IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社関電工の特許一覧

<>
  • 特許-断路器の部材取替え又は修理工法 図1
  • 特許-断路器の部材取替え又は修理工法 図2
  • 特許-断路器の部材取替え又は修理工法 図3
  • 特許-断路器の部材取替え又は修理工法 図4
  • 特許-断路器の部材取替え又は修理工法 図5
  • 特許-断路器の部材取替え又は修理工法 図6
  • 特許-断路器の部材取替え又は修理工法 図7
  • 特許-断路器の部材取替え又は修理工法 図8
  • 特許-断路器の部材取替え又は修理工法 図9
  • 特許-断路器の部材取替え又は修理工法 図10
  • 特許-断路器の部材取替え又は修理工法 図11
  • 特許-断路器の部材取替え又は修理工法 図12
  • 特許-断路器の部材取替え又は修理工法 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-13
(45)【発行日】2022-06-21
(54)【発明の名称】断路器の部材取替え又は修理工法
(51)【国際特許分類】
   H02B 3/00 20060101AFI20220614BHJP
   H01H 31/30 20060101ALI20220614BHJP
【FI】
H02B3/00 Z
H01H31/30 A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018126327
(22)【出願日】2018-07-02
(65)【公開番号】P2020010416
(43)【公開日】2020-01-16
【審査請求日】2021-06-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000141060
【氏名又は名称】株式会社関電工
(74)【代理人】
【識別番号】100075410
【弁理士】
【氏名又は名称】藤沢 則昭
(74)【代理人】
【識別番号】100135541
【弁理士】
【氏名又は名称】藤沢 昭太郎
(72)【発明者】
【氏名】松本 吉記
(72)【発明者】
【氏名】安次嶺 一夫
(72)【発明者】
【氏名】宗像 義満
【審査官】内田 勝久
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-120276(JP,A)
【文献】実開平05-062114(JP,U)
【文献】特開2008-148424(JP,A)
【文献】特開昭63-194511(JP,A)
【文献】特開平11-355921(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02B 3/00
H01H 31/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3本の支持碍子の接続体とその中央部に位置する1本の操作碍子の接続体から成る、単柱操作三角錐型断路器の部材の取替え又は修理の工法において、
前記3本の支持碍子の接続体の上部の支持碍子を、下部の支持碍子を残して本体から切り離し、また、前記操作碍子の接続体の全部又は上部の操作碍子を、本体から切り離して、上部の支持碍子の中央部から操作碍子の接続体を垂下させた状態の上部断路器をクレーンで吊り上げ、
中央部に操作碍子の接続体が入る孔を有する略直方体形状の枠体から成る治具の中に入れて、三本の上部支持碍子の各下端部を前記治具に固定し、
また、操作碍子の接続体の下端を、治具の下部で支持し、
この状態で取替え部材を取り替え、又は部材を修理し、
前記部材の取り替え又は部材の修理後に、三本の上部支持碍子の各下端部の治具との固定及び操作碍子の下端の治具との支持を解除して、前記上部断路器を治具から吊り上げ、前記切り離した本体に再度接続、固定することを特徴とする、断路器の部材取替え又は修理工法。
【請求項2】
前記治具に、操作碍子の接続体が通る中央孔を有する中段ステージを設け、当該中段ステージの三か所に、傾斜した円板を上端に有する支持碍子受台を設け、前記上部断路器の3本の支持碍子の下端部を当該三か所の支持碍子受台に載置して固定することを特徴する、請求項1に記載の断路器の部材取替え又は修理工法。
【請求項3】
前記治具が、左右に分割自在な2つの分割体から成り、各分割体は下端に複数個のキャスターを具備し、当該各分割体を突き合せて接続部材で一体としたことを特徴とする、請求項1又は2に記載の断路器の部材取替え又は修理工法。
