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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-13
(45)【発行日】2022-06-21
(54)【発明の名称】スロットマシン
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20220614BHJP
【FI】
A63F5/04 651
A63F5/04 631
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018056346
(22)【出願日】2018-03-23
(65)【公開番号】P2019166091
(43)【公開日】2019-10-03
【審査請求日】2021-02-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000144153
【氏名又は名称】株式会社三共
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小倉 敏男
(72)【発明者】
【氏名】梶原 涼
【審査官】安藤 達哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-184257(JP,A)
【文献】特開2007-175111(JP,A)
【文献】特開2008-119150(JP,A)
【文献】特開2017-055792(JP,A)
【文献】特開2016-123451(JP,A)
【文献】特開2008-188223(JP,A)
【文献】特開2014-200485(JP,A)
【文献】特開2018-102678(JP,A)
【文献】特開2016-168093(JP,A)
【文献】特開2017-023845(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段と、
導出を許容する表示結果を決定する事前決定手段と、
表示結果を導出させる制御を行う導出制御手段と、
第1領域および第2領域のそれぞれにおいて前記事前決定手段が決定可能な複数の決定結果のうちのいずれかに対応する対応表示を行った後、当該第1領域における前記対応表示と当該第2領域における前記対応表示とのうちのいずれかを選択することで、前記事前決定手段の決定結果を示唆する特定演出を実行する特定演出実行手段とを備え、
前記事前決定手段の決定結果には、所定決定結果と、当該所定決定結果よりも有利度が高い第1特定決定結果および第2特定決定結果とが含まれ、
前記導出制御手段は、
前記事前決定手段の決定結果が前記第1特定決定結果であるときに、前記導出操作手段の操作態様に応じて有利度の異なる表示結果を導出し、
前記事前決定手段の決定結果が前記所定決定結果または前記第2特定決定結果であるときに、前記導出操作手段の操作態様に関わらず有利度が同じ表示結果を導出し、
前記対応表示には、前記所定決定結果に対応する所定対応表示と、前記第1特定決定結果および前記第2特定決定結果のそれぞれに対応する特定対応表示とが含まれ、
前記第1領域において前記所定対応表示が行われ、かつ前記第2領域において前記特定対応表示が行われる前記特定演出が実行される場合、前記特定対応表示よりも高い割合で前記所定対応表示が選択され、前記特定対応表示が選択されるときには、前記事前決定手段の決定結果が前記第1特定決定結果である割合よりも前記第2特定決定結果である割合の方が高い、スロットマシン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、可変表示部を変動表示した後、可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンに関する。
【背景技術】
【0002】
スロットマシンは、一般に、外周部に識別情報としての複数種類の図柄が描かれたリールを有する可変表示部を備えており、規定の賭数が設定された状態でスタートスイッチが操作されることによりリールが回転開始し、ストップスイッチが操作されてリールの回転が停止したときに入賞ライン上に予め定められた図柄組合せ(たとえば、7-7-7、以下、図柄組合せを表示結果の組合せ、もしくは役とも称する)が導出されることにより入賞が発生する。
【0003】
役の種類としては、小役、特別役、再遊技役といった種類がある。ここで、小役に対応する表示結果が入賞ライン上に導出された場合には、小役の種類ごとに定められた数のメダルが払い出される。特別役に対応する表示結果が入賞ライン上に導出された場合には、レギュラーボーナスやビッグボーナスといった遊技者にとって有利な特別遊技状態に遊技状態が制御可能となる。また、遊技者にとって有利な操作態様を報知してナビが行われるAT(Assist Time)といった状態にも制御可能である。再遊技役に対応する表示結果が入賞ライン上に導出された場合には、賭数の設定に新たなメダルを消費することなく次のゲームを行うことができる。
【0004】
このようなスロットマシンとして、再遊技役の当選と、ビッグボーナスと重複当選し得る小役の当選とを同時に示唆する演出を実行するものがあった(たとえば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2013-153814号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1のスロットマシンでは、当選役の決定結果を演出によって示唆することができるが、このような演出については未だ改良の余地があった。
【0007】
この発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、決定結果の示唆を行う演出について改良したスロットマシンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1) 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシン(たとえば、スロットマシン1)において、
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段(たとえば、ストップスイッチ8L,8C,8R)と、
導出を許容する表示結果を決定する事前決定手段(たとえば、メイン制御部41が実行する内部抽選処理のうちの第1抽選処理)と、
表示結果を導出させる制御を行う導出制御手段(たとえば、メイン制御部41が実行するリール制御処理)と、
第1領域(たとえば、液晶表示器51の画面左側の領域)および第2領域(たとえば、液晶表示器51の画面右側の領域)のそれぞれにおいて前記事前決定手段が決定可能な複数の決定結果のうちのいずれかに対応する対応表示(たとえば、青色対応表示(青色対応画像81aの表示)、紫色対応表示(紫色対応画像81bの表示))を行った後、当該第1領域における前記対応表示と当該第2領域における前記対応表示とのうちのいずれかを選択することで、前記事前決定手段の決定結果を示唆する特定演出(たとえば、当選示唆演出)を実行する(たとえば、図5に示すように、第1領域において通常リプレイ当選に対応する青色対応表示を行うとともに第2領域においてレア役(スイカ、チャンスリプレイ)当選に対応する紫色対応表示を行った後、青色対応表示と紫色対応表示とのうちのいずれかを選択することで当選結果を示唆する当選示唆演出を実行する)特定演出実行手段(たとえば、サブ制御部91が実行する当選示唆演出)とを備え、
前記事前決定手段の決定結果には、所定決定結果(たとえば、通常リプレイ当選)と、当該所定決定結果よりも有利度が高い第1特定決定結果(たとえば、BBと同時当選する可能性のあるスイカ当選)および第2特定決定結果(たとえば、BBと同時当選する可能性のあるチャンスリプレイ当選)とが含まれ、
前記導出制御手段は、
前記事前決定手段の決定結果が前記第1特定決定結果であるときに、前記導出操作手段の操作態様に応じて有利度の異なる表示結果を導出し(たとえば、スイカ当選したときはストップスイッチ8L,8C,8Rの操作タイミングによってはスイカ入賞が発生しないことがある(目押しの必要がある))、
前記事前決定手段の決定結果が前記所定決定結果または前記第2特定決定結果であるときに、前記導出操作手段の操作態様に関わらず有利度が同じ表示結果を導出し(たとえば、通常リプレイ当選またはチャンスリプレイ当選したときはストップスイッチ8L,8C,8Rの押し順や操作タイミングによらず通常リプレイ入賞またはチャンスリプレイ入賞が発生する(目押しの必要がなく取りこぼしがない))、
前記対応表示には、前記所定決定結果に対応する所定対応表示(たとえば、通常リプレイ当選に対応する青色対応表示)と、前記第1特定決定結果および前記第2特定決定結果のそれぞれに対応する特定対応表示(たとえば、スイカ当選およびチャンスリプレイ当選のそれぞれに対応する紫色対応表示)とが含まれ、
