(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-13
(45)【発行日】2022-06-21
(54)【発明の名称】コンバインドサイクルプラント、その制御装置、及びその運転方法
(51)【国際特許分類】
F01K 23/10 20060101AFI20220614BHJP
F01K 23/02 20060101ALI20220614BHJP
F02C 9/28 20060101ALI20220614BHJP
F22B 1/18 20060101ALI20220614BHJP
【FI】
F01K23/10 M
F01K23/02 A
F01K23/10 A
F02C9/28 C
F22B1/18 B
(21)【出願番号】P 2018211980
(22)【出願日】2018-11-12
【審査請求日】2021-08-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】佃 祐弥
(72)【発明者】
【氏名】白濱 康博
【審査官】松浦 久夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-226489(JP,A)
【文献】特開2006-220151(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第2157290(EP,A1)
【文献】特開2018-9491(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01K 23/10
F01K 23/02
F02C 9/28
F22B 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一ガスタービン、及びその排気ガスの熱を用いて蒸気を発生させる第一排熱回収蒸気発生器を有する第一ガスタービンユニットと、
前記第一排熱回収蒸気発生器から発生した蒸気で駆動される蒸気タービンと、
前記第一排熱回収蒸気発生器の蒸気発生器枠内で燃料を燃焼させて発生蒸気量を増加させることで前記蒸気タービンの出力を増加させる助燃装置と、
第二ガスタービン、及びその排気ガスの熱を用いて蒸気を発生させる第二排熱回収蒸気発生器を有する第二ガスタービンユニットと、
を備えるコンバインドサイクルプラントの運転方法であって、
前記助燃装置を駆動せずに前記第一ガスタービンユニットを駆動する、叉は前記助燃装置を駆動せずに前記第一ガスタービンユニット及び前記蒸気タービンを駆動する第一運転区間と、
前記第一運転区間での最大出力以上の要求出力を受けた場合は、前記第一ガスタービンユニット、前記助燃装置及び前記蒸気タービンを駆動する第二運転区間と、
前記第二運転区間での最大出力以上の要求出力を受けた場合は、前記助燃装置を駆動せずに、前記第一ガスタービンユニット、第二ガスタービンユニット及び前記蒸気タービンを駆動する第三運転区間と、
を実行するコンバインドサイクルプラントの運転方法。
【請求項2】
請求項1に記載のコンバインドサイクルプラントの運転方法において、
前記第一運転区間での最大出力以上の要求出力を受けた場合、前記助燃装置を駆動せずに、前記第一ガスタービンユニット、第二ガスタービンユニット及び前記蒸気タービンを駆動する代替第二運転区間の実行と、前記第二運転区間の実行とのうち、いずれか一方を選択可能とする、
コンバインドサイクルプラントの運転方法。
【請求項3】
請求項2に記載のコンバインドサイクルプラントの運転方法において、
前記第一運転区間での最大出力以上の要求出力を受けた場合、前記代替第二運転区間と、前記第二運転区間とのうち、いずれか一方を実行可能である旨を表示する、
コンバインドサイクルプラントの運転方法。
【請求項4】
請求項3に記載のコンバインドサイクルプラントの運転方法において、
前記代替第二運転区間の実行時におけるプラント効率と、前記第二運転区間の実行時におけるプラント効率と、を表示する、
コンバインドサイクルプラントの運転方法。
【請求項5】
第一ガスタービン、及びその排気ガスの熱を用いて蒸気を発生させる第一排熱回収蒸気発生器を有する第一ガスタービンユニットと、
前記第一排熱回収蒸気発生器から発生した蒸気で駆動される蒸気タービンと、
前記第一排熱回収蒸気発生器の蒸気発生器枠内で燃料を燃焼させて発生蒸気量を増加させることで前記蒸気タービンの出力を増加させる助燃装置と、
第二ガスタービン、及びその排気ガスの熱を用いて蒸気を発生させる第二排熱回収蒸気発生器を有する第二ガスタービンユニットと、
を備えるコンバインドサイクルプラントの制御装置であって、
前記助燃装置を駆動せずに前記第一ガスタービンユニットを駆動する、叉は前記助燃装置を駆動せずに前記第一ガスタービンユニット及び前記蒸気タービンを駆動する第一運転区間と、
前記第一運転区間での最大出力以上の要求出力を受けた場合は、前記第一ガスタービンユニット、前記助燃装置及び前記蒸気タービンを駆動する第二運転区間と、
前記第二運転区間での最大出力以上の要求出力を受けた場合は、前記助燃装置を駆動せずに、前記第一ガスタービンユニット、第二ガスタービンユニット及び前記蒸気タービンを駆動する第三運転区間と、
を実行可能に、前記第一ガスタービンユニット、前記蒸気タービン、前記助燃装置、及び前記第二ガスタービンユニットを制御する制御部を備える、
コンバインドサイクルプラントの制御装置。
【請求項6】
請求項5に記載のコンバインドサイクルプラントの制御装置において、
前記第一運転区間での最大出力以上の要求出力を受けた場合、前記助燃装置を駆動せずに、前記第一ガスタービンユニット、第二ガスタービンユニット及び前記蒸気タービンを駆動する代替第二運転区間と、前記第二運転区間とのうち、いずれか一方の選択を受け付けて、受け付けた運転区間を前記制御部により実行させる受付部を有する、
コンバインドサイクルプラントの制御装置。
【請求項7】
請求項6に記載のコンバインドサイクルプラントの制御装置において、
前記第一運転区間での最大出力以上の要求出力を受けた場合、前記代替第二運転区間と、前記第二運転区間とのうち、いずれか一方を実行可能である旨を表示する表示部を有する、
コンバインドサイクルプラントの制御装置。
【請求項8】
請求項7に記載のコンバインドサイクルプラントの制御装置において、
前記表示部は、前記代替第二運転区間の実行時におけるプラント効率と、前記第二運転区間の実行時におけるプラント効率と、を表示する、
コンバインドサイクルプラントの制御装置。
【請求項9】
請求項5から8のいずれか一項に記載のコンバインドサイクルプラントの制御装置と、
前記第一ガスタービンユニットと、
前記蒸気タービンと、
前記助燃装置と、
前記第二ガスタービンユニットと、
を備えるコンバインドサイクルプラント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスタービン(以下、GTと称することがある)と、GTからの排気ガスで蒸気を発生させる排熱回収蒸気発生器(以下、HRSGと称することがある)と、HRSGで発生した蒸気で駆動する蒸気タービンと、を備えるコンバインドサイクルプラント、その制御装置、及びその運転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンバインドサイクルプラントとして、例えば、以下の特許文献1に記載されているように、HRSGの蒸気発生器枠内に、燃料を噴射して、この蒸気発生器枠内で燃料を燃焼させる助燃バーナ(ダクトバーナと呼ばれることもある)を備えているプラントがある。
【0003】
特許文献1に記載の技術では、HRSGから蒸気タービンに供給される蒸気の流量の変動を抑えるために、一時的に助燃バーナに燃料を送る技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
コンバインドサイクルプラントでは、プラント効率の向上が求められる。
【0006】
そこで、本発明は、プラント効率を高めることができるコンバインドサイクルプラント、その制御装置、その運転方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための発明に係る一態様としてのコンバインドサイクルプラントの運転方法は、以下のコンバインドサイクルプラントの運転方法である。
このコンバインドサイクルプラントは、第一ガスタービンユニットと、蒸気タービンと、助燃装置と、第二ガスタービンユニットと、を備える。前記第一ガスタービンユニットは、第一ガスタービン、及びその排気ガスの熱を用いて蒸気を発生させる第一排熱回収蒸気発生器を有する。前記蒸気タービンは、前記第一排熱回収蒸気発生器から発生した蒸気で駆動される。前記助燃装置は、前記第一排熱回収蒸気発生器の蒸気発生器枠内で燃料を燃焼させて発生蒸気量を増加させることで前記蒸気タービンの出力を増加させる。前記第二ガスタービンユニットは、第二ガスタービン、及びその排気ガスの熱を用いて蒸気を発生させる第二排熱回収蒸気発生器を有する。
このコンバインドサイクルプラントの運転方法では、前記助燃装置を駆動せずに前記第一ガスタービンユニットを駆動する、叉は前記助燃装置を駆動せずに前記第一ガスタービンユニット及び前記蒸気タービンを駆動する第一運転区間と、前記第一運転区間での最大出力以上の要求出力を受けた場合は、前記第一ガスタービンユニット、前記助燃装置及び前記蒸気タービンを駆動する第二運転区間と、前記第二運転区間での最大出力以上の要求出力を受けた場合は、前記助燃装置を駆動せずに、前記第一ガスタービンユニット、第二ガスタービンユニット及び前記蒸気タービンを駆動する第三運転区間と、を実行する。
【0008】