【請求項4】
前記治具の中に、ジャッキ付台車を設け、当該ジャッキ付台車に前記上部断路器の操作碍子の下端又は中間ピンジョイント部を載置することを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の断路器の部材取替え又は修理工法。
【請求項5】
前記治具は、前記中段ステージの上方の治具の外周に沿った足場状の上段ステージを有し、当該上段ステージに作業員がのって、前記上部断路器の支持碍子や操作碍子をロープを用いて当該治具に固定することを特徴とする、請求項に記載の断路器の部材取替え又は修理工法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、変電所等に設置された気中断路器の部材の取り替えや部材の修理の工法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
変電所に設置された、単柱操作三角錐支持型の550kV気中断路器(以下、単に「断路器A」と言う)は、図12に示す様に、複数の碍子を長手方向に沿って接続した支持碍子1の接続体を3個用意し、これらの支持碍子1の接続体を三角錐形状に組み、支柱3を形成する。そして、これらの3個の支持碍子1の接続体の中央部に、複数の碍子を長手方向に沿って接続した操作碍子2の接続体を配置する。この操作碍子2を有する支柱3を二つ並べて基台6上に設け、各支柱3の頂部に、ブレード4aの先端に主接触部4bを有し、基部にヒンジ部4cを有する導電部4の前記ヒンジ部4cを支持して、各ブレード4aを夫々水平回転自在に設けたものである。
【0003】
従来の断路器Aは、過去の地震の際に操作碍子が破損したことを踏まえて、地震動による応力が集中する操作碍子の中間部にピンジョイント機構を設け、操作碍子の曲げ応力を緩和する免震構造としていた。しかしながら、2011年の東北地方太平洋沖地震は、日本の耐震設計基準(JEAG5003)を大きく上回る地震動レベルであったため、中間ピンジョイントは、振幅限界を超える変位量で振られ、構成部品同士が激しく衝突した。この様な設計値を上回る応力によって断路器の操作碍子や支持碍子等の破損が発生した。特に、操作碍子中央の可動部(中間ピンジョイント部)周辺での破損が多数発生した。
【0004】
そこで、操作碍子2の接続体の可動部(中間ピンジョイント部)への衝撃力を抑制する衝撃緩衝装置の追加及び導電部の軽量化を図った取り替えを実施することにより耐震性能の向上を図ることが実施されている。
【0005】
この断路器Aの部材取替えの方法は、従来、図13に示す様に、断路器Aの一方の導電部4を有する支柱3の、支持碍子1の接続体の上部の支持碍子1と、この支持碍子1より下方に伸びた操作碍子2の接続体とから成る上部断路器A-1を、支柱3の本体から切り離して、クレーンで吊り上げ「図中(1)」、この上部断路器A-1を支柱3の本体の脇の空スペースに下ろし、クレーンで吊りながら支持碍子1の接続体の下部の支持碍子1を切り離し、また、操作碍子2の接続体のうちの下部の操作碍子2や中間ピンジョイント部7を外す「図中(2)」。さらに、上部断路器A-1の導電部4を外す。
【0006】
その後、新しく軽量化したブレードを有する新導電部4´を前記上部断路器A-1の頂部に取付け、最上段の支持碍子1の下に複数の支持碍子1を接続し、また、操作碍子2に衝撃緩衝装置付き中間ピンジョイント部7´を取付け「図中(3)」、さらに、衝撃緩衝装置付き中間ピンジョイント部7´の下に操作碍子2を取付け「図中(4)」、再度クレーンで前記上部断路器A-1を吊り上げて支柱3の本体に取付けて取替えが完了する「図中(5)」。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】耐震強化型550kV気中断路器 東光高岳技報Vol.2 2015
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記の取替え工法では、クレーンで吊り上げた状態での碍子の取り外しや取付け作業となり、作業対象物が搖動する中での作業となり、熟練を要するとともに、安全面で問題がある。また、多数の支持碍子の接続を全て取り外すため、手間や時間を要する。さらに、多数の支持碍子や操作碍子の取付け、取り外し作業において、これらの碍子が接触等の衝撃により損傷する恐れもある。
【0009】
