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特許7088787バッテリ付勢装置およびバッテリ付勢装置を備える人力駆動車両
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-13
(45)【発行日】2022-06-21
(54)【発明の名称】バッテリ付勢装置およびバッテリ付勢装置を備える人力駆動車両
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/244 20210101AFI20220614BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20220614BHJP
   H01M 50/298 20210101ALI20220614BHJP
   B62J 9/00 20200101ALI20220614BHJP
   B62M 6/40 20100101ALN20220614BHJP
【FI】
H01M50/244 Z
H01M50/249
H01M50/298
B62J9/00
B62M6/40
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2018162593
(22)【出願日】2018-08-31
(65)【公開番号】P2019149364
(43)【公開日】2019-09-05
【審査請求日】2020-08-31
(31)【優先権主張番号】P 2018032114
(32)【優先日】2018-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】光安 建都
(72)【発明者】
【氏名】野田 慎一朗
【審査官】宮田 透
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-006144(JP,A)
【文献】特開平09-006487(JP,A)
【文献】実開昭57-148768(JP,U)
【文献】特開2000-011978(JP,A)
【文献】特開2012-118157(JP,A)
【文献】特開2016-159738(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20-50/298
B62J 9/00- 9/40
B62M 6/00- 6/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人力駆動車両のフレームに含まれ開口が形成されるバッテリ収容空間に、人力駆動車両のバッテリユニット保持するバッテリホルダに固定される保持部と、
前記保持部に連結され、前記バッテリユニットが前記フレームに取り付けられた状態において、前記バッテリ収容空間内に配置され、前記バッテリユニットを前記開口の外側に向けて付勢する付勢部材と、を備え、
前記バッテリホルダは、前記フレームに取り付けられ
記フレームに対する前記付勢部材の位置を調整する調整機構をさらに含む、バッテリ付勢装置。
【請求項2】
人力駆動車両のフレームに含まれ開口が形成されるバッテリ収容空間に、人力駆動車両のバッテリユニット保持するバッテリホルダに取り付けられる保持部と、
前記保持部に連結され、前記バッテリユニットが前記フレームに取り付けられた状態において、前記バッテリ収容空間内に配置され、前記バッテリユニットを前記開口の外側に向けて付勢する付勢部材と、を備え、
前記バッテリホルダは、前記フレームに着脱可能に取り付けられ、
前記保持部は、前記バッテリホルダに着脱可能に取り付けられる、バッテリ付勢装置。
【請求項3】
人力駆動車両のフレームに含まれ開口が形成されるバッテリ収容空間に、人力駆動車両のバッテリユニット保持するバッテリホルダに固定される保持部と、
前記保持部に連結され、前記バッテリユニットが前記フレームに取り付けられた状態において、前記バッテリ収容空間内に配置され、前記バッテリユニットを前記バッテリ収容空間の開口の外側に向けて付勢する付勢部材と、を備え、
前記保持部と前記付勢部材との少なくとも一方は、前記バッテリユニットが前記フレームに取り付けられた状態において、前記フレームの長手方向から見て、前記フレーム及び前記バッテリホルダの一方に設けられたバッテリホルダ取付部と少なくとも部分的にオーバーラップするように配置され、
前記バッテリホルダは、前記フレームに取り付けられ
記フレームに対する前記付勢部材の位置を調整する調整機構をさらに含む、バッテリ付勢装置。
【請求項4】
人力駆動車両のフレームに含まれ開口が形成されるバッテリ収容空間に、人力駆動車両のバッテリユニット保持するバッテリホルダに取り付けられる保持部と、
前記保持部に連結され、前記バッテリユニットが前記フレームに取り付けられた状態において、前記バッテリ収容空間内に配置され、前記バッテリユニットを前記バッテリ収容空間の開口の外側に向けて付勢する付勢部材と、を備え、
前記保持部と前記付勢部材との少なくとも一方は、前記バッテリユニットが前記フレームに取り付けられた状態において、前記フレームの長手方向から見て、前記フレーム及び前記バッテリホルダの一方に設けられたバッテリホルダ取付部と少なくとも部分的にオーバーラップするように配置され、
前記バッテリホルダは、前記フレームに着脱可能に取り付けられ、
前記保持部は、前記バッテリホルダに着脱可能に取り付けられる、バッテリ付勢装置。
【請求項5】
前記保持部と前記付勢部材との少なくとも一方は、前記バッテリホルダ取付部と、前記バッテリユニットの長手方向中心線との間に配置される、請求項3または4に記載のバッテリ付勢装置。
【請求項6】
前記バッテリホルダ取付部は、第1バッテリホルダ取付部と前記フレームの長手方向において前記第1バッテリホルダ取付部と反対側に配置される第2バッテリホルダ取付部とを含み、
前記第1バッテリホルダ取付部に、ロック機構を有する第1バッテリホルダが取り付けられ、
前記保持部と前記付勢部材との少なくとも一方は、前記第1バッテリホルダと前記バッテリユニットの長手方向中心線との間に配置される、請求項5に記載のバッテリ付勢装置。
【請求項7】
前記第2バッテリホルダ取付部に、前記バッテリユニットの回転支持機構を有する第2バッテリホルダが取り付けられ、
前記保持部と前記付勢部材との少なくとも一方は、前記第1バッテリホルダと前記第2バッテリホルダとの間に配置される、請求項6に記載のバッテリ付勢装置。
【請求項8】
人力駆動車両のフレームに含まれ開口が形成されるバッテリ収容空間に、人力駆動車両のバッテリユニット保持するバッテリホルダに固定される保持部と、
前記保持部に連結され、前記バッテリユニットが前記バッテリユニットの両端に隣接して配置される第1バッテリホルダと第2バッテリホルダとを介して前記バッテリ収容空間内に取り付けられた状態において、前記バッテリユニットを前記バッテリ収容空間の開口の外側に向けて付勢する付勢部材と、を備え、
前記保持部と前記付勢部材との少なくとも一方は、前記バッテリ収容空間内において、前記バッテリユニットと前記フレームの内周面との間で、かつ、前記第1バッテリホルダおよび前記第2バッテリホルダ間に連続的に形成される間隙に配置され、
前記バッテリホルダは、前記フレームに取り付けられ
記フレームに対する前記付勢部材の位置を調整する調整機構をさらに含む、バッテリ付勢装置。
【請求項9】
人力駆動車両のフレームに含まれ開口が形成されるバッテリ収容空間に、人力駆動車両のバッテリユニット保持するバッテリホルダに取り付けられる保持部と、
前記保持部に連結され、前記バッテリユニットが前記バッテリユニットの両端に隣接して配置される第1バッテリホルダと第2バッテリホルダとを介して前記バッテリ収容空間内に取り付けられた状態において、前記バッテリユニットを前記バッテリ収容空間の開口の外側に向けて付勢する付勢部材と、を備え、
前記保持部と前記付勢部材との少なくとも一方は、前記バッテリ収容空間内において、前記バッテリユニットと前記フレームの内周面との間で、かつ、前記第1バッテリホルダおよび前記第2バッテリホルダ間に連続的に形成される間隙に配置され、
前記バッテリホルダは、前記フレームに着脱可能に取り付けられ、
前記保持部は、前記バッテリホルダに着脱可能に取り付けられる、バッテリ付勢装置。
【請求項10】
前記間隙は、ケーブルを収容可能に形成され、前記保持部と前記付勢部材との少なくとも一方は、前記ケーブルと隣接して配置される、請求項8または9に記載のバッテリ付勢装置。
【請求項11】
前記ケーブルは、複数のケーブルを含み、前記保持部と前記付勢部材との少なくとも一方は、前記複数のケーブルの間に配置される、請求項10に記載のバッテリ付勢装置。
【請求項12】
前記フレームに対する前記付勢部材の位置を調整する調整機構をさらに含む、請求項2、4、または9のいずれか一項に記載のバッテリ付勢装置。
【請求項13】
前記調整機構は、前記保持部および前記バッテリホルダの一方に設けられる長孔と、前記保持部および前記バッテリホルダの他方に設けられるねじ部と、を含む、請求項1、3、8、または12に記載のバッテリ付勢装置。
【請求項14】
前記付勢部材は、コイルスプリングを含む、請求項1から13のいずれか一項に記載のバッテリ付勢装置。
【請求項15】
前記付勢部材は、複数の付勢部材を含む、請求項1から14のいずれか一項に記載のバッテリ付勢装置。
【請求項16】
前記付勢部材は、前記バッテリユニットが前記フレームに取り付けられた状態での圧縮状態において、前記バッテリユニットと前記フレームの内周面との間に形成される間隙以内の寸法になる、請求項1から15のいずれか一項に記載のバッテリ付勢装置。
【請求項17】
前記保持部は、前記付勢部材を支持する付勢部材支持部と、前記バッテリホルダに固定される固定部とを有する、請求項1から16のいずれか一項に記載のバッテリ付勢装置。
