御処理内におけるSh7およびSh8のステップの処理が繰り返し実行されるため、次遊技における処理(たとえば、次のゲームの遊技開始待ち処理など)も開始されない。
【0182】
また、リール制御処理では、ストップスイッチが押下操作された場合、当該押下操作が継続されていたとしても、当該押下操作が行われる度に、当該押下操作されたリールが停止して図柄が導出される。
【0183】
[AT状態管理処理について]
メイン制御部41が行うAT状態管理処理の制御内容について、図14に基づいて説明する。図14は、メイン制御部41が行うAT状態管理処理の制御内容を示すフロー図である。
【0184】
図14に示すように、AT状態管理処理では、先ず、RAM41cの所定領域に設定されている区間情報を所定レジスタに取得する(Sd1)。そして、当該区間情報に基づいて現在制御されている遊技区間が有利区間であるか否かを判定する(Sd2)。
【0185】
そして、Sd2のステップにおいて現在制御されている遊技区間が有利区間であると判定した場合は、上述の出玉制御処理により有利区間終了フラグが設定され得るRAM41cの所定領域を参照して、有利区間終了フラグが設定されているか否かを判定する(Sd3)。Sd3のステップにおいて有利区間終了フラグが設定されていないと判定した場合は、RAM41cの所定領域に設定されており、上述の出玉制御処理にて更新される有利区間ゲーム数カウンタを参照して(Sd4)、当該有利区間ゲーム数カウンタに基づいて有利区間ゲーム数が上限ゲーム数(本実施形態では、1500ゲーム)に到達しているか否かを判定する(Sd5)。
【0186】
そして、Sd5のステップにおいて有利区間ゲーム数が上限数に到達していないと判定した場合は、RAM41cの所定領域に設定されており、有利区間において払い出されたメダルの純増枚数(有利区間において払い出されたメダルの総枚数から有利区間において賭数の設定に用いられたメダルの総枚数を減じて得られる枚数)を計数するための純増枚数カウンタを参照し(Sd6)、当該純増枚数カウンタの値を純増枚数値として所定レジスタに取得する。そして、当該ゲームの入賞フラグに基づいて払い出されるメダルの払出枚数値を特定し、当該払出枚数値を所定レジスタの純増枚数値に加算する(Sd7)。その後、当該ゲームにおいて設定されている賭数値を特定し、所定レジスタの純増枚数値から賭数値を減算して新たな純増枚数値を算出する(Sd8)。そして、所定レジスタに算出された新たな純増枚数値が0以上であるか否かを判定する(Sd9)。
【0187】
Sd9のステップにおいて、所定レジスタの純増枚数値が0以上でないと判定した場合には、所定レジスタの純増枚数値を0に設定した後(Sd10)、Sd11のステップへ進む。一方、Sd9のステップにおいて、所定レジスタの純増枚数値が0以上であると判定した場合には、Sd10のステップの処理を行わず、所定レジスタの純増枚数値を維持して、Sd11のステップへ進む。
【0188】
Sd11のステップでは、所定レジスタに設定されている純増枚数値が、規定枚数(本実施形態では、2388(上限枚数2400枚からスロットマシン1での払出枚数の最大値(15)を減算し、かつ賭数の設定に使用される最大枚数(3枚)を加算した値))を超えたか否かを判定する(Sd11)。Sd11のステップにおいて、所定レジスタの純増枚数値が規定枚数を超えていないと判定した場合には、所定レジスタの純増枚数値をRAM41cの所定領域の純増枚数カウンタに設定することで、当該純増枚数カウンタの値を新たな純増枚数値に更新する(Sd12)。
【0189】
Sd12のステップにおいて純増枚数カウンタを新たな純増枚数値に更新した後は、当該AT状態管理処理を終了させてメイン処理に戻る。また、Sd2のステップにおいて現在制御されている遊技区間が有利区間でないと判定した場合にも、当該AT状態管理処理を終了させて、メイン処理に戻る。
【0190】
一方、Sd3のステップにおいて有利区間終了フラグが設定されていると判定した場合、Sd5のステップにおいて有利区間ゲーム数が上限数に到達していると判定した場合、Sd11のステップにおいて有利区間におけるメダルの純増枚数が規定枚数を超えていると判定した場合は、Sd13のステップへ進み、RAM41cの記憶領域のうち有利区間中の制御に関連するデータが記憶されている所定領域を初期化して有利区間を終了させる有利区間データ初期化処理(Sd13~Sd22)を行う。
【0191】
有利区間データ初期化処理では、先ず、当該処理にて初期化するRAM41cの記憶領域の区分数(本実施形態では、2)を初期化領域区分数として所定レジスタ(D)に設定する(Sd13)。そして、RAM初期化テーブル(初期化対象となるRAM41cの記憶領域の先頭アドレスの値および初期化対象となる記憶領域数(容量、含まれるアドレスの個数)が、区分数が示す値に対応して設定されたテーブル)が記憶されているROM41bの記憶領域のアドレスを所定レジスタ(HL)に設定する(Sd14)。その後、所定レジスタ(HL)に設定されているRAM初期化データテーブルのアドレスに基づいて特定されるROM41bの記憶領域から、所定レジスタ(D)の区分数が示す値に対応する記憶領域数を取得して、初期化対象領域のアドレス数として所定レジスタ(B)に設定するとともに、所定レジスタ(D)の区分数が示す値に対応する先頭アドレスの値を取得して、初期化対象RAMアドレスとして所定レジスタ(C)に設定する(Sd15)。
【0192】
そして、初期化用データ(たとえば、0)を所定レジスタ(A)に設定した後(Sd16)、所定レジスタ(C)に設定されている初期化対象RAMアドレスに対応するRAM41cの所定領域に、所定レジスタ(A)に設定されている初期化用データを設定することで、当該RAM41cの所定領域を初期化用データで初期化する(Sd17)。その後、所定レジスタ(C)の値を1加算することで、初期化対象RAMアドレスを1つ進める(Sd18)。
【0193】
そして、所定レジスタ(B)の値を1減算することで、残りアドレス数を1減算した後(Sd19)、残りアドレス数が0より大きいか否かを判定する(Sd20)。Sd20のステップにおいて残り初アドレス数が0より大きいと判定した場合には、Sd17のステップに戻り、Sd17~Sd20の各処理を、残りアドレス数が0となるまで繰り返し行う。これにより、RAM初期化データテーブルに予め定められている初期化対象となるRAM41cの記憶領域の先頭アドレスから初期化対象となる記憶領域数分(アドレス数)の記憶領域が、初期化用データで初期化される。
【0194】
Sd20のステップにおいて残りアドレス数が0より大きくないと判定した場合、すなわち、RAM初期化データテーブルに基づいて特定されるRAM41cの所定領域を全て初期化した場合には、所定レジスタ(D)の値を1減算することで、初期化するRAM41cの記憶領域の区分数が示す値を1減算し(Sd21)、減算後の区分数が示す値が0であるか否かを判定し(Sd22)、区分数が示す値が0でない場合には、Sd15のステップに戻り、区分数が示す値に基づいて、次に初期化対象となる記憶領域数をRAM初期化テーブルから取得して、初期化対象領域のアドレス数として所定レジスタ(B)に設定するとともに、所定レジスタ(D)の区分数が示す値に対応する先頭アドレスの値をRAM初期化テーブルから取得して、初期化対象RAMアドレスとして所定レジスタ(C)に設定した後(Sd15)、初期化用データ(たとえば、0)を所定レジスタ(A)に設定して(Sd16)、Sd16~Sd20のステップの各処理をアドレス数が0となるまで繰り返し行うことで、所定レジスタ(D)の記憶領域の区分数が示す値に対応するRAM41cの記憶領域を初期化する。このようなSd15~Sd22のステップにおける各処理を記憶領域の区分数が0となるまで繰り返し行うことで、区分数によって指定されたRAM41cの所定記憶領域を初期化する。そして、所定レジスタ(D)の記憶領域の区分数が示す値が0となることで、AT状態管理処理を終了させて、メイン処理に戻る。当該有利区間中の制御に関連するデータには、AT状態の制御に関するデータが含まれており、有利区間データ初期化処理によりRAM41cにおける有利区間中の制御に関連するデータが記憶されている所定領域を初期化することで、当該有利区間中の制御に関連するデータおよびAT状態の制御に関するデータが初期化され、有利区間が終了されるとともにAT状態が終了される。
【0195】
なお、本実施形態では、有利区間データ初期化処理において、区分数の初期値を2として、RAM41cにおける所定の2つの区分における記憶領域を初期化する構成であるが、有利区間データ初期化処理によりRAM41cにおける所定の1区分の記憶領域や3区分以上の記憶領域を初期化する構成でもよい。
【0196】
このように、AT状態管理処理では、有利区間に制御されているときに、有利区間終了フラグがRAM41cの所定領域に設定されているときには、有利区間の制御の終了に伴いRAM41cの記憶領域のうち有利区間中の制御に関連するデータが記憶されている所定領域を初期化する有利区間データ初期化処理を実行して、有利区間の制御を終了させるように制御する。
【0197】
また、メイン制御部41は、上述の出玉制御処理において、有利区間を終了させる任意終了条件が成立した場合に、有利区間を終了させる旨を示す有利区間終了フラグをRAM41cの所定領域に設定する。そして、AT状態管理処理では、出玉制御処理により有利区間終了フラグが設定されるRAM41cの所定領域を参照して、有利区間終了フラグが設定されている場合には、有利区間データ初期化処理を実行して、有利区間の制御を終了させる一方、有利区間終了フラグが設定されていない場合には、有利区間ゲーム数が上限ゲーム数に到達しているか否かを判定して、有利区間ゲーム数が上限ゲーム数に到達していると判定した場合に、有利区間データ初期化処理を実行して、有利区間の制御を終了させるようになっており、出玉制御処理において任意終了条件が成立した場合には、有利区間終了フラグを参照することで、有利区間ゲーム数が上限ゲーム数に到達しているか否かの判定を省略して、有利区間の制御を終了させることができるようになっている。
【0198】
AT状態管理処理では、有利区間に制御されているときに、有利区間に制御されたゲーム数が予め定められた上限ゲーム数(本実施形態では、1500ゲーム)に到達したか否かを、有利区間ゲーム数カウンタの値に基づいて判定し、有利区間に制御されたゲーム数が上限ゲーム数に到達した場合には、有利区間終了フラグをRAM41cの所定領域に設定せずに、有利区間データ初期化処理を実行して、有利区間の制御を終了させるように制御する。なお、有利区間の終了条件は、有利区間に制御されたゲーム数が予め定められた上限ゲーム数(本実施形態では、1500ゲーム)に到達することで成立する終了条件に替えて、有利区間ゲーム数が上限ゲーム数から1減算したゲーム数(本実施形態であれば1499)を超えることで成立する終了条件としてもよい。
【0199】
なお、本実施形態では、出玉制御処理において、任意終了条件が成立したときに、有利区間終了フラグをRAM41cの所定領域に設定し、その後、AT状態管理処理において、有利区間終了フラグが設定されていることに基づいて、有利区間データ初期化処理を実行して、有利区間の制御を終了させるように制御する一方、AT状態管理処理では、有利区間に制御されたゲーム数が予め定められた上限ゲーム数に到達することで有利区間の終了条件が成立したときに、有利区間終了フラグを設定せずに、有利区間データ初期化処理を実行して、有利区間の制御を終了させるように制御する構成であるが、出玉制御処理において任意終了条件が成立したときにも、AT状態管理処理において有利区間に制御されたゲーム数が予め定められた上限ゲーム数に到達することで有利区間の終了条件が成立したときにも、有利区間終了フラグをRAM41cの所定領域に設定して、当該有利区間終了フラグが設定されていることに基づいて、有利区間データ初期化処理を実行させる構成でもよい。
【0200】
AT状態管理処理では、RAM41cの所定領域に有利区間終了フラグが設定されている場合、有利区間ゲーム数が上限ゲーム数に到達した場合、有利区間におけるメダルの純増枚数が規定枚数を超えた場合に、有利区間データ初期化処理を行って、有利区間に関するデータ(AT状態に関するデータを含む)を初期化することで、有利区間を終了させる。
【0201】
AT状態管理処理では、有利区間におけるメダルの純増枚数が規定枚数を超えた場合に、有利区間を終了させるようになっており、規定枚数を所定枚数とすることで、最大で所定ゲーム数にわたる有利区間におけるメダルの払出率を所定割合以内とするようにスロットマシン1を設計することができる。たとえば、規定枚数を2388(上限枚数としての2400枚からスロットマシン1での払出枚数の最大値(15)を減算し、かつ賭数の設定に使用される最大枚数(3枚)を加算した値)とすることで、有利区間において払い出されるメダルの純増枚数を2400枚以下とすることができ、1600ゲーム間のメダルの払出率を150%以内とすることができる。これにより、スロットマシン1において所定期間に過大な枚数のメダルが払い出されてしまうことを防止できる。なお、有利区間において払い出されたメダルの純増枚数が予め定められた規定枚数(本実施形態では、2388)を超えることで成立する終了条件に替えて、有利区間において払い出されたメダルの純増枚数が予め定められた規定枚数に1加算した枚数(本実施形態であれば2389)に到達することで終了条件とした場合も同様である。なお、有利区間の終了条件は、有利区間において払い出されたメダルの純増枚数が予め定められた規定枚数(本実施形態では、2388)を超えることで成立する終了条件に替えて、有利区間において払い出されたメダルの純増枚数が予め定められた規定枚数に1加算した枚数(本実施形態であれば2389)に到達することで終了条件としてもよい。
【0202】
AT状態管理処理では、有利区間ゲーム数が上限ゲーム数に到達した場合、または、有利区間におけるメダルの純増枚数が規定枚数を超えた場合に、有利区間を終了させる。有利区間ゲーム数が上限ゲーム数に到達した場合に、有利区間を終了させることで、有利区間が長期にわたって継続することを防止するようになっているとともに、有利区間におけるメダルの純増枚数が規定枚数を超えた場合に、AT状態および有利区間を終了させることで、有利区間ゲーム数が上限ゲーム数に到達しない場合でも、払出率が急激に高まるような場合に有利区間が継続することを防止するようになっている。
【0203】
AT状態管理処理では、有利区間ゲーム数が上限ゲーム数に到達した場合、有利区間におけるメダルの純増枚数が規定枚数を超えた場合に、有利区間データ初期化処理を行って有利区間を終了させる構成であり、先ず、有利区間ゲーム数が上限ゲーム数に到達したか否かを判定し(Sd5)、有利区間ゲーム数が上限ゲーム数に到達したと判定した場合には、有利区間におけるメダルの純増枚数を計数する処理(Sd6~Sd10)、および有利区間におけるメダルの純増枚数が規定枚数を超えたか否かを判定する処理(Sd11)を行うことなく、有利区間データ初期化処理(Sd13~Sd22)を行う。これにより、有利区間ゲーム数が上限ゲーム数に到達したことで、有利区間を終了させる条件が成立したと判定した場合に、同様に有利区間を終了させる条件であるメダルの純増枚数が規定枚数を超えることについて判定する処理(Sd11)、有利区間の終了に伴い初期化されるメダルの純増枚数を計数する処理(Sd6~Sd10)を行わないので、処理負担を軽減することができる。
【0204】
なお、本実施形態のAT状態管理処理では、先ず、有利区間ゲーム数が上限ゲーム数に到達したか否かを判定し(Sd5)、有利区間ゲーム数が上限ゲーム数に到達したと判定した場合には、有利区間を終了させる処理を行う一方、有利区間ゲーム数が上限ゲーム数に到達していないと判定した場合には、有利区間におけるメダルの純増枚数が規定枚数を超えたか否かを判定する処理(Sd11)を行う構成であるが、先ず、有利区間におけるメダルの純増枚数が規定枚数を超えたか否かを判定し、純増枚数が規定枚数を超えたと判定した場合には、有利区間を終了させる処理を行う一方、純増枚数が規定枚数を超えていないと判定した場合には、有利区間ゲーム数が上限ゲーム数に到達したか否かを判定する構成でもよい。このような構成では、スロットマシン1の設計上、有利区間の終了条件として、有利区間ゲーム数が上限ゲーム数に到達することに比較して、有利区間におけるメダルの純増枚数が規定枚数を超えることが成立し易い構成において、成立する可能性が高い終了条件であるメダルの純増枚数が規定枚数を超えたか否かの判定を優先的に行うことができ、当該終了条件の成立時に、他方の終了条件を判定することなく、処理負担を軽減することができる。
【0205】