そこで、この発明は上述の課題を解決するため、気中断路器の上記耐震強化工事を含む、部材の取替えや部材を修理する工法において、より安全かつ作業の容易な工法を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の発明は、3本の支持碍子の接続体とその中央部に位置する1本の操作碍子の接続体から成る、単柱操作三角錐型断路器の部材の取替え又は修理の工法において、前記3本の支持碍子の接続体の上部の支持碍子を、下部の支持碍子を残して本体から切り離し、また、前記操作碍子の接続体の全部又は上部の操作碍子を、本体から切り離して、上部の支持碍子の中央部から操作碍子の接続体を垂下させた状態の上部断路器をクレーンで吊り上げ、中央部に操作碍子の接続体が入る孔を有する略直方体形状の枠体から成る治具の中に入れて、三本の上部支持碍子の各下端部を前記治具に固定し、また、操作碍子の接続体の下端を、治具の下部で支持し、この状態で取替え部材を取り替え、又は部材を修理し、前記部材の取り替え又は部材の修理後に、三本の上部支持碍子の各下端部の治具との固定及び操作碍子の下端の治具との支持を解除して、前記上部断路器を治具から吊り上げ、前記切り離した本体に再度接続、固定することを特徴とする、断路器の部材取替え又は修理工法とした。
【0011】
また、請求項2の発明は、前記治具に、操作碍子の接続体が通る中央孔を有する中段ステージを設け、当該中段ステージの三か所に、傾斜した円板を上端に有する支持碍子受台を設け、前記上部断路器の3本の支持碍子の下端部を当該三か所の支持碍子受台に載置して固定する、請求項1に記載の断路器の部材取替え又は修理工法とした。
【0012】
また、請求項3の発明は、前記治具が、左右に分割自在な2つの分割体から成り、各分割体は下端に複数個のキャスターを具備し、当該各分割体を突き合せて接続部材で一体とした、請求項1又は2に記載の断路器の部材取替え又は修理工法とした。
【0013】
また、請求項4の発明は、前記治具の中に、ジャッキ付台車を設け、当該ジャッキ付台車に前記上部断路器の操作碍子の下端又は中間ピンジョイント部を載置する、請求項1~3のいずれかに記載の断路器の部材取替え又は修理工法とした。
【0014】
また、請求項5の発明は、前記治具は、前記中段ステージの上方の治具の外周に沿った足場状の上段ステージを有し、当該上段ステージに作業員がのって、前記上部断路器の支持碍子や操作碍子をロープを用いて当該治具に固定することを特徴とする、請求項に記載の断路器の部材取替え又は修理工法とした。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明によれば、従来の様に断路器本体から切り離した導電部を有する上部断路器をクレーンで吊るした状態で、その下で操作碍子を取り外したり、中間ピンジョイント部を取り替えたりする作業をする必要がなく、上部断路器を治具に固定し、その状態で作業ができるため、作業も容易で、迅速に行え、また、安全に作業が行える。また、支持碍子も必要最小限のものを切り離せばよく、従来のように、接続している多数の支持碍子を取り外す必要がなく、手間がかからない。
【0016】
また、請求項2の発明によれば、治具に中段ステージを設け、この中段ステージに3個の支持碍子受台を設け、上部断路器の3本の支持碍子の下端をこれらの支持碍子受台に載置、固定することが出来るため、上部断路器の治具への固定が容易であり、工事作業を迅速にすることが出来る。
【0017】
また、特に、請求項3の発明によれば、治具は左右に二分されており、かつ、これらの各分割体は下端に複数個のキャスターを有するため、容易に一体化することができる。
【0018】
また、請求項4の発明によれば、前記治具の中に、ジャッキ付台車を設け、当該ジャッキ付台車に前記上部断路器の操作碍子の下端又は中間ピンジョイント部を載置するため、上部断路器の操作碍子や中間ピンジョインント部の吊り下がった高さに合わせてジャッキで台車の高さ調節が容易である。
【0019】
また、請求項5の発明は、治具の中段ステージの上方に上段ステージを有するため、当該上段ステージに作業員がのって、上部断路器の上部の支持碍子や操作碍子をロープを用いて治具に容易に固定することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】この発明の実施の形態例1の断路器の部材取替え又は修理工法の第1工程を示す概略構成図である。
図2】この発明の実施の形態例1の断路器の部材取替え又は修理工法の第2工程を示す概略構成図である。