前記第1領域において前記所定対応表示が行われ、かつ前記第2領域において前記特定対応表示が行われる前記特定演出が実行される場合、前記特定対応表示よりも高い割合で前記所定対応表示が選択され、前記特定対応表示が選択されるときには、前記事前決定手段の決定結果が前記第1特定決定結果である割合よりも前記第2特定決定結果である割合の方が高い(たとえば、図4図5に示すように、当選示唆演出Aにおいて、第1領域において青色対応表示が行われ、かつ第2領域において紫色対応表示が行われた場合、紫色対応表示よりも高い割合で青色対応表示が選択され、紫色対応表示が選択されたときには、スイカが当選している割合よりもチャンスリプレイが当選している割合の方が高い)。
【0009】
(2) 上記(1)のスロットマシンにおいて、
前記対応表示には、前記第1特定決定結果にのみ対応する第1特定対応表示(たとえば、スイカ当選にのみ対応する緑色対応表示(緑色対応画像81dの表示))がさらに含まれ、
前記所定対応表示が行われかつ前記第1特定対応表示が行われた後に当該所定対応表示が選択された場合は、前記所定対応表示が行われかつ前記特定対応表示が行われた後に当該所定対応表示が選択された場合よりも有利度が高い(たとえば、図8に示すように、当選示唆演出Cにおいて、青色対応表示が行われかつ緑色対応表示が行われた後に青色対応表示が選択された場合(図(d)~(f))は、当選示唆演出Aにおいて、青色対応表示が行われかつ紫色対応表示が行われた後に青色対応表示が選択された場合(図(a)~(c))よりも有利度が高い)。
【0010】
(3) 上記(1)または(2)のスロットマシンにおいて、
前記特定演出実行手段によって前記第1領域における前記対応表示と前記第2領域における前記対応表示とのうちのいずれかが選択される以前に、有利度が高い前記事前決定手段の決定結果に対応する前記対応表示が選択されることを示唆する示唆演出を実行する(たとえば、図5に示すように、当選示唆演出Aにおいて、第1領域における青色対応表示と第2領域における紫色対応表示とのうちのいずれかが選択される(図5(e))以前に、有利度が高いチャンスリプレイ当選に対応する紫色対応表示が選択されることを示唆する選択示唆演出(図5(c))が実行される)示唆演出手段(たとえば、サブ制御部91が選択示唆演出を実行する処理)をさらに備える。
【0011】
(4) 上記(3)のスロットマシンにおいて、
前記示唆演出手段は、前記事前決定手段の決定結果が前記第1特定決定結果である場合は、前記事前決定手段の決定結果が前記第2特定決定結果である場合よりも高い割合で前記示唆演出を実行する(たとえば、図6に示すように、スイカ当選した場合(当選示唆演出D)は、チャンスリプレイ当選した場合(当選示唆演出B)よりも高い割合で選択示唆演出(図6(f))が実行される)。
【0012】
(5) 上記(1)~(4)のいずれかのスロットマシンにおいて、
前記特定演出実行手段は、表示結果が導出されたときに、前記第1領域における前記対応表示と前記第2領域における前記対応表示とのうちのいずれかを選択する(たとえば、図5(d),(e)に示すように、図柄組合せが導出されたときに、第1領域における青色対応表示と第2領域における紫色対応表示とのうちのいずれかが選択される)。
【0013】
(6) 上記(1)~(5)のいずれかのスロットマシンにおいて、
前記事前決定手段の決定結果には、遊技者が有利であることを示唆する有利表示結果(たとえば、BB当選している可能性を示唆するリーチ目リプレイ入賞図柄組合せ「リプレイ-ベル-リプレイ」)の導出が許容される有利決定結果(たとえば、リーチ目リプレイ当選)が含まれ、
前記事前決定手段の決定結果が前記有利決定結果である場合、前記特定演出実行手段によって前記特定演出が実行されない(たとえば、図9に示すように、リーチ目リプレイ当選した場合、当選示唆演出が実行されない)。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】(a)は、本実施形態に係るスロットマシンの正面図であり、(b)は、スロットマシンの主な内部構成の一例を示す図である。
図2】入賞役の種類、入賞役の図柄組合せ、および入賞時に付与される価値について説明するための図である。
図3】当選示唆演出について説明するための図である。
図4】選択示唆演出および当選示唆演出の実行割合を説明するための図である。
図5】当選示唆演出Aの一例を説明するための図である。
図6】当選示唆演出Bと当選示唆演出Dとの比較例を説明するための図である。
図7】当選示唆演出Aと当選示唆演出Bと表示態様の違いを説明するための図である。
図8】通常リプレイ当選時における当選示唆演出Aと当選示唆演出Cとの比較例を説明するための図である。
図9】当選示唆演出が実行される場合とされない場合との比較例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係る遊技機としてスロットマシンを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【0016】
[スロットマシンの構成]
図1(a)は、本実施形態に係るスロットマシン1の正面図であり、(b)は、スロットマシン1の主な内部構成の一例を示す図である。
【0017】
図1(a)に示すように、スロットマシン1は、画像を表示する液晶表示器51を備える。液晶表示器51の下方には、透視窓が形成されている。遊技者は、この透視窓を介してスロットマシン1の内部に並設されているリール2L,2C,2Rを視認可能である。各リール2L,2C,2Rには、各々が識別可能な複数種類の識別情報である図柄が所定の順序で配列されている。透視窓の下方には、ゲーム(遊技)を開始する際に操作されるスタートスイッチ7と、それぞれのリールの回転を停止させて表示結果を導出させるために操作されるストップスイッチ8L,8C,8Rとが設けられている。
【0018】
図1(b)に示すように、スロットマシン1の内部には、遊技の進行を制御するとともに遊技の進行に応じて各種コマンドを出力するメイン制御部41が設けられている。メイン制御部41は、遊技の進行に係る各種制御を行うメインCPU41aと、遊技の進行に係る各種データを記憶するRAM41cとを備える。メイン制御部41は、スタートスイッチ7やストップスイッチ8L,8C,8Rに対する操作を検出し、検出した操作に応じて遊技の進行に係る制御を行う。
【0019】
スロットマシン1の内部には、メイン制御部41からのコマンドに応じて演出を制御するサブ制御部91が設けられている。サブ制御部91は、演出に係る各種制御を行うサブCPU91aと、演出に係る各種データを記憶するRAM91cとを備える。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドに基づいて、液晶表示器51における画像の表示を制御する。液晶表示器51の画像表示に用いられる演出データは、RAM91cに記憶されている。
【0020】
スロットマシン1においてゲームを行う場合、遊技者は、図示しないメダル投入部にメダルを投入するか、図示しないBETスイッチを操作するなどして規定数の賭数を設定する。これにより、入賞ラインLNが有効となり、かつスタートスイッチ7への操作が有効となってゲームが開始可能な状態となる。入賞ラインとは、透視窓に表示されたリール2L,2C,2Rにおける図柄の組合せが入賞図柄の組合せと一致するか否かを判定するためのラインである。
【0021】
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7が操作されると、リール2L,2C,2Rが回転する。このとき、メイン制御部41によって内部抽選が行われる。内部抽選は、導出を許容する図柄組合せ(表示結果)を決定する処理である。内部抽選によって図柄組合せの導出が許容されることを、当該図柄組合せに対応する役に当選したともいう。ストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されると、操作されたストップスイッチに対応するリールの回転が停止する。リールの回転が停止することで、透視窓の上中下段に3つの図柄が表示結果として導出表示される。メイン制御部41は、導出を許容した表示結果と、ストップスイッチ8L,8C,8Rを操作したタイミングと、ストップスイッチ8L,8C,8Rを操作した順序とに基づいてリール2L,2C,2Rの回転を停止するためのリール制御を行う。
【0022】
入賞ラインLN上に入賞図柄の組合せが停止し入賞が発生したときには、メイン制御部41は、入賞に応じた処理を実行する。入賞に応じた処理には、たとえば、特典を付与する処理が含まれる。ここで、スロットマシン1においては、1ゲームを実行するために規定の賭数を設定する必要があるため、1ゲーム行う度に遊技用価値であるメダルが消費される。特典には、遊技用価値の付与、遊技用価値を消費することなくゲームを実行するための権利(再遊技)などが含まれる。