AT状態管理処理では、有利区間ゲーム数が上限ゲーム数に到達したか否かを判定し(Sd5)、有利区間ゲーム数が上限ゲーム数に到達していないと判定した場合には、有利区間におけるメダルの純増枚数が規定枚数を超えたか否かを判定し(Sd11)、メダルの純増枚数が規定枚数を超えたと判定した場合には、有利区間データ初期化処理(Sd13~Sd22)を行って有利区間を終了させるように制御する一方、有利区間ゲーム数が上限ゲーム数に到達したと判定した場合には、メダルの純増枚数が規定枚数を超えたか否かを判定する処理(Sd11)を行うことなく、有利区間データ初期化処理(Sd13~Sd22)を行って有利区間を終了させるように制御する構成であり、有利区間ゲーム数が上限ゲーム数に到達すること、有利区間におけるメダルの純増枚数が規定枚数を超えたことのいずれか一方が成立した場合にも、これらの双方が同一ゲームにおいて成立した場合にも、共通の有利区間データ初期化処理(Sd13~Sd22)を行って有利区間を終了させる。これにより、有利区間の終了条件として、有利区間ゲーム数が上限ゲーム数に到達すること、有利区間におけるメダルの純増枚数が規定枚数を超えたことの双方が同時に成立した場合にも、いずれか一方のみが成立した場合と差なく同じ領域が初期化される有利区間データ初期化処理(Sd13~Sd22)を行って有利区間を終了させることができる。
【0206】
AT状態管理処理では、有利区間ゲーム数が上限ゲーム数に到達したか否かを判定し(Sd5)、有利区間ゲーム数が上限ゲーム数に到達していないと判定した場合には、有利区間におけるメダルの純増枚数が規定枚数を超えたか否かを判定し(Sd11)、メダルの純増枚数が規定枚数を超えたと判定した場合には、有利区間データ初期化処理(Sd13~Sd22)を行って有利区間を終了させるように制御する一方、有利区間ゲーム数が上限ゲーム数に到達したと判定した場合には、メダルの純増枚数が規定枚数を超えたか否かを判定する処理(Sd11)を行うことなく、有利区間データ初期化処理(Sd13~Sd22)を行って有利区間を終了させるように制御する構成であり、有利区間ゲーム数が上限ゲーム数に到達した場合も、有利区間におけるメダルの純増枚数が規定枚数を超えた場合も、共通の有利区間データ初期化処理(Sd13~Sd22)を行って有利区間を終了させる構成である。これにより、有利区間の終了条件として、有利区間ゲーム数が上限ゲーム数に到達すること、有利区間におけるメダルの純増枚数が規定枚数を超えることのいずれが成立したときにも、共通の有利区間データ初期化処理を行うので、差なく同じ領域が初期化される有利区間データ初期化処理(Sd13~Sd22)を行って有利区間を終了させることができる。
【0207】
AT状態管理処理では、メダルの純増枚数カウンタを更新する処理において、純増枚数カウンタの値を純増枚数値として所定レジスタに取得して、当該純増枚数値に払出枚数値を加算し、賭数値を減算して得られる値が0より小さい場合には、純増枚数カウンタの値を0に修正することで、図15(a)(b)に示すように、メダルの増減枚数が減少傾向であり、かつ基準値(有利区間開始時の純増枚数の値(初期値0))よりも小さくなっているときには、純増枚数カウンタの値が0となり、メダルの増減枚数が増加傾向であるときには、増加傾向となってからの増減枚数が純増枚数カウンタの値となる。
【0208】
図15は、純増枚数カウンタ値の変化例について説明するための図である。図15(a)に示すように、有利区間に移行された後、先ず制御される前兆期間において、ナビ報知が行われずメダルの増減枚数が、減少傾向となり、純増枚数カウンタに増減枚数を加算することで、当該純増枚数カウンタの値が初期値(本実施形態では、0)を下回るような場合には、純増枚数カウンタの値は、メダルの増減枚数が初期値を下回っている期間にわたり、0となる。その後、AT状態に制御され、ナビ報知に従って停止操作が行われることで、メダルの増減枚数が、増加傾向となるような場合には、純増枚数カウンタの値は、メダルの純増枚数分の値(払出枚数値から賭数値を減算した値)が順次加算されて更新される。これにより、純増枚数カウンタの値は、メダルの増減枚数が減少傾向から増加傾向に変化したとき、すなわちメダルの増減枚数が最も低い値となったときのメダルの増減枚数を基準値として、当該基準値からの増加枚数分を示す値となるようになっている。
【0209】
また、たとえば、図15(b)に示すように、メダルの増減枚数が純増枚数カウンタの初期値を一旦上回った後、減少傾向となり、再び当該初期値(本実施形態では、0)を下回るような場合には、メダルの増減枚数が初期値を下回っている期間にわたり、0となる。その後、メダルの増減枚数が増加傾向となることで、純増枚数カウンタの値は、メダルの純増枚数分の値(払出枚数値から賭数値を減算した値)が順次加算されて更新される。これにより、純増枚数カウンタの値は、上述のように、前兆期間からAT状態に移行される場合と同様に、メダルの増減枚数が最も低い値となったときのメダルの増減枚数を基準値として、当該基準値からの増加枚数分を示す値となるようになっている。
【0210】
AT状態管理処理では、有利区間中において、当該ゲームにおけるメダルの払出枚数を純増枚数カウンタ値に加算した後、当該純増枚数カウンタ値から当該ゲームにおける賭数値を減算して得られる演算値が、0より大きい場合には、当該純増枚数カウンタ値に払出枚数値を加算するとともに賭数値を減算した値を、純増枚数カウンタに設定して更新する一方で、当該演算値が0より小さい場合には、0を純増枚数カウンタに設定して更新する処理を、毎ゲーム行うことで、有利区間中において純増枚数がマイナス値となる場合に、純増枚数カウンタを0に修正し、再度0から純増枚数の計数を始めるように純増枚数カウンタを更新するので、有利区間における実際のメダルの増減枚数の遷移におけるメダルの増大幅(純増枚数)を純増枚数カウンタ値として直接特定することが可能となる(図15(a)参照)。
【0211】
なお、本実施形態では、有利区間中であるときに純増枚数カウンタを更新する処理を行うことで、有利区間に移行したときからメダルの純増枚数の計数を開始して、当該有利区間中の純増枚数を計数する構成であるが、有利区間中においてAT状態でないときには、純増枚数カウンタを更新する処理を行わず、有利区間中においてAT状態あるときに、純増枚数カウンタを更新する処理を行う構成でもよい。このような構成でも、AT状態でなくナビ報知が行われないときには、メダルの純増枚数は増加せず、AT状態でありナビ報知が行われることで、メダルの純増枚数が増加するので、有利区間中であるときに純増枚数カウンタを更新する処理を行う構成と同様に、有利区間中におけるメダルの純増枚数の計数することができる。
【0212】
また、図15(a)に示すように、たとえば、有利区間へ移行された後、ナビ報知が行われない前兆期間において、払出率が1を超える入賞が生じず、メダルの増減枚数が基準値を下回るように変化する場合には、有利区間へ移行された後、AT状態へ移行されてナビ報知が開始されたゲームから、メダルの増減枚数が増加傾向となり、当該ゲームにおいて有利区間中における純増枚数が最も少なくなる。なお、有利区間へ移行された後の前兆期間では、ナビ報知が行われないが、払出率が1を超える入賞が発生し得る。前兆期間のメダルの増減枚数が単調に増加傾向となるように、前兆期間において払出率が1を超える入賞が生じた場合には、有利区間に移行されたゲームにおいて、有利区間中における純増枚数が最も少なくなる。また、前兆期間においてメダルの増減枚数が基準値を一旦下回った後、メダルの増減枚数が増加傾向となるように、前兆期間において払出率が1を超える入賞が生じた場合には、前兆期間中のゲームにおいて、有利区間中における純増枚数が最も少なくなる。このように、有利区間中において純増枚数が最も少なくなる時点は、状況に応じて変化し得る。これに対して、本実施形態のメイン制御部41は、メダルの純増枚数カウンタを更新する処理において、純増枚数カウンタの値を純増枚数値として所定レジスタに取得して、当該純増枚数値に払出枚数値を加算し、賭数値を減算して得られる値が0より小さい場合には、純増枚数カウンタの値を0に修正することで、メダルの増減枚数が減少傾向から増加傾向に変化したゲームにおいて、純増枚数カウンタをリセットし、純増枚数値の計数を再び0から行うようになっており、有利区間において純増枚数が最も少なくなる時点から、純増枚数の計数を行って、正確な純増枚数を計数することができるようになっている。
【0213】
また、本実施形態では、有利区間中であるときに純増枚数カウンタを更新する処理を行うことで、有利区間に移行したときからメダルの純増枚数の計数を開始して、当該有利区間中の純増枚数を計数する構成であるが、有利区間であるか否かに関わらず、純増枚数カウンタを更新する処理を行う構成でもよい。このような構成では、有利区間に移行される前の区間において、メダルの純増枚数が増加傾向であった場合に、当該区間におけるメダルの純増枚数を引き継いで有利区間中におけるメダルの純増枚数の計数が行うことができる。
【0214】
本実施形態のスロットマシン1では、ナビ報知により報知されるストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様にて停止操作を行うことで、メダルの払出率を1以上にすることが可能である一方で、ナビ報知により報知されるストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様以外の操作態様にて停止操作が行われることで、メダルの払出率が1未満となるようになっており、AT状態では、ナビ報知に従うことでメダルの増減枚数が増加傾向となる一方、AT状態以外の状態では、メダルの増減枚数が減少傾向となるので、AT状態であるときに有利区間報知LED12aを点灯状態に制御することで、有利区間のうちメダルの増減枚数が増加傾向となる期間である旨を報知することになる。
【0215】
本実施形態では、AT状態管理処理において、RAM41cの所定領域に有利区間終了フラグが設定されている場合、有利区間ゲーム数が上限ゲーム数に到達した場合、有利区間におけるメダルの純増枚数が規定枚数を超えた場合のいずれの場合においても、共通の有利区間データ初期化処理(Sd13~Sd22)を行って、有利区間に関するデータ(AT状態に関するデータを含む)を初期化することで、有利区間を終了させる構成、すなわちAT状態管理処理では、成立した有利区間の終了条件に関わらず、共通の有利区間データ初期化処理を行うことで一律同様に有利区間に関するデータを初期化して、有利区間を終了させる構成であるが、有利区間の終了時に、成立した有利区間の終了条件に応じた有利区間に関するデータを初期化して、有利区間を終了させる構成でもよい。
【0216】
本実施形態では、有利区間中においてゲームの結果として実際に払い出されたメダル枚数を純増枚数カウンタに加算することで、有利区間におけるメダルの純増枚数を計数する構成であるが、内部抽選にてメダルの払い出しを伴う所定小役が当選した場合には、当該所定小役が入賞してゲームの結果としてメダルが実際に払い出されたか否かに関わらず、当該所定小役が入賞してメダルが払い出されたとみなして、当該払い出される分のメダルを純増枚数カウンタに加算することで、有利区間におけるメダルの純増枚数を計数する構成でもよい。このような構成では、有利区間において、内部抽選にて所定小役が当選した場合に、当該所定小役が入賞してメダルが払い出されたとみなして、当該払い出される分のメダルを純増枚数カウンタに加算するので、意図的に当該所定小役を取りこぼすことで、純増枚数カウンタが規定枚数を超えさせず、有利区間のゲーム数を意図的に引き延ばすようなことを防止することができる。
【0217】
また、内部抽選にて所定小役が当選した場合に、当該所定小役が入賞してゲームの結果としてメダルが実際に払い出されたか否かに関わらず、当該所定小役が入賞してメダルが払い出されたとみなして、当該払い出される分のメダルを純増枚数カウンタに加算することで、有利区間におけるメダルの純増枚数を計数する構成では、内部抽選にてメダルの払い出しを伴う小役を含む抽選対象役が当選した場合に、遊技者が当該小役を確実に入賞させることが可能な状況であるか否かに関わらず、当該小役が入賞した場合には、当該小役の入賞により払い出された分のメダルを純増枚数カウンタに加算するとともに、内部抽選にてメダルの払い出しを伴う小役を含む抽選対象役が当選した場合に、遊技者が当該小役を確実に入賞させることが可能な状況であるにも関わらず、入賞させることができなかった場合、たとえば、内部抽選にて抽選対象役としてナビ対象役が当選し、かつナビ報知により遊技者にとって有利となるストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様が報知されていることで、当該ナビ対象役に含まれる所定小役を入賞させることが可能であるにも関わらず、報知された操作態様と異なる操作態様で操作されることで所定小役を入賞させることができなかった場合や、特定小役が当選し、一定の操作態様(特定役の引込範囲となる操作タイミングでの操作など)で操作すれば必ず当該特定小役を入賞させることが可能であるにも関わらず、一定の操作態様以外の操作態様で操作されることで特定小役を入賞させることができなかった場合に、遊技者が入賞させることが可能であった小役が入賞してメダルが払い出されたとみなして、当該払い出される分のメダルを純増枚数カウンタに加算することで、有利区間におけるメダルの純増枚数を計数する一方で、内部抽選にてメダルの払い出しを伴う小役を含む抽選対象役が当選した場合に、遊技者が当該小役を確実に入賞させることが不可能な状況において、入賞させることができなかった場合、たとえば、内部抽選にて抽選対象役としてナビ対象役が当選し、かつナビ報知により遊技者にとって有利となるストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様が報知されない状況で、当該ナビ対象役に含まれる所定小役を入賞させることができなかった場合には、純増枚数カウンタに加算しない構成とすることが好ましく、このような構成とすることで、遊技者が確実にメダルを増加させることができない状況であれば、実際にメダルが増加したときのみ純増枚数カウンタを加算することとなり、遊技者に不利益となってしまうことを防止できる。
【0218】
本実施形態では、メイン制御部41は、AT状態管理処理において純増枚数カウンタを更新する際に、当該純増枚数カウンタに当該ゲームにおいて払い出されたメダル払出枚数分の値を加算し、賭数の設定に用いられたメダルの分の値を減算して得られる演算値が0より小さい場合には、純増枚数カウンタの値を0に修正することで、純増枚数カウンタでは、メダルの増減枚数が0を下回る場合に、0を下回る数値について計数せず、0を上回る数値についてのみ計数する構成であるが、メイン制御部41は、有利区間の開始時までに純増枚数カウンタを0に初期化した後、当該有利区間中において、メダルが払い出されたときに、払い出されたメダル枚数分の値を純増枚数カウンタに加算し、賭数の設定にメダルが用いられたときに、そのメダル枚数分の値を純増枚数カウンタから減算する処理を繰り返し行うことで、有利区間中におけるメダルの純増枚数を計数することで、メダルの増減枚数が0を下回る場合も、0を上回る場合も計数する構成でもよい。このような構成では、メダルの増減枚数が0を下回る場合に、純増枚数カウンタを0に修正しないので、純増枚数カウンタにより純増枚数を計数する処理を簡素化することができる。
【0219】
本実施形態では、メイン制御部41は、純増枚数カウンタを更新する際に、当該純増枚数カウンタに当該ゲームにおいて払い出されたメダル払出枚数分の値を加算し、賭数の設定に用いられたメダルの分の値を減算して得られる演算値が0より小さい場合には、純増枚数カウンタの値を0に修正し、当該演算値が0以上である場合には、当該演算値を純増枚数カウンタの値とするように純増枚数カウンタの値を更新するように制御することで、有利区間の開始以後、メダルの純増数が最も減少したときを起点としてメダルの純増枚数を計数する構成である。有利区間の開始以後、メダルの純増数が最も減少するタイミングは、状況に応じて変化し得るので、本実施形態の純増枚数カウンタに基づいて特定されるメダルの純増枚数の起点は、状況に応じて変化し得ることとなるが、メイン制御部41は、有利区間の開始以後の一律に設定された契機となったときから純増枚数カウンタによるメダルの純増枚数の計数を開始させて、当該契機を起点とする現在までのメダルの純増数を計数して、メダルの純増数が規定枚数を超えた場合に有利区間を終了させる構成でもよい。
【0220】