図3】この発明の実施の形態例1の断路器の部材取替え又は修理工法の第3工程を示す概略構成図である。
図4】この発明の実施の形態例1の断路器の部材取替え又は修理工法の第4工程を示す概略構成図である。
図5】この発明の実施の形態例1の断路器の部材取替え又は修理工法の第1工程での要部断面図である。
図6】この発明の実施の形態例1の断路器の部材取替え又は修理工法に使用する治具の正面図である。
図7】この発明の実施の形態例1の断路器の部材取替え又は修理工法に使用する治具の右側面図である。
図8】この発明の実施の形態例1の断路器の部材取替え又は修理工法に使用する治具の図6のA-A線端面図である。
図9】この発明の実施の形態例1の断路器の部材取替え又は修理工法に使用する治具の図6のB-B線端面図である。
図10】この発明の実施の形態例1の断路器の部材取替え又は修理工法に使用する治具の図6のC-C線端面図である。
図11】この発明の実施の形態例1の断路器の部材取替え又は修理工法に使用する治具の支持碍子受台の斜視図である。
図12】この発明の対象である断路器の正面図である。
図13】この発明の断路器の部材取替え又は修理工法の従来例を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(実施の形態例1)
まず、この発明の実施の形態例1の断路器Aの部材取替え又は修理工法に使用する治具Bを図6図11に基づいて説明する。
【0022】
この治具Bは、断路器本体から切り離した上部断路器を支持する略直方体形状の枠体から成る治具Bである。この治具B内に断路器Aの支柱3の本体から切り離した上部断路器A-1の操作碍子2の接続体を入れ、前記支持碍子1の各下端を中段ステージに固定するものである。なお、前記操作碍子2の接続体の下部のものは切り離し、所定の操作碍子2の下端部を当該治具B内で支持する。
【0023】
前記治具Bは、図6において、左右2つに分かれて分割体8a及び分割体8bから構成されており、これらの分割体8a,8bの突き合せた端部の支柱の複数箇所で接続金具9により一体に接続されて治具Bを構成している。また、各分割体8a,8bの下端には複数個のブレーキ付キャスター10を具備し、水平移動しやすいようになっている。また各分割体8a,8bを一体に接続し、所定箇所に止めた際、四隅に転倒防止用架台11を取付け、治具Bの外側に張り出す構成となっている。また、これらの各転倒防止用架台11には、高さ調整ジャッキ11aが設けられている。
【0024】
更に当該治具B内部は、五角形状の中央孔12を有する中段ステージ13、及びこの中段ステージ13の上方に上段ステージ14を夫々有している。当該上段ステージ14は、治具Bの外周に沿った足場を形成している。そして、前記中段ステージ13の中央孔12の周囲の3か所に、支持碍子受台15を設けている。
【0025】
この支持碍子受台15は、図11に示すように、断面この字型の枠体15aの上に円板15bを傾斜させて載置、固定したもので、当該円板15bの周縁にボルトを通す円弧状透孔15cを複数個穿ったものである。そしてこれらの各円弧状透孔15cを介して後述する支持碍子1の下端部をボルトで固定する構成となっている。
【0026】
また、この治具Bは、図6及び図7に示しように、複数の手摺や横桟を有し、また、ある箇所ではチェーンが掛かっている。これらの手摺や横桟等にレバーブロック(登録商標)・玉ロープ、チェーンブロック、その他の工具を吊下げておくことが出来る。さらに、当該治具B内の地面に、後述するジャッキ付台車17が出し入れ自在となっている。
【0027】
次に、この発明の実施の形態例1の断路器の部材取替え又は修理工法について図1図5に基づいて説明する。
【0028】
まず、断路器Aの一方の支柱3の、3本の各1本の支持碍子1の接続体は4個の支持碍子1を長手方向に接続したものであり、この接続体の上の二つの支持碍子1を下の二つの支持碍子1から切り離し、また、操作碍子2の接続体はその下端を基台6から切り離し、切り離した上部断路器A-1を図1の左図に示す様にクレーンで吊り上げて作業スペースに移動させる。
【0029】
そして、前記治具Bの分割体8a及び8bを、図1の右図に示す様に、事前に接続金具9で一体とした治具Bに組み立てる。その後、クレーンで吊り上げた状態の上部断路器A-1を一体化した治具Bの中に入れて、この状態で、最下端の操作碍子2及び中間ピンジョイント部7を上部断路器A-1から切り離す。