【0023】
なお、リールの回転を停止させるためのストップスイッチ8L,8C,8Rに対する操作のうち、1番目のリールの回転を停止させるための操作を第1停止操作、2番目のリールの回転を停止させるための操作を第2停止操作、3番目のリールの回転を停止させるための操作を第3停止操作ともいう。
【0024】
次に、リール2L,2C,2Rの停止制御について説明する。メイン制御部41は、リールセンサからの検出信号に基づいてリールモータを駆動制御してリールの回転を開始させたとき、およびリールを停止させ、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、当選番号およびROM41bに格納されているテーブルインデックス、テーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L,8C,8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L,8C,8Rに対応するリール2L,2C,2Rの回転を停止させる制御を行う。
【0025】
本実施の形態では、滑りコマ数として0~4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
【0026】
本実施の形態では、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲で揃えずに停止させる制御が行われることとなる。
【0027】
[入賞役]
図2は、入賞役の種類、入賞役の図柄組合せ、および入賞時に付与される価値について説明するための図である。図2の名称欄には、入賞役の名称が示され、図柄組合せ欄には、その入賞役が入賞となる図柄の組合せが示されている。作動欄には、入賞時に付与される価値(メダル払出、再遊技付与)などが示されている。
【0028】
入賞役は、BB、ベル、スイカ1~3、通常リプレイ、チャンスリプレイ1~3、およびリーチ目リプレイを含む。
【0029】
BBは、ボーナスという有利な状態への移行を伴う入賞役である。「BB」の図柄組合せは、「黒7-黒7-黒7」である。BBの作動欄には、入賞により移行されるボーナスの終了条件が示されている。ボーナスは、各々、予め定められたメダル枚数以上払出されることにより終了する。たとえば、BBに当選・入賞して制御されるボーナスについては、当該ボーナス中に払い出されたメダル枚数が351枚以上となったゲームにおいて終了する。
【0030】
「ベル」の図柄組合せは、「ベル-ベル-ベル」である。ベルが入賞すると、ベル図柄が入賞ラインLN上に3つ揃って導出されて、8枚のメダルが付与される。また、各リールの図柄配列については、全てのリールにおいてベル図柄が5コマ以内に必ず配置されている。各リールにおいて、所定時間内で引き込み可能な範囲内は、5コマ以内であるので、ベル当選時には、どのような操作態様(押し順や操作タイミング)でストップスイッチ8L,8C,8Rが停止操作されても、必ずベル入賞するようになっている(取りこぼしがない)。
【0031】
「通常リプレイ」の図柄組合せは、「リプレイ-リプレイ-リプレイ」である。通常リプレイが入賞すると、リプレイ図柄が入賞ラインLN上に3つ揃って導出されて、再遊技が付与される。また、ベル同様に、全てのリールにおいてリプレイ図柄が5コマ以内に必ず配置されている。このため、どのような操作態様でストップスイッチ8L,8C,8Rが停止操作されても、必ず通常リプレイ入賞するようになっている。
【0032】
これに対して、スイカ(スイカ1~3)については、リールの停止操作タイミング(目押しタイミング)によっては取りこぼしが発生する入賞役である。スイカが入賞すると、5枚のメダルが付与される。また、スイカの入賞図柄組合せが導出されると、無効ラインである下段ライン上に「スイカ」が3つ揃う。
【0033】
「スイカ1」の図柄組合せは、「ベル-ベル-黒7」および「リプレイ-リプレイ-黒7」である。右リールを第3停止操作してスイカ1が入賞する場合は、第2停止操作の時点で、ベル図柄またはリプレイ図柄が入賞ラインLN上に2つ揃って聴牌する。このため、遊技者は、右リールの第3停止操作をするまでは、ベル、通常リプレイおよびスイカ1のうちのどの入賞役に当選しているのかを知ることができない。
【0034】
また、上述のように、左リールおよび中リールにおいて、ベルまたはリプレイ図柄は5コマ以内に必ず配置されているため、上記の停止順の場合は、必ずベル図柄またはリプレイ図柄が入賞ラインLN上に2つ揃って聴牌することになる。しかし、黒7図柄は全てのリールにおいて5コマ以内に配置されていない。このため、スイカ1が当選している場合に、右リールを第3停止操作した場合は、黒7図柄を引き込み可能なタイミングで停止操作(目押し)をしないと、スイカ1が入賞しない。すなわち、スイカ1を入賞させるためには、右リールにおいて目押しが必要である。
【0035】
「スイカ2」の図柄組合せは、「ベル-黒7-ベル」および「リプレイ-黒7-リプレイ」である。中リールを第3停止操作してスイカ2が入賞する場合は、第2停止操作の時点で、ベル図柄またはリプレイ図柄が入賞ラインLN上に2つ揃って聴牌する。このため、遊技者は、中リールの第3停止操作をするまでは、ベル、通常リプレイおよびスイカ2のうちのどの入賞役に当選しているのかを知ることができない。また、スイカ2が当選している場合に、中リールを第3停止操作した場合は、上記同様、黒7図柄の目押しが必要である。
【0036】
「スイカ3」についても同様であり、スイカ3が当選している場合に、左リールを第3停止操作した場合は、黒7図柄の目押しが必要である。
【0037】
チャンスリプレイ(チャンスリプレイ1~3)は、ベルや通常リプレイと同様に、取りこぼしのない入賞役である。入賞図柄を構成する白BARまたは黒BARは、5コマ以内に必ず配置されている。チャンスリプレイ入賞により再遊技役が付与される。
【0038】
たとえば、チャンスリプレイ1当選時に右リールを第3停止操作する場合、第2停止操作の時点では、リプレイ図柄が入賞ラインLN上に2つ揃って聴牌する。このため、遊技者は、右リールの第3停止操作をするまでは、ベル、通常リプレイおよびスイカ1のうちのどの入賞役に当選しているのかを知ることができない。同様に、チャンスリプレイ2当選時に中リールを第3停止操作する場合、および、チャンスリプレイ3当選時に左リールを第3停止操作する場合においても、遊技者は、第3停止操作をするまでは、ベル、通常リプレイおよびスイカ1のうちのどの入賞役に当選しているのかを知ることができない。
【0039】
「リーチ目リプレイ」の図柄組合せは、「リプレイ-ベル-リプレイ」である。リーチ目リプレイが入賞すると、再遊技が付与される。
【0040】
上述したように、内部抽選処理において、内部抽選により導出を許容する図柄組合せを決定する。本実施の形態においては、内部抽選として、小役あるいは再遊技役について導出を許容するか否かを決定する第1抽選と、特別役について導出を許容するか否かを決定する第2抽選とが実行される。
【0041】
本実施の形態では、第1抽選により決定可能な複数の抽選結果として、ベル、スイカ1、スイカ2、スイカ3、通常リプレイ、チャンスリプレイ1、チャンスリプレイ2、チャンスリプレイ3、リーチ目リプレイの当選がある。なお、これに限らず、第1抽選によりその他の小役や再遊技役の当選を決定するようにしてもよい。
【0042】
また、第2抽選により決定可能な抽選結果として、BB当選がある。なお、これに限らず、第2抽選によりその他のボーナスの当選を決定するようにしてもよい。
【0043】
本実施の形態においては、内部抽選として第1抽選と第2抽選とを独立して実行するため、たとえば、第1抽選によりスイカ1が当選して、第2抽選によりBBが当選するような同時当選が発生することがある。ただし、本実施の形態においては、チャンスリプレイ1~3、スイカ1~3、およびリーチ目リプレイのうちのいずれかと、BBとは同時当選可能であるが、ベルおよび通常リプレイのうちのいずれかとBBとは同時当選しないように内部抽選が行われる。なお、第1抽選により2つの役(たとえば、チャンスリプレイ1とスイカ1)が同時当選することはない。
【0044】
このように、BBと同時当選する可能性のない通常リプレイ当選よりも、BBと同時当選する可能性のあるチャンスリプレイ(チャンスリプレイ1~3)当選の方が有利度が高い。また、BBと同時当選する可能性のない通常リプレイ当選よりも、BBと同時当選する可能性のあるスイカ(スイカ1~3)当選の方が有利度が高い。
【0045】
なお、本実施の形態においては、内部抽選処理として第1抽選および第2抽選の2つの処理を実行するようにしたが、これに限らず、同一の処理として内部抽選処理を実行するようにしてもよい。すなわち、同一の内部抽選処理において、小役や再遊技役や特別役の導出を許容するか否かを決定するようにしてもよい。