たとえば、メイン制御部41は、有利区間の開始以後の一律に設定された契機を起点とする現在までのメダルの純増数を計数して、メダルの純増数が規定枚数を超えた場合に有利区間を終了させる構成として、通常区間から有利区間に移行したときから純増枚数カウンタによる計数を開始させ、当該通常区間から有利区間に移行したときを起点とする現在までのメダルの純増数が規定枚数を超えた場合に、有利区間を終了させる構成でもよい。この構成によれば、有利区間の終了条件を判定するためのメダルの純増数を計数する起点が一律に設定されており、通常区間から有利区間に移行したとき以外を起点とするメダルの純増数に基づいて有利区間の終了条件を判定する必要がないことから、純増枚数カウンタの値に基づいて有利区間の終了条件を判定する制御を簡素化することができる。
【0221】
また、たとえば、メイン制御部41は、有利区間の開始以後の一律に設定された契機を起点とする現在までのメダルの純増数を計数して、メダルの純増数が規定枚数を超えた場合に有利区間を終了させる構成として、通常区間から有利区間に移行した後、有利区間報知LED12aによりAT状態に移行した旨が示唆され、かつナビ報知によりメダルを増加させる操作態様が報知されたとき、を起点とする現在までのメダルの純増数が規定枚数を超えた場合に有利区間を終了させて通常区間に移行させる構成でもよい。この構成によれば、有利区間の終了条件を判定するためのメダルの純増数を計数する起点が一律に設定されており、通常区間から有利区間に移行した後、有利区間報知LED12aにより有利区間に移行した旨が示唆され、かつナビ報知によりメダルを増加させる操作態様が報知されたとき以外を起点とするメダルの純増数に基づいて有利区間の終了条件を判定する必要がないことから、純増枚数カウンタの値に基づいて有利区間の終了条件の判定する制御を簡素化することができる。
【0222】
また、たとえば、メイン制御部41は、有利区間の開始以後の一律に設定された契機を起点とする現在までのメダルの純増数を計数して、メダルの純増数が規定枚数を超えた場合に有利区間を終了させる構成として、通常区間から有利区間に移行した後、ナビ報知によりメダルを増加させる操作態様が報知されたか否かに関わらず、有利区間報知LED12aによりAT状態に移行した旨が示唆されたとき、を起点とする現在までのメダルの純増数が規定枚数を超えた場合に有利区間を終了させて通常区間に移行させる構成でもよい。この構成によれば、有利区間の終了条件を判定するためのメダルの純増数を計数する起点が一律に設定されており、通常区間から有利区間に移行した後、ナビ報知によりメダルを増加させる操作態様が報知されたか否かに関わらず、有利区間報知LED12aにより有利区間に移行した旨が示唆されたとき以外を起点とするメダルの純増数に基づいて有利区間の終了条件を判定する必要がないことから、純増枚数カウンタの値に基づいて有利区間の終了条件の判定する制御を簡素化することができる。
【0223】
本実施形態では、AT状態管理処理において、有利区間におけるメダルの純増枚数が規定枚数を超えることで、有利区間を終了させるように制御する構成であるが、AT状態管理処理では、各ゲームにおいて賭数の設定に用いられるメダル枚数を計数せずに、各ゲームにおいて払い出されるメダル枚数のみを計数し、有利区間におけるメダルの総払出枚数が所定の規定枚数を超えることで、有利区間を終了させるように制御する構成でもよい。たとえば、総払出枚数の規定枚数を2865(1600ゲーム間のメダルの払出率が150%となる純増枚数(2400)と、当該純増枚数のメダルが付与される最短ゲーム数(160ゲーム=2400/1ゲーム当たりの最大払出枚数(15))において賭数の設定に用いられるメダル枚数(480枚=160ゲーム×1ゲーム当たりの規定数3)との合算値から、スロットマシン1での1ゲームにおける払出枚数の最大値(15)を減算した値)として、有利区間中のゲームにおいて払い出されたメダルの総枚数が、当該規定枚数を超えるときに、有利区間を終了させる構成とすることで、有利区間において払い出されるメダルの最大純増枚数を2400枚以下とすることができ、1600ゲーム間のメダルの払出率を150%以内とすることができる。なお、有利区間中のゲームにおいて払い出されたメダルの総枚数が、所定枚数(規定枚数+1)に到達することで有利区間を終了させる構成としても、同様の効果を奏する。
【0224】
[メダル払出処理について]
メイン制御部41が行うメダル払出処理の制御内容について、図16に基づいて説明する。図16は、メイン制御部41が行うメダル払出処理の制御内容を示すフロー図である。
【0225】
図16に示すように、メダル払出処理では、先ず、RAM41cの所定領域に設定されている入賞フラグを所定レジスタに取得し(Se1)、入賞番号・払出枚数コマンド設定処理を行う(Se2)。入賞番号・払出枚数コマンド設定処理では、所定レジスタに設定取得されている入賞フラグに基づいて特定される入賞役について、当該入賞役を特定可能な入賞番号および当該入賞役の入賞に伴い払い出されるメダル枚数を特定可能なコマンドをサブ制御部91に対して送信するようにコマンドキューに設定する。なお、コマンドキューに設定されているコマンドは、タイマ割込み処理によりサブ制御部91に対して順次送信されることとなる。
【0226】
Se2のステップにおいて入賞番号・払出枚数コマンド設定処理を行った後は、Se1のステップにて取得した入賞フラグに基づいて特定される入賞役の入賞に伴い払い出されるメダル払出枚数を取得し(Se3)、当該メダル払出枚数を残り枚数としてRAM41cの所定領域に設定する(Se4)。
【0227】
その後、RAM41cの所定領域に設定されている残り枚数が0であるか否かを判定し(Se5)、残り枚数が0でないと判定した場合には、RAM41cの所定領域に設定されており、現在のクレジット数を特定可能なクレジットカウンタを参照し(Se6)、当該クレジットカウンタの値に基づいて、クレジットが上限数(本実施形態では、50)に到達しているか否かを判定する(Se7)。
【0228】
Se7のステップにおいてクレジットが上限数に到達していないと判定した場合は、クレジットカウンタの値を1加算し(Se8)、メダル払出時処理を行う(Se9)。メダル払出時処理では、クレジットカウンタの値に基づいて、当該クレジットカウンタの値に対応する値を表示させるためのデータを、クレジット表示器11の出力バッファに設定する処理、RAM41cの所定領域に設定されている残り枚数を1減算する処理、RAM41cの所定領域に設定されており払い出されたメダル枚数を特定可能な払出済みメダル枚数に1加算し、加算後の払出済みメダル枚数に対応する値を表示させるためのデータを、遊技補助表示器12の出力バッファに設定する処理を行う。なお、払出済みメダル枚数の初期値は0であり、当該払出済みメダル枚数は、1ゲームの終了時に初期化されるようになっている。
【0229】
Se9のステップにおいてメダル払出時処理を行った後は、クレジット払出間隔待ち処理を行う(Se10)。クレジット払出間隔待ち処理では、予め定められた待ち時間(本実施形態では、クレジット表示器11および遊技補助表示器12の表示内容の変化を遊技者などが視認可能な時間、たとえば、メダル1枚の払い出しごとに約0.16秒など)にわたり待機し、当該待ち時間が経過することで、クレジット払出間隔待ち処理を終了する。クレジット払出間隔待ち処理を行うことで、所定の待ち時間中においてタイマ割込み処理が行われて、クレジット表示器11および遊技補助表示器12の表示態様は、各出力バッファに設定されたデータに対応する表示態様に更新されることとなる。また、メダル払出時処理により更新されたクレジットカウンタの値、払出済みメダル枚数がクレジット表示器11および遊技補助表示器12に少なくとも所定の待ち時間にわたり表示されることとなり、クレジット表示器11および遊技補助表示器12の表示内容の変化を遊技者などが視認可能である。
【0230】
Se10のステップにおいてクレジット払出間隔待ち処理を行った後は、Se5のステップに戻り、Se5~Se10のステップの各処理を、RAM41cに設定されている残り枚数が0となるまで繰り返し行う。そして、Se5のステップにおいて、残り枚数が0であると判定した場合には、メダル払出処理を終了してメイン処理に戻る。
【0231】
また、Se7のステップにおいてクレジットカウンタに基づいてクレジットが上限数に到達していると判定した場合には、ホッパー払出処理を行う(Se11)。ホッパー払出処理では、ホッパーユニット35のホッパーモータを駆動させ、ホッパーユニット35の払出センサにより1枚のメダルの払い出しが検出されるごとに、RAM41cに設定されている残り枚数を1減算し、払出済みメダル枚数を1加算した後、加算後の払出済みメダル枚数に対応する値を表示させるためのデータを、遊技補助表示器12の出力バッファに設定する処理を、残り枚数が0となるまで繰り返し行う。これにより、メダルがホッパーユニット35から払い出されるごとに、遊技補助表示器12における払出枚数の表示が更新される。そして、残り枚数が0となることで、ホッパーモータを停止させて、ホッパー払出処理を終了させる。
【0232】
Se11のステップにおいて、ホッパー払出処理を行った後は、メダル払出処理を終了させてメイン処理に戻る。
【0233】
このように、メダル払出処理では、小役の入賞が発生した場合に、クレジットに空きがあるときには、クレジットの上限までの範囲で、当該小役の入賞に伴い払い出されるメダル枚数をクレジットに加算する処理を行い、クレジットに空きがないときには、クレジットに加算できなかった分のメダル枚数をホッパーユニットからメダル払出口9を介して払い出す処理を行う。
【0234】
また、メダル払出処理では、小役の入賞が発生し、クレジットにメダルを払い出す場合に、メダル1枚分をクレジットに加算するごとに、メダル払出時処理を行い、払出済みのメダル枚数を表示させるためのデータを、遊技補助表示器12の出力バッファに設定した後、クレジット払出間隔待ち処理を行うことで、タイマ割込み処理を行わせて、遊技補助表示器12の出力バッファに設定されているデータに基づいて当該遊技補助表示器12の表示を更新し、所定の待ち時間が経過するまで、遊技補助表示器12における表示を更新され状態で維持する制御を、クレジットへのメダルの払出枚数分繰り返し行う。これにより、小役の入賞が発生し、クレジットにメダルを払い出す場合には、所定時間(クレジットへのメダルの払出枚数×待ち時間)かけて遊技補助表示器12におけるメダル払出枚数の表示が順次更新される。
【0235】
また、メダル払出処理では、小役の入賞が発生し、ホッパーユニットからメダルを払い出す場合に、ホッパー払出処理を行い、メダルの払出枚数に応じた所定時間(たとえば、メダル1枚当たり100msなど)にわたりホッパーユニット35のホッパーモータを駆動させ、払出センサにより1枚のメダルの払い出しが検出されるごとに、払出済みのメダル枚数を表示させるためのデータを、遊技補助表示器12の出力バッファに設定する。そして、メダルの払出枚数に応じた時間中においてタイマ割込み処理が行われることで、遊技補助表示器12の出力バッファに設定されているデータに基づいて当該遊技補助表示器12の表示が更新されることとなり、メダルの払出枚数に応じた時間をかけて、遊技補助表示器12におけるメダル払出枚数の表示が順次更新される。
【0236】
[再遊技作動時処理について]
メイン制御部41が行う再遊技作動時処理の制御内容について、図17に基づいて説明する。図17は、メイン制御部41が行う再遊技作動時処理の制御内容を示すフロー図である。
【0237】
図17に示すように、再遊技作動時処理では、先ず、RAM41cの所定領域に設定されている入賞フラグを参照し(Sf1)、当該入賞フラグに基づいて再遊技役が入賞したか否かを判定する(Sf2)。
【0238】
Sf2のステップにおいて再遊技役が入賞したと判定した場合には、次ゲームにおいて再遊技を作動させる旨を特定可能な再遊技作動中フラグをRAM41cの所定領域に設定し(Sf3)、再遊技用メダルカウンタ設定処理を行う(Sf4)。再遊技用メダルカウンタ設定処理では、当該ゲームにおける賭数の規定数を特定し、RAM41cの所定領域に設定されている再遊技用メダルカウンタに、再遊技用メダルとして当該ゲームの賭数の規定数分の値(本実施形態では、3)を設定する。
【0239】
Sf4のステップにおいて再遊技用メダルカウンタ設定処理を行った後は、リプレイ中LED20の点灯態様を点灯状態に設定し(Sf5)、割込み1回待ち処理を行う(Sf6)。Sf6のステップにおいて割込み1回待ち処理を行うことで、タイマ割込み処理が実行されて、LEDダイナミック表示処理が行われ、リプレイ中LED20が点灯状態に制御されることとなる。
【0240】
Sf6のステップにおいて割込み1回待ち処理を行った後は、再遊技作動時処理を終了させて、メイン処理に戻る。また、Sf2のステップにおいて入賞フラグに基づいて再遊技役が入賞していないと判定した場合には、再遊技作動時処理を終了させて、メイン処理に戻る。
【0241】
このように、再遊技作動時処理では、当該ゲームにおいて再遊技役が入賞した場合に、リプレイ中LED20を点灯状態に制御するようになっている。
【0242】
また、再遊技作動時処理では、当該ゲームにおいて再遊技役が入賞した場合に、再遊技用メダルカウンタに再遊技用メダルを設定することで、次回ゲームにおける遊技開始時待ち処理の開始時に再遊技用メダルが賭数に設定され、規定数の賭数が設定されて、再遊技を行うことが可能となる。
【0243】
[タイマ割込み処理について]
メイン制御部41が行うタイマ割込み処理の制御内容について、図18に基づいて説明する。図18は、メイン制御部41が行うタイマ割込み処理の制御内容を示すフロー図である。
【0244】
タイマ割込処理は、メイン制御部41により一定時間間隔(本実施形態では、約0.56ミリ秒)ごとに行われる処理である。タイマ割込処理の実行間隔は、メイン処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
【0245】
図18に示すように、タイマ割込み処理には、LEDダイナミック表示処理が含まれ、タイマ割込み処理が行われるごとに、LEDダイナミック表示処理が実行される。
【0246】
LEDダイナミック表示処理では、出力ポートに接続された各種LEDなどの表示器(クレジット表示器11、遊技補助表示器12、1~3BETLED14~16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20など)の点灯状態をメイン処理などの各処理により設定された出力バッファの状態に応じてダイナミック点灯させるための点灯信号を設定して、各種LEDなどの表示器の点灯制御回路に送信する制御などを行う。LEDダイナミック表示処理が行われることで、各種LEDなどの表示器は、対応する出力バッファに設定されているデータに応じた点灯態様に制御される。
【0247】
なお、本実施形態のタイマ割込み処理では、特に図示しないが、電断(スロットマシン1への電力供給が停止されること)の発生を検出する電断判定処理や、電断の発生時に、メイン制御部41のレジスタやRAM41cの所定領域に設定されているデータを、バックアップ電源によりバックアップされておりスロットマシン1への電力供給が停止してもバックアップ電源により電力が供給される限り記憶内容が保存されるRAM41cの所定領域に退避させる電断処理、電断の発生時に所定の出力ポートを初期化する処理、各種スイッチ類の検出状態に基づき各種スイッチ類の検出状況を特定可能なデータを生成する処理、RAM41cの所定領域に設定されている所定の各種タイマを更新する処理、スロットマシン1の外部に所定の外部出力信号を送信する処理、コマンドキューに設定された各種コマンドを送信する処理、ゲームの進行状況などに応じてリールユニット34のリールモータ32に対して励磁信号を送信して各リールを駆動および停止させる処理などが含まれ、各種処理が所定の順序で実行されるようになっている。
【0248】
[有利区間の開始時における遊技補助表示器などの表示態様の遷移について]
遊技区間が有利区間に制御された後、有利区間報知開始条件が成立して有利区間報知が開始される際において、遊技補助表示器12、有利区間報知LED12a、投入要求LED17、リプレイ中LED20、1~3BETLED14~16の表示態様の遷移について、図19に基づいて説明する。図19は、有利区間報知の開始時における遊技補助表示器12などの表示態様の遷移について説明するための図である。
【0249】
メイン制御部41は、上述のメイン処理を実行し、遊技開始待ち処理および出玉制御処理を行うことで、ゲームの開始時に、遊技補助表示器12、有利区間報知LED12a、投入要求LED17、リプレイ中LED20、1~3BETLED14~16の表示態様を順次制御する。
【0250】