第二運転区間では、第一ガスタービンの出力が、このガスタービンの最大出力のときでも、このガスタービンの駆動に寄与しない助燃燃料を噴射する。このため、第二運転区間では、プラント出力が、一基のガスタービンの効率よりも多少低くなる。
【0009】
ここで、前記助燃装置を駆動せずに、前記第一ガスタービンユニット、第二ガスタービンユニット及び前記蒸気タービンを駆動する運転区間であって、第二運転区間に対して、この第二運転区間でのプラント出力が同じになる運転区間を代替第二運転区間とする。この代替第二運転区間では、2基のガスタービンユニットにおける各ガスタービンの出力が、ガスービンの最大出力のほぼ1/2になる。このため、代替第二運転区間では、プラント効率が大幅に低くなる。よって、第二運転区間でのプラント効率は、代替第二運転区間のプラント効率よりも高くなる。
【0010】
本態様では、第二運転区間を実行し得る。よって、本態様では、プラント効率を高めることができる。
【0011】
ここで、前記一態様のコンバインドサイクルプラントの運転方法において、前記第一運転区間での最大出力以上の要求出力を受けた場合、前記助燃装置を駆動せずに、前記第一ガスタービンユニット、第二ガスタービンユニット及び前記蒸気タービンを駆動する代替第二運転区間の実行と、前記第二運転区間の実行とのうち、いずれか一方を選択可能としてもよい。
【0012】
制御装置が、外部から第二運転区間を実行可能な特定範囲の要求出力を受け付けた後、短時間のうちに、この特定範囲の要求出力よりも大きい要求出力を受けることが想定される場合がある。この場合、制御装置が特定範囲の要求出力を受け付けた時点で、一基のガスタービンユニットによる第二運転区間を実行するよりも、二基のガスタービンユニットによる代替第二運転区間を実行する方が、特定範囲の要求出力よりも大きい要求出力を受けた後に、この要求出力を満たすまでの時間を短くすることができる。
【0013】
そこで、本態様では、制御装置が外部から第二運転区間を実行可能な特定範囲の要求出力を受け付けた場合でも、第二運転区間の実行と代替第二運転区間の実行とのうち、いずれか一方を選択可能にしている。
【0014】
また、前記代替第二運転区間を実行し得る前記態様のコンバインドサイクルプラントの運転方法において、前記第一運転区間での最大出力以上の要求出力を受けた場合、前記代替第二運転区間と、前記第二運転区間とのうち、いずれか一方を実行可能である旨を表示してもよい。
【0015】
また、二種類の運転区間のうちの一方を実行可能である旨を表示する前記態様のコンバインドサイクルプラントの運転方法において、前記代替第二運転区間の実行時におけるプラント効率と、前記第二運転区間の実行時におけるプラント効率と、を表示してもよい。
【0016】
本態様では、代替第二運転区間と第二運転区間とのうち、一方の運転区間の実行可能である旨と、代替第二運転区間を実行したときのプラント効率及び第二運転区間を実行したときのプラント効率と、を表示する。このため、オペレータは、代替第二運転区間と第二運転区間とのうち、プラント効率の観点から、一方の運転区間の実行を容易に選択することができる。
【0017】
上記目的を達成するための発明に係る他の態様としてのコンバインドプラントの運転方法は、以下のコンバインドサイクルプラントに適用する運転方法である。
このコンバインドサイクルプラントは、一基のガスタービンと、前記ガスタービンからの排気ガスの熱を利用して蒸気を発生する一基の排熱回収蒸気発生器とを有する、複数のガスタービンユニットと、複数の前記ガスタービンユニット毎の前記排熱回収蒸気発生器からの蒸気で駆動可能な一基以上の蒸気タービンと、を備える。前記ガスタービンは、燃料を燃焼する燃焼器と、前記燃焼器に供給する燃料の流量を調節する主燃料弁と、を有する。前記排熱回収蒸気発生器は、前記排気ガスが内部を通る枠と、前記枠内に燃料を噴射して、前記枠内で燃料を燃焼させる助燃バーナと、前記助燃バーナに供給する燃料の流量を調節する助燃燃料弁と、を有する。
このコンバインドサイクルプラントの運転方法は、外部から前記コンバインドサイクルプラントに対する要求出力を受け付ける要求出力受付工程と、前記コンバインドサイクルプラントの運転形態を定める運転形態設定工程と、前記運転形態と前記要求出力に応じて、複数の前記ガスタービンユニット毎の前記主燃料弁の開度及び前記助燃燃料弁の開度を定めて、複数の前記ガスタービンユニット毎の前記主燃料弁に開度を指示すると共に前記助燃燃料弁の開度を指示する弁制御工程と、を実行する。前記運転形態設定工程では、複数の前記ガスタービンユニットのうち、複数の前記ガスタービンユニットのいずれかの前記燃焼器に燃料を送り、複数の前記ガスタービンユニットのいずれの前記助燃バーナにも燃料を送らない標準運転形態と、複数の前記ガスタービンユニットのいずれかの前記燃焼器に燃料を送り、前記燃焼器に燃料を送る前記ガスタービンユニットの前記助燃バーナに燃料を送る助燃運転形態と、のうちのいずれかの運転形態を定める。前記運転形態設定工程では、複数の前記ガスタービンユニットのうち、(M-1)(Mは2以上の自然数)基の前記ガスタービンユニットにおける前記助燃バーナに燃料を送る助燃運転形態であって、プラント出力が、M基の前記ガスタービンユニットにおける前記燃焼器に燃料を送る前記標準運転形態ときのプラント出力と同じになる代替助燃運転形態が実施可能な場合に、前記運転形態として、前記代替助燃運転形態を定めることがある。
【0018】
上記目的を達成するための発明に係る一態様としてのコンバインドプラントの制御装置は、以下のコンバインドサイクルプラントの制御装置である。
このコンバインドサイクルプラントは、第一ガスタービンユニットと、蒸気タービンと、助燃装置と、第二ガスタービンユニットと、を備える。前記第一ガスタービンユニットは、第一ガスタービン、及びその排気ガスの熱を用いて蒸気を発生させる第一排熱回収蒸気発生器を有する。前記蒸気タービンは、前記第一排熱回収蒸気発生器から発生した蒸気で駆動される。前記助燃装置は、前記第一排熱回収蒸気発生器の蒸気発生器枠内で燃料を燃焼させて発生蒸気量を増加させることで前記蒸気タービンの出力を増加させる。前記第二ガスタービンユニットは、第二ガスタービン、及びその排気ガスの熱を用いて蒸気を発生させる第二排熱回収蒸気発生器を有する。
このコンバインドサイクルプラントの制御装置は、前記助燃装置を駆動せずに前記第一ガスタービンユニットを駆動する、叉は前記助燃装置を駆動せずに前記第一ガスタービンユニット及び前記蒸気タービンを駆動する第一運転区間と、前記第一運転区間での最大出力以上の要求出力を受けた場合は、前記第一ガスタービンユニット、前記助燃装置及び前記蒸気タービンを駆動する第二運転区間と、前記第二運転区間での最大出力以上の要求出力を受けた場合は、前記助燃装置を駆動せずに、前記第一ガスタービンユニット、第二ガスタービンユニット及び前記蒸気タービンを駆動する第三運転区間と、を実行可能に、前記第一ガスタービンユニット、前記蒸気タービン、前記助燃装置、及び前記第二ガスタービンユニットを制御する制御部を備える。
【0019】
ここで、前記一態様のコンバインドサイクルプラントの制御装置において、前記第一運転区間での最大出力以上の要求出力を受けた場合、前記助燃装置を駆動せずに、前記第一ガスタービンユニット、第二ガスタービンユニット及び前記蒸気タービンを駆動する代替第二運転区間と、前記第二運転区間とのうち、いずれか一方の選択を受け付けて、受け付けた運転区間を前記制御部により実行させる受付部を有してもよい。
【0020】
前記受付部を有する前記態様のコンバインドサイクルプラントの制御装置において、前記第一運転区間での最大出力以上の要求出力を受けた場合、前記代替第二運転区間と、前記第二運転区間とのうち、いずれか一方を実行可能である旨を表示する表示部を有してもよい。
【0021】
前記表示部を有する前記態様のコンバインドサイクルプラントの制御装置において、前記表示部は、前記代替第二運転区間の実行時におけるプラント効率と、前記第二運転区間の実行時におけるプラント効率と、を表示してもよい。
【0022】
上記目的を達成するための発明に係る一態様としてのコンバインドサイクルプラントは、
以上のいずれかの前記態様の制御装置と、前記第一ガスタービンユニットと、前記蒸気タービンと、前記助燃装置と、前記第二ガスタービンユニットと、を備える。
【0023】
上記目的を達成するための発明に係る他の態様としてのコンバインドプラントの制御装置は、以下のコンバインドサイクルプラントの制御装置である。
このコンバインドサイクルプラントは、一基のガスタービンと、前記ガスタービンからの排気ガスの熱を利用して蒸気を発生する一基の排熱回収蒸気発生器とを有する、複数のガスタービンユニットと、複数の前記ガスタービンユニット毎の前記排熱回収蒸気発生器からの蒸気で駆動可能な一基以上の蒸気タービンと、を備える。前記ガスタービンは、燃料を燃焼する燃焼器と、前記燃焼器に供給する燃料の流量を調節する主燃料弁と、を有する。前記排熱回収蒸気発生器は、前記排気ガスが内部を通る枠と、前記枠内に燃料を噴射して、前記枠内で燃料を燃焼させる助燃バーナと、前記助燃バーナに供給する燃料の流量を調節する助燃燃料弁と、を有する。
