(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-13
(45)【発行日】2022-06-21
(54)【発明の名称】改装建具
(51)【国際特許分類】
E06B 1/56 20060101AFI20220614BHJP
E06B 1/18 20060101ALI20220614BHJP
E06B 1/62 20060101ALI20220614BHJP
E06B 1/34 20060101ALI20220614BHJP
E04G 23/02 20060101ALI20220614BHJP
【FI】
E06B1/56 A
E06B1/18 M
E06B1/62 B
E06B1/34 Z
E04G23/02 H
(21)【出願番号】P 2018092111
(22)【出願日】2018-05-11
【審査請求日】2021-03-04
(73)【特許権者】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】武岡 慎之介
【審査官】鳥井 俊輔
(56)【参考文献】
【文献】特開昭58-213977(JP,A)
【文献】特開2011-226178(JP,A)
【文献】特開平07-048936(JP,A)
【文献】特開2018-053515(JP,A)
【文献】特開平08-184262(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 1/56-1/60
E04G 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の開口部に設置された既設枠と、前記建物の外壁面を形成していた既設外壁材とを残存させた状態で、前記既設枠の内側に新設枠を取り付け、前記既設外壁材を新設外壁材で覆って新たな外壁面を形成した改装建具であって、
前記新設枠は、その室外側見付け面が前記既設外壁材よりも室外側に張り出しており、且つ、前記新設外壁材の室内側表面に対向配置されて
おり、
前記新設外壁材の端面を覆う見切り材を備え、
前記見切り材は、前記新設枠の室外側見付け面又は枠外側見込み面に取り付けられる取付部と、前記新設外壁材の端面を覆うカバー部と、を有することを特徴とする改装建具。
【請求項2】
請求項
1に記載の改装建具であって、
前記新設外壁材は、前記既設外壁材の表面に設けた胴縁の表面に取り付けられており、
前記胴縁の端面は、前記既設外壁材の端面よりも前記開口部の内方側に張り出しており、
前記新設外壁材の端面は、前記胴縁の端面よりも前記開口部の内方側に張り出していることを特徴とする改装建具。
【請求項3】
請求項1
又は2に記載の改装建具であって、
前記新設枠は、室外側に配置される室外側部位と室内側に配置される室内側部位との間を断熱材で連結した連結構造であり、
前記室外側部位の室外側見付け面が、前記新設外壁材の室内側表面に対向配置されていることを特徴とする改装建具。
【請求項4】
建物の開口部に設置された既設枠と、前記建物の外壁面を形成していた既設外壁材とを残存させた状態で、前記既設枠の内側に新設枠を取り付け、前記既設外壁材を新設外壁材で覆って新たな外壁面を形成した改装建具であって、
前記新設枠は、その室外側見付け面の少なくとも一部が前記新設外壁材によって覆われて
おり、
前記新設外壁材の端面を覆う見切り材を備え、
前記見切り材は、前記新設枠の室外側見付け面又は枠外側見込み面に取り付けられる取付部と、前記新設外壁材の端面を覆うカバー部と、を有することを特徴とする改装建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既設枠の内側に新設枠を取り付けた改装建具に関する。
【背景技術】
【0002】