【0046】
また、BBと同時当選する入賞役のうち、チャンスリプレイおよびスイカについては、当選時に、後述する当選示唆演出が実行されることがある。これに対して、リーチ目リプレイについては、当選しても当選示唆演出が実行されない。
【0047】
ただし、リーチ目リプレイが入賞したときには、V字型にベルが配置されるリーチ目が導出され(左リールおよび右リールにおいて上段ライン上にベルが導出される)、リーチ目が導出されたことによりBB当選している可能性が示唆される。
【0048】
[各種演出の概要]
本実施の形態に係るスロットマシン1において、サブ制御部91によって実行される各種演出について説明する。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドに基づき各種演出を実行する。
【0049】
(当選示唆演出)
本実施の形態において、サブ制御部91は、液晶表示器51を用いて当選示唆演出を実行する。図3は、当選示唆演出について説明するための図である。図3(a)~(d)に示すように、当選示唆演出は、当選示唆演出A~Dを含む。
【0050】
当選示唆演出は、第1領域および第2領域のそれぞれにおいて対応表示が行われた後、第1領域における対応表示と第2領域における対応表示とのうちのいずれかが選択されることで当選結果を示唆する演出である。
【0051】
対応表示は、第1抽選により決定可能な複数の抽選結果のうちのいずれかに対応する表示を行うものである。対応表示として、通常リプレイ当選に対応する青色対応表示と、チャンスリプレイ(チャンスリプレイ1、チャンスリプレイ2、チャンスリプレイ3)およびスイカ(スイカ1、スイカ2、スイカ3)当選のそれぞれに対応する紫色対応表示と、スイカ当選にのみ対応する緑色対応表示とが含まれる。このように、対応表示は、第1抽選による抽選結果に基づき行われるものであるため、第2抽選による抽選結果であるBB当選に対応した対応表示は行われない。
【0052】
青色対応表示は、青色の丸い形状の青色対応画像81aまたは青色の四角い形状の青色対応画像81cの表示により行う。紫色対応表示は、紫色の星型の形状の紫色対応画像81bの表示により行う。緑色対応表示は、緑色の星型の形状の緑色対応画像81dの表示により行う。
【0053】
本実施の形態においては、通常リプレイ、チャンスリプレイおよびスイカのいずれかが当選したときに、当選示唆演出を実行するか否かを抽選により決定する。なお、当選示唆演出を実行するか否かは、一律に所定割合で決定してもよく、当選した役によって実行割合を変えるようにしてもよい。また、通常リプレイ、チャンスリプレイおよびスイカ以外の役が当選したときにも当選示唆演出を実行するか否かを抽選により決定するようにしてもよい。
【0054】
第1領域は、液晶表示器51の画面左側の領域である。第2領域は、液晶表示器51の画面右側の領域である。たとえば、図3(a)に示すように、サブ制御部91は、当選示唆演出Aにおいては、液晶表示器51の画面左側の第1領域に通常リプレイ当選に対応する青色対応表示を青色対応画像81aの表示により行うとともに、液晶表示器51の画面右側の第2領域にレア役当選(スイカまたはチャンスリプレイの当選)に対応する紫色対応表示を紫色対応画像81bの表示により行う。
【0055】
その後、サブ制御部91は、青色対応表示と紫色対応表示とのうちのいずれかを選択する。青色対応表示が選択された場合は通常リプレイ当選が示唆され(図5(d)参照)、紫色対応表示が選択された場合はスイカまたはチャンスリプレイ当選が示唆される(図5(e)参照)。具体的な当選示唆演出の実行例については、図5図9を用いて後述する。
【0056】
図3(b)に示すように、サブ制御部91は、当選示唆演出Bにおいては、第1領域においてレア役(スイカ、チャンスリプレイ)当選に対応する紫色対応表示(紫色対応画像81bの表示)を行うとともに第2領域において通常リプレイ当選に対応する青色対応表示(青色対応画像81cの表示)を行った後、紫色対応表示と青色対応表示とのうちのいずれかを選択することで当選結果を示唆する。
【0057】
図3(c)に示すように、サブ制御部91は、当選示唆演出Cにおいては、第1領域において通常リプレイ当選に対応する青色対応表示(青色対応画像81aの表示)を行うとともに第2領域においてスイカ当選に対応する緑色対応表示(緑色対応画像81dの表示)を行った後、青色対応表示と緑色対応表示とのうちのいずれかを選択することで当選結果を示唆する。
【0058】
図3(d)に示すように、サブ制御部91は、当選示唆演出Dにおいては、第1領域においてスイカ当選に対応する緑色対応表示(緑色対応画像81dの表示)を行うとともに第2領域においてレア役(スイカ、チャンスリプレイ)当選に対応する紫色対応表示(紫色対応画像81bの表示)を行った後、緑色対応表示と紫色対応表示とのうちのいずれかを選択することで当選結果を示唆する。
【0059】
サブ制御部91は、当選示唆演出を実行する際に、当選示唆演出A~Dを含む当選示唆演出のうちいずれを実行するのかを決定する。図4は、選択示唆演出および当選示唆演出の実行割合を説明するための図である。選択示唆演出については、後述する。
【0060】
サブ制御部91は、内部抽選により通常リプレイが当選した場合は、80%の確率で当選示唆演出Aを実行し、15%の確率で当選示唆演出Bを実行し、5%の確率で当選示唆演出Cを実行する。なお、通常リプレイ当選時には、当選示唆演出Dは実行されない。
【0061】
サブ制御部91は、内部抽選によりチャンスリプレイが当選した場合は、50%の確率で当選示唆演出Aを実行し、50%の確率で当選示唆演出Bを実行する。なお、チャンスリプレイ当選時には、当選示唆演出CおよびDは実行されない。
【0062】
サブ制御部91は、内部抽選によりスイカが当選した場合は、20%の確率で当選示唆演出Bを実行し、20%の確率で当選示唆演出Cを実行し、60%の確率で当選示唆演出Dを実行する。なお、スイカ当選時には、当選示唆演出Aは実行されない。
【0063】
ここで、スイカ当選したときはストップスイッチ8L,8C,8Rの操作タイミングによってはスイカ入賞が発生しないことがある(目押しの必要がある)。これに対して、通常リプレイ当選やチャンスリプレイ当選したときはストップスイッチ8L,8C,8Rの押し順(操作手順)や操作タイミングによらず入賞が発生する。
【0064】
つまり、スイカ当選時には入賞させるために目押しが必要であるのに対して、通常リプレイやチャンスリプレイ当選時には目押しが必要ではなく操作手順や操作タイミングによらず入賞させることができる(取りこぼしがない)。
【0065】
このため、スイカが当選した際には、遊技者に対して目押しが必要であることを注意喚起する必要がある。このようなことから、スイカが当選している場合には、紫色対応表示(チャンスリプレイまたはスイカが当選している可能性を示唆)を含む当選示唆演出の実行割合よりも、緑色対応表示(スイカが当選していることを示唆)を含む当選示唆演出の実行割合の方が高くなるように設定されている。緑色対応表示により、目押しが必要であることが示唆される。
【0066】
具体的には、スイカ当選時において、通常リプレイまたはスイカが当選に対応する対応表示を行う場合には、青色対応表示および緑色対応表示により当選示唆演出Cを実行する確率(20%)の方が、青色対応表示および紫色対応表示により当選示唆演出Aを実行する確率(0%)よりも高い。このように、当選示唆演出Aと当選示唆演出Cを比較すると、スイカ当選したときは、紫色対応表示よりも高い割合で緑色対応表示が行われることになる。
【0067】
また、スイカ当選時において、チャンスリプレイまたはスイカが当選に対応する対応表示を行う場合には、緑色対応表示および紫色対応表示により当選示唆演出Dを実行する確率(60%)の方が、青色対応表示および紫色対応表示により当選示唆演出Bを実行する確率(20%)よりも高い。このように、当選示唆演出Bと当選示唆演出Dを比較すると、スイカ当選したときは、紫色対応表示よりも高い割合で緑色対応表示が行われることになる。
【0068】
また、チャンスリプレイ当選時には、緑色対応表示が行われる当選示唆演出C,Dを実行しないようにしている。このようにすることで、緑色対応表示が行われた場合には、遊技者は目押しをすることを意識するようになるため、適切に目押しをさせることができる。
【0069】
その一方で、たとえば、緑色対応表示が含まれない当選示唆演出A(青色対応表示および紫色対応表示)が実行された場合は、遊技者は、目押しの必要がないような印象を持つことが多い。特に、レア役よりも、取りこぼしがない通常リプレイの方が当選確率が高いため、青色対応表示を含む当選示唆演出が実行された場合、遊技者は目押しの必要がないような印象を持ちやすい。
【0070】