このコンバインドサイクルプラントの制御装置は、外部から前記コンバインドサイクルプラントに対する要求出力を受け付ける要求出力受付部と、前記コンバインドサイクルプラントの運転形態を定める運転形態設定部と、前記運転形態と前記要求出力に応じて、複数の前記ガスタービンユニット毎の前記主燃料弁の開度及び前記助燃燃料弁の開度を定めて、複数の前記ガスタービンユニット毎の前記主燃料弁に開度を指示すると共に前記助燃燃料弁の開度を指示する弁制御部と、を備える。前記運転形態設定部は、複数の前記ガスタービンユニットのうち、複数の前記ガスタービンユニットのいずれかの前記燃焼器に燃料を送り、複数の前記ガスタービンユニットのいずれの前記助燃バーナにも燃料を送らない標準運転形態と、複数の前記ガスタービンユニットのいずれかの前記燃焼器に燃料を送り、前記燃焼器に燃料を送る前記ガスタービンユニットの前記助燃バーナに燃料を送る助燃運転形態と、のうちのいずれかの運転形態を定める。前記運転形態設定部は、複数の前記ガスタービンユニットのうち、(M-1)(Mは2以上の自然数)基の前記ガスタービンユニットにおける前記助燃バーナに燃料を送る助燃運転形態であって、プラント出力が、M基の前記ガスタービンユニットにおける前記燃焼器に燃料を送る前記標準運転形態ときのプラント出力と同じになる代替助燃運転形態が実施可能な場合に、前記運転形態として、前記代替助燃運転形態を定め得る。
【0024】
代替助燃運転形態では、例えば、一基のガスタービンの出力が、このガスタービンの許容最大出力のときでも、このガスタービンの駆動に寄与しない助燃燃料を噴射する。このため、代替助燃運転形態では、プラント出力が、一基のガスタービンの効率よりも多少低くなる。
【0025】
この代替助燃運転形態に対して、この代替運転形態でのプラント出力が同じになる対応標準運転形態では、M基のガスタービンユニットにおける各ガスタービンの出力は、ガスービンの許容最大出力のほぼ(M-1)/Mになる。対応標準運転形態では、例えば、2基のガスタービンユニットにおける各ガスタービンの出力は、ガスービンの許容最大出力のほぼ1/2になる。また、対応標準運転形態では、3基のガスタービンユニットUにおける各ガスタービンの出力は、ガスービンの許容最大出力のほぼ2/3になる。このため、対応標準運転形態では、プラント効率が大幅に低くなる。よって、代替助燃運転形態でのプラント効率は、対応標準運転形態のプラント効率よりも高くなる。
【0026】
本態様では、代替助燃運転形態を実行し得る。よって、本態様では、プラント効率を高めることができる。
【0027】
ここで、前記態様のコンバインドサイクルプラントの制御装置において、前記運転形態設定部は、前記要求出力に対して前記代替助燃運転形態が可能な場合に、前記代替助燃運転形態と前記標準運転形態とのうち、一方の運転形態を選択可能である旨を表示する表示部と、前記表示部での表示内容に対して、前記一方の運転形態を受け付ける運転形態受付部と、前記運転形態受付部が受け付けた前記一方の運転形態を、前記コンバインドサイクルプラントの前記運転形態として決める運転形態決定部と、を有してもよい。
【0028】
要求出力受付部が、代替助燃運転形態を実行可能な特定範囲の要求出力を受け付けた後、短時間のうちに、この特定範囲の要求出力よりも大きい要求出力を受けることが想定される場合がある。この場合、要求出力受付部が特定範囲の要求出力を受け付けた時点で、(M-1)基のガスタービンユニットによる代替助燃運転形態を実行するよりも、M基のガスタービンユニットによる標準運転形態を実行する方が、特定範囲の要求出力よりも大きい要求出力を受けた後に、この要求出力を満たすまでの時間を短くすることができる。
【0029】
そこで、本態様では、要求出力受付部が特定範囲の要求出力を受け付けた場合でも、オペレータに、(M-1)のガスタービンユニットによる代替助燃運転形態を実行するか、M基のガスタービンユニットによる標準運転形態を実行するかについて、選択させ、オペレータで選択された方の運転形態を実行できるようにしている。
【0030】
また、前記表示部を有する前記態様の、コンバインドサイクルプラントの制御装置において、前記表示部は、前記代替助燃運転形態を実行したときのプラント効率と、前記標準運転形態を実行したときのプラント効率と、を表示してもよい。
【0031】
本態様では、表示部が、代替助燃運転形態と標準運転形態とのうち、一方の運転形態を選択可能である旨と、代替助燃運転形態を実行したときのプラント効率及び標準運転形態を実行したときのプラント効率と、を表示する。このため、オペレータは、代替助燃運転形態と標準運転形態とのうち、プラント効率の観点から、一方の運転形態を容易に選択することができる。
【0032】
上記目的を達成するための発明に係る他の態様としてのコンバインドサイクルプラントは、
前記他の態様の制御装置と、複数の前記ガスタービンユニットと、一基以上の前記蒸気タービンと、を備える。
【発明の効果】
【0033】
本発明の一態様によれば、プラント効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本発明に係る第一実施形態におけるコンバインドサイクルプラントの系統図である。
【
図2】本発明に係る第一実施形態におけるコンバインドサイクルプラントの時間経過に伴うプラント出力及びプラント効率の変化を示すグラフである。
【
図3】本発明に係る第一実施形態におけるコンバインドサイクルプラントの制御装置の動作を示すフローチャートである。
【
図4】本発明に係る第一実施形態におけるコンバインドサイクルプラントで、助燃運転形態を一切実行しない場合のプラント出力とプラント効率との関係を示すグラフである。
【
図5】本発明に係る第一実施形態におけるコンバインドサイクルプラントで、助燃運転形態を部分的に実行する場合のプラント出力とプラント効率との関係を示すグラフである。
【
図6】本発明に係る第二実施形態におけるコンバインドサイクルプラントの系統図である。
【
図7】本発明に係る第二実施形態におけるコンバインドサイクルプラントで、助燃運転形態を部分的に実行する場合のプラント出力とプラント効率との関係を示すグラフである。
【
図8】本発明に係る第三実施形態におけるコンバインドサイクルプラントの系統図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明に係るコンバインドサイクルプラントの各種実施形態について、図面を用いて説明する。
【0036】
「第一実施形態」
まず、
図1~
図5を参照して、本発明に係るコンバインドサイクルプラントの第一実施形態について説明する。
【0037】
本実施形態のコンバインドサイクルプラントは、
図1に示すように、二基のガスタービンユニットUと、一基の蒸気タービン40と、蒸気タービン40から排気された蒸気を水に戻す復水器44と、蒸気タービン40の駆動で発電する蒸気タービン発電機45と、を備える。
【0038】
二基のガスタービンユニットUは、いずれも、一基のガスタービン10と、このガスタービン10からの排気ガスの熱を利用して蒸気を発生する一基のHRSG30と、ガスタービン10の駆動で発電する一基のガスタービン発電機25と、を有する。ガスタービン10は、空気を圧縮する圧縮機11と、圧縮機11で圧縮された空気中で燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成する燃焼器14と、高温高圧の燃焼ガスにより駆動するタービン15と、燃焼器14に供給する燃料Fの流量を調節する主燃料弁21と、を有する。圧縮機11は、軸線を中心として回転する圧縮機ロータ12と、この圧縮機ロータ12を覆う圧縮機ケーシング13と、を有する。燃焼器14には、主燃料ライン20が接続されている。主燃料弁21は、この主燃料ライン20に設けられている。タービン15は、軸線を中心として回転するタービンロータ16と、このタービンロータ16を覆うタービンケーシング17と、を有する。タービン15のタービンロータ16と圧縮機11の圧縮機ロータ12とは、同一の軸線を中心として回転するもので、相互に連結されて、ガスタービンロータ18を成す。このガスタービンロータ18には、ガスタービン発電機25のロータが接続されている。
【0039】
なお、以下の説明の都合上、二基のガスタービンユニットUのうち、第一ガスタービンユニットUaに含まれるガスタービン10を第一ガスタービン10a、この第一ガスタービンユニットUaに含まれるHRSG30を第一HRSG30aとする。また、二基のガスタービンユニットUのうち、第二ガスタービンユニットUbに含まれるガスタービン10を第二ガスタービン10b、この第二ガスタービンユニットUbに含まれるHRSG30を第二HRSG30bとする。
【0040】
HRSG30は、ガスタービン10からの排気ガスが流れる蒸気発生器枠31と、蒸気発生器枠31内に配置されている伝熱管32と、を有する。蒸気発生器枠31は、排気ガスが流入する排気ガス入口31iと、排気ガスが流出する排気ガス出口31oとを有する。タービン15の排気口17oと蒸気発生器枠31の排気ガス入口31iとは、タービン15からの排気ガスが蒸気発生器枠31内に流入するよう、接続されている。蒸気発生器枠31の排気ガス出口31oと煙突39とは、蒸気発生器枠31からの排気ガスが煙突39に流入するよう、接続されている。伝熱管32は、水が流入する水入口32iと、蒸気が流出する蒸気出口32oと、を有する。水入口32iは、蒸気発生器枠31の排気ガス出口31o側に位置し、蒸気出口32oは、蒸気発生器枠31の排気ガス入口31i側に位置する。この伝熱管32は、蒸気発生器枠31内を排気ガス入口31iから排気ガス出口31o側に向かって流れる排気ガスと、伝熱管32内を流れる水又は蒸気とを熱交換させる。HRSG30には、助燃装置37が設けられている。この助燃装置37は、蒸気発生器枠31内に燃料を噴射する助燃バーナ33と、助燃バーナ33に燃料を導く助燃燃料ライン35と、助燃バーナ33に供給する燃料の流量を調節する助燃燃料弁36と、を有する。助燃燃料弁36は、この助燃燃料ライン35に設けられている。
【0041】