図19(a)に示すように、遊技開始待ち処理では、クレジットまたは賭数に空きがあり、メダルの投入が可能である場合に、投入要求LED17の点灯が開始される。その後、メダルの投入またはMAXBETスイッチ6の操作により賭数の設定が行われることで、対応する1~3BETLED14~16の点灯が順次開始される。そして、規定数の賭数が設定されることで、スタート有効LED18の点灯が開始される。なお、前回ゲームにおいて再遊技役が入賞して再遊技が付与された場合には、前回ゲームの終了時から当該ゲームの終了時までの期間にわたりリプレイ中LED20が点灯状態に制御される(図示略)。
【0251】
この状態で、スタートスイッチ7が操作されることで、ゲームが開始されて、内部抽選が行われる。そして、出玉制御処理において、有利区間報知開始条件が成立して有利区間報知フラグが設定されることにより、有利区間報知LED12aの出力バッファに状態制御用データ(点灯)が設定された後、割込み1回待ち処理が行われることで、有利区間報知LED12aの点灯が開始される。
【0252】
そして、割込み1回待ち処理が行われた後、当該出玉制御処理中の指示設定処理により、内部抽選にて当選したナビ対象役に応じた操作態様を示唆するナビ番号を表示するためのナビ表示用データが遊技補助表示器12の出力バッファに設定される。その後、タイマ割込み処理が行われることで、当該ナビ番号(本実施形態では、3)に対応する遊技補助表示器12の各セグメント(本実施形態では、左側表示器12Lの第1、3、4、6、7セグメントおよび右側表示器12Rの第4セグメント)の点灯が開始される。すなわち、有利区間報知LED12aの点灯が開始された後に、ナビ番号を示す遊技補助表示器12の各セグメントの点灯が開始されるようになっている。
【0253】
そして、出玉制御処理が終了された後は、リール制御処理が行われ、ウェイトの経過後、すなわち前回のゲーム開始から予め定められた一定期間が経過した後、リール2L,2C,2Rの回転が開始されることとなる。
【0254】
また、メイン制御部41は、出玉制御処理中での指示設定処理において、ナビ報知を行うときに、当該ナビ報知により示唆される操作態様を特定可能なコマンドをサブ制御部91に対して送信するように制御する。これに対して、サブ制御部91は、メイン制御部41から受信したコマンドに基づいて、当該ゲームの開始時において、メイン制御部41側にてナビ報知が行われることが特定される場合には、ナビ演出の制御を実行して、ナビ報知により示唆される操作態様を示唆するナビ画像を液晶表示器51に表示させる。また、サブ制御部91は、メイン制御部41側にて有利区間報知LED12aの点灯が開始されたことが特定されたときに、有利区間報知が開始される旨すなわちAT状態に制御されることが確定された旨を報知するAT確定報知を液晶表示器51などを用いて行う。メイン制御部41側での指示設定処理は、有利区間報知LED12aの点灯が開始された後に行われるので、サブ制御部91によるナビ演出は、有利区間報知LED12aの点灯が開始された後に行われることとなる。
【0255】
このように、メイン制御部41は、ゲーム開始時に行う出玉制御処理において、有利区間報知開始条件が成立した場合に、有利区間報知LED12aの点灯を開始させるように制御するので、有利区間報知開始条件が成立したゲームの開始時に、有利区間報知LED12aの点灯を開始させて、有利区間に制御されている旨を報知する有利区間報知を開始する。
【0256】
また、メイン制御部41は、出玉制御処理において、有利区間報知LED12aの点灯を開始させた後、遊技補助表示器12におけるナビ番号の表示を開始させるように制御することで、遊技補助表示器12においてナビ報知が開始されるときまでに、有利区間報知LED12aの点灯を開始させて、有利区間が開始した旨を報知する。
【0257】
また、メイン制御部41は、出玉制御処理において、遊技補助表示器12においてナビ報知を開始させるように制御した後、リール制御処理を行って、リール2L,2C,2Rの回転を制御するので、スタートスイッチ7の操作に応じて当該ゲームが開始された後、リール2L,2C,2Rが定速回転に制御されるまでに、遊技補助表示器12においてナビ報知を開始させる。
【0258】
なお、本実施形態では、出玉制御処理において、有利区間報知LED12aの出力バッファに状態制御用データ(点灯)を設定した後、割込み1回待ち処理を行って、有利区間報知LED12aの点灯が開始させ、その後、指示設定処理を行って、遊技補助表示器におけるナビ報知を開始させる構成であるが、出玉制御処理において、有利区間報知LED12aの点灯を開始させた後に、その後の処理を予め定められた所定期間にわたり意図的に遅延させる遅延処理を行い、所定期間が経過することで、指示設定処理を行って、遊技補助表示器12でのナビ報知を開始させる構成でもよい。このような構成では、遅延処理が行われている所定期間内において、サブ制御部91側にて、AT状態に制御されることが確定された旨を報知するAT確定報知を行わせることができ、当該AT確定報知が行われた後に、遊技補助表示器12でのナビ報知を開始させることができる。
【0259】
本実施形態では、メイン制御部41は、出玉制御処理において、有利区間報知LED12aの点灯を開始させた後、指示設定処理を行い、ナビ報知を開始させるように制御する構成であるが、出玉制御処理において有利区間報知LED12aの点灯を開始させた後、リール制御処理において指示設定処理を行い、リール2L,2C,2Rの回転を開始させるときに、ナビ報知を開始させるように制御する構成でもよい。このような構成では、有利区間報知開始条件が成立したゲームの開始時において、有利区間報知LED12aの点灯が開始された後、ウェイトの所定期間すなわち前回ゲームの開始から予め定められた一定期間が経過したときに、遊技補助表示器12におけるナビ報知が開始されることとなる。なお、有利区間報知開始条件が成立したゲームの開始時において、ウェイトの所定期間が経過していた場合には、有利区間報知LED12aの点灯が開始されると略同時に、リール2L,2C,2Rの回転が開始するとともに、遊技補助表示器12におけるナビ報知のナビ表示が開始されることとなる。
【0260】
本実施形態では、メイン制御部41は、出玉制御処理において、有利区間報知LED12aの点灯を開始させた後、遊技補助表示器12におけるナビ報知を開始させるように制御する構成であり、有利区間報知開始条件が成立したゲームの開始時に、有利区間報知LED12aの点灯を開始させる構成であるが、メイン制御部41は、有利区間報知開始条件が成立したゲームにおいて、遊技補助表示器12でのナビ報知を開始させた後、当該ゲームが終了されるまでの所定タイミング(たとえば、第3停止操作が終了されたとき、メダルの払い出しが終了したとき、再遊技の付与が終了したときなど)において、有利区間報知LED12aの点灯を開始させる構成でもよい。
【0261】
本実施形態では、サブ制御部91は、メイン制御部41側にて有利区間報知LED12aの点灯が開始されるときに、AT確定報知を行う構成であるが、サブ制御部91は、メイン制御部41側にて有利区間報知LED12aの点灯が開始される当該ゲームにおいて、メイン制御部41側にて有利区間報知LED12aの点灯が開始されるよりも前のタイミングで、AT確定報知を行う構成でもよい。また、サブ制御部91は、メイン制御部41から受信したコマンドに基づいて、有利区間に移行された後、AT抽選に当選したことで、その後有利区間報知が開始されることが確定したことが特定されたときから、メイン制御部41側にて有利区間報知開始条件が成立するときまでの期間内におけるいずれかのタイミング、すなわちAT状態が開始される前のタイミングでAT確定報知を行う構成でもよい。
【0262】
本実施形態では、メイン制御部41は、ナビ報知が開始される当該ゲームの開始時に、有利区間報知LED12aの点灯を開始させる構成であるが、AT状態へ移行させる旨が決定した後、ナビ報知が開始されるゲームよりも前に有利区間報知LED12aの点灯を開始させる構成でもよい。この場合には、サブ制御部91も、AT状態へ移行させる旨が決定した後、メイン制御部41が有利区間報知LED12aの点灯を開始させるタイミングでAT確定報知を行う構成でもよい。
【0263】
本実施形態では、メイン制御部41は、有利区間報知LED12aの点灯を開始させた後、遊技補助表示器12でのナビ報知を開始させる構成であるが、メイン制御部41は、たとえば、出玉制御処理において、有利区間報知LED12aの出力バッファに状態制御用データ(点灯)を設定した後、割込み1回待ち処理を行わず、その後、タイマ割込み処理が行われるときまでに、指示設定処理を行って、ナビ報知のナビ表示用データを遊技補助表示器12の出力バッファに設定することが可能な構成とすることで、図19(b)に示すように、有利区間報知開始条件が成立した際に、有利区間報知LED12aの点灯と遊技補助表示器12におけるナビ報知の表示が同時に開始される構成でもよい。このような構成でも、有利区間においてナビ報知が行われるときまでに、有利区間報知LED12aの点灯を開始させて、有利区間に制御されている旨を報知することができる。
【0264】
[精算処理またはデモ移行における遊技補助表示器などの表示態様の遷移について]
精算処理またはデモ移行における遊技補助表示器12などの表示態様の遷移について、図20に基づいて説明する。図20は、精算処理またはデモ移行における遊技補助表示器12などの表示態様の遷移について説明するための図である。
【0265】
先ず、図20(a)を参照しながら、精算処理時における遊技補助表示器12の表示態様の遷移について説明する。
【0266】
図20(a)に示すように、前回のゲームのメダル払出処理において、小役の入賞が発生したことに伴い所定枚数(たとえば、9枚)のメダルを払い出した場合、払い出したメダルの枚数を遊技補助表示器12に表示させるように制御する。これにより、遊技補助表示器12の表示態様は、入賞した小役に応じた所定枚数を示す最終値(9)までカウントアップされるように順次更新される。なお、このゲームにおいては、有利区間に制御されているため、有利区間報知LED12aが点灯している。
【0267】
メダル払出処理の後の遊技開始待ち処理では、メダルの投入またはMAXBETスイッチ6の操作により賭数の設定が行われると、対応する1~3BETLED14~16の点灯が順次開始されて、賭数報知が行われる。そして、規定数の賭数が設定されることで、スタート有効LED18の点灯が開始される。
【0268】
この状態において精算スイッチ10に対して有効な操作が行われると、精算処理が行われる。精算処理が行われることで、払出枚数表示および賭数報知がクリアされる。本実施形態においては、払出枚数表示における7セグメント表示の数字が順次カウントダウン(9、8、7、…1)され、最終的に初期状態となる。ここで、払出枚数表示および賭数報知がクリアされる途中においては、投入要求LED17が消灯状態であるが、払出枚数表示および賭数報知のクリアが完了して精算処理が終了した後には投入要求LED17が点灯状態になる。なお、本実施形態においては、初期状態として表示器12Lおよび表示器12Rともに7セグメント表示がない状態を例示するが、これに限らない。たとえば、表示器12Lおよび表示器12Rともに「0」や「-」が7セグメント表示されてもよいし、表示器12Lおよび表示器12Rのいずれか一方が7セグメント表示がない状態でありかつ残りの表示器が「0」や「-」が7セグメント表示されてもよい。また、賭数報知は、クリアされることで、1~3BETLED14~16が消灯状態となる。一方、精算処理が行われることで払出枚数表示および賭数報知がクリアされるのに対して、有利区間報知LED12aの点灯状態は維持される。
【0269】
このように、遊技開始待ち処理では、精算処理が行われることで払出枚数表示および賭数報知がクリアされる一方で、有利区間報知LED12aが点灯状態は維持される。
【0270】
次に、図20(b)を参照しながら、デモ移行時における遊技補助表示器12の表示態様の遷移について説明する。
【0271】
図20(b)に示すように、図20(a)と同様に、前回のゲームのメダル払出処理において、入賞した小役に応じた所定枚数を示す最終値(9)までカウントアップされるように順次更新され、かつ有利区間報知LED12aが点灯している。
【0272】
メダル払出処理の後の遊技開始待ち処理では、賭数設定されることなく、非BET状態においてデモ移行期間が経過すると、デモ演出が実行され、払出枚数表示がクリアされる。このとき、精算が行われた場合と異なり、払出枚数表示における7セグメント表示の数字は順次カウントダウン(9、8、7、…1)されることなく、瞬間的に払出枚数表示がクリアされる。一方、デモ移行期間が経過することで払出枚数表示がクリアされるのに対して、有利区間報知LED12aの点灯状態は維持される。
【0273】
このように、遊技開始待ち処理では、デモ移行期間が経過することで払出枚数表示がクリアされる一方で、有利区間報知LED12aの点灯状態は維持される。
【0274】
[有利区間の終了時における遊技補助表示器などの表示態様の遷移について]
有利区間の終了時における遊技補助表示器12などの表示態様の遷移について、図21図23に基づいて説明する。
【0275】
先ず、遊技区間が有利区間に制御されているときに、内部抽選にて小役が当選し、有利区間から通常区間に移行する場合であって、当該小役の図柄組合せがリール2L,2C,2Rに停止する場合について、有利区間報知LED12aにより有利区間が終了された旨が報知されるタイミングについて、図21および図22に基づいて説明する。図21および図22は、有利区間報知の終了時(小役入賞)における遊技補助表示器12などの表示態様の遷移について説明するための図である。
【0276】
図21に示すように、有利区間においてゲームが開始されて、内部抽選にて小役が当選した後、リール制御処理が行われ、少なくとも1つのリールが回転制御されているときには、遊技補助表示器12(右側表示器12Rの第8セグメントを除く)、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20は、消灯状態に制御される。一方、有利区間報知LED12aは、点灯状態に制御される。なお、前回ゲームにおいて再遊技役が入賞して再遊技が付与された場合には、前回ゲームの終了時から当該ゲームの終了時までの期間にわたりリプレイ中LED20が点灯状態に制御される(図示略)。
【0277】
そして、第3停止操作に係るストップスイッチの押下操作が終了され(ストップスイッチの押下が離されること)、かつすべてのリールの回転が停止され、さらに他の操作手段(たとえば、スタートスイッチ7やMAXBETスイッチ6)に対する押下がされていないことを条件に、リール制御処理が終了して、AT状態管理処理が行われる。AT状態管理処理では、有利区間の終了条件が成立したことを条件に有利区間データ初期化処理を実行して、有利区間を終了させて、遊技区間を有利区間から通常区間へ移行させる。また、有利区間報知フラグをクリアする。
【0278】
AT状態管理処理を行った後は、メダル払出処理が行われる。メダル払出処理では、小役の図柄組合せがリール2L,2C,2Rに停止して、小役の入賞が発生したことに伴い所定枚数(たとえば、9枚)のメダルを払い出すように制御するとともに、払い出したメダルの枚数を遊技補助表示器12に表示させるように制御する。これにより、遊技補助表示器12の表示態様は、入賞した小役に応じた所定枚数を示す最終値までカウントアップされるように順次更新される。遊技補助表示器12に払い出されたメダルの枚数の最終値が表示されるまでには、クレジットへメダルを払い出す際の待ち時間またはホッパーユニットから所定枚数のメダルを払い出す際の所定時間を要することとなる。
【0279】
そして、入賞した小役に応じた所定枚数のメダルの払い出しが終了することで、メダル払出処理は終了されて、メイン処理において有利区間報知LED12aの出力バッファに状態制御用データを設定する処理が行われる。当該処理では、上述のAT状態管理処理にて有利区間報知フラグがクリアされていることに基づいて、状態制御用データ(消灯)が有利区間報知LED12aの出力バッファに設定され、その後、タイマ割込み処理が行われることで、有利区間報知LED12aが消灯される。
【0280】
その後、遊技終了時処理設定処理が行われることで、当該ゲームについてのメイン処理が一巡することとなり、その後、次ゲームの遊技開始待ち処理が行われる。
【0281】
そして、遊技開始待ち処理のメダル手入れ許可設定処理において、賭数またはクレジットに空きがあると判定されて、メダル手入れ許可フラグが設定されることで、メダルを内部に取り込むように流路切替ソレノイド30がON状態に設定された後、投入要求LED17がONに設定される。その後、タイマ割込み処理が行われることで、投入要求LED17の点灯が開始される。また、遊技開始待ち処理では、操作入力受付処理により精算スイッチ10による精算操作の受け付けが有効化される。
