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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-13
(45)【発行日】2022-06-21
(54)【発明の名称】インロー継式及び並継式の釣竿
(51)【国際特許分類】
   A01K 87/00 20060101AFI20220614BHJP
   A01K 87/02 20060101ALI20220614BHJP
【FI】
A01K87/00 620Z
A01K87/00 630C
A01K87/00 610Z
A01K87/02 Z
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019004806
(22)【出願日】2019-01-16
(65)【公開番号】P2020110123
(43)【公開日】2020-07-27
【審査請求日】2021-02-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000002495
【氏名又は名称】グローブライド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097559
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 浩司
(74)【代理人】
【識別番号】100123674
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 亮
(72)【発明者】
【氏名】中尾 雅好
(72)【発明者】
【氏名】中村 拓貴
【審査官】坂田 誠
(56)【参考文献】
【文献】実開平5-68270(JP,U)
【文献】実開平1-109975(JP,U)
【文献】特開2000-270720(JP,A)
【文献】特開2007-259740(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 87/00
A01K 87/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
大径竿杆と小径竿杆を、インローによって着脱可能に連結するインロー継式の釣竿において、
前記小径竿杆の後端側には、前記インローの外周面に対して嵌入、固定されると共に、前記インローの外周面から立ち上がる立ち上がり位置を備え、前記インロー外周面との間で微小隙間を有する開口内周面が形成されており、
前記開口内周面の開口縁には、前記立ち上がり位置への異物の侵入を防止するリング状の被膜が形成されており、
前記小径竿杆は、軸長方向に亘って巻回されるプリプレグシートによる本体層と、前記インローとの継合領域に巻回される補強シートによる補強層と、を備え、
前記開口内周面側は、インローの外周面に当接し、前記立ち上がり位置が形成される応力緩和シートと、前記本体層を保護し、前記本体層と応力緩和シートとの間に介在される保護シートが巻回されることを特徴とするインロー継式の釣竿。
【請求項2】
大径竿杆と小径竿杆を、インローによって着脱可能に連結するインロー継式の釣竿において、
前記小径竿杆の後端側には、前記インローの外周面に対して嵌入、固定されると共に、前記インローの外周面から立ち上がる立ち上がり位置を備え、前記インロー外周面との間で微小隙間を有する開口内周面が形成されており、
前記インローの外周面には、前記小径竿杆が嵌入された際、小径竿杆の開口内周面の開口縁と対向する位置に、前記立ち上がり位置への異物の侵入を防止するリング状の被膜が形成されており、
前記被膜は、小径竿杆の嵌入位置の目印としての機能を有する
ことを特徴とするインロー継式の釣竿。
【請求項3】
前記小径竿杆は、軸長方向に亘って巻回されるプリプレグシートによる本体層と、前記インローとの継合領域に巻回される補強シートによる補強層と、を備え、
前記開口内周面側は、インローの外周面に当接し、前記立ち上がり位置が形成される応力緩和シートと、前記本体層を保護し、前記本体層と応力緩和シートとの間に介在される保護シートが巻回されることを特徴とする請求項2に記載のインロー継式の釣竿。
【請求項4】
前記応力緩和シートは、前記本体層を構成するプリプレグシートの強化繊維よりも弾性率が低い繊維に合成樹脂を含侵したシートで構成されていることを特徴とする請求項1又は3に記載のインロー継式の釣竿。
【請求項5】
前記応力緩和シートは、織布で構成されていることを特徴とする請求項4に記載のインロー継式の釣竿。
【請求項6】
前記開口内周面は、開口縁から先端側に向けて一定の軸方向長さで縮径し、前記インローの外周面との間で前記微小隙間を有するように、小径竿杆の中心軸に対して傾斜する傾斜面を備えていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のインロー継式の釣竿。