第一HRSG30aの水入口32iには、第一給水ライン51が接続されている。この第一給水ライン51には、この第一給水ライン51を流れる水の流量を調節する第一給水弁61が設けられている。第二HRSG30bの水入口32iには、第二給水ライン52が接続されている。この第二給水ライン52には、この第二給水ライン52を流れる水の流量を調節する第二給水弁62が設けられている。第一HRSG30aの蒸気出口32oには、第一蒸気ライン56が接続されている。この第一蒸気ライン56には、この第一蒸気ライン56を流れる蒸気の流量を調節する第一蒸気弁66が設けられている。第二HRSG30bの蒸気出口32oには、第二蒸気ライン57が接続されている。この第二蒸気ライン57には、この第二蒸気ライン57を流れる蒸気の流量を調節する第二蒸気弁67が設けられている。
【0042】
蒸気タービン40は、軸線を中心として回転する蒸気タービンロータ41と、この蒸気タービンロータ41を覆う蒸気タービンケーシング42と、を有する。蒸気タービンロータ41には、蒸気タービン発電機45のロータが接続されている。蒸気タービンケーシング42は、蒸気入口42iと蒸気排気口42oとを有する。蒸気入口42iには、主蒸気ライン55が接続されている。この主蒸気ライン55には、この主蒸気ライン55を流れる蒸気の流量を調節する主蒸気弁65が設けられている。主蒸気ライン55は、前述した第一蒸気ライン56及び第二蒸気ライン57に接続されている。蒸気排気口42oには、復水器44が接続されている。復水器44には、主給水ライン50が接続されている。この主給水ライン50は、二つのラインに分岐している。二つのラインのうち、一方のラインが第一給水ライン51を成し、他方のラインが第二給水ライン52を成す。
【0043】
本実施形態のコンバインドサイクルプラントは、さらに、以上で説明した各弁の動作を制御する制御装置100を備える。この制御装置100は、コンバインドサイクルプラントに対する要求出力を受け付ける要求出力受付部101と、コンバインドサイクルプラントの運転形態を定める運転形態設定部102と、複数の弁毎の開度を指示する弁制御部103と、を有する。
【0044】
運転形態設定部102は、標準運転形態と、助燃運転形態とのうち、いずれかの運転形態を定める。標準運転形態は、二基のガスタービンユニットUの少なくとも一基のガスタービンユニットUの燃焼器14に燃料を送り、且つ二基のガスタービンユニットUの各助燃バーナ33に燃料を送らない運転形態である。助燃運転形態は、二基のガスタービンユニットUの少なくとも一基のガスタービンユニットUの燃焼器14に燃料を送り、この一基のガスタービンユニットUの助燃バーナ33に燃料を送る運転形態である。すなわち、標準運転形態と助燃運転形態とのいずれの運転形態でも、二基のガスタービンユニットUの少なくとも一基のガスタービンユニットUの燃焼器14に燃料を送る。しかしながら、標準運転形態では、二基のガスタービンユニットUの助燃バーナ33に燃料を送らず、助燃運転形態では、少なくとも一基のガスタービンユニットUの助燃バーナ33に燃料を送る。
【0045】
運転形態設定部102は、表示部102aと、運転形態受付部102bと、運転形態決定部102cと、を有する。表示部102aは、要求出力に対して代替助燃運転形態が実施可能な場合に、代替助燃運転形態と標準運転形態とのうち、一方の運転形態を選択可能である旨を表示する。なお、ここでの代替助燃運転形態とは、二基のガスタービンユニットUのうち、一方のガスタービンユニットU(例えば、第一ガスタービンユニットUa)の燃焼器14のみに燃料を送り且つ一方のガスタービンユニットU(例えば、第一ガスタービンユニットUa)の助燃バーナ33に燃料を送る助燃運転形態であって、プラント出力が、二基のガスタービンユニットUの各燃焼器14に燃料を送り、二基のガスタービンユニットUの各助燃バーナ33に燃料を送らいない標準運転形態のときのプラント出力とプラント出力が同じになる助燃運転形態である。運転形態受付部102bは、表示部102aでの表示内容に対して、一方の運転形態を受け付ける。運転形態決定部102cは、運転形態受付部102bが受け付けた一方の運転形態を、コンバインドサイクルプラントの運転形態として決める。なお、代替助燃運転形態のプラント出力とプラント出力が同じになる標準運転形態を対応標準運転形態とする。
【0046】
弁制御部103は、運転形態設定部102が定めた運転形態と要求出力受付部101が受け付けた要求出力に応じて、以上で説明した複数の弁毎の開度を定め、各弁に対応する開度を指示する。
【0047】
運転形態決定部102c、弁制御部103、及び以上で説明した複数の弁は、制御部104を構成する。
【0048】
次に、
図2を用いて、時間経過に伴うコンバインドサイクルプラントの出力及び効率の変化について説明する。
【0049】
第一ガスタービン10aへの燃料供給が開始され(t1)、この燃料の流量を時間経過に伴い徐々に増加させると、この第一ガスタービン10aの出力(図中、一点鎖線で示す)は、時間経過に伴い徐々に増加する。第一ガスタービン10aに供給される燃料が増加している過程では、コンバインドサイクルプラントに含まれる第一ガスタービン10aと第二ガスタービン10bと蒸気タービン40とのうち、第一ガスタービン10aのみが駆動しているので、プラント出力(図中、細実線で示す)は、第一ガスタービン10aの出力と同じになる。
【0050】
ガスタービン効率は、ガスタービン10に供給される燃料が増加し、燃焼ガスの温度が高くなるに連れて、高まる。このため、第一ガスタービン10aに供給される燃料が増加している過程では、プラント効率η(図中、太実線で示す)も、時間経過に伴い高まる。なお、プラント効率ηは、プラント出力を、プラントに供給した燃料が持つ熱エネルギーで割った値である。
【0051】
第一ガスタービン10aの出力が、この第一ガスタービン10aに対して定められている許容最大出力Pgtcになると(t2)、第一ガスタービン10aに供給される燃料の流量を一定にする。この結果、第一ガスタービン10aの出力は、許容最大出力Pgtcを維持する。なお、以下では、ガスタービン10が許容最大出力になっているときに、ガスタービン10に供給される燃料の流量を許容最大流量とする。
【0052】
第一HRSG30aは、第一ガスタービン10aから排気された排気ガスの熱を利用して水を加熱して、この水を蒸気にする。第一HRSG30aからの蒸気の状態量が蒸気タービン40への供給条件を満たすと、蒸気タービン40への蒸気供給が開始され(t2)、この蒸気の流量を時間経過に伴い徐々に増加させる。蒸気タービン40に供給される蒸気の流量が徐々に増加すると、蒸気タービン40の出力(図中、長破線で示す)も、徐々に増加する。蒸気タービン40への蒸気供給が開始され、この蒸気の流量が増加している過程では、コンバインドサイクルプラントに含まれる第一ガスタービン10aと第二ガスタービン10bと蒸気タービン40とのうち、第一ガスタービン10aと蒸気タービン40とが駆動しているので、プラント出力は、第一ガスタービン10aの出力と蒸気タービン40の出力との和になる。このため、この時点におけるプラント出力は、第一ガスタービン10aの出力が許容最大出力Pgtcで一定であっても、蒸気タービン40の出力の増加分だけ増加する。
【0053】
第一ガスタービン10aに供給されている燃料の流量が一定であっても、蒸気タービン40の出力が増加すれば、前述したように、プラント出力は増加する。このため、第一ガスタービン10aに供給されている燃料の流量が一定でも、蒸気タービン40に供給される蒸気の流量が増加している過程では、プラント効率ηは、蒸気タービン40の出力の増加に伴って高まる。
【0054】
第一ガスタービン10aの出力が許容最大出力Pgtcで一定になると、その後、第一ガスタービン10aからの排気ガスの熱で発生する蒸気の流量も一定になる。このため、第一ガスタービン10aの出力が許容最大出力Pgtcで一定になると、第一ガスタービン10aからの排気ガスの熱に起因した蒸気タービン40の出力は、一時的に増加するものの、その後、増加しなくなり(t3)、Pstc1で一定になる。この結果、時刻t3で、プラント出力Pは、第一ガスタービン10aの許容最大出力Pgtcと、このときの蒸気タービン40の出力Pstc1とを加算した値P1になる。
【0055】
ここで、二基のガスタービンユニットUが駆動し、各ガスタービン10の出力が許容最大出力Pgtcであり、助燃装置37を駆動していないときの蒸気タービン40の出力は、この蒸気タービン40の許容最大出力(100%)であるとする。前述した蒸気タービン40の出力Pstc1は、助燃装置37を駆動せず、一基のガスタービンユニットUのみが駆動しているときの蒸気タービン40の最大出力である。このPstc1は、この蒸気タービン40の許容最大出力の約50%である。また、二基のガスタービンユニットU及び蒸気タービン40が駆動し、各ガスタービン10の出力が許容最大出力Pgtcであり、助燃装置37を駆動していないときのプラント出力P3をこのプラントの最大出力(100%)とする。前述した蒸気タービン40の出力Pstc1とガスタービン10の許容最大出力Pgtcとを加算したプラント出力P1は、助燃装置37を駆動せず、一基のガスタービンユニットU及び蒸気タービン40のみが駆動しているときの最大出力である。このプラント出力P1は、プラント最大出力P3の約50%である。
【0056】
また、以上で説明した時刻t1~t3の運転区間を、第一運転区間と称する。すなわち、この第一運転区間は、助燃装置37を駆動せずに第一ガスタービンユニットUaを駆動する、叉は助燃装置37を駆動せずに第一ガスタービンユニットUa及び蒸気タービン40を駆動する運転区間である。
【0057】