【請求項18】
前記付勢部材は、弾性変形可能な付勢部と、前記保持部に係合する係合部とを有する、請求項17に記載のバッテリ付勢装置。
【請求項19】
前記フレームと、
前記フレームの前記バッテリ収容空間内に取り付けられる前記バッテリユニットと、
前記バッテリホルダと、
前記バッテリユニットからの電力により駆動するドライブユニットと、
請求項1から18のいずれか一項に記載のバッテリ付勢装置と、を備える、人力駆動車両。
【請求項20】
前記バッテリホルダは、第1保持位置において前記バッテリ収容空間に配置された前記バッテリユニットの第1端部に対向する基部と、前記基部に設けられる第1保持部および第2保持部と、を含み、
前記第1保持部は、前記バッテリユニットに設けられる被保持部に接触することによって前記バッテリユニットを前記第1保持位置に保持する第1位置、および、前記被保持部から離間する第2位置の間を変位可能であり、
前記第2保持部は、前記バッテリユニットを前記バッテリホルダから取り外す方向において、前記第1保持部よりも下流側に少なくとも一部が配置され、前記第1保持位置よりも下流側の第2保持位置に前記バッテリユニットを保持可能である、請求項19に記載の人力駆動車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリユニットを付勢するバッテリ付勢装置およびバッテリ付勢装置を備える人力駆動車両に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、次の技術が開示されている。ホルダからバッテリユニットを取り外す過程において、バッテリユニットが、ホルダに保持される位置である第1の位置から変位し、一旦、第2の位置に保持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-6144号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、バッテリユニットの取り外しにおいて、さらに、バッテリユニットを簡単に取り外せることが望ましい。そこで、簡単にバッテリユニットの取外しが出来るバッテリ付勢装置およびバッテリ付勢装置を備える人力駆動車両を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1側面に従うバッテリ付勢装置は、開口が形成されるバッテリ収容空間を含む人力駆動車両のフレーム、人力駆動車両のバッテリユニット、および、前記バッテリユニットを前記バッテリ収容空間に保持するバッテリホルダ、のいずれか一つに固定される保持部と、前記保持部に連結され、前記バッテリユニットが前記フレームに取り付けられた状態において、前記バッテリ収容空間内に配置され、前記バッテリユニットを前記開口の外側に向けて付勢する付勢部材と、を備える。第1側面に従うバッテリ付勢装置によれば、付勢部材の付勢力によりバッテリユニットをフレームから取り外し易くできる。
【0006】
本開示の第2側面に従うバッテリ付勢装置は、バッテリ収容空間を含む人力駆動車両のフレーム、人力駆動車両のバッテリユニット、および、前記バッテリユニットを前記バッテリ収容空間に保持するバッテリホルダ、のいずれか一つに固定される保持部と、前記保持部に連結され、前記バッテリユニットが前記フレームに取り付けられた状態において、前記バッテリ収容空間内に配置され、前記バッテリユニットを前記バッテリ収容空間の開口の外側に向けて付勢する付勢部材と、を備え、前記保持部と前記付勢部材との少なくとも一方は、前記バッテリユニットが前記フレームに取り付けられた状態において、前記フレームの長手方向から見て、前記フレーム及び前記バッテリホルダの一方に設けられたバッテリホルダ取付部と少なくとも部分的にオーバーラップするように配置される。第2側面に従うバッテリ付勢装置によれば、バッテリホルダ取付部を設けるためにバッテリユニットとフレームの間に形成される空間を利用してバッテリ付勢装置を配置することができるので、フレームの小型化を図ることができる。
【0007】
本開示の第3側面に従うバッテリ付勢装置は、バッテリ収容空間を含む人力駆動車両のフレームと、人力駆動車両のバッテリユニットと、第1バッテリホルダおよび第2バッテリホルダを備え、かつ、前記バッテリユニットを前記バッテリ収容空間に保持するバッテリホルダと、のいずれか一つに固定される保持部と、前記保持部に連結され、前記バッテリユニットが前記バッテリユニットの両端に隣接して配置される前記第1バッテリホルダと前記第2バッテリホルダとを介して前記バッテリ収容空間内に取り付けられた状態において、前記バッテリユニットを前記バッテリ収容空間の開口の外側に向けて付勢する付勢部材と、を備え、前記保持部と前記付勢部材との少なくとも一方は、前記バッテリ収容空間内において、前記バッテリユニットと前記フレームの内周面との間で、かつ、前記第1バッテリホルダおよび第2バッテリホルダ間に連続的に形成される間隙に配置される。第3側面に従うバッテリ付勢装置によれば、バッテリユニットとフレームの間に形成される間隙(例えば配線空間)を利用してバッテリ付勢装置を配置することができるので、フレームの小型化を図ることができる。
【0008】
前記第3側面に従う第4側面のバッテリ付勢装置において、前記間隙は、ケーブルを収容可能に形成され、前記保持部と前記付勢部材との少なくとも一方は、前記ケーブルと隣接して配置される。第4側面に従うバッテリ付勢装置によれば、フレームとバッテリユニットの間のケーブルを通す空間を利用してバッテリ付勢装置を配置できる。
【0009】
前記第4側面に従う第5側面のバッテリ付勢装置において、前記ケーブルは、複数のケーブルを含み、前記保持部と前記付勢部材との少なくとも一方は、前記複数のケーブルの間に配置される。第5側面に従うバッテリ付勢装置によれば、フレームとバッテリユニットの間のケーブルを通す空間を利用してバッテリ付勢装置を配置できる。
【0010】
前記第2側面に従う第6側面のバッテリ付勢装置において、前記保持部と前記付勢部材との少なくとも一方は、前記バッテリホルダ取付部と、前記バッテリユニットの長手方向中心線との間に配置される。第6側面に従うバッテリ付勢装置によれば、バッテリユニットの長手方向中心に対して端部側にバッテリ付勢装置を配置できる。
【0011】
前記第6側面に従う第7側面のバッテリ付勢装置において、前記バッテリホルダ取付部は、第1バッテリホルダ取付部と前記フレームの長手方向において前記第1バッテリホルダ取付部と反対側に配置される第2バッテリホルダ取付部とを含み、前記第1バッテリホルダ取付部に、ロック機構を有する第1バッテリホルダが取り付けられ、前記保持部と前記付勢部材との少なくとも一方は、前記第1バッテリホルダと前記バッテリユニットの長手方向中心線との間に配置される。第7側面に従うバッテリ付勢装置によれば、ロック機構が設けられるバッテリホルダ側にバッテリ付勢装置を配置できるので、ロック機構を解除したときにバッテリユニットを外しやすくなる。
【0012】
前記第7側面に従う第8側面のバッテリ付勢装置において、前記第2バッテリホルダ取付部に、前記バッテリユニットの回転支持機構を有する第2バッテリホルダが取り付けられ、前記保持部と前記付勢部材との少なくとも一方は、前記第1バッテリホルダと前記第2バッテリホルダとの間に配置される。第8側面に従うバッテリ付勢装置によれば、回転支持機構から離れた位置で付勢できるので、付勢力によるモーメントを大きくすることができる。
【0013】
前記第1~第8側面のいずれか1つに従う第9側面のバッテリ付勢装置において、前記付勢部材は、コイルスプリングを含む。第9側面に従うバッテリ付勢装置によれば、フレームとバッテリユニットの間の空間が比較的大きい場合でも確実にバッテリ付勢装置をバッテリユニットに当接させることができる。
【0014】
前記第1~第9側面のいずれか1つに従う第10側面のバッテリ付勢装置において、前記付勢部材は、複数の付勢部材を含む。第10側面に従うバッテリ付勢装置によれば、大きい付勢力を発生させることができる。
【0015】
前記第1~第10側面のいずれか1つに従う第11側面のバッテリ付勢装置において、前記付勢部材は、前記バッテリユニットが前記フレームに取り付けられた状態での圧縮状態において、前記バッテリユニットと前記フレームの内周面との間に形成される間隙以内の寸法になる。第11側面に従うバッテリ付勢装置によれば、確実にバッテリユニットをバッテリ収容空間に収容することができる。
【0016】
前記第1~第11側面のいずれか1つに従う第12側面のバッテリ付勢装置において、前記保持部は、前記付勢部材を支持する付勢部材支持部と、前記フレーム、前記バッテリユニット、および、前記バッテリホルダ、のいずれか一つに固定される固定部とを有する。第12側面に従うバッテリ付勢装置によれば、保持部を介してバッテリ付勢装置を固定することができる。
【0017】
前記第12側面に従う第13側面のバッテリ付勢装置において、前記付勢部材は、弾性変形可能な付勢部と、前記保持部に係合する係合部とを有する。第13側面に従うバッテリ付勢装置によれば、保持部を介してバッテリ付勢装置を固定することができる。
【0018】
前記第1~第13側面のいずれか1つに従う第14側面のバッテリ付勢装置において、前記保持部は、前記フレームに固定される。第14側面に従うバッテリ付勢装置によれば、バッテリユニットを取り外したときにバッテリ付勢装置がバッテリユニットから分離できるので、邪魔にならない。
【0019】
前記第1~第13側面のいずれか1つに従う第15側面のバッテリ付勢装置において、前記保持部は、前記バッテリユニットに固定される。第15側面に従うバッテリ付勢装置によれば、フレームにバッテリ付勢装置を取り付けるための構造を設ける必要がない。
【0020】