【請求項7】
前記傾斜面は、前記小径竿杆の中心軸に対し、1°~3°の範囲内で傾斜し、前記一定の軸方向長さは、1mm~3mmの範囲内であることを特徴とする請求項6に記載のインロー継式の釣竿。
【請求項8】
前記小径竿杆の開口内周面には、少なくとも前記立ち上がり位置を含む領域に粗面部が形成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のインロー継式の釣竿。
【請求項9】
大径竿杆と小径竿杆を、並継式で連結する並継式の釣竿において、
前記大径竿杆の先端側には、前記小径竿杆の後端側の外周面が嵌入、固定されると共に、前記小径竿杆の外周面から立ち上がる立ち上がり位置を備え、前記小径竿杆の外周面との間で微小隙間を有する開口内周面が形成されており、
前記開口内周面の開口縁には、前記立ち上がり位置への異物の侵入を防止するリング状の被膜が形成されており、
前記大径竿杆は、軸長方向に亘って巻回されるプリプレグシートによる本体層と、前記小径竿杆との継合領域に巻回される補強シートによる補強層と、を備え、
前記開口内周面側は、小径竿杆の外周面に当接し、前記立ち上がり位置が形成される応力緩和シートと、前記本体層を保護し、前記本体層と応力緩和シートとの間に介在される保護シートが巻回されることを特徴とする並継式の釣竿。
【請求項10】
大径竿杆と小径竿杆を、並継式で連結する並継式の釣竿において、
前記大径竿杆の先端側には、前記小径竿杆の後端側の外周面が嵌入、固定されると共に、前記小径竿杆の外周面から立ち上がる立ち上がり位置を備え、前記小径竿杆の外周面との間で微小隙間を有する開口内周面が形成されており、
前記小径竿杆の外周面には、前記小径竿杆が嵌入された際、大径竿杆の開口内周面の開口縁と対向する位置に、前記立ち上がり位置への異物の侵入を防止するリング状の被膜が形成されており、
前記被膜は、小径竿杆の嵌入位置の目印としての機能を有することを特徴とする並継式の釣竿。
【請求項11】
前記大径竿杆は、軸長方向に亘って巻回されるプリプレグシートによる本体層と、前記小径竿杆との継合領域に巻回される補強シートによる補強層と、を備え、
前記開口内周面側は、小径竿杆の外周面に当接し、前記立ち上がり位置が形成される応力緩和シートと、前記本体層を保護し、前記本体層と応力緩和シートとの間に介在される保護シートが巻回されることを特徴とする請求項10に記載の並継式の釣竿。
【請求項12】
前記応力緩和シートは、前記本体層を構成するプリプレグシートの強化繊維よりも弾性率が低い繊維に合成樹脂を含侵したシートで構成されていることを特徴とする請求項9又は11に記載の並継式の釣竿。
【請求項13】
前記応力緩和シートは、織布で構成されていることを特徴とする請求項12に記載の並継式の釣竿。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の竿杆をインロー継構造、或いは、並継式で連結するインロー継式の釣竿及び並継式の釣竿に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数本の竿杆を有する釣竿として、例えば、特許文献1に開示されているような、大径竿杆の先端と小径竿杆の後端を、芯材(インローと称する)を介して着脱可能に連結するものが知られている。このような釣竿はインロー継式と称されており、一般的に、前記インローは、その先端側が大径竿杆の先端開口から突出した状態で、後端側が大径竿杆の先端部の内周面に接着、固定されており、突出した状態のインローに、小径竿杆の後端開口を圧入、嵌合することで、小径竿杆と大径竿杆を着脱可能に連結している。
【0003】
上記したインローの大径竿杆から突出する部分に小径竿杆を継合した際、小径竿杆の後端縁からインローの外周面に大きな応力が作用し、その剪断力で破損する恐れがある。これは、小径竿杆が撓んだ際、インローの外周面に対し、小径竿杆の後端縁(エッジ)が略直角状に当たってリング状の応力集中が生じるためである。そこで、特許文献2に開示されているように、小径竿杆の後端部の内周面を、後端側に向けて拡径するテーパ状にして応力分散空隙部を形成することが知られている。この応力分散空隙部内に軟質材を充填することで、インローの外周面に対する剪断応力を緩和したり、或いは、応力分散空隙部の肉厚を厚くすることで、剪断応力を緩和するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2003-250396号