ここで、第一ガスタービン10aからの排気ガスの熱に起因した蒸気タービン40の出力が増加しなくなり、Pstc1で一定になると(t3)、助燃バーナ33から蒸気発生器枠31内に燃料を噴射させ、この燃料を蒸気発生器枠31内で燃焼させるとする。蒸気発生器枠31内で燃料が燃焼すると、第一ガスタービン10aからの排気ガスの熱に起因した蒸気の発生量が一定であっても、HRSG30から発生する蒸気の流量は、増加する。このため、助燃バーナ33から蒸気発生器枠31内に燃料を噴射させた場合、蒸気タービン40の出力は、助燃バーナ33からの噴出した燃料が持つ熱エネルギー分(図中、短破線で示す)だけ増加する。
【0058】
よって、第一ガスタービン10aの出力が許容最大出力Pgtcで一定になり、且つ第一ガスタービン10aからの排気ガスの熱に起因した蒸気の発生量が一定になっても、助燃バーナ33から燃料を噴射させると、蒸気タービン40の出力が増加する結果、プラント出力も増加する。但し、助燃バーナ33から噴射する燃料は、第一ガスタービン10aの駆動に寄与しない。このため、助燃バーナ33から燃料を噴射すると、プラント効率ηは、η1からη2へと低下する。
【0059】
助燃バーナ33からの燃料供給を開始してから(t3)、この燃料の流量を徐々に増加していくと、この燃料の増加に伴って、蒸気タービン40の出力及びプラント出力が増加する一方で、プラント効率ηが前述したようにη1からη2へと低下する。助燃バーナ33から噴射する燃料の流量が許容最大流量になると(t4)、この燃料の流量を許容最大流量で一定にする。この結果、蒸気タービン40の出力、プラント出力P、プラント効率ηが一定になる。このときのプラント出力Pは、助燃運転形態での最大出力P2になる。
【0060】
助燃バーナ33から噴射する燃料の流量を所定時間一定にした後(t5)、この燃料の流量を徐々に減少させていくと、この燃料の減少に伴って、蒸気タービン40の出力及びプラント出力PがP2からP1へと減少する一方で、プラント効率ηがη2からη1へと高まる。
【0061】
助燃バーナ33への燃料供給を停止した時点で(t6)、コンバインドサイクルプラントに対する要求出力が、例えば、このコンバインドサイクルプラントの許容最大出力になったとする。この場合、第二ガスタービン10bを起動させて、この第二ガスタービン10bを第一ガスタービン10aと共に駆動させることなる。
【0062】
ここで、以上で説明した時刻t3~t6の運転区間を、第二運転区間と称する。すなわち、この第二運転区間は、第一運転区間での最大出力P1の要求出力を受けた場合に、第一ガスタービンユニットUa、助燃装置37及び蒸気タービン40を駆動する運転区間である。この第二運転区間での最大出力は、前述した助燃運転形態での最大出力P2である。言い換えると、この第二運転区間での最大出力P2は、第一ガスタービン10aが許容最大出力Pgtcときで且つ助燃装置37から燃料の流量が許容最大流量のときのプラント出力である。
【0063】
第二ガスタービン10bを起動させて、この第二ガスタービン10bを第一ガスタービン10aと共に駆動させる場合、第一HRSG30aから発生する蒸気の状態量と第二HRSG30bから発生する蒸気の状態量とを揃える必要がある。
【0064】
このため、前述したように、助燃バーナ33への燃料供給を停止した時点で(t6)、第二ガスタービン10bを起動させる場合、第一ガスタービン10aに供給する燃料の流量を徐々に減少させる一方で、第二ガスタービン10bへの燃料供給を開始して、この燃料の流量を徐々に増加させる。第一ガスタービン10aに供給する燃料の流量が徐々に減少すると、第一ガスタービン10aの出力は徐々に減少する。また、第二ガスタービン10bへの燃料供給が開始され、この燃料の流量が徐々に増加すると、第二ガスタービン10bの出力(図中、二点鎖線で示す)は徐々に増加する。
【0065】
第二ガスタービン10bへの燃料供給が開始された直後では、第二HRSG30bから蒸気タービン40に蒸気を供給できない。また、第一ガスタービン10aへの燃料供給量が徐々に減っている過程では、第一HRSG30aからの蒸気タービン40に供給する蒸気の流量も徐々に減る。このため、第一ガスタービン10aに供給する燃料の流量が徐々に減少し、且つ第二ガスタービン10bへの燃料供給が開始された直後では、蒸気タービン40の出力は、徐々に低下する。
【0066】
このため、第一ガスタービン10aへの燃料供給量が徐々に減り、且つ、第二ガスタービン10bへの燃料供給が開始された直後では、プラント出力Pが減少する。
【0067】
前述したように、ガスタービン効率は、ガスタービン10に供給される燃料が増加し、燃焼ガスの温度が高くなるに連れて、高まる。このため、第一ガスタービン10aへの燃料供給量が徐々に減り、且つ、第二ガスタービン10bへの燃料供給が開始された直後では、第一ガスタービン10a及び第二ガスタービン10bのそれぞれに許容最大流量の燃料を供給しているときよりも、第一ガスタービン10aの効率及び第二ガスタービン10bの効率が低くなる。しかも、この時点で、蒸気タービン40の効率も低下する。よって、第一ガスタービン10aへの燃料供給量が徐々に減り、且つ、第二ガスタービン10bへの燃料供給が開始された直後では、プラント効率ηが大きく低下する。
【0068】
第一ガスタービン10aの出力と第二ガスタービン10bの出力とが同じになると(t7)、第一ガスタービン10aへ供給される燃料の流量が所定時間維持されると共に、第二ガスタービン10bへ供給される燃料の流量が所定時間維持される。この結果、第一HRSG30aから発生する蒸気の状態量と第二HRSG30bから発生する蒸気の状態量とが揃う。
【0069】
各ガスタービン10へ供給される燃料の流量が維持されている間、第二HRSG30bからの蒸気の状態量が蒸気タービン40への供給条件を満たすと(t8)、この第二HRSG30bからの蒸気が蒸気タービン40へ供給開始される。このため、蒸気タービン40の出力は、この時点(t8)から徐々に増加する。
【0070】
各ガスタービン10へ供給される燃料の流量が維持されている間であって、第二HRSG30bからの蒸気の状態量が蒸気タービン40への供給条件を満たす(t8)前、プラント出力及びプラント効率ηは、一定である。また、各ガスタービン10へ供給される燃料の流量が維持されている間であって、第二HRSG30bからの蒸気の状態量が蒸気タービン40への供給条件を満たした後(t8)、プラント出力及びプラント効率ηは、蒸気タービン40の出力増加に伴って、徐々に高まる。
【0071】
各ガスタービン10へ供給される燃料の流量が所定時間維持された後(t9)、各ガスタービン10へ供給される燃料の流量を徐々に増加させる。各ガスタービン10の出力及び効率も、徐々に高まる。さらに、蒸気タービン40には、第一HRSG30aからの蒸気と第二HRSG30bからの蒸気とが流入し、蒸気タービン40の出力及び効率も、徐々に高まる。このため、各ガスタービン10へ供給される燃料の流量が所定時間維持された後(t9)、各ガスタービン10へ供給される燃料の流量が徐々に増加している過程では、プラント効率ηが急激に高まる。
【0072】
第一ガスタービン10aの出力及び第二ガスタービン10bの出力が、それぞれ、許容最大出力Pgtcになると(t10)、第一ガスタービン10a及び第二ガスタービン10bに供給される燃料の流量は、一定になる。この結果、第一ガスタービン10a及び第二ガスタービン10bの出力は、許容最大出力Pgtcを維持する。第一ガスタービン10a及び第二ガスタービン10bに供給される燃料の流量は、一定になると、その後、第一HRSG30a及び第二HRSG30bから発生する蒸気の流量も一定になり、蒸気タービン40の出力も一定になる。このときの蒸気タービン40の出力は、前述したように、この蒸気タービン40の許容最大出力(100%)である。
【0073】
第一ガスタービン10aの出力及び第二ガスタービン10bの出力が、それぞれ、許容最大出力Pgtcになると(t10)、各タービン15の効率が最高になる上に、蒸気タービン40の効率も最高になる。よって、第一ガスタービン10aの出力及び第二ガスタービン10bの出力が、それぞれ、許容最大出力Pgtcになると(t10)、プラント効率ηも最高のη6になる。
【0074】
ここで、以上で説明した時刻t6以降の運転区間を、第三運転区間と称する。すなわち、この第三運転区間は、第二運転区間での最大出力P2以上の要求出力を受けた場合に、第一ガスタービンユニットUa、助燃装置37及び蒸気タービン40を駆動する運転区間である。
【0075】
次に、
図3に示すフローチャートに従って、本実施形態の制御装置100の動作について説明する。
【0076】
まず、要求出力受付部101が外部からコンバインドサイクルプラントに対する要求出力を受け付ける(S1:要求出力受付工程)。
【0077】
要求出力受付部101が要求出力を受け付けると、運転形態設定部102は、運転形態として、標準運転形態と助燃運転形態とのうち、一方の運転形態を定める(S2:運転形態設定工程)。運転形態設定部102は、要求出力が特定範囲(P1~P2)内の出力である場合を除いて、運転形態として、標準運転形態を定める。
【0078】
運転形態設定部102により運転形態として標準運転形態が定められると、弁制御部103が、主燃料弁21及び助燃燃料弁36の弁開度を定め、これらの弁に対して、弁開度を示す弁開度指令を出力する(S3:弁制御工程)。標準運転形態は、助燃バーナ33から燃料を噴射しない運転形態である。このため、運転形態として標準運転形態が定められた場合、弁制御部103は、二基のガスタービンユニットUの各助燃燃料弁36の開度を0にする弁開度指令を各助燃燃料弁36に出力する。また、弁制御部103は、要求出力を満たす燃焼器14への燃料の流量を定める。そして、弁制御部103は、この流量に応じた主燃料弁21の開度を定めて、この開度を示す弁開度指令を主燃料弁21に出力する。