このようなことから、第1領域に青色対応表示を行い第2領域に紫色対応表示を行う当選示唆演出Aを実行する場合には、通常リプレイ当選時には最も高い確率(80%)で実行されるようにし、チャンスリプレイ当選時には50%で実行されるようにするとともに、スイカ当選時には実行されにくくしている(0%)。これにより、当選示唆演出A実行時には、遊技者が目押しをしなくてもよい可能性が高くなる。
【0071】
また、通常リプレイ当選時には、最も高い確率(80%)で当選示唆演出Aが実行されることにより、紫色対応表示よりも高い割合で青色対応表示が選択されることになる。また、当選示唆演出Aが実行された場合において、紫色対応表示が選択された場合には、チャンスリプレイまたはスイカが当選している可能性がある。しかし、チャンスリプレイ当選時の当選示唆演出Aの実行確率(50%)よりも、スイカ当選時の当選示唆演出Aの実行確率(0%)の方が低く設定されているため、紫色対応表示が選択された場合は、チャンスリプレイが当選している可能性が高くなる。
【0072】
以上説明したように、第1領域において青色対応表示が行われ、かつ第2領域において紫色対応表示が行われる当選示唆演出Aが実行される場合、紫色対応表示よりも高い割合で青色対応表示が選択される。また、紫色対応表示が選択される場合は、チャンスリプレイが当選している可能性が高い。このようにすることで、遊技者が目押しを行わなかった場合であっても、とりこぼしのない通常リプレイやチャンスリプレイに入賞する可能性が高いため、極力遊技者の有利度合いが損なわれないようにすることができる。
【0073】
また、当選示唆演出Aと当選示唆演出Bを比較すると、第1領域において青色対応表示が行われる場合は丸い形状の青色対応画像81aが表示される(図7(a))のに対し、第2領域において青色対応表示が行われる場合は四角い形状の青色対応画像81cが表示される(図7(b))ため、互いに異なる態様で青色対応表示が行われる。このようにすることで、表示が多様になり、遊技の興趣を向上させることができる。
【0074】
また、第1領域において紫色対応表示が行われる場合(図7))と、第2領域において紫色対応表示が行われる場合(図7))とでは、いずれも星形の形状の紫色対応画像81bが表示されるため、同一の態様で紫色対応表示が行われる。このようにすることで、有利度が高いレア役が当選したときに遊技者が誤認することを防止することができる。
【0075】
ここで、BB当選してBB入賞するまでのボーナス内部中においては、通常リプレイ当選時は、当選示唆演出Aよりも当選示唆演出Cの方が選ばれやすくなる。具体的には、ボーナス非内部中においては、図4に示すように、通常リプレイ当選時において当選示唆演出Aの実行確率は80%であり当選示唆演出Cの実行確率は5%であるのに対して、ボーナス非内部中においては、当選示唆演出Aの実行確率よりも当選示唆演出Cの実行確率の方が高くなる。すなわち、通常リプレイ当選時において、当選示唆演出Cが実行された場合は、遊技者にとって有利度の高いボーナス内部中である(BBに当選している)可能性が高い。
【0076】
(選択示唆演出)
本実施の形態において、サブ制御部91は、当選示唆演出の実行時に、同時に選択示唆演出を実行可能である。サブ制御部91は、選択示唆演出において、第1領域における対応表示と第2領域における対応表示とのうちのいずれかが選択される以前に、有利度が高い当選結果に対応する対応表示が選択されることを示唆する。
【0077】
図4に示すように、通常リプレイ当選時に当選示唆演出が実行される場合は、10%の確率で選択示唆演出が実行される。チャンスリプレイ当選時に当選示唆演出が実行される場合は、60%の確率で選択示唆演出が実行される。スイカ当選時に当選示唆演出が実行される場合は、90%の確率で選択示唆演出が実行される。
【0078】
このように、通常リプレイよりも有利度が高いチャンスリプレイやスイカ当選時の方が高い割合で選択示唆演出が実行されるため、選択示唆演出が実行されることによって、有利度が高い当選結果に対応する対応表示が選択されることが示唆される。
【0079】
たとえば、図5に示すように、当選示唆演出Aにおいて、第1領域における青色対応表示と第2領域における紫色対応表示とのうちのいずれかが選択される(図5(e))以前に、有利度が高いチャンスリプレイ当選に対応する紫色対応表示が選択されることを示唆する選択示唆演出(図5(c))が実行される。
【0080】
[各種当選示唆演出の実行例]
次に、各種当選示唆演出の実行例について、図5図9を用いて説明する。
【0081】
[当選示唆演出A]
図5は、当選示唆演出Aの一例を説明するための図である。スタートスイッチ7の操作(レバーON)により、通常リプレイまたはチャンスリプレイ1が当選し、抽選により当選示唆演出Aの実行が決定されたとする。
【0082】
図5(a)に示すように、当選示唆演出Aの実行により、液晶表示器51の第1領域には青色対応表示(青色対応画像81aの表示)が行われるとともに第2領域には紫色対応表示(紫色対応画像81bの表示)が行われる。また、スタートスイッチ7の操作により、リール2L,2C,2Rは、回転を開始する。
【0083】
図5(b)に示すように、左リールの第1停止操作および中リールの第2停止操作により、リプレイ図柄が入賞ラインLN上に2つ揃う。これにより、通常リプレイ入賞(「リプレイ-リプレイ-リプレイ」)、チャンスリプレイ1入賞(「リプレイ-リプレイ-白BAR/黒BAR」)、およびスイカ1入賞(「リプレイ-リプレイ-黒7」(下段ラインにスイカが揃う))のいずれかの入賞が可能(聴牌状態)であることが示される。
【0084】
また、第2停止操作により中リールに図柄が導出されたとき、図5(c)に示すように、選択示唆演出が実行されることがある。先に説明したように、選択示唆演出が実行される確率は、通常リプレイ当選時には10%であり、チャンスリプレイ当選時には60%である。このため、選択示唆演出の実行により、青色対応表示よりも紫色対応表示が選択される可能性が高いことが示唆される。すなわち、通常リプレイ当選よりも有利度が高い(BBと同時当選する可能性がある)チャンスリプレイ1またはスイカ1が当選している可能性が高いことが示唆される。
【0085】
次に、右リールの第3停止操作が行われた場合、図5(d)または図5(e)の状態に遷移する。
【0086】
レバーON時の内部抽選により通常リプレイが当選していた場合は、図5(d)に示すように、青色対応表示が選択され、液晶表示器51の画面中央には青色対応画像81aが表示される。また、第3停止操作により右リールの入賞ライン上にリプレイ図柄が導出され、これにより通常リプレイの入賞が発生する。なお、通常リプレイの入賞には目押しは不要である。また、先に説明したように、当選示唆演出Aにおいては紫色対応表示よりも高い割合で青色対応表示が選択される。
【0087】
レバーON時の内部抽選によりチャンスリプレイが当選していた場合は、図5(e)に示すように、紫色対応表示が選択され、液晶表示器51の画面中央には紫色対応画像81bが表示される。また、第3停止操作により右リールの入賞ライン上に白BAR図柄が導出され、これによりチャンスリプレイの入賞が発生する。また、先に説明したように、スイカ当選時には当選示唆演出Aは選択されない。なお、チャンスリプレイの入賞には目押しは不要である。
【0088】
このように、当選示唆演出においては、第3停止操作によって図柄組合せが導出されたとき(図5(d),(e))に、第1領域における対応表示(青色対応表示)と第2領域における対応表示(紫色対応表示)とのうちのいずれかが選択され、これにより当選結果が示唆される。
【0089】
また、示唆演出Aにおいては、第1領域において青色対応表示が行われ、かつ第2領域において紫色対応表示が行われた場合、紫色対応表示よりも高い割合で青色対応表示が選択される。また、紫色対応表示が選択されたときは、スイカが当選している割合よりもチャンスリプレイが当選している割合の方が高い。
【0090】
[当選示唆演出BとDとの比較例]
図6は、当選示唆演出Bと当選示唆演出Dとの比較例を説明するための図である。図6(a)~(c)はチャンスリプレイ1当選時における当選示唆演出Bの実行例について説明するものであり、図6(d)~(g)はスイカ1当選時における当選示唆演出Dの実行例について説明するものである。
【0091】
まず、チャンスリプレイ1当選時における当選示唆演出Bの実行例について説明する。スタートスイッチ7の操作(レバーON)により、チャンスリプレイ1が当選し、抽選により当選示唆演出Bの実行が決定されたとする。
【0092】
図6(a)に示すように、当選示唆演出Bの実行により、液晶表示器51の第1領域には紫色対応表示が行われるとともに第2領域には青色対応表示が行われる。
【0093】
図6(b)に示すように、左リールの第1停止操作および中リールの第2停止操作により、リプレイ図柄が入賞ラインLN上に2つ揃う。これにより、通常リプレイ、チャンスリプレイ1、およびスイカ1のいずれかの入賞が可能(聴牌状態)であることが示される。この例では、第2停止操作により中リールに図柄が導出されたとき、選択示唆演出は実行されない。