【0282】
このように、遊技区間が有利区間に制御されているときに、内部抽選にて小役が当選し、有利区間から通常区間に移行する場合であって、当該小役の図柄組合せがリール2L,2C,2Rに停止する場合には、第3停止操作に係るストップスイッチの操作が終了され、かつすべてのリール2L,2C,2Rの回転が停止されることで、リール制御処理が終了された後、メダル払出処理により当該所定小役の入賞に伴い払い出されるメダル枚数の最終値が遊技補助表示器12に表示され、その後、メイン処理により有利区間報知LED12aの出力バッファに状態制御用データ(消灯)が設定され、有利区間報知LED12aが消灯される。これにより、有利区間報知LED12aにより有利区間が終了された旨が報知される。さらに、その後、遊技開始待ち処理より投入要求LED17の点灯が開始されるようになっている。
【0283】
また、遊技区間が有利区間に制御されているときに、内部抽選にて小役が当選し、有利区間から通常区間に移行する場合であって、当該小役の図柄組合せがリール2L,2C,2Rに停止する場合には、第3停止操作に係るストップスイッチの操作が終了され、かつすべてのリール2L,2C,2Rの回転が停止されることで、リール制御処理が終了され、その後、メイン処理により有利区間報知LED12aの出力バッファに状態制御用データ(消灯)が設定され、有利区間報知LED12aが消灯される。そして、その後行われる遊技開始待ち処理の操作入力受付処理により精算スイッチ10による精算操作の受け付けが有効化されるようになっている。すなわち、ゲームにおいてリールが停止された後から、精算操作の受付が有効となるまでの期間において有利区間報知LED12aにより有利区間が終了された旨を報知するようになっている。
【0284】
ここで、図22に示すように、第3停止操作に係るストップスイッチの押下が離された場合であっても、他の操作手段(たとえば、スタートスイッチ7やMAXBETスイッチ6)に対する押下がされている場合(たとえば、ストップスイッチの押下が離される前からスタートスイッチ7が押下されてストップスイッチの押下が離された後であってもスタートスイッチ7の押下が継続している場合、あるいは、ストップスイッチの押下が離されたと同時にスタートスイッチ7が押下された場合)には、AT状態管理処理が行われないため、その後の処理であるメダル払出処理にも移行しない。
【0285】
このように、リール制御処理においては、全てのストップスイッチに対する押下操作が終了した場合でも、当該終了したタイミングにおいて他の操作手段(たとえば、スタートスイッチ7やMAXBETスイッチ6)に対する押下がされている場合には、次工程の処理に移行しない。したがって、この場合、メイン処理により有利区間報知LED12aの出力バッファに状態制御用データ(消灯)が設定されることがなく、有利区間報知LED12aが消灯されない。一方、リール制御処理において、全てのストップスイッチに対する押下操作が終了したタイミングで他の操作手段(たとえば、スタートスイッチ7やMAXBETスイッチ6)に対する押下がされていない場合には、その後、メイン処理により有利区間報知LED12aの出力バッファに状態制御用データ(消灯)が設定され、有利区間報知LED12aが消灯される。これにより、有利区間から通常区間への移行が遊技者に示唆される。
【0286】
次に、遊技区間が有利区間に制御されているときに、内部抽選にて小役が当選し、有利区間から通常区間に移行する場合であって、当該小役の取りこぼし図柄組合せがリール2L,2C,2Rに停止する場合について、有利区間報知LED12aにより有利区間が終了された旨が報知されるタイミングについて、図23および図24に基づいて説明する。図23および図24は、有利区間報知の終了時(取りこぼし)における遊技補助表示器12などの表示態様の遷移について説明するための図である。
【0287】
図23に示すように、有利区間においてゲームが開始されて、内部抽選にて小役が当選した後、リール制御処理が行われ、少なくとも1つのリールが回転制御されているときには、遊技補助表示器12(右側表示器12Rの第8セグメントを除く)、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20は、消灯状態に制御される。一方、有利区間報知LED12aは、点灯状態に制御される。
【0288】
そして、第3停止操作に係るストップスイッチの押下操作が終了され(ストップスイッチの押下が離されること)、かつすべてのリールの回転が停止され、さらに他の操作手段(たとえば、スタートスイッチ7やMAXBETスイッチ6)に対する押下がされていないことを条件に、リール制御処理が終了して、AT状態管理処理が行われる。AT状態管理処理では、有利区間の終了条件が成立したことを条件に有利区間データ初期化処理を実行して、有利区間を終了させて、遊技区間を有利区間から通常区間へ移行させる。また、有利区間報知フラグをクリアする。
【0289】
AT状態管理処理を行った後は、メダル払出処理が行われる。メダル払出処理では、内部抽選にて当選した小役が取りこぼされ、メダルの払い出しを伴う入賞が発生しないことで、メダルの払出制御や遊技補助表示器12の表示態様を更新する制御が行われずに終了される。この際、遊技補助表示器12の表示態様は、消灯状態に維持されることとなる。
【0290】
そして、メダル払出処理が終了された後、メイン処理において、AT状態管理処理により有利区間報知フラグがクリアされていることに基づいて、状態制御用データ(消灯)が有利区間報知LED12aの出力バッファに設定され、その後、タイマ割込み処理が行われることで、有利区間報知LED12aが消灯される。
【0291】
その後、遊技終了時処理設定処理が行われることで、当該ゲームについてのメイン処理が一巡することとなり、その後、次ゲームの遊技開始待ち処理が行われる。
【0292】
そして、遊技開始待ち処理において、遊技開始待ち処理のメダル手入れ許可設定処理により、賭数またはクレジットに空きがあることを条件に、メダルを内部に取り込むように流路切替ソレノイド30がON状態に設定された後、投入要求LED17がONに設定されて、投入要求LED17の点灯が開始される。また、遊技開始待ち処理では、操作入力受付処理により精算スイッチ10による精算操作の受け付けが有効化される。
【0293】
このように、遊技区間が有利区間に制御されているときに、内部抽選にて小役が当選し、有利区間から通常区間に移行する場合であって、当該小役の取りこぼし図柄組合せがリール2L,2C,2Rに停止する場合には、第3停止操作に係るストップスイッチの操作が終了され、かつすべてのリール2L,2C,2Rの回転が停止されることで、リール制御処理が終了された後、メダル払出処理により遊技補助表示器12の表示態様が更新される制御が行われることなく、メイン処理により有利区間報知LED12aの出力バッファに状態制御用データ(消灯)が設定され、有利区間報知LED12aが消灯される。これにより、有利区間報知LED12aにより有利区間が終了された旨が報知される。その後、遊技開始待ち処理より投入要求LED17の点灯が開始されるようになっている。
【0294】
また、遊技区間が有利区間に制御されているときに、内部抽選にて小役が当選し、有利区間から通常区間に移行する場合であって、当該小役の取りこぼし図柄組合せがリール2L,2C,2Rに停止する場合には、第3停止操作に係るストップスイッチの操作が終了され、かつすべてのリール2L,2C,2Rの回転が停止されるとで、リール制御処理が終了され、その後、メイン処理により有利区間報知LED12aの出力バッファに状態制御用データ(消灯)が設定され、有利区間報知LED12aが消灯される。そして、その後行われる遊技開始待ち処理の操作入力受付処理により精算スイッチ10による精算操作の受け付けが有効化されるようになっている。すなわち、ゲームにおいてリールが停止された後から、精算操作の受付が有効となるまでの期間において有利区間報知LED12aにより有利区間が終了された旨を報知するようになっている。
【0295】
また、遊技区間が有利区間に制御されているときに、内部抽選にて小役が当選し、有利区間から通常区間に移行する場合であって、当該小役の取りこぼし図柄組合せがリール2L,2C,2Rに停止する場合には、リール制御処理が終了された後、メダル払出処理により遊技補助表示器12の表示態様が更新される制御が行われることなく、メイン処理により有利区間報知LED12aの出力バッファに状態制御用データ(消灯)が設定され、有利区間報知LED12aが消灯される。一方、上述のように、遊技区間が有利区間に制御されているときに、内部抽選にて小役が当選し、有利区間から通常区間に移行する場合であって、当該小役の取りこぼし図柄組合せがリール2L,2C,2Rに停止する場合には、リール制御処理が終了された後、メダル払出処理により小役の入賞に伴い払い出されるメダル枚数の最終値が遊技補助表示器12に表示され、その後、メイン処理により有利区間報知LED12aの出力バッファに状態制御用データ(消灯)が設定され、有利区間報知LED12aが消灯される。すなわち、小役の取りこぼし図柄組合せがリール2L,2C,2Rに停止した場合と、小役の図柄組合せがリール2L,2C,2Rに停止した場合とでは、有利区間報知LED12aが消灯されるタイミングが異なる。
【0296】
なお、小役の取りこぼし図柄組合せがリール2L,2C,2Rに停止した場合も、小役の図柄組合せがリール2L,2C,2Rに停止した場合も、メイン処理により有利区間報知LED12aの出力バッファに状態制御用データ(消灯)が設定されることで、有利区間報知LED12aが消灯されるようになっており、有利区間報知LED12aが消灯される処理上のタイミングは、共通である。しかし、小役の取りこぼし図柄組合せがリール2L,2C,2Rに停止した場合には、リール制御処理の終了後、メダルの払出枚数を遊技補助表示器12に表示させる制御が行われることなく、メイン処理により有利区間報知LED12aの出力バッファに状態制御用データ(消灯)が設定される一方で、小役の図柄組合せがリール2L,2C,2Rに停止した場合には、リール制御処理が終了され、さらに、メダルの払出枚数を遊技補助表示器12に表示させる制御が行われた後に、メイン処理により有利区間報知LED12aの出力バッファに状態制御用データ(消灯)が設定されるようになっており、リール制御処理が終了されてから有利区間報知LED12aが消灯されるまでの時間間隔が異なることとなり、有利区間報知LED12aが消灯される時間的タイミングは、異なる。
【0297】
ここで、図24に示すように、第3停止操作に係るストップスイッチの押下が離された場合であっても、他の操作手段(たとえば、スタートスイッチ7やMAXBETスイッチ6)に対する押下がされている場合(たとえば、ストップスイッチの押下が離される前からスタートスイッチ7が押下されてストップスイッチの押下が離された後であってもスタートスイッチ7の押下が継続している場合、あるいは、ストップスイッチの押下が離されたと同時にスタートスイッチ7が押下された場合)には、AT状態管理処理が行われないため、その後の処理であるメダル払出処理にも移行しない。
【0298】
このように、小役の取りこぼし図柄組合せがリール2L,2C,2Rに停止した場合でも、リール制御処理においては、全てのストップスイッチに対する押下操作が終了したタイミングにおいて他の操作手段(たとえば、スタートスイッチ7やMAXBETスイッチ6)に対する押下がされている場合には、次工程の処理に移行しない。したがって、この場合、メイン処理により有利区間報知LED12aの出力バッファに状態制御用データ(消灯)が設定されることがなく、有利区間報知LED12aが消灯されない。一方、リール制御処理において、全てのストップスイッチに対する押下操作が終了したタイミングで他の操作手段(たとえば、スタートスイッチ7やMAXBETスイッチ6)に対する押下がされていない場合には、その後、メイン処理により有利区間報知LED12aの出力バッファに状態制御用データ(消灯)が設定され、有利区間報知LED12aが消灯される。これにより、有利区間から通常区間への移行が遊技者に示唆される。
【0299】
次に、遊技区間が有利区間に制御されているときに、内部抽選にて入賞役として再遊技役A、Bを含む抽選対象役が当選し、有利区間から通常区間に移行する場合に、再遊技役Aまたは再遊技役Bの図柄組合せがリール2L,2C,2Rに停止する場合について、有利区間報知LED12aにより有利区間が終了された旨が報知されるタイミングについて、図25および図26に基づいて説明する。図25および図26は、有利区間報知の終了時(再遊技入賞)における遊技補助表示器12などの表示態様の遷移について説明するための図である。なお、再遊技役A、Bは、少なくとも1のリールについて当該役を構成する図柄組合せが異なる構成の再遊技役である。また、ストップスイッチ8L,8C,8Rが第1操作順で操作されることで、再遊技役Aの構成図柄がリール2L,2C,2Rに優先的に停止され、ストップスイッチ8L,8C,8Rが第1操作態様以外の第2操作順で操作されることで、再遊技役Bの構成図柄がリール2L,2C,2Rに優先的に停止されるようにリールの停止制御が行われるようになっている。
【0300】
図25に示すように、有利区間においてゲームが開始されて、内部抽選にて再遊技役A、Bを含む抽選対象役が当選した後、リール制御処理が行われる。当該リール制御処理が行われており、少なくとも1つのリールが回転制御されているときには、遊技補助表示器12(右側表示器12Rの第8セグメントを除く)、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20は、消灯状態に制御される。一方、有利区間報知LED12aは、点灯状態に制御される。
【0301】
そして、第3停止操作に係るストップスイッチの押下操作が終了され(ストップスイッチの押下が離されること)、かつすべてのリールの回転が停止され、さらに他の操作手段(たとえば、スタートスイッチ7やMAXBETスイッチ6)に対する押下がされていないことを条件に、リール制御処理が終了して、AT状態管理処理が行われる。AT状態管理処理では、有利区間の終了条件が成立したことを条件に有利区間データ初期化処理を実行して、有利区間を終了させて、遊技区間を有利区間から通常区間へ移行させる。また、有利区間報知フラグをクリアする。
【0302】
AT状態管理処理を行った後は、メダル払出処理が行われる。メダル払出処理では、再遊技役Aの図柄組合せまたは再遊技役Bの図柄組合せがリール2L,2C,2Rに停止したときには、メダルを払い出す制御や遊技補助表示器12の表示態様を更新する制御が行われずに終了される。この際、遊技補助表示器12の表示態様は、消灯状態に維持されることとなる。
【0303】
そして、メダル払出処理が終了された後、再遊技作動時処理が行われて、再遊技用メダルカウンタに所定値が設定されるとともに、リプレイ中LED20がONに設定されて、リプレイ中LED20の点灯が開始される。
【0304】
その後、メイン処理において、AT状態管理処理により有利区間報知フラグがクリアされていることに基づいて、状態制御用データ(消灯)が有利区間報知LED12aの出力バッファに設定され、その後、タイマ割込み処理が行われることで、有利区間報知LED12aが消灯される。
【0305】
その後、遊技終了時処理設定処理が行われることで、当該ゲームについてのメイン処理が一巡することとなり、その後、次ゲームの遊技開始待ち処理が行われる。
【0306】
そして、遊技開始待ち処理において再遊技用メダルカウンタが1以上に設定されていることに基づいて規定数までの賭数が1ずつ設定されるとともに、1~3BETLED14~16がON状態に順次設定されて、1~3BETLED14~16の点灯が順次開始される。その後、遊技開始待ち処理のメダル手入れ許可設定処理において、賭数またはクレジットに空きがあると判定されて、メダル手入れ許可フラグが設定されることで、メダルを内部に取り込むように流路切替ソレノイド30がON状態に設定された後、投入要求LED17がONに設定される。その後、タイマ割込み処理が行われることで、投入要求LED17の点灯が開始される。
【0307】
このように、遊技区間が有利区間に制御されているときに、内部抽選にて入賞役として再遊技役A、Bを含む抽選対象役が当選し、有利区間から通常区間に移行する場合に、再遊技役Aの図柄組合せまたは再遊技役Bの図柄組合せがリール2L,2C,2Rに停止した場合には、第3停止操作に係るストップスイッチの操作が終了され、かつすべてのリール2L,2C,2Rの回転が停止されることで、リール制御処理が終了された後、再遊技作動時処理が行われてリプレイ中LED20の点灯が開始され、その後、メイン処理により有利区間報知LED12aの出力バッファに状態制御用データ(消灯)が設定され、有利区間報知LED12aが消灯される。これにより、有利区間報知LED12aにより有利区間が終了された旨が報知される。さらに、その後、遊技開始待ち処理より1~3BETLED14~16の点灯が順次開始された後、投入要求LED17の点灯が開始されるようになっている。