【0079】
ところで、
図2に示すように、第一ガスタービンユニットUaの燃焼器14及び助燃バーナ33に燃料を送っている時間帯でのプラント出力(P1~P2)と、二基のガスタービンユニットUの各燃焼器14に燃料を送って各助燃バーナ33に送っていない時間帯(t6以降)の一部でのプラント出力(P1~P2)とは、同じである。二基のガスタービンユニットUの各燃焼器14に燃料を送って各助燃バーナ33に送っていない時間帯の一部での運転形態は、標準運転形態である。また、第一ガスタービンユニットUaの燃焼器14及び助燃バーナ33に燃料を送っている時間帯(t3~t6)での運転形態は、この標準運転形態に対する代替助燃運転形態である。なお、前述したように、代替助燃運転形態のプラント出力とプラント出力が同じになる標準運転形態は、対応標準運転形態である。
【0080】
よって、要求出力受付部101が特定範囲(P1~P2)の要求出力を受け付けた場合、このときの運転形態として代替助燃運転形態、言い換えると第二運転区間が実施可能になる。要求出力受付部101が特定範囲(P1~P2)の要求出力を受け付けると(S1)、運転形態設定部102は、前述したように、運転形態として、標準運転形態と助燃運転形態とのうち、一方の運転形態を定める(S2)。このときの運転形態設定工程(S2)では、表示工程(S2a)、運転形態受付工程(S2b)、及び運転形態決定工程(S2c)が実行される。
【0081】
表示工程(S2a)では、表示部102aが、代替助燃運転形態(第二運転区間)と他対応標準運転形態(代替第二運転区間)とのうち、一方の運転形態(一方の運転区間)を選択可能である旨を表示する。さらに、表示部102aは、代替助燃運転形態を実行したときのプラント効率ηと、対応標準運転形態を実行したときのプラント効率ηとを併せて表示する。オペレータは、この表示内容から、代替助燃運転形態と対応標準運転形態とのうち、一方の運転形態を選択し、この一方の運転形態を実行させたい旨を運転形態受付部102bに入力する。すなわち、運転形態受付工程(S2b)において、運転形態受付部102bが一方の運転形態を受け付ける。運転形態決定工程(S2c)では、運転形態決定部102cが、この一方の運転形態を、運転形態設定部102が定める運転形態とする。
【0082】
仮に、運転形態受付工程(S2b)において、運転形態受付部102bが代替助燃運転形態(第二運転区間)を受け付けたとする。この場合、運転形態決定部102cは、運転形態として、この代替助燃運転形態を定める。運転形態として代替助燃運転形態が定められた場合、弁制御工程(S3)において、弁制御部103は、第一ガスタービン10aの出力が許容最大出力Pgtcになるよう、第一ガスタービンユニットUaの燃焼器14に供給する燃料の流量を定める。そして、弁制御部103は、この燃料の流量に応じた主燃料弁21の開度を定め、この開度を示す弁開度指令を第一ガスタービンユニットUaの主燃料弁21に出力する。さらに、弁制御部103は、プラント出力が第一ガスタービン10aの許容最大出力Pgtcでは要求出力に対して不足する分を、第一ガスタービンユニットUaの助燃バーナ33から噴出する燃料の燃焼で補えるよう、この燃料の流量を定める。そして、弁制御部103は、この燃料の流量に応じた助燃燃料弁36の開度を定め、この開度を示す弁開度指令を第一ガスタービンユニットUaの助燃燃料弁36に出力する。弁制御部103は、このとき、第二ガスタービンユニットUbの主燃料弁21の開度を0にする弁開度指令をこの主燃料弁21に出力し、第二ガスタービンユニットUbの助燃燃料弁36の開度を0にする弁開度指令をこの助燃燃料弁36に出力する。
【0083】
この結果、コンバインドサイクルプラントの運転形態が代替助燃運転形態になる。
図2を用いて前述したように、代替助燃運転形態(第二運転区間)でのプラント出力の範囲は(P1~P2)である。また、この代替助燃運転形態でのプラント効率ηの範囲は(η1~η2)である。一方、プラント出力の範囲(P1~P2)を標準運転形態で実現する場合、この標準運転形態である対応標準運転形態(代替第二運転区間)は、前述したように、二基のガスタービンユニットUの各燃焼器14に燃料を送って各助燃バーナ33に送っていない時間帯の一部での運転形態である。この対応標準運転形態では、二基のガスタービンユニットUの各燃焼器14には、許容最大出力のほぼ半分ほどの出力が得られる流量の燃料が供給される。このため、二基のガスタービンユニットUの各ガスタービン10の効率は、一基のガスタービン10に許容最大出力が得られる流量の燃料を供給した場合のガスタービン10の効率よりも、大幅に低い。よって、代替助燃運転形態でのプラント効率ηの範囲(η1~η2)は、助燃燃料の噴射により、ガスタービン10が許容最大出力で駆動しているときのガスタービン10の効率より低くなるものの、この代替助燃運転形態に対応する標準運転形態でのプラント効率ηの範囲(η3~η4)より高くなる。
【0084】
ここで、本実施形態でのプラント出力Pとプラント効率ηとの関係について、
図4及び
図5を用いて説明する。なお、
図4及び
図5において、横軸はプラント出力Pを示し、縦軸はプラント効率ηを示す。
【0085】
図4は、助燃運転形態を一切実行しない場合のプラント出力Pとプラント効率ηとの関係を示すグラフである。
図4に示すように、要求出力がプラント出力Pの0%~約50%の場合、前述の第一運転区間が実行される。すなわち、助燃装置37が駆動されずに第一ガスタービンユニットUaが駆動される、叉は助燃装置37が駆動されずに第一ガスタービンユニットUa及び蒸気タービン40が駆動される。よって、この第一運転区間は、1基のガスタービンユニットUの駆動に対して、一基の蒸気タービン40が駆動する1on1運転区間である。この第一運転区間では、プラント出力Pの増加に伴ってプラント効率ηも増加する。この第一運転区間での最大プラント出力P1(約50%)時におけるプラント効率ηは、
図2を用いて前述したようにη1である。
【0086】
要求出力が約50%~100%になると、前述の代替第二運転区間が実行される。すなわち、助燃装置37が駆動されずに、第一ガスタービンユニットUa、第二ガスタービンユニットUb、及び蒸気タービン40が駆動される。よって、この代替第二運転区間は、2基のガスタービンユニットUの駆動に対して、一基の蒸気タービン40が駆動する2on1運転区間である。この代替第二運転区間でも、プラント出力Pの増加に伴ってプラント効率ηも増加する。この代替第二運転区間での最大プラント出力P3(100%)時におけるプラント効率ηは、
図2を用いて前述したようにη6である。プラント効率η6は、プラント効率η1より大きい。これは、第一運転区間では、蒸気タービン40の効率が最高でないのに対して、代替第二運転区間では、蒸気タービン40の効率が最高になるからである。
【0087】
図5は、助燃運転形態を部分的に実行する場合のプラント出力Pとプラント効率ηとの関係を示すグラフである。
図5に示すように、要求出力がプラント出力Pの0%~約50%の場合、
図4に示す場合と同様に、第一運転区間が実行される。この第一運転区間中に、要求出力受付部101が特定範囲(P1(≒50%)~P2)の要求出力を受け付けた場合、運転形態設定部102が、前述したように、運転形態として、対応標準運転形態(代替第二運転区間)と代替助燃運転形態(第二運転区間)とのうち、一方の運転形態を定める。ここでは、運転形態設定部102が、運転形態として、代替助燃運転形態(第二運転区間)を定めたとする。代替助燃運転形態(第二運転区間)では、第一ガスタービンユニットUa、助燃装置37及び蒸気タービン40が駆動される。この第二運転区間のプラント効率ηは、第一運転区間での最大プラント効率η1から、プラント出力Pの増加に伴って徐々に低下し、この第二運転区間での最大プラント出力P2時にη2になる。これは、前述したように、助燃装置37からの燃料が第一ガスタービン10aの駆動に寄与しないからである。
【0088】
ところで、前述したように、対応標準運転形態では、二基のガスタービンユニットUの各燃焼器14には、許容最大出力のほぼ半分ほどの出力が得られる流量の燃料が供給される。このため、二基のガスタービンユニットUの各ガスタービン10の効率は、一基のガスタービン10に許容最大出力が得られる流量の燃料を供給した場合のガスタービン10の効率(ガスタービンの最大効率)よりも、大幅に低い。このため、対応標準運転形態(代替第二運転区間)でプラント出力PがP1~P2の場合、プラント効率ηがη3~η4になる。一方、代替助燃運転形態(第二運転区間)では、助燃燃料の噴射により、ガスタービン10が許容最大出力で駆動しているときのガスタービン10の効率よりも、プラント効率ηが低くなるものの、ガスタービン10が最大効率で駆動している。このため、代替助燃運転形態(第二運転区間)でのプラント効率ηの範囲は、対応標準運転形態(プラント出力PがP1~P2のときの代替第二運転区間)でのプラント効率の範囲(η3~η4)より高いη1~η2になる。
【0089】
要求出力がP2~P3(100%)になると、運転形態設定部102が、運転形態として標準運転形態を定め、前述の第三運転区間が実行される。すなわち、助燃装置37が駆動されずに、第一ガスタービンユニットUa、第二ガスタービンユニットUb、及び蒸気タービン40が駆動される。よって、この第三運転区間は、前述の代替第二運転区間と同様、2基のガスタービンユニットUの駆動に対して、一基の蒸気タービン40が駆動する2on1運転区間である。この第三運転区間でのプラント効率ηは、η3から、プラント出力Pの増加に伴って増加する。この第三運転区間での最大プラント出力P3(100%)時におけるプラント効率ηは、