【0094】
右リールの第3停止操作が行われると、図6(c)に示すように、紫色対応表示が選択されまた、右リールの入賞ライン上に白BAR図柄が導出され、これによりチャンスリ
プレイ1の入賞が発生する。なお、チャンスリプレイの入賞には目押しは不要である。
【0095】
次に、スイカ1当選時における当選示唆演出Dの実行例について説明する。スタートスイッチ7の操作(レバーON)により、スイカ1が当選し、抽選により当選示唆演出Dの実行が決定されたとする。
【0096】
図6(d)に示すように、当選示唆演出Dの実行により、液晶表示器51の第1領域には緑色対応表示が行われるとともに第2領域には紫色対応表示が行われる。緑色対応表示が行われることにより、スイカ当選の可能性が示唆される。また、緑色対応表示が行われることにより、目押しをする必要があることが示唆される。
【0097】
図6(e)に示すように、左リールの第1停止操作および中リールの第2停止操作により、リプレイ図柄が入賞ラインLN上に2つ揃う。これにより、通常リプレイ、チャンスリプレイ1、およびスイカ1のいずれかの入賞が可能(聴牌状態)であることが示される。
【0098】
また、第2停止操作により中リールに図柄が導出されたとき、図6(f)に示すように、選択示唆演出が実行されることがある。先に説明したように、選択示唆演出が実行される確率は、チャンスリプレイ当選時には60%であり、スイカ当選時には90%である。このため、図6(a)~(c)で説明するようなチャンスリプレイ1当選時よりも、図6(d)~(g)で説明するようなスイカ1当選時の方が選択示唆演出が実行されやすい。
【0099】
第3停止操作においてスイカ1を入賞させるためには、目押しが必要である。緑色対応表示が行われているため、遊技者は右リールの入賞図柄である黒7図柄を入賞ラインLN上に停止させるように目押しをする。右リールの第3停止操作が行われると、図6(g)に示すように、緑色対応表示が選択される。目押しに成功した場合は、右リールの入賞ライン上に黒7図柄が導出されてスイカ1の入賞が発生する(下段の無効ライン上にはスイカ図柄が3つ揃う)。
【0100】
このように、当選示唆演出において、第3停止操作により図柄組合せが導出されたとき(図6(c),(g))に、第1領域における対応表示と第2領域における対応表示とのうちのいずれかが選択される。
【0101】
また、当選示唆演出Bと当選示唆演出Dを比較すると、スイカ当選したときは、紫色対応表示よりも高い割合で緑色対応表示が行われる。
【0102】
[当選示唆演出AとBとの表示態様の違い]
図7は、当選示唆演出Aと当選示唆演出Bと表示態様の違いを説明するための図である。図7(a)は当選示唆演出Aの実行例について説明するものであり、図7(b)は当選示唆演出Bの実行例について説明するものである。
【0103】
当選示唆演出Aが実行されると、図7(a)に示すように、液晶表示器51の第1領域には丸い形状の青色対応画像81aの表示による青色対応表示が行われる。また、液晶表示器51の第2領域には星形の形状の紫色対応画像81bが表示による紫色対応表示が行われる。
【0104】
当選示唆演出Bが実行されると、図7(b)に示すように、液晶表示器51の第1領域には星形の形状の紫色対応画像81bが表示による紫色対応表示が行われる。また、液晶表示器51の第2領域には四角い形状の青色対応画像81aの表示による青色対応表示が行われる。
【0105】
当選示唆演出Aと当選示唆演出Bを比較すると、第1領域において青色対応表示が行われる場合は丸い形状の青色対応画像81aが表示される(図7(a))のに対し、第2領域において青色対応表示が行われる場合は四角い形状の青色対応画像81cが表示される(図7(b))。このように、青色対応表示が行われる場合、当選示唆演出Aと当選示唆演出Bとでは、互いに異なる態様で対応表示が行われる。
【0106】
一方で、第1領域において紫色対応表示が行われる場合(図7))と、第2領域において紫色対応表示が行われる場合(図7))とでは、いずれも星形の形状の紫色対応画像81bが表示される。このように、紫色対応表示が行われる場合、当選示唆演出Aと当選示唆演出Bとでは、同一の態様で対応表示が行われる。
【0107】
[通常リプレイ当選時における当選示唆演出AとCの比較]
図8は、通常リプレイ当選時における当選示唆演出Aと当選示唆演出Cとの比較例を説明するための図である。通常リプレイ当選時において、図8(a)~(c)は当選示唆演出Aを実行する例について説明するものであり、図8(d)~(f)は当選示唆演出Dを実行する例について説明するものである。本例においては、通常リプレイが当選しているため、いずれの場合においても、最終的には青色対応表示が選択されることになる。
【0108】
まず、通常リプレイ当選時における当選示唆演出Aの実行例について説明する。レバーONにより、通常リプレイが当選し、抽選により当選示唆演出Aの実行が決定されたとする。
【0109】
図8(a)に示すように、当選示唆演出Aの実行により、液晶表示器51の第1領域には青色対応表示が行われるとともに第2領域には紫色対応表示が行われる。図8(b)に示すように、左リールの第1停止操作および中リールの第2停止操作により、リプレイ図柄が入賞ラインLN上に2つ揃う。右リールの第3停止操作により、図8(c)に示すように、青色対応表示が選択され、通常リプレイが入賞する。
【0110】
次に、通常リプレイ当選時における当選示唆演出Cの実行例について説明する。レバーONにより、通常リプレイが当選し、抽選により当選示唆演出Cの実行が決定されたとする。
【0111】
図8(d)に示すように、当選示唆演出Cの実行により、液晶表示器51の第1領域には青色対応表示が行われるとともに第2領域には緑色対応表示が行われる。図8(e)に示すように、左リールの第1停止操作および中リールの第2停止操作により、リプレイ図柄が入賞ラインLN上に2つ揃う。
【0112】
ここで、緑色対応表示が行われているため、遊技者はスイカ1入賞を狙って目押ししたとする。しかし、実際には通常リプレイが当選しているため、入賞ラインLNにリプレイ図柄を引き込むリール制御が行なわれる。このため、図8(f)に示すように、右リールの第3停止操作により、青色対応表示が選択されるとともに、入賞ラインLN上にはリプレイ図柄が導出され、通常リプレイが入賞する。
【0113】
このような場合、遊技者からすれば、緑色対応表示が行われることでスイカ1入賞を狙って目押ししたにも関わらず、結果としてスイカ1が当選しておらず、少なからずストレスを感じることになる。しかし、先に説明したように、通常リプレイ当選時において、当選示唆演出Cが実行された場合は、当選示唆演出Aが実行された場合に比べて、遊技者にとって有利度の高いボーナス内部中である可能性が高い。
【0114】
すなわち、当選示唆演出Cにおいて、青色対応表示が行われかつ緑色対応表示が行われた後に青色対応表示が選択(通常リプレイ当選)された場合(図8(d)~(f))は、当選示唆演出Aにおいて、青色対応表示が行われかつ紫色対応表示が行われた後に青色対応表示が選択(通常リプレイ当選)された場合(図8(a)~(c))よりも有利度が高い。このようにすることで、遊技者のストレスを低減することができる。
【0115】
[当選示唆演出の実行有無による比較例]
図9は、当選示唆演出が実行される場合とされない場合との比較例を説明するための図である。図9(a),(b)は当選示唆演出が実行される例について説明するものであり、図9(c),(d)は当選示唆演出が実行されない例について説明するものである。
【0116】
まず、当選示唆演出が実行される例について説明する。レバーONにより、チャンスリプレイ1が当選し、抽選により当選示唆演出Aの実行が決定されたとする。
【0117】
図9(a)に示すように、当選示唆演出Aの実行により、液晶表示器51の第1領域には青色対応表示が行われるとともに第2領域には紫色対応表示が行われる。紫色対応表示はチャンスリプレイまたはスイカ当選に対応するものである。また、チャンスリプレイまたはスイカはBBと同時当選する可能性があるため、紫色対応表示によりBB当選の可能性が示唆される。図9(b)に示すように、全てリールの停止操作がされたとき、紫色対応表示が選択され、チャンスリプレイ1が入賞する。
【0118】
次に、当選示唆演出が実行されない例について説明する。レバーONにより、リーチ目リプレイが当選したとする。リーチ目リプレイが当選したときは、当選示唆演出が実行されることがない。このため、図9(c)に示すように、液晶表示器51には対応表示は行われない。
【0119】
図9)に示すように、全てリールの停止操作がされたとき、リーチ目リプレイが入賞する。このとき、V字型にベルが配置されるリーチ目が導出される。リーチ目が導出されたことにより、BB当選している可能性が示唆される。
【0120】