玄関ドア等のドア或いは窓を低コストで改装するために、建物の躯体に固定されている既設枠の内側に新設枠を取り付け、この新設枠に新設ドアや新設障子等の戸体を新たに取り付ける工法がある。例えば特許文献1には、既設枠の内側に新設枠を取り付け、既設外壁材の表面に新たな外壁面を形成する新設外壁材を取り付けた改装建具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の構成では、新設外壁材の端面が新設枠の枠外側見込み面に対向配置されている。つまり新設枠の室外側見付け面は、その全域が見切り材(カバー材)のみによって覆われた状態で室外に臨んでいる。このため、この部分が熱の通り道となり、改装建具の断熱性能を低下させる懸念がある。
【0005】
本発明は、上記従来技術の課題を考慮してなされたものであり、高い断熱性能を得ることができる改装建具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る改装建具は、建物の開口部に設置された既設枠と、前記建物の外壁面を形成していた既設外壁材とを残存させた状態で、前記既設枠の内側に新設枠を取り付け、前記既設外壁材を新設外壁材で覆って新たな外壁面を形成した改装建具であって、前記新設枠は、その室外側見付け面が前記既設外壁材よりも室外側に張り出しており、且つ、前記新設外壁材の室内側表面に対向配置されていることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る改装建具は、建物の開口部に設置された既設枠と、前記建物の外壁面を形成していた既設外壁材とを残存させた状態で、前記既設枠の内側に新設枠を取り付け、前記既設外壁材を新設外壁材で覆って新たな外壁面を形成した改装建具であって、前記新設枠は、その室外側見付け面の少なくとも一部が前記新設外壁材によって覆われていることを特徴とする。
【0008】
このような構成によれば、新設枠の室外側見付け面が新設外壁材に対向配置されることで両者間の隙間を最小限に構成できると同時に、新設枠の室外側見付け面が新設外壁材によって覆われる。このため、新設枠の室外側見付け面が熱の通り道となること、さらに新設枠の室外側見付け面と新設外壁材との間の隙間が熱の通り道となることを抑制でき、高い断熱性能が得られる。
【0009】
本発明に係る改装建具において、前記新設外壁材の端面を覆う見切り材を備え、前記見切り材は、前記新設枠の室外側見付け面又は枠外側見込み面に取り付けられる取付部と、前記新設外壁材の端面を覆うカバー部と、を有する構成としてもよい。そうすると、見切り材が新設外壁材の端面を覆い、さらに新設枠の室外側見付け面と新設外壁材との間の隙間を覆うため、当該改装建具の外観品質及び断熱性能が向上する。特に、見切り材はその取付部が新設枠の室外側見付け面又は枠外側見込み面に取り付けられるため、取付部が外観上に露出せず、当該改装建具の外観品質が一層向上する。
【0010】
本発明に係る改装建具において、前記新設外壁材は、前記既設外壁材の表面に設けた胴縁の表面に取り付けられており、前記胴縁の端面は、前記既設外壁材の端面よりも前記開口部の内方側に張り出しており、前記新設外壁材の端面は、前記胴縁の端面よりも前記開口部の内方側に張り出した構成としてもよい。そうすると、躯体の開口部の内方側に大きく張り出した新設外壁材を胴縁で確実に保持することができ、新設外壁材の取付安定性が向上する。しかも、胴縁が既設外壁材よりも内方側に張り出しているため、新設枠と新設外壁材との間の空間の一部を胴縁で埋めることができ、断熱性能が一層向上する。
【0011】
本発明に係る改装建具において、前記新設枠は、室外側に配置される室外側部位と室内側に配置される室内側部位との間を断熱材で連結した連結構造であり、前記室外側部位の室外側見付け面が、前記新設外壁材の室内側表面に対向配置された構成としてもよい。そうすると、新設枠は、室外側部位と室内側部位との間が断熱されるため、当該改装建具の室内外方向の断熱性能が一層向上する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、高い断熱性能を得ることができる改装建具が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態に係る改装建具を室外側から見た姿図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る改装建具について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