図4を用いて説明した代替第二運転区間での最大プラント出力P3(100%)時におけるプラント効率η6と同じη6である。
【0090】
以上のように、本実施形態では、代替助燃運転形態、つまり第二運転区間を実行することで、標準運転形態のみを実行した場合のプラント効率ηよりも、プラント効率ηを高めることができる。
【0091】
ところで、要求出力受付部101が特定範囲(P1~P2)の要求出力を受け付けた後、短時間のうちに、この特定範囲(P1~P2)の要求出力よりも大きい要求出力を受けることが想定される場合がある。この場合、要求出力受付部101が特定範囲(P1~P2)の要求出力を受け付けた時点で、一基のガスタービンユニットUによる代替助燃運転形態を実行するよりも、二基のガスタービンユニットUによる標準運転形態を実行する方が、特定範囲(P1~P2)の要求出力よりも大きい要求出力を受けた後に、この要求出力を満たすまでの時間を短くすることができる。
【0092】
このため、本実施形態では、要求出力受付部101が特定範囲(P1~P2)の要求出力を受け付けた場合でも、オペレータに、一基のガスタービンユニットUによる代替助燃運転形態を実行するか、二基のガスタービンユニットUによる標準運転形態を実行するかについて、選択させ、オペレータで選択された方の運転形態を実行するようにしている。
【0093】
また、本実施形態では、表示工程(S2a)では、前述したように、代替助燃運転形態と標準運転形態とのうち、一方の運転形態を選択可能である旨と、代替助燃運転形態を実行したときのプラント効率η及び標準運転形態を実行したときのプラント効率ηと、を表示する。このため、オペレータは、代替助燃運転形態と標準運転形態とのうち、プラント効率ηの観点から、一方の運転形態を容易に選択することができる。
【0094】
なお、本実施形態では、以上で説明したように、要求出力受付部101が特定範囲(P1~P2)の要求出力を受け付けた場合、オペレータに、一基のガスタービンユニットUによる代替助燃運転形態を実行するか、二基のガスタービンユニットUによる標準運転形態を実行するかについて、選択させる。しかしながら、要求出力受付部101が特定範囲(P1~P2)の要求出力を受け付けた場合、必ず代替助燃運転形態を実行するようにしてもよい。
【0095】
「第二実施形態」
次に、
図6及び
図7を参照して、本発明に係るコンバインドサイクルプラントの第二実施形態について説明する。
【0096】
本実施形態のコンバインドサイクルプラントは、
図6に示すように、第一実施形態のコンバインドサイクルプラントに、更に一基のガスタービンユニットUcを追加したプラントである。すなわち、本実施形態のコンバインドサイクルプラントは、三基のガスタービンユニットUと、一基の蒸気タービン40と、蒸気タービン40から排気された蒸気を水に戻す復水器44と、蒸気タービン40の駆動で発電する蒸気タービン発電機45と、を備える。
【0097】
本実施形態における各ガスタービンユニットUは、第一実施形態におけるガスタービンユニットUと同様、一基のガスタービン10と、このガスタービン10からの排気ガスの熱を利用して蒸気を発生する一基のHRSG30と、ガスタービン10の駆動で発電する一基のガスタービン発電機25と、を有する。
【0098】
三基のガスタービンユニットUのそれぞれのHRSG30は、いずれも、第一実施形態のHRSG30と同様、蒸気発生器枠31と、伝熱管32と、を有する。各HRSG30には、第一実施形態のHRSG30と同様、助燃装置37が設けられている。
【0099】
なお、以下の説明の都合上、三基のガスタービンユニットUのうち、第一ガスタービンユニットUaに含まれるガスタービン10を第一ガスタービン10a、この第一ガスタービンユニットUaに含まれるHRSG30を第一HRSG30aとする。また、三基のガスタービンユニットUのうち、第二ガスタービンユニットUbに含まれるガスタービン10を第二ガスタービン10b、この第二ガスタービンユニットUbに含まれるHRSG30を第二HRSG30bとする。さらに、また、三基のガスタービンユニットUのうち、第三ガスタービンユニットUcに含まれるガスタービン10を第三ガスタービン10c、この第三ガスタービンユニットUcに含まれるHRSG30を第三HRSG30cとする。
【0100】
本実施形態のコンバインドサイクルプラントは、三基のガスタービンユニットUに対して一基の蒸気タービン40が設けられている3オン1タイプのコンバインドサイクルプラントである。蒸気タービン40には、この蒸気タービン40の駆動で発電する蒸気タービン発電機45が設けられている。また、本実施形態のコンバインドサイクルプラントでは、三基のガスタービンユニットUに対して、一基の復水器44が設けられている。
【0101】
復水器44には、主給水ライン50が接続されている。この主給水ライン50は、三つのラインに分岐している。三つのラインのうち、第一ラインが第一給水ライン51を成し、第二ラインが第二給水ライン52を成し、第三ラインが第三給水ライン53を成す。第一給水ライン51は、第一HRSG30aの水入口32iに接続されている。この第一給水ライン51には、この第一給水ライン51を流れる水の流量を調節する第一給水弁61が設けられている。第二給水ライン52は、第二HRSG30bの水入口32iに接続されている。この第二給水ライン52には、この第二給水ライン52を流れる水の流量を調節する第二給水弁62が設けられている。第三給水ライン53は、第三HRSG30cの水入口32iに接続されている。この第三給水ライン53には、この第三給水ライン53を流れる水の流量を調節する第三給水弁63が設けられている。
【0102】
蒸気タービン40の蒸気入口42iには、主蒸気ライン55が接続されている。この主蒸気ライン55には、この主蒸気ライン55を流れる蒸気の流量を調節する主蒸気弁65が設けられている。主蒸気ライン55は、第一蒸気ライン56、第二蒸気ライン57、第三蒸気ライン58に接続されている。第一蒸気ライン56は、第一HRSG30aの蒸気出口32oに接続されている。この第一蒸気ライン56には、この第一蒸気ライン56を流れる蒸気の流量を調節する第一蒸気弁66が設けられている。第二蒸気ライン57は、第二HRSG30bの蒸気出口32oに接続されている。この第二蒸気ライン57には、この第二蒸気ライン57を流れる蒸気の流量を調節する第二蒸気弁67が設けられている。第三蒸気ライン58は、第三HRSG30cの蒸気出口32oに接続されている。この第三蒸気ライン58には、この第三蒸気ライン58を流れる蒸気の流量を調節する第三蒸気弁68が設けられている。
【0103】
制御装置100は、第一実施形態の制御装置100と同様に、要求出力受付部101と、運転形態設定部102と、弁制御部103と、を有する。
【0104】
運転形態設定部102は、複数のガスタービンユニットUのうち、(M-1)(Mは2以上の自然数)基のガスタービンユニットUの助燃バーナ33に燃料を送る助燃運転形態であって、プラント出力が、M基のガスタービンユニットUの燃焼器14に燃料を送る標準運転形態のときのプラント出力と同じになる代替助燃運転形態が実施可能な場合に、運転形態として、代替助燃運転形態を定め得る。
【0105】
次に、本実施形態でのプラント出力Pとプラント効率ηとの関係について、
図7を用いて説明する。なお、
図7において、横軸はプラント出力Pを示し、縦軸はプラント効率ηを示す。
【0106】
要求出力がプラント出力Pの0%~約33%の場合、第一運転区間が実行される。この第一運転区間では、第一実施形態の第一運転区間と同様、助燃装置37を駆動せずに第一ガスタービンユニットUaを駆動する、叉は助燃装置37を駆動せずに第一ガスタービンユニットUa及び蒸気タービン40を駆動する。よって、この第一運転区間は、1基のガスタービンユニットUの駆動に対して、一基の蒸気タービン40が駆動する1on1運転区間である。また、この第一運転区間は、標準運転形態の区間である。この第一運転区間では、プラント出力Pの増加に伴ってプラント効率ηも増加する。この第一運転区間の最大プラント出力P1(約33%)時におけるプラント効率ηは、η1である。
【0107】
第一運転区間中に、要求出力受付部101が第一特定範囲(P1(≒33%)~P2)の要求出力を受け付けた場合、運転形態設定部102が、運転形態として、対応標準運転形態と代替助燃運転形態(第二運転区間)とのうち、一方の運転形態を定める。ここでは、運転形態設定部102が、運転形態として、代替助燃運転形態(第二運転区間)を定めたとする。代替助燃運転形態(第二運転区間)では、第一ガスタービンユニットUa、助燃装置37及び蒸気タービン40が駆動される。この第二運転区間のプラント効率ηは、第一運転区間での最大プラント効率η1から、プラント出力Pの増加に伴って徐々に低下し、この第二運転区間での最大プラント出力P2時に、この第二運転区間での最小プラント効率η2になる。代替助燃運転形態(第二運転区間)でのプラント効率ηの範囲は、対応標準運転形態(代替第二運転区間)でのプラント効率の範囲(η3~η4)より高いη1~η2になる。
【0108】
要求出力がP2~P3(≒67%)になると、運転形態設定部102が、運転形態として標準運転形態を定め、第三運転区間が実行される。この第三運転区間では、助燃装置37が駆動されずに、第一ガスタービンユニットUa、第二ガスタービンユニットUb、及び蒸気タービン40が駆動される。よって、この第三運転区間は、2基のガスタービンユニットUの駆動に対して、一基の蒸気タービン40が駆動する2on1運転区間である。この第三運転区間でのプラント効率ηは、η3から、プラント出力Pの増加に伴って増加する。この第三運転区間での最大プラント出力P3(≒67%)時におけるプラント効率ηは、この第三運転区間での最大プラント効率η6である。