【文献】実開平5-68270号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記インローには、大径竿杆の先端開口から突出している部分に、小径竿杆の後端開口が圧入され、その外周面のいずれかの位置で固定状態となり、小径竿杆と大径竿杆の連結が成される。この場合、小径竿杆と大径竿杆の間は、インローの外周面の一部が露出した状態となるが、複数の竿杆を有する構成では、各竿杆の間で露出するインローの長さが均一になっていることが好ましい。これは、露出しているインローの長さが統一されていないと、釣竿全体として撓み性が低下してしまうとともに、見栄えも低下するためである。
【0006】
上記した特許文献2に開示されているように、小径竿杆の後端部の内周面に応力分散空隙部を形成し、この内部に軟質材を充填する構成では、小径竿杆の挿脱時に抵抗が生じたり、軟質材が剥がれる等、小径竿杆の固定位置が安定しない。また、小径竿杆の後端部の内周面をテーパ状にすると、後端側が大きく開口してしまい、砂、埃、塩分等の異物が継合部分に侵入し易く、安定した嵌入、固定状態が得られない。さらに、実釣時において、魚が掛かって釣竿に大きな撓みが発生すると、インローの外周面には、テーパの立ち上がり部分で大きな圧力を受けてしまい、インローの外周面には、圧入した小径竿杆の固定位置(テーパの立ち上がり位置)でリング状に大きな応力集中が生じ、この位置でインローが破損し易いという問題も生じる。
【0007】
本発明は、上記した問題に着目してなされたものであり、インロー部分での応力集中を緩和して、インローに対して小径竿杆を安定して固定することが行なえるインロー継式の釣竿を提供することを目的とする。また、本発明は、小径竿杆と大径竿杆を並継式で連結する並継式の釣竿において、継合部分での応力集中を緩和して、大径竿杆に対して小径竿杆を安定して固定することが可能な並継式の釣竿を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した目的を達成するために、本発明は、大径竿杆と小径竿杆を、インローによって着脱可能に連結するインロー継式の釣竿において、前記小径竿杆の後端側には、前記インローの外周面に対して嵌入、固定されると共に、前記インローの外周面から立ち上がる立ち上がり位置を備え、前記インロー外周面との間で微小隙間を有する開口内周面が形成されており、前記開口内周面の開口縁には、前記立ち上がり位置への異物の侵入を防止するリング状の被膜が形成されている、ことを特徴とする。
【0009】
また、上記した目的を達成するために、本発明は、大径竿杆と小径竿杆を、インローによって着脱可能に連結するインロー継式の釣竿において、前記小径竿杆の後端側には、前記インローの外周面に対して嵌入、固定されると共に、前記インローの外周面から立ち上がる立ち上がり位置を備え、前記インロー外周面との間で微小隙間を有する開口内周面が形成されており、前記インローの外周面には、前記小径竿杆が嵌入された際、小径竿杆の開口内周面の開口縁と対向する位置に、前記立ち上がり位置への異物の侵入を防止するリング状の被膜が形成されている、ことを特徴とする。
【0010】
上記した構成のインロー継式の釣竿では、インローの外周面に対して、小径竿杆の後端側の開口が圧入されて、小径竿杆と大径竿杆の連結が成される。この場合、小径竿杆の後端側の開口内周面は、前記インローの外周面から立ち上がる立ち上がり位置を備えてインロー外周面との間に微小隙間を形成しているため、小径竿杆の後端縁から異物が侵入する可能性があるが、前記小径竿杆の開口内周面の開口縁、或いは、インローの外周面の、小径竿杆の開口内周面の開口縁と対向する位置に、リング状の被膜を形成したことで、そのような異物の侵入が防止され、小径竿杆とインロー外周面との固着が防止され、小径竿杆を安定して固定することが可能となる。
【0011】
また、小径竿杆の後端側の開口内周面に、インロー外周面との間で微小隙間を有する程度に立ち上がる立ち上がり位置を形成したことで、小径竿杆が撓んだ際のインロー外周面に対する当たり(応力集中)が緩和され、インロー部分での破損を防止することが可能となる。
【0012】
さらに、上記したような微小隙間及びリング状の被膜を有する継合構造については、並継式の釣竿にも適用することが可能である。並継式の釣竿では、小径竿杆の後端部を、大径竿杆の先端側の開口内周面に圧入、継合させる構造となるが、大径竿杆の先端側の開口内周面に立ち上がり位置を形成しておき、この部分に異物が侵入しないように、大径竿杆の開口内周面の開口縁にリング状の被膜を形成したり、或いは、小径竿杆の外周面の、大径竿杆の開口内周面の開口縁と対向する位置にリング状の被膜を形成すれば良い。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、インロー部分での応力集中を緩和して、インローに対して小径竿杆を安定して固定することが行なえるインロー継式の釣竿が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係るインロー継式釣竿の一実施形態を示す図。
図2図1に示す構成において、インロー継部分を拡大した縦方向断面図。