図1~
図3に示すように、本実施形態の改装建具10は、建物12の躯体14の開口部14aに予め設置されていた既設ドアをドア枠(既設枠16)を残して撤去し、残存させた既設枠16の内側に新たなドア枠(新設枠18)を取り付けて新設ドア20を開閉可能に支持した建具である。改装建具10は、例えば住宅の玄関ドアの改装工事で設置される。改装建具10は、玄関ドア以外のドアの他、嵌め殺し窓、上げ下げ窓、引違い窓等のスライディング窓、開き窓等の回転窓等の改装用としても利用できる。
【0016】
既設枠16は、上枠16aと、下枠16bと、左右の縦枠16c,16dとを四周枠組みすることで矩形の開口部を形成したものである。各枠16a~16dは、例えばアルミニウム等の金属材料の押出形材である。各枠16a~16dは、新設枠18の取り付け前から躯体14に固定されている。
【0017】
新設枠18は、既設枠16よりも室外側に張り出すようにして既設枠16の内側に設けられる。新設枠18は、上枠18aと、下枠18bと、左右の縦枠18c,18dとを四周枠組みすることで矩形の開口部を形成したものである。各枠18a~18dは、例えばアルミニウム等の金属材料の押出形材で構成されている。
【0018】
本出願において、見込み方向とは改装建具10の室内外方向、つまり室内側から室外側に向かう方向又はその逆方向(図中に矢印Yで示す方向)をいう。見込み面とは見込み方向に沿って延在する面をいう。見付け方向とは見込み方向に直交する方向であり、上下方向に長尺な縦枠16c,18c等の場合はその長手方向に直交する左右方向(図中に矢印Xで示す方向)をいい、左右方向に長尺な上枠16a,18a等の場合はその長手方向に直交する上下方向(図中に矢印Zで示す方向)をいう。見付け面とは見付け方向に沿った面をいう。枠状部材の枠内側(枠内方向)とは、例えば新設枠18の内側(新設ドア20側)をいい、枠状部材の枠外側(枠外方向)とは、例えば新設枠18の外側(既設枠16側や躯体14側)をいう。
【0019】
図2に示すように、上枠18aは、室外側に配置される室外側部位24aと室内側に配置される室内側部位24bとを一対の断熱材24cで連結し、断面略矩形状に形成した連結構造である。室内側部位24bには、枠内側見込み面25から枠内側に突出した戸当たり部26が設けられている。上枠18aは、既設枠16の上枠16aと共に室内側部位24bが固定ねじ27を用いて躯体14に固定される。上枠16aと上枠18aとの間は、スペーサ28が挟み込まれると共に、シール材29で封止される。
【0020】
上枠18aは、室外側部位24aが既設枠16の上枠16aよりも室外側に張り出している。躯体14の室外側表面14bには、改装前の外壁面30aを形成していた既設外壁材30が残存している。上枠18aの室外側部位24aは、既設外壁材30の端面30bよりも開口部14aの内方側に配置される。上枠18aの室外側部位24aと既設外壁材30の端面30bとの間には、既設枠16の上枠16aの見付け幅程度の間隔が設けられている。
【0021】
既設外壁材30の外壁面30aには、胴縁32を介して新設外壁材34が取り付けられる。胴縁32の端面32aは、既設外壁材30の端面30bよりも開口部14aの内方側に張り出している。新設外壁材34の端面34aは、胴縁32の端面32aよりもさらに開口部14aの内方側に張り出している。上枠18aの室外側部位24aは、その室外側見付け面36が新設外壁材34の室内側表面34bと対向配置される。本実施形態の場合、新設外壁材34の端面34aは、上枠18aの枠内側見込み面25よりも開口部14aの外方、つまり上枠18aの枠外側に多少引っ込んだ位置に配置されている。端面34aは、上枠18aの室外側見付け面36の見付け幅の中央よりも枠内側となる位置まで延在している。端面34aは、枠内側見込み面25と面一、或いは枠内側見込み面25よりも多少内方側に張り出した位置に配置されてもよい。
【0022】