前記第1~第13側面のいずれか1つに従う第16側面のバッテリ付勢装置において、前記保持部は、前記バッテリホルダに固定される。第16側面に従うバッテリ付勢装置によれば、バッテリユニットとフレームとの間にバッテリ付勢装置を配置する空間を設ける必要がないので、フレームを小型化できる。
【0021】
前記第16側面に従う第17側面のバッテリ付勢装置において、前記フレームに対する前記付勢部材の位置を調整する調整機構をさらに含む。第17側面に従うバッテリ付勢装置によれば、バッテリ付勢装置をフレームに対して適切な位置に配置することができる。
【0022】
前記第17側面に従う第18側面のバッテリ付勢装置において、前記調整機構は、前記保持部および前記バッテリホルダの一方に設けられる長孔と、前記保持部および前記バッテリホルダの他方に設けられるねじ部と、を含む。第18側面に従うバッテリ付勢装置によれば、長孔とねじ部とを介して、フレームに対する付勢部材の位置を簡単に調整できる。
【0023】
本開示の第19側面に従う人力駆動車両は、前記フレームと、前記フレームの前記バッテリ収容空間内に取り付けられる前記バッテリユニットと、前記バッテリホルダと、前記バッテリユニットからの電力により駆動するドライブユニットと、前記第1~18側面のいずれか1つに記載のバッテリ付勢装置と、を備える。第19側面に従うバッテリ付勢装置によれば、バッテリユニットを取り外しやすいアシストバイクを提供することができる。
【0024】
前記第19に従う第20側面の人力駆動車両において、前記バッテリホルダは、第1保持位置において前記バッテリ収容空間に配置された前記バッテリユニットの第1端部に対向する基部と、前記基部に設けられる第1保持部および第2保持部と、を含み、前記第1保持部は、前記バッテリユニットに設けられる被保持部に接触することによって前記バッテリユニットを前記第1保持位置に保持する第1位置、および、前記被保持部から離間する第2位置の間を変位可能であり、前記第2保持部は、前記バッテリユニットを前記バッテリホルダから取り外す方向において、前記第1保持部よりも下流側に少なくとも一部が配置され、前記第1保持位置よりも下流側の第2保持位置に前記バッテリユニットを保持可能である。第20側面に従うバッテリ付勢装置によれば、バッテリが付勢装置の付勢力により飛び出してきたとしても第2保持位置でバッテリユニットを保持できるので、バッテリユニットの不用意な落下を防止することができる。
【発明の効果】
【0025】
本開示のバッテリ付勢装置およびバッテリ付勢装置を備える人力駆動車両によれば、簡単にバッテリユニットの取外しが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】第1実施形態の人力駆動車両の側面図。
図2】バッテリコンポーネントの斜視図。
図3】バッテリコンポーネントの分解斜視図。
図4】第1バッテリホルダの斜視図。
図5】第1バッテリホルダの分解斜視図。
図6】接触部が第1位置にある、ロック機構の模式図。
図7】接触部が第2位置にある、ロック機構の模式図。
図8】第2保持位置に配置されたバッテリユニットと第1バッテリホルダとの位置関係を示す模式図。
図9】第2バッテリホルダの斜視図。
図10】第2バッテリホルダの側面図。
図11】バッテリユニットの第1端部の斜視図。
図12】バッテリユニットの第2端部の斜視図。
図13図2の13-13線に沿うバッテリコンポーネントの断面図。
図14図2の13-13線に沿うバッテリコンポーネントの前側部分の断面図。
図15図2の13-13線に沿うバッテリコンポーネントの後側部分の断面図。
図16図13の16-16線に沿うバッテリコンポーネントの断面図。
図17】バッテリ付勢装置の分解斜視図。
図18図17の視点の反対の視点から見た、バッテリ付勢装置の保持部の斜視図。
図19】バッテリユニットの取り出し状態において、バッテリコンポーネントの断面図。
図20】第2実施形態のバッテリコンポーネントの断面図。
図21】第2実施形態の第1バッテリホルダ、保持部、および、バッテリ付勢装置の斜視図。
図22】第2実施形態の保持部の斜視図。
図23】バッテリ付勢装置の変形例の断面図。
図24】バッテリ付勢装置の変形例の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(第1実施形態)
図1を参照して、バッテリ付勢装置を含む人力駆動車両Aについて説明する。
ここで、人力駆動車両Aは、走行のための原動力に関して、少なくとも部分的に人力を用いる車両を意味し、電動で人力を補助する車両を含む。人力以外の原動力のみを用いる車両は、人力駆動車両Aには含まれない。特に、内燃機関のみを原動力に用いる車両は、人力駆動車両Aには含まれない。通常、人力駆動車両Aには、小型軽車両が想定され、公道での運転に免許を要しない車両が想定される。図示される人力駆動車両Aは、電気エネルギーを用いて人力駆動車両Aの推進を補助する電動補助ユニットEを含む自転車(e-bike)である。具体的には、図示される人力駆動車両Aは、トレッキングバイクである。人力駆動車両Aは、フレームA1、フロントフォークA2、前輪WF、後輪WR、ハンドルH、および、ドライブトレインBをさらに含む。
【0028】
ドライブトレインBは、チェーンドライブタイプに構成される。ドライブトレインBは、クランクC、フロントスプロケットD1、リアスプロケットD2、および、チェーンD3を含む。クランクCは、フレームA1に回転可能に支持されるクランク軸C1、および、クランク軸C1の両端部のそれぞれに設けられる一対のクランクアームC2を含む。各クランクアームC2の先端には、ペダルPDが回転可能に取り付けられる。ドライブトレインBは、任意のタイプから選択でき、ベルトドライブタイプ、または、シャフトドライブタイプであってもよい。
【0029】
フロントスプロケットD1は、クランク軸C1と一体に回転するようにクランクCに設けられる。リアスプロケットD2は、後輪WRのハブHRに設けられる。チェーンD3は、フロントスプロケットD1およびリアスプロケットD2に巻き掛けられる。人力駆動車両Aに搭乗するユーザによってペダルPDに加えられる駆動力は、フロントスプロケットD1、チェーンD3、および、リアスプロケットD2を介して後輪WRに伝達される。
【0030】
人力駆動車両Aは、電動補助ユニットE(ドライブユニット)をさらに含む。電動補助ユニットEは、人力駆動車両Aの推進力がアシストされるように動作する。電動補助ユニットEは、例えばペダルPDに加えられる駆動力に応じて動作する。電動補助ユニットEは、電気モータE1を含む。電動補助ユニットEは、人力駆動車両Aに搭載されるバッテリユニット60から供給される電力によって駆動される。人力駆動車両Aは、電動補助ユニットEを省略してもよい。
【0031】
人力駆動車両Aは、バッテリコンポーネント1をさらに含む。バッテリコンポーネント1は、人力駆動車両AのフレームA1のいずれかのチューブに設けられる。本実施形態では、バッテリコンポーネント1は、フレームA1のダウンチューブDTに設けられる。
【0032】
図2および図3に示されるように、フレームA1は、開口DT2が形成されるバッテリ収容空間DT1を含む。開口DT2は、人力駆動車両Aの直立状態においてバッテリ収容空間DT1の側方のいずれか一方、下方、または、上方に形成される。バッテリコンポーネント1は、例えばダウンチューブDTのバッテリ収容空間DT1に少なくとも一部が収容された状態で使用される。本実施形態では、ダウンチューブDTに、人力駆動車両Aが平地に置かれた状態で下方に開口する開口DT2が設けられる。開口DT2の大きさは、バッテリコンポーネント1をバッテリ収容空間DT1に挿入可能な大きさである。バッテリコンポーネント1は、ダウンチューブDTとは別のフレームA1、または、フロントフォークA2等に設けられてもよい。
【0033】
図3を参照して、バッテリコンポーネント1の構成について説明する。
バッテリコンポーネント1は、バッテリホルダ10およびバッテリユニット60を含む。バッテリホルダ10は、バッテリユニット60を保持可能に構成される。バッテリホルダ10は、例えばダウンチューブDTのバッテリ収容空間DT1に収容された状態でダウンチューブDTに取り付けられる。具体的には、バッテリホルダ10は、ダウンチューブDTのバッテリホルダ取付部95にボルトまたはリベットにより固定される。バッテリユニット60は、1つまたは複数のバッテリセル(図示略)を収容する。バッテリユニット60は長尺状であり、断面が少なくとも部分的にダウンチューブDTの断面形状に沿った形状を含む。バッテリユニット60の形状は、円筒状や直方体でもよく、長尺状にも限定されない。バッテリユニット60は、第1端部61および第2端部65を含む。第1端部61は、バッテリユニット60の長手方向における一方の端部である。第1端部61は、第1端面61Aを含む。第2端部65は、バッテリユニット60の長手方向における他方の端部である。第2端部65は、第2端面65Aを含む。
【0034】
バッテリコンポーネント1は、バッテリユニット60を保護するカバー69をさらに含む。カバー69の形状は、人力駆動車両AのダウンチューブDTの形状に沿う。具体的には、カバー69の形状は、バッテリユニット60がバッテリホルダ10に保持され、かつ、カバー69がバッテリユニット60に取り付けられた状態において、ダウンチューブDTと実質的に面一(シームレス)となる形状である。
【0035】