図3】4点曲げ試験の試験方法を模式的に示す図。
図4図3に示した試験による曲げ破壊強さの測定結果を示すグラフ。
図5】小径竿杆の構成と、小径竿杆を構成するプリプレグシート、補強シート等の配置態様例を示す図。
図6】(a)は、小径竿杆の後端縁側の積層構造を示す図、(b)は、(a)に示す積層構造を切削加工し、被膜を形成した図。
図7】インローの外周面に被膜を形成した変形例を示す図。
図8図7に示したインローによる継合構造を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本発明に係るインロー継式釣竿の一実施形態を示す図である。
本実施形態の釣竿1は、元竿杆10の先端側に順次着脱可能に連結される3本の竿杆(中竿杆20,30、及び、穂先竿杆40)を備えた4本継構造となっており、各竿杆の先端は、インロー80が嵌合固定された継構造(インロー継)を備えている。すなわち、元竿杆10の先端部12に固定されたインロー80には、中竿杆20の後端部21が嵌合固定され、中竿杆20の先端部22に固定されたインロー80には、中竿杆30の後端部31が嵌合固定され、中竿杆30の先端部32に固定されたインロー80には、穂先竿杆40の後端部41が嵌合固定される。このため、インロー80は、小径側の竿杆の後端部の開口の内周面が嵌入、固定できるように、各竿杆の先端部に対して、インローの先端側が露出するようにして嵌入、固定されている。
【0016】
本実施形態では、釣竿1は、全体として4本の継構造となっているが、継合本数については限定されることはなく、インロー80を介して、複数の竿杆が連結されて1本の釣竿を構築する。
以下の説明において、大径竿杆及び小径竿杆とは、インロー80を介して互いに連結(継合)される部分の竿杆の関係を意味する。このため、図1に示す中竿杆20は、中竿杆30との関係では、大径竿杆となり、元竿杆10との関係では、小径竿杆となる。
以下に説明する継合部の拡大図では、大径竿杆を中竿杆20で、小径竿杆を中竿杆30で示すこととする。すなわち、本実施形態のような4本継の釣竿では、各竿杆同士の継合構造が略同一であるため、代表的に中竿杆20と中竿杆30との間の継合関係を図示して説明する。また、先端(先端側)とは、図1で示すように、釣竿の穂先側を意味し、後端(後端側)とは、釣竿の竿尻側を意味する。
【0017】
本実施形態の釣竿1は、元竿杆10に対して、中竿杆20,30、及び、穂先竿杆40の長さが短い構成となっている。中竿杆20,30については、同一の長さであっても良く、穂先竿杆40は、中竿杆20,30よりも短い長さであっても良い。また、中竿杆20から穂先竿杆40まで、順次、短くなるように構成しても良い。前記各竿杆10,20,30,40は、管状の部材として構成されており、例えば、図3に示すように、強化繊維に合成樹脂を含浸したプリプレグシートを芯金に巻回し、加熱処理することで合成樹脂を硬化し、その後、脱芯することで管状に形成されている。この場合、各竿杆は、インローを介して継合される部分が管状に構成され、それ以外の部分に中実構造を備えていても良い。
【0018】
前記元竿杆10には、リールが装着されるリールシート10Aと、その前後にグリップ(フロントグリップ10B,リアグリップ10C)が設けられ、前記グリップ10B,10Cは、軽量化が図れると共に握り心地が良好な材料、例えば、EVA等の柔軟性を有する発泡材やコルク等によって形成されている。
【0019】
前記竿杆20,30,40には、それぞれリールシート10Aに固定されたリールから繰り出される釣糸を挿通させる釣糸ガイドが装着されている。具体的には、竿杆20には、1つの釣糸ガイド25が装着され、竿杆30には、2つの釣糸ガイド35が装着され、穂先竿杆40には、3つの釣糸ガイド45が装着されている。なお、穂先竿杆40には、先端に穂先ガイド46が装着されている。
【0020】
図2は、中竿杆20(以下、大径竿杆20と称する)と、中竿杆30(以下、小径竿杆30と称する)の継合領域を拡大して示す図である。
インロー80は、大径竿杆20の先端部22の開口側から圧入、固定されており、インロー80の後端側の外周面81が、大径竿杆20の先端部の開口の内周面22aに接着、固定されている。インロー80は、大径竿杆20の先端部22の開口縁22bから突出しており、その突出している先端側の外周面82に、小径竿杆30の後端部31の開口の内周面31aが圧入、固定される。この場合、小径竿杆30は、インロー80の長手方向の全体に亘って圧入されることはなく、小径竿杆30の後端部31の開口縁31bと、大径竿杆20の先端部22の開口縁22bとの間で、隙間lを介して圧入、固定状態となる。
なお、隙間lについては、全ての竿杆の継合部領域で存在しており、その隙間lの長さについては、全ての継合部分で略同一となるように形成されている。
【0021】