上枠18aの室外側部位24aには、新設外壁材34の端面34aを覆う見切り材38が取り付けられる。見切り材38は、アルミニウム等の金属材料の押出形材である。見切り材38は、上枠18aの室外側見付け面36にねじ40を用いて取り付けられる平板状の取付部38aと、端面34aを覆うL字状のカバー部38bとを有し、断面略コ字状に形成されている。取付部38aは、上枠18aの室外側見付け面36に対して取り付けられるため、外観上に露出せず、外観品質を損なうことがない。カバー部38bは、新設外壁材34の端面34aを覆う見込み片部38cと、新設外壁材34の室外側表面34cの縁部を覆う見付け片部38dとを有する。見付け片部38dの端部は、室外側表面34cに当接配置され、その隙間がシール材42で封止される。新設外壁材34の室外側表面34cは、改装後の新たな外壁面を形成する。
【0023】
上枠18aの室内側部位24bには、内額縁44が取り付けられる。内額縁44は、躯体14の開口部14aの室内側に装着された木額縁46と室内側部位24bとの間に亘るように設けられ、既設枠16の上枠16a等を覆い隠す化粧部材である。
【0024】
図2に示すように、下枠18bは、既設枠16の下枠16bに重ねて配置され、下枠16bや躯体14に対してねじ止め固定される。下枠18bは当該改装建具10の床面から一段下がるように設けられた戸当たり部48を有する。
【0025】
図3に示すように、左右の縦枠18c,18dは、上記した上枠18aと設置方向等が異なる以外、基本的な構成は同一又は同様である。そこで、縦枠18c,18dにおいて、上枠18aと同一又は同様な構成については同一の参照符号を付して詳細な説明を省略する。本実施形態の縦枠18c,18dは、上枠18aの見切り材38と形状の異なる見切り材50が取り付けられる。
【0026】
縦枠18c,18dについても、胴縁32の端面32aは、既設外壁材30の端面30bよりも開口部14aの内方側に張り出しており、新設外壁材34の端面34aは、胴縁32の端面32aよりもさらに開口部14aの内方側に張り出している。また、縦枠18c,18dの室外側部位24aは、室外側見付け面36が新設外壁材34の室内側表面34bと対向配置される。縦枠18c,18dの場合、新設外壁材34の端面34aは、縦枠18c,18dの室外側見付け面36の見付け幅の中央よりも枠外側となる位置にある。縦枠18c,18dについても、端面34aは、枠内側見込み面25と面一、或いは枠内側見込み面25よりも多少内方側に張り出した配置されてもよい。端面34aは、縦枠18c,18dの室外側見付け面36の見付け幅の中央よりも枠内側となる位置にあってもよい。
【0027】
見切り材50は、アルミニウム等の金属材料の押出形材である。見切り材50は、縦枠18c,18dの枠外側見込み面52にねじ40を用いて取り付けられるT字状の取付部50aと、端面34aを覆うL字状のカバー部50bとを有する。取付部50aは、見込み方向に沿う板片が縦枠18c,18dの枠外側見込み面52対して取り付けられるため、外観上に露出せず、外観品質を損なうことがない。カバー部50bは、
図2に示す見切り材38のカバー部38bと同様な構成である。カバー部50bは、見込み片部38c及び見付け片部38dを有し、見付け片部38dの端部が新設外壁材34の室外側表面34cにシール材42を介して取り付けられる。縦枠18c,18dは、見切り材50に代えて上枠18aと同様な見切り材38を用いてもよい。同様に、上枠18aは、見切り材38に代えて縦枠18c,18dと同様な見切り材50を用いてもよい。
【0028】
図1~
図3に示すように、本実施形態の新設ドア20は片開きである。新設ドア20は、縦枠18cの室外側部位24aに取り付けられたヒンジ54を介して新設枠18の内側で開閉可能に支持される。新設ドア20の戸先側見込み面には、ラッチ56が出没可能に設けられている。上記したように縦枠18c,18dでは、新設外壁材34の端面34aが室外側見付け面36の見付け幅の中央よりも枠外側となる位置にある。このため、見切り材50のカバー部50bの見込み片部38cは、縦枠18c,18dの枠内側見込み面25よりも枠外側にオフセットした位置に配置される。これにより、端面34a及び見込み片部38cがヒンジ54や新設ドア20の戸先側の煙返し58と干渉することを防止している。