バッテリホルダ10は、バッテリユニット60の第1端部61を保持する第1バッテリホルダ12をさらに備える。第1バッテリホルダ12は、例えば人力駆動車両AのダウンチューブDT内において、人力駆動車両Aの前方側(ヘッドチューブ側)に配置される。バッテリホルダ10は、バッテリユニット60の第2端部65を保持する第2バッテリホルダ32を備える。第2バッテリホルダ32は、例えば人力駆動車両AのダウンチューブDT内において、人力駆動車両Aの後方側に配置される。人力駆動車両AのダウンチューブDT内において、第2バッテリホルダ32が人力駆動車両Aの前方側に配置され、第1バッテリホルダ12が人力駆動車両Aの後方側に配置されてもよい。以下の説明では、第1方向DXは、第2バッテリホルダ32から第1バッテリホルダ12に向かう方向および第1バッテリホルダ12から第2バッテリホルダ32に向かう方向である。本実施形態では、第1方向DXは、バッテリユニット60の長手方向に沿った方向である。第2方向DYは、第1方向DXに直交する方向である。本実施形態では、人力駆動車両Aの左右方向に沿った方向である。第1バッテリホルダ12は、バッテリユニット60の長手方向の一端に隣接して配置される。第2バッテリホルダ32は、バッテリユニット60の長手方向の他端に隣接して配置される。
【0036】
図3図5に示す第1バッテリホルダ12は、バッテリユニット60の第1端部61に対向する基部13と、基部13に設けられる第1保持部13Aおよび第2保持部13Bと、を含む。第1バッテリホルダ12の第1保持部13Aは、バッテリ収容空間DT1に収容される第1保持位置で、バッテリユニット60を保持する。第2保持部13Bは、バッテリユニット60の一部がバッテリ収容空間DT1から出される第2保持位置で、バッテリユニット60を保持する。以下、第1バッテリホルダ12の一例を説明する。
【0037】
図4に示されるように、第1バッテリホルダ12の基部13は、人力駆動車両AのフレームA1に取り付けられる支持部材16を含む。支持部材16は、バッテリユニット60の第1端部61と接触する第1支持面18Aを含む。支持部材16は、第1支持部材18および第2支持部材20をさらに含む。第1支持部材18は、第1支持面18Aを含む。第1支持部材18は、第2支持部材20に取り付けられる。第1支持部材18は、例えば4本のボルトBT1によって第2支持部材20に取り付けられる。第2支持部材20は、例えば2本のボルトBT2によってダウンチューブDTの第1バッテリホルダ取付部96に取り付けられる。
【0038】
図5に示されるように、第1支持部材18は、貫通孔18Bをさらに含む。貫通孔18Bは、第1方向DXにおいて第1支持部材18を貫通する。貫通孔18Bは、例えば第2方向DYにおける第1支持部材18の中央に設けられる。第1支持部材18は、さらに、後述の取り外し補助機構70の一部を構成する第1突出部71を含む。第1突出部71は、第2バッテリホルダ32に向かって突出する。第1突出部71は、バッテリユニット60の第2突出部72との係合により、バッテリユニット60を第2保持位置で保持する(図19参照)。第2保持位置は、バッテリユニット60がバッテリ収容空間DT1に収容されている状態から、バッテリユニット60の一部がバッテリ収容空間DT1から出るときの、バッテリユニット60の位置を示す。第1突出部71は、上述の第2保持部13Bの一例である。
【0039】
第1バッテリホルダ12は、バッテリユニット60を第2バッテリホルダ32側に付勢する第1付勢部材14をさらに備える。第1付勢部材14は、支持部材16の第1支持面18Aに設けられる。本実施形態では、第1付勢部材14は2つである。2つの第1付勢部材14は、例えば第2方向DYにおいて貫通孔18Bを間に配置するように第1支持面18Aに設けられる。第1付勢部材14は、第1弾性部材14Aを含む。第1弾性部材14Aは、ゴムを含む。第1付勢部材14の大きさ等は、第1方向DXにおけるバッテリユニット60の製造公差の範囲に応じて設定される。
【0040】
第1バッテリホルダ12は、接触面22Aがバッテリユニット60の第1端部61と接触するように第1付勢部材14に取り付けられる接触部材22をさらに備える。接触部材22は、例えば2つの第1付勢部材14のそれぞれに取り付けられる。接触部材22の接触面22Aは、第1付勢部材14よりも摩擦係数が低い。接触面22Aを構成する材料は、金属または樹脂を含む。一例では、接触部材22はステンレスを含む。第1バッテリホルダ12は、バッテリユニット60をバッテリホルダ10に保持させるためのロック機構24をさらに備える。
【0041】
図5に示されるように、ロック機構24は、バッテリユニット60の第1端面61Aと接触するように支持部材16に対して変位可能な接触部25、所定操作によって接触部25を変位させるシリンダ24A、所定操作を接触部25の動作に変換するカム機構26、および、シリンダ24Aを覆うハウジング28を含む。接触部25は、上述の第1保持部13Aの一例である。本実施形態では、接触部25は、第1方向DXに延びるラッチである。本実施形態では、接触部25は、支持部材16に対して第1方向DXに直線運動するように設けられる。所定操作の一例は、キーユニット(図示略)による操作(以下、「キー操作」)である。
【0042】
シリンダ24Aは、キーユニットを挿入可能な挿入孔24Bを含む。挿入孔24Bは、シリンダ24Aの外端面24Cに設けられる。シリンダ24Aの挿入孔24Bは、例えば人力駆動車両Aの左側方を向くように設けられ、ダウンチューブDTに設けられる貫通孔(図示略)を介して外部に露出する。シリンダ24Aは、キー操作によって支持部材16に対して回転可能にハウジング28に支持される。ハウジング28は、第2支持部材20内に設けられる。ハウジング28は、例えば2本のボルトBT3によって第2支持部材20に取り付けられる。
【0043】
図6に示されるように、カム機構26は、第1カム26Aおよび第2カム26Bを含む。第1カム26Aは、棒状に延びるロッド部材を含む。具体的には、第1カム26Aは、第2方向DYに沿って延びるように配置される円柱状の部材である。第1カム26Aは、シリンダ24Aにおいて外端面24Cの反対側の内端面(図示略)に設けられる。第1カム26Aの中心軸心CA1は、シリンダ24Aの中心軸心CA2に対してオフセットしている。シリンダ24Aの中心軸心CA2は、キーユニットの回転軸心TR1と同軸である。キーユニットの回転軸心TR1は、例えば第1方向DXと直交する。本実施形態では、キーユニットの回転軸心TR1は第2方向DYに沿う。第1カム26Aは、例えばハウジング28に設けられる溝28Aに挿入され、キー操作によって溝28Aの両端部間を移動する。溝28Aは、回転軸心TR1を中心とする円弧に沿った外形を有する。
【0044】
第2カム26Bは、第1カム26Aと係合するように接触部25に設けられる。第2カム26Bは、第1カム26Aと係合するカム面26Cを含む。カム面26Cは、第1カム26Aの回転運動を直線運動に変換する面である。本実施形態では、カム面26Cは、第1方向DXに直交する方向(第2方向DY)から見て湾曲した形状を含む曲面である。第2カム26Bは、例えばカム面26Cが第1方向DXと交差する方向に延びるように接触部25に設けられる。第2カム26Bは、接触部25と一体であってもよく、接触部25と別体であってもよい。本実施形態では、第2カム26Bは、接触部25と別体であり、ボルトBT4によって接触部25に取り付けられる。
【0045】
接触部25は、バッテリユニット60の第1端面61Aに設けられる被保持部62を支持する支持面25Aを含む。本実施形態では、支持面25Aは、接触部25の上面である。接触部25は、第1カム26Aの移動に基づく第2カム26Bの動作によって直線運動する。具体的には、接触部25は、第1支持部材18の貫通孔18Bを挿通するように第1方向DXに変位可能に設けられる。すなわち、接触部25が変位する方向は、キーユニットの回転軸心TR1と直交する。
【0046】
接触部25は、バッテリユニット60の被保持部62を支持面25Aによって支持可能な第1位置と、被保持部62を支持しない第2位置との間を変位可能に設けられる。第1位置は、接触部25がバッテリユニット60を第1保持位置に保持するように、接触部25がバッテリユニット60の被保持部62に接触するときの、接触部25の位置を示す。第2位置は、バッテリユニット60がバッテリ収容空間DT1から出ることができるように、接触部25が被保持部62から離間するときの、接触部25の位置を示す。接触部25は、第1位置に配置される状態において、第1支持部材18の第1支持面18Aから貫通孔18Bを介して第2バッテリホルダ32方向に突出する。接触部25は、第2位置に配置される状態において、第1位置よりも第2バッテリホルダ32から遠い位置に配置される。接触部25は、第2位置に配置される状態において、貫通孔18Bに対して第1バッテリホルダ12の内側に配置される。接触部25は、例えば付勢部材(図示略)によって第1位置に付勢される。一例では、付勢部材(図示略)は、接触部25を第2位置から第1位置に向けて付勢するように、接触部25とハウジング28との間に設けられる。図6に示されるロック機構24は、接触部25が第1位置に配置される状態を示す。図7に示されるロック機構24は、接触部25が第2位置に配置される状態を示す。
【0047】
接触部25、および、バッテリユニット60の第1端面61Aは、バッテリホルダ10へのバッテリユニット60の取り付けを妨げにくいように構成される。接触部25は、支持面25Aに対して傾斜する傾斜面25Bをさらに含む。傾斜面25Bは、バッテリユニット60の第1端面61Aと接触することによって、接触部25が第2位置に向けて変位するように構成される。具体的には、バッテリユニット60がバッテリホルダ10に取り付けられる過程において、第1端面61Aと傾斜面25Bとが接触することによって、接触部25が第2位置に向けて変位する。そして、バッテリユニット60の第1端面61Aと傾斜面25Bとの接触が解除されることによって、接触部25が付勢部材(図示略)から受ける力によって第1位置に変位し、バッテリユニット60の被保持部62が支持面25Aによって支持される。
【0048】