【0308】
また、遊技区間が有利区間に制御されているときに、内部抽選にて入賞役として再遊技役A、Bを含む抽選対象役が当選し、有利区間から通常区間に移行する場合に、再遊技役Aの図柄組合せまたは再遊技役Bの図柄組合せがリール2L,2C,2Rに停止した場合には、リール制御処理が終了された後、再遊技作動時処理によりリプレイ中LED20の点灯が開始され、その後、メイン処理により有利区間報知LED12aの出力バッファに状態制御用データ(消灯)が設定され、有利区間報知LED12aが消灯される。すなわち、再遊技役Aの図柄組合せがリール2L,2C,2Rに停止した場合も、再遊技役Bの図柄組合せがリール2L,2C,2Rに停止した場合も、有利区間報知LED12aが消灯されるタイミングが共通となる。
【0309】
ここで、図26に示すように、第3停止操作に係るストップスイッチの押下が離された場合であっても、他の操作手段(たとえば、スタートスイッチ7やMAXBETスイッチ6)に対する押下がされている場合(たとえば、ストップスイッチの押下が離される前からスタートスイッチ7が押下されてストップスイッチの押下が離された後であってもスタートスイッチ7の押下が継続している場合、あるいは、ストップスイッチの押下が離されたと同時にスタートスイッチ7が押下された場合)には、AT状態管理処理が行われないため、その後の処理であるメダル払出処理にも移行しない。
【0310】
このように、再遊技役の図柄組合せがリール2L,2C,2Rに停止した場合でも、リール制御処理においては、全てのストップスイッチに対する押下操作が終了したタイミングにおいて他の操作手段(たとえば、スタートスイッチ7やMAXBETスイッチ6)に対する押下がされている場合には、次工程の処理に移行しない。したがって、この場合、メイン処理により有利区間報知LED12aの出力バッファに状態制御用データ(消灯)が設定されることがなく、有利区間報知LED12aが消灯されない。一方、リール制御処理において、全てのストップスイッチに対する押下操作が終了したタイミングで他の操作手段(たとえば、スタートスイッチ7やMAXBETスイッチ6)に対する押下がされていない場合には、その後、メイン処理により有利区間報知LED12aの出力バッファに状態制御用データ(消灯)が設定され、有利区間報知LED12aが消灯される。これにより、有利区間から通常区間への移行が遊技者に示唆される。
【0311】
[作用効果1]
従来のスロットマシンとして、遊技者にとって有利な有利状態に制御されるものにおいて、有利状態に制御されている期間にわたり点灯状態となる有利状態ランプを備えた構成のものがある。このような構成のスロットマシンでは、有利状態ランプが点灯するタイミングや消灯するタイミングについて鑑みられていない。
【0312】
これに対して、本実施形態のスロットマシン1では、メイン制御部41は、内部抽選の抽選結果が有利区間移行抽選対象役となり、かつ有利区間移行抽選にて有利区間に移行する旨が決定された場合に、遊技区間を通常区間から遊技者にとって有利な有利区間に移行させることが可能であり、有利区間に移行した旨を報知する有利区間報知LED12a(遊技補助表示器12の右側表示器12Rの第8セグメント)を備え、有利区間に移行させた後、最初にナビ報知が行われることで有利区間報知開始条件が成立するゲームの開始時に、有利区間報知LED12aの点灯を開始させて、有利区間に移行した旨を報知することが可能であり、有利区間において最初にナビ報知が行われるより前に、有利区間報知LED12aの点灯を開始させる構成である。このような構成では、有利区間においてナビ報知が行われるときまでに、有利区間報知LED12aの点灯を開始させて、有利区間に制御されている旨を報知することができる。
【0313】
本実施形態では、メイン制御部41は、有利区間報知LED12aの点灯を開始させた後、遊技補助表示器12でのナビ報知を開始させる構成であるが、有利区間報知LED12aの点灯と遊技補助表示器12におけるナビ報知の表示が同時に開始される構成でもよい。このような構成でも、有利区間においてナビ報知が行われるときまでに、有利区間報知LED12aの点灯を開始させて、有利区間に制御されている旨を報知することができる。
【0314】
本実施形態のスロットマシン1では、メイン制御部41は、有利区間に制御しているときに、有利区間の終了条件が成立することで、当該有利区間を終了させることが可能であり、有利区間を終了した旨を報知する有利区間報知LED12a(遊技補助表示器12の右側表示器12Rの第8セグメント)を備え、有利区間であるときには、有利区間報知LED12aを点灯状態に制御する構成であり、メイン制御部41は、内部抽選の抽選結果が特定結果(小役)となったときに、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様に応じて異なる図柄組合せをリールに停止させることが可能であり、この際、停止した図柄組合せによって有利区間報知LED12aにより有利区間が終了した旨が報知されるタイミングが異なる構成であるので、有利区間報知LED12aによる報知に着目させることができる。
【0315】
本実施形態のスロットマシン1では、メイン制御部41は、内部抽選の抽選結果が所定結果(再遊技役)となったときに、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様に応じて異なる図柄組合せをリールに停止させることが可能であり、この際、停止した図柄組合せによって有利区間報知LED12aにより有利区間が終了した旨が報知されるタイミングが共通である構成であるので、有利区間報知LED12aによる示唆によって遊技者を困惑させてしまうことを防止できる。
【0316】
本実施形態のメイン制御部41は、遊技者所有のメダル枚数をクレジットとして記憶し、精算スイッチ10による精算操作が行われたときにクレジットとして記憶されているメダル枚数を精算することが可能な構成であり、メイン制御部41は、有利区間を終了する場合に、リールに停止された後、精算操作の受付が有効となるまでの期間において有利区間報知LED12aにより有利区間が終了した旨を報知する構成であるので、有利区間が終了したことを認識したうえで、遊技者がゲームを終了することができる。
【0317】
本実施形態のスロットマシン1では、メイン制御部41は、小役が入賞して有利区間を終了する場合に、遊技補助表示器12によるメダルの払出枚数の表示が完了した以降のタイミングで有利区間報知LED12aにより有利区間が終了した旨を報知する構成であるので、メダルの払い出しが行われたことを認識させたうえで、有利区間を終了した旨を報知することができる。
【0318】
本実施形態のスロットマシン1では、再遊技役が入賞して有利区間を終了する場合に、リプレイ中LED20の点灯を開始させて再遊技が付与された旨の報知が完了した以降のタイミングで有利区間報知LED12aにより有利区間が終了した旨を報知する構成であるので、再遊技が付与されたことを認識させたうえで、有利区間が終了した旨を示唆することができる。
【0319】
本実施形態のスロットマシン1では、有利区間を終了する場合に、すべてのリール2L,2C,2Rの回転が停止された後であって、投入要求LED17の点灯が開始されることでメダルの投入が可能である旨が報知される前のタイミングで、有利区間報知LED12aにより有利区間が終了した旨を報知する構成であるので、有利区間が終了したことを知らずに、遊技者が次ゲームを開始させるためにメダルを投入してしまうことを防止できる。
【0320】
本実施形態のメイン制御部41は、遊技者にとって有利となるストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様を報知するナビ報知および小役の入賞に伴い遊技者に払い出されるメダル払出枚数を表示する遊技補助表示器12を備え、有利区間に制御している期間では、遊技補助表示器12の右側表示器12Rの第8セグメントを有利区間報知LED12aとして点灯状態に制御することが可能であり、有利区間に移行した旨を報知することが可能な構成であり、遊技補助表示器12の一部を有利区間報知LED12aとして用いて有利区間に移行した旨および有利区間が終了した旨を報知する構成であるので、有利区間に移行した旨を報知する表示手段として、ナビ報知およびメダル払出枚数が表示される遊技補助表示器12とは別個の表示手段をメイン制御部41に設ける必要がない。
【0321】
本実施形態では、メイン制御部41は、遊技補助表示器12の一部を有利区間報知LED12aとして用いて有利区間に移行した旨および有利区間が終了した旨を報知する構成であるが、遊技補助表示器12とは別個に設けられた表示手段を有利区間報知LED12aとして用いて有利区間に移行した旨を報知する構成でもよく、たとえば、遊技補助表示器12の近傍に当該遊技補助表示器12とは別個のLEDやランプなどの表示手段を配置し当該表示手段を用いて有利区間に移行した旨および有利区間が終了した旨を報知する構成でもよい。この構成によれば、遊技補助表示器12とは別個に、有利区間に移行した旨および有利区間が終了した旨を報知する表示手段が設けられるため、有利区間に移行した旨を報知する表示を他の表示と明確に区別して認識させることができるとともに、この場合でも表示手段の近傍に設けられるため、遊技者による見落としを防止できる。
【0322】
なお、有利区間に移行した旨および有利区間が終了した旨を報知する表示手段を、たとえば、遊技用表示部13に設けられたクレジット表示器11や遊技補助表示器12、投入要求LED17などの各種表示器などが配置されている基板上に配置することで、当該表示手段を遊技補助表示器12の近傍に設けることができ、遊技者による見落としを防止できる。また、有利区間に移行した旨を報知する表示手段を、たとえば、MAXBETスイッチ6やスタートスイッチ7、精算スイッチ10などのゲームの開始または終了の際に操作されるスイッチ類の周囲に配置することで、遊技者による見落としを防止できる。
【0323】
本実施形態では、メイン制御部41は、遊技区間を有利区間に移行させた後、有利区間報知開始条件が成立することで、当該有利区間報知開始条件が成立するゲームの開始時に、有利区間報知LED12aの点灯を開始させて、有利区間に移行した旨を報知する一方で、有利区間が終了されるゲームの終了時に、有利区間報知LED12aを消灯させて、有利区間が終了した旨を報知する構成であるが、メイン制御部41は、有利区間に移行されるゲームの終了時に、有利区間報知LED12aを点灯させ、有利区間に移行した旨を報知し、有利区間が終了されるゲームの終了時に、有利区間報知LED12aを消灯させ、有利区間が終了される旨を報知する構成でもよい。
【0324】
本実施形態のメイン制御部41は、有利区間に移行した旨および有利区間が終了した旨を報知する有利区間報知LED12a(遊技補助表示器12の右側表示器12Rの第8セグメント)を備え、当該有利区間報知LED12aを消灯状態に制御することで、有利区間が終了した旨を報知することが可能な構成であり、メイン処理では、有利区間報知LED12aの出力バッファに状態制御用データ(消灯)を設定する処理を行う前に、AT状態管理処理において、RAM41cにおいて有利区間に関するデータが記憶されている所定領域を初期化する処理を行って、有利区間に関するデータを初期化する構成であるので、有利区間報知LED12aが消灯状態に制御されて有利区間が終了した旨が報知されているにも関わらず、有利区間に関するデータがRAM41cの所定領域に残ってしまうことを防止できる。
【0325】
なお、本実施形態では、メイン制御部41は、有利区間報知LED12aの出力バッファに状態制御用データ(消灯)を設定する処理を行う前に、RAM41cに記憶されている有利区間に関するデータを初期化する処理を行うことで、有利区間報知LED12aを消灯状態に制御する前に、有利区間に関するデータを初期化する構成であるが、有利区間報知LED12aを消灯状態とする制御と同時期に、有利区間に関するデータを初期化する構成でもよい。たとえば、有利区間報知LED12aの出力バッファに状態制御用データ(消灯)を設定する処理、および、有利区間に関するデータを初期化する処理を、同じタイミングで行われるタイマ割込み処理において行う構成とすることで、有利区間報知LED12aを消灯状態とする制御と、有利区間に関するデータを初期化する処理とを同時期に行うことができる。
【0326】
また、本実施形態では、メイン制御部41は、有利区間報知LED12aを消灯状態に制御する前に、有利区間に関するデータを初期化する構成であるが、有利区間に関するデータを初期化した後に、有利区間報知LED12aを消灯状態に制御する構成でもよい。このような構成では、有利区間報知LED12aを点灯状態に制御している期間中に、有利区間に関するデータが初期化されてしまうことを防止できる。
【0327】
本実施形態のメイン制御部41は、メイン処理では、有利区間報知LED12aの出力バッファに状態制御用データ(消灯)を設定する処理を行う前に、AT状態管理処理において有利区間に関するデータが記憶されているRAM41cの所定領域を初期化する初期化処理を行う構成であり、当該初期化処理により初期化されるRAM41cの所定領域には、有利区間報知LED12aの出力バッファを含まず、当該初期化処理により初期化される有利区間に関するデータは、当該有利区間報知LED12aの出力バッファに設定されている状態制御用データ(点灯)を含まない構成であるので、有利区間報知LED12aの出力バッファに状態制御用データ(消灯)を設定する処理を行う前に、当該有利区間報知LED12aの出力バッファに設定されている状態制御用データ(点灯)が、AT状態管理処理における初期化処理により初期化されることがないので、有利区間が終了するまで確実に有利区間報知LED12aを点灯状態に制御することができる。
【0328】
[作用効果2]
本実施形態のメイン制御部41は、AT状態管理処理において、有利区間におけるメダルの純増枚数(有利区間において払い出されたメダルの総枚数から有利区間において賭数の設定に用いられたメダルの総枚数を減じて得られる枚数)を計数するための純増枚数カウンタを更新することが可能であり、当該純増枚数カウンタの値に基づいて特定される有利区間におけるメダルの純増枚数が予め定められた規定枚数(本実施形態では、2400枚からスロットマシン1での払出枚数の最大値(15)を減算し、かつ賭数の設定に使用される最大枚数(3枚)を加算した値(2388))を超えた場合に、有利区間データ初期化処理を行って、有利区間を終了させて通常区間に移行させる構成であり、メイン制御部41は、純増枚数カウンタを更新する際に、当該純増枚数カウンタに当該ゲームにおいて払い出されたメダル払出枚数分の値を加算し、賭数の設定に用いられたメダルの分の値を減算して得られる演算値が0より小さい場合には、純増枚数カウンタの値を0に修正し、当該演算値が0以上である場合には、当該演算値を純増枚数カウンタの値とするように純増枚数カウンタの値を更新するように制御することで、有利区間の開始以後、メダルの純増数が最も減少したときを起点としてメダルの純増枚数を計数するようになっており、当該純増枚数カウンタの値に基づいて、メダルの純増数が規定枚数を超えた場合に有利区間を終了させて通常区間に移行させる構成である。
【0329】
この構成によれば、有利区間の開始以後、遊技用価値の純増数が最も減少したときを起点とする現在までのメダルの純増数が規定枚数を超えた場合に有利区間を終了させて通常区間に移行させるので、有利区間が開始したときを起点とするメダルの純増数が規定数を超えていない場合でも、メダルが増加に転じてからのメダルの純増数が規定枚数を超える場合には有利区間が終了することとなるため、有利区間中のメダルの純増数だけでなく、有利区間開始後のメダルの純増数も規定枚数を基準とした範囲に制限することができる。
【0330】