【0030】
この治具B内で、作業員が中段ステージ用梯子18を用いて中段ステージ13にのぼり、当該中段ステージ13の3個の支持碍子受台15に、前記上部断路器A-1の3本の支持碍子1の各下端部を、それぞれボルトを用いて固定する。また、ジャッキ付台車17を用いて衝撃緩衝装置付き中間ピンジョイント部7´(ダンパ)を、前記上部断路器A-1の操作碍子2の下端へボルトで固定し、また、当該衝撃緩衝装置付き中間ピンジョイント部7´をジャッキ付台車17に載置、支持する。この状態を図5は示している。
【0031】
その後、図2の左図に示す様に、上段ステージ用梯子19を用いて作業員が上段ステージにのぼり、レバーブロック(登録商標)・玉ロープ20を使用して、支持碍子1を当該治具Bに固定する。また、中段ステージ13の上や下で作業員は操作碍子2を、玉ロープ21を用いて治具Bに固定する。
【0032】
そして、前記上部断路器A-1の導電部4と支持碍子1及び操作碍子2との取付けボルトを外し、導電部4を前記上部断路器A-1から切り離す。その際、図示は省略したが、前記上部断路器A-1の重心が変化するため、チェーンブロックにより水平調整する。この様にして前記導電部4をクレーンで吊り上げ、図2の右図に示す様に、導電部4を解体スペースへ移動させ、流用品を取り外して、軽量化したブレードを有する新導電部4´に付け替える。
【0033】
次に、図3に示す様に、新導電部4´をクレーンで吊り上げて前記治具Bの上方に移動させ、前記上部断路器A-1の支持碍子1及び操作碍子2の上端に取付けボルトを用いて新導電部4´を取付け固定する。また、図示は省略したが、新導電部4´の取付けによる重心変化に合わせてチェーンブロックにて水平調整を行う。
【0034】
そして、図4の左図に示す様に、前記上部断路器A-1をクレーンで吊りながら、支持碍子1の下端と支持碍子受台15とのボルト固定を解除し、また、支持碍子1からレバーブロック(登録商標)・玉ロープ20の取り外し及び操作碍子2から玉ロープ21を取り外し、さらに、衝撃緩衝装置付き中間ピンジョイント部7´を載置していたジャッキ付台車17を外す。
【0035】
その後、クレーンで前記上部断路器A-1を吊り上げ、図4の右図の様に、衝撃緩衝装置付き中間ピンジョイント部7´の下に操作碍子2を取付け、既設の断路器Aの上部が外れた本体の上から前記上部断路器A-1を下げて、これらを再度接続する。そして、治具Bを解体する。
【0036】
なお、上記実施の形態例1では、中間ピンジョイント部7を衝撃緩衝装置付き中間ピンジョイント部7´に取替え、導電部4を軽量化したブレードを有する新導電部4´に取替える作業の工法を説明したが、これらの取替え作業に限らず、当該断路器の部材の取替え又は修理の際に、当該発明の工法は適用できる。
【0037】
また、治具Bも上記実施の形態例1のものに限らず、前記上部断路器A-1を支持固定できるものであれば、他の構成のものでも良い。また、上記実施の形態例1では治具Bの分割体8a、8bを一体に組み立てた後に、クレーンで吊るした上部断路器A-1を一体化した前記治具B内に入れているが、これに限らず、クレーンで吊るした上部断路器A-1を地上近くに下ろした状態で、治具Bの分割体8a、8bを左右から近づけ、上部断路器A-1を挟むようにして分割体8a、8b相互を接続してもよい。
【0038】
また、上記実施の形態例では、治具Bの分割体8a,8bの接続を接続金具9で接続しているが、これは他の接続部材を用いてもよい。また、前記レバーブロック(登録商標)・玉ロープ20や玉ロープ21もこれらのものに限らず、適宜のロープやワイヤーを用いて支持碍子1や操作碍子2を治具Bに固定してもよい。
【符号の説明】
【0039】
A 断路器
B 治具
1 支持碍子 2 操作碍子
3 支柱 4 導電部
4´ 新導電部 4a ブレード
4b 主接触部 4c ヒンジ部
6 基台 7 中間ピンジョイント部
7´ 衝撃緩衝装置付き中間ピンジョイント部
8a 分割体 8b 分割体
9 接続金具 10 ブレーキ付キャスター
11 転倒防止用架台 11a 高さ調整ジャッキ
12 中央孔 13 中段ステージ
14 上段ステージ 15 支持碍子受台
15a 枠体 15b 円板
15c 円弧状透孔 17 ジャッキ付台車
18 中段ステージ用梯子 19 上段ステージ用梯子
20 レバーブロック(登録商標)・玉ロープ
21 玉ロープ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13