前記インロー80は、軽量化が図れる材料で形成されることが好ましく、例えば、炭素繊維に合成樹脂を含浸したプリプレグシートを焼成して管状(円筒状)に形成されたものを用いることができる。インロー80は、全長に亘って均一の外径を有していても良いし、先端に移行するに従い縮径するテーパ面(小径竿杆の後端部の開口を嵌入して、小径竿杆が固定されるテーパ面)を備えていても良い。また、インロー80は、中実状に形成されていても良いが、本実施形態のように、軽量化を図るために中空状に形成されていても良い。本実施形態のインロー80は、例えば、中心軸方向の長さLが50~150mm、内径d1が2~10mm、外径d2が3~15mm程度に形成されるが、これは、釣竿を構成する竿杆の太さ、継合部分によって適宜変更される。また、インローの外周面に上記したテーパ面を形成する場合、そのテーパ面は、小径竿杆との継合領域のみに形成しても良い。
【0022】
上記したようなインロー継式の釣竿では、実釣時に魚が掛かって釣竿全体が撓んだ際、インロー80の外周面の一部で応力集中が生じ、この部分に曲げ応力及び剪断応力が作用して、インロー80が破損する等の問題が生じる。これは、釣竿が撓んだ際、大径竿杆20の先端部22の開口縁22bのエッジ22b´、及び、小径竿杆30の後端部31の開口縁31bのエッジ31b´が、インロー80の外周面に対して、リング状に線当たりしていることが原因である。
【0023】
本実施形態では、後述するように、インローの外周面に対して隙間(微小な隙間)を介在するように、開口内周面31a,22aに、それぞれ傾斜面(テーパ面)22A,31Aが形成されており、エッジ22b´、及び、エッジ31b´は、外周面に対して直角状に線当たりさせず、内部の立ち上がり位置P1(傾斜面がインロー外周面から立ち上がる位置)で接触させて応力集中を緩和させるようにしている。すなわち、立ち上がり位置P1からの傾斜角度θ1を小さくすることで、インローの外周面に作用する応力を緩和するようにしている。
【0024】
ここで、傾斜面を形成することによる応力の緩和について説明する。なお、大径竿杆と小径竿杆の端部領域では、同一の現象が生じているため、ここでは小径竿杆側の傾斜面31Aについて説明する。
【0025】
図2で示すように、小径竿杆30の後端部31に、立ち上がり位置P1から後端側に向かって次第に拡径する傾斜面(後述する傾斜角度θ1によるテーパ面)31Aを形成することで、リング状に線当たりすることで発生する応力集中を緩和することが可能である。換言すれば、小径竿杆30の開口内周面には、開口縁31bから先端側に向けて、一定の軸方向長さL1で縮径し、インロー80の外周面82との間で隙間(微小隙間)を有するように、小径竿杆の中心軸Xに対して傾斜角度θ1で傾斜する傾斜面31Aが設けられている。前記傾斜面31Aは、インロー80の外周面82に対して、立ち上がり位置P1において僅かな傾斜角度θ1をもって当接していることから、実際に小径竿杆が撓んだ際、直角方向で当接している状態と比較すると、押圧力(剪断応力)が緩和される効果が得られる。
【0026】
この場合、小径竿杆30の後端部31に傾斜面31Aを形成することは、端部に移行するに従って薄肉厚化してしまい、強度が低下して口割れ等が生じる可能性があるため、傾斜面31Aを形成する軸方向長さL1について、あまり長くとることは適切ではない。せいぜい10mm以下にすることが適切であり、5mm以下、好ましくは、1mm~3mmの範囲であれば、上述した特許文献2のように、テーパ領域を厚肉化することなく、十分な強度を確保することが可能である。
【0027】
なお、図2に示す構成では、インロー80の外周面を軸方向に延びる略ストレート形状としているため、傾斜角度θ1については、インロー80の外周面に対する角度として示してあるが、実際には、小径竿杆の中心軸Xに対する傾斜角度を意味する。
【0028】
図2に示した傾斜角度θ1については、応力集中による破損を抑制する上では、重要なパラメータであり、あまり大き過ぎても意味を成さない(単に傾斜面を形成するだけでは立ち上がり位置P1でのエッジがきつくなってしまい、応力を効果的に緩和できない)ため、実際に、どの程度であれば応力集中による破損を抑制できるかについて、以下のような試験を実施した。
ここでは、JIS K7074に準拠した4点曲げ試験を実施し、図2に示した継合構造と同様、小径竿杆と大径竿杆がインローによって継ぎ合わされた試験片について、曲げ破壊強さを測定することで行なった。
【0029】
図3は、4点曲げ試験の概要を示す模式図である。
図3に示す小径竿杆130及び大径竿杆120は、いずれも炭素繊維に合成樹脂を含浸したプリプレグシートをマンドレルに巻回し、常法に従い、焼成、脱芯することで形成したものである。小径竿杆130の内径は8.09mm、大径竿杆120の内径は8.20mmであり、小径竿杆130の後端部131に、図2に示した構成と同様、後端側に向かって次第に拡径する傾斜面(傾斜角度θ1)を形成すると共に、大径竿杆120の先端部122にも、先端側に向かって次第に拡径する傾斜面(傾斜角度θ1)を形成した。この場合、傾斜面が形成される軸方向長さ(図2で示す軸方向長さL1)については、2mmに設定した。