なお、本実施形態では、メイン制御部41は、AT状態管理処理において純増枚数カウンタを更新する際に、有利区間中において、当該ゲームの入賞フラグに基づいて払い出されるメダルの払出枚数値を特定し、純増枚数カウンタに基づいて特定される純増枚数値に当該払出枚数を加算し、加算後の純増枚数値から賭数に用いられたメダルの枚数を減算することで得られる純増枚数値に基づいて更新する純増枚数カウンタする構成、すなわち純増枚数カウンタにより計数される有利区間におけるメダルの純増枚数は、有利区間中においてゲームの結果として実際に払い出されたメダル枚数に基づいて計数される構成であるが、有利区間におけるメダルの純増枚数は、少なくとも遊技者に対して付与されたメダル枚数から遊技者が賭数に設定することでゲームに使用したメダルを減算したものであればよく、内部抽選にて実際にメダルの付与を伴う所定小役の入賞の発生が許容された場合に、かつ遊技者が当該小役の入賞を発生させることが可能な状況であるにも関わらず、入賞させることができなかった場合に、当該小役の入賞が発生したものとみなして付与されたメダルを遊技者に対して付与されたメダルとして計数する構成でもよい。
【0331】
また、本実施形態では、メイン制御部41は、AT状態管理処理において純増枚数カウンタを更新する際に、純増枚数カウンタに基づいて特定される純増枚数値を所定レジスタに読み込んだ後、当該ゲームの入賞フラグに基づいて払い出されるメダルの払出枚数値を特定し、当該払出枚数を所定レジスタの純増枚数値に加算し、加算後の純増枚数値から賭数の設定に用いられたメダルの枚数を減算することで得られる純増枚数値に基づいて更新する純増枚数カウンタする構成であるが、メイン制御部41は、純増枚数カウンタを更新する際に、当該ゲームにおいて払い出されるメダルの払出枚数値から、当該ゲームにおいて賭数の設定に用いられたメダルの枚数値を減算して得られる純増数を、純増枚数カウンタに加算することで、当該純増枚数カウンタを更新する構成でもよい。
【0332】
また、本実施形態では、メイン制御部41は、AT状態管理処理において有利区間におけるメダルの純増枚数が規定枚数を超えたか否かを判定する際に、純増枚数カウンタに基づいて特定される純増枚数値を所定レジスタに読み込んだ後、当該ゲームの入賞フラグに基づいて払い出されるメダルの払出枚数値を特定し、当該払出枚数を所定レジスタの純増枚数値に加算し、加算後の純増枚数値から賭数の設定に用いられたメダルの枚数を減算することで、所定レジスタに当該ゲームにおける純増枚数値を算出して、当該所定レジスタの純増枚数値が規定枚数を超えているか否かを判定する構成であるが、メイン制御部41は、当該ゲームにおけるメダルの払出枚数値および賭数の設定に用いられたメダルの枚数に基づいて当該ゲームの純増枚数を算出し、算出した純増枚数を純増枚数カウンタに加算して、当該純増枚数カウンタを更新した後、当該純増枚数カウンタの値に基づいて、有利区間におけるメダルの純増枚数が規定枚数を超えたか否かを判定する構成でもよい。
【0333】
また、本実施形態では、メイン制御部41は、AT状態管理処理において純増枚数カウンタを更新する際に、当該純増枚数カウンタに当該ゲームにおいて払い出されたメダル払出枚数分の値を加算し、賭数の設定に用いられたメダルの分の値を減算して得られる演算値が0より小さい場合には、純増枚数カウンタの値を0に修正する構成であり、純増枚数カウンタでは、メダルの増減枚数が0を下回る場合に、0を下回る数値について計数せず、0を上回る数値についてのみ計数する構成であるが、メイン制御部41は、0を下回る数値について計数する構成、すなわちマイナス域の遊技用価値の純増数を計数する構成でもよい。たとえば、メイン制御部41は、有利区間の開始時に純増枚数カウンタを0に初期化した後、当該有利区間中において、メダルが払い出されたときに、払い出されたメダル枚数分の値を純増枚数カウンタに加算し、賭数の設定にメダルが用いられたときに、そのメダル枚数分の値を純増枚数カウンタから減算する処理を繰り返し行うことで、有利区間中におけるメダルの純増枚数を計数することで、メダルの増減枚数が0を下回る場合も、0を上回る場合も計数することができる。
【0334】
また、本実施形態では、メイン制御部41は、有利区間の開始以後、純増枚数カウンタの値に基づいて、メダルの純増数が最も減少したときを起点としてメダルの純増枚数を計数する構成であるが、メイン制御部41は、有利区間の開始以後の一律に設定された契機として、通常区間から有利区間に移行したとき、を起点とする現在までのメダルの純増数が規定枚数を超えた場合に有利区間を終了させて通常区間に移行させる構成でもよく、この構成によれば、有利区間の終了条件を判定するためのメダルの純増数を計数する起点が一律に設定されており、通常区間から有利区間に移行したとき以外を起点とするメダルの純増数に基づいて有利区間の終了条件を判定する必要がないことから、純増枚数カウンタの値に基づいて有利区間の終了条件の判定する制御を簡素化することができる。
【0335】
また、本実施形態では、メイン制御部41は、有利区間の開始以後、純増枚数カウンタの値に基づいて、メダルの純増数が最も減少したときを起点としてメダルの純増枚数を計数する構成であるが、メイン制御部41は、有利区間の開始以後の一律に設定された契機として、通常区間から有利区間に移行した後、有利区間報知LED12aによりAT状態に移行した旨が示唆され、かつナビ報知によりメダルを増加させる操作態様が報知されたとき、を起点とする現在までのメダルの純増数が規定枚数を超えた場合に有利区間を終了させて通常区間に移行させる構成でもよく、この構成によれば、有利区間の終了条件を判定するためのメダルの純増数を計数する起点が一律に設定されており、通常区間から有利区間に移行した後、有利区間報知LED12aにより有利区間に移行した旨が示唆され、かつナビ報知によりメダルを増加させる操作態様が報知されたとき以外を起点とするメダルの純増数に基づいて有利区間の終了条件を判定する必要がないことから、純増枚数カウンタの値に基づいて有利区間の終了条件の判定する制御を簡素化することができる。
【0336】
また、本実施形態では、メイン制御部41は、有利区間の開始以後、純増枚数カウンタの値に基づいて、メダルの純増数が最も減少したときを起点としてメダルの純増枚数を計数する構成であるが、メイン制御部41は、有利区間の開始以後の一律に設定された契機として、通常区間から有利区間に移行した後、ナビ報知によりメダルを増加させる操作態様が報知されたか否かに関わらず、有利区間報知LED12aによりAT状態に移行した旨が示唆されたとき、を起点とする現在までのメダルの純増数が規定枚数を超えた場合に有利区間を終了させて通常区間に移行させる構成でもよく、この構成によれば、有利区間の終了条件を判定するためのメダルの純増数を計数する起点が一律に設定されており、通常区間から有利区間に移行した後、ナビ報知によりメダルを増加させる操作態様が報知されたか否かに関わらず、有利区間報知LED12aにより有利区間に移行した旨が示唆されたとき以外を起点とするメダルの純増数に基づいて有利区間の終了条件を判定する必要がないことから、純増枚数カウンタの値に基づいて有利区間の終了条件の判定する制御を簡素化することができる。
【0337】
また、本実施形態では、メイン制御部41は、有利区間中において、内部抽選にてナビ対象役が当選したときに有利者にとって有利な操作態様を報知するナビ報知が行われるAT状態と、内部抽選にてナビ対象役が当選してもナビ報知が行われない前兆状態を含むATに関する制御状態に制御することが可能な構成であり、AT状態管理処理において純増枚数カウンタを更新する際に、ATに関する制御状態がAT状態であるか否かに関わらず、メダルの払い出しを伴う入賞が発生することで、払い出されるメダル枚数分を純増枚数カウンタに加算して、有利区間におけるメダルの純増枚数を計数する構成であるが、メイン制御部41は、純増枚数カウンタを更新する際に、有利区間中において、ATに関する制御状態がAT状態以外の制御状態である場合に、内部抽選にてナビ対象役が当選し、遊技者にとって有利な操作態様でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されてメダルが増加したときには増加分を純増枚数カウンタに加算し、内部抽選にてナビ対象役が当選し、遊技者にとって有利な操作態様でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されずメダルが増加しないときには、純増枚数カウンタを加算せず、有利区間中において、ATに関する制御状態がAT状態である場合に、内部抽選にてナビ対象役が当選したときには、遊技者にとって有利な操作態様でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されてメダルが増加したか否かに関わらず、遊技者にとって有利な操作態様でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作された場合のメダルの増加分を純増枚数カウンタに加算して、有利区間におけるメダルの純増枚数を計数する構成でもよく、この構成によれば、有利区間のうち遊技者にとって有利な操作態様が報知されない前兆状態などにおいては、内部抽選にてナビ対象役が当選しても実際にメダルが増加した場合に純増枚数カウンタに加算し、メダルを増加させることができなかった場合には純増枚数カウンタに加算せず、有利区間のうち遊技者にとって有利な操作態様が報知されるAT状態においては、内部抽選にてナビ対象役が当選した場合に実際にメダルが増加したか否かに関わらず純増枚数カウンタを加算するようになっており、遊技者がメダルを増加させることが可能な状況であれば実際にメダルが増加したか否かに関わらず、純増枚数カウンタを加算することで、有利区間を意図的に引き延ばすことを防止しつつ、遊技者が確実にメダルを増加させることができない状況であれば、実際にメダルが増加したときのみ純増枚数カウンタを加算することで、遊技者に不利益となってしまうことを防止できる。
【0338】
また、純増枚数カウンタを更新する際に、有利区間中において、ATに関する制御状態がAT状態以外の制御状態である場合に、内部抽選にてナビ対象役が当選し、かつメダルが増加したときには増加分を純増枚数カウンタに加算し、内部抽選にてナビ対象役が当選したが、メダルが増加しないときには、純増枚数カウンタを加算せず、有利区間中において、ATに関する制御状態がAT状態である場合に、内部抽選にてナビ対象役が当選したときには、メダルが増加したか否かに関わらず、遊技者にとって有利な操作態様でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作された場合のメダルの増加分を純増枚数カウンタに加算して、有利区間におけるメダルの純増枚数を計数する構成において、メイン制御部41は、有利区間中においては、ATに関する制御状態がいずれの制御状態であるかに関わらず、内部抽選の抽選結果が、メダルを増加させるストップスイッチ8L,8C,8Rの所定操作態様が変化しない所定小役となった場合には、所定操作態様で操作されメダルが増加したか否かに関わらず、所定操作態様で操作された場合のメダルの増加分を純増枚数カウンタに加算して、有利区間におけるメダルの純増枚数を計数する構成でもよく、この構成によれば、有利区間中において、遊技者がメダルを増加させることが可能な状況であれば実際にメダルが増加したか否かに関わらず、純増枚数カウンタを加算することで、有利区間を意図的に引き延ばすことを防止できる。
【0339】
本実施形態のメイン制御部41は、AT状態管理処理において、有利区間ゲーム数が上限ゲーム数に到達すること、有利区間における純増枚数が予め定められた規定枚数を超えることのうち少なくとも一方の条件が成立した場合に有利区間を終了させる構成であり、AT状態管理処理では、先ず、有利区間ゲーム数カウンタに基づいて特定される有利区間ゲーム数が上限ゲーム数に到達したか否かを判定し、有利区間ゲーム数が上限ゲーム数に到達したと判定した場合に、有利区間における純増枚数が規定枚数を超えたか否かを判定することなく、有利区間データ初期化処理を行って、有利区間を終了させる構成であるので、有利区間の終了条件として、有利区間ゲーム数が上限ゲーム数に到達することが成立している場合に、有利区間における純増枚数が規定枚数を超えたか否かの判定を行わずに済むため、有利区間における純増枚数が規定枚数を超えたか否かの判定に係る制御を簡素化することができる。
【0340】
本実施形態のメイン制御部41は、AT状態管理処理において、有利区間ゲーム数が上限ゲーム数に到達すること、有利区間における純増枚数が予め定められた規定枚数を超えることのうち少なくとも一方の条件が成立した場合に有利区間を終了させる構成であり、AT状態管理処理では、先ず、有利区間ゲーム数が上限ゲーム数に到達したか否かを判定し、有利区間ゲーム数が上限ゲーム数に到達していない場合に、有利区間における純増枚数が規定枚数を超えるか否かを判定する構成であるので、AT状態管理処理において、先ず、有利区間ゲーム数が上限ゲーム数に到達したか否かを判定するので、有利区間ゲーム数が上限ゲーム数に到達して有利区間を終了させる場合に、有利区間ゲーム数が上限ゲーム数に到達したか否かの判定に係る制御よりも煩雑な有利区間における純増枚数が規定枚数を超えるか否かを判定に係る制御を省略することができる。
【0341】
本実施形態では、メイン制御部41は、AT状態管理処理では、先ず、有利区間ゲーム数が上限ゲーム数に到達したか否かを判定し、有利区間ゲーム数が上限ゲーム数に到達していない場合に、有利区間における純増枚数が規定枚数を超えるか否かを判定する構成であるが、AT状態管理処理において、先ず、有利区間における純増枚数が規定枚数を超えるか否かを判定し、有利区間における純増枚数が規定枚数を超えない場合に、有利区間ゲーム数が上限ゲーム数に到達したか否かを判定する構成でもよく、この構成によれば、有利区間ゲーム数が上限ゲーム数に到達する頻度よりも、有利区間における純増枚数が規定枚数を超える頻度の方が高くなり得るため、頻度の低い事象についての判定に係る制御を省略することができる。
【0342】
本実施形態のメイン制御部41は、AT状態管理処理において、有利区間ゲーム数が上限ゲーム数に到達すること、有利区間における純増枚数が予め定められた規定枚数を超えることのうち少なくとも一方の条件が成立した場合に有利区間を終了させる構成であり、有利区間ゲーム数が上限ゲーム数に到達すること、および有利区間における純増枚数が規定枚数を超えることの双方が成立した場合に、有利区間ゲーム数が上限ゲーム数に到達することまたは有利区間における純増枚数が規定枚数を超えることの一方が成立した場合と共通の有利区間データ初期化処理を行って、共通のデータ(有利区間に関するデータ)を初期化する構成であるので、有利区間において有利区間ゲーム数が上限ゲーム数に到達することおよび有利区間における純増枚数が規定枚数を超えることの双方が成立した場合に、有利区間において有利区間ゲーム数が上限ゲーム数に到達することまたは有利区間における純増枚数が規定枚数を超えることの一方が成立した場合と共通のデータを初期化するので、これら双方の条件が成立した場合と、一方の条件のみが成立した場合とで有利度に差が生じてしまうことを防止できる。
【0343】
たとえば、第1条件として有利区間において有利区間ゲーム数が上限ゲーム数に到達することのみが成立して有利区間が終了する場合には当該第1条件に対応するデータを初期化し、第2条件として有利区間における純増枚数が規定枚数を超えることのみが成立して有利区間が終了する場合には当該第2条件に対応するデータを初期化する構成において、第1条件と第2条件の双方が成立して有利区間が終了する場合に、第1条件に対応するデータも第2条件に対応するデータも初期化される構成とすると、第1条件または第2条件の一方が成立した場合よりも遊技者にとって不利となる可能性があるが、有利区間において第1条件および第2条件の双方が成立した場合に、有利区間において第1条件または第2条件の一方が成立した場合と共通のデータを初期化する構成とすることで、第1条件および第2条件の双方が成立した場合と、第1条件または第2条件の一方が成立した場合とで有利度に差が生じてしまうことを防止できる。
【0344】
本実施形態のメイン制御部41は、AT状態管理処理において、AT状態管理処理において、有利区間ゲーム数が上限ゲーム数に到達すること、有利区間における純増枚数が予め定められた規定枚数を超えることのうち少なくとも一方の条件が成立した場合に有利区間を終了させる構成であるので、有利区間ゲーム数が上限ゲーム数に到達することで有利区間が終了するので、有利区間が長期間にわたり継続することを防止できるとともに、有利区間が長期間にわたり継続しない場合であっても、有利区間において急激にメダルが増加した場合は、有利区間における純増枚数が規定枚数を超えることで有利区間が終了するので、有利区間における有利度が過度に高まってしまうことを防止できる。
【0345】