【0109】
第二運転区間中に、要求出力受付部101が第二特定範囲(P3(≒67%)~P4)の要求出力を受け付けた場合、運転形態設定部102が、運転形態として、対応標準運転形態と代替助燃運転形態(第四運転区間)とのうち、一方の運転形態を定める。ここでは、運転形態設定部102が、運転形態として、代替助燃運転形態(第四運転区間)を定めたとする。代替助燃運転形態(第四運転区間)では、第一ガスタービンユニットUa、その助燃装置37、第二ガスタービンユニットUb、その助燃装置37、及び蒸気タービン40が駆動される。この第四運転区間のプラント効率ηは、第三運転区間での最大プラント効率η6から、プラント出力Pの増加に伴って徐々に低下し、この第四運転区間での最大プラント出力P4時に、この第四運転区間での最小プラント効率η7になる。代替助燃運転形態(第四運転区間)でのプラント効率ηの範囲は、対応標準運転形態(代替第四運転区間)でのプラント効率の範囲より高いη6~η7になる。
【0110】
要求出力がP4~P5(=100%)になると、運転形態設定部102が、運転形態として標準運転形態を定め、第五運転区間が実行される。この第五運転区間では、いずれの助燃装置37も駆動されずに、第一ガスタービンユニットUa、第二ガスタービンユニットUb、第三ガスタービンユニットUc。及び蒸気タービン40が駆動される。よって、この第五運転区間は、3基のガスタービンユニットUの駆動に対して、一基の蒸気タービン40が駆動する3on1運転区間である。この第五運転区間でのプラント効率ηは、プラント出力Pの増加に伴って増加する。この第五運転区間での最大プラント出力P5(=100%)時におけるプラント効率ηは、この第五運転区間での最大プラント効率η8である。なお、第五運転区間での最大プラント出力P5は、本実施形態のプラントにおけるプラント最大出力である。
【0111】
以上のように、本実施形態でも、第一実施形態と同様、代替助燃運転形態、つまり第二運転区間及び/又は第四運転区間を実行することで、標準運転形態のみを実行した場合のプラント効率ηよりも、プラント効率ηを高めることができる。
【0112】
ところで、第一実施形態のコンバインドサイクルプラントは、二基のガスタービンユニットUに対して一基の蒸気タービン40を備える2オン1タイプのコンバインドサイクルプラントである。一方、本実施形態のコンバインドサイクルプラントは、三基のガスタービンユニットUに対して一基の蒸気タービン40を備える3オン1タイプのコンバインドサイクルプラントである。このため、一基の蒸気タービン40に対して、三基以上のガスタービンユニットUを設けてもよい。
【0113】
「第三実施形態」
次に、
図8を参照して、本発明に係るコンバインドサイクルプラントの第三実施形態について説明する。
【0114】
本実施形態のコンバインドサイクルプラントは、三基のガスタービンユニットUxと、三基の蒸気タービン40と、三基の復水器44と、制御装置100と、を備える。
【0115】
三基のガスタービンユニットUxは、第一実施形態のガスタービンユニットUと同様、一基のガスタービン10と、このガスタービン10からの排気ガスの熱を利用して蒸気を発生する一基のHRSG30と、ガスタービン10の駆動で発電する一基の発電機25xと、を有する。
【0116】
三基のガスタービンユニットUxのそれぞれのHRSG30は、いずれも、第一実施形態のHRSG30と同様、蒸気発生器枠31と、伝熱管32と、を有する。各HRSG30には、第一実施形態のHRSG30と同様、助燃装置37が設けられている。
【0117】
本実施形態のコンバインドサイクルプラントでは、三基のガスタービンユニットUxのそれぞれに対して、一基の蒸気タービン40が設けられている。すなわち、本実施形態のコンバインドサイクルプラントは、一基のガスタービン10に対して一基の蒸気タービン40が設けられている1オン1タイプのコンバインドサイクルプラントである。また、本実施形態のコンバインドサイクルプラントでは、三基のガスタービンユニットUxのそれぞれに対して、一基の復水器44が設けられている。このため、一基のガスタービンユニットUxにおけるHRSG30の蒸気出口32oは、主蒸気ライン55により、一基の蒸気タービン40の蒸気入口42iのみに接続されている。また、一基のガスタービンユニットUxにおけるHRSG30の水入口32iは、給水ライン59により、一基の復水器44のみに接続されている。
【0118】
一基の蒸気タービン40における蒸気タービンロータ41は、一基のガスタービン10におけるガスタービンロータ18に機械的に連結されている。すなわち、本実施形態のコンバインドサイクルプラントは、一軸タイプのコンバインドサイクルプラントである。発電機25xは、蒸気タービンロータ41又はガスタービンロータ18に機械的に連結されている。このため、この発電機25xは、ガスタービン10の単独駆動でも、ガスタービン10と蒸気タービン40との駆動でも、発電する。
【0119】
制御装置100は、第一実施形態の制御装置100と同様に、要求出力受付部101と、運転形態設定部102と、弁制御部103と、を有する。
【0120】
運転形態設定部102は、複数のガスタービンユニットUxのうち、(M-1)(Mは2以上の自然数)基のガスタービンユニットUxの助燃バーナ33に燃料を送る助燃運転形態であって、プラント出力が、M基のガスタービンユニットUxの燃焼器14に燃料を送る標準運転形態ときのプラント出力と同じになる代替助燃運転形態が実施可能な場合に、運転形態として、代替助燃運転形態を定め得る。
【0121】
具体的に、運転形態設定部102は、1基のガスタービンユニットUxの助燃バーナ33に燃料を送る助燃運転形態であって、プラント出力が、2基のガスタービンユニットUxの燃焼器14に燃料を送る標準運転形態ときのプラント出力と同じになる代替助燃運転形態が実施可能な場合に、運転形態として、代替助燃運転形態を定め得る。さらに、運転形態設定部102は、2基のガスタービンユニットUxの助燃バーナ33に燃料を送る助燃運転形態であって、プラント出力が、3基のガスタービンユニットUxの燃焼器14に燃料を送る標準運転形態ときのプラント出力と同じになる代替助燃運転形態が実施可能な場合に、運転形態として、代替助燃運転形態を定め得る。
【0122】
従って、本実施形態でも、第一実施形態と同様、プラント効率ηを高めることができる。
【0123】
ところで、第一実施形態のコンバインドサイクルプラントは、二基のガスタービンユニットUを備える。一方、第二実施形態及び本実施形態のコンバインドサイクルプラントは、三基のガスタービンユニットUxを備える。よって、コンバインドサイクルプラントが備えるガスタービンユニットは、二基以上であれば、何基でもよい。
【0124】
また、第一実施形態のコンバインドサイクルプラントは、二基のガスタービン10に対して一基の蒸気タービン40が設けられる2オン1タイプのコンバインドサイクルプラントである。また、第二実施形態のコンバインドサイクルプラントは、三基のガスタービン10に対して一基の蒸気タービン40が設けられる3オン1タイプのコンバインドサイクルプラントである。一方、本実施形態のコンバインドサイクルプラントは、前述したように、一基のガスタービン10に対して一基の蒸気タービン40が設けられている1オン1タイプのコンバインドサイクルプラントである。よって、コンバインドサイクルプラントは、マルチ オン1タイプでも、1オン1タイプでもよい。
【0125】
第一実施形態及び第二実施形態のコンバインドサイクルプラントは、ガスタービンロータ18と蒸気タービンロータ41とが機械的に連結されていない多軸タイプのコンバインドサイクルプラントである。一方、本実施形態のコンバインドサイクルプラントは、前述したように、ガスタービンロータ18と蒸気タービンロータ41とが機械的に連結されている一軸タイプのコンバインドサイクルプラントである。よって、コンバインドサイクルプラントは、多軸タイプでも一軸タイプでもよい。
【符号の説明】
【0126】
U,Ux:ガスタービンユニット
Ua:第一ガスタービンユニット
Ub:第二ガスタービンユニット
Uc:第三ガスタービンユニット
10:ガスタービン
10a:第一ガスタービン
10b:第二ガスタービン
10c:第三ガスタービン
11:圧縮機
12:圧縮機ロータ
13:圧縮機ケーシング
14:燃焼器
15:タービン
16:タービンロータ
17:タービンケーシング
17o:排気口
18:ガスタービンロータ
20:主燃料ライン
21:主燃料弁
25:ガスタービン発電機
25x:発電機
30:HRSG(排熱回収蒸気発生器)
30a:第一HRSG(第一排熱回収蒸気発生器)
30b:第二HRSG(第二排熱回収蒸気発生器)
30c:第三HRSG(第三排熱回収蒸気発生器)
31:蒸気発生器枠
31i:排気ガス入口
31o:排気ガス出口
32:伝熱管
32i:水入口
32o:蒸気出口
33:助燃バーナ
35:助燃燃料ライン
36:助燃燃料弁
39:煙突
40:蒸気タービン
41:蒸気タービンロータ
42:蒸気タービンケーシング
42i:蒸気入口
42o:蒸気排気口
44:復水器
45:蒸気タービン発電機
50:主給水ライン
51:第一給水ライン
52:第二給水ライン
53:第三給水ライン
55:主蒸気ライン
56:第一蒸気ライン
57:第二蒸気ライン
58:第三蒸気ライン
59:給水ライン
61:第一給水弁
62:第二給水弁
63:第三給水弁
65:主蒸気弁
66:第一蒸気弁
67:第二蒸気弁
68:第三蒸気弁
100:制御装置
101:要求出力受付部
102:運転形態設定部
102a:表示部
102b:運転形態受付部
102c:運転形態決定部
103:弁制御部
104:制御部