【0030】
小径竿杆130は、前記傾斜角度θ1が異なるもの(0.1°、1.0°、1.2°、10°、15°、20°、30°)を7本準備し、大径竿杆120についても、小径竿杆と同様、前記傾斜角度θ1が異なるもの(0.1°、1.0°、1.2°、10°、15°、20°、30°)を7本準備し、同一の傾斜角度の小径竿杆と大径竿杆同士をインロー180で連結した。
【0031】
前記インロー180は、竿杆と同様、炭素繊維に合成樹脂を含浸したプリプレグシートをマンドレルに巻回し、常法に従い、焼成、脱芯することで形成したものである。インロー180の内径は3.0mm、先端側の外径は8.0mmであり、長さは120mmとした。この場合、インロー180の外径については、軸方向に亘って略ストレート状にし、インロー180に対して小径竿杆130を圧入した際、その中間位置付近で固定した。
【0032】
上記した試験片(小径竿杆と大径竿杆をインローで連結した7つの試験片)を設置する試験装置は、支点150同士の間隔Laを800mm、圧子160同士の間隔Lbを240mmとし、各試験片それぞれについて、速度50mm/分の条件で曲げ破壊強度を測定したところ、図4の測定結果が得られた。図4は、上記した4点曲げ試験によって測定された曲げ破壊強さをプロットしたグラフであり、横軸は各試験片の傾斜角度θ1を示し、縦軸は測定された曲げ破壊強さ(インロー180の曲げ破壊強さ)を示している。
【0033】
このグラフから、傾斜角度θ1を変えることで、インローの曲げ破壊強さが変化することが分かるが、上記したように、傾斜角度θ1については、10°を超えてしまうと曲げ破壊強さが低下して、15°付近からそれ以上の角度になっても略一定の水準になることが分かる。これは、傾斜角度θ1がある程度大きくなってしまうと、竿杆が撓んだ際に、立ち上がり位置P1での急激な角度変化(エッジ)によって、充分な応力緩和効果が期待できないことが原因であると思われる。
【0034】
上記したように、小径竿杆130の後端部131に形成される傾斜面の軸方向長さを2mmに設定した場合、曲げ破壊強さが強い傾斜角度θ1は、10°以下、好ましくは5°以下であり、更に好ましくは、点で囲んだ1°~3°の範囲内である。すなわち、傾斜角度θ1が10°を超えてしまうと、竿杆が撓んだ際、傾斜面の立ち上がり位置(図2においてP1で示す)で応力集中が発生する傾向が強くなり、破損する傾向が強くなるものと考えられる。また、1°以下に設定しても応力緩和することはできるものの、あまり小さくし過ぎてしまうと(0.1°以下)、今度は、後端部の開口縁のエッジ31b´(図2参照)が、インローの外周面に対して線当たりしてしまうと考えられ、これにより、破損する傾向が強くなると考えられる。
【0035】
このため、小径竿杆の開口内周面に形成される傾斜面31Aについては、小径竿杆の中心軸Xに対し、1°~3°の範囲内の傾斜角度θ1を有するようにし、軸方向長さL1については、1mm~3mmの範囲内で形成することで、小径竿杆30の開口部分が損傷することなく、効果的にインロー80の外周面に対する応力集中を緩和して、インローの破損を効果的に防止することができるものと考えられる。この場合、軸方向長さL1については、長くし過ぎると、上記したように、開口縁31bに割れ等が生じることから、開口縁31bでの肉厚をTとした場合、L1≦10T程度に収めることで、開口部分で破損し難くすることが可能である。
【0036】
なお、実際に多数の試験片で検証したところ、傾斜面の軸方向長さL1を2mmに設定した場合、傾斜角度θ1を略2°にすることで、インローの外周面に対する応力集中を緩和して破損等が少なかったという良好な結果が得られている。この場合、傾斜角度θ1については、全周に亘って略2°に形成しておく必要はなく、上記した10°以下の範囲、好ましくは1°~5°の範囲内にあれば、周方向に亘って多少のばらつきがあっても良い。また、そのような傾斜面については、全周に亘って形成する必要はなく、釣竿が撓んだ際、インローの外周面に対して押圧力が作用する一定の範囲内に形成しても良い。
【0037】
図5は、上記した小径竿杆の構成と、小径竿杆を構成するプリプレグシート、補強シート等の配置態様例を示す図、図6(a)は、小径竿杆の後端縁側の積層構造を示す図、図6(b)は、図6(a)に示す積層構造に対して傾斜角度θ1で切削加工した状態を示す図である。
【0038】