本実施形態のメイン制御部41は、出玉制御処理では、有利区間報知開始条件が成立することで、有利区間報知LED12aの出力バッファに制御状態データ(点灯)を設定し、割込み1回待ち処理を行った後、指示設定処理にてナビ報知のナビ表示を遊技補助表示器12に表示させるように制御することで、有利区間報知LED12aの点灯を開始させた後、遊技補助表示器12でのナビ報知を開始させる構成であり、有利区間報知LED12aにより有利区間に移行した旨が示唆されるゲームにおいて、ナビ報知によりメダルを増加させるストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様が報知される場合に、ナビ報知によりメダルを増加させるストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様が報知されるタイミングより前のタイミングで有利区間報知LED12aにより有利区間に移行した旨が示唆される構成であるので、有利区間報知LED12aにより有利区間に移行した旨が示唆されるゲームにおいて、ナビ報知によりメダルを増加させるストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様が報知される場合に、当該ナビ報知によりメダルを増加させるストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様が報知されるよりも前に有利区間報知LED12aにより有利区間に移行した旨が示唆されるので、有利区間に移行した旨を認識させたうえで、当該ゲームにおいてメダルを増加させるストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様を認識させることができる。
【0346】
本実施形態では、メイン制御部41は、ナビ報知によりメダルを増加させるストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様が報知されるタイミングより前のタイミングで有利区間報知LED12aにより有利区間に移行した旨が示唆される構成であるが、有利区間報知開始条件が成立するゲームにおいて、ナビ報知によりメダルを増加させるストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様が報知されるタイミングと同じタイミングで、有利区間報知LED12aの点灯が開始されて有利区間に移行した旨が示唆される構成でもよく、この構成によれば、有利区間報知LED12aにより有利区間に移行した旨が示唆されるゲームにおいて、ナビ報知によりメダルを増加させるストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様が報知される場合に、ナビ報知によりメダルを増加させるストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様が報知されるタイミングと同じタイミングで有利区間報知LED12aにより有利区間に移行した旨が示唆されるので、有利区間に移行した旨とメダルを増加させるストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様を同時に認識させることができる。
【0347】
本実施形態では、メイン制御部41は、ナビ報知によりメダルを増加させるストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様が報知されるタイミングより前のタイミングで有利区間報知LED12aにより有利区間に移行した旨が示唆される構成であるが、有利区間報知LED12aにより有利区間に移行した旨が示唆されるゲームにおいて、ナビ報知によりメダルを増加させるストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様が報知される場合に、当該ナビによりメダルを増加させるストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様が報知された後に有利区間報知LED12aの点灯を開始させて有利区間に移行した旨を示唆する構成でもよく、この構成によれば、有利区間報知LED12aにより有利区間に移行した旨が示唆されるゲームにおいて、ナビ報知によりメダルを増加させるストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様が報知される場合に、当該ナビ報知によりメダルを増加させるストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様が報知された後に有利区間報知LED12aにより有利区間に移行した旨が示唆されるので、メダルを増加させるストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様が報知された後、どのタイミングで有利区間に移行した旨が示唆されるかに着目させることができる。
【0348】
[作用効果3]
本実施形態においては、メイン制御部41は、図13に示すリール制御処理において、第3停止操作に対応するストップスイッチに対する押下が離された場合であっても(Sh7でYES)、他の操作手段(たとえば、スタートスイッチ7やMAXBETスイッチ6)に対する押下がされているときには(Sh8でYES)、リール制御処理を終了しない。リール制御処理が終了しないため、それ以降の処理である図14に示すAT状態管理処理に進むことがなく、有利区間ゲーム数が上限ゲーム数に到達することの判定(Sd5)、あるいは有利区間における純増枚数が予め定められた規定枚数を超えることの判定(Sd11)を行うことがない。したがって、有利区間データ初期化処理(Sd13~Sd22)を実行して有利区間報知フラグをクリアすることもないため、図10に示すメイン処理においてSa10やSa11の処理で有利区間報知LED12aが点灯から消灯に切り替わることがない。
【0349】
このように、第3停止操作に対応するストップスイッチに対する押下が離されたタイミングにおいて他の操作手段(たとえば、スタートスイッチ7やMAXBETスイッチ6)に対する押下がされているときには、有利区間報知LED12aによる消灯によって有利区間から通常区間への移行が示唆されない。このため、遊技者は、第3停止操作に対応するストップスイッチに対する押下を離すまでの期間において導出された図柄組合せを十分に確認することができ、区切りをつけながら遊技することができる。また、図柄組合せを十分に確認した遊技者が第3停止操作に対応するストップスイッチに対する押下を離したときには、有利区間報知LED12aが点灯から消灯に切り替わるか否かについて遊技者に注目させることができる。さらに、遊技者は、有利区間報知LED12aの消灯以外の構成、たとえば、ATゲーム数のカウント表示が「0」になったり、ATの最終ゲームのバトル演出で味方キャラクタが敵キャラクタに敗北したりした場合に、有利区間の終了をある程度認識することができる。このため、第3停止操作に対応するストップスイッチに対する押下を離したにも関わらず有利区間報知LED12aが点灯から消灯に切り変わらないことを確認した遊技者であれば、ストップスイッチ以外の操作手段が不用意に押下されていることに気付くことができる。以上のように、状態移行の示唆に関して改良したスロットマシン1が提供される。
【0350】
なお、本実施の形態においては、有利区間報知LED12aが点灯から消灯に切り替わることによって有利区間から通常区間への移行を示唆する場面を本発明を適用したが、有利区間報知LED12aが消灯から点灯に切り替わることによって通常区間から有利区間への移行を示唆する場面に本発明を適用してもよい。たとえば、リール制御処理の後(すなわち、1ゲームの最後)に、通常区間から有利区間への移行するために有利区間報知LED12aが消灯から点灯に切り替わるようにしてもよい。この場合、第3停止操作に対応するストップスイッチに対する押下が離されたタイミングにおいて他の操作手段(たとえば、スタートスイッチ7やMAXBETスイッチ6)に対する押下がされているときには、有利区間報知LED12aによる点灯によって通常区間から有利区間への移行が示唆されないように構成することができる。
【0351】
本実施形態においては、メイン制御部41は、図13に示すリール制御処理において、第3停止操作に対応するストップスイッチに対する押下が離された場合であっても(Sh7でYES)、他の操作手段(たとえば、スタートスイッチ7やMAXBETスイッチ6)に対する押下がされているときには(Sh8でYES)、リール制御処理を終了しない。リール制御処理が終了しないため、それ以降の処理である次ゲームにおける遊技開始待ち処理も実行されることがない。
【0352】
本実施形態においては、メイン制御部41は、図13に示すリール制御処理において、第3停止操作に対応するストップスイッチに対する押下が離された場合であっても(Sh7でYES)、他の操作手段(たとえば、スタートスイッチ7やMAXBETスイッチ6)に対する押下がされているときには(Sh8でYES)、再びSh7のステップに戻り、同じ処理を繰り返す。これにより、他の操作手段に対する押下がされているにも関わらず、それ以降の処理に進んでしまい、たとえばメダルの払い出しや有利区間報知LED12aが点灯から消灯に切り替わるなどの処理が行われてしまうことを防止することができる。また、第3停止操作に対応するストップスイッチに対する押下が離されたときにリール制御処理以降の処理が行われるか否かを手掛かりに、他の操作手段に対する押下がされているか否かを遊技者に判別させることができる。
【0353】
[作用効果4]
本実施形態においては、メイン制御部41は、図11に示す遊技開始待ち処理において、精算スイッチ10に対する有効な操作があったときに(Sb110でYES)、精算処理を行うとともに(Sb111)、払出枚数表示および賭数報知をクリアして初期状態にする(Sb112)。一方、メイン制御部41は、有利区間において有利区間報知LED12aが点灯中に精算処理を行ったとしても、有利区間報知LED12aの点灯を維持する。
【0354】
このように、遊技者の意思によって遊技を終了させる精算操作が行われて精算処理が行われたときには、払出枚数表示および賭数報知が初期状態になる一方で、有利区間報知LED12aの点灯が維持されるため、遊技されていないスロットマシンにおいて有利区間報知LED12aが点灯していることを見つけた遊技者に対して、遊技への意欲を促すことができる。以上のように、精算が行われた場合に遊技者の遊技意欲が失われてしまうことを防止するスロットマシンが提供される。
【0355】
また、有利区間報知LED12aにおいて点灯される領域は、遊技補助表示器12における払出枚数表示が行われる領域よりも小さいため、精算処理が行われたスロットマシンにおいて有利区間報知LED12aを点灯させたままにすることで、遊技場を徘徊している遊技者に対して、有利区間報知LED12aが点灯しているスロットマシンを探すといった楽しみを享受させることができる。
【0356】
なお、本実施の形態においては、有利区間報知LED12aが点灯している場面を本発明を適用したが、有利区間報知LED12aが消灯している場面に本発明を適用してもよい。たとえば、有利区間報知LED12aが消灯している状態において、精算スイッチ10に対する有効な操作があったときには、精算処理が行われるとともに払出枚数表示および賭数報知がクリアされて初期状態になる一方で、有利区間報知LED12aの消灯は維持されるものであってもよい。
【0357】
[作用効果5]
本実施形態においては、メイン制御部41は、図11に示す遊技開始待ち処理において、デモ移行期間が経過したときに(Sb102でYES)、払出枚数表示をクリアして初期状態にする(Sb104)。一方、メイン制御部41は、有利区間において有利区間報知LED12aが点灯中にデモ移行期間が経過したとしても、有利区間報知LED12aの点灯を維持する。
【0358】
このように、遊技者が遊技を終了した可能性がある事象(デモ演出)が発生したときには、払出枚数表示が初期状態になる一方で、有利区間報知LED12aの点灯が維持されるため、遊技されていないスロットマシンにおいて有利区間報知LED12aが点灯していることを見つけた遊技者に対して、遊技への意欲を促すことができる。以上のように、期間経過によって遊技者の遊技意欲が失われてしまうことを防止するスロットマシン1が提供される。
【0359】
また、有利区間報知LED12aにおいて点灯される領域は、遊技補助表示器12における払出枚数表示が行われる領域よりも小さいため、デモ演出を実行したスロットマシンにおいて有利区間報知LED12aを点灯させたままにすることで、遊技場を徘徊している遊技者に対して、有利区間報知LED12aが点灯しているスロットマシンを探すといった楽しみを享受させることができる。
【0360】
なお、本実施の形態においては、有利区間報知LED12aが点灯している場面を本発明を適用したが、有利区間報知LED12aが消灯している場面に本発明を適用してもよい。たとえば、有利区間報知LED12aが消灯している状態において、デモ移行期間が経過したときには、払出枚数表示がクリアされて初期状態になる一方で、有利区間報知LED12aの消灯は維持されるものであってもよい。
【0361】
なお、上述した実施形態においては、遊技補助表示器12において払出枚数表示が行われる右側表示器12Rの領域内に設けられている有利区間報知LED12aによって有利区間報知が行われたが、これに限らない。たとえば、遊技補助表示器12と同じ遊技用表示部13に含まれる点灯手段であって、遊技補助表示器12とは別の点灯手段(たとえば、ウェイト中LED19など)によって有利区間報知が行われてもよい。また、遊技用表示部13に含まれない点灯手段、すなわち、遊技補助表示器12から遊技者が視線を離さなければ見つけることができないなど、遊技補助表示器12から離れた点灯手段によって有利区間報知が行われてもよい。なお、遊技補助表示器12から離れた点灯手段は、遊技補助表示器12と共通の基板上に設けられ、メイン制御部41から当該基板に対する信号に基づき、遊技補助表示器12と同じように点灯制御されるものであってもよい。このように、共通の基板上において同じくメイン制御部41からの信号に基づき点灯制御される点灯手段を採用した場合でも、精算処理が行われたり、デモ移行期間が経過したりした場合には、遊技補助表示器12における払出枚数表示が初期状態になる一方で、有利区間報知の点灯が維持されてもよい。
【0362】
以上、本発明の実施形態を図面により説明してきたが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
【0363】
上述した実施形態では、本発明を遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるスロットマシンに適用した例について説明したが、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンに適用してもよい。遊技球を遊技用価値として用いる場合は、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、前記実施例で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
【0364】
さらに、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のうちいずれか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、たとえば、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。すなわち、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るスロットマシンを適用してもよい。
【0365】
また、前記実施例および変形例では、本発明を遊技機の一例であるスロットマシン1に適用する例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技領域に遊技球を発射することにより遊技を行うパチンコ遊技機などの遊技機においても適用可能である。
【0366】
なお、上述した本実施の形態および変形例における各種構成、各種処理、各種処理のタイミングなどは、適宜組合せることができる。
【0367】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0368】
1 スロットマシン、2L,2C,2R リール、6 MAXBETスイッチ、7 スタートスイッチ、8L,8C,8R ストップスイッチ、12 遊技補助表示器、12a 有利区間報知LED、41 メイン制御部、91 サブ制御部。
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