【0029】
以上のように、本実施形態に係る改装建具10では、新設枠18の上枠18a及び縦枠18c,18dは、その室外側見付け面36が既設外壁材30よりも室外側に張り出しており、且つ、新設外壁材34の室内側表面34bに対向配置されている。この際、新設枠18の上枠18a及び縦枠18c,18dは、その室外側見付け面36の少なくとも一部が新設外壁材34によって覆われている。換言すれば、新設外壁材34は、新設枠18の室外側見付け面36の少なくとも一部を覆う位置まで開口部14aの内方側に延出している。
【0030】
従って、当該改装建具10は、新設枠18の室外側見付け面36が新設外壁材34に近接配置され、両者間の隙間Cが最小限に構成される。同時に、新設枠18の室外側見付け面36が断熱材としても機能する新設外壁材34によって覆われる。このため、新設枠18の室外側見付け面36が室内外方向の熱の通り道となること、さらに室外側見付け面36と新設外壁材34との間の隙間Cが室内外方向の熱の通り道となることを抑制できる。これにより当該改装建具10は、高い断熱性能が得られる。特に、本実施形態の場合は最も高温の空気にさらされる上枠18aの室外側見付け面36の略全域が新設外壁材34によって覆われる。このため、一層高い断熱性能を確保できる。勿論、上記した通り、縦枠18c,18dの室外側見付け面36もその略全域を新設外壁材34で覆う構成としてもよい。この際、室外側見付け面36を形成する新設枠18の室外側部位24aには、中空部60が形成されている。このため、新設枠18の枠内側から枠外側への熱の伝達を中空部60による断熱作用によって抑制できる。さらに新設枠18は、断熱材24cを設けた連結構造のため、一層高い断熱性能が得られる。
【0031】
当該改装建具10の施工手順の一例としては、既設枠16及び既設外壁材30を残存させた状態で、既設枠16の内側に新設枠18を取り付け、続いて見切り材38,50を取り付け、胴縁32及び新設外壁材34を取り付ける。つまり、当該改装建具10は、新設枠18の施工と新設外壁材34の施工とを同時に実施することができ、施工費用や工期を抑えることができる。
【0032】
当該改装建具10では、胴縁32の端面32aが既設外壁材30の端面30bよりも開口部14aの内方側に張り出しており、さらに新設外壁材34の端面34aが胴縁32の端面32aよりも開口部14aの内方側に張り出している。このため、開口部14aの内方側に大きく張り出した新設外壁材34を胴縁32で確実に保持することができる。しかも、胴縁32が既設外壁材30よりも内方側に張り出しているため、新設枠18と新設外壁材34との間の空間Sの一部を胴縁32で埋めることができ、断熱性能が一層向上する。
【0033】
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
【0034】
上記実施形態では、新設枠18の上枠18a及び縦枠18c,18dの室外側見付け面36を新設外壁材34の室内側表面34bに対向配置した構成を例示したが、下枠18bも同様な構成としてもよい。すなわち、例えば改装建具10が窓である場合、下枠18bの周囲にも新設外壁材34が設置されるため、下枠18bについても上枠18a等と同様な構成にするとよい。
【0035】
上記実施形態では、断熱材24cで室外側部位24aと室内側部位24bとを連結した断熱構造の新設枠18を例示したが、新設枠18は断熱材24cを用いていない構成でもよい。
【符号の説明】
【0036】
10 改装建具、12 建物、14 躯体、14a 開口部、14b 室外側表面、16 既設枠、16a,18a 上枠、16b,18b 下枠、16c,16d,18c,18d 縦枠、18 新設枠、20 新設ドア、24a 室外側部位、24b 室内側部位、24c 断熱材、25 枠内側見込み面、30 既設外壁材、30a 外壁面、30b,32a,34a 端面、32 胴縁、34 新設外壁材、34b 室内側表面、34c 室外側表面、36 室外側見付け面、38,50 見切り材、38a,50a 取付部、38b,50b カバー部、52 枠外側見込み面