リーチ目リプレイは、スイカやチャンスリプレイとともに、BBに同時当選する可能性のある入賞役であり、通常リプレイに比べて有利度の高い入賞役である。しかし、図9(a),(b)で説明したように、スイカやチャンスリプレイが当選したときは当選示唆演出が実行可能であるのに対して、リーチ目リプレイが当選したときは図9(c),(d)で説明したように当選示唆演出が実行されない。
【0121】
前者は、当選時に入賞役の当選を示唆(またはBB当選を示唆)するものであるのに対し、後者は、入賞時に導出される図柄組合せ(チャンス目)によって入賞役の当選を示唆(またはBB当選を示唆)するものである。このようにすることで、チャンス目の導出に意外性を持たせることができる。
【0122】
[主な効果]
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
【0123】
(1-1) BBと同時当選する可能性のあるスイカ当選やチャンスリプレイ当選は、通常リプレイ当選よりも有利度が高い。また、スイカ当選したときは目押しの必要があり、通常リプレイ当選またはチャンスリプレイ当選したときは目押しの必要がなく取りこぼしがない。また、図4図5に示すように、当選示唆演出Aにおいて、第1領域において青色対応表示が行われ、かつ第2領域において紫色対応表示が行われた場合、紫色対応表示よりも高い割合で青色対応表示が選択され、紫色対応表示が選択されたときには、スイカが当選している割合よりもチャンスリプレイが当選している割合の方が高い。このように、当選示唆演出Aにおいて、とりこぼしのない通常リプレイ当選に対応する青色対応表示が選択される可能性が高く、かつ、紫色対応表示が選択される場合はとりこぼしのないチャンスリプレイ当選である可能性が高い。このため、遊技者はとりこぼしのない役に当選した可能性が高いと認識するが、目押しを行わなかった場合であっても、高確率で通常リプレイやチャンスリプレイに入賞するため、極力遊技者の有利度合いを損なわないようにすることができる。以上のように、当選示唆を行う当選示唆演出について改良された。
【0124】
(1-2) 図8に示すように、当選示唆演出Cにおいて、青色対応表示が行われかつ緑色対応表示が行われた後に青色対応表示が選択された場合(図(d)~(f))は、当選示唆演出Aにおいて、青色対応表示が行われかつ紫色対応表示が行われた後に青色対応表示が選択された場合(図(a)~(c))よりも有利度が高い。このように、当選示唆演出Cにおいて、目押しを示唆する緑色対応表示が行われたため遊技者が目押しをしたにも関わらずスイカが当選していなかった場合であっても、当選示唆演出Aが実行されたときの状況よりも有利度が高くなるため、遊技者のストレスを低減することができる。
【0125】
(1-3) 図5に示すように、当選示唆演出Aにおいて、第1領域における青色対応表示と第2領域における紫色対応表示とのうちのいずれかが選択される(図5(e))以前に、有利度が高いチャンスリプレイ当選に対応する紫色対応表示が選択されることを示唆する選択示唆演出(図5(c))が実行されため、選択示唆演出の実行有無に遊技者を注目させることができる。
【0126】
(1-4) 図6に示すように、スイカ当選した場合(当選示唆演出D)は、チャンスリプレイ当選した場合(当選示唆演出B)よりも高い割合で選択示唆演出(図6(f))が実行される。スイカ当選時は目押しが必要となるため、このように選択示唆演出が実行されることで、目押しが必要な状況であることに対して、より遊技者を注目させることができる。
【0127】
(1-5) 図5(d),(e)に示すように、図柄組合せが導出されたときに、第1領域における青色対応表示と第2領域における紫色対応表示とのうちのいずれかが選択される。このようにすることで、青色対応表示に対応する通常リプレイ当選および紫色対応表示に対応するチャンスリプレイ当選のいずれの当選に基づいて図柄組合せが導出されたのかを特定することができる。
【0128】
(1-6) リーチ目リプレイの入賞(チャンス目の導出)によりBB当選している可能性が示唆される。また、図9に示すように、リーチ目リプレイ当選した場合、当選示唆演出が行われない。当選時に入賞役の当選を示唆(BB当選の可能性を示唆)する当選示唆演出を実行することなく、入賞時に導出されるチャンス目によってBB当選の可能性を示唆するため、チャンス目の導出に意外性を持たせることができる。
【0129】
(2) スイカ当選したときは目押しの必要があり、チャンスリプレイ当選したときは目押しの必要がなく取りこぼしがない。また、図4図6(d)~(g)に示すように、スイカ当選したときは、当選示唆演出において、紫色対応表示よりも高い割合で緑色対応表示が行われる。このように、目押しが必要なスイカが当選したときは目押しを示唆する緑色対応表示の実行頻度が高くなるため、遊技者が、とりこぼしのない役(チャンスリプ)が当選していると考えて目押しを行わない機会を減らし、目押しが必要な役(スイカ)が当選していることきには適切に目押しをさせることができる。以上のように、当選示唆を行う当選示唆演出について改良された。
【0130】
(3-1) 図7に示すように、第1領域において青色対応表示が行われる場合は丸い形状の青色対応画像81aが表示される(図7(a))のに対し、第2領域において青色対応表示が行われる場合は四角い形状の青色対応画像81cが表示される(図7(b))ため、互いに異なる態様で青色対応表示が行われる。また、第1領域において紫色対応表示が行われる場合(図7))と、第2領域において紫色対応表示が行われる場合(図7))とでは、いずれも星形の形状の紫色対応画像81bが表示されるため、同一の態様で紫色対応表示が行われる。このように、青色対応表示を複数の態様で行うことで表示が多様になり、遊技の興趣を向上させることができる一方で、紫色対応表示を同一態様で行うことで、スイカまたはチャンスリプレイが当選したときに遊技者が誤認することを防止することができる。以上のように、当選示唆を行う当選示唆演出について改良された。
【0131】
(3-2) スイカやチャンスリプレイはBBと同時当選する可能性があるため、スイカ当選やチャンスリプ当選は、通常リプレイ当選よりも有利度が高い。このように、有利度の高いスイカまたはチャンスリプレイが当選したときに遊技者が誤認することを防止することができる。
【0132】
(3-3) スイカ当選したときはストップスイッチ8L,8C,8Rの操作タイミングによってはスイカ入賞しないことがある(目押しの必要がある)。通常リプレイ当選したときはストップスイッチ8L,8C,8Rの押し順や操作タイミングによらず通常リプレイ入賞する(目押しの必要がなく取りこぼしがない)。このように、操作態様によって有利度が変わるスイカが当選したときに遊技者が誤認することを防止することができる。
【0133】
[変形例]
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形例について説明する。
【0134】
[対応表示の表示態様について]
本実施の形態においては、青色対応画像の形状は丸い形状や四角い形状であり、紫色対応画像および緑色対応画像の形状は星形の形状としたが、これに限らず、どのような形状であってもよい。たとえば、なんらかのキャラクタの形状であってもよく、食べ物や乗り物の形状などであってもよい。また、対応表示を行う画像の色もその他の色であってもよい。たとえば、チャンスリプレイやスイカに対応する対応画像の色は、紫に限らず、白やレインボーであってもよい。
【0135】
また、本実施の形態においては、図7で示したように、第1領域において青色対応表示が行われる場合は丸い形状の青色対応画像81aが表示され、第2領域において青色対応表示が行われる場合は四角い形状の青色対応画像81cが表示されることで、互いに異なる態様で対応表示が行われるようにした。しかし、これに限らず、互いに形状が異なるもの、互いに色が異なるもの、互いに模様が異なるもの、互いに態様を構成する何らかの要素が異なるものによって、態様を異ならせても良い。また、遊技者が2つの対応表示を視認したときに、互いに異なるものであると認識できる程度のものであればよい。
【0136】
また、本実施の形態においては、図7で示したように、第1領域において紫色対応表示が行われる場合と、第2領域において紫色対応表示が行われる場合とで、同一の態様で対応表示が行われるようにした。しかし、同一の態様で対応表示が行われるものに限らず、略同一の態様で対応表示が行われるものであればよい。たとえば、形状同じだが色や模様が異なるもの、色や模様が同じだが形状が異なるもの、態様を構成する何らかの要素が共通で他の要素が異なるものであればよい。また、遊技者が2つの対応表示を視認したときに、共通の要素があることで、同一のものあるいは非常に近似しているものと認識できるようなものであればよい。たとえば、同一のキャラクタであるが、右向きのキャラクタと左向きのキャラクタや、キャラクタの表情が異なるもの、キャラクタの髪の色が異なるようなものであってもよい。ペンであるが一部の形状が異なるもの、同じ食べ物であるが具材が一部異なるものなどであってもよい。