図6図8を参照して、ロック解除に基づくバッテリユニット60の取り外しについて説明する。シリンダ24Aに対してキーユニットが挿入されていない、または回転操作されていない場合、付勢部材(図示略)による付勢力によって接触部25が第2位置から第1位置に変位している。この場合、接触部25の支持面25Aがバッテリユニット60の被保持部62を支持可能な状態が形成され、バッテリユニット60がバッテリホルダ10に保持される。
【0049】
キーユニットを一方向に回転させると、シリンダ24Aが回転するとともに第1カム26Aが溝28Aに沿って移動し、第1カム26Aが第2カム26Bを押すことによって接触部25が第1位置から第2位置に変位する。この場合、バッテリホルダ10からバッテリユニット60を取り外し可能な状態が形成される。バッテリユニット60は、後述のバッテリ付勢装置80によりバッテリユニット60がバッテリ収容空間DT1から出るように付勢されるため、バッテリユニット60が旋回しつつ(後述参照)、バッテリユニット60の第1端部61が、バッテリ収容空間DT1から出る。そして、バッテリユニット60が第2保持位置まで回転すると、バッテリユニット60の第1端部61の第2突出部72が、第1バッテリホルダ12の第1突出部71に係合し、バッテリユニット60の旋回が止まる。このようにして、バッテリユニット60の取り出しにおいて、バッテリユニット60は、バッテリユニット60が取り出されるときの移動経路の途中で、一旦、保持される。
【0050】
図9に示される第2バッテリホルダ32は、バッテリユニット60の第2端部65と接触する第2支持面34Aを含み、人力駆動車両AのフレームA1に対して移動可能な可動部材34と、可動部材34をバッテリユニット60側に付勢する第2付勢部材48とを備える。可動部材34は、人力駆動車両AのフレームA1に対して第1方向DXに移動可能である。可動部材34は、バッテリユニット60の第2端部65に設けられる端子65B(図12参照)と連結するコネクタ36をさらに含む。コネクタ36は、可動部材34の第2支持面34Aから突出するように設けられる。バッテリユニット60の端子65Bとコネクタ36とが連結されるようにバッテリユニット60がバッテリホルダ10に保持されることによって、バッテリユニット60と人力駆動車両Aに搭載される各種の電気的な要素とが電気的に接続される。人力駆動車両Aに搭載される各種の電気的な要素は、バッテリユニット60を電力供給源とする要素である。
【0051】
第2バッテリホルダ32は、回転支持機構33を備える。回転支持機構33は、バッテリユニット60がバッテリ収容空間DT1から出されるとき、第2端部65側を支点としてバッテリユニット60が旋回するように支持する。回転支持機構33は、係合部38を含む。係合部38は、バッテリユニット60の第2端部65と係合する。係合部38は、可動部材34の第2支持面34Aから突出するように設けられる。係合部38は、第1係合部40および一対の第2係合部42を含む。第1係合部40は、例えば可動部材34の第2支持面34Aにおいて、コネクタ36に対してダウンチューブDTの開口DT2側に設けられる。本実施形態では、第1係合部40は、コネクタ36の下方に設けられる。第1係合部40は、バッテリホルダ10に対するバッテリユニット60の着脱作業において、バッテリユニット60を旋回させるための旋回支点を構成する。第1係合部40の先端部40Aは、丸みを帯びた形状を有する。
【0052】
一対の第2係合部42は、例えば可動部材34の第2支持面34Aにおいて、コネクタ36を間に配置するようにコネクタ36の側方にそれぞれ設けられる。一例では、第2係合部42のうちの開口DT2側の面(以下、「底面42A」)は、第1方向DXに沿うように延びる(図10参照)。好ましい例では、第2係合部42の底面42Aは、上方に凸の円弧形状である。さらに好ましい例では、第2係合部42の底面42Aにおける円弧の中心は、第1係合部40の旋回支点における旋回中心AR(図10参照)と実質的に一致する。この構成では、バッテリホルダ10に対するバッテリユニット60の着脱がスムーズに案内され、バッテリユニット60をバッテリホルダ10に対して容易に着脱できる。
【0053】
第2バッテリホルダ32は、人力駆動車両AのフレームA1に取り付けられる基礎部材50をさらに備える。基礎部材50は、例えば2本のボルトBT5によってダウンチューブDTの第2バッテリホルダ取付部97に取り付けられる。
【0054】
第2付勢部材48は、基礎部材50と可動部材34との間に設けられる。具体的には、第1方向DXにおいて、第2付勢部材48は、基礎部材50と可動部材34との間に設けられる。第2付勢部材48は、可動部材34が基礎部材50に対して第1方向DXに移動するように可動部材34を付勢する。本実施形態では、第2付勢部材48の数は2つである。第2付勢部材48は、第2弾性部材48Aを含む。第2弾性部材48Aは、ゴムを含む。第2付勢部材48の大きさ等は、第1方向DXにおけるバッテリユニット60の製造公差の範囲に応じて設定される。第2弾性部材48Aは、ゴムに限定されず、弾性を有するその他の樹脂材料によって形成されてもよく、板状ばね、トーションばね、および、コイルばね等のばねを含むように構成することもできる。
【0055】
図10に示されるように、可動部材34は、基礎部材50と対向する第1対向面34Bをさらに含む。第1対向面34Bは、第1方向DXにおいて第2支持面34Aとは反対側の面である。基礎部材50は、可動部材34と対向する第2対向面50Aを含む。基礎部材50は、第1方向DXにおいて第2対向面50Aとは反対側の面である背面50Bをさらに含む。バッテリユニット60が第2バッテリホルダ32に保持されていない状態において、第1対向面34Bと第2対向面50Aとの間に隙間Sが設けられる。
【0056】
バッテリユニット60が第2バッテリホルダ32に保持されていない状態では、第2付勢部材48が最も伸張し、隙間Sが最も広い状態が形成される。バッテリユニット60が第2バッテリホルダ32に保持される状態では、第1方向DXにおけるバッテリユニット60の製造公差に応じて隙間Sが縮む方向に可動部材34が基礎部材50に対して移動し、可動部材34から受ける力によって第2付勢部材48が圧縮する。すなわち、バッテリユニット60の製造公差に応じて第2付勢部材48が圧縮することによって、可動部材34が最大で隙間Sの範囲において基礎部材50に対して移動できる。
【0057】
可動部材34は、バッテリユニット60の長手方向に沿う第1方向DXと直交する第2方向DYにおいて互いに対向する一対の第1側部44をさらに含む。第1側部44は、第1対向面34Bの縁から基礎部材50に向けて突出するように設けられる。一対の第1側部44は、可動部材34の第2方向DYにおける両端部にそれぞれ設けられる。すなわち、一対の第1側部44は、第2方向DYにおける可動部材34の両側壁の一部をそれぞれ形成している。
【0058】
図9および図10に示されるように、第2バッテリホルダ32は、可動部材34が基礎部材50に対して移動可能に、可動部材34と基礎部材50とを結合する結合構造58をさらに備える。結合構造58は、可動部材34に設けられる第1結合部58A、および、基礎部材50に設けられる第2結合部58Bを含む。第1結合部58Aは、例えば一対の第1側部44のそれぞれに設けられる。具体的には、第1結合部58Aは、一対の第1側部44のうちの基礎部材50と対向する部分において、第2付勢部材48を間に配置するようにそれぞれ2つずつ設けられる。すなわち、第1結合部58Aの数は4つである。第1結合部58Aおよび第2結合部58Bの少なくとも一方は、スナップフィットを含む。本実施形態では、第1結合部58Aのみ、スナップフィットを含む。第2結合部58Bのみスナップフィットを含んでいてもよく、第1結合部58Aおよび第2結合部58Bの両方がスナップフィットを含んでいてもよい。スナップフィットは、第2結合部58Bと係合する爪を含む。第2結合部58Bは、例えば一対の第2側部52のそれぞれに設けられる。具体的には、第2結合部58Bは、一対の第2側部52において、第1結合部58Aのそれぞれと対応する部分を構成する。第1結合部58Aと第2結合部58Bとが結合することによって、可動部材34と基礎部材50とが第2付勢部材48を挟んだ状態で結合される。
【0059】
第1方向DXにおける可動部材34の一方向への移動は、第1結合部58Aと第2結合部58Bとの接触によって規制される。第1結合部58Aと第2結合部58Bとが接触する場合、隙間Sが最も広い状態が形成される。第1方向DXにおける可動部材34の他方向への移動は、可動部材34の第1対向面34Bと基礎部材50の第2対向面50Aとの接触により規制される。第1対向面34Bと第2対向面50Aとが接触する場合、隙間Sが最も狭い状態(隙間Sが形成されない状態)が形成される。
【0060】
図11に示されるように、バッテリコンポーネント1は、バッテリユニット60の取り外しを容易にするための取り外し補助機構70をさらに含む。取り外し補助機構70は、バッテリユニット60の取り外し時において、バッテリユニット60が落下することを抑制する。キー操作によりロック機構24の接触部25がバッテリユニット60の被保持部62から離れたとき、バッテリユニット60を十分な力で支えてなければ、バッテリユニット60が落下する虞がある。取り外し補助機構70は、このような落下を抑制する。
【0061】
取り外し補助機構70は、第1バッテリホルダ12に設けられる上述の第1突出部71(図5参照)と、第1突出部71に係合可能な第2突出部72を含む。第2突出部72はバッテリユニット60に設けられる。第2突出部72は、第1端面61Aから第1バッテリホルダ12に向かって突出し、かつ突出方向の反対の方向(第2バッテリホルダ32に向かう方向)に移動可能である。第2突出部72は、押圧されることにより、突出方向の反対方向に移動する。第2突出部72は、バッテリユニット60の第1端部61がダウンチューブDTの開口DT2から出るとき、第1バッテリホルダ12の第1突出部71に当たるように構成される。これにより、バッテリユニット60の落下を止められる。