上述したように、小径竿杆30は、炭素繊維やガラス繊維などの強化繊維に、合成樹脂(エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリアミド、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂)を含浸したプリプレグシート300をマンドレル(芯金)Mに巻回し、加熱処理することで成形されている。この場合、プリプレグシート300は、小径竿杆30を軸長方向に亘って構成(本体層を構成)する本体シート301と、インロー80が配設される継合領域を補強する補強シート303と、インロー80の外周面に当接する応力緩和シート305とを備えている。なお、本実施形態では、上記したように、後端側に傾斜面31Aが形成される構造となっており、この傾斜面31Aは、テーパーリーマ等の切削工具によって容易に切削、形成できることから、応力緩和シート305と本体シート301との間に、本体保護シート307を配設しておくことが好ましい。
【0039】
前記本体シート301は、炭素繊維等の強化繊維が軸長方向に指向された軸長方向シート301aと、同様な強化繊維が周方向に指向された周方向シート301bとを備えており、これらのシートが重合されてマンドレルMに巻回される。各シート301a,301bはマンドレルに対して3巻回されるが、その巻回数については限定されることはない。また、本体層を構成する本体シート301については、強化繊維が斜め方向に指向した斜向シートを配設したり、強化繊維や合成樹脂の種類、目付け、樹脂含侵量、肉厚等、シートの構成や配設態様については、限定されることはない。
【0040】
継合部を補強する補強シート303は、本体シートの両側端部の最外周に巻回され、炭素繊維等の強化繊維が交差する(例えば、±45°で交差する)ように指向された斜向シート303a,303bを重ねたものを1巻回することで構成される。補強シート303は、先端部32においてインロー80が固定される部分、後端部31において大径竿杆のインロー80に嵌入される部分をそれぞれ補強するものであれば良く、強化繊維や合成樹脂の種類、目付け、樹脂含侵量、肉厚等、シートの構成や配設態様については、限定されることはない。
【0041】
前記応力緩和シート305は、インロー80の外周面に直接当接して押圧力を作用させる部位を構成することから、その強化繊維は、弾性率が低いもの(少なくとも本体層を構成する本体シートに用いられる強化繊維の弾性率以下のもの)を用いることが好ましく、例えば、本体シートに炭素繊維が用いられている場合、それよりも弾性率が低い繊維、例えばガラス繊維で構成される。このような弾性率が低い強化繊維は、インローの外周面に対する応力の緩和効果が得られるとともに、上記したような傾斜面31Aを切削などによって形成する場合、加工精度に優れるという特性を備えている。
【0042】
このため、応力緩和シート305は、少なくとも、上記した立ち上がり位置P1を含んでいれば良く、その軸長方向長さL2の範囲内に立ち上がり位置P1が形成される。この応力緩和シートに用いられる強化繊維については、巻回し易く、良好な応力緩和効果が得られるように織布状に編成(軸長方向に対して0°,90°)されたものを用いるのが好ましく、重量化しない程度の巻回数(例えば1巻回)となるように裁断されている。
【0043】
また、本実施形態では、応力緩和シート305が切削加工されることから、その加工時に本体シート301が削られないように、本体シート(本体層)301と応力緩和シート305との間に保護シート307が巻回されている。この保護シート307は、巻回し易いように、例えば、炭素繊維を軸長方向に引き揃えたものが用いられ、応力緩和シート305と同じ大きさに裁断されている。
【0044】
したがって、図6(a)に示す積層状態で、内面の応力緩和シート305を切削して傾斜面31Aを形成すると、図6(b)に示すように、保護シート307によって本体シート301が切削されることが防止され、端縁部における強度が低下することはなく、割れ等を効果的に防止することが可能となる。
【0045】
また、本実施形態では、径竿杆30の後端側の開口内周面31aに、インロー80の外周面から立ち上がる立ち上がり位置P1から後端側に微小隙間Sを形成しているため、小径竿杆の後端縁から異物が侵入する可能性がある。このため、小径竿杆30の開口内周面の開口縁側に、リング状の被膜50を形成しておくことが好ましい。このような被膜50は、傾斜面31Aを切削加工した後、樹脂等による塗装で形成することが可能であり、このような被膜50を形成することで、継合領域、特に、立ち上がり位置P1に異物が侵入することが防止され、小径竿杆とインロー外周面が固着することなく、小径竿杆を安定して固定することが可能となる。また、異物が侵入し難くなることから、応力緩和シート305の強化繊維として、弾性率が低い素材(例えば、水分を吸収し易いポリエステル系の繊維)を用いることが可能となり、これにより、傾斜面を形成するにあたってより高精度に加工することが可能になるとともに、インロー外周面に対する応力緩和効果をより高めることが可能となる。