【0137】
[当選示唆演出について]
図3図4に示したように、通常リプレイまたはレア役に当選した場合において、当選示唆演出を実行可能な構成にした。しかし、通常リプレイ当選の代わりにベル当選した場合に当選示唆演出を実行可能にしてもよい。たとえば、通常リプレイに対応する青色対応表示の代わりにベル当選に対応する黄色対応表示を行うようにしてもよい。黄色対応表示を行う場合は、当選示唆演出A,Cにおいては、黄色の丸い形状の黄色対応画像の表示により行い、当選示唆演出Bにおいては、黄色の四角い形状の黄色対応画像の表示により行う。また、選択示唆演出の実行確率および当選示唆演出A~Dの実行確率は、青色対応表示を行うときと同じにしてもよい。
【0138】
また、ベル当選したときは黄色対応表示を実行し、通常リプレイに当選したときは青色対応表示を実行するようにしてもよい。また、その他の役の当選に対応するようにしてもよい。たとえば、レア役としてチェリー当選に対応する赤色対応表示を行うようにしてもよい。
【0139】
また、当選示唆演出は、2つの対応表示を実行するものに限らず、3つ以上の対応表示を実行するものであってもよい。
【0140】
また、第1領域が液晶表示器51の画面左側の領域であり、第2領域が液晶表示器51の画面右側の領域であるものに限らず、第1領域が液晶表示器51の画面上部の領域であり、第2領域が液晶表示器51の画面下部の領域であるものであってもよい。また、第1領域と第2領域とで領域が異なるものであれば、どのような領域に表示するものであってもよい。
【0141】
また、当選示唆演出の当選確率や選択示唆演出の実行確率は、図4に示したものに限らない。たとえば、スイカ当選時には、当選示唆演出Aの実行確率を0%するものに限らず、他の当選示唆演出の実行確率よりも低くするものであってもよい。このようにすることで、当選示唆演出A実行時に遊技者に目押しをさせる可能性を低くすることができる。
【0142】
また、チャンスリプレイ当選時には、当選示唆演出C(またはD)の実行確率を0%するものに限らず、スイカ当選時の当選示唆演出C(またはD)実行確率よりも低くするものであってもよい。このようにすることで、当選示唆演出C(またはD)において緑色対応表示が表示されたときには、目押しによりスイカが入賞する可能性を高くすることができる。
【0143】
また、本実施の形態においては、図6などに示したように、チャンスリプレイ1が当選した場合において、右リールを第3停止する例について説明した。ここで、右リールを第1停止した場合は、白BARまたは黒BARが引き込まれることになる。この場合、遊技者から見れば、通常リプレイやスイカ1の当選可能性が排除され、チャンスリプレイ1が当選していることが分かってしまう。この場合は、第3停止操作がされたときに紫色対応表示を選択するのではなく、第1停止操作がされたときに紫色対応表示を選択するようにしてもよい。また、右リールを第2停止した場合は、第2停止操作した段階でチャンスリプレイ1が当選していることが分かるため、第2停止操作がされたときに紫色対応表示を選択するようにしてもよい。スイカ1当選の場合も同様である。
【0144】
同様に、チャンスリプレイ2が当選した場合は、中リールを第1停止した場合に、白BARまたは黒BARが引き込まれるため、第1停止操作がされたときに紫色対応表示を選択するようにし、中リールを第2停止した場合は第2停止操作がされたときに紫色対応表示を選択するようにし、中リールを第3停止した場合は第2停止操作がされたときに紫色対応表示を選択するようにする。チャンスリプレイ3や、スイカ2,3についても同様である。
【0145】
本実施の形態において、スイカ当選時には入賞させるために目押しが必要であり、操作タイミングによって有利度が異なるものであった。しかし、これに限らず、操作手順によって異なる入賞役に入賞し、これによりメダルの払出枚数が異なる(有利度が異なる)ようなものであってもよい。
【0146】
[選択示唆演出について]
本実施の形態においては、図5(d),(e)に示したように、第2停止操作がされたときに選択示唆演出が実行されるようにした。しかし、これに限らず、レバーON時から所定時間経過後に選択示唆演出が実行されるようにしてもよい。また、第3停止操作がされたときに選択示唆演出が実行されるようにし、選択示唆演出の実行とともに液晶表示器51に文字画像「PUSH」を表示させ、遊技者がスロットマシン1に備えられた操作手段を操作したときに、対応表示が選択されるようにしてもよい。
【0147】
[レア役当選時の有利度について]
本実施の形態においては、第1抽選により決定可能な複数の抽選結果のうちのいずれかに対応する対応表示を行い、対応表示として、たとえば、通常リプレイ当選に対応する青色対応表示や、チャンスリプレイ(チャンスリプレイ1~3)やスイカ(スイカ1~3)当選のそれぞれに対応する紫色対応表示などを行うようにした。また、第1抽選によりチャンスリプレイやスイカの当選が決定されたとき、さらに第2抽選によりBB当選が決定される可能性があるため(同時当選の可能性があるため)、通常リプレイ当選よりも、チャンスリプレイやスイカ当選の方が有利度が高いものとなっていた。
【0148】
しかし、第2抽選によりBB当選を決定するものに限らず、第1抽選によりチャンスリプレイやスイカの当選が決定されたときに後述する有利区間に移行するものであってもよい。すなわち、チャンスリプレイやスイカを有利区間移行役とし、有利区間移行役の当選により有利区間に移行させるようにしてもよい。このようにすることで、紫色対応表示や緑色対応表示が選択された場合は、有利区間への移行が示唆される。
【0149】
また、第1抽選によりチャンスリプレイやスイカの当選が決定されたとき、有利区間へ移行するため、通常リプレイ当選よりも、チャンスリプレイやスイカ当選の方が有利度が高くなる。また、リーチ目リプレイを有利区間移行役としてもよい。この場合、リーチ目リプレイの当選時には当選示唆演出が実行されないが、リーチ目リプレイの入賞により、有利区間への移行が示唆される。また、有利区間移行役の当選により有利区間に移行させるものに限らず、有利区間移行役の当選後に抽選を行って有利区間に移行させるか否かを決定するようにしてもよい。また、チャンスリプレイやスイカやリーチ目リプレイを有利区間移行役にするとともに、さらにBBと同時当選可能にしてもよい。
【0150】
メイン制御部41は、遊技状態(RT状態)とは異なる状態の概念として、複数種類の遊技区間に制御する。遊技区間には、通常区間、待機区間および有利区間が含まれる。通常区間は、ナビ情報を報知不可能な区間である。有利区間は、ナビ情報を報知可能な区間であり、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様を遊技者に指示する指示機能(ナビ)に係る性能を持つ区間である。設定変更後は、通常区間に制御され、有利区間への移行に当選したことに基づいて有利区間に移行する。有利区間への移行は、所定の条件が成立したときに当選する。通常区間において、ボーナスに当選した場合、ボーナスに入賞するまで有利区間への制御が待機される待機区間に制御される。待機区間においては、ボーナスに入賞したときに有利区間に制御される。
【0151】
メイン制御部41は、通常区間において有利区間移行役(たとえば、レア役)に当選したときに、有利区間に移行する。有利区間は、有利区間には、前兆状態と、CZと、ATとが含まれる。本実施の形態においては、有利区間への移行に当選すると、有利区間振り分け抽選によって、有利区間の種類として、前兆状態のみ、および前兆状態後にCZ移行のいずれかに決定される。前兆状態は、CZやATに制御されてそのまま有利区間が継続するか、あるいはCZやATに制御されることなく通常区間に移行するかを示唆する状態である。ATは、メイン制御部41によって制御され、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様を遊技者に報知するナビ演出が実行される報知状態である。CZは、メイン制御部41によって制御され、ATへの制御に関する有利度合いが通常区間よりも高くなる状態である。有利区間に制御されている場合、有利区間の終了条件(たとえば、ATゲーム数やCZゲーム数が0になったこと)が成立したことに基づいて通常区間に移行する。
【0152】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0153】
1 スロットマシン、2L,2C,2R リール、7 スタートスイッチ、8L,8C,8R ストップスイッチ、41 メイン制御部、51 液晶表示器、91 サブ制御部。
図1
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