【0062】
具体的には、取り外し補助機構70の第2突出部72は、弾性を有する板ばね73により構成される。板ばね73は、固定部74と、固定部74から下方に延びる接触部75と、接触部75から延びる押圧部76とを含む。固定部74は、バッテリユニット60の第1端部61にボルトまたはリベットで固定される部分である。接触部75は、上述の第2突出部72を構成する。接触部75は、第1バッテリホルダ12に向かって突出するように延び、かつ板ばね73の弾性により突出方向と反対の方向に変位可能である。押圧部76は、人の指または道具により押される押圧面76Aを有し、第2バッテリホルダ32に向かって押され得る。押圧部76の押圧面76Aが押されることにより、第2突出部72は、突出方向と反対の方向に移動する。
【0063】
図12に示されるように、バッテリユニット60は、可動部材34の係合部38と係合する被係合部66をさらに含む。被係合部66は、バッテリユニット60の第2端面65Aに設けられる。被係合部66は、第1被係合部66Aおよび一対の第2被係合部66Bを含む。第1被係合部66Aは、第1係合部40と係合可能に構成される。第1被係合部66Aは、バッテリユニット60の第2端面65Aにおいて、第1係合部40と対応する部分に設けられる。一対の第2被係合部66Bは、対応する第2係合部42と係合可能に構成される。一対の第2被係合部66Bは、バッテリユニット60の第2端面65Aにおいて、一対の第2係合部42と対応する部分に設けられる。第1被係合部66Aが第1係合部40と係合し、一対の第2被係合部66Bが一対の第2係合部42と係合することによって、バッテリユニット60の第2端部65が少なくとも第2方向DYへの移動が規制された状態で第2バッテリホルダ32に保持される。
【0064】
図13に示されるように、人力駆動車両Aは、さらに、バッテリ付勢装置80を含む。バッテリ付勢装置80は、バッテリユニット60をバッテリ収容空間DT1から取り出し易くする。バッテリ付勢装置80は、保持部82と、付勢部材84と、を備える。保持部82は、人力駆動車両AのフレームA1と、人力駆動車両Aのバッテリユニット60と、第1バッテリホルダ12および第2バッテリホルダ32を備え、かつ、バッテリユニット60をバッテリ収容空間DT1に保持するバッテリホルダ10と、のいずれか一つに固定される。付勢部材84は、保持部82に連結され、バッテリユニット60がフレームA1に取り付けられた状態において、バッテリ収容空間DT1内に配置され、バッテリユニット60を開口DT2の外側に向けて付勢する。
【0065】
例えば、バッテリ付勢装置80は、ダウンチューブDTの長手方向において、第1バッテリホルダ12と第2バッテリホルダ32との間に配置される。本実施形態では、バッテリ付勢装置80は、フレームA1に固定されるが、バッテリ付勢装置80は、第1バッテリホルダ取付部96および第2バッテリホルダ取付部97の少なくとも一方に設けられてもよい。バッテリ付勢装置80は、第1バッテリホルダ取付部96のみ、第2バッテリホルダ取付部97のみ、または、第1バッテリホルダ取付部96および第2バッテリホルダ取付部97の両方に設けられてもよい。
【0066】
図14に示されるように、第1バッテリホルダ12は、第1バッテリホルダ取付部96を介してダウンチューブDTに取り付けられる。第1バッテリホルダ取付部96は、ダウンチューブDTに固定されてもよく、第1バッテリホルダ12に固定されてもよい。第1バッテリホルダ取付部96は、第1バッテリホルダ12の一部でもよい。本実施形態では、第1バッテリホルダ取付部96は、ダウンチューブDTに固定されている。さらに詳細には、第1バッテリホルダ取付部96は、ダウンチューブDTの内周面から突出するように、ダウンチューブDTと一体的に形成されている。第1バッテリホルダ取付部96は、ダウンチューブDTに着脱可能に取り付けられるよう構成されていてもよい。第1バッテリホルダ取付部96は、上述のボルトBT2がねじ入れられるねじ孔を含む。
【0067】
図15に示されるように、第2バッテリホルダ32は、第2バッテリホルダ取付部97を介してダウンチューブDTに取り付けられる。第2バッテリホルダ取付部97は、ダウンチューブDTに固定されてもよく、第2バッテリホルダ32に固定されてもよい。第2バッテリホルダ取付部97は、第2バッテリホルダ32の一部でもよい。本実施形態では、第2バッテリホルダ取付部97は、ダウンチューブDTに固定されている。さらに詳細には、第2バッテリホルダ取付部97は、ダウンチューブDTの内周面から突出するように、ダウンチューブDTと一体的に形成されている。第2バッテリホルダ取付部97は、ダウンチューブDTに着脱可能に取り付けられるよう構成されていてもよい。第2バッテリホルダ取付部97は、上述のボルトBT5がねじ入れられるねじ孔を含む。
【0068】
図16に示されるように、保持部82と付勢部材84との少なくとも一方は、バッテリ収容空間DT1内において、バッテリユニット60とダウンチューブDTの内周面との間で、かつ、第1バッテリホルダ12および第2バッテリホルダ32間に連続的に形成される間隙SPに配置される。保持部82のみ、付勢部材84のみ、または、保持部82と付勢部材84との両方が、間隙SPに配置される。間隙SPは、ケーブル99を収容可能に形成され、保持部82と付勢部材84との少なくとも一方は、ケーブル99と隣接して配置されてもよい。例えば、ケーブル99は、複数のケーブル99Aを含み、保持部82と付勢部材84との少なくとも一方は、フレームA1の長手方向から見て、複数のケーブル99Aの間に配置される。ケーブル99は、第1方向DXに沿うように配置される。ケーブル99は、電気ケーブル、ブレーキケーブル、シフトケーブル、および、油圧ブレーキ用ホースの少なくとも1つを含む。ケーブル99は、電気ケーブルのみ、ブレーキケーブルのみ、シフトケーブルのみ、または、油圧ブレーキ用ホースのみ、または、電気ケーブル、ブレーキケーブル、シフトケーブル、および、油圧ブレーキ用ホースのうちの任意の組合せを含んでいてもよい。
【0069】
保持部82と付勢部材84との少なくとも一方は、バッテリユニット60がダウンチューブDTに取り付けられた状態において、ダウンチューブDTの長手方向から見て、バッテリホルダ取付部95と少なくとも部分的にオーバーラップするように配置される(図14参照)。本実施形態では、保持部82および付勢部材84は、バッテリユニット60がダウンチューブDTに取り付けられた状態において、ダウンチューブDTの長手方向から見て、第1バッテリホルダ取付部96に部分的にオーバーラップする。保持部82のみ、または、付勢部材84のみが、バッテリユニット60がダウンチューブDTに取り付けられた状態において、ダウンチューブDTの長手方向から見て、バッテリホルダ取付部95と少なくとも部分的にオーバーラップするように配置されてもよい。
【0070】
好ましくは、保持部82と付勢部材84との少なくとも一方は、バッテリホルダ取付部95と、バッテリユニット60の長手方向中心線CA3との間に配置される。本実施形態では、保持部82と付勢部材84とは、第1バッテリホルダ取付部96と、バッテリユニット60の長手方向中心線CA3との間に配置される(図13参照)。さらに詳細には、保持部82と付勢部材84は、ダウンチューブDTの長手方向において、長手方向中心線CA3よりも第1バッテリホルダ取付部96に近い側に配置される。保持部82のみ、または、付勢部材84のみが、バッテリホルダ取付部95と、バッテリユニット60の長手方向中心線CA3との間に配置されてもよい。
【0071】
図17に示されるように、付勢部材84は、1または複数の付勢部材84Aを含む。本実施形態では、付勢部材84は、複数の付勢部材84Aを含む。付勢部材84Aは、コイルスプリング85を含む。付勢部材84Aは、弾性変形可能な付勢部86と、保持部82に係合する係合部88とを有する。具体的には、付勢部86は、コイルスプリング85により構成される。係合部88は、コイルスプリング85の一方の端に固定される板部材として構成される。係合部88は、コイルスプリング85の伸縮方向からみてコイルスプリング85の外形から突出する形状に構成される。係合部88において、コイルスプリング85の外形から突出する部分は、後述の付勢部材支持部90の貫通孔90Bの周囲に掛る形状とされる。これにより、付勢部材84Aは、付勢部材支持部90からの抜けが抑制される。
【0072】
付勢部材84は、バッテリユニット60がフレームA1に取り付けられた状態での圧縮状態において、バッテリユニット60とフレームA1の内周面との間に形成される間隙SP以内の寸法になる(図13参照)。本実施形態では、付勢部材84は、バッテリユニット60がダウンチューブDTに取り付けられた状態での圧縮状態において、ダウンチューブDTの内周面との間に形成される間隙SP以内の寸法になる。
【0073】
図17および図18に示されるように、保持部82は、付勢部材84を支持する付勢部材支持部90と、フレームA1、バッテリユニット60、および、バッテリホルダ10、のいずれか一つに固定される固定部92とを有する。例えば、保持部82は、フレームA1に固定される。保持部82は、フレームA1に直接固定されてもよく、他の部材を介して間接的に固定されてもよい。本実施形態では、保持部82は、ダウンチューブDT内に直接的に固定される。
【0074】