【0046】
なお、上記した構成では、被膜50を小径竿杆に形成したが、図7に示すように、インロー80の外周面の、小径竿杆の開口内周面の開口縁と対向する位置に形成しても良い。このような構成では、被膜50に色彩を付しておくことで、図8に示すように、小径竿杆30をインローに嵌入する際の目印にすることができ、釣竿全体として、インロー80の露出範囲lを略均等にすることが可能となる。また、被膜50については、立ち上がり位置P1付近に異物が侵入し難い構成であれば良く、その肉厚や、軸方向長さについては、適宜変形することが可能である。
【0047】
上記した構成では、小径竿杆30の開口内周面に、立ち上がり位置P1から立ち上がる傾斜面31Aによりインロー外周面との間に微小隙間を形成して、インロー外周面に対する応力を緩和するようにしているが、立ち上がり位置P1を含む領域(継合領域)に粗面部を形成しておくことが好ましい。
このような粗面部を形成しておくことで、小径竿杆が撓んだ際、インロー80の外周面に対して作用する押圧力を緩和して応力集中を弱めることが可能となる。また、立ち上がり位置P1付近に粗面部を形成することで、小径竿杆30をインロー80に嵌入する際、その固定される領域で、粗面部が変形するため、しっくりとした位置決めをすることが可能となり、正確な位置決めをすることが可能となる。
【0048】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されることはなく、種々変形することが可能である。
本発明は、小径竿杆の開口内周面に立ち上がり位置P1を形成し、それよりも後端側に微小隙間が形成されるものであれば良く、後端側に向けて次第に拡径する傾斜面ではなく、ストレート状や湾曲状に延びる内周面形状であっても良い。また、本実施形態で示した傾斜面31Aは、後端部に向けて次第に拡径する単一の面で構成したが、複数の面で構成されていても良く、上記のようなストレート状に延びる面や湾曲面を含んでいても良い。また、立ち上がり位置P1については、小径竿杆の内周面に複数個所、存在していても良い。
【0049】
また、上記したような傾斜面31Aは、小径竿杆を例示して説明したが、大径竿杆30の先端部32の開口内面にも同様に形成しておくことが好ましい。さらに、上記した応力集中を緩和させる構成については、並継式の継合部分に適用することも可能である。
すなわち、並継式の釣竿では、小径竿杆の後端部を、大径竿杆の先端側の開口内周面に圧入、嵌合させる構造となるが、大径竿杆の先端側の開口内周面に、上記した実施形態と同様の立ち上がり位置を形成しておくと共に、前記開口内周面は、小径竿杆の外周面との間で微小隙間を有するように構成しておけば良い。
【0050】
そして、このような構成においても、大径竿杆の前記開口内周面の開口縁に、前記立ち上がり位置への異物の侵入を防止するように、リング状の被膜を形成しておけば良い。或いは、小径竿杆の外周面に、前記小径竿杆が嵌入された際、大径竿杆の開口内周面の開口縁と対向する位置に、前記立ち上がり位置への異物の侵入を防止するように、リング状の被膜を形成しておけば良い。小径竿杆の外周面にリング状の被膜を形成する場合、図8に示した構成と同様、小径竿杆の嵌入位置の目印として機能させることが可能である。
【0051】
なお、並継式の釣竿においても、図5に示したプリプレグシートの配設態様と同様な構成で大径竿杆を形成することが可能である(リング状の被膜については形成しない構成であっても良い)。すなわち、並継式の釣竿において、図5に示した小径竿杆30を大径竿杆とした場合、その大径竿杆は、軸長方向に亘って巻回されるプリプレグシートによる本体層(本体シート301)と、小径竿杆との継合領域に巻回される補強シート303による補強層とを備えた構成とすることができ、図5の先端側(図中左側)が開口内周面側となる。この開口内周面には、嵌入される小径竿杆の外周面に当接し、前記立ち上がり位置が形成される応力緩和シート305と、本体シート301による本体層を保護し、本体層と応力緩和シート305との間に介在される保護シート307が巻回される。
【0052】
このような構成において、前記応力緩和シート305は、本体層を構成するプリプレグシート(本体シート301)の強化繊維よりも弾性率が低い繊維に合成樹脂を含侵したシートで構成することが好ましく、更に、そのような応力緩和シートは、織布で構成しておくことが好ましい。
このような構成においても、上記したインロー継式の釣竿と同様、継合領域において、小径竿杆に対する応力を緩和することが可能となる。
【符号の説明】
【0053】
1 釣竿
10 元竿杆
20,30 中竿杆
31A 傾斜面
40 穂先竿杆
50 リング状の被膜
80 インロー
P1 立ち上がり位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8