例えば、付勢部材支持部90は、2つの付勢部材84Aを支持する。付勢部材支持部90は、付勢部材84Aの係合部88が収容される被係合凹部90Aと、付勢部材84Aの付勢部86が挿通する2つの貫通孔90Bを有する。付勢部材支持部90は、付勢部材84Aの係合部88を収容し、かつ、付勢部材84Aの付勢部86が貫通孔90Bを挿通するように付勢部材84Aを支持する。固定部92は、付勢部材支持部90において、付勢部材84Aの突出方向とは交差する方向に延びるように設けられる。固定部92には、ボルトBT6が挿通する貫通孔92Aが設けられる。保持部82の固定部92は、第1バッテリホルダ取付部96の被固定部96Aに、ボルトBT6で締結される(図14参照)。
【0075】
図19を参照して、バッテリホルダ10に対するバッテリユニット60の取り外しの手順および本実施形態の作用を説明する。
バッテリユニット60は、例えば次の手順を経てバッテリホルダ10から取り外される。第1手順では、キー操作により、ロック機構24の接触部25をバッテリユニット60の被保持部62から離れる方向に移動させる。そうすると、バッテリユニット60の第2端部65が第2バッテリホルダ32の第1係合部40に支持された状態で、バッテリユニット60の第1端部61は、自重および上述の付勢部材84の付勢力により下方に移動し、第1係合部40を旋回支点としてバッテリユニット60が旋回する。バッテリユニット60は、付勢部材84により、バッテリ収容空間DT1から押し出されるように付勢されているため、キー操作によってロック解除がされると、バッテリユニット60の第1端部61は、バッテリ収容空間DT1から押し出される。バッテリユニット60が所定の角度まで旋回すると、第1端部61の第2突出部72が第1バッテリホルダ12の第1突出部71に当たり、旋回が止まる。第2手順では、バッテリユニット60を片手で支持しながら、バッテリユニット60の押圧部76を押して、バッテリユニット60の第1端部61の第2突出部72と第1バッテリホルダ12の第1突出部71との係合を解除する。このようにして、バッテリユニット60を落下させることなく、かつ円滑に、バッテリ収容空間DT1から安全に取り出すことができる。
【0076】
(第2実施形態)
図20図22を参照して、第2実施形態のバッテリ付勢装置100について説明する。第2実施形態のバッテリ付勢装置100は、フレームA1ではなくバッテリホルダ10に固定される点が異なる点以外は、第1実施形態のバッテリ付勢装置80と同様であるので、第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0077】
図20に示すバッテリ付勢装置100は、バッテリユニット60をバッテリ収容空間DT1から取り出し易くする。バッテリ付勢装置100は、保持部102と、付勢部材84と、を備える。保持部102は、バッテリホルダ10に固定される。付勢部材84は、保持部102に連結されて、バッテリ収容空間DT1内に配置され、バッテリユニット60がフレームA1に取り付けられた状態において、バッテリユニット60を開口DT2の外側に向けて付勢する。
【0078】
例えば、バッテリ付勢装置100は、ダウンチューブDTの長手方向において、第1バッテリホルダ12と第2バッテリホルダ32(図3参照)との間に配置される。本実施形態では、バッテリ付勢装置100は、第1バッテリホルダ12に固定されるが、バッテリ付勢装置100は、第2バッテリホルダ32に固定されてもよく、第1バッテリホルダ12および第2バッテリホルダ32に個別に設けられて、第1バッテリホルダ12および第2バッテリホルダ32のそれぞれに固定されてもよい。保持部102は、バッテリ収容空間DT1内において、第1実施形態の保持部82と同様の位置に配置される。本実施形態では、保持部102は、バッテリ収容空間DT1の上方の壁部DT3に接触して配置される。好ましくは、第1バッテリホルダ取付部96は、壁部DT3のうち保持部102が接触する部分よりも開口側に突出して段差部DT4を形成する。
【0079】
図21および図22に示されるように、保持部102は、付勢部材84を支持する付勢部材支持部104と、バッテリホルダ10に固定される固定部106とを有する。保持部102は、ダウンチューブDT内に配置され、バッテリホルダ10を介してダウンチューブDTに間接的に固定される。
【0080】
例えば、付勢部材支持部104は、2つの付勢部材84Aを支持する。付勢部材支持部104は、1または2つ以上の付勢部材84Aを支持していてもよい。付勢部材支持部104は、付勢部材84Aの係合部88が引っ掛けられる被係合部108を有する。付勢部材支持部104は、2つの被係合部108を有し、各被係合部108にそれぞれ付勢部材84Aが個別に支持される。付勢部材支持部104は、付勢部材84Aの係合部88の少なくとも一部を支持する。固定部106は、付勢部材支持部104と一体に形成される。付勢部材支持部104は、ダウンチューブDTの長手方向に沿って延び、固定部106は、ダウンチューブDTの長手方向において付勢部材支持部104から離れるほど開口DT2側に近づくように、ダウンチューブDTの長手方向と交差する方向に延びる。一例では、保持部102は、金属板を曲げ加工することによって形成される。保持部102は、樹脂によって形成されてもよい。付勢部材支持部104と固定部106とのなす角のうち、開口DT2側の角度は、90度以上かつ180度以下であることが好ましい。
【0081】
バッテリ付勢装置100は、フレームA1に対する付勢部材84の位置を調整する調整機構110をさらに含む。調整機構110は、保持部102およびバッテリホルダ10の一方に設けられる長孔112と、保持部102およびバッテリホルダ10の他方に設けられるねじ部114と、を含む。調整機構110は、ボルト116をさらに含むことが好ましい。
【0082】
本実施形態の長孔112は、保持部82に設けられ、ねじ部114は、バッテリホルダ10に設けられる。本実施形態では、長孔112は、保持部102の固定部106に設けられる。ねじ部114は、第2支持部材20に設けられる。具体的には、ねじ部114は、第2支持部材20のうちの第1支持面18Aの上方に設けられる上壁部20Aに設けられる。上壁部20Aは、第1部分20Bと、第2部分20Dとを含む。第1部分20Bは、バッテリ収容空間DT1の上方の壁部DT3に沿って延びる。第2部分20Dは、第1部分20Bの第2バッテリホルダ32側の端部20Cと連続し、第2バッテリホルダ32側に向かうにつれて壁部DT3に向かって傾斜する。ねじ部114は、上壁部20Aの第2部分20Dに設けられる。ねじ部114には、第1バッテリホルダ12を第1バッテリホルダ取付部96に取り付けるためのボルトBT2が挿通されるねじ孔が形成される。長孔112の長手方向の寸法は、ボルト116の軸部の外径よりも大きい。
【0083】
ボルト116は、固定部106の長孔112に挿通され、第1バッテリホルダ12のねじ部114にねじ込まれる。これによって保持部102の固定部106は、上壁部20Aに固定される。第2部分20Dに沿って固定部106をスライドさせることによって、保持部102のダウンチューブDTに対する位置を容易に調整することができる。第2部分20Dおよび固定部106の少なくとも一方には、第2部分20Dに沿う固定部106のスライドをガイドするためのガイド部が設けられることが好ましい。ガイド部は、例えば、第2部分20Dに設けられる。ガイド部は、第2部分20Dから固定部106に向かって突出する凸部を含む。凸部は、長孔112の延びる方向に沿って延びる。凸部は、第1凸部と、第1凸部から長孔112の延びる方向と交差する方向において離れた第2凸部と、を含むことが好ましい。固定部106は、第1凸部と第2凸部との間に配置される。ねじ部114に代えて、第2部分20Dを貫通する貫通孔を形成し、ボルト116とボルト116に結合されるナットによって、固定部106と第2部分20Dとを挟むことによって、固定部106を第2部分20Dに固定してもよい。
【0084】
保持部82は、付勢部材支持部104がバッテリ収容空間DT1の上方の壁部DT3に接触するように配置される。具体的には、付勢部材支持部104をバッテリ収容空間DT1の上方の壁部DT3に接触させた状態において、ボルト116を長孔112に挿通し、かつ、ねじ部114にねじ込む。付勢部材支持部104が壁部DT3に接触した状態で第1バッテリホルダ12に固定されることによって、保持部82を安定した状態でフレームA1に取り付けられる。
【0085】
(変形例)
上記実施形態に関する説明は、本発明に従うバッテリ付勢装置80および人力駆動車両Aが取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本発明に従うバッテリ付勢装置80および人力駆動車両Aは、例えば以下に示される上記実施形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。以下の変形例において、実施形態の形態と共通する部分については、実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0086】
・実施形態には、次の技術が開示される。
バッテリ付勢装置80は、保持部82と、付勢部材84とを備える。保持部82は、バッテリ収容空間DT1を含む人力駆動車両AのフレームA1、人力駆動車両Aのバッテリユニット60、および、バッテリユニット60をバッテリ収容空間DT1に保持するバッテリホルダ10、のいずれか一つに固定される。
付勢部材84は、保持部82に連結され、バッテリユニット60がフレームA1に取り付けられた状態において、バッテリ収容空間DT1内に配置され、バッテリユニット60をバッテリ収容空間DT1の開口DT2の外側に向けて付勢する。
保持部82と付勢部材84との少なくとも一方は、バッテリユニット60がフレームA1に取り付けられた状態において、フレームA1の長手方向から見て、フレームA1及びバッテリホルダ10の一方に設けられたバッテリホルダ取付部95と少なくとも部分的にオーバーラップするように配置される。フレームA1の長手方向とは、フレームA1においてバッテリホルダ10が設けられるダウンチューブDTの長手方向を示す。本実施形態では、フレームA1は、ダウンチューブDTであり、フレームA1の長手方向は、第1方向DXと一致する。
【0087】
好ましくは、保持部82と付勢部材84との少なくとも一方は、バッテリホルダ取付部95と、バッテリユニット60の長手方向中心線CA3との間に配置される。上記実施形態では、保持部82と付勢部材84は、第1バッテリホルダ取付部96と、バッテリユニット60の長手方向中心線CA3との間に配置される(図13参照)。
【0088】
また、実施形態と同様に、バッテリホルダ取付部95は、第1バッテリホルダ取付部96とフレームA1の長手方向において第1バッテリホルダ取付部96と反対側に配置される第2バッテリホルダ取付部97とを含む。第1バッテリホルダ取付部96には、ロック機構24を有する第1バッテリホルダ12が取り付けられる。保持部82と付勢部材84との少なくとも一方は、第1バッテリホルダ12とバッテリユニット60の長手方向中心線CA3との間に配置される。また、バッテリ付勢装置80は、上記実施形態のようにフレームA1に設けられてよく、バッテリユニット60に設けられてもよく、また、バッテリホルダ10に設けられてもよい。
【0089】
第2バッテリホルダ取付部97には、バッテリユニット60の回転支持機構33を有する第2バッテリホルダ32が取り付けられる。保持部82と付勢部材84との少なくとも一方は、第1バッテリホルダ12と第2バッテリホルダ32との間に配置される。ここで、「第1バッテリホルダ12と第2バッテリホルダ32との間」とは、第1方向DXにおける第1バッテリホルダ12と第2バッテリホルダ32との間を示す。第1方向DXからみて、第1バッテリホルダ12および第2バッテリホルダ32よりも、第1方向DXに垂直な方向の外側にある部分であっても、当該部分が、第1方向DXにおける第1バッテリホルダ12と第2バッテリホルダ32との間にあるときは、当該部分は、「第1バッテリホルダ12と第2バッテリホルダ32との間」にあるものとする。
【0090】
・第2実施形態において、保持部102は板ばねを含んでもよい。この場合、調整機構110は、保持部102の板ばねを含む。付勢部材支持部104および固定部106は板ばねによって構成される。付勢部材支持部104と固定部106との接続部が変形することによって、付勢部材支持部104をバッテリ収容空間DT1の上方の壁部DT3に好適に接触させることができる。
【0091】
・実施形態には、次の技術が開示される。
バッテリ付勢装置80は、保持部82と、付勢部材84とを備える。
保持部82は、バッテリ収容空間DT1を含む人力駆動車両AのフレームA1、人力駆動車両Aのバッテリユニット60、および、バッテリユニット60をバッテリ収容空間DT1に保持するバッテリホルダ10、のいずれか一つに固定される。
付勢部材84は、保持部82に連結され、バッテリユニット60がバッテリユニット60の両端に隣接して配置される第1バッテリホルダ12と第2バッテリホルダ32とを介してバッテリ収容空間DT1内に取り付けられた状態において、バッテリユニット60をバッテリ収容空間DT1の開口DT2の外側に向けて付勢する。保持部82と付勢部材84との少なくとも一方は、バッテリ収容空間DT1内において、バッテリユニット60とフレームA1の内周面との間で、かつ、第1バッテリホルダ12と第2バッテリホルダ32との間に連続的に形成される間隙SPに配置される。ここで、「第1バッテリホルダ12と第2バッテリホルダ32との間」とは、上述の「第1バッテリホルダ12と第2バッテリホルダ32との間」の定義と同様である。
【0092】
好ましくは、実施形態に示されるように、間隙SPは、ケーブル99を収容可能に形成され、保持部82と付勢部材84との少なくとも一方は、ケーブル99と隣接して配置される。例えば、ケーブル99は、複数のケーブル99Aを含み、保持部82と付勢部材84との少なくとも一方は、複数のケーブル99Aの間に配置される。間隙SPにケーブル99が配置される場合、間隙SPにおいて、ケーブル99の配策を容易にするため、あるいはケーブル99を保護するために、バッテリ付勢装置80が配置される配置部と、ケーブル99が配置される部分とを、壁で区画してもよい。また、間隙SPは、バッテリ収容空間DT1から壁で区画されてもよい。このように壁で区画された空間であってケーブル99が配線される空間は、上述の間隙SPに含まれる。ケーブル99は、電気ケーブル、ブレーキケーブル、シフトケーブル、油圧ブレーキ用ホースを含む。
【0093】
・実施形態では、バッテリ付勢装置80の保持部82は、フレームA1に固定されているが、保持部82が固定される部材はこれに限定されない。
図23に示されるように保持部82は、バッテリユニット60に固定されてもよい。保持部82は、バッテリユニット60に直接固定されてもよく、他の部材を介して間接的に固定されてもよい。この構成によっても、実施形態のバッテリ付勢装置80に準じた効果が得られる。保持部82は、バッテリユニット60内に埋め込まれてもよい。保持部82は、バッテリユニット60において複数個所に設けられてもよい。バッテリユニット60の取り出し時において、付勢部材84は、フレームA1に向かって伸長する。付勢部材84は、樹脂または金属製の板状ばね、または、ゴム弾性部材であってもよい。
【0094】
図24に示されるように保持部82は、バッテリホルダ10に固定されてもよい。保持部82は、バッテリホルダ10に直接固定されてもよく、他の部材を介して間接的に固定されてもよい。好ましくは、第1バッテリホルダ12に、バッテリ付勢装置80の保持部82が設けられる。バッテリ付勢装置80が、バッテリホルダ10の第1バッテリホルダ12に取り付けられる場合、バッテリ付勢装置80は、第1バッテリホルダ12から第2バッテリホルダ32に突出するように設けられ、バッテリユニット60がフレームA1に取り付けられた状態において、バッテリユニット60とフレームA1の内周面との間に配置される。バッテリ付勢装置80がバッテリホルダ10に取り付けられることで、バッテリ付勢装置80をフレームA1に取り付ける手間を削減できる。バッテリユニット60の取り出し時において、付勢部材84は、バッテリユニット60に向かって伸長し、バッテリユニット60を下方に押す。付勢部材84は、樹脂または金属製の板状ばね、または、ゴム弾性部材であってもよい。この構成によれば、第1バッテリホルダ12の製造過程において、バッテリ付勢装置80を第1バッテリホルダ12に組み付けることができるので、製造工程の簡略化に貢献できる。
【0095】
・人力駆動車両Aは、次のように構成されてもよい。
人力駆動車両Aは、フレームA1と、フレームA1のバッテリ収容空間DT1内に取り付けられるバッテリユニット60と、バッテリホルダ10と、バッテリユニット60からの電力により駆動するドライブユニットと、上記実施形態または変形例のいずれか1つのバッテリ付勢装置80と、を備える。
【0096】
この人力駆動車両Aにおいて、さらに、次の構成を備えることが好ましい。
バッテリホルダ10は、第1保持位置においてバッテリ収容空間DT1に配置されたバッテリユニット60の第1端部61に対向する基部13と、基部13に設けられる第1保持部13Aおよび第2保持部13Bと、を含む。
第1保持部13Aは、バッテリユニット60に設けられる被保持部62に接触することによってバッテリユニット60を第1保持位置に保持する第1位置、および、被保持部62から離間する第2位置の間を変位可能である。
第2保持部13Bは、バッテリユニット60をバッテリホルダ10から取り外す方向において、第1保持部13Aよりも下流側に少なくとも一部が配置され、第1保持位置よりも下流側の第2保持位置にバッテリユニット60を保持可能である。
【0097】
・開口DT2が人力駆動車両Aの直立状態においてバッテリ収容空間DT1の側方のいずれか一方、または、上方に形成される場合、各実施形態における“バッテリ収容空間DT1の上方の壁部DT3”の記載を“バッテリ収容空間DT1の開口とは反対に位置するフレームの内壁“に読み替えることができる。
【0098】
・各実施形態において、好ましくは、付勢部材84のみの付勢力によってバッテリユニット60を開口DT2から押し出すことができるように付勢部材84が構成される。これによって、開口DT2が人力駆動車両Aの直立状態においてバッテリ収容空間DT1の側方のいずれか一方、または、上方に形成される場合であってもバッテリユニット60を取り外しやすくなる。
【0099】
・各実施形態では、バッテリユニット60がロック機構24の接触部25に接触している状態で、バッテリ付勢装置80,100がバッテリユニット60を開口DT2側に押し出す力をバッテリユニット60に与えることによって、バッテリユニット60を接触部25に押し当てることができる。このため、バッテリユニット60と第1バッテリホルダ12との間のガタツキを抑制することができる。
【符号の説明】
【0100】
A…人力駆動車両、A1…フレーム、SP…間隙、CA3…長手方向中心線、DT1…バッテリ収容空間、DT2…開口、10…バッテリホルダ、12…第1バッテリホルダ、13A…第1保持部、13B…第2保持部、24…ロック機構、32…第2バッテリホルダ、33…回転支持機構、38…係合部、60…バッテリユニット、62…被保持部、74…固定部、80,100…バッテリ付勢装置、82,102…保持部、84…付勢部材、84A…付勢部材、85…コイルスプリング、86…付勢部、88…係合部、90,104…付勢部材支持部、92,106…固定部、95…バッテリホルダ取付部、96…第1バッテリホルダ取付部、97…第2バッテリホルダ取付部、99…ケーブル、110…調整機構、112…長孔、114…ねじ部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24